(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ネットワーク可視化のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/904 20190101AFI20240509BHJP
G06F 16/28 20190101ALI20240509BHJP
【FI】
G06F16/904
G06F16/28
(21)【出願番号】P 2022521631
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(86)【国際出願番号】 CA2020051355
(87)【国際公開番号】W WO2021068077
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-02-21
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521084851
【氏名又は名称】キナクシス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボウディン、ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】カーン、リシャッド
(72)【発明者】
【氏名】ブラックモア、アイヴィー
(72)【発明者】
【氏名】ダンバー、アンドリュー
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0018652(US,A1)
【文献】国際公開第2018/159237(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0163502(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0164964(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0019879(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データのネットワーク可視化のためのコンピュータ実装された方法であって、
(a)プロセッサによって、前記データのグラフ・データ・モデルを生成することであって、前記データは単一の表構造であるデータ・ソースからのものである、生成することと、
(b)前記プロセッサによって、1つ又は複数の定性的データ・マッピングに基づく1つ又は複数のグループを生成することと、
(c)前記プロセッサによって、1つ又は複数の定量的データ・マッピングに基づく1つ又は複数の統計的要約を生成することと、
(d)前記プロセッサによって、前記1つ又は複数の定量的データ・マッピング及び前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングの視覚的表現を計算することと、
(e)前記プロセッサによって、複数のノードとレベル制約の関係に基づく複数のノード位置を定めることであって、前記複数のノード位置が前記グラフ・データ・モデルに付加される、複数のノード位置を定めることと、
(f)前記プロセッサによって、前記データのグラフ可視化をレンダリングすることと、
(g)前記プロセッサによって、前記ネットワーク可視化がユーザ・インターフェースを介してユーザによって操作されるイベントをリッスンすることと、
(h)前記ユーザ・インターフェースを介して前記ユーザによる前記データの変更に応じて、ステップ(a)から(g)を繰り返すことと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記プロセッサによって、前記レベル制約と、1つ又は複数のラベルと、レイアウトとに基づく複数のスイム・レーンを生成すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザによる1つ以上の列の選択に応じて、当該1つ以上の列が対応するノード又はエッジ属性にマッピングされるマッピングのカスタマイズをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
データのネットワーク可視化のためのシステムであって、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリと
を備え、
前記命令が、前記プロセッサによって実行されたとき、
(a)前記プロセッサによって、前記データのグラフ・データ・モデルを生成することであって、前記データは単一の表構造であるデータ・ソースからのものである、生成することと、
(b)前記プロセッサによって、1つ又は複数の定性的データ・マッピングに基づく1つ又は複数のグループを生成することと、
(c)前記プロセッサによって、1つ又は複数の定量的データ・マッピングに基づく1つ又は複数の統計的要約を生成することと、
(d)前記プロセッサによって、前記1つ又は複数の定量的データ・マッピング及び前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングの視覚的表現を計算することと、
(e)前記プロセッサによって、複数のノードとレベル制約の関係に基づく複数のノード位置を定めることであって、前記複数のノード位置が前記グラフ・データ・モデルに付加される、複数のノード位置を定めることと、
(f)前記プロセッサによって、前記データのグラフ可視化をレンダリングすることと
(g)前記プロセッサによって、前記ネットワーク可視化がユーザ・インターフェースを介してユーザによって操作されるイベントをリッスンすることと、
(h)前記ユーザ・インターフェースを介して前記ユーザによる前記データの変更に応じて、ステップ(a)から(g)を繰り返すことと、
を行うように構成された、システム。
【請求項5】
前記命令が、
前記プロセッサによって、前記レベル制約と、1つ又は複数のラベルと、レイアウトとに基づく複数のスイム・レーンを生成すること
を行うように構成された、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記命令が、ユーザによる1つ以上の列の選択に応じて、当該1つ以上の列が対応するノード又はエッジ属性にマッピングされるマッピングをカスタマイズするように構成された、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
データのネットワーク可視化のための命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、コンピュータによって実行されたとき、前記コンピュータに、
(a)プロセッサによって、
前記データのグラフ・データ・モデルを生成することであって、前記データは単一の表構造であるデータ・ソースからのものである、生成することと、
(b)前記プロセッサによって、1つ又は複数の定性的データ・マッピングに基づく1つ又は複数のグループを生成することと、
(c)前記プロセッサによって、1つ又は複数の定量的データ・マッピングに基づく1つ又は複数の統計的要約を生成することと、
(d)前記プロセッサによって、前記1つ又は複数の定量的データ・マッピングと、前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングとの視覚的表現を計算することと、
(e)前記プロセッサによって、複数のノードとレベル制約の関係に基づく複数のノード位置を定めることであって、前記複数のノード位置が前記グラフ・データ・モデルに付加される、複数のノード位置を定めることと、
(f)前記プロセッサによって、前記データのグラフ可視化をレンダリングすることと
(g)前記プロセッサによって、前記ネットワーク可視化がユーザ・インターフェースを介してユーザによって操作されるイベントをリッスンすることと、
(h)前記ユーザ・インターフェースを介して前記ユーザによる前記データの変更に応じて、ステップ(a)から(g)を繰り返すことと、
を行わせる、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項8】
前記命令が、
前記プロセッサによって、前記レベル制約と、1つ又は複数のラベルと、レイアウトとに基づく複数のスイム・レーンを生成すること
を前記コンピュータにさらに行わせる、請求項7に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
前記命令が、ユーザによる1つ以上の列の選択に応じて、当該1つ以上の列が対応するノード又はエッジ属性にマッピングされるマッピングをカスタマイズするように前記コンピュータにさらに行わせる、請求項7に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
前記視覚的表現は、階層ネットワーク又はツリー図の視覚化タイプで構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記視覚的表現は、階層ネットワーク又はツリー図の視覚化タイプで構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項12】
前記視覚的表現は、階層ネットワーク又はツリー図の視覚化タイプで構成される、請求項7に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記視覚的表現は、
複数のノード及び複数のリンク上に前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングを表示することと、
前記複数のノード及び複数のリンク上に前記1つ又は複数の定量的データ・マッピングを表示することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のノード上に前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングを表示することは、レベル制約、スイム・レーン・ラベル、カテゴリの色、カテゴリの形状、カテゴリの装飾、及びカテゴリのテキストのうちの少なくとも1つを含み、
前記複数のリンク上に前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングを表示することは、カテゴリの色及びカテゴリのテキストのうちの少なくとも1つを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のノード上に1つ又は前記複数の定量的データ・マッピングを表示することは、色のグラデーションの少なくとも1つを含み、
前記複数のリンク上に1つ又は前記複数の定量的データ・マッピングを表示することは、色及び太さのグラデーションの少なくとも1つを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記視覚的表現は、各ノードとリンクがマウスによってアクセスされる1つ又は複数のフィールドに関連付けられる複数のノードと複数のリンクを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記視覚的表現は、
複数のノード及び複数のリンク上に前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングを表示することと、
前記複数のノード及び複数のリンク上に前記1つ又は複数の定量的データ・マッピングを表示することと、
を備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数のノード上に前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングを表示することは、レベル制約、スイム・レーン・ラベル、カテゴリの色、カテゴリの形状、カテゴリの装飾、及びカテゴリのテキストのうちの少なくとも1つを含み、
前記複数のリンク上に前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングを表示することは、カテゴリの色及びカテゴリのテキストのうちの少なくとも1つを含む、
請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数のノード上に前記1つ又は複数の定量的データ・マッピングを表示することは、色のグラデーションの少なくとも1つを含み、
前記複数のリンク上に前記1つ又は複数の定量的データ・マッピングを表示することは、色及び太さのグラデーションの少なくとも1つを含む、
請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記視覚的表現は、各ノードとリンクがマウスによってアクセスされる1つ又は複数のフィールドに関連付けられる複数のノードと複数のリンクを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項21】
前記視覚的表現は、
複数のノード及び複数のリンク上に前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングを表示することと、
前記複数のノード及び複数のリンク上に前記1つ又は複数の定量的データ・マッピングを表示することと、
を備える、請求項7に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
前記複数のノード上に前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングを表示することは、レベル制約、スイム・レーン・ラベル、カテゴリの色、カテゴリの形状、カテゴリの装飾、及びカテゴリのテキストのうちの少なくとも1つを含み、
前記複数のリンク上に前記1つ又は複数の定性的データ・マッピングを表示することは、カテゴリの色及びカテゴリのテキストのうちの少なくとも1つを含む、
請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
前記複数のノード上に前記1つ又は複数の定量的データ・マッピングを表示することは、色のグラデーションの少なくとも1つを含み、
前記複数のリンク上に前記1つ又は複数の定量的データ・マッピングを表示することは、色及び太さのグラデーションの少なくとも1つを含む、
請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
前記視覚的表現は、各ノードとリンクがマウスによってアクセスされる1つ又は複数のフィールドに関連付けられる複数のノードと複数のリンクを含む、請求項7に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
サプライ・チェーン・データは複雑で巨大であり、多くのエンティティを含んでいる。多くの場合、これらのエンティティ間には複雑な関係があり、エンティティ間の階層もある。そのようなデータは行と列とからなる表形式で入力され、これらの関係及び階層を確認することを困難にしている。多くの場合、そのような表形式は、ネットワークに関連するデータには適切でない。表形式はまた、サプライ・チェーン中のホット・スポットの分析を複雑で厄介にし、以って混乱を招きかねない遅延につながる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示は、ネットワークに関連するデータの可視化を提供するシステム及び方法に関する。表、行及び列によってデータを表すのではなく、ノード及びエッジ(すなわちエンティティ間の関係)としてデータが表される。そのようなデータの表現は、エンティティ間の連関の基本構造を一覧できるので有益である。これにより、ネットワークのより深い分析、問題点の識別、及び問題の根本原因発見への早道が可能になる。
【0003】
エンティティの任意の階層及びエンティティの関係を、一般的な方法で表すことができる表構造が定義される。ユーザは、データをネットワークとして可視化するために、データをそのような表形式の構造に適合させ得る。
【0004】
表のコンテンツは次いで、エンティティ、関係及びそれらの属性を抽出するために処理され得る。すなわち、属性とは、定性的又は定量的な測定値など、エンティティ及び関係に結び付けられた情報を指す。これらは次いで、色のグラデーション、カテゴリの色、形状、太さ、テキスト・ラベルなどを使用してノード、エッジ及びそれらの属性の視覚的表現に変換され得る。ノードは、たとえば、レベル制約をもつ階層的レイアウト・アルゴリズムを使用して、キャンバス上に配置され得る。
【0005】
可視化の出力は、ユーザが、(データ表を使用することよりも)よりアクセスしやすく、理解しやすく、使いやすい方法でデータを分析するのに役立つ。ネットワークの空間表現及びメトリックの視覚的表現は、複数の詳細レベルで(表形式のデータにはできない方法で)データに対する洞察を明らかにすることができる。これは、ユーザが因果関係を理解し、迅速に適切な決定を行うことに役立ち得、実際、表形式におけるデータを分析することによるよりはるかに速い。データ・マッピングのカスタマイズ性により、ユーザが、所与のユース・ケースに対して関連するメトリックを選択し、それらを迅速に比較することが可能になる。
【0006】
本明細書で開示するネットワーク可視化の方法及びシステムは、階層構造が存在する多くの分野で適用例を有する。たとえば、ネットワーク可視化は、組織構造、生産構造、輸送ネットワーク、サプライ・チェーン・ネットワーク、プロジェクト計画などに適用され得る。加えて、ビジネス決定は、ビジネス事例のネットワーク可視化に基づいて迅速に行われ得る。行動はネットワーク可視化に基づいて行われ得る。ネットワーク可視化は、たとえば、顧客がサプライ・チェーンにおいて遅延したオーダーを受け取る理由の迅速な分析を可能にする。
【0007】
いくつかの実施例では、ネットワーク可視化の方法及びシステムはサプライ・チェーン・マネジメントに適用され得、以ってサプライ・チェーン実践者にサプライ・チェーン・データ中に見出され得るエンティティ及びエンティティ間の関係を可視化する方法を与える。いくつかの実施例では、そのような可視化は階層又は樹形図の形式であり得る。非限定的な例は、製品構造、製品ファミリ、会社構造、物流ネットワーク、意思決定ツリーなどを含む。ネットワーク可視化により、エンティティ間の連関の基本構造を明らかにし、エンティティ及びエンティティの関係に付随する関連情報(たとえばKPI、メトリック、カテゴリなど)を表面化させることができる。
【0008】
そのような可視化は、たとえば、ネットワーク及びBOM(bill of materials)(部品表)構造、サプライ・チェーンの健全性、並びに需要オーダーの履行のサプライ・チェーン可視性を提供することができる。それにより、ユーザが、様々なネットワークを調査、分析し、問題を識別し、それらの根本原因をより容易に見つけるようにすることが可能になる。たとえば、表形式のデータの分析ではなく、ネットワーク可視化を使用することによって、サプライ・チェーンにおける「ホット・スポット」が、より速く検出され、分析され得る。さらに、主要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicator)の視覚的管理により、ユーザは戦略を実行に結び付けることができる。ユーザは、サプライ・チェーン・ネットワーク内の複雑な関係の理解が改善され、より良い決定を行うことができる。サプライ・チェーンのネットワーク可視化はまた、スプレッドシートに表されるデータからは容易に推測され得なかったサプライ・チェーンを管理するための新しい方法を提供する。問題検出、調査、評価及び解決は、ネットワーク可視化を使用すると(ネットワーク・グラフ・モデルが使用される場合)、スプレッドシート・ベース又は表形式の可視化を使用するより速い。
【0009】
1つの態様では、データのネットワーク可視化のためのコンピュータ実装された方法であって、グラフ・データ・モジュールによってデータのグラフ・データ・モデルを生成することと、定性的データ・モジュールによって定性的データ・マッピングに基づく1つ又は複数のグループを生成することと、定量的データ・モジュールによって定量的データ・マッピングに基づく1つ又は複数の統計的要約を生成することと、視覚的表現モジュールによって1つ又は複数の定量的マッピングと1つ又は複数の定性的マッピングとの視覚的表現を計算することと、レイアウト・モジュールによって複数のノードとレベル制約の関係に基づく複数のノード位置を定めることであって、複数のノード位置がグラフ・データ・モデルに付加される、複数のノード位置を定めることと、スイム・レーン・モジュールによってレベル制約とスイム・レーン・ラベルとに基づくスイム・レーンを生成することと、グラフ可視化モジュールによってデータのグラフ可視化をレンダリングすることとを含む方法が提供される。
【0010】
別の態様では、命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、コンピュータによって実行されたとき、コンピュータに、グラフ・データ・モジュールによってデータのグラフ・データ・モデルを生成することと、定性的データ・モジュールによって定性的データ・マッピングに基づく1つ又は複数のグループを生成することと、定量的データ・モジュールによって定量的データ・マッピングに基づく1つ又は複数の統計的要約を生成することと、視覚的表現モジュールによって1つ又は複数の定量的マッピング及び1つ又は複数の定性的マッピングの視覚的表現を計算することと、レイアウト・モジュールによって複数のノードとレベル制約の関係に基づく複数のノード位置を定めることであって複数のノード位置がグラフ・データ・モデルに付加される複数のノード位置を定めることと、スイム・レーン・モジュールによってレベル制約とスイム・レーン・ラベルとに基づくスイム・レーンを生成することと、グラフ可視化モジュールによってデータのグラフ可視化をレンダリングすることとを行わせる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0011】
別の態様では、コンピューティング・システムであって、プロセッサと、命令を記憶するメモリとを備え、命令が、プロセッサによって実行されたとき、グラフ・データ・モジュールによってデータのグラフ・データ・モデルを生成することと、定性的データ・モジュールによって定性的データ・マッピングに基づく1つ又は複数のグループを生成することと、定量的データ・モジュールによって定量的データ・マッピングに基づく1つ又は複数の統計的要約を生成することと、視覚的表現モジュールによって1つ又は複数の定量的マッピング及び1つ又は複数の定性的マッピングの視覚的表現を計算することと、レイアウト・モジュールによって視覚的表現に基づく複数のノード位置を定めることであって、複数のノード位置がグラフ・データ・モデルに付加される、複数のノード位置を定めることと、スイム・レーン・モジュールによってレベル制約とスイム・レーン・ラベルとに基づくスイム・レーンを生成することと、グラフ可視化モジュールによってデータのグラフ可視化をレンダリングすることとを行うように機器を構成する、コンピューティング・システムが提供される。
【0012】
いくつかの実施例では、ネットワーク可視化は、サプライ・チェーン実務者に、彼らのサプライ・チェーン・データ中に、ネットワーク図(又はグラフ)の形式で見つけられ得る、エンティティ及びエンティティ間の関係を可視化するための方法を提供することができる。階層のサブセット又は樹形図がネットワーク/グラフ中に含まれ、それらは無向(non-directed)で閉路(cycles)がない。いくつかの実施例では、ネットワーク可視化の基礎構造は階層である。実例は、製品構造、製品ファミリ、会社構造、物流ネットワーク、意思決定ツリーなどを含む(が、これらに限定されない)。
【0013】
ネットワーク可視化の出力は、ユーザがデータについて分析し、推論するのに役立ち得、以ってデータをよりアクセスしやすく、理解しやすく、使いやすくする。ネットワークの空間表現及びメトリックの視覚的表現は、データについての情報及び関係を複数の詳細レベルで明らかにすることができる。さらに、それはユーザが因果関係を理解し、迅速に適切な決定を行うのに役立ち得る。データ・マッピングのカスタマイズ性により、ユーザが、所与のユース・ケースに対して関連するメトリックを選択し、メトリックを比較することが可能になり得る。
【0014】
いくつかの実施例では、ネットワーク可視化により、エンティティ間の連関の基本構造を明らかにし、エンティティ及びエンティティ間の関係に付随する関連情報(たとえばKPI、メトリック、カテゴリなど)を表面化することができる。これにより、ユーザが、様々なネットワークを調査、分析し、問題を識別し、問題の根本原因をより容易に見つけることが可能になる。
【0015】
可視化フレームワークが本明細書で開示され、表からデータにアクセスし、設定及びデータ・マッピングを記憶し、カスタマイズする動的可視化(dynamic visualization)が可能になる。動的可視化は、表を入力として受け取り、表を解析し、表を処理してデータの視覚的表現をレンダリングすることができる。このフレームワークに依存する可視化は、ウェブ・ベースであり、可視化をレンダリングするウェブ・ブラウザに依存し得る。可視化は、外部ライブラリ(可視化ライブラリ、レイアウト・アルゴリズム、UIフレームワークなど)に依存し得る。
【0016】
いくつかの実施例では、可視化フレームワークは、表からのデータにアクセスを与えることができる。動的可視化は、表を入力として受け取り、表を解析し、表を処理してデータの視覚的表現をレンダリングすることができる。ネットワーク可視化は、コンピュータ・プログラム中で入力として使用するために、有限グラフ(finite graph)を表す表を受け取り、表を解析して(ソース-ターゲット・エッジのリストにあり、随意のノード属性とエッジ属性とをもつ)グラフ・データ・モデルを生成する。いくつかの実施例では、表は、CSV、TSV、ODS、XLS、JSONなど、表形式のデータの表現に適した任意のファイル・フォーマットで定義され得る。いくつかの実施例では、ネットワーク可視化は、定性的データ・マッピングを処理することができるモジュールと、定量的データ・マッピングを処理することができるモジュールと、ノード及びエッジのデータ・マッピングの視覚的表現を作成することができるモジュールと、レベル制約に基づいてスイム・レーンを生成することができるモジュールとを備える。
【0017】
ネットワーク可視化は、いかなる階層構造にも適用され得る。非限定的な実例は、組織構造、生産構造、輸送ネットワーク、プロジェクト計画などを含む。
【0018】
この明細書の主題の1つ又は複数の実施例の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。主題の他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになろう。
【0019】
様々な図面中の同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。
【0020】
いかなる特定の要素又は行為の説明も容易に識別するために、参照番号における最上位の数字は、その要素が最初に紹介された図番号を指す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】ネットワーク可視化の実施例によるフローチャートである。
【
図2】ネットワーク可視化の別の実施例によるフローチャートである。
【
図3】ネットワーク可視化の一実施例によるグラフ・データ・モデルを生成するためのフローチャートである。
【
図4】ネットワーク可視化の一実施例によるコンピューティング・グループのためのフローチャート400である。
【
図5】ネットワーク可視化の一実施例によるスイム・レーンを生成するためのフローチャート500である。
【
図6】ネットワーク可視化の一実施例によるイベント・リスニングのためのフローチャート600である。
【
図7】ネットワーク可視化の一実施例によるシステム・アーキテクチャを示す図である。
【
図9】ネットワーク可視化の一実施例による例示的なデータ表である。
【
図10】一実施例による、
図9に示されたデータ表に基づく、ネットワーク可視化の実例を示す図である。
【
図11】ネットワーク可視化の一実施例による機能の実例を示す図である。
【
図12】一実施例によるネットワーク可視化1200の実例を示す図である。
【
図13】
図12に示された実施例のさらなる詳細1300を示す図である。
【
図14】一実施例によるネットワーク可視化の実例を示す図である。
【
図15】一実施例によるネットワーク可視化の実例を示す図である。
【
図16】一実施例によるネットワーク可視化の実例を示す図である。
【
図17】一実施例によるネットワーク可視化の実例を示す図である。
【
図18】
図17に示された実施例によるネットワーク可視化の実例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、一般に、たとえば、スプレッドシートに記憶されたデータ内の複雑な関係を可視化するためのシステム及び方法を提供する。データは、いかなるタイプの階層構造(たとえば親/子関係)も含めることができる。
【0023】
いくつかの実施例では、ネットワーク可視化は、動的可視化が表からのデータにアクセスしてデータ・マッピングをカスタマイズすることと、グラフ可視化ライブラリ及び階層的レイアウト・アルゴリズムと、ウェブ・ブラウザが可視化をレンダリングすることとを可能にする可視化フレームワークに依存する。
【0024】
図1は、ネットワーク可視化の実施例によるフローチャート100を示す。
【0025】
いくつかの実施例では、ネットワーク可視化は、1つ又は複数のコンピュータ・プログラムにおいて使用するための有限グラフを表すことができる表の構造/フォーマットを入力として受け取り、随意のノード属性とエッジ属性とをもち、ソース-ターゲット・エッジのリストを含むグラフ・データ・モデルを生成する。いくつかの実施例では、ネットワーク可視化は、定性的データ・マッピングを処理するモジュールと、定量的データ・マッピングを処理するモジュールと、ノード及びエッジのデータ・マッピングの視覚的表現を生成するモジュールと、レベル制約に基づいてスイム・レーンを生成するモジュールとを備える。
【0026】
ネットワーク可視化のいくつかの実施例では、ユーザは、所定のフォーマットに準拠した表を作成する。可視化フレームワークは、ユーザがマッピングをカスタマイズする(可視化で表されるデータ列を選択する)ことを可能とし、このデータをネットワーク可視化にアクセス可能にする。ネットワーク可視化は、表データをグラフ・データ・モデル(ノード、エッジ、属性)に変換することができる。データ処理モジュールは、データ・マッピングのグループ化及び統計を計算し、ノードの位置はレイアウト・アルゴリズムによって計算され、グラフ・データ・モデルに付加される。スイム・レーン・モジュールは、レイアウト出力とユーザによって提供されたレベル情報とを使用して専用バンド上のノードをグループ化する。グラフ・データ・モデルは次いで、たとえばウェブ技術を使用して、グラフ可視化ライブラリによって動的グラフを生成するために消費され得る。動的グラフは、ウェブ・ブラウザによって画面上にレンダリングされ得る。
【0027】
データベース102は、ワークシート・データ104のフォーマットに入力されるデータを提供するために使用される。これは、次いで、ノード及びエッジのための随意の定性的及び定量的データを記憶することができる、グラフ・データ・モデル106を生成するために使用され得る。グループ化110は、1つ又は複数の定性的データ・マッピング108を要約することによって計算され、定性的データの凡例112中に表示され得る。マッピングは、ネットワーク可視化が入力として受け取る列である。いくつかの実施例では、定性的データは、名前、シンボル、又はコードによって表され得る、タイプ又はカテゴリの測度として定義される。例:需要タイプ、供給タイプ、サイト、サイト・タイプなど。
【0028】
統計116は、1つ又は複数の定量的データ・マッピング114に基づいて計算され得、1つ又は複数の定量的データ凡例118を作成するのに役立つ。各タイプのデータ凡例の作成に続いて、マッピングの視覚的表現120が計算される。いくつかの実施例では、定量的データは、数で表される値又はカウントの測度として定義される。いくつかの実施例では、定量的データは、除外カウント、需要量、供給量、遅延日数などを含む。
【0029】
いくつかの実施例では、ユーザは、定性的データ・マッピング108及び/又は定量的データ・マッピング114を選択することを選択し得る。いくつかの実施例では、ユーザは、定性的マッピングも定量的マッピングも生成しないことを選択し得る。
【0030】
次に、システムは、データにおける任意のレベル制約を処理する122。レベル制約により、ユーザが特定のノードが現れるべきレベルを定義することが可能になる。これらの制約はデータ・モデル中に記憶される124。いくつかの実施例ではレベル制約がない。
【0031】
ノード位置126は次いで、レイアウト・アルゴリズムによって計算され、キャンバス上に配置される。レイアウト・アルゴリズムは、ノードの関係、寸法、及び随意にレベル制約(提供されている場合)に基づいてノードをレイアウトする。
【0032】
システムは、次いで、ユーザがスイム・レーンを規定したかどうかを確認し128、それに応じてスイム・レーンを作成する130。
【0033】
最後に、グラフ可視化132は、レンダリングされ、定量的及び定性的マッピング(選択された場合)、レベル制約(存在する場合)及びスイム・レーン(選択された場合)を表す。この可視化は、様々な生データの要素間の関係の視覚的表現を提供し、以ってユーザに問題点の迅速な分析及び迅速な識別を与える。フローチャート100は、134で終了に到達する。
【0034】
図2は、ネットワーク可視化の実施例によるフローチャート200を示す。
【0035】
フローチャート200は、ステップ102~132(すなわち、データ処理206及びグラフ・データ・モデルの視覚的レンダリング208)のフローチャート100と同一である。フローチャート200は、可視化されたデータをもつユーザ対話210を含む、追加の機能を含む。グラフ可視化がレンダリングされる132と、システムは、ネットワーク可視化がユーザ・インターフェースを介してユーザによって操作されるイベントをリッスンする202。ユーザは、マッピングをさらにカスタマイズする204ことができ、その場合、元のデータは変更され、プロセス全体が繰り返される。
【0036】
いくつかの実施例では、マッピングのカスタマイズ204により、ユーザが、元のワークシート・データ104中の1つ又は複数の特定の列を選択し、それを特定のノード属性又はエッジ属性にマッピングすることが可能になる。たとえば、ネットワーク可視化がサプライ・チェーン分析のために使用される場合、マッピングのカスタマイズ204により、ユーザが可視化する主要業績評価指標(KPI)を選択することが可能になる。いくつかの実施例では、ユーザ対話210は、可視化中に提示されるノード/エッジの詳細までドリルすることを含む。
【0037】
図3は、一実施例によるグラフ・データ・モデルを生成するためのフローチャート300を示す。
【0038】
図3において、データ行がワークシート・データ104から受け取られる302。データ・モデルが初期化され304、列名メタデータが保存される306。行が読み取られる308。これがテーブルの最終行である場合310、プログラムは終了に到る312。さもなければ、プログラムは継続し、ノードがすでに存在しているかどうか決定する314。識別されたノードがすでに存在している場合314、ノード・データが更新される316。さもなければノードが生成される318。ノードのステータスが定められると、続いてエッジが生成される320。処理は、次いで、表の次の行に移行し、読み取る行がなくなるまで繰り返される。
【0039】
図4は、一実施例による、グループを計算するためのフローチャート400を示す。
【0040】
ネットワーク・グラフ・データ・モデル402は、ノード、エッジ及び属性のリストを提供するために使用される。いくつかの実施例では、(ワークシート・データから構築される)グラフ・データ・モデルがメモリに記憶され、ワークシート・データは各ノード及び各エッジに関する情報を含んでいる。たとえば、各ノードについての情報は、ノードID、ラベル、ツールチップ、レベル、グループ、タイプ、スイム・レーンなどを含めることができる。たとえば、ネットワーク可視化がサプライ・チェーン・ネットワークのために使用される場合、これは、サプライ・チェーンにおける部品の名前、サプライ・チェーンにおけるサイトの名前などを含めることができる。
【0041】
リスト中の各ノードは順次処理される404。ノード・リストが処理し尽くされていない場合406、ノードに関連付けられたグループは、グループが登録されているか確かめるために調査される408。登録されていない場合、グループは登録され410、グループ総数カウンタがインクリメントされ412、次のノードが処理される。グループがすでに登録されている場合、グループ総数カウンタがインクリメントされる412。
【0042】
ノード・リストが処理し尽くされると406、順序付けられたグループ・マップが作成され414、次いでこのサブルーチンは終了する。いくつかの実施例では、グループは総数によって順序付けられ得る。
【0043】
図5は、ネットワーク可視化の一実施例による1つ又は複数のスイム・レーンを生成するためのフローチャート500を示す。グラフ・データ・モデル502は、
図4中にあるようなノードのリストを提供する。各ノードは順次処理され504、ノード位置が読み取られ508、次いでレベル・ラベルが読み取られる510。ノード位置508及びレベル・ラベル510が、次いでレベルのためのY座標範囲を計算する512ために使用される。すべてのノードが処理される(すなわちノードのコレクションの終わり506に到達する)と、レベル距離が計算され514、それは次いで516を作成するために使用される。要約すると、ユーザは、1つ又は複数のスイム・レーンのためのラベルを提供する。ノード及びエッジは、すでにキャンバス上に表示され、スイム・レーンはノード及びエッジの背景に配置される。
【0044】
図6は、ネットワーク可視化の一実施例による、イベント・リスニングのためのフローチャート600を示す。
図6において、ユーザは、ユーザ・インターフェース(図示せず)を介してネットワーク可視化と対話する。そのような対話において、ワークシート・データは変更されないままであるが、ネットワーク状態及び可視化ビューポートは、ユーザのアクションによって更新される。
【0045】
システムのための最初のステップはイベントをリッスンすること602であるので、対話の過程でいくつかのイベントが発生することがある。4つのイベントが示されているが、より少なくにもより多くにもなり得ることを理解されたい。たとえば、記載されている4つのイベントは、マウスの左クリック604、マウス・ホバー614、マウスの右クリック620及びマウスのスクロール644である。ユーザはキャンバス上の可視化と対話するので、各イベントは、連続するイベントのそれ独自のシーケンスを進むことができる。
【0046】
マウスの左クリック604は、要素を選択する/選択解除する608か、或いはマウスをドラッグし606、以ってマウスに要素又はビューポートを移動させる612かのいずれかの機会を開始する。要素が選択された場合、左クリックはサブグラフを強調表示する610ために使用され得、選択されたノードに直接接続されるすべてのノードが強調表示される。要素が移動させられる場合、ノードは移動させられ得るが、エッジは、それが取り付けられたノードから独立して移動させられ得ないことが理解されよう。
【0047】
要素上をマウス・ホバーする614と、ツールチップを表示し616、要素に関連付けられたサブグラフを強調表示する618。ツールチップにより、ノード又はエッジのさらなる詳細を示すことが可能になる。
【0048】
マウスの右クリック620はコンテキスト・メニューを表示する622ことができ、可視化のさらなる分析のためにアクションが提供され得る。たとえば、外部ワークシート中のエンティティにドリルする626ことができる要素のさらなるドリル624があり得る。すなわち、「ドリルすること」は、問題の要素のさらなる詳細を提供するハイパー・リンクにアクセスすることに類似している。
【0049】
メニュー中の別の項目は、可視化がサブグラフのみを表示する630ことができるフォーカス・グラフ628を提供することであり得る。サブグラフを強調表示することは、選択されたノードのすべての先行点(predecessor)及び後続点(successor)は強調表示するが、他のすべてのノードはフェードすることとして定義される。これにより、ユーザが対象のグラフ・パス(ノード及びリンクの連続したもの)に注目することが可能になる。後続点及び先行点のパスは、選択されたノードに依存するすべてのノードと共に、選択されたノードが依存するすべてのノードを表す(たとえば、親、親の親など、子供、子供の子供など)。
【0050】
メニュー中の別の項目は、前のステップに戻り632、前のグラフ(注目する前)に戻る634ことであり得る。メニュー中の別の項目は、リセットする636ことであり得、リセット・グラフ638が実行される。メニュー中の別の項目は、大きさに合わせてズームする640ことであり得、それにより可視化はすべての要素を画面の大きさに合わせる642ことができる。
【0051】
最後に、マウス・スクロール644は、可視化をズーム・イン/アウトする646ことができる。
【0052】
マウスがユーザ対話のために使用される器具として
図6に示されているが、ユーザ対話の他の器具が使用され得る。非限定的な実例は、ユーザの1本又は複数の指及びデジタル・ペンを含む。
【0053】
可視化フレームワークは、ユーザに、一般的なネットワーク・マッピングごとに自分の好みのデータ列を選択させる。
【0054】
図7は、ネットワーク可視化の一実施例702によるシステム・アーキテクチャ700を示す。
【0055】
最初のステップとして、ネットワーク可視化702は、それ自身(可視化712)を可視化フレームワーク704に登録する。可視化フレームワーク704は、サーバ及び/又はデータベースに接続された、より大きいアプリケーションの構成要素である。
【0056】
可視化の登録は、可視化フレームワーク704に可視化を認識させる。このようにして、可視化フレームワーク704は、可視化のためのデータ要件は何かを認識し、ユーザが見ているワークシートが可視化のデータ要件に適合している場合にのみ、ユーザが可視化を選択することを可能にする。たとえば、ネットワーク可視化は、最低でも2つのテキスト列(すなわち親に1列及び子に1列)を必要とする。可視化フレームワーク704は、したがって、少なくとも2つのテキスト列を有するワークシートに対してネットワーク可視化を提案するが、数の列のみを有するワークシートに対しては、ネットワーク可視化を提案しない。
【0057】
登録が完了すると、可視化フレームワーク704は、送信データをネットワーク・プロバイダ706に送信し714、次いでデータに基づいてグラフ・データ・モデル708を生成する716。グラフ・データ・モデル708は、レイアウトを適用する720グラフ可視化ライブラリ710によってレンダリングされる718(すなわちノード及びエッジの位置決め)。
【0058】
ユーザがシステムと対話し、可視化上にマッピングされている列を変えることを選択する場合、可視化フレームワーク704からネットワーク・プロバイダ706に送信される構成変更がある724。可視化フレームワーク704は、新しい列がマッピングされるとき、既存の列がマッピングされないとき、又はマッピングが別の列で置き換えられるときはいつでも、ネットワーク可視化702に新しいデータを送信する。さらに、可視化フレームワーク704により、ユーザが各マッピングのためにオプションを構成することが可能になる。そのようなオプションの非限定的な実例は、グラデーション方向、グラデーション色、ノード間隔、ノード・サイズなどを含む。
【0059】
ネットワーク・プロバイダ706は、次いで、レイアウトを適用する720グラフ可視化ライブラリ710によってレンダリングされる718新しいマッピングを反映させるためにグラフ・データ・モデル708を更新する722。
【0060】
図8は、ネットワーク可視化の一実施例によるシステム800を示す。
【0061】
システム800は、システム・サーバ802と、データベース814と、1つ又は複数のデバイス(たとえば、デバイス816、デバイス818、デバイス820など)とを含む。
【0062】
システム・サーバ802は、メモリ808と、ディスク804と、プロセッサ806と、視覚的ネットワーク可視化モジュール810とを含めることができる。1つのプロセッサ806が示されているが、システム・サーバ802は、1つ又は複数のプロセッサを備えることができる。いくつかの実施例では、不揮発性メモリであり得るディスク804と比較して、メモリ808は揮発性メモリであり得る。いくつかの実施例では、システム・サーバ802は、ネットワーク812を介して、データベース814及び1つ又は複数のデバイスと通信することができる。データベース814は、システム・サーバ802から独立しているものとして示されているが、データベース814はまた、システム・サーバ802内の独立した構成要素として、又は少なくともメモリ808及びディスク804のうちの1つの部品として、システム・サーバ802中に統合され得る。
【0063】
システム800はまた、追加の特徴及び/又は機能性を含めることができる。たとえば、システム800はまた、磁気又は光学ディスク或いはテープを含むがこれらに限定されない追加の記憶装置(リムーバブル及び/又は非リムーバブル)を含めることができる。そのような追加の記憶装置は、
図8に、メモリ808及びディスク804によって示されている。記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュール又は他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法又は技術において実装された、揮発性及び不揮発性、リムーバブル及び非リムーバル媒体を含めることができる。メモリ808及びディスク804は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体の実例である。非一時的コンピュータ可読媒体はまた、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:Random Access Memory)、読取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュ・メモリ及び/又は他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD:Digital Versatile Disks)、及び/又は他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶デバイス、及び/又は所望の情報を記憶するために使用され得、システム800によってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。そのような非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、すべてシステム800の部品になり得る。
【0064】
ネットワーク812を介する、システム・サーバ802と、データベース814と、1つ又は複数のデバイスとの間の通信は、様々なネットワーク・タイプを通して行われ得る。ネットワーク・タイプの非限定的な実例は、ファイバー・チャネルと、小型コンピュータ・システム・インターフェース(SCSI:Small Computer System Interface)と、ブルートゥースと、イーサネット(登録商標)と、Wi-fiと、赤外線通信協会規格(IrDA:Infrared Data Association)と、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:Local Area Network)と、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)と、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)と、シリアルと、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial bus)とを含めることができる。一般に、システム800の様々な構成要素間の通信は、有線、セルラー、Wi-Fi又はブルートゥースでネットワーク化された構成要素などを通して行われ得る。いくつかの実施例では、システム800の1つ又は複数のデバイスは、クラウド・ベースの機能、クラウド・ベースのメモリ記憶装置などを含み得る。
【0065】
メモリ808は、「インメモリ」データベースを実装し得、そこで揮発性(たとえば、非ディスクベースの)記憶装置(たとえば、ランダム・アクセス・メモリ)が、動作中に、キャッシュ・メモリ用とフルのデータベースの記憶用の両方に使用され、永続性記憶装置(たとえば、1つ又は複数の固定ディスク)が、オフライン永続性及びデータベース・スナップショットの管理のために使用される。代替的に、永続性記憶装置はフルのデータベースを記憶するが、揮発性記憶装置はキャッシュ・メモリとして直近に使用されたデータを記憶するために使用され得る。
【0066】
データベース814は、データの構造、関係及び意味に関するメタデータを記憶し得る。この情報は、データ内に記憶されたデータベース表のスキーマを定義するデータを含み得る。データベース表スキーマは、データベース表の名前、データベース表の列、各列に関連付けられたデータ・タイプ、及びデータベース表に関連付けられた他の情報を指定し得る。データベース814はまた、又は代替的に、互いにプログラム的に独立した複数の論理データベース・システムを提供することによってマルチテナント機能をサポートし得る。さらに、データはインデックス付けされ、及び/又はインデックス中に選択的に複製され、データの高速探索及び検索を可能にし得る。
【0067】
データベース814は、各ロケーションにおけるクライアントのすべての製品の販売記録を示す販売時点情報管理データと、各ロケーションにおけるクライアントのすべての製品の在庫履歴と、すべてのロケーションにおけるすべての製品のためのプロモーション・キャンペーン詳細と、各ロケーションにおけるクライアントの製品の販売のために重要/適切なイベントとを含むがこれらに限定されない、ユーザからの様々な生データを提供し得る。
【0068】
ネットワーク812を使用して、システム・サーバ802はデータベース102からのデータを検索することができる。検索されたデータは、メモリ808又はディスク804に保存され得る。場合によっては、システム・サーバ802はまた、ウェブ・サーバを備えることができ、リソースをウェブ・ブラウザ上に表示されるのに好適なフォーマットにフォーマット化することができる。
【0069】
図9は、ネットワーク可視化の一実施例による例示的なデータ表900を示す。例示的なデータ表900は、サプライ・チェーンにおける様々なエンティティの情報を提供する。実例902が示され、拡大され、「PDUnit4G」として識別される部品が「カントン」として識別されるサイトにある。この部品の子部品は、「カントン」として識別される子サイトと共に、「Case60p」として識別される。親レベルは「0」として設定されるが、子レベルは「1」に設定される。このデータ表には、親と子とに指定されたスイム・レーンがある。実例902では、親スイム・レーンは「トップレベル」とラベル付けられるが、子スイム・レーンは「第2レベル」とラベル付けられる。親グループは、たとえば「MPS」として識別される902。他の識別する機能(部品供給元ID、パーセンテージ、タイプ、親の等価数量、親の総需要)がまた提供される。
【0070】
図10は、一実施例による、
図9に示されるデータ表に基づくネットワーク可視化1000の実例を示す。元の例示的なデータ表900(
図9)はネットワーク可視化1000に変換され、様々な属性及び関連性と同様に、親-子関係が容易に確認される。
【0071】
たとえば、例示的なデータ表900におけるレベル「0」で識別されたすべての親部品は、すべてトップレベル・スイム・レーン1002にある。具体的には、親1006(PDUnit4G)、親1008(SE7000)及び親1010(PDUnit5G)が、トップレベル・スイム・レーン1002に示されている。各親は、ノード形状カテゴリの凡例1016に示されているように、それの親グループ属性によって、「MRP」又は「MPS」のいずれかとして識別される。
【0072】
親-子のリンクは、ネットワーク可視化1000にも示されている。たとえば、親1006(PDUnit4G)は、
図9に示されている5つのリンク:Case60pと、FW24と、FW44と、Sub4Gと、PDUnit4G(それ自体)とを有する。自己リンク1020は、親1006とそれ自体へのリンクがあることを示す。親1006の4つの子リンク、Case60pと、FW24と、FW44と、Sub4Gとは、すべて第2レベル・スイム・レーン1018中にある。親1006と各子との間のリンクは、各エッジの太さ及び色によって表される2つの属性によって増強される。
【0073】
たとえば、例示的なデータ表900(
図9)によれば、親のPDUnit4Gから5つの子の各々へのリンクに付随するパーセンテージKPIは、タイトル「パーセンテージ」によって見出しを付けられた列に記載されている。数値は、リンクの幅の定量的凡例1012に示されているように、各リンクの太さによって、ネットワーク可視化1000における各リンクの強度を容易に伝える視覚的属性に変換される。たとえば、(例示的なデータ表900によれば)親1006(PDUnit4G)は、子のCase60p及びSub4Gの各々に100%のリンクを有する。したがって、PDUnit4GとCase60pとの間のリンク、及びPDUnit4GとSub4Gとの間のリンクの太さは等しい。例示的なデータ表900によれば、PDUnit4Gは、子FW24へ34.4%のリンク、及び子FW24へ65.6%のリンクを有する。したがって、太さはパーセンテージに比例するので、ネットワーク可視化1000に示されているように、これらのリンクはあまり太くない。最後に、PDUnit4Gは、自己リンク1020によって示されるように、それ自体へ0.5%のリンクを有する。
【0074】
リンクの色(又は白黒ネットワーク可視化1000においては、階調)は、需要量属性1014(
図9における例示的なデータ表900の需要量の列に記載されている)を反映する。たとえば、Case60pとSub4Gの両方の需要量は400,000であるが、FW44の需要量は262,500であり、FW24の需要量は137,500である。これらの値は、需要量属性1014の階調キーによる最大需要量のパーセンテージ(
図9における例示的なデータ表900の親需要の合計列に記載されている400,000)として反映されている。
【0075】
要約すると、例示的なデータ表900(
図9)に記載される複雑な関係は、ネットワーク可視化1000の形式にレンダリングされ、以って親エンティティと子エンティティとの間の関係の迅速な視覚的分析をユーザに提供する。これは、ユーザによる、例示的なデータ表900の時間のかかる分析を回避する。
【0076】
図11は、ネットワーク可視化の一実施例による機能の実例1100を示す。記載されている機能及びそれぞれの説明は、たとえば
図10に示されるような可視化ネットワークによって提供され得るものの実例である。
【0077】
図12は、一実施例によるネットワーク可視化の実例1200を示す。この例では、ネットワーク可視化が、医薬品サプライ・チェーンにおける(主要業績評価指標)KPIに関する情報を提供する。
【0078】
ノード・タイプ1202は、この可視化には4つのノード・タイプ:サプライヤ、製造、物流及び顧客があることを示す。さらなる記述子1204は、いくつかのノードが、論理サイトか、非アクティブか、それとも外部パートナーかを示す。非アクティブ・ノードは、他のノードとの接続がない(すなわちエッジがない)。ノード1208及びノード1210は、それぞれ非アクティブ・ノードの実例である。さらに、可視化は、4つのスイム・レーン:合成1230、製剤1232、梱包/物流1234及び末端市場1236を示す。サプライ・チェーンは合成から末端市場へ進む。線の太さは、2つのノードの間の量/KPI(線の太さ1218)を示す。
【0079】
可視化は、ノード・カラー・キー1206によって示されているように、元来色でなされるが、
図12に示される別のモノクロ階調は、KPIが供給において1つ又は複数の問題を示すチェーン中のポイントのために予約されている最も暗い階調(元は赤色)を用いて、特定のノードにおいて問題があるかどうかを示す。すなわち、色がKPIを表す。
図12では、ノードは、5つの特徴的な色、灰色(非アクティブ・ノードを示す)、緑色(優秀なKPI)、黄色(良好なKPI)、オレンジ色(標準未満のKPI)及び赤色(パフォーマンスの低いKPI)のうちの1つの色になる。色は、灰色の階調において暗さを増加させることに変わる。
図12には、問題を示すKPIを有する(赤色又は極めて暗い灰色としてコード化されている)ノードが、ノード1212、ノード1214及びノード1216の3つある。
図12には、標準未満のパフォーマンスを示すKPIを有する(オレンジ色又は暗い灰色としてコード化されている)ノードが、ノード1220、ノード1222、ノード1224、ノード1226及びノード1228の5つある。
図12中の残りのノードは、良好又は優秀なKPIを有する。
図12に示された可視化を用いて、問題の根本原因は迅速に識別され得る。
【0080】
たとえば、サプライ・チェーンの終点から開始すると、スイム・レーン末端市場1236において、ノード1220が、標準未満のKPIを有するものとして迅速に識別される(オレンジ色にコード化されているが、スイム・レーン末端市場1236における残りのノードはすべて緑色又は黄色としてコード化されており、許容できるKPIを示している)。ノード1220から後方に進むと、(オレンジ色にカラー・コード化されている)ノード1222においてスイム・レーン梱包/物流1234中に問題のあるKPIがある。ノード1222は、これも問題のあるノード1224に接続されている。ノード1224から後方に進むと、ノード1216(赤色にコード化されている)がノード1224に接続されていることが分かる。ノード1216から後方に進むと、問題の根本原因を示すノード1214に迅速に導かれる。ノード1214は、製剤が行われる「IF-9000 EMEA」として識別される製造サイトである。さらに、
図12は、識別子「IF-7000 APAC」をもつ、やはり製造サイトであるノード1212(赤色にコード化されている)において、別の問題があることを示す。
【0081】
図13は、
図12に示される実施例のさらなる詳細1300を示す。ノード1214における根本原因は、ノード1214にドリルすることによってさらに調査され得、ノード1214のさらなる詳細1302を示し、詳細1302は、パフォーマンスの低いKPIの根本原因をさらに分離し、対処するために使用され得る。
【0082】
図14は、一実施例によるネットワーク可視化1400の実例を示す。この実例では、サプライ・チェーンの健全性のネットワーク可視化1402が提供されている。
図14には、可視化におけるスイム・レーンがない。ノード・キー1404によれば、
図14には、2つのノードのタイプ、Mfg(正方形)及びDC(三角形)がある。各エッジの幅は、割り当てられた数量(リンク幅キー1406による)を反映している。
【0083】
リンク・カラー・キー1408は、暗い灰色(元の可視化では赤色)として反映される最低(0%)と、明灰色(元の可視化では緑色)として反映される最高(100%)とを用いて、定時稼働率のパーセンテージを示す。可視化のフルカラー・バージョンでは、緑色(すなわち明灰色)であるリンク1410を除いてすべてのリンクは。赤色(すなわち暗灰色)である。これは、サプライ・チェーン中のすべてのポイントは、リンク1410を除いて遅延していることを示す。赤色(すなわち暗灰色)であり、最大の太さを有するリンク1416は、サプライ・チェーンにおける問題箇所として迅速に識別される。
【0084】
ノード・カラー・キー1412は、暗灰色(元の可視化では赤色)として反映される最低(0%)と、明灰色(元の可視化では緑色)として反映される最高(100%)とを用いて、パーセンテージによって搬送サイトの健全性を反映する。可視化のフルカラー・バージョンでは、ノードの9つは健全性約50%を示すオレンジ色であり(「O」でマークされている)、10個のノードは健全性約75%を示す黄色であり(「Y」でマークされている)、1つのノード(ノード1414)は100%の健全性を示す緑色である(「G」でマークされている)。
【0085】
図15は、一実施例によるネットワーク可視化1500の実例を示す。この実例では、在庫最適化のネットワーク可視化1502が提供され、安全在庫の推奨を含む。
【0086】
ネットワーク可視化1502には、3つのスイム・レーン、供給元1504、完成品1506及び物流センター1 1508がある。ノード・キー1510に示されているようにノード形状によって表される3つの供給タイプ、搬送(正方形)、製作(make)(三角形)及び購入(菱形)がある。ノードをリンクするエッジに関連付けられる属性はないので、リンクの太さ又は色に変化はない。ノード・カラー・キー1512は、すべての所与のノードにおける安全在庫の値を示す。フルカラーの元の可視化では、すべてのノードは同じ色であり、各ノードにおいて概略0%を示す。
【0087】
スイム・レーン供給元1504には、供給タイプとしての識別がない内部ノードがある。このノードは、チェーンのさらに下流に在庫を提供する。スイム・レーン生産完成品1506では、すべてのノードが「製作」すなわち製造としてマークされている。スイム・レーン物流センター1 1508では、すべてのノードが搬送ノードとして識別されている。
【0088】
図16は、一実施例によるネットワーク可視化1600の実例を示す。ネットワーク可視化1602では、単一の随意の定性的マッピングをもつネットワーク構造(ノード・グループ)の実例が提供されている。したがって、定量的マッピングも定性的マッピングも存在しないので、リンクもノードもカラー・コード化されていない。
【0089】
図17は、一実施例によるネットワーク可視化1700の実例を示す。ネットワーク可視化1702では、単一の定性的マッピング(すなわちノード・グループ)があり、定量的マッピングがないネットワーク構造の実例が提供されている。ノード形状の凡例1704は、3つの異なるノード・タイプを示す。定量的データがないので、数値を示すカラー・コードはない。
【0090】
図18は、
図17に示された実施例によるネットワーク可視化1800の実例を示す。可視化フレームワークにより、ユーザがネットワーク・マッピングごとにデータ列を選択することが可能になる。このスクリーンショットは、ユーザが、特定のマッピングのために、ドロップ・ダウン・メニュー1802を使用して、どのように列を選択し得るかを示している。マッピング・チップ1804は、問題の特定のマッピングを示す。
【0091】
コンピュータ・プログラム(ソフトウェア・アプリケーション、コード、プログラム、スクリプト、ソフトウェア、モジュール又はソフトウェア・モジュールとしても呼ばれ、また表現され得る)は、任意のプログラミング言語の形式で記述され得る。これは、コンパイル又はインタープリタされた言語、或いは宣言型又は手続き型言語を含む。コンピュータ・プログラムは、モジュール、サブルーチン、スタンドアロン・プログラム、コンポーネント、又は計算環境において使用するために好適な他のユニットを含む、多くの形式で展開され得る。コンピュータ・プログラムは、1つのコンピュータ上で実行されるように展開されても、また1つのサイトに位置するか又は複数のサイトに渡って分散され通信ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータ上に展開されてもよい。本明細書で使用する、「ソフトウェア・エンジン」又は「エンジン」は、入力とは異なる出力を与えるソフトウェア実装されたシステムを指す。エンジンは、プラットフォーム、ライブラリ、オブジェクト又はソフトウェア・デベロプメント・キット(「SDK:Software Development Kit」)など、エンコードされた機能性のブロックであり得る。各エンジンは、1つ又は複数のプロセッサとコンピュータ可読媒体とを含む、任意のタイプのコンピューティング・デバイス上に実装され得る。さらに、2つ又はそれ以上のエンジンは、同じコンピューティング・デバイス上にも、異なるコンピューティング・デバイス上にも実装され得る。コンピューティング・デバイスの非限定的な実例は、タブレット・コンピュータ、サーバ、ラップトップ又はデスクトップ・コンピュータ、音楽プレーヤー、携帯電話、電子書籍リーダー、ノートブック・コンピュータ、PDA、スマート・フォン、或いは他の固定又はポータブル・デバイスを含む。本明細書で説明するプロセス及び論理フローは、入力データに作用し出力を作成することによって機能を実行するための1つ又は複数のコンピュータ・プログラムを実行する、1つ又は複数のプログラマブル・コンピュータによって実行され得る。プロセス及び論理フローはまた、専用の論理回路、たとえば、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array))又はASIC(特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit))によって実行され得、機器はまた、専用の論理回路として実装され得る。たとえば、プロセス及び論理フローはグラフィック処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)によって実行され得、機器はまたグラフィック処理ユニットとして実装され得る。コンピュータ・プログラムの実行のために好適なコンピュータは、例として、汎用又は専用のマイクロプロセッサ又はその両方、或いは任意の他の種類の中央処理ユニットを含む。一般に、中央処理ユニットは、読取り専用メモリ又はランダム・アクセス・メモリ又はその両方から命令とデータとを受け取る。コンピュータはまた、データを記憶するための1つ又は複数の大容量記憶デバイス、たとえば、光学ディスク、磁気、又は光磁気ディスクを含むか、或いはそこからデータを受け取るか又はそこにデータを転送するか又はその両方を行うように、データを記憶するための1つ又は複数の大容量記憶デバイスに動作可能なように結合され得る。コンピュータはこれらのデバイスを必要としないことに留意されたい。さらに、コンピュータは別のデバイスに埋め込まれ得る。後者の非限定的な実例は、ゲーム・コンソール、携帯電話、携帯オーディオ・プレーヤー、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)、ビデオ・プレーヤー、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)受信機、又は携帯ストレージ・デバイスを含む。ストレージ・デバイスの非限定的な実例は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)フラッシュ・ドライブを含む。コンピュータ・プログラムの命令とデータとを記憶するのに好適なコンピュータ可読媒体は、すべての形式の不揮発性メモリ、媒体及びメモリ・デバイスを含み、非限定的な実例は、光磁気ディスク、半導体メモリ・デバイス(たとえば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュ・メモリ・デバイス)、CD ROMディスク、磁気ディスク(たとえば、内部ハード・ディスク又はリムーバブル・ディスク)、及びDVD-ROMディスクを含む。プロセッサ及びメモリは、専用の論理回路によって補完されるか、又はこれに組み込まれ得る。ユーザとの対話に提供するために、本明細書で説明する主題の実施例は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ・デバイスと、ユーザがコンピュータに入力を与えることができる入力デバイス(たとえばキーボード、マウス又はトラックボールなどのポインティング・デバイスなど)とを有するコンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスは、ユーザとの対話に提供するために使用され得る。ユーザに提供されるフィードバックは、感覚フィードバック(たとえば、視覚的フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)を含めることができる。ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚の入力を含む、任意の形式で受け取り得る。さらに、コンピュータと、ユーザによって使用されるデバイスとの間のドキュメントの交換として、ユーザとコンピュータとの間の対話があり得る。実例として、コンピュータは、ウェブ・ブラウザから受信した要求に応答して、ユーザのクライアント・デバイス上のウェブ・ブラウザにウェブ・ページを送信することができる。この明細書で説明される主題の実施例は、フロント・エンド・コンポーネント(たとえば、ユーザが、本明細書で説明する主題の実装と対話することができる、グラフィカル・ユーザ・インターフェース又はウェブ・ブラウザを有するクライアント・コンピュータ)、或いはミドルウェア・コンポーネント(たとえば、アプリケーション・サーバ)、或いはバック・エンド・コンポーネント(たとえばデータ・サーバ)、或いは1つ又は複数のそのようなバック・エンド、ミドルウェア、又はフロント・エンド・コンポーネントの任意の組合せを含む、コンピューティング・システム中に実装され得る。システムのコンポーネントは、デジタル・データ通信の任意の形態又は媒体、たとえば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの非限定的な実例は、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)と広域ネットワーク(「WAN」)とを含む。コンピューティング・システムは、クライアントとサーバとを含み得る。クライアント及びサーバは、一般に互いから遠く離れており、一般に通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上を走り、互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータ・プログラムによって生じる。本明細書は多くの特定の実装の詳細を含んでいるが、これらは特許請求され得る範囲の制限としてではなく、特定の実施例に固有であり得る機能の説明として解釈されるべきである。別個の実施例の文脈における本明細書で説明した特定の機能は、単一の実施例における組合せで実装され得る。逆に、単一の実施例の文脈で説明した様々な機能はまた、複数の実施例に別々に又は任意の適切な部分的組合せで実装され得る。さらに、機能は、特定の組合せで作用するものとして上記で説明し、たとえ最初にそのようなものとして特許請求したとしても、特許請求した組合せからの1つ又は複数の機能は、場合によっては組合せから削除され得、特許請求した組合せは、部分的組合せ又は部分的組合せの変形形態に向けられ得る。同様に、動作を特定の順序で図面に示しているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示されている特定の順序又は連続した順序で実行されること、又は示されているすべての動作が実行されることを必要とすることとして理解されるべきでない。特定の状況では、マルチタスク及び並列処理は有利であり得る。さらに、上記で説明した実施例における様々なシステム・モジュールとコンポーネントとの区分けは、すべての実施例においてそのような区分けを必要とするものとして理解されるべきでなく、記載されているプログラム・コンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合されるか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージされ得ることを理解されたい。主題の特定の実施例が記載されてきた。他の実施例は、添付の特許請求の範囲内にある。たとえば、特許請求の範囲に記載された行動は異なる順序で実行され得、依然として望ましい結果を達成する。1つの実例として、添付の図に示されているプロセスは、望ましい結果を達成するために、必ずしも示されている特定の順序、又は連続した順序を必要とするものではない。特定の実装では、マルチタスク及び並列処理が有利であり得る。