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特許7485764ポリアミド5X短繊維、並びに、その製造方法及び応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ポリアミド5X短繊維、並びに、その製造方法及び応用
(51)【国際特許分類】
   D01F 6/60 20060101AFI20240509BHJP
   D01D 5/092 20060101ALI20240509BHJP
   D02G 3/04 20060101ALI20240509BHJP
   D02G 3/44 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
D01F6/60 351Z
D01D5/092 103
D02G3/04
D02G3/44
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022533593
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2020072303
(87)【国際公開番号】W WO2021142670
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】517272909
【氏名又は名称】上海凱賽生物技術股分有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】519322820
【氏名又は名称】シーアイビーティー アメリカ インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】520198823
【氏名又は名称】▲凱▼▲賽▼(金▲郷▼)生物材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 朝▲續▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲曉▼辰
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 修才
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-179899(JP,A)
【文献】特開2015-105445(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106192029(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106894106(CN,A)
【文献】特開2001-279525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F1/00- 6/96
9/00- 9/04
D01D1/00-13/02
D02G1/00- 3/48
D02J1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊度が8.0~30.0Dであり、破断強度が3.5~6.0cN/dtexであり、破断伸度が62.8%~100%であり、初期モジュラスが20~42.3cN/dtexであることを特徴とするポリアミド5X短繊維。
【請求項2】
前記ポリアミド5X短繊維は、乾熱収縮率が3.0%~12.0%であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド5X短繊維。
【請求項3】
前記ポリアミド5X短繊維は、ポリアミド56短繊維、ポリアミド510短繊維及びポリアミド512短繊維のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアミド5X短繊維。
【請求項4】
前記ポリアミド5X短繊維は、1,5-ペンタンジアミンと二価酸とを重合反応させて、吐出、紡糸を経て得られた生成物に由来することを特徴とする請求項3に記載のポリアミド5X短繊維。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のポリアミド5X短繊維の製造方法であって、
(1)紡糸ボックスにおいて紡糸口金の吐出孔からポリアミド5X融体を吐出した後、順に冷却処理、前紡処理を行って、初生糸を得るステップと、
(2)前記初生糸に対して後処理を行って、前記ポリアミド5X短繊維を得るステップとを含み、
ここで、前記紡糸口金の孔数は100~500fであり、前記吐出孔の孔径は1.02~1.50mmであり、前記前紡処理は、前紡速度が100~480m/minである、
ことを特徴とするポリアミド5X短繊維の製造方法。
【請求項6】
前記冷却はリングブローで冷却し、前記リングブローの風温は15~32℃であり、
及び/又は、前記リングブローの風速は0.2~1.0m/sであることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のポリアミド5X短繊維5~50重量部及び羊毛50~95重量部を含むことを特徴とする混紡毛糸。
【請求項8】
前記混紡毛糸が粗梳毛糸である場合、前記粗梳毛糸のリー強さは、F1であり且つF1≧60N/5mであり、
及び/又は、前記混紡毛糸が半梳毛糸である場合、前記半梳毛糸のリー強さは、F2であり且つF2≧200N/5mであり、
及び/又は、前記混紡毛糸の酸性染料での同浴染色の染着率は、aであり且つa≧90%であり、
及び/又は、前記混紡毛糸の酸性染料での同浴染色のK/S値は、bであり且つb≧10であり、
及び/又は、前記混紡毛糸の酸性染料での同浴染色の均染値は、Sであり且つS≦0.2であり、
及び/又は、前記混紡毛糸の乾燥状態での摩擦堅牢度は、c1であり且つc1≧3であり、前記混紡毛糸の濡れ状態での摩擦堅牢度は、c2であり且つc2≧3であり、
及び/又は、前記混紡毛糸の酸性染料での同浴染色の石鹸洗濯に対する退色堅牢度は、d1であり且つd1≧4級であり、前記混紡毛糸の酸性染料での同浴染色の石鹸洗濯に対する染色堅牢度は、d2であり且つd2≧3級であることを特徴とする請求項7に記載の混紡毛糸。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の混紡毛糸の製造方法であって、
前記製造方法は、前記ポリアミド5X短繊維と羊毛とを混合した後、順に梳毛、精紡、後加工及び紡績を行って、混紡毛糸を得るステップを含み、
ここで、前記ポリアミド5X短繊維が5~50重量部であり、羊毛が50~95重量部であることを特徴とする混紡毛糸の製造方法。
【請求項10】
カーペットにおける請求項7又は8に記載の混紡毛糸の使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、繊維の技術に関し、特に、ポリアミド5X短繊維、並びに、その製造方法及び応用に関し、紡績の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
カーペットは、綿、毛、絹、麻などの天然繊維又は化学合成繊維を手作業又は機械プロセスで編んだり、パイルをカットしたり、紡績したりした床敷物である。カーペットは、主に、ホテル、住宅、展示場、自動車、船舶及び飛行機の内装、舞台などに応用されている。カーペットの種類は、素材によって、純毛カーペット、混紡カーペット、化学繊維カーペット、プラスチックカーペットに分けられる。
【0003】
純毛カーペットは、繊維が長く、引張力が大きく、弾性が良く、世界でカーペットを編むための最も理想的な原料である、天然羊毛を原料とし、一般的に、高級ホテル、会堂、舞台などに応用されている。
【0004】
混紡カーペットは、羊毛繊維に化学繊維を加えてなるものであり、純毛カーペットと化学繊維カーペットの両方の長所を組み合わせたものである。
【0005】
化学繊維カーペット、即ち、ナイロン素材で製造されたカーペットは、良好な反発性、かさ高性及び耐倒伏性を有し、また耐摩耗性、耐汚染性及び染色性に優れており、現在世界でタフテッドカーペット(tufted carpet)の主な品種の一つとなり、例えば、純毛カーペットにナイロン繊維を20%添加する場合、カーペットの耐摩耗性能が、純ウールカーペットよりも5倍高くなり、同時に、化学繊維カーペットの静電吸塵の欠点を克服し、また純毛カーペットが腐食しやすいなどの欠点も克服し、保温、耐摩耗、耐虫、高強度などのメリットがある。次に、ナイロン繊維が混じっているので、合成繊維の価格が、羊毛よりもはるかに低くて、糸のコストを大幅に低下させ、混紡カーペットの応用分野を向上させる。同時に、ナイロン繊維は、軽量化の特徴を有し、羊毛よりも25%軽く、例えば自動車、高速列車、飛行機、汽船などの分野に使用される場合に燃油を減らして、汚染と炭素の排出を減らすことができ、そして、染色性が良好であり、羊毛とともに同浴染色されることを実現することができ、製造されたカーペットの色彩が豊富である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、良好な力学的性能及び柔軟性能を有するポリアミド5X短繊維、並びに、その製造方法及び応用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、繊度が8.0~30.0Dであり、破断強度が2.0~6.0cN/dtexであり、破断伸度が30%~100%であるポリアミド5X短繊維を提供する。
【0008】
本願のポリアミド5X短繊維は、繊度が大きいので、強度が高く、力学的性能が良好である。
【0009】
さらに、該ポリアミド5X短繊維は、乾熱収縮率が3.0%~12.0%であり、初期モジュラスが20~50cN/dtexである。
【0010】
本願のポリアミド5X短繊維は、初期モジュラスが小さいので、一定の柔軟性能も有する。
【0011】
さらに、前記ポリアミド5X短繊維は、ポリアミド56短繊維、ポリアミド510短繊維及びポリアミド512短繊維のうちの少なくとも1つを含む。ポリアミド5X短繊維が上記の複数種類の短繊維の混合物である場合、本開示は、各短繊維間の割合を制限するものではない。
【0012】
ポリアミド5X短繊維の具体的な種類は、それを製造するための原料に関連すると考えられる。例えば、それを製造するための原料がポリアミド56である場合、ポリアミド56短繊維が得られる。
【0013】
さらに、本開示のポリアミド5X短繊維は、1,5-ペンタンジアミンと二価酸とを重合反応させ、熱溶融、吐出、紡糸を経て得られた生成物に由来する。
【0014】
ここで、1,5-ペンタンジアミンと二価酸とを重合反応させてポリアミド5X融体を得て、ポリアミド5X融体が、順に吐出及び紡糸を経て、本開示のポリアミド5X短繊維を得る。
【0015】
二価酸は、C6~20の脂肪族二価酸のうちの少なくとも1つを含み、具体的に、二価酸は、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、マレイン酸及びΔ9-1,18オクタデセン二酸を含む。
【0016】
ポリアミド5Xを製造する場合、製造用原料は、上記の1,5-ペンタンジアミン及び二価酸の他に、共重合モノマー及び/又は添加剤を選択することができる。
【0017】
ここで、共重合モノマーは、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ベンゼンジメタンアミン、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、p-アミノメチル安息香酸、カプロラクタム和ω-ラウロラクタムから選ばれる1種又は複数種である。
【0018】
添加剤は、艶消し剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤及び帯電防止剤から選ばれる1種又は複数種である。
【0019】
本開示は、以下のステップを含む上記のいずれかに記載のポリアミド5X短繊維の製造方法をさらに提供する。
【0020】
(1)紡糸ボックスにおいて紡糸口金の吐出孔からポリアミド5X融体を吐出した後、順に冷却処理、前紡処理を行って、初生糸を得るステップ。
【0021】
(2)前記初生糸に対して後処理を行って、前記ポリアミド5X短繊維を得るステップ。
ここで、前記紡糸口金の孔数は100~500fであり、前記吐出孔の孔径は1.02~1.50mmである。
【0022】
本開示の紡糸口金の孔数が従来技術よりも少なく、孔径が従来技術よりも大きく、また、前紡速度をある程度低下させるので、ポリアミド5X短繊維の繊度の向上に寄与する。
【0023】
ステップ(1)において、前記前紡処理の前紡速度は、100~480m/minである。
【0024】
また、前記冷却は、リングブロー(ring blow)で冷却し、前記リングブローの風温は、15~32℃であり、前記リングブローの風速は、0.2~1.0m/sである。
【0025】
ポリアミド5X融体が吐出孔から吐出された後、冷却条件は、融体の内部の繊維分子の配列方式に関連しており、風温が15~32℃であり且つ風速が0.2~1.0m/sであるリングブローで融体を冷却した後、繊度が高い初生糸を生成するのに寄与する。
【0026】
ステップ(2)において、後処理は、具体的に、順に延伸処理、捲縮処理、弛緩熱セット処理及び切断処理を含むことにより、ポリアミド5X短繊維が得られる。ここで、延伸処理、捲縮処理及び弛緩熱セット処理は、極めて重要である。
【0027】
具体的に、延伸処理とは、目的の長さに達するように初生糸を延伸させることを指す。本開示は、ポリアミド5X短繊維を製造する場合、延伸処理の温度が50~120℃であり、延伸倍率が2~4倍であり、即ち、延伸後の長さが延伸前の長さの2~4倍である場合、延伸を停止してもよい。
【0028】
また、捲縮処理の温度は、50~100℃であり、前記弛緩熱セットの温度は、60~150℃である。具体的に、捲縮処理とは、延伸後に得られた初生糸をスチーム加熱箱で予熱してから捲縮機に入れることを指す。
【0029】
以下、ポリアミド5X融体の製造方法について詳しく説明する。
本開示のポリアミド5X融体は、以下のステップにより製造することができる。
【0030】
窒素雰囲気下で、1,5-ペンタンジアミン、二価酸及び水を混合し、オイルバスで210~250℃まで昇温し、圧力を1.0MPa以上まで上昇させて排気を開始し、釜内温度が250℃以上に到達した後、-0.01~-0.1MPaまで真空引きし、真空度を維持し、5~60min後、ポリアミド5X融体を得る。
【0031】
このポリアミド5X融体は、そのまま紡糸に使用されてもよく、即ち、融体直紡に使用されてもよい。
【0032】
或いは、このポリアミド5X融体は、以下のようなステップにより製造されてもよい。ポリアミド5X樹脂切片を加熱溶融させて、ポリアミド5X融体を製造する。このポリアミド5X樹脂は、市販で入手するか、又は、前記の方法によりポリアミド5X融体を得てから、冷却し、造粒して、ポリアミド5X樹脂を得ることができる。即ち、切片紡糸である。
【0033】
ここで、前記ポリアミド5X切片の相対粘度は、2.5~2.8である。ポリアミド5X切片の含水率は、1000ppm以下である。
【0034】
ポリアミド5X融体を製造するための原料が共重合モノマー及び/又は添加剤をさらに含む場合、加熱加圧前に共重合モノマー及び/又は添加剤を添加する必要がある。
【0035】
本開示は、上記のいずれかに記載のポリアミド5X短繊維5~50重量部と羊毛50~95重量部とを含む混紡毛糸をさらに提供する。
【0036】
即ち、この混紡毛糸は、上記のいずれかに記載のポリアミド5X短繊維と羊毛とを共に混合して製造されたものである。製造過程において、粗毛紡績プロセスを使用する場合、混紡毛糸は、具体的に粗梳毛糸である。半梳毛紡績プロセスを使用する場合、混紡毛糸は、具体的に半梳毛糸である。
【0037】
さらに、前記混紡毛糸は、以下のパラメータを満たす。
前記混紡毛糸が粗梳毛糸である場合、前記粗梳毛糸のリー強さ(lea strength)は、F1であり且つF1≧60N/5mである。
【0038】
及び/又は、前記混紡毛糸が半梳毛糸である場合、前記半梳毛糸のリー強さは、F2であり且つF2≧200N/5mである。
【0039】
及び/又は、前記混紡毛糸の酸性染料での同浴染色の染着率は、aであり且つa≧90%である。
【0040】
及び/又は、前記混紡毛糸の酸性染料での同浴染色のK/S値は、bであり且つb≧10である。
【0041】
及び/又は、前記混紡毛糸の酸性染料での同浴染色の均染値は、Sであり且つS≦0.2である。
【0042】
及び/又は、前記混紡毛糸の乾燥状態での摩擦堅牢度は、c1であり且つc1≧3であり、前記混紡毛糸の濡れ状態での摩擦堅牢度は、c2であり且つc2≧3である。
【0043】
及び/又は、前記混紡毛糸の酸性染料での同浴染色の石鹸洗濯に対する退色堅牢度は、d1であり且つd1≧4級であり、前記混紡毛糸の酸性染料での同浴染色の石鹸洗濯に対する染色堅牢度は、d2であり且つd2≧3級である。
【0044】
ここで、混紡毛糸の酸性染料での同浴染色の条件は、酸性染料の濃度が0.5~8.0%であり、染色の温度が80~100℃であり、染色液のpH値が4~7であり、染色防止剤の濃度が1~10%である。
【0045】
本開示は、前記ポリアミド5X短繊維と羊毛とを混合した後、順に梳毛(カーディング、carding)、精紡、後加工及び紡績を行って、前記混紡毛糸を得るステップを含み、ここで、前記ポリアミド5X短繊維が5~50重量部であり、羊毛が50~95重量部である上記のいずれかの混紡毛糸の製造方法をさらに提供する。
【0046】
具体的に、紡績プロセスが粗毛紡績である場合、製造して粗梳毛糸が得られる。紡績プロセスが半梳毛紡績である場合、製造して半梳毛糸が得られる。
【0047】
本開示は、カーペットにおける上記のいずれかに記載の混紡毛糸の応用をさらに提供する。
【0048】
具体的に、この混紡毛糸は、手作りカーペット及び機械製カーペットを製造するために使用することができる。ここで、機械製カーペットは、タフテッドカーペット(tufted carpet)、タイルカーペット(tile carpet)、ウィルトンカーペット(Wilton carpet)及びアキスミンスターカーペット(Axminster carpet)を含むが、これらに限定されない。
【0049】
本開示の実施は、少なくとも以下の利点を持つ。
1.本開示のポリアミド5X短繊維は、良好な力学的性能及び柔軟性能を有し、その繊度が8.0~30.0Dに達することができる。
【0050】
2.本開示のポリアミド5X短繊維の生産用原料は、非石油系由来の材料、即ちバイオ系由来の材料を使用し、石油資源に依存せず、且つ、環境に優しく、深刻な汚染を引き起こさず、同時に二酸化炭素の排出を低減し、温室効果を抑制することができる。
【0051】
3.本開示の発明の混紡毛糸は、良い力学的性能、耐摩耗性、染色性を有し、且つ、酸性染料での同浴染色の同色性が良く、色差がない。
【0052】
4.本開示の混紡毛糸は、カーペット分野への応用において、軽量及び耐摩耗性の特性を有するだけでなく、生産用原料のコストを大幅に低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本開示の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、本開示の実施例を参照しながら、本開示の実施例に係る技術案をより明確且つ完全に説明する。なお、説明される実施例は、単に本開示の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。当業者が本開示の実施例に基づいて、創造的な労働を行わない前提で獲得する他のすべての実施例は、本開示の保護範囲に属する。
【0054】
実施例1
本実施例のポリアミド56短繊維の製造方法は、以下の通りである。
(1)紡糸ボックスにおいて紡糸口金の吐出孔からポリアミド56融体を吐出した後、順に冷却処理、前紡処理を行って、初生糸を得た。
ここで、冷却は、リングブローで冷却を行い、リングブローの風温は、28℃であり、リングブローの風速は、0.5m/sである。
吐出孔の孔数は、260fであり、吐出孔の孔径は、1.05mmであり、前紡速度は、300m/minである。
【0055】
(2)上記の初生糸に対して後処理を行って、ポリアミド56短繊維を得た。
後処理は、以下のようなステップを含む。初生糸に対して延伸処理、捲縮処理、弛緩熱セット処理及び切断処理を行う。ここで、延伸倍率は、3倍であり、延伸温度は、100℃であり、捲縮温度は、80℃であり、弛緩熱セット時の温度は、130℃である。
【0056】
本実施例におけるポリアミド56融体の製造方法は、ポリアミド56切片を溶融状態に加熱して、ポリアミド56融体を得た。ここで、ポリアミド56切片の含水率は、300ppmであり、ポリアミド56切片の相対粘度は、2.5である。
【0057】
本実施例において、ポリアミド56切片の相対粘度の測定方法は、以下の通りである。
ポリアミド5X樹脂の相対粘度は、ウベローデ粘度計を用いて濃硫酸法で測定し、そのステップは、以下の通りである。乾燥後のポリアミド5X樹脂サンプル0.25±0.0002gを正確に秤量し、50mLの濃硫酸(96%)を加えて溶解させ、25℃の恒温水槽で濃硫酸の通過時間t及びポリアミド5Xバルク連続フィラメント糸のサンプル溶液の通過時間tを測量及び記録した。
相対粘度の計算式は、相対粘度VN=t/tである。
t:溶液の通過時間。
:溶媒の通過時間。
本実施例におけるポリアミド56切片の含水率の測定方法は、以下の通りである。
カールフィッシャー滴定装置により測定した。
【0058】
実施例2
本実施例のポリアミド56短繊維の製造方法は、以下の通りである。
(1)紡糸ボックスにおいて紡糸口金の吐出孔からポリアミド56融体を吐出した後、順に冷却処理、前紡処理を行って、初生糸を得た。
【0059】
ここで、冷却は、リングブローで冷却を行い、リングブローの風温は、23℃であり、リングブローの風速は、0.6m/sである。
【0060】
吐出孔の孔数は、250fであり、吐出孔の孔径は、1.1mmであり、前紡速度は、200m/minである。
【0061】
(2)上記の初生糸に対して後処理を行って、ポリアミド56短繊維を得た。
後処理は、以下のようなステップを含む。初生糸に対して延伸処理、捲縮処理、弛緩熱セット処理及び切断処理を行う。ここで、延伸倍率は、2.8倍であり、延伸温度は、60℃であり、捲縮温度は、90℃であり、弛緩熱セット時の温度は、120℃である。
【0062】
本実施例におけるポリアミド56融体の製造方法は、ポリアミド56切片を溶融状態に加熱して、ポリアミド56融体を得た。ここで、ポリアミド56切片の含水率は、500ppmであり、ポリアミド56切片の相対粘度は、2.6である。
ポリアミド56切片の相対粘度及び含水率の測定方法は、実施例1と同じである。
【0063】
実施例3
本実施例のポリアミド56短繊維の製造方法は、以下の通りである。
(1)紡糸ボックスにおいて紡糸口金の吐出孔からポリアミド56融体を吐出した後、順に冷却処理、前紡処理を行って、初生糸を得た。
【0064】
ここで、冷却は、リングブローで冷却を行い、リングブローの風温は、25℃であり、リングブローの風速は、0.8m/sである。
【0065】
吐出孔の孔数は、200fであり、吐出孔の孔径は、1.02mmであり、前紡速度は、350m/minである。
【0066】
(2)上記の初生糸に対して後処理を行って、ポリアミド56短繊維を得た。
後処理は、以下のようなステップを含む。初生糸に対して延伸処理、捲縮処理、弛緩熱セット処理及び切断処理を行う。ここで、延伸倍率は、3.2倍であり、延伸温度は、70℃であり、捲縮温度は、90℃であり、弛緩熱セット時の温度は、140℃である。
【0067】
本実施例におけるポリアミド56融体の製造方法は、ポリアミド56切片を溶融状態に加熱して、ポリアミド56融体を得た。ここで、ポリアミド56切片の含水率は、600ppmであり、ポリアミド56切片の相対粘度は、2.7である。
ポリアミド56切片の相対粘度及び含水率の測定方法は、実施例1と同じである。
【0068】
実施例4
本実施例のポリアミド56短繊維の製造方法は、以下の通りである。
(1)紡糸ボックスにおいて紡糸口金の吐出孔からポリアミド56融体を吐出した後、順に冷却処理、前紡処理を行って、初生糸を得た。
【0069】
ここで、冷却は、リングブローで冷却を行い、リングブローの風温は、22℃であり、リングブローの風速は、0.7m/sである。
【0070】
吐出孔の孔数は、150fであり、吐出孔の孔径は、1.2mmであり、前紡速度は、280m/minである。
【0071】
(2)上記の初生糸に対して後処理を行って、ポリアミド56短繊維を得た。
後処理は、以下のようなステップを含む。初生糸に対して延伸処理、捲縮処理、弛緩熱セット処理及び切断処理を行う。ここで、延伸倍率は、2.9倍であり、延伸温度は、85℃であり、捲縮温度は、95℃であり、弛緩熱セット時の温度は、125℃である。
【0072】
本実施例におけるポリアミド56融体の製造方法は、ポリアミド56切片を溶融状態に加熱して、ポリアミド56融体を得た。ここで、ポリアミド56切片の含水率は、800ppmであり、ポリアミド56切片の相対粘度は、2.8である。
ポリアミド56切片の相対粘度及び含水率の測定方法は、実施例1と同じである。
【0073】
実施例5
本実施例のポリアミド56短繊維の製造方法は、以下の通りである。
(1)紡糸ボックスにおいて紡糸口金の吐出孔からポリアミド56融体を吐出した後、順に冷却処理、前紡処理を行って、初生糸を得た。
【0074】
ここで、冷却は、リングブローで冷却を行い、リングブローの風温は、26℃であり、リングブローの風速は、0.4m/sである。
【0075】
吐出孔の孔数は、180fであり、吐出孔の孔径は、1.05mmであり、前紡速度は、180m/minである。
【0076】
(2)上記の初生糸に対して後処理を行って、ポリアミド56短繊維を得た。
後処理は、以下のようなステップを含む。初生糸に対して延伸処理、捲縮処理、弛緩熱セット処理及び切断処理を行う。ここで、延伸倍率は、2.5倍であり、延伸温度は、70℃であり、捲縮温度は、70℃であり、弛緩熱セット時の温度は、110℃である。
【0077】
本実施例におけるポリアミド56融体の製造方法は、ポリアミド56切片を溶融状態に加熱して、ポリアミド56融体を得た。ここで、ポリアミド56切片の含水率は、200ppmであり、ポリアミド56切片の相対粘度は、2.5である。
ポリアミド56切片の相対粘度及び含水率の測定方法は、実施例1と同じである。
【0078】
実施例6
本実施例のポリアミド56短繊維の製造方法は、以下の通りである。
(1)紡糸ボックスにおいて紡糸口金の吐出孔からポリアミド56融体を吐出した後、順に冷却処理、前紡処理を行って、初生糸を得た。
【0079】
ここで、冷却は、リングブローで冷却を行い、リングブローの風温は、23℃であり、リングブローの風速は、0.5m/sである。
【0080】
吐出孔の孔数は、200fであり、吐出孔の孔径は、1.1mmであり、前紡速度は、400m/minである。
【0081】
(2)上記の初生糸に対して後処理を行って、ポリアミド56短繊維を得た。
後処理は、以下のようなステップを含む。初生糸に対して延伸処理、捲縮処理、弛緩熱セット処理及び切断処理を行う。ここで、延伸倍率は、3.0倍であり、延伸温度は、75℃であり、捲縮温度は、105℃であり、弛緩熱セット時の温度は、135℃である。
【0082】
本実施例におけるポリアミド56融体の製造方法は、
窒素雰囲気下で、1,5-ペンタンジアミン、アジピン酸及び水を混合し、加熱加圧した後、ポリアミド56融体を得た。
【0083】
ポリアミド56融体の製造原料は、共重合モノマーであるカプロラクタムをさらに含み、加熱加圧前に共重合モノマーを加えるが、ここで、前記ポリアミド56の相対粘度を2.6に制御した。
ポリアミド56切片の相対粘度及び含水率の測定方法は、実施例1と同じである。
【0084】
実施例7
本実施例のポリアミド510短繊維の製造方法は、以下の通りである。
(1)紡糸ボックスにおいて紡糸口金の吐出孔からポリアミド510融体を吐出した後、順に冷却処理、前紡処理を行って、初生糸を得た。
【0085】
ここで、冷却は、リングブローで冷却を行い、リングブローの風温は、24℃であり、リングブローの風速は、0.6m/sである。
【0086】
吐出孔の孔数は、250fであり、吐出孔の孔径は、1.15mmであり、前紡速度は、450m/minである。
【0087】
(2)上記の初生糸に対して後処理を行って、ポリアミド510短繊維を得た。
後処理は、以下のようなステップを含む。初生糸に対して延伸処理、捲縮処理、弛緩熱セット処理及び切断処理を行う。ここで、延伸倍率は、2.8倍であり、延伸温度は、60℃であり、捲縮温度は、70℃であり、弛緩熱セット時の温度は、130℃である。
【0088】
本実施例におけるポリアミド510融体の製造方法は、ポリアミド510切片を溶融状態に加熱して、ポリアミド510融体を得た。ここで、ポリアミド510切片の含水率は、500ppmであり、ポリアミド510切片の相対粘度は、2.7である。
ポリアミド510切片の相対粘度及び含水率の測定方法は、実施例1と同じである。
【0089】
実施例8
本実施例のポリアミド512短繊維の製造方法は、以下の通りである。
(1)紡糸ボックスにおいて紡糸口金の吐出孔からポリアミド512融体を吐出した後、順に冷却処理、前紡処理を行って、初生糸を得た。
【0090】
ここで、冷却は、リングブローで冷却を行い、リングブローの風温は、22℃であり、リングブローの風速は、0.5m/sである。
【0091】
吐出孔の孔数は、200fであり、吐出孔の孔径は、1.04mmであり、前紡速度は、300m/minである。
【0092】
(2)上記の初生糸に対して後処理を行って、ポリアミド512短繊維を得た。
後処理は、以下のようなステップを含む。初生糸に対して延伸処理、捲縮処理、弛緩熱セット処理及び切断処理を行う。ここで、延伸倍率は、2.9倍であり、延伸温度は、70℃であり、捲縮温度は、80℃であり、弛緩熱セット時の温度は、120℃である。
【0093】
本実施例におけるポリアミド512融体の製造方法は、ポリアミド512切片を溶融状態に加熱して、ポリアミド512融体を得た。ここで、ポリアミド512切片の含水率は、300ppmであり、ポリアミド512切片の相対粘度は、2.8である。
ポリアミド512切片の相対粘度及び含水率の測定方法は、実施例1と同じである。
【0094】
実施例9
本実施例は、以下のようなステップにより得られる混紡毛糸(粗梳毛糸及び半梳毛糸)を提供する。
【0095】
実施例1で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、粗毛紡績を行って、粗梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、10重量部であり、羊毛は、90重量部である。
【0096】
実施例1で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、半梳毛紡績を行って、半梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、10重量部であり、羊毛は、90重量部である。
【0097】
実施例10
本実施例は、以下のようなステップにより得られる混紡毛糸(粗梳毛糸及び半梳毛糸)を提供する。
【0098】
実施例2で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、粗毛紡績を行って、粗梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、20重量部であり、羊毛は、80重量部である。
【0099】
実施例2で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、半梳毛紡績を行って、半梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、20重量部であり、羊毛は、80重量部である。
【0100】
実施例11
本実施例は、以下のようなステップにより得られる混紡毛糸(粗梳毛糸及び半梳毛糸)を提供する。
【0101】
実施例3で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、粗毛紡績を行って、粗梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、30重量部であり、羊毛は、70重量部である。
【0102】
実施例3で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、半梳毛紡績を行って、半梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、30重量部であり、羊毛は、70重量部である。
【0103】
実施例12
本実施例は、以下のようなステップにより得られる混紡毛糸(粗梳毛糸及び半梳毛糸)を提供する。
【0104】
実施例4で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、粗毛紡績を行って、粗梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、35重量部であり、羊毛は、65重量部である。
【0105】
実施例4で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、半梳毛紡績を行って、半梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、35重量部であり、羊毛は、65重量部である。
【0106】
実施例13
本実施例は、以下のようなステップにより得られる混紡毛糸(粗梳毛糸及び半梳毛糸)を提供する。
【0107】
実施例5で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、粗毛紡績を行って、粗梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、45重量部であり、羊毛は、55重量部である。
【0108】
実施例5で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、半梳毛紡績を行って、半梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、45重量部であり、羊毛は、55重量部である。
【0109】
実施例14
本実施例は、以下のようなステップにより得られる混紡毛糸(粗梳毛糸及び半梳毛糸)を提供する。
【0110】
実施例6で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、粗毛紡績を行って、粗梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、30重量部であり、羊毛は、70重量部である。
【0111】
実施例6で得られたポリアミド56短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、半梳毛紡績を行って、半梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド56短繊維は、30重量部であり、羊毛は、70重量部である。
【0112】
実施例15
本実施例は、以下のようなステップにより得られる混紡毛糸(粗梳毛糸及び半梳毛糸)を提供する。
【0113】
実施例7で得られたポリアミド510短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、粗毛紡績を行って、粗梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド510短繊維は、20重量部であり、羊毛は、80重量部である。
【0114】
実施例7で得られたポリアミド510短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、半梳毛紡績を行って、半梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド510短繊維は、20重量部であり、羊毛は、80重量部である。
【0115】
実施例16
本実施例は、以下のようなステップにより得られる混紡毛糸(粗梳毛糸及び半梳毛糸)を提供する。
【0116】
実施例8で得られたポリアミド512短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、粗毛紡績を行って、粗梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド512短繊維は、30重量部であり、羊毛は、70重量部である。
【0117】
実施例8で得られたポリアミド512短繊維及び羊毛に対して混合、梳毛、精紡、後加工、半梳毛紡績を行って、半梳毛糸を得たが、ここで、ポリアミド512短繊維は、30重量部であり、羊毛は、70重量部である。
【0118】
対照例1
本対照例は、以下のようなステップにより得られる純紡毛糸(粗梳毛糸及び半梳毛糸)を提供する。
羊毛に対して梳毛、精紡、後加工、粗毛紡績を行い、粗梳毛糸を得たが、ここで、羊毛は、100重量部である。
【0119】
試験例1
実施例1~8におけるポリアミド5X短繊維について以下のパラメータの測定を行い、測定結果を表1に示す。
【0120】
1.繊度:
重量法により計算し、一定の数の短繊維を選択し、銅の櫛で綺麗に整頓し、20mmの短繊維を切り取り、カバーガラスに置き、プロジェクターでその本数を数え、最後にねじり天秤でその重量を測定し、10000mの繊維重量に換算した。
2.長さ
GB/T 14336の規定に従って実行した。
3.短繊維の破断強度及び破断伸度:
GB/T 14337に従って測定した。
4.乾熱収縮率
FZ/T 50004の規定に従って実行し、熱処理温度は、180℃である。
5.初期モジュラス:
初期モジュラスの定義は、破断伸度が1%である場合に対応する破断強度である。
【0121】
【表1】
【0122】
試験例2
実施例9~16における混紡毛糸及び対照例1における純紡毛糸について以下のパラメータの測定を行い、測定結果を表2に示す。
【0123】
1.混紡毛糸の破断強度及び破断伸度(リー強さ):
GB/T 8696-1988に従って測定した。
2.染着率:
分光光度計で染色前後の染色液の濃度の変化を測定した。
染着率(%)=(A0-At)/A0×100%。
式において、A0は、処理前の染料の特徴的な吸収ピークの吸光度値であり、Atは、処理時間がtである時の染料の吸光度値である。
3.K/S値:
コンピューターカラーマッチング機器で染色織物のK/S値を測定し、K/S値は、見かけの色深度値を表す。
K/S=(1-R)/2R
ここで、Sは、分散係数であり、Kは、吸收系数であり、Rは、反射率である。
4.均染値S:
カラーマッチング機器でサンプルに対して均染性を測定し、サンプル中の一つの点を基準として選択し、それぞれサンプル中の他の位置をテストサンプルとし、標準サンプル及びテストサンプルの色差(ΔE)を比較し、織物の均染性を計算した。
【0124】
【数1】
【0125】
ここで、Sは、サンプルの標準偏差であり、ΔEは、色差値であり、nは、測定回数である。
5.石鹸洗濯堅牢度:
中国標準GB/T 3921.1-1997に従って測定した。
6.摩擦堅牢度:
GB/T8427-1998に従って測定した。
【0126】
【表2】
【0127】
ここで、染着率、K/S値、均染値S、石鹸洗濯堅牢度及び摩擦堅牢度を測定する場合、同じ実施例における粗梳毛糸及び半梳毛糸を測定して得られたデータが一致である。
【0128】
なお、以上の各実施例は、本開示の技術案を説明するためのものであり、それを制限するものではない。上記の各実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として上記の各実施例に記載された技術案を修正、又はその一部又は全部の技術的特徴に対して同等の置換を行うことができることは、理解できるものである。これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本開示の各実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではない。