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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】クラウドベースの建物管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/46 20060101AFI20240509BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20240509BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240509BHJP
【FI】
H04L12/46 100C
H04L12/28 100F
G06Q50/08
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022570249
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 US2021031997
(87)【国際公開番号】W WO2021242522
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】16/888,625
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルダー、ロシャン
(72)【発明者】
【氏名】タラナト、マヌ
(72)【発明者】
【氏名】チャタージ、アグニラジ
(72)【発明者】
【氏名】トライス、デイヴィッド
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0356502(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0284691(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/46
H04L 12/28
G06Q 50/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築現場から離れたクラウドベースのサーバを使用して、前記建築現場において1つ又は複数の建物システム構成要素を遠隔で構成する方法であって、前記1つ又は複数の建物システム構成要素が、前記建築現場に配置されたインテリジェントゲートウェイと動作可能に接続され、前記インテリジェントゲートウェイ自体が、ネットワークを介して前記クラウドベースのサーバと動作可能に接続され、前記方法が、
前記クラウドベースのサーバにおいて、前記インテリジェントゲートウェイから、前記1つ又は複数の建物システム構成要素の各々を識別する識別情報を受信するステップと
前記クラウドベースのサーバを使用して、前記1つ又は複数の建物システム構成要素ごとの前記識別情報に少なくとも部分的に基づく、前記クラウドベースのサーバに存在するサイト構成を作成するステップと、
前記インテリジェントゲートウェイが、構成情報を、前記1つ又は複数の建物システム構成要素の動作を制御する1つ又は複数のローカル制御部に渡し得るように、前記クラウドベースのサーバから前記インテリジェントゲートウェイに前記サイト構成をダウンロードするステップと
を含
前記クラウドベースのサーバが、
前記インテリジェントゲートウェイと双方向に通信し、更に、
前記クラウドベースのサーバの前記サイト構成に変更が加えられたとき、その変更が、前記インテリジェントゲートウェイに自動的にミラーリングされるように、前記クラウドベースのサーバと前記インテリジェントゲートウェイとの間で前記サイト構成のミラーイメージを維持する、及び/又は、
前記インテリジェントゲートウェイによって収集された動作データに変更が加えられたとき、その変更が、前記クラウドベースのサーバに自動的にミラーリングされるように、前記クラウドベースのサーバと前記インテリジェントゲートウェイとの間で少なくともいくつかの前記動作データのミラーイメージを維持する、
ように構成される、
方法。
【請求項2】
前記クラウドベースのサーバを使用して、前記クラウドベースのサーバに存在する前記サイト構成に、後で変更を加えるステップと、
前記インテリジェントゲートウェイが、前記変更を前記1つ又は複数のローカル制御部に渡し得るように、前記変更を用いて前記インテリジェントゲートウェイに記憶された前記サイト構成を更新するステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に建物管理システムに関する。より詳細には、本開示は、クラウドベースの建物管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物管理システムは、様々な異なる建物管理システム構成要素の動作を制御するために使用され得る。多くの場合、建物管理システムは、建築現場で建物管理システム全体を制御するために使用される集中監視建物管理システム制御部を含む。遠隔の現場からそのようなシステムを構成し、及び/又は管理することは、難題であり得る。遠隔地から構成し、及び/又は管理することが容易なクラウドベースの建物管理システムが、望ましい。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、概して、クラウドベースの建物管理システムに関する。一実施例では、建築現場で1つ又は複数の建物システム構成要素を遠隔で構成する方法は、建築現場から離れたクラウドベースのサーバを使用する。建築現場に配置され、それ自体がネットワークを介してクラウドベースのサーバと動作可能に接続されるインテリジェントゲートウェイと、1つ又は複数の建物システム構成要素は、動作可能に接続される。インテリジェントゲートウェイは、1つ又は複数の建物構成要素を発見し得る。次いで、クラウドベースのサーバは、1つ又は複数の建物システム構成要素の各々を識別する情報を、インテリジェントゲートウェイから受信する。クラウドベースのサーバは、1つ又は複数の建物システム構成要素ごとの識別情報に少なくとも部分的に基づくサイト構成を作成するために使用される。次いで、サイト構成は、クラウドベースのサーバからインテリジェントゲートウェイにダウンロードされ、インテリジェントゲートウェイは、構成情報を、1つ又は複数の建物システム構成要素の動作を制御する1つ又は複数のローカル制御部に渡す。
【0004】
別の実施例では、クラウドベースの建物管理システムを、建築現場に集中監視建物管理システム制御部を有しない建物に提供する方法が、建築現場のローカルネットワークと動作可能に接続された1つ又は複数の建物システム構成要素と通信するように構成されるインテリジェントゲートウェイを、建築現場に提供することを含む。建築現場のインテリジェントゲートウェイと通信するクラウドベースの建物管理システムが提供される。クラウドベースの建物管理システムは、サイト構成ツールを含み得る。通信は、インテリジェントゲートウェイとクラウドベースの建物管理システムとの間で可能にされ、インテリジェントゲートウェイを介して、クラウドベースの建物管理システムと建物制御構成要素の1つ又は複数のローカル制御部との間で可能にされる。建築現場で建物システム構成要素のうちの1つ又は複数からインテリジェントゲートウェイによって収集されるリアルタイム動作データは、クラウドベースの建物管理システムによってインテリジェントゲートウェイから受信される。これに応答して、ローカル制御部のうちの1つ又は複数に分配するために、更新した動作命令が、インテリジェントゲートウェイに与えられる。更新した動作命令は、リアルタイム動作データに応答して、建物システム構成要素のうちの1つ又は複数の動作を修正する。
【0005】
別の実施例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、実行可能命令を記憶する。実行可能命令が、クラウドベースのサーバの1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、クラウドベースのサーバの1つ又は複数のプロセッサに、クラウドベースのサーバにおいて、クラウドベースのサーバから離れた建築現場に位置するインテリジェントゲートウェイから、建築現場における1つ又は複数の建物システム構成要素の各々を識別する情報を、1つ又は複数の建物システム構成要素の少なくともいくつかの動作データとともに、受信させる。クラウドベースのシステムの1つ又は複数のプロセッサに、サイト構成を生成させ、サイト構成をクラウドベースのサーバに記憶させ、サイト構成をインテリジェントゲートウェイにダウンロードさせ、インテリジェントゲートウェイは、構成情報を、1つ又は複数の建物システム構成要素の少なくともいくつかの動作を制御する1つ又は複数のローカル制御部に渡すように構成される。クラウドベースのシステムの1つ又は複数のプロセッサに、クラウドベースのサーバに存在するサイト構成に、後で変更を加えさせ、インテリジェントゲートウェイに記憶したサイト構成を更新させ、インテリジェントゲートウェイは、構成更新を、1つ又は複数のローカル制御部に自動的に渡すように構成される。
【0006】
前述の概要は、本開示に固有の革新的な特徴のいくつかの理解を容易にするために提供されており、完全な説明であることを意図するものではない。本開示の完全な理解は、全体として、明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書全体を解釈することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、添付の図面に関連する様々な実施例の以下の説明を考慮して、より完全に理解し得る。
図1】例示的なシステムの概略ブロック図である。
図2図1の例示的なシステムを使用して実行され得る例示的な方法を示すフロー図である。
図3図1の例示的なシステムを使用して実行され得る例示的な方法を示すフロー図である。
図4図1の例示的なシステムを使用して実行され得る例示的な方法を示すフロー図である。
図5図1の例示的なシステムを使用して実行され得る例示的な方法を示すフロー図である。
図6図1の例示的なシステムを使用して実行され得る例示的な方法を示すフロー図である。
【0008】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態を受け入れることができるが、それらの詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明される。しかしながら、本開示を、説明する特定の実施例に限定することを意図しないことを理解されたい。それどころか、その意図は、本開示の精神及び範囲内に入るすべての修正、等価物、及び代替物を網羅することである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
説明
以下の説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面の同様の要素には同様の方法で番号が付けられている。必ずしも縮尺通りではない図面は、本開示の範囲を限定することを意図しない実施例を示す。様々な要素について例が示されているが、当業者であれば、提供される実施例の多くが、利用され得る適切な代替形態を有することを認識するであろう。
【0010】
本明細書において、すべての数字は、内容が明確に他のことを指示しない限り、「約」という用語によって修飾されると想定される。端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含されるすべての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0011】
単数形「a」、「an」、及び「the」が、本明細書及び添付の「特許請求の範囲」で使用されるとき、内容が明確に他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。「又は」という用語が、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、内容が明確に他のことを指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で一般に使用される。
【0012】
本明細書における「一実施形態(an embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」、「他の実施形態(other embodiments)」などへの言及は、記載された実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が、必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含むとは限らないことに留意されたい。更に、このような句は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が、実施形態に関連して説明されるとき、その特徴、構造、又は特性が、実施形態に関連して説明されることが企図され、その特徴、構造、又は特性は、明確に反対のことが述べられない限り、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に適用され得ることが企図される。
【0013】
図1は、建物システム10の概略ブロック図である。最も広義には、例示的な建物システム10は、建築現場12と、クラウドベースのサーバ14と、を含む。建築現場12は、任意の建物又は建物の一部を、一般に指し得る。場合によっては、建築現場12は、集中ローカル監視建物管理システムを別個に有しない建物又は建物の一部を指すものと見なされてもよい。建築現場12は、個々に16a、16b及び16cとラベル付けした多数の建物システム構成要素16を含む。全部で3つの建物システム構成要素16が示されているが、建築現場12が、任意の数の建物システム構成要素16を含み得るので、これは単なる例示であることが理解されよう。建物システム構成要素16は、例えば、加熱源、冷却源、換気源、VAVボックス、エアダンパなどの、暖房、換気及び空調(HVAC)システム内の個々の構成要素を指し得る。建物システム構成要素16のいくつかは、セキュリティセンサ、制御パッドなどのセキュリティシステム内の個々の構成要素を指し得る。建物システム構成要素16のいくつかは、個々の照明源など、照明システム内の個々の構成要素を指し得る。これらは単なる実施例である。
【0014】
例示的な建築現場12は、個々に18a、18b、18cとラベル付けしたいくつかのローカル制御部18を含む。ローカル制御部18は、例えば、建物システム構成要素16の動作を制御するために使用され得る。全部で3つのローカル制御部18を示しているが、建築現場12は、任意の数のローカル制御部18を含み得るので、これは単なる例示であることが理解されるであろう。HVACシステムでは、例えば、特定のローカル制御部18が、建物システム構成要素16のうちの1つが示すVAVボックスの動作を制御し得る。その特定の建物システム構成要素16のローカル制御部18は、建築現場12の対応する部分内で所望の空気流を達成するために、又は概ね所望の温度設定点を達成するために、VAVボックス内の相対的なダンパ位置を制御し得る。個々の建物システム構成要素と、対応する個々のローカル制御部18との間に1対1の関係を有するように示しているが、これは必ずしもすべての場合に当てはまるわけではない。例えば、場合によっては、単一のローカル制御部18が、2つ以上の異なる建物システム構成要素16の動作を制御してもよい。
【0015】
図示の例では、ローカル制御部18の各々は、ローカルネットワーク20に動作可能に接続される。ローカルネットワーク20は、例えば有線ネットワークであってもよいし、場合によっては無線ネットワークであってもよいし、有線ネットワークと無線ネットワークとの組合せであってもよい。インテリジェントゲートウェイ22は、ローカルネットワーク20に動作可能に接続され、したがって、ローカルネットワーク20に動作可能に接続されたローカル制御部18の各々に、動作可能に接続され得る。場合によっては、特に、建築現場12が比較的小さい場合、ローカルネットワーク20が存在してもよい。そのような場合、ローカル制御部18の各々は、代わりに、有線又は無線接続を介して、インテリジェントゲートウェイ22に直接接続されてもよい。場合によっては、ローカルネットワーク20は、BACNET、MODBUS、LONTALK、ENOCEAN、ZIGBEE、X10、及び/又は任意の他の適切なネットワークプロトコルなどのネットワークプロトコルに従って動作してもよい。
【0016】
インテリジェントゲートウェイ22は、ローカル制御部18とクラウドベースのサーバ14との間の仲介として機能する。例えば、インテリジェントゲートウェイ22は、ローカルネットワーク20上にそれらのデバイスを発見するように構成されてもよい。場合によっては、ローカルネットワーク20のネットワークプロトコルは、例えば、ローカルネットワーク20に接続されたすべてのデバイスが、それら自体を識別することを要求するために使用され得る発見コマンドを含む。場合によっては、インテリジェントゲートウェイ22は、ローカルネットワーク20に動作可能に接続されていることが分かっている任意のデバイスに問い合わせて、それらのデバイスから、追加の情報をしてもよく、追加の情報は、接続されているデバイスをインテリジェントゲートウェイ22及び/又はクラウドベースのサーバ14が識別する動作を更に助ける情報、例えば、建物システム構成要素のタイプ、識別された建物システム構成要素の機能、ローカル制御部及び/又は建物システム構成要素の接続性、ローカル制御部及び/又は建物システム構成要素から利用可能な動作データのタイプ、ローカル制御部及び/又は建物システム構成要素から利用可能なアラームのタイプ、並びに/あるいは任意の他の適切な情報である。
【0017】
インテリジェントゲートウェイ22は、この情報の一部又は全部を、ネットワーク24を介してクラウドベースのサーバ14に渡し、クラウドベースのサーバ14は、その情報を使用して、建築現場12のサイト構成を作成し得る。次いで、サイト構成は、クラウドベースのサーバ14から、ネットワーク24を介してインテリジェントゲートウェイ22に提供され得る。ローカル制御部18の各々が、担当する建物システム構成要素16の動作を好適に制御し得るように、インテリジェントゲートウェイ22は、ローカル制御部18の各々に適切なローカル構成を提供するように構成され得る。インテリジェントゲートウェイ22は、ローカル制御部18によって最初に収集される建物システム構成要素16の動作に関する動作データを収集するように構成され、収集した動作データをクラウドベースのサーバ14に提供するように構成され得る。
【0018】
場合によっては、ローカル制御部18のうちの1つのローカル構成は、ローカル制御部18が動作を担当する特定の建物システム構成要素の動作のための制御論理、モデリング、及び構成設定のうちの1つ又は複数を含んでもよい。ローカル構成は、初期構成(例えば、建築現場12の建物管理システムの初期コミッショニング中)を説明してもよく、又はローカル構成は、元の構成のその後の修正を説明してもよい。
【0019】
インテリジェントゲートウェイ22は、ネットワーク24を介してクラウドベースのサーバ14に動作可能に接続され得る。ネットワーク24は、単一のネットワーク、又は2つ以上の別個のネットワークのコンピレーションを指し得る。ネットワーク24は、インターネットを含んでもよい。クラウドベースのサーバ14は、単一のコンピュータサーバ又はコンピュータサーバの集合を指してもよく、建物管理システムのための集中建物管理システム制御部26として機能してもよい。場合によっては、クラウドベースのサーバ14が実装する集中建物管理システム制御部26は、オンサイト集中建物管理システム制御部の代替と見なされてもよい。サーバ、デスクトップ、又は集中建物管理システムソフトウェアを実行する他のコンピュータハードウェアなどのオンサイト集中建物管理システム制御部に通常関連付けられるハードウェアのすべてを必要とすることなく、集中建物管理システム制御部26は、オンサイト集中建物管理制御部の機能の一部又は全部をもたらし得る。
【0020】
集中建物管理システム制御部26は、例えば、インテリジェントゲートウェイ22から動作データを受信してもよく、対応する動作コマンドをインテリジェントゲートウェイ22に提供してもよい、と考えられる。インテリジェントゲートウェイ22は、ローカル制御部18から動作データを受信し、動作データを集中建物管理システム制御部26にアップロードし得る。インテリジェントゲートウェイ22は、集中建物管理システム制御部26から動作コマンドを受信し、動作コマンドを適切なローカル制御部18に転送し得る。
【0021】
クラウドベースのサーバ14はまた、サイト構成ツール28を提供し得る。サイト構成ツール28は、建築現場12のうちの1つ又は複数を構成するためにユーザが使用し得る。場合によっては、ユーザは、ローカル制御部18と、ローカル制御部18及び/又は建物システム構成要素16との間の接続を構成するために、サイト構成ツール28を使用して、インテリジェントゲートウェイ22と接続されてもよい。これは、例えば、どのローカル制御部18が、どの建物システム構成要素16の動作を担当するかを指定することを含み得る。ユーザは、サイト構成ツール28を利用して、ローカル制御部18と、限定はしないがセンサ及びアクチュエータなどの追加の構成要素との間の接続を構成し得る。
【0022】
場合によっては、ユーザが、建築現場12から受信した動作データを使用してデータモデリングを実施し得るように、サイト構成ツール28は、構成されてもよい。データモデリングは、例えば、空間階層、機器モデル、エンティティモデル、空間と接続されたエンティティとの間の関係、及び接続されたエンティティ間の関係を定義するために実施されてもよい。ユーザが、ローカル制御部18のうちの1つ又は複数のためのポイント、履歴収集、及び動作スケジュールに対するアラーム限界を構成し得るように、サイト構成ツール28は、構成され得る。ユーザが、ローカル制御部18及び/又は建物システム構成要素16にユーザフレンドリな名前を名付け得るように、サイト構成ツール28はまた、構成され得る。例えば、ユーザは、ローカル制御部18及び/又は建物システム構成要素16の場所及び/又は機能を識別する名前を与えてもよい。
【0023】
図2は、建築現場から離れたクラウドベースのサーバ(クラウドベースのサーバ14など)を使用して、建築現場(建築現場12など)で1つ又は複数の建物システム構成要素(建物システム構成要素16など)を遠隔で構成する例示的な方法30を示すフロー図であり、1つ又は複数の建物システム構成要素は、ネットワーク(ネットワーク24など)を介して、それ自体がクラウドベースのサーバに動作可能に接続される建築現場に配置されたインテリジェントゲートウェイ(インテリジェントゲートウェイ22など)に、動作可能に接続される。ブロック32に示すように、1つ又は複数の建物システム構成要素の各々を識別する情報は、クラウドベースのサーバにおいて受信され得る。1つ又は複数の建物システム構成要素の各々を識別する情報は、インテリジェントゲートウェイによって発見され、クラウドベースのサーバに提供され得る。
【0024】
ブロック34に示すように、クラウドベースのサーバは、1つ又は複数の建物システム構成要素ごとの識別情報に少なくとも部分的に基づくサイト構成を作成するために使用され得る。インテリジェントゲートウェイが、構成情報を、1つ又は複数の建物システム構成要素の動作を制御する1つ又は複数のローカル制御部に渡し得るように、サイト構成は、クラウドベースのサーバからインテリジェントゲートウェイにダウンロードされ得る。
【0025】
場合によっては、ブロック36に示すように、建築現場から離れたクラウドベースのサーバに存在するサイト構成が、建築現場のインテリジェントゲートウェイに記憶されたサイト構成をミラーリングするように、サイト構成は、インテリジェントゲートウェイに記憶される。クラウドベースのサーバが、クラウドベースのサーバに記憶されたそのサイト構成を更新したとき、それらの更新は、インテリジェントゲートウェイに記憶されたサイト構成に自動的にミラーリングされ得る。
【0026】
場合によっては、ブロック38で任意選択的に示すように、クラウドベースのサーバは、クラウドベースのサーバに存在するサイト構成に、後で変更を加えるために使用されてもよい。ブロック40に示すように、インテリジェントゲートウェイが、変更を1つ又は複数のローカル制御部に渡し得るように、インテリジェントゲートウェイに記憶されたサイト構成は、変更を用いて更新され得る。
【0027】
いくつかの事例では、ブロック42で任意選択的に示すように、(場合によってはローカル制御部のうちの1つ又は複数からの)1つ又は複数の建物システム構成要素の少なくともいくつかの動作データは、クラウドベースのサーバにおいてインテリジェントゲートウェイから受信されてもよい。クラウドベースのサーバは、受信した動作データに応答して、1つ又は複数のアラーム条件を発行し得る。場合によっては、クラウドベースのサーバは、受信した動作データに応答して、1つ又は複数の動作変更(例えば、制御コマンド)を生成してもよく、1つ又は複数の生成した動作変更は、1つ又は複数のローカル制御部による配信及び実施のために、インテリジェントゲートウェイにダウンロードされてもよい。
【0028】
上述したように、クラウドベースのサーバは、サイト構成を生成するときに、ローカル制御部及び/又は建物システム構成要素のうちの1つ又は複数を構成することを助けるために、ユーザが使用するサイト構成ツールを実装し得る。場合によっては、1つ又は複数のローカル制御部の各々と、追加の構成要素との間の接続を構成するために、ユーザが、インテリジェントゲートウェイに接続し得るように、サイト構成ツールは、構成されてもよい。場合によっては、ユーザが、1つ又は複数のローカル制御部のうちの特定の1つに動作可能に接続された追加の構成要素を発見し、センサ及び/又はアクチュエータなどの追加の構成要素と協働するように、1つ又は複数のローカル制御部のうちの特定の1つによって使用され得る制御論理を構成し得るように、サイト構成ツールは、更に構成されてもよい。
【0029】
場合によっては、例えば、空間階層、機器モデル、エンティティモデル、空間と接続エンティティとの間の関係、及び接続エンティティ間の関係のうちの1つ又は複数を定義するために、ユーザが、インテリジェントゲートウェイから受信した1つ又は複数の建物システム構成要素の少なくともいくつかの動作データを使用して、データモデリングを実施し得るように、サイト構成ツールは、構成されてもよい。ユーザが、1つ又は複数のローカル制御部のうちの1つのために、ポイント、履歴収集、及び動作スケジュールに対するアラーム限界のうちの1つ又は複数を構成し得るように、サイト構成ツールは、構成され得る。ユーザが、ローカル制御部及び/又は建物システム構成要素に、ユーザフレンドリな名前を名付け得るように、サイト構成ツールはまた、構成され得る。例えば、ユーザは、ローカル制御部及び/又は建物システム構成要素の場所及び/又は機能を識別する名前を与えてもよい。
【0030】
いくつかの事例では、クラウドベースのサーバは、ソフトウェアをインテリジェントゲートウェイにダウンロードするように構成され、ソフトウェアが、インテリジェントゲートウェイによって実行されると、インテリジェントゲートウェイは、ローカル制御部のうちの1つ又は複数と通信してもよい。クラウドベースのサーバは、インテリジェントゲートウェイと双方向に通信するように構成され得る。場合によっては、クラウドベースのサーバのサイト構成に変更が加えられたとき、その変更がインテリジェントゲートウェイに自動的にミラーリングされるように、クラウドベースのサーバは、クラウドベースのサーバとインテリジェントゲートウェイとの間のサイト構成のミラーイメージを維持してもよい。場合によっては、インテリジェントゲートウェイによって収集された動作データに変更が加えられたとき、その変更が、クラウドベースのサーバに自動的にミラーリングされ、クラウドベースのサーバによる使用のために利用可能になるように、クラウドベースのサーバは、クラウドベースのサーバとインテリジェントゲートウェイとの間の少なくともいくつかの動作データのミラーイメージを維持してもよい。
【0031】
図3は、建築現場に集中監視建物管理システム制御部を有しない建物のためのクラウドベースの建物管理システムを提供する例示的な方法50を示すフロー図である。図示の実施例では、ブロック52に示すように、建築現場でローカルネットワークに動作可能に接続された1つ又は複数の建物システム構成要素と通信するように構成されるインテリジェントゲートウェイが、建築現場に設けられている。ブロック54に示すように、建築現場のインテリジェントゲートウェイと通信するクラウドベースの建物管理システムが提供される。ブロック56に示すように、インテリジェントゲートウェイとクラウドベースの建物管理システムとの間で、通信が可能になる。ブロック58に示すように、インテリジェントゲートウェイを介して、クラウドベースの建物管理システムと建物制御構成要素の1つ又は複数のローカル制御部との間で、通信が可能になる。ブロック60に示すように、建築現場における建物システム構成要素(及び/又はローカル制御部)のうちの1つ又は複数からのリアルタイム動作データは、インテリジェントゲートウェイによって収集され、クラウドベースの建物管理システムに提供される。ブロック62に示すように、更新した動作命令は、リアルタイム動作データに応答して、建物システム構成要素の1つ又は複数の動作を修正する、ローカル制御部及び/又は建物システム構成要素のうちの1つ又は複数の配信のために、クラウドベースの建物管理システムからインテリジェントゲートウェイに提供されてもよい。
【0032】
いくつかの事例では、クラウドベースの建物管理システムは、サイト構成ツールを含んでもよい。ユーザが、動作のためにクラウドベースの建物管理システムを最初にコミッショニングし得るように、サイト構成ツールは、構成され得る。ユーザが、インテリジェントゲートウェイと通信し、インテリジェントゲートウェイと通信する際に、インテリジェントゲートウェイを介してローカル制御部と通信し得るように、サイト構成ツールは、構成され得る。
【0033】
図4は、例示的な方法70を示すフロー図であり、方法70は、ブロック72に示すように、クラウドベースのサーバにおいて、クラウドベースのサーバから離れた建築現場に位置するインテリジェントゲートウェイから、建築現場における1つ又は複数の建物システム構成要素の各々を識別する情報を、1つ又は複数の建物システム構成要素の少なくともいくつかの動作データとともに、受信するステップを含む。ブロック74に示すように、サイト構成が生成され、クラウドベースのサーバに記憶され得る。ブロック76に示すように、サイト構成は、インテリジェントゲートウェイにダウンロードされ得、インテリジェントゲートウェイは、構成情報を、1つ又は複数の建物システム構成要素の少なくともいくつかの動作を制御する1つ又は複数のローカル制御部に、渡すように構成される。ブロック78に示すように、クラウドベースのサーバに存在するサイト構成に、後で変更を加え得る。ブロック80に示すように、インテリジェントゲートウェイに記憶されたサイト構成は更新され得、インテリジェントゲートウェイは、構成更新を1つ又は複数のローカル制御部に自動的に渡すように構成される。場合によっては、建築現場から離れたユーザが建築現場を最初にコミッショニングし、及び/又は建築現場に対して後続の構成変更を行い得るサイト構成ツールを、クラウドベースのサーバは、提供してもよい。
【0034】
図5は、建築現場の複数の建物システム構成要素を遠隔で構成する例示的な方法90を示すフロー図である。複数の建物システム構成要素は、建築現場に配置されたインテリジェントゲートウェイと動作可能に接続された複数の建物システム構成要素の動作を制御するように構成される複数のローカル制御部を含み、インテリジェントゲートウェイ自体は、1つ又は複数のネットワークを介してクラウドベースのサーバと動作可能に接続される。場合によっては、複数の建物システム構成要素は、建築現場に位置する集中ローカル監視建物管理システム制御部によって制御されない。いくつかの事例では、インテリジェントゲートウェイは、介在する集中監視建物管理システム制御部なしで、複数の建物システム構成要素に動作可能に接続されてもよい。
【0035】
ブロック92に示すように、インテリジェントゲートウェイによって発見された複数の建物システム構成要素を識別する情報は、クラウドベースのサーバにおいて受信される。ブロック94に示すように、クラウドベースのサーバは、複数の建物システム構成要素について受信した識別情報を使用して、ローカル制御部のうちの2つ以上について、それぞれのローカル構成を含む建築現場のサイト構成を生成する。ブロック96に示すように、サイト構成は、クラウドベースのサーバからインテリジェントゲートウェイにダウンロードされ、インテリジェントゲートウェイは、サイト構成のローカル構成を、それぞれの2つ以上のローカル制御部の各々にダウンロードするように構成される。
【0036】
いくつかの事例では、サイト構成は、建築現場のための制御論理、モデリング、及び構成設定のうちの1つ又は複数を定義する。いくつかの事例では、サイト構成は、最初に建築現場をコミッショニングするように構成される。代替的に、又は追加的に、サイト構成は、以前にコミッショニングした建築現場を更新するように構成されてもよい。ローカル構成は、2つ以上のローカル制御部のそれぞれに対する制御ロジック、モデリング、及び構成設定のうちの1つ又は複数を定義し得る。
【0037】
場合によっては、ブロック98で任意選択的に示すように、インテリジェントゲートウェイは、建築現場に関連付けられた動作データを収集してもよい。これは、ライブ動作データを含み得る。ブロック100で任意選択的に示すように、クラウドベースのサーバは、インテリジェントゲートウェイから、収集した動作データの少なくとも一部を受信し得る。ブロック102で任意選択的に示すように、クラウドベースのサーバは、収集した動作データに応答して、1つ又は複数のアラーム条件を発行し得る。場合によっては、クラウドベースのサーバは、受信した動作データに応答して、サイト構成に対する1つ又は複数の変更を生成してもよく、サイト構成に対する変更は、クラウドベースのサーバに存在するサイト構成内で実装され、1つ又は複数のローカル制御部への配信のためにインテリジェントゲートウェイに、後でダウンロードされる。
【0038】
いくつかの事例では、クラウドベースのサーバは、モデル、スケジュール、及びイベントログを維持してもよく、インテリジェントゲートウェイは、モデル、スケジュール、及びイベントログを維持してもよい。イベントログは、複数のローカル制御部から受信したイベントを記録し得る。クラウドベースのサーバによるモデル及び/又はスケジュールに対する変更は、インテリジェントゲートウェイに自動的にダウンロード(例えば、ミラーリング)され得る。同様に、インテリジェントゲートウェイのイベントログに対する更新は、クラウドベースのサーバに自動的にアップロード(例えば、ミラーリング)され得る。場合によっては、クラウドベースのサーバは、建築現場のサイト構成を生成するために訓練された人員からのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。いくつかの事例では、クラウドベースのサーバは、上述のようなサイト構成ツールを実装してもよい。
【0039】
図6は、建築現場において複数の建物システム構成要素を遠隔で構成する例示的な方法110を示すフロー図である。複数の建物システム構成要素は、建築現場に配置されたインテリジェントゲートウェイと動作可能に接続された複数の建物システム構成要素の動作を制御するように構成される複数のローカル制御部を含み、インテリジェントゲートウェイ自体は、1つ又は複数のネットワークを介してクラウドベースのサーバと動作可能に接続される。ブロック92に示すように、インテリジェントゲートウェイによって発見された複数の建物システム構成要素を識別する情報は、クラウドベースのサーバにおいて受信される。ブロック94に示すように、クラウドベースのサーバは、複数の建物システム構成要素について受信した識別情報を使用して、ローカル制御部のうちの2つ以上ごとに、それぞれのローカル構成を含む建築現場のサイト構成を生成する。ブロック96に示すように、サイト構成は、クラウドベースのサーバからインテリジェントゲートウェイにダウンロードされ、インテリジェントゲートウェイは、サイト構成のローカル構成を、それぞれの2つ以上のローカル制御部の各々にダウンロードするように構成される。
【0040】
場合によっては、ブロック98で任意選択的に示すように、インテリジェントゲートウェイは、建築現場に関連付けられた動作データを収集してもよい。ブロック100で任意選択的に示すように、クラウドベースのサーバは、インテリジェントゲートウェイから、収集した動作データの少なくとも一部を受信し得る。ブロック112で任意選択的に示すように、クラウドベースのサーバは、受信した動作データに少なくとも部分的に基づいてサイト構成を更新し得、1つ又は複数の更新したローカル構成を有する更新したサイト構成をもたらす。ブロック114で任意選択的に示すように、更新したサイト構成は、クラウドベースのサーバからインテリジェントゲートウェイにダウンロード(例えば、ミラーリング)されてもよい。ブロック116で任意選択的に示すように、インテリジェントゲートウェイは、更新したサイト構成の1つ又は複数の更新したローカル構成を、それぞれのローカル制御部にダウンロードしてもよい。場合によっては、更新したサイト構成は、更新した制御ロジック、更新したモデリング、及び/又は更新した構成設定のうちの1つ又は複数を含んでもよい。場合によっては、クラウドベースのサーバは、機械学習を使用してサイト構成を更新してもよい。
【0041】
本開示のいくつかの例示的な実施形態をこのように説明してきたが、当業者は、更に他の実施形態が、本明細書に添付される特許請求の範囲内で作製及び使用され得ることを容易に理解するであろう。ただし、本開示は、多くの点において、例示的なものにすぎないことが理解されるであろう。本開示の範囲を超えることなく、詳細に、特に形状、サイズ、部品の配置、並びにステップの除外及び順序に関して、変更が行われ得る。本開示の範囲は、当然ながら、添付の特許請求の範囲が表現する言語で定義される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6