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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ポート検出方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/272 20130101AFI20240509BHJP
   H04B 10/073 20130101ALI20240509BHJP
【FI】
H04B10/272
H04B10/073
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022568510
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2020132607
(87)【国際公開番号】W WO2021227446
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】202010392962.1
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リン,ホアフォン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,エンユィ
(72)【発明者】
【氏名】ゾン,シアオフェイ
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-022948(JP,A)
【文献】特開2000-106682(JP,A)
【文献】特表2016-524396(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110933531(CN,A)
【文献】特開2012-060290(JP,A)
【文献】特開2006-050143(JP,A)
【文献】特開2010-154063(JP,A)
【文献】特表2015-535413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/272
H04B 10/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポート検出方法であって、
光回線終端装置(OLT)により、M個の波長の光信号を少なくとも1つの光ネットワークユニット(ONU)に送信するステップであり、前記M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数である、ステップと、
前記OLTにより、第1のONUにより送信された少なくとも1つのフィードバック情報を受信するステップであり、前記少なくとも1つのフィードバック情報は、前記第1のONUにより受信された前記M個の波長の光信号の光パワー値を示すために使用され、前記第1のONUは、前記少なくとも1つのONU内のいずれかのONUである、ステップと、
前記OLTにより、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値の大きさに基づいて、前記第1のONUに対応するR個の波長を決定するステップであり、Rは2以上の整数である、ステップと、
前記OLTにより、前記R個の波長のうち少なくとも2つの波長に基づいて、前記第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定するステップであり、前記第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは前記少なくとも2つの波長に対応する、ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第1の予め設定された値よりも小さいか、或いは、
前記R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第2の予め設定された値よりも大きいか、或いは、
前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、
前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長であるか、或いは、
前記M個の波長の光信号の前記光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうち前記R個の最小光パワー値に対応する前記波長であるか、或いは、
前記M個の波長の光信号の前記光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうち前記R個の最大光パワー値に対応する前記波長である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の分岐ポートは反射点を備え、前記反射点は前記少なくとも2つの波長の光信号を反射するように構成されるか、或いは、前記反射点は前記少なくとも2つの波長以外の前記M個の波長内の波長の光信号を反射するように構成される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記M個の波長の光信号及び前記少なくとも1つのフィードバック情報は、物理層運用管理及び保守PLOAMメッセージ、光ネットワーク終端装置管理及び制御インタフェースOMCIメッセージ又はデータチャネルで搬送される、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ポート検出方法であって、
光ネットワークユニットONUにより、光回線終端装置OLTにより送信されたM個の波長の光信号を受信するステップであり、前記M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数である、ステップと、
前記ONUにより、前記M個の波長の光信号の受信光パワー値の大きさに基づいて、前記ONUに対応するR個の波長を決定するステップであり、Rは2以上の整数である、ステップと、
前記ONUにより、前記R個の波長のうち少なくとも2つの波長に基づいて、前記ONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定し、前記第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは前記少なくとも2つの波長に対応する、ステップと、
前記ONUにより、フィードバック情報を前記OLTに送信するステップであり、前記フィードバック情報は前記ポート情報を示すために使用される、ステップと
を含む方法。
【請求項6】
前記R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第1の予め設定された値よりも小さいか、或いは、
前記R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第2の予め設定された値よりも大きいか、或いは、
前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、
前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長であるか、或いは、
前記M個の波長の光信号の前記光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうち前記R個の最小光パワー値に対応する前記波長であるか、或いは、
前記M個の波長の光信号の前記光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうち前記R個の最大光パワー値に対応する前記波長である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の分岐ポートは反射点を備え、前記反射点は前記少なくとも2つの波長の光信号を反射するように構成されるか、或いは、前記反射点は前記少なくとも2つの波長以外の前記M個の波長内の波長の光信号を反射するように構成される、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記M個の波長の光信号及び前記フィードバック情報は、物理層運用管理及び保守(PLOAM)メッセージ、光ネットワーク終端装置管理及び制御インタフェース(OMCI)メッセージ又はデータチャネルで搬送される、請求項5乃至7のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
光回線終端装置(OLT)及び少なくとも1つの光ネットワークユニット(ONU)を含むパッシブ光ネットワーク(PON)システムであって、
前記OLTは、M個の波長の光信号を前記少なくとも1つのONUに送信するように構成され、前記M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数であり、
前記少なくとも1つのONU内の第1のONUは、少なくとも1つのフィードバック情報を前記OLTに送信するように構成され、前記少なくとも1つのフィードバック情報は、前記第1のONUにより受信された前記M個の波長の光信号の光パワー値を示すために使用され、
前記OLTは、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値の大きさに基づいて、前記第1のONUに対応するR個の波長を決定するように構成され、Rは2以上の正の整数であり、
前記OLTは、前記R個の波長内の少なくとも2つの波長に基づいて、前記第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定するように更に構成され、前記第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは前記少なくとも2つの波長に対応する、システム。
【請求項10】
前記R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第1の予め設定された値よりも小さいか、或いは、
前記R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第2の予め設定された値よりも大きいか、或いは、
前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、
前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長であるか、或いは、
前記M個の波長の光信号の前記光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうち前記R個の最小光パワー値に対応する前記波長であるか、或いは、
前記M個の波長の光信号の前記光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうち前記R個の最大光パワー値に対応する前記波長である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の分岐ポートは反射点を備え、前記反射点は前記少なくとも2つの波長の光信号を反射するように構成されるか、或いは、前記反射点は前記少なくとも2つの波長以外の前記M個の波長内の波長の光信号を反射するように構成される、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記M個の波長の光信号及び前記少なくとも1つのフィードバック情報は、物理層運用管理及び保守(PLOAM)メッセージ、光ネットワーク終端装置管理及び制御インタフェース(OMCI)メッセージ又はデータチャネルで搬送される、請求項9乃至11のうちいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
光回線終端装置(OLT)及び少なくとも1つの光ネットワークユニット(ONU)を含むパッシブ光ネットワーク(PON)システムであって、
前記OLTは、M個の波長の光信号を前記少なくとも1つのONUに送信するように構成され、前記M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数であり、
前記少なくとも1つのONU内の第1のONUは、前記M個の波長の光信号の受信光パワー値の大きさに基づいて、前記第1のONUに対応するR個の波長を決定するように構成され、Rは2以上の整数であり、
前記第1のONUは、前記R個の波長のうち少なくとも2つの波長に基づいて、前記第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定するように更に構成され、前記第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは前記少なくとも2つの波長に対応し、
前記第1のONUは、フィードバック情報を前記OLTに送信するように更に構成され、前記フィードバック情報は前記ポート情報を示すために使用され、
前記OLTは、前記フィードバック情報に基づいて前記ポート情報を決定するように構成される、システム。
【請求項14】
前記R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第1の予め設定された値よりも小さいか、或いは、
前記R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第2の予め設定された値よりも大きいか、或いは、
前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、
前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長であるか、或いは、
前記M個の波長の光信号の前記光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうち前記R個の最小光パワー値に対応する前記波長であるか、或いは、
前記M個の波長の光信号の前記光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、前記R個の波長は、前記M個の波長の光信号の前記光パワー値のうち前記R個の最大光パワー値に対応する前記波長である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の分岐ポートは反射点を備え、前記反射点は前記少なくとも2つの波長の光信号を反射するように構成されるか、或いは、前記反射点は前記少なくとも2つの波長以外の前記M個の波長内の波長の光信号を反射するように構成される、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記M個の波長の光信号及び前記フィードバック情報は、PLOAMメッセージ、OMCIメッセージ又はデータチャネルで搬送される、請求項13乃至15のうちいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
プロセッサ及びメモリを含むポート検出装置であって、
前記プロセッサは前記メモリに結合され、前記メモリに記憶された命令を読み取って実行し、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の方法を実現するように、或いは、請求項5乃至8のうちいずれか1項に記載の方法を実現するように構成される、ポート検出装置。
【請求項18】
命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体であって、
前記命令がコンピュータで実行されたとき、前記コンピュータは、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の方法を実現すること、又は請求項5乃至8のうちいずれか1項に記載の方法を実現することが可能になる、コンピュータ読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野]
この出願は通信分野に関し、より具体的には、ポート検出方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パッシブ光ネットワーク(passive optical network, PON)システムは、少なくとも3つのタイプのデバイス、すなわち、光回線終端装置(optical line termination, OLT)、光分配ネットワーク(optical distribution network, ODN)及び光ネットワークユニット(optical network unit, ONU)を含む。ODNは1つ以上の光スプリッタ(optical splitter)を含んでもよく、1つ以上の光スプリッタは、ODNの1レベル又は多レベルの光分岐を実現できる。2レベルの光分岐が例として使用される。第1レベルの光スプリッタ1は、受信した光信号パワーを均等に分割し、分割された光信号パワーを第1レベルの光スプリッタ1の分岐ポートに接続された光スプリッタ2及び光スプリッタ3に別々に伝送する。光スプリッタ2及び光スプリッタ3は第2レベルの光スプリッタである。次いで、光スプリッタ2及び光スプリッタ3は、別々に受信した光信号パワーを均等に分割し、分割された光信号パワーを接続されたONUに別々に伝送する。ODNにおける最終レベルの光スプリッタの分岐ポートは、ODNの出力ポートとして使用される。ONUはODNの出力ポートに接続される。
【0003】
PONシステムの運用及び保守プロセスにおいて、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の正確な接続関係は、運用者又は顧客にとって正確なリソース管理情報を提供でき、これは、リソース復旧及び利用を容易にする。例えば、ユーザがサービスを加入解除したとき、ユーザと光スプリッタとの間の接続がキャンセルできる。光スプリッタのアイドル分岐ポートは、使用のために他のユーザに提供されてもよく、それにより、リソースの浪費を回避する。
【0004】
ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係を決定するための方法は以下の通りである。サービス波長外の監視波長範囲において、光スプリッタの各分岐ポートは、監視波長範囲内の特定の波長の光信号を反射する。このように、各ONUにより受信される光信号は、他のONUにより受信される光信号とは異なり、それにより、各ONUと特定の波長との間の対応関係が決定できるようにする。さらに、光スプリッタが工場出荷時に設定されたとき、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係は、波長と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係に基づいて決定できる。
【0005】
しかし、監視波長範囲の制限のため、いくつかの場合、光スプリッタの異なる分岐ポートを区別するために十分な波長が光スプリッタに割り当てられることができない。その結果、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係が正確に決定できない。
【発明の概要】
【0006】
この出願は、少数の波長を使用することにより光スプリッタの異なる分岐ポートを区別し、それによりONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係を正確に決定するためのポート検出方法及び装置を提供する。
【0007】
第1の態様によれば、この出願はポート検出方法を提供する。当該方法は以下を含む。光回線終端装置(OLT)は、M個の波長の光信号を少なくとも1つの光ネットワークユニット(ONU)に送信し、M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数である。OLTは、第1のONUにより送信された少なくとも1つのフィードバック情報を受信し、少なくとも1つのフィードバック情報は、第1のONUにより受信されたM個の波長の光信号の光パワー値を示すために使用され、第1のONUは、少なくとも1つのONU内のいずれかのONUである。OLTは、M個の波長の光信号の光パワー値の大きさに基づいて、第1のONUに対応するR個の波長を決定し、Rは2以上の整数である。OLTは、R個の波長のうち少なくとも2つの波長に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定し、第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは少なくとも2つの波長に対応する。
【0008】
任意選択で、OLTは、第1の光スプリッタの第1の分岐ポートと少なくとも2つの波長との間の対応関係に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定できる。第1の光スプリッタの第1の分岐ポートと少なくとも2つの波長との間の対応関係は、OLTにおいて予め構成されてもよい。このように、少なくとも2つの波長を決定した後に、OLTは、予め構成された対応関係に基づいて、第1のONUが第1の光スプリッタの第1の分岐ポートに接続されていると決定できる。
【0009】
OLTはレーザーを使用することによりM個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信してもよい点に留意すべきである。レーザーはOLTに統合されてもよく、或いは、OLTと独立して配置されてもよい。レーザーがOLTと独立して配置されるとき、レーザーはOLTシステムの一部として使用されてもよい。したがって、この出願の実施形態では、OLTがM個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信することが記載される。
【0010】
上記の技術的解決策において、OLTは、少なくとも2つの波長に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定する。すなわち、上記の技術的解決策において、第1のONUに直接的又は間接的に接続されている分岐ポートは、少なくとも2つの波長を使用することにより定義される。このように、少数の波長の自由な組み合わせを使用することにより光スプリッタの多数の分岐ポートを定義するように、複数の波長の組み合わせを使用することにより異なる分岐ポートが区別できる。これは、監視波長範囲の制限による不十分な数の監視波長の問題を回避するのを助け、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係を正確に決定するのを助ける。
【0011】
第1の態様を参照して、可能な実現方式では、R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第1の予め設定された値よりも小さいか、或いは、R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第2の予め設定された値よりも大きい。
【0012】
第1の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長である。
【0013】
第1の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、M個の波長の光信号の光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、M個の波長の光信号の光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長である。
【0014】
第1の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、OLTが、M個の波長の光信号の光パワー値の大きさに基づいて、第1のONUに対応するR個の波長を決定することは以下を含む。第1の光パワー値と第2の光パワー値との間の差が第3の予め設定された値よりも大きく、第1の光パワー値が第2の光パワー値よりも大きいとき、OLTは、第2の光パワー値に対応する光信号の波長が第1のONUに対応する波長であると決定し、第1の光パワー値及び第2の光パワー値は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちいずれか2つであるか、或いは、第1の光パワー値と第2の光パワー値のとの間の差が第3の予め設定された値よりも大きく、第1の光パワー値が第2の光パワー値よりも大きいとき、OLTは、第1の光パワー値に対応する光信号の波長が第1のONUに対応する波長であると決定し、第1の光パワー値及び第2の光パワー値は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちいずれか2つである。
【0015】
第1の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、第1の分岐ポートは反射点を備え、反射点は少なくとも2つの波長の光信号を反射するように構成されるか、或いは、反射点は少なくとも2つの波長以外のM個の波長内の波長の光信号を反射するように構成される。
【0016】
第1の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、M個の波長の光信号及び少なくとも1つのフィードバック情報は、物理層運用管理及び保守(physical layer operations administration and maintenance, PLOAM)メッセージ、光ネットワーク終端装置管理及び制御インタフェース(optical network terminal management and control interface, OMCI)メッセージ又はデータチャネルで搬送される。
【0017】
第2の態様によれば、この出願はポート検出方法を提供する。当該方法は以下を含む。光ネットワークユニットONUは、光回線終端装置OLTにより送信されたM個の波長の光信号を受信し、M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数である。ONUは、M個の波長の光信号の受信光パワー値の大きさに基づいて、ONUに対応するR個の波長を決定し、Rは2以上の整数である。ONUは、R個の波長のうち少なくとも2つの波長に基づいて、ONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定し、第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは少なくとも2つの波長に対応する。ONUは、フィードバック情報をOLTに送信し、フィードバック情報はポート情報を示すために使用される。
【0018】
任意選択で、ONUは、第1の光スプリッタの第1の分岐ポートと少なくとも2つの波長との間の対応関係に基づいて、ONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定できる。第1の光スプリッタの第1の分岐ポートと少なくとも2つの波長との間の対応関係は、ONUにおいて予め構成されてもよい。このように、少なくとも2つの波長を決定した後に、ONUは、予め構成された対応関係に基づいて、ONUが第1の光スプリッタの第1の分岐ポートに接続されていると決定できる。
【0019】
OLTはレーザーを使用することによりM個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信してもよい点に留意すべきである。レーザーはOLTに統合されてもよく、或いは、OLTと独立して配置されてもよい。レーザーがOLTと独立して配置されるとき、レーザーはOLTシステムの一部として使用されてもよい。したがって、この出願の実施形態では、全ての場合において、OLTがM個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信することが記載される。
【0020】
上記の技術的解決策において、OLTは、少なくとも2つの波長に基づいて、ONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定する。すなわち、上記の技術的解決策において、ONUに直接的又は間接的に接続されている分岐ポートは、少なくとも2つの波長を使用することにより定義される。このように、少数の波長の自由な組み合わせを使用することにより光スプリッタの多数の分岐ポートを定義するように、複数の波長の組み合わせを使用することにより異なる分岐ポートが区別できる。これは、監視波長範囲の制限による不十分な数の監視波長の問題を回避するのを助け、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係を正確に決定するのを助ける。
【0021】
第2の態様を参照して、可能な実現方式では、R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第1の予め設定された値よりも小さいか、或いは、R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第2の予め設定された値よりも大きい。
【0022】
第2の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長である。
【0023】
第2の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、M個の波長の光信号の光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、M個の波長の光信号の光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長である。
【0024】
第2の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、ONUが、M個の波長の光信号の受信光パワー値の大きさに基づいて、ONUに対応するR個の波長を決定することは以下を含む。第1の光パワー値と第2の光パワー値との間の差が第3の予め設定された値よりも大きく、第1の光パワー値が第2の光パワー値よりも大きいとき、ONUは、第2の光パワー値に対応する光信号の波長が第1のONUに対応する波長であると決定し、第1の光パワー値及び第2の光パワー値は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちいずれか2つであるか、或いは、第1の光パワー値と第2の光パワー値のとの間の差が第3の予め設定された値よりも大きく、第1の光パワー値が第2の光パワー値よりも大きいとき、ONUは、第1の光パワー値に対応する光信号の波長が第1のONUに対応する波長であると決定し、第1の光パワー値及び第2の光パワー値は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちいずれか2つである。
【0025】
第2の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、第1の分岐ポートは反射点を備え、反射点は少なくとも2つの波長の光信号を反射するように構成されるか、或いは、反射点は少なくとも2つの波長以外のM個の波長内の波長の光信号を反射するように構成される。
【0026】
第2の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、M個の波長の光信号及び少なくとも1つのフィードバック情報は、PLOAMメッセージ、OMCIメッセージ又はデータチャネルで搬送される。
【0027】
第3の態様によれば、この出願はパッシブ光ネットワークPONシステムを提供し、システムは光回線終端装置OLT及び少なくとも1つの光ネットワークユニットONUを含む。OLTは、M個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信するように構成され、M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数である。少なくとも1つのONU内の第1のONUは、少なくとも1つのフィードバック情報をOLTに送信するように構成され、少なくとも1つのフィードバック情報は、第1のONUにより受信されたM個の波長の光信号の光パワー値を示すために使用される。OLTは、M個の波長の光信号の光パワー値の大きさに基づいて、第1のONUに対応するR個の波長を決定するように構成され、Rは2以上の正の整数である。OLTは、R個の波長内の少なくとも2つの波長に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定するように更に構成され、第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは少なくとも2つの波長に対応する。
【0028】
任意選択で、OLTは、第1の光スプリッタの第1の分岐ポートと少なくとも2つの波長との間の対応関係に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定できる。第1の光スプリッタの第1の分岐ポートと少なくとも2つの波長との間の対応関係は、OLTにおいて予め構成されてもよい。このように、少なくとも2つの波長を決定した後に、OLTは、予め構成された対応関係に基づいて、第1のONUが第1の光スプリッタの第1の分岐ポートに接続されていると決定できる。
【0029】
OLTはレーザーを使用することによりM個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信してもよい点に留意すべきである。レーザーはOLTに統合されてもよく、或いは、OLTと独立して配置されてもよい。レーザーがOLTと独立して配置されるとき、レーザーはOLTシステムの一部として使用されてもよい。したがって、この出願の実施形態では、全ての場合において、OLTがM個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信することが記載される。
【0030】
上記の技術的解決策において、OLTは、少なくとも2つの波長に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定する。すなわち、上記の技術的解決策において、第1のONUに直接的又は間接的に接続されている分岐ポートは、少なくとも2つの波長を使用することにより定義される。このように、少数の波長の自由な組み合わせを使用することにより光スプリッタの多数の分岐ポートを定義するように、複数の波長の組み合わせを使用することにより異なる分岐ポートが区別できる。これは、監視波長範囲の制限による不十分な数の監視波長の問題を回避するのを助け、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係を正確に決定するのを助ける。
【0031】
第3の態様を参照して、可能な実現方式では、R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第1の予め設定された値よりも小さいか、或いは、R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第2の予め設定された値よりも大きい。
【0032】
第3の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長である。
【0033】
第3の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、M個の波長の光信号の光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、M個の波長の光信号の光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長である。
【0034】
第3の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、第1の光パワー値と第2の光パワー値との間の差が第3の予め設定された値よりも大きく、第1の光パワー値が第2の光パワー値よりも大きいとき、OLTは、第2の光パワー値に対応する光信号の波長が第1のONUに対応する波長であると決定し、第1の光パワー値及び第2の光パワー値は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちいずれか2つであるか、或いは、第1の光パワー値と第2の光パワー値のとの間の差が第3の予め設定された値よりも大きく、第1の光パワー値が第2の光パワー値よりも大きいとき、OLTは、第1の光パワー値に対応する光信号の波長が第1のONUに対応する波長であると決定し、第1の光パワー値及び第2の光パワー値は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちいずれか2つである。
【0035】
第3の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、第1の分岐ポートは反射点を備え、反射点は少なくとも2つの波長の光信号を反射するように構成されるか、或いは、反射点は少なくとも2つの波長以外のM個の波長内の波長の光信号を反射するように構成される。
【0036】
第3の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、M個の波長の光信号及び少なくとも1つのフィードバック情報は、PLOAMメッセージ、OMCIメッセージ又はデータチャネルで搬送される。
【0037】
第4の態様によれば、この出願はパッシブ光ネットワークPONシステムを提供し、システムは光回線終端装置OLT及び少なくとも1つの光ネットワークユニットONUを含む。OLTは、M個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信するように構成され、M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数である。少なくとも1つのONU内の第1のONUは、M個の波長の光信号の受信光パワー値の大きさに基づいて、第1のONUに対応するR個の波長を決定するように構成され、Rは2以上の整数である。第1のONUは、R個の波長のうち少なくとも2つの波長に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定するように更に構成され、第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは少なくとも2つの波長に対応する。第1のONUは、フィードバック情報をOLTに送信するように更に構成され、フィードバック情報はポート情報を示すために使用される。OLTは、フィードバック情報に基づいてポート情報を決定するように構成される。
【0038】
任意選択で、ONUは、第1の光スプリッタの第1の分岐ポートと少なくとも2つの波長との間の対応関係に基づいて、ONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定できる。第1の光スプリッタの第1の分岐ポートと少なくとも2つの波長との間の対応関係は、ONUにおいて予め構成されてもよい。このように、少なくとも2つの波長を決定した後に、ONUは、予め構成された対応関係に基づいて、ONUが第1の光スプリッタの第1の分岐ポートに接続されていると決定できる。
【0039】
OLTはレーザーを使用することによりM個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信してもよい点に留意すべきである。レーザーはOLTに統合されてもよく、或いは、OLTと独立して配置されてもよい。レーザーがOLTと独立して配置されるとき、レーザーはOLTシステムの一部として使用されてもよい。したがって、この出願の実施形態では、全ての場合において、OLTがM個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信することが記載される。
【0040】
上記の技術的解決策において、OLTは、少なくとも2つの波長に基づいて、ONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定する。すなわち、上記の技術的解決策において、ONUに直接的又は間接的に接続されている分岐ポートは、少なくとも2つの波長を使用することにより定義される。このように、少数の波長の自由な組み合わせを使用することにより光スプリッタの多数の分岐ポートを定義するように、複数の波長の組み合わせを使用することにより異なる分岐ポートが区別できる。これは、監視波長範囲の制限による不十分な数の監視波長の問題を回避するのを助け、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係を正確に決定するのを助ける。
【0041】
第4の態様を参照して、可能な実現方式では、R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第1の予め設定された値よりも小さいか、或いは、R個の波長に対応する光信号の光パワー値は第2の予め設定された値よりも大きい。
【0042】
第4の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長である。
【0043】
第4の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、M個の波長の光信号の光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最小光パワー値に対応する波長であるか、或いは、M個の波長の光信号の光パワー値の間の差に第3の予め設定された閾値よりも大きい差が存在するとき、R個の波長は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちR個の最大光パワー値に対応する波長である。
【0044】
第4の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、第1のONUは、第1の光パワー値と第2の光パワー値との間の差が第3の予め設定された値よりも大きく、第1の光パワー値が第2の光パワー値よりも大きいとき、ONUは、第2の光パワー値に対応する光信号の波長が第1のONUに対応する波長であると決定するように具体的に構成され、第1の光パワー値及び第2の光パワー値は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちいずれか2つであるか、或いは、第1の光パワー値と第2の光パワー値のとの間の差が第3の予め設定された値よりも大きく、第1の光パワー値が第2の光パワー値よりも大きいとき、ONUは、第1の光パワー値に対応する光信号の波長が第1のONUに対応する波長であると決定するように具体的に構成され、第1の光パワー値及び第2の光パワー値は、M個の波長の光信号の光パワー値のうちいずれか2つである。
【0045】
第4の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、第1の分岐ポートは反射点を備え、反射点は少なくとも2つの波長の光信号を反射するように構成されるか、或いは、反射点は少なくとも2つの波長以外のM個の波長内の波長の光信号を反射するように構成される。
【0046】
第4の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、M個の波長の光信号及び少なくとも1つのフィードバック情報は、PLOAMメッセージ、OMCIメッセージ又はデータチャネルで搬送される。
【0047】
第5の態様によれば、この出願は光スプリッタを提供し、光スプリッタはN個の第1の分岐ポートを含み、N個の第1の分岐ポートのそれぞれが反射点を備え、それぞれの第1の分岐ポートの反射点は複数の波長の光信号を反射するように構成され、第1の分岐ポートのうちいずれか2つの反射点により反射される光信号内の少なくとも1つの光信号は異なる波長を有し、Nは0よりも大きい整数である。
【0048】
上記の技術的解決策では、光スプリッタは、複数の波長の光信号を反射するように構成された分岐ポートを含む。このように、少数の波長の自由な組み合わせを使用することにより光スプリッタの多数の分岐ポートを定義するように、複数の波長の組み合わせを使用することにより異なる分岐ポートが区別できる。これは、監視波長範囲の制限による不十分な数の監視波長の問題を回避するのを助け、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係を正確に決定するのを助ける。
【0049】
第5の態様を参照して、可能な実現方式では、光スプリッタはK個の第2の分岐ポートを更に含み、K個の第2の分岐ポートのそれぞれは反射点を備え、それぞれの第2の分岐ポートの反射点は1つの波長の光信号を反射するように構成され、第2の分岐ポートのうちいずれか2つの反射点により反射される光信号の波長は異なり、Kは0よりも大きい整数である。
【0050】
上記の技術的解決策では、光スプリッタは、1つの波長の光信号を反射するように構成された分岐ポートを更に含んでもよい。このように、同じ数の波長について、より多くの組み合わせ方式が存在してもよく、これは必要な数の監視波長を更に低減できる。
【0051】
第5の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、光スプリッタは第3の分岐ポートを更に含み、第3の分岐ポートは反射点を備えない。
【0052】
上記の技術的解決策では、光スプリッタは、どの波長の光信号も反射しない分岐ポートを更に含んでもよい。このように、同じ数の波長について、より多くの組み合わせ方式が存在してもよく、これは必要な数の監視波長を更に低減できる。
【0053】
第5の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、N個の第1の分岐ポートのうちN1個の第1の分岐ポートは1つの反射点を別々に備え、反射点は複数の波長の光信号を反射するように構成される。
【0054】
第5の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、N個の第1の分岐ポートのうちN2個の第1の分岐ポートは複数の反射点を別々に備え、複数の反射点は複数の波長の光信号を反射するように構成される。
【0055】
第5の態様及び上記の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、他の可能な実現方式では、反射点は、分岐ポートに格子をエッチングすること、及び/又は分岐ポートの端面に膜を付けることにより形成される。
【0056】
第6の態様によれば、この出願はOLTを提供し、OLTは、第1の態様又は第1の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つによる方法を実現するように構成されたモジュールを含む。
【0057】
第7の態様によれば、この出願はONUを提供し、ONUは、第2の態様又は第2の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つによる方法を実現するように構成されたモジュールを含む。
【0058】
第8の態様によれば、この出願はOLTを提供し、OLTはプロセッサ及び通信インタフェースを含む。プロセッサ及びインタフェース回路は互いに結合され、通信インタフェースは他のデバイスと通信するように構成され、プロセッサは第1の態様又は第1の態様の実現方式のうちいずれか1つによる方法を実現するように構成される。
【0059】
可能な実現方式では、OLTは、プロセッサにより実行される命令を記憶すること、命令を実行するためにプロセッサにより必要とされる入力データを記憶すること、又はプロセッサが命令を実行した後に生成されたデータを記憶することを行うように構成されたメモリを更に含む。
【0060】
第9の態様によれば、この出願はONUを提供し、ONUはプロセッサ及び通信インタフェースを含む。プロセッサ及びインタフェース回路は互いに結合され、通信インタフェースは他のデバイスと通信するように構成され、プロセッサは第1の態様又は第1の態様の実現方式のうちいずれか1つによる方法を実現するように構成される。
【0061】
可能な実現方式では、ONUは、プロセッサにより実行される命令を記憶すること、命令を実行するためにプロセッサにより必要とされる入力データを記憶すること、又はプロセッサが命令を実行した後に生成されたデータを記憶することを行うように構成されたメモリを更に含む。
【0062】
第10の態様によれば、この出願はポート検出装置を提供し、ポート検出装置はOLT又はONUのようなデバイスに適用できる。ポート検出装置は、メモリに結合され、メモリに記憶された命令を読み取って実行し、ポート検出装置が第1の態様若しくは第1の態様の実現方式のうちいずれか1つによる方法を実現すること、又は第2の態様若しくは第2の態様の実現方式のうちいずれか1つによる方法を実現することを可能にする。
【0063】
可能な設計では、ポート検出装置はチップ又はシステムオンチップである。
【0064】
第11の態様によれば、この出願はチップを提供し、ONUはプロセッサ及び通信インタフェースを含む。プロセッサ及びインタフェース回路は互いに結合され、通信インタフェースは他のデバイスと通信するように構成され、プロセッサは第1の態様又は第1の態様の実現方式のうちいずれか1つによる方法を実現するように、或いは、第2の態様又は第2の態様の実現方式のうちいずれか1つによる方法を実現するように構成される。
【0065】
可能な実現方式では、チップは、プロセッサにより実行される命令を記憶すること、命令を実行するためにプロセッサにより必要とされる入力データを記憶すること、又はプロセッサが命令を実行した後に生成されたデータを記憶することを行うように構成されたメモリを更に含む。
【0066】
第12の態様によれば、この出願の実施形態はコンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラム製品はコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令が実行されたとき、第1の態様又は第1の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つによる方法が実行されるか、或いは、第2の態様又は第2の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つによる方法が実行される。
【0067】
第13の態様によれば、この出願はコンピュータが読み取り可能記憶媒体を提供し、記憶媒体はコンピュータ命令を記憶する。コンピュータ命令が実行されたとき、第1の態様又は第1の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つによる方法が実行されるか、或いは、第2の態様又は第2の態様の可能な実現方式のうちいずれか1つによる方法が実行される。
【0068】
上記の内容に基づいて、この出願の実施形態では、光スプリッタの分岐ポートは、少なくとも2つの異なる波長を反射又は透過する。ONUは、少なくとも2つの異なる波長を使用することにより1つの分岐ポートを決定する。このように、少数の波長の自由な組み合わせを使用することにより、光スプリッタの多数の分岐ポートが定義でき、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係が正確に決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】この出願の実施形態による技術的解決策が適用可能であるPONシステムのアーキテクチャの概略図である。
図2】光スプリッタの構造の概略図である。
図3】ポート検出方法の概略図である。
図4】この出願の実施形態によるポート検出方法の概略フローチャートである。
図5】この出願の実施形態によるPONシステムの例を示す。
図6A】この出願の実施形態によるポート検出手順の例を示す。
図6B】この出願の実施形態によるポート検出手順の例を示す。
図7】この出願の実施形態によるPONシステムの他の例を示す。
図8】この出願の他の実施形態によるポート検出方法の概略フローチャートである。
図9】この出願の実施形態によるポート検出手順の他の例を示す。
図10】この出願の実施形態によるポート検出装置の構造の概略図である。
図11】この出願の他の実施形態によるポート検出装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下に、添付図面を参照してこの出願の技術的解決策について説明する。
【0071】
図1は、この出願の実施形態による技術的解決策が適用可能であるPONシステムのアーキテクチャの概略図である。図1に示すPONシステムは、光回線終端装置(optical line termination, OLT)、光分配ネットワーク(optical distribution network, ODN)及び少なくとも1つの光ネットワークユニット(optical network unit, ONU)を含んでもよい。代替として、ONUは光ネットワーク終端装置(optical network termination, ONT)に置き換えられてもよい。
【0072】
ODNは、少なくとも1つの光スプリッタ(splitter)を含んでもよく、光ファイバを更に含んでもよい。具体的には、光ファイバは、フィードファイバ(feed fiber)、分配ファイバ(distribution fiber)及びドロップファイバ(drop fiber)を更に含んでもよい。フィードファイバはOLT及びODNに接続された光ファイバである。分配ファイバ及びドロップファイバはまとめて分岐ファイバと呼ばれてもよい。ドロップファイバは光スプリッタとアクセスされるONUとの間に接続された光ファイバであり、分配ファイバはODN内の光スプリッタの間に接続された光ファイバである。ODNが1レベルの光分岐ネットワーク(すなわち、第1レベルの光スプリッタのみを含む)であるとき、ODNはフィードファイバ及びドロップファイバのみを含み、分配ファイバを含まない。ODNが2レベルの光分岐ネットワーク(すなわち、第1レベルの光スプリッタ及び第2レベルの光スプリッタを含む)又は多レベルの光分岐ネットワーク(すなわち、第1レベルの光スプリッタ、第2レベルの光スプリッタ、...、及びMレベルの光スプリッタを含む)であるとき、ODNはフィードファイバ、マルチレベル分配ファイバ及びドロップファイバを含む。例えば、図1におけるODNは2レベルの光分岐ネットワークであり、ODNはフィードファイバ、多レベルの分配ファイバ及びドロップファイバを含む。
【0073】
ONUは、OLTにより送信されたデータを受信すること、OLTの管理コマンドに応答すること、ユーザのイーサネットデータをキャッシュすること、OLTにより割り当てられた伝送ウィンドウにおいてデータをアップリンク方向に送信すること等を行うように構成される。ONUは、双方向光サブアセンブリ(Bi-direction Optical Subassembly, BOSA)を具体的に含んでもよい。BOSAは、送信機光サブアセンブリ(transmitter optical subassembly, TOSA)、受信機光サブアセンブリ(receiver optical subassembly, ROSA)等を具体的に含んでもよい。TOSAは光信号を送信するように構成されてもよく、ROSAは光信号を受信するように構成されてもよい。
【0074】
OLTは、光アクセスネットワークのコアコンポーネントであり、OLTは、1つ以上のアクセスされるONUのためのデータ、管理等を提供するように構成される。OLTは、光信号を少なくとも1つのONUに送信し、ONUによりフィードバックされた情報を受信し、ONUによりフィードバックされた情報、他のデータ等を処理するように構成されてもよい。
【0075】
PONは、ギガビット・パッシブ光ネットワーク(Gigabit passive optical network, GPON)、イーサネット・パッシブ光ネットワーク(Ethernet passive optical network, EPON)、10Gギガビット対応パッシブ光ネットワーク(10G Gigabit-capable passive optical network, XGPON)、10Gイーサネット・パッシブ光ネットワーク(10G Ethernet passive optical network, 10G EPON)等を具体的に含み、XGPON及び10G EPONはまとめて10G PONと呼ばれてもよい。
【0076】
PONシステムでは、アップリンク及びダウンリンク光信号は、時分割多重(time division multiplexing, TDM)方式で同じ光ファイバで伝送されてもよい。OLTは、レーザーを使用することにより光信号の形式でデータをブロードキャストし、データをODNにアクセスするONUに伝送してもよい。ダウンリンク方向(OLTからONUに)に送信される光信号の波長がλ1であり、アップリンク方向(ONUからOLTに)に送信される光信号の波長がλ2である場合、波長がλ1である光信号及び波長がλ2である光信号は、異なるスロットにおいて同じ光ファイバで伝送されてもよい。例えば、図1に示すように、ダウンリンク方向の波長はλ1であり、動作はTDM方式で実行され、OLTにより送信されるデータは全ての分岐ファイバにブロードキャストされ、全てのONUに到達できる。アップリンク方向の波長はλ2であり、動作は時分割多元接続(time division multiple access, TDMA)方式で実行され、ONUはライセンスされたスロットでのみ送信を実行する。通常、GPONシステムでは、1310nmの波長がアップリンクに使用され、1490nmの波長がダウンリンクに使用される。10G PONシステムでは、1270nmの波長がアップリンクに使用され、1577nmの波長がダウンリンクに使用される。明らかに、アップリンク及びダウンリンク光信号は、代替として異なる光ファイバを使用することにより伝送されてもよい。
【0077】
さらに、PONシステムは、公衆電話交換網(public telephone switching network, PTSN)、インターネット(internet)又はケーブルテレビ(cable television, CATV)のようなネットワーク又はデバイスへの接続を更に確立してもよい。
【0078】
図1における少なくとも1つのONUは、光ネットワーク終端装置(optical network termination, ONT)、マルチプレクサユニット(multiplexer unit, MXU)等を含んでもよいことが理解されるべきである。少なくとも1つのONUは、代替として少なくとも1つのONTに置き換えられてもよい。代替として、ODNにアクセスする少なくとも1つのデバイスはONU及びONTの双方を含んでもよい。この出願では、ONUにより実行されるステップは、代替として、代わりにONTにより実行されてもよい。
【0079】
図2は光スプリッタの構造の概略図である。図2に示すように、光スプリッタの分岐比は1:Nであり、すなわち、1つの共通エンドC1及びN個の分岐ポート(P1、...、PN)が存在し、Nは正の整数である。PONネットワークでは、光スプリッタの共通エンドC1は、フィードファイバを使用することによりOLT又は前レベルの光スプリッタの分岐ポートに接続されてもよい。光スプリッタの分岐ポート(P1、...、PN)のそれぞれは、1つの分岐ファイバを使用することにより1つのONU又は次レベルの光スプリッタの共通エンドに接続されてもよい。
【0080】
光スプリッタは、代替として、他の分岐比を有する光スプリッタ、例えば、2:N又は4:Nの分岐比を有する光スプリッタでもよい。光スプリッタの具体的な構造は、実際の適用シナリオに基づいて調整されてもよい。これはこの出願では限定されない。
【0081】
PONシステムの運用及び保守プロセスにおいて、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の正確な接続関係は、運用者又は顧客にとって正確なリソース管理情報を提供でき、それにより、リソース復旧及び利用を容易にする。例えば、ユーザがサービスを加入解除したとき、ユーザと光スプリッタとの間の接続がキャンセルできる。光スプリッタのアイドル分岐ポートは、使用のために他のユーザに提供されてもよく、それにより、リソースの浪費を回避する。
【0082】
ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係を決定するための方法は以下の通りである。サービス波長外の監視波長範囲において、光スプリッタの各分岐ポートは、監視波長範囲内の特定の波長の光信号を反射する。このように、各ONUにより受信される光信号は、他のONUにより受信される光信号とは異なり、それにより、各ONUと特定の波長との間の対応関係が決定できるようにする。さらに、光スプリッタが工場出荷時に設定されたとき、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係は、波長と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係に基づいて決定できる。
【0083】
例えば、図3に示すように、ODNでは、1レベルの分岐は1:32の分岐比を有する光スプリッタを使用することにより実現される。光スプリッタの各分岐ポートは、監視波長範囲内の特定の波長の光信号を反射し、他の波長の光信号を透過する。波長可変レーザーは波長がλ1~λ32である光信号を放射し、ONUは波長がλ1~λ32である光信号を受信する。ONU1が波長λ1の光信号を反射するように構成された分岐ポートに接続されているとき、光スプリッタの分岐ポートが波長λ1の光信号を反射して他の波長の光信号を透過するので、ONU1は波長λ1の光信号を受信できないか、或いは、波長λ1の受信光信号の光パワーが低く、他の波長の受信光信号の光パワー値が正常である。類推することにより、ONU32は波長λ32の光信号を受信できないか、或いは、波長λ32の受信光信号の光パワーが低く、他の波長の受信光信号の光パワー値が正常である。これに基づいて、ONU N(N=1、...、32)と波長λnとの間の対応関係が学習できる。さらに、光スプリッタが工場出荷時に設定されたとき、波長と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係に基づいて、光スプリッタの分岐ポートとONUとの間の対応関係が学習できる。
【0084】
光スプリッタは32個の分岐ポートを有するので、異なる波長の32個の光信号が必要である。しかし、プログラマブルロジックコントローラ(programmable logic controller, PLC)の動作温度は-40°C~85°Cの範囲であり、格子波長ドリフト(grating wavelength drift)は0.01nm/°Cであるので、特定の波長の光信号を反射して他の波長の光信号を透過するために、反射帯域幅が1.25nmよりも大きい必要がある。さらに、波長可変レーザーの波長ドリフトが+/-3GHzであり、反射格子の生成偏差が0.2nmであり、各波長の反射帯域幅が少なくとも1.6nmであり、通過帯域のエッジ間隔が少なくとも0.4nmであることが考慮される。したがって、各反射波長の間隔は少なくとも2nmであり、64nmが必要である。監視帯域は1625nmよりも上のみで使用でき、光時間領域反射率計(optical time domain reflectometer, OTDR)の波長範囲が1650nm+/-5nmであることが、標準で定義されている。これは、波長可変レーザーの波長範囲が1625nm~1645nmのみとすることができることを意味する。しかし、上記の分析に基づいて、1625nm~1689nmの波長範囲が必要である。
【0085】
言い換えると、監視波長範囲の制限のため、いくつかの場合、光スプリッタの異なる分岐ポートを区別するために十分な波長が光スプリッタに割り当てられることができない。その結果、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係が正確に決定できない。
【0086】
上記の問題を解決するために、この出願の実施形態は、ポート検出方法及び装置を提供する。この出願では、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタの分岐ポートは反射点を備えてもよく、反射点は複数の波長の光信号を反射するように構成される。光スプリッタの分岐ポートにおける反射点は複数の波長の光信号を反射できるので、光スプリッタの異なる分岐ポートは、異なる波長の組み合わせを使用することにより区別できる。このように、少数の波長の自由な組み合わせを使用することにより、光スプリッタの多数の分岐ポートが定義できる。さらに、OLT又はONUは、ONUにより受信された光信号の光パワーを分析することにより、ONUに対応する光スプリッタの分岐ポートの反射波長を決定できる。次いで、反射波長と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係に基づいて、各レベルにおけるONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係が決定される。
【0087】
まず、この出願の実施形態において提供される光スプリッタについて説明する。
【0088】
いくつかの実施形態では、光スプリッタはN個の第1の分岐ポートを含んでもよい。N個の第1の分岐ポートのそれぞれは反射点を備える。それぞれの第1の分岐ポートの反射点は、複数の波長の光信号を反射するように構成される。さらに、第1の分岐ポートのうちいずれか2つの反射点により反射された光信号内の少なくとも1つの光信号は異なる波長を有し、Nは0よりも大きい整数である。
【0089】
このように、光スプリッタのN個の異なる第1の分岐ポートは、異なる波長の組み合わせを使用することにより区別できる。
【0090】
例えば、第1の分岐ポートは、2つの波長の光信号を反射するように構成される。
【0091】
例えば、表1に示すように、光スプリッタは分岐ポート7~16を含み、分岐ポート7~16は全て第1の分岐ポートであり、分岐ポート7~16はλ3~λ8内のいずれか2つの波長の組み合わせを使用することにより別々に区別される。分岐ポートに対応する波長は、分岐ポートにより反射に使用される波長である。例えば、分岐ポート7はλ3λ4に対応し、これは、分岐ポート7が、波長がλ3及びλ4である光信号を反射するように構成されることを意味する。このように、6つの波長λ3~λ8の光信号を使用することにより、分岐ポート7~16の合計で10個の分岐ポートが区別できる。
【表1】
【0092】
他の例では、表2に示すように、光スプリッタは分岐ポート9~32を含み、分岐ポート9~32は全て第1の分岐ポートであり、分岐ポート9~32はλ1~λ8内のいずれか2つの波長の組み合わせを使用することにより別々に区別される。分岐ポートに対応する波長は、分岐ポートにより反射に使用される波長である。例えば、分岐ポート9はλ1λ2に対応し、これは、分岐ポート9が、波長がλ1及びλ2である光信号を反射するように構成されることを意味する。このように、8つの波長λ1~λ8の光信号を使用することにより、分岐ポート9~32の合計で24個の分岐ポートが区別できる。
【表2】
【0093】
例えば、第1の分岐ポートは、2つの波長の光信号を透過するように構成される。
【0094】
例えば、表1に示すように、光スプリッタは分岐ポート7~16を含み、分岐ポート7~16は全て第1の分岐ポートであり、分岐ポート7~16はλ3~λ8内のいずれか2つの波長の組み合わせを使用することにより別々に区別される。分岐ポートに対応する波長は、分岐ポートにより透過に使用される波長である。例えば、分岐ポート7はλ3λ4に対応し、これは、分岐ポート7が、波長がλ3及びλ4である光信号を透過するように構成されることを意味する。このように、6つの波長λ3~λ8の光信号を使用することにより、分岐ポート7~16の合計で10個の分岐ポートが区別できる。
【0095】
他の例では、表2に示すように、光スプリッタは分岐ポート9~32を含み、分岐ポート9~32は全て第1の分岐ポートであり、分岐ポート9~32はλ1~λ8内のいずれか2つの波長の組み合わせを使用することにより別々に区別される。分岐ポートに対応する波長は、分岐ポートにより透過に使用される波長である。例えば、分岐ポート9はλ1λ2に対応し、これは、分岐ポート9が、波長がλ1及びλ2である光信号を透過するように構成されることを意味する。このように、8つの波長λ1~λ8の光信号を使用することにより、分岐ポート9~32の合計で24個の分岐ポートが区別できる。
【0096】
任意選択で、第1の分岐ポートは、1つの反射点を使用することにより複数の波長の光信号を反射してもよい。
【0097】
任意選択で、第1の分岐ポートは、複数の反射点を使用することにより複数の波長の光信号を反射してもよい。
【0098】
いくつかの他の実施形態では、光スプリッタはK個の第2の分岐ポートを更に含んでもよい。K個の第2の分岐ポートのそれぞれは反射点を備える。それぞれの第2の分岐ポートの反射点は1つの波長の光信号を反射するように構成され、第2の分岐ポートのうちいずれか2つの反射点により反射される光信号の波長は異なり、Kは0よりも大きい整数である。
【0099】
例えば、表1に示すように、分岐ポート1~6が含まれる。このように、6つの波長λ3~λ8の光信号を使用することにより、分岐ポート1~16の合計で16個の分岐ポートが区別できる。
【0100】
他の例では、表2に示すように、分岐ポート1~8が含まれる。このように、8つの波長λ1~λ8の光信号を使用することにより、分岐ポート1~32の合計で32個の分岐ポートが区別できる。
【0101】
他のいくつかの実施形態では、光スプリッタは第3の分岐ポートを更に含んでもよく、第3の分岐ポートは反射点を備えない。
【0102】
言い換えると、光スプリッタは、どの波長の光信号も反射しない分岐ポートを含んでもよい。
【0103】
いくつかの可能な実現方式では、反射点は、光スプリッタの分岐ポートに格子をエッチングすること、及び/又は分岐ポートの端面に膜を付けることにより形成されてもよい。
【0104】
表1及び表2は単なる例であり、この出願の実施形態に対して限定を構成するものではない点に留意すべきである。例えば、第1の分岐ポートは、他の数の波長の光信号を反射するように更に構成されてもよい。他の例では、各分岐ポートと波長との間に他の対応関係が存在してもよい。
【0105】
この出願では、光スプリッタの各分岐ポートと波長との間の対応関係はOLT又はONUに予め構成されてもよく、それにより、OLT又はONUは、対応関係に基づいて各レベルにおける光スプリッタの分岐ポートとONUとの間の対応を決定するようにする。例えば、OLT又はONUは、表1及び表2に示す形式の対応テーブルを記憶してもよい。
【0106】
以下に、この出願の実施形態におけるポート検出方法について説明する。この出願のこの実施形態におけるポート検出方法では、OLTがポート検出を実行してもよく、或いは、ONUがポート検出を実行してもよい。
【0107】
以下に、まず、OLTにより実行されるポート検出方法について説明する。
【0108】
図4は、この出願の実施形態によるポート検出方法の概略フローチャートである。図4に示す方法はPONシステムに適用可能である。PONシステムにおけるODNは、少なくとも1つの光スプリッタを含み、少なくとも1つの光スプリッタ内の第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは、少なくとも2つの異なる波長の光信号を反射又は透過するように構成される。
【0109】
ステップ410において、OLTは、M個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信し、M個の波長は互いに異なる。
【0110】
したがって、少なくとも1つのONUはM個の波長の光信号を受信する。
【0111】
少なくとも1つのONUは、PONシステムにアクセスするONUである。
【0112】
説明を容易にするため、以下に、少なくとも1つのONU内の第1のONUが、この出願のこの実施形態を説明するための例として使用される。第1のONUは、PONシステムにアクセスする少なくとも1つのONU内のいずれかのONUでもよいことが理解されるべきである。
【0113】
通常では、ポート検出を実行するためのM個の波長は、OLTとONUとの間でデータ伝送を実行するための波長帯域とは異なる。以下の説明では、ポート検出を実行するためのM個の波長の光信号は監視光と呼ばれてもよく、OLTとONUとの間でデータ伝送を実行するための光信号はサービス光と呼ばれてもよい。監視光及びサービス光は、異なるレーザーを使用することにより伝送されてもよい。以下の説明では、監視光を伝送するレーザーは監視レーザーと呼ばれ、サービス光を伝送するレーザーはサービスレーザーと呼ばれる。いくつかの実施形態では、波長分割多重(wavelength division multiplex, WDM)マルチプレクサを使用することにより、監視光及びサービス光に対して多重化処理が実行されてもよい。具体的には、サービス光のみがサービスレーザーとWDMマルチプレクサとの間の光ファイバを通過し、監視光のみが監視レーザーとWDMとの間の光ファイバを通過する。サービス光及び監視光は、WDMを通じて1つのフィードファイバに結合される。サービスレーザー及び監視レーザーは、管理システム(例えば、ネットワーククラウドエンジン(network cloud engine, NCE)システム)により実行されるスケジューリングを通じてONUと相互作用できる。
【0114】
OLTがM個の波長の光信号を送信する方式は、この出願のこの実施形態では具体的に限定されない。例えば、OLTは、監視レーザーを使用することによりM個の波長の光信号を順次ブロードキャストしてもよい。他の例では、OLTは監視レーザーを使用することによりM個の波長の光信号を同時にブロードキャストしてもよい。
【0115】
この出願のこの実施形態における監視レーザーは、波長可変レーザーでもよく、異なる波長の光信号を放射でき、或いは、代替として異なる波長を放射する複数のレーザーを含んでもよい。任意選択で、監視レーザーはOLTに統合されてもよく、それにより、OLTが光信号を送信するように監視レーザーを直接制御できるようにする。任意選択で、監視レーザーはOLTと独立して配置されてもよい。OLTは、制御信号を監視レーザーに直接送信してもよく、或いは、制御信号を管理システムに送信してもよく、管理システム(例えば、NCEシステム)は、光信号を放射するように監視レーザーを制御する。実際の適用シナリオに基づいて、監視レーザーの具体的な配置方式が調整されてもよいことが理解されるべきである。これはこの出願では限定されない。
【0116】
レーザーがOLTと独立して配置されるとき、レーザーはOLTシステムの一部として使用されてもよい点に留意すべきである。したがって、この出願の実施形態では、全ての場合において、OLTがM個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信することが記載される。
【0117】
この出願のこの実施形態におけるレーザーは、分布ブラッグ反射器(distributed bragg reflector, DBR)レーザー、直接変調レーザー(directly modulated laser, DML)等を含んでもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、監視レーザーがM個の波長の光信号を第1のONUに送信する前に、OLT又は管理システムは、M個の波長を取得する必要がある。可能な実現方式では、M個の波長は、PONシステムにおけるODN内の光スプリッタの具体的な配置に基づいて決定されてもよい。例えば、ネットワーク構築の早期計画に基づいて必要な波長の数が学習され、ネットワーク構築が完了した後に、決定された波長がOLT又は管理システムに入力される。OLT又は管理システムがポート検出のために監視レーザーを駆動して光信号を放射する必要があるとき、OLT又は管理システムは、予め構成された波長に基づいて監視レーザーを駆動して光信号を放射する。
【0119】
例えば、ODNは2レベルの光分岐ネットワークであり、第1レベルの光スプリッタは1:4の分岐比を有する光スプリッタであり、第2レベルの光スプリッタは1:16の分岐比を有する光スプリッタであると仮定する。1:4の分岐比を有する光スプリッタについて、2つの異なる波長の自由な組み合わせを使用することにより区別が実現されてもよい(4つの分岐ポートはそれぞれ、λ1の光信号、λ2の光信号、λ1及びλ2の光信号、並びに光信号の反射なしに対応してもよい)。1:16の分岐比を有する光スプリッタについて、6つの異なる波長の自由な組み合わせを使用することにより区別が実現されてもよい。したがって、8つの異なる波長がODNに必要である。8つの異なる波長は、OLT又は管理システムに予め構成されてもよい。OLT又は管理システムがポート検出のために監視レーザーを駆動して光信号を放射する必要があるとき、OLT又は管理システムは、上記の8つの異なる波長の光信号が送信される必要があると決定し、監視レーザーを駆動して光信号を放射する。
【0120】
いくつかの実施形態では、OLTがM個の波長内の第1の波長の光信号を第1のONUに送信する前に、OLTは第1の波長に関する情報を第1のONUに送信してもよく、それにより、第1のONUが受信対象の光信号の波長を決定するようにする。第1の波長はM個の波長のうちいずれかの波長である。
【0121】
他のいくつかの実施形態では、OLTがM個の波長内の第1の波長の光信号を第1のONUに送信するとき、第1の波長の光信号は符号化されてもよく、それにより、第1の波長の光信号が第1の波長の情報を搬送し、第1のONUが受信した光信号の波長を決定するようにする。第1の波長はM個の波長のうちいずれかの波長である。さらに、第1の波長の光信号を符号化することは、第1の波長の光信号とノイズのある光とを区別するのを更に助ける。
【0122】
ステップ420において、第1のONUは、少なくとも1つのフィードバック情報をOLTに送信し、少なくとも1つのフィードバック情報は、第1のONUに対応するR個の波長を示すために使用され、Rは2以上の正の整数である。
【0123】
したがって、OLTは第1のONUから少なくとも1つのフィードバック情報を受信する。
【0124】
任意選択で、第1のONUに対応するR個の波長は、光スプリッタの分岐ポートにおける反射点により反射され且つOLTから第1のONUへの伝送中にM個の波長の光信号にある光信号に対応してもよい。
【0125】
任意選択で、第1のONUに対応するR個の波長は、光スプリッタの分岐ポートにおける反射点により反射されず且つOLTから第1のONUへの伝送中にM個の波長の光信号にある光信号に対応してもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィードバック情報は、M個の波長の光信号の光パワー値を含んでもよい。すなわち、第1のONUは、第1のONUにより受信されたM個の波長の光信号の光パワー値をOLTにフィードバックする。任意選択で、少なくとも1つのフィードバック情報はM個の光パワー値及びM個の波長に関する情報を含んでもよく、M個の光パワー値はM個の波長に関する情報と1対1の対応関係にある。
【0127】
いくつかの他の実施形態では、少なくとも1つのフィードバック情報はR個の波長に関する情報を含み、R個の波長に関する情報は第1のONUに対応するR個の波長に関する情報である。任意選択で、波長に関する情報は波長の識別情報でもよい。例えば、λ1~λ8の識別子はそれぞれ0001~0008である。
【0128】
任意選択で、OLTによりOLTから第1のONUに送信されたM個の波長の光信号のうちいくつかの光信号は、ODNで反射され、第1のONUにより受信されたいくつかの光信号の光パワー値は低いか或いは0である。いくつかの光信号の波長は、第1のONUに対応するR個の波長である。
【0129】
例えば、2レベルの光分岐がOLTと第1のONUとの間で実行される。第1のONUは、第1レベルの光スプリッタの分岐ポート1及び第2レベルの光スプリッタの分岐ポート1を使用することによりPONシステムにアクセスする。第1レベルの光スプリッタの分岐ポート1の反射点がλ1の光信号を反射するように構成され、第2レベルの光スプリッタの分岐ポート1の反射点がλ3及びλ4の光信号を反射するように構成されていると仮定する。この場合、R個の波長はλ1、λ3及びλ4である。
【0130】
任意選択で、OLTによりOLTから第1のONUに送信されたM個の波長の光信号のうちいくつかの光信号は、ODNで反射され、第1のONUにより受信されたいくつかの光信号の光パワー値は低いか或いは0である。いくつかの光信号以外のM個の波長の光信号の光信号の波長は、第1のONUに対応するR個の波長である。
【0131】
例えば、1レベルの光分岐がOLTと第1のONUとの間で実行される。OLTは波長λ1~λ8のそれぞれの光信号を送信する。第1のONUは、光スプリッタの分岐ポート1を使用することによりPONシステムにアクセスする。光スプリッタの分岐ポート1の反射点がλ1~λ6の光信号を反射するように構成され、すなわち、分岐ポート1はλ7及びλ8の光信号を透過すると仮定する。この場合、R個の波長はλ7及びλ8である。
【0132】
少なくとも1つのフィードバック情報がR個の波長に関する情報を含むとき、第1のONUはステップ450を実行してもよく、すなわち、第1のONUはR個の波長を決定する。
【0133】
可能な実現方式では、R個の波長が光スプリッタの分岐ポートにおける反射点により反射される光信号の波長であるとき、第1のONUは受信した光信号の光パワー値と第1の予め設定された閾値とを比較する。OLTによりOLTから第1のONUに送信されたM個の波長の光信号のうちいくつかの光信号は、光スプリッタの分岐ポートにおける反射点により反射され、第1のONUにより受信されたいくつかの光信号の光パワー値は低いか或いは0である。受信した光信号の光パワー値が第1の予め設定された閾値よりも小さいとき、光信号は反射光信号である。したがって、受信した光信号の光パワー値が第1の予め設定された閾値よりも小さいとき、第1のONUは、光信号の波長が第1のONUに対応する波長の1つであると決定する。
【0134】
可能な実現方式では、R個の波長が光スプリッタの分岐ポートにより透過される光信号の波長であるとき、第1のONUは受信した光信号の光パワー値と第2の予め設定された閾値とを比較する。OLTによりOLTから第1のONUに送信されたM個の波長の光信号のうちいくつかの光信号は、光スプリッタの分岐ポートにおける反射点により反射され、第1のONUにより受信されたいくつかの光信号の光パワー値は低いか或いは0である。受信した光信号の光パワー値が第2の予め設定された閾値よりも大きいとき、光信号は反射されていない光信号である。したがって、受信した光信号の光パワー値が第2の予め設定された閾値よりも大きいとき、第1のONUは、光信号の波長が第1のONUに対応する波長の1つであると決定する。
【0135】
他の可能な実現方式では、R個の波長が光スプリッタの分岐ポートにおける反射点により反射される光信号の波長であるとき、M個の波長の光信号を受信した後に、第1のONUはM個の光信号の取得された光パワーを比較する。M個の光パワー値うち2つの間の差が第3の予め設定された閾値よりも大きい場合、1つのより小さい光パワー値が第1のONUに対応する波長の1つであると決定される。比較は上記のR個の波長が決定されるまで順次実行される。
【0136】
他の可能な実現方式では、R個の波長が光スプリッタの分岐ポートにより透過される光信号の波長であるとき、M個の波長の光信号を受信した後に、第1のONUはM個の光信号の取得された光パワーを比較する。M個の光パワー値うち2つの間の差が第3の予め設定された閾値よりも大きい場合、1つのより大きい光パワー値が第1のONUに対応する波長の1つであると決定される。比較は上記のR個の波長が決定されるまで順次実行される。
【0137】
他の可能な実現方式では、R個の波長が光スプリッタの分岐ポートにおける反射点により反射される光信号の波長であるとき、各ONUがR個の波長に対応する場合、M個の波長の光信号を受信した後に、第1のONUは、取得されたM個の光パワー値を昇順にソートして、最初のR個の光パワー値に対応するR個の波長が第1のONUに対応するR個の波長であると決定してもよい。
【0138】
他の可能な実現方式では、R個の波長が光スプリッタの分岐ポートにより透過される光信号の波長であるとき、各ONUがR個の波長に対応する場合、M個の波長の光信号を受信した後に、第1のONUは、取得されたM個の光パワー値を昇順にソートして、最後のR個の光パワー値に対応するR個の波長が第1のONUに対応するR個の波長であると決定してもよい。
【0139】
他の可能な実現方式では、R個の波長が光スプリッタの分岐ポートにおける反射点により反射される光信号の波長であるとき、各ONUがR個の波長に対応する場合、M個の波長の光信号を受信した後に、第1のONUは、M個の光信号の取得された光パワーを比較する。M個の光パワー値の間の差が予め設定された第3の閾値よりも大きい場合、光パワー値のR個の最小光パワー値に対応する波長が上記のR個の波長であると決定される。
【0140】
他の可能な実現方式では、R個の波長が光スプリッタの分岐ポートにより透過される光信号の波長であるとき、各ONUがR個の波長に対応する場合、M個の波長の光信号を受信した後に、第1のONUは、M個の光信号の取得された光パワーを比較する。M個の光パワー値の間の差が予め設定された第3の閾値よりも大きい場合、光パワー値のR個の最大光パワー値に対応する波長が上記のR個の波長であると決定される。
【0141】
可能な実現方式では、第1のONUは、第1のONUの識別子、番号及びデバイス名のような第1のONUの識別情報をOLTに更に送信する。例えば、識別情報は、OLTによりONUに割り当てられた識別子、ONUの既存の識別子等を含んでもよい。
【0142】
可能な実現方式では、第1のONUの識別情報は、第1のONUによりOLTに別々に送信されてもよく、或いは、少なくとも1つのフィードバック情報に含まれてOLTに送信されてもよく、それにより、OLTは、識別情報に基づいて、少なくとも1つのフィードバック情報が第1のONUによりフィードバックされたことを識別できるようにする。例えば、光パワー情報をOLTに送信するとき、第1のONUは第1のONUの識別情報を光パワー情報に含めてもよい。代替として、ポート情報をOLTに送信するとき、第1のONUは、第1のONUの識別情報をポート情報に含めてもよい。
【0143】
第1のONUが少なくとも1つのフィードバック情報を送信する方式は、この出願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0144】
いくつかの実施形態では、第1のONUは、第1のONUに対応するR個の波長を示すために、複数のフィードバック情報をOLTに送信する。
【0145】
例えば、複数のフィードバック情報のそれぞれは1つの波長の光信号に対応する。例えば、1つの波長の光信号を受信した後に、第1のONUは光信号の光パワー値をOLTにフィードバックしてもよい。少なくとも1つのフィードバック情報がM個の波長の光信号の光パワー値を含むとき、第1のONUはM個のフィードバック情報をOLTに送信する。他の例では、少なくとも1つのフィードバック情報がR個の波長についての情報又は光パワー値を含むとき、第1のONUはR個のフィードバック情報をOLTに送信してもよい。
【0146】
他の例では、複数のフィードバック情報のそれぞれは複数の波長の光信号に対応する。例えば、それぞれのフィードバック情報は2つの波長の光信号に対応する。例えば、2つの波長の光信号を受信した後に、第1のONUは2つの光信号の光パワー値をOLTにフィードバックしてもよい。少なくとも1つのフィードバック情報がM個の波長の光信号の光パワー値を含むとき、第1のONUはM/2個のフィードバック情報をOLTに送信する。少なくとも1つのフィードバック情報がR個の波長についての情報又は光パワー値を含むとき、第1のONUはR/2個のフィードバック情報をOLTに送信してもよい。
【0147】
いくつかの他の実施形態では、第1のONUは、代替として、第1のONUに対応するR個の波長を示すために、1つのフィードバック情報をOLTに送信してもよい。例えば、M個の波長の光信号を受信した後に、第1のONUは1つのフィードバック情報を使用することによりM個の波長の光信号の光パワー値をOLTにフィードバックする。他の例では、M個の波長の光信号を受信した後、且つ、第1のONUに対応するR個の波長を決定した後に、第1のONUは、1つのフィードバック情報を使用することにより、第1のONUに対応するR個の波長に関する情報をOLTにフィードバックする。
【0148】
ステップ430において、OLTは、少なくとも1つのフィードバック情報に基づいて、第1のONUに対応するR個の波長を決定する。
【0149】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィードバック情報がM個の波長の光信号の光パワー値を含むとき、OLTはR個の波長を決定する。具体的な実現方式は、第1のONUの決定方式と同じであるか或いは同様である。ステップ450における関連する説明に参照が行われてもよく、詳細はここでは再び説明しない。
【0150】
いくつかの他の実施形態では、少なくとも1つのフィードバック情報がR個の波長に関する情報を含むとき、OLTは、R個の波長に関する情報に基づいて、第1のONUに対応するR個の波長を直接決定してもよい。
【0151】
ステップ440において、OLTはR個の波長のうち少なくとも2つの波長に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定する。
【0152】
いくつかの実施形態では、OLTは、R個の波長のうち少なくとも2つの波長及び予め構成された対応関係に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定してもよい。対応関係は波長と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係でもよい。対応関係は、少なくとも2つの波長と第1の光スプリッタの第1の分岐ポートとの間の対応関係を含む。このように、OLTは、少なくとも2つの波長と第1の光スプリッタの第1の分岐ポートとの間の対応関係に基づいて、第1のONUが第1の光スプリッタの第1の分岐ポートに対応すると決定できる。
【0153】
例えば、第1の光スプリッタは、1:16の分岐比を有する光スプリッタであり、第1の光スプリッタの16個の分岐ポートは、λ3~λ8を使用することにより区別される。表1に示す波長と分岐ポートとの間の対応関係は、OLTに予め構成される。例えば、第1の分岐ポートは分岐ポート7であり、少なくとも2つの波長はλ3及びλ4である。R個の波長がλ3及びλ4を含むとOLTが決定したとき、OLTは、λ3及びλ4に基づいて、第1のONUが分岐ポート7に対応すること、すなわち、第1の光スプリッタの分岐ポート7が第1のONUに直接的又は間接的に接続されていると決定できる。
【0154】
上記の技術的解決策では、光スプリッタの分岐ポートは、少なくとも2つの異なる波長を反射又は透過する。OLTは、少なくとも2つの異なる波長を使用することにより1つの分岐ポートを決定する。このように、少数の波長の自由な組み合わせを使用することにより、光スプリッタの多数の分岐ポートが定義でき、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係が正確に決定できる。
【0155】
具体例を参照して、以下に、図4に示すポートの検出方法について詳細に説明する。
【0156】
例1
【0157】
ODNは2レベルの光分岐ネットワークであり、符号化方式は1レベルの符号化及び2レベルの符号化のハイブリッド方式である。Xレベルの符号化は、光スプリッタの分岐ポートがX個の異なる波長の光信号を反射又は透過するように別々に構成されることとして理解されてもよい。例えば、1レベルの符号化を使用する光スプリッタの分岐ポートは、1つの波長の光信号を反射又は透過するように別々に構成され、異なる分岐ポートは異なる波長を使用することにより区別される。2レベルの符号化を使用する光スプリッタの分岐ポートは、2つの波長の光信号を反射又は透過するように別々に構成され、異なる分岐ポートは異なる波長のペアの組み合わせを使用することにより区別される。1レベルの符号化及び2レベルの符号化のハイブリッド方式を使用する光スプリッタのいくつかの分岐ポートは、1つの波長の光信号を反射又は透過するように構成され、いくつかの分岐ポートは、2つの波長の光信号を反射又は透過するように構成される。この例では、光スプリッタが監視光を反射することが例として使用される。
【0158】
図5に示すように、OLT及びONUは互いに相互作用して通信し、動作波長(例えば、1260nm~1625nm)及び監視波長(例えば、1625nm~1645nm)を使用する。動作波長のみがOLTとWDMとの間の光ファイバを通過し、監視波長のみが波長可変レーザーとWDMとの間の光ファイバを通過する。動作波長及び監視波長はWDMマルチプレクサを通じて1つのフィードファイバに結合される。
【0159】
第1レベルの光スプリッタは、1:4の分岐比を有する光スプリッタである。光スプリッタは、一般的な光スプリッタを改善することにより、すなわち、光スプリッタの各分岐ポートに格子をエッチングすること、又は分岐ポートの端面に膜を付けることにより取得される。形成された格子又は反射膜は、動作波長の光信号を透過し、特定の監視波長の光信号を反射し、他の監視波長の光信号を透過する。例えば、第1レベルの光スプリッタの4つの分岐ポートは、上から下の順に分岐ポート1~4である。分岐ポート1は波長λ1の光信号のみを反射するように構成され、分岐ポート2は波長λ2の光信号のみを反射するように構成され、分岐ポート3は波長λ1及びλ2の光信号のみを反射するように構成され、分岐ポート4はどの波長の光信号も反射しない。動作波長の光信号について、光スプリッタは光パワーを均等に分割する特性のみを有する。監視波長の光信号について、光スプリッタは光パワーを均等に分割する特性を有するだけでなく、各分岐ポートにおいて0個、1個又は2個の監視波長の光信号を反射する必要がある。このように、2つの異なる波長のみを使用することにより分岐ポート1~4が定義できる。第1レベルの光スプリッタの分岐ポートと波長との間の対応関係は表3に示すものでもよい。
【表3】
【0160】
第2レベルの光スプリッタは、1:16の分岐比を有する光スプリッタである。同様に、動作波長の光信号について、光スプリッタは光スプリッタ特性のみを有する。監視波長の光信号について、光スプリッタは光パワーを均等に分割する特性を有するだけでなく、各分岐ポートにおいて0個、1個又は2個の監視波長の光信号を反射する必要がある。1レベルの符号化及び2レベルの符号化のハイブリッド方式が例として使用される。1レベルの符号化及び2レベルの符号化のハイブリッド方式では、6+5+4+3+2+1=21種類の符号化が6つの異なる波長を使用することにより実現でき、それにより、16個の分岐ポートが完全に区別できるようにする。6つの異なる波長はλ3~λ8であり、第2レベルの光スプリッタの分岐ポートと波長との間の対応関係は表1に示すものでもよい。
【0161】
このように、この例では、8つの異なる波長のみが必要であり、λ1及びλ2は第1レベルの光スプリッタの分岐ポートを定義するために使用され、λ3~λ8は第2レベルの光スプリッタの分岐ポートを定義するために使用される。
【0162】
以下に、ONU及び光スプリッタの分岐ポートのポート検出手順について説明する。
【0163】
図6A及び図6Bは、この出願の実施形態によるポート検出手順の例を示す。図6A及び図6Bにおいて、OLTはONUと光スプリッタのポートとの間の対応関係を決定する。各ONUがオンラインになり、登録手順を完了させた後に、各ONU及び光スプリッタの分岐ポートのポート検出手順が開始される。ONU8が説明のための例として使用される。具体的な手順は以下の通りである。
【0164】
ステップ601において、ONU8がオンラインになり、登録手順を完了させる。
【0165】
ステップ602において、ONU8はポート検出手順を開始するようにOLTに通知する。
【0166】
ステップ603において、ONU8の通知情報を受信した後に、OLTは、動作波長のブロードキャスト信号を送り、波長λ1の光信号を受信する準備をするように全てのONUに通知し、受信持続時間はx秒(s)である。
【0167】
ステップ604において、OLTは、波長λ1の光信号を送信するように管理システム(例えば、NCE)に通知し、管理システムは波長可変レーザーを駆動して波長λ1の光信号を送信する。
【0168】
ステップ605において、ONU8は、波長λ1の光信号を受信する準備をし、受信持続時間はxsである。
【0169】
ステップ606において、ネットワーク構築の初期段階でODNが計画されたときに入力された波長情報に基づいて、管理システムは、合計で8つの異なる波長λ1~λ8の光信号が送信される必要があると決定し、波長可変レーザーを駆動して波長λ1の光信号を送信するように波長可変レーザーに指令を送る。
【0170】
任意選択で、ノイズのある光信号を区別するために、波長λ1の光信号は符号化情報を搬送してもよい。
【0171】
ステップ607において、受信持続時間(例えば、1s)内に、ONU8は波長λ1の光信号を受信し、ONU8は波長λ1の光信号の光パワー値を記憶する。
【0172】
ONU8は第1レベルの光スプリッタの分岐ポート1に間接的に接続されているので、波長λ1の光信号が反射され、ONU8により受信された光信号の光パワー値は小さいか或いは0である。
【0173】
ステップ608において、OLTはクエリメッセージをONU8に送信し、ONU8に記憶されている波長λ1の光信号の光パワーを問い合わせる。
【0174】
ステップ609において、ONU8はフィードバック情報をOLTに送信し、ONU8により受信された波長λ1の光信号の光パワーをフィードバックする。任意選択で、フィードバック情報は、λ1の光信号の光パワー、λ1の光信号に関する情報、ONU8の識別子を含む。
【0175】
ステップ610において、フィードバック情報を受信した後に、OLTはフィードバック情報を記憶し、波長λ1の走査が完了する。
【0176】
ステップ603~ステップ610は、OLTがλ1~λ8の走査を完了するまで繰り返し実行され、対応する光パワー値及びONU識別子を取得する。
【0177】
いくつかの実施形態では、OLTは、代替として、全ての波長の走査が完了した後に、クエリメッセージをONU8に送信して、ONU8により受信された全部又は一部の波長の光信号の光パワーを問い合わせてもよい。ONU8は、フィードバック情報を使用することにより、全部又は一部の波長の光信号の受信光パワーをフィードバックする。
【0178】
ステップ611において、全ての波長の走査が完了した後に、OLTは、ONU8が波長λ1、λ5及びλ6の光信号を受信できず、他の監視波長の光信号を受信できることを分析を通じて学習する。
【0179】
任意選択で、OLTは、各波長の取得された光パワー値及びONU識別子に基づいて、光パワー値及びONU識別子のネットリストを生成してもよい。例えば、光パワー値及びONU識別子のネットリストは表4に示すものでもよい。Nは「未受信」を示し、Yは「受信済」を示す。
【表4】
【0180】
ステップ612において、OLTは光スプリッタの分岐ポートと波長との間の予め構成された対応関係のテーブル(表1及び表3)を呼び出す。λ1は第1レベルの光スプリッタの分岐ポート1に対応し、λ5及びλ6は第2レベルの光スプリッタの分岐ポート8に対応することが分かる。したがって、各レベルにおけるONU8と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係が自動的に確立される。
【0181】
他のONUはONU8と同様であり、ここでは再び1つずつ説明しない。
【0182】
例2
【0183】
ODNは1レベルの光分岐ネットワークであり、符号化方式は1レベルの符号化及び2レベルの符号化のハイブリッド方式であり、光スプリッタは監視光を透過する。
【0184】
図7に示すように、OLT及びONUは互いに相互作用して通信し、動作波長(例えば、1260nm~1625nm)及び監視波長(例えば、1625nm~1645nm)を使用する。動作波長のみがOLTとWDMとの間の光ファイバを通過し、監視波長のみが波長可変レーザーとWDMとの間の光ファイバを通過する。動作波長及び監視波長はWDMマルチプレクサを通じて1つのフィードファイバに結合される。
【0185】
第1レベルの光スプリッタは、1:32の分岐比を有する光スプリッタである。光スプリッタは、一般的な光スプリッタを改善することにより、すなわち、光スプリッタの各分岐ポートに格子をエッチングすること、又は分岐ポートの端面に膜を付けることにより取得される。形成された格子又は反射膜は、動作波長の光信号を透過し、特定の監視波長の光信号を透過し、他の監視波長の光信号を反射する。動作波長の光信号について、光スプリッタは光パワーを均等に分割する特性のみを有する。監視波長の光信号について、光スプリッタは光パワーを均等に分割する特性を有するだけでなく、各分岐ポートにおいていくつかの監視波長の光信号を反射する必要がある。1レベルの符号化及び2レベルの符号化のハイブリッド方式が例として使用される。1レベルの符号化及び2レベルの符号化のハイブリッド方式では、8+7+6+5+4+3+2+1=36種類の符号化が8つの異なる波長を使用することにより実現でき、それにより、32個の分岐ポートが完全に区別できるようにする。8つの異なる波長はλ1~λ8であり、第1レベルの光スプリッタの32個の分岐ポートは上から下の順に分岐ポート1~32であり、第1レベルの光スプリッタの分岐ポートと波長との間の対応関係は表2に示すものでもよい。表2に示す分岐ポートと波長との間の対応関係は、分岐ポートと分岐ポートにより反射に使用される波長との間の対応関係でもよく、或いは、分岐ポートと分岐ポートにより透過に使用される波長との間の対応関係でもよい。
【0186】
このように、この例では8つの異なる波長のみが必要である。
【0187】
この例におけるポート検出手順は例1のものと同様であり、ステップ601~612における関連する説明に参照が行われてもよい。
【0188】
ONU9が例として使用される。上記の説明との違いは、全ての波長の走査が完了した後に、OLTは、ONU9が波長λ1及びλ2の光信号のみを受信するが、他の監視波長の光信号を受信しないこと、又はONU9が波長λ3~λ8の光信号を受信するが、波長λ1及びλ2の光信号を受信しないことを、分析を通じて学習することである。OLTは、光スプリッタの分岐ポートと波長との間の予め構成された対応関係のテーブル(表2)を呼び出す。λ1及びλ2は第1レベルの光スプリッタの分岐ポート9に対応することが分かる。したがって、各レベルにおけるONU9と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係が自動的に確立される。他のONUはONU9と同様であり、ここでは再び1つずつ説明しない。
【0189】
任意選択で、OLTは、各波長の取得された光パワー値及びONU識別子に基づいて、光パワー値及びONU識別子のネットリストを生成してもよい。例えば、光パワー値及びONU識別子のネットリストは表5に示すものでもよい。Nは「未受信」を示し、Yは「受信済」を示す。
【表5】
【0190】
図4図7に示すポート検出方式では、OLTはポート検出を実行する。以下に、ONUにより実行されるポート検出方法について説明する。
【0191】
図8は、この出願の他の実施形態によるポート検出方法の概略フローチャートである。図8に示す方法はPONシステムに適用可能である。PONシステムにおけるODNは、少なくとも1つの光スプリッタを含み、少なくとも1つの光スプリッタ内の第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは、少なくとも2つの異なる波長の光信号を反射又は透過するように構成される。
【0192】
ステップ810において、OLTは、M個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信し、M個の波長は互いに異なる。
【0193】
ステップ820において、第1のONUは、M個の波長の光信号の受信光パワー値に基づいてR個の波長を決定し、Rは2以上の整数である。
【0194】
ステップ830において、第1のONUは、R個の波長のうち少なくとも2つの波長に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定する。
【0195】
ステップ840において、第1のONUはフィードバック情報をOLTに送信し、フィードバック情報は、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を示すために使用される。
【0196】
ステップ850において、OLTは、受信したフィードバック情報に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定する。
【0197】
ONUにより実行されるポート検出は、OLTにより実行されるポート検出と同様である。違いは、ONUがR個の波長のうち少なくとも2つの波長に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定し、フィードバック情報を使用することによりポート情報をOLTにフィードバックすることである。OLTは、ONUにより受信された波長の光信号の光パワーを分析する必要がない。具体的には、ステップ810はステップ410と同様であり、ステップ410における関連する説明に参照が行われてもよい。第1のONUがR個の波長を決定する方式は、ステップ450におけるものと同様であり、ステップ450における関連する説明に参照が行われてもよい。ステップ840はステップ440と同様であり、ステップ440における関連する説明に参照が行われてもよい。
【0198】
具体例を参照して、図8に示すポートの検出方法について詳細に説明する。
【0199】
例3
【0200】
同様に、図5に示すPONシステムが例として使用される。ODNの具体的な構造については、図5における関連する説明に参照が行われてもよい。詳細はここでは再び説明しない。
【0201】
図9は、この出願の実施形態によるポート検出手順の他の例を示す。図9において、ONUはONUと光スプリッタのポートとの間の対応関係を決定する。各ONUがオンラインになり、登録手順を完了させた後に、各ONU及び光スプリッタの分岐ポートのポート検出手順が開始される。ONU8が説明のための例として使用される。具体的な手順は以下の通りである。
【0202】
ステップ901において、ONU8がオンラインになり、登録手順を完了させる。
【0203】
ステップ902において、ONU8はポート検出手順を開始するようにOLTに通知する。
【0204】
ステップ903において、ONU8の通知情報を受信した後に、OLTは、動作波長のブロードキャスト信号を送り、波長λ1の光信号を受信する準備をするように全てのONUに通知し、受信持続時間はxsである。
【0205】
ステップ904において、OLTは、波長λ1の光信号を送信するように管理システム(例えば、NCE)に通知し、管理システムは波長可変レーザーを駆動して波長λ1の光信号を送信する。
【0206】
ステップ905において、ONU8は、波長λ1の光信号を受信する準備をし、受信持続時間はxsである。
【0207】
ステップ906において、ネットワーク構築の初期段階でODNが計画されたときに入力された波長情報に基づいて、管理システムは、合計で8つの異なる波長λ1~λ8の光信号が送信される必要があると決定し、波長可変レーザーを駆動して波長λ1の光信号を送信するように波長可変レーザーに指令を送る。
【0208】
任意選択で、ノイズのある光信号を区別するために、波長λ1の光信号は符号化情報を搬送してもよい。
【0209】
ステップ907において、受信持続時間(例えば、1s)内に、ONU8は波長λ1の光信号を受信し、ONU8は波長λ1の光信号の光パワー値を記憶する。ONU8は第1レベルの光スプリッタの分岐ポート1に間接的に接続されているので、波長λ1の光信号が反射され、ONU8により受信された光信号の光パワー値は小さいか或いは0である。
【0210】
ステップ903~ステップ907は、OLTがλ1~λ8の走査を完了するまで繰り返し実行され、それにより、ONU8が対応する光パワー値及びONU識別子を取得するようにする。
【0211】
ステップ908において、全ての波長の光信号の受信が完了した後に、ONU8は、波長λ1、λ5及びλ6の光信号を受信できず、他の監視波長の光信号を受信できることを分析を通じて学習する。
【0212】
ステップ909において、ONU8は光スプリッタの分岐ポートと波長との間の予め構成された対応関係のテーブル(表1及び表3)を呼び出す。λ1は第1レベルの光スプリッタの分岐ポート1に対応し、λ5及びλ6は第2レベルの光スプリッタの分岐ポート8に対応することが分かる。したがって、各レベルにおけるONU8と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係が決定される。
【0213】
ステップ910において、ONU8はフィードバック情報をOLTに送信し、ONU8により決定された、各レベルにおけるONU8と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係をOLTにフィードバックする。
【0214】
ステップ911において、OLTは、受信したフィードバック情報に基づいて、各レベルにおけるONU8と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係を決定する。
【0215】
他のONUはONU8と同様であり、ここでは再び1つずつ説明しない。
【0216】
例4
【0217】
同様に、図7に示すPONシステムが例として使用される。ODNの具体的な構造については、図7における関連する説明に参照が行われてもよい。詳細はここでは再び説明しない。この例におけるポート検出手順は例3におけるものと同様であり、ステップ901~911における関連する説明に参照が行われてもよい。
【0218】
ONU9が例として使用される。上記の説明との違いは、全ての波長の走査が完了した後に、ONU9は、ONU9が波長λ1及びλ2の光信号のみを受信するが、他の監視波長の光信号を受信しないこと、又はONU9が波長λ3~λ8の光信号を受信するが、波長λ1及びλ2の光信号を受信しないことを、分析を通じて決定することである。ONU9は、光スプリッタの分岐ポートと波長との間の予め構成された対応関係のテーブル(表2)を呼び出す。λ1及びλ2は第1レベルの光スプリッタの分岐ポート9に対応することが分かる。したがって、各レベルにおけるONU9と光スプリッタの分岐ポートとの間の対応関係が決定され、対応関係がフィードバック情報を使用することによりOLTに送信される。他のONUはONU9と同様であり、ここでは再び1つずつ説明しない。
【0219】
この出願では、光スプリッタの分岐ポートは、少なくとも2つの異なる波長で反射又は透過する。ONUは、少なくとも2つの異なる波長を使用することにより1つの分岐ポートを決定する。このように、少数の波長の自由な組み合わせを使用することにより、光スプリッタの多数の分岐ポートが定義でき、ONUと光スプリッタの分岐ポートとの間の接続関係が正確に決定できる。
【0220】
上記の各実施形態では、M個の波長の光信号、クエリメッセージ及びフィードバック情報は、PLOAMメッセージ、OMCIメッセージ又はデータチャネルにより搬送されてもよい点に留意すべきである。
【0221】
上記の各実施形態は、別々に実現されてもよく、或いは、一緒に適切に実現されてもよい点に更に留意すべきである。
【0222】
上記の実施形態における機能を実現するために、通信装置は、対応する機能を実行するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含むことが理解され得る。当業者は、この出願に開示される実施形態に記載の例と組み合わせて、ユニット及びアルゴリズムのステップがハードウェア又はハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせにより実現されてもよいことを容易に認識すべきである。機能がハードウェアにより実行されるか、コンピュータソフトウェアにより駆動されるハードウェアにより実行されるかは、技術的解決策の特定の用途及び設計上の制約に依存する。
【0223】
図10及び図11は、この出願の実施形態によるポート検出装置の構造の概略図である。
【0224】
当該装置は、上記の方法の実施形態においてOLT又はONUの機能を実現するように構成されてもよく、したがって、上記の方法の実施形態における有益な効果を達成できる。この出願の実施形態では、通信装置はOLT又はONUでもよく、或いは、OLT又はONUに適用されるモジュール(例えば、チップ)でもよい。
【0225】
図10に示すように、ポート検出装置1000は、処理ユニット1010及びトランシーバユニット1020を含む。ポート検出装置1000は、上記の方法の実施形態においてOLT又はONUの機能を実現するように構成される。
【0226】
ポート検出装置1000が図4に示す方法の実施形態においてOLTの機能を実現するように構成されるとき、以下が実現される。
【0227】
トランシーバユニット1020は、M個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信するように構成され、M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数であり、第1のONUにより送信された少なくとも1つのフィードバック情報を受信するように構成され、少なくとも1つのフィードバック情報は、第1のONUにより受信されたM個の波長の光信号の光パワー値を示すために使用され、第1のONUは、少なくとも1つのONU内のいずれかのONUである。
【0228】
処理ユニット1010は、M個の波長の光信号の光パワー値の大きさに基づいて、第1のONUに対応するR個の波長を決定するように構成され、Rは2以上の整数であり、R個の波長のうち少なくとも2つの波長に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定するように構成され、第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは少なくとも2つの波長に対応する。
【0229】
ポート検出装置1000が図4に示す方法の実施形態においてONUの機能を実現するように構成されるとき、以下が実現される。
【0230】
トランシーバユニット1020は、OLTにより送信されたM個の波長の光信号を受信するように構成され、M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数であり、少なくとも1つのフィードバック情報をOLTに送信するように構成され、少なくとも1つのフィードバック情報は、第1のONUにより受信されたM個の波長の光信号の光パワー値を示すために使用される。
【0231】
任意選択で、処理ユニット1010は、ONUにより受信されたM個の波長の光信号の光パワー値に基づいて、R個の波長を決定するように構成される。
【0232】
ポート検出装置1000が図8に示す方法の実施形態においてOLTの機能を実現するように構成されるとき、以下が実現される。
【0233】
トランシーバユニット1020は、M個の波長の光信号を少なくとも1つのONUに送信するように構成され、M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数であり、第1のONUにより送信されたフィードバック情報を受信するように構成され、フィードバック情報は、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を示すために使用される。
【0234】
処理ユニット1010は、フィードバック情報に基づいて、第1のONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定するように構成される。
【0235】
ポート検出装置1000が図8に示す方法の実施形態においてONUの機能を実現するように構成されるとき、以下が実現される。
【0236】
トランシーバユニット1020は、OLTにより送信されたM個の波長の光信号を受信するように構成され、M個の波長は互いに異なり、Mは1よりも大きい整数である。
【0237】
処理ユニット1010は、M個の波長の光信号の受信光パワー値の大きさに基づいて、ONUに対応するR個の波長を決定するように構成され、Rは2以上の整数であり、R個の波長内の少なくとも2つの波長に基づいて、ONUに対応する第1の光スプリッタのポート情報を決定するように構成され、第1の光スプリッタの第1の分岐ポートは少なくとも2つの波長に対応する。
【0238】
トランシーバユニット1020は、フィードバック情報をOLTに送信するように更に構成され、フィードバック情報は、ポート情報を示すために使用される。
【0239】
処理ユニット1010及びトランシーバユニット1020に関するより詳細な説明については、方法の実施形態における関連する説明を直接参照が行われてもよい。詳細はここでは再び説明しない。
【0240】
図11に示すように、ポート検出装置1100は、プロセッサ1110及びインタフェース回路1120を含む。プロセッサ1110はインタフェース回路1120に結合される。インタフェース回路1120は、トランシーバ又は入力/出力インタフェースであることが理解され得る。任意選択で、ポート検出装置1100は、プロセッサ1110により実行される命令を記憶するように、プロセッサ1110が命令を実行するために必要な入力データを記憶するように、或いは、プロセッサ1110が命令を実行した後に生成されたデータを記憶するように構成されたメモリ1130を更に含んでもよい。
【0241】
ポート検出装置1100が図4又は図8に示す方式を実現するように構成されるとき、プロセッサ1110は処理ユニット1010の機能を実行するように構成され、インタフェース回路1120はトランシーバユニット1020の機能を実行するように構成される。
【0242】
ポート検出装置1100がOLTに適用されるチップであるとき、チップは上記の方法の実施形態におけるOLTの機能を実現する。チップはOLT内の他のモジュールから情報を受信し、情報は他のデバイスにより端末デバイス、例えば、OLTに送信される。代替として、チップは情報をOLT内の他のモジュールに送信し、情報はOLTにより他のデバイスに送信される。
【0243】
ポート検出装置1100がONUに適用されるチップであるとき、チップは上記の方法の実施形態におけるONUの機能を実現する。チップはONU内の他のモジュールから情報を受信し、情報は他のデバイスにより端末デバイス、例えば、OLTに送信される。代替として、チップは情報をONU内の他のモジュールに送信し、情報はONUにより他のデバイスに送信される。
【0244】
この出願の実施形態におけるプロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit, CPU)、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor, DSP)、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array FPGA)若しくは他のプログラム可能論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェアコンポーネント、又はこれらのいずれかの組み合わせでもよい点に留意すべきである。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ又はいずれかの通常のプロセッサ等でもよい。
【0245】
この出願の実施形態における方法のステップは、ハードウェアの形式で実現されてもよく、或いは、ソフトウェア命令を実行することによりプロセッサにより実現されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールにより形成されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory, RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory, ROM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(Programmable ROM, PROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(Erasable PROM, EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(Electrically EPROM, EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ハードディスク、CD-ROM、又は当該技術分野おいて周知のいずれかの他の形式の記憶媒体に記憶されてもよい。例えば、記憶媒体はプロセッサに結合され、それにより、プロセッサは記憶媒体から情報を読み取ることができ、或いは、情報を記憶媒体に書き込むことができるようにする。明らかに、記憶媒体はプロセッサのコンポーネントでもよい。プロセッサ及び記憶媒体はASICに位置してもよい。さらに、ASICはOLT又はONUに位置してもよい。明らかに、プロセッサ及び記憶媒体は、OLT又はONUに個別のコンポーネントとして存在してもよい。
【0246】
上記の実施形態の全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はこれらのいずれかの組み合わせを使用することにより実現されてもよい。ソフトウェアが実施形態を実現するために使用されるとき、実施形態の全部又は一部はコンピュータプログラム製品の形式で実現されてもよい。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータプログラム又は命令を含む。コンピュータプログラム又は命令がコンピュータにロードされて実行されたとき、この出願の実施形態による手順又は機能が全部或いは部分的に実現される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク又は他のプログラム可能装置でもよい。コンピュータプログラム又は命令は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されてもよく、或いは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体を使用することにより伝送されてもよい。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、コンピュータによりアクセス可能ないずれかの利用可能な媒体、又は1つ以上の利用可能な媒体を統合したデータ記憶デバイス、例えば、サーバでもよい。利用可能な媒体は、磁気媒体、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク又は磁気テープでもよく、或いは、光媒体、例えば、DVD等でもよく、或いは、半導体媒体、例えば、ソリッドステートドライブ(solid state drive, SSD)でもよい。
【0247】
この出願の実施形態では、特別な説明又は論理的な矛盾が存在しない場合、異なる実施形態の間の用語及び/又は説明は一貫しており、相互に参照されてもよく、異なる実施形態における技術的特徴は、異なる実施形態の内部的な論理関係に基づいて新たな実施形態を形成するように組み合わされてもよい。
【0248】
この出願では、少なくとも1つは1つ以上を意味し、複数は2つ以上を意味する。及び/又はは、関連するオブジェクトの間の関連付け関係を記述し、3つの関係が存在してもよいことを示す。例えば、A及び/又はBは以下の場合、すなわち、Aのみが存在すること、AとBとの双方が存在すること、及びBのみが存在することを示してもよく、A及びBは単数又は複数でもよい。この出願のテキストの説明では、文字「/」は通常では、関連するオブジェクトが「又は」の関係にあることを示す。この出願の式では、文字「/」は、関連するオブジェクトが「除算」関係にあることを示す。
【0249】
この出願の実施形態において使用される様々な数字は、単に説明を容易にするために区別することを意図したものであり、この出願の実施形態の範囲を限定することを意図したものではないことが理解され得る。上記のプロセスの順序番号は、実行順序を意味するものではない。プロセスの実行順序は、プロセスの機能及び内部ロジックに従って決定されるべきである。
【0250】
当業者は、この明細書に開示される実施形態に記載の例と組み合わせて、ユニット及びアルゴリズムのステップが電子ハードウェア又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよいことを認識し得る。機能がハードウェアにより実行されるかソフトウェアにより実行されるかは、技術的解決策の特定の用途及び設計上の制約条件に依存する。当業者は、特定の用途毎に記載の機能を実現するために異なる方法を使用してもよいが、実現方式がこの出願の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0251】
便宜的且つ簡潔な説明のため、上記のシステム、装置及びユニットの詳細な動作プロセスについては、上記の方法の実施形態における対応するプロセスを参照し、詳細についてはここでは再び説明しないことが当業者により明確に理解され得る。
【0252】
この出願において提供されるいくつかの実施形態では、開示のシステム、装置及び方法が他の方式で実現されてもよいことが理解されるべきである。例えば、記載の装置の実施形態は単なる例である。例えば、ユニットへの分割は単なる論理的な機能分割であり、実際の実現方式では他の分割でもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは組み合わされてもよく或いは他のシステムに統合されてもよく、或いは、いくつかの機能が無視されてもよく或いは実行されなくてもよい。さらに、表示又は議論されている相互結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインタフェースを使用することにより実現されてもよい。装置又はユニットの間の間接結合又は通信接続は、電子的、機械的又は他の形式で実現されてもよい。
【0253】
別々の部分として記載されるユニットは、物理的に分離してもよく或いは分離しなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理的なユニットでもよく或いは物理的なユニットでなくてもよく、1つの場所に位置してもよく、或いは、複数のネットワークユニットに分散してもよい。ユニットの一部又は全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択されてもよい。
【0254】
さらに、この出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、或いは、ユニットのそれぞれが物理的に単独で存在してもよく、或いは、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
【0255】
機能がソフトウェアの機能単位の形式で実現され、独立した製品として販売又は使用されるとき、機能はコンピュータが読み取り可能記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、この出願の技術的な解決策、又は従来の技術に寄与する部分、又は技術的な解決策の一部はソフトウェア製品の形式で実現されてもよい。ソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワークデバイスでもよい)に対して、この出願の実施形態に記載の方法のステップの全部又は一部を実行するよう命令するためのいくつかの命令を含む。上記の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、取り外し可能ハードディスク、読み取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)、磁気ディスク、光ディスク等のような、プログラムコードを記憶できるいずれかの媒体を含む。
【0256】
上記の説明は、単にこの出願の特定の実現方式であり、この出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。この出願に開示される技術的範囲内で当業者により容易に把握できるいずれかの変更又は置換は、この出願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、この出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
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