(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】リフト装置および無人搬送車
(51)【国際特許分類】
B66F 7/06 20060101AFI20240509BHJP
B25J 17/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B66F7/06 C
B25J17/00 H
(21)【出願番号】P 2022563065
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2021076037
(87)【国際公開番号】W WO2021208579
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】202020585967.1
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519059292
【氏名又は名称】杭州海康机器人股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Hikrobot Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 304, Unit B, Building 2, 399 Dangfeng Road, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang 310051, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】夏 ▲ジェ▼
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0047834(US,A1)
【文献】特開平07-323996(JP,A)
【文献】特開昭63-171797(JP,A)
【文献】中国実用新案第212049253(CN,U)
【文献】中国実用新案第212050356(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110615218(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110615376(CN,A)
【文献】中国実用新案第208603643(CN,U)
【文献】特開2000-211897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 7/06
B25J 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力アセンブリと、動力アセンブリに接続される駆動軸と、を含むリフト装置であって、
前記駆動軸には第1揺動アームと第2揺動アームとが接続されており、前記第1揺動アームと前記第2揺動アームとは間隔を空けて設置されており、
前記第1揺動アームには第1リンク機構がヒンジ連結されており、前記第2揺動アームには第2リンク機構がヒンジ連結されており、前記第1リンク機構の頂部および前記第2リンク機構の頂部にはリフトプラットフォームが設置されて
おり、
前記駆動軸において前記第1揺動アームと前記第2揺動アームとの間に歯車が固定接続されており、前記歯車は円周上に切欠きを有し、前記動力アセンブリは前記歯車によって前記駆動軸に接続されている、
リフト装置。
【請求項2】
前記駆動軸には第1固定バンドと第2固定バンドとが対称に設置されており、前記第1固定バンドの一端と前記第2固定バンドの一端とはそれぞれ前記駆動軸に固定接続されており、前記第1固定バンドの他端には前記第1揺動アームが接続されており、前記第2固定バンドの他端には前記第2揺動アームが接続されている、
請求項1に記載のリフト装置。
【請求項3】
前記第1固定バンドの他端は前記第1揺動アームにヒンジ連結されており、前記第2固定バンドの他端は前記第2揺動アームにヒンジ連結されている、
請求項2に記載のリフト装置。
【請求項4】
前記第1固定バンドの他端と前記第2固定バンドの他端とは接続軸によって接続されており、前記接続軸と前記駆動軸とは平行に設置されている、
請求項2に記載のリフト装置。
【請求項5】
前記歯車は円周上に切欠きを有し、前記接続軸は前記切欠きを通る、
請求項4に記載のリフト装置。
【請求項6】
前記第1リンク機構と前記第2リンク機構とは、マルチリンク機構である、
請求項1に記載のリフト装置。
【請求項7】
前記第1リンク機構と前記第2リンク機構とはそれぞれ、第1リンクと、第2リンクと、第3リンクと、第4リンクと、第5リンクと、を含み、
前記第1リンクの一端と前記第2リンクの一端とは、ともに固定ヒンジ連結点にヒンジ連結されており、前記第3リンクは、前記第1リンクの他端と前記第2リンクの他端とのそれぞれにヒンジ連結されており、前記第1リンクと前記第2リンクと前記第3リンクとは、平行四辺形機構を構成しており、
前記第4リンクの一端は前記第1リンクの他端にヒンジ連結されており、前記第5リンクの一端は前記第2リンクの他端にヒンジ連結されており、前記第1リンク機構の第5リンクの他端は前記第1揺動アームにヒンジ連結されており、前記第2リンク機構の第5リンクの他端は前記第2揺動アームにヒンジ連結されており、
前記第4リンクの他端と前記第5リンクの他端とはそれぞれ、前記リフトプラットフォームに接続されている、
請求項1または6に記載のリフト装置。
【請求項8】
前記第1リンク機構の前記第4リンクの他端と前記第2リンク機構の前記第4リンクの他端とのそれぞれには、斜め部材がヒンジ連結されており、前記斜め部材の自由端は固定ヒンジ連結点にヒンジ連結されている、
請求項7に記載のリフト装置。
【請求項9】
前記第1リンク機構と前記第2リンク機構とは、軸によって横方向に接続されている、
請求項1に記載のリフト装置。
【請求項10】
車体と、
請求項1~9のいずれか一項に記載のリフト装置と、を含む無人搬送車であって、
前記車体には軸受台が設置されており、前記駆動軸の両端は前記軸受台に回動可能に接続されており、前記動力アセンブリは前記駆動軸の回動を駆動するように前記車体に設置されており、前記第1リンク機構と前記第2リンク機構とは前記車体にヒンジ連結されている、
無人搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年4月17日に中国特許局に提出された、出願番号が202020585967.1であり、発明の名称が「リフト装置および無人搬送車」である中国特許出願の優先権を主張し、その全部の内容が引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本開示は、車輪移動ロボット技術分野に関し、特に、リフト装置および無人搬送車に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来、リフティングを実現する技術として、主に、一本のスクリューによるリフティングや、複数本のスクリューによるリフティングなどがある。一本のスクリューによるリフティング方式は、リフト荷重がスクリューの直径によって限られており、荷重量を増加させるために、スクリューの直径を増大させる必要があり、それと協働する伝動歯車やベアリングも大きくなり、加工の難易度が高くなり、加工コストを増加させる。複数本のスクリューによるリフティング方式は、複数本のスクリューの協働によるリフティングを実現するために、組み立て精度の要求が高くなり、それに応じて、部品に対する加工精度の要求も高くなり、加工の難易度が高くなり、加工コストを増加させる。そのため、一本のスクリューでも、複数本のスクリューでも、リフティングの実現は、コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のような事情に鑑み、本開示実施例は、コストが低く、且つリフト荷重が大きいリフト装置および無人搬送車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の第1態様によれば、リフト装置を提供する。前記リフト装置は、動力アセンブリと、動力アセンブリに接続される駆動軸と、を含み、前記駆動軸には、第1揺動アームと第2揺動アームとが接続されており、前記第1揺動アームと前記第2揺動アームとは間隔をあけて設置されており、
前記第1揺動アームには第1リンク機構がヒンジ連結されており、前記第2揺動アームには第2リンク機構がヒンジ連結されており、前記第1リンク機構の頂部および前記第2リンク機構の頂部にはリフトプラットフォームが設置されている。
【0006】
いくつかの実施例において、前記駆動軸には第1固定バンドと第2固定バンドとが対称に設置されており、前記第1固定バンドの一端と前記第2固定バンドの一端とはそれぞれ前記駆動軸に固定接続されており、前記第1固定バンドの他端には前記第1揺動アームが接続されており、前記第2固定バンドの他端には前記第2揺動アームが接続されている。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1固定バンドの他端は前記第1揺動アームにヒンジ連結されており、前記第2固定バンドの他端は前記第2揺動アームにヒンジ連結されている。
【0008】
いくつかの実施例において、前記第1固定バンドの他端と前記第2固定バンドの他端とは接続軸によって接続されており、前記接続軸と前記駆動軸とは平行に設置されている。
【0009】
いくつかの実施例において、前記駆動軸には前記第1揺動アームと前記第2揺動アームとの間に歯車が固定接続されており、前記動力アセンブリは前記歯車によって前記駆動軸に接続されており、前記歯車は円周上に切欠きを有し、前記接続軸は前記切欠きを通る。
【0010】
いくつかの実施例において、前記駆動軸には前記第1揺動アームと前記第2揺動アームとの間に歯車が固定接続されており、前記歯車は円周上に切欠きを有し、前記動力アセンブリは前記歯車によって前記駆動軸に接続されている。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第1リンク機構と前記第2リンク機構とは、マルチリンク機構である。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第1リンク機構と前記第2リンク機構とはそれぞれ、第1リンクと、第2リンクと、第3リンクと、第4リンクと、第5リンクと、を含み、
前記第1リンクの一端と前記第2リンクの一端とはいずれも、固定ヒンジ連結点にヒンジ連結されており、前記第3リンクは、前記第1リンクの他端と前記第2リンクの他端とのそれぞれにヒンジ連結されており、前記第1リンクと前記第2リンクと前記第3リンクとは平行四辺形機構を構成しており、
前記第4リンクの一端は前記第1リンクの他端にヒンジ連結されており、前記第5リンクの一端は前記第2リンクの他端にヒンジ連結されており、前記第1リンク機構の第5リンクの他端は前記第1揺動アームにヒンジ連結されており、前記第2リンク機構の第5リンクの他端は前記第2揺動アームにヒンジ連結されており、
前記第4リンクの他端と前記第5リンクの他端とはそれぞれ、前記リフトプラットフォームに接続されている。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第1リンク機構の前記第4リンクの他端と前記第2リンク機構の前記第4リンクの他端とのそれぞれには、斜め部材がヒンジ連結されており、前記斜め部材の自由端は固定ヒンジ連結点にヒンジ連結されている。
【0014】
いくつかの実施例において、前記第1リンク機構と前記第2リンク機構とは、軸によって横方向に接続されている
【0015】
本開示の実施例の第2態様によれば、無人搬送車を提供する。前記無人搬送車は、車体と、第1態様のいずれかに記載のリフト装置と、を含み、前記車体には軸受台が設置されており、前記駆動軸の両端は前記軸受台に回動可能に接続されており、前記動力アセンブリは前記駆動軸の回動を駆動するように、前記車体に設置されており、前記第1リンク機構と前記第2リンク機構とは前記車体にヒンジ連結されている。
【0016】
本開示の実施例が提供するリフト装置および無人搬送車は、動力アセンブリと、動力アセンブリに接続される駆動軸と、を含み、前記駆動軸には第1揺動アームと第2揺動アームとが接続されており、前記第1揺動アームと第2揺動アームとは間隔をあけて設置されており、前記第1揺動アームには第1リンク機構がヒンジ連結されており、前記第2揺動アームには第2リンク機構がヒンジ連結されており、前記第1リンク機構および第2リンク機構の頂部にはリフトプラットフォームが設置されている。本発明は、マルチリンクでリフティングする技術案を提供し、コストが低い。複数のリンク機構の協働でリフティングすることで、リフト荷重を向上させる。
【0017】
本開示実施例および従来技術の技術案をより明らかに説明するためには、以下、実施例および従来技術の説明に必要となる図面について、簡単に説明する。以下の説明における図面は、本開示のある実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩性を有する努力をせずに、これらの図面に基づいて他の実施例を得ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は本開示のいくつかの実施例に係るリフト装置の構成正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の目的、技術案、および利点をより明らかに説明するためには、以下、図面を参照して実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。勿論、説明される実施例は単に本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本開示の実施例に基づき、当業者が進歩性を有する努力をせずに、得る他の実施例はすべて本願の保護範囲に属する。
【0020】
図1は本開示のいくつかの実施例に係るリフト装置の構成正面図である。
図2は
図1に示すリフト装置の部分構成模式図である。
図3は
図1に示すリフト装置の右側面図である。
図1~
図3に示すように、本開示実施例はリフト装置を提供する。前記リフト装置は、動力アセンブリ(図示せず)と、動力アセンブリに接続される駆動軸1と、を含む。駆動軸1には第1揺動アーム2と第2揺動アーム3とが接続されており、第1揺動アーム2と第2揺動アーム3とは間隔をあけて設置されている。即ち、第1揺動アーム2と第2揺動アーム3とはいずれも駆動軸1に接続されており、且つ、第1揺動アーム2と第2揺動アーム3との間に間隔がある。
【0021】
第1揺動アーム2には第1リンク機構4がヒンジ連結されており、第2揺動アーム3には第2リンク機構(図示せず)がヒンジ連結されている。第1リンク機構4の頂部および第2リンク機構の頂部にはリフトプラットフォーム40が設置されている。ここで、第1リンク機構4の頂部および第2リンク機構の頂部にはリフトプラットフォーム40が設置されていることは、第1リンク構成4の頂部が第2リンク機構の頂部とともに1つのリフトプラットフォーム40に接続することであって、または、第1リンク機構4の頂部には一方のリフトプラットフォーム40が接続され、第2リンク機構の頂部には他方のリフトプラットフォーム40が接続され、2つのリフトプラットフォーム40同士は他の接続部品によって、2つのリフトプラットフォーム40が同じ動き状態を維持でき、2つのリフトプラットフォーム40における物体を載せる表面を常に同一平面にすることができるように、固定接続されている。
【0022】
ここて、動力アセンブリは、電動機動力アクチュエータユニットであってよく、油圧動力アクチュエータユニットであってもよい。動力アセンブリは、動力を提供し、駆動軸1の回動を駆動するためのものである。駆動軸1、第1揺動アーム2および第2揺動アーム3は、リフト装置の動力構成要素であり、第1リンク機構4と第2リンク機構とを駆動して予定の軌道に沿って運動させ、リンク機構の協働によってリフトプラットフォームを昇降させて、リフト機能を実現する。このようなリフティング方式は、リフト荷重が大きく、柔軟で便利であり、且つコストも低い。
【0023】
図1はリフト装置の一方の側の構成を示す基本的な図面であり、他方の側には対称的な構成が設けられ図示されていないこと、即ち、
図1には第2リンク機構および第2揺動アーム3が示されていないことが理解すべきである。
【0024】
本開示に係る実施例が提供するリフト装置は、動力アセンブリと、動力アセンブリに接続される駆動軸1と、を含み、駆動軸1には第1揺動アーム2と第2揺動アーム3とが接続されており、第1揺動アーム2と第2揺動アーム3とは間隔をあけて設置されており、第1揺動アーム2には第1リンク機構4がヒンジ連結されており、第2揺動アーム3には第2リンク機構(図示せず)がヒンジ連結されており、第1リンク機構4の頂部および第2リンク機構の頂部にはリフトプラットフォームが設置されている。本開示に係る実施例は、マルチリンクでリフティングする技術案を提供し、マルチリンク機構同士の対偶が低次対偶であり、その摩耗が少ないため、メンテナンスコストが低い。そして、マルチリンク機構は、組立精度に対する要求が低く、製造に便利であり、製造コストが低いため、本開示における実施例に係るリフト装置は、コストが低い。また、複数のリンク機構の協働でリフティングすることによって、リフト荷重が大きい。
【0025】
図2に示すように、駆動軸1には第1固定バンド(hold hoop)5と第2固定バンド6とが対称に設置されている。第1固定バンド5の一端と第2固定バンド6の一端とはそれぞれ駆動軸1に固定接続されている。第1固定バンド5の他端には第1揺動アーム2が接続されており、第2固定バンド6の他端には第2揺動アーム3が接続されている。
【0026】
固定バンドを利用して第1揺動アーム2および第2揺動アーム3と駆動軸1とを接続することで、ねじなどの接続手段の利用によるリフト装置の長時間運転中の緩みや外れることのリスクを低減できる。そのため、リフト装置の作動安定性を高めることができる。そして、固定バンドは、着脱に容易であるという特性があるため、着脱メンテナンスコストがさらに低い。
【0027】
第1固定バンド5と第2固定バンド6とは、自体の接続構造7を介して締結部品で固定される。締結部品は、ねじまたはボルトであってもよい。
【0028】
いくつかの実施例において、第1固定バンド5と第2固定バンド6とは、さらに、サークリップによって駆動軸1に固定接続されている。例えば、駆動軸1の周方向に沿って凹溝が少なくとも2つ設置され、各凹溝内にサークリップをそれぞれ取り付けており、且つ、少なくとも1つのサークリップが第1固定バンド5の側面に接触し、少なくとも1つのサークリップが第2固定バンド6の側面に接触する。これにより、リフト装置の運転中において第1固定バンド5および第2固定バンド6の軸方向の移動を制限するため、リフティングの安定性を向上できる。
【0029】
第1固定バンド5と第2固定バンド6とは、同じ構成であってよい。即ち、第1固定バンド5と第2固定バンド6とはいずれも、上部固定バンドリング8と下部固定バンド台9とを含み、上部固定バンドリング8と下部固定バンド台9とが接続する箇所に接続構造7が設置されている。接続構造7は、具体的に、上部固定バンドリング8に設置されている上部接続用突出部と、下部固定バンド台9に設置されている下部接続用突出部と、を含み、且つ上部接続用突出部と下部接続用突出部とはいずれも接続孔が設置されている。これによって、締結部品を接続孔に通過させて、上部固定バンドリング8と下部固定バンド台9の上端とを固定接続することにより、上部固定バンドリング8と下部固定バンド台9とは駆動軸1を挟んで、駆動軸1に固定される。下部固定バンド台9の下端には、他の部品、部件を接続するためのヒンジ連結孔がさらに設置されており、例えば、接続軸10を接続することに用いてよい。
【0030】
いくつかの実施例において、第1固定バンド5の他端は第1揺動アーム2にヒンジ連結されており、第2固定バンド6の他端は第2揺動アーム3にヒンジ連結されている。第1固定バンド5と第2固定バンド6とは駆動軸1を挟んで、駆動軸1に固定されているため、駆動軸1が回動すると、駆動軸1は第1固定バンド5と第2固定バンド6とを動かして同時に回動させ、第1固定バンド5は第1揺動アーム2を動かして、予定の方向に沿って揺動させ、第2固定バンド6は第2揺動アーム3を動かして、予定の方向に沿って揺動させることで、第1リンク機構4と第2リンク機構とを動かして、それらの協働によってリフトプラットフォーム40を昇降させ、物体をリフティングする。
【0031】
いくつかの実施例において、第1固定バンド5の他端と第2固定バンド6の他端とは接続軸10によって接続されており、接続軸10が駆動軸1に対して平行に設置されている。接続軸10の両端はそれぞれ、第1固定バンド5のヒンジ連結孔および第2固定バンド6のヒンジ連結孔に固定接続できる。第1揺動アーム2は、接続軸10の外周、且つ第1固定バンド5に近い位置に取り付けられてよい。同様に、第2揺動アーム3は、接続軸10の外周、且つ第2固定バンド6に近い位置に取り付けられてよい。これにより、第1固定バンド5と第2固定バンド6とが回動すると、接続軸10を動かして回動させ、接続軸10が第1揺動アーム2と第2揺動アーム3とを動かして同期に回動させることで、第1リンク機構4と第2リンク機構とを動かして、それらの協働によってリフトプラットフォーム40を昇降させる。そのため、上記した実施形態を用いれば、一方では、駆動軸1の両側における第1リンク機構4と第2リンク機構との協働によるリフティングの同期性を向上することで、リフティングの安定性を向上させ、他方では、接続軸10を追加設置することによって、駆動軸1と、第1揺動アーム2と、第2揺動アーム3と、接続軸10とが、フレーム型構造を形成し、その安定性および強度が高いため、物体のリフティング中に部品が壊れることを低減でき、リフト荷重をさらに向上できる。
【0032】
いくつかの実施例において、駆動軸1には、第1揺動アーム2と第2揺動アーム3との間に歯車11が固定接続されており、動力アセンブリは歯車11によって駆動軸1に接続されており、歯車11は円周上に切欠き14を有する。
【0033】
切欠き14を有する歯車11によって駆動軸1を動かして回動させることで、歯車11の構造を改良するため、駆動軸1の回動角度を制限するためのストッパーを別途設置する必要がなくでも、駆動軸1の回動角度を制限することができ、コストを低減できることに加えて、本開示の実施例に係るリフト装置の構成をより簡単になることもできる。
【0034】
いくつかの実施例において、接続軸10は、切欠き14を通過する。これにより、接続軸10は、歯車11の切欠き14に接触することによって、歯車11が回動すると、切欠き14により接続軸10に対して、接続軸10を駆動して回動させる駆動力を提供することができ、接続軸10は歯車11に対して反力を提供することができ、即ち、歯車11を支持する作用を奏しえるため、歯車11の伝動の安定性を向上することができる。なお、歯車11と第1固定バンド5及び第2固定バンド6とはいずれも、接続軸10に駆動力を提供することができることで、接続軸10にかかる反力を分散させ、第1固定バンド5と第2固定バンドとにかかる反力の大きさをさらに減少できるため、第1固定バンド5および第2固定バンド6の大きな反力による損傷を減少することができる。
【0035】
いくつかの実施例において、第1リンク機構4と第2リンク機構とはマルチリンク機構である。
ここで、第1リンク機構4と第2リンク機構とは対称に設置されている。
【0036】
いくつかの実施例において、第1リンク機構4と第2リンク機構とは、軸13によって横方向に接続されている。これにより、第1リンク機構4と第2リンク機構とは一体的な構造を形成し、第1リンク機構4と第2リンク機構とが協働してリフティングする過程において、さらに、安定性を向上することができる。
【0037】
図1に示すように、いくつかの実施形態において、第1リンク機構4と第2リンク機構とは同じ構成であってよく、即ち、第1リンク機構4と第2リンク機構とはそれぞれ、第1リンク41と、第2リンク42と、第3リンク43と、第4リンク44と、第5リンク45と、を含んでよい。
【0038】
第1リンク41の一端は固定ヒンジ連結点46にヒンジ連結されており、第2リンク42の一端は固定ヒンジ連結点47にヒンジ連結されており、第3リンク43は第1リンク41の他端と第2リンク42の他端とのそれぞれにヒンジ連結されており、第1リンク41と、第2リンク42と、第3リンク43とは、平行四辺形機構を構成している。
【0039】
第4リンク44の一端は、第1リンク41の他端にヒンジ連結されているとともに、ヒンジ連結点48にヒンジ連結されている。第5リンク45の一端は第2リンク42の他端にヒンジ連結されている。第1リンク機構4の第5リンク45の他端は第1揺動アーム2にヒンジ連結されているとともに、ヒンジ連結点49にヒンジ連結されている。第2リンク機構の第5リンク45の他端は第2揺動アーム3にヒンジ連結されており、そのヒンジ連結点は第2リンクのヒンジ連結点(図示せず)と定義され、且つヒンジ連結点49と左右に対応する。第4リンク44の他端と第5リンク45の他端とはそれぞれ、リフトプラットフォーム40に接続されている。
【0040】
本開示の実施例において、動力アセンブリは駆動軸1を駆動して、第1揺動アーム2と第2揺動アーム3とを回動させる。第1揺動アーム2と第2揺動アーム3とにより、ヒンジ連結点49および第2リンクのヒンジ連結点に回動力を作用させ、第1リンク機構4と第2リンク機構とをそれぞれ動かして、鉛直方向に沿って運動させることで、リフトプラットフォーム上の物体を昇降させることができる。
【0041】
いくつかの実施例において、第1リンク機構4の第4リンク44の他端と第2リンク機構の第4リンク44の他端とのそれぞれには、斜め部材12がヒンジ連結されており、斜め部材12の自由端121は固定ヒンジ連結点にヒンジ連結されている。
【0042】
本開示の実施例に係るリフト装置の作動状態において、動力アセンブリは、駆動力を提供することで、第4リンク44が一端のヒンジ連結軸回りに回動することによる動きが不確定になる状況が発生することを防止することができる。即ち、動力アセンブリは、第1リンク機構4および第2リンク機構のリンクが予定のルートに従って動かない状況を防止することができる。しかし、いったん動力アセンブリが故障すると、第1リンク機構4と第2リンク機構とは、他の引く力がかからない場合、リンクが予定のルートに従って動かない可能性がある。これは、リフティング過程において、安全性のリスクが生じる原因となる。
【0043】
本開示の実施例は、第1リンク機構4および第2リンク機構の第4リンク44の他端に斜め部材12をヒンジ連結し、斜め部材12の自由端を固定ヒンジ連結点に接続する。例えば、リフト装置の両側にはコラムが設置されており、斜め部材12の自由端121をコラムに固定する。これにより、リフティング中、第1リンク機構4と第2リンク機構とに対して、常に引く作用を奏する。斜め部材12はヒンジ連結で接続されているため、第1リンク機構4と第2リンク機構とのリフト機能に影響を与えることがなく、さらに、第1リンク機構4と第2リンク機構とに引く力を提供し、動力アセンブリが故障することなどによる第1リンク機構4および第2リンク機構の各リンクが予定のルートに従って動かないことで安全事故が発生することを防止できる。
【0044】
実施例2
本発明実施例は、さらに、無人搬送車を提供する。前記無人搬送車は、車体と、上記した実施例1のいずれかに記載のリフト装置と、を含み、リフト装置は、車体に設置されている。
【0045】
いくつかの実施例において、車体には軸受台が設置されており、駆動軸1の両端はそれぞれ軸受台に回動可能に接続されており、動力アセンブリは駆動軸の回動を駆動するように、車体に固定されており、第1リンク機構4と第2リンク機構とは車体にヒンジ連結されている。
【0046】
いくつかの実施例において、車体には、さらに、コラムが設置されており、第1リンク機構4および第2リンク機構には斜め部材12がヒンジ連結されており、斜め部材12の自由端はコラムにヒンジ連結されている。
【0047】
なお、本実施例が提供する無人搬送車は、運搬ロボットともいう。無人搬送車は、実施例1のいずれかに記載のリフト装置を有することによって、無人搬送車が実現できる技術的効果は、実施例1で記述した技術的効果は基本的に同様であり、相互参照可能であり、ここでは説明は省略する。
【0048】
本発明が提供するリフト装置は、マルチリンク機構で実現する技術案であり、コストが低い、リフト荷重が大きい特性を有する。マルチリンク機構を用いて、複数のヒンジ連結点が設置されているため、より穏やかにリフティングすることができる。リフティングするための主な部品として、スクリューよりも、摩耗が少なく、コストが低い。
【0049】
本実施例において、例えば各種の軸の接続などの固定接続に関する箇所では、サークリップによって接続する場合が多いため、ねじ接続の利用による長時間運転中の緩みや脱落のリスクを低減でき、着脱メンテナンスコストも低い。
【0050】
なお、本説明書において、用語「上部」、「下部」などの方位または位置関係を指示する用語は、本開示の説明の便宜上、説明を簡略化するためのものに過ぎず、その装置または要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成や操作しなければならないことを示すまたは示唆することを意図したものではなく、本開示を限定するものではない。明確に規定・限定されない限り、用語「取り付ける」、「連結する」、「接続する」は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続することであってもよく、取り外し可能な接続すること、または一体的に接続することであってもよく、直接に接続することであってもよく、中間媒体を介して間接的に接続することであってもよい。なお、第1や第2などのような関係用語は1つのエンティティまたは操作を他のエンティティまたは操作と区別するためのものに過ぎず、必ずしもこれらのエンティティまたは操作間にこのような実際の関係または順序があることを要求または示唆しない。また、用語「含む」、「備える」または他の変形は非排他的包含をカバーすることで、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置はこれらの要素を含むだけでなく、明確に列挙していない他の要素も含み、またはこのようなプロセス、方法、物品または装置に固有される要素も含む。特に限定しない限り、「1つの…を含む」というような文により限定される要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品または装置が他の同一の要素も含むことを排除するものではない。一般の当業者にとって、具体的な状況を通じて理解することができる。
【0051】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲がそれらに限定されない。本発明で開示された技術範囲内で、当業者が容易に想到し得る変更や置き換えは、すべて本開示の保護範囲に属する。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずる。