(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】オルガニルオキシシラン末端ポリマーの製造方法
(51)【国際特許分類】
C08L 101/10 20060101AFI20240509BHJP
C08K 5/09 20060101ALI20240509BHJP
C08K 5/544 20060101ALI20240509BHJP
C09J 201/10 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
C08L101/10
C08K5/09
C08K5/544
C09J201/10
(21)【出願番号】P 2022536850
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019085383
(87)【国際公開番号】W WO2021121543
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390008969
【氏名又は名称】ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns-Seidel-Platz 4, D-81737 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100183678
【氏名又は名称】丸島 裕
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー、スタンイェク
(72)【発明者】
【氏名】ラルス、ザンダー
【審査官】中落 臣諭
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-544048(JP,A)
【文献】特表2016-534192(JP,A)
【文献】特開2002-249538(JP,A)
【文献】特表2010-532799(JP,A)
【文献】特開2015-214605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L1/00-101/14
C08K3/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)のシラン末端ポリマー(SP1)、および一般式(III)のヒドロキシ官能性ポリマー(SP3)を含有し、
所望により、一般式(II)のシラン末端ポリマー(SP2)
を含有する混合物(M)を調製する方法であり、
第1のプロセス工程では、少なくとも1種の一般式(IV)のポリマー(HP1)が、少なくとも1種の一般式(V)のイソシアネート官能性シラン(S)と反応して、シラン末端ポリマー(SP1)を得て、ここで、一般式(V)の前記イソシアネート官能性シラン(S)は、一般式(IV)の前記
ポリマー(HP1)中の各ヒドロキシ基に対して、一般式(V)の前記イソシアネート官能性シラン(S)のイソシアネート基が少なくとも1.1個存在する量で用い、
続いて、第2のプロセス工程では、一般式(V)の前記イソシアネート官能性シラン(S)のすべての未反応のイソシアネート基を、少なくとも1種の一般式(VI)のオリゴマーまたはポリマー(HP2)と反応させ、かつ、一般式(VI)の前記オリゴマーまたはポリマー(HP2)は、前記第1のプロセス工程後の反応混合物中に依然として存在する各イソシアネート基に対して、一般式(VI)の前記オリゴマーまたはポリマー(HP2)中のヒドロキシ基が少なくとも1.1個存在する量で用い、
ただし、
一般式(II)、(III)および(VI)中のzおよびz1のいずれかが1の値を有し、前記混合物(M)中に一般式(II)のシラン末端ポリマー(SP2)が存在し、前記混合物(M)中に同様に存在する前記ポリマー(SP3)が前記第2のプロセス工程で用いられる前記ポリマー(HP2)に対応するか、あるいは、
一般式(II)、(III)および(VI)中のzが1を超える値を有し、Y2が最大で1500g/molの数平均モル質量Mnを有するz価のオリゴマーまたはポリマー基であり、
前記混合物(M)は、z1がz未満であるヒドロキシ官能性ポリマー(SP3)を含有する、方法。
Y1-[O-C(=O)-NH-(CR12)b-SiRa(OR2)3-a]x (I)
Y2-[O-C(=O)-NH-(CR12)b-SiRa(OR2)3-a]z (II)
Y2-[O-C(=O)-NH-(CR12)b-SiRa(OR2)3-a]z-z1(OH)z1
(III)
Y1-[OH]x (IV)
O=C=N-(CR12)b-SiRa(OR2)3-a (V)
Y2(OH)z (VI)
[式中、
Y1は、少なくとも2000g/molの数平均モル質量Mnを有するx価のポリマー基であり、
Y2は、少なくとも3個の同一の繰返し単位を有するz価のオリゴマーまたはポリマー基であり、前記繰返し単位は、少なくとも2個の炭素原子と少なくとも1個のヘテロ原子とを含み、
Rは、同一でも異なっていてもよく、置換されていてもよい一価の炭化水素基であり、
R1は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または置換されていてもよい一価の炭化水素基であり、
R2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または置換されていてもよい一価の炭化水素基であり、
xは、2~50の整数であり、
zは、1~50の整数であり、
z1は、z以下であって、1~50の整数であり、
aは、同一でも異なっていてもよく、0、1または2であり、
bは、同一でも異なっていてもよく、1~10の整数である。]
【請求項2】
zが少なくとも2の値を有し、Y2が最大で1000g/molの数平均モル質量Mnを有するz価のオリゴマーまたはポリマー基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
xが2または3の値である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
zが1または2の値である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
z1が1または2の値である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
bが1または3の値である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
Rが炭素数1~6の一価の炭化水素基である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマー基Y1が、ポリエステル基、ポリエーテル基、ポリウレタン基、ポリアルキレン基またはポリアクリレート基から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマー基Y2が、ポリエステル基、ポリエーテル基、ポリウレタン基、ポリアルキレン基またはポリアクリレート基から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
両方のプロセス工程を、ビスマス含有触媒(K)の存在下で行う、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法によって調製可能なポリマー混合物(M)。
【請求項12】
接着剤およびシーラント、ならびに塗料を製造するための、請求項11に記載のポリマー混合物(M)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガニルオキシシラン末端ポリマーを含有する混合物の調製方法、該混合物、ならびに接着剤およびシーラントを製造するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
反応性アルコキシシリル基を有するポリマー系、より詳細にはシラン末端ポリエーテルは、古くからある系である。これらのアルコキシシラン末端ポリマーは、水または大気中の水分と接触すると、アルコキシ基の脱離を伴って、室温でも互いに縮合することができる。このような材料の最も重要な用途の1つは、接着剤の製造、より詳細には弾性接着剤系の製造である。
【0003】
市販品の製造において、シラン末端ポリマーを調製するための様々な方法が知られている。最も重要なものの1つは、長鎖ポリエーテルとイソシアナトアルキル官能性アルコキシシランとを反応させることを伴う。後者は、ポリエーテルの末端ヒドロキシ基と反応し、反応性シラン官能基によるほぼ完全な鎖末端化を可能にする。このことは、シラン末端ポリマーを調製する他の合成経路と比較して大きな利点となる。
【0004】
しかしながら、この方法の問題は、この場合に必要とされるイソシアナトアルキル官能性アルコキシシランが非常に有毒であるという事実であり、その結果、最終生成物、すなわちシラン末端ポリマー中にそれらがもはや存在しないことを確かにすることが必要である。同時に、すべての鎖末端の完全かつ迅速なシラン末端化のためには、これらの同じ毒性のあるイソシアナトシランをある過剰量用いることが重要である。過剰に用いないと、反応基の希釈が進むことから、反応速度が反応の終盤で急激に低下する。そのような意味で、充分に速く、したがって経済的に合理的な製造ができる可能性はほとんどまたは全くない。
【0005】
これは、バッチ式製造および連続式製造の両方に当てはまる。反応時間が長いと、プラントの占有時間が長くなり、したがってコストがかかる。しかしながら、連続反応では、高い反応速度がより重要である。なぜなら、バッチ式反応型では、反応速度とは関わりの無い、装入と排出、冷却と加熱のための追加時間がある一方、その場合は、プラントで達成可能な処理量は、反応速度に正比例するためである。したがって、プラントの処理量に対する反応速度の影響は、ここでも存在するが、少なくとも部分的には「和らげ」られている。
【0006】
この問題を解決するために、国際公開第2006/136261Aは、イソシアナトシランを過剰に用いて連続プロセスでシラン末端ポリマーを調製することを提案している。その場合、生成物中に残存する未反応のイソシアナトシラン残留物は、その後、下流工程でアルコールまたはアミンなどのイソシアネート反応性化合物を用いて除去される。用いると具体的に記載されている捕捉反応剤は、メタノールである。
【0007】
しかしながら、この方法の不利な点は、このようにして用いられるイソシアナトシランのかなりの割合がポリマーのシラン末端化に使用されず、その代わりに最終的にメタノールと反応してカルバマトシランを副生成物として形成することである。このカルバマトシランはもちろんある役割を担うことがあり、例えば、水分捕捉剤として作用することもある。しかしながら、これらの役割は、一般的に、例えばシンプルなビニルトリメトキシシランなどの、はるかにシンプルで、したがってまた安価なシランが担うこともできる。
【0008】
イソシアナトシランは、例えば国際公開第2008/068175Aに記載されているように、非常に複雑で、したがって高価な方法でしか製造できないことから、シラン末端ポリマーの合成に用いられているイソシアナトシランの過剰分を破壊するために国際公開第2006/136261Aに提案されているこの技術は、高価で、したがってかなり経済的に合理的ではない浪費を意味している。
【発明の概要】
【0009】
したがって、シラン架橋性ポリマーの製造者の観点からは、国際公開第2006/136261Aの方法と同様に迅速かつ容易に実施できるが、そこに記載されているような高価なイソシアナトシランの浪費を伴わない方法を提供できることが、いかなる場合でも望ましい。
【0010】
本発明は、一般式(I)のシラン末端ポリマー(SP1)、所望により、一般式(II)のシラン末端ポリマー(SP2)、および一般式(III)のヒドロキシ官能性ポリマー(SP3)を含有する混合物(M)を調製する方法を提供する。
【0011】
上記方法において、
第1のプロセス工程では、少なくとも1種の一般式(IV)のポリマー(HP1)が、少なくとも1種の一般式(V)のイソシアネート官能性シラン(S)と反応して、シラン末端ポリマー(SP1)を得て、ここで、一般式(V)のイソシアネート官能性シラン(S)は、一般式(IV)の化合物(HP1)中の各ヒドロキシ基に対して、一般式(V)のイソシアネート官能性シラン(S)のイソシアネート基が少なくとも1.1個存在する量で用い、
続いて、第2のプロセス工程では、一般式(V)のイソシアネート官能性シラン(S)のすべての未反応のイソシアネート基を、少なくとも1種の一般式(VI)のオリゴマーまたはポリマー(HP2)と反応させ、かつ、一般式(VI)の化合物(HP2)は、第1のプロセス工程後の反応混合物中に依然として存在する各イソシアネート基に対して、一般式(IV)の化合物(HP2)中のヒドロキシ基が少なくとも1.1個存在する量で用いる。
【0012】
ただし、
一般式(II)、(III)および(VI)中のzおよびz1のいずれかが1の値を有し、混合物(M)中に一般式(II)のシラン末端ポリマー(SP2)が存在し、混合物(M)中に同様に存在するポリマー(SP3)が第2の反応工程で用いられるポリマー(HP2)に対応するか、あるいは、
一般式(II)、(III)および(VI)中のzが1を超える値を有し、Y2が最大で1500g/molの数平均モル質量Mnを有するz価のオリゴマーまたはポリマー基であり、混合物(M)は、z1がz未満であるヒドロキシ官能性ポリマー(SP3)を含有する。
【0013】
Y1-[O-C(=O)-NH-(CR1
2)b-SiRa(OR2)3-a]x (I)
Y2-[O-C(=O)-NH-(CR1
2)b-SiRa(OR2)3-a]z (II)
Y2-[O-C(=O)-NH-(CR1
2)b-SiRa(OR2)3-a]z-z1(OH)z1
(III)
【0014】
Y1-[OH]x (IV)
O=C=N-(CR1
2)b-SiRa(OR2)3-a (V)
Y2(OH)z (VI)
【0015】
式中、
Y1は、少なくとも2000g/molの数平均モル質量Mnを有するx価のポリマー基であり、
Y2は、少なくとも3個の同一の繰返し単位を有するz価のオリゴマーまたはポリマー基であり、該繰返し単位は、少なくとも2個の炭素原子と少なくとも1個のヘテロ原子とを含み、
Rは、同一でも異なっていてもよく、置換されていてもよい一価の炭化水素基であり、
R1は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または置換されていてもよい一価の炭化水素基であり、
R2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または置換されていてもよい一価の炭化水素基であり、
xは、2~50の整数であり、
zは、1~50の整数であり、
z1は、z以下であって、1~50の整数であり、
aは、同一でも異なっていてもよく、0、1または2であり、
bは、同一でも異なっていてもよく、1~10の整数である。
【0016】
第1のプロセス工程では、一般式(V)のイソシアネート官能性シラン(S)は、一般式(IV)のポリマー(HP1)中の各ヒドロキシ基に対して、好ましくは少なくとも1.15個のイソシアネート基が存在する量で用いる。
【0017】
第2のプロセス工程では、一般式(VI)のオリゴマーまたはポリマー(HP2)は、第1のプロセス工程後の混合物中に残存している一般式(V)のイソシアネート官能性シラン(S)の各イソシアネート基に対して、好ましくは少なくとも1.2個、より好ましくは少なくとも1.3個のヒドロキシ基が存在する量で用いる。
【0018】
zが少なくとも2の値を有する場合、Y2は、好ましくは最大で1000g/mol、より好ましくは最大で500g/molの数平均モル質量Mnを有するz価のオリゴマーまたはポリマー基である。
【0019】
その場合にも、zが少なくとも2の値を有するときに、シラン末端ポリマー(SP2)が混合物(M)中に存在することが好ましい。
【0020】
本発明の文脈において、この数平均モル質量Mnは、好ましくは、ポリスチレン標準に対するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、THF中、60℃、流速1.2ml/分、RI(屈折率検出器)による検出、Styragel HR3-HR4-HR5-HR5のカラムセット(Waters Corp.(USA))、注入量100μl、にて測定される。
【0021】
本発明の方法は、ポリマー(SP1)を調製するための反応を、ポリマー(SP2)および/または(SP3)の調製と組み合わせることができ、この組合せは、高価なイソシアネート官能性シラン(S)の観点からの大幅な節約とともに、これらのポリマーの迅速な調製につながる。これは、まず、ポリマー(SP1)を過剰のイソシアネート官能性シラン(S)を用いて調製することにより達成され、このシラン過剰により高い反応速度が得られる。次に、しかしながら、この高価なイソシアネート官能性シラン(S)の過剰分は、従来技術に記載されているようにメタノールの添加によって単に破壊されるのではなく、ポリマー(SP2)および/または(SP3)を調製するために用いられる。この第2の反応工程では、過剰に存在するのはイソシアネート基ではなくヒドロキシ基であるため、この第2の反応工程も高速で進行し、得られる生成物には毒性的に重要なイソシアネート官能性シラン(S)は含まれない。
【0022】
しかしながら、シラン末端ポリマー(SP2)に加えて、ポリマー(SP2)と同じ骨格を有するが完全にはシラン末端化されておらず、あるいは全くシラン末端化されておらず、相応量の未反応ヒドロキシ官能基を有するポリマー(SP3)が常に存在しなければならない一方、ポリマー(SP1)のみがほとんど完全にシラン末端化されているポリマー混合物(M)を、必然的にこの操作はもたらす。
【0023】
したがって、本発明の基礎となる驚くべき発見は、不完全にシラン末端化されているまたは全くシラン末端化されていないポリマー(SP3)の存在にもかかわらず、そのような混合物(M)は、
・ポリマー(SP2)および(SP3)が、単官能性である、すなわち、それぞれ、シラン官能基またはヒドロキシ官能基を1個のみ有する(z=z1=1)場合、あるいは
・ポリマー(SP2)が、1個超のシラン官能基を有し、同時にポリマー(SP2)および(SP3)は、最大で2000g/mol、好ましくは最大で1000g/mol、より好ましくは最大で500g/molという低い平均モル質量Mnを有するポリマー骨格を有する場合、
明らかに興味深い特性を有するということである。
【0024】
第1の場合では、混合物(M)は、ほとんど完全に末端化されているポリマー(SP1)に加えて、シラン官能基を1個のみ有するポリマー(SP2)も含有する。このような混合物は、著しく向上した接着特性を示す。さらに、それらは、特に低いモジュラスを有するシーラントを製造するために用いることもできる。この場合のモノヒドロキシ官能性ポリマー(HP2)の不完全な末端化は、(混合物(M)において、シラン官能基を有さず、正確にヒドロキシ官能基のみを有するポリマー(SP3)が同時に存在することになるが)この場合では驚くべきことに妨害要因にはならない。
【0025】
第2の場合では、ポリマー(SP2)は、その少なくとも2個のシラン官能基および低い平均モル質量に基づいて、さらなる架橋剤として作用し、混合物(M)から得られうる完全硬化物のより高い硬度をもたらす。ヒドロキシ官能性ポリマー(HP2)の不完全な末端化は、(ポリマー(SP3)が同時に存在することになるが)この場合では驚くべきことに妨害要因にはならない。
【0026】
本発明の方法は、バッチ式で行うことができ、最初に、ヒドロキシ官能性ポリマー(HP1)とイソシアネート官能性シラン(S)とを適切な反応器内で混合して反応させ、その後、ヒドロキシ官能性ポリマー(HP2)を加え、それらを第1の反応工程の後に残存している過剰のシラン(S)と反応させることにより行うことができる。
【0027】
本発明の方法は、最初に、連続ミキサー内で上記成分(HP1)および(S)を混合し、次に、これらの成分が反応できる反応器に混合物を連続的に通し、その後、第2のミキサー内で上記成分(HP2)を連続的に計量投入することによっても、同様にバッチ式で行うことができる。反応混合物は、その後、第2の反応器に通すか、または適切な貯蔵容器もしくは適切な貯蔵タンクに直接ポンプで送ることができ、そこで、本発明の第2のプロセス工程を行うことができる。
【0028】
xは、好ましくは2または3であり、より好ましくは2である。
zは、好ましくは1、2または3であり、より好ましくは1または2である。
z1は、好ましくは1、2または3であり、より好ましくは1または2である。
aは、好ましくは0または1である。
bは、好ましくは1、3または4であり、より好ましくは1または3であり、より特に好ましくは1である。
【0029】
基Rの例は、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、1-n-ブチル基、2-n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基;n-ヘキシル基などのヘキシル基;n-ヘプチル基などのヘプチル基;n-オクチル基、イソオクチル基および2,2,4-トリメチルペンチル基などのオクチル基;n-ノニル基などのノニル基;n-デシル基などのデシル基;n-ドデシル基などのドデシル基;n-オクタデシル基などのオクタデシル基;シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびメチルシクロヘキシル基;アルケニル基、例えば、ビニル基、1-プロペニル基および2-プロペニル基;アリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基およびフェナントリル基;アルカリール基、例えば、o-,m-,p-トリル基;キシリル基およびエチルフェニル基;ならびにアラルキル基、例えば、ベンジル基、α-およびβ-フェニルエチル基である。
【0030】
置換された基Rの例は、3,3,3-トリフルオロ-n-プロピル基、2,2,2,2’,2’,2’-ヘキサフルオロイソプロピル基およびヘプタフルオロイソプロピル基などのハロアルキル基、ならびにo-,m-およびp-クロロフェニル基などのハロアリール基である。
【0031】
基Rは、好ましくは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6の一価の炭化水素基からなる。非置換の炭化水素基が好ましい。基Rは、詳細には炭素数1または2のアルキル基、より詳細にはメチル基である。
【0032】
基R1の例は、水素原子、またはRについて示した基である。
【0033】
基R1は、好ましくは水素原子または炭素数1~20の炭化水素基からなり、より特に好ましくは水素原子からなる。
【0034】
基R2の例は、水素原子、または基Rについて示した例である。
【0035】
基R2は、好ましくは、水素原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基からなり、より好ましくは炭素数1~4のアルキル基からなり、より特に好ましくはメチル基またはエチル基からなる。
【0036】
基Y1は、好ましくは少なくとも8,000g/mol、より好ましくは少なくとも10,000g/molの数平均モル質量Mnを有する。基Y1は、好ましくは最大で40,000g/mol、より特に好ましくは最大で25,000g/mol、より特に好ましくは最大で20,000g/molの数平均モル質量Mnを有する。
【0037】
ポリマー基Y1の例は、有機ポリマー基であり、好ましくは、その数平均分子量が200~40,000g/molであり、そのポリマー鎖として、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーおよびポリオキシプロピレン-ポリオキシブチレンコポリマーなどのポリオキシアルキレン;ポリイソブチレン、およびポリイソブチレンとイソプレンとのコポリマーなどの炭化水素ポリマー;ポリクロロプレン;ポリイソプレン;ポリウレタン;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート;ポリメタクリレート;ビニルポリマーまたはポリカーボネート、を含む有機ポリマー基である。
【0038】
ポリマー基Y1は、好ましくはポリエステル基、ポリエーテル基、ポリウレタン基、ポリアルキレン基またはポリアクリレート基を含み、より好ましくはポリウレタン基、ポリエステル基またはポリオキシアルキレン基を含み、より特に好ましくはポリオキシプロピレン基を含む。
【0039】
式(II)、(III)および(VI)中のzおよびz1が1の値を有する場合、基Y2は、好ましくは少なくとも150g/mol、より好ましくは少なくとも200g/molの数平均モル質量Mnを有し、好ましくは最大で20,000g/mol、より特に好ましくは最大で10,000g/molの数平均モル質量Mnを有する。
【0040】
一般式(II)、(III)および(VI)中のzおよびz1が1より大きい値を有する場合、基Y2は、好ましくは少なくとも150g/mol、より好ましくは少なくとも200g/molの数平均モル質量Mnを有し、好ましくは最大で1,000g/mol、より特に好ましくは最大で500g/molの数平均モル質量Mnを有する。
【0041】
Y2におけるポリマー基中のヘテロ原子は、窒素、リン、酸素および硫黄から選択されることが好ましい。
【0042】
対応するポリマー基Y2の例は、上記数平均分子量Mnを有し、そのポリマー鎖として、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーおよびポリオキシプロピレン-ポリオキシブチレンコポリマーなどのポリオキシアルキレン;ポリイソブチレン、およびポリイソブチレンとイソプレンとのコポリマーなどの炭化水素ポリマー;ポリクロロプレン;ポリイソプレン;ポリウレタン;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート;ポリメタクリレート;ビニルポリマーまたはポリカーボネートを含む有機ポリマー基である。
【0043】
ポリマー基Y2は、好ましくはポリエステル基、ポリエーテル基、ポリウレタン基、ポリアルキレン基またはポリアクリレート基を含み、より好ましくはポリウレタン基、ポリエステル基またはポリオキシアルキレン基を含み、より特に好ましくはポリオキシプロピレン基を含む。
【0044】
用いられる一般式(IV)のポリマー(HP1)の構造は、基Y1の上述の可能な、また好ましい定義から明らかである。用いられるポリマー(HP1)は、500~1,000,000mPasの粘度を有するポリウレタンまたはポリエーテルであることが好ましく、1000~300,000mPasの粘度を有するポリウレタンまたはポリエーテルであることがより好ましい。特に好ましくは、それらは1,000~40,000mPasの粘度を有するポリプロピレングリコールである。
【0045】
用いられる一般式(VI)のポリマー(HP2)の構造は、基Y2の上述の可能な、また好ましい定義から明らかである。用いられるポリマー(HP2)は、10~30,000mPasの粘度を有するポリウレタンまたはポリエーテルであることが好ましく、50~15,000mPasの粘度を有するポリウレタンまたはポリエーテルであることがより好ましい。特に好ましくは、それらは10~30,000mPasの粘度を有するポリプロピレングリコールである。
【0046】
粘度は、本発明の文脈では、23℃に調整した後に、ISO 2555に準拠して、2.5rpmで、スピンドル5を使用するDV 3 回転粘度計(A. Paar(Brookfield systems))を用いて、測定される。
【0047】
本発明で用いられるポリオール(HP1)および(HP2)は、市販品であるか、および/またはポリマー化学で一般的な方法で調製することができる。
【0048】
一般式(V)のイソシアネート官能性シラン(S)は、好ましくは、OCN(CH2)3-Si(OCH3)3、OCN(CH2)3-Si(OC2H5)3、OCN(CH2)3-Si(OCH3)2CH3、OCN(CH2)3-Si(OC2H5)2CH3、OCN(CH2)-Si(OCH3)3、OCN(CH2)-Si(OC2H5)3、OCN(CH2)-Si(OCH3)2CH3またはOCN(CH2)-Si(OC2H5)2CH3であり、特に好ましくは、OCN(CH2)3-Si(OCH3)3またはOCN(CH2)-Si(OCH3)2CH3である。
【0049】
本発明の方法で用いられる成分は、それぞれの場合において、そのような成分の1種からなっていてもよく、あるいは、それぞれの成分の少なくとも2種の混合物からなっていてもよい。
【0050】
本発明の両方のプロセス工程は、好ましくは触媒(K)の存在下で行われる。この文脈において、アルコールによるイソシアネートの触媒反応に用いられるすべての触媒を用いることが可能である。本発明で用いられる触媒の好ましい例は、ビスマス(2-エチルヘキサノエート)、ビスマスネオデカノエートまたはビスマステトラメチルヘプタンジオネートなどのビスマスカルボキシレートなどのビスマス含有触媒である。ビスマスだけでなく他の金属も含む触媒、特に混合ビスマス-亜鉛触媒も、本発明の方法に適している。さらに好ましい例は、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズオキシド、ジオクチルスズビス(アセチルアセトネート)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズビス(アセチルアセトネート)などのスズ含有触媒、ジルコニウムアセチルアセトネートなどのジルコニウム含有触媒、鉄アセチルアセトネートなどの鉄含有触媒、さらに他の金属のアセチルアセトネートである。
【0051】
本発明で用いられる触媒(K)は、特に好ましくはビスマスのカルボキシレートであり、特に好ましくはビスマス(2-エチルヘキサノエート)、ビスマスネオデカノエートまたはそれらの混合物である。市販の触媒の例は、Borchi(登録商標) Kat 22、Borchi(登録商標) Kat VP 0243、Borchi(登録商標) Kat VP 0244またはOMG 315(すべてOMG-Borchers)、Biネオデカノエート(ChemosまたはAmerican Elements)、Reaxis MSA 70またはReaxis C 719(Reaxis)、BICAT(登録商標)触媒(The Shepherd Chemical Company、US)およびK-Kat(登録商標) K-348(King Industries,Inc、US)である。
【0052】
本発明のプロセス工程1および2において、触媒(K)は、好ましくは1~1000ppm、より好ましくは20~600ppm、より特に好ましくは60~400ppmの量で用いられる。ここでのppm表記は、反応混合物1,000,000重量部あたりの触媒(K)1重量部を表す。触媒(K)は、好ましくは第1のプロセス工程で添加される。連続プロセスの場合、触媒は、好ましくはプロセス工程1の混合工程の間に添加される。プロセス工程2において、好ましくは触媒のさらなる添加はない。なぜならプロセス工程1において添加された触媒は、もちろん両方のプロセス工程を触媒できるからである。
【0053】
本発明の両方のプロセス工程は、好ましくは20℃~180℃、より好ましくは40℃~150℃、より特に好ましくは50℃~120℃の温度で行われる。
【0054】
本発明の両方のプロセス工程は、好ましくは100~2000hPa、より好ましくは900~1100hPaの圧力で行われる。
【0055】
本発明の両方のプロセス工程は、好ましくは不活性ガス雰囲気中、より好ましくはアルゴンまたは窒素中で行われる。
【0056】
本発明のプロセス工程1および2に加えて、本発明の方法は、もちろんさらなるプロセス工程を有してもよく、該プロセス工程は、原則的にプロセス工程1とプロセス工程2との間にも行うことができる。しかしながら、好ましくは、本発明の方法は、本発明のプロセス工程1および2とは別に、さらなるプロセス工程を有しない。
【0057】
本発明の方法は、容易に入手可能な原料を反応物として用い、迅速かつ簡便に実施できるという利点を有する。
【0058】
本発明の方法は、得られたポリマー混合物(M)が、毒性を有するイソシアネート官能性シラン(S)を含まないという利点を有する。
【0059】
本発明の方法は、得られたポリマー混合物(M)が、このポリマー混合物から製造可能な接着剤、シーラントまたは塗料の機械的物性に影響を与え得るモノマーシランを非常に低レベルで含むという利点を有する。
【0060】
さらに、本発明の方法は、それに応じて調製されたシラン架橋性ポリマー混合物(M)が比較的貯蔵安定であり、さらなる硬化触媒を加えなければ大気中の水分と非常にゆっくりとしか反応しないという利点を有する。このことは、それらを貯蔵することだけでなく、混合物のさらなる加工を行うことを容易にする。
【0061】
本発明の方法のさらなる利点は、調製されたポリマー混合物(M)を、例えば架橋性組成物の製造において、さらに直接用いることができることである。
【0062】
本発明で調製されたシラン末端ポリマー混合物(M)は、これまでシラン末端ポリマーを用いてきたところであればどこでも、用いることができる。
【0063】
また、本発明は、上記方法により調製可能なポリマー混合物(M)を提供する。
【0064】
それらは、架橋性組成物、とりわけ接着剤およびシーラント、ならびに塗料(coatings)を製造するのに特に適している。架橋性組成物は、特に室温で硬化可能である。このようなポリマーからのシラン架橋性塗料、接着剤およびシーラントの製造は、例えばEP1535940Aなどの文献に既に多く記載されている。これらの文献に記載されているシラン末端ポリマーに基づく水分硬化性配合物、その文脈で採用されているさらなる成分、およびそのような配合物を製造するためにそこに記載されている方法は、完全に配合された塗料、接着剤およびシーラントについてそこに記載されている用途と同様に、本明細書の開示内容の一部とみなされる。
【0065】
以下に説明する例において、粘度の数値はすべて温度20℃に基づく。特に断らない限り、以下の例は、周囲の大気の圧力下、言い換えれば約1000hPaで、室温、言い換えれば約20℃、または反応物を追加の加熱もしくは冷却なしに室温で混合したときに生じる温度で行う。
【実施例】
【0066】
例1a:シラン末端ポリプロピレングリコールの混合物の調製
攪拌、冷却および加熱の設備を備える1000mlの反応容器に、18,000g/molの平均モル質量Mnを有するヒドロキシ両末端(double-sidedly hydroxy-terminated)ポリプロピレングリコール(Covestro AG(Leverkusen、DE)からAcclaim(登録商標) 18200という名称で市販)を400.0g(22.2mmol)装入し、この初期装入物を攪拌しながら80℃および1mbarで2時間乾燥する。その後窒素で真空破壊を行う。その後の反応の全体は、窒素の不活性ガス雰囲気下で行う。
【0067】
シラン末端化を行うために、乾燥させたポリエーテルを、まず80℃で18.2g(88.8mmol)の3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(Wacker Chemie AG(Munich、DE)からGENIOSIL(登録商標) GF40という名称で市販)と滴下混合し、続いてエッペンドルフ型ピペットを用いて0.62gのBorchi catalyst 315(Borchers、ビスマスネオデカノエートを含む触媒)と混合する。これは、反応混合物の全重量に対して、150ppmの触媒の値に相当する。触媒の添加直後に、反応混合物を82~83℃まで温める。この後、80℃の温度で攪拌する。
【0068】
そのままの温度で60分後、5000g/molの平均モル質量Mnを有するモノヒドロキシ-モノブトキシ末端ポリプロピレングリコール(AGC Chemicals Europe,LTD(Amsterdam、NL)にてPreminol(登録商標) S 1005という名称で市販)を266.4g(53.3mmol)加える。この後、80℃でさらに60分間攪拌する。その後、反応混合物から試料を採取し、残存するイソシアナトシラン残留物の可能性のある存在について該試料をIR分析により分析する。この試料は、イソシアネートを含んでいない。
【0069】
例1b:シラン末端ポリプロピレングリコールの混合物の調製
手順は、例1aと同様であるが、以下のように修正した:
・プロセス工程1(Acclaim(登録商標) 18200とイソシアネート官能性シランとの反応)において、わずか13.7g(66.8mmol)という、より少ないシラン過剰量を用いる。
・プロセス工程2(過剰のイソシアネート官能性シランと単官能性ポリプロピレングリコールとの反応)において、対応するより少量の、133.2g(26.6mmol)のPreminol(登録商標) S 1005を加える。
【0070】
ここでも、イソシアネートを含まないポリマー混合物が得られる。
【0071】
比較例1c:非発明例のシラン末端ポリプロピレングリコールの調製
手順は、例1aと同様であるが、以下のように修正した:
・プロセス工程1(Acclaim(登録商標) 18200とイソシアネート官能性シランとの反応)において、わずか10.9g(53.3mmol)という、さらに少ないシラン過剰量を用いる。
・プロセス工程2において、Preminol(登録商標) S 1005を加えない。その代わりに、0.43g(13.4mmol)のメタノールを加えることにより、過剰のイソシアナトシランを破壊する。例1aとは対照的に、反応温度をプロセス工程2の開始時、すなわちメタノールの添加直前に60℃まで下げ、メタノールの添加後、この温度で攪拌を60分間継続する。
【0072】
得られたポリマーは、イソシアネートを含まない。
【0073】
例2a:接着性配合物の製造
40.0gの例1aのポリマー混合物を、ビームミキサーおよびディゾルバーを備える実験用遊星型ミキサー(PC-Laborsystem)内で、20gのジイソノニルフタレート(Merck KGaA(Darmstadt、DE)などの会社から市販)、4.0gのビニルトリメトキシシラン(Wacker Chemie AG(Munich、DE)からGENIOSIL(登録商標) XL 10という名称で市販)、1.0gの安定剤混合物(20%のIrganox(登録商標) 1135(CAS番号 125643-61-0)、40%のTinuvin(登録商標) 571(CAS番号 23328-53-2)、および40%のTinuvin(登録商標) 765(CAS番号 41556-26-7)の混合物、BASF SE(ドイツ)からTINUVIN(登録商標) B 75という名称で市販)、ステアリン酸で被覆されており、約2.0μmの平均粒子径(D50%)を有する炭酸カルシウム(Omya(Cologne、DE)からOmyabond 520という名称で市販)24.2g、および脂肪酸で被覆されており、約0.07μmの平均粒子径(D50%)を有する沈降炭酸カルシウム(Shiraishi Omya GmbH(Gummern、AT)からHakuenka CCR S10という名称で市販)72.6gと混合し、固体物質をビームミキサーを用いて200rpmで1分間よくかき混ぜる。その後、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで、攪拌を5分間継続する。
【0074】
さらに、ジイソノニルフタレートを30g、約200m2/gのBET表面積を有する疎水性焼成シリカ(Wacker Chemie AG(Munich、DE)からHDK(登録商標) H18という名称で市販)を6.0g、ジオクチルスズジラウレート(TIB Chemicals AG(Mannheim、DE)からTIB KAT 216という名称で市販)を0.2g、およびN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Wacker Chemie AG(Munich、DE)からGENIOSIL(登録商標) GF 9という名称で市販)を2g加え、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで1分間よくかき混ぜる。これに続いて、部分真空(約100mbar)下で、ビームミキサーを用いて600rpmで1分間、200rpmで1分間、均質化および無気泡攪拌を行う。
【0075】
こうして得られた組成物を310mlのPEカートリッジに分注し、分析前に20℃で24時間貯蔵する。
【0076】
例2b:接着性配合物の製造
手順は、例2aと同様であり、例1aのポリマー混合物を同量の例1bのポリマー混合物で置き換える。
【0077】
比較例2c:接着性配合物の製造(非発明例)
手順は、例2aと同様であり、例1aのポリマー混合物を同量の比較例1cのポリマーで置き換える。
【0078】
例3:製造した接着性配合物の物性プロファイルの測定
例2a~2cで得られた接着剤を架橋させた後、それらのスキニング(skinning)、それらの機械的物性、各種基材へのそれらの接着性について検討する。その結果は、表1に示すとおりである。
【0079】
皮膜時間(ST)
皮膜時間を測定するため、上記例で得られた架橋性組成物をPEフィルムに2mm層厚で塗布し、標準条件(23℃、相対大気湿度50%)下で貯蔵する。硬化の過程で、皮膜の形成を5分毎に試験する。これは、乾燥した実験用スパチュラをサンプルの表面に注意深く置き、上方に引き上げることにより行われる。サンプルがスパチュラに付着したままであれば、皮膜はまだ形成されていない。サンプルがスパチュラにもはや付着していなければ、皮膜が形成されており、その時間を記録する。
【0080】
機械的物性
上記組成物をそれぞれ、圧延されたテフロンプレートに深さ2mmでコーティングし、23℃、相対湿度50で2週間硬化させる。
【0081】
ショアA硬度は、DIN 53505に準拠して測定する。
引張強度は、DIN 53504-S1に準拠して測定する。
100%モジュラスは、DIN 53504-S1に準拠して測定する。
破断伸度は、DIN 53504-S1に準拠して測定する。
【0082】
水貯蔵無しでの接着プロファイル
上記組成物を用いて、それぞれの場合において、表1に示す基材に以下の条件で接着試験を行う。
【0083】
ビード(bead)を5~7cm厚で基材に塗布し、室温、相対湿度50%の調整キャビネット内で14日間貯蔵する。
貯蔵後、剥離試験を行い、ここで鋭利なナイフでビードの一端を基材から約2cmの長さに切り離す。その後、この切り口からビードの残りを基材から引き剥がし、その結果生じる破壊の性質(凝集性および/または接着性)を評価する。
【0084】
水貯蔵有りでの接着プロファイル
上記組成物を用いて、それぞれの場合において、表1に示す基材に以下の条件で接着試験を行う。
【0085】
ビードを5~7cm厚で基材に塗布し、室温、相対湿度50%の調整キャビネット内で14日間貯蔵する。その後、サンプルをさらに14日間、室温で水中で貯蔵する。
その後の剥離試験は、再び上記のように行う。
【0086】
【0087】
(+)良好な接着性/剥離試験で凝集破壊
(Φ)部分的な接着性/剥離試験で凝集および接着破壊
(-)接着性なし/剥離試験で接着破壊
* 非発明例
【0088】
例4a:シラン末端ポリエーテルの混合物の調製
攪拌、冷却および加熱の設備を備える1000mlの反応容器に、12,000g/molの平均モル質量Mnを有するヒドロキシ両末端ポリプロピレングリコール(Covestro AG(Leverkusen、DE)からAcclaim(登録商標) 12200という名称で市販)を400.0g(33.3mmol)装入し、この初期装入物を攪拌しながら80℃および1mbarで2時間乾燥する。その後窒素で真空破壊を行う。その後の反応の全体は、窒素の不活性ガス雰囲気下で行う。
【0089】
シラン末端化を行うために、乾燥させたポリエーテルを、まず80℃で12.9g(80.0mmol)のイソシアナトメチルメチルジメトキシシラン(Wacker Chemie AG(Munich、DE)からGENIOSIL(登録商標) XL42という名称で市販)と滴下混合し、続いてエッペンドルフ型ピペットを用いて0.62gのBorchi catalyst 315と混合する。触媒の添加直後に、反応混合物を83~84℃まで温める。この後、80℃の温度で攪拌する。
【0090】
そのままの温度で60分後、4.1g(20.0mmol)のメチルトリグリコールを加える。この後、80℃でさらに60分間攪拌する。その後、反応混合物から試料を採取し、残存するイソシアナトシラン残留物の可能性のある存在について該試料をIR分析により分析する。この試料は、イソシアネートを含んでいない。
【0091】
例4b:シラン末端ポリエーテルの混合物の調製
手順は、例4aと同様であるが、第2のプロセス工程では、メチルトリグリコール4.1gではなく、350g/molの平均分子量Mnを有するポリグリコールモノメチルエーテル(Clariant(Basel、CH)からPolyglycol M 350という名称で市販)7.0g(20mmol)を用いる。
【0092】
例5a:接着性配合物の製造
58.0gの例4aのポリマー混合物を、ビームミキサーおよびディゾルバーを備える実験用遊星型ミキサー(PC-Laborsystem)内で、40gのジイソウンデシルフタレート(ExxonMobilからJayflex DIUPという名称で市販)、4.0gのビニルトリメトキシシラン、およびステアリン酸で被覆されており、約0.4μmの平均粒子径(D50%)を有する粉砕炭酸カルシウム(Omya(Cologne、DE)からOmyabond 302という名称で市販)96.0gと混合し、該炭酸カルシウムをビームミキサーを用いて200rpmで1分間よくかき混ぜる。その後、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで、攪拌を5分間続ける。
【0093】
2gの3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Wacker Chemie AG(Munich、DE)からGENIOSIL(登録商標) GF 96という名称で市販)を加え、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで1分間よくかき混ぜる。これに続いて、部分真空(約100mbar)下で、ビームミキサーを用いて600rpmで1分間、200rpmで1分間、均質化および無気泡攪拌を行う。
【0094】
こうして得られた組成物を310mlのPEカートリッジに分注し、分析前に20℃で24時間貯蔵する。
【0095】
例5b:シーラント配合物の製造
手順は、例5aと同様であり、例4aのポリマー混合物を同量の例4bのポリマー混合物で置き換える。
【0096】
例6:製造したシーラント配合物の物性プロファイルの測定
例5aおよび5bで得られた接着剤を架橋させ、例3に記載の方法により、それらのスキニングおよびそれらの機械的物性について検討する。その結果は、表2に示すとおりである。
【0097】
【0098】
例7:シラン末端ポリエーテルの混合物の調製
攪拌、冷却および加熱の設備を備える1000mlの反応容器に、18,000g/molの平均モル質量Mnを有するヒドロキシ両末端ポリプロピレングリコール(Covestro AG(Leverkusen、DE)からAcclaim(登録商標) 18200という名称で市販)を400.0g(22.2mmol)装入し、この初期装入物を攪拌しながら80℃および1mbarで2時間乾燥する。その後窒素で真空破壊を行う。その後の反応の全体は、窒素の不活性ガス雰囲気下で行う。
【0099】
シラン末端化を行うために、乾燥させたポリエーテルを、まず80℃で10.9g(53.3mmol)の3-イソシアナトプロピルトリメトキシシランと滴下混合し、続いてエッペンドルフ型ピペットを用いて0.62gのBorchi catalyst 315と混合する。触媒の添加直後に、反応混合物を82~83℃まで温める。この後、80℃の温度で攪拌する。
【0100】
そのままの温度で60分後、350g/molの平均分子量Mnを有するポリグリコールモノメチルエーテル(Clariant(Basel、CH)からPolyglycol M 350という名称で市販)を4.7g(13.4mmol)加える。この後、80℃でさらに60分間攪拌する。その後、反応混合物から試料を採取し、残存するイソシアナトシラン残留物の可能性のある存在について該試料をIR分析により分析する。この試料は、イソシアネートを含んでいない。
【0101】
例8:接着性配合物の製造およびその物性の測定
58.0gの例7のポリマー混合物を、ビームミキサーおよびディゾルバーを備える実験用遊星型ミキサー(PC-Laborsystem)内で、40gのジイソウンデシルフタレート(ExxonMobilからJayflex DIUPという名称で市販)、4.0gのビニルトリメトキシシラン、およびステアリン酸で被覆されており、約0.4μmの平均粒子径(D50%)を有する粉砕炭酸カルシウム(Omya(Cologne、DE)からOmyabond 302という名称で市販)95.6gと混合し、該炭酸カルシウムをビームミキサーを用いて200rpmで1分間よくかき混ぜる。その後、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで、攪拌を5分間続ける。
【0102】
2gの3-アミノプロピルトリメトキシシランおよび0.4gのジオクチルスズジラウレートを加え、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで1分間よくかき混ぜる。これに続いて、部分真空(約100mbar)下で、ビームミキサーを用いて600rpmで1分間、200rpmで1分間、均質化および無気泡攪拌を行う。
【0103】
こうして得られた組成物を310mlのPEカートリッジに分注し、分析前に20℃で24時間貯蔵する。
【0104】
得られた接着剤を架橋させ、例3に記載の方法により、そのスキニングおよびその機械的物性について調べる。皮膜時間は17分、ショアA硬度は49、引張強度は2.6N/mm2、100%モジュラスは1.23N/mm2、破断伸度は209%である。
【0105】
例9a:シラン末端ポリエーテルの混合物の調製
攪拌、冷却および加熱の設備を備える1000mlの反応容器に、12,000g/molの平均モル質量Mnを有するヒドロキシ両末端ポリプロピレングリコール(Covestro AG(Leverkusen、DE)からAcclaim(登録商標) 12200という名称で市販)を400.0g(33.3mmol)装入し、この初期装入物を攪拌しながら80℃および1mbarで2時間乾燥する。その後窒素で真空破壊を行う。その後の反応の全体は、窒素の不活性ガス雰囲気下で行う。
【0106】
シラン末端化を行うために、乾燥させたポリエーテルを、まず80℃で21.5g(133.2mmol)のイソシアナトメチルメチルジメトキシシランと滴下混合し、続いてエッペンドルフ型ピペットを用いて0.62gのBorchi catalyst 315と混合する。触媒の添加直後に、反応混合物を約84℃まで温める。この後、80℃の温度で攪拌する。
【0107】
そのままの温度で60分後、300g/molの平均モル質量Mnを有するヒドロキシ両末端ポリグリコール(Clariant(Basel、CH)からPolyglycol 300という名称で市販)を12.0g(40.0mmol)加える。この後、80℃でさらに60分間攪拌する。その後、反応混合物から試料を採取し、残存するイソシアナトシラン残留物の可能性のある存在について該試料をIR分析により分析する。この試料は、イソシアネートを含んでいない。
【0108】
例9b:シラン末端ポリエーテルの混合物の調製
手順は、例9aと同様であるが、以下のように修正した:
・プロセス工程1(Acclaim(登録商標) 12200とイソシアネート官能性シランとの反応)において、わずか16.1g(99.9mmol)という、より少ないシラン過剰量を用いる。
・プロセス工程2(過剰のイソシアネート官能性シランと二官能性エチレングリコールとの反応)において、対応するより少量の、7.5g(25.0mmol)のPolyglycol 300を加える。
【0109】
ここでも、イソシアネートを含まないポリマー混合物が得られる。
【0110】
比較例9c:非発明例のシラン末端ポリプロピレングリコールの調製
手順は、例9aと同様であるが、以下のように修正した:
・プロセス工程1(Acclaim(登録商標) 12200とイソシアネート官能性シランとの反応)において、わずか12.9g(79.9mmol)という、さらに少ないシラン過剰量を用いる。
・プロセス工程2において、Polyglycol 300を加えない。その代わりに、0.64g(20.0mmol)のメタノールを加えることにより、過剰のイソシアナトシランを破壊する。例9aとは対照的に、反応温度をプロセス工程2の開始時、すなわちメタノールの添加直前に60℃まで下げ、メタノールの添加後、この温度で60分間攪拌を継続する。
【0111】
得られたポリマーは、イソシアネートを含まない。
【0112】
例10a:接着性配合物の製造
58.0gの例9aのポリマー混合物を、ビームミキサーおよびディゾルバーを備える実験用遊星型ミキサー(PC-Laborsystem)内で、40gのジイソウンデシルフタレート(ExxonMobilからJayflex DIUPという名称で市販)、4.0gのビニルトリメトキシシラン、およびステアリン酸で被覆されており、約0.4μmの平均粒子径(D50%)を有する粉砕炭酸カルシウム(Omya(Cologne、DE)からOmyabond 302という名称で市販)96.0gと混合し、該炭酸カルシウムをビームミキサーを用いて200rpmで1分間よくかき混ぜる。その後、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで、攪拌を5分間続ける。
【0113】
2gの3-アミノプロピルトリメトキシシランを加え、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで1分間よくかき混ぜる。これに続いて、部分真空(約100mbar)下で、ビームミキサーを用いて600rpmで1分間、200rpmで1分間、均質化および無気泡攪拌を行う。
【0114】
こうして得られた組成物を310mlのPEカートリッジに分注し、分析前に20℃で24時間貯蔵する。
【0115】
例10b:接着性配合物の製造
手順は、例10aと同様であり、例9aのポリマー混合物を同量の例9bのポリマー混合物で置き換える。
【0116】
比較例10c:接着性配合物の製造
手順は、例9aと同様であり、例9aのポリマー混合物を同量の比較例9cのポリマーで置き換える。
【0117】
例11:製造した接着性配合物の物性プロファイルの測定
例10a~10cで得られた接着剤を架橋させ、例3に記載の方法により、それらのスキニングおよびそれらの機械的物性について検討する。その結果は、表3に示すとおりである。
【0118】
【0119】
* 非発明例
【0120】
例12:シラン末端ポリエーテルの混合物の調製
攪拌、冷却および加熱の設備を備える1000mlの反応容器に、12,000g/molの平均モル質量Mnを有するヒドロキシ両末端ポリプロピレングリコール(Covestro AG(Leverkusen、DE)からAcclaim(登録商標) 12200という名称で市販)を400.0g(33.3mmol)装入し、この初期装入物を攪拌しながら80℃および1mbarで2時間乾燥する。その後窒素で真空破壊を行う。その後の反応の全体は、窒素の不活性ガス雰囲気下で行う。
【0121】
シラン末端化を行うために、乾燥させたポリエーテルを、まず80℃で12.9g(80.0mmol)のイソシアナトメチルメチルジメトキシシランと滴下混合し、続いてエッペンドルフ型ピペットを用いて0.62gのBorchi catalyst 315と混合する。触媒の添加直後に、反応混合物を83~84℃まで温める。この後、80℃の温度で攪拌する。
【0122】
そのままの温度で60分後、200g/molの平均モル質量Mnを有するヒドロキシ両末端ポリグリコールを4.0g(20.0mmol)加える。この後、80℃でさらに60分間攪拌する。その後、反応混合物から試料を採取し、残存するイソシアナトシラン残留物の可能性のある存在について該試料をIR分析により分析する。この試料は、イソシアネートを含んでいない。
【0123】
例13:接着性配合物の製造およびその物性の測定
58.0gの例12のポリマー混合物を、ビームミキサーおよびディゾルバーを備える実験用遊星型ミキサー(PC-Laborsystem)内で、40gのジイソウンデシルフタレート(ExxonMobilからJayflex DIUPという名称で市販)、4.0gのビニルトリメトキシシラン、およびステアリン酸で被覆されており、約0.4μmの平均粒子径(D50%)を有する粉砕炭酸カルシウム(Omya(Cologne、DE)からOmyabond 302という名称で市販)96.0gと混合し、該炭酸カルシウムをビームミキサーを用いて200rpmで1分間よくかき混ぜる。その後、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで、攪拌を5分間続ける。
【0124】
2gの3-アミノプロピルトリメトキシシランを加え、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで1分間よくかき混ぜる。これに続いて、部分真空(約100mbar)下で、ビームミキサーを用いて600rpmで1分間、200rpmで1分間、均質化および無気泡攪拌を行う。
【0125】
こうして得られた組成物を310mlのPEカートリッジに分注し、分析前に20℃で24時間貯蔵する。
【0126】
得られた接着剤を架橋させ、例3に記載した方法により、そのスキニングおよびその機械的物性について調べる。皮膜時間は14分、ショアA硬度は44、引張強度は2.1N/mm2、100%モジュラスは1.34N/mm2、破断伸度は170%である。
【0127】
例14:シラン末端ポリエーテルの混合物の調製
攪拌、冷却および加熱の設備を備える1000mlの反応容器に、18,000g/molの平均モル質量Mnを有するヒドロキシ両末端ポリプロピレングリコール(Covestro AG(Leverkusen、DE)からAcclaim(登録商標) 18200という名称で市販)を400.0g(22.2mmol)装入し、この初期装入物を攪拌しながら80℃および1mbarで2時間乾燥する。その後窒素で真空破壊を行う。その後の反応の全体は、窒素の不活性ガス雰囲気下で行う。
【0128】
シラン末端化を行うために、乾燥させたポリエーテルを、まず80℃で8.6g(53.3mmol)のイソシアナトメチルメチルジメトキシシランと滴下混合し、続いてエッペンドルフ型ピペットを用いて0.62gのBorchi catalyst 315と混合する。触媒の添加直後に、反応混合物を82~83℃まで温める。この後、80℃の温度で攪拌する。
【0129】
そのままの温度で60分後、200g/molの平均モル質量Mnを有するヒドロキシ両末端ポリグリコール(Clariant(Basel、CH)からPolyglycol 300という名称で市販)を1.3g(6.5mmol)加える。この後、80℃でさらに60分間攪拌する。その後、反応混合物から試料を採取し、残存するイソシアナトシラン残留物の可能性のある存在について該試料をIR分析により分析する。この試料は、イソシアネートを含んでいない。
【0130】
例15:接着性配合物の製造およびその物性の測定
58.0gの例14のポリマー混合物を、ビームミキサーおよびディゾルバーを備える実験用遊星型ミキサー(PC-Laborsystem)内で、40gのジイソウンデシルフタレート(ExxonMobilからJayflex DIUPという名称で市販)、4.0gのビニルトリメトキシシラン、およびステアリン酸で被覆されており、約0.4μmの平均粒子径(D50%)を有する粉砕炭酸カルシウム(Omya(Cologne、DE))からOmyabond 302という名称で市販)96gと混合し、該炭酸カルシウムをビームミキサーを用いて200rpmで1分間よくかき混ぜる。その後、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで、攪拌を5分間続ける。
【0131】
2gの3-アミノプロピルトリメトキシシランを加え、ビームミキサーを用いて600rpm、ディゾルバーを用いて1000rpmで1分間よくかき混ぜる。これに続いて、部分真空(約100mbar)下で、ビームミキサーを用いて600rpmで1分間、200rpmで1分間、均質化および無気泡攪拌を行う。
【0132】
こうして得られた組成物を310mlのPEカートリッジに分注し、分析前に20℃で24時間貯蔵する。
【0133】
得られた接着剤を架橋させ、例3に記載の方法により、そのスキニングおよびその機械的物性について調べる。皮膜時間は20分、ショアA硬度は40、引張強度は2.5N/mm2、100%モジュラスは0.82N/mm2、破断伸度は317%である。