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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】赤外線トースター
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/08 20060101AFI20240509BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20240509BHJP
【FI】
A47J37/08 104
F24C7/04 301Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021555198
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 US2020021977
(87)【国際公開番号】W WO2020185824
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】62/817,277
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/814,414
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515106217
【氏名又は名称】マーモン フードサービス テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】シェイ スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】スロタルスキー ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ピッテンジャー ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】パトン デーヴ
(72)【発明者】
【氏名】マンダリーノ ニック
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0202667(US,A1)
【文献】特開平08-266424(JP,A)
【文献】特開2003-294244(JP,A)
【文献】特開2001-272045(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0044167(US,A1)
【文献】特開2016-212488(JP,A)
【文献】特開2004-192229(JP,A)
【文献】国際公開第2016/131109(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0387926(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/08
F24C 7/04
G06V 10/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を保持するように構成された支持体と、
前記支持体に対して配置され、かつ該支持体上の前記食品にIRエネルギを向けるように作動可能な赤外線(IR)源と、
前記支持体に対して配置され、かつ前記IR源がIRエネルギを向けるように作動する間に該支持体上の前記食品を照明するように作動可能な光源と、
前記支持体上の前記食品のデジタル画像を取り込むように作動するカメラと、
前記カメラからの前記画像を受信するプロセッサであって、該カメラから受信した連続画像を分析して該分析に基づいて前記食品の予め決められた焼き上げレベルを達成するように前記IR源を作動させ、該予め決められた焼き上げレベルが到達された時にIRエネルギを向ける作動を終了するように該IR源を作動させる前記プロセッサと、
を備え
前記プロセッサは、前記カメラから受信した前記連続画像から、該連続画像の各々における少なくとも1つの試験スペクトル内の光の量に基づいて、前記食品の現在の焼き上げレベルを決定し、前記少なくとも1つの試験スペクトルは、緑色光試験スペクトル及び赤色光試験スペクトルを含み、
前記プロセッサは、前記カメラからのデジタル画像を分析して前記支持体上の前記食品の初期色を決定し、該プロセッサは、該プロセッサによって分析された前記少なくとも1つの試験スペクトルに対する重み付け値を決定して該食品の現在の焼き上がりを決定し、前記赤色光試験スペクトルに対する前記重み付け値は、前記食品の前記初期色の暗さの増大と共に増加する、
トースター。
【請求項2】
前記光源は、前記支持体を照明するように作動し、前記プロセッサは、前記カメラからのデジタル画像を分析して該支持体上の前記食品の存在を決定する、請求項1に記載のトースター。
【請求項3】
食品を保持するように構成された支持体と、
前記支持体に対して配置され、かつ該支持体上の前記食品にIRエネルギを向けるように作動可能な赤外線(IR)源と、
前記支持体に対して配置され、かつ前記IR源がIRエネルギを向けるように作動する間に該支持体上の前記食品を照明するように作動可能な光源と、
前記支持体上の前記食品のデジタル画像を取り込むように作動するカメラと、
前記カメラからの前記画像を受信するプロセッサであって、該カメラから受信した連続画像を分析して該分析に基づいて前記食品の予め決められた焼き上げレベルを達成するように前記IR源を作動させ、該予め決められた焼き上げレベルが到達された時にIRエネルギを向ける作動を終了するように該IR源を作動させる前記プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記カメラから受信した前記連続画像から、該連続画像の各々における少なくとも1つの試験スペクトル内の光の量に基づいて、前記食品の現在の焼き上げレベルを決定し、
前記食品の前記現在の焼き上げレベルは、少なくとも1つの試験スペクトルに対する輝度補償係数に更に基づいて前記プロセッサによって決定され、
前記プロセッサは、前記カメラによって取得された前記食品の初期画像の該食品を含まない一部分から決定された少なくとも1つの試験スペクトルに対する基準輝度に基づいて、前記少なくとも1つの輝度補償係数を計算し、該少なくとも1つの輝度補償係数は、該カメラからの後続の画像の同じ部分から決定された少なくとも1つの試験スペクトルに対する現在の輝度に基づいて更に計算される
ースター。
【請求項4】
食品を保持するように構成された支持体と、
前記支持体に対して配置され、かつ該支持体上の前記食品にIRエネルギを向けるように作動可能な赤外線(IR)源と、
前記支持体に対して配置され、かつ前記IR源がIRエネルギを向けるように作動する間に該支持体上の前記食品を照明するように作動可能な光源と、
前記支持体上の前記食品のデジタル画像を取り込むように作動するカメラと、
前記カメラからの前記画像を受信するプロセッサであって、該カメラから受信した連続画像を分析して該分析に基づいて前記食品の予め決められた焼き上げレベルを達成するように前記IR源を作動させ、該予め決められた焼き上げレベルが到達された時にIRエネルギを向ける作動を終了するように該IR源を作動させる前記プロセッサと、
画像剥ぎ取りマスクと、を備え、
前記プロセッサは、前記カメラから受信した各連続画像に前記画像剥ぎ取りマスクを適用し、かつ該画像剥ぎ取りマスクの該適用に基づいて前記食品の現在の焼き上げを決定する際に使用するための該画像を合格又は不合格にする、
ースター。
【請求項5】
食品を保持するように構成された支持体と、
前記支持体に対して配置され、かつ該支持体上の前記食品にIRエネルギを向けるように作動可能な赤外線(IR)源と、
前記支持体に対して配置され、かつ前記IR源がIRエネルギを向けるように作動する間に該支持体上の前記食品を照明するように作動可能な光源と、
前記支持体上の前記食品のデジタル画像を取り込むように作動するカメラと、
前記カメラからの前記画像を受信するプロセッサであって、該カメラから受信した連続画像を分析して該分析に基づいて前記食品の予め決められた焼き上げレベルを達成するように前記IR源を作動させ、該予め決められた焼き上げレベルが到達された時にIRエネルギを向ける作動を終了するように該IR源を作動させる前記プロセッサと、
予め決められた静的マスクと、備え
前記プロセッサは、前記カメラから受信した画像に前記静的マスクを適用して、前記食品の現在の焼き上げを決定するために分析される該受信画像の部分を限定する、
ースター。
【請求項6】
食品を保持するように構成された支持体と、
前記支持体に対して配置され、かつ該支持体上の前記食品にIRエネルギを向けるように作動可能な赤外線(IR)源と、
前記支持体に対して配置され、かつ前記IR源がIRエネルギを向けるように作動する間に該支持体上の前記食品を照明するように作動可能な光源と、
前記支持体上の前記食品のデジタル画像を取り込むように作動するカメラと、
前記カメラからの前記画像を受信するプロセッサであって、該カメラから受信した連続画像を分析して該分析に基づいて前記食品の予め決められた焼き上げレベルを達成するように前記IR源を作動させ、該予め決められた焼き上げレベルが到達された時にIRエネルギを向ける作動を終了するように該IR源を作動させる前記プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記カメラから受信した前記食品の少なくとも1つの画像に基づいて動的マスクを更に決定し、
前記動的マスクは、前記少なくとも1つの画像内の前記食品の少なくとも1つの計算された境界を含み、前記プロセッサは、前記カメラから受信した画像に該動的マスクを適用して該食品の現在の焼き上げを決定するために分析される該受信画像の部分を限定する、
ースター。
【請求項7】
前記支持体と前記プロセッサとに作動的に接続されたエジェクタを更に備え、
前記プロセッサは、前記予め決められた焼き上げレベルに到達した時に前記IR源の近傍からパン製品を取り出すように前記エジェクタを作動させる、
請求項1に記載のトースター。
【請求項8】
前記IR源は、環状に構成され、前記カメラは、該IR源に対して中心に位置決めされる、請求項1に記載のトースター。
【請求項9】
強制ガス源と、前記カメラと前記IR源との間で該カメラの周りに開口するダクトと、を更に備え、前記カメラの周りに強制ガスの流れを生成する、請求項1に記載のトースター。
【請求項10】
前記光源は、前記支持体を照明するように作動し、前記プロセッサは、前記カメラからのデジタル画像を分析して該支持体上の前記食品の存在を決定する、請求項3に記載のトースター。
【請求項11】
前記支持体と前記プロセッサとに作動的に接続されたエジェクタを更に備え、
前記プロセッサは、前記予め決められた焼き上げレベルに到達した時に前記IR源の近傍からパン製品を取り出すように前記エジェクタを作動させる、
請求項3に記載のトースター。
【請求項12】
前記IR源は、環状に構成され、前記カメラは、該IR源に対して中心に位置決めされる、請求項3に記載のトースター。
【請求項13】
強制ガス源と、前記カメラと前記IR源との間で該カメラの周りに開口するダクトと、を更に備え、前記カメラの周りに強制ガスの流れを生成する、請求項3に記載のトースター。
【請求項14】
前記IR源は、環状に構成され、前記カメラは、該IR源に対して中心に位置決めされる、請求項4に記載のトースター。
【請求項15】
強制ガス源と、前記カメラと前記IR源との間で該カメラの周りに開口するダクトと、を更に備え、前記カメラの周りに強制ガスの流れを生成する、請求項4に記載のトースター。
【請求項16】
前記IR源は、環状に構成され、前記カメラは、該IR源に対して中心に位置決めされる、請求項5に記載のトースター。
【請求項17】
強制ガス源と、前記カメラと前記IR源との間で該カメラの周りに開口するダクトと、を更に備え、前記カメラの周りに強制ガスの流れを生成する、請求項5に記載のトースター。
【請求項18】
前記IR源は、環状に構成され、前記カメラは、該IR源に対して中心に位置決めされる、請求項6に記載のトースター。
【請求項19】
強制ガス源と、前記カメラと前記IR源との間で該カメラの周りに開口するダクトと、を更に備え、前記カメラの周りに強制ガスの流れを生成する、請求項6に記載のトースター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、これにより引用によってその内容が全体的に組み込まれる2019年3月12日出願の米国仮特許出願第62/817,277号及び2020年3月10日出願の米国特許出願第16/814,414号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
多くのレストランでは、焼いたパン及び焼いたイングリッシュマフィンを通常のメニュー品目として提供している。他の多くのメニューは、焼いたパンのスライス、バンズ、ベーグル、又はイングリッシュマフィンを含むこんがりと焼き付け商品で構成されたサンドイッチを含む。
【0003】
焼いた食品は、焼き上げる前の同じ食品とは明らかに異なる風味を有する。食品を焼き上げると、パン製品の色及び食感も変化する。風味、色、食感の変化に加えて、焼き上げる工程により好ましい香りが放出されることが多い。
【0004】
スライスされたパン、イングリッシュマフィン、ベーグル、ピザクラスト、及び他の焼き付け商品のような食品を焼き上げることは、通常、1又は2以上の熱源から焼き付け商品内への放射性又は伝導性のエネルギ移動を使用して達成される。本明細書で褐色化とも呼ぶ焼き上げる工程は、メイラード反応と呼ばれる化学反応の結果である。メイラード反応は、加熱時に起こる炭水化物とタンパク質の間の反応であり、褐色化をもたらす。
【0005】
メイラード反応が進みすぎた又は長すぎた時に、パン製品内の炭水化物が完全に酸化して炭素を形成すると考えられる。炭素は光を吸収する。従って、焦げたパン製品の面は黒く見える。従って、用語「焦げる」は、パン製品の面に入射する可視光を吸収し、その結果、通常の観察者にパン製品の面又は面の一部分が黒色に見えるほどに、パン製品の面の炭素含有量が高くなるまで、炭水化物が熱により酸化されることであると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の全ての種類のトースターに関する公知の問題点は、いつも変わらずにパン製品の面にわたって同じ時間で均一に焼き上げることができないということである。イングリッシュマフィンのようなパン製品は、その量、面の凹凸、及び温度のために短時間で均一に一貫して焼き上げることが特に困難であり、なぜならば、イングリッシュマフィンの面の山と谷は、焼き上げる工程を行うIR源からの距離が異なるからである。多くのレストラン経営者は、イングリッシュマフィンのようなパン製品を可能な限り迅速に焼き上げる必要があり、かつそうすることができることを好むので、投入する赤外線エネルギを単に増すだけで焼き上げ時間を短縮しようとするが、通常は、パン製品が焼けるというより焦げてしまうことが多い。比較的短時間で均一な褐色化を一貫して提供することができるパン及びイングリッシュマフィンのような食品を焼き上げるトースター及び方法は、従来技術に対する改善であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
トースターの一例は、食品を保持するように構成された支持体を含む。赤外線(IR)源は、支持体に対して配置される。IR源は、支持体上の食品にIRエネルギを向けるように作動可能である。光源は、支持体に対して配置される。光源は、支持体上の食品を照明するように作動可能であり、一方、IR源はIRエネルギを向けるように作動する。カメラは、支持体上の食品のデジタル画像を取り込むように作動する。プロセッサは、カメラから画像を受信する。プロセッサは、カメラから受信した連続画像を分析する。プロセッサは、連続画像の分析に基づいてIR源を作動させて食品に関する予め決められた焼き上げレベルを達成する。プロセッサは、予め決められた焼き上げレベルが到達された時にIR源を作動させてIRエネルギを向ける作動を終了する。
【0008】
トースターの更に別の例では、光源が作動して支持体を照明し、プロセッサがカメラからのデジタル画像を分析して支持体上の食品の存在を決定する。プロセッサは、カメラから受信した連続画像から連続画像の各々における少なくとも1つの試験スペクトル内の光の量に基づいて食品の現在の焼き上げレベルを決定する。プロセッサは、カメラからのデジタル画像を分析して支持体上の食品の初期色を決定し、プロセッサが分析する少なくとも1つの試験スペクトルに対する重み付け値を決定して食品の現在の焼き上げレベルを決定する。少なくとも1つの試験スペクトルは、緑色光試験スペクトル及び赤色光試験スペクトルを含むことができる。赤色光試験スペクトルの重み付け値は、食品の初期色に関する暗さの増大と共に増加する可能性がある。食品の現在の焼き上げレベルは、少なくとも1つの試験スペクトルに対する輝度補償係数に更に基づいてプロセッサによって決定することができる。プロセッサは、カメラによって取得された食品の初期画像の一部分から決定された少なくとも1つの試験スペクトルに対する基準輝度に基づいて少なくとも1つの輝度補償係数を計算することができる。初期画像のこの部分は、食品を含まない部分である場合がある。少なくとも1つの輝度補償係数は、更に、カメラからのその後の画像の同じ部分から決定された少なくとも1つの試験スペクトルに対する現在の輝度に基づいて計算することができる。
【0009】
トースターの他の例は、画像剥ぎ取りマスクを含むことができる。プロセッサは、カメラから受信した各連続画像に画像剥ぎ取りマスクを適用し、画像剥ぎ取りマスクの適用に基づいて食品の現在の焼き上げレベルを決定するのに使用するための画像を合格又は不合格にすることができる。トースターは、予め決められた静的マスクを含むことができる。プロセッサは、カメラから受信した画像に静的マスクを適用して食品の現在の焼き上げレベルを決定するために分析される受信画像の部分を限定することができる。トースターは、カメラから受信した食品の少なくとも1つの画像に基づいて動的マスクを決定することができる。動的マスクは、少なくとも1つの画像における食品の少なくとも1つの計算された境界を含み、プロセッサは、カメラから受信した画像に動的マスクを適用し、食品の現在の焼き上げレベルを決定するために分析される受信画像の部分を限定する。
【0010】
トースターの追加の例は、支持体にかつプロセッサに作動的に接続したエジェクタを含むことができる。プロセッサは、予め決められた焼き上げレベルが到達された時にエジェクタを作動させてIR源の近傍からパン製品を取り出すことができる。トースターは、環として構成されたIR源を含むことができ、カメラはIR源に対して中心に位置決めされる。カメラは、広角レンズを含むことができる。カメラは、パン製品から離れる方向にIR源の外面から引っ込ませることができる。光源は、IR源に対して中心にカメラに隣接して位置決めすることができる。トースターは、カメラの周りに強制ガスの流れを生成するために強制ガス源と、カメラ及びIR源間でカメラの周りに開口するダクトとを含むことができる。
【0011】
焼き上げる方法は、赤外線(IR)源に対して支持体上に食品を保持する段階を例示的に含む。IR源が作動されて支持体上の食品にIRエネルギを向ける。食品は支持体上で照明される。支持体上の食品のデジタル画像がカメラで得られる。カメラによって取得されたデジタル画像の各々における少なくとも1つの試験スペクトル内の光の量に基づいて、食品の現在の焼き上げレベルを決定するためにカメラによって取得された連続画像が分析される。食品の現在の焼き上げレベルが予め決められた焼き上げレベルに到達する時が決定される。食品の予め決められた焼き上げレベルが到達された時にIR源が作動されて食品にIRエネルギを向けることが終了される。本方法は、カメラからの初期画像を分析することによって食品の初期色を決定する段階と、食品の現在の焼き上げレベルを決定するために少なくとも1つの試験スペクトルに関して初期色に基づいて重み付け値を決定する段階とを含むことができる。本方法は、食品を含まない初期画像の一部分から少なくとも1つの試験スペクトルに対する基準輝度を決定する段階と、カメラからのその後の画像の同じ部分から少なくとも1つの試験スペクトルに対する現在の輝度を決定する段階と、基準輝度及び現在の輝度から少なくとも1つの試験スペクトルに対する輝度補償係数を計算する段階と、食品の現在の焼き上げレベルを計算する際に少なくとも1つの試験スペクトルに対する輝度補償係数を更に使用する段階とを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】トースターの例示的実施形態のシステム図である。
図2】焼き上げ具合レベルを例示的に描く図である。
図3】焼き上げ方法の例示的実施形態の流れ図である。
図4】水平構成にあるトースターの例示的実施形態を描く図である。
図5】水平構成にあるトースターのシステム図である。
図6】傾斜構成にあるトースターの例示的実施形態を描く図である。
図7図6の線7-7に沿って取った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、トースター10の例示的実施形態を示している。トースター10は、少なくとも1つの赤外線(IR)源12、及び図1に示すように例示的に2つのIR源12使用する。IR源は、例示的に通電ワイヤコイルの形態を取ることができ、これは、電流でエネルギを付与された状態で熱くなってIRエネルギを放出することは公知である。他の実施形態に使用することができる他のIRエネルギ源は、1又は2以上のIR放出LED、例えば、IR放出LEDのアレイ配置を含むがこれらに限定されないことは認識されるであろう。IR源12は、IRエネルギ活性化14を食品16に向けるように配置される。図1に示す実施形態ではかつ本明細書でより詳細に説明するように、IR源12は、焼き上げIR源12A及び例示的にIR放出源である加熱源12Bとして構成する及び/又は作動させることができる。トースター並びにその構成要素及び作動の追加の開示及び説明は、「赤外線トースター」という名称の本出願人の現在特許出願中の米国特許出願公開第2019/0387926号明細書に提供されており、その全体が引用により本明細書に組み込まれている。そこに開示されている特徴と本明細書に開示する特徴の組合せを本発明の開示に基づいて認識されるであろう。
【0014】
図1のトースター10は、食品16の片面、すなわち、焼き上げIR源12Aの近くに配置された焼き上げ面18を焼き上げるための実施形態を例示的に示している。この実施形態では、加熱源12Bは、作動中に焼き上げシステムの全体的な温度を上昇させるために焼き上げシステムに追加の熱エネルギを提供する。そのような実施形態では、食品16がトースター10内で裏返された状態で、食品16に第2の焼き上げサイクルを実行することにより、食品16の第2の面を焼き上げることができる。他の実施形態では、食品16の両面を同時に焼き上げるために2つの焼き上げIR源12Aをトースター10内に配置することができる。食品は、例示的には焼き上げることが望ましいパン製品であるが、例示的に調理、焼き目付け、炙り、又は焼き付けという熱処理が他の実施形態では達成される場合がある。パン製品は、スライスされたパン、イングリッシュマフィン、ベーグル、ピザ、及び平たいパン、ロール、又はバンズを含むことができるがこれらに限定されない。更に別の実施形態では、完全な又は部分的に完全なサンドイッチ又はサンドイッチ部分(例えば、オープンサンドイッチ半分)を焼き上げることができる。更に別の実施形態では、トースターは、パン製品上に置かれたチーズを溶かすように作動させることができる。
【0015】
実施形態では、焼き上げIR源12Aは、IR源によって焼き上げられる焼き上げ面に向けられた本明細書に説明する1又は2以上のセンサを有して構成される。焼き上げIR源12Aは、焼き上げ面の近くに配置され、一般的に高い熱エネルギ出力で作動する。これは、加熱IR源である場合があるが関連のセンサ、すなわち、焼き上げIR源12Aに関して説明した少なくとも焼き上げセンサを含まない場合がある加熱源12Bと比較される。更に、加熱IR源12Bは、焼き上げ面に向けられない場合があり、更に、一般的に低い熱エネルギ出力で作動させることができる。例では、焼き上げIR源12Aは、例示的に放射熱伝達によって食品16の面にIRエネルギを向けるように構成されるのに対して、加熱源12Bは、放射熱伝達、伝導熱伝達、及び/又は対流熱伝達により、食品16とトースターの内部全体とを加熱するように構成することができる。
【0016】
一例では、焼き上げIR源12Aは、食品16の焼き上げ面18に露出された抵抗性ワイヤコイルを含むことができ、このコイルがIRエネルギ活性化をもたらしてそれを焼き上げ面18に向ける。加熱源12Bも同様に抵抗性ワイヤを含むことができるが、食品は抵抗性ワイヤから遮蔽することができる。一例では、抵抗性ワイヤと食品の間にガラスの層とステンレス鋼の層とを挿入することができる。これは、加熱源12Bの抵抗性ワイヤからの熱を分散させるのに役立ち、トースター内部の温度を上昇させて食品の温度を上げるが、食品について限定的な焼き上げを提供するか又は一切提供しない。
【0017】
上述のように、焼き上げ機器の課題は、食品を焼き上げ過剰又は焼き上げ不足にすることなく狭い品質範囲内で食品の外側について望ましいレベル又は量の焼き上げを達成するために食品16にエネルギ量を迅速に提供することである。更に、指定されたレベルの焼き上げが一貫して達成される焼き上げのための装置及び方法を提供することが望ましい。更に別の例示的実施形態では、そのような特定レベルの焼き上げは、様々な食品のタイプにわたって一貫して達成される焼き上げのための装置及び方法を提供することが望ましい。食物、より具体的には焼き付け商品は、様々な物性が異なるが、焼き付け商品の異なる物性の例は、面積(A)、厚み(T)、及び初期色(C)を含む。
【0018】
図2は、様々な焼き付け商品の例について、異なる焼き上げ具合レベルの一例を提供している。図2に与える例では、同じタイプの焼き付け商品を水平方向の列に並べているのに対して、垂直方向の列は、それぞれ、焼き付け商品のタイプ毎に達成された焼き上げレベルを表している。図2は、5つの異なる焼き上げレベルの例を与えるが、異なる実施形態では、より多くの又はより少ないレベルを使用することができ、より多量のかつより少量の焼き上げを含むようにレベル間の範囲をより広くすることができることは認識されるであろう。
【0019】
図1に戻ると、トースター10は、本明細書でより詳細に説明する特徴を含み、それらにより、食品16の焼き上げ工程を綿密にモニタし、食品を望ましい焼き上げレベルまで迅速に焼き上げ、望ましい焼き上げレベルを超えないように焼き上げ工程を終了させるようにトースター10の構成要素の作動を制御することができる。
【0020】
トースター10は、例示的にはカメラ20である少なくとも1つのセンサを含み、このセンサは、食品16と相対的に向けられ、かつ食品の焼き上げ面18に向けられる。カメラ20を一般的な形で図1に示すが、そのようなカメラ装置のより特定の例示的実施形態を本明細書でより詳細に以下に開示し、トースター10の実施形態は、本明細書の例で提供されるもの以外の特徴をカメラ20内に含むことができることは認識されるであろう。カメラ20は、例示的に、焼き上げられている食品の面のデジタル取り込み画像を取得し、これらのデジタル取り込み画像を分析し、かつその得られるIR源12の制御のためにプロセッサ22に提供する。
【0021】
図1は、焼き上げIR源12Aの中心に配置され、食品16の焼き上げ面18に向けられた位置にあるカメラ20を描いている。例示的に、焼き上げIR源12Aは、形状が環状であり、その内部にカメラ20が位置決めされている。本明細書でより詳細に説明するように、IR源12の熱からカメラ20を保護することが望ましく、従って、カメラ20は焼き上げIR源12Aの加熱要素24から引っ込んでいる。しかし、本明細書で説明するように、カメラ20の視野25は、カメラ20によって取り込まれたデジタル画像が焼き上げ面の少なくとも大部分を含むように広いことが望ましい。従って、カメラ20を焼き上げIR源12Aに対して引っ込ませることができる距離には制限がある。一部の実施形態では、デジタル画像は、食品の周囲を超えて延びる視野を取り込むことができるのに対して、他の実施形態では、デジタル画像は、焼き上げ面の一部分だけを含む視野を取り込むことができる。
【0022】
食品の焼き上げの正確な分析を行うために、補助光が焼き上げ面18に投射される。この補助光は、1又は2以上の光源26によって提供される。光源26は、例示的に、カメラ20の近くに、例えば、焼き上げIR源12Aの中心に配置されたLED光源である。他の実施形態では、光源26は、例えば、トースター10の側面のような他の位置に設置することができるが、焼き上げ面18の法線に対して光源26の相対角度を大きくすると焼き上げ面18の照度が光源26によって改善されることは公知である。光源26は、本明細書に説明する特定の実施形態に応じて、可視スペクトル光、IRスペクトル光、UVスペクトル光、又はこの範囲の特定の波長又は波長の組合せを放出するように作動させることができる。例示的かつ非限定的実施形態は、可視光の緑色スペクトル波長、可視光の赤色スペクトル波長、IRスペクトル波長の光、又は全ての可視スペクトル波長の光(例えば、白色光)を投射することができる。
【0023】
上述のように、焼き上げIR源12Aの加熱要素24が生成する過剰な熱からカメラ20を保護することが望ましい。更に、本発明者は、光源26の温度が生成される光の強度を変化させ、その結果、本明細書でより詳細に説明するように、検出エラーをもたらすことを確認した。更に、過度の熱に対して光源26の全面露出を制限することが望ましい。送風機28とすることができるが当業者が認めるような他の空気移動源とすることができる空気源は、空気の流れを光源26及びカメラ20の周りに向けて通過させる。
【0024】
食品16の方向にカメラ20を通過して流れる空気はまた、カメラ20のレンズの周りに空気シールドを生成し、これは、カメラ20が取り込む画像を曇らせたり、不明瞭にする可能性があるグリース、結露、食品粒子、塵埃、又は他の汚染物質を集めないようにカメラ20を保護する。しかし、この空気の流れはまた、その流れ位置にある食品16を局所的に冷却するという悪影響を与える可能性がある。従って、カメラ20及び光源26の周りに構成された空気チャンバ30が、カメラ及び光源26に対する空気の循環を可能にしている。それにより、カメラ20及び光源26が冷却され、カメラ20を通過して食品16に向けて誘導される空気が加温される。空気チャンバ30はまた、循環した空気の一部を空気チャンバ30の外へ食品16から離れるように排出する。
【0025】
食品16は、食品支持体32によってIR源12間に支持される。食品支持体32の実施形態は、本明細書でより詳細に説明するような多くの形態を取ることができ、トースター10に対する食品16の装填及び排出を容易にするためにそのような形態に使用することができる。食品支持体32は、食品16をトースター10内の少なくともカメラ20及び焼き上げ熱源12Aに対して予め決められた位置に保持する。食品支持体32は、鉄格子、扉、台、又はコンベヤとすることができるがこれらに限定されない。本明細書でより詳細に説明するように、プロセッサ22でエジェクタ34を更に作動させて、焼き上げ工程を迅速に終了させるために食品の機械的な排出を容易にすることができる。
【0026】
プロセッサ22は、例示的には非一時的であってその上にコンピュータプログラム又はソフトウエアの形態でコンピュータ可読コードが格納されるコンピュータ可読媒体(CRM)36に通信可能に接続され、そのようなコンピュータ可読コードがプロセッサ22によって実行された状態で本明細書でより詳細に説明する機能及び作動を実行するようにプロセッサが作動される。プロセッサ22は、例示的に様々な公知のコントローラ回路、集積回路、マイクロコントローラ、又は関連回路のいずれかに組み込まれることは認識されるであろう。プロセッサ22は、一体化メモリを含む中央演算処理装置(CPU)の一部とすることができるが、実施形態では、CRM36は別々の構成要素であるか又はプロセッサ22に通信可能に接続することができる。プロセッサ22は、一体化メモリ又は外部メモリのいずれかとしてCRM36に格納されたコンピュータ可読コードの形態のソフトウエア又はファームウエアにアクセスする。プロセッサ22は、命令セットとしてコンピュータ可読コードを実行し、後述する入力の受信、計算、及び出力を含む本明細書に説明する機能を達成する。プロセッサ22は、カメラ20からデジタル取り込み画像を受信し、本明細書でより詳細に説明する画像処理技術を使用して焼き上げ工程をモニタし、食品16について望ましい焼き上げレベルを達成するような方法でトースター10の構成要素に作動指令を提供する。
【0027】
プロセッサは、更に、モデル又はアルゴリズム38のソースに通信可能に接続させることができ、このモデル又はアルゴリズムは、非一時的コンピュータ可読媒体に格納することができ、そのようなモデルは、焼き上げられる特定タイプの食品又は要求された特定の焼き上げ作動に使用されるパラメータ又はアルゴリズムを定めることができる。作動処理中に使用可能な方程式の例を本明細書に提供し、そのような方程式を非一時的コンピュータ可読媒体に格納することができる。モデル38は、異なる焼き上げレベルを表す食品からの反射光の決定量の曲線として表現することができる、様々な焼き上げレベルモデルを含むことができる。モデル38は、プロセッサ及びトースター10に対してローカルに格納することができるか又は遠隔位置に格納され、これに代えて、通信接続は、ローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワーク上とすることができる。本明細書でより詳細に説明するように、プロセッサ22は、入力を受信するか又は特定の条件を検出した状態で、モデルのソース38に格納された情報から選択することができる。これは、CRM36にも格納することができることは認識されるであろう。
【0028】
トースター10はユーザインタフェース40を含むことができ、それにより、トースター10は1又は2以上のユーザ入力を受信して焼き上げ作動を制御することができる。例示的実施形態では、ユーザインタフェース40は物理的なボタンとすることができ、タッチ対応型グラフィカルディスプレイとすることができる。更に別の実施形態では、ユーザインタフェースは、例えば、Wi-Fi又はBluetooth通信プロトコルを通してトースター10に通信可能に接続したパーソナルコンピュータデバイス上に提供することができる。受信可能入力の例は、1面又は2面の焼き上げ、食品の識別、及び望ましい焼き上げレベルを含む。
【0029】
更に別の実施形態では、トースター10のプロセッサ22をキッチン管理システム(KMS)42に通信可能に接続することができ、このシステムは、顧客の注文、注文完了ステータスを管理し、在庫レベル及びキッチン内のデバイスの作動をモニタし、及び/又はキッチン内のデバイスに作動命令を与えるように作動する例示的にはローカル実施又はリモート実施のコンピュータシステムとすることができる。例示的実施形態では、プロセッサ22とKMS42の通信可能な接続により、KMSは、例えば、焼き上げる食品のタイプ、焼き上げる食品の面、及び達成すべき焼き上げレベルのような作動命令をユーザ又は作業者からの更に別の入力なしにプロセッサ22に与えることが可能にすることができる。描かれていないが、食品ディスペンサ、例えば、焼き付け商品ディスペンサは、トースター10と作動的に接続され、KMSに通信可能に接続することができ、デバイス間の協調作動により、適切な焼き付け商品をトースター10に自動装填し、その焼き付け商品の望ましい焼き上げレベルを達成するためにトースター10を作動させることができる。
【0030】
図3は、食品を焼き上げる方法100の例示的実施形態を描く流れ図であり、本方法を例えば図1に関して描かれた上述のトースター10を参照して、同じく焼き付け商品の食品の例示的実施形態と共に本明細書でより詳細に説明する。方法100は、パンが102でトースターに受け入れられることで始まる。更に、トースターは、パンに対する望ましい焼き上げレベルを受信する。これは、例えば、トースターが各焼き上げ作動において同じ焼き上げレベルを提供するように構成されている場合に、事前設定の焼き上げレベルとすることができる。代わりに、望ましい焼き上げレベルは、ユーザが入力するか又は上述のようにKMSから受信することができる。更に別の例示的実施形態では、受け入れた一切れのパンを識別することができ、パンに関する特定の識別(例えば、ホワイト、小麦、ライ麦、ベーグル、イングリッシュマフィン、又はバンズ)は、事前設定の関連の焼き上げレベルを有することができる。焼き上げレベルは、本明細書でより詳細に説明するように、決定された光量の1又は2以上の曲線又は関数として定めることができる。
【0031】
104では、トースターは焼き上げチャンバを赤色光で照明する。システムは、食品がトースターに装填されたか否かを決定する。本発明者は、食品のタイプ、形状、及び初期色の広い範囲にわたって赤色スペクトル光が食品とトースターの内部の間にコントラストを提供するので焼き上げチャンバが空であるか又は焼き上げる焼き付け商品を受け入れたかを決定するのに赤色スペクトル光が有用であることを見出した。焼き付け商品の識別がまだ他に受信されていない場合に、システムは、106で焼き付け商品の初期色を決定することができる。その際、106でパンが照明され、照明されたパンの画像が取り込まれ、106でパンの初期色の決定が行われる。一部の実施形態では、この照明は、白色光とすることができ、照明の目的で可視光スペクトルの部分集合を使用することができる。一実施形態では、利用可能なパンの異なる初期色間でのコントラストに対して赤色光の照明を使用することができる。一部の実施形態では、赤色スペクトルの光は、明色のパンと暗色のパンの両方に有用であり、同じく、システムがトースター内のパンの存在と空のトースターとを区別するのに役立つ。
【0032】
焼き上げの進行及び焼き上げレベルを評価するのに使用される場合に、食品の初期色に基づいて異なるスペクトルの光が好ましいか又は好ましい結果をもたらす可能性がある。例では、緑色スペクトル光、青色スペクトル光、及び赤色スペクトル光のうちの1又は2以上の組合せを焼き上げ分析に使用することができる。別の例では、緑色スペクトル光及び赤色スペクトル光の分析を使用することができる。108では、試験スペクトルの各々に対する重み付け値が決定される。一例では、重み付けは、食品の決定された初期色の関数とすることができる。食品の初期色は、食品の初期色の予想される範囲に基づいて正規化することができる。食品の決定された初期色は、異なる重み付け値に関連付けられた1又は2以上の閾値と比較することができる。別の例では、光試験スペクトルの各々に対する重み付け値は、関数によって決定される。0.0という重みは、その試験スペクトルが決定に使用されないという結果をもたらすことができることは認識されるであろう。更に、重み付けは、単一試験スペクトルだけが決定に使用されるという結果をもたらすことができることは認識されるであろう。一般的に、赤色光試験スペクトルは、例えば、暗いライ麦のような暗い初期色を有する食品の焼き上げレベルの決定に有利であるのに対して、緑色光試験スペクトルは、例えば、白パンのような明るい初期色を有する食品の焼き上げレベルの決定に有利であると決定されている。
【0033】
本明細書で更に詳しく説明するように、焼き上げ決定は、以下の式に基づいて又は部分的に基づいて計算することができ、ここで、パラメータWG、WB、WRは、緑色、青色、及び赤色の試験スペクトルの各々に適用されるそれぞれの重みである。
式1
ここで、
MC=マスク補償係数
BFNBG=輝度係数パン無緑色
BFNBB=輝度係数パン無青色
BFNBR=輝度係数パン無赤色
RBNBR=基準輝度パン無赤色
RBBR=基準輝度パン有赤色
RBBG=基準輝度パン有緑色
RBBB=基準輝度パン有青色
CBBR=現在の輝度パン有赤色
CBBG=現在の輝度パン有緑色
DN=生仕上げ具合値
【0034】
110に戻ると、パンを識別した後で、110においてパンを白色光で照明することができる。この白色光は、焼き上げ工程中に焼き上げレベルの評価に使用される。106で食品の初期色を決定するために白色光(又は同じ光スペクトル)を使用して食品を照明する実施形態では、106と110を実質的に組み合わせることができることは認識されるであろう。これは、初期色を決定すると共に焼き上げの進行をモニタするために同じ光スペクトルを使用して食品を照明する他の例にも当て嵌まることになる。上述のように、他の実施形態では、緑色スペクトル波長の光を使用する照明を含むがこれに限定されない代替色又は照明光波長の組合せ又は分離色を使用することができることは認識されるであろう。赤色、緑色、及び/又は青色の波長の試験スペクトルを本明細書の例で説明するが、他の実施形態では、黄色、橙色、紫色、赤外線、又はUVのスペクトルを含むがこれらに限定されない他の選択された試験波長スペクトルを使用することができることは認識されるであろう。例では、これらの試験波長スペクトルを組み合わせて特に識別された焼き付け商品を焼き上げについて分析することができ、異なる識別された焼き付け商品又は特定の特性を有する焼き付け商品をそのような様々な組合せで分析することができる。上述のように、特定の試験スペクトル波長の使用方法は、焼き付け商品の識別又はその特性の識別に基づいて様々な試験スペクトルを重み付けして調節することができる。
【0035】
112では、熱源を作動させる。上述のように、熱源は、例示的に、電気的なエネルギ活性化を受けると、コイルがトースターに保持されたパンに向けてIR放射を放出する赤熱温度まで熱くなるワイヤコイルとすることができる。上述のように、トースターの実施形態では、トースターは、受け入れたパンの片面を焼き上げるように構成することができ、パンの焼き上げ面から反対側にある熱源は、トースターの周囲温度を上昇させるのに使用することができるが、焼き上げ面とは反対側のパンの面で特定の焼き上げレベルを達成するようには作動しない。
【0036】
本方法は、パンが望ましい焼き上げレベルまで焼き上げられたと決定されるまで繰返し実行される焼き上げレベル評価部分処理114に入る。この部分処理114は、116において、カメラでパンのデジタル画像を取得することで始まる。116におけるデジタル画像の取得は、IRフィルタリングを更に含むことができる。IRフィルタリングは、カメラのIRレンズを使用して物理的に実行することができ、又はカメラによる画像取得処理においてデジタル的に実行することができる。いずれの場合も、116で得られるデジタル画像は、熱源から放出されるIRエネルギ活性化がない場合に受け入れたパンがトースター内で写し出されたものである。110に由来する例えば白色光による焼き上げ面の照明も、この画像の取得に役立ち、補助光は、熱源から放出された光による影響を完全に飽和させる。
【0037】
118では、画像マスクを取得する。一例では、固定又はデフォルト画像マスクをトースターのプロセッサに対してローカルに格納することができる。固定画像マスクは、全ての食品に対して同じマスクとすることができ、又は異なるタイプの食品(例えば、イングリッシュマフィン、ベーグル、スライスパン、バンズ)に対して異なる静的マスクを格納することができる。食品の識別が既知である場合に、それに対応する静的マスクを選択して使用することができる。更に別の例では、116で取得した画像から動的画像マスクを生成することができる。一例では、そのような動的画像マスクは、上述の固定画像マスクを修正することによって生成することができる。動的画像マスクが生成された状態で、例では、焼き上げ決定処理を通してそれを使用することができるが、他の例では、画像形成処理の後続サイクル中に動的マスクを反復的に更新することができる。画像マスクは、例示的に、食品の一部分ではないデジタル画像の全ての部分を除外することができ、この画像マスクは、パンの焼き上げレベルを決定するために評価されるデジタル画像データの部分を限定する。
【0038】
例では、上述の式1に従って計算される仕上げ具合値を静的マスクに関して生成することができ、静的マスクは、仕上げ具合値を決定する時に評価されるデジタル画像データの部分/区域を決定する。従って、デジタル画像データの異なる区域が使用される結果になる動的マスクを使用する場合に、正確な決定を維持するために、マスク補償係数MCが必要になる場合がある。マスク補償係数は、デジタル画像からの光スペクトル測定値に基づいて最初に静的マスクを用いて、次に動的マスクを用いて計算することができる。
式2
ここで、
SMAR=静的マスク平均赤色値
SMAG=静的マスク平均緑色値
SMAB=静的マスク平均青色値
DMAR=動的マスク平均赤色値
DMAG=動的マスク平均緑色値
DMAB=動的マスク平均青色値
【0039】
124では、食品面の現在の焼き上げレベルは、焼き上げ面から反射されてカメラによるデジタル画像に取り込まれた光の量から決定される。画像マスクは、焼き上げレベルの決定に関連して最も多くの情報をもたらす得られたデジタル画像の一部分に分析を集中させる。上述のように,デジタル画像に戻された光のスペクトル全てが使用される訳ではなく、一部のスペクトルが他の光スペクトルに比べて多少重み付けされる場合がある。これに加えて、得られたデジタル画像は、126で画像剥ぎ取りマスクを使用して評価される。この画像剥ぎ取りマスクは、画像がトースター内でのパンの移動又はカメラによる画像取得エラーに起因する画像間の不連続性を表しているか否かを決定するために、得られたデジタル画像のパンによる部分を遮り、画像のパン以外の部分を前の画像と比較する。画像剥ぎ取りマスクの評価により、処理114のこのサイクルのために得られたデジタル画像を不合格にするか又は処理114内で画像を使用するかの命令が戻される。
【0040】
画像を使用する場合に、例えば、上述の式1に従って試験スペクトルでの光量の重み付き決定を使用して生の仕上げ具合値が計算される。更に式1を見ると、各試験スペクトルRBBXにおけるパンの基準輝度が初期デジタル画像から得られる。それらの基準輝度は、仕上げ具合値の各反復計算に使用される。126で画像剥ぎ取りマスク評価によって受け入れられるその後に得られた各デジタル画像について、各試験スペクトルCBBXにおけるパンの現在の輝度が得られた画像から得られる。本明細書でより詳細に説明するように、トースター内の温度、特にトースター内の光源温度は、光源から出力される光強度を変化させる可能性がある。これは、式1で計算される生の仕上げ具合値において各試験スペクトル光の光源に対する輝度補償係数BFNBXを含むことで補償される。
【0041】
例では、生の仕上げ具合値は、式1に従って決定された試験スペクトル又は重み付き試験スペクトルにおける光量から124で決定される食品の現在の焼き上げレベルとして使用することができる。他の例では、この生の仕上げ具合値は、例示的に以下の形式の関数を適用することにより、現在の焼き上げレベルに変換することができる。
式3
最終的な仕上げ具合値を決定する関数は、例示的に生の仕上げ具合値に対して線形、指数的、又は対数的とすることができ、生の仕上げ具合値を焼き上げレベルのモデル又は定義と同じ尺度に載せる。
【0042】
128では、変換された焼き上げレベルは、受信した望ましい焼き上げレベル値と比較され、焼き上げが完了したか否かの決定が行われる。焼き上げが完了し、望ましい焼き上げレベル値が達成された場合に、130でトースターが作動してパンをトースターから排出し、望ましい焼き上げレベルを通り越したり、焼いたパンを焦がしたりしないように焼き上げ作動を迅速に終了させる。
【0043】
望ましい焼き上げレベルがまだ達成されていない場合に、新しいデジタル画像を取得すること116及びこのように説明した評価段階を繰り返すことにより、部分処理114が繰り返される。例示的実施形態では、部分処理114の1サイクルは250ミリ秒毎に実行されるが、代替実施形態では、本発明の開示の範囲に留まりながらデジタル画像の取得と評価の間の時間はより長くても短くてもよいことは認識されるであろう。部分処理114は、従って、パンの望ましい焼き上げレベルが達成されたと決定されるまで繰り返されてパンがトースターから排出される。
【0044】
任意的に132では、現在のデジタル画像を以前取得したデジタル画像と比較し、2つの画像間でピクセル値の変化を評価することにより、焼き上げ作動に起因する焼き上げ面の面積の変化を評価するために動的境界マスクが計算される。上述のように、一部の実施形態では、標準化された静的画像マスクを使用することができ、焼き上げ工程を通して使用するための動的マスクを計算することができ、又は焼き上げ工程中に画像マスクを更新することができる。パンの面積が縮小した場合に、これらの縮小部分は、その後に得られたいずれか2つの画像間の焼き上げに起因する除外変化量を超える大きい画像内変化の区域として現われることになる。パンの収縮に起因する変化区域は、118で更新された動的マスクに追加され、パンの収縮可能性を考慮した動的マスクを提供する。
【0045】
方法100の実施形態は、上記に提示して説明したような段階をより多く又はより少なく含むことができることは認識されるであろう。上述のような方法特徴に加えて追加の制御処理を方法100内に実施し、本明細書でより詳細に説明するように、処理の結果を更に精緻化する及び/又は制御することができる。
【0046】
例示的実施形態では、処理は、熱源を始動させてから最初のデジタル画像を取得するまでの間に初期化及び加熱滞留時間を含む。例示的実施形態では、焼き上げ評価のためにパンの初期基準画像を取得する前に4~5秒の滞留時間が使用される。実施形態では、1又は2以上の尺度又は関係を使用して現在の焼き上げレベルに対して決定される戻り光を評価することができる。例示的実施形態では、2又は3以上の尺度又は関係を使用して焼き上げレベルの範囲を表すことができる。実施形態では、各焼き上げレベルは、戻り光及び焼き上げレベルを定める別々の関数を有するのに対して、他の実施形態では、1つの関数が2又は3以上の焼き上げレベル(例えば、軽い及び中程度の焼き上げレベル)間の進行を表すことができ、一方、1又は2以上の他の焼き上げレベル(例えば、暗い焼き上げレベル)への進行を表すために少なくとも1つの他の関数が使用される。
【0047】
上述のように、熱源からの熱は、光源によって生成される光の強度に影響を与える可能性がある。これらの光強度の変化は、画像処理において、追加の焼き上げ又は緩慢な焼き上げとして示される場合がある。例示的実施形態では、追加のカメラをトースターに追加して光源又はトースターの中立部分、例えば、光源と加熱要素の間の壁にある断熱材又は他の構造体のいずれかに向けることができる。このカメラ又は光センサからの読取は、光源からの光出力強度の読取値又は測定値を提供する。光強度の測定は、光源による出力光強度の変動にも関わらず、焼き上げレベルの一貫した評価を保証するために補償係数として使用することができる。この輝度補償係数BFNBXは、例示的に光源/試験スペクトル毎に以下のように計算される。
式4
輝度補償係数の計算では、初期デジタル画像を使用して各試験スペクトルにおける基準輝度RBNBXを計算する。これは、例示的に、食品を含まないことが既知である初期デジタル画像の一部分又は複数の部分を使用することによって行われる。一例として、この部分は、他に食品の焼き上げレベルを評価する時に画像マスクによって覆い隠される区域を含むことができる。輝度補償係数は、基準輝度と現在のデジタル画像に対して得られた現在の輝度CBNBXとの比である。現在の輝度は、試験スペクトル毎に初期デジタル画像に使用されたのと同じ部分を使用して計算される。上述の輝度補償係数の使用例では、補償係数は、光源の1つの作動にエラーが生じた場合に、例えば、光源の1つが焼き切れたり、故障したりした場合に、精度を維持するために仕上げ具合値の決定を調節することができる。
【0048】
上述のように、トースター10の一部の例は、焼き上げシステムに追加の熱エネルギを提供するが、食品自体の焼き上げをほとんど又は全く提供しないように配置された加熱源12Bを含むことができる。一例では、熱源12Bは、抵抗性ワイヤを含むことができる。ワイヤの抵抗値及び従ってワイヤを流れる電流は、抵抗性ワイヤの温度と共に変化する可能性がある。従って、電流計又は他の電流センサを使用して熱源12Bの温度を決定し、熱源12Bを設定値温度まで又は設定温度範囲内で作動させることができる。更に、下側加熱器温度の制御は、以下の式に基づく場合がある。
式5
ここで、
LH=温度下側加熱器
TTLH=ターゲット温度下側加熱器
I=秒でのアイドル時間
t=前回測定からの時間
【0049】
本方法の更に別の例示的実施形態では、焼き上げ完了と出現の追加計算を行う1又は2以上のバックアップ処理により、パンが焦げるか又は焼き上げられすぎる危険な状態にあり、従ってトースターからのパンの無効化排出をもたらすことを他に示すことができる。そのようなバックアップ処理の1つは、その後の評価サイクル間で焼き上げ具合レベルの変化を比較する「前進進捗」アルゴリズムである。例示的実施形態では、焼き上げ工程を継続するために焼き上げ具合レベルの変化の移動平均(例えば、過去5回の評価サイクルにわたる)が正値を維持しなければならない。概念的には、焼き上げ工程は、飽和する(例えば、焦げる)時点まで促進されると予想され、その時点では、焼き上げ具合レベルの変化率は横這いになるか又は負値になる。従って、焼き上げ工程が予想される対数パターンに従っている限り、焼き上げ工程の継続が許可される。
【0050】
別の例示的実施形態では、潜熱モデルを使用してカメラで得られるデジタル画像とは独立した焼き上げレベルの代替計算を行う。従って、潜熱モデルバックアップ方法は、カメラによる画像取得エラー、画像処理エラー、又は画像取得に必要なカメラ及び/又は光源の誤作動が生じた場合に焼き上げ作動に対する制御を提供することができる。更に別の実施形態では、トースターは、1又は2以上のエラーによって上述のデジタル画像取得に基づく制御が妨げられた場合に、代わりに潜熱制御モードで作動させることができる。潜熱制御において、系のエネルギは、例示的に以下の式で表すことができる。
式6
ここで、Ttは秒で表した焼き上げ時間である。
【0051】
潜熱モデル制御では、トースターに蓄えられた潜熱に基づいて焼き上げ時間が調節される。これは、加熱サイクルからどれだけのエネルギが焼き上げシステムに投入されたか、及び仮定される焼き上げシステムの冷却曲線に基づいてどれだけのエネルギが失われたかを追跡することによって計算される。そのような実施形態では、望ましい焼き上げレベルと、焼き上げシステムに既にある熱と、焼き上げ作動中にトースターに継続的に投入される熱エネルギとに基づいて予想される焼き上げ時間が計算される。この予想焼き上げ時間を超えた場合に又は予め決められた閾値百分率又は望ましい焼き上げレベルに基づく閾値百分率を超えた場合に、本発明のシステムは焼き上げ工程を無効化してパンを排出し、パンが過度に焼き上げられたり、焦げたりすることを防ぐことができる。潜熱制御は、その全体が引用によって本明細書に組み込まれている「潜熱トースター制御(Latent Heat Toaster Control)」という名称の本出願人の係属中の米国特許出願第16/556,826号明細書により詳細に説明されている。
【0052】
図4は、水平に向けられたトースター10の例示的実施形態を示している。図5は、同様に水平に向けられたトースター10の概略図を表している。これらの図と図1の間で類似の参照番号は、類似の構成要素を示すためにかつ本明細書で先に与えたそれらの構成要素の説明を組み込むために使用されることは認識されるであろう。更に別の実施形態は、本発明の開示の範囲に入る実施形態に到達するために、この出願で与える他の開示に加えて図1を使用して上述したそれらの特徴を図4及び5に関して本明細書に説明する特徴と組み合わせることができることは認識されるであろう。
【0053】
図4及び5に示すトースター10は、例示的に少なくとも1つのコンベヤ44を含む。図4に示すように、トースター10は、互いに平行作動するように配置された2つのコンベヤ44を含むことができる。それらのコンベヤ44は、トースター10を貫通して延びることができる。コンベヤ44は、食品(図示せず)をトースター10に収容された上述のIR源に対してトースター10内の所定位置に進めるように作動させることができる。各コンベヤは、少なくとも1つの関連のIR源をトースター10内に有することができることは認識されるであろう。
【0054】
図5は、トースター10の例に見出すことができる追加の特徴の例を与えるものである。図5のコンベヤ44は、食品をトースター10内に送出するためにのみ作動する。コンベヤ44は、コンベヤ44から外方に延びる分割器46を含むことができ、この分割器46は、その上に食品を保持するための空間を区切り、その上に置かれた食品16に規則的な間隔及び/又は順序を提供するのに役立つ。
【0055】
トースター10は安全ドア48を含むことができ、これは複数の目的に役立つ。第1の目的では、安全ドアは、IR源12に関してユーザの焼き上げ区域50への接近を阻止する。これは、安全ドア48が閉じている時は対応するリミットスイッチ52が作動し、IR源12を作動させて加熱することができるようにユーザを保護する。安全ドア48が開いている時は、リミットスイッチ52も開かれて、IR源12のエネルギ活性化が阻止される。
【0056】
これに加えて、図5に示すように、食品がコンベヤ44上に誤配置された場合に、誤配置された食品16は安全ドア48の外側に係合し、それにより、コンベヤ44の前進にも関わらず、食品16の更に別の前進が阻止される。コンベヤ44の更に別の前進は、食品16が次の焼き上げ作動時に焼き上げ区域50に受け入れられるようにコンベヤ44と安全ドア48の両方と適正に位置合わせするまで誤配置された食品16に対してコンベヤ44を前進させることになる。
【0057】
図5に示す例では、焼き上げ区域50は、IR源12に対して焼き上げ区域50内の食品を支持する底部加熱器又はトレイ54によって更に定められる。食品に望ましい焼き上げレベルが達成されたと決定された時に、底部加熱器及び/又はトレイ54は、ピボット回転するか又は他に開いてトースター10から分配するために焼き上げられた食品16を出口ランプ56上に放出する。図4及び5に関して描いた上述の例は、焼き上げられた食品を食品が最初にトースターに配置された位置と類似の位置に食品がトースター10に装填された時と同じ向きで(例えば、焼き上げ面を上にして)機能的に戻すという利点を例示的に有することができる。
【0058】
図6及び7は、トースター10の更に別の例示的実施形態を示し、トースター10が傾斜した姿勢で配置されている。図6がこの実施形態のトースター10を描いているのに対して、図7は、図6の線7-7に沿った断面図である。図4及び5に示すような実施形態と同様に、これらの図にある類似の参照番号は、実施形態間の類似の構成要素を識別するが、本発明の開示の範囲に入るトースターの更に別の例示的実施形態に到達するために、図6及び7の実施形態に関して説明する特徴の一部又は全ては、上述の特徴又は本明細書で更に説明する特徴と組み合わせて使用することができることは認識されるであろう。
【0059】
図7で最も良く分るように、焼き上げ区域50は、トースター10の作動構成要素の多くと同様に斜めに配置されている。そのような実施形態では、ユーザは、安全ドア48によって選択的に塞がれる開口部60に食品を直接挿入することができる。開口部60の内部にある加熱区域50も斜めに配置され、焼き上げIR源12aと加熱IR源12bとによって定められる。同じく、加熱IR源12bは、底部トレイ54を形成する。クレードル58は、焼き上げ区域50の内部端で露出しており、焼き上げ区域50内に食品を受け入れ、一貫した繰返し焼き上げに関して焼き上げIR源12a及び加熱IR源12bに対する食品の位置合わせを助ける役割を果たす。焼き上げ作動が完了すると、底部トレイ54は、加熱IR源12bを含むトースター10の内部を矢印62の方向に摺動させて焼き上げられた食品の邪魔にならないように移動する。焼き上げられた食品は、焼き上げ区域50から出口ランプ56の上に落下してトースター10から分配される。
【0060】
本明細書では多くの文献への引用を行っている。引用した文献は、その全体が引用により本明細書に組み込まれている。引用文献における用語の定義と比較して本明細書における用語の定義との間に不一致がある場合に、その用語は、本明細書での定義に基づいて解釈しなければならない。
【0061】
以上の説明では、特定の用語を簡潔性、明瞭性、及び理解のために使用した。そのような用語は、説明目的に使用して広義に解釈されることを意図しているのでそれらから従来技術の要件を超える不要な限定を推論すべきではない。本明細書に説明する様々なシステム及び方法段階は、単独に使用するか又は他のシステム及び方法と組み合わせて使用することができる。特許請求の範囲内で様々な均等物、代替物、及び修正物が可能であると予想されるものとする。
【0062】
図に与える機能ブロック図、作動シーケンス、及び流れ図は、本発明の開示の新規態様を実行するための例示的アーキテクチャ、環境、及び方法論を表すものである。説明を簡単にするために、本明細書に含まれる方法論は、機能図、作動シーケンス、又は流れ図の形態にあり、かつ一連の行為として説明される場合があるが、一部の行為は、それに従って本明細書に図示して説明したものとは異なる順序で及び/又は他の行為と同時に行われる可能性があるので、方法論は行為の順序によって限定されないことを理解して認識しなければならない。例えば、当業者は、状態図でのように相互に関連付けられた一連の状態又は事象として方法論を表現することも可能であることを理解して認めるであろう。更に、方法論に例証する全ての行為が新規実施に必要であるとは限らない。
【0063】
この書面による説明では、最良モードを含む本発明を開示するためにかつ同じく当業者が本発明を製造して使用することを可能にするために実施例を使用した。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定められ、かつ当業者が想起する他の実施例を含む場合がある。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの用語と異ならない構造要素を有する場合又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの用語とは実質的に異なる同等構造要素を含む場合に特許請求の範囲内であるように意図している。
【符号の説明】
【0064】
10 トースター
12A 焼き上げIR源
14 エネルギ活性化
16 食品
18 焼き上げ面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7