(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】追加機能を持つLED照明装置
(51)【国際特許分類】
F21K 9/64 20160101AFI20240509BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240509BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240509BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240509BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20240509BHJP
F21V 3/12 20180101ALI20240509BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20240509BHJP
F21V 9/38 20180101ALI20240509BHJP
F21Y 113/17 20160101ALN20240509BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240509BHJP
【FI】
F21K9/64
H01L33/50
H01L33/00 L
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V33/00 400
F21V3/12
F21V3/00 510
F21V9/38
F21Y113:17
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021537170
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(86)【国際出願番号】 KR2019018458
(87)【国際公開番号】W WO2020138947
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-22
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ペ,ヒ ホ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ヨン ミン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ア ヨン
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-524783(JP,A)
【文献】特開2018-200884(JP,A)
【文献】特表2015-523875(JP,A)
【文献】特表2018-518046(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0003198(KR,A)
【文献】特開2008-034833(JP,A)
【文献】特表2008-508918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 1/00- 8/00
F21V 9/00-15/04
F21V 19/00-19/06
F21V 23/00-99/00
H01L 33/50
H01L 33/00
F21Y 113/17
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板、および
前記回路基板上に設けられる複数の発光ユニットを備え、
前記複数の発光ユニットの少なくとも一つは、
300nmから470nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオード;
前記第1発光ダイオードよりも短い波長を有する第2発光ダイオード;及び
前記第1発光ダイオードを覆い、前記第1発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含み、
前記波長変換機は、前記光の一部を、細胞内のミトコンドリアによって吸収され、前記ミトコンドリアがより多くのATPを生成して代謝を増進する赤色光または近赤外線に変換する波長変換物質を含み、
前記複数の発光ユニットは、白色光を放出すると共に、ビタミンDの生成に適した光及び
を容易にし、細胞活性物質の生成に適した光を放出し、
前記赤色光または前記近赤外線の照度は、570W/m
2
未満である、照明装置。
【請求項2】
前記波長変換機は、前記第1発光ダイオードによって生成する前記光の一部を長波長の可視光に変換し、
前記第1発光ダイオードによって生成され、外部に放出される前記光の照度は、前記波長変換物質によって波長変換された光の照度よりも低い、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記発光ユニットは、互いに同じ或いは異なる色温度の白色光を具現する、請求項
2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記波長変換機は、青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含む、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第2発光ダイオードは、291nm~301nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第2発光ダイオードは、前記波長変換機から離隔される、請求項
5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記細胞活性物質は、ミトコンドリア内のシトクロムcオキシダーゼ活性によって生成された一酸化窒素である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
前記波長変換機は、685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内のピーク波長の光に波長を変換する波長変換物質を含む、請求項
7に記載の照明装置。
【請求項9】
第3発光ダイオードをさらに含み、
前記第3発光ダイオードは、685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内のピーク波長の光を放出する、請求項
7に記載の照明装置。
【請求項10】
前記685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内のピーク波長の光を有する波長変換物質から放出された光の放射照度は、570W/m
2以下である、請求項
9に記載の照明装置。
【請求項11】
病原性微生物の殺菌に適した光を放出する第4発光ダイオードをさらに含み、
前記第4発光ダイオードは、前記波長変換機から離隔される、請求項1に記載の照明装置。
【請求項12】
前記第4発光ダイオードは、400nm~420nmの範囲内のピーク波長を有する、請求項
11に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、LEDを利用した照明装置に関するものであり、より詳しくは、追加機能を持つLED照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、無機光源として、ディスプレイ装置、車両用ランプ、一般照明のような様々な分野に多様に用いられている。特に、発光ダイオードは、寿命が長く消費電力が低いため、既存の照明光源を速い速度で置き換えている。
【0003】
一方、太陽光は紫外線、可視光及び赤外線の領域に亘って広い波長スペクトルを表す。人体は、太陽光に適応しながら生存してきており、これによって、太陽光の広い波長範囲に亘って広い波長範囲の光を利用している。
【0004】
一般的な照明は、太陽光とは異なり可視光領域に限定され、可視光以外の波長範囲の光を提供することができない。その結果、照明光源下で生活する一般人は、可視光以外の人体に有益な波長の光を吸収することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例は、可視光を提供する照明機能以外に追加的な機能を持つ照明装置、発光ダイオードパッケージ及び照明システムを提供する。
【0006】
本開示の実施例は、太陽光に似た可視光を提供すると共に、エネルギー効率の高い照明装置、発光ダイオードパッケージ及び照明システムを提供する。
【0007】
本開示の実施例は、単純な構造のユニット光源を利用して追加的な機能を持つ照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施例に係る照明装置は、単一の発光ダイオードと前記発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含む少なくとも一つの発光ユニットを含み、前記発光ユニットは、白色光を放出すると共に、ビタミンDの生成に適した光、病原性微生物の殺菌に適した光、又は細胞活性物質の生成に適した光を放出する。
【0009】
本開示のさらに別の実施例に係る照明装置は、第1発光ユニット、第2発光ユニット及び第3発光ユニットの少なくとも二つの発光ユニットの組合せを含み、第1発光ユニットは、ピーク波長が約286nm~約304nmの範囲内の光を放出する第1発光ダイオード及び第1波長変換機を含み、前記第1発光ダイオードで生成された光の一部を外部に放出し、第2発光ユニットは、ピーク波長が約400nm~420nmの範囲内の光を放出する第2発光ダイオード及び第2波長変換機を含み、前記第2発光ダイオードで生成された光の一部を外部に放出し、第3発光ユニットは、ピーク波長が約286nm~約470nmの範囲内の光を放出する第3発光ダイオード及び第3波長変換機を含み、前記第3波長変換機は約685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内に中心波長を有する波長変換物質を含む。
【0010】
本開示のさらに別の実施例に係る照明装置は、約300nm~約470nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオード;約286nm~約304nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出する第2発光ダイオード;及び前記第1発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含み、白色光を放出すると共に、ビタミンDの生成に適した光及び細胞活性物質の生成に適した光を放出する。
【0011】
本開示のさらに別の実施例に係る照明装置は、約300nm~約470nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオード;約286nm~約304nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出する第2発光ダイオード;約685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内のピーク波長を有する第3発光ダイオード;及び前記第1発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含み、前記第1発光ダイオードと前記波長変換機の組合せによって白色光を放出すると共に、前記第2及び第3発光ダイオードで生成された光が外部に放出される。
【0012】
本開示の一実施例に係る発光ダイオードパッケージは、約300nm~約470nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオード;約286nm~約304nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出する第2発光ダイオード;及び前記第1発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含み、白色光を放出すると共に、ビタミンDの生成に適した光及び細胞活性物質の生成に適した光を放出する。
【0013】
本開示のさらに別の実施例に係る発光ダイオードパッケージは、約300nm~約470nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオード;約286nm~約304nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出する第2発光ダイオード;約685nm~705nm、約790nm~840nm、又は約875nm~935nmの範囲内のピーク波長を有する第3発光ダイオード;及び前記第1発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含み、前記第1発光ダイオードと前記波長変換機の組合せによって白色光を放出すると共に、前記第2及び第3発光ダイオードで生成された光が外部に放出される。
【0014】
また、本開示のさらに別の実施例は、前記照明装置を含む照明システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の一実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図2】
図1の切り取り線A-Aに沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図3】波長による人体のビタミンDの生成効率を示すグラフである。
【
図4】青色光の波長による危険度を示すグラフである。
【
図5】従来の青色発光ダイオードを使用した白色光源のスペクトルを示す。
【
図6】本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な断面図である。
【
図7】本開示のさらに別の実施例に係る発光ユニットを説明するための概略的な断面図である。
【
図8】本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図9】
図8の切り取り線B-Bに沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図10】本開示の幾つかの実施例に係る照明装置の代表的なスペクトルを説明するためのグラフである。
【
図11】本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図12】
図11の切り取り線C-Cに沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図13】波長による細胞機能活性効率を示すためのグラフである。
【
図14】本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図15】
図14の切り取り線D-Dに沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図16】本開示の一実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図17】
図16の切り取り線E-Eに沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図18】青色光の波長による危険度を示すグラフである。
【
図19】一般的な青色発光ダイオードを使用した白色光源のスペクトルを示す。
【
図20】本開示の幾つかの実施例に係る白色光源のスペクトルを示す。
【
図21】波長による人体のビタミンDの生成効率を示すグラフである。
【
図22】波長による細胞機能活性効率を示すグラフである。
【
図23】本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図24】本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図25】
図24の切り取り線F-Fに沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図26】本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図27】本開示のまた別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図28】本開示のまた別の実施例に係る発光ユニットを説明するための概略的な断面図である。
【
図29】本開示のまた別の実施例に係る発光ユニットを説明するための概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施例を詳しく説明する。次に紹介する実施例は、本開示の属する技術分野において通常の技術者に本発明の思想を十分に伝えるための例として提供するものである。よって、本開示は以下で説明する実施例に限定されるのではなく、別の形態で具体化することもできる。そして、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は、便宜のために誇張して表現する場合がある。また、一つの構成要素が別の構成要素の「上部に」又は「上に」あると記載されている場合、各部分が他の部分の「真上部」又は「真上に」ある場合だけでなく、各構成要素と別の構成要素間にさらに別の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体に亘って同じ参照番号は同じ構成要素を表す。
【0017】
本開示の一実施例に係る照明装置は、単一の発光ダイオードと前記発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含む少なくとも一つの発光ユニットを含み、前記発光ユニットは白色光を放出すると共に、ビタミンDの生成に適した光、病原性微生物の殺菌に適した光、又は細胞活性物質の生成に適した光を放出する。
【0018】
単一の発光ダイオードを利用して白色光を具現すると共に、ビタミンDの合成に必要な紫外線を放出できるため、構造を複雑にすることなく追加機能を持つ照明装置を提供することができる。
【0019】
前記発光ダイオードは、約286nm~約304nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出できる。より具体的には、前記発光ダイオードは約291nm~約301nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出することができる。この範囲の紫外線を放出することにより、ビタミンDを効率的に合成することができる。
【0020】
幾つかの実施例において、前記波長変換機は、青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含んでもよい。前記蛍光体を用いて白色光を具現することができる。
【0021】
一実施例において、前記発光ダイオードは、約400nm~420nmの範囲内のピーク波長を有する可視光を放出することができ、前記波長変換機は、青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含んでもよい。相対的に短波長の可視光を放出する発光ダイオードを使用することにより、太陽光と似た可視領域のスペクトルを具現することができる。
【0022】
一方、前記細胞活性物質は、ミトコンドリア内のシトクロムcオキシダーゼ活性によって生成された一酸化窒素(nitric oxide;NO)になり得る。NOは、痛み緩和及び血液循環の改善等に影響を与えて人体の健康を増進させる。
【0023】
さらに、細胞内のミトコンドリアに吸収された第2発光ダイオードの光は、ミトコンドリアがより多くのATPを生成するようにし、代謝を増進させる。
【0024】
前記波長変換機は、約685nm~705nm、約790nm~840nm、又は約875nm~935nmの範囲内の中心波長の光を放出することができる。この波長範囲でシトクロムcオキシダーゼのエネルギー吸収率が相対的により高くなる。特に、シトクロムcオキシダーゼは790nm~840nmの範囲内で最も高い吸収率を表し、875nm~935nmの範囲内でその次に高い吸収率を表す。よって、前記波長変換機は、少なくとも790nm~840nmの範囲内、又は875nm~935nmの範囲内に中心波長を有することができる。さらに、前記波長変換物質は蛍光体または量子ドットを含んでもよい。量子ドットは、特に狭い半値幅を有し、よって細胞活性物質の生成に適している。
【0025】
一方、前記約685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内の中心波長の光を有する波長変換物質から放出された光の放射照度(irradiance)は、570W/m2以下になり得る。
【0026】
さらに別の実施例において、前記発光ダイオードは約286nm~約304nmの範囲内の紫外線、又は400nm~420nmの範囲内の可視光を放出することができる。
【0027】
一方、前記照明装置は、前記発光ユニットが実装された回路基板をさらに含むことができる。前記回路基板上に複数の発光ユニットを実装することができ、これら発光ユニットは互いに直列、並列または逆並列に連結することができる。
【0028】
幾つかの実施例において、前記の少なくとも一つの発光ユニットは、少なくとも2種類の互いに異なる発光ユニットを含むことができ、前記の互いに異なる発光ユニットは、それぞれ白色光を放出し、さらに、ビタミンDの生成に適した光、病原性微生物の殺菌に適した光、又は細胞活性物質の生成に適した光のうち、互いに異なる光を放出することができる。
【0029】
さらに別の実施例において、前記の少なくとも一つの発光ユニットは、少なくとも3種類の互いに異なる発光ユニットを含むことができ、前記の互いに異なる発光ユニットはそれぞれ白色光を放出すると共に、ビタミンDの生成に適した光、病原性微生物の殺菌に適した光、又は細胞活性物質の生成に適した光を放出することができる。
【0030】
本開示のさらに別の実施例に係る照明装置は、第1発光ユニット、第2発光ユニット及び第3発光ユニットの少なくとも二つの発光ユニットの組合せを含み、第1発光ユニットは、ピーク波長が約286nm~約304nmの範囲内の光を放出する第1発光ダイオード及び第1波長変換機を含み、前記第1発光ダイオードで生成された光の一部を外部に放出し、第2発光ユニットは、ピーク波長が約400nm~420nmの範囲内の光を放出する第2発光ダイオード及び第2波長変換機を含み、前記第2発光ダイオードで生成された光の一部を外部に放出し、第3発光ユニットは、ピーク波長が約286nm~約470nmの範囲内の光を放出する第3発光ダイオード及び第3波長変換機を含み、前記第3波長変換機は約685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内に中心波長を有する波長変換物質を含む。
【0031】
前記約685nm~705nm、約790nm~840nm、又は約875nm~935nmの範囲内に中心波長を有する波長変換物質は、量子ドットになり得る。量子ドットは、狭い半値幅で高い強度の変換光を放出できるため、特定波長の光の放出に適している。
【0032】
一方、前記第1波長変換機及び第2波長変換機は、青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含むことができ、前記第3波長変換機は、緑色蛍光体及び赤色蛍光体をさらに含むことができる。
【0033】
前記第1発光ユニット、第2発光ユニット及び第3発光ユニットは、それぞれ独立して駆動することができる。
【0034】
前記第1発光ユニット、第2発光ユニット及び第3発光ユニットは、それぞれ白色光を放出することができる。
【0035】
特定の実施例において、前記第3発光ダイオードは、ピーク波長が約400nm~420nmの範囲内の光を放出することができる。
【0036】
本開示のさらに別の実施例に係る照明装置は、約300nm~約470nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオード;約286nm~約304nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出する第2発光ダイオード;及び前記第1発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含み、白色光を放出すると共に、ビタミンDの生成に適した光及び細胞活性物質の生成に適した光を放出する。
【0037】
白色光を具現すると共に、ビタミンDの生成に必要な紫外線及び細胞活性物質の生成に適した光を放出することができるため、太陽光のように人体に有益な光を提供する照明装置を提供することができる。さらに、本実施例に係る照明装置は、発光ダイオードを用いて光を放出するため、太陽光に不足する紫外線領域でも光を放出でき、太陽光に比べてビタミンDの生成により適した光を放出することもできる。
【0038】
前記白色光は、前記第1発光ダイオードと前記波長変換機によって具現することができる。さらに、前記第1発光ダイオードは、約400nm~約420nmの範囲内のピーク波長を有することができる。
【0039】
一方、前記波長変換機は、青色蛍光体を含むことができ、前記白色光は前記第1発光ダイオードによるピークと前記青色蛍光体によるピークを有し、前記第1発光ダイオードによるピークと前記青色蛍光体によるピークは、互いに異なる波長に位置し得る。
【0040】
幾つかの実施例において、前記照明装置は互いに離隔した複数の発光ユニットを含むことができ、それぞれの発光ユニットは前記第1発光ダイオードと前記第1発光ダイオードを覆う前記波長変換機を含む。
【0041】
さらに、前記発光ユニットは互いに同じか異なる色温度の白色光を具現することができる。
【0042】
別の実施例において、前記発光ユニットの組合せによって白色光が具現できる。
【0043】
一方、一実施例において、前記波長変換機は青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含むことができる。別の実施例において、前記波長変換機は青色蛍光体を含まず緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含んだり、オレンジ色蛍光体を含んだりしてもよい。
【0044】
前記第2発光ダイオードは、ビタミンDの合成に適した光を放出する。特に、前記第2発光ダイオードは、約291nm~約301nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出することができる。この範囲の紫外線を放出することにより、ビタミンDを効率的に合成することができる。
【0045】
一実施例において、前記第2発光ダイオードは、前記波長変換機から離隔してもよい。第2発光ダイオードから放出された光が波長変換機に進入することを防ぐことにより、第2発光ダイオードから放出された光が波長変換されることを防ぐことができる。これにより、第2発光ダイオードから放出された光の波長変換による光の損失を防ぐことができ、さらに、照明装置の色温度を容易に調節することができる。
【0046】
一方、前記細胞活性物質は、ミトコンドリア内のシトクロムcオキシダーゼ活性によって生成された一酸化窒素(nitric oxide;NO)になり得る。NOは、痛み緩和及び血液循環の改善等に影響を与えて人体の健康を増進させる。さらに、前記細胞活性物質の生成に適した光は、細胞内のミトコンドリアに吸収されてミトコンドリアがより多くのATPを生成するようにし、代謝を増進させる。
【0047】
一実施例において、前記波長変換機は約685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内のピーク波長の光に波長を変換する波長変換物質を含むことができる。
【0048】
この波長の範囲でシトクロムcオキシダーゼのエネルギー吸収率が相対的により高くなる。特に、シトクロムcオキシダーゼは、790nm~840nmの範囲内で最も高い吸収率を表し、875nm~935nmの範囲内でその次に高い吸収率を表す。よって、前記波長変換機は、少なくとも790nm~840nmの範囲内、又は875nm~935nmの範囲内にピーク波長を有することができる。さらに、前記波長変換物質は蛍光体または量子ドットを含んでもよい。量子ドットは、特に狭い半値幅を有し、よって細胞活性物質の生成に適している。
【0049】
別の実施例において、前記照明装置は第3発光ダイオードをさらに含むことができ、前記第3発光ダイオードは約685nm~705nm、約790nm~840nm、又は約875nm~935nmの範囲内のピーク波長の光を放出することができる。
【0050】
前記約685nm~705nm、約790nm~840nm、又は約875nm~935nmの範囲内のピーク波長の光を有する波長変換物質から放出された光の放射照度(irradiance)は、570W/m2以下になり得る。
【0051】
一実施例において、前記第1発光ダイオードで生成された光は、照明装置の外部に放出されて病原性微生物を殺菌することができる。
【0052】
別の実施例において、前記照明装置は、病原性微生物の殺菌に適した光を放出する第4発光ダイオードをさらに含むことができる。前記第4発光ダイオードは、前記波長変換機から離隔されてもよい。
【0053】
前記第4発光ダイオードは、約400nm~約420nmの範囲内のピーク波長を有することができ、さらに約400nm~約410nmのピーク波長、さらには約405nmのピーク波長を有することができる。
【0054】
一方、前記照明装置は、前記第1から第3発光ダイオードが実装された回路基板をさらに含むことができる。
【0055】
本開示のさらに別の実施例に係る照明装置は、約300nm~約470nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオード;約286nm~約304nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出する第2発光ダイオード;約685nm~705nm、約790nm~840nm、又は約875nm~935nmの範囲内のピーク波長を有する第3発光ダイオード;及び前記第1発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含み、前記第1発光ダイオードと前記波長変換機の組合せによって白色光を放出すると共に、前記第2及び第3発光ダイオードで生成された光が外部に放出される。
【0056】
第1発光ダイオードと一緒に第2及び第3発光ダイオードを含むことにより、人体のビタミンDの合成及び細胞活性物質の生成を助ける。
【0057】
前記照明装置は、前記波長変換機から離隔され、約400nm~約420nmの範囲内のピーク波長を有する第4発光ダイオードをさらに含むことができる。前記第4発光ダイオードで生成された光は、病原性微生物の殺菌に使用できる。
【0058】
本開示のさらに別の実施例に係る発光ダイオードパッケージは、約300nm~約470nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオード;約286nm~約304nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出する第2発光ダイオード;及び前記第1発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含み、白色光を放出すると共に、ビタミンDの生成に適した光及び細胞活性物質の生成に適した光を放出する。
【0059】
本開示のさらに別の実施例に係る発光ダイオードパッケージは、約300nm~約470nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオード;約286nm~約304nmの範囲内のピーク波長を有する紫外線を放出する第2発光ダイオード;約685nm~705nm、約790nm~840nm、又は約875nm~935nmの範囲内のピーク波長を有する第3発光ダイオード;及び前記第1発光ダイオードから放出された光の波長を変換するための波長変換機を含み、前記第1発光ダイオードと前記波長変換機の組合せによって白色光を放出すると共に、前記第2及び第3発光ダイオードで生成された光が外部に放出される。
【0060】
本開示のさらに別の実施例に係る照明システムは、室内空間に配置された照明装置を含むが、前記照明装置は上で説明した照明装置の一つである。
【0061】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施例について詳しく説明する。
【0062】
図1は本開示の一実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図であり、
図2は
図1の切り取り線A-Aに沿って切り取った概略的な断面図である。
【0063】
図1及び
図2を参照すると、照明装置は回路基板11、発光ユニット21及びモールディング部31を含むことができる。
【0064】
回路基板11は、発光ユニット21に電源を供給するための回路パターンを有し得る。回路基板11は、印刷回路ボードでもよく、例えば、メタル-PCBでもよい。発光ユニット21が搭載された回路基板11は、発光モジュールとして照明装置内に配置できる。
【0065】
発光ユニット21は、白色光を具現するための単位光源として少なくとも一つが回路基板11上に実装される。複数の発光ユニット21は、互いに多様な方式で電気的に連結することができ、例えば、直列、並列または直並列に連結することができる。
【0066】
発光ユニット21は、発光ダイオード21aと波長変換機21bを含む。本実施例において、発光ダイオード21aはUVBの紫外線を放出することができ、具体的には、約286nm~約304nmの範囲内、より具体的には約291nm~約301nmの範囲内に中心波長を有する光を放出できる。この範囲内の紫外線が人体に照射されると、ビタミンDが効率的に合成され得る。発光ダイオード21aは、例えばIII族窒化物半導体を用いて形成された無機発光ダイオードであり、公知の発光ダイオードチップを使用することができ、フリップチップ型、垂直型または水平型等、その構造も特に限定されない。
【0067】
波長変換機21bは、発光ダイオード21aから放出された光の波長を変換する。波長変換機21bは、発光ダイオード21aを覆うことができる。特に、発光ダイオード21aが複数の場合、波長変換機21bがそれぞれ発光ダイオード21aを覆うことができる。しかし、本開示はこれに限定されるのではなく、発光ダイオード21aが一つの波長変換機21bで一緒に覆われてもよい。例えば、モールディング部31が波長変換物質を含んで発光ダイオード21aを覆うこともできる。
【0068】
波長変換機21bは、発光ダイオード21aで生成された光の波長を変換させて白色光を具現する波長変換物質を含む。一実施例において、波長変換機21bは青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含んでもよい。別の実施例において、波長変換機21bは、青色蛍光体及びオレンジ色蛍光体を含んでもよい。別の実施例において、波長変換機は蛍光体の代わりに、又は蛍光体に加えて量子ドットを含むこともできる。波長変換機21aは、例えばシリコン樹脂またはガラスに、蛍光体または量子ドットが分散された構造を有することができる。
【0069】
青色蛍光体の例としては、BAM系、Halo-Phosphate系またはアルミネート系の蛍光体を挙げることができ、例えば、BaMgAl10O17:Mn2+、BaMgAl12O19:Mn2+又は(Sr,Ca,Ba)PO4Cl:Eu2+を含むことができる。青色蛍光体は、例えば440nm~500nmの範囲内にピーク波長を有する。
【0070】
緑色蛍光体の例としては、LuAG(Lu3(Al,Gd)5O12:Ce3+)、YAG(Y3(Al,Gd)5O12:Ce3+)、Ga-LuAG((Lu,Ga)3(Al,Gd)5O12:Ce3+)、Ga-YAG((Ga,Y)3(Al,Gd)5O12:Ce3+)、LuYAG((Lu,Y)3(Al,Gd)5O12:Ce3+)、Ortho-Silicate((Sr,Ba,Ca,Mg)2SiO4:Eu2+)、Oxynitride((Ba,Sr,Ca)Si2O2N2:Eu2+)、β-SiAlON:Eu2+、Ca-α-SiAlON:Eu2+、又はThio Gallate(SrGa2S4:Eu2+)を挙げることができる。緑色蛍光体は、500nm~600nmの範囲内にピーク波長を有することができる。
【0071】
赤色蛍光体の例としては、Nitride、Sulfide、Fluoride又はOxynitride系の蛍光体を挙げることができ、具体的には、CASN(CaAlSiN3:Eu2+)、(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Eu2+、(Ca,Sr)S2:Eu2+、又は(Sr,Ca)2SiS4:Eu2+等を挙げることができる。赤色蛍光体は、600nm~700nmの範囲内にピーク波長を有することができる。
【0072】
発光ダイオード21aと波長変換機21bの組合せによって白色光を具現することができる。発光ダイオード21aが放出する紫外線は、大部分が波長変換機21aによって波長変換され、波長変換されなかった一部の紫外線が外部に放出される。紫外線は肉眼で観察できないため、外部に放出される光では波長変換機21bによって可視光に波長変換された光が観察される。よって、照明装置から放出される可視光のスペクトルは、波長変換機21b内の波長変換物質の組合せによって決まる。波長変換物質による白色光の具現は、従来の青色発光ダイオードを用いた白色光と異なり、青色波長による眼球疾患や皮膚疾患の発生を防ぐことができる。これについては、
図4及び
図5を参照して再度説明する。
【0073】
モールディング部31は、発光ユニット21を覆うことができる。モールディング部31は、外部環境から発光ユニット21を保護することができる。モールディング部31は、例えばシリコン樹脂のような透明樹脂または透明ガラスで形成することができる。必要に応じて、モールディング部31は波長変換物質を含んでもよい。
【0074】
一方、発光ダイオード21aで生成されて外部に放出される紫外線は、ビタミンDの合成に使用される。皮膚細胞内の7-dehydrocholesterolがUVBを通じて反応してCholecalciferol(ビタミンD
3)が合成されることが知られている。
図3は、波長による人体のビタミンDの生成効率を表すためのグラフであり、CIE 174:2006に公開されたものである。
【0075】
図3を参照すると、298nmの紫外線がビタミンDの生成に最も効率的であり、約291nm~301nmの範囲内で最高効率に対して約90%以上の効率を表す。また、約286nm~304nmの範囲で最高効率に対して約70%以上の効率を表し、281nm~306nmの範囲で最高効率に対して約50%以上の効率を表す。発光ダイオード21aのピーク波長が298nmの時にビタミンDの生成に最も効率的であり、286nm~304nmの範囲内の時にビタミンDの生成に70%以上という相対的に良好な効率を表す。
【0076】
ビタミンDは、カルシウムの代謝に関与し、ビタミンDの欠乏は骨の成長に大きな障害をもたらす。ビタミンDの適正レベルを維持するために、一般的に提示されているビタミンDの一日の推奨量は国によって差があるが、凡そ400IU~800IUの範囲内であり、引き上げられている趨勢にある。一例として、国際照明委員会(CIE)では、1000IUのビタミンDを生成するために必要なUVB露出量を提示しており、これは真夏の正午の太陽光の基準で、第2スキンタイプの体全体に対して約21J/m2~34J/m2である。一方、ACGIH(American Conference of Govermental Industrial Hygienists)で提供されるUVBに対する人体露出安全範囲に対する基準値は、290nmの場合は47J/m2で、297nmの場合は約65J/m2で、300nmの場合は100J/m2である。
【0077】
よって、照明装置から照射されるUVBの照射量は、安全範囲を超えない範囲でビタミンDの合成に使用できるように調節する必要がある。特に、UVBの紫外線領域でも波長が長いほど一日の許容基準値が増加するため、発光ダイオード21aのピーク波長は298nm、又はそれよりも長波長、例えば298nm~301nmの範囲内であることがより多くの紫外線を照射することができるため、ビタミンDの合成機能を持つ照明装置により適している。
【0078】
一方、
図4は青色光の波長による危険度を表すグラフである。
【0079】
青色光は、眼球疾患や皮膚疾患を誘発することが知られており、特に、430nm~440nmの間に最も強い危険度を表す。420nm~455nmの波長範囲は、危険度が最も高い値を基準に90%以上の危険度を示し、413nm~465nmは70%以上の危険度を、411nm~476nmは50%以上の危険度を示す。
【0080】
図5は、従来技術に従って青色発光ダイオードを使用した白色光源のスペクトルを表す。
【0081】
図5を参照すると、従来技術による白色光源は、青色発光ダイオードと一緒に黄色蛍光体、又は緑色蛍光体と赤色蛍光体を使用して白色光を具現する。色温度によって、蛍光体の種類、蛍光体の量が調節でき、色温度が高いほど青色光の強度が増加する。
【0082】
従来、白色光源に使用されていた青色発光ダイオードは、凡そ430nm~470nmの範囲内に中心波長(ピーク波長)を有する。この範囲内の青色光は、
図4に示したように、危険度が相対的に高い。さらに、青色発光ダイオードから放出された光は、蛍光体から放出された光と混ざって白色光を具現する。よって、白色光源の色温度が増加するほど青色光の強度も増加し、眼球疾患や皮膚疾患を誘発する危険性が増加する。
【0083】
これに対して、
図1及び
図2の実施例は、紫外線を放出する発光ダイオードを使用するため、発光ダイオード21aから放出された光は白色光の具現に使用されない。つまり、可視領域の光は波長変換機21bから放出された光によって具現される。これにより、照明装置から放出される光の可視領域のスペクトルは、太陽光のように全可視領域で大体似た強度を有することができ、
図5のように、特定波長の光、例えば青色領域の光が他の領域の光よりも非正常的に高い強度を有する必要がない。よって、本実施例に係る照明装置は、人体に対する危険度を減らすことができる。
【0084】
図6は、本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な断面図である。
【0085】
図6を参照すると、本実施例に係る照明装置は
図1及び
図2を参照して説明した照明装置とほぼ類似するが、フィルター41をさらに含むことに違いがある。
【0086】
フィルター41は、発光ユニット21から外部に放出される不要な紫外線を遮断することができる。例えば、フィルター41は約301nm~約400nmの範囲内の光を遮断してこの範囲内の紫外線によって人体に有害な影響を及ぼすことを防ぐことができる。上記範囲の光は、例えば、波長変換物質によって放出され得る。よって、フィルター41は波長変換機21bの外部に配置される。フィルター41は、モールディング部31内に配置することもでき、図示したように、モールディング部31の外部に配置することもできる。フィルター41としては、例えば、バンドパスフィルターを使用することができる。
【0087】
一方、前述の実施例において、発光ユニット21は発光ダイオード21aとそれを覆う波長変換機21bを含むと説明したが、パッケージ形態で提供することもできる。
図7は、本開示のさらに別の実施例に係る発光ユニットを説明するための概略的な断面図である。ここで、
図7は従来のパッケージ形態の発光素子を概略的に示している。
【0088】
図7を参照すると、発光ユニット21は発光ダイオード21a及び波長変換機21bを含む。発光ダイオード21aは、ハウジング20のキャビティ内に実装することができ、波長変換機21bはキャビティ内で発光ダイオード21aを覆う。一方、発光ダイオード21aはボンディングワイヤを通じてリード電極に電気的に連結することができる。
【0089】
図7のパッケージは一例であり、多様な種類のパッケージを使用することができる。また、波長変換機21bも多様な形状で発光ダイオード21aを覆うことができる。一方、発光ユニット21がパッケージ形態で提供される場合、モールディング部31は省略することもできる。
【0090】
図8は本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図であり、
図9は
図8の切り取り線B-Bに沿って切り取った概略的な断面図である。
【0091】
図8及び
図9を参照すると、本実施例に係る照明装置は
図1及び
図2を参照して説明した照明装置とほぼ類似するが、発光ユニット23が紫外線発光ダイオード21aの代わりに紫色系列の短波長可視光を放出する発光ダイオード23aを含むことに違いがある。
【0092】
つまり、発光ダイオード23aは、約400nm~420nmの範囲内にピーク波長を有し、この範囲の波長の光は病原性微生物の殺菌に適している。特に、発光ダイオード23aは、約400nm~410nmのピーク波長、さらに、約405nmのピーク波長の光を放出することができる。約405nmの波長は、細菌の細胞内に存在する物質であるポルフィリン(Porphyrin)に吸収されて活性酸素を生成し、生成された活性酸素が蓄積されて細胞壁を破壊することにより殺菌作用が起こる。このように、上記範囲の可視領域の波長は、眼球疾患や皮膚疾患を誘発しないと同時に、病原性微生物の殺菌に適している。本明細書において殺菌(sterilization)とは、病原性微生物の増殖を減らしたり妨害したりするために、病原性微生物を殺したり損傷させたりすることを意味する。
【0093】
波長変換機23bは、発光ダイオード23aの光を青色、緑色及び赤色光に変換する波長変換物質を含むことができる。別の実施例において、前記波長変換機23bは発光ダイオード23aの光を青色及びオレンジ色の光に変換する青色及びオレンジ色波長変換物質を含んでもよい。波長変換物質の種類については、
図1及び
図2を参照して説明したものと類似するため、重複を避けるために詳しい説明は省略する。
【0094】
発光ダイオード23aで生成された光の一部は、波長変換物質によって長波長可視光に変換され、一部は波長変換されずに照明装置の外部に放出される。発光ダイオード23aで生成されて外部に放出された光は、波長変換物質によって波長変換された光と混ざって白色光を具現し、さらに、殺菌機能を行う。
【0095】
殺菌機能を強化するために、発光ダイオード23aで生成されて外部に放出される波長の光の放射照度は、波長変換物質で波長変換された光の放射照度よりも大きい場合がある。しかし、本開示がこれに限定されるのではない。例えば、
図4を参照して説明した通り、青色領域の波長の光による危険を減らすために、発光ダイオード23aで生成されて外部に放出される光の放射照度を、波長変換物質で波長変換された光の放射照度よりも小さくすることもできる。
【0096】
図10は、発光ダイオード23aと波長変換機23aの組合せによって具現された多様な色温度の白色光のスペクトルの例を表す。
【0097】
図10を参照すると、各色温度の白色光は、発光ダイオード23aから放出された光と蛍光体から放出された光の組合せによって具現される。また、全ての色温度において発光ダイオード23aから放出された光の放射照度が青色蛍光体から放出された光の放射照度よりも小さくなり得る。色温度が増加するほど発光ダイオード23aから放出された光の放射照度も増加するが、青色蛍光体から放出された青色光の放射照度がより大きく増加する。また、発光ダイオード23aから放出された光の放射照度は、緑色蛍光体から放出された光の放射照度よりも小さく、赤色蛍光体から放出された光の放射照度よりも小さくなり得る。
【0098】
これにより、発光ダイオード23aから放出された光によって眼球疾患や皮膚疾患の誘発をさらに防ぐことができる。しかし、上述した通り、400nm~420nmの範囲内の波長は、人体に対する危険度が相対的に低いため、放射照度をより増加させることもできる。
【0099】
本実施例によると、紫色系列の発光ダイオード23aを使用することにより、眼球疾患や皮膚疾患を誘発しないと共に、殺菌機能を持つ照明装置を提供することができる。
【0100】
図11は本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図で、
図12は
図11の切り取り線C-Cに沿って切り取った概略的な断面図である。
【0101】
図11及び
図12を参照すると、本実施例に係る照明装置は
図1及び
図2を参照して説明した照明装置とほぼ類似するが、発光ユニット25が発光ダイオード25aを含み、波長変換機25bが可視光領域の波長変換物質と共に近赤外線領域の波長変換物質をさらに含むことに違いがある。
【0102】
発光ダイオード25aは、
図1及び
図2を参照して説明したUVBを放出する発光ダイオード21aでもよく、
図8及び
図9を参照して説明した紫色系列の発光ダイオード23aでもよく、他の紫外線または青色光を放出する発光ダイオードでもよい。
【0103】
発光ダイオード25aから放出された光は、波長変換機25bの波長変換物質に吸収されて波長変換され、波長変換された光が照明装置の外部に放出される。さらに、発光ダイオード25aで生成された光の一部は、外部に放出される場合もあり、よって、
図1及び
図2を参照して説明したビタミンDの生成機能や、
図8及び
図9を参照して説明した殺菌機能を発揮することができる。
【0104】
一方、波長変換機25bは、発光ダイオード25aで生成された光を吸収してそれよりも長波長の光を放出する波長変換物質を含む。波長変換機25bは、例えば、上述したような青色蛍光体、緑色蛍光体、及び赤色蛍光体を含んでもよく、青色蛍光体とオレンジ色蛍光体を含んでもよく、また、前記発光ダイオード25aが青色発光ダイオードの場合、緑色蛍光体と赤色蛍光体、又はオレンジ色蛍光体を含むことができる。これら蛍光体の種類については、
図1及び
図2を参照して説明したものと類似するため、重複を避けるために詳しい説明は省略する。
【0105】
一方、波長変換機25bは、約605nm~935nmの範囲内の赤色光または近赤外線を放出する波長変換物質を含む。特に、前記波長変換物質は、例えば605nm~655nm、685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内の中心波長を有する光を放出することができる。
【0106】
上記範囲内の波長の光は、ミトコンドリア内で細胞活性物質を生成する。具体的には、ミトコンドリア内のシトクロムcオキシダーゼは、光受容体として605nm~935nmの範囲内の光を吸収して活動力が増加し、これにより、NOを生成する。NOは、痛み緩和及び血液循環の改善等に影響を与えて人体の健康を増進させる。また、シトクロムcオキシダーゼ蛋白質の活性はATP生成に寄与し、細胞損傷治療にも影響を及ぼす。
【0107】
特に、605nm~655nm、685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲でシトクロムcオキシダーゼのエネルギー吸収率が相対的に高い。特に、シトクロムcオキシダーゼのエネルギー吸収率は、
図13に示した通り、790nm~840nmの波長範囲内で最も高く、約875nm~935nmの範囲内でその次に高く、約605nm~655nmの波長範囲内でその次に高い。
【0108】
シトクロムcオキシダーゼのエネルギー吸収率が相対的に高い波長の光を放出する波長変換物質を採択することにより、健康増進効率を向上させることができる。
【0109】
前記波長変換物質は、例えば、蛍光体でもよく、量子ドットでもよい。特に、量子ドットを使用することにより、狭い半値幅を有する光を放出することができるため、細胞活性物質の生成により効率的である。
【0110】
一方、605nm~655nmの範囲の光を放出する波長変換物質は、白色光を具現するための波長変換物質と重複するため、別途追加する必要がなく、白色発光装置の色温度に影響を及ぼさないように、視感度が低い範囲、つまり約685nm~705nm、790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内の中心波長を有する光を放出する波長変換物質が主に使用できる。
【0111】
一方、細胞活性のために照明装置から放出される光の放射照度は、570W/m2以下になり得、さらに、100W/m2以下になり得る。570W/m2は、光生物学的安全規格(IEC 62471)で赤外線の範囲の光に対する危険グループ1(risk group 1)の限界値を示し、100W/m2は、免除(exempt)に該当する。570W/m2未満の放射照度を有するようにすることにより、照明装置で相対的に長時間人体に害を与えないと共に、細胞活性物質の生成作用を行うように駆動することができる。
【0112】
本実施例によると、室内の生活空間だけでなく、空港や病院のように多くの人が活動する空間で、人体の健康を増進させるために使用することができる。
【0113】
本実施例によると、一種類の発光ダイオード25aを採択しながらも、白色光と一緒に細胞活性物質を生成できる光を放出できる照明装置を提供することができる。さらに、発光ダイオード25aの選択により、ビタミンDの合成や殺菌機能が追加された照明装置を提供することができる。
【0114】
図14は本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図であり、
図15は
図14の切り取り線D-Dに沿って切り取った概略的な断面図である。
【0115】
図14及び
図15を参照すると、本実施例に係る照明装置は、
図1及び
図2を参照して説明した照明装置とほぼ類似するが、発光ユニット21、23、25が互いに異なる発光ダイオード21a、23a、25aを含むことに違いがある。
【0116】
発光ユニット21は
図1及び
図2を参照して説明した発光ユニット21と同一であり、発光ユニット23は
図8及び
図9を参照して説明したものと同一であり、発光ユニット25は
図11及び
図12を参照して説明した発光ユニット25と同一である。
【0117】
発光ユニット21、23、25は、回路基板11上に多様な方式で整列される。例えば、発光ユニット21、23、25は、同じ列に同じ種類の発光ユニットが配置されるように整列されてもよく、同じ種類の発光ユニットが互いに遠く離れるように配置されてもよい。
【0118】
また、発光ユニット21、23、25は、同じ種類の発光ユニット同士が独立的に駆動することもできるように電気的に連結でき、これにより特定機能が同時にまたは互いに異なる時間に遂行されることができる。
【0119】
例えば、発光ユニット21、23、25全体を作動させる場合、ビタミンDの生成、殺菌及び細胞活性機能が同時に遂行され得る。また、発光ユニット21、23、25を個別的に作動させる場合、ビタミンDの生成、殺菌及び細胞活性機能のいずれかの機能が遂行され得る。
【0120】
本実施例によると、照明装置をプログラムしてビタミンDの生成が活発な時間帯と殺菌機能が活発な時間帯、及び細胞活性機能が活発な時間帯を調節することができる。例えば、ビタミンDの生成は正午に近い時間帯に主に行われるようにすることができる。
【0121】
一方、本実施例において、三種類の発光ユニット21、23、25を共に含む照明装置について説明するが、本開示はこれに限定されるのではない。例えば、三種類の発光ユニット21、23、25のうち二つの発光ユニットの組合せを含む照明装置が提供される場合もある。
【0122】
上で多様な照明装置について説明したが、本開示がこれら特定実施例に限定されるのではない。例えば、発光ユニット23、25は
図7を参照して説明した発光ユニット21のようにパッケージ形態で提供されてもよい。さらに、発光ユニット21、23、25から放出される光を均一に混ぜるために拡散板を追加してもよい。
【0123】
図16は本開示の一実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図であり、
図17は
図16の切り取り線E-Eに沿って切り取った概略的な断面図である。
【0124】
図16及び
図17を参照すると、照明装置は回路基板111、第1発光ダイオード121、第2発光ダイオード123、第3発光ダイオード125及び波長変換機131を含むことができる。
【0125】
回路基板111は、第1から第3発光ダイオード121、123、125に電源を供給するための回路パターンを有することができる。回路基板111は、印刷回路ボードでもよく、例えばメタル-PCBでもよい。第1から第3発光ダイオード121、123、125が搭載された回路基板111が発光モジュールとして照明装置内に配置され得る。
【0126】
第1発光ダイオード121は、白色光を具現するための光源として少なくとも一つが回路基板111上に実装される。第1発光ダイオード121は、例えばIII族窒化物半導体、例えばAlGaInN系列の半導体を用いて形成された無機発光ダイオードであり、公知の発光ダイオードチップを使用することができ、フリップチップ型、垂直型または水平型等、構造も特に限定されない。
【0127】
複数の第1発光ダイオード121は互いに多様な方式で電気的に連結でき、例えば直列、並列、又は直並列に連結することができる。複数の第1発光ダイオード121は、照明装置によって多様に配列することができる。例えば、面照明装置のために複数の第1発光ダイオード121が2次元に配列でき、チューブ型照明装置のために第1発光ダイオード121が一列に配列されてもよい。
【0128】
第1発光ダイオード121は、紫外線または可視光を放出することができ、例えば、約300nm~約470nmの範囲内のピーク波長を有することができる。特に、第1発光ダイオード121は約400nm~約420nmの範囲内のピーク波長を有することができる。第1発光ダイオード121が紫外線を放出する場合、大部分の紫外線は波長変換機131によって波長変換され、これにより第1発光ダイオード121から紫外線が外部に放出することを防ぐことができる。さらに、400nm~420nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオードを使用する場合、紫外線による安全問題を事前に取り除くことができる。さらに、約400nm~約420nmの範囲内のピーク波長を有する第1発光ダイオードを使用する場合、紫外線に比べて波長変換によるエネルギーの損失を減らすことができ、青色光による眼球疾患や皮膚疾患の誘発を防ぐことができる。これについては、
図18~
図20を参照して後で再度説明する。
【0129】
波長変換機131は、第1発光ダイオード121から放出された光の波長を変換させる。波長変換機131は、例えば、蛍光体または量子ドットを含有するモールディング部になり得る。波長変換機131は、第1発光ダイオード121を覆う。複数の第1発光ダイオード121が回路基板111上に実装された場合、波長変換機131は複数の第1発光ダイオード121を全て覆うことができる。
【0130】
波長変換機131は、第1発光ダイオード123の光と一緒に白色光を具現するための波長変換物質を含む。一実施例において、波長変換機131は青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含むことができる。別の実施例において、波長変換機131は青色蛍光体及びオレンジ色蛍光体を含むことができる。別の実施例において、第1発光ダイオード121が青色発光ダイオードの場合、波長変換機131は青色蛍光体を含まず、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含んだり、或いはオレンジ色蛍光体を含んでもよい。別の実施例において、波長変換機は蛍光体の代わりに、或いは蛍光体にさらに量子ドットを含むこともできる。
【0131】
一方、青色蛍光体の例としては、BAM系、Halo-Phosphate系またはアルミネート系の蛍光体を挙げることができ、例えば、BaMgAl10O17:Mn2+、BaMgAl12O19:Mn2+又は(Sr,Ca,Ba)PO4Cl:Eu2+を含むことができる。青色蛍光体は、例えば440nm~500nmの範囲内にピーク波長を有することができる。
【0132】
緑色蛍光体の例としては、LuAG(Lu3(Al,Gd)5O12:Ce3+)、YAG(Y3(Al,Gd)5O12:Ce3+)、Ga-LuAG((Lu,Ga)3(Al,Gd)5O12:Ce3+)、Ga-YAG((Ga,Y)3(Al,Gd)5O12:Ce3+)、LuYAG((Lu,Y)3(Al,Gd)5O12:Ce3+)、Ortho-Silicate((Sr,Ba,Ca,Mg)2SiO4:Eu2+)、Oxynitride((Ba,Sr,Ca)Si2O2N2:Eu2+)、β-SiAlON:Eu2+、Ca-α-SiAlON:Eu2+、又はThio Gallate(SrGa2S4:Eu2+)を挙げることができる。緑色蛍光体は、500nm~600nmの範囲内にピーク波長を有することができる。
【0133】
赤色蛍光体の例としては、Nitride、Sulfide、Fluoride又はOxynitride系の蛍光体を挙げることができ、具体的には、CASN(CaAlSiN3:Eu2+)、(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Eu2+、(Ca,Sr)S2:Eu2+、又は(Sr,Ca)2SiS4:Eu2+等を挙げることができる。赤色蛍光体は、600nm~700nmの範囲内にピーク波長を有することができる。
【0134】
第1発光ダイオード121と波長変換機131の組合せによって多様な色温度の白色光が具現できる。
【0135】
一方、前述の通り、青色光は眼球疾患や皮膚疾患を誘発することが知られている。
図18は青色光の波長による危険度を表すグラフである。
【0136】
図18を参照すると、特に、430nm~440nm間に最も強い危険度を示す。420nm~455nmの波長範囲は、危険度が最も高い値を基準に90%以上の危険度を示す、413nm~465nmは70%以上の危険度を、411nm~476nmは50%以上の危険度を示す。一方、紫外線は人体に害を及ぼし、特に、270nm~280nm間に最も強い危険度を示す。
【0137】
図19は、一般的な青色発光ダイオード121を使用した白色光源のスペクトルを表す。
【0138】
図19を参照すると、一般的に白色光源は青色発光ダイオードと一緒に黄色蛍光体、又は緑色蛍光体と赤色蛍光体を使用して白色光を具現することができる。色温度によって蛍光体の種類、蛍光体の量が調節され、色温度が高いほど青色光の強度が増加する。
【0139】
白色光源に使用される青色発光ダイオードは凡そ約430nm~約470nmの範囲内にピーク波長を有する。この範囲内の青色光は、
図18に図示したように危険度が相対的に高い。よって、白色光源の色温度が増加するほど青色光の強度も増加して眼球疾患や皮膚疾患を誘発する危険性が増加する。
【0140】
一方、
図20は本開示の幾つかの実施例に係る白色光源のスペクトルを表す。特に、
図20は紫色発光ダイオード121と波長変換機131の組合せによって具現された多様な色温度の白色光のスペクトルの例を表す。
【0141】
図20を参照すると、各色温度の白色光は約400nm~約420nmの範囲内にピーク波長を有する紫色発光ダイオード121から放出された光と蛍光体から放出された光の組合せによって具現される。
【0142】
ここで、波長変換機131は青色蛍光体を含み、さらに、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含む。これら蛍光体は、紫色発光ダイオード121から放出された光を吸収して青色光、緑色光及び赤色光を放出する。
【0143】
図20に示した多様な色温度の白色光は、紫色発光ダイオード121によるピークと青色蛍光体によるピークを有する。これらのピークは、特に色温度が高いほどはっきりと表れる。紫色発光ダイオード121によるピークと青色蛍光体によるピークは互いに異なる波長に位置する。特に、青色蛍光体は紫色発光ダイオード121から放出された光の波長を長波長に変換するため、青色蛍光体によるピークは紫色発光ダイオード121によるピークよりも長波長に位置する。
【0144】
また、全ての色温度において、発光ダイオード121から放出された光の放射照度の方が、青色蛍光体から放出された光の放射照度よりも小さくなり得る。色温度が増加するほど発光ダイオード121から放出された光の放射照度も増加するが、青色蛍光体から放出された青色光の放射照度がより大きく増加する。また、発光ダイオード121から放出された光の放射照度は緑色蛍光体から放出された光の放射照度よりも小さく、赤色蛍光体から放出された光の放射照度よりも小さくなり得る。
【0145】
これにより、第1発光ダイオード121から放出された光によって眼球疾患や皮膚疾患の誘発をさらに防ぐことができる。しかし、上述したように、約400nm~約420nmの範囲内の波長は、人体に対する危険度が相対的に低いため、放射照度をさらに増加させることもできる。
【0146】
さらに、約400nm~約420nmの範囲内のピーク波長を有する発光ダイオード121から放出された光は、殺菌機能を有し得る。そのために、前記発光ダイオード121は、特に、約400nm~約410nmのピーク波長、さらには、約405nmのピーク波長を有する光を放出することができる。約400nm~約420nmの範囲内の短波長可視光線は、眼球疾患や皮膚疾患に対する危険度が相対的に低く、病原性微生物に対する殺菌能力が大きいため、照明装置に好適に使用されて殺菌機能を行うことができる。
【0147】
再度
図16及び
図17を参照すると、第2発光ダイオード123はUVBの紫外線を放出することができ、具体的には約286nm~約304nmの範囲内に、より具体的には約291nm~約301nmの範囲内にピーク波長を有する光を放出できる。この範囲内の紫外線が人体に照射されると、ビタミンDが効率的に合成される。発光ダイオード123は、例えば、III族窒化物半導体を用いて形成された無機発光ダイオードであり、公知の発光ダイオードチップを使用することができ、フリップチップ型、垂直型または水平型等、その構造も特に限定されない。
【0148】
第2発光ダイオード123は、波長変換機131から離隔されて回路基板111上に実装することができ、よって、第2発光ダイオード123から放出された光が波長変換機131に吸収されることを防ぐことができる。これにより、第2発光ダイオード123から放出される光の放射照度が向上し得る。また、第2発光ダイオード123を波長変換機131から離隔させることにより、第2発光ダイオード123から放出された光が波長変換されることを防ぐことができ、よって、ストークシフトによるエネルギー損失を防ぐことができる。しかし、本開示は必ずしもこれに限定されるのではなく、第2発光ダイオード123を波長変換機131内に配置することもできる。
【0149】
一方、第2発光ダイオード123で生成されて外部に放出される紫外線は、ビタミンDの合成に使用される。皮膚細胞内7-dehydrocholesterolがUVBを通じて反応してCholecalciferol(ビタミンD
3)が合成されることが知られている。
図21は、波長による人体のビタミンD生成効率を表すためのグラフであり、CIE 174:2006に公開されたものである。
【0150】
図21を参照すると、298nmの紫外線がビタミンDの生成に最も効率的であり、約291nm~301nmの範囲内で最高効率に対して約90%以上の効率を示す。また、約286nm~約304nmの範囲で最高効率に対して約70%以上の効率を示し、約281nm~約306nmの範囲で最高効率に対して約50%以上の効率を示す。発光ダイオード123のピーク波長が298nmの時にビタミンDの生成に最も効率的であり、約286nm~約304nmの範囲内の時にビタミンDの生成に70%以上の相対的に良好な効率を示す。
【0151】
ビタミンDは、カルシウムの代謝に関与し、ビタミンDの欠乏は骨の成長に大きな障害をもたらす。ビタミンDの適正レベルを維持するために、一般的に提示されているビタミンDの一日の推奨量は国によって差があるが、凡そ400IU~800IUの範囲内であり、引き上げられている趨勢にある。一例として、国際照明委員会(CIE)では、1000IUのビタミンDを生成するために必要なUVB露出量を提示しており、これは真夏の正午の太陽光の基準で第2スキンタイプの体全体に対して約21J/m2~約34J/m2である。一方、ACGIH(American Conference of Govermental Industrial Hygienists)で提供されるUVBに対する人体露出安全範囲に対する基準値は、290nmの場合は47J/m2、297nmの場合は約65J/m2、300nmの場合は100J/m2である。
【0152】
よって、照明装置から照射されるUVBの照射量は、安全範囲を超えない範囲でビタミンDの合成に使用できるように調節する必要がある。特に、UVBの紫外線領域でも波長が長いほど一日の許容基準値が増加するため、第2発光ダイオード123のピーク波長は298nm、又はそれよりも長波長、例えば298nm~301nmの範囲内であることでより多くの紫外線を照射することができるため、ビタミンDの合成機能を持つ照明装置により適している。
【0153】
第2発光ダイオード123は、第1発光ダイオード121と独立的に駆動でき、よって、第1発光ダイオード121が作動している間、必要に応じてオンにしたりオフにしたりすることができる。
【0154】
第3発光ダイオード125は、波長変換機131から離隔されて回路基板111上に実装できる。第3発光ダイオード125から放出された光は、実質的に波長変換機131に進入せずに外部に放出される。これにより、第3発光ダイオード125から放出される光の放射照度が向上し得る。
【0155】
第3発光ダイオード125は、第1発光ダイオード121に直列または並列に連結することができ、または第1発光ダイオード121から独立的に駆動することもできる。
【0156】
第3発光ダイオード125は、細胞活性に適した光を放出する。第3発光ダイオード125は、例えば、約605nm~935nmの範囲内のピーク波長を有する光を放出することができる。第3発光ダイオードは、例えば、AlGaInP系列またはAlGaInAs系列の半導体で形成することができる。
【0157】
約605nm~約935nmの範囲内の赤色光または近赤外線は、ミトコンドリア内で細胞活性物質を生成する。具体的には、ミトコンドリア内のシトクロムcオキシダーゼは、光受容体として605nm~935nmの範囲内の光を吸収して活動力が増加し、これにより、NOを生成する。NOは痛み緩和及び血液循環の改善等に影響を与えて人体の健康を増進させる。また、シトクロムcオキシダーゼ蛋白質の活性は、ATPの生成に寄与し、細胞損傷治療にも影響を及ぼす。
【0158】
特に、第3発光ダイオード125は、約605nm~655nm、約685nm~705nm、約790nm~840nm、又は約875nm~935nmの範囲内のピーク波長を有する光を放出することができる。この範囲でシトクロムcオキシダーゼのエネルギー吸収率が相対的に高い。特に、シトクロムcオキシダーゼのエネルギー吸収率は、
図22に示したように、790nm~840nmの波長範囲内で最も高く、約875nm~935nmの範囲内でその次に高く、約605nm~655nmの波長範囲内でその次に高い。
【0159】
シトクロムcオキシダーゼのエネルギー吸収率が相対的に高い波長の光を放出する第3発光ダイオード125を採択することにより、健康増進効率を向上させることができる。
【0160】
さらに、複数の第3発光ダイオード125を使用する場合、上記波長範囲中の特定波長範囲内で光を放出する発光ダイオード、例えば、効率が高い790nm~840nm、又は875nm~935nmの範囲内の光を放出する発光ダイオードを複数個使用することもでき、各波長範囲の光を均等に放出するために多様な発光ダイオードを使用することもできる。
【0161】
また、605nm~655nmの範囲の光を放出する発光ダイオードは、白色光の色温度に影響を及ぼし得るため、白色発光装置の色温度に影響を与えないように、視感度が低い範囲、つまり、約685nm~705nm、約790nm~840nm、又は約875nm~935nmの範囲内のピーク波長を有する光を放出する第3発光ダイオード125を主に使用できる。
【0162】
本実施例において、照明装置に細胞活性機能を付加するために、第3発光ダイオード125から放出される光の放射照度は、白色光を具現する第1発光ダイオード121及び波長変換機131から放出される光の同一波長における放射照度よりも大きい。これにより、本実施例において、細胞活性機能は第3ダイオード123によって遂行される。
【0163】
一方、第3発光ダイオード125の駆動時間と第1発光ダイオード121の駆動時間は、同じ場合もあるが、これに限定されるのではない。照明装置の設置位置によって、第3発光ダイオード125の駆動時間を調節することができる。特に、第3発光ダイオード125の使用時間または放射照度の大きさは、人体に対する危害性を考慮して調節できる。
【0164】
例えば、照明装置から放出される第3発光ダイオード125の放射照度は570W/m2以下になり得、さらに、100W/m2になり得る。570W/m2は光生物学安全規格(IEC 62471)で赤外線の範囲の光に対する危険グループ1(risk group 1)の限界値を示しており、100W/m2は免除(exempt)に該当する。570W/m2未満の放射照度を有するようにすることにより、照明装置で相対的に長時間人体に害を与えないと共に、細胞活性物質の生成作用を行うように駆動することができる。
【0165】
一実施例において、照明装置は第3発光ダイオード125よりも第1発光ダイオード121をより多く含むことができ、よって、照明に適した強さの光を放出することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではない。
【0166】
一方、本実施例において、第3発光ダイオード125が細胞活性機能を行うための光を放出することを説明したが、第3発光ダイオード125の代わりに波長変換物質が使用されることもある。例えば、赤色領域または赤外線領域の光を放出する蛍光体や量子ドットを使用できる。特に、量子ドットは狭い半値幅を有するため、細胞活性機能に適した波長の光を放出することができる。細胞活性機能を持つ波長変換物質は、波長変換機131内に含有されて第1発光ダイオード121で生成された光を波長変換させることもでき、第1発光ダイオード121と他の発光ダイオード上に配置させることもできる。この場合、前記の他の発光ダイオードは第1発光ダイオード121に比べて長波長の光を放出することができ、これによって、波長変換によるエネルギーの損失を減らすことができる。
【0167】
本実施例の照明装置は、細胞活性機能を含むことにより、室内の生活空間だけでなく、空港や病院のように多くの人が活動する空間で人体の健康を増進させるために使用することができる。
【0168】
図16及び
図17において、複数の第1発光ダイオード121と、一つの第2発光ダイオード123、及び一つの第3発光ダイオード125を図示しているが、複数の第2発光ダイオード123及び複数の第3発光ダイオード125が基板111上に配置されてもよい。
【0169】
図23は、本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な断面図である。
【0170】
図23を参照すると、本実施例に係る照明装置は、
図16及び
図17を参照して説明した照明装置と凡そ類似するが、第4発光ダイオード127をさらに含むことに違いがある。重複を避けるために、同じ構成要素に対する説明は省略し、第4発光ダイオード127に対して具体的に説明する。
【0171】
第4発光ダイオード127は、波長変換機131から離隔されて回路基板111上に実装され得る。第4発光ダイオード127から放出された光は、実質的に波長変換機131に進入せず外部に放出される。これにより、第4発光ダイオード127から放出される光の放射照度が向上し得る。
【0172】
第4発光ダイオード127は、第1発光ダイオード121に直列または並列に連結することができ、また第1発光ダイオード121から独立的に駆動することもできる。
【0173】
一方、第4発光ダイオード127は白色光以外の病原性微生物の殺菌に適した光を放出する。第4発光ダイオード127は、例えば約400nm~約420nmのピーク波長、さらに、約400nm~約410nmのピーク波長、さらには、約405nmのピーク波長を有する光を放出することができる。約405nmの波長は、細菌の細胞内に存在する物質であるポルフィリン(Porphyrin)に吸収されて活性酸素を生成し、生成された活性酸素が蓄積して細胞壁を破壊することにより、殺菌作用が起こる。このように、上記範囲の可視領域の波長は、眼球疾患や皮膚疾患を誘発しないと同時に、病原性微生物の殺菌に適している。本明細書において殺菌(sterilization)とは、病原性微生物の増殖を減らしたり妨害したりするために病原性微生物を殺したり損傷させたりすることを意味する。
【0174】
第4発光ダイオード127は、第1発光ダイオード121と同じ波長の光を放出することもできるが、これに限定されるのではなく、第1発光ダイオード121と別の波長の光を放出することもできる。第4発光ダイオード127を第1発光ダイオード121と別途配置することにより、殺菌機能を効率的に提供することができる。
【0175】
本実施例において、照明装置に殺菌機能を付加するために、第4発光ダイオード127から放出される光の放射照度は、白色光源から放出される光の同一波長における放射照度よりも大きくなり得る。さらに、第4発光ダイオード127から放出される光の放射照度は、ピーク波長が第1発光ダイオード121から照明装置の外部に放出される光の放射照度よりも大きくなり得る。これにより、本実施例の照明装置は、第1発光ダイオード121に比べて第4発光ダイオード127によって殺菌機能が主に遂行される。
【0176】
一方、第4発光ダイオード127の駆動時間と第1発光ダイオード121の駆動時間は同じ場合があるが、これに限定されるのではなく、照明装置の設置位置によって第4発光ダイオード127の駆動時間を調節することができる。特に、第4発光ダイオードの使用時間または放射照度の大きさは、人体に対する危害性を考慮して調節することができる。
【0177】
例えば、照明装置から放出される第4発光ダイオード127の放射照度は、1W/m2以下になり得、さらに、0.1W/m2以下になり得る。1W/m2は光生物学的安全規格(IEC 62471)で300nm~700nmの範囲内の青色光に対する危険グループ1(risk group 1)の限界値を表し、0.1W/m2は免除(exempt)に該当する。1W/m2未満の放射照度を有するようにすることにより、照明装置で相対的に長い時間殺菌作用をするように駆動することができる。
【0178】
本実施例によると、室内の生活空間だけでなく、空港や病院のように多くの人が活動する空間で病原性微生物を殺菌することができるため、病原性微生物による人体感染を防ぐことができる。
【0179】
図24は本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図であり、
図25は
図24の切り取り線F-Fに沿って切り取った概略的な断面図である。
【0180】
図24及び
図25を参照すると、本実施例に係る照明装置は、
図16及び
図17を参照して説明した照明装置と凡そ類似するが、波長変換機231が第1発光ダイオード121上にそれぞれ形成されたことに違いがある。つまり、
図16及び
図17において波長変換機131は複数の第1発光ダイオード121を全て覆うが、本実施例においてそれぞれの第1発光ダイオード121は、個別的に波長変換機231で覆われる。
【0181】
第1から第3発光ダイオード121、123、125と波長変換機231内の波長変換物質は、上述した通りのため、詳しい説明は省略する。
【0182】
一方、第1発光ダイオード121がそれぞれ波長変換機231で覆われるため、第2発光ダイオード123及び第3発光ダイオード125は第1発光ダイオード121間に配置されてもよい。また、複数の第2発光ダイオード123及び複数の第3発光ダイオード125を第1発光ダイオード121間に均一に分布することができ、これにより、第2発光ダイオード123及び第3発光ダイオード125から放出される光が白色光と混ざり得る。一方、図示してはいないが、第2発光ダイオード123又は第3発光ダイオード125を外部環境から保護するために、透明モールディング部で覆うこともできる。
【0183】
本実施例において、第1発光ダイオード121と波長変換機231によって照明のための光源ユニット221が提供される。それぞれの光源ユニット221は、第1発光ダイオード121と波長変換機231の組合せによって白色光を具現することができる。一実施例において、光源ユニット221は全て同じ色温度の白色光を具現することができる。別の実施例において、光源ユニット221は互いに異なる色温度の白色光を具現することができる。例えば、発光ダイオード121が互いに異なるピーク波長の光を放出することもでき、波長変換機231が互いに異なる波長変換物質を含むこともできる。さらに別の実施例において、光源ユニット221は白色光を具現する代わりに別の色の光を具現することもでき、これら光源ユニット221の組合せによって白色光が具現されてもよい。
【0184】
図26は、本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【0185】
図26を参照すると、本実施例に係る照明装置は、
図24及び
図25を参照して説明した照明装置と凡そ類似するが、第4発光ダイオード127をさらに含むことに違いがある。
【0186】
第4発光ダイオード127は、
図23を参照して説明した発光ダイオード127と同じであるため、重複を避けるために詳しい説明は省略する。
【0187】
図27は、本開示のさらに別の実施例に係る照明装置を説明するための概略的な平面図である。
【0188】
図27を参照すると、本実施例に係る照明装置は
図16及び
図17を参照して説明した照明装置と凡そ類似するが、フィルター41をさらに含むことに違いがある。
【0189】
フィルター41は、発光ユニット121から外部に放出される不要な紫外線を遮断することができる。例えば、フィルター41は約301nm~約400nmの範囲内の光を遮断してこの範囲内の紫外線によって人体に有害な影響を及ぼすことを防ぐことができる。上記範囲の光は、例えば、第1発光ダイオード121又は波長変換物質によって放出できる。よって、フィルター41は波長変換機131の外部に配置できる。フィルター41としては、例えば、バンドパスフィルターを使用することができる。
【0190】
一方、フィルター41の代わりに、又はフィルター41にさらに拡散板を配置することができる。拡散板は、第1発光ダイオード121及び波長変換機131によって生成された白色光と、第2発光ダイオード123及び第3発光ダイオード125から放出される光を混ぜることができる。
【0191】
フィルター41又は拡散板は、
図27の実施例に限定されず、別の実施例にも適用できる。
【0192】
一方、前述の実施例において、発光ユニット221が発光ダイオード121と波長変換機231を含み、発光ダイオード121が回路基板111上に直接実装されたことを図示及び説明したが、発光ユニット221はパッケージ形態で提供される場合もある。これについて、
図28を参照して説明する。
【0193】
図28は、本開示のさらに別の実施例に係る発光ユニットを説明するための概略的な断面図である。ここで、
図28はパッケージ形態の発光素子を概略的に示している。
【0194】
図28を参照すると、発光ユニット221は発光ダイオード121及び波長変換機231を含む。発光ダイオード121はハウジング120のキャビティ内に実装することができ、波長変換機231はキャビティ内で発光ダイオード121を覆う。一方、発光ダイオード121は、ボンディングワイヤを通じてリード電極に電極的に連結できる。
【0195】
図28のパッケージは一例であり、多様な種類のパッケージを使用することができる。また、波長変換機231も多様な形状で発光ダイオード121を覆うことができる。
【0196】
本実施例においては、発光ユニット221がパッケージ形態で提供されたことについて説明するが、第2発光ダイオード123、第3発光ダイオード125及び第4発光ダイオード127もパッケージ形態で提供されて回路基板111上に実装できる。
【0197】
図29は、本開示のさらに別の実施例にかかる発光ユニットを説明するための概略的な断面図である。
【0198】
図29を参照すると、本実施例に係る発光ユニットは、第1発光ダイオード121、第2発光ダイオード123及び第3発光ダイオード125が全て一つのパッケージ内に実装されたことを特徴とする。つまり、
図28の実施例においては、それぞれの発光ダイオードパッケージは一つの発光ダイオードを含むが、本実施例においては、発光ダイオードパッケージは第1から第3発光ダイオード121、123、125を含む。一方、波長変換機231は第1発光ダイオード121を覆うことができ、これにより、パッケージ内に発光ユニット221を提供することができる。
【0199】
一方、モールディング部230が前記発光ユニット221、第2発光ダイオード123及び第3発光ダイオード125を覆うことができる。モールディング部230は、例えばシリコン樹脂のような透明な樹脂または透明なガラスで形成することができる。必要に応じて、モールディング部230は波長変換物質を含んでもよい。
【0200】
本実施例によると、回路基板111上に第1から第3発光ダイオードを含む発光ダイオードパッケージを実装することができる。前記発光ダイオードパッケージはまた、前述の第4発光ダイオード127をさらに含んでもよい。
【0201】
回路基板111上に複数の発光ダイオードパッケージを実装することができ、これら発光ダイオードパッケージは、全て同じ構造を有することもできるが、必ずしもこれに限定されるのではない。つまり、多重追加機能を同様に有する発光ダイオードパッケージが回路基板111上に配置されてもよく、又は互いに異なる追加機能を持つ発光ダイオードパッケージが回路基板111上に配置されて多重追加機能を持つ照明装置が提供されてもよい。また、個別発光ダイオードパッケージが白色光を具現することもできるが、これに限定されるのではなく、複数の発光ダイオードパッケージの組合せによって白色光が具現されてもよい。
【0202】
上で多様な照明装置について説明したが、本開示がこれら特定の実施例に限定されるのではない。
【0203】
一方、前記照明装置は室内の生活空間だけでなく、病院や空港のように多くの人が利用する室内空間に設置することができる。よって、前記照明装置が設けられた照明システムをさらに提供することができる。この照明システムは、日常的に照明機能と共に上述した追加機能を行うように照明装置を作動することができる。
【0204】
以上、本開示の多様な実施例について説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるのではない。また、一つの実施例に対して説明した事項や構成要素は、本発明の技術的思想から逸脱しない限り、別の実施例にも適用することができる。