(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】スライスアクセス方法、装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/18 20090101AFI20240509BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20240509BHJP
H04W 28/084 20230101ALI20240509BHJP
【FI】
H04W48/18
H04W76/10
H04W28/084
(21)【出願番号】P 2022570437
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2021092614
(87)【国際公開番号】W WO2021233148
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】202010437050.1
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ディン,ホォイ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジュオミン
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】OPPO,The clarification for PDU session establishment based on URSP rule,3GPP TSG SA WG2#138e S2-2003301,フランス,3GPP,2020年04月26日
【文献】OPPO,Allowed SSC mode for association between an application and a PDU session,3GPP TSG CT WG1#123e C1-202705,フランス,3GPP,2020年04月23日
【文献】NTT DOCOMO, Deutsche Telekom AG, Futurewei,Solution for KI#1: provisioning policy configuration to the UE to establish PDU Sessions for edge applications,3GPP TSG SA WG2#136AH S2-2001549,フランス,3GPP,2020年01月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置によってネットワーク装置から1つ以上のユーザルート選択ポリシー規則(URSP規則)を受け取ることであり、前記URSP規則のうちの少なくとも1つのURSP規則が指示情報を含み、前記指示情報は、
照合されるべき1つ以上の前もってセットされた
URSP規
則又は1つ以上の前もってセットされたルート選択記述子(RSD)を
指示する情報である、前記受け取ることと、
前記端末装置によって前記1つ以上のURSP規則に従ってURSPマッチングを行うことと
を有
し、
前記前もってセットされたURSP規則は、第1URSP規則及び1つ以上の第2URSP規則を含み、あるいは、前記前もってセットされたURSP規則は前記第1URSP規則を含み、
前記第1URSP規則は、前記指示情報が位置しているURSP規則であり、前記第2URSP規則は、優先度が前記第1URSP規則のそれよりも高いURSP規則であり、
前記前もってセットされたRSDは第1RSD及び1つ以上の第2RSDを含み、あるいは、前記前もってセットされたRSDは前記第1RSDを含み、
前記第1RSDは、前記指示情報が位置しているRSDであり、前記第2RSDは、優先度が前記第1RSDのそれよりも高いRSDである、
スライスアクセス方法。
【請求項2】
前記端末装置によって前記1つ以上のURSP規則に従ってURSPマッチングを行うことは、
前記1つ以上の前もってセットされたURSP規則に含まれ、現在開始予定のサービスに一致するURSP規則に対応する1つ以上の単一ネットワークスライス選択支援情報(S-NSSAI)のどれも第1ネットワークによってサポートされていない場合に、URSPマッチングを中止すること、又は
現在開始予定のサービスに一致し、前記1つ以上の前もってセットされたRSDに含まれるRSDに対応する1つ以上のS-NSSAIのどれも第1ネットワークによってサポートされていない場合に、URSPマッチングを中止すること
を有する、
請求項
1に記載のスライスアクセス方法。
【請求項3】
当該
スライスアクセス方法は、
前記端末装置によってモビリティ変更プロシージャを使用することによって第2ネットワークにアクセスし、前記第2ネットワークにおいて前記1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つを要求することを更に有し、
前記第2ネットワークは、前記1つ以上のS-NSSAIのうちの前記少なくとも1つをサポートするネットワークである、
請求項
2に記載のスライスアクセス方法。
【請求項4】
当該
スライスアクセス方法は、
前記端末装置によってネットワーク選択支援情報を取得することを更に有し、前記ネットワーク選択支援情報は、次の
ターゲットスライスセット内の1つ以上のスライスをサポートする1つ以上のネットワークに関する情報、前記1つ以上のネットワークの1つ以上の優先度、及び前記1つ以上のネットワークによって夫々サポートされるネットワークスライス情報
のうちの1つ以上の情報を含み、
前記ターゲットスライスセットは、ターゲットNSSAIに対応する1つ以上のスライスであり、前記ターゲットNSSAIは、次の
前記端末装置によって要求されているネットワークスライスに対応するNSSI、前記端末装置のアクセスを拒否するネットワークスライスに対応するNSSAI、及び前記端末装置のアクセスを許可するネットワークスライスに対応するNSSAI
のうちの1つ以上を含む、
請求項1乃至
3のうちいずれか一項に記載のスライスアクセス方法。
【請求項5】
前記端末装置によってモビリティ変更プロシージャを使用することによって第2ネットワークにアクセスすることは、前記第2ネットワークにアクセスするために、前記ネットワーク選択支援情報に基づき前記モビリティ変更プロシージャを実行することを含む、
請求項
4に記載のスライスアクセス方法。
【請求項6】
ネットワーク装置によって指示情報を決定することであり、前記指示情報は、
照合されるべき1つ以上の前もってセットされたURSP規
則又は1つ以上の前もってセットされたルート選択記述子(RSD)を
指示する情報である、前記決定することと、
端末装置へ前記指示情報を送信することと
を有
し、
前記前もってセットされたURSP規則は、第1URSP規則及び1つ以上の第2URSP規則を含み、あるいは、前記前もってセットされたURSP規則は前記第1URSP規則を含み、
前記第1URSP規則は、前記指示情報が位置しているURSP規則であり、前記第2URSP規則は、優先度が前記第1URSP規則のそれよりも高いURSP規則であり、
前記前もってセットされたRSDは第1RSD及び1つ以上の第2RSDを含み、あるいは、前記前もってセットされたRSDは前記第1RSDを含み、
前記第1RSDは、前記指示情報が位置しているRSDであり、前記第2RSDは、優先度が前記第1RSDのそれよりも高いRSDである、
スライスアクセス方法。
【請求項7】
前記ネットワーク装置によって指示情報を決定することは、次の
ユーザ加入情報、前記端末装置の位置、及び事前構成情報
のうちの1つ以上の情報に基づき前記指示情報を決定することを含む、
請求項
6に記載のスライスアクセス方法。
【請求項8】
前記端末装置へ前記指示情報を送信することは、前記端末装置へ1つ以上のURSP規則を送信することを含み、
前記1つ以上のURSP規則のうちの少なくとも1つが前記指示情報を有する、
請求項
6又は7に記載のスライスアクセス方法。
【請求項9】
当該
スライスアクセス方法は、
ターゲットNSSAIを取得することと、
前記ターゲットNSSAIに基づきネットワーク選択支援情報を決定することと、
前記端末装置へ前記ネットワーク選択支援情報を送信することと
を更に有し、
前記ネットワーク選択支援情報は、次の
ターゲットスライスセット内の1つ以上のスライスをサポートする1つ以上のネットワークに関する情報、前記1つ以上のネットワークの1つ以上の優先度、及び前記1つ以上のネットワークによって夫々サポートされるネットワークスライス情報
のうちの1つ以上の情報を含み、
前記ターゲットスライスセットは、前記ターゲットNSSAIに対応する1つ以上のスライスであり、前記ターゲットNSSAIは、次の
前記端末装置によって要求されているネットワークスライスに対応するNSSI、前記端末装置のアクセスを拒否するネットワークスライスに対応するNSSAI、及び前記端末装置のアクセスを許可するネットワークスライスに対応するNSSAI
のうちの1つ以上を含む、
請求項
6乃至
8のうちいずれか一項に記載のスライスアクセス方法。
【請求項10】
請求項1乃至
5のうちいずれか一項に記載のスライスアクセス方法を実行するよう構成された手段を有するスライスアクセス装置。
【請求項11】
請求項
6乃至
9のうちいずれか一項に記載のスライスアクセス方法を実行するよう構成された手段を有するスライスアクセス装置。
【請求項12】
プログラム又は命令を有し、
前記プログラム又は前記命令が実行される場合に、請求項1乃至
5のうちいずれか一項に記載のスライスアクセス方法が実装さ
れる、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
プログラム又は命令を有し、
前記プログラム又は前記命令が実行される場合に、請求項6乃至9のうちいずれか一項に記載のスライスアクセス方法が実装される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
請求項
10に記載のスライスアクセス装置と、
請求項
11に記載のスライスアクセス装置と
を有するスライスアクセスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信技術の分野に、特に、スライスアクセス方法、装置、及びシステムに関係がある。
【背景技術】
【0002】
第5世代(5th generation,5G)移動体通信システムでの差別化されたネットワーク要件を満足するために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd generation partnership project,3GPP)はネットワークスライス(network slice)技術を提案している。物理ネットワークは複数の論理ネットワークに分けられる。ネットワークスライスは、1つ以上の論理ネットワークの組み合わせである。端末はネットワークスライスにアクセスし、ネットワークスライス(論理ネットワーク)を使用することによってサービスを実行し得る。
【0003】
現在、端末は主に、ユーザルート選択ポリシー(user route selection policy,URSP)のマッチング結果に基づき、現在のサービスに使用される必要があるスライスを決定している。具体的に、端末は、1つ以上のURSPに従って、サービスによって使用される必要があるスライスに対応する単一ネットワークスライス選択支援情報(single network slice selection assistance information,S-NSSAI)を決定し、S-NSSAIが現在のネットワークの許可されたネットワークスライス選択支援情報(allowed network slice selection assistance information,allowed NSSAI)に含まれるかどうかを決定する。現在のURSPによって示されたS-NSSAIがallowed NSSAIに現れないか、あるいは、S-NSSAIに基づき端末デバイスによって開始されたセッション確立要求がネットワーク側によって拒否され、拒否原因値によりUEがS-NSSAIにアクセスすることにおいてサポートされていないことが示される場合に、端末は、サービスに適用可能なURSPによって示されたS-NSSAI(ターゲットS-NSSAIと呼ばれる)がallowed NSSAIに現れ、ネットワーク側によって受け入れられると決定されるまで、URSP優先順位に基づきURSPマッチングを実行し続ける。代替的に、現在開始予定のサービスに一致する全ての非ワイルドカードURSPによって示されたS-NSSAIのどれもallowed NSSAIにないか、又はネットワーク側によって受け入れられない場合には、端末は、ワイルドカードURSPによって示されたS-NSSAI及びallowed NSSAIを使用することによって、どのスライスが使用される必要があるかを決定する。
【0004】
上記の場合に、端末は、どのスライスが使用される必要があるかを決定することができるが、UEが実際にアクセスする必要があるスライスは、現在のアクセスネットワークの現在のエリアに配置されていない場合があるので、最終的に決定されたターゲットS-NSSAI又はワイルドカードURSPによって示されたS-NSSAIは端末のサービス要件を満足しない可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施形態は、現在開始予定のサービスに適さないスライスに一致することで端末サービスが失敗する確率を下げるよう、スライスアクセス方法、装置、及びシステムを提供する。
【0006】
上記の目的を達成するために、以下の技術的解決法が本願の実施形態で使用される。
【0007】
第1の態様に従って、本願の実施形態はスライスアクセス方法を提供し、方法は端末装置によって実行される。端末装置は端末デバイスであってよく、又は端末デバイス内のコンポーネント(例えば、チップシステム)であってもよい。方法は、
ネットワーク装置から1つ以上のユーザルート選択ポリシー規則(URSP規則)を受け取ることと、1つ以上のURSP規則に従ってURSPマッチングを行うこととを含む。URSP規則のうちの少なくとも1つのURSP規則は指示情報を含み、指示情報は、1つ以上の前もってセットされたURSP規則を照合すること、又は1つ以上の前もってセットされたルート選択記述子(RSD)を照合することを示す。
【0008】
指示情報が1つ以上の前もってセットされたURSP規則を照合することを示すことは、ただ1つ又はそれ以上の前もってセットされたURSP規則が照合され、前もってセットされたURSP規則以外のURSP規則は照合されないことを意味する。同様に、指示情報が1つ以上の前もってセットされたRSDを照合することを示すことは、ただ1つ又はそれ以上の前もってセットされたRSDが照合され、前もってセットされたRSD以外のRSDは照合されないことを意味する。
【0009】
上記のスライスアクセス方法を使用することによって、端末は、ネットワークから指示情報を受信して、サービスが開始される必要がある場合にURSPマッチングをトリガし、指示情報によって示されている前もってセットされたURSPのみを照合すればよく、あるいは、指示情報によって示されている前もってセットされたURSPを照合しなくてもよい。このようにして、照合する必要があるURSPの数量を減らすことができ、また、URSPが常に一致するために一致したスライス情報がサービスに適さず、スライス情報に基づき確立されたPDUセッションが、開始される必要があるサービスをサポートすることができないことで、端末サービスが失敗する確率は、下げることができる。
【0010】
可能な設計において、1つ以上のURSP規則に従ってURSPマッチングを行うことは、
1つ以上の前もってセットされたURSP規則に含まれ、現在開始予定のサービスに一致するURSP規則に対応する1つ以上の単一ネットワークスライス選択支援情報(S-NSSAI)のどれも第1ネットワークによってサポートされていない場合に、URSPマッチングを中止すること、又は
現在開始予定のサービスに一致し、1つ以上の前もってセットされたRSDに含まれるRSDに対応する1つ以上のS-NSSAIのどれも第1ネットワークによってサポートされていない場合に、URSPマッチングを中止すること
を含む。
【0011】
URSP規則は1つ以上のRSDを含み、RSDはS-NSSAIを含む。
【0012】
S-NSSAIが第1ネットワークによってサポートされていないことは、S-NSSAIが第1ネットワークのallowed NSSAIにないことを意味する。代替的に、S-NSSAIはallowed NSSAIにあるが、端末装置によって受け取られたallowed NSSAIが更新され得ない。代替的に、PDUセッション確立要求を開始した後、端末装置は、ネットワーク側から拒否原因値を受け取り、原因値により、S-NSSAIが一時的にアクセスをサポートしないことが示されるか、あるいは、代替的に、S-NSSAIが第1ネットワークによってサポートされない他の原因がある。第1ネットワークは、端末の現在のアクセスネットワークを指す。
【0013】
可能な設計において、方法は、モビリティ変更プロシージャを使用することによって第2ネットワークにアクセスし、第2ネットワークにおいて1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つを要求することを更に含む。
【0014】
第2ネットワークは、1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つをサポートするネットワークである。
【0015】
具体的に、端末装置は、第1ネットワークから第2ネットワークへハンドオーバーするか、又はモビリティ変更プロシージャを使用することによって第2ネットワークに登録する。
【0016】
更に、本願のこの実施形態で、第2ネットワークにアクセスした後、端末装置は、代替的に、次の登録プロシージャを使用することによって第2ネットワークにおいて、少なくとも1つの必要とされているスライスにアクセスするために、1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つにアクセスすること(つまり、サービスによって必要とされているアクセス)を要求してもよいことは、通常のモビリティ変更プロシージャとは異なる。
【0017】
具体的に、上記のハンドオーバー方式が使用される場合には、端末装置は最初にハンドオーバーを実行し、次いで、端末装置が第1ネットワークから第2ネットワークへハンドオーバーされた後に、第2ネットワークとの登録プロシージャをトリガする。代替的に、上記の登録方式が使用される場合には、端末装置は、登録プロシージャを使用することによって第1ネットワークから直接に第2ネットワークに登録する。第2ネットワークとの登録プロシージャで、端末デバイスは登録要求を第2ネットワークへ送信してよく、登録要求メッセージは要求されているNSSAIを含む。要求されているNSSAIは、上記の1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つを含み、つまり、少なくとも1つの必要とされているS-NSSAIを含む。例えば、端末装置は、URSP 1のS-NSSAI-1からS-NSSAI-3しか照合せず、3つのS-NSSAIのどれも第1ネットワークのallowed NSSAIにはない。端末装置によって第2ネットワークへ送信された要求されているNSSAIは、S-NSSAI-1からS-NSSAI-3のうちの少なくとも1つを含む。任意に、登録プロシージャは更に、第2ネットワークにおいてUEのコンテキスト情報などの情報を更新するために使用されてもよい。
【0018】
上記のモビリティ変更プロシージャを使用することによって、セッションパラメータがPDUセッションのために選択される場合に、URSP規則及びallowed NSSAIなどの情報に加えて、UEの現在位置の周囲ネットワークが必要とされているスライスをサポートしているかどうかに関する情報も参照される。その上、隣接ネットワークへのモビリティ変更プロシージャをトリガすべきかどうかが決定され得る。このようにして、端末装置は、必要とされているスライス(つまり、S-NSSAI-1からS-NSSAI-3に夫々対応しているスライスのうちの少なくとも1つ)に第2ネットワークを介してアクセスし、必要とされているスライスでPDUセッションを確立し得る。必要とされているスライスの情報(S-NSSAI及びDNNなどの情報を含む)は、URSPマッチングプロシージャでのサービス情報に基づき決定されるので、必要とされるスライスの情報に基づき確立されたPDUセッションは、端末装置のサービス要件を満足することができる。これは、端末装置によるサービスに適さないスライス情報のマッチングによって引き起こされるサービス障害の確率を下げる。
【0019】
可能な設計において、方法は、ネットワーク選択支援情報を取得することを更に含み、ネットワーク選択支援情報は、次の
ターゲットスライスセット内の1つ以上のスライスをサポートする1つ以上のネットワークに関する情報、1つ以上のネットワークの1つ以上の優先度、及び1つ以上のネットワークによって夫々サポートされるネットワークスライス情報
のうちの1つ以上の情報を含む。
【0020】
ターゲットスライスセットは、ターゲットNSSAIに対応する1つ以上のスライスであり、ターゲットNSSAIは、次の
端末装置によって要求されているネットワークスライスに対応するNSSI、端末装置のアクセスを拒否するネットワークスライスに対応するNSSAI、及び端末装置のアクセスを許可するネットワークスライスに対応するNSSAI
のうちの1つ以上を含む。
【0021】
可能な設計において、端末装置は、次の
ローカル構成、検出されたブロードキャスト情報、及びネットワーク選択支援情報
のうちの1つ以上の情報に基づき、モビリティ変更プロシージャを実行する。
【0022】
第2の態様に従って、本願の実施形態はスライスアクセス方法を提供し、方法はネットワーク装置によって実行される。ネットワーク装置はネットワークデバイスであってよく、あるいは、ネットワークデバイス内のコンポーネント(例えば、チップシステム)であっってもよい。方法は、
指示情報を決定することと、端末装置へ指示情報を送信することとを含む。指示情報は、1つ以上の前もってセットされたURSP規則を照合すること、又は1つ以上の前もってセットされたルート選択記述子(RSD)を照合することを示す。
【0023】
可能な設計において、ネットワーク装置が指示情報を決定することは、次の
ユーザ加入情報、端末装置の位置、及び事前構成情報
のうちの1つ以上の情報に基づき指示情報を決定することを含む。
【0024】
可能な設計において、端末装置へ指示情報を送信することは、端末装置へ1つ以上のURSP規則を送信することを含み、1つ以上のURSP規則のうちの少なくとも1つが指示情報を含む。
【0025】
可能な設計において、方法は、
ターゲットNSSAIを取得することと、
ターゲットNSSAIに基づきネットワーク選択支援情報を決定することと、
端末装置へネットワーク選択支援情報を送信することと
を更に含む。
【0026】
ネットワーク選択支援情報は、次の
ターゲットスライスセット内の1つ以上のスライスをサポートする1つ以上のネットワークに関する情報、1つ以上のネットワークの1つ以上の優先度、及び1つ以上のネットワークによって夫々サポートされるネットワークスライス情報
のうちの1つ以上の情報を含む。
【0027】
ターゲットスライスセットは、ターゲットNSSAIに対応する1つ以上のスライスであり、ターゲットNSSAIは、次の
端末装置によって要求されているネットワークスライスに対応するNSSI、端末装置のアクセスを拒否するネットワークスライスに対応するNSSAI、及び端末装置のアクセスを許可するネットワークスライスに対応するNSSAI
のうちの1つ以上を含む。
【0028】
第3の態様に従って、本願の実施形態はスライスアクセス装置を提供する。装置は上記の端末装置である。端末装置は端末デバイスであってよく、あるいは、端末デバイス内のコンポーネント(例えば、チップシステム)であってもよい。装置は通信インターフェース及びプロセッサを含む。通信インターフェースは、ネットワーク装置から1つ以上のユーザルート選択ポリシー規則(URSP規則)を受け取るよう構成され、URSP規則のうちの少なくとも1つのURSP規則は指示情報を含み、指示情報は、1つ以上の前もってセットされたURSP規則を照合すること又は1つ以上の前もってセットされたルート選択記述子(RSD)を照合することを示す。プロセッサは、1つ以上のURSP規則に従ってURSPマッチングを行うよう構成される。
【0029】
可能な設計において、プロセッサが1つ以上のURSP規則に従ってURSPマッチングを行うよう構成されることは、
1つ以上の前もってセットされたURSP規則に含まれ、現在開始予定のサービスに一致するURSP規則に対応する1つ以上の単一ネットワークスライス選択支援情報S-NSSAIのどれも第1ネットワークによってサポートされていない場合に、URSPマッチングを中止すること、又は
現在開始予定のサービスに一致し、1つ以上の前もってセットされたRSDに含まれるRSDに対応する1つ以上のS-NSSAIのどれも第1ネットワークによってサポートされていない場合に、URSPマッチングを中止すること
を含む。
【0030】
可能な設計において、プロセッサは更に、モビリティ変更プロシージャを使用することによって第2ネットワークにアクセスし、第2ネットワークにおいて1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つを要求するよう構成される。
【0031】
第2ネットワークは、1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つをサポートするネットワークである。
【0032】
可能な設計において、プロセッサは更に、ネットワーク選択支援情報を取得するよう構成され、ネットワーク選択支援情報は、次の
ターゲットスライスセット内の1つ以上のスライスをサポートする1つ以上のネットワークに関する情報、1つ以上のネットワークの1つ以上の優先度、及び1つ以上のネットワークによって夫々サポートされるネットワークスライス情報
のうちの1つ以上の情報を含む。
【0033】
ターゲットスライスセットは、ターゲットNSSAIに対応する1つ以上のスライスであり、ターゲットNSSAIは、次の
端末装置によって要求されているネットワークスライスに対応するNSSI、端末装置のアクセスを拒否するネットワークスライスに対応するNSSAI、及び端末装置のアクセスを許可するネットワークスライスに対応するNSSAI
のうちの1つ以上を含む。
【0034】
可能な設計において、プロセッサがモビリティ変更プロシージャを使用することによって第2ネットワークにアクセスするよう構成されることは、第2ネットワークにアクセスするために、ネットワーク選択支援情報に基づきモビリティ変更プロシージャを実行することを含む。
【0035】
第4の態様に従って、本願の実施形態はスライスアクセス装置を提供する。装置は上記のネットワーク装置である。装置は通信インターフェース及びプロセッサを含む。プロセッサは、指示情報を決定するよう構成され、指示情報は、1つ以上の前もってセットされたURSP規則を照合すること、又は1つ以上の前もってセットされたルート選択記述子(RSD)を照合することを示す。通信インターフェースは、端末装置へ指示情報を送信するよう構成される。
【0036】
可能な設計において、プロセッサが指示情報を決定するよう構成されることは、
ユーザ加入情報、端末装置の位置、及び事前構成情報
のうちの1つ以上の情報に基づき指示情報を決定することを含む。
【0037】
可能な設計において、通信インターフェースが端末装置へ指示情報を送信するよう構成されることは、端末装置へ1つ以上のURSP規則を送信することを含み、1つ以上のURSP規則のうちの少なくとも1つが指示情報を含む。
【0038】
可能な設計において、プロセッサは更に、
ターゲットNSSAIを取得し、
ターゲットNSSAIに基づきネットワーク選択支援情報を決し、
端末装置へネットワーク選択支援情報を送信する
よう構成される。
【0039】
ネットワーク選択支援情報は、次の
ターゲットスライスセット内の1つ以上のスライスをサポートする1つ以上のネットワークに関する情報、1つ以上のネットワークの1つ以上の優先度、及び1つ以上のネットワークによって夫々サポートされるネットワークスライス情報
のうちの1つ以上の情報を含む。
【0040】
ターゲットスライスセットは、ターゲットNSSAIに対応する1つ以上のスライスであり、ターゲットNSSAIは、次の
端末装置によって要求されているネットワークスライスに対応するNSSI、端末装置のアクセスを拒否するネットワークスライスに対応するNSSAI、及び端末装置のアクセスを許可するネットワークスライスに対応するNSSAI
のうちの1つ以上を含む。
【0041】
上記の態様のうちのいずれか1つのいずれかの可能な設計で、前もってセットされたURSP規則は非ワイルドカードURSP規則を含み、あるいは、前もってセットされたURSP規則は、第1URSP規則及び1つ以上の第2URSP規則を含み、あるいは、前もってセットされたURSP規則は第1URSP規則を含む。
【0042】
第1URSP規則は、指示情報が位置しているURSP規則であり、第2URSP規則は、優先度が第1URSP規則のそれよりも高いURSP規則である。
【0043】
前もってセットされたRSDは第1RSD及び1つ以上の第2RSDを含み、あるいは、前もってセットされたRSDは第1RSDを含む。
【0044】
第1RSDは、指示情報が位置しているRSDであり、第2RSDは、優先度が第1RSDのそれよりも高いRSDである。
【0045】
第5の態様に従って、本願は、上記の態様のうちのいずれか1つにおける端末装置の機能を実装するよう構成されるか、又は上記の態様のうちのいずれか1つにおけるネットワーク装置の機能を実装するよう構成されるスライスアクセス装置を提供する。
【0046】
第6の態様に従って、本願はスライスアクセス装置を提供する。装置は、上記の態様のうちのいずれか1つに従うスライスアクセス方法を実装する機能を備えている。機能はハードウェアによって実装されてよく、あるいは、ハードウェアが対応するソフトウェアを実行することによって実装されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、機能に対応する1つ以上のモジュールを含む。
【0047】
第7の態様に従って、スライスアクセス装置が提供される。スライスアクセス装置はプロセッサ及びメモリを含む。メモリはコンピュータ実行可能命令を記憶するよう構成される。スライスアクセス装置が作動すると、プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータ実行可能命令を実行して、スライスアクセス装置が上記の態様のうちのいずれか1つに従うスライスアクセス方法を実行することを可能にする。
【0048】
第8の態様に従って、スライスアクセス装置が提供される。スライスアクセス装置はプロセッサを含む。プロセッサは、メモリへ結合され、メモリ内の命令を読み出した後、命令に従って、上記の態様のうちのいずれか1つに従うスライスアクセス方法を実行するよう構成される。
【0049】
第9の態様に従って、本願の実施形態はスライスアクセス装置を提供する。装置はチップシステムであってよい。チップシステムはプロセッサを含み、メモリを更に含んでもよく、上記の態様のうちのいずれか1つで記載される方法の機能を実装するよう構成される。チップシステムはチップを含んでよく、又はチップ及び他のディスクリート部品を含んでもよい。
【0050】
第10の態様に従って、スライスアクセス装置が提供される。装置は回路システムであってよく、回路システムは処理回路を含み、処理回路は、上記の態様のうちのいずれか1つにおけるスライスアクセス方法を実行するよう構成される。
【0051】
第11の態様に従って、本願の実施形態はコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。コンピュータ可読記憶媒体は命令を含み、命令がコンピュータで実行される場合に、コンピュータは、上記の態様のうちのいずれか1つにおける方法を実行することができる。
【0052】
第12の態様に従って、本願の実施形態はコンピュータプログラム製品を更に提供する。コンピュータプログラム製品は命令を含み、コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行される場合に、コンピュータは、上記の態様のうちのいずれか1つにおける方法を実行することができる。
【0053】
第13の態様に従って、本願の実施形態はシステムを提供する。システムは、第1の態様又は第1の態様の設計のうちのいずれか1つに従うスライスアクセス方法を実行する端末装置と、第2の態様又は第2の態様の設計のうちのいずれか1つに従うスライスアクセス方法を実行するネットワーク装置とを含む。任意に、システムは、モビリティ管理ネットワーク要素(例えば、
図1に示されるAMFであってよい)を更に含む。モビリティ管理ネットワーク要素は、端末からポリシーネットワーク要素(つまり、第4態様におけるネットワーク装置)へメッセージを送信するか、又はポリシーネットワーク要素から端末へメッセージを送信するよう構成される。例えば、モビリティ管理ネットワーク要素は、端末とポリシーネットワーク要素との間でメッセージをトランスペアレントに伝送するよう構成される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本願の実施形態に係る通信システムのアーキテクチャの概略図である。
【
図2(a)】本願の実施形態に係る通信システムのアーキテクチャの概略図である。
【
図2(b)】本願の実施形態に係る通信システムのアーキテクチャの概略図である。
【
図3】本願の実施形態に係るスライスアクセスシステムのアーキテクチャの概略図である。
【
図4(a)】本願の実施形態に係るURSPマッチングプロシージャの略原理図である。
【
図4(b)】本願の実施形態に係るURSPマッチングプロシージャの略原理図である。
【
図4(c)】本願の実施形態に係るURSPマッチングプロシージャの略原理図である。
【
図4(d)】本願の実施形態に係るURSPマッチングプロシージャの略原理図である。
【
図4(e)】本願の実施形態に係るURSPマッチングプロシージャの略原理図である。
【
図4(f)】本願の実施形態に係るURSPマッチングプロシージャの略原理図である。
【
図5】本願の実施形態に係るスライスアクセス方法の略フローチャートである。
【
図6】本願の実施形態に係るスライスアクセス方法の略フローチャートである。
【
図7】本願の実施形態に係るスライスアクセス方法の略フローチャートである。
【
図8】本願の実施形態に係るスライスアクセス装置の構造の概略図である。
【
図9】本願の実施形態に係るスライスアクセス装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本願の明細書及び添付の図面において、「第1」、「第2」などの用語は、異なるオブジェクトを区別し、又は同じオブジェクトの異なる処理を区別することを意図したものであり、オブジェクトの特定の順序を示すものではない。
【0056】
「少なくとも1つ」は1つ以上を意味する。
【0057】
「複数の~」は2つ又は2つよりも多くを意味する。
【0058】
「及び/又は」という用語は、関連するオブジェクトどうしの関連付け関係を記述し、3つの関係を示す可能性がある。例えば、A及び/又はBは、次の場合、Aのみ存在、AとBの両方が存在、Bのみが存在、を示すことができ、A及びBは単数でも複数でもよい。
【0059】
文字「/」は、一般的に、関連するオブジェクトどうしの“論理和”関係を示す。例えば、A/BはA又はBを表す。
【0060】
更に、本願の明細書中の「含む」、「備える」、又はそれらのあらゆる他の変形は、非排他的な包含をカバーするよう意図される。例えば、一連のステップ又はユニットを含む、プロセス、方法、システム、製品、又はデバイスは、挙げられているステップ又はユニットに限定されず、任意に、挙げられていない他のステップ又はユニットを更に含み、あるいは、任意に、プロセス、方法、製品、又はデバイスの他の内在するステップ又はユニットを更に含む。
【0061】
留意すべきは、本願の実施形態で、「例」又は「例えば」という語は、例、例示、説明を与えることを表すために使用される点である。本願の実施形態の中で「例」又は「例えば」として説明されている如何なる実施形態又は設計スキームも、他の実施形態又は設計スキームより好ましいものとして又はより多くの利点があるものとして説明されるべきではない。厳密には、「例」、「例えば」、などの語の使用は、関連する概念を具体的な様態で提示するよう意図される。
【0062】
本願の明細書及び添付の図面において、「~の(英語:of)」、「関連する(英語:corresponding,relevant)」、及び「対応する(英語:corresponding)」は、ときどき同義的に使用されることがある。留意すべきは、違いが強調されない場合には、一貫した意味が表現される点である。
【0063】
最初に、本願の実施形態で設計された技術用語が説明される。
【0064】
1.ネットワークスライスのタイプ及び特徴的な属性:上述されたように、物理ネットワークは、複数のネットワークスライスに抽象化されてよく、各ネットワークスライスは、エンド・ツー・エンドの論理ネットワークを構成してよい。ネットワークスライスは、互いに論理的に分離されており、互いに影響を及ぼさない。一般的に、異なる通信要件を満足するために、ネットワークスライスは、複数のタイプ:例えば、しかし限定されずに、エンハンスド・モバイル・ブロードキャスト(enhanced mobile broadband,eMBB)タイプ、巨大マシンタイプ接続(massive machine type connection,mMTC)タイプ、及び超高信頼低遅延接続(ultra reliability and low latency connection,uRLLC)タイプに分類される。異なるタイプのネットワークスライスは異なるネットワーク特性を備える。例えば、eMBBネットワークスライスは、高バンド幅かつ低遅延のサービスをサポートする特性を備えることを求められる。mMTCネットワークスライスは、大規模アクセスかつ低バンド幅のサービスをサポートする特性を備えることを求められる。uRLLCネットワークスライスは、高信頼かつ低遅延の特性を備えることを求められる。サポートされるアプリケーションサービスタイプ、エンド間遅延、単一端末の最大レート、などは全て、ネットワークスライスの特徴的な属性であることが分かる。これらの特徴的な属性は、スライスの設計に依存する。
【0065】
2.単一ネットワークスライス選択支援情報(Single network slice selection assistance information,S-NSSAI)は、1つのネットワークスライスを一意に識別するために使用される。
【0066】
3.ネットワークスライス選択支援情報(network slice selection assistance information,NSSAI)
NSSAIは、1つ以上のS-NSSAIの組である。相応して、NSSAIは、1つ以上のネットワークスライスを表すために使用されてよい。
【0067】
4.PDUセッション(Session)は、UEとデータネットワーク(data network,DN)との間のPDUコネクティビティを実装するセッションサービスであり、PDUセッションIDによって識別される。
【0068】
5.URSP:通常、カスタマオーダーに基づき通信ネットワークの物理インフラにカスタマのための必要とされるネットワークスライスを作成するとき、オペレータはしばしば、サービス要件に基づきカスタマとのネットワークスライスのサービスレベル合意(service level agreement,SLA)に署名する。オペレータのPLMNにおいて、ネットワーク全体が必ずしも同じネットワークスライスセット(network slice set)をサポートするわけではない。オペレータは、エリアに基づいた分割又は単一の基地局により異なるスライスセットを取得し得る。このようにして、異なるエリアネットワークは異なるスライスに対応することができる。従って、非ローミングシナリオでは、ユーザは、ホームネットワークの一部のエリアのみを使用することによって、必要とされるスライスにアクセスすることでき、あるいは、ローミングシナリオでは、ユーザは、いくつかの訪問先ネットワーク内の一部のエリアのみを使用することによって、必要とされるスライスにアクセスすることができる。
【0069】
現在、URSPは、ユーザのルーティング問題のための標準規格で定義されている。URSPは、ネットワークスライス、データネットワーク名(DNN)、及びセッションサービス連続性モード(session service continuity mode,SSCモード)などの、異なるアプリケーション(applications,APP)又はサービスによって必要とされるPDUセッションパラメータを決定するために、主に使用される。URSPを使用することによって、端末は、APP又はサービスのネットワーク要件に基づき、対応するPDUセッションパラメータを決定し、パラメータに基づきPDUセッションを確立し得る。次いで、APP又はサービスのデータは、確立されたセッションを使用することによって伝送される。
【0070】
【0071】
URSPは主に、表1内のトラフィック記述子(Traffic descriptor)及び1つ以上のルート選択記述子(Route Selection Descriptors,RSD)を含む。トラフィック記述子は、サービス情報(アプリケーション識別子、フロー識別し、サービス識別子、など)を照合するために使用される。例えば、端末モデム(modem)は、アプリケーションレイヤによって供給されたアプリケーション識別子(APP ID)を、1つ以上のURSP規則の1つ以上の優先度の降順で、各URSP規則内のトラフィック記述子と照合する。表1には、複数のタイプのトラフィック記述子、例えば、アプリケーション記述子(例えば、オペレーティングシステム識別子(OSId)+アプリケーション識別子(OSAppId),例えば、AndroidオペレーティングシステムのWeChatはandroid+com.wechatと表され得る)及びIP記述子(例えば、開始されたサービスに対応するあて先IPアドレス)が存在する。
【0072】
【0073】
RSDは、DNN、S-NSSAI、及びSSCモードなどの情報を含む。
【0074】
例えば、
図4(a)に示されるように、URSP 1は、トラフィック記述子及び3つのRSDを含む。トラフィック記述子は、アプリケーション識別子及び他のタイプの識別子を使用することによって、異なるサービスを区別する。RSD 1はS-NSSAI-1を含み、RSD 2はS-NSSAI-2を含み、RSD 3はS-NSSAI-3を含む。
【0075】
6.URSPマッチング:UEが特定のサービス/アプリケーションを開始すると決定するとき、UEは最初に、開始予定のサービス/アプリケーションを、URSP規則の優先度に基づき、URSP規則内のトラフィック記述子と照合する。
【0076】
特定のURSP規則が一致する場合に(例えば、URSP規則は、代替的に、デフォルトURSP規則(ワイルドカードURSP規則とも呼ばれ得る)であってもよく、例えば、トラフィック記述子はマッチオールの形をとる)、UEは更に、URSP規則の現在のRSDに基づき、サービスに使用される必要があるスライスS-NSSAIを決定し、また、スライスS-NSSAIが現在のネットワークのallowed NSSAIに属するかどうかを決定する必要がある。具体的に、ローミングシナリオでは、端末は、スライスS-NSSAIが訪問先ネットワークの現在のallowed NSSAIに属するかどうかを決定する必要がある。非ローミングシナリオでは、端末は、スライスS-NSSAIがホームネットワークの現在のallowed NSSAIにあるかどうかを決定する必要がある。S-NSSAIがallowed NSSAIにない場合には、UEは、サービスによって使用されることを許可されたスライスS-NSSAIがallowed NSSAIに現れ、ネットワークスライスによって受け入れられると決定されるまで、URSP/RSD優先度に基づきその後のURSP規則又はRSDを照合し続ける。例えば、サービスを開始するアプリケーションIDに対応するURSP規則が利用不可能であると決定するとき、UEは、優先度に基づき、優先度が最も低いURSP規則を続けて照合してよく、つまり、トラフィック記述子は、
図4(a)に示されるマッチオール形式でのURSP規則である。最後にUEによって照合されたURSP規則は、ターゲットURSP規則と呼ばれる。最後にUEによって照合されたRSDは、ターゲットRSDと呼ばれる。
【0077】
次に、UEは、ターゲットRSDの定義を満足する既存のPDUセッションが存在するかどうかを決定する。
【0078】
既存のPDUセッションに対応するDNN、S-NSSAI、及びSSCモードなどの情報が、ターゲットRSDに含まれている情報と一致する場合に、それは、既存のPDUセッションが現在のサービス要件と一致することを示す。この場合に、UEは、既存のPDUセッションで新しいクオリティ・オブ・サービスフロー(quality of service,QoSフロー)を確立するために、既存のPDUセッションに基づきPDUセッション変更要求(PDU Session Modification Request)を開始すると選択し、新たに確立されたQoSフローを使用してサービスを運び得る。
【0079】
PDUセッション変更要求メッセージは、N1 SMコンテナを使用することによって運ばれてよい。PDUセッション変更要求はPDUセッションID、パケットフィルタ(packet filters)、要求されているQoSパラメータ(要求されているQoS)、などを含む(又は運ぶ)。PDUセッションIDは、特定のセッションコンテキストに関連付けるためにAMFによって使用され、端末のN1 SMコンテナは、AMFによってSMFへトランスペアレントに伝送される。
【0080】
既存のPDUセッションのどれもURSP内のRSD情報と一致しない場合には、UEは、サービス/アプリケーションのためのPDUセッション確立要求を開始する。セッション確立要求メッセージは、新たに割り当てられたPDUセッションIDと、RSD内のDNN、S-NSSAI、及びN1 SMコンテナ(SSCモード、及びPDUセッションタイプ)などのパラメータを運ぶ。新たに割り当てられたPDUセッションIDは、PDUセッション確立要求に対応するPDUセッションを識別するために使用され、DNN+S-NSSAIは、AMFがPDUセッション確立要求のためのSMFエントリを選択するためのパラメータとして使用され、N1 SMコンテナは、AMFによって、選択されたSMFへトランスペアレントに伝送される。
【0081】
例えば、UEはV2Xサービスにアクセスする必要がある。ホームネットワークによって提供されるURSP規則に従って、V2XサービスはURLLCタイプのスライスにアクセスする必要がある。
図4(a)に示されるように、端末のためにホームネットワークによって提供されるURSP 1規則は3つのRSDを含み、3つのRSDは夫々、V2Xに対応する3つのスライス情報であり、3つのスライスは全て、URLLCタイプのスライスである。可能な配置シナリオでは、URLLCタイプのスライスは、UEによって現在アクセスされている訪問先ネットワークに配置されていない場合がある。言い換えると、UEによって受け取られたallowed NSSAIは、UEがアクセスする必要があるURLLCスライスを含まない。
図4(a)に示されるように、第1ネットワークによってサポートされているS-NSSAI-4及びS-NSSAI-5に対応するスライスは、URLLCタイプのスライスではない。
図4(a)は一例として使用されている。V2Xサービスが開始される必要があると決定する場合に、UEは最初に、トラフィック記述子を照合し、そして、UEは、開始予定のサービスの情報、例えば、V2Xサービス識別子を使用して、ローカルで記憶されている1つ以上のURSP規則内のトラフィック記述子を照合し、URSP 1のトラフィック記述子が開始予定のサービスと一致することを決定する。この場合に、UEは、URSP 1内のRSDを引き続き照合する。UEは最初に、優先順位に従ってS-NSSAI-1を照合し、S-NSSAI-1がallowed NSSAIに属さないと知る。この場合に、現在の技術によれば、UEは後続のS-NSSAI-2を引き続き照合し、S-NSSAI-2もallowed NSSAIに属さないと知る。残りは、URSP 1の全てのRSDが照合されるまで、同じように繰り返され得る。UEは、URSP 1によって示されているS-NSSAIのどれも現在のネットワークによってサポートされていないと、言い換えると、どのS-NSSAIも現在のネットワークのallowed NSSAIにないと知る。この場合に、UEは、優先度が最も低いデフォルトURSP規則(ワイルドカードURSP規則とも呼ばれ得る)が照合されるまで、URSP規則の優先度に基づき、後続のURSP規則を照合し続ける。
図4(a)に示されるように、デフォルトURSP規則に含まれているスライス情報はeMBBタイプのスライスの情報である。この場合に、UEは、eMBBタイプのスライスの情報に基づきPDUセッションを確立する。その結果、確立されたPDUセッションは場合により、V2Xサービス要件を満足しない可能性がある。
【0082】
上記の技術的問題を解決するために、本願の実施形態はスライスアクセス方法を提供する。以下は、本願の実施形態におけるスライスアクセス方法について詳述する。
【0083】
本願の実施形態で提供されるスライスアクセス方法は、通信のためにネットワークスライスを使用する通信システム、例えば、5Gシステム、後続の進化したシステム、又は他のシステムに適用される。
図1は、本願の実施形態が適用される通信システムのアーキテクチャの例である。通信システムは、ネットワーク公開機能(network exposure function,NEF)、ポリシー制御機能(policy control function,PCF)、アプリケーション機能(application function,AF)、統合データ管理(unified data management,UDM)、ユーザデータリポジトリ(user data repository,UDR)、アクセス及びモビリティ管理機能(access and mobility management function,AMF)、セッション管理機能(session management function,SMF)、及びアクセスネットワーク(access network,AN)要素を含む。ANは有線アクセスネットワーク及び無線アクセスネットワーク(radio access network,RAN)、ユーザプレーン機能(user plane function,UPF)及びDNネットワーク要素などのネットワーク要素又はデバイス、並びに端末UEを含む。
【0084】
端末は、無線又は有線方式でANにアクセスする。無線方式は、例えば、ワイヤレス・フィデリティ(wireless fidelity,Wi-Fi)を使用することによってANにアクセスすることであってよく、又はセルラーネットワーク(例えば、E-UTRA又はNR)を使用することによってANにアクセスすることであってもよい。端末はN1を通じてAMFと通信する。ANはN3を通じてUPFと通信し、また、ANはN2を通じてAMFと通信する。UPFはN4を通じてSMFと通信し、また、UPFはN6を通じてDNネットワーク要素と通信する。AMFはN8を通じてUDMと通信する。SMFはN11を通じてAMFと通信し、SMFはN10を通じてUDMと通信し、SMFはN7を通じてPCFと通信する。AMFはN12を通じてAUSFと通信し(
図1に図示せず)、そして、AUSFはN13を通じてUDMと通信する(
図1に図示せず)。AFはN5を通じてPCFと通信する。UDMはN35を通じてUDRと通信する。UDMはN52を通じてAF/NEFと通信する。UDRはN36を通じてPCFと通信する。AMFはN15を通じてPCFと通信する。
【0085】
図1に示されるシステムで、AF/NEFは、AFがNEFを介してコアネットワーク要素と相互作用することを意味する。
【0086】
図1に示されるシステムで、いくつかのネットワーク要素の機能は次の通りである。
【0087】
AFは主に、ネットワーク側のためのアプリケーション側の要件、例えば、QoS要件又はユーザ装置ステータスイベントサブスクリプションを転送する。AFは、サードパーティ機能エンティティ又はオペレータによってデプロイされたアプリケーションサービス、例えば、IMSボイスコールサービスであってよい。コアネットワークと相互作用するとき、サードパーティアプリケーションのアプリケーション機能エンティティは更に、NEFを介して認証処理を実行してもよい。例えば、サードパーティAFは要求メッセージをNEFへ送信し、NEFは、AFが要求メッセージを送信することを許されるかどうかを決定する。検証が成功する場合に、NEFは、対応するPCF又はUDMへ要求メッセージを転送する。
【0088】
UDMは主に、サブスクリプションデータの管理及びユーザアクセス認証などの機能に関与する。
【0089】
UDRは主に、サブスクリプションデータ、ポリシーデータ、アプリケーションデータ、及び他のタイプのデータの記憶及び読み出しに関与する。
【0090】
更に、UDRは、対応するS-NSSAIをサブスライバーのサブスクライブされたNSSAIに加え、かつ、S-NSSAIの下でサブスライバーによって使用され得るバンド幅及びQoS保証などのサブスクライブされた価値を加えることができる。
【0091】
PCFは主に、セッションレベル又はサービスフローレベルに対する課金、クオリティ・オブ・サービス(quality of service,QoS)バンド幅保証、モビリティ管理、及びUEポリシー決定などのポリシー制御機能を実行することに関与する。このアーキテクチャで、AMF及びSMFに夫々接続されているPCFは、AM PCF(つまり、アクセス及びモビリティ制御のためのPCF)と、SM PCF(つまり、セッション管理のためのPCF)とに対応する。実際の配置シナリオでは、AM PCF及びSM PCFは同じPCFエンティティでなくてもよい。
【0092】
SMFは主に、セッション管理、PCFによって配信された制御ポリシーの実行、UPF選択、及びUEインターネットプロトコル(internet protocol,IP)アドレス割り当てなどの機能を実行する。
【0093】
AMFは主に、モビリティ管理、及びアクセス認証/許可などの機能を実行する。その上、AMFネットワーク要素は更に、UEとPCFとの間でユーザポリシーを転送することに関与する。
【0094】
UPFは、データネットワークとのインターフェースUPFとして機能し、ユーザプレーンデータ転送、セッション/フローレベルに基づいた課金統計、及びバンド幅調整などの機能を実装する。
【0095】
ANは異なるアクセスネットワークに対応し、例えば、有線アクセス及び無線基地局アクセスなどの複数の方法がある。
【0096】
図1に示されるアーキテクチャにおいて、いくつかのインターフェースの機能は次の通りである。
【0097】
1.N7は、PCFとSMFとの間のインターフェースを表し、PDUセッション粒度及びサービスデータフロー粒度制御ポリシーを配信するよう構成される。
【0098】
2.N15は、PCFとAMFとの間のインターフェースを表し、UEポリシー及びアクセス制御関連ポリシーを配信するよう構成される。
【0099】
3.N5は、AFとPCFとの間のインターフェースを表し、アプリケーションサービス要求を配信し、ネットワークイベントを報告するよう構成される。
【0100】
4.N4は、SMFとUPFとの間のインターフェースを表し、制御プレーンからユーザプレーンへの転送規則、QoS制御規則、トラフィック統計規則、などの配信と、ユーザプレーン情報の報告とを含め、制御プレーンとユーザプレーンとの間で情報を転送するよう構成される。
【0101】
5.N11は、SMFとAMFとの間のインターフェースを表し、ANとUPFとの間でPDUセッショントンネル情報を転送し、UEへ送信されるべき制御メッセージを転送し、ANへ送信されるべき無線リソース制御情報を転送する、などのために構成される。
【0102】
6.N2は、AMFとRANとの間のインターフェースを表し、コアネットワーク側からANへ無線ベアラ制御情報などを転送するよう構成される。
【0103】
7.N1は、AMFとUEとの間のインターフェースを表し、QoS制御規則などをUEへ転送するよう構成される。
【0104】
8.N8は、AMFとUDMとの間のインターフェースを表し、アクセス及びモビリティ管理に関係があり、AMFによって、UEの現在のモビリティ管理関連情報をUDMに登録するために使用されるサブスクリプションデータ及び認証データをUDMから取得するためにAMFによって使用される。
【0105】
9.N9は、UPF間でユーザプレーンデータを転送するために使用される。
【0106】
10.N10は、SMFとUDMとの間のインターフェースを表し、セッション管理に関係があり、SMFによって、UEの現在のセッションに関連した情報をUDMに登録するために使用されるサブスクリプションデータをUDMから取得するためにSMFによって使用される。
【0107】
11.N35は、UDMとUDRとの間のインターフェースを表し、ユーザサブスクリプションデータ情報をUDRから取得するためにUDMによって使用される。
【0108】
12.N36は、PCFとUDRとの間のインターフェースを表し、ポリシー関連サブスクリプションデータ及びアプリケーションデータ関連情報をUDRから取得するためにPCFによって使用される。
【0109】
任意に、本願の実施形態の端末は、通信機能を備えている様々なハンドヘルドデバイス、ウェアラブルデバイス、若しくはコンピューティングデバイス、又はモデムへ接続されている他の処理デバイスを含んでよく、更には、パーソナルデジタルアシスタント(person digital assistant,PDA)コンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ(laptop computer)、マシンタイプ通信(machine type communication,MTC)端末、ユーザ装置(user equipment,UE)、などを含んでもよい。確かに、端末について述べるとき、端末は、代替的に、例えば、UE内のチップシステムであってもよい。端末の実施形態は、本願の実施形態で制限されない。
【0110】
5Gシステムをデプロイするための要件に基づき、上記のネットワーク要素は、特定の様態で互いと通信し得ることが理解され得る(例えば、端末はN1を通じてAMFと通信する)。いくつかのネットワーク要素間の通信ノードのみが先に挙げられている。簡潔さのために、他のネットワーク要素間の通信モードは、本願の実施形態で詳細には記載されない。
【0111】
任意に、
図1でのネットワーク要素の名称及びネットワーク要素間のインターフェースの名称は、例にすぎない。具体的な実施で、ネットワーク要素の名称及びネットワーク要素間のインターフェースの名称は、他の名称であってもよく、あるいは、ネットワーク要素は、エンティティと呼ばれてもよい。これは、本願の実施形態で特には制限されない。
図1のネットワーク要素の全部又は一部は、物理エンティティネットワーク要素であってもよく、あるいは、仮想化されたネットワーク要素であってもよい。これはここで制限されない。
【0112】
任意に、アーキテクチャは、他のネットワーク要素、例えば、運用・管理・保守(operation administration management,OAM)ネットワーク要素、ネットワークスライス選択機能(network slice selection function,NSSF)ネットワーク要素、ネットワークリポジトリ機能(network repository function,NRF)ネットワーク要素、又は認証サーバ機能(authentication server function,AUSF)ネットワーク要素を更に含んでもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0113】
更に、
図1に示される5G通信システムは、非ローミングシナリオでのシステム及びローミングシナリオでのシステムを含む。任意に、各シナリオのシステムは、サービス指向のインターフェースに基づくシステムであってよく、あるいは、基準点に基づくシステムであってもよい。ここで、「サービス指向のインターフェースに基づく」及び「基準点に基づく」の具体的な説明については、従来技術を参照されたい。詳細はここで説明されない。
【0114】
本願のこの実施形態は、単に、ローミングアーキテクチャについて記載する。本願の技術的解決法はまた、非ローミングアーキテクチャにも適用可能である。非ローミングアーキテクチャについては、従来技術を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。具体的に、3GPP標準規格では、ユーザが訪問した場所でアクセスを実行するための2つのローミング方式、つまり、ホームルーテッドローミング(home-routed roaming)及びローカルブレイクアウトローミング(local breakout roaming)が定義されている。
【0115】
ローミングアーキテクチャにおいて、いくつかのネットワーク要素の機能及びネットワーク要素間のインターフェースなどの情報については、
図1に示されているアーキテクチャの関連する記載を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。ローミングアーキテクチャにおいて、いくつかのネットワーク要素は2つの部分に分けられる。1つの部分は、ホーム公衆地上移動体ネットワーク(home public land mobile network,HPLMN)に位置し、他の部分は、訪問先公衆地上移動体ネットワーク(visited public land mobile network,VPLMN)に位置する。端末がローミングシナリオにあるとき、対応するネットワークサービスは、訪問した場所及びホームの場所に夫々デプロイされているネットワーク要素を使用することによって取得され得る。例えば、
図2(a)で、PCFはV-PCF(つまり、訪問した場所のPCF)及びH-PCF(つまり、ホームの場所のPCF)に分けられる。同様に、SMFはV-SMF及びH-SMFに分けられる。
【0116】
図2(a)は、ホームルーテッドローミングのローミングアーキテクチャを示す。
図2(a)に示されるローミングアーキテクチャにおいて、AMF及びH-SMFは、夫々、訪問した場所及びホームの場所に位置しており、セッション管理機能は、UDM/H-PCFとのインタラクションをサポートするホームH-SMFによって実行される。加えて、V-PCFへ接続されているH-PCF及びH-SMFへ接続されているH-PCFは、実際のシナリオでは同じPCFエンティティでなくてもよい。
【0117】
図2(b)は、ローカルブレイクアウトローミングのローミングアーキテクチャである。ローミングアーキテクチャにおいて、AMF及びSMFは両方とも、訪問した場所に位置している。セッション管理機能は、訪問した場所のSMFによって実行される。加えて、AMFへ接続されているV-PCF及びSMFへ接続されているV-PCFは、実際のシナリオでは同じPCFエンティティでなくてもよい。
図2(b)は、ショートメッセージングサービス機能(short messaging service function,SMSF)を含む。SMSFはN21を通じてUDMと通信し、N20を通じてAMFと通信する。
【0118】
本願の実施形態において、ネットワーク要素(例えば、ネットワーク要素A)が他のネットワーク要素(例えば、ネットワーク要素B)から情報を取得することは、ネットワーク要素Aがネットワーク要素Bから情報を直接受信することを意味してよく、あるいは、ネットワーク要素Aが他のネットワーク要素(例えば、ネットワーク要素C)を介してネットワーク要素Bから情報を受信することを意味してもよい。ネットワーク要素Aがネットワーク要素Cを介してネットワーク要素Bから情報を受信する場合に、ネットワーク要素Cは、情報をトランスペアレントに伝送してよく、あるいは、情報を処理してもよく、例えば、情報を伝送のために異なるメッセージに加えたり、又は、情報をスクリーニングし、スクリーニングにより得られた情報のみをネットワーク要素Aへ送信したりしてもよい。同様に、本願の様々な実施形態で、ネットワーク要素Aが情報をネットワーク要素Bへ送信することは、ネットワーク要素Aが情報を直接にネットワーク要素Bへ送信することを意味してよく、あるいは、ネットワーク要素Aが他のネットワーク要素(例えば、ネットワーク要素C)を介してネットワーク要素Bへ情報を送信することを意味してもよい。
【0119】
更に、本願の実施形態で記載されているネットワークアーキテクチャ及びサービスシナリオは、本願の実施形態の技術的解決法についてより明りょうに記載するよう意図されており、本願の実施形態で提供されている技術的解決法に対する制限を構成するものではない。当業者には、ネットワークアーキテクチャの進歩及び新しいサービスシナリオの新興により、本願の実施形態で提供されている技術的解決法は同様の技術的問題にも適用可能であることが知られている。
【0120】
本願の実施形態はスライスアクセスシステムを提供する。
図3を参照されたい。システム300は端末301及びポリシーネットワーク要素302を含む。
【0121】
ポリシーネットワーク要素302は、URSPを端末へ送信するよう構成される。URSPは従来技術のURSPとは異なる。具体的に、URSPは指示情報を含み、指示情報は、1つ以上の前もってセットされたURSP規則を照合すること、又は1つ以上の前もってセットされたRSDを照合することを指示する。前もってセットされたURSP規則及び前もってセットされたRSDの詳細については、以下の実施形態を参照されたい。
【0122】
端末301は、ポリシーネットワーク要素302からのURSPに従ってURSPマッチングを実行するよう構成される。URSPマッチングは、1つ以上の前もってセットされたURSPに対応する1つ以上の単一ネットワークスライス選択支援情報S-NSSAIのどれも第1ネットワークによってサポートされないか、又は1つ以上の前もってセットされたRSDに対応する1つ以上のS-NSSAIのどれも第1ネットワークによってサポートされない場合に、中止される。このように、サービスに適さないスライスがその後に照合されることで端末サービスが失敗する確率は、低下させることができる。
【0123】
可能な実施において、スライスアクセスシステムは、モビリティ管理ネットワーク要素304及びデータネットワーク要素303を更に含む。
【0124】
モビリティ管理ネットワーク要素304は、端末301からポリシーネットワーク要素302へメッセージを送信するか、又はポリシーネットワーク要素302から端末301へメッセージを送信するよう構成される。例えば、モビリティ管理ネットワーク要素304は、端末301とポリシーネットワーク要素302との間でトランスペアレントにメッセージを伝送するよう構成される。
【0125】
データネットワーク要素303は、いくつかのデータを記憶するよう構成される。データは、URSPを策定するためにポリシーネットワーク要素によって使用されても、あるいは、ユーザ関連情報を知るために他のネットワーク要素によって使用されてもよい。
【0126】
図3のデータネットワーク要素は、
図1若しくは
図2(a)及び
図2(b)のUDM又は同様の機能を備えている他のネットワーク要素であってよく、あるいは、UDR又は同様の機能を備えている他のネットワーク要素であってもよい。モビリティ管理ネットワーク要素は、
図1若しくは
図2(a)及び
図2(b)のAMF又は同様の機能を備えている他のネットワーク要素であってよい。ポリシーネットワーク要素は、
図1のPCF若しくは
図2(a)及び
図2(b)のH-PCF又は同様の機能を備えている他のネットワーク要素であってよい。更に、
図3に示されているネットワーク要素間の接続関係については、
図1又は
図2(a)及び
図2(b)の対応するネットワーク要素間の接続関係を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0127】
本願の実施形態の技術的解決法は、
図2(a)及び
図2(b)に示されているローミングシナリオ及び非ローミングシナリオに適用されてよい(従来技術を参照されたい)。
【0128】
例えば、ネットワーク装置は、
図1に示されるPCF又は
図2(a)及び
図2(b)に示されるH-PCFである。
図5を参照されたい。本願の実施形態で提供されるスライスアクセス方法は、次のステップを含む。
【0129】
S501:H-PCFは1つ以上のURSP規則を決定し、このとき、1つ以上のURSP規則のうちの少なくとも1つのURSP規則が指示情報を含む。
【0130】
指示情報は、1つ以上の前もってセットされたURSP規則を照合すること、又は1つ以上の前もってセットされたルート選択記述子RSDを照合することを示す。
【0131】
任意に、指示情報は、RSD粒度として使用され、RSDに位置してよく、つまり、上記の表2に含まれる。
【0132】
任意に、指示情報は、代替的に、URSP粒度として使用され、URSP規則に位置してよく、つまり、上記の表1に含まれる。
【0133】
指示情報が1つ以上の前もってセットされたURSP規則を照合することを示すことは、ただ1つの又はそれ以上の前もってセットされたURSP規則が照合され、前もってセットされたURSP規則以外のURSP規則は照合されないことを意味する。同様に、指示情報が1つ以上の前もってセットされたRSDを照合することを示すことは、ただ1つの又はそれ以上の前もってセットされたRSDが照合され、前もってセットされたRSD以外のRSDは照合されないことを意味する。
【0134】
本願のこの実施形態で、可能な実施において、H-PCFは、照合される必要があるURSP規則を指示情報内にカプセル化する。言い換えると、照合される必要があるURSP規則は全て指示情報を含む。この場合に、前もってセットされたURSP規則は、指示情報が位置しているURSP規則(本願のこの実施形態では第1URSP規則と呼ばれる)を含んでよい。例えば、
図4(b)を参照されたい。H-PCFは、URSP 1、URSP 2、URSP 3及びデフォルトのURSP規則を取得することを決定する。URSP 1、URSP 2及びURSP 3が夫々指示情報を含む場合には、前もってセットされたURSP規則はURSP 1、URSP 2、及びURSP 3である。その後に、端末装置は、URSP 1、URSP 2、及びURSP 3のみを照合する。
【0135】
留意すべきは、本願のこの実施形態で、指示情報の具体的な内容は変化してもよい点である。例えば、2つの指示情報がある場合に、照合される必要がある最後のURSP規則に含まれる指示情報は、前のURSP規則(つまり、優先度が最後のURSP規則のそれよりも高いURSP規則)に含まれる情報と異なってもよい。例えば、
図4(b)で、照合される必要がある最後のURSP規則はURSP 3である。URSP 1及びURSP 2は同じ指示情報を含み、URSP 3に含まれる指示情報は、URSP 1に含まれる指示情報と異なってもよい。指示情報は1ビット(0又は1)であるとすれば、URSP 3は、値が0である指示情報を含み、URSP 1は、値が1である指示情報を含み、URSP 2も、値が1である指示情報を含む。確かに、照合される必要がある最後のURSP規則に含まれる指示情報は、前のURSP規則(優先度が最後のURSP規則のそれよりも高いURSP規則)に含まれる指示情報と一致してもよい。例えば、URSP 3は、値が1である指示情報を含み、URSP 1及びURSP 2は両方とも、値が1である指示情報を含む。
【0136】
可能な実施において、H-PCFは、照合される必要があるURSP規則のうちの最後のURSP規則を指示情報内にカプセル化する。この場合に、前もってセットされたURSP規則は、第1URSP規則(第1URSP規則は、指示情報が位置しているURSP規則である)及び1つ以上の第2URSP規則(第2URSP規則は、優先度が第1URSP規則のそれよりも高いURSP規則である)を含んでよい。
【0137】
例えば、URSP 1(高優先度)、URSP 2(中優先度)、及びURSP 3(低優先度)が存在する。この場合に、第1URSP規則がURSP 2である場合に、第2URSP規則はURSP 1である。第1URSP規則がURSP 3である場合に、優先度がURSP 3のそれよりも高い第2URSP規則は、URSP 1及びURSP 2である。
【0138】
同様に、本願この実施形態で述べられている第1RSDは、指示情報が位置しているRSDである。第2RSDについて述べる場合に、それは通常、優先度が第1RSDのそれよりも高いRSDを指す。第2RSD、つまり、優先度が第1RSDのそれよりも高いRSDは、優先度が現在のRSDP規則において第1RSDのそれよりも高いRSD、及び優先度が現在のURSP規則のそれよりも高い他のURSP規則でのRSDを含む。例えば、
図4(d)を参照されたい。第1RSDは、指示情報が位置するRSD 5であり、第2RSDは、優先度が現在のURSP規則(つまり、RSD5が位置しているURSP2)においてRSD 5よりも高いRSD4、及び優先度がURSP 2よりも高いたかいURSP 1に含まれているRSD 1からRSD 3である。
【0139】
従って、この場合に、前もってセットされたURSP規則は、第1URSP規則(指示情報が位置するURSP規則)及び1つ以上の第2URSP規則(優先度が第1URSP規則のそれよりも高いURSP規則)を含み得る。例えば、
図4(c)を参照されたい。H-PCFは、URSP 1、URSP 2、及びデフォルトのURSP規則を取得するためことを決定する。URSP 2のみが指示情報を含む場合に、前もってセットされたURSP規則は、指示情報が位置するURSP規則(つまり、URSP 2)、及び優先度がURSP 2のそれよりも高いURSP 1を含む。その後に、端末装置は、前もってセットされたURSP規則のみを照合する、つまり、URSP 1及びURSP 2のみを照合する。
【0140】
他の可能な実施において、指示情報はRSDに位置してもよい。前もってセットされたRSDは第1RSD(つまり、指示情報が位置しているRSD)及び1つ以上の第2RSD(優先度が第1RSDのそれよりも高いRSD)を指すことができる。例えば、
図4(d)を参照されたい。H-PCFは、URSP 1、URSP 2、URSP 3、及びデフォルトのURSP規則を取得すると決定する。URSP 2のRSD 5のみが指示情報を含む場合に、前もってセットされたRSDは、指示情報が位置しているRSD(つまり、RSD 5)、及び優先度がRSD 5のそれよりも高いRSD 1からRSD 4を含む。その後に、端末装置は、前もってセットされたRSDのみを照合する、つまり、RSD 1からRSD 5のみを照合する。
【0141】
代替的に、他の可能な実施において、前もってセットされたURSP規則は第1RSDを含み、具体的に言えば、指示情報が位置するRSDを含む。例えば、
図4(e)を参照されたい。H-PCFは、URSP 1、URSP 4、及びデフォルトのURSP規則を取得すると決定する。RSD 1、RSD 2、RSD 3、RSD 8、及びRSD 9が全て指示情報を含む場合に、前もってセットされたRSDは、指示情報が位置しているRSD 1、RSD 2、RSD 3、RSD 8、及びRSD 9を含む。その後に、端末装置は、前もってセットされたRSDのみを照合する、つまり、RSD 1、RSD 2、RSD 3、RSD 8、及びRSD 9のみを照合する。
【0142】
任意に、他の可能な実施において、前もってセットされたURSP規則は非ワイルドカードURSP規則、つまり、非デフォルトURSP規則を含む。具体的に言えば、端末装置は非デフォルトURSP規則のみを照合し、デフォルトのURSP規則を照合しない。例えば、
図4(a)を参照されたい。H-PCFは、少なくとも3つのURSP規則、つまり、URSP 1、URSP 2、及びデフォルトのURSP規則を取得すると決定する。ここで、前もってセットされたURSP規則は、非デフォルトのURSP 1、URSP 2、及び他の非デフォルトURSP規則である。端末装置は、URSPマッチングプロシージャで
図4(a)に示される非デフォルトURSP規則のみを照合する。指示情報は、照合される必要がある非デフォルトURSP規則にカプセル化され得る。例えば、
図4(f)を参照されたい。代替的に、指示情報は、照合される必要がないデフォルトのURSP規則にカプセル化されてもよい。代替的に、指示情報は、他のカプセル化方法で更にカプセル化されてもよい。
【0143】
具体的に、H-PCFは、次の情報:ユーザ加入情報、端末装置の現在位置、及びローカル事前構成、のうちの1つ以上に基づきURSP規則決定を実行する。
【0144】
S502:H-PCFは、1つ以上のURSP規則を端末装置へ送信する。
【0145】
相応して、端末装置は、ネットワーク装置から1つ以上のURSP規則を受信する。
【0146】
ここで、H-PCFは、端末装置によって報告されたURSPポリシー選択識別子(policy selection ID,PSI)に基づき、端末装置のURSP規則が更新又は追加される必要があるかどうかを決定する。端末装置のURSP規則が更新又は追加される必要があると決定すると、H-PCFは1つ以上のURSP規則を端末装置へ送信する。1つ以上のURSP規則のうちの少なくとも1つのURSP規則が指示情報を含む。
【0147】
具体的に、H-PCFは最初に、1つ以上のURSP規則をAMFへ送信し、次いで、AMFが、(R)ANを介して端末装置へ1つ以上のURSP規則を送信する。可能な実施において、H-PCFは、AMFによって提供されるNamf_Communication_N1N2MessageTransferサービスを呼び出すことによって、1つ以上のURSP規則をAMFへ送信する。任意に、UEが現在アイドル(idle)モードにあるとAMFが決定する場合には、AMFは、アイドルモードからコネクテッド(connected)モードへ回復するように端末装置をトリガするために、ネットワークトリガサービス要求プロシージャ(network triggered service request)を開始する。端末装置がコネクテッドモードにある場合に、AMFは、RANを介してコネクテッドモードにある端末装置へ1つ以上のURSP規則を送信する。
【0148】
任意に、本願のこの実施形態のスライスアクセス方法は、更に、次のステップを含み得る。
【0149】
S503:端末装置は、第1確認応答メッセージをAMFへ送信する。
【0150】
相応して、AMFは、端末装置から第1確認応答メッセージを受信する。
【0151】
H-PCFからURSP規則を受信した後、端末装置は第1確認応答メッセージをAMFへ送信し、このとき、第1確認応答メッセージは、端末装置が1つ以上のURSP規則を受信したことを示す、と理解され得る。
【0152】
具体的に、端末装置は、(R)ANを介してAMFへ第1確認応答メッセージを送信する。
【0153】
S503は任意のステップである。
【0154】
S504:AMFは、第1確認応答メッセージをH-PCFへ送信する。
【0155】
相応して、H-PCFは、AMFから第1確認応答メッセージを受信する。
【0156】
可能な実施において、AMFは、Namf_Communication_N1MessageNotifyサービス応答を返し、第1確認応答メッセージをH-PCFへ送信する。
【0157】
S504は任意のステップである。
【0158】
S505:1つ以上のURSP規則に従ってURSPマッチングを実行する。
【0159】
具体的に、本願のこの実施形態では、現在開始予定のサービスに一致し、1つ以上の前もってセットされたURSP規則内にあるURSP規則に対応する1つ以上のS-NSSAIのどれも第1ネットワークによってサポートされないか、あるいは、現在開始予定のサービスに一致し、1つ以上の前もってセットされたRSD内にあるRSDに対応する1つ以上のS-NSSAIのどれも第1ネットワークによってサポートされない場合に、URSPマッチングが中止される点が、従来技術とは相違している。
【0160】
端末装置はURSPマッチングを実行する。最初に、端末装置は、サービス情報を照合する必要があり、具体的に言えば、端末装置は、現在開始予定のサービスに一致するURSP又は現在開始予定のサービスに一致するRSDを最初に決定する必要がある。可能な実施において、サービスが開始される場合に、端末モデムは、アプリケーションレイヤによって供給され、各URSP規則におけるトラフィック記述子とともにサービスを開始するために使用されるアプリケーション識別子(APP ID)を、1つ以上のURSP規則の1つ以上の優先度の降順で、夫々照合する。照合されたURSP規則は、現在開始予定のサービスに一致するURSP規則と呼ばれる。現在開始予定のサービスに一致するURSP規則に含まれるRSDは、現在開始予定のサービスに一致するRSDと呼ばれる。例えば、
図4(b)に示されるように、H-PCFから端末装置によって受信された1つ以上のURSP規則は、URSP 1、URSP 2、URSP 3、デフォルトのURSP規則、などを含む。現在、端末装置がV2Xサービスを開始する場合に、端末装置によって決定された1つ以上の前もってURSPに含まれかつ現在開始予定のサービスに一致するURSP規則は、URSP 1及びURSP 2である。他の例として、
図4(e)で、端末装置はV2Xサービスを開始し、現在開始予定のサービスに一致しかつ1つ以上の前もってセットされたRSD内にあるRSDは、RSD 1からRSD 3である。具体的に、サービス情報に基づきURSPマッチングを実行する場合に、端末は、代替的に、例えば、開始予定のサービスに対応するドメイン名情報、あて先サーバIPアドレス情報、などに基づき他の方法を使用するか、あるいは、アプリケーションレイヤの関与無しでモデムレイヤによってマッチングアクションを直接に実行してもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0161】
S-NSSAIが第1ネットワークによってサポートされないことは、S-NSSAIが第1ネットワークのallowed NSSAIにないことを意味する。代替的に、S-NSSAIはallowed NSSAIにあるが、端末装置によって受け取られたallowed NSSAIは更新されなくてもよい。代替的に、PDUセッション確立要求を開始した後、端末装置は、ネットワーク側から拒否原因値を受け取り、原因値により、S-NSSAIが一時的にアクセスをサポートしないことが示される。代替的に、S-NSSAIが第1ネットワークによってサポートされない他の場合がある。第1ネットワークは、端末の現在のネットワークを指す。
【0162】
例えば、
図4(b)を参照されたい。前もってセットされたURSP規則はURSP 1、URSP 2、及びURSP 3である。従って、URSPマッチングプロシージャを実行する場合に、端末装置はURSP 1、URSP 2、及びURSP 3のみを照合する。URSP 3を照合する場合に、端末装置は、URSP 3のトラフィック記述子(つまり、wechat)に基づき、URSP 3が現在開始予定のV2Xサービスに一致するURSP規則ではないと決定する。URSP 1及びURSP 2を照合する場合に、端末装置は、URSP 1及びURSP 2に対応するS-NSSAI-1からS-NSSAI-7のどれも第1ネットワークのallowed NSSAIにないことを知る。この場合に、端末装置はURSPマッチングを中止し、その後のURSP規則を照合し続けない。この場合に、端末装置は、少なくとも1つの必要とされているスライスにアクセスしようと試みてもよい。
【0163】
上述されたように、照合される必要がある最後のURSP規則(つまり、URSP 3)に含まれる指示情報は、高優先度のURSP規則に含まれる指示情報と同じであっても又は異なってもよい。例えば、URSP 3は、値が1である指示情報を含み、URSP 1及びURSP 2は両方とも、値が1である指示情報を含む。この場合に、URSP 3の照合を完了すると、端末装置は、URSP 2が、照合される必要がある最後のURSP規則であるかどうかを知らない可能性があり、次のURSP規則を更に脱カプセル化する必要がある。次のURSP規則が指示情報を含まないと端末装置が決定する場合に、それは、次のURSP規則が前もってセットされたURSP規則ではないことを示し、端末装置は、URSP規則を照合する必要がない。
【0164】
他の例として、URSP 3は、値が0である指示情報を含み、URSP 1及びURSP 2は両方とも、値が1である指示情報を含む。この場合に、最後のURSP規則(つまり、URSP 3)に含まれる指示情報は前のURSP規則(URSP 1及びURSP 2)とは異なるので、URSP 3の照合を完了すると、端末装置は、URSP 3が、照合される必要がある最後のURSP規則であると認識し得る。このようにして、端末装置は、次のURSP規則を脱カプセル化する必要がなく、端末装置によって実行される必要がある動作は低減され、実施プロシージャはより簡単である。
【0165】
他の例として、
図4(e)を参照されたい。前もってセットされたRSD(つまり、指示情報が位置するRSD)は、RSD 1、RSD 2、RSD 3、RSD 4、及びRSD 9である。従って、URSPマッチングプロシージャを実行する場合に、端末装置は、RSD 1、RSD 2、RSD 3、RSD 8、及びRSD 9のみを照合する。具体的に、端末装置がRSD 8及びRSD 9を照合する場合に、RSD 8及びRSD 9は現在開始予定のサービスに一致するRSDではないことが分かる。端末装置がRSD 1、RSD 2、及びRSD 3を照合する場合に、RSD 1、RSD 2、及びRSD 3に夫々対応しているS-NSSAI-1、S-NSSAI-2、及びS-NSSAI
-3のどれも第1ネットワークのallowed NSSAIにないと決定され、端末装置はURSPマッチングを中止し、その後のRSDを照合し続けない。
【0166】
本願の実施形態によって提供されるスライスアクセス方法では、端末は、サービスが開始される必要がある場合にURSPマッチングをトリガするよう、ネットワーク装置から指示情報を受信し、指示情報によって示されている前もってセットされたURSPのみを照合すればよく、あるいは、指示情報によって示されている前もってセットされたURSPを照合しなくてもよい。このように、照合する必要があるURSPの数量を減らすことができ、また、URSPが常に一致するために一致したスライス情報がサービスに適さず、スライス情報に基づき確立されたPDUセッションが、開始される必要があるサービスをサポートすることができないことで、端末サービスが失敗する確率は、下げることができる。
【0167】
S506:端末装置はモビリティ変更プロシージャを実行する。
【0168】
任意に、サービスを実行するために端末装置によってアクセスされる必要があるスライスが第1ネットワークによってサポートされない場合に、端末装置はモビリティ変更プロシージャを実行してよい。端末装置は、モビリティ変更プロシージャを使用することによって、第1ネットワークから第2ネットワークへハンドオーバーするか、あるいは、第2ネットワークに登録する。
【0169】
更に、本願のこの実施形態で、端末装置は、代替的に、次の登録プロシージャを使用することによって第2ネットワークにおいて、少なくとも1つの必要とされているスライスにアクセスするために、1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つにアクセスすること(つまり、サービスによって必要とされているアクセス)を要求してもよい点が、通常のモビリティ変更プロシージャとは異なる。第2ネットワークは、1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つをサポートするネットワークである。
【0170】
具体的なハンドオーバー又は登録プロシージャについては、従来技術を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0171】
可能な実施において、端末装置は、次の情報:ローカル構成、検出されたブロードキャスト情報、及びネットワーク選択支援情報、のうちの1つ以上に基づきモビリティ変更プロシージャを実行する。
【0172】
ネットワーク選択支援情報は、次の情報:
ターゲットスライスセット内の1つ以上のスライスをサポートする1つ以上のネットワークに関する情報、1つ以上のネットワークの1つ以上の優先度、及び1つ以上のネットワークによって夫々サポートされているネットワークスライス情報
のうちの1つ以上を含む。
【0173】
ターゲットスライスセットは、ターゲットNSSAIに対応する1つ以上のスライスであり、ターゲットNSSAIは、次の:端末装置によって要求されているネットワークスライスに対応するNSSAI(つまり、requested NSSAI)、端末装置のアクセスを拒否するネットワークスライスに対応するNSSAI(つまり、rejected NSSAI)、及び端末装置のアクセスを許可するネットワークスライスに対応するNSSAI(つまり、allowed NSSAI)、のうちの1つ以上を含む。
【0174】
本願のこの実施形態のネットワーク選択支援情報は、異なるターゲットスライスに基づき2つのタイプに分類され得る。ターゲットスライスが要求されているNSSAIである場合に、ネットワーク選択支援情報は第1ネットワーク選択支援情報と呼ばれる。ターゲットスライスがrejected NSSAI又はallowed NSSAIである場合に、ネットワーク選択支援情報は第2ネットワーク選択支援情報と呼ばれる。第1ネットワーク選択支援情報及び第2ネットワーク選択支援情報の具体的な説明については、
図6及び
図7に対応する以下の実施形態を参照されたい。ネットワーク選択支援情報の一般用語は依然としてここで使用される。
【0175】
ネットワーク選択支援情報は、S-NSSAI優先PLMN識別子リスト(S-NSSAI:Preferred PLMN ID List)の形をとり得る。代替的に、ネットワーク選択支援情報は、S-NSSAIリスト(Precedence,PLMN ID,Supported S-NSSAI list)の形をとり得る。Precedenceは、各PLMNの優先度を指し、PLMN IDは、ターゲットスライスセット内の1つ以上のスライスをサポートする1つ以上のPLMNの識別子であり、Supported S-NSSAI listは、対応するPLMNによってサポートされるS-NSSAIリストである。
【0176】
例えば、ターゲットNSSAIが要求されているNSSAIである場合に、ターゲットスライスセットは、要求されているNSSAIによって識別された1つ以上のスライス、例えば、スライス1からスライス3(S-NSSAI-1からS-NSSAI-3に夫々対応)である。PLMN識別子のリストがネットワーク選択支援情報を表すために使用される場合に、リストは(S-NSSAI-1:PLMN 1,PLMN2;S-NSSAI-2:PLMN 1,PLMN 3;S-NSSAI-3:PLMN 4,PLMN 2,PLMN 3)であってよい。任意に、リストは、代替的に、1つ以上のPLMNの優先度を含んでもよい。例えば、リストは(S-NSSAI-1:PLMN 1(高優先度),PLMN 2(低優先度);S-NSSAI-2:PLMN 1(高優先度),PLMN 3(低優先度);S-NSSAI-3:PLMN 4(高優先度),PLMN 2(中優先度),PLMN 3(低優先度))であってもよい。ここで、優先度は他の方法でも示されてよく、例えば、値を用いて示されてもよい。値が小さいほど、高い優先度を示す。値が大きいほど、高い優先度を示す。これは本願のこの実施形態で制限されない。任意に、リストは、1つ以上のPLMNによって夫々サポートされているS-NSSAIを更に含む。ネットワーク選択支援情報がS-NSSAIリストの形で表される場合に、リストは(高優先度,PLMN 1,S-NSSAI-1,S-NSSAI-2;高優先度,PLMN 2,S-NSSAI-1,S-NSSAI-4;低優先度,PLMN 3,S-NSSAI-3,S-NSSAI-2)であってよい。
【0177】
周囲ネットワークの検出されたブロードキャスト情報は、周囲ネットワークによってサポートされるスライス情報を含む。例えば、ブロードキャスト情報は、隣接セルによってブロードキャストされたサポートスライス情報を含む。
【0178】
サービスを実行するために端末によって必要とされているスライスが現在の第1ネットワークによってサポートされていない場合に、端末装置は、端末装置によって必要とされているスライスのアクセスを周辺ネットワークがサポートしているかどうかを決定し得ることが理解され得る。ネットワーク(例えば、第2ネットワーク)がスライスをサポートすると決定する場合に、端末装置は、第2ネットワークへのモビリティ変更プロシージャをトリガする(つまり、ハンドオーバー/モビリティ登録プロシージャを使用することによって第2ネットワークにアクセスする)。加えて、端末装置は、第2ネットワークにおいて、必要とされているスライスに対応するS-NSSAIを続けて要求してよく、つまり、1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つを要求する。例えば、
図4(b)に示されるように、端末装置がサービスを開始し、URSPマッチングを実行する場合に、端末装置は、指示情報を読み出して、URSP 1及びURSP 2のみが照合され、その後のURSP規則は照合される必要がないことを認識する。URSP 1及びURSP 2を照合した後、端末装置は、サービスによって必要とされているS-NSSAI-1からS-NSSAI-7のどれも第1ネットワークのallowed NSSAIにないと知る。この場合に、少なくとも1つの必要とされているスライスにアクセスするために、端末装置は、少なくとも1つの必要とされているスライスをサポートする第2ネットワークに登録するか又はそれへハンドオーバーするためにモビリティ変更プロシージャを実行し得る。
図4(b)に示されるように、端末装置は、S-NSSAI-1及びS-NSSAI-2をサポートする第2ネットワークに登録するか又はそれへハンドオーバーしてよい。
【0179】
モビリティ変更プロシージャにおいて、端末装置は登録要求メッセージを第2ネットワークへ送信してよい。具体的に、上記のハンドオーバー方式が使用される場合には、端末装置は最初にハンドオーバーを実行し、次いで、端末装置が第1ネットワークから第2ネットワークへハンドオーバーされた後に、第2ネットワークとの登録プロシージャをトリガする。代替的に、上記の登録方式が使用される場合には、端末装置は、登録プロシージャを使用することによって第1ネットワークから直接に第2ネットワークに登録する。
【0180】
第2ネットワークとの登録プロシージャで、端末デバイスは登録要求を第2ネットワークへ送信してよく、登録要求メッセージは要求されているNSSAIを含む。要求されているNSSAIは、上記の1つ以上のS-NSSAIのうちの少なくとも1つを含み、つまり、少なくとも1つの必要とされているS-NSSAIを含む。例えば、端末装置は、URSP 1のS-NSSAI-1からS-NSSAI-3しか照合せず、3つのS-NSSAIのどれも第1ネットワークのallowed NSSAIにはない。端末装置によって第2ネットワークへ送信された要求されているNSSAIは、S-NSSAI-1からS-NSSAI-3のうちの少なくとも1つを含む。任意に、登録プロシージャは更に、第2ネットワークにおいてUEのコンテキスト情報などの情報を更新するために使用されてもよい。
【0181】
本願のこの実施形態では、上記の1つ以上のステップの実行順序は制限されず、例えば、S505及びS506の実行順序、又はS504及びS505の実行順序は制限されないことが留意されるべきである。
【0182】
本願のこの実施形態で、セッションパラメータがPDUセッションのために選択される場合に、URSP規則及びallowed NSSAIなどの情報に加えて、UEの現在位置の周辺ネットワークが必要とされているスライスをサポートしているかどうかに関する情報も参照される。その上、隣接ネットワークへのモビリティ変更プロシージャをトリガすべきかどうかが決定され得る。このようにして、端末装置は、必要とされているスライス(つまり、S-NSSAI-1からS-NSSAI-3に夫々対応しているスライスのうちの少なくとも1つ)に第2ネットワークを介してアクセスし、必要とされているスライスでPDUセッションを確立し得る。必要とされているスライスの情報(S-NSSAI及びDNNなどの情報を含む)は、URSPマッチングプロシージャでのサービス情報に基づき決定されるので、必要とされるスライスの情報に基づき確立されたPDUセッションは、端末装置のサービス要件を満足することができる。これは、端末装置によるサービスに適さないスライス情報のマッチングによって引き起こされるサービス障害の確率を下げる。
【0183】
更に、ネットワーク選択支援情報を使用する場合に、端末装置は、現在進行中のサービスへの影響を回避するために、第2ネットワークにおける現在確立されているPDUセッションに対応するS-NSSAIのサポートステータスを更に参照しされてもよい。例えば、UEによってアクセスされるべきスライスがS-NSSAI 3であり、既存のセッションがPDUセッション1(パラメータS-NSSAI 1に対応)及びPDUセッション2(パラメータS-NSSAI 2に対応)である場合に、モビリティ変更プロシージャを実行するとき、第2ネットワークによるS-NSSAI 3のサポートステータスに加えて、UEは更に、第2ネットワークが可能な限りS-NSSAI 1及びS-NSSAI 2をサポートすべきであることを考える必要がある。
【0184】
確かに、サービスを実行するために端末装置によってアクセスされる必要があるスライスが第1ネットワークによってサポートされない場合に、端末装置はS505を実行しなくてもよく、具体的に言えば、第2ネットワークへのモビリティ変更プロシージャをトリガせず、開始予定のサービスを放棄し、必要とされるS-NSSAIを含む更新されたallowed NSSAIをその後に受け取った後に、対応するサービスを開始する。
【0185】
いくつかの他の実施形態において、第1ネットワーク選択支援情報を決定する方法が更に提供される。
図6を参照されたい。方法は次のステップを含む。
【0186】
S601:端末装置はAMFへの登録要求を開始する。
【0187】
相応して、AMFは、端末装置から登録要求を受信する。
【0188】
登録要求は、初回登録要求、モビリティ登録要求、又は他の可能な登録要求であってよい。登録要求は、要求されているNSSAIを含む。要求されているNSSAIは、次の情報:ホームネットワークによって構成されたconfigured NSSAI、端末装置の前の登録プロシージャにおけるallowed NSSAI、及び他の構成情報、うちの1つ以上に基づき決定される。登録要求は、要求されているNSSAIによって示されている1つ以上のスライスにアクセスすることをネットワーク側に要求する。
【0189】
S602:AMFは第1ポリシー作成/更新要求をH-PCFへ送信する。
【0190】
相応して、H-PCFは、AMFとの間のから第1ポリシー作成/更新要求を受信する。
【0191】
具体的に、AMFは、第1ポリシー作成/更新要求をH-PCFへ送信するようH-PCFのNpcf_UEPolicyControl_Create/Update Requestサービスを呼び出す。第1ポリシー作成/更新要求は、端末装置からの要求されているNSSAI(つまり、上記のターゲットNSSAI)と、(R)ANからのユーザ位置情報(user location information,ULI)とを運ぶ。ULIは、例えば、しかし制限なしに、セル識別子(セルID)又はトラッキングエリア識別子(tracking area identity,RAI)である。
【0192】
留意すべきは、プロシージャがローミングシナリオで起こる場合に、AMFはV-PCFを介してH-PCFと相互作用する。具体的に言えば、AMFは最初に、第1ポリシー作成/更新要求をV-PCFへ送信し、次いで、V-PCFは、第1ポリシー作成/更新要求をH-PCFへ転送する。プロシージャが非ローミングシナリオで開始される場合には、AMFは直接にH-PCFと相互作用し、つまり、第1ポリシー作成/更新要求をH-PCFへ直接送信する。
【0193】
S603:H-PCFは第1ネットワーク選択支援情報を決定する。
【0194】
具体的に、H-PCFは、次の情報:UDRからのユーザポリシー加入データ、AMFからの第1ポリシー作成/更新要求(ターゲットNSSAI、つまり、要求されているNSSAIを含む)、及びローカル構成情報、のうちの1つ以上に基づき、第1ネットワーク選択支援情報を決定する。
【0195】
具体的に、第1ネットワーク選択支援情報は、要求されているNSSAIにおいて1つ以上のS-NSSAIをサポートする1つ以上のネットワークに関する情報を含む。任意に、第1ネットワーク選択支援情報は、1つ以上のネットワークの1つ以上の優先度、及び/又は1つ以上のネットワークによって夫々サポートされているネットワークスライス情報を更に含む。
【0196】
S604:H-PCFは第1ネットワーク選択支援情報をAMFへ送信する。
【0197】
相応して、AMFは、H-PCFから第1ネットワーク選択支援情報を受信する。
【0198】
具体的に、H-PCFは、Npcf_UEPolicyControl_Create/Update Responseサービス応答を返し、第1ネットワーク選択支援情報をAMFへ送信する。
【0199】
このステップがローミングシナリオで起こる場合に、H-PCFは、V-PCFを介してAMFへ第1ネットワーク選択支援情報を送信する、ことが理解され得る。このステップが非ローミングシナリオで起こる場合に、H-PCFは、第1ネットワーク選択支援情報をAMFへ直接送信する。
【0200】
S605:AMFは、第1ネットワーク選択支援情報を端末装置へ送信する。
【0201】
相応して、端末装置は、AMFから第1ネットワーク選択支援情報を受信する。
【0202】
任意に、AMFは登録応答メッセージを端末装置へ送信し、登録応答メッセージが第1ネットワーク選択支援情報を含む。
【0203】
第1ネットワーク選択支援情報を受信した後、端末装置は第1ネットワーク選択支援情報を記憶してもよい、ことが理解され得る。従って、現在のネットワークが必要とされているスライスをサポートしない場合に、少なくとも1つの必要とされているスライスをサポートする新しいネットワークは、第1ネットワーク選択支援情報に基づき決定され、モビリティ変更プロシージャを使用することによって新しいネットワークへハンドオーバーされるか又はそれに登録される。このように、端末装置は、新しいネットワークを介して少なくとも1つの必要とされているスライスにアクセスし得る。
【0204】
いくつかの他の実施形態において、第2ネットワーク選択支援情報を決定する他の方法が更に提供される。
図7を参照されたい。方法は次のステップを含む。
【0205】
S701:UDMはサブスクリプションデータ更新通知をAMFへ送信する。
【0206】
相応して、AMFは、UDMからサブスクリプションデータ更新通知を受信し、このとき、サブスクリプションデータ更新通知は、ユーザによる更新及びサブスクライブされたネットワークスライス選択支援情報(Subscribed NSSAI)を運び得る。
【0207】
可能な実施において、UDMは、Nudm_SDM_Notifyサービスを使用することによってAMFへサブスクリプションデータ更新通知を送信する。
【0208】
S702:端末装置は登録要求をAMFへ送信する。
【0209】
相応して、AMFは、端末装置から登録要求を受信する。
【0210】
登録要求は、
図6の登録要求と同じである。登録要求は、端末装置がアクセスすることを求める要求されているNSSAIを運び得る。
【0211】
本願のこの実施形態で、S701及びS702の実行順序は制限されない。言い換えると、S701が最初に実行されても、あるいは、S702が最初に実行されてもよい。その上、S701及びS702は、同時に実行されてもよく、あるいは、S701又はS702しか実行されなくてもよい。
【0212】
S703:AMFは、端末装置によってアクセスされることを許可されているスライスallowed NSSAIのリストと、端末装置によってアクセスされることを拒否されているスライスrejected NSSAIのリストとを決定する。
【0213】
任意に、AMFは、次の情報:ローカル構成、NSSF通知、サブスクライブされたNSSAI、及び現在のトラッキングエリア(TA)によってサポートされるスライス情報、のうちの1つ以上に基づき、allowed NSSAI及びrejected NSSAIを決定する。
【0214】
AMFはまた、前に決定されたallowed NSSAI及びrejected NSSAIを更新してもよい。例えば、AMFは、ローカル構成/NSSF通知メッセージ及び/又は他の情報に基づき、一部又は全部のスライスが密集していること、あるいは、スライスが利用不可能であることを決定し、AMFは、他のスライスを使用することによってアクセスするよう端末装置を有する必要があり、端末装置のallowed NSSAI及びrejected NSSAI情報を更新する。
【0215】
S704:AMFは第2ポリシー作成/更新要求をH-PCFへ送信する。
【0216】
相応して、H-PCFは、AMFから第2ポリシー作成/更新要求を受信する。
【0217】
任意に、AMFは、H-PCFのNpcf_UEPolicyControl_Create/Update Requestサービスを呼び出し、第2ポリシー作成/更新要求をH-PCFへ送信する。第2ポリシー作成/更新要求は、次の情報:allowed NSSAI、rejected NSSAI、及び、AMFによる決定を通じて取得されるULI、のうちの1つ以上を運び得る。
【0218】
シナリオがローミングシナリオである場合に、AMFは、V-PCFを介してH-PCFと相互作用する、ことが理解され得る。非ローミングシナリオでは、AMFは直接にH-PCFと相互作用する。
【0219】
S705:H-PCFは、第2ポリシー作成/更新要求に基づき第2ネットワーク選択支援情報を決定する。
【0220】
具体的に、H-PCFは、次の情報の1つ以上に基づきポリシー決定を実行し、第2ネットワーク選択支援情報を決定する:allowed NSSAI、rejected NSSAI、ULI、UDRにおけるポリシー記述情報、及びローカル構成。例えば、第2ネットワーク選択支援情報は、rejected NSSAIに基づき決定され、このとき、第2ネットワーク選択支援情報は、rejected NSSAIの1つ以上のS-NSSAIをサポートする1つ以上のネットワーク情報を含み、かつ/あるいは、第2ネットワーク選択支援情報は、allowed NSSAIに基づき決定され、このとき、第2ネットワーク選択支援情報は、allowed NSSAIの1つ以上のS-NSSAIをサポートする1つ以上のネットワーク情報を含む。第2ネットワーク選択支援情報は、rejected NSSAIの1つ以上のS-NSSAIをサポートする1つ以上のネットワーク情報、及び/又はallowed NSSAIの1つ以上のS-NSSAIをサポートする1つ以上のネットワーク情報を含む。任意に、第2ネットワーク選択支援情報は、1つ以上のネットワークの1つ以上の優先度、及び/又は各ネットワークによってサポートされるスライス情報を更に含む。
【0221】
第2ネットワーク選択支援情報の具体的な形態については、上記の実施形態を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0222】
S706:H-PCFは、第2ネットワーク選択支援情報をAMFへ送信する。
【0223】
相応して、AMFは、H-PCFから第2ネットワーク選択支援情報を受信する。
【0224】
可能な実施において、H-PCFは、Npcf_UEPolicyControl_Create/Update Responseサービス応答を返し、第2ネットワーク選択支援情報をAMFへ送信する。ローミングシナリオでは、AMFは、V-PCFを介してH-PCFへ第2ネットワーク選択支援情報を転送する。非ローミングシナリオでは、AMFは、第2ネットワーク選択支援情報をH-PCFへ直接送信する。
【0225】
S707:AMFは、第2ネットワーク選択支援情報を端末装置へ送信する。
【0226】
相応して、端末装置は、AMFから第2ネットワーク選択支援情報を受信する。
【0227】
任意に、AMFは、ユーザ構成更新プロシージャ(構成更新要求)又は登録応答メッセージを使用することによってユーザ装置へ第2ネットワーク選択支援情報を送信する。
【0228】
S708:端末装置は、第2確認応答メッセージ(ACK)をAMFへ送信する。
【0229】
相応して、端末装置は、AMFから第2確認応答メッセージを受信する。
【0230】
このステップは任意のステップである。第2ネットワーク選択支援情報を受信した後、端末装置は、第2ネットワーク選択支援情報が受信されたことを示すよう、第2確認応答メッセージをAMFへ送信する。
【0231】
上記の方法実施形態でデバイスによって実装されている方法及び機能は、代替的に、デバイスで使用され得るチップを使用することによって実装されてもよい、ことが理解され得る。
【0232】
本願の実施形態で提供される解決法は、主に、異なるネットワーク要素間の相互作用の観点から上述されている。上記の機能を実装するために、デバイスは、機能に対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含む、ことが理解され得る。本願で開示されている実施携帯で記載されているユニット及びアルゴリズムを参照して、本願の実施形態は、ハードウェア、又はハードウェアとコンピュータソフトウェアの形で実装され得る。機能がハードウェア又はコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるかどうかは、技術的解決法の特定のアプリケーション及び設計制約に依存する。当業者は、特定のアプリケーションごとに、記載されている機能を実装するために異なる方法を使用してもよいが、実施が本願の実施形態の技術的解決法の範囲を越えることは考えられるべきではない。
【0233】
本願の実施形態で、機能ユニット分割が、上記の方法の例に従って、端末装置、ポリシーネットワーク要素などに対して実行されてもよい。例えば、機能ユニットは、対応する機能に基づき分割を通じて取得されてもよく、あるいは、2つ以上の機能は、1つの処理ユニットに一体化されてもよい。一体化されたユニットは、ハードウェアの形で実装されてよく、あるいは、ソフトウェア機能ユニットの形で実装されてもよい。留意すべきは、本願のこの実施形態で、ユニットへの分割配置例で有り、論理的機能分割にすぎない点である。実際の実施では、他の分割方法が使用されてもよい。
【0234】
図8は、本願の実施形態に係るスライスアクセス装置の略ブロック図である。装置1200は、ソフトウェアの形で存在してもよく、あるいは、ハードウェアであってもよく、例えば、ハードウェアデバイスで使用され得るチップであってもよい。装置1200は、処理ユニット1202及び通信ユニット1203を含む。
【0235】
装置1200が上記の端末装置である場合に、処理ユニット1202は、装置1200が
図5に示されるS505及びS506、並びに/又は本明細書で記載されている解決法の他のプロセスを実行することをサポートするよう構成されてよい。通信ユニット1203は、例えば、
図5に示されるS502及びS503、
図6に示されるS601及びS605、
図7に示されるS702、S707、及びS708、並びに/又は本明細書で記載されている解決法における他のステップを実行するために、装置1200と他のネットワーク要素(例えば、ポリシーネットワーク要素H-PCF)との間の通信をサポートするよう構成される。
【0236】
装置1200がポリシーネットワーク要素(つまり、上記のネットワーク装置)である場合に、処理ユニット1202は、装置1200が
図7に示されるS705、及び/又は本明細書で記載されている解決法の他のプロセスを実行することをサポートするよう構成されてよい。通信ユニット1203は、例えば、
図7に示されるS704及びS706、並びに/又は本明細書で記載されている解決法における他のステップを実行するために、装置1200と他のネットワーク要素(例えば、端末)との間の通信をサポートするよう構成される。
【0237】
任意に、装置1200は、装置1200のプログラムコード及びデータを記憶するよう構成される記憶ユニット1201を更に含んでもよい。データは、原データ、中間データ、などを含み得るが、これらに限られない。
【0238】
可能な様態で、処理ユニット1202は、中央演算処理装置(Central Processing Unit,CPU)、汎用プロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッシング(Digital Signal Processing,CSP)、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field-Programmable Gate Array,FPGA)、又は他のプログラム可能ロジックデバイス、トランジスタロジックデバイス、ハードウェア部品、あるいは、それらの任意の組み合わせなどのプロセッサ又はコントローラであってよい。処理ユニットは、本願の実施形態で開示されている内容を参照して記載される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路を実装又は実行することができる。代替的に、プロセッサは、コンピューティング機能を実装するプロセッサの組み合わせ、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、又はDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせであってもよい。通信ユニット1203は、トランシーバ、トランシーバ回路、通信異端フェース、などであってよい。記憶ユニット1201はメモリであってよい。
【0239】
可能な様態で、処理ユニット1202がプロセッサであり、通信ユニット1203が通信インターフェースであり、記憶ユニット1201がメモリである場合に、本願のこの実施形態でのスライスアクセス装置の構造は、
図9に示されるものであってよい。
【0240】
図9は、本願の実施形態に係るスライスアクセス装置のとり得る設計構造の簡略化された概要図である。スライスアクセス装置1500はプロセッサ1502、通信インターフェース1503、及びメモリ1501を含む。任意に、スライスアクセス装置1500はバス1504を更に含んでもよい。通信インターフェース1503、プロセッサ1502、及びメモリ1501は、バス1504を通じて互いに接続され得る。バス1504は、物理コンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect,PCI)バス、拡張作業標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture,EISA)バス、などであってよい。バス1504は、アドレスバス、データバス、コントロールバス、などに分けられ得る。表示の簡単のために、ただ1つのラインのみが、
図9ではバスを表すために使用されているが、これは、ただ1つのバス又はただ1つのタイプのバスしか存在しないことを意味するものではない。
【0241】
当業者は、上記の実施形態の全部又は一部がソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって実装されてよい、と理解し得る。ソフトウェアが実施形態を実装するために使用される場合に、実施形態の全部又は一部は、コンピュータプログラム製品の形で実装されてよい。コンピュータプログラム製品は1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータでロード及び実行される場合に、本願の実施形態に係るプロシージャ又は機能の全部又は一部は生成される。コンピュータは汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよく、あるいは、コンピュータ可読記憶媒体から他のコンピュータ可読記憶媒体へ伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから他のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターへ有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、若しくはデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line,DSL))又は無線(例えば、赤外線、電波、若しくはマイクロ波)方式で伝送されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセス可能な任意の使用可能な媒体、又は1つ以上の使用可能な媒体を組み込むサーバ若しくはデータセンターなどのデータ記憶デバイスであってよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、又は磁気テープ)、光学媒体(例えば、デジタルビデオディスク(Digital Video Disc,DVD))、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(Solid-State Drive,SSD))、などであってもよい。
【0242】
本願で提供されるいくつかの実施形態において、開示されているシステム、装置及び方法は他の様態で実装されてもよいことが理解されるべきである。例えば、上記の装置実施形態は例にすぎない。例えば、ユニットの分割は論理的機能分割にすぎず、実際の実施中には他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、他のシステムに結合又は一体化されてもよく、あるいは、いくつかの機能は無視されても又は実行されなくてもよい。更に、表示または議論されている相互結合又は直接結合若しくは通信接続は、いくつかのインターフェースを通じて実装されてもよい。装置又はユニット間の間接的な結合又は通信接続は、電気的形式、機械的形式、又は他の形式で実装されてよい。
【0243】
別個の部分として記載されているユニットは、物理的に分離していてもいなくてもよく、ユニットとして表示されている部分は物理的なユニットであってもなくてもよく、1つの場所に位置してよく、あるいは、複数のネットワークユニット(例えば、端末)に分布してもよい。一部のユニット又は全部のユニットが、実施形態の解決法の目的を達成するために実際の要件に基づき選択されてよい。
【0244】
更に、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに一体化されてもよく、あるいは、機能ユニットの夫々は物理的に単独で存在してもよく、あるいは、2つ以上のユニットが1つのユニットに一体化されてもよい。一体化されたユニットはハードウェアとして実装されてもよく、あるいは、ハードウェアとソフトウェア機能ユニットとの組み合わせとして実装されてもよい。
【0245】
実施の上記の記載に基づき、当業者は、本願が、必須のユニバーサルハードウェアに加えてソフトウェアによって、又はハードウェアのみによって実装されてもよい、と明りょうに理解し得る。ほとんどの状況で、前者は、より良い実施である。そのような理解に基づき、本願の技術的解決法は本質的に、又は従来技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品の形で実装されてよい。コンピュータソフトウェア製品は、コンピュータのフロッピーディスク、ハードディスク、又は光ディスクなどの読み出し可能な記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイス、などであってよい)に、本願の実施形態で記載される方法を実行するように指示するためのいくつかの命令を含む。
【0246】
上記の説明は、本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲を制限する意図はない。本願で開示されている技術範囲内にある如何なる変形又は置換も、本願の保護範囲内に入るべきである。従って、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うべきである。
【0247】
本願は、2020年5月21日付けで中国知識産権局に、「SLICE ACCESS METHOD, APPARATUS, AND SYSTEM」との発明の名称で出願された中国特許出願第202010437050.1号に対する優先権を主張するものである。なお、先の中国特許出願は、その全文を参照により本願に援用される。