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特許7485681オリゴヌクレオチド含有細胞成分結合試薬およびその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】オリゴヌクレオチド含有細胞成分結合試薬およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6813 20180101AFI20240509BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20240509BHJP
   G01N 33/532 20060101ALI20240509BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20240509BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALN20240509BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALN20240509BHJP
   C12N 5/07 20100101ALN20240509BHJP
   C12N 1/14 20060101ALN20240509BHJP
   C12N 1/16 20060101ALN20240509BHJP
   C12N 1/20 20060101ALN20240509BHJP
   C07K 16/00 20060101ALN20240509BHJP
   C12N 15/11 20060101ALN20240509BHJP
【FI】
C12Q1/6813 Z
C12M1/34 B
G01N33/532 Z
G01N21/64 F
C12Q1/6869 Z
C12Q1/02
C12N5/07
C12N1/14 A
C12N1/16 G
C12N1/20 A
C07K16/00
C12N15/11 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021544251
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 US2020014480
(87)【国際公開番号】W WO2020159757
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】62/797,903
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/852,778
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ナカモト,マーガレット
(72)【発明者】
【氏名】シャム,エリーン
(72)【発明者】
【氏名】バンサル,ニドハンジャリ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,クリスティーナ
【審査官】牧野 晃久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0289769(US,A1)
【文献】国際公開第2012/071428(WO,A2)
【文献】国際公開第2003/031591(WO,A2)
【文献】国際公開第2018/144813(WO,A1)
【文献】特表2017-507656(JP,A)
【文献】特表2007-518107(JP,A)
【文献】国際公開第2018/058073(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00- 3/00
C12M 1/00- 1/42
G01N 33/00- 33/46
G01N 21/00- 21/61
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中の細胞が対象細胞成分標的を含むか否かを決定する方法であって、
細胞成分結合試薬を含む、発光標識されたサンプルを生成することであって、前記細胞成分結合試薬は、発光部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する前記細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、前記細胞成分結合試薬は、前記対象細胞成分標的に特異的に結合する、生成することと、
前記発光部分について前記発光標識されたサンプルの細胞をアッセイして、細胞サンプル中の細胞が前記対象細胞成分標的を含むか否かを決定することと
を含んでおり、
前記細胞成分結合試薬は、固体支持体に会合せず、
アッセイすることは、前記発光部分に基づいて、細胞をフローサイトメトリー選別することを含み、
前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが前記発光部分を含むか、または、前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが前記発光部分を含む標識成分に非共有結合的に結合している、
方法。
【請求項2】
前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、前記発光部分を含む標識核酸にハイブリダイズされる、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記発光部分を含む前記標識核酸が、前記細胞成分結合試薬についての前記識別子配列にハイブリダイズされる、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記細胞成分結合試薬が、抗体またはその特異的結合フラグメントを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
発光部分が、蛍光部分を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記対象細胞成分標的を含む細胞をカウントすることをさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記対象細胞成分標的を含む細胞を前記細胞サンプルの他の構成要素から分離することをさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記対象細胞成分標的を含む細胞を単一細胞サンプルに単離することをさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記単一細胞サンプルからバーコード付き識別子配列を生成することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記バーコード付き識別子配列をシーケンシングすることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
配列情報から前記単一細胞サンプルの前記細胞について前記対象細胞成分標的を定量化することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記対象細胞成分標的を含む前記細胞サンプルの細胞のトランスクリプトームまたはその一部の分析をさらに含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
細胞成分結合試薬であって、前記細胞成分結合試薬が、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する前記細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、前記細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合する、細胞成分結合試薬と、
発光部分と
を含んでおり、
前記細胞成分結合試薬は、固体支持体に会合せず、
前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが前記発光部分を含むか、または、標識核酸が前記発光部分を含む、
キット。
【請求項14】
細胞成分結合試薬を含む、発光標識されたサンプルであって、
前記細胞成分結合試薬は、発光部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する前記細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、前記細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合し、
前記細胞成分結合試薬は、固体支持体に会合せず、
前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが前記発光部分を含むか、または、前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが前記発光部分を含む標識成分に非共有結合的に結合している、
発光標識されたサンプル。
【請求項15】
細胞成分結合試薬を含む、発光標識されたサンプルであって、前記細胞成分結合試薬は、発光部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する前記細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、前記細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、発光標識されたサンプルと、
セルソータと
を含んでおり、
前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが前記発光部分を含むか、または、前記細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが前記発光部分を含む標識成分に非共有結合的に結合している、
フローサイトメーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、分子生物学の分野に関し、例えば、異なるサンプルの細胞を識別し、分子バーコーディングを使用して細胞におけるタンパク質発現プロファイルを決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の技術は、細胞特異的オリゴヌクレオチドバーコードを個々の細胞からのポリ(A)mRNA分子に付着させることによって、大規模並列様式(例えば、>10000個の細胞)で単一細胞の遺伝子発現の測定を可能にし、そのとき、各細胞は、コンパートメント内のバーコード付き試薬ビーズで共局在化される。遺伝子発現は、タンパク質発現に影響を及ぼし得る。タンパク質-タンパク質相互作用は、遺伝子発現およびタンパク質発現に影響を及ぼし得る。細胞におけるタンパク質発現を定量的に分析することができ、同時に細胞におけるタンパク質発現および遺伝子発現を測定することができるシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本明細書の開示には、対象細胞の複数の細胞成分標的の定量分析の方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることを含み、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬の各々は、検出可能部分と細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それによって各々が細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成することができる。本方法は、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如に基づいて(例えば、検出可能部分の存在または不在に基づいて対象細胞を積極的に選択することにより、および検出可能部分の存在または不在に基づいて非対象細胞の負のディプリーションにより)、複数の細胞から対象細胞を取得することを含むことができる。本方法は、複数のバーコードを、得られた対象細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることを含むことができ、複数のバーコードの各々は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む。本方法は、複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することを含むことができ、ここで、標識化核酸の各々は、識別子配列、またはその相補的配列、および分子標識配列、またはその相補的配列を含む。本方法は、対象細胞の各々に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することを含むことができる。
【0004】
いくつかの実施形態では、検出可能部分は発光部分を含む。いくつかの実施形態では、発光部分は、蛍光部分、燐光部分、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、対象細胞を取得することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの蛍光部分もしくは燐光部分、またはその欠如に基づいて、対象細胞を取得することを含む。いくつかの実施形態では、対象細胞を取得することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの蛍光部分もしくは燐光部分、またはその欠如に基づいてフローサイトメトリックに対象細胞を取得することを含む。
【0005】
本明細書の開示には、サンプル中の複数の細胞成分標的を分析する方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることを含み、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬の各々は、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それによって、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成することができる。本方法は、実験結果を得るために、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分、またはその欠如を使用して、複数の細胞に対して実験を実施することを含むことができる。本方法は、複数のバーコードを、細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることを含むことができ、複数のバーコードの各々は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む。本方法は、複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することを含むことができ、ここで、標識化核酸の各々は、識別子配列、またはその相補的配列、および分子標識配列、またはその相補的配列を含む。本方法は、生成された細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することを含むことができる。本方法は、細胞の実験結果および/または細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数の分析を行うことを含むことができる。本方法は、細胞の実験結果に基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数の分析を行うことを含むことができる。本方法は、細胞の実験結果に基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数の分析を行うことを含むことができる。いくつかの実施形態では、分析を行うことは、細胞の実験結果と、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数とを相関させることを含む。
【0006】
本明細書の開示には、サンプル中の複数の細胞成分標的を分析する方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることを含み、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬の各々は、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それによって、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成することができる。本方法は、実験結果を得るために、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分、またはその欠如を使用して、複数の細胞に対して実験を実施することを含むことができる。本方法は、実験結果に基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞から対象細胞を選択することを含むことができる。本方法は、複数のバーコードを、対象細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることを含むことができ、複数のバーコードの各々は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む。本方法は、複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することを含むことができ、ここで、標識化核酸の各々は、識別子配列、またはその相補的配列、および分子標識配列、またはその相補的配列を含む。本方法は、対象細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することを含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、実験を実施することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞の顕微鏡観察を実施することを含む。いくつかの実施形態では、顕微鏡観察を実施することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞を画像化することを含む。いくつかの実施形態では、細胞を画像化することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞をライブ画像化することを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬のうちの少なくとも1つは、細胞膜透過性細胞成分結合試薬を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬を複数の細胞と接触させることは、細胞膜透過性細胞成分結合試薬を複数の細胞と接触させることを含み、それにより、細胞膜透過性細胞成分結合試薬が、複数の細胞のうちの細胞中に内在化される。
【0008】
本明細書の開示には、サンプル中の複数の細胞成分標的の定量分析の方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬を、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、第1のサンプルおよび第2のサンプルの複数の細胞成分標的と接触させることを含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬の各々は、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それによって、細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を生成することができる。本方法は、第1のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第1の量を決定することを含むことができる。本方法は、複数のバーコードを、第1のサンプルの細胞成分標的に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることを含むことができ、複数のバーコードの各々は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む。本方法は、複数の標識化核酸を生成するために、第1のサンプルの細胞成分標的に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを伸長することを含むことができ、ここで、標識化核酸の各々は、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む。本方法は、第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することを含むことができる。本方法は、第2のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第2の量を決定することを含むことができる。本方法は、(1)第1のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第1の量、(2)決定された第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数、および(3)第2のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第2の量、に基づいて、第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数を決定することを含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数は、第1のサンプルの複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分の第1の量に反比例する。いくつかの実施形態では、第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数は、決定された第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数に正比例する。いくつかの実施形態では、第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数は、第2のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分の第2の量に正比例する。
【0010】
いくつかの実施形態では、検出可能部分は、光学部分、発光部分、電気化学的活性部分、ナノ粒子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、発光部分は、化学発光部分、エレクトロルミネッセンス部分、フォトルミネッセンス部分、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、フォトルミネッセンス部分は、蛍光部分、燐光部分、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、蛍光部分は、蛍光色素を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、量子ドットを含む。いくつかの実施形態では、方法は、検出可能部分前駆体を検出可能部分に変換するための反応を実施することを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに固有である。いくつかの実施形態では、2つの細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分は同一である。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、第2の検出可能部分を含む。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの第2の検出可能部分は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに固有である。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分および第2の検出可能部分の組み合わせは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに固有である。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織切片またはその細胞を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、方法は、バーコードを伸長する前に、細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を複数のパーティション(例えば、マイクロウェル、ドロップレットなど)に分割することであって、ここで、複数のパーティションのうちのパーティションは、細胞成分結合試薬に会合する細胞からの単一細胞を含む、分割することと、単一細胞を含むパーティションにおいて、バーコーディング粒子を細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと接触させることであって、ここで、バーコーディング粒子は、複数のバーコードを含み、複数のバーコードのうちの2つのバーコードは、異なる分子標識配列を含む、接触させることとを含む。いくつかの実施形態では、複数のバーコードのうちの少なくとも1つのバーコードが、粒子に固定化されるか、粒子に部分的に固定化されるか、粒子に封入されるか、粒子に部分的に封入されるか、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子は破壊可能である。いくつかの実施形態では、粒子はビーズを含む。いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子は、固体ビーズ、半透過性ビーズ、ヒドロゲルビーズ、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、パーティションはウェルまたはドロップレットである。
【0013】
いくつかの実施形態では、シーケンシングデータ中の少なくとも1つの細胞成分標的に特異的に結合することができる細胞成分結合試薬についての固有識別子配列に会合する固有分子標識配列の数は、複数の細胞のうちの1つ以上における少なくとも1つの細胞成分標的のコピー数を示す。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、第1のユニバーサルプライマーの配列、その相補的配列、その部分的配列、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第1のユニバーサルプライマーは、5~50ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、第1のユニバーサルプライマーは、増幅プライマー、シーケンシングプライマー、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、シーケンシングプライマーは、P7シーケンシングプライマーを含む。いくつかの実施形態では、複数の標識化核酸またはその一部のシーケンシング情報を取得することは、標識化核酸を1つ以上の反応に供して、核酸シーケンシングについての核酸のセットを生成することを含む。いくつかの実施形態では、バーコードの各々は、細胞標識、第2のユニバーサルプライマー、増幅アダプター、シーケンシングアダプター、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、標識化核酸を1つ以上の反応に供することは、核酸シーケンシングについての核酸のセットを生成するために、第1のユニバーサルプライマー、第1のユニバーサルプライマーの配列を含む第1のプライマー、第2のユニバーサルプライマー、第2のユニバーサルプライマーの配列を含む第2のプライマー、またはそれらの組み合わせを使用して標識化核酸を増幅反応に供することを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して細胞成分結合試薬に会合する。いくつかの実施形態では、リンカーは炭素鎖を含む。いくつかの実施形態では、炭素鎖は2~30個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、複数のタンパク質標的を含み、細胞成分結合試薬は、複数のタンパク質標的のうちのタンパク質標的に特異的に結合することができる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬に共有結合している。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬にコンジュゲートされている。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、UV光開裂可能基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される化学基を介して細胞成分結合試薬にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬に非共有結合している。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬から分離可能であるように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドを細胞成分結合試薬から解離させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドを解離させることは、UV光開裂、化学処理、加熱処理、酵素処理、またはそれらの任意の組み合わせによって細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドを細胞成分結合試薬から分離することを含む。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドをバーコーディングした後に解離が起こる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドをバーコーディングする前に解離が起こる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬から分離不可能であるように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの配列を捕捉するように構成されているバーコードの捕捉配列に相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、バーコードは、捕捉配列を含む標的結合領域を含む。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含む。いくつかの実施形態では、捕捉配列に相補的な細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの配列は、ポリ(dA)領域を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、複数の細胞成分結合試薬を複数の細胞と接触させた後、複数の細胞と接触していない複数の細胞成分結合試薬のうちの1つ以上の細胞成分結合試薬を除去することを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞と接触していない1つ以上の細胞成分結合試薬を除去することは、複数の細胞成分標的のそれぞれの少なくとも1つと接触していない1つ以上の細胞成分結合試薬を除去することを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞を分割することは、複数の細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞と、バーコーディング粒子を含む複数のバーコーディング粒子とを複数のパーティションに分割することを含み、複数のパーティションのうちのパーティションは、細胞成分結合試薬およびバーコーディング粒子に会合する複数の細胞からの単一細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞表面タンパク質、細胞内タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、T細胞、B細胞、腫瘍細胞、骨髄細胞、血液細胞、正常細胞、胎児細胞、母体細胞、またはそれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、細胞膜透過性細胞成分結合試薬は、細胞の細胞膜を通って拡散することによって、1つ以上の細胞に内在化されることができる。本方法は、1つ以上の細胞の細胞膜を透過化することを含むことができる。細胞の細胞膜を透過化することは、洗剤を使用して、1つ以上の細胞の細胞膜を透過化することを含む。細胞膜透過性試薬は、1つ以上の細胞の1つ以上の膜輸送体タンパク質を介して細胞に内在化することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、細胞膜透過性細胞成分結合試薬は、有機分子、ペプチド、脂質、またはそれらの組み合わせを含む。有機分子は、細胞膜透過性有機分子を含むことができる。有機分子は、色素を含むことができる。有機分子は、蛍光色素を含むことができる。有機分子は、環構造を含むことができる。環構造は、5~50個の炭素原子を含むことができる。有機分子は、炭素鎖を含むことができる。炭素鎖は、5~50個の炭素原子を含むことができる。有機分子は、1つ以上の細胞に内在化された後、第2の有機分子に変換されることができる。有機分子は、アセトキシメチルカルセイン(カルセインAM)であることができ、第2の有機分子はカルセインである。
【0019】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、細胞膜透過性ペプチドを含むことができる。ペプチドは、5~30アミノ酸長であることができる。細胞膜透過性試薬は、細胞の細胞膜に挿入することができる。細胞膜透過性細胞成分結合試薬は、脂質を含むことができる。
【0020】
本明細書の開示には、サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定する方法が含まれる。本方法の態様は、細胞成分結合試薬を含む、検出可能に標識されたサンプルを生成することであって、ここで、細胞成分結合試薬は、検出可能部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、生成することと、検出可能部分について検出可能に標識されたサンプルの細胞構成要素をアッセイして、細胞サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定することとを含む。このような方法の実施形態は、細胞サンプルの他の構成要素から、対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を分離することをさらに含む。いくつかの例では、方法はさらに、対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を、例えばパーティション中で単一細胞サンプルに単離することを含む。いくつかの例では、本方法は、単一細胞サンプルからバーコード付き識別子配列を生成することをさらに含む。いくつかの例では、本方法は、単一細胞サンプルについての配列情報を取得するために、バーコード付き識別子配列をシーケンシングすることをさらに含む。いくつかの例では、本方法は、配列情報から、単一細胞サンプルの細胞構成要素について、対象細胞成分標的を定量化することをさらに含む。いくつかの例では、本方法は、対象細胞成分標的を含む細胞サンプルの細胞構成要素のトランスクリプトーム分析をさらに含む。
【0021】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面において、同様の記号は典型的には、文脈が別様に規定しない限り、類似の構成要素を特定する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定することを意図していない。本明細書に提示される主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用し得、他の変更を行い得る。本開示の態様は、本明細書に概して記載され、図面に示されているように、様々な異なる構成で配置、置換、組合せ、分離、および設計することができ、それらのすべてが本明細書で明示的に企図され、本明細書の開示の一部とされることが容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】非限定的な例示的確率論的バーコードを示す。
図2】確率論的バーコーディングおよびデジタルカウントの非限定的な例示的ワークフローを示す。
図3】複数の標的から確率論的にバーコード付けされた標的のインデックス付きライブラリーを生成するための非限定的な例示的プロセスを示す概略図である。
図4】タンパク質結合試薬についての固有識別子を含むオリゴヌクレオチドに会合する例示的タンパク質結合試薬(ここに示されるものは抗体)の概略図を示す。
図5】同じまたは異なるサンプルからの細胞を決定するために、サンプルインデクシングについての固有識別子を含むオリゴヌクレオチドに会合する例示的な結合試薬(ここに示されるものは抗体)の概略図を示す。
図6】細胞成分発現(例えば、タンパク質発現)および遺伝子発現を高スループット様式で同時に決定するためのオリゴヌクレオチド会合抗体を使用する例示的ワークフローの概略図を示す。
図7】サンプルインデクシングについてのオリゴヌクレオチド会合抗体を使用する例示的ワークフローの概略図を示す。
図8】細胞ソーターシステムの非限定的な概略図である。
図9】検出可能部分(ここに示されるものは発蛍光団)を含むオリゴヌクレオチドに会合する非限定的な例示的タンパク質結合試薬(ここに示されるものは抗体)の概略図を示す。
図10A】タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定するため、および、サンプルインデクシングのためのオリゴヌクレオチドの非限定的な例示的設計を示す。
図10B】タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定するため、および、サンプルインデクシングのためのオリゴヌクレオチドの非限定的な例示的設計を示す。
図10C】タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定するため、および、サンプルインデクシングのためのオリゴヌクレオチドの非限定的な例示的設計を示す。
図10D】タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定するため、および、サンプルインデクシングのためのオリゴヌクレオチドの非限定的な例示的設計を示す。
図11】タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定するため、およびサンプルインデクシングのための非限定的な例示的オリゴヌクレオチド配列の概略図を示す。
図12】検出可能部分(ここに示されるものは発蛍光団)を含む標識核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドに会合する非限定的な例示的タンパク質結合試薬(ここに示されるものは抗体)の概略図を示す。
図13A】デジタルmRNAおよびタンパク質分析細胞分析についての非限定的な例示的ワークフローの概略図を示す。
図13B】デジタルmRNAおよびタンパク質分析細胞分析についての非限定的な例示的ワークフローの概略図を示す。
図13C】デジタルmRNAおよびタンパク質分析細胞分析についての非限定的な例示的ワークフローの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術的および科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。例えば、Singletonら、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 2nd ed、J.Wiley & Sons (New York、N.Y.1994);Sambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press (Cold Spring Harbor、NY 1989)を参照。本開示の目的のために、次の用語を以下に定義する。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「アダプター」は、会合する核酸の増幅またはシーケンシングを容易にするための配列を意味することができる。会合する核酸は、標的核酸を含むことができる。会合する核酸は、空間標識、標的標識、サンプル標識、インデクシング標識、またはバーコード配列(例えば、分子標識)のうちの1つ以上を含むことができる。アダプターは、直線状とすることができる。アダプターは、予めアデニル化されたアダプターとすることができる。アダプターは、二本鎖または一本鎖とすることができる。1つ以上のアダプターは、核酸の5’末端または3’末端に位置することができる。アダプターが5’末端および3’末端に既知の配列を含む場合、既知の配列は、同じまたは異なる配列とすることができる。ポリヌクレオチドの5’末端および/または3’末端に配置されたアダプターは、表面上に固定化された1つ以上のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる。アダプターは、いくつかの実施形態では、ユニバーサル配列を含むことができる。ユニバーサル配列は、2つ以上の核酸分子に共通のヌクレオチド配列の領域とすることができる。2つ以上の核酸分子はまた、異なる配列の領域を有することができる。したがって、例えば、5’アダプターは、同一および/またはユニバーサル核酸配列を含むことができ、3’アダプターは、同一および/またはユニバーサル配列を含むことができる。複数の核酸分子の異なるメンバーに存在し得るユニバーサル配列は、ユニバーサル配列に相補的な単一のユニバーサルプライマーを使用して、多数の異なる配列の複製または増幅を可能にすることができる。同様に、核酸分子の集合の異なるメンバー中に存在し得る、少なくとも1つ、2つ(例えば、ペア)またはそれ以上のユニバーサル配列は、ユニバーサル配列に相補的な少なくとも1つ、2つ(例えば、ペア)またはそれ以上の単一のユニバーサルプライマーを使用して、複数の異なる配列の複製または増幅を可能にすることができる。したがって、ユニバーサルプライマーは、そのようなユニバーサル配列にハイブリダイズすることができる配列を含む。標的核酸配列を担う分子は、異なる標的核酸配列の一方または両方の末端にユニバーサルアダプター(例えば、非標的核酸配列)を取り付けるために修飾され得る。標的核酸に取り付けられた1つ以上のユニバーサルプライマーは、ユニバーサルプライマーのハイブリダイゼーションについての部位を提供することができる。標的核酸に取り付けられた1つ以上のユニバーサルプライマーは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0025】
本明細書で使用される場合、抗体は、完全長の(例えば、天然に存在するか、または通常の免疫グロブリン遺伝子フラグメント組換えプロセスにより形成される)免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)、または、抗体フラグメントのような、免疫学的に活性な(すなわち、特異的に結合する)免疫グロブリン分子の一部とすることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、抗体は、機能性抗体フラグメントである。例えば、抗体フラグメントは、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、sFv等のような抗体の一部とすることができる。抗体フラグメントは、完全長抗体によって認識される同じ抗原と結合することができる。抗体フラグメントは、抗体の可変領域からなる単離されたフラグメント、例えば、重鎖および軽鎖の可変領域からなる「Fv」フラグメント、ならびに、軽鎖および重鎖可変領域がペプチドリンカー(「scFvタンパク質」)によって接続されている組換え単鎖ポリペプチド分子を含むことができる。例示的な抗体は、癌細胞についての抗体、ウイルスについての抗体、細胞表面受容体に結合する抗体(例えば、CD8、CD34、およびCD45)、および治療抗体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書中で使用される場合、「会合する」または「と会合する」という用語は、2つ以上の種が1つの時点で同時配置されていると識別可能であることを意味することができる。会合は、2つ以上の種が同様の容器内にある、またはあったことを意味することができる。会合は、インフォマティクス会合とすることができる。例えば、2つ以上の種に関するデジタル情報を保存することができ、1つ以上の種が1つの時点で同時配置されたことを決定するために使用することができる。会合はまた、物理的会合とすることができる。いくつかの実施形態では、2つ以上の会合する種は、互いに、または共通の固体または半固体表面に「つながれている」、「取り付けられている」、または「固定化されている」。会合は、ビーズのような固体または半固体支持体に標識を取り付けるための共有結合または非共有結合手段を指し得る。会合は、標的と標識との間の共有結合であり得る。会合は、2つの分子(例えば、標的分子および標識)間のハイブリダイゼーションを含むことができる。
【0028】
本明細書中で使用される場合、用語「相補性」は、2つのヌクレオチド間の正確なペアリングについての能力を指すことができる。例えば、核酸の所与の位置のヌクレオチドが別の核酸のヌクレオチドと水素結合することができる場合、その位置で2つの核酸が互いに相補的であると考えられる。2つの一本鎖核酸分子間の相補性は、ヌクレオチドの一部のみが結合する「部分的」であり得、または、それは、一本鎖分子間に完全相補性が存在する場合には完全であり得る。第1のヌクレオチド配列は、第1のヌクレオチド配列が第2のヌクレオチド配列に相補的である場合、第2の配列の「相補体」であると言える。第1のヌクレオチド配列は、第1のヌクレオチド配列が、第2の配列の逆である(すなわち、ヌクレオチドの順序が逆である)配列に相補的である場合、第2の配列の「逆相補体」であると言える。本明細書で使用される場合、用語「相補体」、「相補的」および「逆相補体」は、互換的に使用することができる。分子が別の分子にハイブリダイズすることができる場合、それはハイブリダイズする分子の相補体であり得ることが本開示から理解される。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「デジタルカウント」は、サンプル中の標的分子の数を推定するための方法を指すことができる。デジタルカウントは、サンプル中の標的と会合している固有標識の数を決定するステップを含むことができる。この方法論は、本質的に確率論的とすることができ、分子のカウントの問題を、同一分子の配置および識別のうちの1つから、1組の所定標識の検出に関する一連のyes/noデジタル質問へと変換する。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「標識」または「複数の標識」は、サンプル内の標的に会合する核酸コードを指すことができる。標識は、例えば、核酸標識とすることができる。標識は、完全にまたは部分的に増幅可能な標識とすることができる。標識は、完全にまたは部分的にシーケンシング可能な標識とすることができる。標識は、明確に区別できる天然の核酸の一部とすることができる。標識は、既知の配列とすることができる。標識は、核酸配列の接合、例えば、天然および非天然配列の接合を含むことができる。本明細書で使用される場合、用語「標識」は、用語「インデックス」、「タグ」または「標識タグ」と互換的に使用することができる。標識は、情報を伝達することができる。例えば、様々な実施形態では、標識を使用して、サンプルの同一性、サンプルのソース、細胞の同一性、および/または標的を決定することができる。
【0031】
本明細書で使用される場合、用語「非ディプリーティングリザーバ」は、多くの異なる標識から構成されるバーコード(例えば、確率論的バーコード)のプールを指すことができる。非ディプリーティングリザーバは、非ディプリーティングリザーバが標的のプールに会合するとき、各標的が固有バーコードに会合する可能性があるように、多数の異なるバーコードを含むことができる。各標識化標的分子の固有性は、ランダム選択の統計によって決定することができ、標識の多様性と比較して、コレクションにおける同一標的分子のコピー数に依存する。得られた標識化標的分子のセットのサイズは、バーコーディングプロセスの確率論的性質によって決定されることができ、そして、検出されたバーコードの数の分析により、元のコレクションまたはサンプル中に存在する標的分子の数の計算が可能となる。固有バーコード数に対する存在する標的分子のコピー数の比が低い場合、標識化標的分子は非常に固有である(すなわち、1つ超の標的分子が所与標識で標識されている確率は非常に低い)。
【0032】
本明細書中で使用される場合、用語「核酸」は、ポリヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを指す。核酸は、ヌクレオチドを含むことができる。核酸は、細胞に対して外因性または内因性とすることができる。核酸は、無細胞環境中に存在することができる。核酸は、遺伝子またはそのフラグメントとすることができる。核酸は、DNAとすることができる。核酸は、RNAとすることができる。核酸は、1つ以上の類似体(例えば、変異バックボーン、糖、または核酸塩基)を含むことができる。類似体のいくつかの非限定的な例としては、5-ブロモウラシル、ペプチド核酸、ゼノ核酸、モルホリノ、ロック核酸、グリコール核酸、トレオース核酸、ジデオキシヌクレオチド、コーディセピン、7-デアザ-GTP、発蛍光団(例えば、糖に連結したローダミンまたはフルオレセイン)、チオール含有ヌクレオチド、ビオチン連結ヌクレオチド、蛍光塩基類似体、CpGアイランド、メチル-7-グアノシン、メチル化ヌクレオチド、イノシン、チオウリジン、プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、キューオシンおよびワイオシンが挙げられる。「核酸」、「ポリヌクレオチド」、「標的ポリヌクレオチド」、および「標的核酸」は、互換的に使用することができる。
【0033】
核酸は、1つ以上の修飾(例えば、塩基修飾、バックボーン修飾)を含むことができ、新たな、または増強された特徴(例えば、改善された安定性)を有する核酸を提供することができる。核酸は、核酸親和性タグを含むことができる。ヌクレオシドは、塩基-糖の組み合わせとすることができる。ヌクレオシドの塩基部分は、複素環式塩基とすることができる。このような複素環式塩基の最も一般的な2つのクラスは、プリンおよびピリミジンである。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合したリン酸基をさらに含むヌクレオシドとすることができる。ペントフラノシル糖を含むそれらのヌクレオシドの場合、リン酸基は、糖の2’、3’または5’ヒドロキシル部分に連結することができる。核酸を形成する際、リン酸基は、互いに隣接するヌクレオシドに共有結合して、線状高分子化合物を形成することができる。また、この線状高分子化合物の各端部をさらに接合して、環状化合物を形成することができるが、概して線状化合物が好適である。さらに、線状化合物は、内部ヌクレオチド塩基の相補性を有し得、したがって、完全にまたは部分的に二本鎖の化合物を生成するように折り畳み得る。核酸内では、リン酸基は、一般に、核酸のヌクレオシド間バックボーンを形成するものと呼ぶことができる。連結またはバックボーンは、3’-5’ホスホジエステル連結とすることができる。
【0034】
核酸は、修飾バックボーンおよび/または修飾ヌクレオシド間連結を含むことができる。修飾バックボーンは、バックボーン中にリン原子を保持するもの、およびバックボーン中にリン原子を有しないものを含むことができる。その中にリン原子を含有する適切な修飾核酸バックボーンは、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’-アルキレンホスホン酸塩、5’-アルキレンホスホン酸塩、キラルホスホン酸塩、ホスフィン酸塩などのメチルおよび他のアルキルホスホネート、3’-アミノホスホルアミデートおよびアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート、ホスホロジアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、セレノホスフェート、および通常の3’-5’連結、2’-5’連結類似体を有するボラノホスフェート、ならびに、1つ以上のヌクレオチド間連結が3’-3’、5’-5’または2’-2’連結である逆極性を有するものを含むことができる。
【0035】
核酸は、短鎖アルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間連結、混合ヘテロ原子およびアルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間連結によって形成されるポリヌクレオチドバックボーン、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子または複素環ヌクレオシド間連結を含むことができる。これらは、モルホリノ連結を有するもの(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される);シロキサンバックボーン;スルフィド、スルホキシドおよびスルホンバックボーン;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチルバックボーン;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチルバックボーン;リボアセチルバックボーン;アルケン含有バックボーン;スルファメートバックボーン;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノバックボーン;スルホネートおよびスルホンアミドバックボーン;アミドバックボーン;ならびにN、O、SおよびCH2成分部分の混合物を有するその他のものを含むことができる。
【0036】
核酸は、核酸模倣体を含むことができる。用語「模倣体」は、フラノース環のみ、またはフラノース環およびヌクレオチド間連結の両方が非フラノース基で置換されているポリヌクレオチドを含むことを意図することができ、フラノース環のみの置換も糖代用物であると呼ぶことができる。複素環式塩基部分または修飾された複素環式塩基部分は、適切な標的核酸とのハイブリダイゼーションのために維持されることができる。そのような核酸の1つは、ペプチド核酸(PNA)とすることができる。PNAにおいて、ポリヌクレオチドの糖バックボーンは、アミド含有バックボーン、特にアミノエチルグリシンバックボーンと置換されることができる。ヌクレオチドは、バックボーンのアミド部分のアザ窒素原子に直接または間接的に、保持され、結合されることができる。PNA化合物中のバックボーンは、2つ以上の連結したアミノエチルグリシン単位を含むことができ、これはPNAにアミド含有バックボーンを与える。複素環式塩基部分は、バックボーンのアミド部分のアザ窒素原子に直接または間接的に結合することができる。
【0037】
核酸は、モルホリノバックボーン構造を含むことができる。例えば、核酸は、リボース環の代わりに6員モルホリノ環を含むことができる。これらの実施形態のいくつかにおいて、ホスホロジアミデートまたは他の非ホスホジエステルヌクレオシド間連結は、ホスホジエステル連結を置換することができる。
【0038】
核酸は、モルホリノ環に取り付けられた複素環式塩基を有する連結モルホリノ単位(例えば、モルホリノ核酸)を含むことができる。連結基は、モルホリノ核酸中のモルホリノ単量体単位を連結することができる。非イオン性モルホリノ系オリゴマー化合物は、細胞タンパク質との望ましくない相互作用を減少させることができる。モルホリノ系ポリヌクレオチドは、核酸の非イオン模倣体とすることができる。モルホリノクラス内の種々の化合物は、異なる連結基を使用して接合することができる。さらなるクラスのポリヌクレオチド模倣体は、シクロヘキセニル核酸(CeNA)と呼ぶことができる。核酸分子に通常は存在するフラノース環は、シクロヘキセニル環と置換することができる。CeNA DMT保護ホスホラミダイト単量体を調製して、ホスホラミダイト化学を使用するオリゴマー化合物合成のために使用することができる。核酸鎖へのCeNAモノマーの組み込みは、DNA/RNAハイブリッドの安定性を高めることができる。CeNAオリゴアデニレートは、天然の複合体と同様の安定性を有する核酸相補体との複合体を形成することができる。さらなる修飾は、2’-ヒドロキシル基が糖環の4’炭素原子に連結し、それによって2’-C、4’-C-オキシメチレン連結を形成し、それによって二環糖部分を形成するロック核酸(LNA)を含むことができる。連結は、メチレン(-CH2)、2’酸素原子および4’炭素原子を架橋する基とすることができ、ここで、nは1または2である。LNAおよびLNA類似体は、相補的な核酸での非常に高い二重鎖熱安定性(Tm=+3~+10℃)、3’-外ヌクレオチド鎖分解性に対する安定性、および良好な溶解特性を示すことができる。
【0039】
核酸はまた、核酸塩基(しばしば、単に「塩基」と呼ばれる)修飾または置換を含み得る。本明細書中で使用される場合、「非修飾型」または「天然型」核酸塩基は、プリン塩基(例えば、アデニン(A)およびグアニン(G))、およびピリミジン塩基(例えば、チミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U))を含むことができる。修飾核酸塩基は、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニル(-C=C-CH3)ウラシルおよびシトシン、およびピリミジン塩基、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミンの他のアルキニル誘導体、5-ウラシル(擬似ウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニン、ならびに3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンのような他の合成および天然核酸塩基を含むことができる。修飾核酸塩基は、フェノキサジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾチアジン-2(3H)-オン)などの三環系ピリミジン、置換フェノキサジンシチジン(例、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド(5,4-(b)(1,4)ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)などのGクランプ、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、置換フェノキサジンシチジン(例、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド(5,4-(b)(1,4)ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)などのGクランプ、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド(4,5-b)インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド(3’,2’:4,5)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)を含むことができる。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「サンプル」は、標的を含む組成物を指すことができる。開示された方法、デバイス、およびシステムによる分析についての適切なサンプルには、細胞、組織、器官または有機体が含まれる。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「サンプリングデバイス」または「デバイス」は、サンプルのセクションを取り、および/または、基板上のセクションを配置し得るデバイスを指すことができる。サンプルデバイスは、例えば、蛍光活性化細胞選別(FACS)機械、細胞選別機、生検針、生検装置、組織切片化装置、マイクロ流体デバイス、ブレードグリッド、および/またはミクロトームを指すことができる。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「固体支持体」は、複数のバーコード(例えば、確率論的バーコード)が取り付けられ得る個別の固体または半固体表面を指すことができる。固体支持体は、核酸が(例えば、共有結合または非共有結合で)固定化され得る、任意のタイプの固体、多孔質もしくは中空の球体、ボール、ベアリング、シリンダ、または、プラスチック、セラミック、金属もしくは高分子材料(例えば、ヒドロゲル)から構成される他の同様の構成を包含し得る。固体支持体は、球状(例えば、微小球)であり得るか、または、立方体、直方体、ピラミッド形、円筒形、円錐形、長円形、円板状等の非球面または不規則な形状を有し得る離散粒子を含み得る。ビーズは、形状が非球形であり得る。アレイ内に間隔を置いて配置された複数の固体支持体は、基板を含んでいなくてもよい。固体支持体は、用語「ビーズ」と互換的に使用され得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、用語「確率論的バーコード」は、本開示の標識を含むポリヌクレオチド配列を指すことができる。確率論的バーコードは、確率論的バーコーディングに用いることができるポリヌクレオチド配列とすることができる。確率論的バーコードは、サンプル内の標的を定量化するために使用することができる。確率論的バーコードは、標識が標的と会合した後に生じ得る誤りを制御するために使用することができる。例えば、確率論的バーコードを使用して、増幅またはシーケンシング誤りを評価することができる。標的に会合する確率論的バーコードは、確率論的バーコード-標的または確率論的バーコード-タグ-標的と呼ぶことができる。
【0044】
本明細書で使用される場合、用語「遺伝子特異的確率論的バーコード」は、遺伝子特異的である標識および標的結合領域を含むポリヌクレオチド配列を指すことができる。確率論的バーコードは、確率論的バーコーディングに用いることができるポリヌクレオチド配列とすることができる。確率論的バーコードは、サンプル内の標的を定量化するために使用することができる。確率論的バーコードは、標識が標的と会合した後に生じ得る誤りを制御するために使用することができる。例えば、確率論的バーコードを使用して、増幅またはシーケンシング誤りを評価することができる。標的に会合する確率論的バーコードは、確率論的バーコード-標的または確率論的バーコード-タグ-標的と呼ぶことができる。
【0045】
本明細書で使用される場合、用語「確率論的バーコーディング」は、核酸のランダム標識化(例えば、バーコーディング)を指すことができる。確率論的バーコーディングは、標的に会合する標識を会合および定量化するために再帰的ポアソン戦略を利用することができる。本明細書中で使用される場合、用語「確率論的バーコーディング」は、「確率論的標識化」と互換的に使用することができる。
【0046】
本明細書で使用される場合、用語「標的」は、バーコード(例えば、確率論的バーコード)に会合することができる組成を指すことができる。開示された方法、デバイス、およびシステムによる分析についての例示的な適切な標的には、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、mRNA、マイクロRNA、tRNAなどが含まれる。標的は、一本鎖または二本鎖とすることができる。いくつかの実施形態では、標的は、タンパク質、ペプチド、またはポリペプチドとすることができる。いくつかの実施形態では、標的は脂質である。本明細書中で使用される場合、「標的」は、「種」と互換的に使用することができる。
【0047】
本明細書で使用される場合、用語「逆転写酵素」は、逆転写酵素活性を有する(すなわち、RNA鋳型からのDNAの合成を触媒する)酵素群を指すことができる。概して、このような酵素には、レトロウイルス逆転写酵素、レトロトランスポゾン逆転写酵素、レトロプラスミド逆転写酵素、レトロン逆転写酵素、細菌逆転写酵素、グループIIイントロン由来逆転写酵素、およびその突然変異体、変異体または誘導体が含まれるが、これらに限定されない。非レトロウイルス逆転写酵素には、非LTRレトロトランスポゾン逆転写酵素、レトロプラスミド逆転写酵素、レトロン逆転写酵素、およびグループIIイントロン逆転写酵素が含まれる。グループIIイントロン逆転写酵素の例には、ラクトコッカスラクティスLI. LtrBイントロン逆転写酵素、サーモシネココッカスエロンガトゥスTeI4cイントロン逆転写酵素、またはゲオバチルスステアロサーモフィルスGsI-IIcイントロン逆転写酵素が含まれる。逆転写酵素の他のクラスは、多くのクラスの非レトロウイルス逆転写酵素(すなわち、とりわけ、レトロン、グループIIイントロン、およびダイバーシティ生成レトロエレメント)を含むことができる。
【0048】
用語「ユニバーサルアダプタープライマー」、「ユニバーサルプライマーアダプター」または「ユニバーサルアダプター配列」は、遺伝子特異的バーコードを生成するためにバーコード(例えば、確率論的バーコード)にハイブリダイズするために使用することができるヌクレオチド配列を指すために互換的に使用される。ユニバーサルアダプター配列は、例えば、本開示の方法で使用されるすべてのバーコードにわたってユニバーサルである既知の配列とすることができる。例えば、複数の標的が本明細書に開示された方法を用いて標識化されている場合、標的特異的配列の各々は、同じユニバーサルアダプター配列に連結され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法において、1つ超のユニバーサルアダプター配列が使用され得る。例えば、複数の標的が本明細書に開示された方法を使用して標識されている場合、標的特異的配列の少なくとも2つは、異なるユニバーサルアダプター配列に連結される。ユニバーサルアダプタープライマーおよびその相補体は、2つのオリゴヌクレオチドに含まれ得、その一方は標的特異的配列を含み、他方はバーコードを含む。例えば、ユニバーサルアダプター配列は、標的核酸に相補的なヌクレオチド配列を生成するための標的特異的配列を含むオリゴヌクレオチドの一部であり得る。バーコードおよびユニバーサルアダプター配列の相補的配列を含む第2のオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド配列とハイブリダイズし、標的特異的バーコード(例えば、標的特異的確率論的バーコード)を生成し得る。いくつかの実施形態では、ユニバーサルアダプタープライマーは、この開示の方法で使用されるユニバーサルPCRプライマーとは異なる配列を有する。
【0049】
詳細な説明
本明細書の開示は、対象細胞の複数の細胞成分標的の定量分析の方法を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることであって、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれを含むその1つ以上は、検出可能部分と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成する、接触させることと、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如に基づいて、複数の細胞から対象細胞を取得することと、複数のバーコードを、得られた対象細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることであって、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む、接触させることと、複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することであって、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および/または分子標識配列またはその相補的配列を含む、伸長することと、各対象細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することとを含む。
【0050】
本明細書の開示には、サンプル中の複数の細胞成分標的を分析する方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることであって、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれを含むその1つ以上は、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成する、接触させることと、実験結果を得るために、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分、またはその欠如を使用して、複数の細胞に対して実験を行うことと、複数のバーコードを、細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることであって、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む、接触させることと、複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することであって、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む、伸長することと、および/または、生成された細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することと、を含む。本方法は、細胞の実験結果、および細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数の分析を実施することと、細胞の実験結果に基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数の分析を実施することと、細胞の実験結果またはそれらの組み合わせに基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数の分析を実施することとを含むことができる。
【0051】
本明細書の開示には、サンプル中の複数の細胞成分標的を分析する方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることであって、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれを含むその1つ以上は、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成する、接触させることと、実験結果を得るために、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分、またはその欠如を使用して、複数の細胞に対して実験を行うことと、実験結果に基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞から対象細胞を選択することと、複数のバーコードを、対象細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることであって、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む、接触させることと、複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することであって、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む、伸長することと、および/または、対象細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することとを含む。
【0052】
本明細書の開示には、サンプル中の複数の細胞成分標的の定量分析の方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬を、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、第1のサンプルおよび第2のサンプルの複数の細胞成分標的と接触させることであって、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれを含むその1つ以上は、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を生成する、接触させることと、第1のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第1の量を決定することと、複数のバーコードを、第1のサンプルの細胞成分標的に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることであって、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む、接触させることと、複数の標識化核酸を生成するために、第1のサンプルの細胞成分標的に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを伸長することであって、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む、伸長することと、第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することと、第2のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第2の量を決定することと、および/または、(1)第1のサンプル中の複数の細胞成分標的のそれぞれに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第1の量、(2)決定された第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数、および(3)第2のサンプル中の複数の細胞成分標的のそれぞれに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第2の量、に基づいて、第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数を決定することとを含む。
【0053】
本明細書の開示には、サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定する方法が含まれる。本方法の態様は、細胞成分結合試薬を含む、検出可能に標識されたサンプルを生成することであって、ここで、細胞成分結合試薬は、検出可能部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、生成することと、検出可能部分について検出可能に標識されたサンプルの細胞構成要素をアッセイして、細胞サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定することとを含む。このような方法の実施形態は、対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を細胞サンプルの他の構成要素から分離することをさらに含む。いくつかの例では、方法はさらに、対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を、例えばパーティション中で単一細胞サンプルに単離することをさらに含む。いくつかの例では、本方法は、単一細胞サンプルからバーコード付き識別子配列を生成することをさらに含む。いくつかの例では、本方法は、単一細胞サンプルについての配列情報を得るために、バーコード付き識別子配列をシーケンシングすることをさらに含む。いくつかの例では、本方法は、配列情報から単一細胞サンプルの細胞構成要素について対象細胞成分標的を定量化することをさらに含む。いくつかの例では、本方法は、対象細胞成分標的を含む細胞サンプルの細胞構成要素のトランスクリプトーム分析をさらに含む。
【0054】
本発明をより詳細に説明する前に、本発明は、本明細書に記載した特定の実施形態に限定されるものではなく、それ自体、もちろん様々であり得ることを理解すべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、限定を意図するものではないことも理解されるべきである。
【0055】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、下限の単位の10分の1までの、その範囲の上限と下限との間における各介在値、および、その記載範囲における別様記載のまたは介在する値は、本発明に含まれる。これらのより小さな範囲の上限および下限は、独立してより小さな範囲に含まれ得、また、記載範囲において特に除外された任意の限界を条件として、本発明に含まれる。記載範囲が一方または両方の限界を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。
【0056】
本明細書では、特定の範囲が示され、数値の前に「約」という用語が付いている。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、ならびにその用語が先行する数に近いかまたはほぼその数に対する文字通りのサポートを提供するために使用される。数が、具体的に記載された数に近いかまたはほぼ等しいか否かを決定する際に、近いかまたは近似する不記載の数は、それが提示される文脈において、具体的に記載された数についての実質的均等をもたらす数であり得る。
【0057】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、この発明が属する技術の当業者によって共通して理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または均等の任意の方法および材料もまた、本発明の実施または試験に使用することができるが、代表的な例示的方法および材料がここに記載されている。
【0058】
この明細書で引用されるすべての刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように参照により本明細書に組み込まれ、出版物が関連して引用されている方法および/または材料を記述および記載するために参照により本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は、出願日より前のその開示についてであり、本発明が先行発明のためにそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される発行日は、個別に確認する必要があり得る実際の発行日とは異なり得る。
【0059】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意の任意選択的要素を除外するために起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連して「単独」、「のみ」などの排他的な用語を使用する、または「否定的な」制限を使用するための先行する基礎として機能することを目的としている。
【0060】
この開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載および図示された個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲または精神から離れることなく他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離または組み合わされ得る別個の構成要素および特徴を有する。列挙された任意の方法は、列挙されたイベントの順序で、または論理的に可能な任意の他の順序で実行することができる。
【0061】
装置および方法は、機能的な説明を伴って文法的流動性のために説明されているか、または説明されるが、35U.S.C.§112の下で明示的に定式化されていない限り、特許請求の範囲は、「手段」または「ステップ」の制限の構築によっていかなる場合であっても必ずしも制限されると解釈されるべきではなく、均等法論の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味および均等物の全範囲を与えられるべきであり、特許請求の範囲が35U.S.C.§112に基づいて明示的に定式化されている場合には、35U.S.C.§112に基づく完全な法定均等物が付与されると明示的に理解されるべきである。
【0062】
本発明の様々な態様をさらに説明する際に、そこで使用される種々のプロトコルおよび試薬/システムを最初により詳細に検討し、続いて、本発明の種々の方法の詳細な検討、ならびに、本方法の様々な実施形態を実施する際に使用が見出されるキットの実施形態の説明を行う。
【0063】
プロトコルおよび試薬/システム
種々のプロトコル、試薬およびシステムは、本発明の方法の実施形態において使用が見出される。これらのプロトコル、試薬およびシステムには、バーコードおよびデジタルカウント、基板およびマイクロウェルアレイ、オリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬のバーコーディング方法、バーコードの会合、固有分子標識配列の数または存在を決定する方法、フローサイトメトリー、次世代シーケンシング、分割すること、細胞透過および検出可能部分が含まれる。これらの各々は、以下でさらにより詳細に検討される。
【0064】
バーコードおよびデジタルカウント
少数の核酸、例えばメッセンジャーリボヌクレオチド酸(mRNA)分子を定量化することは、例えば、発生の異なる段階で、または異なる環境条件下で、細胞中で発現される遺伝子を決定するために臨床的に重要である。しかし、特に分子数が非常に小さい場合には、核酸分子(例えば、mRNA分子)の絶対数を決定することはまた非常に困難である可能性がある。サンプル中の分子の絶対数を決定する1つの方法は、デジタルポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。理想的には、PCRは、各サイクルにおいて分子の同一のコピーを生成する。しかし、PCRは、各分子が確率論的な確率で複製されるような欠点を有する可能性があり、この確率はPCRサイクルおよび遺伝子配列によって変化し、増幅バイアスおよび不正確な遺伝子発現測定をもたらす。固有分子標識(分子インデックス(MI)とも呼ばれる)を有する確率論的バーコードを使用して、分子数をカウントし、増幅バイアスを補正することができる。Precise(商標)アッセイ(Cellular Research、Inc.(Palo Alto、CA))のような確率論的バーコーディングは、逆転写(RT)中にmRNAを標識するために分子標識(ML)を使用することによって、PCRおよびライブラリー調製ステップによって誘導されるバイアスを補正することができる。
【0065】
Precise(商標)アッセイは、ポリ(T)オリゴヌクレオチド上の多数の、例えば6561~65536個の固有分子標識を伴う確率論的バーコードの非ディプリーティングプールを利用して、RTステップ中にサンプル中のすべてのポリ(A)-mRNAにハイブリダイズすることができる。確率論的バーコードは、ユニバーサルPCRプライミング部位を含むことができる。RTの間、標的遺伝子分子は、確率論的バーコードとランダムに反応する。各標的分子は、確率論的バーコードにハイブリダイズして、結果として確率論的バーコード付き相補的リボヌクレオチド酸(cDNA)分子を生成することができる。標識した後、マイクロウェルプレート、ドロップレットまたは他のパーティションのマイクロウェルからの確率論的バーコード付きcDNA分子を、例えば、次世代シーケンシングプロトコルを介して、例えば以下に記載するように、PCR増幅およびシーケンシングのために単一の管にプールすることができる。生のシーケンシングデータを分析して、リード数、固有分子標識を有する確率論的バーコード数、およびmRNA分子数を生成することができる。
【0066】
確率論的バーコーディングなどのバーコーディングは、例えば、Fuら、Proc Natl Acad Sci U.S.A.、2011年5月31日、108(22):9026-31;米国特許出願公開番号2011/0160078;Fanら、Science、2015年2月6日、347(6222):1258367;米国特許出願公開番号2015/0299784;PCT出願公開番号WO2015/031691に記載されており、任意のサポートまたは補足的な情報または材料を含むこれらのそれぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるバーコードは、確率論的に標的を標識(例えば、バーコード付け、タグ付け)するために使用され得るポリヌクレオチド配列とすることができる確率論的バーコードとすることができる。バーコードは、確率論的バーコードの異なるバーコード配列の数と標識化される標的のいずれかの発生数との比が、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、100:1、またはこれらの値の任意の2つの間の数もしくは範囲である、またはおよそそれらの値である可能性がある場合、確率論的バーコードと呼ぶことができる。標的は、同一またはほぼ同一の配列、抗体識別子配列等を有するmRNA分子を含むmRNA種とすることができる。バーコードは、確率論的バーコードの異なるバーコード配列の数と標識される標的のいずれかの発生数との比が少なくとも、または最大で、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、または100:1である場合、確率論的バーコードと呼ぶことができる。確率論的バーコードのバーコード配列を、分子標識と呼ぶことができる。
【0067】
バーコード、例えば、確率論的バーコードは、1つ以上の標識を含むことができる。例示的な標識は、ユニバーサル標識、細胞標識、バーコード配列(例えば、分子標識)、サンプル標識、プレート標識、空間標識、および/またはプレ空間標識を含むことができる。図1は、空間標識を有する例示的なバーコード104を示す。バーコード104は、バーコードを固体支持体108に連結し得る5’アミンを含むことができる。バーコードは、ユニバーサル標識、次元標識、空間標識、細胞標識、および/または分子標識を含むことができる。バーコード中の異なる標識(ユニバーサル標識、次元標識、空間標識、細胞標識、および分子標識を含むが、これらに限定されない)の順序は、様々とすることができる。例えば、図1に示すように、ユニバーサル標識は、5’位の標識であってもよく、分子標識は、3’位の標識であってもよい。空間標識、次元標識、および細胞標識は、いずれの順序でもあり得る。いくつかの実施形態では、ユニバーサル標識、空間標識、次元標識、細胞標識、および分子標識は任意の順序である。バーコードは、標的結合領域を含むことができる。標的結合領域は、サンプル中の標的(例えば、標的核酸、RNA、mRNA、DNA)と相互作用することができる。例えば、標的結合領域は、mRNAのポリ(A)テールおよび/または細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドなどと相互作用することができるオリゴ(dT)配列を含むことができる。いくつかの例では、バーコードの標識(例えば、ユニバーサル標識、次元標識、空間標識、細胞標識、およびバーコード配列)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20またはそれ以上のヌクレオチドによって分離され得る。
【0068】
標識、例えば、細胞標識は、規定された長さ、例えば(いくつかのハミング誤り訂正コードで使用されるビット数に相当する)それぞれ7ヌクレオチドの核酸サブ配列の固有セットを含むことができ、これは、誤り訂正能力を提供するように設計されることができる。誤り訂正サブ配列のセットは、セット中の配列の任意の対の組み合わせが、定義された「遺伝的距離」(またはミスマッチ塩基の数)を示すように設計することができ、例えば、1セットの誤り訂正サブ配列は、3つのヌクレオチドの遺伝的距離を示すように設計することができる。この場合、標識化標的核酸分子についての配列データのセットにおける誤り訂正配列のレビュー(以下に十分に説明する)は、増幅またはシーケンシング誤りを検出または訂正することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、誤り訂正コードを生成するために使用される核酸サブ配列の長さは、様々とすることができ、例えばそれらは、ヌクレオチド長を1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、31、40、50またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、誤り訂正符号を生成するために、他の長さの核酸サブ配列を使用することができる。
【0069】
ユニバーサル標識
バーコードは、1つ以上のユニバーサル標識を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のユニバーサル標識は、所与の固体支持体に取り付けられたバーコードのセット内のすべてのバーコードについて同じとすることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のユニバーサル標識は、複数のビーズに取り付けられたすべてのバーコードについて同じとすることができる。いくつかの実施形態では、ユニバーサル標識は、シーケンシングプライマーにハイブリダイズすることができる核酸配列を含むことができる。シーケンシングプライマーは、ユニバーサル標識を含むバーコードをシーケンシングするために使用することができる。シーケンシングプライマー(例えば、ユニバーサルシーケンシングプライマー)は、高スループットシーケンシングプラットフォームに会合するシーケンシングプライマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、ユニバーサル標識は、PCRプライマーにハイブリダイズすることができる核酸配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、ユニバーサル標識は、シーケンシングプライマーおよびPCRプライマーにハイブリダイズすることができる核酸配列を含むことができる。シーケンシングまたはPCRプライマーにハイブリダイズすることができるユニバーサル標識の核酸配列を、プライマー結合部位と呼ぶことができる。ユニバーサル標識は、バーコードの転写を開始するために使用することができる配列を含むことができる。ユニバーサル標識は、バーコードまたはバーコード内の領域の伸長のために使用することができる配列を含むことができる。ユニバーサル標識は、ヌクレオチド長を1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。例えば、ユニバーサル標識は、少なくとも約10ヌクレオチドを含むことができる。ユニバーサル標識は、少なくとも、または最大で、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、または300ヌクレオチド長とすることができる。いくつかの実施形態では、開裂可能なリンカーまたは修飾ヌクレオチドは、バーコードが支持体から開裂されることを可能にするために、ユニバーサル標識配列の一部とすることができる。
【0070】
次元標識
バーコードは、1つ以上の次元標識を含むことができる。いくつかの実施形態では、次元標識は、標識化(例えは確率論的標識化)が生じた次元に関する情報を提供する核酸配列を含むことができる。例えば、次元標識は、標的がバーコーディングされた時間に関する情報を提供することができる。次元標識は、サンプル中のバーコーディング(例えば、確率論的バーコーディング)の時間に関連付けられることができる。標識化の際に、次元標識を活性化することができる。異なる次元標識は、異なる時間で活性化することができる。次元標識は、標的、標的のグループ、および/またはサンプルがバーコーディングされた順序に関する情報を提供する。例えば、細胞の集団は、細胞周期のG0期でバーコーディングすることができる。細胞は、細胞周期のG1期においてバーコード(例えば、確率論的バーコード)で再びパルス化することができる。細胞は、細胞周期のS期においてバーコードで再びパルス化することができ、以下同様である。各パルスでのバーコード(例えば、細胞周期の各期)は、異なる次元標識を含むことができる。このようにして、次元標識は、どの標的が細胞周期のどの期で標識化されたかについての情報を提供する。次元標識は、多くの異なる生物学的時間を照合することができる。例示的な生物学的時間は、限定されないが、細胞周期、転写(例えば、転写開始)、および転写産物分解を含むことができる。別の例では、サンプル(例えば、細胞、細胞集団)は、薬物および/または療法を用いた治療の前および/または後に標識することができる。別個の標的のコピー数の変化は、薬物および/または療法に対するサンプルの応答を示すことができる。
【0071】
次元標識は、活性化可能とすることができる。活性化可能な次元標識は、特定の時点で活性化することができる。活性化可能な標識は、例えば、構成的に活性化される(例えば、オフにされない)。活性化可能次元標識は、例えば、可逆的に活性化されることができる(例えば、活性化可能次元標識は、オンおよびオフにすることができる)。次元標識は、例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の回数で可逆的に活性化することができる。次元標識は、例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の回数、可逆的に活性化することができる。いくつかの実施形態では、次元標識は、蛍光、光、化学的事象(例えば、開裂、別の分子のライゲーション、修飾の付加(例えば、PEG化、SUMO化、アセチル化、メチル化、脱アセチル化、脱メチル化)、光化学的事象(例えば、光老化)、および非天然ヌクレオチドの導入によって活性化することができる。
【0072】
次元標識は、いくつかの実施形態では、所与の固体支持体(例えば、ビーズ)に取り付けられたすべてのバーコード(例えば、確率論的バーコード)について同一であることができるが、異なる固体支持体(例えば、ビーズ)について異なることができる。いくつかの実施形態では、同じ固体支持体上のバーコードの少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%または100%が、同じ次元標識を含むことができる。いくつかの実施形態では、同じ固体支持体上の少なくとも60%のバーコードは、同じ次元標識を含むことができる。いくつかの実施形態では、同じ固体支持体上の少なくとも95%のバーコードは、同じ次元標識を含むことができる。
【0073】
複数の固体支持体(例えば、ビーズ)に代表される106個以上もの固有次元標識配列が存在することができる。次元標識は、ヌクレオチド長を1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、または、およそそれらの値とすることができる。次元標識は、ヌクレオチド長を少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200または300とすることができる。次元標識は、約5~約200の間のヌクレオチドを含むことができる。次元標識は、約10~約150の間のヌクレオチドを含むことができる。次元標識は、約20~約125の間のヌクレオチドを含むことができる。
【0074】
空間標識
バーコードは、1つ以上の空間標識を含むことができる。いくつかの実施形態では、空間標識は、バーコードに会合する標的分子の空間配向に関する情報を提供する核酸配列を含むことができる。空間標識は、サンプル中の座標と関連付けることができる。座標は、固定座標とすることができる。例えば、座標は、基板を参照して固定することができる。空間標識は、二次元または三次元グリッドを参照することができる。座標は、ランドマークを参照して固定することができる。ランドマークは、空間において識別可能とすることができる。ランドマークは、画像化することができる構造とすることができる。ランドマークは、生物学的構造、例えば解剖学的ランドマークとすることができる。ランドマークは、細胞ランドマーク、例えばオルガネラとすることができる。ランドマークは、カラーコード、バーコード、磁気特性、蛍光性、放射能、または固有サイズもしくは形状、などの識別可能識別子を有する構造のような非天然ランドマークとすることができる。空間標識は、物理的パーティション(例えば、ウェル、容器、またはドロップレット)に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、空間内の1つ以上の位置を符号化するために、複数の空間標識が一緒に使用される。
【0075】
空間標識は、所与の固体支持体(例えば、ビーズ)に取り付けられたすべてのバーコードについて同一とすることができるが、異なる固体支持体(例えば、ビーズ)について異なることができる。いくつかの実施形態では、同じ空間標識を含む同じ固体支持体上のバーコードのパーセンテージは、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、100%、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、または、およそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、同じ空間標識を含む同じ固体支持体上のバーコードのパーセンテージは、少なくとも、または最大で60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、または100%とすることができる。いくつかの実施形態では、同じ固体支持体上の少なくとも60%のバーコードは、同じ空間標識を含むことができる。いくつかの実施形態では、同じ固体支持体上の少なくとも95%のバーコードは、同じ空間標識を含むことができる。
【0076】
複数の固体支持体(例えば、ビーズ)に代表される106個以上もの固有空間標識配列が存在することができる。空間標識は、ヌクレオチド長を1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、または、およそそれらの値とすることができる。空間標識は、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、または300ヌクレオチド長とすることができる。空間標識は、約5~約200の間のヌクレオチドを含むことができる。空間標識は、約10~約150の間のヌクレオチドを含むことができる。空間標識は、約20~約125の間のヌクレオチド長を含むことができる。
【0077】
細胞標識
バーコード(例えば、確率論的バーコード)は、1つ以上の細胞標識を含むことができる。いくつかの実施形態では、細胞標識は、どの標的核酸がどの細胞に由来するかを決定するための情報を提供する核酸配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、細胞標識は、所与の固体支持体(例えば、ビーズ)に取り付けられたすべてのバーコードについて同一であるが、異なる固体支持体(例えば、ビーズ)については異なる。いくつかの実施形態では、同じ細胞標識を含む同じ固体支持体上のバーコードのパーセンテージは、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、100%、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、同じ細胞標識を含む同じ固体支持体上のバーコードのパーセンテージは、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、または100%、またはおよそそれらの値とすることができる。例えば、同じ固体支持体上の少なくとも60%のバーコードは、同じ細胞標識を含むことができる。別の例として、同じ固体支持体上の少なくとも95%のバーコードは、同じ細胞標識を含むことができる。
【0078】
複数の固体支持体(例えば、ビーズ)に代表される106個以上もの固有細胞標識配列が存在することができる。細胞標識は、ヌクレオチド長を1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。細胞標識は、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、または300ヌクレオチド長とすることができる。例えば、細胞標識は、約5~約200の間のヌクレオチドを含むことができる。別の例として、細胞標識は、約10~約150の間のヌクレオチドを含むことができる。さらに別の例として、細胞標識は、約20~約125の間のヌクレオチド長を含むことができる。
【0079】
バーコード配列
バーコードは、1つ以上のバーコード配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、バーコード配列は、バーコードにハイブリダイズされた特定のタイプの標的核酸種についての識別情報を提供する核酸配列を含むことができる。バーコード配列は、バーコード(例えば、標的結合領域)にハイブリダイズされた標的核酸種の特異的発生についてのカウンターを提供する(例えば、粗近似を提供する)核酸配列を含むことができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、バーコード配列の多様なセットが、所与の固体支持体(例えば、ビーズ)に取り付けられる。いくつかの実施形態では、102、103、104、105、106、107、108、109、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の固有分子識別配列が存在することができる。例えば、複数のバーコードは、別個の配列を有する約6561個のバーコード配列を含むことができる。別の例として、複数のバーコードは、別個の配列を有する約65536個のバーコード配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも、または最大で102、103、104、105、106、107、108、109の固有バーコード配列が存在することができる。固有分子標識配列は、所与の固体支持体(例えば、ビーズ)に取り付けられることができる。
【0081】
バーコードの長さは、異なる実装態様で異なることができる。例えば、バーコードは、ヌクレオチド長を1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。別の例として、バーコードは、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、または300ヌクレオチド長とすることができる。
【0082】
分子標識
バーコード(例えば、確率論的バーコード)は、1つ以上の分子標識を含むことができる。分子標識は、バーコード配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、分子標識は、バーコードにハイブリダイズされた特定のタイプの標的核酸種についての識別情報を提供する核酸配列を含むことができる。分子標識は、バーコード(例えば、標的結合領域)にハイブリダイズされた標的核酸種の特異的発生についてのカウンターを提供する核酸配列を含むことができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、分子標識の多様なセットが、所与の固体支持体(例えば、ビーズ)に取り付けられる。いくつかの実施形態では、102、103、104、105、106、107、108、109、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の固有分子標識配列が存在することができる。例えば、複数のバーコードは、別個の配列を有する約6561個の分子標識を含むことができる。別の例として、複数のバーコードは、別個の配列を有する約65536個の分子標識を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも、または最大で102、103、104、105、106、107、108、109の固有分子標識配列が存在することができる。固有分子標識配列を有するバーコードは、所与の固体支持体(例えば、ビーズ)に取り付けられることができる。
【0084】
複数の確率論的バーコードを使用する確率論的バーコーディングについて、異なる分子標識配列の数と、いずれかの標的の発生数との比を、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、100:1、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。標的は、同一またはほぼ同一の配列を有するmRNA分子を含むmRNA種とすることができる。いくつかの実施形態では、異なる分子標識配列の数と、いずれかの標的の発生数との比を、少なくとも、または最大で1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、または100:1である。
【0085】
分子標識は、ヌクレオチド長を1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。分子標識は、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、または300ヌクレオチド長とすることができる。
【0086】
標的結合領域
バーコードは、捕捉プローブのような1つ以上の標的結合領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、対象標的とハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、標的(例えば、標的核酸、標的分子、分析される細胞核酸)に、例えば特定の遺伝子配列に、特異的にハイブリダイズする核酸配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、特定の標的核酸の特定の位置に取り付く(例えば、ハイブリダイズする)ことができる核酸配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、制限酵素部位オーバーハング(例えば、EcoRI粘着末端オーバーハング)への特異的ハイブリダイゼーションを可能にする核酸配列を含むことができる。バーコードはそして、制限部位オーバーハングに相補的な配列を含む任意の核酸分子に連結することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、標的結合領域は、非特異的標的核酸配列を含むことができる。非特異的標的核酸配列は、標的核酸の特定の配列とは無関係に、複数の標的核酸に結合することができる配列を指すことができる。例えば、標的結合領域は、ランダム多量体配列、ポリ(dA)配列、ポリ(dT)配列、ポリ(dG)配列、ポリ(dC)配列、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、標的結合領域は、mRNA分子上のポリ(A)テールにハイブリダイズするオリゴ(dT)配列とすることができる。例えば、mRNA分子を、逆転写酵素、例えばモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素を用いて逆転写して、ポリ(dC)テールを有するcDNA分子を生成することができる。バーコードは、ポリ(dG)テールを有する標的結合領域を含むことができる。バーコードのポリ(dG)テールおよびcDNA分子のポリ(dC)テールの間に塩基対を形成すると、逆転写酵素は、細胞RNA分子からバーコードに鋳型鎖を切り替え、バーコードの5’末端への複製を継続する。そうすることにより、得られたcDNA分子は、cDNA分子の3’末端にバーコードの配列(例えば、分子標識)を含む。
【0088】
ランダム多量体配列は、例えば、任意の長さのランダム二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、八量体、九量体、十量体、またはより高い多量体配列とすることができる。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、所与のビーズに取り付けられたすべてのバーコードについて同じである。いくつかの実施形態では、所与のビーズに取り付けられた複数のバーコードについての標的結合領域は、2つ以上の異なる標的結合配列を含むことができる。標的結合領域は、ヌクレオチド長を1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。標的結合領域は、ヌクレオチド長を最大で約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50またはそれ以上とすることができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、標的結合領域は、ポリアデニル化末端を含むmRNAとハイブリダイズすることができるオリゴ(dT)を含むことができる。標的結合領域は、遺伝子特異的とすることができる。例えば、標的結合領域は、標的の特定領域にハイブリダイズするように構成されることができる。標的結合領域は、ヌクレオチド長を1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。標的結合領域は、ヌクレオチド長を少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30とすることができる。標的結合領域は、約5~30ヌクレオチド長とすることができる。バーコードが遺伝子特異的標的結合領域を含む場合、バーコードを、本明細書では遺伝子特異的バーコードと呼ぶことができる。
【0090】
標的結合領域は、サンプル中の標的と相互作用することができる。標的は、リボ核酸(RNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、マイクロRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、RNA分解産物、ポリ(A)テールをそれぞれが含むRNA、またはそれらの任意の組み合わせとすることができるか、またはそれらを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の標的は、デオキシリボ核酸(DNA)を含むことができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、標的結合領域は、mRNAのポリ(A)テールと相互作用することができるオリゴ(dT)配列を含むことができる。バーコードの1つ以上の標識(例えば、ユニバーサル標識、次元標識、空間標識、細胞標識、およびバーコード配列(例えば、分子標識))は、他の1つまたは2つのバーコードの残りの標識からスペーサーによって分離されることができる。スペーサーは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20、またはそれ以上のヌクレオチドとすることができる。いくつかの実施形態では、バーコードの標識のいずれもスペーサーによって分離されない。
【0092】
配向特性
確率論的バーコード(例えば、確率論的バーコード)は、バーコードを配向(例えば、整列)するために使用することができる1つ以上の配向特性を含むことができる。バーコードは、等電点電気泳動についての部分を含むことができる。異なるバーコードは、異なる等電点電気泳動点を含むことができる。これらのバーコードがサンプルに導入されると、サンプルは、バーコードを既知のように配向させるために等電点電気泳動を受けることができる。このようにして、配向特性を使用して、サンプル中のバーコードの既知のマップを展開することができる。例示的な配向特性は、電気泳動移動度(例えば、バーコードのサイズに基づく)、等電点、スピン、導電率、および/または自己組織化を含むことができる。例えば、自己組織化の配向特性を有するバーコードは、活性化時に特定の配向(例えば、核酸ナノ構造)に自己組織化することができる。
【0093】
親和特性
バーコード(例えば、確率論的バーコード)は、1つ以上の親和特性を含むことができる。例えば、空間標識は、親和特性を含むことができる。親和特性は、バーコードの別の実体(例えば、細胞受容体)への結合を促進することができる化学的および/または生物学的部分を含むことができる。例えば、親和特性は、抗体、例えば、サンプル上の特定の部分(例えば、受容体)に特異的な抗体を含むことができる。いくつかの実施形態では、抗体は、バーコードを特定の細胞型または分子に誘導することができる。特定の細胞型または分子にある、および/またはその近くにある標的を標識化(例えば、確率論的標識化)することができる。親和特性は、いくつかの実施形態では、抗体がバーコードを特定の位置に誘導することができるので、空間標識のヌクレオチド配列に加えて空間情報を提供することができる。抗体は、治療抗体、例えばモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体とすることができる。抗体は、ヒト化またはキメラとすることができる。抗体は、裸の抗体または融合抗体とすることができる。
【0094】
抗体は、完全長(例えば、天然発生の、または通常免疫グロブリン遺伝子フラグメント組換えプロセスによって形成される)免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)、または、抗体フラグメントのような、免疫学的に活性な(すなわち、特異的に結合する)免疫グロブリン分子の一部とすることができる。
【0095】
抗体フラグメントは、例えば、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、sFv等のような抗体の一部とすることができる。いくつかの実施形態では、抗体フラグメントは、完全長抗体によって認識される同じ抗原と結合することができる。抗体フラグメントは、重鎖および軽鎖の可変領域、ならびに、軽鎖および重鎖可変領域がペプチドリンカー(「scFvタンパク質」)によって接続されている組換え単鎖ポリペプチド分子の可変領域からなる「Fv」フラグメントなどの、抗体の可変領域からなる単離されたフラグメントを含むことができる。例示的な抗体は、癌細胞についての抗体、ウイルスについての抗体、細胞表面受容体(CD8、CD34、CD45)に結合する抗体、および治療抗体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0096】
ユニバーサルアダプタープライマー
バーコードは、1つ以上のユニバーサルアダプタープライマーを含むことができる。例えば、遺伝子特異的確率論的バーコードのような遺伝子特異的バーコードは、ユニバーサルアダプタープライマーを含むことができる。ユニバーサルアダプタープライマーは、すべてのバーコードにわたってユニバーサルであるヌクレオチド配列を指すことができる。ユニバーサルアダプタープライマーは、遺伝子特異的バーコードを構築するために使用することができる。ユニバーサルアダプタープライマーは、ヌクレオチド長を1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、またはこれらの任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。ユニバーサルアダプタープライマーは、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、28、29、または30ヌクレオチド長とすることができる。ユニバーサルアダプタープライマーは、5~30ヌクレオチド長とすることができる。
【0097】
リンカー
バーコードが1つ超のタイプの標識(例えば、1つ超の細胞標識または1つ超のバーコード配列、例えば1つの分子標識)を含む場合、標識をリンカー標識配列で散在させ得る。リンカー標識配列は、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50またはそれ以上のヌクレオチド長とすることができる。リンカー標識配列は、最大で約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50またはそれ以上のヌクレオチド長とすることができる。いくつかの例では、リンカー標識配列は、12ヌクレオチド長である。バーコードの合成を容易にするために、リンカー標識配列を使用することができる。リンカー標識は、誤り訂正(例えば、ハミング)符号を含むことができる。
【0098】
固体支持体
本明細書に開示される確率論的バーコードのようなバーコードは、いくつかの実施形態では、固体支持体に会合することができる。固体支持体は、例えば、合成粒子とすることができる。いくつかの実施形態では、固体支持体上の複数のバーコード(例えば、第1の複数のバーコード)の確率論的バーコード(例えば、第1のバーコード配列)についての分子標識のような、バーコード配列の一部または全部は、少なくとも1つのヌクレオチドによって異なる。同じ固体支持体上のバーコードの細胞標識は、同じとすることができる。異なる固体支持体上のバーコードの細胞標識は、少なくとも1つのヌクレオチドによって異なることができる。例えば、第1の固体支持体上の第1の複数のバーコードの第1の細胞標識は、同じ配列を有することができ、第2の固体支持体上の第2の複数のバーコードの第2の細胞標識は、同じ配列を有することができる。第1の固体支持体上の第1の複数のバーコードの第1の細胞標識と、第2の固体支持体上の第2の複数のバーコードの第2の細胞標識とは、少なくとも1つのヌクレオチドによって異なることができる。細胞標識は、例えば、約5~20ヌクレオチド長とすることができる。バーコード配列は、例えば、約5~20ヌクレオチド長とすることができる。合成粒子は、例えば、ビーズとすることができる。
【0099】
ビーズは、例えば、シリカゲルビーズ、制御された細孔ガラスビーズ、磁気ビーズ、Dynabead、Sephadex/Sepharoseビーズ、セルロースビーズ、ポリスチレンビーズ、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。ビーズは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリル系ポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組み合わせなどの材料を含むことができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、ビーズは、ポリマービーズ、例えば、変形可能ビーズまたはゲルビーズとすることができ、バーコードまたは確率論的バーコード(例えば、10X Genomics(San Francisco、CA)からのゲルビーズのような)で機能化することができる。いくつかの実装態様では、ゲルビーズは、ポリマーベースのゲルを含むことができる。ゲルビーズは、例えば、1つ以上のポリマー前駆体をドロップレットにカプセル化することによって生成することができる。ポリマー前駆体を促進剤(例えば、テトラメチルエチレンジアミン(TEMED))に曝露すると、ゲルビーズが生成され得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、粒子は分解性とすることができる。例えば、ポリマービーズは、例えば、所望の条件下で溶解、溶融、または分解することができる。所望の条件は、環境条件を含むことができる。所望の条件は、制御された方法で、ポリマービーズ溶解、溶融、または分解をもたらし得る。ゲルビーズは、化学刺激、物理刺激、生物学的刺激、熱刺激、磁気刺激、電気刺激、光刺激、またはそれらの任意の組み合わせのために、溶解、溶融、または分解し得る。
【0102】
例えば、オリゴヌクレオチドバーコードのような分析物および/または試薬は、ゲルビーズの内面(例えば、オリゴヌクレオチドバーコード、および/またはオリゴヌクレオチドバーコードを生成するために使用される材料の拡散を介してアクセス可能な内部)および/または本明細書に記載のゲルビーズまたは任意の他のマイクロカプセルの外面に、結合/固定化され得る。結合/固定化は、任意の形態の化学結合(例えば、共有結合、イオン結合)または物理現象(例えば、ファンデルワールス力、双極子-双極子相互作用等)を介して行い得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるゲルビーズまたは任意の他のマイクロカプセルへの試薬の結合/固定化は、例えば、不安定部分を介して(例えば、本明細書に記載の化学的クロスリンカーを含む化学的クロスリンカーを介して)可逆的であり得る。刺激を加えると、不安定部分を開裂し、固定化試薬を自由にし得る。いくつかの実施形態では、不安定部分はジスルフィド結合である。例えば、オリゴヌクレオチドバーコードがジスルフィド結合を介してゲルビーズに固定化されている場合には、ジスルフィド結合の還元剤への曝露はジスルフィド結合を開裂し、オリゴヌクレオチドバーコードをビーズから遊離させることができる。不安定部分は、ゲルビーズまたはマイクロカプセルの一部として、試薬または分析物をゲルビーズまたはマイクロカプセルに連結する化学的リンカーの一部として、および/または試薬または分析物の一部として含まれ得る。いくつかの実施形態では、複数のバーコードのうちの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に固定化され、粒子に部分的に固定化され、粒子内に封入され、粒子内に部分的に封入されることができ、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、ゲルビーズは、ポリマー、感熱性ポリマー、感光性ポリマー、磁気ポリマー、pH感受性ポリマー、塩感受性ポリマー、化学的感受性ポリマー、ポリ電解質、多糖類、ペプチド、タンパク質、および/またはプラスチックを含むがこれらに限定されない広範囲の異なるポリマーを含むことができる。ポリマーは、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、ポリ(スチレンスルホネート)(PSS)、ポリ(アリルアミン)(PAAm)、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDADMAC)、ポリ(ピロール)(PPy)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVPON)、ポリ(ビニルピリジン)(PVP)、ポリ(メタクリル酸)(PMAA)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリ(テトラヒドロフラン)(PTHF)、ポリ(フタルアルデヒド)(PTHF)、ポリ(ヘキシルビオロゲン)(PHV)、ポリ(L-リジン)(PLL)、ポリ(L-アルギニン)(PARG)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)(PLGA)のような材料を含み得るが、これらに限定されない。ビーズの破壊、溶解、または分解を誘発するために、多数の化学的刺激を使用することができる。これらの化学的変化の例としては、ビーズ壁へのpH媒介変化、架橋結合の化学的開裂によるビーズ壁の崩壊、ビーズ壁の誘発解重合、およびビーズ壁切り替え反応が挙げられ得るが、これらに限定されない。バルク変化はまた、ビーズの破壊を誘発するために使用され得る。
【0104】
種々の刺激を介してマイクロカプセルへのバルクまたは物理的変化はまた、試薬を放出するためにカプセルを設計する際に多くの利点を提供する。バルクまたは物理的変化は巨視的なスケールで起こり、この場合、ビーズの破裂は刺激によって誘導される機械的物理的な力の結果である。これらのプロセスには、圧力誘導破壊、ビーズ壁溶融、またはビーズ壁の気孔率の変化が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0105】
生物学的刺激はまた、ビーズの破壊、溶解、または分解を誘発するために使用され得る。概して、生物学的トリガーは化学トリガーに似ているが、多くの例は、酵素、ペプチド、糖類、脂肪酸、核酸などのような生物系において一般に見出される生体分子または分子を使用する。例えば、ビーズは、特定のプロテアーゼによる開裂に感受性であるペプチド架橋を有するポリマーを含み得る。より具体的には、1つの例は、GFLGKペプチド架橋を含むマイクロカプセルを含み得る。プロテアーゼカテプシンBのような生物学的トリガーを加えると、シェルウェルのペプチド架橋が開裂され、ビーズの内容物が放出される。他の場合には、プロテアーゼは、熱活性化され得る。別の例では、ビーズは、セルロースを含むシェル壁を含む。加水分解酵素キトサンの添加は、セルロース結合の開裂、シェル壁の解重合、およびその内部の内容物の放出のための、生物学的トリガーとして機能する。
【0106】
ビーズはまた、熱刺激の適用時にそれらの内容物を放出するように誘導され得る。温度の変化は、ビーズに様々な変化を生じさせる可能性がある。熱の変化は、ビーズ壁が崩壊するようにビーズを溶融させ得る。他の場合には、熱は、ビーズが破裂または爆発するように、ビーズの内部構成要素の内部圧力を増加させ得る。さらに他の場合には、熱はビーズを、収縮した脱水状態に変換し得る。熱はまた、ビーズの壁内の感熱性ポリマーに作用して、ビーズの破壊を引き起こし得る。
【0107】
マイクロカプセルのビーズ壁に磁性ナノ粒子を含めると、ビーズの破裂を誘発し、ビーズをアレイ中に誘導することができ得る。本開示のデバイスは、いずれかの目的のために磁気ビーズを含み得る。1つの例では、Fe3O4ナノ粒子の、ビーズを含む高分子電解質への組み込みは、振動磁場刺激の存在下で破裂を誘発する。
【0108】
ビーズはまた、電気刺激の結果として破壊、溶解、または分解され得る。前のセクションに記載された磁性粒子と同様に、電気感受性ビーズは、ビーズの誘発された破裂、ならびに電界、導電性またはレドックス反応におけるアラインメントのような他の機能の両方を可能にすることができる。1つの例では、電気感受性材料を含有するビーズは、内部試薬の放出を制御することができるように電界中で整列される。他の例では、電界は、多孔度を増加させ得るビーズ壁自体内でレドックス反応を誘導し得る。
【0109】
ビーズを破壊するために光刺激もまた使用し得る。多数の光トリガーが可能であり、特定の範囲の波長の光子を吸収することができるナノ粒子および発色団のような種々の分子を使用するシステムを含み得る。例えば、金属酸化物コーティングをカプセルトリガーとして使用することができる。SiO2でコーティングされた高分子電解質カプセルのUV照射により、ビーズ壁の崩壊となり得る。さらに別の例では、アゾベンゼン基のような光切替可能な材料を、ビーズ壁に組み込み得る。UVまたは可視光を適用すると、これらのような化学物質は、光子の吸収の際に可逆的なシス-トランス異性化を経る。この態様では、光子切替の組み込みは、光トリガーの適用時に崩壊し、またはより多孔性になり得るビーズ壁をもたらす。
【0110】
例えば、図2に示されたバーコーディング(例えば、確率論的バーコーディング)の非限定的な例では、ブロック208において、単一細胞のような細胞をマイクロウェルアレイの複数のマイクロウェル上に導入した後、ブロック212において、マイクロウェルアレイの複数のマイクロウェル上にビーズを導入することができる。各マイクロウェルは、1つのビーズを含むことができる。ビーズは、複数のバーコードを含むことができる。バーコードは、ビーズに取り付けられた5’アミン領域を含むことができる。バーコードは、ユニバーサル標識、バーコード配列(例えば、分子標識)、標的結合領域、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0111】
本明細書に開示されるバーコードは、固体支持体(例えば、ビーズ)に会合することができる。固体支持体に会合するバーコードはそれぞれ、固有配列を有する少なくとも100または1000個のバーコード配列を含む群から選択されるバーコード配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、固体支持体に会合する異なるバーコードは、異なる配列を有するバーコードを含むことができる。いくつかの実施形態では、固体支持体に会合するバーコードのパーセンテージは、同じ細胞標識を含む。例えば、パーセンテージは、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、100%、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。別の例として、パーセンテージは、少なくとも、または最大で60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、または100%とすることができる。いくつかの実施形態では、固体支持体に会合するバーコードは、同じ細胞標識を有することができる。異なる固体支持体に会合するバーコードは、固有配列を有する少なくとも100または1000個の細胞標識を含む群から選択される異なる細胞標識を有することができる。
【0112】
本明細書に開示されるバーコードは、固体支持体(例えば、ビーズ)に会合する(例えば、取り付けられる)ことができる。いくつかの実施形態では、サンプル中の複数の標的をバーコーディングすることは、複数のバーコードに会合する複数の合成粒子を含む固体支持体で実施することができる。いくつかの実施形態では、固体支持体は、複数のバーコードに会合する複数の合成粒子を含むことができる。異なる固体支持体上の複数のバーコードの空間標識は、少なくとも1つのヌクレオチドによって異なることができる。固体支持体は、例えば、二次元または三次元の複数のバーコードを含むことができる。合成粒子はビーズとすることができる。ビーズは、シリカゲルビーズ、制御された細孔ガラスビーズ、磁気ビーズ、Dynabeads、Sephadex/Sepharoseビーズ、セルロースビーズ、ポリスチレンビーズ、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。固体支持体は、ポリマー、マトリックス、ヒドロゲル、ニードルアレイデバイス、抗体、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、固体支持体は、自由に浮遊することができる。いくつかの実施形態では、固体支持体は、半固体または固体アレイに埋め込むことができる。バーコードは、固体支持体と会合していなくてもよい。バーコードは、個々のヌクレオチドとすることができる。バーコードは、基板に会合することができる。
【0113】
本明細書で使用される場合、用語「つながれる」、「取り付けられる」および「固定化される」は、互換的に使用され、固体支持体にバーコードを取り付けるための共有結合または非共有結合手段を指すことができる。種々の異なる固体支持体のいずれも、予め合成されたバーコードを取り付けるための固体支持体として、またはバーコードの正常所在の固相合成のために使用することができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、固体支持体はビーズである。ビーズは、核酸が(例えば、共有結合または非共有結合的に)固定化されることができる、1つ以上のタイプの固体、多孔質、または中空球体、ボール、ベアリング、シリンダ、または他の同様の構成を含むことができる。ビーズは、例えば、プラスチック、セラミック、金属、ポリマー材料、またはそれらの任意の組み合わせからなることができる。ビーズは、球状である別個の粒子であることができるか、またはそれを含むことができ(例えば、微小球)、または、立方体、直方体、ピラミッド形、円筒形、円錐形、長円形、円板状等の非球面または不規則な形状を有することができる。いくつかの実施形態では、ビーズは、形状を非球形とすることができる。
【0115】
ビーズは、常磁性材料(例えば、マグネシウム、モリブデン、リチウム、およびタンタル)、超常磁性材料(例えば、フェライト(Fe3O4;マグネタイト)ナノ粒子)、強磁性材料(例えば、鉄、ニッケル、コバルト、そのいくつかの合金、およびいくつかの希土類金属化合物)、セラミック、プラスチック、ガラス、ポリスチレン、シリカ、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、アガロース、ヒドロゲル、ポリマー、セルロース、ナイロン、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な材料を含むことができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、ビーズ(例えば、標識が取り付けられるビーズ)はヒドロゲルビーズである。いくつかの実施形態では、ビーズはヒドロゲルを含む。
【0117】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、1つ以上の粒子(例えば、ビーズ)を含む。各粒子は、複数のオリゴヌクレオチド(例えば、バーコード)を含むことができる。複数のオリゴヌクレオチドの各々は、バーコード配列(例えば、分子標識配列)、細胞標識、および標的結合領域(例えば、オリゴ(dT)配列、遺伝子特異的配列、ランダム多量体、またはそれらの組合せ)を含むことができる。複数のオリゴヌクレオチドの各々の細胞標識配列は同じとすることができる。異なる粒子上のオリゴヌクレオチドの細胞標識配列は、異なる粒子上のオリゴヌクレオチドを識別することができるように異なることができる。異なる細胞標識配列の数は、異なる実装態様において異なることができる。いくつかの実施形態では、細胞標識配列の数は、10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、106、107、108、109、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の数または範囲、またはそれ以上、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、細胞標識配列の数は、少なくとも、または最大で10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、106、107、108または109とすることができる。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはそれ以上の数以下の複数の粒子は、同じ細胞配列を有するオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、同じ細胞配列を有するオリゴヌクレオチドを含む複数の粒子は、最大で0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%またはそれ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の粒子のいずれも、同じ細胞標識配列を有していない。
【0118】
各粒子上の複数のオリゴヌクレオチドは、異なるバーコード配列(例えば、分子標識)を含むことができる。いくつかの実施形態では、バーコード配列の数は、10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、106、107、108、109、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、バーコード配列の数は、少なくとも、または最大で10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、106、107、108または109とすることができる。例えば、複数のオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも100個が、異なるバーコード配列を含む。別の例として、単一粒子において、複数のオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも100、500、1000、5000、10000、15000、20000、50000、これらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはそれ以上は、異なるバーコード配列を含む。いくつかの実施形態は、バーコードを含む複数の粒子を提供する。いくつかの実施形態では、標識される標的の発生(またはコピーまたは数)と異なるバーコード配列との比は、少なくとも1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、またはそれ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドの各々は、サンプル標識、ユニバーサル標識、またはその両方をさらに含む。粒子は、例えば、ナノ粒子またはマイクロ粒子とすることができる。
【0119】
ビーズのサイズは、様々とすることができる。例えば、ビーズの直径は、0.1マイクロメートル~50マイクロメートルの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50マイクロメートル、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。
【0120】
ビーズの直径は、基板のウェルの直径に関係することができる。いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、ウェルの直径よりも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値だけ、長いか、または短くすることができる。ビーズの直径は、細胞(例えば、基板のウェルによって捕捉された単一細胞)の直径に関係することができる。いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、少なくとも、または最大で、ウェルの直径よりも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%長いか、または短くすることができる。ビーズの直径は、細胞(例えば、基板のウェルによって捕捉された単一細胞)の直径に関係することができる。いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、細胞の直径よりも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、300%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値だけ、長いか、または短くすることができる。いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、少なくとも、または最大で、細胞の直径よりも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、または300%長いか、または短くすることができる。
【0121】
ビーズは、基板に取り付けられ、および/または埋め込まれることができる。ビーズは、ゲル、ヒドロゲル、ポリマーおよび/またはマトリックスに取り付けられ、および/または埋め込まれることができる。基板(例えば、ゲル、マトリックス、足場、またはポリマー)内のビーズの空間位置は、位置アドレスとして働くことができるビーズ上のバーコード上に存在する空間標識を使用して識別されることができる。
【0122】
ビーズの例としては、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、Dynabeads(登録商標)、MACS(登録商標)マイクロビーズ、抗体コンジュゲートビーズ(例えば、抗免疫グロブリンマイクロビーズ)、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、およびBcMag(商標)カルボキシル末端磁気ビーズが挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
ビーズは、量子ドットまたは蛍光色素と会合(例えば、含浸)して、それを1つの蛍光光学チャネルまたは複数の光学チャネルで蛍光にすることができる。ビーズは、酸化鉄または酸化クロムと会合して、それを常磁性または強磁性にすることができる。ビーズは、識別可能にすることができる。例えば、ビーズを、カメラを用いて画像化することができる。ビーズは、ビーズに会合する検出可能なコードを有することができる。例えば、ビーズは、バーコードを含むことができる。ビーズは、例えば、有機または無機溶液中での膨潤によりサイズを変化させることができる。ビーズは、疎水性とすることができる。ビーズは、親水性とすることができる。ビーズは、生体適合性とすることができる。
【0124】
固体支持体(例えば、ビーズ)を可視化することができる。固体支持体は、可視化タグ(例えば、蛍光色素)を含むことができる。固体支持体(例えば、ビーズ)には、識別子(例えば、ナンバー)でエッチングすることができる。識別子は、ビーズを画像化することによって可視化することができる。
【0125】
固体支持体は、不溶性の、半可溶性または不溶性の材料を含むことができる。固体支持体は、それがリンカー、足場、ビルディングブロック、またはそれに取り付けられた他の反応性部分を含む場合には「機能化」されていると呼ぶことができ、一方、それに取り付けられるそのような反応性部分が欠如している場合には、固体支持体は「非機能化」されている。固体支持体は、溶液中で、例えばマイクロタイターウェルフォーマットで、フロースルーフォーマットで、カラムで、またはディップスティックで、自由に採用することができる。
【0126】
固体支持体は、膜、紙、プラスチック、コーティングされた表面、平坦な表面、ガラス、スライド、チップ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。固体支持体は、樹脂、ゲル、マイクロスフェア、または他の幾何学的形状の形態をとることができる。固体支持体は、シリカチップ、マイクロ粒子、ナノ粒子、プレート、アレイ、キャピラリー、ガラス繊維フィルタのような平坦な支持体、ガラス表面、金属表面(鋼、金、銀、アルミニウム、シリコンおよび銅)、ガラス支持体、プラスチック支持体、シリコン支持体、チップ、フィルタ、膜、マイクロウェルプレート、スライド、マルチウェルプレートまたは膜を含むプラスチック材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリビニリデンフルオライドで形成)、および/またはウェハ、櫛、ピンまたは針(例えば、結合の合成または分析に適したピンのアレイ)、または、ウェハ(例えば、シリコンウェハ)、フィルタ底部を有するまたは有しないピット付きウェハのような平坦な表面のピットまたはナノリットルウェルのアレイ中のビーズを含むことができる。
【0127】
固体支持体は、ポリマーマトリックス(例えば、ゲル、ヒドロゲル)を含むことができる。ポリマーマトリックスは、細胞内空間(例えば、オルガネラの周囲)を透過することができる。ポリマーマトリックスは、循環系全体に圧送されることが可能であり得る。
【0128】
基板およびマイクロウェルアレイ
本明細書中で使用される場合、基板は、固体支持体のタイプを指すことができる。基板は、本開示のバーコードまたは確率論的バーコードを含むことができる固体支持体を指すことができる。基板は、例えば、複数のマイクロウェルを含むことができる。例えば、基板は、2つ以上のマイクロウェルを含むウェルアレイとすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、所定容積の小さな反応チャンバを含むことができる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、1つ以上の細胞をトラップすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、1つの細胞のみをトラップすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、1つ以上の固体支持体をトラップすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、1つの固体支持体のみをトラップすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、単一細胞および単一固体支持体(例えば、ビーズ)をトラップする。マイクロウェルは、本開示のバーコード試薬を含むことができる。
【0129】
バーコーディングの方法
本開示は、物理的サンプル(例えば、組織、器官、腫瘍、細胞)中の別個の位置における別個の標的の数を推定するための方法を提供する。本方法は、サンプルに近接してバーコード(例えば、確率論的バーコード)を配置すること、サンプルを溶解すること、別個の標的をバーコードと会合させること、標的を増幅すること、および/または標的をデジタル的にカウントすることを含むことができる。本方法は、バーコード上の空間標識から得られた情報を分析および/または可視化することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、サンプル中の複数の標的を可視化することを含む。サンプルのマップ上に複数の標的をマッピングすることは、サンプルの二次元マップまたは三次元マップを生成することを含むことができる。二次元マップおよび三次元マップは、サンプル中の複数の標的のバーコーディング(例えば、確率論的バーコーディング)の前または後に生成することができる。サンプル中の複数の標的を可視化することは、複数の標的をサンプルのマップ上にマッピングすることを含むことができる。複数の標的をサンプルのマップ上にマッピングすることは、サンプルの二次元マップまたは三次元マップを生成することを含むことができる。サンプル中の複数の標的をバーコーディングする前または後に、二次元マップおよび三次元マップを生成することができる。いくつかの実施形態では、二次元マップおよび三次元マップは、サンプルを溶解する前または後に生成することができる。二次元マップまたは三次元マップを生成する前または後にサンプルを溶解することは、サンプルを加熱すること、サンプルを洗剤と接触させること、サンプルのpHを変化させること、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、複数の標的をバーコーディングすることは、複数のバーコードを複数の標的とハイブリダイズさせて、バーコード付き標的(例えば、確率論的バーコード付き標的)を生成することを含む。複数の標的をバーコーディングすることは、バーコード付き標的のインデックス付きライブラリーを生成することを含むことができる。バーコード付き標的のインデックス付きライブラリーを生成することは、複数のバーコード(例えば、確率論的バーコード)を含む固体支持体で実行することができる。
【0131】
サンプルとバーコードとの接触
本開示は、本開示の基板にサンプル(例えば、細胞)を接触させるための方法を提供する。例えば、細胞、器官または組織薄片を含むサンプルを、バーコード(例えば、確率論的バーコード)に接触させることができる。細胞は、例えば重力フローによって接触させることができ、細胞は沈降して単層を形成することができる。サンプルは、組織薄片とすることができる。薄片は、基板上に配置することができる。サンプルは一次元とすることができる(例えば、平坦な表面を形成する)。サンプル(例えば、細胞)は、例えば、基板上の細胞を成長/培養することによって、基板にわたって広がることができる。
【0132】
バーコードが標的に近接している場合、標的はバーコードにハイブリダイズすることができる。バーコードは、各別個の標的が本開示の別個のバーコードと会合することができるように、ディプリーティング可能ではない比率で接触させることができる。標的とバーコードとの間の効率的な会合を保証するために、標的をバーコードに架橋することができる。
【0133】
細胞溶解
細胞およびバーコードの分布に従って、細胞を溶解して標的分子を遊離させることができる。細胞溶解は、様々な手段のいずれかによって、例えば、化学的または生化学的手段によって、浸透圧ショックによって、または熱溶解、機械的溶解もしくは光学溶解によって、達成することができる。細胞は、洗剤(例えば、SDS、ドデシル硫酸リチウム、Triton X-100、Tween-20、またはNP-40)、有機溶剤(例えば、メタノールまたはアセトン)、または消化酵素(例えば、プロテイナーゼK、ペプシンまたはトリプシン)、またはそれらの任意の組み合わせを含む細胞溶解緩衝液を添加することによって溶解することができる。標的とバーコードとの会合を高めるために、標的分子の拡散速度は、例えば、温度を低下させること、および/または溶解物の粘度を増加させることによって変えることができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、サンプルは、濾紙を使用して溶解することができる。濾紙は、濾紙の頂部にて溶解緩衝液で浸漬することができる。濾紙は、サンプルの溶解と、サンプルの標的と基板とのハイブリダイゼーションとを促進することができる圧力でサンプルに適用することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、溶解は、機械的溶解、熱溶解、光学溶解、および/または化学的溶解によって行うことができる。化学的溶解は、プロテイナーゼK、ペプシン、およびトリプシンのような消化酵素の使用を含むことができる。溶解は、溶解緩衝液を基板に添加することによって行うことができる。溶解緩衝液は、トリスHClを含むことができる。溶解緩衝液は、少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、または1Mまたはそれ以上のトリスHClを含むことができる。溶解緩衝液は、最大で約0.01、0.05、0.1、0.5、または1Mまたはそれ以上のトリスHClを含むことができる。溶解緩衝液は、約0.1MのトリスHClを含むことができる。溶解緩衝液のpHは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上とすることができる。溶解緩衝液のpHは、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液のpHは約7.5である。溶解緩衝液は、塩(例えば、LiCl)を含むことができる。溶解緩衝液中の塩の濃度は、少なくとも約0.1、0.5、または1M、またはそれ以上とすることができる。溶解緩衝液中の塩の濃度は、最大で約0.1、0.5または1M、またはそれ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液中の塩の濃度は約0.5Mである。溶解緩衝液は、洗剤(例えば、SDS、ドデシル硫酸塩リチウム、triton X、tween、NP-40)を含むことができる。溶解緩衝液中の洗剤の濃度は、少なくとも約0.0001%、0.0005%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、または7%、またはそれ以上とすることができる。溶解緩衝液中の洗剤の濃度は、最大で約0.0001%、0.0005%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、または7%、またはそれ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液中の洗剤の濃度は、約1%のドデシル硫酸塩リチウムである。溶解についての方法で使用される時間は、使用される洗剤の量に依存することができる。いくつかの実施形態では、使用される洗剤がより多くなると、溶解に必要とされる時間がより短くなる。溶解緩衝液は、キレート剤(例えば、EDTA、EGTA)を含むことができる。溶解緩衝液中のキレート剤の濃度は、少なくとも約1、5、10、15、20、25、または30mM、またはそれ以上とすることができる。溶解緩衝液中のキレート剤の濃度は、最大で約1、5、10、15、20、25、または30mM、またはそれ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液中のキレート剤の濃度は約10mMである。溶解緩衝液は還元試薬(例えば、β-メルカプトエタノール、DTT)を含むことができる。溶解緩衝液中の還元試薬の濃度は、少なくとも約1、5、10、15、または20mM、またはそれ以上とすることができる。溶解緩衝液中の還元試薬の濃度は、最大で約1、5、10、15、または20mM、またはそれ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液中の還元試薬の濃度は、約5mMである。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液は、約0.1MのトリスHCl、約pH7.5、約0.5MのLiCl、約1%のドデシル硫酸塩リチウム、約10mMのEDTA、および約5mMのDTTを含むことができる。
【0136】
溶解は、約4、10、15、20、25、または30℃の温度で行うことができる。約1、5、10、15、または20分、またはそれ以上の間、溶解を実施することができる。溶解した細胞は、少なくとも約100000、200000、300000、400000、500000、600000、または700000個、またはそれ以上の標的核酸分子を含むことができる。溶解した細胞は、最大で約100000、200000、300000、400000、500000、600000、または700000個、またはそれ以上の標的核酸分子を含むことができる。
【0137】
バーコードの標的核酸分子への取り付け
細胞の溶解およびそこからの核酸分子の放出に続いて、核酸分子は、共局在化された固体支持体のバーコードとランダムに会合することができる。会合は、バーコードの標的認識領域と標的核酸分子の相補部分とのハイブリダイゼーションを含むことができる(例えば、バーコードのオリゴ(dT)は、標的のポリ(A)テールと相互作用することができる)。ハイブリダイゼーションに使用されるアッセイ条件(例えば、緩衝液pH、イオン強度、温度など)は、特定の安定なハイブリッドの形成を促進するように選択することができる。いくつかの実施形態では、溶解された細胞から放出された核酸分子は、基板上の複数のプローブと会合することができる(例えば、基板上のプローブとハイブリダイズする)。プローブがオリゴ(dT)を含む場合、mRNA分子はプローブにハイブリダイズし、逆転写されることができる。オリゴヌクレオチドのオリゴ(dT)部分は、cDNA分子の第1鎖合成についてのプライマーとして作用することができる。例えば、図2に示されているバーコーディングの非限定的な例では、ブロック216において、mRNA分子は、ビーズ上のバーコードにハイブリダイズすることができる。例えば、一本鎖ヌクレオチドフラグメントは、バーコードの標的結合領域にハイブリダイズすることができる。
【0138】
取り付けはさらに、バーコードの標的認識領域と標的核酸分子の部分とのライゲーションを含むことができる。例えば、標的結合領域は、制限部位オーバーハング(例えば、EcoRI粘着末端オーバーハング)への特異的ハイブリダイゼーションを可能にすることができる核酸配列を含むことができる。アッセイ手順は、制限酵素(例えば、EcoRI)を用いて標的核酸を処理して、制限部位オーバーハングを生成することをさらに含むことができる。そしてバーコードは、制限部位オーバーハングに相補的な配列を含む任意の核酸分子に結合することができる。2つのフラグメントを接合するために、リガーゼ(例えば、T4 DNAリガーゼ)を使用することができる。
【0139】
例えば、図2に示されているバーコーディングの非限定的な例では、ブロック220において、複数の細胞(または複数のサンプル)からの標識化標的(例えば、標的バーコード分子)を、例えば管に、続いてプールすることができる。標識化標的は、例えば、標的バーコード分子が取り付けられたバーコードおよび/またはビーズを回収することによってプールすることができる。
【0140】
取り付けられた標的バーコード分子の固体支持体ベースのコレクションの回収は、磁気ビーズおよび外部適用磁場を使用することによって実装することができる。標的バーコード分子が一旦、プールされると、すべてのさらなる処理が単一の反応容器内で進行することができる。さらなる処理は、例えば、逆転写反応、増幅反応、開裂反応、解離反応、および/または核酸伸長反応を含むことができる。さらなる処理反応は、複数の細胞から標識化標的核酸分子を最初にプールすることなく、マイクロウェル内で行うことができる。
【0141】
逆転写またはヌクレオチド伸長
本開示は、逆転写(例えば、図2のブロック224で)またはヌクレオチド伸長(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドまたは細胞成分=結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの)を使用して、標的-バーコードコンジュゲートを生成する方法を提供する。標的-バーコードコンジュゲートは、バーコード、および標的核酸の全部または一部の相補的配列(すなわち、確率論的バーコード付きcDNA分子のようなバーコード付きcDNA分子)を含むことができる。会合RNA分子の逆転写は、逆転写酵素とともに逆転写プライマーを添加することによって起こる可能性がある。逆転写プライマーは、オリゴ(dT)プライマー、ランダムヘキサヌクレオチドプライマー、または標的特異的オリゴヌクレオチドプライマーとすることができる。オリゴ(dT)プライマーは、長さを12~18ヌクレオチド、またはおよそそれらの値とすることができ、哺乳動物mRNAの3’末端で内因性ポリ(A)テールに結合することができる。ランダムヘキサヌクレオチドプライマーは、種々の相補的部位でmRNAに結合することができる。標的特異的オリゴヌクレオチドプライマーは、典型的には、対象mRNAを選択的にプライムする。
【0142】
いくつかの実施形態では、標識化RNA分子に生成するためのmRNA分子の逆転写は、逆転写プライマーの添加によって起こる可能性がある。いくつかの実施形態では、逆転写プライマーは、オリゴ(dT)プライマー、ランダムヘキサヌクレオチドプライマー、または標的特異的オリゴヌクレオチドプライマーである。概して、オリゴ(dT)プライマーは、長さが12~18ヌクレオチドであり、哺乳動物mRNAの3’末端で内因性ポリ(A)テールに結合する。ランダムヘキサヌクレオチドプライマーは、種々の相補的部位でmRNAに結合することができる。標的特異的オリゴヌクレオチドプライマーは、典型的には、対象mRNAを選択的にプライムする。
【0143】
いくつかの実施形態では、標的はcDNA分子である。例えば、mRNA分子を逆転写酵素、例えばモロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素を用いて逆転写して、ポリ(dC)テールを有するcDNA分子を生成することができる。バーコードは、ポリ(dG)テールを有する標的結合領域を含むことができる。バーコードのポリ(dG)テールとcDNA分子のポリ(dC)テールとの間の塩基対形成により、逆転写酵素は、細胞RNA分子からバーコードに鋳型鎖を切り替え、バーコードの5’末端への複製を継続する。そうすることにより、得られたcDNA分子は、cDNA分子の3’末端にバーコードの配列(例えば、分子標識)を含む。
【0144】
逆転写は、繰り返し発生して、複数の標識化cDNA分子を生成する可能性がある。本明細書に開示される方法は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個、またはそれ以上の逆転写反応を行うことを含むことができる。本方法は、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100個の逆転写反応を行うことを含むことができる。
【0145】
増幅
1つ以上の核酸増幅反応(例えば、図2のブロック228で)を実施して、標識化標的核酸分子の複数のコピーを生成することができる。増幅は多重化された様式で実施することができ、複数の標的核酸配列は同時に増幅される。増幅反応は、シーケンシングアダプターを核酸分子に付加するために使用することができる。増幅反応は、もし存在するならば、サンプル標識の少なくとも一部を増幅することを含むことができる。増幅反応は、細胞標識および/またはバーコード配列の少なくとも一部(例えば、分子標識)を増幅することを含むことができる。増幅反応は、サンプルタグ、細胞標識、空間標識、バーコード配列(例えば、分子標識)、標的核酸、またはそれらの組み合わせの少なくとも一部を増幅することを含むことができる。増幅反応は、複数の核酸の0.5%、1%、2%、3%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、100%、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲または数を増幅することを含むことができる。本方法は、サンプル標識、細胞標識、空間標識、および/またはバーコード配列(例えば、分子標識)を含む標的バーコード分子の1つ以上のcDNAコピーを生成するために、1つ以上のcDNA合成反応を実施することをさらに含むことができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、増幅はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて実施することができる。本明細書中で使用される場合、PCRは、DNAの相補鎖の同時プライマー伸長による特定のDNA配列のインビトロ増幅についての反応を指すことができる。本明細書で使用される場合、PCRは、RT-PCR、リアルタイムPCR、入れ子状PCR、定量的PCR、多重化PCR、デジタルPCR、およびアセンブリPCRを含むがこれらに限定されない反応の派生形態を包含することができる。
【0147】
標識化核酸の増幅は、非PCRベースの方法を含むことができる。非PCRベースの方法の例には、複数置換増幅(MDA)、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、リアルタイムSDA、ローリングサークル増幅、またはサークル-サークル増幅が含まれるが、これらに限定されない。他の非PCRベースの増幅方法は、DNAまたはRNA標的を増幅するためのDNA依存性RNAポリメラーゼ駆動RNA転写増幅またはRNA指向DNA合成および転写の複数サイクル、リガーゼ連鎖反応(LCR)、およびQβレプリカーゼ(Qβ)方法、パリンドロームプローブの使用、鎖置換増幅、制限エンドヌクレアーゼを用いたオリゴヌクレオチド駆動増幅、プライマーを核酸配列にハイブリダイズさせ、得られた二重鎖を伸長反応および増幅の前に開裂する増幅方法、5’エキソヌクレアーゼ活性を欠く核酸ポリメラーゼを用いた鎖置換増幅、ローリングサークル増幅、および分枝伸長増幅(RAM)を含む。いくつかの実施形態では、増幅は、環化された転写産物を生成しない。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、標識化核酸(例えば、標識化RNA、標識化DNA、標識化cDNA)上でポリメラーゼ連鎖反応を実施して標識化アンプリコン(例えば、確率論的標識化アンプリコン)を生成することをさらに含む。標識化アンプリコンは二本鎖分子とすることができる。二本鎖分子は、二本鎖RNA分子、二本鎖DNA分子、またはDNA分子にハイブリダイズされたRNA分子を含むことができる。二本鎖分子の鎖の一方または両方は、サンプル標識、空間標識、細胞標識、および/またはバーコード配列(例えば、分子標識)を含むことができる。標識化アンプリコンは、一本鎖分子とすることができる。一本鎖分子は、DNA、RNA、またはそれらの組み合わせを含むことができる。本開示の核酸は、合成または改変された核酸を含むことができる。
【0149】
増幅は、1つ以上の非天然ヌクレオチドの使用を含むことができる。非天然ヌクレオチドは、光不安定性または誘発性ヌクレオチドを含むことができる。非天然ヌクレオチドの例は、限定するものではないが、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノおよびロック核酸(LNA)ならびにグリコール核酸(GNA)およびトレオース核酸(TNA)を含むことができる。非天然ヌクレオチドは、増幅反応の1つ以上のサイクルに添加することができる。非天然ヌクレオチドの添加は、増幅反応における特定のサイクルまたは時点として産物を識別するために使用することができる。
【0150】
1つ以上の増幅反応を行うことは、1つ以上のプライマーの使用を含むことができる。1つ以上のプライマーは、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15、またはそれ以上のヌクレオチドを含むことができる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15、またはそれ以上のヌクレオチドを含むことができる。1つ以上のプライマーは、12~15未満のヌクレオチドを含むことができる。1つ以上のプライマーは、複数の標識化標的(例えば、確率論的標識化標的)の少なくとも一部にアニールすることができる。1つ以上のプライマーは、複数の標識化標的の3’末端または5’末端にアニールすることができる。1つ以上のプライマーは、複数の標識化標的の内部領域にアニールすることができる。内部領域は、複数の標識化標的の3’末端からの、少なくとも約50、100、150、200、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、または1000ヌクレオチドとすることができる。1つ以上のプライマーは、プライマーの固定パネルを含むことができる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上のカスタムプライマーを含むことができる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上のコントロールプライマーを含むことができる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上の遺伝子特異的プライマーを含むことができる。
【0151】
1つ以上のプライマーは、ユニバーサルプライマーを含むことができる。ユニバーサルプライマーは、ユニバーサルプライマー結合部位にアニールすることができる。1つ以上のカスタムプライマーは、第1のサンプル標識、第2のサンプル標識、空間標識、細胞標識、バーコード配列(例えば、分子標識)、標的、またはそれらの任意の組み合わせにアニールすることができる。1つ以上のプライマーは、ユニバーサルプライマーおよびカスタムプライマーを含むことができる。カスタムプライマーは、1つ以上の標的を増幅するように設計することができる。標的は、1つ以上のサンプル中の全核酸のサブセットを含むことができる。標的は、1つ以上のサンプル中の全標識化標的のサブセットを含むことができる。1つ以上のプライマーは、少なくとも96個以上のカスタムプライマーを含むことができる。1つ以上のプライマーは、少なくとも960個以上のカスタムプライマーを含むことができる。1つ以上のプライマーは、少なくとも9600個以上のカスタムプライマーを含むことができる。1つ以上のカスタムプライマーは、2つ以上の異なる標識化核酸にアニールすることができる。2つ以上の異なる標識化核酸は、1つ以上の遺伝子に対応することができる。
【0152】
任意の増幅スキームを本開示の方法にて使用することができる。例えば、1つのスキームでは、第1ラウンドPCRは、遺伝子特異的プライマーおよびユニバーサルIlluminaシーケンシングプライマー1配列に対するプライマーを使用してビーズに取り付けられた分子を増幅することができる。PCRの第2ラウンドは、Illuminaシーケンシングプライマー2配列に隣接する入れ子状遺伝子特異的プライマー、および、ユニバーサルIlluminaシーケンシングプライマー1配列に対するプライマーを使用して、第1のPCR産物を増幅することができる。PCRの第3ラウンドは、P5およびP7ならびにサンプルインデックスを添加して、PCR産物をIlluminaシーケンシングライブラリーに変える。150bp×2シーケンシングを用いるシーケンシングは、リード1上の細胞標識およびバーコード配列(例えば、分子標識)、リード2上の遺伝子、およびインデックス1リード上のサンプルインデックスを明らかにすることができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、核酸は、化学的開裂を使用して基板から除去することができる。例えば、核酸中に存在する化学基または修飾塩基を使用して、固体支持体からのその除去を促進することができる。例えば、酵素を用いて、基板から核酸を除去することができる。例えば、核酸を制限エンドヌクレアーゼ消化により基板から除去することができる。例えば、dUTPまたはウラシル-d-グリコシラーゼ(UDG)を有するddUTPを含有する核酸の処理を使用して、基板から核酸を除去することができる。例えば、核酸は、塩基切除修復酵素のような、脱プリン塩基/脱ピリミジン塩基(AP)エンドヌクレアーゼ)のような、ヌクレオチド切除を行う酵素を使用して基板から除去することができる。いくつかの実施形態では、核酸は、光開裂可能基および光を使用して基板から除去されることができる。いくつかの実施形態では、開裂可能リンカーを用いて、基板から核酸を除去することができる。例えば、開裂可能リンカーは、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン、ビオチン/ニュートラビジン、Ig-タンパク質A、光不安定性リンカー、酸または塩基に不安定なリンカー基、またはアプタマーのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0154】
プローブが遺伝子特異的である場合、分子はプローブにハイブリダイズし、逆転写および/または増幅されることができる。いくつかの実施形態では、核酸が合成(例えば、逆転写)された後、それを増幅することができる。増幅は多重様式で行うことができ、複数の標的核酸配列は、同時に増幅される。増幅は、シーケンシングアダプターを核酸に加えることができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、増幅は、例えば、ブリッジ増幅を用いて、基板上で行うことができる。cDNAは、基板上のオリゴ(dT)プローブを使用してブリッジ増幅についての相溶性末端を生成するために、ホモポリマーテール化されることができる。ブリッジ増幅において、鋳型核酸の3’末端に相補的なプライマーは、固体粒子に共有結合している各対の第1のプライマーとすることができる。鋳型核酸を含むサンプルを粒子と接触させ、単一の熱サイクルを実施する場合、鋳型分子を第1のプライマーにアニールすることができ、第1のプライマーは、鋳型分子と、鋳型に相補的な新たに形成されたDNA鎖とからなる二重分子を形成するために、ヌクレオチドの添加によって順方向に伸長される。次のサイクルの加熱ステップでは、二本鎖分子を変性し、鋳型分子を粒子から放出し、第1のプライマーを介して粒子に取り付けた相補的DNA鎖を残すことができる。アニーリングのアニーリング段階および続く伸長段階において、相補鎖は、第1のプライマーから除去された位置で相補鎖のセグメントに相補的である第2のプライマーにハイブリダイズすることができる。このハイブリダイゼーションは、第1のプライマーに共有結合により、第2のプライマーにハイブリダイゼーションにより固定された第1のプライマーと第2のプライマーとの間のブリッジを、相補鎖に形成させることができる。伸長段階では、第2のプライマーは、同じ反応混合物中にヌクレオチドを付加することによって逆方向に伸長させることができ、それにより架橋を二本鎖ブリッジに変換することができる。そして次のサイクルが開始し、二本鎖ブリッジを変性して、それぞれが第1および第2のプライマーをそれぞれ介して粒子表面に取り付けられた一方の末端を有し、それぞれの他方の末端は結合されていない、2つの一本鎖核酸分子を生成することができる。この第2のサイクルのアニーリングおよび伸長段階において、各ストランドは、同じ粒子上で、以前に使用されていないさらなる相補的プライマーにハイブリダイズして、新たな一本鎖ブリッジを形成することができる。現在ハイブリダイズしている2つの以前に使用されていないプライマーは、2つの新しいブリッジを二本鎖ブリッジに変換するために伸長する。
【0156】
増幅反応は、複数の核酸のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または100%を増幅することを含むことができる。
【0157】
標識化核酸の増幅は、PCRベースの方法または非PCRベースの方法を含むことができる。標識化核酸の増幅は、標識化核酸の指数関数的増幅を含むことができる。標識化核酸の増幅は、標識化核酸の線形増幅を含むことができる。増幅はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行うことができる。PCRは、DNAの相補鎖の同時プライマー伸長による特異的DNA配列のインビトロ増幅についての反応を指すことができる。PCRは、RT-PCR、リアルタイムPCR、入れ子状PCR、定量的PCR、多重化PCR、デジタルPCR、抑制PCR、半抑制PCRおよびアセンブリPCRを含むがこれらに限定されない反応の派生形態を包含することができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、標識化核酸の増幅は、非PCRベースの方法を含む。非PCRベースの方法の例には、複数置換増幅(MDA)、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、リアルタイムSDA、ローリングサークル増幅、またはサークル-サークル増幅が含まれるが、これらに限定されない。他の非PCRベースの増幅方法は、DNA依存性RNAポリメラーゼ駆動RNA転写増幅またはRNA指向DNA合成および転写の複数サイクルを含み、DNAまたはRNA標的、リガーゼ連鎖反応(LCR)、Qβレプリカーゼ(Qβ)、パリンドロームプローブの使用、鎖置換増幅、制限エンドヌクレアーゼを用いたオリゴヌクレオチド駆動増幅、プライマーを核酸配列にハイブリダイズさせ、得られた二重鎖を伸長反応および増幅の前に開裂する増幅方法、5’エキソヌクレアーゼ活性を欠く核酸ポリメラーゼを用いた鎖置換増幅、ローリングサークル増幅、および/または分枝伸長増幅(RAM)を増幅する。
【0159】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、増幅されたアンプリコン(例えば、標的)上で入れ子状ポリメラーゼ連鎖反応を行うことをさらに含む。アンプリコンは二本鎖分子とすることができる。二本鎖分子は、二本鎖RNA分子、二本鎖DNA分子、またはDNA分子にハイブリダイズされたRNA分子を含むことができる。二本鎖分子のストランドの一方または両方は、サンプルタグまたは分子識別子標識を含むことができる。あるいは、アンプリコンは一本鎖分子とすることができる。一本鎖分子は、DNA、RNA、またはそれらの組み合わせを含むことができる。本発明の核酸は、合成または改変された核酸を含むことができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、本方法は、標識化核酸を繰り返し増幅して複数のアンプリコンを生成することを含む。本明細書に開示される方法は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の増幅反応を行うことを含むことができる。あるいは、本方法は、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100個の増幅反応を行うことを含む。
【0161】
増幅は、複数の核酸を含む1つ以上のサンプルに1つ以上のコントロール核酸を加えることをさらに含むことができる。増幅は、1つ以上のコントロール核酸を複数の核酸に加えることをさらに含むことができる。コントロール核酸は、コントロール標識を含むことができる。
【0162】
増幅は、1つ以上の非天然ヌクレオチドの使用を含むことができる。非天然ヌクレオチドは、光不安定性および/または誘発性ヌクレオチドを含むことができる。非天然ヌクレオチドの例としては、限定されないが、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノおよびロック核酸(LNA)ならびにグリコール核酸(GNA)およびトレオース核酸(TNA)が挙げられる。非天然ヌクレオチドは、増幅反応の1つ以上のサイクルに添加することができる。非天然ヌクレオチドの添加は、増幅反応における特定のサイクルまたは時点として産物を識別するために使用することができる。
【0163】
1つ以上の増幅反応を行うことは、1つ以上のプライマーの使用を含むことができる。1つ以上のプライマーは、1つ以上のオリゴヌクレオチドを含むことができる。1つ以上のオリゴヌクレオチドは、少なくとも約7~9ヌクレオチドを含むことができる。1つ以上のオリゴヌクレオチドは、12~15未満のヌクレオチドを含むことができる。1つ以上のプライマーは、複数の標識化核酸の少なくとも一部にアニールすることができる。1つ以上のプライマーは、複数の標識化核酸の3’末端および/または5’末端にアニールすることができる。1つ以上のプライマーは、複数の標識化核酸の内部領域にアニールすることができる。内部領域は、複数の標識化核酸の3’末端からの少なくとも約50、100、150、200、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900または1000ヌクレオチドとすることができる。1つ以上のプライマーは、プライマーの固定パネルを含むことができる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上のカスタムプライマーを含むことができる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上のコントロールプライマーを含むことができる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上のハウスキーピング遺伝子プライマーを含むことができる。1つ以上のプライマーは、ユニバーサルプライマーを含むことができる。ユニバーサルプライマーは、ユニバーサルプライマー結合部位にアニールすることができる。1つ以上のカスタムプライマーは、第1のサンプルタグ、第2のサンプルタグ、分子識別子標識、核酸またはその産物にアニールすることができる。1つ以上のプライマーは、ユニバーサルプライマーおよびカスタムプライマーを含むことができる。カスタムプライマーは、1つ以上の標的核酸を増幅するように設計することができる。標的核酸は、1つ以上のサンプル中の全核酸のサブセットを含むことができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、本開示のアレイに取り付けられたプローブである。
【0164】
いくつかの実施形態では、サンプル中の複数の標的をバーコーディング(例えば、確率論的バーコーディング)することは、バーコード付き標的(例えば、確率論的バーコード付き標的)または標的のバーコード付きフラグメントのインデックス付きライブラリーを生成することをさらに含む。異なるバーコードのバーコード配列(例えば、異なる確率論的バーコードの分子標識)は、互いに異なることができる。バーコード付き標的のインデックス付きライブラリーを生成することは、サンプル中の複数の標的から複数のインデックス付きポリヌクレオチドを生成することを含む。例えば、第1のインデックス付き標的と第2のインデックス付き標的とを含むバーコード付き標的のインデックス付きライブラリーについては、第1のインデックス付きポリヌクレオチドの標識領域は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値、または最大でそれらの値のヌクレオチドだけ、第2のインデックス付きポリヌクレオチドの標識領域とは異なる可能性がある。いくつかの実施形態では、バーコード付き標的のインデックス付きライブラリーを生成することは、複数の標的、例えばmRNA分子と、ポリ(T)領域および標識領域を含む複数のオリゴヌクレオチドとを接触させることと、逆転写酵素を用いて第1鎖合成を行って、それぞれcDNA領域および標識領域を含む一本鎖標識化cDNA分子を生成することとを含み、複数の標的は、異なる配列の少なくとも2つのmRNA分子を含み、複数のオリゴヌクレオチドは、異なる配列の少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含む。バーコード付き標的のインデックス付きライブラリーを生成することは、一本鎖標識化cDNA分子を増幅して二本鎖標識化cDNA分子を生成することと、標識化アンプリコンを生成するために二本鎖標識化cDNA分子上に入れ子状PCRを行うこととをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、アダプター標識化アンプリコンを生成することを含むことができる。
【0165】
バーコーディング(例えば、確率論的バーコーディング)は、核酸バーコードまたはタグを使用して、個々の核酸(例えば、DNAまたはRNA)分子を標識することを含むことができる。いくつかの実施形態では、それは、それらがmRNAから生成されるように、DNAバーコードまたはタグをcDNA分子に加えることを含む。入れ子状PCRは、PCR増幅バイアスを最小にするために実施することができる。アダプターは、例えば、次世代シーケンシング(NGS)を使用してシーケンシングのために添加することができる。シーケンシング結果は、例えば、図2のブロック232において、標的の1つ以上のコピーの細胞標識、分子標識、およびヌクレオチドフラグメントの配列を決定するために使用することができる。
【0166】
図3は、バーコード付きmRNA、またはそのフラグメント、細胞成分結合試薬のバーコード付き識別子配列などのバーコード付き標的(例えば、確率論的バーコード付き標的)のインデックス付きライブラリーを生成する非限定的な例示的プロセスを示す概略図である。ステップ1に示すように、逆転写プロセスは、固有分子標識、細胞標識、およびユニバーサルPCR部位を有する各mRNA分子をコードすることができる。特に、RNA分子302は、RNA分子302のポリ(A)テール領域308への1セットのバーコード(例えば、確率論的バーコード)310のハイブリダイゼーション(例えば、確率論的ハイブリダイゼーション)によって、cDNA領域306を含む標識化cDNA分子304を生成するために逆転写されることができる。バーコード310の各々は、標的結合領域、例えば、ポリ(dT)領域312、標識領域314(例えば、バーコード配列または分子)、およびユニバーサルPCR領域316を含むことができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、細胞標識は、3~20個のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、分子標識は、3~20個のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の確率論的バーコードの各々は、ユニバーサル標識および細胞標識のうちの1つ以上をさらに含み、ユニバーサル標識は、固体支持体上の複数の確率論的バーコードについて同じであり、細胞標識は、固体支持体上の複数の確率論的バーコードについて同じである。いくつかの実施形態では、ユニバーサル標識は、3~20個のヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、細胞標識は、3~20個のヌクレオチドを含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、標識領域314は、バーコード配列または分子標識318および細胞標識320を含むことができる。いくつかの実施形態では、標識領域314は、ユニバーサル標識、次元標識、および細胞標識のうちの1つ以上を含むことができる。バーコード配列または分子標識318は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値のいずれかの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値、または最大でそれらの値のヌクレオチド長とすることができる。細胞標識320は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値のいずれかの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値、または最大でそれらの値のヌクレオチド長とすることができる。ユニバーサル標識は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値のいずれかの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値、または最大でそれらの値のヌクレオチド長とすることができる。ユニバーサル標識は、固体支持体上の複数の確率論的バーコードについて同じとすることができ、細胞標識は、固体支持体上の複数の確率論的バーコードについて同じである。次元標識は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値のいずれかの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値、または最大でそれらの値のヌクレオチド長とすることができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、標識領域314は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはこれらの値のいずれかの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値、または最大でそれらの値の、バーコード配列または分子標識318および細胞標識320などの異なる標識を含むことができる。各標識は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値のいずれかの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値、または最大でそれらの値のヌクレオチド長とすることができる。バーコードまたは確率論的バーコード310のセットは、10、20、40、50、70、80、90、102、103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1020、またはこれらの値のいずれかの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値の、バーコードまたは確率論的バーコード310を含むことができ、または最大でそれらの値のバーコードまたは確率論的バーコード310とすることができる。そして、バーコードまたは確率論的バーコード310のセットは、例えば、それぞれ固有標識領域314を含むことができる。標識化cDNA分子304は、過剰なバーコードまたは確率論的バーコード310を除去するために精製することができる。精製はAmpureビーズ精製を含むことができる。
【0170】
ステップ2に示すように、ステップ1における逆転写プロセスからの産物を1つの管にプールし、第1のPCRプライマープールおよび第1のユニバーサルPCRプライマーでPCR増幅することができる。固有標識領域314のために、プールすることが可能である。特に、標識化cDNA分子304は、増幅されて入れ子状PCR標識化アンプリコン322を生成することができる。増幅は、多重PCR増幅を含むことができる。増幅は、単一の反応容積中での96個の多重プライマーを用いた多重PCR増幅を含むことができる。いくつかの実施形態では、多重PCR増幅は、10、20、40、50、70、80、90、102、103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1020、またはこれらの値のいずれかの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値、または最大でそれらの値の、単一の反応容積中での多重プライマーを利用することができる。増幅は、カスタムプライマー326A~C標的特異的遺伝子およびユニバーサルプライマー328を含む第1のPCRプライマープール324を使用することを含むことができる。カスタムプライマー326は、標識化cDNA分子304のcDNA部分306’内の領域にハイブリダイズすることができる。ユニバーサルプライマー328は、標識化cDNA分子304のユニバーサルPCR領域316にハイブリダイズすることができる。
【0171】
図3のステップ3に示すように、ステップ2でのPCR増幅からの産物は、入れ子状PCRプライマープールおよび第2のユニバーサルPCRプライマーで増幅することができる。入れ子状PCRは、PCR増幅バイアスを最小にすることができる。特に、入れ子状PCR標識化アンプリコン322は、入れ子状PCRによってさらに増幅されることができる。入れ子状PCRは、入れ子状PCRプライマー332a~cの入れ子状PCRプライマープール330と、単一の反応容積中の第2のユニバーサルPCRプライマー328’とを有する多重PCRを含むことができる。入れ子状PCRプライマープール328は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはこれらの値のいずれかの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値、または最大でそれらの値の、異なる入れ子状PCRプライマー330を含むことができる。入れ子状PCRプライマー332は、アダプター334を含み、標識化アンプリコン322のcDNA部分306”内の領域にハイブリダイズすることができる。ユニバーサルプライマー328’は、アダプター336を含み、標識化アンプリコン322のユニバーサルPCR領域316にハイブリダイズすることができる。したがって、ステップ3は、アダプター標識化アンプリコン338を生成する。いくつかの実施形態では、入れ子状PCRプライマー332および第2のユニバーサルPCRプライマー328’は、アダプター334および336を含んでいなくてもよい。代わりに、アダプター334および336を入れ子状PCRの産物に結合して、アダプター標識化アンプリコン338を生成することができる。
【0172】
ステップ4に示すように、ステップ3からのPCR産物を、ライブラリー増幅プライマーを用いてシーケンシングのためにPCR増幅することができる。特に、アダプター334および336は、アダプター標識化アンプリコン338上の1つ以上のさらなるアッセイを行うために使用することができる。アダプター334および336は、プライマー340および342にハイブリダイズすることができる。1つ以上のプライマー340および342は、PCR増幅プライマーとすることができる。1つ以上のプライマー340および342は、シーケンシングプライマーとすることができる。1つ以上のアダプター334および336は、アダプター標識化アンプリコン338のさらなる増幅のために使用することができる。1つ以上のアダプター334および336は、アダプター標識化アンプリコン338をシーケンシングするために使用することができる。プライマー342は、同じセットのバーコードまたは確率論的バーコード310を使用して生成されるアンプリコンが、次世代シーケンシング(NGS)を使用して1つのシーケンシング反応においてシーケンシングされることができるように、プレートインデックス344を含むことができる。
【0173】
細胞成分結合試薬
オリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬を含む組成
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた細胞成分結合試薬(例えば、タンパク質結合試薬)をそれぞれ含む複数の組成を提供し、オリゴヌクレオチドは、それがコンジュゲートする細胞成分結合試薬についての固有識別子を含む。細胞成分結合試薬(例えば、バーコード付き抗体)およびそれらの使用(例えば、細胞のサンプルインデクシング)が、米国特許出願公開番号2018/0088112および米国特許出願公開番号2018/0346970に記載されており、これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0174】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、細胞成分標的に特異的に結合することができる。例えば、細胞成分結合試薬の結合標的は、炭水化物、脂質、タンパク質、細胞外タンパク質、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、インテグリン、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせとすることができ、またはそれらを含むことができる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬(例えば、タンパク質結合試薬)は、抗原標的またはタンパク質標的に特異的に結合することができる。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドは、確率論的バーコードのようなバーコードを含むことができる。バーコードは、バーコード配列(例えば、分子標識)、細胞標識、サンプル標識、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドはリンカーを含むことができる。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドは、ポリ(A)テールのようなオリゴヌクレオチドプローブについての結合部位を含むことができる。例えば、ポリ(A)テールは、例えば、固体支持体に固定されていなくともよく、または固体支持体に固定されていてもよい。ポリ(A)テールは、長さが約10~50ヌクレオチドとすることができる。いくつかの実施形態では、ポリ(A)テールは、長さが18ヌクレオチドとすることができる。オリゴヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはその両方を含むことができる。
【0175】
固有識別子は、例えば、任意の適切な長さ、例えば、約4ヌクレオチド~約200ヌクレオチドを有するヌクレオチド配列とすることができる。いくつかの実施形態では、固有識別子は、長さが25ヌクレオチドから約45ヌクレオチドのヌクレオチド配列である。いくつかの実施形態では、固有識別子は、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、15ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、35ヌクレオチド、40ヌクレオチド、45ヌクレオチド、50ヌクレオチド、55ヌクレオチド、60ヌクレオチド、70ヌクレオチド、80ヌクレオチド、90ヌクレオチド、100ヌクレオチド、200ヌクレオチド、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の範囲、およそそれらの値、それらの値未満、それらの値超の長さを有することができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、固有識別子は、固有識別子の多様なセットから選択される。固有識別子の多様なセットは、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、5000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の、異なる固有識別子を含むことができる。固有識別子の多様なセットは、少なくとも、または最大で20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、または5000の異なる固有識別子を含むことができる。いくつかの実施形態では、固有識別子のセットは、分析されるサンプルのDNAまたはRNA配列と最小の配列相同性を有するように設計される。いくつかの実施形態では、固有識別子のセットの配列は、互いに異なるか、または、1ヌクレオチド、2ヌクレオチド、3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の、その相補体である。いくつかの実施形態では、固有識別子のセットの配列は、互いに異なるか、または少なくとも、または最大で1ヌクレオチド、2ヌクレオチド、3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチドの、その相補体である。いくつかの実施形態では、固有識別子のセットの配列は、互いに異なるか、または、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、またはそれ以上の、その相補体である。
【0177】
いくつかの実施形態では、固有識別子は、ユニバーサルプライマーのようなプライマーについての結合部位を含むことができる。いくつかの実施形態では、固有識別子は、ユニバーサルプライマーのようなプライマーについての少なくとも2つの結合部位を含むことができる。いくつかの実施形態では、固有識別子は、ユニバーサルプライマーのようなプライマーについての少なくとも3つの結合部位を含むことができる。プライマーは、例えば、PCR増幅により、固有識別子の増幅のために使用することができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、入れ子状PCR反応のために使用することができる。
【0178】
この開示では、タンパク質結合試薬、抗体またはそのフラグメント、アプタマー、小分子、リガンド、ペプチド、オリゴヌクレオチド等、またはそれらの任意の組み合わせなど、任意の適切な細胞成分結合試薬が企図される。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、一本鎖抗体(sc-Ab)、またはFab、Fvなどのそのフラグメントとすることができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬は、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、5000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の、異なる細胞成分試薬を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬は、少なくとも、または最大で20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000または5000の、異なる細胞成分試薬を含むことができる。
【0179】
オリゴヌクレオチドは、種々の機構を介して細胞成分結合試薬とコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドを、細胞成分結合試薬と共有結合的にコンジュゲートさせることができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドを、細胞成分結合試薬と非共有結合的にコンジュゲートさせることができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して細胞成分結合試薬とコンジュゲートされる。リンカーは、例えば、細胞成分結合試薬および/またはオリゴヌクレオチドから開裂可能であるか、または取り外し可能とすることができる。いくつかの実施形態では、リンカーは、オリゴヌクレオチドを細胞成分結合試薬に可逆的に取り付ける化学基を含むことができる。化学基は、例えばアミン基を介してリンカーにコンジュゲートさせることができる。いくつかの実施形態では、リンカーは、細胞成分結合試薬にコンジュゲートさせた別の化学基と安定な結合を形成する化学基を含むことができる。例えば、化学基は、UV光開裂可能基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミンなどとすることができる。いくつかの実施形態では、化学基は、リジンまたはN-末端のようなアミノ酸上の第1級アミンを介して細胞成分結合試薬にコンジュゲートさせることができる。タンパク質-オリゴコンジュゲーションキット(Solulink、Inc、San Diego、California)、Thunder-Link(登録商標)オリゴコンジュゲーションシステム(Innova Biosciences、Cambridge、United Kingdom)等のような市販のコンジュゲーションキットは、オリゴヌクレオチドを細胞成分結合試薬にコンジュゲートさせるために使用することができる。
【0180】
オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬とその細胞成分標的との間の特異的結合をそれが妨害しない限り、細胞成分結合試薬(例えば、タンパク質結合試薬)の任意の適切な部位にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、抗体のようなタンパク質である。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、抗体ではない。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、抗原結合部位以外の任意の場所、例えばFc領域、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、CLドメイン等にて抗体にコンジュゲートすることができる。オリゴヌクレオチドを細胞成分結合試薬(例えば、抗体)にコンジュゲートさせる方法は、例えば、米国特許番号6,531,283にて前述されており、その内容は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。細胞成分結合試薬に対するオリゴヌクレオチドの化学量論を、変えることができる。シーケンシングにおける細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出感度を増大させるために、コンジュゲーション中の細胞成分結合試薬に対するオリゴヌクレオチドの比を増加させることが有利であり得る。いくつかの実施形態では、各細胞成分結合試薬は、単一のオリゴヌクレオチド分子とコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、各細胞成分結合試薬は、1つ超のオリゴヌクレオチド分子、例えば、少なくとも、または最大で2、3、4、5、10、20、30、40、50、100、1000個、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲の、オリゴヌクレオチド分子にコンジュゲートすることができ、オリゴヌクレオチド分子の各々は、同一の、または異なる固有識別子を含む。いくつかの実施形態では、各細胞成分結合試薬は、1つ超のオリゴヌクレオチド分子、例えば、少なくとも、または最大で2、3、4、5、10、20、30、40、50、100、1000個の、オリゴヌクレオチド分子にコンジュゲートすることができ、オリゴヌクレオチド分子の各々は、同一の、または異なる固有識別子を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬は、単一細胞、複数の細胞、組織サンプル、腫瘍サンプル、血液サンプルなどのサンプル中の複数の細胞成分標的に特異的に結合することができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞内細胞成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分は、細胞または生物中のすべての細胞成分(例えば、タンパク質)の、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分は、細胞または生物中のすべての細胞成分(例えば、タンパク質)の、少なくとも、または最大で1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または99%とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、2、3、4、5、10、20、30、40、50、100、1000、10000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の、異なる細胞成分標的を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、少なくとも、または最大で2、3、4、5、10、20、30、40、50、100、1000、10000の、異なる細胞成分標的を含むことができる。
【0182】
図4は、抗体についての固有識別子配列を含むオリゴヌクレオチドに会合(例えば、コンジュゲート)する例示的な細胞成分結合試薬(例えば、抗体)の概略図を示す。細胞成分結合試薬とコンジュゲートしたオリゴヌクレオチド、細胞成分結合試薬とのコンジュゲーションについてのオリゴヌクレオチド、または以前に細胞成分結合試薬とコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドを、本明細書では抗体オリゴヌクレオチドと呼ぶことができる(結合試薬オリゴヌクレオチドと略す)。抗体とコンジュゲートしたオリゴヌクレオチド、抗体とのコンジュゲーションについてのオリゴヌクレオチド、または、抗体と以前にコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドを、本明細書では、抗体オリゴヌクレオチドと呼ぶことができる(本明細書では、「AbOligo」または「AbO」と略す)。オリゴヌクレオチドはまた、1つ以上のリンカー、抗体についての1つ以上の固有識別子、任意選択的に1つ以上のバーコード配列(例えば、分子標識)、およびポリ(A)テールを含むがこれらに限定されない、追加の成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’から3’へ、リンカー、固有識別子、バーコード配列(例えば、分子標識)、およびポリ(A)テールを含むことができる。抗体オリゴヌクレオチドはmRNA模倣体とすることができる。
【0183】
図5は、抗体についてのサンプルインデクシング配列を含むオリゴヌクレオチドに会合(コンジュゲート)する例示的な細胞成分結合試薬(例えば、抗体)の概略図を示す。細胞成分結合試薬は、抗原標的またはタンパク質標的のような少なくとも1つの細胞成分標的に特異的に結合することができる。結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド、または抗体オリゴヌクレオチド)は、本開示の方法を実施するための配列(例えば、サンプルインデクシング配列)を含むことができる。例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、サンプルの1つ以上の細胞のサンプル起源を識別するためのサンプルインデクシング配列を含むことができる。細胞成分結合試薬を含む複数の組成のうちの2つの細胞成分結合試薬を含む少なくとも2つの組成(例えば、サンプルインデクシング組成)のインデクシング配列(例えば、サンプルインデクシング配列)は、異なる配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドは、種のゲノム配列と相同ではない。結合試薬オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬から着脱可能または着脱不可能であるように構成することができる(または、そのようにすることができる)。
【0184】
細胞成分結合試薬にコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドは、例えば、バーコード配列(例えば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはそれらの組み合わせを含むことができる。細胞成分結合試薬にコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドは、mRNA模倣体とすることができる。いくつかの実施形態では、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、複数のバーコードのうちの少なくとも1つのバーコードの捕捉配列に相補的な配列を含む。バーコードの標的結合領域は、捕捉配列を含むことができる。標的結合領域は、例えば、ポリ(dT)領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、バーコードの捕捉配列に相補的なサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドの配列は、ポリ(A)テールを含むことができる。サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、分子標識を含むことができる。
【0185】
いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルオリゴヌクレオチド)は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、128、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値のヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドは、少なくとも、または最大で6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、128、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000のヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む。
【0186】
細胞成分結合試薬は、細胞成分標的に特異的に結合する特異的結合メンバーを含む。特異的結合メンバー対とそれが特異的に結合する細胞成分標的との間の親和性は変化し得るが、いくつかの例では、それらは、10-5M以下、10-6M以下、10-7M以下、10-8M以下、10-9M以下、10-10M以下、10-11M以下、10-12M以下、10-13M以下、10-14M以下、または10-15M以下のKD(解離定数)を特徴とする結合複合体において互いに特異的に結合し得る(これらの値は、特定の実施形態で、この明細書の他の箇所で言及される他の特異的結合対相互作用に適用することができることに留意されたい)。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、またはそれらの組み合わせを含む。結合試薬オリゴヌクレオチドは、例えばリンカーを介して細胞成分結合試薬にコンジュゲートすることができる。結合試薬オリゴヌクレオチドは、リンカーを含むことができる。リンカーは、化学基を含むことができる。化学基は、細胞成分結合試薬の分子に可逆的に、または不可逆的に取り付けられることができる。化学基は、UV光開裂可能基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。
【0187】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、ADAM10、CD156c、ANO6、ATP1B2、ATP1B3、BSG、CD147、CD109、CD230、CD29、CD298、ATP1B3、CD44、CD45、CD47、CD51、CD59、CD63、CD97、CD98、SLC3A2、CLDND1、HLA-ABC、ICAM1、ITFG3、MPZL1、NA K ATPase alpha1、ATP1A1、NPTN、PMCA ATPase、ATP2B1、SLC1A5、SLC29A1、SLC2A1、SLC44A2、またはそれらの任意の組み合わせに結合することができる。
【0188】
いくつかの実施形態では、タンパク質標的は、細胞外タンパク質、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせであるか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態では、抗原またはタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、インテグリン、またはそれらの任意の組み合わせであるか、またはそれらを含む。抗原またはタンパク質標的は、脂質、炭水化物、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる、またはそれらを含むことができる。タンパク質標的は、多数のタンパク質標的を含む群から選択することができる。抗原標的またはタンパク質標的の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。タンパク質標的の数は、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000とすることができる。
【0189】
細胞成分結合試薬(例えば、タンパク質結合試薬)は、同一の配列を有する2つ以上の結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)と会合することができる。細胞成分結合試薬は、異なる配列を有する2つ以上の結合試薬オリゴヌクレオチドと会合することができる。細胞成分結合試薬に会合する結合試薬オリゴヌクレオチドの数は、異なる実装態様において異なることができる。いくつかの実施形態では、同一の配列または異なる配列を有するか否かにかかわらず、結合試薬オリゴヌクレオチドの数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドの数は、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000とすることができる。
【0190】
細胞成分結合試薬を含む複数の組成(例えば、複数のサンプルインデクシング組成)は、結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)とコンジュゲートしない1つ以上のさらなる細胞成分結合試薬を含むことができ、これは、本明細書では、結合試薬オリゴヌクレオチドフリー細胞成分結合試薬(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドフリー細胞成分結合試薬)とも呼ばれる。複数の組成中の追加の細胞成分結合試薬の数は、異なる実装態様において異なることができる。いくつかの実施形態では、追加の細胞成分結合試薬の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、追加の細胞成分結合試薬の数は、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100とすることができる。細胞成分結合試薬と追加の細胞成分結合試薬のいずれかとは、いくつかの実施形態において同一とすることができる。
【0191】
いくつかの実施形態では、1つ以上の結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)とコンジュゲートした細胞成分結合試薬(複数可)と、結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートしていない細胞成分結合試薬(複数可)とを含む混合物が提供される。混合物は、例えば、本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態で使用されて、サンプル(複数可)および/または細胞(複数可)に接触することができる。(1)結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬の数と、(2)結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)または混合物中の他の結合試薬オリゴヌクレオチド(複数可)とコンジュゲートしない他の細胞成分結合試薬(例えば、同じ細胞成分結合試薬)の数との比は、異なる実装態様で異なることができる。いくつかの実施形態では、比は、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、1:5000、1:6000、1:7000、1:8000、1:9000、1:10000、または任意の2つの値の間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、比は少なくとも、または最大で1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、1:5000、1:6000、1:7000、1:8000、1:9000、1:10000とすることができる。
【0192】
いくつかの実施形態では、比は、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1、41:1、42:1、43:1、44:1、45:1、46:1、47:1、48:1、49:1、50:1、51:1、52:1、53:1、54:1、55:1、56:1、57:1、58:1、59:1、60:1、61:1、62:1、63:1、64:1、65:1、66:1、67:1、68:1、69:1、70:1、71:1、72:1、73:1、74:1、75:1、76:1、77:1、78:1、79:1、80:1、81:1、82:1、83:1、84:1、85:1、86:1、87:1、88:1、89:1、90:1、91:1、92:1、93:1、94:1、95:1、96:1、97:1、98:1、99:1、100:1、200:1、300:1、400:1、500:1、600:1、700:1、800:1、900:1000:1、2000:1、3000:1、4000:1、5000:1、6000:1、7000:1、8000:1、9000:1、10000:1、または任意の2つの値の間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、比は、少なくとも、または最大で1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1、41:1、42:1、43:1、44:1、45:1、46:1、47:1、48:1、49:1、50:1、51:1、52:1、53:1、54:1、55:1、56:1、57:1、58:1、59:1、60:1、61:1、62:1、63:1、64:1、65:1、66:1、67:1、68:1、69:1、70:1、71:1、72:1、73:1、74:1、75:1、76:1、77:1、78:1、79:1、80:1、81:1、82:1、83:1、84:1、85:1、86:1、87:1、88:1、89:1、90:1、91:1、92:1、93:1、94:1、95:1、96:1、97:1、98:1、99:1、100:1、200:1、300:1、400:1、500:1、600:1、700:1、800:1、900:1、1000:1、2000:1、3000:1、4000:1、5000:1、6000:1、7000:1、8000:1、9000:1、または10000:1とすることができる。
【0193】
細胞成分結合試薬は、結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)とコンジュゲートすることができ、またはしないことができる。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬と、結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートしていない細胞成分結合試薬(複数可)とを含む混合物中の結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)とコンジュゲートした細胞成分結合試薬のパーセンテージは、0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、混合物中のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬のパーセンテージは、少なくとも、または最大で0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%とすることができる。
【0194】
いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)とコンジュゲートした細胞成分結合試薬と、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドとコンジュゲートしていない細胞成分結合試薬とを含む混合物中の結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)とコンジュゲートしていない細胞成分結合試薬のパーセンテージは、0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、混合物中の結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートしていない細胞成分結合試薬のパーセンテージは、少なくとも、または最大で0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%とすることができる。
【0195】
検出可能部分に会合する結合試薬オリゴヌクレオチド
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬(例えば、抗体オリゴヌクレオチド(例えば、「AbOligo」または「AbO」)、結合試薬オリゴヌクレオチド、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチド、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)に会合するオリゴヌクレオチドは、1つ以上の検出可能部分に会合し、例えば、結合試薬オリゴヌクレオチドは、1つ以上の検出可能部分(例えば、光学部分、発光部分、電気化学的に活性な部分、ナノ粒子)を含み、結合試薬オリゴヌクレオチドは、検出可能部分に非共有結合的に結合し、例えば、検出可能部分は、結合試薬オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた標識核酸の一部である、などである。有利には、いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチド中の検出可能部分の会合は、細胞成分結合試薬を、蛍光分析(例えば、細胞分類)および配列分析(例えば、タンパク質発現プロファイリング)の両方に採用することを可能にする。
【0196】
図9は、結合試薬900(本明細書に示される抗体)に会合する非限定的な例示的結合試薬オリゴヌクレオチド904(本明細書に示される抗体オリゴヌクレオチド)の概略図を示す。スペーサー配列908(またはリンカー)は、結合試薬オリゴヌクレオチド904と結合試薬900との間に位置することができる。スペーサー配列908は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20、またはそれ以上のヌクレオチドとすることができる。結合試薬オリゴヌクレオチド904は、mRNA模倣体とすることができる。結合試薬オリゴヌクレオチド904は、1つ以上の発蛍光団912(例えば、蛍光部分、蛍光タグ)を含むことができ、これはそれにより、結合試薬オリゴヌクレオチドが1つ以上の発蛍光団を含むとき、結合試薬オリゴヌクレオチドと会合することができる。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチド904は、発蛍光団以外の別の検出可能部分(例えば、光学部分、発光部分、電気化学的に活性な部分、ナノ粒子)を含む。結合試薬オリゴヌクレオチド904は、ポリ(dA)テール924を含むことができる。ポリ(dA)テール924は、結合試薬オリゴヌクレオチド904の捕捉を可能にすることができる。結合試薬オリゴヌクレオチド904は、固有識別子配列920(抗体特異的バーコードまたはサンプルインデクシング配列のような)を含むことができる。抗体特異的バーコード920は、各抗体種に特異的とすることができる。いくつかの実施形態では、抗体バーコード920は、結合試薬オリゴヌクレオチド904のすべてまたはいくつかについて同じとすることができる。いくつかの実施形態では、異なる結合試薬オリゴヌクレオチド904の抗体バーコード920は、異なる。
【0197】
結合試薬オリゴヌクレオチド904は、オリゴヌクレオチド配列の増幅に使用することができるPCRハンドル916(例えば、完全なまたは部分的なIllumina R2および/またはP7配列)を含むことができる。いくつかの実施形態では、PCRハンドル916は、Illuminaシーケンシングアダプターをアンプリコンに取り付けるライブラリー調製の間に、標的化PCR増幅のために採用される。いくつかの実施形態では、PCRハンドル916は、第1のユニバーサルプライマー、その相補的配列、その部分的配列、またはそれらの組み合わせの配列を含む。いくつかの実施形態では、PCRハンドル916は、すべてまたはいくつかの結合試薬オリゴヌクレオチド904について同じとすることができる。いくつかの実施形態では、PCRハンドルは、増幅プライマー、その相補的配列、その部分的配列、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第1のユニバーサルプライマーは、シーケンシングプライマー、その相補的配列、その部分的配列、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、シーケンシングプライマーは、Illuminaシーケンシングプライマーを含む。いくつかの実施形態では、シーケンシングプライマーは、Illuminaシーケンシングプライマーの一部を含む。いくつかの実施形態では、シーケンシングプライマーは、P7シーケンシングプライマーを含む。いくつかの実施形態では、シーケンシングプライマーは、P7シーケンシングプライマーの一部を含む。いくつかの実施形態では、PCRハンドルは、Illumina P7についてのアダプターを含む。いくつかの実施形態では、PCRハンドルは、Illumina P7についての部分アダプターを含む。いくつかの実施形態では、増幅プライマーは、Illumina P7配列またはそのサブ配列である。いくつかの実施形態では、シーケンシングプライマーは、Illumina R2配列またはそのサブ配列である。いくつかの実施形態では、第1のユニバーサルプライマーは、長さが5~50ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、PCRハンドルは、少なくとも5ヌクレオチド、例えば少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50ヌクレオチド、列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲を含む、例えば5~50、5~45、5~40、5~35、5~30、5~25、5~20、5~15、5~14、5~13、5~12、5~11、5~10、5~9、5~8、5~7、5~6、6~50、6~45、6~40、6~35、6~30、6~25、6~20、6~15、6~14、6~13、6~12、6~11、6~10、6~9、6~8、6~7、7~50、7~45、7~40、7~35、7~30、7~25、7~20、7~15、7~14、7~13、7~12、7~11、7~10、7~9、7~8、8~50、8~45、8~40、8~35、8~30、8~25、8~20、8~15、8~14、8~13、8~12、8~11、8~10、8~9、9~50、9~45、9~40、9~35、9~30、9~25、9~20、9~15、9~14、9~13、9~12、9~11、9~10、10~50、10~45、10~40、10~35、10~30、10~25、10~20、10~15、10~14、10~13、10~12、または10~11ヌクレオチドの核酸配列を含むことができる。PCRハンドルは、第1のユニバーサルプライマー、増幅プライマー、シーケンシングプライマー、その相補的配列、その部分的配列、またはそれらの組み合わせの少なくとも5ヌクレオチド、例えば少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50ヌクレオチド、列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲を含む、例えば5~50、5~45、5~40、5~35、5~30、5~25、5~20、5~15、5~14、5~13、5~12、5~11、5~10、5~9、5~8、5~7、5~6、6~50、6~45、6~40、6~35、6~30、6~25、6~20、6~15、6~14、6~13、6~12、6~11、6~10、6~9、6~8、6~7、7~50、7~45、7~40、7~35、7~30、7~25、7~20、7~15、7~14、7~13、7~12、7~11、7~10、7~9、7~8、8~50、8~45、8~40、8~35、8~30、8~25、8~20、8~15、8~14、8~13、8~12、8~11、8~10、8~9、9~50、9~45、9~40、9~35、9~30、9~25、9~20、9~15、9~14、9~13、9~12、9~11、9~10、10~50、10~45、10~40、10~35、10~30、10~25、10~20、10~15、10~14、10~13、10~12、または10~11ヌクレオチドの第1のユニバーサルプライマー、増幅プライマー、シーケンシングプライマー、その相補的配列、その部分的配列、またはそれらの組み合わせの配列、の核酸配列を含むことができる。
【0198】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの配列を捕捉するように構成されたバーコードの捕捉配列に相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、バーコードは、捕捉配列を含む標的結合領域を含む。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含む。いくつかの実施形態では、捕捉配列に相補的な細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの配列は、ポリ(dA)領域を含む。いくつかの実施形態では、複数の標識化核酸またはその一部のシーケンシング情報を取得することは、標識化核酸を1つ以上の反応に供して、核酸シーケンシングについての核酸のセットを生成することを含む。いくつかの実施形態では、バーコードの各々は、細胞標識、第2のユニバーサルプライマー、増幅アダプター、シーケンシングアダプター、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、標識化核酸を1つ以上の反応に供することは、標識化核酸を、第1のユニバーサルプライマー、第1のユニバーサルプライマーの配列を含む第1のプライマー、第2のユニバーサルプライマー、第2のユニバーサルプライマーの配列を含む第2のプライマー、またはそれらの組み合わせを使用して増幅反応に供することを含み、核酸シーケンシングについての核酸のセットを生成する。
【0199】
いくつかの実施形態では、検出可能部分は、結合試薬オリゴヌクレオチドに直接は結合されておらず、例えば共有結合的に、または、非共有結合的に直接、結合されている。これらの実施形態では、検出可能部分は、例えば非共有結合を介して結合試薬オリゴヌクレオチドに結合する成分の一部であり得る。例えば、検出可能標識は、結合試薬オリゴヌクレオチド、例えば、結合試薬オリゴヌクレオチドの識別子ドメインにハイブリダイズする標識核酸の一部であり得る。そのような場合、標識核酸は、長さが様々であり得、いくつかの例では、長さが5~100ntの範囲であり、それに結合した1つ以上の検出可能部分を含み得る。
【0200】
図12は、結合試薬1200(本明細書に示される抗体)に会合する非限定的な例示的結合試薬オリゴヌクレオチド1204(本明細書に示される抗体オリゴヌクレオチド)の概略図である。スペーサー配列1208(またはリンカー)は、結合試薬オリゴヌクレオチド1204と結合試薬1200との間に位置することができる。スペーサー配列1208は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20、またはそれ以上のヌクレオチドとすることができる。結合試薬オリゴヌクレオチド1204は、mRNA模倣体とすることができる。結合試薬オリゴヌクレオチド1204は、ポリ(dA)テール1224を含むことができる。ポリ(dA)テール1224は、結合試薬オリゴヌクレオチド1204の捕捉を可能にすることができる。結合試薬オリゴヌクレオチド1204は、固有識別子配列1220(抗体特異的バーコードまたはサンプルインデクシング配列のような)を含むことができる。抗体特異的バーコード1220は、各抗体種に特異的とすることができる。いくつかの実施形態では、抗体バーコード1220は、結合試薬オリゴヌクレオチド1204のすべてまたはいくつかについて同じとすることができる。いくつかの実施形態では、異なる結合試薬オリゴヌクレオチド1204の抗体バーコード1220は異なる。結合試薬オリゴヌクレオチド1204は、例えば上記のように、オリゴヌクレオチド配列の増幅のために使用することができるPCRハンドル1216(例えば、完全なまたは部分的なIllumina R2および/またはP7配列)を含むことができる。図示されているように、識別子配列1220にハイブリダイズされているものは、標識核酸1250である。標識核酸1250は、1つ以上の発蛍光団1212(例えば、蛍光部分、蛍光タグ)を含むことができ、これは、それによって、結合試薬オリゴヌクレオチドが1つ以上の発蛍光団を含むとき、結合試薬オリゴヌクレオチドに会合する。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチド1204は、発蛍光団(例えば、光学部分、発光部分、電気化学的に活性な部分、ナノ粒子)以外の代替の検出可能部分を含む。
【0201】
識別子配列
いくつかの実施形態では、固有識別子配列(例えば、抗体特異的バーコード配列)が結合試薬オリゴヌクレオチド中に存在する。いくつかの実施形態では、固有識別子配列(例えば、サンプルインデクシング配列、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチド)は、3より大きいハミング距離を有するように設計される。いくつかの実施形態では、固有識別子配列のハミング距離は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、固有識別子配列は、40%~60%の範囲のGC含有量を有し、予測された二次構造(例えば、ヘアピン)を有しない。いくつかの実施形態では、固有識別子配列は、マウスおよび/またはヒト転写産物に結合するためにインシリコで予測されるいかなる配列も含まない。いくつかの実施形態では、固有識別子配列は、Rhapsodyおよび/またはSCMKシステムプライマーに結合するためにインシリコで予測されるいかなる配列も含まない。いくつかの実施形態では、固有識別子配列は、ホモポリマーを含まない。
【0202】
アラインメント配列
いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドは、ポリ(dA)テールに隣接するアラインメント配列を含む。アラインメント配列は、長さが1以上のヌクレオチドとすることができる。アラインメント配列は、長さが2ヌクレオチドとすることができる。アラインメント配列は、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル、またはそれらの組み合わせを含むことができる。アラインメント配列は、ポリ(dT)領域、ポリ(dG)領域、ポリ(dC)領域、ポリ(dU)領域、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、アラインメント配列は、ポリ(dA)領域に対して5’である。有利なことに、いくつかの実施形態では、アラインメント配列の存在は、各結合試薬オリゴヌクレオチドのポリ(A)テールが同じ長さを有することを可能にし、性能の均一性を高めることができる。いくつかの実施形態では、各々がアラインメント配列を含む複数の結合試薬オリゴヌクレオチド内の同一のポリ(dA)領域長を有する結合試薬オリゴヌクレオチドのパーセンテージは、80%、90%、91%、93%、95%、97%、99.9%、99.9%、99.99%または100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では各々がアラインメント配列を含む複数の結合試薬オリゴヌクレオチド内の同一のポリ(dA)領域長を有する結合試薬オリゴヌクレオチドのパーセンテージは、少なくとも、または最大で80%、90%、91%、93%、95%、97%、99.9%、99.9%、99.99%、または100%とすることができる。
【0203】
アラインメント配列の長さは、異なる実装態様で異なることができる。いくつかの実施形態では、アラインメント配列の長さは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、アラインメント配列の長さは、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100とすることができる。アラインメント配列中のグアニン(複数可)、シトシン(複数可)、チミン(複数可)、またはウラシル(複数可)の数は、異なる実装態様において異なることができる。グアニン(複数可)、シトシン(複数可)、チミン(複数可)またはウラシル(複数可)の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。グアニン(複数可)、シトシン(複数可)、チミン(複数可)またはウラシル(複数可)の数は、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100とすることができる。いくつかの実施形態では、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドはアラインメント配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドはアラインメント配列を含む。
【0204】
結合試薬オリゴヌクレオチド固有分子標識配列
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬に会合するオリゴヌクレオチド(例えば、抗体オリゴヌクレオチド(例えば、「AbOligo」または「AbO」)、結合試薬オリゴヌクレオチド、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチド、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)は、固有分子標識配列(分子インデックス(MI)、「分子バーコード」、または固有分子識別子(UMI)とも呼ばれる)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような分子バーコードを含む結合試薬オリゴヌクレオチド種は、感度を増加させる、相対標準誤差を減少させる、または感度を増加させる、および/または標準誤差を減少させることによって、バイアスを減少させる。分子バーコードは、固有配列を含むことができ、それにより、複数のサンプル核酸(互いに同じおよび/または異なるものとすることができる)が分子バーコードと1対1に会合する場合、異なるサンプル核酸は、分子バーコードによって互いに区別することができる。このように、たとえサンプルが、同じ配列を有する2つの核酸を含む場合であっても、これら2つの核酸の各々は、異なる分子バーコードで標識することができ、それにより、集団中の核酸は、増幅後であっても定量化することができる。分子バーコードは、少なくとも5ヌクレオチド、例えば少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50ヌクレオチド、列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲を含む、例えば5~50、5~45、5~40、5~35、5~30、5~25、5~20、5~15、5~14、5~13、5~12、5~11、5~10、5~9、5~8、5~7、5~6、6~50、6~45、6~40、6~35、6~30、6~25、6~20、6~15、6~14、6~13、6~12、6~11、6~10、6~9、6~8、6~7、7~50、7~45、7~40、7~35、7~30、7~25、7~20、7~15、7~14、7~13、7~12、7~11、7~10、7~9、7~8、8~50、8~45、8~40、8~35、8~30、8~25、8~20、8~15、8~14、8~13、8~12、8~11、8~10、8~9、9~50、9~45、9~40、9~35、9~30、9~25、9~20、9~15、9~14、9~13、9~12、9~11、9~10、10~50、10~45、10~40、10~35、10~30、10~25、10~20、10~15、10~14、10~13、10~12、または10~11ヌクレオチドの核酸配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、分子バーコードの核酸配列は、例えば、組成中の各固有オリゴヌクレオチド種が異なる分子バーコードを含むように、固有配列を含む。いくつかの実施形態では、2つ以上の固有オリゴヌクレオチド種は、同じ分子バーコードを含むことができるが、依然として互いに異なることができる。例えば、固有オリゴヌクレオチド種がサンプルバーコードを含む場合、特定のサンプルバーコードを有する各固有オリゴヌクレオチド種は、異なる分子バーコードを含むことができる。いくつかの実施形態では、固有オリゴヌクレオチド種を含む組成は、少なくとも1000個の異なる分子バーコードの分子バーコード多様性、したがって少なくとも1000個の固有オリゴヌクレオチド種を含む。いくつかの実施形態では、固有オリゴヌクレオチド種を含む組成は、少なくとも6,500個の異なる分子バーコードの分子バーコード多様性、したがって少なくとも6,500個の固有オリゴヌクレオチド種を含む。いくつかの実施形態では、固有オリゴヌクレオチド種を含む組成は、少なくとも65,000個の異なる分子バーコードの分子バーコード多様性、したがって少なくとも65,000個の固有オリゴヌクレオチド種を含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、固有分子標識配列は、固有分子標識配列と固有識別子配列との間に介在するいかなる配列も伴わずに、固有識別子配列の5’に配置される。いくつかの実施形態では、固有分子標識配列は、固有識別子配列の5’に位置するスペーサーの5’に配置され、それにより、スペーサーは固有分子標識配列と固有識別子配列との間にある。いくつかの実施形態では、固有識別子配列は、固有識別子配列と固有分子標識配列との間に介在するいかなる配列も伴わずに、固有分子標識配列の5’に配置される。いくつかの実施形態では、固有識別子配列は、固有分子標識配列の5’に配置されたスペーサーの5’に配置され、それにより、スペーサーは固有識別子配列と固有分子標識配列との間にある。
【0206】
固有分子標識配列は、少なくとも3ヌクレオチド、例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50ヌクレオチド、列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲を含む、例えば3~50、3~45、3~40、3~35、3~30、3~25、3~20、3~15、3~14、3~13、3~12、3~11、3~10、3~9、3~8、3~7、3~6、3~5、3~4、4~50、4~45、4~40、4~35、4~30、4~25、4~20、4~15、4~14、4~13、4~12、4~11、4~10、4~9、4~8、4~7、4~6、4~5、5~50、5~45、5~40、5~35、5~30、5~25、5~20、5~15、5~14、5~13、5~12、5~11、5~10、5~9、5~8、5~7、5~6、6~50、6~45、6~40、6~35、6~30、6~25、6~20、6~15、6~14、6~13、6~12、6~11、6~10、6~9、6~8、6~7、7~50、7~45、7~40、7~35、7~30、7~25、7~20、7~15、7~14、7~13、7~12、7~11、7~10、7~9、7~8、8~50、8~45、8~40、8~35、8~30、8~25、8~20、8~15、8~14、8~13、8~12、8~11、8~10、8~9、9~50、9~45、9~40、9~35、9~30、9~25、9~20、9~15、9~14、9~13、9~12、9~11、9~10、10~50、10~45、10~40、10~35、10~30、10~25、10~20、10~15、10~14、10~13、10~12、または10~11ヌクレオチドの核酸配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、固有分子標識配列は、長さが2~20ヌクレオチドである。
【0207】
いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドの固有分子標識配列は、ダブレット「VN」および/または「NV」(各「V」は、A、C、またはGのいずれかであり、「N」は、A、G、C、またはTのいずれかである)の少なくとも3つの反復、例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個、列挙された値の任意の2つの間の範囲を含む反復の配列を含む。ダブレット「VN」の複数の反復の例には、VN、VNVN、VNVNVN、およびVNVNVNVNが含まれる。式「VN」および「NV」は、塩基含有量に関する制約を記述しているが、すべてのVまたはすべてのNが同じまたは異なる必要はないことに留意されたい。例えば、組成中の固有オリゴヌクレオチド種の分子バーコードがVNVNVNを含む場合、1つの分子バーコードは配列ACGGCAを含むことができる一方で、別の分子バーコードは配列ATACATを含むことができ、別の分子バーコードは配列ATACACを含むことができる。ダブレット「VN」の任意の数の反復は、50%以下のT含有量を有するであることに留意されたい。いくつかの実施形態では、少なくとも1000個の固有オリゴヌクレオチド種を含む組成の固有オリゴヌクレオチド種の少なくとも95%は、ダブレット「VN」および/または「NV」の少なくとも3つの反復、例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個、列挙された値の任意の2つの間の範囲を含む反復を含む分子バーコードを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1000個の固有オリゴヌクレオチド種を含む組成の固有オリゴヌクレオチド種の少なくとも99%は、ダブレット「VN」および/または「NV」の少なくとも3つの反復、例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個、列挙された値の任意の2つの間の範囲を含む反復を含む分子バーコードを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1000個の固有オリゴヌクレオチド種を含む組成の固有オリゴヌクレオチド種の少なくとも99.9%は、ダブレット「VN」および/または「NV」の少なくとも3つの反復、例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個、列挙された値の任意の2つの間の範囲を含む反復を含む分子バーコードを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも6500個の固有オリゴヌクレオチド種を含む組成の固有オリゴヌクレオチド種の少なくとも95%は、ダブレット「VN」および/または「NV」の少なくとも3つの反復、例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個、列挙された値の任意の2つの間の範囲を含む反復を含む分子バーコードを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも6500個の固有オリゴヌクレオチド種を含む組成の固有オリゴヌクレオチド種の少なくとも99%は、ダブレット「VN」および/または「NV」の少なくとも3つの反復、例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個、列挙された値の任意の2つの間の範囲を含む反復を含む分子バーコードを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも6500個の固有オリゴヌクレオチド種を含む組成の固有オリゴヌクレオチド種の少なくとも99.9%は、ダブレット「VN」および/または「NV」の少なくとも3つの反復、例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個、列挙された値の任意の2つの間の範囲を含む反復を含む分子バーコードを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも65,000個の固有オリゴヌクレオチド種を含む組成の固有オリゴヌクレオチド種の少なくとも95%は、ダブレット「VN」および/または「NV」の少なくとも3つの反復、例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個、列挙された値の任意の2つの間の範囲を含む反復を含む分子バーコードを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも65,000個の固有オリゴヌクレオチド種を含む組成の固有オリゴヌクレオチド種の少なくとも99%は、ダブレット「VN」および/または「NV」の少なくとも3つの反復、例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個、列挙された値の任意の2つの間の範囲を含む反復を含む分子バーコードを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも65,000個の固有オリゴヌクレオチド種を含む組成の固有オリゴヌクレオチド種の少なくとも99.9%は、ダブレット「VN」および/または「NV」の少なくとも3つの反復、例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個、列挙された値の任意の2つの間の範囲を含む反復を含む分子バーコードを含む。いくつかの実施形態では、組成は、配列VNVNVNを含む分子バーコードを各々が有する、少なくとも1000、6500または65,000個の固有オリゴヌクレオチド種からなるか、または本質的にそれらからなる。いくつかの実施形態では、組成は、配列VNVNVNVNを含む分子バーコードを各々が有する、少なくとも1000、6500または65,000個の固有オリゴヌクレオチド種からなるか、または本質的にそれらからなる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成のバーコード領域の少なくとも95%、99%、または99.9%は、本明細書に記載されるように、ダブレット「VN」および/または「NV」の少なくとも3つの反復を含む。いくつかの実施形態では、バイアスを低減することと、比較的大きな量の利用可能なヌクレオチド配列を維持することとの間の妥協点を提供しつつ、反復された「ダブレット「VN」および/または「NV」を含む固有分子標識配列は、低いバイアスを生じることができ、それにより、バイアスを最小にしながら、比較的短い配列で比較的高い多様性を得ることができる。いくつかの実施形態では、反復された「ダブレット「VN」および/または「NV」を含む固有分子標識配列は、感度を増加させる、相対標準誤差を減少させる、または感度を増加させつつ標準誤差を減少させることによって、バイアスを減少させることができる。いくつかの実施形態では、反復された「ダブレット「VN」および/または「NV」を含む固有分子標識配列は、ジオマーカーとして機能することによって、インフォマティクス分析を改善する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される反復されたダブレット「VN」および/または「NV」は、固有分子標識配列内のホモポリマーの発生を減少させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される反復されたダブレット「VN」および/または「NV」は、ホモポリマーを破壊する。
【0208】
いくつかの実施形態では、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、第1の分子標識配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドの第1の分子標識配列は異なり、少なくとも2つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのサンプルインデクシング配列は同一である。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドの第1の分子標識配列は異なり、少なくとも2つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのサンプルインデクシング配列は異なっている。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、第2の分子標識配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの第2の分子標識配列は異なり、少なくとも2つの細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの固有識別子配列は同一である。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの第2の分子標識配列は異なり、少なくとも2つの細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの固有識別子配列は異なる。いくつかの実施形態では、シーケンシングデータ中の少なくとも1つの細胞成分標的に特異的に結合することができる細胞成分結合試薬についての固有識別子配列に会合する、固有の第2の分子標識配列の数は、複数の細胞のうちの1つ以上における少なくとも1つの細胞成分標的のコピー数を示す。いくつかの実施形態では、(1)シーケンシングデータ中の少なくとも1つの細胞成分標的に特異的に結合することができる細胞成分結合試薬についての固有識別子配列に会合する固有の第1の分子標識配列の数、および(2)シーケンシングデータ中の少なくとも1つの細胞成分標的に特異的に結合することができる細胞成分結合試薬についての固有識別子配列に会合する固有の第2の分子標識配列の数の組み合わせ(例えば、最小、平均、および最大)は、複数の細胞のうちの1つ以上における少なくとも1つの細胞成分標的のコピー数を示す。
【0209】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるバーコード付き結合試薬オリゴヌクレオチドは、2つの固有分子標識配列、バーコードから誘導された分子標識配列、および結合試薬オリゴヌクレオチドから誘導された分子標識配列(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドの第1の分子標識配列、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの第2の分子標識配列)を含む。本明細書で使用する場合、「二重分子インデクシング」は、第1の固有分子標識配列および第2の固有分子標識配列(またはそれらの相補的配列)を含む、バーコード付き結合試薬オリゴヌクレオチド(またはその産物)を採用する、本明細書に開示される方法および組成を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞成分標的のサンプル識別および定量分析の方法は、バーコード分子標識配列および/または結合試薬オリゴヌクレオチド分子標識配列の情報の配列を取得することを含むことができる。いくつかの実施形態では、シーケンシングデータ中の少なくとも1つの細胞成分標的に特異的に結合することができる細胞成分結合試薬についての固有識別子配列に会合するバーコード分子標識配列の数は、複数の細胞のうちの1つ以上における少なくとも1つの細胞成分標的のコピー数を示す。いくつかの実施形態では、シーケンシングデータ中の少なくとも1つの細胞成分標的に特異的に結合することができる細胞成分結合試薬についての固有識別子配列に会合する結合試薬オリゴヌクレオチド分子標識配列の数は、複数の細胞のうちの1つ以上における少なくとも1つの細胞成分標的のコピー数を示す。いくつかの実施形態では、シーケンシングデータ中の少なくとも1つの細胞成分標的に特異的に結合することができる細胞成分結合試薬についての固有識別子配列に会合する結合試薬オリゴヌクレオチド分子標識配列およびバーコード分子標識配列の両方の数は、複数の細胞のうちの1つ以上における少なくとも1つの細胞成分標的のコピー数を示す。
【0210】
光学バーコード
いくつかの実施形態では、各細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、1つ以上の検出可能部分(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100またはそれ以上)を含む光学バーコードに会合する。いくつかの実施形態では、各細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、第1の検出可能部分および第2の検出可能部分を含む光学バーコードに会合する。いくつかの実施形態では、同じ細胞成分標的に特異的に結合する細胞成分結合試薬は、同一の光学バーコードを有する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合する。いくつかの実施形態では、異なる細胞成分標的に特異的に結合する細胞成分結合試薬は、異なる光学バーコードを有する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合する。
【0211】
いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドは、3つ以上の検出可能部分を含む。いくつかの実施形態では、検出可能部分の各々はスペクトル的に異なる。いくつかの実施形態では、複数の結合試薬オリゴヌクレオチドの各々は、固有光学バーコードを有する。例えば、複数の結合試薬オリゴヌクレオチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、またはそれらの値超の、固有光学バーコードを各々が有する結合試薬オリゴヌクレオチドを含むことができる。
【0212】
細胞成分結合試薬(例えば、タンパク質結合試薬)は、同一の検出可能部分(例えば、同一の光学バーコード)を有する2つ以上の結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチド)と会合することができる。細胞成分結合試薬は、異なる検出可能部分(例えば、異なる光学バーコード)を有する2つ以上の結合試薬オリゴヌクレオチドと会合することができる。細胞成分結合試薬に会合する結合試薬オリゴヌクレオチドの数は、異なる実装態様で異なることができる。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドの数は、同一の光学バーコード(または部分)または異なる光学バーコード(または部分)を有するか否かにかかわらず、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、別個の光学バーコード(または部分)を有する結合試薬オリゴヌクレオチドの数は、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000とすることができる。
【0213】
オリゴヌクレオチドの細胞成分結合試薬との会合
結合試薬オリゴヌクレオチドは、種々の機構を介して細胞成分結合試薬と会合することができる。結合試薬オリゴヌクレオチドは、種々の機構を介して細胞成分結合試薬とコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬と共有結合的にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬と非共有結合的にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して細胞成分結合試薬に会合する。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して細胞成分結合試薬とコンジュゲートする。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドはリンカーを含むことができる。リンカーは、化学基を含むことができる。化学基は、細胞成分結合試薬の分子に可逆的に、または不可逆的に取り付けられることができる。化学基は、UV光開裂可能基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。リンカーは、炭素鎖を含むことができる。炭素鎖は、例えば、5~50個の炭素原子を含むことができる。炭素鎖は、異なる実施形態において異なる数の炭素原子を有することができる。いくつかの実施形態では、炭素鎖中の炭素原子の数は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、炭素鎖中の炭素原子の数は、少なくとも、または最大で、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50とすることができる。いくつかの実施形態では、炭素鎖は2~30個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、炭素鎖は12個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドについて採用されるアミノ修飾剤を、細胞成分結合試薬にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、リンカーは、5’アミノ修飾剤C6(5AmMC6)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、5’アミノ修飾剤C12(5AmMC12)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、5AmMC12の誘導体を含む。いくつかの実施形態では、より長いリンカーは、コンジュゲートのより高い効率を達成する。いくつかの実施形態では、より長いリンカーは、コンジュゲートの前に修飾のより高い効率を達成する。いくつかの実施形態では、機能的アミンとDNA配列との間の距離を増加させると、コンジュゲートの効率がより高くなる。いくつかの実施形態では、機能的アミンとDNA配列との間の距離を増加させると、コンジュゲートの前に修飾のより高い効率をもたらす。いくつかの実施形態では、リンカーとしての5AmMC12の使用は、リンカーとしての5AmMC6の使用よりも高い修飾効率(コンジュゲートの前)を生じる。いくつかの実施形態では、リンカーとしての5AmMC12の使用は、リンカーとしての5AmMC6の使用よりも高いコンジュゲート効率をもたらす。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドは、スペーサー配列および/またはリンカーを含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬に非共有結合的に取り付けられる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬から分離可能であるように構成される。いくつかの実施形態では、結合試薬オリゴヌクレオチドは、化学的、光学的または他の手段を使用して結合試薬から分離することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドを細胞成分結合試薬から解離させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドを解離させることは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドを、UV光開裂、化学処理、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組み合わせによって細胞成分結合試薬から分離することを含む。いくつかの実施形態では、解離は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドをバーコーディングした後に生じる。いくつかの実施形態では、解離は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドをバーコーディングする前に生じる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬から分離不可能であるように構成される。
【0215】
細胞成分結合試薬タイプ
細胞成分結合試薬を含む組成は、1つ以上のさらなる細胞成分結合試薬を含むことができ、これは、(a)結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートしておらず、本明細書では結合試薬オリゴヌクレオチドフリー細胞成分結合試薬とも呼ばれ、および/または、(b)検出可能部分を含まない結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされる。複数の組成中の追加の細胞成分結合試薬の数は、異なる実装態様において異なることができる。いくつかの実施形態では、追加の細胞成分結合試薬の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、追加の細胞成分結合試薬の数は、少なくとも、または最大で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100とすることができる。細胞成分結合試薬および任意の追加の細胞成分結合試薬は、いくつかの実施形態では、同一とすることができる。細胞成分結合試薬を含む複数の組成は、(a)検出可能部分を含む結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬と、(b)検出可能部分を含まない結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬とを含むことができる。細胞成分結合試薬を含む複数の組成は、(a)検出可能部分を含む結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬と、(b)結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートしていない細胞成分結合試薬とを含むことができる。細胞成分結合試薬を含む複数の組成は、(a)検出可能部分を含む結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬と、(b)結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートしていない細胞成分結合試薬と、(c)検出可能部分を含まない結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬とを含むことができる。
【0216】
いくつかの実施形態では、検出可能部分を含む1つ以上の結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬(複数可)、および、検出可能部分を含まない結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬(複数可)を含む混合物が提供される。混合物は、例えば、サンプル(複数可)および/または細胞(複数可)を接触させるために、本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態で使用することができる。(1)検出可能部分を含む結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬の数と、(2)混合物中の検出可能部分を含まない結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした別の細胞成分結合試薬(例えば、同じ細胞成分結合試薬)の数との比は、異なる実装態様で異なることができる。いくつかの実施形態では、比は、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、1:5000、1:6000、1:7000、1:8000、1:9000、1:10000、または値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、比は、少なくとも、または最大で1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、1:5000、1:6000、1:7000、1:8000、1:9000、1:10000とすることができる。
【0217】
いくつかの実施形態では、比は、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1、41:1、42:1、43:1、44:1、45:1、46:1、47:1、48:1、49:1、50:1、51:1、52:1、53:1、54:1、55:1、56:1、57:1、58:1、59:1、60:1、61:1、62:1、63:1、64:1、65:1、66:1、67:1、68:1、69:1、70:1、71:1、72:1、73:1、74:1、75:1、76:1、77:1、78:1、79:1、80:1、81:1、82:1、83:1、84:1、85:1、86:1、87:1、88:1、89:1、90:1、91:1、92:1、93:1、94:1、95:1、96:1、97:1、98:1、99:1、100:1、200:1、300:1、400:1、500:1、600:1、700:1、800:1、900:1、1000:1、2000:1、3000:1、4000:1、5000:1、6000:1、7000:1、8000:1、9000:1、10000:1、または値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、比は、少なくとも、または最大で1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1、41:1、42:1、43:1、44:1、45:1、46:1、47:1、48:1、49:1、50:1、51:1、52:1、53:1、54:1、55:1、56:1、57:1、58:1、59:1、60:1、61:1、62:1、63:1、64:1、65:1、66:1、67:1、68:1、69:1、70:1、71:1、72:1、73:1、74:1、75:1、76:1、77:1、78:1、79:1、80:1、81:1、82:1、83:1、84:1、85:1、86:1、87:1、88:1、89:1、90:1、91:1、92:1、93:1、94:1、95:1、96:1、97:1、98:1、99:1、100:1、200:1、300:1、400:1、500:1、600:1、700:1、800:1、900:1、1000:1、2000:1、3000:1、4000:1、5000:1、6000:1、7000:1、8000:1、9000:1、10000:1とすることができる。
【0218】
細胞成分結合試薬は、検出可能部分を含む結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートすることができ、または、検出可能部分を含まない結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、検出可能部分を含む結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬と、検出可能部分を含まない結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬(複数可)とを含む混合物中の、検出可能部分を含む結合試薬オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬のパーセンテージは、0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、混合物中の検出可能部分を含むオリゴヌクレオチドとコンジュゲートした細胞成分結合試薬のパーセンテージは、少なくとも、または最大で0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%とすることができる。
【0219】
細胞成分カクテル
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬のカクテル(例えば、抗体カクテル)を使用して、本明細書に開示される方法における標識化感受性を増加させることができる。いかなる特定の理論にも束縛されることはないが、これは、細胞成分発現またはタンパク質発現が、細胞タイプおよび細胞状態間で様々である可能性があり、すべての細胞型を標識するユニバーサル細胞成分結合試薬または抗体を見出すことが挑戦的であるからであり得ると考えられる。例えば、細胞成分結合試薬のカクテルを使用して、より敏感で効率的なより多くのサンプルタイプの標識化を可能にすることができる。細胞成分結合試薬のカクテルは、2つ以上の異なるタイプの細胞成分結合試薬、例えば、より広い範囲の細胞成分結合試薬または抗体を含むことができる。異なる細胞成分標的を標識する細胞成分結合試薬を一緒にプールして、すべての細胞型、または1つ以上の対象細胞型を十分に標識するカクテルを作成することができる。
【0220】
いくつかの実施形態では、複数の組成(例えば、サンプルインデクシング組成)の各々は、細胞成分結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成のうちの組成は、2つ以上の細胞成分結合試薬を含み、2つ以上の細胞成分結合試薬の各々は、結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)に会合し、2つ以上の細胞成分結合試薬の少なくとも1つが、1つ以上の細胞成分標的のうちの少なくとも1つに特異的に結合することができる。2つ以上の細胞成分結合試薬に会合する結合試薬オリゴヌクレオチドの配列は、同一とすることができる。2つ以上の細胞成分結合試薬に会合する結合試薬オリゴヌクレオチドの配列は、異なる配列を含むことができる。複数の組成の各々は、2つ以上の細胞成分結合試薬を含むことができる。
【0221】
組成中の異なるタイプの細胞成分結合試薬(例えば、CD147抗体およびCD47抗体)の数は、異なる実装態様で異なることができる。2つ以上の異なるタイプの細胞成分結合試薬を有する組成を、本明細書では細胞成分結合試薬カクテル(例えば、サンプルインデクシング組成カクテル)と呼ぶことができる。カクテル中の異なるタイプの細胞成分結合試薬の数は、様々とすることができる。いくつかの実施形態では、カクテル中の異なるタイプの細胞成分結合試薬の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、カクテル中の異なるタイプの細胞成分結合試薬の数は、少なくとも、または最大で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、または100000とすることができる。異なるタイプの細胞成分結合試薬は、同じまたは異なる配列(例えば、サンプルインデクシング配列)を有する結合試薬オリゴヌクレオチドにコンジュゲートすることができる。
【0222】
カクテルの細胞成分結合試薬の一部または全部はそれぞれ、検出可能部分を有するオリゴヌクレオチド(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)を含むことができる。カクテルの異なる細胞成分結合試薬は、異なる検出可能部分(またはスペクトル的に異なる検出可能部分)を有するオリゴヌクレオチドを含むことができる。異なる検出可能部分は、細胞選別(または本明細書に開示される他の方法)について使用することができる。オリゴヌクレオチド配列は、サンプルインデクシングについて使用することができる。
【0223】
バーコードの会合
細胞成分結合試薬(例えば、抗原結合試薬またはタンパク質結合試薬)および/または核酸分子に会合するオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドプローブ(例えば、確率論的バーコードのようなバーコード)とランダムに会合し得る。本明細書では結合試薬オリゴヌクレオチドと呼ばれる細胞成分結合試薬に会合するオリゴヌクレオチドは、抗体オリゴヌクレオチド、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド、細胞識別オリゴヌクレオチド、コントロール粒子オリゴヌクレオチド、コントロールオリゴヌクレオチド、相互作用決定オリゴヌクレオチドなどのような、本開示のオリゴヌクレオチドであるか、またはそれらを含むことができる。会合は、例えば、オリゴヌクレオチドプローブの標的結合領域と標的核酸分子の相補部分および/またはタンパク質結合試薬のオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを含むことができる。例えば、バーコード(例えば、確率論的バーコード)のオリゴ(dT)領域は、標的核酸分子のポリ(A)テールおよび/またはタンパク質結合試薬のオリゴヌクレオチドのポリ(A)テールと相互作用することができる。ハイブリダイゼーションについて使用されるアッセイ条件(例えば、緩衝液pH、イオン強度、温度など)は、特定の安定なハイブリッドの形成を促進するように選択することができる。
【0224】
本開示は、分子標識を、逆転写を使用して細胞成分結合試薬に会合する標的核酸および/またはオリゴヌクレオチドと会合させる方法を提供する。逆転写酵素はRNAおよびDNAの両方を鋳型として使用することができる。例えば、細胞成分結合試薬上で最初にコンジュゲートするオリゴヌクレオチドは、RNAまたはDNA塩基のいずれか、または両方とすることができる。結合試薬オリゴヌクレオチドは、結合試薬配列のうちの配列またはその一部に加えて、細胞標識およびバーコード配列(例えば、分子標識)にコピーおよび連結される(例えば、共有結合的に連結される)ことができる。別の例として、mRNA分子は、mRNA分子の配列またはその一部に加えて、細胞標識およびバーコード配列(例えば、分子標識)にコピーおよび連結される(例えば、共有結合的に連結される)ことができる。
【0225】
いくつかの実施形態では、分子標識は、オリゴヌクレオチドプローブ標的結合領域と、細胞成分結合試薬に会合した(例えば、現在、または以前に会合した)標的核酸分子および/またはオリゴヌクレオチドの一部とのライゲーションによって添加することができる。例えば、標的結合領域は、制限部位オーバーハング(例えば、EcoRI粘着末端オーバーハング)への特異的ハイブリダイゼーションを可能にすることができる核酸配列を含み得る。本方法はさらに、制限酵素(例えば、EcoRI)を用いて細胞成分結合試薬に会合する標的核酸および/またはオリゴヌクレオチドを処理して制限部位オーバーハングを生成することを含むことができる。2つのフラグメントを接合するために、リガーゼ(例えば、T4 DNAリガーゼ)を使用し得る。
【0226】
固有分子標識配列の数または存在の決定
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、各固有識別子、各核酸標的分子、および/または各結合試薬オリゴヌクレオチド(例えば、抗体オリゴヌクレオチド)についての固有分子標識配列の数または存在を決定することを含む。例えば、シーケンシングリードは、各固有識別子、各核酸標的分子、および/または各結合試薬オリゴヌクレオチドについての固有分子標識配列の数を決定するために使用することができる。別の例として、シーケンシングリードは、分子標識配列(例えば、シーケンシングリード中の、標的、結合試薬オリゴヌクレオチド、抗体オリゴヌクレオチド、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド、細胞識別オリゴヌクレオチド、コントロール粒子オリゴヌクレオチド、コントロールオリゴヌクレオチド、相互作用決定オリゴヌクレオチドなどに会合する分子標識配列)の存在または不在を決定するために使用することができる。
【0227】
いくつかの実施形態では、各固有識別子、各核酸標的分子、および/または各結合試薬オリゴヌクレオチドについての固有分子標識配列の数は、サンプル中の各細胞成分標的(例えば、抗原標的またはタンパク質標的)および/または各核酸標的分子の量を示す。いくつかの実施形態では、細胞成分標的の量、およびその対応核酸標的分子、例えばmRNA分子の量は、互いに比較することができる。いくつかの実施形態では、細胞成分標的の量と、その対応核酸標的分子、例えばmRNA分子の量との比を計算することができる。細胞成分標的は、例えば、細胞表面タンパク質マーカーとすることができる。いくつかの実施形態では、細胞表面タンパク質マーカーのタンパク質レベルと細胞表面タンパク質マーカーのmRNAのレベルとの間の比は低い。
【0228】
本明細書に開示される方法は、様々な用途に使用することができる。例えば、本明細書に開示される方法は、サンプルのプロテオームおよび/またはトランスクリプトーム分析について使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、細胞成分標的および/またはサンプル中の核酸標的、すなわち、バイオマーカーを識別するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、細胞成分標的および核酸標的は互いに対応する、すなわち、核酸標的は細胞成分標的をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、細胞成分標的の量と、サンプル中のその対応核酸標的分子、例えばmRNA分子の量との間の所望の比を有する細胞成分標的を識別するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、比は、0.001、0.01、0.1、1、10、100、1000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値である。いくつかの実施形態では、比は、少なくとも、または最大で、0.001、0.01、0.1、1、10、100または1000である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、サンプル中のその対応核酸標的分子の量が、1000、100、10、5、2、1、0、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値である、サンプル中の細胞成分標的を識別するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、サンプル中のその対応核酸標的分子の量が、1000、100、10、5、2、1または0よりも多いか、またはそれら未満である、サンプル中の細胞成分標的を識別するために使用されることができる。
【0229】
フローサイトメトリー
いくつかの実施形態では、本方法は、対象細胞を単離、取得、および/または富化することを含む。対象細胞を単離、取得、および/または富化することは、米国特許出願公開番号2016/0244828に記載されており、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、本方法は、対象細胞を単離、取得、および/または富化することを、フローサイトメーターを用いてまたはフローサイトメトリックに実施することができる。いくつかの実施形態では、フローサイトメーターは、蛍光活性化細胞選別を利用する。
【0230】
フローサイトメトリーは、細胞の分析および単離について価値がある方法である。そのように、それは広範囲の診断および治療用途を有する。フローサイトメトリーは、流体流を利用して、検出装置を介して単一のファイルをそれらが通過することができるように細胞を直線的に分離する。個々の細胞は、流体流中のそれらの位置および検出可能なマーカーまたは部分(例えば、細胞成分結合試薬に会合するオリゴヌクレオチド上の発蛍光団)の存在によって区別することができる。少なくとも1つのレーザがレーザビームをチャネル内の集束点に向ける、集束インタロゲーション点を通って細胞が流れる。細胞を含むサンプル流体は、非常に高い容積速度でシース流体をサンプル流の周りに流すことによって、非常に小さいコア直径に流体力学的に集束される。小さいコア直径は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200マイクロメートル、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲よりも小さくすることができる。シース流体の容積速度は、サンプルの容積速度の、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000倍のオーダー、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲とすることができる。これは、1秒当たり数メートルのオーダーの、集束細胞についての非常に速い線速度を結果として生じる。したがって、各細胞は、励起スポットにおいて非常に限られた時間、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100マイクロ秒、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲よりも小さい時間を費やす。一旦、細胞が細胞のインタロゲーション点を通過すると、線流速は逆にできないので、細胞は再びインタロゲーション点にリダイレクトすることができない。
【0231】
フローサイトメーターは、光散乱および蛍光のような光学パラメータに基づいて細胞の特徴付けを可能にする分析ツールである。フローサイトメーターにおいて、流体懸濁液中の細胞は、細胞が、典型的には1つ以上のレーザからの励起光に暴露される検出領域のそばを通過し、細胞の光散乱および蛍光特性が測定される。細胞またはその成分は、典型的には、検出を容易にするために蛍光色素で標識される。異なる細胞または成分を標識するためにスペクトル的に異なる蛍光色素を使用することによって、多数の異なる細胞または成分を同時に検出することができる。いくつかの実装態様では、多数の光検出器、測定される散乱パラメータの各々について1つ、および検出されるべき別個の色素の各々について1つが、分析器に含まれる。得られたデータは、光散乱パラメータおよび蛍光放射の各々について測定されたシグナルを含む。
【0232】
生物学的細胞の単離は、フローサイトメーターに分類または収集能力を加えることによって達成されている。1つ以上の所望の特性を有するとして検出された、分離された流れにおける細胞は、機械的または電気的除去によって、サンプル流から個々に分離される。このフロー選別方法は、異なるタイプの細胞を選別し、育種のためのXおよびY染色体を担持した精子を分離し、遺伝子分析についての染色体を選別し、特定の生物を複雑な生物学的集団から単離するために使用されてきた。
【0233】
一般的なフロー選別技術は、直線的に分離された細胞を含む流体流がドロップに分解されて、対象細胞を含むドロップが電気的に帯電され、電場を通過することによって収集管に偏向されるドロップ選別を利用する。ドロップ選別システムは、約100、500、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7500、10000、20000、30000、40000、50000、60000、75000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、750000、1000000ドロップ/秒、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲の速度で、1000、750、600、500、400、300、200、100、75、60、50、40、30、20、10、5、2、1マイクロメートル、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲未満の直径を有するノズルを通過する流体流において、ドロップを形成することができる。ドロップ選別は、ドロップがノズル先端から一定の距離で流れから遮断されることを必要とする。距離は通常、ノズル先端から数ミリメートルのオーダーであり、所定周波数でノズル先端を振動させることによって、摂動されていない流体流について維持されることができる。
【0234】
流れ中の直線的に分離された細胞は、それらがノズル先端のすぐ下に配置された観察点を通過するときに特徴付けられることができる。一旦、細胞が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、75、100、200、300、400、500、600、750の基準、または、これらの値のうちの任意の2つの間の数または範囲、または1000超の基準を満たすと識別されると、それがドロップ遮断点に到達し、ドロップ中の流れから遮断される時間を予測することができる。ことによると、選択された細胞を含むドロップが流れから遮断される直前に、流体流に短時間の電荷が適用され、そして、ドロップが遮断された直後に接地される。選別されるドロップは、それが流体流から遮断されるときに電荷を維持し、他のすべてのドロップは帯電していないままである。帯電ドロップは、電界によって他のドロップの下向き軌道から横方向に偏向され、サンプル管に収集される。帯電していないドロップは直接、ドレインに落下する。
【0235】
サイトメーターは、測定されたデータを記録し、データを分析するための手段をさらに含むことができる。例えば、データ記憶および分析は、検出エレクトロニクスに接続されたコンピュータを使用して実行することができる。例えば、各行が1つのセルのデータに対応し、列が測定されたパラメータの各々に対応する、表形式でデータを記憶することができる。フローサイトメーターからのデータを記憶するための標準的なファイルフォーマット、例えば、「FCS」ファイルフォーマットの使用は、別々のプログラムおよび/または機械を使用してデータを分析することを容易にする。現在の分析方法を使用して、データは典型的には視覚化の容易さのために二次元(2D)プロットで表示されるが、多次元データを可視化するために他の方法を使用することができる。
【0236】
フローサイトメーターを使用して測定されるパラメータは、典型的には、前方散乱(「FSC」)と呼ばれる、主に前方方向に沿って細胞によって散乱される励起光、側方散乱(「SSC」)と呼ばれる、主に横方向に細胞によって散乱される励起光、および、FL1、FL2などと呼ばれるスペクトルの1つ以上のチャネル(周波数範囲)における、またはそのチャネルで主に検出される蛍光色素によって、蛍光分子から放出された光を含む。異なる細胞型は、種々の細胞タンパク質を色素標識化抗体で標識することに起因する散乱パラメータおよび蛍光放射によって識別することができる。
【0237】
蛍光活性化細胞選別は、特殊なタイプのフローサイトメトリーである。それは、各細胞の特定の光散乱および蛍光特性に基づいて、細胞の不均一な混合物を、一度に1つの細胞ずつ、マイクロタイタープレートの2つ以上の容器またはウェルに選別するための方法を提供する。それは、個々の細胞からの蛍光シグナルを記録し、特に特定の対象細胞を物理的に分離する。頭字語FACSは、Becton Dickinsonによる商標であり、所有されている。
【0238】
細胞懸濁液は、液体の狭くて急速に流れる流れの中心付近に配置される。流れは、平均(ポアソン分布)に基づいて、それらの直径に関して細胞間に大きな分離が存在するように配置される。振動機構は、細胞の流れを個々のドロップレットに分解させる。このシステムは、1つ超の細胞がドロップレット中に存在する確率が低いように調節される。流れがドロップレットに分解される直前に、フローは1つ以上のレーザ交差を通過し、ここで各セルの対象蛍光特性が測定される。細胞が収集される場合、1つ以上のドロップが形成されて流れから遮断される期間中に、フローセルに電荷が適用される。そして、これらの帯電ドロップレットは、ドロップレットに適用された電荷に基づいてドロップレットを標的容器に発散させる静電偏向システムを通って落下する。
【0239】
図8は、細胞選別に使用するために適している選別装置、例えばフローサイトメーターの一例の機能ブロック図である。図8に示す選別装置は、ストリームインエア選別システムと呼ぶことができる。サンプル流802中の細胞が示されている。サンプル流802は、ノズル806のオリフィス804を通過する。サンプル流802は、ノズル806から出ると、ジェット808を形成する。レーザビーム810は、レーザ811によって生成され、ジェット808に含まれる可能性がある細胞を照射する。光は検出ステーション812によって検出されて、マルチパラメータ事象データ点を生成するように処理される複数の信号を生成する。生成されたイベントデータは、サンプル挙動アナライザに提供することができる。提供は、直接に、通信仲介(例えば、ネットワーク/クラウド)を介して、メモリを介して、またはハイブリッド構成を介して行うことができる。
【0240】
複数の信号の値に基づいて、ジェット808を出るドロップレットの前に、それらは正に帯電されるか、負に帯電されるか、または中性のままである。いくつかのドロップレットは、ドロップレット830によって示されるように、サンプルの細胞を含み、一方、他のドロップレットは、ドロップレット840によって示されるように、サンプルの細胞を含まない。ドロップレットは、偏向場814を通過する。偏向場814は、2つの反対に帯電された偏向プレート816aおよび816bを含む。偏向プレート816aおよび816bは、ジェット808内の帯電ドロップレットをそれらのそれぞれの収集容器818a、818bまたは818cに操舵するように構成されている。図示のように、容器818bは、正の偏向プレート816aが負に帯電したドロップレットを誘引するので、負に帯電したドロップレットを収集する。同様に、容器818cは、負に帯電した偏向プレート816bが正に帯電したドロップレットを誘引するので、正に帯電したドロップレットを収集する。各収集容器は、マイクロタイタープレートまたはマイクロタイタープレートのウェルとすることができる。
【0241】
1つの収集方式では、フローシステムはすべての対象細胞を、それらの信号の値に基づいてそれらが検出ステーション812を通過するときに識別し、そして、対象細胞がドロップレットとしてジェット808を出る瞬間にジェット808を荷電状態または中性にする。このようにして、対象細胞は、同じ電荷を有するようにされる。これは、多層プレートの同じまたは異なるウェルを含む、同じ収集容器内の細胞の収集を可能にする。
【0242】
細胞選別に使用するために適した図8に示された選別装置の非限定的な例としては、BD FACSJazz(商標)セルソーター、BD FACSseq(商標)セルソーター、またはBio-Rad Laboratories、Inc (Hercules、CA)S3e(商標)セルソーター、Sony Biotechnology Inc.(San Jose、CA)SH800セルソーター、Beckman Coulter Inc.(Brea、CA)MoFlo(商標)XDPセルソーターなどが挙げられる。
【0243】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞選別のために細胞表面マーカーのタグ付けおよび染色を利用する。いくつかの実施形態では、本方法は、非対象細胞、干渉細胞、およびデブリの磁気ディプリーションについての細胞表面マーカーのタグ付けを利用する。いくつかの実施形態では、本方法は、取得された配列情報に基づいて、患者の遺伝子型を決定することと、取得された配列情報に基づいて、患者の表現型を決定することと、配列情報に基づいて、患者の1つ以上の遺伝子変異を決定することと、1つ以上の疾患に対する患者の感受性を予測することとのうちの1つ以上を含む。1つ以上の疾患のうちの少なくとも1つは、癌または遺伝性疾患である。
【0244】
FACSは、検出可能な細胞マーカーを標的とする抗体を用いて細胞表面マーカーのタグ付けおよび染色に基づいて細胞を選別することができる。抗体は、発蛍光団に結合されたモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を含む。検出可能な細胞マーカーは、対象細胞上の細胞表面マーカーを含む。いくつかの実施形態では、磁気ディプリーションは、非対象細胞、干渉細胞、および/またはデブリを標的とするそれらの表面にコンジュゲートされたモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を含む抗体を有する磁気ビーズでの細胞表面マーカーのタグ付けに基づくことができる。細胞表面マーカーの非限定的な例には、CD表面マーカー、成長因子/サイトカイン、ケモカイン受容体、核受容体、および他の受容体が含まれる。細胞表面マーカーの例には、ALCAM;CD166;ASGR1;BCAM;BSG;CD147;CD14;CD19;CD2;CD200;CD127 BV421;CD25 BB515;CD161 PE;CD45RA PerCP-Cy(商標)5.5;CD15S AF647;CD4 APC-H;CD4;CD25;CD127;CD45RA;CD15S;CD161;CD3;EpCAM;CD44;およびHer2/Neuが含まれるが、これらに限定されない。成長因子/サイトカイン、ケモカイン受容体の例には、ACVR 1B;ALK4;ACVR2A;ACVR2B;BMPR1A;BMPR2;CSF1R;MCSFR;CSF2RB;EGFR;EPHA2;EPHA4;EPHB2;EPHB4;およびERBB2が含まれる。核受容体の例には、アンドロゲン受容体;CAR;ER Alpha;ER Beta;ESRRA;ESRRB;ESRRG;FXR;グルココルチコイド受容体;LXR-a;LXR-b;PPARA;PPARD;PPARG;PXR;SXR;エストロゲン受容体Beta;プロゲステロン受容体;RARA;RARB;RARG;RORA;RXRA;RXRB;THRA;THRB;およびビタミンD3受容体が含まれる。他の受容体の例としては、AGER;APP;CLEC12A;MICL;CTLA4;FOLR1;FZD1;FRIZZLED-1;KLRB1A;LRPAP1;NCR3;NKP30;OLR1;PROCR;PTPN1;SOX9;SCARB2;TACSTD2;TREM1;TREM2;TREML1;およびVDRが挙げられる。
【0245】
分割
いくつかの実施形態では、複数の細胞を分割することは、複数の細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞と、バーコーディング粒子を含む複数のバーコーディング粒子とを複数のパーティションに分割することを含み、複数のパーティションのうちのパーティションは、細胞成分結合試薬およびバーコーディング粒子に会合する複数の細胞からの単一細胞を含む。いくつかの実施形態では、方法は、バーコードを伸長する前に、細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を複数のパーティションに分割することを含み、ここで、複数のパーティションのうちのパーティションは、細胞成分結合試薬に会合する細胞からの単一細胞を含み、方法は、単一細胞を含むパーティションにおいて、バーコーディング粒子を細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと接触させることを含み、ここで、バーコーディング粒子は、複数のバーコードを含み、複数のバーコードのうちの2つのバーコードは、異なる分子標識配列を含む。パーティションは、単一細胞組成を提供し、マイクロウェル、ドロップレット等のような多くの異なる方法で定義され得る。いくつかの実施形態では、複数のバーコードのうちの少なくとも1つのバーコードが、粒子上に固定化され、粒子上に部分的に固定化され、粒子内に封入され、粒子内に部分的に封入されるか、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子は破壊可能である。いくつかの実施形態では、粒子はビーズを含む。いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子は、固体ビーズ、半透過性ビーズ、ヒドロゲルビーズ、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、パーティションはウェルまたはドロップレットである。
【0246】
次世代シーケンシング
特定の実施形態では、提供される方法は、調製された発現ライブラリーをNGSプロトコルに供することをさらに含む。プロトコルは、任意の適切なNGSシーケンシングプラットフォーム上で実施され得る。対象NGSシーケンシングプラットフォームは、これらに限定されるものではないが、Illumina(登録商標)(例えば、HiSeq(商標)、MiSeq(商標)および/またはNextSeq(商標)シーケンシングシステム);Ion Torrent(商標)(例えば、Ion PGM(商標)および/またはIon Proton(商標)シーケンシングシステム);Pacific Biosciences(例えば、PACBIO RS II Sequelシーケンシングシステム);Life Technologies(商標)(例えば、SOLiDシーケンシングシステム);Oxford Nanopore(例えば、Minion)、Roche(例えば、454GS FLX+および/またはGS Juniorシーケンシングシステム);または任意の他の対象シーケンシングプラットフォームを含む。NGSプロトコルは、採用される特定のNGSシーケンシングシステムに依存して様々である。例えば、さらなる増幅(例えば、固相増幅)、アンプリコンのシーケンシング、およびシーケンシングデータの分析を含み得る、シーケンシングについての詳細なプロトコルは、採用されるNGSシーケンシングシステムの製造業者から入手可能である。
【0247】
細胞膜透過性
いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬のうちの少なくとも1つは、細胞膜透過性細胞成分結合試薬を含み、複数の細胞成分結合試薬を複数の細胞と接触させることは、細胞膜透過性細胞成分結合試薬を複数の細胞と接触させることを含み、これにより、細胞膜透過性細胞成分結合試薬は、複数の細胞のうちの細胞中に内在化される。細胞膜透過性細胞成分結合試薬(例えば、バーコード付き抗体)およびそれらの使用(例えば、細胞のサンプルインデクシング)は、米国仮特許出願番号62/723,958に記載されており、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0248】
いくつかの実施形態では、細胞膜透過性細胞成分結合試薬は、細胞中に内在化される。細胞膜透過性細胞成分結合試薬は、細胞の細胞膜を介して拡散することによって細胞内に内在化することができる。本方法は、細胞の細胞膜を透過させることを含むことができる。細胞の細胞膜を透過化することは、洗剤を使用して細胞の細胞膜を透過化することを含むことができる。細胞膜透過性試薬は、1つ以上の細胞の1つ以上の膜輸送体タンパク質を介して細胞中に内在化されることができる。
【0249】
いくつかの実施形態では、細胞膜透過性試薬は、1つ以上の細胞の細胞膜に会合する。例えば、細胞膜透過性試薬は、細胞膜に挿入することができる脂質(または疎水性分子)とすることができる。
【0250】
いくつかの実施形態では、細胞膜透過性細胞成分結合試薬は、有機分子、ペプチド、脂質、またはそれらの組み合わせを含む。有機分子は、細胞膜透過性有機分子を含むことができる。有機分子は、色素を含むことができる。有機分子は、蛍光色素を含むことができる。有機分子は、環構造を含むことができる。環構造は、例えば、5~50個の炭素原子を含むことができる。有機分子は、炭素鎖を含むことができる。脂質は、炭素鎖を含むことができる。炭素鎖は、例えば、5~50個の炭素原子を含むことができる。有機分子は、1つ以上の細胞に内在化された後、第2の有機分子に変換することができる。有機分子は、アセトキシメチルカルセイン(カルセインAM)とすることができ、第2の有機分子はカルセインである。
【0251】
環構造は、異なる実施形態において異なる数の炭素原子を有することができる。いくつかの実施形態では、環構造中の炭素原子の数は、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、環構造中の炭素原子の数は、少なくとも、または最大で、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または、50とすることができる。
【0252】
炭素鎖(例えば、有機分子または脂質の)は、異なる実施形態において異なる数の炭素原子を有することができる。いくつかの実施形態では、炭素鎖中の炭素原子の数は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、炭素鎖中の炭素原子の数は、少なくとも、または最大で、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50とすることができる。
【0253】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、細胞膜透過性ペプチドを含むことができる。ペプチドは、例えば、長さが5~30アミノ酸であることができる。ペプチドの長さは、異なる実施形態において異なることができる。いくつかの実施形態では、ペプチドの長さは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、ペプチドの長さは、少なくとも、または最大で、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、60、70、80、90、または100とすることができる。細胞膜透過性試薬は、1つ以上の細胞の細胞膜に挿入することができる。細胞膜透過性試薬は、脂質を含むことができる。
【0254】
検出可能部分
いくつかの実施形態では、検出可能部分は、光学部分、発光部分、電気化学的に活性な部分、ナノ粒子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、発光部分は、化学発光部分、エレクトロルミネッセンス部分、フォトルミネッセンス部分、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、フォトルミネッセンス部分は、蛍光部分、燐光部分、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、蛍光部分は蛍光色素を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は量子ドットを含む。いくつかの実施形態では、方法は、検出可能部分前駆体を検出可能部分に変換するための反応を実行することを含む。いくつかの実施形態では、検出可能部分前駆体を検出可能部分に変換するための反応を実行することは、検出可能部分前駆体を基板と接触させることを含む。いくつかのこのような実施形態では、検出可能部分前駆体を基板と接触させることは、2つの分子間の反応の検出可能な副産物を生じる。
【0255】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに固有である。いくつかの実施形態では、2つの細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分は同一である。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、第2の検出可能部分を含む。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの第2の検出可能部分は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに固有である。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分および第2の検出可能部分の組み合わせは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに固有である。いくつかの実施形態では、第1の検出可能部分および第2の検出可能部分は、スペクトル的に別個の光学部分である。スペクトル的に別個の光学部分は、それらの発光スペクトルが重複し得る場合であっても、識別可能な発光スペクトルを有する光学部分を含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、検出可能な標識、部分、またはマーカーは、例えば、蛍光発光、吸光度、蛍光偏光、蛍光寿命、蛍光波長、吸収波長、ストークスシフト、光散乱、質量、分子量、レドックス、音響、ラマン、磁気、無線周波数、酵素反応(化学発光および電気化学発光を含む)またはそれらの組み合わせに基づいて検出可能とすることができる。例えば、標識は、発蛍光団、発色団、酵素、酵素基板、触媒、レドックス標識、無線標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ(例えば、同位体的に純粋な希土類元素)、磁性粒子、マイクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、標識は、発蛍光団(すなわち、蛍光標識、蛍光色素など)である。対象発蛍光団は、分析用途(例えば、フローサイトメトリー、画像化など)での使用に適した色素、例えばアクリジン色素、アントラキノン色素、アリールメタン色素、ジアリールメタン色素(例えば、ジフェニルメタン色素)、クロロフィル含有色素、トリアリールメタン色素(例えば、トリフェニルメタン色素)、アゾ色素、ジアゾニウム色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、フタロシアニン色素、シアニン色素、非対称シアニン色素、キノンイミン色素、アジン色素、ユーロジン色素、サフラニン色素、インダミン、インドフェノール色素、フッ素色素、オキサジン色素、オキサゾン色素、チアジン色素、チアゾール色素、キサンテン色素、フルオレン色素、ピロニン色素、フッ素色素、ローダミン色素、フェナントリジン色素、ならびに、前述の色素の2つ以上を組み合わせた色素(タンデムで)、1つ以上の単量体色素単位を有するポリマー色素、2つ以上の前述の色素の混合物を含み得るが、これらに限定されない。多数の色素は、種々の供給源、例えばMolecular Probes(Eugene、OR)、Dyomics GmbH(Jena、Germany)、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)、Sirigen、Inc.(Santa Barbara、CA)およびExciton(Dayton、OH)から市販されている。例えば、発蛍光団は、4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;アクリジンおよび誘導体(例えばアクリジン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、アクリジンレッド、およびアクリジンイソチオシアネート);アロフィコシアニン、フィコエリトリン、ペリジニン-クロロフィルタンパク質、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド-3,5ジスルホネート(ルシファーイエローVS);N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;ブリリアントイエロー;クマリンおよび誘導体(例えばクマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクルアリン(クマラン151));シアニンおよび誘導体(例えばシアノシン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7);4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5”-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチルアミノクマリン;ジエチレントリアミンペンタアセテート;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド);4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシンおよび誘導体(例えばエオシンおよびエオシンイソチオシアネート);エリスロシンおよび誘導体(例えばエリスロシンBおよびエリスロシンイソチオシアネート);エチジウム;フルオレセインおよび誘導体(例えば、5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、およびQFITC(XRITC);フルオレサミン;IR144;IR1446;緑色蛍光タンパク質(GFP);リーフコーラル蛍光タンパク質(RCFP);リサミン(商標);リサミンローダミン、ルシファーイエロー;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラロサニリン;ナイルレッド;オレゴングリーン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレンおよび誘導体(例えばピレン、ピレン酪酸塩およびスクシンイミジル1-ピレン酪酸塩);反応性レッド4(Cibacron(商標)ブリリアントレッド(3B-A);ローダミンおよび誘導体(例えば、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、4,7-ジクロロローダミンリサミン、ローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(テキサスレッド)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、およびテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC);リボフラビン;ロソル酸およびテルビウムキレート誘導体;キサンテン;フルオレセインイソチオシアネート-デキストランのような色素コンジュゲートポリマー(すなわち、ポリマー結合色素)、ならびに、2つ以上の色素を組み合わせた色素(例えば、タンデムに)、1つ以上の単量体色素単位を有するポリマー色素、および、上記色素またはこれらの組み合わせの2つ以上の混合物を含み得る。
【0257】
検出可能部分は、スペクトル的に別個の検出可能部分の群から選択することができる。スペクトル的に別個の検出可能部分は、それらの発光スペクトルが重複し得る場合であっても、識別可能な発光スペクトルを有する検出可能部分を含む。検出可能部分の非限定的な例としては、キサンテン誘導体:フルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシン、およびテキサスレッド;シアニン誘導体:シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、およびメロシアニン;Seta、SeTau、およびSquare色素を含むスクアライン誘導体および環置換スクアライン;ナフタレン誘導体(ダンシルおよびプロダン誘導体);クマリン誘導体;オキサジアゾール誘導体:ピリジルオキサゾール、ニトロベンゾキサジアゾールおよびベンゾキサジアゾール;アントラセン誘導体:DRAQ5、DRAQ7、およびCyTRAKオレンジを含むアントラキノン;ピレン誘導体:カスケードブルー;オキサジン誘導体:ナイルレッド、ナイルブルー、クレジルバイオレット、オキサジン170;アクリジン誘導体:プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー;アリールメチン誘導体:オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン;およびテトラピロール誘導体:ポルフィン、フタロシアニン、ビリルビンが挙げられる。検出可能部分の他の非限定的な例としては、ヒドロキシクマリン、アミノクマリン、メトキシクマリン、カスケードブルー、パシフィックブルー、パシフィックオレンジ、ルシファーイエロー、NBD、R-フィコエリトリン(PE)、PE-Cy5コンジュゲート、PE-Cy7コンジュゲート、Red613、PerCP、TruRed、FluorX、フルオレセイン、BODIPY-FL、Cy2、Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、TRITC、X-ローダミン、リサミンローダミンB、テキサスレッド、アロフィコシアニン(APC)、APC-Cy7コンジュゲート、Hoechst33342、DAPI、Hoechst33258、SYTOXブルー、クロママイシンA3、ミスラマイシン、YOYO-1、エチジウムブロマイド、アクリジンオレンジ、SYTOXグリーン、TOTO-1、TO-PRO-1、TO-PRO:シアニンモノマー、チアゾールオレンジ、CyTRAKオレンジ、ヨウ化プロピジウム(PI)、LDS751、7-AAD、SYTOXオレンジ、TOTO-3、TO-PRO-3、DRAQ5、DRAQ7、Indo-1、Fluo-3、Fluo-4、DCFH、DHR、およびSNARFが挙げられる。
【0258】
いくつかの実施形態では、対象発蛍光団は、分析用途(例えば、フローサイトメトリー、画像化など)での使用に適した色素、例えばアクリジン色素、アントラキノン色素、アリールメタン色素、ジアリールメタン色素(例えば、ジフェニルメタン色素)、クロロフィル含有色素、トリアリールメタン色素(例えば、トリフェニルメタン色素)、アゾ色素、ジアゾニウム色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、フタロシアニン色素、シアニン色素、非対称シアニン色素、キノンイミン色素、アジン色素、ユーロジン色素、サフラニン色素、インダミン、インドフェノール色素、フッ素色素、オキサジン色素、オキサゾン色素、チアジン色素、チアゾール色素、キサンテン色素、フルオレン色素、ピロニン色素、フッ素色素、ローダミン色素、フェナントリジン色素、ならびに、2つ以上の色素を組み合わせた色素(タンデムで)、ならびに、1つ以上の単量体色素単位を有するポリマー色素、ならびに、2つ以上のその色素の混合物を含み得るが、これらに限定されない。例えば、発蛍光団は、4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;アクリジンおよび誘導体(例えばアクリジン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、アクリジンレッド、およびアクリジンイソチオシアネート);アロフィコシアニン、フィコエリトリン、ペリジニン-クロロフィルタンパク質、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド-3,5ジスルホネート(ルシファーイエローVS);N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;ブリリアントイエロー;クマリンおよび誘導体(例えばクマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクルアリン(クマラン151));シアニンおよび誘導体(例えばシアノシン、Cy3、Cy5、Cy5.5およびCy7);4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5”-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチルアミノクマリン;ジエチレントリアミンペンタアセテート;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド);4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシンおよび誘導体(例えばエオシンおよびエオシンイソチオシアネート);エリスロシンおよび誘導体(例えばエリスロシンBおよびエリスロシンイソチオシアネート);エチジウム;フルオレセインおよび誘導体(例えば、5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、およびQFITC(XRITC);フルオレサミン;IR144;IR1446;緑色蛍光タンパク質(GFP);リーフコーラル蛍光タンパク質(RCFP);リサミン(商標);リサミンローダミン、ルシファーイエロー;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラロサニリン;ナイルレッド;オレゴングリーン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレンおよび誘導体(例えばピレン、ピレン酪酸塩およびスクシンイミジル1-ピレン酪酸塩);反応性レッド4(Cibacron(商標)ブリリアントレッド3B-A);ローダミンおよび誘導体(例えば、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、4,7-ジクロロローダミンリサミン、ローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(テキサスレッド)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、およびテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC);リボフラビン;ロソル酸およびテルビウムキレート誘導体;キサンテン;フルオレセインイソチオシアネート-デキストランのような色素コンジュゲートポリマー(すなわち、ポリマー結合色素)、ならびに、2つ以上の前述の色素を組み合わせた色素(例えば、タンデムで)、1つ以上の単量体色素単位を有するポリマー色素、および、その上記色素の2つ以上の混合物であり得る。
【0259】
スペクトル的に別個の検出可能部分の群は、例えば、5つの異なる発蛍光団、5つの異なる発色団、5つの発蛍光団および発色団の組み合わせ、4つの異なる発蛍光団および非発蛍光団の組み合わせ、4つの発色団および非発色団の組み合わせ、または4つの発蛍光団および発色団および非発蛍光団および非発色団の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、検出可能部分は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲のうちの、1つのスペクトル的に別個の部分とすることができる。
【0260】
検出可能部分の励起波長は、様々であり、例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000ナノメートル、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。検出可能部分の発光波長も、様々であり、例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000ナノメートル、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。
【0261】
検出可能部分の分子量は、様々であり、例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000ダルトン(Da)、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。検出可能部分の分子量は、様々であり、例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000キロダルトン(kDa)、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。
【0262】
いくつかの例では、発蛍光団(すなわち、色素)は、蛍光ポリマー色素である。本主題の方法およびシステムに使用が見出される蛍光ポリマー色素は、様々とすることができる。本方法のいくつかの例では、ポリマー色素は、コンジュゲートポリマーを含む。
【0263】
コンジュゲートポリマー(CP)は、交互の不飽和結合(例えば、二重結合および/または三重結合)および飽和結合(例えば、単結合)のバックボーンを含む非局在化電子構造を特徴とし、π電子が一方の結合から他方の結合へ移動することができる。このようにして、コンジュゲートバックボーンは、ポリマーの繰り返し単位間の結合角が制限された、ポリマー色素上に伸長線状構造を付与し得る。例えば、タンパク質および核酸もまた、ポリマーであるが、いくつかの例では、伸長ロッド構造を形成せず、むしろ高次の三次元形状に折り畳まれる。さらに、CPは、「剛性ロッド」ポリマーバックボーンを形成し、ポリマーバックボーン鎖に沿ったモノマー反復単位間の限定されたツイスト(例えば、ねじれ)角度を経験し得る。いくつかの例では、ポリマー色素は、剛性ロッド構造を有するCPを含む。上記に要約されるように、ポリマー色素の構造特性は、分子の蛍光特性に影響を及ぼすことができる。
【0264】
本主題の方法およびシステムにおいて、任意の好都合なポリマー色素が使用され得る。いくつかの例では、ポリマー色素は、発蛍光団の蛍光出力を増幅するために光を収穫することができる構造を有する多発色団である。いくつかの例では、ポリマー色素は、光を収穫し、それをより長い波長で効率的に放出光に変換することができる。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、近くの発光種(例えば「シグナリング発色団」)にエネルギーを効率的に移動させることができる光収穫多発色団系を有する。エネルギー移動についての機構としては、例えば、共振エネルギー移動(例えば、フォルスター(または蛍光)共鳴エネルギー移動、FRET)、量子電荷交換(デクスターエネルギー移動)などが挙げられる。いくつかの例では、これらのエネルギー移動機構は比較的、短い範囲であり、すなわち、光収穫多発色団系のシグナリング発色団への近接は、効率的なエネルギー移動を提供する。効率的なエネルギー移動の条件の下では、シグナリング発色団からの発光の増幅は、光収穫多発色団系における個々の発色団の数が多いときに起こり、すなわち、シグナリング発色団が励起光によって直接、励起される場合よりも、入射光(「励起光」)が光収穫多発色団系によって吸収される波長である場合に、シグナリング発色団からの発光がより強くなる。
【0265】
多発色団は、コンジュゲートポリマーであり得る。コンジュゲートポリマー(CP)は、非局在化された電子構造によって特徴付けられ、化学的および生物学的標的についての非常に応答性が高い光学的レポーターとして使用することができる。有効コンジュゲート長はポリマー鎖の長さよりも実質的に短いので、バックボーンは非常に近接した多数のコンジュゲートセグメントを含む。したがって、コンジュゲートポリマーは、光収穫について効率的であり、エネルギー移動による光増幅を可能にする。
【0266】
いくつかの例では、ポリマーは、直接蛍光レポーター、例えば、高い吸光係数、高い輝度などを有する蛍光ポリマーとして使用され得る。いくつかの例では、ポリマーは、色または光学濃度がインジケータとして使用される強発色団として使用され得る。
【0267】
対象ポリマー色素としては、限定するものではないが、その開示内容がその全体において本明細書に組み込まれる、Gaylordらによる米国特許出願公開番号20040142344、20080293164、20080064042、20100136702、20110256549、20120028828、20120252986、20130190193、および20160025735、および、その開示内容がその全体において本明細書に組み込まれる、Gaylordら、J.Am.Chem.Soc.、2001、123(26)、pp6417-6418;Fengら、Chem.Soc.Rev.、2010、39、2411-2419;およびTrainaら、J.Am.Chem.Soc.、2011、133(32)、pp12600-12607に記載されている、それらの色素が挙げられる。
【0268】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、コンジュゲート系を形成する複数の第1の光学活性単位を含み、第1の吸収波長(例えば、本明細書に記載のような)を有し、第1の光学活性単位が光を吸収して励起状態を形成するコンジュゲートポリマーを含む。コンジュゲートポリマー(CP)は、ポリカチオン性、ポリアニオン性および/または電荷-中性コンジュゲートポリマーであり得る。
【0269】
CPは、生物学的サンプルにおいて使用するために水溶性であり得る。任意の好都合な置換基は、親水性置換基(例えば、親水性ポリマー)または荷電置換基(例えば、水溶液中で、例えば、生理学的条件下で正または負に帯電される基)のように、増加した水溶性を提供するために、ポリマー色素に含まれ得る。任意の好都合な水溶性基(WSG)は、本主題の光収穫用多発色団に利用され得る。用語「水溶性基」とは、水性環境において良好に溶媒和され、それが取り付けられる分子に対して改良された水溶性を与える官能基を意味する。いくつかの実施形態では、WSGは、WSGを欠いている多発色団と比較して、主に水溶液(例えば、本明細書に記載のような)中の多発色団の溶解度を増加させる。水溶性基は、水性環境において良好に溶媒和される任意の好都合な親水性基であり得る。いくつかの実施形態では、親水性水溶性基は、例えば正または負に帯電され、または双性イオンである。いくつかの実施形態では、親水性水溶性基は中性親水性基である。いくつかの実施形態では、WSGは、親水性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、セルロース、キトサン、またはそれらの誘導体である。
【0270】
本明細書で使用する場合、用語「ポリエチレンオキシド」、「PEO」、「ポリエチレングリコール」および「PEG」は、互換的に使用され、式-(CH2-CH2-O-)n-またはその誘導体によって記載される鎖を含むポリマーを指す。いくつかの実施形態では、「n」は5000以下、例えば1000以下、500以下、200以下、100以下、50以下、40以下、30以下、20以下、15以下、例えば5~15、または10~15である。PEGポリマーは、任意の好都合な長さであり得、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アシル、アシルオキシ、およびアミド末端基を含むがこれらに限定されない様々な末端基を含み得ることが理解される。本主題の多発色団において使用するように適合され得る機能的PEGには、S.Zalipsky「生物学的に関連するコンジュゲートの調製のための官能化ポリ(エチレングリコール)」、Bioconjugate Chemistry 1995、6(2)、150-165に記載されているそれらのPEGが含まれる。対象水溶性基としては、カルボン酸塩、ホスホネート、リン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、スルフィネート、エステル、ポリエチレングリコール(PEG)および変性PEG、ヒドロキシル、アミン、アンモニウム、グアニジニウム、ポリアミンおよびスルホニウム、ポリアルコール、直鎖または環状糖類、第1級、第2級、第3級、または第4級アミンおよびポリアミン、ホスホネート基、ホスフィン酸基、アスコルビン酸基、グリコール、例えばポリエーテル、-COOM’、-SO3M’、-PO3M’、-NR3+、Y’、(CH2CH2O)pRおよびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されず、ここで、Y’は、任意のハロゲン、硫酸塩、スルホネート、または酸素含有アニオンとすることができ、pは、1~500とすることができ、各Rは、独立してHまたはアルキル(例えば、メチル)とすることができ、M’は、カチオン性対イオンまたは水素、-(CH2CH2O)yyCH2CH2XRyy、-(CH2CH2O)yyCH2CH2X-、-X(CH2CH2O)yyCH2CH2-、グリコール、およびポリエチレングリコールとすることができ、ここで、yyは、1~1000から選択され、Xは、O、S、およびNRZZから選択され、RZZおよびRYYは独立して、HおよびC1~3アルキルから選択される。
【0271】
ポリマー色素は、任意の好都合な長さを有し得る。いくつかの実施形態では、ポリマー色素のモノマー反復単位またはセグメントの特定の数は、2~100,000、2~30,000、2~10,000、2~3,000または2~1,000単位またはセグメント、または100~100,000、200~100,000、または500~50,000単位またはセグメントのような2~500,000の範囲内にあり得る。いくつかの実施形態では、ポリマー色素のモノマー反復単位またはセグメントの数は、例えば2~750単位またはセグメント、例えば2~500単位またはセグメント、例えば2~250単位またはセグメント、例えば2~150単位またはセグメント、例えば、2~100単位またはセグメント、例えば2~75単位またはセグメント、例えば2~50単位またはセグメント、例えば2~25単位またはセグメントのような、2~1000単位またはセグメントの範囲内にある。
【0272】
ポリマー色素は、任意の好都合な分子量(MW)のものであり得る。いくつかの実施形態では、ポリマー色素のMWは、平均分子量として表され得る。いくつかの例では、ポリマー色素は、500~500,000、例えば1,000~100,000、2,000~100,000、または10,000~100,000の平均分子量を有するか、または50,000~100,000もの平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、70,000の平均分子量を有する。
【0273】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は以下の構造を含む。
【0274】
【化1】
【0275】
式中、CP1、CP2、CP3およびCP4は、独立して、コンジュゲートポリマーセグメントまたはオリゴマー構造であり、ここで、CP1、CP2、CP3およびCP4のうちの1つ以上は、バンドギャップ修飾されたn-コンジュゲート反復単位である。
【0276】
いくつかの実施形態では、コンジュゲートポリマーは、他の種類のコンジュゲートポリマーのうち、ポリフルオレンコンジュゲートポリマー、ポリフェニレンビニレンコンジュゲートポリマー、ポリフェニレンエーテルコンジュゲートポリマー、ポリフェニレンポリマーである。
【0277】
いくつかの例では、ポリマー色素は以下の構造を含む。
【0278】
【化2】
【0279】
式中、各R1は、独立して可溶化基またはリンカー色素であり;L1およびL2は任意選択的リンカーであり;各R2は独立してHまたはアリール置換基であり;各A1およびA2は、独立して、H、アリール置換基または発蛍光団であり;G1およびG2は、それぞれ独立して、末端基、πコンジュゲートセグメント、リンカーおよび連結特異的結合部材からなる群から選択され;各nおよび各mは、独立して0、または1~10,000の整数であり;pは、1~100,000の整数である。対象可溶化基は、これらに限定されないが、親水性ポリマー(例えば、ポリアルキレンオキシド、セルロース、キトサンなど)のような水溶性官能基、ならびにポリアルキレンオキシド(例えば、2~20単位のPEGを含むポリエチルグリコール)のような親水性基でさらに置換されたアルキル、アリールおよび複素環式基、アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウムを含み、ならびに、帯電された(正に、負または双性に)親水性水溶性基等を有する。
【0280】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、ポリマーバックボーンの一部として、以下の構造のうちの1つを有するコンジュゲートセグメントを含む。
【0281】
【化3】
【0282】
式中、各R3は、独立して、親水性ポリマー(例えば、ポリアルキレンオキシド、セルロース、キトサンなど)のような水溶性官能基、または、ポリアルキレンオキシド(例えば、2~20単位のPEGを含むポリエチルグリコール)のような親水性基でさらに置換されたアルキルもしくはアリール基、アンモニウム、スルホン、ホスホニウムで任意選択的に置換され、ならびに、帯電された(正に、負または双性に)親水性水溶性基等を有し; Arは、任意選択的に置換されたアリールまたはヘテロアリール基であり;nは1~10000である。いくつかの実施形態では、R3は任意選択的に置換されたアルキル基である。いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換されたアリール基である。いくつかの実施形態では、R3は、ポリエチレングリコール、色素、化学選択性官能基または特定の結合部分で置換されている。いくつかの実施形態では、Arは、ポリエチレングリコール、色素、化学選択性官能基、または特定の結合部分で置換されている。
【0283】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は以下の構造を含む。
【0284】
【化4】
【0285】
式中、各R1は可溶化基またはリンカー色素基であり;各R2は独立してHまたはアリール置換基であり;L1およびL2は任意選択的リンカーであり;各A1およびA3は独立してH、発蛍光団、官能基または特異的結合部分(例えば、抗体)であり;nおよびmはそれぞれ独立して0~10000であり、ここでn+m>lである。
【0286】
ポリマー色素は、特定の吸収極大波長、特定の発光極大波長、吸光係数、量子収率などのような1つ以上の望ましい分光特性を有し得る(例えば、Chattopadhyay ら、「ブリリアントバイオレット発蛍光団:免疫蛍光実験についての新規なクラスの超微量蛍光化合物」Cytometry Part A、81A(6)、456-466、2012を参照)。
【0287】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、280~850nmの間の吸収曲線を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、280~850nmの範囲に吸収極大を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、280~850nmの範囲の波長を有する入射光を吸収し、対象吸収極大の具体例としては、348nm、355nm、405nm、407nm、445nm、488nm、640nmおよび652nmが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、280~31nm、305~325nm、320~350nm、340~375nm、370~425nm、400~450nm、440~500nm、475~550nm、525~625nm、625~675nmおよび650~750nmからなる群から選択される範囲に吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、348nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、355nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、405nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、407nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、445nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、488nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、640nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、652nmの吸収極大波長を有する。
【0288】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、400~850nm、例えば415~800nmの範囲である発光極大波長を有し、対象発光極大の具体例としては、これらに限定されないが、395nm、421nm、445nm、448nm、452nm、478nm、480nm、485nm、491nm、496nm、500nm、510nm、515nm、519nm、520nm、563nm、570nm、578nm、602nm、612nm、650nm、661nm、667nm、668nm、678nm、695nm、702nm、711nm、719nm、737nm、785nm、786nm、805nmである。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、380~400nm、410~430nm、470~490nm、490~510nm、500~520nm、560~580nm、570~595nm、590~610nm、610~650nm、640~660nm、650~700nm、700~720nm、710~750nm、740~780nmおよび775~795nmからなる群から選択される範囲に発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、395nmの発光極大を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は421nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は478nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は480nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は485nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は496nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は510nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は570nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は602nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は650nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は711nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は737nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は750nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は786nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は421nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は510nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は570nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は602nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は650nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は711nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は786nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は421nm、510nm、570nm、602nm、650nm、711nmおよび786nmからなる群から選択される発光極大を有する。
【0289】
いくつかの実施形態では、2×106cm-1M-1以上、2.5×106cm-1M-1以上、3×106cm-1M-1以上、4×106cm-1M-1以上、5×106cm-1M-1以上、6×106cm-1M-1以上、7×106cm-1M-1以上、または8×106cm-1M-1以上のような、1×106cm-1M-1以上の吸光係数を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.05以上、例えば0.1以上、0.15以上、0.2以上、0.25以上、0.3以上、0.35以上、0.4以上、0.45以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、0.95以上、0.99以上、0.999以上の量子収率を有する。例えば、対象ポリマー色素の量子収率は、例えば0.1~0.95、例えば0.15~0.9、例えば0.2~0.85、例えば0.25~0.75、例えば0.3~0.7、および0.4~0.6の量子収率を含む、0.05~1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.1以上の量子収率を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.3以上の量子収率を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.5以上の量子収率を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.6以上の量子収率を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.7以上の量子収率を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.8以上の量子収率を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.9以上の量子収率を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.95以上の量子収率を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、1×106以上の吸光係数および0.3以上の量子収率を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、2×106以上の吸光係数および0.5以上の量子収率を有する。
【0290】
方法
本明細書に開示されるものは、それに会合する検出可能部分を有する細胞成分結合試薬を含むオリゴヌクレオチドを採用し得る種々の異なる方法である。本明細書に開示されるものは、対象細胞の複数の細胞成分標的を定量分析する方法である。本明細書の開示には、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分(またはその欠如)に基づいて、複数の細胞から対象細胞を得る方法が含まれる。いくつかの実施形態では、対象細胞を得ることは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの蛍光部分または燐光部分(またはその欠如)に基づいて、対象細胞をフローサイトメトリックに得ることを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の実験を、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、複数の細胞上で実施することができ、実験結果を得ることができる。いくつかの実施形態では、対象細胞は、実験結果に基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞から選択される。また、細胞の実験結果と、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数との分析を含む(例えば、細胞の実験結果と、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数とを相関させる)方法が本明細書で開示される。いくつかの実施形態では、タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定する方法に使用するため、およびサンプルインデクシングのための1つ以上の検出可能部分を含む細胞成分結合試薬に会合するオリゴヌクレオチドが提供される。本明細書の開示には、サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定する方法が含まれる。本方法の態様は、細胞成分結合試薬を含む、検出可能に標識されたサンプルを生成することであって、ここで、細胞成分結合試薬は、検出可能部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、生成することと、検出可能部分について検出可能に標識されたサンプルの細胞構成要素をアッセイして、細胞サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定することとを含む。このような方法の実施形態は、対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を細胞サンプルの他の構成要素から分離することをさらに含む。いくつかの例では、方法は、対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を単一細胞サンプルに、例えばパーティション中にて単離することをさらに含む。いくつかの例では、本方法は、単一細胞サンプルからバーコード付き識別子配列を生成することをさらに含む。いくつかの例では、方法は、単一細胞サンプルについての配列情報を得るために、バーコード付き識別子配列をシーケンシングすることをさらに含む。いくつかの例では、本方法は、配列情報から単一細胞サンプルの細胞構成要素について対象細胞成分標的を定量化することをさらに含む。いくつかの例では、本方法は、対象細胞成分標的を含む細胞サンプルの細胞構成要素のトランスクリプトーム分析をさらに含む。これらの方法は、ここでより詳細に検討されている。
【0291】
細胞成分標的の定量分析の方法
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示される組成、およびバーコード配列(例えば、分子標識配列)を細胞成分結合試薬(例えば、タンパク質結合試薬)のオリゴヌクレオチドに会合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用して、サンプル中の複数の細胞成分標的(例えば、タンパク質標的)を定量分析するために使用することができる。細胞成分結合試薬のオリゴヌクレオチドは、抗体オリゴヌクレオチド、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド、細胞識別オリゴヌクレオチド、コントロール粒子オリゴヌクレオチド、コントロールオリゴヌクレオチド、相互作用決定オリゴヌクレオチドなどである、またはそれらを含むことができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織サンプル、腫瘍サンプル、血液サンプルなどとすることができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、正常細胞、腫瘍細胞、血液細胞、B細胞、T細胞、母体細胞、胎児細胞などのような細胞型の混合物、または異なる被験体からの細胞の混合物を含むことができる。
【0292】
いくつかの実施形態では、サンプルは、マイクロウェルアレイ中のマイクロウェルのような個々のコンパートメントに分離された複数の単一細胞を含むことができる。
【0293】
いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的の結合標的(すなわち、細胞成分標的)は、炭水化物、脂質、タンパク質、細胞外タンパク質、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、インテグリン、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせであり、またはそれらを含むことができる。いくつかの実施形態では、細胞成分標的はタンパク質標的である。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞内細胞成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分は、生物中のすべてのコードされた細胞成分の、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも1000、少なくとも10000、またはそれ以上の異なる細胞成分標的を含むことができる。
【0294】
いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬を、複数の細胞成分標的と特異的に結合するためにサンプルと接触させる。非結合細胞成分結合試薬は、例えば、洗浄によって除去することができる。サンプルが細胞を含む実施形態では、細胞に特異的に結合しない任意の細胞成分結合試薬を除去することができる。
【0295】
いくつかの例では、細胞集団からの細胞を、本開示の基板のウェルに分離(例えば、単離)することができる。細胞集団は、分離の前に希釈することができる。細胞集団は、基板のウェルの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が単一細胞を受容するように、希釈することができる。細胞集団は、基板のウェルの最大1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が単一細胞を受容するように、希釈することができる。細胞集団は、希釈された集団中の細胞数が、基板のウェルの数のうちの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%、または、少なくともそれらの値であるように、希釈することができる。細胞集団は、希釈された集団中の細胞数が、基板のウェルの数のうちの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%、または、少なくともそれらの値であるように、希釈することができる。いくつかの例では、細胞の集団は、細胞数が基板のウェルの数のうちの約10%になるように希釈される。
【0296】
基板のウェルへの単一細胞の分布は、ポアソン分布に従うことができる。例えば、基板のウェルが1つ超の細胞を有する、少なくとも0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%、またはそれ以上の確率があるとすることができる。基板のウェルが1つ超の細胞を有する、少なくとも0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%、またはそれ以上の確率があるとすることができる。基板のウェルへの単一細胞の分布は、ランダムとすることができる。基板のウェルへの単一細胞の分布は、非ランダムとすることができる。基板のウェルが1つの細胞のみを受容するように、細胞を分離することができる。
【0297】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、細胞の個々のコンパートメントへのフロー選別を可能にするために蛍光分子と追加的にコンジュゲートすることができる。
【0298】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、複数の組成を、複数の細胞成分標的と特異的に結合するために、サンプルと接触させることを提供する。使用される条件は、細胞成分標的への細胞成分結合試薬(例えば、抗体)の特異的結合を可能にし得ることが理解される。接触ステップの後、未結合の組成を除去することができる。例えば、サンプルが細胞を含む実施形態では、細胞成分標的に特異的に結合する組成は、細胞表面タンパク質のような細胞表面細胞成分であり、結合していない組成は細胞を緩衝液で洗浄することによって除去することができ、それにより、細胞成分標的に特異的に結合する組成のみが細胞とともに残存する。
【0299】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、バーコード配列(例えば、分子標識)、細胞標識、サンプル標識など、またはそれらの任意の組み合わせを含むオリゴヌクレオチド(例えば、バーコードまたは確率論的バーコード)を、細胞成分結合試薬に会合する複数のオリゴヌクレオチドに会合することを含むことができる。例えば、バーコードを含む複数のオリゴヌクレオチドプローブを使用して、組成の複数のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせることができる。
【0300】
いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体支持体上に固定化することができる。固体支持体は、例えば溶液中のビーズを自由に浮遊させることができる。固体支持体は、半固体または固体アレイに埋め込むことができる。いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体支持体上に固定化されていなくてもよい。複数のオリゴヌクレオチドプローブが細胞成分結合試薬のオリゴヌクレオチドに会合する複数のものに近接している場合、細胞成分結合試薬の複数のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズすることができる。オリゴヌクレオチドプローブは、細胞成分結合試薬の各別個のオリゴヌクレオチドが、本開示の異なるバーコード配列(例えば、分子標識)を有するオリゴヌクレオチドプローブと会合することができるように、非ディプリーティング比で接触させることができる。
【0301】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、細胞成分標的に特異的に結合する細胞成分結合試薬からオリゴヌクレオチドを分離することを提供する。分離は、UV光開裂、化学処理(例えば、ジチオスレイトール処理)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組み合わせのような細胞成分結合試薬から化学基を分離するための様々な方法で実施することができる。細胞成分結合試薬からオリゴヌクレオチドを分離することは、複数のオリゴヌクレオチドプローブを組成の複数のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせるステップの前、後、または間のいずれかで行うことができる。
【0302】
細胞成分および核酸標的の同時定量分析の方法
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示される組成、ならびにバーコード配列(例えば、分子標識配列)を細胞成分結合試薬および核酸標的分子の両方のオリゴヌクレオチドに会合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用して、サンプル中の複数の細胞成分標的(例えば、タンパク質標的)および複数の核酸標的分子の同時定量分析のために使用されることができる。複数の細胞成分標的および複数の核酸標的分子の同時定量分析の他の方法は、米国特許出願公開番号2018/0088112および米国特許出願公開番号2018/0346970に記載されており、それぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織サンプル、腫瘍サンプル、血液サンプルなどとすることができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、正常細胞、腫瘍細胞、血液細胞、B細胞、T細胞、母体細胞、胎児細胞、または異なる被験体からの細胞の混合物のような細胞型の混合物を含むことができる。
【0303】
いくつかの実施形態では、サンプルは、マイクロウェルアレイ中のマイクロウェルのような個々のコンパートメントに分離された複数の単一細胞を含むことができる。
【0304】
いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞内細胞成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分は、生物中の発現されたタンパク質、または生物の1つ以上の細胞のようなすべての細胞成分の、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分は、生物中の発現されることができたタンパク質、または生物の1つ以上の細胞のようなすべての細胞成分の、少なくとも、または最大で、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または99%とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、2、3、4、5、10、20、30、40、50、100、1000、10000個、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の、異なる細胞成分標的を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、少なくとも、または最大で、2、3、4、5、10、20、30、40、50、100、1000、または10000個の異なる細胞成分標的を含むことができる。
【0305】
いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するためにサンプルと接触される。非結合細胞成分結合試薬は、例えば、洗浄によって除去することができる。サンプルが細胞を含む実施形態では、細胞に特異的に結合しない任意の細胞成分結合試薬を除去することができる。
【0306】
いくつかの例では、細胞集団からの細胞を、本開示の基板のウェルに分離(例えば、単離)することができる。細胞集団は、分離の前に希釈することができる。細胞集団は、基板のウェルの少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が単一細胞を受容するように、希釈することができる。細胞集団は、基板のウェルの最大で1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が単一細胞を受容するように、希釈することができる。希釈された集団中の細胞数が、基板のウェルの数の1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%、または少なくともそれらの値であるように、細胞集団を希釈することができる。希釈された集団中の細胞数が、基板のウェルの数の1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%、または少なくともそれらの値であるように、細胞集団を希釈することができる。いくつかの例では、細胞の集団は、細胞の数が基板中のウェルの数の約10%であるように希釈される。
【0307】
基板のウェルへの単一細胞の分布は、ポアソン分布に従うことができる。例えば、基板のウェルが1つ超の細胞を有する、少なくとも0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%、またはそれ以上の確率があるとすることができる。基板のウェルが1つ超の細胞を有する、少なくとも0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%、またはそれ以上の確率があるとすることができる。基板のウェルへの単一細胞の分布は、ランダムとすることができる。基板のウェルへの単一細胞の分布は、非ランダムとすることができる。基板のウェルが1つの細胞のみを受容するように、細胞を分離することができる。
【0308】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、細胞の個々のコンパートメントへのフロー選別を可能にするために蛍光分子と追加的にコンジュゲートすることができる。
【0309】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、複数の組成を、複数の細胞成分標的と特異的に結合するために、サンプルと接触させることを提供する。使用される条件は、細胞成分標的への細胞成分結合試薬(例えば、抗体)の特異的結合を可能にし得ることが理解される。接触ステップの後、未結合の組成を除去することができる。例えば、サンプルが細胞を含む実施形態では、細胞成分標的に特異的に結合する組成は、細胞表面タンパク質のような細胞表面上にあり、結合していない組成は細胞を緩衝液で洗浄することによって除去することができ、それにより、細胞成分標的に特異的に結合する組成のみが細胞とともに残存する。
【0310】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、サンプル、例えば、細胞から複数の核酸標的分子を放出することを提供することができる。例えば、細胞を溶解して、複数の核酸標的分子を放出することができる。細胞溶解は、例えば、化学処理、浸透圧ショック、熱処理、機械的処理、光学処理、またはそれらの任意の組み合わせによって、様々な手段のいずれかによって達成され得る。細胞は、洗剤(例えば、SDS、ドデシル硫酸リチウム、Triton X-100、Tween-20、またはNP-40)、有機溶媒(例えば、メタノールまたはアセトン)、または消化酵素(例えば、プロテイナーゼK、ペプシンまたはトリプシン)、またはそれらの任意の組み合わせを含む細胞溶解緩衝液の添加によって溶解され得る。
【0311】
複数の核酸分子が種々の核酸分子を含むことができることは、当業者には理解される
。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子は、DNA分子、RNA分子、ゲノムDNA分子、mRNA分子、rRNA分子、siRNA分子、またはそれらの組み合わせを含むことができ、二本鎖または一本鎖とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子は、100、1000、10000、20000、30000、40000、50000、100000、1000000、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の種を含む。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子は、少なくとも、または最大で100、1000、10000、20000、30000、40000、50000、100000、または1000000の種を含む。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子は、単一細胞、または複数の細胞のようなサンプルからとすることができる。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子は、複数の単一細胞のような複数のサンプルからプールされることができる。
【0312】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、バーコード配列(例えば、分子標識)、細胞標識、サンプル標識など、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるバーコード(例えば、確率論的バーコード)を、複数の核酸標的分子および細胞成分結合試薬の複数のオリゴヌクレオチドと会合することを含むことができる。例えば、確率論的バーコードを含む複数のオリゴヌクレオチドプローブを使用して、複数の核酸標的分子および組成の複数のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせることができる。
【0313】
いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体支持体上に固定化することができる。固体支持体は、例えば溶液中のビーズを自由に浮遊させることができる。固体支持体は、半固体または固体アレイに埋め込むことができる。いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体支持体上に固定化されていなくてもよい。複数のオリゴヌクレオチドプローブが、複数の核酸標的分子および細胞成分結合試薬の複数のオリゴヌクレオチドに近接している場合、複数の核酸標的分子および細胞成分結合試薬の複数のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズすることができる。オリゴヌクレオチドプローブは、各別個の核酸標的分子および細胞成分結合試薬のオリゴヌクレオチドが、本開示の異なるバーコード配列(例えば、分子標識)を有するオリゴヌクレオチドプローブと会合することができるように、非ディプリーティング比で接触させることができる。
【0314】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、細胞成分標的に特異的に結合する細胞成分結合試薬からオリゴヌクレオチドを分離することを提供する。分離は、UV光開裂、化学処理(例えば、ジチオスレイトール処理)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組み合わせのような細胞成分結合試薬から化学基を分離するための様々な方法で実施することができる。細胞成分結合試薬からオリゴヌクレオチドを分離することは、複数のオリゴヌクレオチドプローブを複数の核酸標的分子および組成の複数のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせるステップの前、後、または間のいずれかで行うことができる。
【0315】
タンパク質および核酸標的の同時定量分析
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法はまた、複数のタイプの標的分子、例えば、タンパク質および核酸標的の同時定量分析のために使用されることができる。例えば、標的分子は、細胞成分であるか、または細胞成分を含むことができる。図6は、単一細胞における核酸標的および他の細胞成分標的(例えば、タンパク質)の両方の同時定量分析の例示的な方法の概略図である。いくつかの実施形態では、各々が抗体などの細胞成分結合試薬を含む複数の組成605、605b、605cなどが提供される。異なる細胞成分標的に結合する、抗体のような異なる細胞成分結合試薬は、異なる固有識別子とコンジュゲートされる。次に、細胞成分結合試薬を、複数の細胞610を含むサンプルでインキュベートすることができる。異なる細胞成分結合試薬は、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、またはそれらの任意の組み合わせのような細胞表面上の細胞成分に特異的に結合することができる。非結合細胞成分結合試薬は、例えば、細胞を緩衝液で洗浄することによって除去することができる。そして、細胞成分結合試薬を有する細胞を、マイクロウェルアレイのような複数のコンパートメントに分離することができ、単一のコンパートメント615は、単一細胞および単一のビーズ620を適合させるようにサイズ決めされる。各ビーズは、複数のオリゴヌクレオチドプローブを含むことができ、これは、ビーズ上のすべてのオリゴヌクレオチドプローブに共通の細胞標識と、バーコード配列(例えば、分子標識配列)とを含むことができる。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドプローブは、標的結合領域、例えば、ポリ(dT)配列を含むことができる。細胞成分結合試薬にコンジュゲートしたオリゴヌクレオチド625は、化学的、光学的または他の手段を使用して細胞成分結合試薬から分離することができる。細胞は、細胞内の核酸、例えば、ゲノムDNAまたは細胞mRNA630を放出するために、溶解635されることができる。細胞mRNA630、オリゴヌクレオチド625、またはその両方は、例えば、ポリ(dT)配列にハイブリダイズすることによって、ビーズ620上のオリゴヌクレオチドプローブによって捕捉されることができる。逆転写酵素を使用して、細胞mRNA630およびオリゴヌクレオチド625にハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを、細胞mRNA630およびオリゴヌクレオチド625を鋳型として用いて伸長させることができる。逆転写酵素によって生成される伸長産物は、増幅およびシーケンシングに供することができる。シーケンシングリードは、細胞標識の配列または識別、バーコード(例えば、分子標識)、遺伝子、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチド(例えば、抗体特異的オリゴヌクレオチド)などの逆多重化に供することができ、これは、細胞成分のデジタル表現およびサンプル中の各単一細胞の遺伝子発現を生じさせることができる。
【0316】
オリゴヌクレオチド-コンジュゲート細胞成分結合試薬を用いたサンプルインデクシング
本明細書の開示には、サンプル識別についての方法が含まれる。いくつかの実施形態では、方法は、複数のサンプルの各々から1つ以上の細胞を、複数のサンプルインデクシング組成のうちのサンプルインデクシング組成と接触させることであって、1つ以上の細胞の各々は、1つ以上の細胞成分標的を含み、複数のサンプルインデクシング組成の各々は、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬は、1つ以上の細胞成分標的のうちの少なくとも1つに特異的に結合することができ、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、サンプルインデクシング配列を含み、複数のサンプルインデクシング組成のうちの少なくとも2つのサンプルインデクシング組成のサンプルインデクシング配列は、異なる配列を含む、接触させることと、複数のサンプルインデクシング組成の未結合サンプルインデクシング組成を除去することと、複数のバーコード(例えば、確率論的バーコード)を使用してサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドをバーコーディング(例えば、確率論的バーコーディング)し、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することと、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得することと、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのサンプルインデクシング配列に基づいて、1つ以上の細胞のうちの少なくとも1つの細胞のサンプル起源を識別することとを含む。
【0317】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを使用してサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドをバーコーディングすることは、複数のバーコードをサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドと接触させて、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成することと、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することとを含む。バーコードを伸長することは、DNAポリメラーゼを使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することを含むことができる。バーコードを伸長することは、逆転写酵素を使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することを含むことができる。
【0318】
抗体とコンジュゲートしたオリゴヌクレオチド、抗体とのコンジュゲートについてのオリゴヌクレオチド、または抗体と以前にコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドを、本明細書では抗体オリゴヌクレオチド(「AbOligo」)と呼ぶ。サンプルインデクシングの文脈における抗体オリゴヌクレオチドを、本明細書では、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドと呼ぶ。抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした抗体を、本明細書では、ホット抗体またはオリゴヌクレオチド抗体と呼ぶ。抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートしていない抗体を、本明細書では、コールド抗体またはオリゴヌクレオチドフリー抗体と呼ぶ。結合試薬(例えば、タンパク質結合試薬)とコンジュゲートしたオリゴヌクレオチド、結合試薬とのコンジュゲートについてのオリゴヌクレオチド、または結合試薬と以前にコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドを、本明細書では試薬オリゴヌクレオチドと呼ぶ。サンプルインデクシングの文脈における試薬オリゴヌクレオチドを、本明細書では、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドと呼ぶ。抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートした結合試薬を、本明細書では、ホット結合試薬またはオリゴヌクレオチド結合試薬と呼ぶ。抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートしていない結合試薬を、本明細書では、コールド結合試薬またはオリゴヌクレオチドフリー結合試薬と呼ぶ。
【0319】
図7は、サンプルインデクシングについてのオリゴヌクレオチド会合細胞成分結合試薬を使用する例示的なワークフローの概略図である。いくつかの実施形態では、それぞれが結合試薬を含む複数の組成705a、705bなどが提供される。結合試薬は、抗体のようなタンパク質結合試薬とすることができる。細胞成分結合試薬は、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、またはそれらの組み合わせを含むことができる。複数の組成705a、705bの結合試薬は、同一の細胞成分標的に結合することができる。例えば、複数の組成705、705bの結合試薬は同一とすることができる(ただし、結合試薬に会合するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを除く)。
【0320】
異なる組成は、異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドとコンジュゲートした結合試薬を含むことができる。異なる組成の数は、異なる実装態様において異なることができる。いくつかの実施形態では、異なる組成の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、異なる組成の数は、少なくとも、または最大で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10000とすることができる。
【0321】
いくつかの実施形態では、1つの組成中の結合試薬のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、同一のサンプルインデクシング配列を含むことができる。1つの組成中の結合試薬のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、同一でなくともよい。いくつかの実施形態では、同一のサンプルインデクシング配列を有する1つの組成中の結合試薬のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのパーセンテージは、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、同一のサンプルインデクシング配列を有する1つの組成中の結合試薬のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのパーセンテージは、少なくとも、または最大で、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.9%とすることができる。
【0322】
組成705aおよび705bは、異なるサンプルのうちのサンプルを標識するために使用することができる。例えば、組成705aにおける細胞成分結合試薬のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、1つのサンプルインデクシング配列を有することができ、患者のサンプルのようなサンプル707aにて黒円として示されている細胞710aを標識するために使用することができる。組成705bにおける細胞成分結合試薬のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、別のサンプルインデクシング配列を有することができ、別の患者のサンプルまたは同じ患者の別のサンプルのようなサンプル707bにてハッチングした円として示されている細胞710bを標識するために使用することができる。細胞成分結合試薬は、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、またはそれらの任意の組み合わせのような細胞表面上の細胞成分標的またはタンパク質に特異的に結合することができる。非結合細胞成分結合試薬は、例えば、細胞を緩衝液で洗浄することによって除去することができる。
【0323】
そして、細胞成分結合試薬を有する細胞を、マイクロウェルアレイのような複数のコンパートメントに分離することができ、ここで、単一コンパートメント715a、715bは、単一細胞710aおよび単一ビーズ720aまたは単一細胞710bおよび単一ビーズ720bに適合する大きさである。各ビーズ720a、720bは、ビーズ上のすべてのオリゴヌクレオチドプローブに共通の細胞標識および分子標識配列を含むことができる複数のオリゴヌクレオチドプローブを含むことができる。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドプローブは、標的結合領域、例えば、ポリ(dT)配列を含むことができる。組成705aの細胞成分結合試薬にコンジュゲートしたサンプルインデクシングオリゴヌクレオチド725aは、細胞成分結合試薬に着脱可能であるように、または着脱不可能であるように構成することができる(または、そのようにすることができる)。組成705aの細胞成分結合試薬にコンジュゲートしたサンプルインデクシングオリゴヌクレオチド725aは、化学的、光学的または他の手段を使用して細胞成分結合試薬から分離することができる。組成705bの細胞成分結合試薬にコンジュゲートしたサンプルインデクシングオリゴヌクレオチド725bは、細胞成分結合試薬に着脱可能であるように、または着脱不可能であるように構成することができる(または、そのようにすることができる)。組成705bの細胞成分結合試薬にコンジュゲートしたサンプルインデクシングオリゴヌクレオチド725bは、化学的、光学的または他の手段を使用して細胞成分結合試薬から分離することができる。
【0324】
細胞710aは、ゲノムDNAまたは細胞mRNA730aのような細胞710a中の核酸を放出するために溶解されることができる。溶解した細胞735aは点線の円で示されている。細胞mRNA730a、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド725a、またはその両方は、例えば、ポリ(dT)配列にハイブリダイズすることによって、ビーズ720aのオリゴヌクレオチドプローブによって捕捉されることができる。逆転写酵素を使用して、細胞mRNA730aおよびオリゴヌクレオチド725aにハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを、細胞mRNA730aおよびオリゴヌクレオチド725aを鋳型として使用して伸長させることができる。逆転写酵素によって生成される伸長産物は、増幅およびシーケンシングに供されることができる。
【0325】
同様に、細胞710bは、ゲノムDNAまたは細胞mRNA730bのような細胞710b中の核酸を放出するために溶解されることができる。溶解した細胞735bは点線の円で示されている。細胞mRNA730b、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド725b、またはその両方は、例えば、ポリ(dT)配列にハイブリダイズすることによって、ビーズ720bのオリゴヌクレオチドプローブによって捕捉されることができる。逆転写酵素を使用して、細胞mRNA730bおよびオリゴヌクレオチド725bにハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを、細胞mRNA730bおよびオリゴヌクレオチド725bを鋳型として使用して伸長させることができる。逆転写酵素によって生成される伸長産物は、増幅およびシーケンシングに供されることができる。
【0326】
シーケンシングリードは、(例えば、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド725aおよび725bのサンプルインデクシング配列に関して)細胞標識、分子標識、遺伝子識別、およびサンプル識別の逆多重化に供されることができる。細胞標識、分子標識、および遺伝子識別の逆多重化は、サンプル中の各単一細胞の遺伝子発現のデジタル表現をもたらすことができる。サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのサンプルインデクシング配列を使用して、細胞標識、分子標識、およびサンプル識別を逆多重化することは、サンプル起源を決定するために使用することができる。
【0327】
いくつかの実施形態では、細胞表面上の細胞成分結合試薬に対する細胞成分結合試薬は、細胞がサンプル識別を保持することを可能にするために、固有サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのライブラリーとコンジュゲートすることができる。例えば、細胞表面マーカーに対する抗体は、細胞がサンプル識別を保持することを可能にするために、固有サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのライブラリーとコンジュゲートすることができる。これは、サンプル供給源に関する情報がライブラリー調製およびシーケンシングを通して保持されるので、複数のサンプルを同じRhapsody(商標)カートリッジ上にロードすることを可能にする。サンプルインデクシングは、単一の実験で複数のサンプルを一緒に走らせることを可能にし、実験時間を単純化し、短縮し、バッチ効果を排除することができる。
【0328】
本明細書の開示は、サンプル識別についての方法を含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数のサンプルの各々から1つ以上の細胞を、複数のサンプルインデクシング組成のうちのサンプルインデクシング組成と接触させることであって、1つ以上の細胞の各々は、1つ以上の細胞成分標的を含み、複数のサンプルインデクシング組成の各々は、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬は、1つ以上の細胞成分標的のうちの少なくとも1つに特異的に結合することができ、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、サンプルインデクシング配列を含み、複数のサンプルインデクシング組成のうちの少なくとも2つのサンプルインデクシング組成のサンプルインデクシング配列は、異なる配列を含み、接触させることと、複数のサンプルインデクシング組成の未結合サンプルインデクシング組成を除去することとを含む。本方法は、複数のバーコード(例えば、確率論的バーコード)を使用してサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドをバーコーディング(例えば、確率論的バーコーディング)し、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することと、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得することと、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのサンプルインデクシング配列に基づいて、1つ以上の細胞のうちの少なくとも1つの細胞のサンプル起源を識別することとを含むことができる。
【0329】
いくつかの実施形態では、サンプル識別についての方法は、複数のサンプルの各々からの1つ以上の細胞を複数のサンプルインデクシング組成のうちのサンプルインデクシング組成と接触させることであって、1つ以上の細胞の各々は、1つ以上の細胞成分標的を含み、複数のサンプルインデクシング組成の各々は、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬は、1つ以上の細胞成分標的のうちの少なくとも1つに特異的に結合することができ、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、サンプルインデクシング配列を含み、複数のサンプルインデクシング組成のうちの少なくとも2つのサンプルインデクシング組成のサンプルインデクシング配列は、異なる配列を含み、接触させることと、複数のサンプルインデクシング組成の未結合サンプルインデクシング組成を除去することと、複数のサンプルインデクシング組成の少なくとも1つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのサンプルインデクシング配列に基づいて、1つ以上の細胞のうちの少なくとも1つの細胞のサンプル起源を識別することとを含む。
【0330】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細胞のサンプル起源を識別することは、複数のバーコード(例えば、確率論的バーコード)を使用して複数のサンプルインデクシング組成のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドをバーコーディング(例えば、確率論的バーコーディング)して、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することと、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得することと、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのサンプルインデクシング配列に基づいて、細胞のサンプル起源を識別することとを含む。いくつかの実施形態では、複数のバーコードを使用してサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドをバーコーディングし、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することは、複数の確率論的バーコードを使用してサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを確率論的にバーコーディングし、複数の確率論的バーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することを含む。
【0331】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細胞のサンプル起源を識別することは、複数のサンプルインデクシング組成の少なくとも1つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのサンプルインデクシング配列の存在または不在を識別することを含むことができる。サンプルインデクシング配列の存在または不在を識別することは、複数の複製されたサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成するために、少なくとも1つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを複製することと、複数の複製されたサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得することと、シーケンシングデータ中の少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに対応する、複数のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのうちの複製されたサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのサンプルインデクシング配列に基づいて、細胞のサンプル起源を識別することとを含むことができる。
【0332】
いくつかの実施形態では、複数の複製されたサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成するために少なくとも1つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを複製することは、少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを複製する前に、複製アダプターを少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに結合することを含む。少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを複製することは、少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに結合された複製アダプターを使用して、少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを複製し、複製された複数のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することを含むことができる。
【0333】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを複製して、複数の複製されたサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することは、少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを複製する前に、捕捉プローブを少なくとも1つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドと接触させて、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた捕捉プローブを生成することと、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた捕捉プローブを伸長して、捕捉プローブに会合するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することとを含む。少なくとも1つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを複製することは、捕捉プローブに会合するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを複製して、複数の複製されたサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することを含むことができる。
【0334】
細胞のオーバーローディングおよびマルチプレット識別
本明細書の開示にはまた、細胞のオーバーローディングおよびマルチプレットを識別するための方法、キットおよびシステムが含まれる。このような方法、キットおよびシステムは、本明細書に開示される任意の適切な方法、キットおよびシステム、例えば、オリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬を使用して細胞成分発現レベル(タンパク質発現レベルのような)を測定するための方法、キットおよびシステムにて、または、それらと組み合わせて使用することができる。
【0335】
現在の細胞ローディング技術を使用して、約20000個の細胞が約60000個のマイクロウェルを有するマイクロウェルカートリッジまたはアレイにローディングされると、2個以上の細胞(ダブレットまたはマルチプレットと呼ばれる)を有するマイクロウェルまたはドロップレットの数を最小とすることができる。しかし、ローディングされる細胞の数が増加すると、多数の細胞を有するマイクロウェルまたはドロップレットの数が著しく増加する可能性がある。例えば、約50000個の細胞がマイクロウェルカートリッジまたはアレイの約60000個のマイクロウェルにローディングされると、複数の細胞を有するマイクロウェルのパーセンテージは、11~14%のような非常に高いものとなる可能性がある。このように多数の細胞をマイクロウェルにローディングすることは、細胞オーバーローディングと呼ばれることがある。しかし、細胞が多数の群(例えば、5個)に分割され、各群内の細胞が、別個のサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドで標識されると、2つ以上のサンプルインデクシング配列に会合する細胞標識(例えば、バーコード(例えば、確率論的バーコード)の細胞標識)は、シーケンシングデータにおいて識別され、その後の処理から除去されることができる。いくつかの実施形態では、細胞は、多数の群(例えば10000)に分割されて、各群内の細胞は、別個のサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドで標識され、2つ以上のサンプルインデクシング配列に会合するサンプル標識は、シーケンシングデータにおいて識別され、その後の処理から除去されることができる。いくつかの実施形態では、異なる細胞は、別個の細胞識別配列を有する細胞識別オリゴヌクレオチドで標識され、2つ以上の細胞識別オリゴヌクレオチドに会合する細胞識別配列は、シーケンシングデータにおいて識別され、その後の処理から除去されることができる。このようなより多数の細胞は、マイクロウェルカートリッジまたはアレイ内のマイクロウェルの数に関してマイクロウェルにローディングすることができる。
【0336】
本明細書の開示には、サンプル識別についての方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞をそれぞれ2つのサンプルインデクシング組成と接触させることであって、第1の複数の細胞の各々および第2の複数の細胞の各々は、1つ以上の細胞成分を含み、2つのサンプルインデクシング組成の各々は、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬は、1つ以上の細胞成分の少なくとも1つに特異的に結合することができ、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、サンプルインデクシング配列を含み、2つのサンプルインデクシング組成のサンプルインデクシング配列は、異なる配列を含み、接触させることと、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成するために、複数のバーコードを使用してサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドをバーコーディングすることであって、複数のバーコードの各々は、細胞標識配列、バーコード配列(例えば、分子標識配列)、および標的結合領域を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列は、異なる配列を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードは、同一の細胞標識配列を含み、バーコーディングすることと、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得することと、得られたシーケンシングデータ中の2つ以上のサンプルインデクシング配列にそれぞれ会合する1つ以上の細胞標識配列を識別することと、得られたシーケンシングデータからの2つ以上のサンプルインデクシング配列にそれぞれ会合する1つ以上の細胞標識配列に会合するシーケンシングデータを除去することと、および/または、その後の分析(例えば、単一細胞mRNAプロファイリングまたは全トランスクリプトーム分析)からの2つ以上のサンプルインデクシング配列にそれぞれ会合する1つ以上の細胞標識配列に会合するシーケンシングデータを除外することとを含む。いくつかの実施形態では、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、バーコード配列(例えば、分子標識配列)、ユニバーサルプライマーについての結合部位、またはそれらの組み合わせを含む。
【0337】
例えば、本方法は、サンプルインデクシングを使用して、(10000~20000個の細胞と比較して)50000個以上の細胞をローディングするために使用することができる。サンプルインデクシングは、細胞成分(例えば、ユニバーサルタンパク質マーカー)に対するオリゴヌクレオチドコンジュゲート細胞成分結合試薬(例えば、抗体)または細胞成分結合試薬を使用して、異なるサンプルからの細胞を固有サンプルインデックスで標識することができる。異なるサンプルからの2つ以上の細胞、サンプルの細胞の異なる集団からの2つ以上の細胞、またはサンプルの2つ以上の細胞を同一のマイクロウェルまたはドロップレットに捕捉する場合、組み合わされた「細胞」(すなわち2つ以上の細胞の内容)は、異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチド(または異なる細胞識別配列を有する細胞識別オリゴヌクレオチド)に会合することができる。細胞の異なる集団の数は、異なる実装態様で異なることができる。いくつかの実施形態では、異なる集団の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、異なる集団の数は、少なくとも、または最大で2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100とすることができる。各集団における細胞の数または平均数は、異なる実装態様において異なることができる。いくつかの実施形態では、各集団における細胞の数または平均数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、各集団における細胞の数または平均数は、少なくとも、または最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100とすることができる。各集団における細胞の数または平均数が十分に小さい(例えば、集団あたり細胞が50、25、10、5、4、3、2、または1個以下の)場合、細胞のオーバーローディングおよびマルチプレット識別についてのサンプルインデクシング組成は、細胞識別組成と呼ぶことができる。
【0338】
サンプルの細胞を、サンプルの細胞を複数の集団に等分することによって、複数の集団に分割することができる。シーケンシングデータ中の1つ超のサンプルインデクシング配列に会合した「細胞」は、シーケンシングデータ中の1つの細胞標識配列(例えば、確率論的バーコードのようなバーコードの細胞標識配列)に会合した2つ以上のサンプルインデクシング配列に基づいて、「マルチプレット」として識別されることができる。組み合わされた「細胞」のシーケンシングデータは、本明細書ではマルチプレットとも呼ばれる。マルチプレットは、ダブレット、トリプレット、カルテット、クインテット、セクステット、セプテット、オクテット、ノネット、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。マルチプレットは、任意のnプレットとすることができる。いくつかの実施形態では、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、nは、少なくとも、または最大で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20である。
【0339】
単一細胞の発現プロファイルを決定する場合、2つの細胞を1つの細胞として識別し得、2つの細胞の発現プロファイルを1つの細胞についての発現プロファイルとして識別し得る(ダブレット発現プロファイルと呼ぶ)。例えば、バーコーディング(例えば、確率論的バーコーディング)を使用して2つの細胞の発現プロファイルを決定する場合、2つの細胞のmRNA分子は、同じ細胞標識を有するバーコードと会合し得る。別の例として、2つの細胞を1つの粒子(例えば、ビーズ)と会合させ得る。粒子は、同じ細胞標識を有するバーコードを含むことができる。細胞を溶解した後、2つの細胞内のmRNA分子を、粒子のバーコード、したがって同じ細胞標識に会合することができる。ダブレット発現プロファイルは、発現プロファイルの解釈を歪曲することができる。
【0340】
ダブレットは、異なるサンプルインデクシング配列を有する2つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」を指すことができる。ダブレットはまた、2つのサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」を指すことができる。異なる配列の2つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する2つの細胞(または2つの異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する2つ以上の細胞)が、同じマイクロウェルまたはドロップレット中に捕捉される場合に、ダブレットが生じる可能性があり、組み合わされた「細胞」は、異なるサンプルインデクシング配列を有する2つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合することができる。トリプレットは、異なるサンプルインデクシング配列をすべてが有する3つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」、または、3つの異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」を指すことができる。カルテットは、異なるサンプルインデクシング配列をすべてが有する4つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」、または、4つの異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」を指すことができる。クインテットは、異なるサンプルインデクシング配列をすべてが有する5つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」、または、5つの異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」を指すことができる。セクステットは、異なるサンプルインデクシング配列をすべてが有する6つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」、または、6つの異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」を指すことができる。セプテットは、異なるサンプルインデクシング配列をすべてが有する7つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」、または、7つの異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」を指すことができる。オクテットは、異なるサンプルインデクシング配列をすべてが有する8つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」、または、8つの異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」を指すことができる。ノネットは、異なるサンプルインデクシング配列をすべてが有する9つのサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」、または、9つの異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する、組み合わされた「細胞」を指すことができる。異なる配列の2つ以上のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する2つ以上の細胞(または2つ以上の異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する2つ以上の細胞)が同じマイクロウェルまたはドロップレット内に捕捉されるときに、マルチプレットが生じる可能性があり、組み合わされた「細胞」は、2つ以上の異なるサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドと会合させることができる。
【0341】
別の例として、本方法は、サンプルオーバーローディングの文脈において、またはマイクロウェルアレイのマイクロウェル上への細胞のローディングもしくは細胞を含むドロップレットの生成の文脈において、マルチプレット識別のために使用することができる。2つ以上の細胞が1つのマイクロウェルにローディングされるとき、組み合わされた「細胞」からの結果として得られたデータ(または、2つ以上の細胞の内容)は、異常な遺伝子発現プロファイルを有するマルチプレットである。サンプルインデクシングを使用することにより、異なるサンプルインデクシング配列を有する2つ以上のサンプルインデクシングオリゴヌクレオチド(または2つ以上のサンプルインデクシング配列を有するサンプルインデクシングオリゴヌクレオチド)とそれぞれ会合するかまたはそれに割り当てられた細胞標識を探すことによって、これらのマルチプレットのいくつかを認識することができる。サンプルインデクシング配列を用いて、本明細書に開示される方法は、マルチプレット識別のために使用することができる(サンプルオーバーローディングの文脈におけるか否か、またはマイクロウェルアレイのマイクロウェル上への細胞のローディングもしくは細胞を含むドロップレットの生成の文脈においてかにかかわらず)。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞をそれぞれ2つのサンプルインデクシング組成と接触させることであって、第1の複数の細胞の各々および第2の複数の細胞の各々は、1つ以上の細胞成分を含み、2つのサンプルインデクシング組成の各々は、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬は、1つ以上の細胞成分のうちの少なくとも1つに特異的に結合することができ、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、サンプルインデクシング配列を含み、2つのサンプルインデクシング組成のサンプルインデクシング配列は、異なる配列を含む、接触させることと、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成するために、複数のバーコードを使用してサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドをバーコーディングすることであって、複数のバーコードの各々は、細胞標識配列と、バーコード配列(例えば、分子標識配列)と、標的結合領域とを含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列は、異なる配列を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードは、同一の細胞標識配列を含む、バーコーディングすることと、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得することと、得られたシーケンシングデータ中の2つ以上のサンプルインデクシング配列にそれぞれ会合する1つ以上のマルチプレット細胞標識配列を識別することとを含む。
【0342】
マイクロウェルカートリッジのマイクロウェルまたはマイクロフルイディクスデバイスを使用して生成されたドロップレットにローディングすることができる細胞の数は、マルチプレット率によって制限される可能性がある。より多くのセルをローディングすることにより、より多くのマルチプレットをもたらすことができ、これは、単一細胞データにおけるノイズの識別および生成が困難である可能性がある。サンプルインデクシングを用いて、本方法を使用して、より正確にマルチプレットを標識または識別し、シーケンシングデータまたはその後の分析からマルチプレットを除去することができる。より高い信頼性でマルチプレットを識別することができると、マルチプレット率に対するユーザ許容度を増加させ、各マイクロウェルカートリッジ上へより多くの細胞をローディングし、または少なくとも1つの細胞をそれぞれ有するドロップレットを生成することができる。
【0343】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞と2つのサンプルインデクシング組成とをそれぞれ接触させることは、第1の複数の細胞を、2つのサンプルインデクシング組成の第1のサンプルインデクシング組成と接触させることと、第1の複数の細胞を、2つのサンプルインデクシング組成の第2のサンプルインデクシング組成と接触させることとを含む。複数の細胞の数および複数のサンプルインデクシング組成の数は、異なる実装態様において異なることができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞および/またはサンプルインデクシング組成の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、1000000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞および/またはサンプルインデクシング組成の数は、少なくとも、または最大で2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000または1000000とすることができる。細胞数は、異なる実装態様で異なることができる。いくつかの実施形態では、細胞の数または平均数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、1000000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、数または平均数、または細胞は、少なくとも、または最大で2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、または1000000とすることができる。
【0344】
いくつかの実施形態では、本方法は、2つのサンプルインデクシング組成の未結合サンプルインデクシング組成を除去することを含む。未結合サンプルインデクシング組成を除去することは、洗浄緩衝液を用いた第1の複数の細胞および第2の複数の細胞のうちの細胞の洗浄を含むことができる。未結合サンプルインデクシング組成を除去することは、フローサイトメトリーを使用して、2つのサンプルインデクシング組成の少なくとも1つの細胞成分結合試薬に結合した細胞を選択することを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のサンプルの各々から1つ以上の細胞を溶解することを含む。
【0345】
いくつかの実施形態では、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬から取り外し可能であるかまたは取り外し不可能であるように構成される(または、そのようにすることができる)。本方法は、細胞成分結合試薬からサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを取り外すことを含むことができる。サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを取り外すことは、UV光開裂、化学的処理(例えば、ジチオスレイトールなどの還元試薬を使用して)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組み合わせによって、細胞成分結合試薬からサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを取り外すことを含むことができる。
【0346】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを使用してサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドをバーコーディングすることは、複数のバーコードをサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドと接触させて、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成することと、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することとを含む。バーコードを伸長することは、DNAポリメラーゼを使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することを含むことができる。バーコードを伸長することは、逆転写酵素を使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することを含むことができる。
【0347】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを増幅して、複数のアンプリコンを生成することを含む。複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを増幅することは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、バーコード配列の少なくとも一部(例えば、分子標識配列)およびサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅することを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得することは、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得することを含むことができる。シーケンシングデータを取得することは、バーコード配列の少なくとも一部およびサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングすることを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細胞のサンプル起源を識別することは、少なくとも1つのバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドのサンプルインデクシング配列に基づいて、複数のバーコード付き標的のサンプル起源を識別することを含む。
【0348】
いくつかの実施形態では、複数のバーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成するために、複数のバーコードを使用してサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドをバーコーディングすることは、複数の確率論的バーコードを使用してサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを確率論的にバーコーディングして、複数の確率論的バーコード付きサンプルインデクシングオリゴヌクレオチドを生成することを含む。
【0349】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付き標的を生成するために、複数のバーコードを使用して細胞の複数の標的をバーコーディングすることであって、複数のバーコードの各々は、細胞標識配列を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードは、同一の細胞標識配列を含む、バーコーディングすることと、バーコード付き標的のシーケンシングデータを取得することとを含む。複数のバーコード付き標的を生成するために、複数のバーコードを使用して複数の標的をバーコーディングすることは、標的のコピーをバーコードの標的結合領域と接触させることと、複数のバーコードを使用して複数の標的を逆転写して、複数の逆転写された標的を生成することとを含むことができる。
【0350】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する前に、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成するためにバーコード付き標的を増幅することを含む。複数の増幅されたバーコード付き標的を生成するためにバーコード付き標的を増幅することは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってバーコード付き標的を増幅することを含むことができる。複数のバーコード付き標的を生成するために複数のバーコードを使用して細胞の複数の標的をバーコーディングすることは、複数の確率論的バーコード付き標的を生成するために、複数の確率論的バーコードを使用して細胞の複数の標的を確率論的にバーコーディングすることを含むことができる。
【0351】
いくつかの実施形態では、細胞識別についての方法は、第1の複数の1つ以上の細胞と第2の複数の1つ以上の細胞とをそれぞれ2つの細胞識別組成と接触させることであって、第1の複数の1つ以上の細胞の各々および第2の複数の1つ以上の細胞の各々は、1つ以上の細胞成分を含み、2つの細胞識別組成の各々は、細胞識別オリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬は、1つ以上の細胞成分の少なくとも1つに特異的に結合することができ、細胞識別オリゴヌクレオチドは、細胞識別配列を含み、2つの細胞識別組成の細胞識別配列は、異なる配列を含む、接触させることと、複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドを生成するために複数のバーコードを使用して細胞識別オリゴヌクレオチドをバーコーディングすることであって、複数のバーコードの各々は、細胞標識配列、バーコード配列(例えば、分子標識配列)および標的結合領域を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列は、異なる配列を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードは、同一の細胞標識配列を含む、バーコーディングすることと、複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得することと、得られたシーケンシングデータ中の2つ以上の細胞識別配列にそれぞれ会合する1つ以上の細胞標識配列を識別することと、得られたシーケンシングデータから2つ以上の細胞識別配列にそれぞれ会合する1つ以上の細胞標識配列に会合するシーケンシングデータを除去すること、および/または、その後の分析(例えば、単一細胞mRNAプロファイリング、または全トランスクリプトーム分析)から2つ以上の細胞識別配列にそれぞれ会合する1つ以上の細胞標識配列に会合するシーケンシングデータを除外することとを含む。いくつかの実施形態では、細胞識別オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(例えば、分子標識配列)、ユニバーサルプライマーについての結合部位、またはそれらの組み合わせを含む。
【0352】
異なる配列の2つ以上の細胞識別オリゴヌクレオチドに会合する2つ以上の細胞(または2つ以上の異なる細胞識別配列を有する細胞識別オリゴヌクレオチドに会合する2つ以上の細胞)が、同一のマイクロウェルまたはドロップレットに捕捉されると、マルチプレット(例えば、ダブレット、トリプレットなど)が生じることがあり、組み合わされた「細胞」は、2つ以上の異なる細胞識別配列を有する細胞識別オリゴヌクレオチドに会合することができる。
【0353】
細胞識別組成は、細胞サンプルオーバーローディングの文脈において、またはマイクロウェルアレイのマイクロウェル上への細胞のローディングもしくは細胞を含むドロップレットの生成の文脈においてにかかわらず、マルチプレット識別のために使用することができる。2つ以上の細胞が1つのマイクロウェルにローディングされるとき、組み合わされた「細胞」からの結果として得られたデータ(または、2つ以上の細胞の内容)は、異常な遺伝子発現プロファイルを有するマルチプレットである。細胞識別を使用することにより、異なる細胞識別配列を有する2つ以上の細胞識別オリゴヌクレオチド(または2つ以上の細胞識別配列を有する細胞識別オリゴヌクレオチド)とそれぞれ会合するかまたはそれに割り当てられた細胞標識(例えば、確率論的バーコードのようなバーコードの細胞標識)を探すことによって、これらのマルチプレットのいくつかを認識することができる。細胞識別配列を用いて、本明細書に開示される方法は、マルチプレット識別のために使用することができる(サンプルオーバーローディングの文脈におけるか否か、またはマイクロウェルアレイのマイクロウェル上への細胞のローディングもしくは細胞を含むドロップレットの生成の文脈においてかにかかわらず)。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の1つ以上の細胞および第2の複数の1つ以上の細胞をそれぞれ2つの細胞識別組成と接触させることであって、第1の複数の1つ以上の細胞の各々および第2の複数の1つ以上の細胞の各々は、1つ以上の細胞成分を含み、2つの細胞識別組成の各々は、細胞識別オリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬は、1つ以上の細胞成分のうちの少なくとも1つに特異的に結合することができ、細胞識別オリゴヌクレオチドは、細胞識別配列を含み、2つの細胞識別組成の細胞識別配列は、異なる配列を含む、接触させることと、複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドを生成するために、複数のバーコードを使用して細胞識別オリゴヌクレオチドをバーコーディングすることであって、複数のバーコードの各々は、細胞標識配列と、バーコード配列(例えば、分子標識配列)と、標的結合領域とを含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列は、異なる配列を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードは、同一の細胞標識配列を含む、バーコーディングすることと、複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得することと、得られたシーケンシングデータ中の2つ以上の細胞識別配列にそれぞれ会合する1つ以上のマルチプレット細胞標識配列を識別することを含む。
【0354】
マイクロウェルカートリッジのマイクロウェルまたはマイクロフルイディクスデバイスを使用して生成されたドロップレットにローディングすることができる細胞の数は、マルチプレット率によって制限される可能性がある。より多くのセルをローディングすることにより、より多くのマルチプレットをもたらすことができ、これは、単一細胞データにおけるノイズの識別および生成が困難である可能性がある。細胞識別を用いて、本方法を使用して、より正確にマルチプレットを標識または識別し、シーケンシングデータまたはその後の分析からのマルチプレットを除去することができる。より高い信頼性でマルチプレットを識別することができると、マルチプレット率に対するユーザ許容度を増加させ、各マイクロウェルカートリッジ上へより多くの細胞をローディングし、または少なくとも1つの細胞をそれぞれ有するドロップレットを生成することができる。
【0355】
いくつかの実施形態では、第1の複数の1つ以上の細胞および第2の複数の1つ以上の細胞と2つの細胞識別組成とをそれぞれ接触させることは、第1の複数の1つ以上の細胞を、2つの細胞識別組成の第1の細胞識別組成と接触させることと、第1の複数の1つ以上の細胞を、2つの細胞識別組成の第2の細胞識別組成と接触させることとを含む。複数の細胞識別組成の数は、異なる実装態様において異なることができる。いくつかの実施形態では、細胞識別組成の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、1000000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、細胞識別組成の数は、少なくとも、または最大で2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000または1000000とすることができる。複数の1つ以上の細胞の各々における細胞の数または平均数は、異なる実装態様で異なることができる。いくつかの実施形態では、複数の1つ以上の細胞の各々における細胞の数または平均数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、1000000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の1つ以上の細胞の各々における細胞の数または平均数は、少なくとも、または最大で2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、または1000000とすることができる。
【0356】
いくつかの実施形態では、本方法は、2つの細胞識別組成の未結合細胞識別組成を除去することを含む。未結合細胞識別組成を除去することは、第1の複数の1つ以上の細胞および第2の複数の1つ以上の細胞のうちの細胞を洗浄緩衝液で洗浄することを含むことができる。未結合細胞識別組成を除去することは、フローサイトメトリーを使用して、2つの細胞識別組成の少なくとも1つの細胞成分結合試薬に結合した細胞を選択することを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のサンプルの各々から1つ以上の細胞を溶解することを含む。
【0357】
いくつかの実施形態では、細胞識別オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬から取り外し可能であるかまたは取り外し不可能であるように構成される(または、そのようにすることができる)。本方法は、細胞成分結合試薬から細胞識別オリゴヌクレオチドを取り外すことを含むことができる。細胞識別オリゴヌクレオチドを取り外すことは、UV光開裂、化学的処理(例えば、ジチオスレイトールなどの還元試薬を使用して)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組み合わせによって、細胞成分結合試薬から細胞識別オリゴヌクレオチドを取り外すことを含むことができる。
【0358】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを使用して細胞識別オリゴヌクレオチドをバーコーディングすることは、複数のバーコードを細胞識別オリゴヌクレオチドと接触させて、細胞識別オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成することと、細胞識別オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドを生成することとを含む。バーコードを伸長することは、DNAポリメラーゼを使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドを生成することを含むことができる。バーコードを伸長することは、逆転写酵素を使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドを生成することを含むことができる。
【0359】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドを増幅して、複数のアンプリコンを生成することを含む。複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドを増幅することは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、バーコード配列の少なくとも一部(例えば、分子標識配列)および細胞識別オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅することを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得することは、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得することを含むことができる。シーケンシングデータを取得することは、バーコード配列の少なくとも一部および細胞識別オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングすることを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細胞のサンプル起源を識別することは、少なくとも1つのバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドの細胞識別配列に基づいて、複数のバーコード付き標的のサンプル起源を識別することを含む。
【0360】
いくつかの実施形態では、複数のバーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドを生成するために、複数のバーコードを使用して細胞識別オリゴヌクレオチドをバーコーディングすることは、複数の確率論的バーコードを使用して細胞識別オリゴヌクレオチドを確率論的にバーコーディングして、複数の確率論的バーコード付き細胞識別オリゴヌクレオチドを生成することを含む。
【0361】
対象細胞の複数の細胞成分標的の定量分析
本明細書の開示には、対象細胞の複数の細胞成分標的を定量的に分析する方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることを含み、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれは、検出可能部分と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成する。本方法は、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如に基づいて、複数の細胞から対象細胞を取得することを含むことができる。本方法は、複数のバーコードを、得られた対象細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることを含むことができ、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む。本方法は、複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することを含むことができ、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む。本方法は、各対象細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することを含むことができる。
【0362】
いくつかの実施形態では、複数の細胞は、T細胞、B細胞、腫瘍細胞、骨髄細胞、血液細胞、正常細胞、胎児細胞、母体細胞、またはそれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞表面タンパク質、細胞内タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬を複数の細胞と接触させた後、複数の細胞と接触していない複数の細胞成分結合試薬のうちの1つ以上の細胞成分結合試薬を除去することを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞と接触しない1つ以上の細胞成分結合試薬を除去することは、複数の細胞成分標的のそれぞれの少なくとも1つと接触しない1つ以上の細胞成分結合試薬を除去することを含む。
【0363】
いくつかの実施形態では、対象細胞を得ることは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分(例えば、蛍光部分、燐光部分)、またはその欠如に基づいて、対象細胞を得ることを含む。いくつかの実施形態では、対象細胞を得ることは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如に基づいて、フローサイトメトリックに対象細胞を得ることを含む。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如に基づいて対象細胞をフローサイトメトリックに得ることは、対象細胞の濃度を、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値だけ、増加させる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如に基づいて、フローサイトメトリックに対象細胞を取得することは、分析(例えば、サンプルのすべての細胞ではなく、サンプルの対象細胞のシーケンシングデータを取得することを含む単一細胞分析)の効率を、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、120倍、130倍、140倍、150倍、160倍、170倍、180倍、190倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値、または少なくともそれらの値だけ、改善する。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如に基づいて、フローサイトメトリックに対象細胞を取得した後、サンプル中の対象細胞の濃度は、少なくとも、またはおよそ少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、50倍、100倍、250倍、500倍、750倍、1000倍、5000倍、10000倍、50000倍、100000倍、500000倍、1000000倍、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲だけ、増加する。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如に基づいて、フローサイトメトリックに対象細胞を取得した後、サンプル中の対象細胞の濃度は、2倍、3倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、50倍、100倍、250倍、500倍、750倍、1000倍、5000倍、10000倍、50000倍、100000倍、500000倍、1000000倍、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲だけ、増加する。
【0364】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如に基づいて、フローサイトメトリックに対象細胞を得ることは、サンプルを富化する(例えば、非対象細胞、干渉細胞、およびデブリをディプリーションさせる)。いくつかの実施形態によれば、非対象細胞、干渉細胞、およびデブリのディプリーションは、サンプル中に元々存在している非対象細胞、干渉細胞、および/またはデブリの、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.5%、99.9%、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の数または範囲だけ、除去することができる。いくつかの実施形態では、ディプリーション後のサンプル中の固体質量のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.95%、99.99%、99.995%、99.999%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲は、対象細胞である。いくつかの実施形態では、ディプリーション後のサンプル中の固体質量のうちの10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.95%、99.99%、99.995%、99.999%、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲は、対象細胞である。
【0365】
本明細書に開示される方法は、低濃度の対象細胞を有するサンプル、例えば、対象細胞を有するサンプルに適用することができる。対象細胞は稀であることができる。いくつかの実施形態では、対象細胞は、サンプル中の全細胞数の、0.0001%未満、0.0005%、0.001%、0.005%、0.01%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲を占める細胞である。いくつかの実施形態では、サンプルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、250、500、1000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、以下の個数のサンプル1ミリリットル当たりの対象細胞を有する流体サンプルである。流体サンプルは、血液(例えば、全血、血清、または血漿)、尿、唾液、脳脊髄液、胸膜流体、羊水、精液、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができ、またはそれらとすることができる。いくつかの実施形態では、対象細胞は、サンプル中の全細胞のうち、または流体サンプルの1ミリリットル当たり、10、102、103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、1015、1020、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲の個数中の1つ、またはおよそそれらの値の個数中の1つである。対象細胞のサイズは様々とすることができる。例えば、対象細胞の直径は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100マイクロメートル、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲とすることができる。
【0366】
本明細書中で使用される場合、用語「対象細胞」は、研究されている細胞を指す。対象細胞は稀であり、サンプル中の対象細胞の濃度は低い可能性があるので、例えば、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、対象細胞の単離をスピードアップするために、対象細胞の富化は有利になる可能性がある。いくつかの実施形態では、対象細胞は、音響フォーカシングなどのフォーカシング、ならびに、非対象細胞および干渉細胞およびデブリの磁気ディプリーションを使用して富化することもできる。サンプル中の対象細胞の非限定的な例には、悪性表現型を発現する細胞;腫瘍細胞、例えば腫瘍から血液または他の体液または骨髄に放出された腫瘍細胞;良性腫瘍細胞;癌細胞;末梢血中の癌細胞;甲状腺癌細胞;乳癌細胞;循環腫瘍細胞(「CTC」);白血病細胞;癌幹細胞;異なる細胞周期相(G0/G1、S、G2)からの単一細胞;XおよびY染色体を担持する精子;幹細胞;胎児または成体幹細胞;多能性幹細胞;サラセミア患者の有核赤血球(「NRBC」);母体末梢血中の胎児細胞のような胎児細胞;母体循環における胎児有核赤血球(「FNRBC」);およびCD71、CD8、CD34またはCD133によって特徴付けられる細胞が含まれる。対象細胞の他の例としては、以下の細胞:循環内皮細胞;HIVに感染した細胞、対象遺伝子でトランスフェクトされた細胞、自己免疫または自己活性障害に罹患した被験体の末梢血中に存在するT細胞またはB細胞の異常サブタイプなどのウイルス感染細胞;活性化リンパ球;単球および樹状細胞のような抗原提示細胞;病原体または寄生生物、細胞内寄生生物を含む細胞;および尿のような希釈流体中の細胞または微生物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0367】
いくつかの実施形態では、サンプルは、組織切片またはその細胞を含む。サンプルの種類は限定されない。例えば、サンプルは、臨床サンプル、生物学的サンプル、環境サンプル、またはそれらの組み合わせとすることができ、またはそれらを含むことができる。例えば、サンプルは、患者からの生物学的流体、組織および細胞のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、血液、尿、脳脊髄液、胸膜流体、羊水、精液、唾液、骨髄、生検サンプル、またはそれらの組み合わせを含むことができる。サンプルは、混合癌細胞サンプルからの細胞を含むことができる。
【0368】
本明細書に開示される方法、組成、キット、デバイス、およびシステムは、基礎研究、生物医学的研究、環境試験、および臨床診断における様々な用途に使用され得る。対象細胞の複数の細胞成分標的を定量的に分析する開示された方法の潜在的用途の例には、遺伝子型決定、遺伝子発現プロファイリング、希少細胞の検出および識別、疾患または状態の診断、疾患の予後または状態の決定、疾患に対する処置の過程(例えば、患者が治療に応答し得るか否かの決定)または状態の決定、および疾患または状態に対する処置に対する応答の監視、ならびに生物学的展開プロセスの理解が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本開示の方法、デバイス、およびシステムは、循環腫瘍細胞(CTC)を特徴付けるために使用されることができる。本開示の方法、デバイス、およびシステムは、富化された血液サンプルからの循環腫瘍細胞における発現プロファイルを検出するために使用することができる。本方法は、標的希少細胞を有することが疑われる個体からの細胞の混合集団を含む生物学的サンプルを得ることと、単一細胞が単一ウェルに存在するように、本開示のデバイスおよびシステムに(富化され得る)前記サンプルを接触させることとを含むことができる。サンプルは、血液から赤血球および/または死細胞を除去するための方法に供されることができる。サンプルは、単一のビーズが単一細胞を有する単一ウェルに存在するように、本開示のビーズと接触させることができる。細胞を溶解させることができる。ビーズは、細胞内の特定の位置遺伝子および/または細胞のmRNAに結合することができる確率論的標識を含むことができる。固体支持体に会合するCTCからの分子は、逆転写、増幅、およびシーケンシングを含む、本開示の分子生物学的方法に供されることができる。細胞は、細胞の遺伝子発現プロファイルに基づいてクラスター化されることができ、それによって、それらの遺伝子型に基づいて希少細胞(例えば、CTC)および希少細胞(例えば、CTC)のサブ集団を識別することができる。本方法は、CTCまたはサンプルの集団における循環腫瘍細胞(CTC)のサブ集団(サブグループ)を識別して特徴付けること、CTCまたはサンプルの集団におけるCTCのサブグループを定量化すること、特に固形腫瘍についての癌、治療および予後を診断およびモニタリングすること、ならびに、診断、予後および治療処置についてのバイオマーカーとして識別されたCTCサブグループを使用することのために使用することができる。1つの例では、本開示の方法(例えば、本開示の免疫学的方法)は、腫瘍内の腫瘍浸潤リンパ球を特徴付けるために使用され、処置の前および後の腫瘍を伴う患者の臨床的応答を監視し、処置後に最小の残留疾患(例えば、残った癌細胞)を決定することができる。
【0369】
サンプル中の複数の細胞成分標的の分析
本明細書の開示には、サンプル中の複数の細胞成分標的を分析する方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることを含み、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれは、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成する。本方法は、実験結果を得るために、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分、またはその欠如を使用して、複数の細胞に対して実験を行うことを含むことができる。本方法は、複数のバーコードを、細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることを含むことができ、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む。本方法は、複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することを含むことができ、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む。本方法は、生成された細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することを含むことができる。本方法は、細胞の実験結果、および細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数の分析を実施することを含むことができる。いくつかの実施形態では、分析を実施することは、細胞の実験結果と、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数とを相関させることを含む。本方法は、細胞の実験結果に基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数の分析を実行することを含むことができる。本方法は、細胞の実験結果に基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数の分析を実行することを含むことができる。
【0370】
本明細書の開示には、サンプル中の複数の細胞成分標的を分析する方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることを含み、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれは、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成する。本方法は、実験結果を得るために、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分、またはその欠如を使用して、複数の細胞に対して実験を行うことを含むことができる。本方法は、実験結果に基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞から対象細胞を選択することを含むことができる。本方法は、複数のバーコードを、対象細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることを含むことができ、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む。本方法は、複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することを含むことができ、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む。本方法は、対象細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することを含むことができる。
【0371】
いくつかの実施形態では、実験を実施することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞の顕微鏡観察を実施することを含む。いくつかの実施形態では、顕微鏡観察を実施することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞を画像化することを含む。いくつかの実施形態では、細胞を画像化することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞をライブ画像化することを含む。
【0372】
いくつかの実施形態では、サンプルは画像化される。いくつかの実施形態では、画像化されたサンプルは、検出可能部分を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞を含む。細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合する特異的に結合した細胞成分結合試薬の画像は、例えば、蛍光画像化によって生成され得る。いくつかの実施形態では、画像化は、ライブ画像化を含む。画像化は、明視野画像化、斜め照明、暗視野画像化、分散染色、位相コントラスト、差動干渉コントラスト、干渉反射顕微鏡、蛍光、共焦点、電子顕微鏡、透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、および単一平面照明、またはそれらの任意の組合せなどの顕微鏡観察を含むことができる。画像化は、ネガティブ染色(ニグロシン、モリブデン酸アンモニウム、酢酸ウラニル、ギ酸ウラニル、リンタングステン酸、四酸化オスミウム)の使用を含むことができる。画像化は、電子を散乱させることができる重金属(例えば、金、オスミウム)の使用を含むことができる。
【0373】
画像化は、サンプルの一部(例えば、スライド/アレイ)を画像化することを含むことができる。画像化は、サンプルの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%を画像化することを含むことができる。画像化は、サンプルの最大で10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%を画像化することを含むことができる。画像化は、ディスクリートなステップ(例えば、画像が連続的である必要はないことがある)で行うことができる。画像化は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10以上の異なる画像を取り込むことを含むことができる。画像化は、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10以上の異なる画像を取り込むことを含むことができる。
【0374】
本明細書に開示される細胞成分結合試薬に会合する細胞は、公知の方法で基板上に配置することができ、画像化することができる。画像は、検出可能なシグナル(例えば、蛍光シグナル)の強度に基づいて、対象細胞成分標的の相対レベルを決定するために使用することができる。走査レーザ蛍光顕微鏡または読取装置を使用して、基板(例えば、マイクロアレイ)からの放出光のデジタル画像を取得することができる。集束光源(通常、レーザ)を、本明細書に開示された細胞成分結合試薬に会合する細胞を生じさせる基板を横切って走査して、蛍光のような光シグナルを放出させることができる。発蛍光団特異的蛍光データは、走査動作中に収集および測定することができ、そして、適切なアルゴリズム、ソフトウェア、およびコンピュータハードウェアを介して、基板の画像を再構成することができる。基板は、共焦点レーザスキャナで画像化することができる。スキャナは、基板を走査して、特定の検出可能部分について適切な波長のレーザで基板を順次走査することによって使用される各検出可能部分についての1つの画像を生成することができる。各検出可能部分は、既知の励起スペクトルおよび既知の放出スペクトルを有することができる。スキャナは、レーザビームを対物レンズに向けて反射するビームスプリッタを含むことができ、これは次に、スライドの表面にビームを集束させて蛍光球状放出を生じさせる。放出の一部は、レンズおよびビームスプリッタを通って戻ることができる。ビームスプリッタを通過した後、蛍光ビームはミラーによって反射され、放出フィルタ、焦点検出器レンズおよび中心ピンホールを通って移動することができる。
【0375】
細胞成分標的の位置を示す画像をサンプルの画像と相関させることによって、細胞成分標的の空間バーコードを生成し得る。基板スキャンからのデータは、基板上の溶解されていないサンプルの画像と相関させることができる。それにより、データを重ね合わせることができ、マップを生成することができる。本開示はまた、検出可能部分を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬を用いて細胞成分標的の数および位置を推定するため、および/または、確率論的バーコーディングおよびデジタルカウントするための方法を提供する。本開示の方法から得られたデータは、マップ上で可視化することができる。本開示の方法から得られたデータは、マイクロウェルアレイのマップ上で可視化することができる(例えば、各サンプルの結果をマイクロウェルアレイ内の位置にトレースすることができる)。サンプルからの細胞成分標的の数および位置のマップは、本明細書に記載の方法を使用して生成された情報を使用して構築することができる。マップは、細胞成分標的の物理的位置を特定するために使用することができる。マップは、複数の細胞成分標的の位置を識別するために使用することができる。複数の細胞成分標的は、同じ種の標的とすることができ、または複数の標的は、複数の異なる標的とすることができる。マップは、単一サンプルからのデータから生成することができる。マップは、複数のサンプルからのデータを使用して構築することができ、それにより、組み合わされたマップを生成することができる。マップは、数十、数百、および/または数千のサンプルからのデータで構築することができる。複数のサンプルから構成されたマップは、複数のサンプルに共通の領域に会合する標的のデジタルカウントの分布を示すことができる。
【0376】
データ分析および相関は、特定の細胞型(例えば、希少細胞、癌細胞、細菌細胞)の存在および/または不在を決定するために有用である可能性がある。データ相関は、細胞内またはサンプル内のいずれかの別個の位置における標的核酸および/または細胞成分標的の相対比を決定するために有用である可能性がある。本明細書に開示される方法および組成は、医療専門家(例えば、病理学者)のためのコンパニオン診断とすることができ、病理画像を視覚的に見て、画像を遺伝的発現(例えば、腫瘍遺伝子の発現の識別)に相関させることにより、被験体を診断することができる。本方法および組成は、細胞集団から細胞を識別するため、およびサンプル中の細胞の遺伝的不均一性を決定するために有用である可能性がある。本方法および組成は、サンプルの遺伝子型を決定するために有用である可能性がある。
【0377】
いくつかの実施形態では、実験を実施することは、任意のイムノアッセイを含み、細胞成分標的は、本明細書に開示される細胞成分結合試薬によって特異的に結合される。競合的および非競合的イムノアッセイを含む種々のイムノアッセイ技術を使用することができる。実験に使用するために企図されたイムノアッセイは、限定するものではないが、フローサイトメトリー、FACS、酵素イムノアッセイ(EIA)、例えば、酵素増倍イムノアッセイ技術(EMIT)、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)、IgM抗体捕捉ELISA(MAC ELISA)および微粒子酵素イムノアッセイ(MEIA)、さらにはキャピラリー電気泳動イムノアッセイ(CEIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫放射測定アッセイ(IRMA)、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)および化学発光アッセイ(CL)を含む技術を包含する。所望であれば、このようなイムノアッセイを自動化することができる。イムノアッセイはまた、レーザ誘起蛍光とともに使用することもできる。上記の方法の多くおよび追加のイムノアッセイのさらなる説明は、例えば、Sambrookら(前出)に見出すことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞成分結合試薬は、一次抗体(例えば、直接に細胞成分標的に特異的に結合する抗体)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞成分結合試薬は、二次抗体(例えば、間接的に、例えば、一次抗体への結合を介して細胞成分標的に特異的に結合する抗体)を含む。
【0378】
いくつかの実施形態では、実験を実施することは、例えばイムノブロッティングまたはELISAのような定性的および/または半定量的イムノアッセイを含む。いくつかの実施形態では、定性的および半定量的イムノアッセイは、細胞成分標的の相対量に関する情報を提供するが、細胞成分標的の量の絶対に関する情報を提供することはできない。本明細書に開示されるものは、定性的および/または半定量的イムノアッセイを使用して、複数の細胞成分標的を定量分析する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、滴定曲線を生成することを含み、ここで、イムノアッセイ(例えば、ウエスタンブロットのコントロールレーンまたはELISAのコントロールウェル)内のいくつかの滴定コントロールは、既知の濃度の細胞成分標的を含む。これらの滴定コントロールは、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための本明細書に開示される細胞成分結合試薬と接触させることができる。次に、これらの滴定コントロールの各々について、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の量を、本明細書に開示されるように(例えば、蛍光分析により)決定することができ、結合試薬オリゴヌクレオチドは、本明細書に開示されるように、バーコーディングおよびシーケンシングすることができ、各細胞成分標的のコピー数を決定することができる。結合試薬オリゴヌクレオチドの検出可能部分のシグナルと、種々の濃度での各細胞成分標的のコピー数との間の関係を採用すると、結合試薬オリゴヌクレオチドの検出可能部分のシグナルに基づいて、実験イムノアッセイサンプル中の細胞標的の定量を可能にする滴定曲線を展開することができる。別の実施形態では、滴定曲線はイムノアッセイのためには展開されず、各イムノアッセイサンプル(例えば、ウェスタンブロットレーン、イムノブロットスポット(PVDFまたはニトロセルロース膜の切片)、ELISAウェル)は、本明細書に開示されるような結合試薬オリゴヌクレオチドのバーコーディングおよびシーケンシングに供され、細胞成分標的のコピー数をもたらす。
【0379】
いくつかの実施形態では、実験を実施することは、免疫組織化学(例えば、「免疫学的染色」)を含む。本明細書の開示には、免疫学的に染色された細胞の複数の細胞成分標的を定量的に分析する方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、サンプル(例えば、組織切片)を、組織切片上および/または組織切片内の複数の細胞成分標的と特異的に結合するための本明細書に開示された細胞成分結合試薬と接触させることを含む。組織は、その形態学的情報および/または任意の他の識別特徴(例えば、希少細胞の存在または不在)を得るために、免疫組織化学分析に供されることができる。いくつかの実施形態では、組織切片の顕微鏡観察(例えば、蛍光顕微鏡)は、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して実施される。いくつかの実施形態では、対象細胞成分標的を含むものとして顕微鏡観察によって識別された組織切片の1つ以上の部分が切除され、結合試薬オリゴヌクレオチドが単離され、そして複数のバーコードと接触し、複数のバーコードの各々は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含み、続いて、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数の標識化核酸を生成し、ここで、標識化核酸の各々は、識別子配列、またはその相補的配列、分子標識配列、またはそれらの相補的配列を含み、続いて、複数の標識化核酸の配列情報、その相補的配列、それらの部分、またはそれらの組み合わせを取得して、対象細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定する。したがって、本明細書に開示される方法は、免疫学的に染色された細胞(例えば、組織切片)内の細胞成分標的の数および/または位置を決定することができる。
【0380】
サンプル中の複数の細胞成分標的の定量分析
本明細書の開示には、サンプル中の複数の細胞成分標的の定量分析の方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞成分結合試薬を、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、第1のサンプルおよび第2のサンプルの複数の細胞成分標的と接触させることを含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれは、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を生成する。本方法は、第1のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第1の量を決定することを含むことができる。本方法は、複数のバーコードを、第1のサンプルの細胞成分標的に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることを含むことができ、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む。本方法は、複数の標識化核酸を生成するために、第1のサンプルの細胞成分標的に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを伸長することを含むことができ、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む。本方法は、第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することを含むことができる。本方法は、第2のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第2の量を決定することを含むことができる。本方法は、(1)第1のサンプル中の複数の細胞成分標的のそれぞれに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第1の量、(2)決定された第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数、および(3)第2のサンプル中の複数の細胞成分標的のそれぞれに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第2の量、に基づいて、第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数を決定することを含むことができる。本方法は、(1)第1のサンプル中の複数の細胞成分標的のそれぞれに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第1の量、(2)決定された第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数の間の対応の標準曲線を生成すること、および(3)第2のサンプル中の複数の細胞成分標的のそれぞれに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第2の量からの第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数を決定するために、標準曲線を使用することを含むことができる。
【0381】
いくつかの実施形態では、第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数は、第1のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分の第1の量に反比例する。いくつかの実施形態では、第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数は、決定された第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数に正比例する。いくつかの実施形態では、第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数は、第2のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分の第2の量に正比例する。
【0382】
いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬を、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための第1のサンプルおよび第2のサンプルの複数の細胞成分標的と接触させることは、第1のサンプルおよび第2のサンプルのそのままの細胞と複数の細胞成分結合試薬とを接触させることを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬を、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための第1のサンプルおよび第2のサンプルの複数の細胞成分標的と接触させることは、第1のサンプルおよび第2のサンプルの溶解された細胞内容物と、複数の細胞成分結合試薬とを接触させることを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬を、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための第1のサンプルおよび第2のサンプルの複数の細胞成分標的と接触させることは、第1のサンプルおよび第2のサンプルの組織切片を複数の細胞成分結合試薬と接触させることを含む。
【0383】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の量を決定することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞の顕微鏡観察(例えば、画像化)を行うことを含む。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の量を決定することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞のフローサイトメトリー分析(例えば、蛍光ベースフローサイトメトリー装置で)を実行することを含む。
【0384】
サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定する方法
本明細書の開示には、サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定する方法を含む。このような実施形態の方法の態様は、細胞成分結合試薬を含む、検出可能に標識されたサンプルを生成することであって、ここで、細胞成分結合試薬は、検出可能部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、生成することと、検出可能部分について検出可能に標識されたサンプルの細胞構成要素をアッセイして、細胞サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含む否かを決定することとを含む。
【0385】
このような実施形態では、検出可能に標識されたサンプルは、細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬は、検出可能部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合することができる。検出可能部分に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬は、上記のようなそのような試薬のいずれでもあり得る。したがって、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、例えば、図9に示すような、検出可能部分を含み得る。あるいは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、例えば、図12に示すように、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチド、例えばその識別子配列にハイブリダイズする核酸標識のような検出可能部分を含む、標識成分、例えばメディエーターに非共有結合的に結合され得る。検出可能に標識されたサンプルは、上記のもののような任意の好都合なプロトコルを用いて調製され得る。細胞成分結合試薬が標識化核酸のような非共有結合メディエーターを介して検出可能部分と会合している場合、非共有結合メディエーターは、細胞成分結合試薬を含むオリゴヌクレオチドがサンプルと組み合わされて検出可能に標識されたサンプルを生成する前または後のいずれかで、オリゴヌクレオチドに結合され得る。
【0386】
検出可能に標識されたサンプルの調製に続いて、本方法は、検出可能部分についての検出可能に標識されたサンプルの細胞構成要素をアッセイして、細胞サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定することを含み得る。アッセイすることは、任意の好都合なプロトコルを用いて実施することができ、いくつかの例では、アッセイすることは、検出可能部分のシグナルが検出されるそれらの構成要素について、検出可能に標識されたサンプルの細胞構成要素を評価することと、それらの細胞構成要素が、対象細胞成分標的、例えば、上記のようなマーカーを含むことを決定することとを含む。任意の都合がよいプロトコルが採用され得るが、いくつかの例では、プロトコルは、例えば上述したような、フローサイトメトリープロトコルのようなサイトメトリープロトコルである。いくつかの例では、本方法は、対象細胞成分標的を含む細胞構成要素をカウントすることをさらに含み得る。例えば、対象細胞成分標的を含む、所与の検出可能に標識されたサンプル中の細胞構成要素の数が、決定され得る。
【0387】
いくつかの例では、これらの実施形態の方法は、細胞サンプルの他の構成要素から対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を分離することをさらに含み得る。分離することは、任意の好都合なプロトコルを用いて達成され得る。いくつかの例では、分離することは、例えば上述したように、フローサイトメトリー選別を含む。
【0388】
所望であれば、本方法は、対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を単一細胞サンプルに単離することをさらに含み得る。このような単離することは、上記の分割プロトコルに限定されるものではないが、任意の好都合なプロトコルを用いて達成され得る。このように、識別された細胞は、例えば、マイクロウェルのような単一細胞を保持するように構成された物理的容器内に配置され得る。識別された細胞は、例えば、単一細胞を保持するように構成された単一ドロップレットに配置され得る。
【0389】
所望であれば、本方法は、単一細胞サンプルからバーコード付き識別子配列を生成することをさらに含み得る。バーコード付き識別子配列は、上記のそれらのプロトコルのような、任意の都合がよいプロトコルに従って生成され得る。このように、バーコード識別子配列は、バーコード核酸を細胞成分結合試薬に会合するオリゴヌクレオチドと組み合わせて、そこからバーコード付き識別子配列を生成するために処理することによって、例えば、上記のようなプロトコルを採用することによって、生成され得る。
【0390】
生成されたバーコード付き識別子配列は、所望によりさらに処理され得る。例えば、バーコード付き識別子配列をシーケンシングして配列情報を取得し得る。例えば上記のような次世代配列(NGS)シーケンシングプロトコルを含む、任意の好都合なシーケンシングプロトコルを採用し得る。得られた配列情報は、種々の異なる目的のために採用され得る。例えば、得られた配列情報を採用して、例えば上記のように、単一細胞サンプルの細胞構成要素について対象細胞成分標的を定量化し得る。所望であれば、本方法はまた、単一細胞のトランスクリプトームまたはその一部の分析を含む、単一細胞のmRNAの配列分析のような、単一細胞の核酸の配列分析を含み得る。トランスクリプトームまたはその一部の分析は、上述したような任意の好都合なプロトコルを用いて行い得る。
【0391】
上記の方法は、サンプル中の細胞構成要素が単一対象細胞成分標的、または2つ以上の別個の対象細胞成分標的を含むか否かを決定するために採用され得る。方法によってアッセイされ得る別個の対象細胞成分標的の数は様々とし得るが、いくつかの例では、数は1から10まで、例えば2から5まで、例えば3から4までの範囲であり得る。細胞構成要素は、例えば上記のように、細胞成分結合試薬の適切な集団/カクテルを使用して、1つ以上の対象細胞成分標的についてアッセイされ得る。いくつかの例では、このような方法で採用される集団/カクテルは、オリゴヌクレオチドが検出可能部分と会合していない細胞成分結合試薬を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。このような実施形態では、検出可能部分を欠く細胞成分結合試薬を含むこのようなオリゴヌクレオチドの数は様々とし得、いくつかの例では、5~100、例えば10~50を含む、3~300のような1~500の範囲である。検出可能部分を欠く細胞成分結合試薬を含むオリゴヌクレオチドは、サンプル中の他の細胞構成要素から特定の細胞構成要素を区別する、例えば選別するために採用されない1つ以上の対象細胞成分標的を評価することが望まれる実施形態において採用され得る。いくつかの例では、検出可能部分を欠く細胞成分結合試薬を含むオリゴヌクレオチドの数は、検出可能部分を含む数を超える。
【0392】
検出可能部分に会合するオリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬の使用は、細胞選別/核酸分析ワークフローにおける多くの利点を提供する。例えば、従来の細胞選別方法では、標識化抗体は、オリゴヌクレオチド会合抗体とともに採用される。具体的には、標識化抗体を第1の選別ステップで採用して、1つ以上の対象集団を富化し得る。そして、得られた富化細胞集団を、さらなる分析のために、オリゴヌクレオチド会合抗体と接触させ得る。そのような例では、所与の細胞成分標的を、選別とその後の分析との両方に採用し得る。これが起こると、ユーザは、同時にまたは連続的に染色されるように、蛍光抗体パネルとオリゴ-コンジュゲート抗体パネルとを別々に設計および調製する。両方のパネルに重複クローンが存在する場合、発蛍光団-コンジュゲート抗体およびオリゴ-コンジュゲート抗体は、利用可能なエピトープについて競合し、両方の検出方法からのシグナルが減少し得る。上記の方法は、細胞成分結合試薬のオリゴヌクレオチドと検出可能部分とを会合させることによりこの問題を緩和し、それにより、細胞成分結合試薬を含む同じ試薬オリゴヌクレオチドを、選別および他の分析の両方に採用し得る。
【0393】
図13は、BD Rhapsody高スループット単一細胞捕捉システム(BD Biosciences、San Jose、CA)上の抗体を含むBD AbSeqオリゴヌクレオチドを使用して、上記のようなデジタルmRNAおよびタンパク質定量を実施するためのワークフローの例を提供する。図13に示されているように、細胞サンプルは、抗体パネル(例えば、40プレックス)を含む多重化AbSeqオリゴヌクレオチドで染色され、CD3、CD4およびCD45に特異的に結合する抗体のオリゴヌクレオチドの識別子が、例えば、CD3抗体の識別子にハイブリダイズしてAPCを含む標識化核酸、CD4抗体の識別子にハイブリダイズしてPEを含む標識化核酸、およびCD45抗体の識別子にハイブリダイズしてFITCを含む標識化核酸などの、区別可能に蛍光標識された標識化核酸にハイブリダイズする。そして、結果として得られた標識化サンプルを、APC、PEおよびFITCに基づいてフローサイトメトリー選別して、CD4 T細胞集団を得る。そして、結果として得られた選別細胞をカウントし、BD Rhapsody高スループット単一細胞捕捉システムでさらに処理する。図13は、検出可能部分を抗体オリゴヌクレオチドと会合するために標識化核酸を使用するワークフローを示しているが、抗体オリゴヌクレオチドはまた、例えば図9に示すような、検出可能部分を含み得る。
【0394】
組成およびキット
本発明の態様は、本発明の種々の方法を実施する際に使用が見出されるキットおよび組成をさらに含む。
【0395】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、サンプル中の複数の細胞成分(例えば、タンパク質)および/または複数の核酸標的分子の同時定量分析についてのキットおよび組成を提供する。キットおよび組成は、いくつかの実施形態では、それぞれオリゴヌクレオチドにコンジュゲートする複数の細胞成分結合試薬(例えば、複数のタンパク質結合試薬)を含むことができ、オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬についての固有識別子と、複数のオリゴヌクレオチドプローブとを含み、複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、標的結合領域、バーコード配列(例えば、分子標識配列)を含み、バーコード配列は、多様なセットの固有バーコード配列からのものである。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドは、分子標識、細胞標識、サンプル標識、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドはリンカーを含むことができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの各々は、ポリ(A)テールのようなオリゴヌクレオチドプローブについての結合部位を含むことができる。例えば、ポリ(A)テールは、例えば、オリゴdA18V(固体支持体に固定されていない)またはオリゴA18V(固体支持体に固定されている)とすることができる。オリゴヌクレオチドは、DNA残基、RNA残基、またはその両方を含むことができる。
【0396】
いくつかの例では、例えば、上記のような細胞成分結合試薬のオリゴヌクレオチドは、蛍光部分のような検出可能部分に会合する。上記での検討のように、オリゴヌクレオチドは、検出可能部分を含むか、または検出可能部分を含む(例えば、検出可能部分を含む標識化核酸)に非共有結合的に結合され媒介され得る。細胞成分結合試薬を含む別個のオリゴヌクレオチドの数は様々とし得るが、いくつかの例では、数は1から10、例えば2から5、例えば3から4までの範囲である。いくつかの例では、キットは、オリゴヌクレオチドが検出可能部分と会合していない細胞成分結合試薬を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む集団/カクテルを含む。このような実施形態では、検出可能部分を欠く細胞成分結合試薬を含むこのようなオリゴヌクレオチドの数は様々とし得、いくつかの例では、例えば10~50などの5~100を含む、3~300のような1~500の範囲である。検出可能部分を欠く細胞成分結合試薬を含むオリゴヌクレオチドは、サンプル中の他の細胞構成要素から特定の細胞構成要素を区別する、例えば選別するために採用されない1つ以上の対象細胞成分標的を評価することが望まれる場合に存在し得る。いくつかの例では、検出可能部分を欠く細胞成分結合試薬を含むオリゴヌクレオチドの数は、検出可能部分を含む数を超える。
【0397】
本明細書の開示には、複数のサンプルインデクシング組成を含む。複数のサンプルインデクシング組成の各々は、2つ以上の細胞成分結合試薬を含むことができる。2つ以上の細胞成分結合試薬の各々は、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合することができる。2つ以上の細胞成分結合試薬のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの細胞成分標的に特異的に結合することができる。サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、サンプルの1つ以上の細胞のサンプル起源を識別するためのサンプルインデクシング配列を含むことができる。複数のサンプルインデクシング組成のうちの少なくとも2つのサンプルインデクシング組成のサンプルインデクシング配列は、異なる配列を含むことができる。
【0398】
本明細書の開示には、細胞識別についてのサンプルインデクシング組成を含むキットが含まれる。いくつかの実施形態では。2つのサンプルインデクシング組成の各々は、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬(例えば、タンパク質結合試薬)を含み、細胞成分結合試薬は、1つ以上の細胞成分標的(例えば、1つ以上のタンパク質標的)のうちの少なくとも1つに特異的に結合することができ、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、サンプルインデクシング配列を含み、2つのサンプルインデクシング組成のサンプルインデクシング配列は、異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、分子標識配列、ユニバーサルプライマーについての結合部位、またはそれらの組み合わせを含む。
【0399】
本明細書の開示には、細胞識別についてのキットを含む。いくつかの実施形態では、キットは、2つ以上のサンプルインデクシング組成を含む。2つ以上のサンプルインデクシング組成の各々は、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬(例えば、抗原結合試薬)を含むことができ、細胞成分結合試薬は、1つ以上の細胞成分標的のうちの少なくとも1つに特異的に結合することができ、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、サンプルインデクシング配列を含み、2つのサンプルインデクシング組成のサンプルインデクシング配列は、異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、分子標識配列、ユニバーサルプライマーについての結合部位、またはそれらの組み合わせを含む。本明細書の開示には、マルチプレット識別についてのキットを含む。いくつかの実施形態では、キットは、2つのサンプルインデクシング組成を含む。2つのサンプルインデクシング組成の各々は、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドに会合する細胞成分結合試薬(例えば、抗原結合試薬)を含むことができ、抗原結合試薬は、1つ以上の細胞成分標的(例えば、抗原標的)のうちの少なくとも1つに特異的に結合することができ、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチドは、サンプルインデクシング配列を含み、2つのサンプルインデクシング組成のサンプルインデクシング配列は、異なる配列を含む。
【0400】
固有識別子(または結合試薬オリゴヌクレオチド、抗体オリゴヌクレオチド、サンプルインデクシングオリゴヌクレオチド、細胞識別オリゴヌクレオチド、コントロール粒子オリゴヌクレオチド、コントロールオリゴヌクレオチド、または相互作用決定オリゴヌクレオチドなどの細胞成分結合試薬に会合するオリゴヌクレオチド)は、例えば、約25ヌクレオチドから約45ヌクレオチドの、任意の適切な長さを有することができる。いくつかの実施形態において、固有識別子は、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、15ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、35ヌクレオチド、40ヌクレオチド、45ヌクレオチド、50ヌクレオチド、55ヌクレオチド、60ヌクレオチド、70ヌクレオチド、80ヌクレオチド、90ヌクレオチド、100ヌクレオチド、200ヌクレオチド、またはこれらの値のうちの任意の2つの間の範囲、またはおよそそれらの値、またはそれらの値未満、またそれらの値超の長さを有することができる。
【0401】
いくつかの実施形態では、固有識別子は、固有識別子の多様なセットから選択される。固有識別子の多様なセットは、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、5000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の、異なる固有識別子を含むことができる。固有識別子の多様なセットは、少なくとも、または最大で20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、または5000の、異なる固有識別子を含むことができる。いくつかの実施形態では、固有識別子のセットは、分析されるサンプルのDNAまたはRNA配列に対して最小の配列相同性を有するように設計される。いくつかの実施形態において、固有識別子のセットの配列は、互いに、またはその相補体とは、1ヌクレオチド、2ヌクレオチド、3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値だけ異なる。いくつかの実施形態では、固有識別子のセットの配列は、互いに、またはその相補体とは、少なくとも、または最大で、1ヌクレオチド、2ヌクレオチド、3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、または10ヌクレオチドだけ異なる。
【0402】
いくつかの実施形態では、固有識別子は、ユニバーサルプライマーのようなプライマーについての結合部位を含むことができる。いくつかの実施形態では、固有識別子は、ユニバーサルプライマーのようなプライマーについての少なくとも2つの結合部位を含むことができる。いくつかの実施形態では、固有識別子は、ユニバーサルプライマーのようなプライマーについての少なくとも3つの結合部位を含むことができる。プライマーは、例えば、PCR増幅により、固有識別子の増幅のために使用することができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、入れ子状PCR反応のために使用することができる。
【0403】
任意のタンパク質結合試薬(例えば、抗体またはそのフラグメント、アプタマー、小分子、リガンド、ペプチド、オリゴヌクレオチドなど、またはそれらの任意の組み合わせ)のような、任意の適切な細胞成分結合試薬が、この開示において意図される。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、単鎖抗体(scAb)、またはFab、Fvなどのそのフラグメントとすることができる。いくつかの実施形態において、複数のタンパク質結合試薬は、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、5000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の、異なるタンパク質結合試薬を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質結合試薬は、少なくとも、または最大で20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、または5000の、異なるタンパク質結合試薬を含むことができる。
【0404】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して細胞成分結合試薬とコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、タンパク質結合試薬と共有結合的にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、タンパク質結合試薬と非共有結合的にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、リンカーは、オリゴヌクレオチドをタンパク質結合試薬に可逆的にまたは不可逆的に取り付ける化学基を含むことができる。化学基は、例えばアミン基を介してリンカーにコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、リンカーは、タンパク質結合試薬にコンジュゲートした別の化学基と安定な結合を形成する化学基を含むことができる。例えば、化学基は、UV光開裂可能基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミンなどとすることができる。いくつかの実施形態では、化学基は、リジンまたはN末端のようなアミノ酸上の第1級アミンを介してタンパク質結合試薬にコンジュゲートすることができる。オリゴヌクレオチドは、タンパク質結合試薬とそのタンパク質標的との間の特異的結合をそれが妨害しない限り、タンパク質結合試薬の任意の適切な部位にコンジュゲートすることができる。タンパク質結合試薬が抗体である実施形態において、オリゴヌクレオチドは、抗原結合部位以外の任意の場所、例えば、Fc領域、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、CLドメイン等にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬は、単一オリゴヌクレオチド分子とコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬は、2、3、4、5、10、20、30、40、50、100、1000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値のオリゴヌクレオチド分子とコンジュゲートすることができ、オリゴヌクレオチド分子のそれぞれは、同じ固有識別子を含む。いくつかの実施形態において、各タンパク質結合試薬は、1つ超のオリゴヌクレオチド分子、例えば、少なくとも、または最大で、2、3、4、5、10、20、30、40、50、100、または1000のオリゴヌクレオチド分子とコンジュゲートすることができ、オリゴヌクレオチド分子のそれぞれは、同じ固有識別子を含む。
【0405】
いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬(例えば、タンパク質結合試薬)は、サンプル中の複数の細胞成分標的(例えば、タンパク質標的)に特異的に結合することができる。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織サンプル、腫瘍サンプル、血液サンプルなどであるか、またはそれらを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞内タンパク質を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、細胞内タンパク質を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、生物中のすべての細胞成分標的(例えば、発現される、または発現され得るタンパク質)の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、少なくとも、または最大で、生物中のすべての細胞成分標的(例えば、発現される、または発現され得るタンパク質)の、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または99%とすることができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、2、3、4、5、10、20、30、40、50、100、1000、10000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲、またはおよそそれらの値の異なる細胞成分標的を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の細胞成分標的は、少なくとも、または最大で2、3、4、5、10、20、30、40、50、100、1000、または10000の異なる細胞成分標的を含むことができる。
【0406】
キットの成分は、別々の容器に存在し得、または複数の成分が単一容器中に存在し得る。
【0407】
上記の成分に加えて、本主題のキットは、本主題の方法を実施するための取扱説明書を(特定の実施形態で)さらに含み得る。これらの取扱説明書は、種々の形態で本主題のキット中に存在し得、その1つ以上がキット中に存在し得る。これらの取扱説明書が存在し得る1つの形態は、例えば、キットの包装において、パッケージ挿入物においてなど、情報が印刷された1枚または複数枚の紙などの、適切な媒体または基板上に印刷された情報として存在し得る。これらの取扱説明書のさらに別の形態は、情報が記録されたディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどのコンピュータ可読媒体である。存在し得るこれらの取扱説明書のさらに別の形態は、移動されたサイトで情報にアクセスするためにインターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【実施例
【0408】
上記の実施形態のいくつかの態様は、以下の実施例でさらに詳細に開示されており、これらは本開示の範囲を限定することをいかなる場合でも意図するものではない。
【0409】
実施例1
タンパク質結合試薬と会合するためのオリゴヌクレオチド
この実施例は、タンパク質結合試薬とコンジュゲートすることができるオリゴヌクレオチドの設計を示す。オリゴヌクレオチドは、タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定するために使用することができる。オリゴヌクレオチドはまた、同じまたは異なるサンプルの細胞を決定するために、サンプルインデクシングのために使用することができる。
【0410】
95merオリゴヌクレオチド設計
以下の方法を用いて、タンパク質発現および遺伝子発現またはサンプルインデクシングの同時決定についての候補オリゴヌクレオチド配列および対応プライマー配列を生成した。
【0411】
1.配列の生成および除去
以下のプロセスを使用して、タンパク質発現および遺伝子発現またはサンプルインデクシングの同時決定についての候補オリゴヌクレオチド配列を生成した。
ステップ1a.所望の長さ(45bps)の多数の候補配列(50000配列)をランダムに生成する。
ステップ1b.生成された配列の5’末端に転写調節因子LSRR配列を付加し、生成された配列の3’末端にポリ(A)配列(25bps)を付加する。
ステップ1c.40%~50%の範囲のGC含量を有していない、生成されて付加された配列を除去する。
ステップ1d.各々が1つ以上のヘアピン構造を有する残りの配列を除去する。
残りの候補オリゴヌクレオチド配列の数は423であった。
【0412】
2.プライマー設計
以下の方法を使用して、残りの423個の候補オリゴヌクレオチド配列のプライマーを設計した。
2.1 N1プライマー:ユニバーサルN1配列:5’-GTTGTCAAGATGCTACCGTTCAGAG-3’(LSRR配列;配列番号3)をN1プライマーとして使用する。
2.2 N2プライマー(特定のサンプルインデックスオリゴヌクレオチドを増幅するための;例えば、図10B図10DのN2プライマー)
2.2a.N1配列の下流で開始しない候補N2プライマーを削除する。
2.2b.候補オリゴヌクレオチド配列の最後の35bpsで重複する候補N2プライマーを削除する。
2.2c.オリゴヌクレオチドを使用して研究される細胞種のトランスクリプトーム(例えば、ヒトトランスクリプトームまたはマウストランスクリプトーム)に整列されているプライマー候補を削除する。
2.2d.ILR2配列をデフォルトコントロール(ACACGACGCTCTTCCGATCT;配列番号4)として使用して、プライマー-プライマー相互作用を最小化または回避する。
423個の候補オリゴヌクレオチド配列のうち、390個の候補についてのN2プライマーが設計された。
【0413】
3.フィルタリング
次のプロセスを使用して、残りの390個の候補プライマー配列をフィルタリングした。
3a.Aで終わるランダム配列(つまり、ポリ(A)配列の有効長が25bpsより大きい)を持つ候補オリゴヌクレオチド配列を削除して、すべてのバーコードについてポリ(A)テールを同じ長さに保つ。
3b.Gの実行のオリゴ合成における余分なコストと潜在的に低い収率のために、4つ以上の連続したG(>3G)を持ついかなる候補オリゴヌクレオチド配列も削除する。
【0414】
図10Aは、上記の方法を使用して生成された非限定的な例示の候補オリゴヌクレオチド配列を示す。
【0415】
200merのオリゴヌクレオチド設計
以下の方法を使用して、タンパク質発現および遺伝子発現ならびにサンプルインデクシングを同時に決定するための候補オリゴヌクレオチド配列および対応するプライマー配列を生成した。
【0416】
1.配列の生成と削除
以下を使用して、タンパク質発現および遺伝子発現ならびにサンプルインデクシングの同時決定についての候補オリゴヌクレオチド配列を生成した。
1a.所望の長さ(128bps)の多数の候補配列(100000配列)をランダムに生成する。
1b.生成された配列の5’末端に、転写調節因子LSRR配列と、非ヒト、非マウスである追加のアンカー配列とを追加し、生成された配列の3’末端にポリ(A)配列(25bps)を追加する。
1c.40%~50%の範囲のGC含量を有していない、生成されて付加された配列を除去する。
1d.ヘアピン構造スコアに基づいて、残りの候補オリゴヌクレオチド配列を選別する。
1e.ヘアピンスコアが最も低い残りの1000個の候補オリゴヌクレオチド配列を選択する。
【0417】
2.プライマー設計
以下の方法を使用して、ヘアピンスコアが最も低い400個の候補オリゴヌクレオチド配列のプライマーを設計した。
2.1 N1プライマー:ユニバーサルN1配列:5’-GTTGTCAAGATGCTACCGTTCAGAG-3’(LSRR配列;配列番号3)をN1プライマーとして使用する。
2.2 N2プライマー(特定のサンプルインデックスオリゴヌクレオチドを増幅するための;例えば、図10Bおよび図10CのN2プライマー)
2.2a.N1配列の23nts下流で開始しない候補N2プライマーを削除する(アンカー配列は、すべての候補オリゴヌクレオチド配列にわたってユニバーサルであった)。
2.2b.標的配列の最後の100bpsで重複する候補N2プライマーを削除する。結果として得られるプライマー候補は、標的配列の48番目のヌクレオチドと100番目のヌクレオチドとの間にある可能性がある。
2.2c.オリゴヌクレオチドを使用して研究される細胞種のトランスクリプトーム(例えば、ヒトトランスクリプトームまたはマウストランスクリプトーム)に整列されているプライマー候補を削除する。
2.2d.ILR2配列、5’-ACACGACGCTCTTCCGATCT-3’(配列番号4)をデフォルトコントロールとして使用して、プライマー-プライマー相互作用を最小化または回避する。
2.2e.標的配列の最後の100bpsで重複するN2プライマー候補を削除する。
400個の候補オリゴヌクレオチド配列のうち、392個の候補についてのN2プライマーが設計された。
【0418】
3.フィルタリング
以下を使用して、残りの392個の候補プライマー配列をフィルタリングした。
3a.Aで終わるランダム配列(つまり、ポリ(A)配列の有効長が25bpsより大きい)を持ついかなる候補オリゴヌクレオチド配列も削除して、すべてのバーコードについてポリ(A)テールを同じ長さに保つ。
3b.Gの実行のオリゴ合成における余分なコストと潜在的に低い収率のために、4つ以上の連続したG(>3G)を持ついかなる候補オリゴヌクレオチド配列も排除する。
【0419】
図10Bは、上記の方法を使用して生成された非限定的な例示の候補オリゴヌクレオチド配列を示す。図10Bに示される入れ子状N2プライマーは、標的増幅についての抗体またはサンプル特異的配列に結合することができる。図10Cは、標的増幅についてのアンカー配列に対応する入れ子状ユニバーサルN2プライマーを有する同じ非限定的な例示の候補オリゴヌクレオチド配列を示す。図10Dは、1ステップの標的増幅についてのN2プライマーを有する同じ非限定的な例示の候補オリゴヌクレオチド配列を示す。
【0420】
まとめると、これらのデータは、異なる長さのオリゴヌクレオチド配列を、タンパク質発現および遺伝子発現またはサンプルインデクシングを同時に決定するために設計できることを示している。オリゴヌクレオチド配列は、ユニバーサルプライマー配列、抗体特異的オリゴヌクレオチド配列またはサンプルインデクシング配列、およびポリ(A)配列を含むことができる。
【0421】
実施例2
オリゴヌクレオチド会合抗体ワークフロー
この実施例は、タンパク質標的の発現プロファイルを決定するためにオリゴヌクレオチドコンジュゲート抗体を使用するワークフローを示す。
【0422】
被験者の凍結細胞(例えば、凍結末梢血単核細胞(PBMC))は解凍される。解凍した細胞を、オリゴヌクレオチドコンジュゲート抗体(例えば、0.06μg/100μlの抗CD4抗体(オリゴヌクレオチドコンジュゲート抗体ストックの1:333希釈))で、ある温度である期間(例えば、室温で20分間)、染色する。オリゴヌクレオチドコンジュゲート抗体は、1、2、または3個のオリゴヌクレオチドとコンジュゲートする(「抗体オリゴヌクレオチド」)。抗体オリゴヌクレオチドの配列は、図11に示されている。細胞を洗浄して、結合していないオリゴヌクレオチドコンジュゲート抗体を除去する。細胞は、任意選択的に、カルセインAM(BD(Franklin Lake、New Jersey))およびDraq7(商標)(Abcam(Cambridge、United Kingdom))で染色し、フローサイトメトリーで選別して対象細胞(生細胞など)を取得する。細胞は、任意選択的に洗浄して、過剰なカルセインAMとDraq7(商標)とを除去する。Draq7(商標)ではなくカルセインAM(生細胞)で染色された単一細胞(死んでいないか、または透過処理されていない細胞)は、フローサイトメトリーを使用してBD Rhapsody(商標)カートリッジに選別される。
【0423】
単一細胞およびビーズを含むウェルのうち、ウェル内の単一細胞(例えば、3500個の生細胞)を溶解緩衝液(例えば、5mM DTTを含む溶解緩衝液)で溶解する。標的(例えばCD4)のmRNA発現プロファイルは、BD Rhapsody(商標)ビーズを使用して決定される。標的(例えばCD4)のタンパク質発現プロファイルは、BD Rhapsody(商標)ビーズと抗体オリゴヌクレオチドとを使用して決定される。簡単に説明すると、mRNA分子は、細胞溶解後に放出される。Rhapsody(商標)ビーズは、それぞれ分子標識、細胞標識、およびオリゴ(dT)領域を含むバーコード(例えば確率論的バーコード)に会合する。溶解した細胞から放出されたmRNA分子のポリ(A)領域は、確率論的バーコードのポリ(T)領域にハイブリダイズする。抗体オリゴヌクレオチドのポリ(dA)領域は、バーコードのオリゴ(dT)領域にハイブリダイズする。mRNA分子はバーコードを使用して逆転写された。抗体オリゴヌクレオチドは、バーコードを使用して複製される。逆転写および複製は、任意選択的に1つのサンプルアリコートで同時に発生する。
【0424】
逆転写産物および複製産物は、N1プライマーを使用して対象遺伝子のmRNA発現プロファイルを決定し、抗体オリゴヌクレオチドN1プライマーを使用して標的のタンパク質発現プロファイルを決定するために、プライマーを使用してPCR増幅される。例えば、逆転写産物および複製産物は、血液パネルN1プライマーを使用して488個の血液パネル遺伝子のmRNA発現プロファイルを決定し、抗体オリゴヌクレオチドN1プライマーを使用してCD4タンパク質の発現プロファイルを決定するためのプライマーを使用して、60度のアニーリング温度で15サイクルの間、PCR増幅できる(「PCR1」)。過剰バーコードは、Ampureクリーンアップで任意選択的に削除される。PCR1の産物は、任意選択的に2つのアリコートに分割され、1つのアリコートは、対象遺伝子についてのN2プライマーを使用して、対象遺伝子のmRNA発現プロファイルを決定するためであり、1つのアリコートは、抗体オリゴヌクレオチドN2プライマーを使用して、対象標的のタンパク質発現プロファイルを決定するためである(「PCR2」)。両方のアリコートをPCR増幅する(例えば、60度のアニーリング温度で15サイクルの間)。細胞内の標的のタンパク質発現は、図11に示すように抗体オリゴヌクレオチドに基づいて決定される(「PCR2」)。シーケンシングデータは、シーケンシングアダプターライゲーションなどのシーケンシングアダプターの追加(「PCR3」)後に、取得および分析される。細胞型は、対象遺伝子のmRNA発現プロファイルに基づいて決定される。
【0425】
まとめると、この実施例では、対象標的のタンパク質発現プロファイルを決定するためのオリゴヌクレオチドコンジュゲート抗体の使用について説明する。この実施例はさらに、対象標的のタンパク質発現プロファイルおよび対象遺伝子のmRNA発現プロファイルを同時に決定することができることを説明している。
【0426】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は以下の付記によっても定義される。
1.対象細胞の複数の細胞成分標的の定量分析の方法であって、
複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることであって、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれは、検出可能部分と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成することができる、接触させることと、
細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如に基づいて、複数の細胞から対象細胞を取得することと、
複数のバーコードを、得られた対象細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることであって、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む、接触させることと、
複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することであって、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む、伸長することと、
各対象細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することと
を含む、方法。
2.検出可能部分が発光部分を含む、付記1に記載の方法。
3.発光部分が、蛍光部分、燐光部分、またはそれらの組み合わせを含む、付記2に記載の方法。
4.対象細胞を取得することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの蛍光部分もしくは燐光部分、またはその欠如に基づいて対象細胞を取得することを含む、付記3に記載の方法。
5.対象細胞を取得することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの蛍光部分もしくは燐光部分、またはその欠如に基づいてフローサイトメトリックに対象細胞を取得することを含む、付記1~4のいずれか一つに記載の方法。
【0427】
6.サンプル中の複数の細胞成分標的を分析する方法であって、
複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることであって、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれは、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成することができる、接触させることと、
実験結果を得るために、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分、またはその欠如を使用して、複数の細胞に対して実験を行うことと、
複数のバーコードを、細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることであって、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む、接触させることと、
複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することであって、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む、伸長することと、
生成された細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することと、
細胞の実験結果、および細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数の分析を実施することと
を含む、方法。
7.分析を実施することは、細胞の実験結果と、細胞成分結合試薬に会合する細胞の各細胞成分標的のコピー数とを相関させることを含む、付記6に記載の方法。
【0428】
8.サンプル中の複数の細胞成分標的を分析する方法であって、
複数の細胞成分結合試薬をサンプルの複数の細胞と接触させることであって、各細胞は、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれは、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、それぞれが細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を生成することができる、接触させることと、
実験結果を得るために、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分、またはその欠如を使用して、複数の細胞に対して実験を行うことと、
実験結果に基づいて、細胞成分結合試薬に会合する細胞から対象細胞を選択することと、
複数のバーコードを、対象細胞に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることであって、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む、接触させることと、
複数の標識化核酸を生成するために、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長することであって、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む、伸長することと、
対象細胞に会合する細胞成分結合試薬の各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することと
を含む、方法。
【0429】
9.実験を実施することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞の顕微鏡観察を実施することを含む、付記6~8のいずれか一つに記載の方法。
10.顕微鏡観察を実施することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞を画像化することを含む、付記9に記載の方法。
11.細胞を画像化することは、細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分、またはその欠如を使用して、細胞成分結合試薬に会合する細胞をライブ画像化することを含む、付記10に記載の方法。
12.複数の細胞成分結合試薬のうちの少なくとも1つは、細胞膜透過性細胞成分結合試薬を含み、ここで、複数の細胞成分結合試薬を複数の細胞と接触させることは、細胞膜透過性細胞成分結合試薬を複数の細胞と接触させることを含み、それにより、細胞膜透過性細胞成分結合試薬は、複数の細胞のうちの細胞に内在化される、付記1~11のいずれか一つに記載の方法。
【0430】
13.サンプル中の複数の細胞成分標的の定量分析の方法であって、
複数の細胞成分結合試薬を、複数の細胞成分標的と特異的に結合するための、第1のサンプルおよび第2のサンプルの複数の細胞成分標的と接触させることであって、ここで、複数の細胞成分結合試薬のそれぞれは、検出可能部分またはその前駆体と、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドがそれに会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列とを含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的に特異的に結合することができ、それにより、細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞成分標的のうちの細胞成分標的を生成することができる、接触させることと、
第1のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第1の量を決定することと、
複数のバーコードを、第1のサンプルの細胞成分標的に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物と接触させることであって、ここで、複数のバーコードのそれぞれは、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを生成するための標的結合領域および分子標識配列を含む、接触させることと、
複数の標識化核酸を生成するために、第1のサンプルの細胞成分標的に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドまたはその産物にハイブリダイズされたバーコードを伸長することであって、ここで、標識化核酸のそれぞれは、識別子配列またはその相補的配列、および分子標識配列またはその相補的配列を含む、伸長することと、
第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数を決定するために、複数の標識化核酸、その相補的配列、その一部、またはそれらの組み合わせの配列情報を取得することと、
第2のサンプル中の複数の細胞成分標的の各々に会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第2の量を決定することと、
(1)第1のサンプル中の複数の細胞成分標的のそれぞれに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第1の量、(2)決定された第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数、および(3)第2のサンプル中の複数の細胞成分標的のそれぞれに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分の第2の量、に基づいて、第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数を決定することと
を含む、方法。
14.第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数が、第1のサンプルの複数の細胞成分標的のそれぞれに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分の第1の量に反比例する、付記13に記載の方法。
15.第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数が、決定された第1のサンプルの各細胞成分標的のコピー数に正比例する、付記13または14に記載の方法。
【0431】
16.第2のサンプルの各細胞成分標的のコピー数が、第2のサンプル中の複数の細胞成分標的のそれぞれに会合する細胞成分結合試薬に会合する細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの部分の第2の量に正比例する、付記13~15のいずれか一つに記載の方法。
17.検出可能部分が、光学部分、発光部分、電気化学的活性部分、ナノ粒子、またはそれらの組み合わせを含む、付記6~16のいずれか一つに記載の方法。
18.発光部分が、化学発光部分、エレクトロルミネッセンス部分、フォトルミネッセンス部分、またはそれらの組み合わせを含む、付記14に記載の方法。
19.フォトルミネッセンス部分が、蛍光部分、燐光部分、またはそれらの組み合わせを含む、付記18に記載の方法。
20.蛍光部分が、蛍光色素を含む、付記19に記載の方法。
【0432】
21.ナノ粒子が、量子ドットを含む、付記17~20のいずれか一つに記載の方法。
22.検出可能部分前駆体を検出可能部分に変換するための反応を実施することを含む、付記6~21のいずれか一つに記載の方法。
23.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分が、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに固有である、付記1~22のいずれか一つに記載の方法。
24.2つの細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分が同一である、付記1~22のいずれか一つに記載の方法。
25.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、第2の検出可能部分を含む、付記1~24のいずれか一つに記載の方法。
【0433】
26.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの第2の検出可能部分が、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに固有である、付記25に記載の方法。
27.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの検出可能部分および第2の検出可能部分の組み合わせが、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに固有である、付記25に記載の方法。
28.サンプルが、組織切片またはその細胞を含む、付記1~27のいずれか一つに記載の方法。
29.バーコードを伸長する前に、
細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞のうちの細胞を複数のパーティションに分割することであって、ここで、複数のパーティションのうちのパーティションは、細胞成分結合試薬に会合する細胞からの単一細胞を含む、分割することと、
単一細胞を含むパーティションにおいて、バーコーディング粒子を細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと接触させることであって、ここで、バーコーディング粒子は、複数のバーコードを含み、複数のバーコードのうちの2つのバーコードは、異なる分子標識配列を含む、接触させることと
を含む、付記1~28のいずれか一つに記載の方法。
30.複数のバーコードのうちの少なくとも1つのバーコードは、粒子に固定化されるか、粒子に部分的に固定化されるか、粒子に封入されるか、粒子に部分的に封入されるか、またはそれらの組み合わせである、付記29に記載の方法。
【0434】
31.バーコーディング粒子が破壊可能である、付記29または30に記載の方法。
32.粒子がビーズを含む、付記29~31のいずれか一つに記載の方法。
33.バーコーディング粒子が、固体ビーズ、半透過性ビーズ、ヒドロゲルビーズ、またはそれらの組み合わせである、付記29~32のいずれか一つに記載の方法。
34.パーティションがウェルまたはドロップレットである、付記29~33のいずれか一つに記載の方法。
35.シーケンシングデータ中の少なくとも1つの細胞成分標的に特異的に結合することができる細胞成分結合試薬についての固有識別子配列に会合する固有分子標識配列の数は、複数の細胞のうちの1つ以上における少なくとも1つの細胞成分標的のコピー数を示す、付記1~34のいずれか一つに記載の方法。
【0435】
36.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、第1のユニバーサルプライマーの配列、その相補的配列、その部分的配列、またはそれらの組み合わせを含む、付記1~35のいずれか一つに記載の方法。
37.第1のユニバーサルプライマーが、5~50ヌクレオチド長である、付記36に記載の方法。
38.第1のユニバーサルプライマーが、増幅プライマー、シーケンシングプライマー、またはそれらの組み合わせを含む、付記36または37に記載の方法。
39.シーケンシングプライマーが、P7シーケンシングプライマーを含む、付記38に記載の方法。
40.複数の標識化核酸またはその一部のシーケンシング情報を取得することは、標識化核酸を1つ以上の反応に供して、核酸シーケンシングについての核酸のセットを生成することを含む、付記1~39のいずれか一つに記載の方法。
【0436】
41.バーコードのそれぞれが、細胞標識、第2のユニバーサルプライマー、増幅アダプター、シーケンシングアダプター、またはそれらの組み合わせを含む、付記1~40のいずれか一つに記載の方法。
42.標識化核酸を1つ以上の反応に供することは、核酸シーケンシングについての核酸のセットを生成するために、第1のユニバーサルプライマー、第1のユニバーサルプライマーの配列を含む第1のプライマー、第2のユニバーサルプライマー、第2のユニバーサルプライマーの配列を含む第2のプライマー、またはそれらの組み合わせを使用して標識化核酸を増幅反応に供することを含む、付記36~41のいずれか一つに記載の方法。
43.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して細胞成分結合試薬と会合する、付記1~42のいずれか一つに記載の方法。
44.リンカーが、炭素鎖を含む、付記43に記載の方法。
45.炭素鎖が、2~30個の炭素を含む、付記44に記載の方法。
【0437】
46.複数の細胞成分標的が複数のタンパク質標的を含み、細胞成分結合試薬が複数のタンパク質標的のうちのタンパク質標的に特異的に結合することができる、付記1~45のいずれか一つに記載の方法。
47.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、細胞成分結合試薬に共有結合している、付記1~46のいずれか一つに記載の方法。
48.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、細胞成分結合試薬にコンジュゲートされている、付記1~47のいずれか一つに記載の方法。
49.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、UV光開裂可能基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される化学基を介して細胞成分結合試薬にコンジュゲートされる、付記48に記載の方法。
50.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、細胞成分結合試薬に非共有結合している、付記1~49のいずれか一つに記載の方法。
【0438】
51.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、細胞成分結合試薬から分離可能であるように構成される、付記1~50のいずれか一つに記載の方法。
52.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドを細胞成分結合試薬から解離させることを含む、付記1~51のいずれか一つに記載の方法。
53.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドを解離させることは、UV光開裂、化学処理、加熱処理、酵素処理、またはそれらの任意の組み合わせによって細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドを細胞成分結合試薬から分離することを含む、付記52に記載の方法。
54.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドをバーコーディングした後に解離が起こる、付記52または53に記載の方法。
55.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドをバーコーディングする前に解離が起こる、付記52または53に記載の方法。
【0439】
56.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、細胞成分結合試薬から分離不可能であるように構成される、付記1~51のいずれか一つに記載の方法。
57.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの配列を捕捉するように構成されているバーコードの捕捉配列に相補的な配列を含む、付記1~56のいずれか一つに記載の方法。
58.バーコードが、捕捉配列を含む標的結合領域を含む、付記57に記載の方法。
59.標的結合領域がポリ(dT)領域を含む、付記58に記載の方法。
60.捕捉配列に相補的な細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドの配列が、ポリ(dA)領域を含む、付記57~59のいずれか一つに記載の方法。
【0440】
61. 複数の細胞成分結合試薬を複数の細胞と接触させた後、複数の細胞と接触していない複数の細胞成分結合試薬のうちの1つ以上の細胞成分結合試薬を除去することを含む、付記1~60のいずれか一つに記載の方法。
62.複数の細胞と接触していない1つ以上の細胞成分結合試薬を除去することは、複数の細胞成分標的のそれぞれの少なくとも1つと接触していない1つ以上の細胞成分結合試薬を除去することを含む、付記61に記載の方法。
63.複数の細胞を分割することは、複数の細胞成分結合試薬に会合する複数の細胞と、バーコーディング粒子を含む複数のバーコーディング粒子とを複数のパーティションに分割することを含み、複数のパーティションのうちのパーティションは、細胞成分結合試薬およびバーコーディング粒子に会合する複数の細胞からの単一細胞を含む、付記29~62のいずれか一つに記載の方法。
64.複数の細胞成分標的が、細胞表面タンパク質、細胞内タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合複合体、腫瘍抗原、受容体、またはそれらの組み合わせを含む、付記1~63のいずれか一つに記載の方法。
65.複数の細胞が、T細胞、B細胞、腫瘍細胞、骨髄細胞、血液細胞、正常細胞、胎児細胞、母体細胞、またはそれらの混合物を含む、付記1~64のいずれか一つに記載の方法。
【0441】
66.サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定する方法であって、
細胞成分結合試薬を含む、検出可能に標識されたサンプルを生成することであって、ここで、細胞成分結合試薬は、検出可能部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、生成することと、
検出可能部分について検出可能に標識されたサンプルの細胞構成要素をアッセイして、細胞サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定することと
を含む、方法。
67.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、検出可能部分を含む、付記66に記載の方法。
68.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、検出可能部分を含む標識成分に非共有結合している、付記66に記載の方法。
69.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、検出可能部分を含む標識化核酸にハイブリダイズされる、付記68に記載の方法。
70.検出可能部分を含む標識化核酸が、細胞成分結合試薬についての識別子配列にハイブリダイズされる、付記69に記載の方法。
【0442】
71.細胞成分結合試薬が、抗体またはその特異的結合フラグメントを含む、付記66~70のいずれか一つに記載の方法。
72.検出可能部分が、発光部分を含む、付記66~71のいずれか一つに記載の方法。
73.発光部分が、蛍光部分を含む、付記72に記載の方法。
74.アッセイすることが、検出可能に標識されたサンプルをフローサイトメトリックにアッセイすることを含む、付記66~73のいずれか一つに記載の方法。
75.対象細胞成分標的を含む細胞構成要素をカウントすることをさらに含む、付記66~74のいずれか一つに記載の方法。
【0443】
76.対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を細胞サンプルの他の構成要素から分離することをさらに含む、付記66~75のいずれか一つに記載の方法。
77.対象細胞成分標的が、細胞表面マーカーである、付記66~76のいずれか一つに記載の方法。
78.細胞表面マーカーが、CD3、CD4およびCD45からなる群から選択される、付記77に記載の方法。
79.対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を単一細胞サンプルに単離することをさらに含む、付記66~78のいずれか一つに記載の方法。
80.単一細胞サンプルからバーコード付き識別子配列を生成することをさらに含む、付記79に記載の方法。
【0444】
81.バーコード付き識別子配列をシーケンシングすることをさらに含む、付記80に記載の方法。
82.バーコード付き識別子配列が、次世代シーケンシング(NGS)プロトコルを使用してシーケンシングされる、付記81に記載の方法。
83.配列情報から単一細胞サンプルの細胞構成要素について対象細胞成分標的を定量化することをさらに含む、付記82に記載の方法。
84.対象細胞成分標的を含む細胞サンプルの細胞構成要素のトランスクリプトームまたはその一部の分析をさらに含む、付記66~83のいずれか一つに記載の方法。
【0445】
85.細胞サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定する方法であって、
細胞成分結合試薬を含む、検出可能に標識されたサンプルを生成することであって、ここで、細胞成分結合試薬は、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、
検出可能部分を含む標識核酸にハイブリダイズされ、
細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列を含み、細胞成分結合試薬が対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、
生成することと、
検出可能部分について検出可能に標識されたサンプルの細胞構成要素をアッセイして、細胞サンプル中の細胞構成要素が対象細胞成分標的を含むか否かを決定することと
を含む、方法。
86.検出可能部分を含む標識核酸が、細胞成分結合試薬についての識別子配列にハイブリダイズされる、付記85に記載の方法。
87.細胞成分結合試薬が、抗体またはその特異的結合フラグメントを含む、付記85または86に記載の方法。
88.検出可能部分が、発光部分を含む、付記85~87のいずれか一つに記載の方法。
89.発光部分が、蛍光部分を含む、付記88に記載の方法。
90.アッセイすることが、検出可能に標識されたサンプルの細胞構成要素をフローサイトメトリックにアッセイすることを含む、付記85~89のいずれか一つに記載の方法。
【0446】
91.対象細胞成分標的を含む細胞構成要素をカウントすることをさらに含む、付記85~90のいずれか一つに記載の方法。
92.対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を細胞サンプルの他の構成要素から分離することをさらに含む、付記85~91のいずれか一つに記載の方法。
93.対象細胞成分標的が、細胞表面マーカーである、付記85~92のいずれか一つに記載の方法。
94.細胞表面マーカーが、CD3、CD4およびCD45からなる群から選択される、付記93に記載の方法。
95.方法が、対象細胞成分標的を含む細胞構成要素を単一細胞サンプルに単離することをさらに含む、付記85~94のいずれか一つに記載の方法。
【0447】
96.単一細胞サンプルからバーコード付き識別子配列を生成することをさらに含む、付記95に記載の方法。
97.バーコード付き識別子配列をシーケンシングすることをさらに含む、付記96に記載の方法。
98.バーコード付き識別子配列が、次世代シーケンシング(NGS)プロトコルを使用してシーケンシングされる、付記97に記載の方法。
99.配列情報から単一細胞サンプルの細胞構成要素について対象マーカーを定量化することをさらに含む、付記98に記載の方法。
100.対象細胞成分標的を含む細胞サンプルの細胞構成要素のトランスクリプトームまたはその一部の分析をさらに含む、付記85~99のいずれか一つに記載の方法。
【0448】
101.細胞サンプルを、第2の対象細胞成分標的に特異的に結合する第2の細胞成分結合試薬と組み合わせることをさらに含む、付記85~100のいずれか一つに記載の方法。
102.第2の細胞成分結合試薬が、検出可能部分を含まない、付記101に記載の方法。
【0449】
103.特定の細胞構成要素について細胞サンプルをアッセイする方法であって、
a)細胞サンプルから検出可能な標識化サンプルを生成することであって、ここで、検出可能な標識化サンプルは、第1および第2の細胞成分結合試薬を含み、ここで、
(i)第1の細胞成分結合試薬は、第1の細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、第1の細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、第1の検出可能部分を含む第1の標識核酸にハイブリダイズされて、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する第1の細胞成分結合試薬についての第1の識別子配列を含み、第1の細胞成分結合試薬が第1の対象細胞成分標的に特異的に結合することができ、
(ii)第2の細胞成分結合試薬は、第2の細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、第2の細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、第2の検出可能部分を含む第2の標識核酸にハイブリダイズされて、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する第2の細胞成分結合試薬についての第2の識別子配列を含み、第2の細胞成分結合試薬が第2の対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、
生成することと、
特定の細胞構成要素が細胞サンプルに存在するか否かを決定するために、検出可能な標識化サンプルをフローサイトメトリックにアッセイすることと
を含む、方法。
104.第1および第2の細胞成分結合試薬が、抗体またはその特異的結合フラグメントを含む、付記103に記載の方法。
105.検出可能部分が、発光部分を含む、付記103または104に記載の方法。
106. 発光部分が、蛍光部分を含む、付記105に記載の方法。
107. 細胞サンプルの特定の細胞構成要素をカウントすることをさらに含む、付記103~106のいずれか一つに記載の方法。
【0450】
108.特定の細胞構成要素を細胞サンプルの他の成分から分離することをさらに含む、付記103~107のいずれか一つに記載の方法。
109.第1および第2の対象細胞成分標的が、細胞表面マーカーである、付記103~108のいずれか一つに記載の方法。
110.細胞表面マーカーが、CD3、CD4、およびCD45からなる群から選択される、付記109に記載の方法。
111.識別された特定の細胞構成要素を単一細胞サンプルに単離することをさらに含む、付記103~110のいずれか一つに記載の方法。
112.単一細胞サンプルからバーコード付き識別子配列を生成することをさらに含む、付記111に記載の方法。
【0451】
113.バーコード付き識別子配列をシーケンシングすることをさらに含む、付記112に記載の方法。
114.バーコード付き識別子配列が、次世代シーケンシング(NGS)プロトコルを使用してシーケンシングされる、付記113に記載の方法。
115.配列情報から単一細胞サンプルの識別された特定の細胞構成要素について第1および第2の対象細胞成分標的を定量化することをさらに含む、付記114に記載の方法。
116.1つ以上の追加の対象細胞成分標的について特定の細胞構成要素をアッセイすることをさらに含む、付記103~115のいずれか一つに記載の方法。
117.細胞サンプルを、1つ以上の追加の対象細胞成分標的についての細胞成分結合試薬と組み合わせることを含む、付記116に記載の方法。
118.識別された特定の細胞構成要素のトランスクリプトームまたはその一部の分析をさらに含む、付記103~117のいずれか一つに記載の方法。
【0452】
119.第1の細胞成分結合試薬であって、細胞成分結合試薬が、細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドに会合し、細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、第1の細胞成分結合試薬と、
検出可能部分と
を含む、キット。
120.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、検出可能部分を含む、付記119に記載のキット。
121.検出可能部分を含む標識核酸をさらに含む、付記119に記載のキット。
122.標識核酸が、識別子配列に相補的な配列を含む、付記121に記載のキット。
123.細胞成分結合試薬が、抗体またはその特異的結合フラグメントを含む、付記119~122のいずれか一つに記載のキット。
【0453】
124.検出可能部分が、発光部分を含む、付記119~123のいずれか一つに記載のキット。
125.発光部分が、蛍光部分を含む、付記124に記載のキット。
126.1つ以上の追加の細胞成分結合試薬をさらに含む、付記119~125のいずれか一つに記載のキット。
127.1つ以上の追加の標識核酸をさらに含む、付記126に記載のキット。
128.細胞成分結合試薬の数が、標識核酸の数を超える、付記119~127のいずれか一つに記載のキット。
【0454】
129.細胞成分結合試薬を含む検出可能に標識されたサンプルであって、
細胞成分結合試薬は、検出可能部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、
検出可能に標識されたサンプル。
130.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、検出可能部分を含む、付記129に記載の検出可能に標識されたサンプル。
131.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、検出可能部分を含む標識成分に非共有結合している、付記129に記載の検出可能に標識されたサンプル。
132.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、検出可能部分を含む標識核酸にハイブリダイズする、付記131に記載の検出可能に標識されたサンプル。
133.検出可能部分を含む標識核酸が、細胞成分結合試薬についての識別子配列にハイブリダイズする、付記132に記載の検出可能に標識されたサンプル。
【0455】
134.細胞成分結合試薬が、抗体またはその特異的結合フラグメントを含む、付記129~133のいずれか一つに記載の検出可能に標識されたサンプル。
135.検出可能部分が、発光部分を含む、付記129~134のいずれか一つに記載の検出可能に標識されたサンプル。
136.発光部分が、蛍光部分を含む、付記135に記載の検出可能に標識されたサンプル。
137.1つ以上の追加の細胞成分結合試薬をさらに含む、付記129~136のいずれか一つに記載の検出可能に標識されたサンプル。
138.1つ以上の追加の細胞成分結合試薬のうちの少なくとも1つが、検出可能部分と会合していない、付記137に記載の検出可能に標識されたサンプル。
【0456】
139.細胞成分結合試薬を含む、検出可能に標識されたサンプルであって、ここで、細胞成分結合試薬は、検出可能部分に会合しつつ細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが会合する細胞成分結合試薬についての識別子配列を含む細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドと会合し、細胞成分結合試薬は、対象細胞成分標的に特異的に結合することができる、検出可能に標識されたサンプル
を含む、フローサイトメーター。
140.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、検出可能部分を含む、付記139に記載のフローサイトメーター。
141.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、検出可能部分を含む標識成分に非共有結合している、付記139に記載のフローサイトメーター。
142.細胞成分結合試薬特異的オリゴヌクレオチドが、検出可能部分を含む標識核酸にハイブリダイズされる、付記141に記載のフローサイトメーター。
143.検出可能部分を含む標識核酸が、細胞成分結合試薬についての識別子配列にハイブリダイズする、付記142に記載のフローサイトメーター。
【0457】
144.細胞成分結合試薬が、抗体またはその特異的結合フラグメントを含む、付記139~143のいずれか一つに記載のフローサイトメーター。
145.検出可能部分が、発光部分を含む、付記139~144のいずれか一つに記載のフローサイトメーター。
146.発光部分が、蛍光部分を含む、付記145に記載のフローサイトメーター。
147.1つ以上の追加の細胞成分結合試薬をさらに含む、付記139~146のいずれか一つに記載のフローサイトメーター。
148.1つ以上の追加の細胞成分結合試薬のうちの少なくとも1つが、検出可能部分と会合していない、付記147に記載のフローサイトメーター。
【0458】
前述の実施形態の少なくともいくつかでは、実施形態で使用される1つ以上の要素は、そのような置換が技術的に実行可能でない場合を除いて、別の実施形態で互換的に使用することができる。当業者には、特許請求された主題の範囲から逸脱することなく、上記の方法および構造に対して他の様々な省略、追加および修正を行い得ることが理解される。そのような修正および変更はすべて、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、主題の範囲内に入ることが意図される。
【0459】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へ翻訳することができる。様々な単数形/複数形の順列は、明確にするために本明細書にて明示的に記載され得る。この明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別様に指示しない限り、複数形の参照を含む。本明細書における「または」への任意の言及は、特に明記しない限り、「および/または」を包含することを意図している。
【0460】
概して、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されていることは当業者に理解される(例えば、「含んでいる」という用語は、「含んでいるがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきである、など)。導入された請求項記載物での特定の数が意図されている場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことを当業者はさらに理解する。例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項は、請求項記載物を導入するための導入句「少なくとも1つ」および「1つ以上」の使用を含み得る。ただし、そのような句の使用は、同請求項に「1つ以上」または「少なくとも1つ」および「a」または「an」などの不定冠詞という導入句が含まれている場合でも、不定冠詞「a」または「an」による請求項記載物の導入が、そのような導入された請求項記載物を含む任意の特定の請求項を、そのような記載物を1つだけ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではなく(たとえば、「a」および/または「an」は「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、同じことが、請求項記載物を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。さらに、導入された請求項記載物の特定の数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、そのような記載物が、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識する(例えば、他の修飾子のない「2つの記載物」というそのままの記載物は、少なくとも2つの記載物、または2つ以上の記載物を意味する)。さらに、「A、B、およびCなどの少なくとも1つ」に類似した表現が使用されている場合、概して、そのような構成は、当業者がその表現を理解するという意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、および/またはA、B、Cを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。「A、B、またはCなどの少なくとも1つ」に類似した表現が使用されるこのような例においては、概して、そのような構成は、当業者がその表現を理解するという意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、および/またはA、B、Cを一緒に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。説明、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、2つ以上の代替用語を提示する、事実上すべての選言的な単語および/または句は、用語の1つ、用語のいずれか、用語の両方を含む可能性を企図するために理解されるべきであることが当業者によってさらに理解される。例えば、「AまたはB」という句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解される。
【0461】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本開示が、それによりマーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバーまたはサブグループに関して記載されていることを認識する。
【0462】
当業者には理解されるように、記載説明の提供に関してなどの、いかなるすべての目的についても、本明細書に開示されるすべての範囲はまた、あらゆる可能なサブ範囲およびそのサブ範囲の組み合わせを包含する。任意の列挙範囲は、同範囲が少なくとも等半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを十分に記述し、可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で論じられる各範囲は、下3分の1、中3分の1、および上3分の1などに容易に分解することができる。当業者にも理解されるように、「まで」、「少なくとも」、「よりも大きい」、「よりも小さい」などのすべての言語は、列挙された数を含み、上記のように続いてサブ範囲に分解することができる範囲を指す。最後に、当業者に理解されるように、範囲は各個々のメンバーを含む。したがって、たとえば、1~3の物品を持つグループは、1、2、または3つの物品を持つグループを指す。同様に、1~5の物品を持つグループは、1、2、3、4、または5の物品を持つグループを指し、以下同様である。
【0463】
様々な態様および実施形態が本明細書に開示されているが、他の態様および実施形態は、当業者には明らかである。明細書に開示される様々な態様および実施形態は、例示のためのものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されている。
【0464】
したがって、上記は単に本発明の原理を説明するものである。当業者は、本明細書に明示的に記載または示されていないが、本発明の原理を具体化し、その精神および範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが理解される。さらに、本明細書に記載されたすべての例および条件付き言語は、主に、本発明の原理および本発明者が技術を促進するために寄与する概念を読者が理解することを支援することを意図しており、そのような具体的に列挙された例および条件に限定されるものではないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態を本明細書にて記載するすべての記載、ならびにそれらの具体例は、それらの構造的および機能的均等物の両方を包含することを意図している。さらに、そのような均等物には、現在知られている均等物および将来開発される均等物、すなわち、構造に関係なく、同じ機能を実行する任意の開発要素が含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものはすべて、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に献上することは意図されていない。
【0465】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明される例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。特許請求の範囲では、35U.S.C.§112(f)または35U.S.C.§112(6)は、請求項にて「ための手段」という正確な句または「ためのステップ」という正確な句がそのような制限の冒頭に記載されている場合にのみ、請求項の制限について適用されると明示的に定義されており、そのような正確な句が請求項における制限で使用されていない場合、35U.S.C.§112(f)または35U.S.C.§112(6)は適用されない。
【0466】
関連出願への相互参照
35U.S.C.§119(e)に準拠して、この出願は、2019年1月28日に提出された米国仮特許出願シリアル番号62/797,903、および2019年5月24日に提出された米国仮特許出願シリアル番号62/852,778の出願日の優先権を主張し、それらの出願の開示が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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