(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】交換可能なハンドルを有する伸縮浮動ハンドルアセンブリと、現場でのバックラップと、牽引作動棒と、交換可能なリール式刈り込みユニットとを有する歩行型リール式芝刈り機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/46 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
A01D34/46
(21)【出願番号】P 2021523600
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(86)【国際出願番号】 US2019059796
(87)【国際公開番号】W WO2020097030
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-10-31
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】394020941
【氏名又は名称】ザ トロ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ゴマン, ジェラルド, イー.
(72)【発明者】
【氏名】パトン, ロバート, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シレック, ニコラス, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ラングワーシー, トーマス, エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ポメレニング, ジェラード, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ファンカッチ, ジョセフ, ダブリュー.
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-530329(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104303690(CN,A)
【文献】特開2008-131895(JP,A)
【文献】国際公開第2017/066396(WO,A1)
【文献】特開平08-051842(JP,A)
【文献】特開2007-289123(JP,A)
【文献】特開2005-328835(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0257964(US,A1)
【文献】特開2018-105497(JP,A)
【文献】特表2011-519403(JP,A)
【文献】特開2001-000025(JP,A)
【文献】特開2000-060259(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0205735(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00 -34/01
A01D 34/412-34/90
A01D 42/00 -42/08
A01D 43/06 -43/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行型リール式芝刈り機であって、
(a)原動機を搭載する牽引フレームであって、地面上で前記牽引フレームを自走させるために前記原動機によって動作可能に動力供給される少なくとも1つの地面係合駆動部材を担持する、牽引フレームと、
(b)実質的に水平な軸を中心に回転し、草を刈るためにベッドナイフに前記草を押し付けるように前記原動機によって動作可能に動力供給される回転可能な刈り込みリールと、
(c)前記牽引フレームから後方および上方に延在するハンドルアセンブリであって、前記牽引フレームに動作可能に結合された下方支持体と、前記芝刈り機を誘導し操作するために前記芝刈り機の動作中にユーザによって把持されるハンドルを担持する上側マウントと、を備え、前記上側マウントは、前記芝刈り機を動作させながら前記牽引フレームの後方の地面を歩行する、異なる身長のユーザに適するように地面に対して前記ハンドルの高さを調整するために、地面に対して前記ハンドルを上昇または下降させるように前記下方支持体に対して
摺動可能に移動可能である、ハンドルアセンブリと、
(d)前記ハンドルアセンブリに担持され、複数の位置のうちの1つにおいて前記下方支持体と前記上側マウントとの間に係合するラッチであって、前記ラッチは、枢動軸を中心に枢動し、前記下方支持体が前記上側マウントに対して前記複数の位置のうちの前記1つを維持するように付勢され、前記ラッチは、前記ユーザが前記ラッチを把持し、前記ラッチを前記付勢に抗して回転させる方向に前記ラッチを引っ張って前記ラッチを係合解除することを可能にするために、前記ユーザの片手のいくつかの指の少なくとも外側部分によって接触されるようなサイズの把持領域を有する、ラッチと、
(e)前記ハンドルアセンブリに担持され、前記ラッチから離間した把持部材であって、前記把持部材の少なくとも一部は、前記ラッチの前記枢動軸に平行であり、前記把持部材は、前記ユーザが前記ユーザの片手の前記いくつかの指の前記少なくとも外側部分で前記ラッチの前記把持領域を把持するときに、前記ユーザが前記ユーザの片手の一部で前記把持部材を係合することができるように、十分に前記ラッチに近い、把持部材と、を備える歩行型リール式芝刈り機。
【請求項2】
前記上側マウントは、前記上側マウントを前記下方支持体上の
前記複数の位置のうちの1つに保持するように、前記下方支持体に係合する
前記ラッチを担持し、前記ラッチは、前記ラッチが前記下方支持体に向かって付勢された状態で前記上側マウント上の
前記枢動軸を中心に枢動する、請求項1に記載の歩行型リール式芝刈り機。
【請求項3】
前記ラッチは、前記ラッチが前記下方支持体を係合解除するために前記ユーザによって十分に引っ張られたときに前記上側マウントに当接するストッパを含む、請求項
1に記載の歩行型リール式芝刈り機。
【請求項4】
前記把持部材
は前記上側マウントに担持されている、請求項
1に記載の歩行型リール式芝刈り機。
【請求項5】
前記上側マウントは、前記下方支持体との摺動接合部を有し、前記摺動接合部は、単一の摺動接合部である、請求項1に記載の歩行型リール式芝刈り機。
【請求項6】
前記単一の摺動接合部は、前記牽引フレームの長手方向中心線に実質的に沿って配置される、請求項5に記載の歩行型リール式芝刈り機。
【請求項7】
前記上側マウントは、前記下方支持体との摺動接合部を有し、前記摺動接合部は、多角形の横断面を有する、請求項1に記載の歩行型リール式芝刈り機。
【請求項8】
前記上側マウントは、前記下方支持体との摺動接合部を有し、前記摺動接合部は、前記下方支持体および前記上側マウントのそれぞれの少なくとも3つの直線側面によって形成される、請求項1に記載の歩行型リール式芝刈り機。
【請求項9】
前記摺動接合部は、正方形または長方形の形状を有する前記下方支持体の一部と、前記下方支持体の前記正方形または長方形の形状の周りに入れ子状になっている下向きのU字形を有する前記上側マウントの一部とによって形成される、請求項5~8のいずれか一項に記載の歩行型リール式芝刈り機。
【請求項10】
前記ラッチは、ばねによってラッチ位置に付勢される、請求項1に記載の歩行型リール式芝刈り機。
【請求項11】
前記ばねは、ねじりばねである、請求項10に記載の歩行型リール式芝刈り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草を鋭利なベッドナイフに押し当てて刈るために、ベッドナイフに集める、回転可能な刈り込みリールを有する歩行型リール式芝刈り機に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ場のグリーンの、刈り高の低い草を刈るための歩行型リール式芝刈り機が知られている。これは一般にグリーン用芝刈り機と呼ばれている。このような芝刈り機は、典型的には、芝刈り機のフレームに固定された固定ヘッド型リール式刈り込みユニット、または芝刈り機のフレームとは独立して地面の輪郭に追従するように芝刈り機のフレームに対して移動することができるフレックスヘッド型リール式刈り込みユニットのいずれかを担持する。ユーザが異なる領域または芝刈り状況で使用するために上記いずの種類の刈り込みユニットを備えた芝刈り機を有することを望む場合、ユーザは、2つの別個の芝刈り機を購入しなければならない。これは、コスト増に繋がり得る。特に一方の刈り込みユニットの要求が他方の刈り込みユニットよりも本質的に限定されている場合には尚更である。
【0003】
歩行型リール式芝刈り機のユーザは、芝刈り機の背後の地面に発った状態で、上方および後方に延伸するハンドルアセンブリのハンドルを把持しながら、芝刈り機を操作する。ハンドルアセンブリは、芝刈り機のフレーム上の水平軸を中心に枢動して調整することができる。これにより背の高いユーザに対してはハンドルを上方に持ち上げ、より背の低いユーザに対してはハンドルを下方に降ろす。しかしながら、そのように調整すると以下の問題がある。即ち、背の高いユーザは、ハンドルを把持するために芝刈り機のフレームの近くに、即ち芝刈り機を推進する後部牽引ドラムの近くに立つ。一方で、より背の低いユーザは、ハンドルを把持するために芝刈り機のフレームから遠くに、したがって芝刈り機を推進する後部牽引ドラムから遠くに立たなければならない。これは反直観的な挙動である。したがって、そのようなユーザの多くにとって好ましくないものである。
【0004】
ゴルフグリーン上の芝を刈るために歩行型リール式芝刈り機を使用する際に、ユーザは、典型的には、グリーンの長さまたは幅にわたって、複数の隣接した芝刈り行程を行き来する。芝刈り機が各芝刈り行程の終端でグリーンのエプロン上に移動するとき、ユーザは、次の芝刈り行程用に芝刈り機を配置するために、芝刈り機を約180°方向転換させなければならない。一部のユーザは、方向転換動作中にハンドルアセンブリの移動に合わせて、歩行速度をかなり早めたり、走ったりしなくてよいように、方向転換時に芝刈り機を減速させなければならない。ユーザは、典型的には、次の芝刈り行程用に配置する際に、芝刈り機を減速させるためにスロットル減速を行う。しかしながら、この場合、次の芝刈り行程の開始時に、芝刈り作業における芝刈り機の所望の対地速度を確立するため、ユーザは指定位置まで、スロットルを手動で戻すことが求められる。一部のユーザは、実行しなければならない芝刈り行程数を考慮すると、このようにスロットルを使用することが面倒または困難であると考える。
【0005】
最後に、回転可能な刈り込みリールの螺旋状刃とベッドナイフの刃先との間の適切なエッジ界面を復元するために、一部のユーザは、刈り込みリールを定期的にバックラップすることが望ましいことに考える。この動作は、エッジ界面に挿入された研削用化合物を用いて、刈り込みリールをベッドナイフに対して逆方向に走行させることを含む。いくつかの例では、バックラップは、刈り込みユニット全体を芝刈り機から取り外し、リールを逆に作動させる別個の機械にユニットを挿入することによって行われる。他の例では、何らかの種類の別個のモータをリールに結合して、バックラップ動作中に刈り込みユニットを芝刈り機に残したままリールを逆方向に動作させることができる。しかしながら、これらの従来技術のバックラップ作業は、機械的に駆動される刈り込みリールを有する歩行型リール式芝刈り機には備えられていない、追加のまたは高価な機器を必要とする。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様は、原動機を搭載する牽引フレームを備える歩行型リール式芝刈り機に関する。牽引フレームは、地面上で牽引フレームを自走させるために原動機によって動作可能に動力供給される少なくとも1つの地面係合駆動部材を担持する。回転可能な刈り込みリールは、実質的に水平な軸を中心に回転する。刈り込みリールは、草を刈るためにベッドナイフに草を押し付けるように原動機によって動作可能に動力供給される。ハンドルアセンブリは、牽引フレームから後方および上方に延在する。ハンドルアセンブリは、牽引フレームに動作可能に結合された下方支持体と、芝刈り機を誘導し操作するために芝刈り機の動作中にユーザによって把持されるハンドルを担持する上側マウントと、を備える。上側マウントは、芝刈り機を操作しながら牽引フレームの後方の地面を走行する、異なる身長のユーザに適するように地面に対してハンドルの高さを調整するために、地面に対してハンドルを上昇または下降させるように下方支持体に対して伸縮式に移動可能である。
【0007】
本発明の別の態様は、原動機を搭載する牽引フレームを備える歩行型リール式芝刈り機に関する。牽引フレームは、地面上で牽引フレームを自走させるために原動機によって動作可能に動力供給される少なくとも1つの地面係合駆動部材を担持する。回転可能な刈り込みリールは、実質的に水平な軸を中心に回転する。刈り込みリールは、草を刈るためにベッドナイフに草を押し付けるように原動機によって動作可能に動力供給される。ハンドルアセンブリは、牽引フレームから後方および上方に延在する。ハンドルアセンブリは、芝刈り機を誘導および操作するために芝刈り機の動作中にユーザによって把持される実質的に水平な把持部材を提供するハンドルを含む。可動制御部は、ハンドルに対して、第1位置と第2位置との間で移動するようにハンドルアセンブリに担持され、第1位置では、制御部は把持部材から離間していることで、牽引駆動部を係合解除し、第2位置では、制御部は把持部材に近接することで、牽引駆動部を係合し、これにより制御部の第2位置における牽引フレームの対地速度は、ユーザにより選択された指定速度となる。制御部は、制御部の第1および第2位置間の移動範囲内で移動可能で、当該範囲は、ユーザが制御部を第1および第2位置間の少なくとも1つの中間位置に移動できる程度に大きく、当該中間位置では、ゼロ超で、指定対地速度よりも低速な対地速度になり、これによりユーザは牽引フレームを、一時的に牽引フレームを減速可能となる。
【0008】
本発明のさらに別の態様は、原動機を搭載する牽引フレームを備える歩行型リール式芝刈り機に関する。牽引フレームは、地面上で牽引フレームを自走させるために原動機によって動作可能に動力供給される少なくとも1つの地面係合駆動部材を担持する。回転可能な刈り込みリールは、実質的に水平な軸を中心に回転する。刈り込みリールは、草を刈るためにベッドナイフに草を押し付けるように原動機によって動作可能に動力供給される。ハンドルアセンブリは、牽引フレームから後方および上方に延在する。ハンドルアセンブリは、芝刈り機を誘導および操作するために芝刈り機の動作中にユーザによって把持されるハンドルを含む。ハンドルアセンブリは、下端が枢動接続部により牽引フレームに接続され、枢動接続部は、牽引フレーム上に略水平枢動軸を形成する。ハンドルアセンブリは、同軸を中心に枢動し得る。少なくとも1つの弾性アイソレータは、ハンドルアセンブリと、牽引フレームとの間でせん断作用する。
【0009】
本発明のさらなる態様は、原動機を搭載する牽引フレームを備える歩行型リール式芝刈り機に関する。牽引フレームは、地面上で牽引フレームを自走させるために原動機によって動作可能に動力供給される少なくとも1つの地面係合駆動部材を担持する。ハンドルアセンブリは、牽引フレームから後方および上方に延在する。ハンドルアセンブリは、芝刈り機を誘導および操作するために芝刈り機の動作中にユーザによって把持されるハンドルを含む。共通マウントは、固定ヘッド型リール式刈り込みユニットを前記牽引フレームに取り付けるか、あるいはフレックスヘッド型リール式刈り込みユニットのキャリアフレームを前記牽引フレームに取り付けるように構成される。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、歩行型リール式芝刈り機のリール式刈り込みユニットのバックラップを行う方法を含む。この方法は、牽引フレーム上に回転可能に担持され、横方向に離間した第1および第2走行車輪を駆動することによって、地面上で前記牽引フレームを自走させるために牽引駆動部を担持する前記牽引フレームを備える歩行型リール式芝刈り機を提供することと、草を刈るために前記草をベッドナイフに押し付けるように、リール駆動部によって第1方向に回転される回転可能な刈り込みリールを有するリール式刈り込みユニットを提供することと、前記走行車輪が支持面との駆動接触から外れて配置されるように、前記支持面に対して前記牽引フレームを配置することと、従動輪が、前記第1走行車輪と摩擦駆動接触する前記従動輪を前記リール駆動部に対して駆動関係となるように挿入することと、前記リール駆動部が動作不能である状態で前記牽引駆動部を動作させすることで、前記従動輪に、前記第1方向とは反対の第2方向に前記刈り込みリールを駆動させることと、前記刈り込みリールを前記第2方向に駆動させながら、バックラップ動作を行うことと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、以下の図面と併せて、以下の詳細な説明でより完全に説明され、以下の図面において、同様の参照番号は全体を通して同様の要素を指す。
【0012】
【
図1】本発明に係る歩行型リール式芝刈り機の一実施形態の正面斜視図である。
【
図3】
図1の芝刈り機のハンドルアセンブリの一部の背面斜視図であり、特に、ユーザが地面からのハンドルアセンブリの高さを選択的に調整することを可能にするためのハンドルアセンブリの伸縮式上部および下部を示す。
【
図4】
図1の芝刈り機のハンドルアセンブリの別の部分の正面斜視図であり、特に、ハンドルアセンブリの下部のケーブルガイド上に嵌合する、ハンドルアセンブリの上部のカバーを示す。
【
図5】
図1の芝刈り機の一部の正面斜視図であり、特に、ハンドルアセンブリの下部のケーブルガイドの別の実施形態を示し、制御ケーブルが如何にそれを通って延び、原動機の位置の周りをループして、制御ケーブルループが収縮または拡張して、ハンドルアセンブリの上部と下部との間の伸縮調整に対応することを可能にするかを示す。
【
図6】
図1の芝刈り機のハンドルアセンブリの一部の背面斜視図であり、特に、ハンドルアセンブリの伸縮式上部および下部、ならびにハンドルアセンブリの上部に設けられたラッチおよびキックスタンド補助ハンドルの代替実施形態を示す。
【
図7】ハンドルアセンブリの下部と芝刈り機の牽引フレームとの間の浮動接続部の拡大正面斜視図であり、特に、組み立てられた形態の第1弾性アイソレータおよび分解された形態の第2弾性アイソレータを示す。
【
図8】ハンドルアセンブリの下部と芝刈り機の牽引フレームとの間の浮動接続の第2実施形態の、
図7と同様の拡大部分分解正面斜視図である。
【
図9】
図8に示す浮動接続の第2実施形態で使用される種類の弾性アイソレータの拡大斜視図である。
【
図10】特にハンドルアセンブリの上に取り付けられたループ状ハンドルを示す、
図1の芝刈り機のハンドルアセンブリの一部の背面斜視図である。
【
図11】
図1の芝刈り機のハンドルアセンブリの一部の正面斜視図であり、特に、
図10に示すループ状ハンドルの代わりにハンドルアセンブリの上に取り付けられたT字型ハンドルを示す。
【
図12】特に
図1の芝刈り機の牽引駆動部を係合および係合解除するための牽引作動棒を示す、
図10のループ状ハンドルを有する
図1の芝刈り機のハンドルアセンブリの上部の正面斜視図である。
【
図13】特に駆動係合解除位置にある
図12の牽引作動棒を示す、
図12に示すハンドルアセンブリの上部の側面図である。
【
図14】
図10に示すものの側断面図であり、特に、牽引作動棒が
図12に示す駆動係合解除位置にあるときにハンドルアセンブリの上側部分のスロットに挿入される牽引作動棒上の様々なピンの位置を示す。
【
図15】固定ヘッド型リール式刈り込みユニットが取り外された、
図1の芝刈り機の牽引フレームの一部の正面斜視図であり、特に、固定ヘッド型リール式刈り込みユニットを
図1の芝刈り機の牽引フレームにボルト付けするための取り付け機構を示す。
【
図16】
図12と同様の正面斜視図であるが、
図12の固定ヘッド型リール式刈り込みユニットおよび
図13のフレックスヘッド型リール式刈り込みユニットが
図1の芝刈り機に交換可能に取り付けられ得るように、
図12に示すのと同じ取り付け機構を使用して
図1の芝刈り機の牽引フレームに取り付けられたフレックスヘッド型リール式刈り込みユニットを示す。
【
図17】
図1の芝刈り機の一部の正面斜視図であり、特に、一方の走行車輪が対応する牽引ドラム上の通常の箇所に留まり、他方の走行車輪が対応する牽引ドラムから取り外され、リール駆動部入力軸に結合される前に示されている状態で、リール式刈り込みユニットの刃を鋭利にするために両方の走行車輪がバックラップ動作でどのように使用され得るかを分解形式で示す図である。
【
図18】
図14に示すものの側面図であり、特に、バックラップ動作中に必要とされるリールの逆方向への回転を実現するための、バックラップ動作中の走行車輪間の接触を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
概要
最初に
図1および
図2を参照すると、本発明に係る歩行型リール式芝刈り機の一実施形態の全体が2で示されている。芝刈り機2は、動力を供給するための原動機6を担持する牽引フレーム4を備える。原動機6は、
図1に示すような内燃機関8を備え得る。あるいは、電池パックによって動力供給される、またはエンジン/発電機および電池パックを含むハイブリッドシステムによって動力供給される1または複数の電気モータなどの他の原動機6を使用してもよい。
【0014】
牽引フレーム4は、地面上で牽引フレーム4を自走させるために実質的に水平な軸を中心に回転する一対の地面係合駆動部材を担持する。一実施形態では、
図2に最もよく示すように、駆動部材は、牽引フレーム4の後部に担持された牽引ドラム12の左右の半体10である。牽引ドラム12は、牽引フレーム4の略全幅にわたって横方向に延在する。芝刈り機2の方向転換中にドラム半体10がそれぞれ異なる速度で回転することを可能にするために、ドラム半体10は当技術分野で知られている方法で外部または内部差動装置によって回転することができる。あるいは、牽引ドラム12のドラム半体10は、牽引フレーム4の後部において互いに反対側に担持され、横方向に間隔を置いて配置された左右一対の駆動輪と置き換えることができる。
【0015】
図8に最もよく示すように、牽引フレーム4は、横方向に延在する前後クロスチューブ16によって互いに強固に接続され、かつ横方向に離間した一対の側部部材14を備える。原動機6は、任意の適切な方法で、例えば、クロスチューブ16に挟持または他の方法で取り付けられることによって、牽引フレーム4の上に支持される。各側部部材14の、前方を向く前端は、取付面18として形成されている。各取付面18は、より詳細に後述するようにして、リール式刈り込みユニット22を取り付けるための締結具を収容するための複数の開口部20を有する。
【0016】
リール式刈り込みユニット22は、当技術分野において周知であり離間した側板26を有するフレーム24を備える。側板26の間で、刈り込みリール28は実質的に水平な軸を中心に回転するように回転可能に軸支される。リール28は、周方向に間隔を置いて配置された複数の螺旋状刃を備える。螺旋状刃は、切断されていない草の直立の刃を横方向に延びるベッドナイフ(不図示)の鋭利な刃先に押し付けて、せん断動作で草を切断する。刈り込みユニットフレーム24は、上壁30と、せん断動作によって生成された刈り草をリール28の後ろ側の上方および周囲に運び、刈り草を上壁30の下で前方に向ける円弧状後方シールド(不図示)とをさらに備える。このような刈り草は、リール28の前方に取り付けた集草部(不図示)により収集することができる。最後に、横方向に延びるフロントローラ32が、刈り込みユニットフレーム24の側板26の間に回転可能に軸支されて、牽引ドラム12による支持と併せて、芝刈り機2を地面の上を転動するように支持する。
【0017】
あるいは、芝刈り機2のいくつかの実施形態では、刈り込みリール28およびそれと協働するベッドナイフ、さらに円弧状後方シールド、およびリール28上で上壁30の下に前方に刈り草を突出させる上壁30は、分離可能なリール式刈り込みユニット22の一部ではなく、牽引フレーム4の適切に成形され延長された側部部材14の間に取り付けられ得る。この代替形態では、フロントローラ32は、芝刈り機2の前部を支持するために牽引フレーム4の側部部材14の間に回転可能に軸支される。
【0018】
後方および上方に延在するハンドルアセンブリ34は、芝刈り機2を誘導し操縦するために芝刈り作業中にユーザによって保持される。ユーザは、作業中、芝刈り機2の後方の地面を歩行する。ユーザが触れることができる、様々な機能を起動するための、様々な芝刈り機制御部がハンドルアセンブリ34上に担持される。これらの制御部は、牽引ドラム12に動力を供給するための原動機6によって動作可能に動力供給される牽引駆動部13を係合および係合解除するための右枢動レバー37と、刈り込みユニットフレーム24の一方の側板26に取り付けられたギアボックス190を含む、リール駆動部23を有する刈り込みリール28に動力供給するための原動機6によって動作可能に動力供給されるリール駆動部23を係合および係合解除するための左枢動レバー38と、パーキングブレーキ制御部39と、エンジンスロットル制御部40とを含む。この一般的なタイプのハンドルアセンブリ34およびこれら制御部37~40は、以下のセクションで説明する様々な改良の基礎となる、歩行型リール式芝刈り機2における典型的装備である。
【0019】
伸縮ハンドルアセンブリ
図1および
図2に示すように、ハンドルアセンブリ34は、下方支持体42と、支持体42の上で上下に伸縮する上方マウント44とを含む2部品伸縮アセンブリを含む。上方マウント44は、ユーザによって把持されるハンドル45をその上端に担持する。支持体42の下端は、後述するように牽引フレーム4に結合される。
図3に示すように、支持体42は、複数の垂直方向に離間した開口部46を有する上端部を有する正方形または長方形の中空ポストまたはチューブを含む。マウント44の内部は、支持体42とマウント44との間に伸縮摺動接合部を提供するために、支持体42の上端を覆って嵌合するU字形チャネル48を含む。
【0020】
図3にさらに示すように、U字形チャネル48の対向する側壁の自由下縁は、チャネル48の長さに沿って離間した3対の突出タブ50を有する。タブ50の上側対および下側対は、チャネル48のタブ50の間に延在する円筒形ブッシング54を取り付けるボルト52を担持する。離間したボルト52およびブッシング54は、チャネル48のチャネル形状に強度および剛性を提供し、それにより、チャネル48が捻れたり撓んだりすることなく、支持体42上のチャネル48の移動をしやすくする。
【0021】
マウント44のU字形チャネル48の各対向する側壁はまた、支持体42の上端の対向する両側に外側に延在するガイドピン58が、摺動可能に挿入される細長いスロット56を有する。
図6を参照されたい。一実施形態では、各ガイドピン58は、支持体42の上端の片側に開けられた開口部59にねじ込まれるビスまたはボルトのシャンクを含む。スロット/ピン接合部56、58は、マウント44が支持体42に対して上下に伸縮式に調整される際に支持体42とマウント44との間の適切な位置合わせに寄与し、支持体42とマウント44との間の伸縮摺動運動に対して物理的終端ストッパを提供する。
図3は、マウント44が支持体42上のその最上位置にあるときの対応するスロット56の底部におけるガイドピン58のための開口部59を示す。マウント44が支持体42上で支持体42上のその最下位置まで下方にスライドされると、ガイドピン58は、
図6に示すようにその対応するスロット56の上部にある。
【0022】
マウント44上の中央対のタブ50はボルト60を担持する。当該ボルトのシャンクはラッチ62のための枢動シャフトを形成する。ラッチ62は、支持体42の任意のユーザ選択開口部46に入るように構成された上向きのロックピン64を有する。ねじりばね66は、一端が任意の適切な方法で支持体42に接続され、他端が任意の適切な方法でラッチ62に接続される。ねじりばね66は、ラッチ62をマウント44に対して
図3の矢印Aで示す方向に付勢する。これにより支持体42の開口部46内にロックピン64が係合する。
【0023】
ラッチ62の後部は、
図3に示すようにボルト60の軸に平行でありつつ、軸からずれている剛性ストッパ68を有する。一実施形態では、ストッパ68は、好ましくは、ラッチ62が
図3の矢印Bの方向に回転してラッチ62を係合解除する際に、またはラッチ62がばね66の付勢により矢印Aの方向に回転してラッチ62を再係合する際に、チャネル48の側壁上の中央対のタブ50の円弧状後縁部51に乗り上げる円筒形バー69を備える。バー69の前側が矢印AまたはBの方向に移動する円の直径は、中央対のタブ50の後縁部51が位置する円の直径と実質的に同じである、すなわち、等しいかそれよりもわずかに大きい。
【0024】
したがって、中央対のタブ50およびバー69とのそれらの接触関係により、ラッチ62がチャネル48に平行な軸を中心とした一方の側または他方の側に飛び出すのを防止するために、ラッチ62をその動作時に円滑に誘導する。これにより、ロックピン64が、収容されていた1つの開口部46から円滑に係合解除され、その後高さ調整作業が完了した後に選択された別の開口部46に円滑に再係合することが保証される。さらに、ラッチ62が
図3の矢印Bの方向に回転し、ラッチ62が支持体42から係合解除されると、バー69は、チャネル48の側壁の下縁と中央対のタブ50の後縁との間の接合部で、チャネル48の側壁の下縁に係合する。この係合は、ラッチ62のチャネル48に対する回転運動を停止させてラッチ62をチャネル48に対して強固に保持する。これにより、その後、例えば、ユーザが支持体42に対してマウント44を持ち上げようとする場合に、ユーザがラッチ62を使用してチャネル48により効果的に力を伝達することを可能にする。
【0025】
ラッチ62の前部は、一実施形態では、ラッチ62が係合位置にあるときに下方および前方に面する開放凹部70を含む把持領域を有する。凹部70は、ラッチ62の全幅にわたって横方向に延在し、ラッチ62の対向する側壁を通じて開口するとともに、ラッチ62の前面を通じても開口している。凹部70は、ハンドルアセンブリ34の高さ調整中にユーザの一方の手の指のいくつかの、少なくとも外側部分を収容するのに十分な大きさであることが好ましい。
【0026】
ユーザの身長に適合するようにハンドルアセンブリ34の高さを調整する際に、例えば、より背の高いユーザに対してハンドルアセンブリ34を長くする際、またはより背の低いユーザに対してハンドルアセンブリ34を短くする際、ユーザは単純に一方の手の指の外側部分を凹部70内に配置してラッチ62を把持すればよい。次に、ユーザは単に、ラッチ62を
図3の矢印Bの方向に後方に引っ張って、ロックピン64を挿入されていた開口部46から引っ張り、次いでハンドル45および/またはラッチ62を引き上げて、支持体42に対してマウント44を持ち上げるか、またはハンドル45および/またはラッチ44に保持しながら、マウント44が支持体42上で自重によって下降することを可能にし、その後、支持体42に沿った所望の高さでラッチ62を離せばよい。そして、ロックピン64が所望の開口部46に位置合わせされるまで、ユーザにより支持体42に沿ってマウント44が多少上下させられた後に、ねじりばね66は支持体42に沿った異なる開口部46にロックピン64を自動的に再取り付けするのに有効となる。
【0027】
このハンドルアセンブリ34の伸縮式高さ調整は、地面からの高さを調整する際に、芝刈り機2上の水平軸を中心に枢動する、歩行型リール式芝刈り機技術の従来技術のハンドルアセンブリと比較して有利である。このような枢動ハンドルアセンブリの場合、ハンドルアセンブリ34の高さが低くなると、背の低いユーザは芝刈り機2から遠ざかり、ハンドルアセンブリ34の高さが高くなると、背の高いユーザは芝刈り機2のそばに立つことになる。これは反直観的であり、背の低いユーザおよび背の高いユーザの多くの好みに反する。一方、本発明の伸縮式調整の場合、ハンドル45の地面からの高さが背の低いユーザに対して適切である場合、当該ユーザは、ハンドルアセンブリ34が背の高いユーザ用に調整されている場合よりも、牽引ドラム12に近い距離に配置される。したがって、本発明は、歩行型リール式芝刈り機の多くのユーザが好む、ユーザと牽引ドラムとの間の距離を実現する。
【0028】
ここで
図4を参照すると、ハンドルアセンブリ34の下方支持体42は、支持体42の上部にボルト止めされたU字形ガイド72を有する。この固定状態において、ケーブルガイド72の上壁74は、支持体42の上壁43の上方に離間している。ケーブルガイド72は、支持体42の下部にわたって延在し、その上端および下端で開口している。したがって、壁74と壁43との間の間隔は、好ましくはボーデンケーブルである、各種ケーブル78(
図5にのみ示す)は、ケーブル78がマウント44の上部付近の制御部37~40から、当該制御部37~40により操作される牽引フレーム4上の対応する構成要素まで延在するように通過または延在する、開放通路76を形成する。ケーブルガイド72およびそれによって形成された通路76は支持体42の外部にあるが、それにもかかわらず支持体42によって担持されるので、ケーブルガイド72は、後述するように支持体42の牽引フレーム4に対する取り付けを妨げない。ケーブル78は、単にケーブルガイド72の開放下端を通って出て、取り付けに干渉することなく支持体取り付け部を通過する。
【0029】
図4にも示すように、マウント44は、制御部37~40用のマウント、制御部37~40へのケーブル78の接続、ワイヤリングハーネス用の接続などを含むがこれらに限定されないマウント44の内部構成要素を囲む保護シュラウドまたはカバー80を含む。カバー80は、必ずしもそうである必要はないが、好ましくは一体成形プラスチック部品を含む。カバー80は、支持体42の側面ならびにケーブルガイド72の側面および上部に嵌合するように成形された下端84で終端するV字形の下部82を有する。マウント44があり得る調整位置の範囲全体にわたって支持体42上で上下伸縮的に調整される際に、カバー80の下端84、特に支持体42上の上方に延びるケーブルガイド72の周りに嵌合するその中央の下方に面するU字形チャネル部分86は、カバー80がその伸縮運動中に支持体42に対して位置ずれするのを防止する。さらに、カバー80は、ケーブルガイド72の上側または入口端部が常にカバー80によって隠されるように十分に長い。したがって、ケーブルガイド72へのケーブル78の入口も同様に、支持体42上のマウント44の位置にかかわらず隠され保護される。
【0030】
ここで
図5を参照すると、ケーブルガイド72’は、代替的な形態では、上端73tおよび下端73bが上方および外側に広がっていることで、通路76に対して入る部分および出る部分が上端73tと下端73bとの間の通路76の部分よりも大きい断面積を有し得る。これにより、ケーブル78が鋭い縁部に圧着または押し付けられることなく、通路76に出入りすることがより容易になる。さらなる変形例では、ケーブルガイド72’の下端73bのみが外側に広がっており、上端73tは開いているが、通路76と同じ断面積を有する。
【0031】
さらに、ケーブル78は、ケーブルガイド72の広がった下端73bを通って出ると、牽引フレーム4上の原動機6の位置の周りに完全または部分的なループ79で配置される。なお、見やすさのため、
図5では原動機6は取り外されている。ケーブルループ79は、マウント44が支持体42上を下方または上方に移動する際に、必要に応じてサイズがそれぞれ拡大または縮小することができるように、柔軟にサイズ設定されている。本出願人は、これが、ケーブル78の機能を損なうことなく、支持体42に沿ったマウント44の伸縮運動に対応するようにケーブル78を配置する効果的かつ簡単な方法であることを見出した。
【0032】
図2を参照すると、本明細書に示すタイプの芝刈り機2は、典型的には、非展開位置にあるように図示されている枢動キックスタンド88を含む。ユーザは、キックスタンドのクロスバー94が地面に対して係合するまで、ねじりばね92の張力に抗して水平枢動軸90を中心にキックスタンド88を選択的に回転させることができる。一実施形態では、補助ハンドル96が、ハンドルアセンブリ34の支持体42の下側に強固に搭載される。これにより、ユーザはキックスタンド88を展開するために自身の足でクロスバー94を押し下げる際に、補助ハンドル96を引き上げることができる。補助ハンドル96は、支持体42上でかなり低くなるようにマウント44のチャネル48の下に配置され、したがって、ユーザは補助ハンドル96を効果的に上方に持ち上げる動作を主に自身の脚部を利用して効果的に行うことができる。キックスタンド88が完全に展開されると、牽引フレーム4はキックスタンド88上で若干後方に振れる。これにより牽引ドラム12が持ち上がって、地面との接触が解除される。その後、一対の走行車輪を当技術分野で知られている方法で牽引ドラム12に取り付けることができる。
【0033】
ここで
図6を参照すると、キックスタンド88を展開する際に使用するための補助ハンドルの代替の実施形態の全体が、98で示されている。ここで、補助ハンドル98は、一対の耳部100の間でマウント44のチャネル48上に担持される。この補助ハンドル98は、チャネル48の底部に実質的に水平な横方向に延びる把持部材102を形成する。補助ハンドル98は、把持部材102がラッチ62の枢動軸に平行に延在した状態で、枢動ラッチ62の位置の上方および若干下方に配置される。補助ハンドル98は、補助ハンドル96よりもハンドルアセンブリ34上でかなり高い部分にあるが、これら2つの補助ハンドルの機能はほとんど同じである。すなわち、キックスタンド88を展開する際に、ユーザはハンドルアセンブリ34上方に持ち上げることができる。しかし、脚部の力をより多く利用する、より低い位置の補助ハンドル96を使用し得る場合と比して、補助ハンドル98の場合、より高い位置にあることで、キックスタンド展開時に、上半身の力がより多く求められる。
【0034】
ただし、支持体42に沿ってマウント44を伸縮式に調整する際に、ユーザが把持部材102を有用に使用し得るように、補助ハンドル98は好ましくはラッチ62の十分近くに配置される。ユーザはハンドルアセンブリ34の高さを調整したい場合、右手を下に延ばし、自身の親指を把持部材102の上に起きながら、手の残りの部分を把持部材102の下に伸ばすことができる。ユーザが自身の親指で把持部材102との接触を維持しながら、右手の指の外側部分の一部をラッチ62の凹部70に挿入することができるように、補助ハンドル98はラッチ62の十分近くに設けられる。次いでユーザは、親指を把持部材102の上に載せながら、自身の手の指を単純に親指に向けて握ることで、ラッチ62を上方かつ後方に容易に引いて、ラッチ位置から非ラッチ位置にラッチ62を回転できる。したがって、ユーザが前腕または腕の直線運動を使用してラッチ62を上方および後方に引っ張るのではなく、手をわずかに握るだけでラッチ62をラッチ解除することができるよう、補助ハンドル98は係合解除動作のために、ある種てこの原理のような作用を呈するために、ユーザの手を固定するものである。さらに、補助ハンドル98は、ユーザが、感覚的にラッチ62に接触可能とする。即ち、手を下に伸ばして、把持部材102上に親指をおいて、把持部材102の前方および下側に自身の手の残りの部分を丸めるだけでよい。
【0035】
さらに
図6はラッチ62の変形形態を示す。ここではラッチ62のストッパ68を形成するバー69は、もはや単一の連続したバーではなく、ラッチ62の対向する側壁上における、別個の同一直線上の左右のバー69lおよび69rとして形成される。さらにここでは、ラッチ62をそのラッチ位置に付勢するねじりばね66は、ラッチ62の枢動軸を形成するボルト60のシャンクの周りのラッチ62の側壁の間によりコンパクトに取り付けられる。
【0036】
本発明に係る所与の芝刈り機2は、補助ハンドル96または98のいずれか一方を備えるか、またはその両方の補助ハンドルを同時に備えてもよい。補助ハンドル98は、ラッチ62に関して上述したラッチ解除に関する利点を提供し、補助ハンドル96が低すぎると感じるユーザのためにハンドルアセンブリ34上でより上方に配置される。したがって、補助ハンドル98のみを備えた芝刈り機でも十分機能する。ただし、キックスタンド88を展開する際に脚部の動力をより多く利用できるので、下方補助ハンドル96を好むユーザでも、補助ハンドル98が利用可能であれば、ラッチ62の操作が容易になるので好ましい。したがって、一つの芝刈り機に両方の補助ハンドル96、98を設ける、あるいは任意選択で、下方補助ハンドル96がハンドル98を初期装備として有する既存の芝刈り機の支持体42に、ハンドル96をねじまたはその他の方法で締結して追加可能にすることは、当該ユーザの要望を満たすであろう。
【0037】
浮動ハンドルアセンブリ
ここで
図7を参照すると、牽引フレーム4の後クロスチューブ16に、ヨーク104が強固に固定されている。ヨーク104は、ハンドルアセンブリ34の支持体42の下端を牽引フレーム4に枢動可能に取り付ける。ヨーク104は、一対のボルト110をアーム106の側面を通じて挿入するための貫通孔108を有する、上方に延在する一対のアーム106を有する。支持体42の下端は、横方向に離間し、かつ横方向に延びる一対の円筒形ハブ112を装着する、固定された下向きのU字形チャネル111を有する。ハブ112は、任意の適切な方法でチャネル111に強固に固定される。
【0038】
ヨーク104のアーム106は、上方に延びる耳部107であって、
図7にその下部が示され、チャネル111の側壁113aと113bとの間でチャネル111内部に突出する、上方に延びる耳部107を有する。耳部107は、側壁113aまたはチャネル111の内側に位置する別の停止面に係合して、ボルト110によって形成された実質的に水平な枢動軸を中心としたハンドルアセンブリ34の下方枢動運動を制限する。同様に、耳部107は、側壁113bまたはチャネル111の内側に位置する別の停止面に係合して、ボルト110によって形成された実質的に水平な枢動軸を中心としたハンドルアセンブリ34の上方枢動運動を制限する。したがって、ハンドルアセンブリ34の枢動運動は、オペレータがハンドルアセンブリ34を下方に押した場合に突き当たる下側ストッパ(例えば、耳部107と側壁113aとの間の接触)と、オペレータがハンドルアセンブリを上方に持ち上げるときに突き当たる上側ストッパ(例えば耳部と側壁113bとの間の接触)との間の限られた角度範囲で実行される。いずれかのストッパに突き当たると、オペレータがストッパに対する係合を維持するのに十分な圧力をハンドルアセンブリ34にかけ続ける限り、ハンドルアセンブリ34は牽引フレーム4に対して効果的に固定されるようになる。
【0039】
各ハブ112は、制御アームブッシングとして自動車技術分野で知られているものと同様の弾性アイソレータ116が挿入される孔114を有する。アイソレータ116は、内側円筒形スリーブ118と、内側スリーブ118に対して環状間隙により半径方向外側に離間して、同心円状に配置された外側円筒形スリーブ120と、内側スリーブと外側スリーブ118、120との間の環状間隙を実質的に埋めるエラストマー材料122と、を備える。エラストマー材料122の内径および外径部は、それぞれ内側スリーブ118、120および外側スリーブに固定または結合される。
【0040】
内側スリーブ118は、アイソレータ116の長さ全体に延びる孔119を有する。各アイソレータ116は、当該アイソレータ116を挿入するハブ112の孔114の内径に対して外側スリーブ120の外径をわずかに大きくすることによって、支持体42のハブ112に圧入により固く挿入される。ボルト110を、アイソレータ116の内側スリーブ118の貫通孔119およびアーム106の貫通孔108に通すことで、アイソレータ116がヨーク104のアーム106にボルト固定される。ヨーク104の一方の側は開いており、一方のナット128に対して
図7の矢印Cで示すように、ボルト110を保持するナット128を滑り込ませることができる、一部六角形のチャネル126を露出させる。ナット128がチャネル126に設置されると、それにより、ナット128はチャネル126によって回転しないように保持される。これにより、ボルト110をナット128に締め付ける作業が容易になる。
【0041】
アイソレータ116は、最初にアイソレータ116をハブ112に圧入し、次いでボルト110を締め付けることによって、ハブ112に組み付けられる。この組み付け動作は、ハンドルアセンブリ34がハンドルアセンブリ34の上方への枢動運動を制限する上側ストッパに対して保持されている間に行われる。ハンドルアセンブリ34のその枢動軸を中心とした任意の回転が、アイソレータ116の外側スリーブ120を共に回すように、アイソレータ116の外側スリーブ120は十分密にハブ112へ圧入される。ハンドルアセンブリ34が上側ストッパに対して保持されている間にアイソレータ116のハブ112への組み付けが完了すると、各アイソレータ内のエラストマー材料122は、内側スリーブ118と外側スリーブ120との間にせん断力が作用しない、回転応力のない状態となる。
【0042】
このようなアイソレータ116の組み付けの後、ハンドルアセンブリ34は、上側ストッパから係合解放される。ハンドルアセンブリ34の重量により、ハンドルアセンブリ34は、ボルト120の旋回軸線を中心にして指定動作位置まで下方に枢動する。この位置への到達は、アイソレータ116内のエラストマー材料122内で発生するせん断力の増加が、ハンドルアセンブリ34の重心とボルト120の枢動軸との間でレバーアームを介して作用するハンドルアセンブリの重量によって生成される力を相殺するのに十分であるとき実現する。エラストマー材料122の硬度は、ハンドルアセンブリ34が下側ストッパに当たる直前にハンドルアセンブリの指定動作位置に達するように選択される。本発明の一実施形態において、指定動作位置は、ハンドルアセンブリ34が上側ストッパよりも下側ストッパに実質的に近い位置となる。
【0043】
アイソレータ116の目的は、ハンドルアセンブリ34の浮遊運動を単純でありながら効果的に提供する方法を提供することである。手または押し付けの重たいユーザによるハンドルアセンブリ34への過度の下方圧力は、アイソレータ116に含まれるエラストマー材料122内のせん断増加によってアイソレータ116によって吸収される。したがって、そのような過度の下方圧力の、牽引フレーム4、または牽引フレーム4によって担持されたリール式刈り込みユニット22への伝達は最小限に抑えられる。これによりさらに、刈り込みユニット22が過度の下方圧力から切り離される。したがって、そのような下方圧力が刈り込みユニット22によって提供される切断の高さの変化を生じないようにする。リール式刈り込みユニット22が、1000分の1インチの小単位で測定された切断高さを実現するように設計されていることを考えると、これは重要である。
【0044】
したがって、ユーザが異なれば、異なる下方圧力がハンドルアセンブリ34に加わり得るが、芝刈り機2の残りの部分に対する、ハンドルアセンブリ34の制限された枢動浮動運動は、より均一で一定の切断高さの維持に寄与する。従来技術の芝刈り機も同じ問題に対処しようと試みてきたが、主張されている、問題に対する解決策の多くは、係合前にいくらかの空動きを伴う、外部対向ばねまたは外部ドーナツ形状部材を使用するものであった。一方で、本発明のアイソレータ116は、ハンドルアセンブリ34の枢動ハブ112内に封入され、圧縮または伸張ではなくせん断で作用するため、特に有効である。
【0045】
アイソレータ116は、手または押し付けの重たいユーザによる過度の下方圧力を吸収するのに役立つが、ハンドルアセンブリ34はその指定動作位置にある際に、下側ストッパに近いため、ユーザがさらにハンドルアセンブリ34に下方圧力を掛ければ迅速に下側ストッパに到達可能となる。下側ストッパとの係合は、ユーザが芝刈り機2の前部を持ち上げてリール式刈り込みユニット22を地面から持ち上げることを可能にするために、ハンドルアセンブリ34を牽引フレーム4に対して固定するため、この動作は芝刈り機2において有利である。この動作は、反対方向の芝刈り行程において連続的に草を刈るための、芝刈り機2の方向転換の際に、頻繁に行われる。手または押し付けの重たいユーザからの下方圧力の吸収のために、ある程度浮遊運動ができることは有利である。さらに、ユーザが芝刈り機2を方向転換させる必要があるときはいつでも、ユーザが下側ストッパに迅速に到達することが可能であるという利点もある。
【0046】
一方で、ユーザは、ハンドルアセンブリ34が上側ストッパと係合した状態でハンドルアセンブリ34を使用する必要はほとんどないため、上側ストッパに迅速に到達できることは、下側ストッパに到達する場合ほど重要ではないかもしれない。この状態での使用は、キックスタンド84を展開するときなど、ユーザが何らかの理由でハンドルアセンブリ34を使用して牽引フレーム4の後部を上方に持ち上げたいときに望ましい。これは、互いに逆方向の隣接する芝刈り行程により、ゴルフのグリーンなどの草の生えた領域の芝刈りを行うために、頻繁に芝刈り機2を方向転換させることよりも、比較的生じる可能性が低い。これが、いくつかの実施形態においてハンドルアセンブリ34がその指定動作位置において上側ストッパよりも下側ストッパの近くに設定され得る理由である。ただし別の実施形態では、上側下側ストッパは、指定動作位置のハンドルアセンブリ34から、適切な等距離に設定され得、あるいは上側ストッパを完全に省くことができる。
【0047】
図8および
図9は、本発明の浮動ハンドルアセンブリの第2実施形態を示す。この実施形態のアイソレータ116’は、各アイソレータ116’の内側スリーブ118’が、その各端部に横方向外側に突出する歯による鋸歯状リング119を有することを除いて、アイソレータ116と同じである。
図9は、内側スリーブ118’の左端にある鋸歯状リング119を示す。
図9には示されていないが、内側スリーブ118’の右端にも、外側に突出する同一のリング119が存在する。アイソレータ116’は、ハブ112内に、前述のように圧入で固く保持される。
【0048】
単一の貫通ボルト110’が、両方のハブ112を通過し、ハブ112の孔114に固く圧入されたアイソレータ116’を通過する。ナット128がボルト110’のねじ付き端部に十分に締結されると、内側スリーブ118’の横方向外側端部の鋸歯状リング119は、一方のアイソレータ116’に関して、ナット128に隣接するワッシャ129に押し付けられ、他方のアイソレータ116’に関して、貫通ボルト110’の頭部に隣接するワッシャ129に押し付けられる。同時に、各アイソレータ116’の内側スリーブ118’の横方向内側端部の鋸歯状リング119は、対応するアーム106の横方向に隣接する側に押し付けられる。効果的には、各アイソレータ116’の内側スリーブ118’の両側のリング119は、内側スリーブ118’を、アイソレータ116’が圧入されたアーム106の孔114に対して動かないように保持するのに十分な力で、ワッシャ129およびアーム112に食い込み、摩擦係合する。各アイソレータ116’の内側スリーブ118’の各端部における隣接する固定構造へのこの積極的な機械的係合は、内側スリーブ118’および外側スリーブ120の両方が孔114内で回転不能として、エラストマー材料122の有効性を最大限引き出すことを保証する。これにより、ハンドルアセンブリ34は、牽引フレーム4に対して、所望の限定された程度の回転枢動運動のみ可能となる。
【0049】
交換可能なハンドル
図10を参照すると、ハンドルアセンブリ34の上方マウント44のU字形チャネル48の上部には、略上向きの取り付けプレート130が設けられている。取り付けプレート130は、複数の離間した開口部132を有する。一実施形態では、ハンドルアセンブリ34は、取り付けプレート130と対面して当接し得る、下向きの実質的に平坦な取付面を提供するベース134を有するループ状ハンドル45を含む。ループ状ハンドル45のベース134にはさらに、取り付けプレート130の開口部132と一致するパターンの複数の開口部136が設けられている。ループ状ハンドル45のベース134と取り付けプレート130とが互いに当接され、両者の開口部132、136が互いに位置合わせされた後、ループ状ハンドル45は、位置合わせされた開口部を通過するボルトなどの複数のねじ締結具138を使用してハンドルアセンブリ34に固定されてもよい。
【0050】
ループ状ハンドル45は、略開放された内部141を取り囲む略閉鎖的外周を形成するために、左側部140lおよび右側部140rを介して互いに接合された上面140tおよび底面140bを有する。ループ状ハンドル45はまた、ループ状ハンドル45の前側および後側140f、140rの中間部分同士を接合する中央カラム142を含む。中央カラム142は、ループ状ハンドル45の開放した内部141を、中央カラム142の両側の左右の部分に分割する。中央カラム142はまた、ループ状ハンドル45の上部140tによって形成された略水平把持部材を、ユーザが芝刈り機2を操作している間に把持するための左右の把持領域143lおよび143rに分割する。
【0051】
必要に応じて、書いた内容を消すことが可能な、ホワイトボード型材料144を中央カラム142の上部に取り付けてもよい。管理者は、ホワイトボード材料144に対応する、消すことができるマーカを使用して、ユーザが草を刈っている間に従う指示、例えば設定されるべき刈り高を記載することができる。
【0052】
ループ状ハンドル45は、歩行型リール式芝刈り機では一般的に使用されるものであるが、一部のユーザに知られおり好まれる別のハンドルとして、T字型ハンドル45tが挙げられる。T字型ハンドル45tは、T字形の縦線部を形成するベース146を備える。ベース146の上には、T字形のアームを形成する、横方向に延びる直線バー148がある。ベース146からさらに延在するバー148の部分は、ユーザに対して左右の握り部分を提供する。
【0053】
そのようなT字型ハンドル45tをループ状ハンドル45と容易に交換可能にするために、T字型ハンドル45tのベース146は、ループ状ハンドル45のベース134と同じように取り付けプレート130と対面して当接することができる下向きの実質的に平坦な取付面を形成する。T字型ハンドル45tのベース146も、取り付けプレート130と同じ開口パターンを有する。したがって、T字型ハンドル45tは、ハンドル45tの代わりに取り付けプレート130に嵌合され、締結具138を使用して取り付けプレート130に締結され得ることは明らかである。
【0054】
本明細書に示される種類の芝刈り機は、ゴルフコースで極めて一般的に所有され、グリーンでの刈り高の低い芝刈りなどのために利用されているため、任意の所与の芝刈り機が、ゴルフコースの異なる従業員によって異なる時点で操作され得る。本明細書に開示される交換式ハンドル45、45tは、任意の所与のユーザが、好ましくないハンドルを外して好ましいハンドルと交換するだけで、好みのハンドル形式に切り替えることを可能にする。交換式ハンドル45、45tは、動作制御部37~40またはそれに通じる制御ケーブル78の取り付けに使用されないため、制御部またはケーブルを妨げたり、再配置したりすることなく、切り替えが可能となる。このように、ハンドルがカスタマイズ可能であることは、多くの芝刈り機の購入者にとって魅力的である。というのは、購入者は、異なる種類のハンドルを持つ芝刈り機をどれほど購入する必要があるか考える必要がなく、芝刈り機を数台使う際に、両種類のハンドルを十分な量用意して、適切な数の芝刈り機を単純に購入すればよいからである。
【0055】
牽引係合作動棒
図1に示す芝刈り機2の実施形態では、ハンドルアセンブリ34の右側の制御レバー37は、牽引駆動部13を係合解除する際にユーザに向かって引き戻され、牽引駆動部13を係合する際にユーザから離れるように前方に押される枢動レバーである。これの代替として、旋回制御レバー37を、牽引駆動部13を作動する際、ユーザに2つの動作を要する枢動式制御部と置き換えることができる。
図12~
図14にこの任意選択の構成を示す。
【0056】
最初に
図12を参照すると、二動作枢動制御の一実施形態は、横方向に離間した左右の脚部154l、154rがそこから延びる上部152を有する実質的にU字形の作動棒150を備える。作動棒150の形状は、ループ状ハンドル45の上部140tならびに左右側部140lおよび140rの形状に概ね一致する。作動棒150の左右の脚部154l、154rは、細長スロット156を含む自由端を有する。スロット156は、ループ状ハンドル45上の作動棒150安定に寄与するように、ループ状ハンドル45の左側部140lおよび右側部140rに担持されたボルト157のシャンクが挿入される。例えば、ユーザが一方の手で作動棒150の片側のみを把持し、中心から外れた力で作動棒150を回転させようとする場合、作動棒150の脚部のスロット156は、作動棒150の動き中に作動棒150の上部152をループ状ハンドル45の上部140tに略平行に維持するために、作動棒150がループ状ハンドル45に対して捻れるのを防止する。スロット156およびボルト157のシャンクは、作動棒150をハンドル45に枢動可能に取り付ける第1ピン/スロット接続部を形成する。スロット156と、ボルト157の相対配置を逆にしてもよい。即ちスロット156をループ状ハンドル45に設け、ボルト157を作動棒150に配置してもよい。
【0057】
作動棒150は、第1ヨーク160および第2ヨーク162によってハンドルアセンブリ34の上方マウント44に担持された横方向に延びる枢動クロスシャフト158に接続されている。第1ヨーク160は、第1ヨーク160を作動棒150の上部152に枢動可能に取り付ける一対のアーム161を有する。第2ヨーク162は、第1ヨーク160およびクロスシャフト158上の第1タブ159の両方に枢動可能に取り付けられる一対のアーム163を有する。作動棒150の上部152が
図12の矢印Dの方向にループ状ハンドル45の上部140tに向かって枢動されると、クロスシャフト158も、第1ヨーク160、第2ヨーク162および第1タブ159によってクロスシャフト158に加えられる回転力によって同じ方向に枢動される。
【0058】
クロスシャフト158は、クロスシャフト158と共に回転する横方向に離間した第2タブ164を含む。二つのU字形接続リンク166は、枢支ピン167によって、その一端において第2タブ164の両側に取り付けられている。そのように取り付けられると、第2タブ164は接続リンク166の間に挟まれる。接続リンク166の他端は、ボーデンケーブル78(
図12では不図示)の内側ワイヤの一端のための取り付け点として機能するクロスピン168を担持する。
【0059】
内側ワイヤは、ボーデンケーブル78の外側シースまたは導管内で既知の方法で前後に摺動可能であり、
図12~
図14の作動棒150の位置によって示されるように、作動棒150を牽引駆動部係合解除位置に付勢するために、当技術分野で既知の方法でばね付勢される。作動棒150が
図13の矢印Dの方向にループ状ハンドル45の上部140tに向かって枢動されると、様々な接続部材が関与するこの枢動により、接続リンク166が後方に引っ張られ、ばねの張力に抗してボーデンケーブルの内側ワイヤが後方に引っ張られる。これにより、クラッチ(不図示)を介して牽引駆動部13が作動される。その後ユーザが作動棒150を離すと、ばね力により、デッドマンハンドルのように、作動棒150が自動的に駆動係合解除位置に戻される。
【0060】
牽引駆動部13の不慮の作動を防止するために、作動棒150は、ループ状ハンドル45の上部に向かって即枢動することはない。その代わりに、作動棒150はまず、作動棒閉鎖方向Dに対して略垂直なロック解除方向Eに移動する必要がある。これは、以下の追加の構造によって実現される。
【0061】
図12を参照すると、牽引駆動部制御ケーブル78上で動作するリンク機構全体の一部を形成する第1ヨーク160は、第1ヨーク160を作動棒150の上部152に枢動可能に接続する取り付けアーム161の下方に位置する横方向に離間した一対の下方耳部170を有する。第1ヨーク160の耳部170は、ループ状ハンドル45の中央カラム142の一部の両側に入れ子に嵌合される。
図14に示すように、中央カラム142は、中央カラム142を横方向に貫通する2つの貫通スロット172を有する。スロット172は、L字形の上方スロット172tと、若干円弧状に湾曲した下方スロット172bとを含む。
【0062】
上下のボルト174t、174bは、第1ヨーク160の耳部170に、これらのために設けられた円形の開口部を横方向に貫通する。上方ボルト174tは、中央カラム142の上部スロット172tに挿入され、これを貫通する。下方ボルト174bは、中央カラム142の下方スロット172bに挿入され、これを貫通する。作動棒150がその駆動係合解除位置にあるとき、各ボルト174は、
図14に示すようにその対応するスロット172の上部に挿入される。
【0063】
ユーザが作動棒150の上部152を単に掴み、それをループ状ハンドル45の上部140tに向かって枢動させようとしても、この操作はループ状ハンドル45の中央カラム142内のL字形上部スロット172tの略前方垂直延在アーム171内の上部ボルト174tの係合によって防止される。作動棒150を閉じるために、ユーザは、まず自分の手の指を作動棒150の上部152に置き、作動棒150を矢印Eの方向に下方および後方に押圧しなければならない。作動棒150が矢印Eの方向に移動すると、第1ヨーク160の耳部170によって担持された上部ボルト174tおよび下部ボルト174bは、ループ状ハンドル45の上部スロット172tおよび下部スロット172bの下部に達する。これにより、上部ボルト174tは、上部スロット172tのL字形の、上方および後方に延在する下部アーム173と位置合わせされる。下部ボルト174tも、作動棒150の脚部154l、154rのスロット156の上端に到達したボルト157の軸と位置合わせされるようになる。上部スロット172tに挿入された上部ボルト174tは、作動棒150が最初に作動棒ロック解除方向Eに下方に変位するまで、作動棒150が作動棒閉鎖方向Dに枢動するのを防止する第2ピン/スロット接続を形成する。
【0064】
したがって、ボルト174t、174bがそれぞれスロット172t、172bの下端に配置された状態で、ユーザは、下部ボルト174bおよびボルト157の軸を中心に矢印Dの方向に作動棒150を自由に枢動させることが可能となる。というのは、上部ボルト174tが上部スロット172tのL字形の下側アーム173内を後方に単に移動するので、作動棒150がこのように枢動運動することができるようになるからである。作動棒150が下部ボルト174bおよびボルト157の軸を中心に下部スロット172b内で枢動すると、作動棒150は、ループ状ハンドル45の上部140tに実質的に直接隣接または当接する位置に、迅速に到達する。作動棒150がこの駆動係合位置にあると、牽引駆動部13のクラッチにつながるボーデンケーブル78の内側ワイヤに作動棒150を接続するリンクもまた、ボーデンケーブルの内側ワイヤを内側に引っ張って牽引駆動部13を作動させるように枢動されている。ユーザは、牽引駆動部13を係合解除したいときは、作動棒150を離すだけでよい。これにより、ボーデンケーブルによって供給されるばね付勢は牽引駆動部13を自動的に係合解除する。これにより、芝刈り機2は停止する。
【0065】
作動棒150をその駆動係合解除位置からその駆動係合位置に移動させるために必要な2つの動作は、多くのユーザにとって直感的であるか、または容易かつ迅速に習得される。例えば、ユーザは、ループ状ハンドル45の上部140tに掌を置き、指を作動棒150の上部に置いた状態で、前に手を伸ばすことで作動棒150の上部152を掴むことにより、自然に作動棒150を把持する。この位置では、ユーザの指は、矢印Eの方向に作動棒150を押し下げる必要がある場所に自然に配置される。ユーザは、自分の指で作動棒150を単に押し下げることが、作動棒150を閉じるのに必要な矢印Dの方向への作動棒150のその後の枢動を可能にするために、作動棒150をラッチ解除するのに必要なすべてであることを学習するか、または理解する。したがって、牽引駆動部13の係合に必要な一連の動作、すなわち、最初に作動棒150を押し下げ、その後作動棒150の下方への動きが停止した後に作動棒150を引き戻すために必要な一連の動作全体は、ユーザにとって習得が困難ではなく、ユーザは一度習得した後にすぐに忘れることもない。
【0066】
作動棒150が作用する牽引駆動部13内のクラッチ(不図示)は、互いに漸進的に接触するか、または牽引駆動部13を係合するように互いに対して締結され、かつ牽引駆動部13を係合解除するように互いから漸進的に解放されるか、または緩められるクラッチ部材を含むことができる。作動棒150が矢印Eの方向に完全に押し下げられているが、まだ矢印Dの方向に枢動されていないとき、クラッチ部材は、または牽引駆動部13が牽引ドラム12に動力を供給しないように、互いに十分に接触していないか、十分に緩められている。作動棒150が矢印Dの方向に完全に枢動された後、牽引駆動部13がエンジンスロットル制御部40の設定によって決定された対地速度で牽引ドラム12を駆動するように、クラッチ部材は互いに十分に接触するか、または十分に締結される。ただし、ユーザは、作動棒150を矢印Dの方向に部分的に枢動された位置に保持することで、クラッチ部材を部分的にのみ係合させるかまたは締め付けて、所与のスロットル設定に対して最大対地速度よりも低い対地速度を選択できる。
【0067】
牽引駆動部13内のクラッチを部分的にスリップさせて芝刈り機2の対地速度を選択的に低下させるこの機能は、芝刈り行程の終端で、芝刈り機2を方向転換させる際に非常に有用である。芝刈り機が芝刈り行程での速度と同じ速度で方向転換される場合、芝刈り機2は所与のより大きな円を回るので、芝刈り機の方向転換中にハンドルアセンブリ34に追いつくため、ユーザによってはより小さい円を回る場合よりも、速度をあげるか、場合によっては走る必要があると感じる。一方で、ユーザは作動棒150にある程度の圧力を維持しながら単に作動棒150から圧力を抜くことで、作動棒150の位置を、作動棒150のオフ位置と作動棒150の完全係合位置との間の様々な中間位置への斬新的な調整が可能である。これらの中間位置のいずれにおいて、クラッチは、作動棒150がハンドル45に対して完全に係合されているときよりも低い対地速度の範囲を実現するように、それぞれ異なる程度でスリップする。したがって、ユーザは、より低い対地速度を選択することができる。これにより、ユーザは、走ることなく、歩き続けて、芝刈り機2を新しい芝刈り行程につくように方向転換することができる。これにより、エンジンスロットル制御部40の設定を、芝刈り機2の方向転換の際に変化させる必要ないので、ユーザは、芝刈り行程において設定した指定対地速度を変更する必要なく、容易に芝刈り機2の対地速度を低下させることができる。
【0068】
作動棒150は、牽引駆動部13を係合および係合解除するために使用されるものとして上述した。これは、
図1の芝刈り機2においてこの機能のために一般的に使用される典型的な制御レバー37に対して任意選択で代替的に利用されるものである。ただし、作動棒150は、単純にユーザが存在する際の制御用に操作レバー37と共に使用されてもよい。この機能のために、作動棒150は、原動機起動/停止回路の一部として使用されてもよい。この際、作動棒150が閉じられると、原動機6を始動または作動され、解放されると、原動機6は停止するか、非稼働状態となる。
【0069】
交換可能な刈り込みユニット
ここで
図15を参照すると、リール式刈り込みユニット22の各側板26は、牽引フレーム4の各側部部材14の、前方に面する同様の取付面18と当接するように設計された後方に面する取付面176を有する。側板26および側部部材14は、それらが迅速かつ容易に互いにボルト止めされることを可能にする、それぞれ対応する開口を有する。これにより取り付けられると、芝に対する刈り込みユニット22の地面輪郭に追従した動きは、牽引フレーム4の動きに依存するため、本明細書で前述したリール式刈り込みユニット22は固定ヘッド型刈り込みユニットになる。
図1および
図15に示す固定ヘッド型リール式刈り込みユニット22は、牽引フレーム4の地面輪郭追従運動とは異なる、地面輪郭追従運動を有さない。
【0070】
牽引フレーム4の側部部材14上の取付面18によって一体的に提供されるリール式刈り込みユニットマウントにより、
図1および
図15に示す固定型刈り込みユニットを、当技術分野で周知のタイプのフレックスヘッド型刈り込みユニット22’と交換可能にする。具体的には、そのようなフレックスヘッド型刈り込みユニットは、参照により本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人であるToro Companyが所有する米国特許第7、191、584号に記載されている。
図16に示すように、そのようなフレックスヘッド型刈り込みユニット22’は、そのフロントローラに加えて後部ローラ178を有するため、地面上の移動のために自立する。より重要なことに、刈り込みユニット22’が芝刈り機2の残りの部分に対して1つまたは複数の自由度で独立して移動可能であり、独自の分離独立した地面追従運動を可能とするように、刈り込みユニット22’は芝刈り機2の残りの部分に担持される。
【0071】
さらに
図16を参照すると、クロスバー182と、2つの下方および後方に延在する脚部184とを有する略U字形のキャリアフレーム180が設けられている。U字を確定する、2つの脚部の内、一方は
図15では図示されているが、他方はされていない。キャリアフレーム180の各脚部184の後端には、固定ヘッド型刈り込みユニット22の取付面176と同様の、後方に面する垂直取付面179が設けられている。キャリアフレーム180の取付面179は、固定ヘッド型刈り込みユニット22の取付面176と同様に、牽引フレーム4の前方に面する取付面18に当接することができる。これにより、フレックスヘッド型刈り込みユニット22’のキャリアフレーム180は、固定ヘッド型刈り込みユニット22の側板26と同様に牽引フレーム4にボルト止めされることが可能になる。
【0072】
上述のように参照により本明細書に以前に組み込まれた’584特許に示されている種類のフレックスヘッド型刈り込みユニット22’は、それぞれ水平縦軸および水平横軸を中心に、キャリアフレーム180に対して、したがって牽引フレーム4に対してロールおよびピッチするようにキャリアフレーム180上に担持される。2自由度の動きが好ましいが、1自由度、すなわちロール、ピッチのいずれの動きもまた、キャリアフレーム180によって実現できる。固定ヘッド型刈り込みユニット22と同様に、フレックスヘッド型刈り込みユニット22’はギアボックス190’を含むが、これは、固定ヘッド型刈り込みユニット22上の位置と比較して、フレックスヘッド型刈り込みユニット22’とは反対側の側板に取り付けられる。この場合、リール駆動部23全体は、牽引フレーム4に対するフレックスヘッド型刈り込みユニット22’の動きに対応するように、ギアボックス190’を牽引フレーム4に支持されたリール駆動部23の残りの部分に接続するための可撓性駆動軸(不図示)を含む。
【0073】
固定ヘッド型刈り込みユニット22またはフレックスヘッド型刈り込みユニット22’のいずれかを支持するために共通マウントを使用することにより、牽引フレーム4の製造ならびに芝刈り機2の組み立てが簡単になる。牽引フレーム4は、芝刈り機の異なるモデル間で同一であることが好ましく、側部部材4は、互いに同一であり、単一の共通の鋳造片を含むことが好ましい。これにより、異なる牽引フレームを製造および在庫として持つ必要がなくなる。したがって、牽引フレーム4の製造コストが低減し、かつ製造目的の在庫の管理を簡素化する製造効率化が実現される。さらに、異なる刈り込みユニット22、22’であっても同じように牽引フレーム4に取り付けられる。これにより、異なる刈り込みユニット22、22’を牽引フレーム4に固定する際の組み付け作業が容易になる。例えば、ライン作業者は、牽引フレーム4に刈り込みユニット22または22’を取り付けるため、2つの異なる方法ではなく1つの方法を習得して実行すればよい。これらの利点は、顧客まで恩恵を受ける、さらに/あるいは製造業者によって享受され得るコスト削減につながる。
【0074】
現場でのバックラップ
本明細書に開示される種類のリール式芝刈り機2では、刈り込みリール28の刃とベッドナイフの鋭利な刃先との間の界面での鋭利で高品質の切断を維持するために、バックラップ動作を定期的に行うことが通例である。通常、芝刈り作業中、刈り込みリール28の刃は、リール刃が未刈り取り草をベッドナイフの前方に面する刃先に押し付ける方向に回転している。バックラップ動作において、刈り込みリール28は、研削用化合物が刃/ベッドナイフ界面に塗布されている間、逆方向に駆動される。従来技術のバックラップ方法では、この作業は以下の作業を含む様々な方法で行われており、刈り込みユニット22を芝刈り機2から完全に取り外し、バックラップ動作中にリール28を逆に駆動するためにそれを別個の機械に配置することを含む。これらの従来技術のバックラップ方法は、面倒で労力がかかり、刈り込みリール28の回転方向を反転させるための別個の機械または駆動部の使用を伴う。
【0075】
図2に最もよく示すように、また本発明に開示されている種類の多くの芝刈り機2において一般的であるように、牽引ドラム12のドラム半体10は、ドラム半体10の外側の横方向外側に延びる車軸186を有する。これは、リムに取り付けられたトレッド付き空気入りタイヤを有する地面走行車輪188が車軸の延長部分に設置可能にするのが目的である。走行車輪188は、牽引ドラム12よりも大きい直径を有する。したがって、走行車輪188は、牽引ドラム12を地面から持ち上げるように設置することができ、芝刈り機2が地点間での運搬される際に、舗装された表面などの非芝面を通過し得る場合に、牽引ドラム12の摩耗または損傷を防止する。
【0076】
本発明の芝刈り機2は、牽引フレーム4から刈り込みユニット22を取り外さずに、現場でバックラップ作業を実行するように適合されている。そのために、両方の走行車輪188を利用する。
図17および
図18に示すように、第1走行車輪188aは、芝刈り機2の、リール駆動部23を有する側で一般的方法により牽引ドラム12に設置される。第2走行車輪188bは、牽引ドラム12の反対側の通常の場所には設置されていないが、バックラップ動作において新規な方法として、従動輪として使用される。
【0077】
第2走行車輪188bをバックラップに使用するために、カバーを取り外すことで、リール駆動部23の一部であるリール駆動部ギアボックス190の上端を開放する。これにより、原動機6から最終的に動力が供給される駆動カプラ194から動力を受け取る入力ギア192が外部に露出する。駆動カプラ194と、リール駆動部ギアボックス190の入力ギア192の内側との係合は維持される。ただし、駆動カプラ194は
図17に示すように、駆動係合位置にある、横方向摺動可能スリーブ195を含む。ただし、バックラップ動作の実行を望む場合、スリーブ195は
図17の左側に横方向移動可能である。そして、当該移動後の位置に保持できる。これにより、リールギアボックス190が、リールドライブ23の残部から切り離すことができる。これにより、リールドライブ23は動作不能となる。
【0078】
入力ギア192の外側へアクセスできるようになると、短いスタブ車軸196を入力ギア192の外側にねじ込み、または任意の適切な方法で取り付け可能となる。その後、
図18に最もよく示すように、第2走行車輪188bはスタブ車軸196の上に取り付けられることで、第1走行車輪188aよりも上方および一部前方の位置に配置される。この位置では、第2走行車輪188bのタイヤ下後部が、第1走行車輪188aのタイヤ上前部に接触および当接する。スタブ車軸196は、スタブ車軸196の六角形部分198を介した、第2走行車輪188bへの駆動接続部を有する。六角形部分198は、第2走行車輪188bのリムのハブ内の同様の六角形部分(不図示)内に回転不能に収容される。第2走行車輪188bがスタブ車軸196に設置された後、第2走行車輪は、スタブ車軸196の六角形部分198のねじ孔202にねじ込まれるねじ付き外側リテーナ200によって、その所定位置に保持される。
【0079】
図1および2に最もよく示すように、リール駆動部ギアボックス190は、刈り込みユニット22の隣接する側板26内の円弧状スロット27を通過する、固定ボルト(不図示)が収容されるポスト190を有する。固定ボルトをポスト191内で締めることで、ギアボックス190を側板26に対して固定または挟持できる。一方で、係合ボルトを緩めると、ギアボックス190は刈り込みリール28の軸を中心に枢動可能となる。したがって、スロット27の長さに沿って前後に揺動する。これにより、ギアボックス190の上端が上方に揺動可能となり、ユーザによる、第1走行車輪188aに干渉しないで第2走行車輪188bをスタブ軸にとりつける動作を行い易くする。このように第2走行車輪188bが設置された後、ギアボックス190の上端は後方に揺動できる。これにより、2つの走行車輪188aおよび188bがその適切な摩擦係合状態となる。当該係合の後、係合ボルトを再度ポスト191内で締めることで、バックラップ用、車輪188aおよび188b係合位置で、再度ギアボックス190を側板22に対して固定または挟持できる。
【0080】
上述し
図18に示すように第2走行車輪188bが設置された場合、芝刈り機2は、第1走行車輪188aおよび牽引ドラム12が地面と接触しないように持ち上げられるのに十分なように地面からブロックまたはジャッキアップされる必要がある。その後、リール駆動部23が動作不能である状態で、主芝刈り機6が作動状態になると、牽引駆動制御部、すなわち枢動制御レバー27または作動棒150のいずれかを操作して、牽引駆動部13を係合できる。これにより、第1走行車輪188aまたは牽引ドラム12が地面と接触していた場合に、芝刈り機2の前方向に対応する時計回り方向CWに第1走行車輪188aが回転する。そして、第1走行車輪188aが時計回り方向CWに回転すると、第2走行車輪188bが反時計回り方向CCWに回転し、これにより刈り込みリール28がその通常の回転方向に対して逆方向に回転する。換言すれば、刈り込みリール28はその刃がベッドナイフの刃先に向かって後方に移動するように回転するのではなく、刈り込みリール28の刃がベッドナイフの刃先から離れるように前方に移動する。このように回転を反転することにより、バックラップ動作は、研削用化合物が刈り込みリール28の刃とベッドナイフとの間に配置された状態で開始することができる。
【0081】
本発明によって可能になるバックラップ動作は、牽引フレーム4から刈り込みユニット22を取り外すことなく実行できる。さらに、バックラップは、芝刈り機2に既に設けられているもの以外の追加のリール駆動部または構成要素を使用することなく実行できる。走行車輪188は芝刈り機2の一部であり、本明細書に開示されるそれらの使用は、例えば駆動カプラ194上のスリーブ195を駆動係合解除位置に摺動させることで、リール駆動部23を動作不能にしたままにしながら、牽引駆動部13を係合させるだけでバックラップを可能にする。これにより、このために外部駆動部を使用する必要なく、また主芝刈り機6、牽引駆動部13、およびリール駆動部23が本質的に機械的装置である場合でも、リール28の方向の効果的な反転が可能になる。この利点は、当業者には明らかである。
【0082】
その他の変形例
前のセクションに記載された本発明の特徴は、単一の芝刈り機2においてすべて使用することができる。あるいは、特徴の各々は、所与の芝刈り機2上で単独で、または他の特徴を使用せずに共に使用される複数の特徴の様々な置換または組み合わせで使用されてもよい。
【0083】
様々な他の変形が当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。