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特許7485638端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラム
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  • 特許-端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラム 図1
  • 特許-端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラム 図2
  • 特許-端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラム 図3
  • 特許-端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラム 図4
  • 特許-端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラム 図5
  • 特許-端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラム 図6
  • 特許-端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラム 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240509BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240509BHJP
   G16Y 10/45 20200101ALI20240509BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20240509BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20240509BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240509BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240509BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q30/0207 350
G16Y10/45
G16Y20/10
G16Y20/40
G16Y40/20
G16Y40/30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021101918
(22)【出願日】2021-06-18
(65)【公開番号】P2023000857
(43)【公開日】2023-01-04
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】友成 愛
(72)【発明者】
【氏名】西 磨翁
(72)【発明者】
【氏名】大島 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 篤慎
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 崇史
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-27397(JP,A)
【文献】特開2016-110631(JP,A)
【文献】特開2008-32472(JP,A)
【文献】特開2020-201906(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112016693(CN,A)
【文献】国際公開第2014/207938(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109345302(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06N 20/00
G16Y 10/45
G16Y 20/10
G16Y 20/40
G16Y 40/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示部と、
端末装置のセンサにより検知された、ユーザの位置または状況に係るセンサ情報と当該ユーザよる当該端末装置に対する操作情報と入力すると、当該端末装置を所持する当該ユーザの状況を示すユーザコンテキストを出力するように学習された学習モデル、および、当該ユーザの商品購入に関連する情報である商品関連情報を記憶する記憶部と、
前記センサにより検知されたセンサ情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得されたセンサ情報と前記ユーザによる前記端末装置に対する操作情報、および、前記学習モデルに基づいて、前記ユーザコンテキストを推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記ユーザコンテキストに基づいて、前記ユーザコンテキストに応じた前記商品関連情報を表示するか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記商品関連情報を表示すると判定された場合、前記商品関連情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える端末装置。
【請求項2】
前記商品関連情報は、商品を取り扱っている店の広告情報および/または前記商品のクーポン情報であり、
前記推定部は、前記ユーザコンテキストとして少なくとも前記ユーザの位置を推定し、
前記判定部は、前記推定部によって推定された前記ユーザの位置が前記店に関連付けられた領域内である場合に、前記広告情報および/または前記クーポン情報を表示すると判定する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記商品関連情報は、ガソリンスタンドの名称および位置を含む情報であるガソリンスタンド情報であり、
前記推定部は、前記ユーザコンテキストとして少なくとも前記ユーザの位置、および、前記ユーザが自家用車に搭乗していることを推定し、
前記判定部は、前記ユーザが前回の給油から自家用車に搭乗している時間長および/または走行距離に基づいて、最寄りの前記ガソリンスタンド情報を表示するか否かを判定する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
情報を表示する表示部と、端末装置のセンサにより検知された、ユーザの位置または状況に係るセンサ情報と当該ユーザよる当該端末装置に対する操作情報と入力すると、当該端末装置を所持する当該ユーザの状況を示すユーザコンテキストを出力するように学習された学習モデル、および、当該ユーザの商品購入に関連する情報である商品関連情報を記憶する記憶部と、を備える端末装置が実行する制御方法であって、
前記センサにより検知されたセンサ情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得されたセンサ情報と前記ユーザによる前記端末装置に対する操作情報、および、前記学習モデルに基づいて、前記ユーザコンテキストを推定する推定工程と、
前記推定工程によって推定された前記ユーザコンテキストに基づいて、前記ユーザコンテキストに応じた前記商品関連情報を表示するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程によって前記商品関連情報を表示すると判定された場合、前記商品関連情報を前記表示部に表示させる表示制御工程と、
を含むことを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項5】
情報を表示する表示部と、端末装置のセンサにより検知された、ユーザの位置または状況に係るセンサ情報と当該ユーザよる当該端末装置に対する操作情報と入力すると、当該端末装置を所持する当該ユーザの状況を示すユーザコンテキストを出力するように学習された学習モデル、および、当該ユーザの商品購入に関連する情報である商品関連情報を記憶する記憶部と、を備える端末装置であるコンピュータに、
前記センサにより検知されたセンサ情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得されたセンサ情報と前記ユーザによる前記端末装置に対する操作情報、および、前記学習モデルに基づいて、前記ユーザコンテキストを推定する推定手順と、
前記推定手順によって推定された前記ユーザコンテキストに基づいて、前記ユーザコンテキストに応じた前記商品関連情報を表示するか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順によって前記商品関連情報を表示すると判定された場合、前記商品関連情報を前記表示部に表示させる表示制御手順と、
を実行させるための端末装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、ユーザが所持している端末装置(スマートフォン等)に対して、サーバ側からユーザの状況を示すユーザコンテキストに基づいて各種クーポンを配信する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-201906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、個人情報の保護が重要視されており、上述の従来技術では、サーバ側で取得できる端末装置の情報に制限がかかる場合があるので、改善の余地がある。
【0005】
そこで、本願は、上記事情に鑑みてなされたものであって、スタンドアロンでクーポン等の商品関連情報を適切に表示することができる端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る端末装置は、表示部と、記憶部と、取得部と、推定部と、判定部と、表示制御部と、を備える。表示部は、情報を表示する。記憶部は、端末装置のセンサにより検知されたセンサ情報に基づいて前記端末装置を所持するユーザの状況を示すユーザコンテキストを推定する学習モデル、および、前記ユーザの商品購入に関連する情報である商品関連情報を記憶する。取得部は、前記センサにより検知されたセンサ情報を取得する。推定部は、前記取得部により取得された前記センサ情報、および、前記学習モデルに基づいて、前記ユーザコンテキストを推定する。判定部は、前記推定部によって推定された前記ユーザコンテキストに基づいて、前記ユーザコンテキストに応じた前記商品関連情報を表示するか否かを判定する。表示制御部は、前記判定部によって前記商品関連情報を表示すると判定された場合、前記商品関連情報を前記表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、端末装置がスタンドアロンでクーポン等の商品関連情報を適切に表示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る端末装置の制御処理の一例の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る制御システムの一例を示す図である。
図3図3は、端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係るクーポン情報の一例を示す図である。
図5図5は、端末装置の画面表示例を模式的に示す図である。
図6図6は、実施形態に係る端末装置によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る端末装置、端末装置の制御方法、および、端末装置の制御プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔端末装置の制御処理の概要〕
まず、図1を参照して、本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図1は、実施形態に係る端末装置の制御処理の一例の概要を示す図である。端末装置の制御処理は、実施形態に係る端末装置1が制御方法を実行することで行われる処理である。
【0011】
図1では、ユーザが端末装置1を所持している状況を示している。実施形態に係る端末装置1は、まず、端末装置1に備えられているセンサにより検知されたセンサ情報を取得する(ステップS1)。センサ情報とは、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、照度センサなどにより検知された情報である。
【0012】
次に、端末装置1は、センサ情報、および、学習モデルに基づいて、ユーザコンテキストを推定する(ステップS2)。ユーザコンテキストとは、ユーザの状況を示す情報であり、どのような情報を含んでもよい。ユーザコンテキストは、ユーザの行動や状態や属性などを示す情報を含んでもよい。例えば、ユーザコンテキストは、止まっている、歩いている、走っている、自転車に乗っている、電車に乗っている、自動車に乗っているなどの種別を示す情報を含んでもよい。
【0013】
また、例えば、ユーザコンテキストは、ユーザと同行する他のユーザの有無を示す同行者情報を含んでもよい。また、例えば、ユーザコンテキストは、日時情報を含んでもよい。また、例えば、ユーザコンテキストは、ユーザの生活圏とユーザの位置との位置関係情報を含んでもよい。また、例えば、ユーザコンテキストは、ユーザの決済に関する行動情報を含んでもよい。
【0014】
ステップS2の後、端末装置1は、ユーザコンテキストに基づいて、ユーザコンテキストに応じた商品関連情報を表示するか否かを判定する(ステップS3)。商品関連情報とは、ユーザの商品(サービスも含む。以下同様)購入に関連する情報である。例えば、商品関連情報は、クーポン、広告、ガソリンスタンド情報などである。
【0015】
クーポンとは、所定の条件下で利用可能な割引券、優待券、および、それらに類するものである。クーポンの対象は、物理的な空間上の制限がある対象(例えば、スーパーマーケット、喫茶店、テーマパーク、映画館、複合商業施設、イベント会場など)であってもよいし、あるいは、物理的な空間上の制限のない対象(例えば、インターネット上のショッピングサイト、通販サイト、電子商店街、オークションサイトなど)であってもよい。
【0016】
広告とは、商品に関する広告である。例えば、広告は、スーパーマーケットの特売品に関する広告である。また、ガソリンスタンド情報とは、ガソリンスタンドの名称および位置を含む情報である。
【0017】
ステップS3において、例えば、ユーザコンテキストとして推定されたユーザの位置が、ユーザのよく行くと推定される店(例えばスーパーマーケット、喫茶店など)に関連付けられた領域(店やその近傍など)内である場合に、端末装置1は、商品関連情報として広告やクーポンを表示すると判定する。
【0018】
ステップS3でYesの場合、端末装置1は、広告やクーポンを表示する(ステップS4)。
【0019】
このように、実施形態に係る端末装置1によれば、センサ情報および学習モデルに基づいてユーザコンテキストを推定し、そのユーザコンテキストに応じた商品関連情報を表示することで、スタンドアロンで商品関連情報を適切に表示することができる。以下、このような制御処理を行う端末装置1について詳細に説明する。
【0020】
〔制御システム〕
次に、図2を参照して、端末装置1を含む制御システムの構成例について説明する。
【0021】
〔制御システムの構成要素〕
図2は、実施形態に係る制御システムSの一例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る制御システムSは、端末装置1と、サーバ装置100とを含む。制御システムSにおいて、端末装置1と、サーバ装置100とはネットワークNを介して接続される。
【0022】
ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等の通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。なお、図2では、1台のサーバ装置100を示したが、制御システムSには、複数台のサーバ装置100が含まれてもよい。
【0023】
端末装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット装置等のユーザ端末である。端末装置1は、ユーザの操作に従って、サーバ装置100と通信し、情報の送受信を行う。
【0024】
サーバ装置100は、端末装置1に対して各種情報を提供する。例えば、サーバ装置100は、端末装置1に対して、商品関連情報(クーポン、広告、ガソリンスタンド情報など)を提供する。また、サーバ装置100は、端末装置1に対して、学習モデルに関する情報を提供する。サーバ装置100は、例えば、各種アプリ(例えば、ポータルアプリ、ニュースアプリ、オークションアプリ、天気予報アプリ、ショッピングアプリ、ファイナンス(株価)アプリ、路線検索アプリ、地図提供アプリ、旅行アプリ、飲食店紹介アプリ、ブログ閲覧アプリ等)のデータそのものを配信するサーバであってもよいし、あるいは、ポータルサイト等のウェブページを配信するサーバであってもよい。
【0025】
〔端末装置の構成〕
次に、図3を用いて、端末装置1の構成例について説明する。図3は、端末装置1の機能構成例を示すブロック図である。図3に示されるように、端末装置1は、通信部2と、記憶部3と、制御部4と、センサ5と、表示部6と、を有する。
【0026】
センサ5は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、照度センサなどである。加速度センサは、端末装置1の加速度を検出するセンサである。ジャイロセンサは、端末装置1の傾きや回転等の姿勢を検出するセンサである。地磁気センサは、地磁気を検出するセンサである。照度センサは、端末装置1の周囲の明暗を示す照度を検出するセンサである。
【0027】
表示部6は、例えば、液晶ディスプレイであり、制御部4の制御に従って各種情報を表示することができる。なお、表示部6は、タッチパネル機能を有してもよい。
【0028】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。通信部2は、サーバ装置100に、ネットワークNを介して、通信可能に接続され、サーバ装置100との間で、情報の送受信を行うことができる。
【0029】
記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子等の記憶装置によって実現され、各種情報を記憶する。図3に示されるように、記憶部3は、例えば、商品関連情報31、学習モデル32、判定条件33を記憶する。
【0030】
商品関連情報31は、ユーザの商品購入に関連する情報である。例えば、商品関連情報31は、クーポン、広告、ガソリンスタンド情報などである。以下、代表して、クーポンに関する情報であるクーポン情報の例について説明する。
【0031】
ここで、図4は、実施形態に係るクーポン情報の一例を示す図である。クーポン情報は、クーポンID(Identifier)、対象、内容などの項目を有する。
【0032】
クーポンIDは、複数のクーポンの各々を識別するための識別情報である。対象は、クーポンの対象を示す。図4の例では、例えば、クーポンIDがCP1のクーポンの対象が、店舗SP1により識別される店舗であることを示す。
【0033】
内容は、クーポンの内容を示す。図4の例では、例えば、クーポンIDがCP1のクーポンの内容が、10%割引であることを示す。
【0034】
なお、クーポンは、図4に示す例に限らず、どのようなクーポンであってもよい。すなわち、クーポンは、10%割引や200円引きや1品プレゼントといった内容のクーポンに限らず、どのような内容のクーポンであってもよい。
【0035】
図3に戻って、学習モデル32は、後述する推定部43によって用いられる情報であって、センサ5により検知されたセンサ情報に基づいて端末装置1を所持するユーザの状況を示すユーザコンテキストを推定する学習モデルである。なお、学習モデル32に入力される情報は、センサ5により検知されたセンサ情報に限定されず、ほかに、ユーザによる端末装置1に対する操作情報などが併せて用いられてもよい。
【0036】
判定条件33は、後述する判定部44によって用いられる情報であって、例えば、時間的な条件や空間的な条件などである。
【0037】
制御部4は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、記憶部3に記憶されている各種プログラム(制御プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部4は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0038】
制御部4は、図3に示されるように、取得部41と、学習処理部42と、推定部43と、判定部44と、表示制御部45と、を有し、以下に説明する制御処理の機能や作用を実現又は実行する。また、制御部4は、図1を参照して上述した制御処理を実現することができる。端末装置1の1つまたは複数のプロセッサは、端末装置1の1つまたは複数のメモリに記憶された命令を実行することによって、制御部4内の各機能を実現することができる。なお、制御部4の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する制御処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。例えば、取得部41は、取得部41以外の部に関して後述する制御処理の全部または一部を行ってもよい。
【0039】
取得部41は、各種情報を取得する。取得部41は、例えば、センサ5により検知されたセンサ情報を取得する。
【0040】
学習処理部42は、機械学習(例えば、ディープニューラルネットワークを利用したディープラーニング(深層学習))やデータマイニングなどによって、学習モデル32を生成する。
【0041】
推定部43は、取得部41により取得されたセンサ情報、および、学習モデル32に基づいて、ユーザコンテキストを推定する。
【0042】
判定部44は、推定部43によって推定されたユーザコンテキストおよび判定条件33に基づいて、ユーザコンテキストに応じた商品関連情報31を表示するか否かを判定する。
【0043】
表示制御部45は、判定部44によって商品関連情報31を表示すると判定された場合、商品関連情報31を表示部6に表示させる。
【0044】
また、商品関連情報31は、具体的には、例えば、商品を取り扱っている店の広告情報および/または商品のクーポン情報である。その場合、推定部43は、ユーザコンテキストとして少なくともユーザの位置を推定する。そして、判定部44は、推定部43によって推定されたユーザの位置が店に関連付けられた領域内である場合に、広告情報および/またはクーポン情報を表示すると判定する。
【0045】
また、商品関連情報31は、具体的には、例えば、ガソリンスタンドの名称および位置を含む情報であるガソリンスタンド情報である。その場合、推定部43は、ユーザコンテキストとして少なくともユーザの位置、および、ユーザが自家用車に搭乗していることを推定する。そして、判定部44は、ユーザが前回の給油から自家用車に搭乗している時間長および/または走行距離に基づいて、最寄りのガソリンスタンド情報を表示するか否かを判定する。
【0046】
ここで、図5は、端末装置1の画面表示例を模式的に示す図である。図5の画面表示例は、図4に対応している。図5に示すように、端末装置1(表示部6)において、店舗SP1により識別される店舗についての10%割引クーポンが表示されている。このような表示は、例えば、ユーザが、よく行く店舗に近づいたときに行われる。また、クーポンと同様に、広告やガソリンスタンド情報についても、端末装置1において表示を行うことができる。
【0047】
〔処理フロー〕
次に、図6を参照して、実施形態に係る端末装置1による処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る端末装置1によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図6に示すように、取得部41は、センサ5により検知されたセンサ情報を取得する(ステップS1)。次に、推定部43は、ステップS1で取得されたセンサ情報、および、学習モデル32に基づいて、ユーザコンテキストを推定する(ステップS2)。
【0049】
次に、判定部44は、ステップS2で推定されたユーザコンテキストおよび判定条件33に基づいて、ユーザコンテキストに応じた商品関連情報31を表示するか否かを判定し(ステップS3)、Yesの場合はステップS4に進み、Noの場合は処理を終了する。ステップS4において、表示制御部45は、商品関連情報31を表示部6に表示させる(図5)。
【0050】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る端末装置1は、例えば、図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図7は、端末装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0051】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0052】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0053】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0054】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0055】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0056】
例えば、コンピュータ1000が端末装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部4の機能を実現する。
【0057】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る端末装置1は、表示部6と、記憶部3と、取得部41と、推定部43と、判定部44と、表示制御部45と、を備える。表示部6は、情報を表示する。記憶部3は、端末装置1のセンサ5により検知されたセンサ情報に基づいて端末装置1を所持するユーザの状況を示すユーザコンテキストを推定する学習モデル32、および、ユーザの商品購入に関連する情報である商品関連情報31を記憶する。取得部41は、センサ5により検知されたセンサ情報を取得する。推定部43は、取得部41により取得されたセンサ情報、および、学習モデル32に基づいて、ユーザコンテキストを推定する。判定部44は、推定部43によって推定されたユーザコンテキストに基づいて、ユーザコンテキストに応じた商品関連情報31を表示するか否かを判定する。表示制御部45は、判定部44によって商品関連情報31を表示すると判定された場合、商品関連情報31を表示部6に表示させる。
【0058】
これにより、実施形態に係る端末装置1は、センサ情報および学習モデル32に基づいてユーザコンテキストを推定し、そのユーザコンテキストに応じた商品関連情報を表示することで、スタンドアロンで商品関連情報を適切に表示することができる。したがって、サーバ側から端末装置に各種クーポンを配信する従来技術と比較して、個人情報の保護や情報セキュリティの観点で有利である。また、端末装置1がスタンドアロンで動作するので、Wi-Fi(登録商標)やLTE(Long Term Evolution)などの電波状況が悪くても支障なく動作できる。
【0059】
また、商品関連情報31は、例えば、商品を取り扱っている店の広告情報および/または商品のクーポン情報である。その場合、推定部43は、ユーザコンテキストとして少なくともユーザの位置を推定する。そして、判定部44は、推定部43によって推定されたユーザの位置が店に関連付けられた領域内である場合に、広告情報および/またはクーポン情報を表示すると判定する。
【0060】
これにより、ユーザが所定の店(例えば、行きつけの店)に近づいたときにその店の広告情報やクーポン情報が端末装置1に表示されるので、ユーザにとって利便性が高い。
【0061】
また、商品関連情報31は、例えば、ガソリンスタンドの名称および位置を含む情報であるガソリンスタンド情報である。その場合、推定部43は、ユーザコンテキストとして少なくともユーザの位置、および、ユーザが自家用車に搭乗していることを推定する。そして、判定部44は、ユーザが前回の給油から自家用車に搭乗している時間長および/または走行距離に基づいて、最寄りのガソリンスタンド情報を表示するか否かを判定する。
【0062】
これにより、ユーザが自家用車に乗っていてガソリンがなくなりそうになったときに端末装置1に最寄りのガソリンスタンド情報が表示されるので、ユーザにとって利便性が高い。
【0063】
なお、本発明は、上述の内容に限定されない。例えば、端末装置1の操作状況に応じて、商品関連情報を端末装置1に表示させるタイミングを決定してもよい。具体的には、例えば、ユーザが店で端末装置1を操作しているタイミングでその店の商品関連情報31を表示させてもよい。
【0064】
また、例えば、ある店で毎週同じ曜日に買い物をしていると推定されるユーザの端末装置1であれば、その曜日の朝の起床直後のタイミングで、その店の広告やクーポンの情報を端末装置1に表示させてもよい。
【0065】
また、ユーザが使用期限付きの株主優待券を所持している場合、その株主優待券を使用可能な場面やタイミングで端末装置1に使用を促す表示をしてもよい。
【0066】
また、Bluetooth(登録商標)の情報を用いて、施設内でのユーザの位置をビーコンなどによって特定し、その位置に応じた商品関連情報31を端末装置1に表示させてもよい。
【0067】
また、ユーザが端末装置1でレシピを見ている場合に、そのレシピで使う食材のクーポンや広告を端末装置1に表示させてもよい。
【0068】
また、センサ5としての地磁気センサにより検知された方向の情報を端末装置1での学習や推定に用いてもよい。
【0069】
また、商品関連情報がクーポンの場合、例えば、サーバ装置100から端末装置1に対して、クーポンと学習モデルとがセットで配信される。その場合、例えば、クーポンを端末装置1に表示させるためのコンテキスト(ユーザコンテキスト)として事業主が指定したコンテキストの有無を推定する学習モデルが、クーポンと共に配信される。
【0070】
また、複数のクーポンと、複数のコンテキストを推定可能な1つの学習モデルと、の組を配信してもよい。この場合、例えば、配信されたクーポンのうち、学習モデルが推定したコンテキストと対応するクーポンが端末装置1に表示される。
【0071】
また、学習モデルは複数であってもよい。例えば、複数の学習モデルにより推定されたコンテキストの組合せが所定の条件を満たす場合に、クーポンを端末装置1に表示するようにしてもよい。
【0072】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0073】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0074】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0075】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0076】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部4は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 端末装置
2 通信部
3 記憶部
4 制御部
5 センサ
6 表示部
31 商品関連情報
32 学習モデル
33 判定条件
41 取得部
42 学習処理部
43 推定部
44 判定部
45 表示制御部
100 サーバ装置
N ネットワーク
S 制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7