(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】積荷取扱デバイス
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
(21)【出願番号】P 2022574288
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2021064842
(87)【国際公開番号】W WO2021245162
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-12-20
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】シャープ、ニック
(72)【発明者】
【氏名】エベネゼル、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】コスロシャーリ、ネガール
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-514916(JP,A)
【文献】特表2019-533857(JP,A)
【文献】特表2016-529181(JP,A)
【文献】特表2019-507714(JP,A)
【文献】国際公開第2019/170805(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管構造(1)中のスタック(11)中に積み重ねられたコンテナ(9)を持ち上げて移動させるための積荷取り扱いデバイス(31)であって、前記保管構造(1)は、前記コンテナ(9)のスタック(11)の上方に、第1の方向に伸長する軌道の第1のセット(17)と、前記第1の方向に対して横方向の第2の方向に伸長する軌道の第2のセット(19)とを含み、前記積荷取り扱いデバイス(31)は、前記スタック(11)の上方の前記軌道(17,19)上を移動するように構成され、前記積荷取り扱いデバイス(31)は、
上部(45)及び下部(47)を有する本体(33)と、前記上部(45)は、1つ以上の動作構成要素を格納するように構成され、前記下部(47)は、前記上部(45)の真下に配置され、前記下部(47)は、コンテナ(9)の少なくとも一部を収容するためのコンテナ受け入れ空間を備え、
前記本体(33)を支持するように配置されたホイールアセンブリと、前記ホイールアセンブリは、前記第1の方向への前記積荷取り扱いデバイス(31)の移動をガイドするために前記軌道の第1のセット(17)と係合するためのホイールの第1のセット(35)と、前記第2の方向への前記積荷取り扱いデバイス(31)の移動をガイドするために前記軌道の第2のセット(19)と係合するためのホイールの第2のセット(37)とを備え、
前記ホイールの第1のセット(35)を前記軌道の第1のセット(17)と選択的に係合するか又は前記ホイールの第2のセット(37)を前記軌道の第2のセット(19)と選択的に係合するかのうちのいずれかのためのホイール位置付け機構と、前記ホイール位置付け機構は、前記本体(33)に対して前記ホイールの第1のセット(35)又は前記ホイールの第2のセット(37)を上昇させるか又は下降させ、それによって、前記積荷取り扱いデバイス(31)が、前記保管構造(1)の前記軌道(17,19)を横切って前記第1の方向又は前記第2の方向のうちのいずれかに選択的に移動することを可能にするように構成され、
コンテナ(9)を解放可能に把持するように構成されたコンテナ把持アセンブリ(43)と、前記コンテナ把持アセンブリ(43)を上昇及び下降させるように構成された上昇及び下降アセンブリ(41)とを備えるコンテナ持ち上げ機構(39)とを備え、
前記ホイールの第1及び第2のセット(35、37)のうちの少なくとも1つのホイール(35、37)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)と、前記少なくとも1つのホイール(35、37)の回転を制御するように構成されたコントローラ(53)とを備える組み合わされたホイール及びホイール制御ユニット(51)によって提供され
、
前記組み合わされたホイール及びホイール制御ユニット(51)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)および前記コントローラ(53)が据え付けられる据え付け構成要素(55)を備え、単一のユニットを提供する、積荷取扱デバイス(31)。
【請求項2】
前記据え付け構成要素(55)は、前記本体(33)に取り外し可能に据え付けられるように構成される、請求項
1に記載の積荷取扱デバイス(31)。
【請求項3】
前記据え付け構成要素(55)は、ハウジングまたは、組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニットの境界を規定する境界シェルを備える、請求項1又は2に記載の積荷取扱デバイス(31)。
【請求項4】
前記コントローラ(53)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)を含む、前記ホイールの第1及び第2のセット(35、37)の複数のホイール(35、37)の回転を制御するように構成される、請求項1、2又は3に記載の積荷取扱デバイス(31)。
【請求項5】
前記コントローラ(53)は、前記ホイールの第1のセット(35)のうちの1つのホイール(35)および前記ホイールの第2のセット(37)のうちの1つのホイール(37)の回転を制御するように構成される、請求項4に記載の積荷取扱デバイス(31)。
【請求項6】
前記コントローラ(53)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)の上昇および下降を制御するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)。
【請求項7】
前記組み合わされたホイール及びホイール制御ユニット(51)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)を前記本体(33)に対して上昇および下降させるように構成されたホイール移動手段を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)。
【請求項8】
前記組み合わされたホイール及びホイール制御ユニット(51)は、前記積荷取扱デバイス(31)の上昇及び下降可能なパネル(57、58、59、60)に据え付けられるように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)。
【請求項9】
ホイール配置内の前記ホイール(35、37)の少なくとも前記回転を調整するように構成されたメインコントローラ(63)をさらに備え、前記コントローラ(53)は、前記メインコントローラ(63)に接続されるように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)。
【請求項10】
前記メインコントローラ(63)は、前記ホイール配置内の前記ホイール(35、37)の上昇および下降を調整するように構成される、請求項9に記載の積荷取扱デバイス(31)。
【請求項11】
前記コントローラ(53)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)の上方に位置付けられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)。
【請求項12】
請求項1から11のうちのいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)を提供する方法であって、
上部(45)及び下部(47)を有する本体(33)を提供するステップと、前記上部(45)は、1つ以上の動作構成要素を格納するように構成され、前記下部(47)は、前記上部(45)の真下に配置され、前記下部(47)は、コンテナ(9)の少なくとも一部を収容するためのコンテナ受け入れ空間を備え、
前記本体(33)を支持するように配置されたホイールアセンブリを提供するステップと、前記ホイールアセンブリは、前記第1の方向への前記積荷取り扱いデバイス(31)の移動をガイドするために前記軌道の第1のセット(17)と係合するためのホイールの第1のセット(35)と、前記第2の方向への前記積荷取り扱いデバイス(31)の移動をガイドするために前記軌道の第2のセット(19)と係合するためのホイールの第2のセット(37)とを備え、
前記ホイールの第1のセット(35)を前記軌道の第1のセット(17)と選択的に係合するか又は前記ホイールの第2のセット(37)を前記軌道の第2のセット(19)と選択的に係合するかのうちのいずれかのためのホイール位置付け機構を提供するステップと、前記ホイール位置付け機構は、前記本体(33)に対して前記ホイールの第1のセット(35)及び/又は前記ホイールの第2のセット(37)を上昇させるか又は下降させ、それによって、前記積荷取り扱いデバイス(31)が、前記保管構造(1)の前記軌道(17,19)を横切って前記第1の方向又は前記第2の方向のうちのいずれかに選択的に移動することを可能にするように構成され、
コンテナ(9)を解放可能に把持するように構成されたコンテナ把持アセンブリ(43)と、前記コンテナ把持アセンブリ(43)を上昇及び下降させるように構成された上昇及び下降アセンブリ(41)とを備えるコンテナ持ち上げ機構(39)を提供するステップとを含み、
前記ホイールの第1及び第2のセット(35、37)の少なくとも1つのホイール(35、37)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)と、前記少なくとも1つのホイール(35、37)の回転を制御するように構成されたコントローラ(53)とを備える組み合わされたホイール及びホイール制御ユニット(51)によって提供される、方法。
【請求項13】
請求項
1から11のいずれか一項に記載の追加の特徴を提供することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
システムであって、
請求項1から11のうちのいずれか一項に記載の
積荷取扱デバイス(31)と、
スタック(11)に積み重ねられたコンテナ(9)と、
保管構造(1)とを備え、前記保管構造(1)は、前記コンテナ(9)のスタック(11)の上方に、第1の方向に伸長する軌道の第1のセット(17)と、前記第1の方向に対して横方向の第2の方向に伸長する軌道の第2のセット(19)とを含み、前記積荷取り扱いデバイス(31)は、前記スタック(11)の上方の前記軌道(17,19)上を移動するように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積荷取扱デバイスに関する。特に、本発明は、保管構造の上の軌道を横切って積荷取扱デバイスを移動させるように構成されたホイールと、ホイールを制御するように構成されたコントローラとを備える積荷取扱デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許請求の範囲に記載された装置、方法及びシステムは、積荷取扱デバイスに関する改良を提供することを意図している。
【発明の概要】
【0003】
実施形態によると、請求項1に記載の積荷取り扱いデバイスが提供される。また、請求項12に記載の方法及び請求項14に記載のシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
例を参照して、積荷取り扱いデバイスを詳細に説明する。
【
図1】
図1は、保管構造及びコンテナを概略的に図示する。
【
図2】
図2は、
図1に図示する保管構造の上の軌道を概略的に図示する。
【
図3】
図3は、
図1に図示する保管構造の上の積荷取り扱いデバイスを概略的に図示する。
【
図4】
図4は、コンテナ持ち上げ手段が下降構成にある単一の積荷取り扱いデバイスを概略的に図示する。
【
図5】
図5は、コンテナ持ち上げ手段が上昇及び下降構成にある単一の積荷取り扱いデバイスの切り欠き図を概略的に図示する。
【
図6】
図6は、組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニットを有する積荷取扱デバイスを概略的に図示する。
【
図7】
図7は、
図6に図示された組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニットとは異なって配置された組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニットを有する積荷取扱デバイスを概略的に図示する。
【
図8】
図8は、組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニットを有する積荷取扱デバイスのさらなる例を概略的に図示する。
【
図9】
図9は、
図7の積荷取扱い装置を半透明図で概略的に図示する。
【
図10】
図10は、組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニットを有する積荷取扱デバイスのさらなる例を概略的に図示する。
【
図11】
図11は、組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニットを有する積荷取扱デバイスのさらなる例を概略的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の実施形態は、駆動ホイールとホイール制御ユニットを備える積荷取り扱いデバイスをどのように実施するかの本出願人の好ましい例を表すが、それらは必ずしもそれをどのように達成することができるかについての唯一の例ではない。
【0006】
図1は、直立部材3と、直立部材3によって支持された水平部材5、7とを備える保管構造1を図示する。水平部材5は、互いに且つ図示するx軸に対して平行に伸長する。水平部材7は、互いに且つ図示するy軸に対して平行に、そして水平部材5に対して横方向に伸長する。直立部材3は、互いに且つ図示するz軸に対して平行に、そして水平部材5、7に対して横方向に伸長する。水平部材5、7は、複数の格子セルを規定する格子パターンを形成する。図示する例では、コンテナ9は、格子パターンによって規定された格子セルの真下のスタック11中に配置され、格子セル毎にコンテナ9の1つのスタック11がある。
【0007】
図2は、
図1に図示する保管構造1の一部を形成し、
図1に図示する保管構造1の水平部材5、7の上に位置する軌道構造13のセクションの大縮尺平面図を示す。軌道構造13は、(例えば、水平部材5、7の表面内又は表面上に形成される)水平部材5、7自体によって、又は水平部材5、7の上に据え付けられた1つ以上の追加の構成要素によって提供されてもよい。図示する軌道構造13は、x方向軌道17及びy方向軌道19、即ち、x方向に伸長する軌道の第1のセット17と、y方向に、軌道の第1のセット17において軌道17に対して横方向に、伸長する軌道の第2のセット19とを備える。軌道17、19は、格子セルの中心にアパーチャ15を規定する。アパーチャ15は、格子セルの真下に位置するコンテナ9がアパーチャ15を通って持ち上げられ、下降されることを可能にするようにサイジングされる。x方向軌道17は、チャネル21によって分離された対で設けられ、y方向軌道19は、チャネル23によって分離された対で設けられる。
【0008】
図3は、
図1に図示する保管構造1の上を移動する複数の積荷取り扱いデバイス31を示す。ロボット31又はボット31とも呼ばれてもよい積荷取り扱いデバイス31は、ボット31が軌道構造13を横切って移動し、特定の格子セルに到達することを可能にするために、対応するx方向の軌道17又はy方向の軌道19と係合するためのホイールのセットを設けられる。チャネル21、23によって分離された軌道17、19の図示する対は、ボット31が、互いに衝突することなく、近隣の格子セルを占有する(又は互いに通過する)ことを可能にする。
【0009】
図4に詳細に図示するように、ボット31は、ボット31がその意図された機能を実行することを可能にする1つ以上の構成要素がその中又は上に据え付けられた本体33を備える。これらの機能は、軌道構造13上で保管構造1を横切って移動することと、ボット31が格子パターンによって規定された特定のロケーションにおけるコンテナ9を取り出す又は置くことができるように、コンテナ9を(例えば、スタック11から又はそれに)上昇又は下降させることとを含んでいてもよい。
【0010】
図示するボット31は、ボット31の本体33上に据え付けられ、ボット31がそれぞれ軌道17及び19に沿ってそれぞれx方向及びy方向に移動することを可能にするホイールの第1のセット35及び第2のセット37を備える。特に、2つのホイール35が、
図4に見えるボット31のより短い側に設けられ、更なる2つのホイール35が、ボット31の反対側のより短い側に設けられる(側及び更なる2つのホイール35は
図4では見えない)。ホイール35は、軌道17と係合し、ボット31の本体33上に回転可能に据え付けられて、ボット31が軌道17に沿って移動することを可能にする。同様に、2つのホイール37が、
図4に見えるボット31のより長い側に設けられ、更なる2つのホイール37が、ボット31の反対側のより長い側に設けられる(側及び更なる2つのホイール37は
図4では見えない)。ホイール37は、軌道19と係合し、ボット31の本体33上に回転可能に据え付けられて、ボット31が軌道19に沿って移動することを可能にする。
【0011】
ボット31はまた、コンテナ9を上昇及び下降させるように構成されたコンテナ持ち上げ手段39を備える。図示するコンテナ持ち上げ手段39は、4つのテープ又はリール41を備え、テープ又はリール41は、それらの下端でコンテナ把持アセンブリ43に接続される。コンテナ把持アセンブリ43は、コンテナ9の特徴と係合するように構成された把持手段(例えば、テープ41の近傍の、アセンブリ43上の別のロケーションに設けられてもよい)を備える。例えば、コンテナ9は、把持手段が係合することができる1つ以上のアパーチャをそれらの上側に設けられてもよい。把持手段は、コンテナ9のリム若しくはリップの下に引っ掛かるように、及び/又はコンテナ9をクランプする若しくはつかむように構成されてもよい。テープ41は、必要に応じて、把持アセンブリを上昇又は下降させるために巻き上げられてもよいか又は巻き下げられてもよい。
【0012】
図5から分かるように、ボット31の本体33は、コンテナ持ち上げ手段39によって持ち上げられたコンテナ9を受け入れるための空間または空洞を含む。空洞は、コンテナ9の下側が軌道構造13又は保管構造1の別の部分に引っ掛かることなく、ボット31が保管構造1の上の軌道構造13を横切って移動することを可能にするために、十分なコンテナ9が空洞の内側に嵌合することができるようにサイジングされる。ボット31がその意図された目的地に到達するとき、コンテナ持ち上げ手段39は、テープ41を制御して、コンテナ把持アセンブリ43及び対応するコンテナ9を下部47中の空洞から出して意図された位置に下降させる。意図された位置は、コンテナ9のスタック11又は保管構造1の出口点(又は、保管構造1内に保管するためのコンテナ9を収集するためにボット31が移動した場合は、保管構造1の入口点)であってもよい。図示する例では、上部45及び下部47は物理的な仕切りによって分離されているが、他の実施形態では、上部45及び下部47は、ボット31の本体33の特定の構成要素又は部分によって物理的に分割されないことがある。
【0013】
ボット31は、本体33を支持するように配置されたホイールアセンブリを含む。ホイールアセンブリは、第1の方向への積荷取り扱いデバイス31の移動をガイドするために軌道の第1のセット17と係合するためのホイールの第1のセット35と、第2の方向への積荷取り扱いデバイス31の移動をガイドするために軌道の第2のセット19と係合するためのホイールの第2のセット37とを備える。
【0014】
ボット31が異なるホイール35、37上で第1および第2の方向に移動することを可能にするために、ボット31は、ホイールの第1のセット35を軌道の第1のセット17と、またはホイールの第2のセット37を軌道の第2のセット19と選択的に係合させるためのホイール位置付け機構を含む。ホイール位置付け機構は、ホイールの第1のセット35および/またはホイールの第2のセット37を本体33に対して上昇および下降させるように構成され、それによって、積荷取扱デバイス31が、保管構造1の軌道17、19を横切って第1の方向または第2の方向のいずれかに選択的に移動することを可能にする。
【0015】
ホイール位置付け機構は、少なくともホイールの1セット35、37を軌道17、19から離し、軌道17、19と接触させるために、ボット31の本体33に対して少なくともホイールの1セット35、37を上昇および下降させるための、1つ以上のリニアアクチュエータ、回転構成要素、または他の手段の形態のホイール移動手段を含むことができる。いくつかの例では、ホイールの1セットのみが、上昇および下降されるように構成され、ホイールの1セットを下降させる動作は、対応する軌道から離れてホイールの他のセットを効果的に持ち上げることができる一方、ホイールの1セットを上昇させる動作は、ホイールの他のセットを効果的に下降させて対応する軌道と接触させることができる。他の例では、ホイールの両方のセットを上昇および下降させることができ、これは有利には、ボット31の本体33が実質的に同じ高さに留まり、したがって本体33およびその上に据え付けられた構成要素の重量をホイール位置付け機構によって上昇および下降させる必要がないことを意味する。
【0016】
図6は、複数の組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニット51を有するボット31の例を図示する。各ユニット51は、ホイール35、37と、そのユニット51の少なくともホイール35、37の回転を制御するように構成されたコントローラ53とを備える。コントローラ53は、例えば、ホイール回転の制御を可能にする適切なソフトウェアと共に、プロセッサおよび付随する回路などの電子制御ハードウェアを備えることができる。対応するコントローラ53を使用してホイール35、37の回転を制御することは、所望の速度及び所望の加速及び/又は減速での所定の方向へのボット31の移動を容易にすることができる。コントローラ53は、対応するホイール35、37に関係するモータの回転速度を制御することができる。モータは、例えば、ホイール35、37内に少なくとも部分的に格納されたホイールハブモータ、またはホイール35、37に接続されて、組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニット51のコントローラ53の制御下でホイールの中心軸を中心とするホイールの回転を引き起こす別のタイプのモータであってもよい。
【0017】
図6に図示した例では、組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニット51が各ホイール位置に設けられている。2つのユニット51が、ボット31の各側に設けられ、全部で8つのユニット51が、ボット31上に全部で8つのホイール35、37を提供する。このような配置は、1つのコントローラ53が故障した場合に、ボット31の同じ側の隣接するコントローラ53が、依然として、ボット31のその側のホイール35、37のうちの少なくとも1つを駆動することができるように、冗長性を有利に提供することができる。
【0018】
図7に図示された例のような他の例では、より少ないユニット51が設けられてもよい。そのような例では、(専用コントローラ53のない)ユニット51および個々のホイール35、37は、ボット31を支持するために8つのホイール35、37の完全な補完を構成するように設けられてもよい。
図7に図示した例では、4つのユニット51と、ユニット51の一部ではない4つの個々のホイール35,37とがある。個々のホイール35、37のうちの1つ以上は、駆動されなくてもよく、すなわち、例えば、ボット31がユニット51のホイールによって駆動されると惰性で動いてもよい。個々のホイール35、37のうちの1つ以上は、加えて、または代替として、隣接ユニット51等のユニット51のうちの1つのコントローラ53に接続可能であり、それによって制御可能であってもよい。例えば、(ボット31の短い側に)
図7でラベル付けされたホイール35の回転は、ボット31の隣接する直交する側(ラベル付けされたホイール37を有するボットの長い側)に設けられたユニット51によって、またはホイール35と同じ(短い)側に設けられたユニット51によって制御されてもよい。
【0019】
有利なことに、組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニット51の一部を形成する単一のコントローラ53が、そのユニット51のホイール35、37だけでなく、別のホイール35、37も制御するように構成されるそのような配置は、コントローラ53の使用時間を最大化できることを意味してもよい。例えば、コントローラ53が、ボット31の隣接する直交する側上の隣接するホイール35、37(すなわち、短い側面上の1つのホイール35および長い側面上の1つのホイール37)を制御する場合、コントローラ53は、ボット31が移動しているときはいつでも、ボット31がx方向に移動しているかy方向に移動しているかにかかわらず、ボット31の移動を制御することに寄与していることが可能である。対照的に、ホイール35、37の全てのための専用コントローラ53は、ボット31の移動時間のかなりの部分にわたってアイドル状態であることが予想されるかもしれない。さらに、ボット31の移動を制御するために必要とされるコントローラ53の総数を減らすことができるので、コントローラ53が2つ以上のホイールの間で共有される配置において、ボット31の総重量およびコストを低減できる。追加のコントローラ53によって使用されたであろう空間はまた、ボット31の他の構成要素のために、またはボット31がその内部空洞内に収容することができるコンテナ9のサイズを増加させるために、解放されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、ユニット51の単一のコントローラ53が、ユニット51のホイール35、37と、ボット31上のさらなる2つ以上のホイール35、37とを制御することが可能である。例えば、ユニット51は、ボット31の短い側部の一端に、またはそれに向けて配置されてもよく、したがって、コントローラ53は、そのユニット51のホイール35を制御してもよく、加えて、ボット31のその短い側上の他のホイール35およびボット31の隣接する直交する長い側上の隣接するホイール37に接続され、それらを制御するように構成されてもよく、それによって、ボット31の移動を制御するために必要とされるコントローラ53の総数を2つ減らす。この構成は、ボット31の短い側の反対側の端部に反映されてもよく、それによって、ボット31の移動を制御するために必要とされるコントローラ53の総数をさらに2つ減少させる。いくつかの実施形態では、1つのユニット51のコントローラ53が、ボット31の短い側上のホイール35と、隣接する直交する長い側上の隣接するホイール37との両方を制御すること、すなわち、4つのホイール35、37を制御することが可能であってもよく、それによって、配置がボット31の反対側の短い側において複製される場合、必要とされるコントローラの総数を2つに低減し、前述の対応する重量、空間、およびコストの利点を有する。そのような重量および空間の利点は、例えば、ボット31のエネルギー源が補充を必要とする前に移動の範囲を広げることによって、および/またはボット31がより大きな重量および/または体積の物品を運ぶことを可能にすることによって、ボット31の効率を改善することが可能であり、ボット31によって必要とされる移動の数を低減することを潜在的に可能にする。
【0021】
ユニット51のコントローラ53が、ユニットのホイール35、37と、ボット31の対応する角部の周りでボット31の隣接する、直交する側に据え付けられたホイール37、35とを制御するように構成される構成は、コントローラ53を他のホイール37、35に接続するために必要とされるケーブルまたは他のコネクタの長さを有利に最小化することができ、その理由は、ケーブルまたは他のコネクタは、ボット31の対応する角部の周りにまたはそれを横切って到達する必要があるだけであるからである。
【0022】
ユニット51のコントローラ53が、ボット31の隣接する、直交する側上のホイール35、37ではなく、ボット31の同じ側上の2つのホイール35、37(コントローラ53を有するユニット51の一部を形成する1つのホイール)を制御するように構成される構成は、有利には、ホイール位置付け機構による異なるホイール35、37および/またはコントローラ53の相対的な上昇および下降移動を考慮に入れる必要がないことを意味することができ、その理由は、ボット31の任意の一方の側上の2つのホイール35、37が、一般に、ホイール位置付け機構によって実質的に同時にかつ互いに同じ程度に上昇および下降されて、それらのホイール35、37が対応する軌道17、19から離れてまたはそれと接触して移動することを可能にすることが予想されるからである。
【0023】
いくつかの例では、2つのユニット51が、好ましくは、ボット31の長い側上に設けられてもよく、長い側上のユニット51のコントローラ53の各々は、対応するユニット51の対応するホイール37に加えて、ボット31の隣接するそれぞれの短い側上のそれぞれのホイール35を制御するように構成されてもよい。そのような配置は、有利には、他の構成要素のためにボットの短い側上でより多くの空間が利用可能であることを意味することが可能であり、その理由は、そうでなければ短い側上のホイール35の移動を制御するために短い側上に設けられていたであろうコントローラによって、短い側上でいくらかの空間が占有されないからである。
【0024】
単一のコントローラ53が2つ以上のホイール35、37を制御するように構成される配置のさらなる利点は、ボット31の本体33内のケーブル配線の全長を低減できることである。例えば、半透明図で
図7のボット31を示す
図9から分かるように、(例えば、8つのユニット51の8つのコントローラ53をメインコントローラ63に接続するために必要とされるかもしれない8つのケーブルではなく)4つのユニット51のコントローラ53をボット31のメインコントローラ63に接続するために、4つのケーブル61のみが必要とされる。これは、より多くのケーブル61の必要性を回避することによって、ボット31の重量を最小限に抑えるのに役立つことができる。ボット31の本体33の上部と下部との間の4つの経路のみがケーブル61のために確保される必要があることから、それはまた、メインコントローラ63とユニット51との間のケーブル61のルーティングにおいて追加の設計自由度を提供することができる。これは、他の構成要素のためにボット31の本体33内でより多くの空間が利用可能であること、ならびに/または他の構成要素の、ボット31の本体33への進入または本体33からの退出を妨げるケーブル61が4本しかないので、(例えば、整備のための)他の構成要素の挿入および/もしくは除去がより容易であることを意味することができる。これは、(そのような運動に対応するために8本のケーブルを必要とするのではなく)そのような運動に対応するために4本のケーブルしか必要としないことによって、ホイール35、37を軌道17、19と接触させるかまたは軌道17、19から離すように移動させるためにボット31の本体33とホイール35、37との相対運動に対応する複雑さを低減するのに役立つことができる。
【0025】
ユニット51は、単一のユニットとして設けられている。例えば、
図8に示すように、各ユニット51は、プレート55、フレーム、又は対応するホイール35、37及びコントローラ53の両方を据え付けて単一のユニット51を提供することができる別の据え付け構成要素を含むことができる。据え付け構成要素は、ハウジングまたは境界シェル(図示せず)であってもよく、もしくはそれを含んでもよく、またはそのような構成要素は、据え付け構成要素と別個に提供されてもよい。据え付け構成要素および/またはハウジングは、組み合わされたホイールおよびホイール制御ユニット51の境界を規定するように作用することができ、ユニット51を損傷から保護することができ、および/またはボット31のユーザが、対応するホイール35、37、コントローラ53および/またはユニット51の他の構成要素に触れることから保護することができる。これにより、ユーザが自身を傷つけること及び/又はユニット51の構成要素を損傷することを防止することができる。ホイール35、37、コントローラ53、およびプレート55または他の境界規定構成要素(例えば、ハウジング)を単一のユニット51として提供することはさらに、ホイール35、37およびコントローラ53の交換を、それらが別個の構成要素として別個に提供される配置よりも単純にしてもよい。例えば、据え付け構成要素55は、ホイール35、37及びコントローラを同時に比較的迅速かつ容易に取り外すことを可能にするために、ボット31の本体33に取り外し可能に据え付けられるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、単一のユニット51はまた、対応するホイール35、37を回転させるモータまたは他の手段を含んでもよい。ユニット51は、コントローラ53、モータまたは他の回転手段、およびユニット51の一部として提供される任意の他の構成要素が、電力および/または制御のために、メインコントローラ63等のボット31の別の構成要素に接続されることを可能にするように、(例えば、
図9に示されるケーブル61または他のものへの)単純な接続のために構成される単一のインターフェース(または低減された数のインターフェース)が設けられてもよい。
【0026】
図6から
図11に示すように、ユニット51は、ボット31の本体33に直接または間接的に(すなわち、1つ以上の介在する構成要素に)据え付け可能である。例えば、
図6から
図9に図示するユニット51は、ボット31の本体33に直接据え付けられる(
図8のユニット51は、上述したそれぞれのプレート55を含む)。ユニット51の1つ以上は、例えば、ユニット51全体がボット31の本体33に対して上下に移動できるように、ボット31の本体33に移動可能に据え付けられてもよく、または、例えば、プレート55がボット31の本体33に固定して据え付けられ、上下に、左右に、または任意の他の方向に移動できないように、ボット31の本体33に固定して据え付けられてもよい。ボット31の本体33に固定的に据え付けられたユニット51は、ホイール位置付け機構の一部を形成するホイール移動手段(図示せず)を含むことができ、ホイール移動手段は、対応するホイール35、37が、ボット31の本体33に対して(および、例えば、ユニット51がボット31の本体33に固定的に据え付けられるプレート55または他の構成要素に対して)上下に移動することを可能にする。これにより、特定のホイール35、37を下降または上昇させてそれぞれの軌道17、19と接触させるかまたは接触させないことを可能にすることによって、ボット31の移動方向を変更することが可能になってもよい。例えば、ホイール移動手段は、ボット31の本体33に対するホイール35、37の(少なくとも)垂直移動を引き起こすことができる1つ以上のリニアアクチュエータまたは他の構成要素を備えることができる。
図10および
図11に図示したユニット51は、パネル57、58、59、60を介して、ボット31の本体33に間接的に据え付けられている。
【0027】
異なる据え付けタイプのユニット51を、ボット31の本体33の異なる側に設けることができる。例えば、固定して据え付けられたユニット51は、ボット31の短い側に提供されてもよく、移動可能に据え付けられたユニット51は、ボット31の長い側に提供されてもよく、またはその逆であってもよい。これは、有利には、間隔の広いホイール37のより安定した上昇および下降を可能にする一方で、間隔の狭いホイール35は、ボット31の本体33に対して静止したままであるか、またはボット31の本体33に対して上昇および下降される必要がある材料の重量を低減することができる(例えば、長い側が固定して据え付けられ、短い側が移動可能に据え付けられ、短い側が長い側よりも軽い場合)。
【0028】
図10に示すように、ユニット51は、ボット31のそれぞれの側の長さに沿った適切な位置でユニット51を受け入れるようなサイズ及び形状にされた凹部を有するパネル57、58の上及び実質的に内側に据え付けることができる。パネル57、58の2つ以上を本体33上に移動可能に据え付けて、パネル57、58およびそれらのそれぞれのユニット51をボット31の本体33に対して上昇および下降させて、ホイール位置付け機構の一部を形成するホイール移動手段の作用下で、対応するホイール35、37をそれぞれの軌道17、19から離脱させ、それらに接触させることができる。同様に、ユニット51は、
図11に示されているように、パネル59、60の実質的に外側に据え付けられてもよく、パネル59、60は、凹部の代わりに、ユニット51が取り付けられることを可能にする適切な穴または他の特徴を有する特定の固定点を含んでもよい。この場合も、パネル59、60の2つ以上を本体33上に移動可能に据え付けて、パネル59、60およびそれらのそれぞれのユニット51をボット31の本体33に対して上昇および下降させて、ホイール位置付け機構の一部を形成するホイール移動手段の作用下で、対応するホイール35、37をそれぞれの軌道17、19から離脱させ、それと接触させることができる。いくつかの例では、可動パネル57、58、59、60に据え付けられたユニット51が、対応するホイール35、37がどのように上昇および下降されるかにおいて追加のホイール移動柔軟性を提供するために、独立したホイール移動手段をさらに含むことが望ましいかもしれない。例えば、状況によっては、パネル57、58、59、60がホイール35、37をある程度上下に昇降させ、ユニット51の追加のホイール移動手段がホイール35、37の昇降を完了させることが有用であるかもしれない。
【0029】
図示の例では、ユニット51のコントローラ53は、ホイールの真上に据え付けられている。この配置は、有利には、(ホイール35、37の間またはホイール35、37に隣接する)ボット31の本体33上の低い空間が、軌道17、19を横切るボット31の進行を測定し、および/または軌道17、19の欠陥を検査し、および/または(例えば、スタック11の高さの他の証拠を確証するか、または問題、例えば、突出しているかまたは妨げているアイテムに注意を引くために)下のトートスタック11の高さを感知するセンサなどの、好ましくはボット31の本体33上のより低い位置に配置される他の構成要素のために使用されることを可能にすることができ、したがって、ボット31の本体33上のできるだけ低い位置にある必要がある。
【0030】
図示された例では、ユニット51のコントローラ53は、ホイール35、37の実質的に上方に示されているが、いくつかの実施形態では、コントローラが、例えばホイールの側部に配置されることが好ましいかもしれない。これは、有利には、ボット31の側上の垂直空間を他の構成要素のために節約することができること、および/またはユニット51(および任意のパネル57、58、59、60またはユニット51がボット31の本体33上に据え付けられる他の構成要素)が、コントローラ53によって垂直移動において制約されないので、垂直移動のより大きな自由度を有することを意味するかもしれない。
【0031】
説明および図示されるように、専用コントローラ53が、(例えば、
図6、
図8、
図10および
図11に示されるように)各ホイール35、37に提供されてもよく、各専用コントローラ53は、その個別のホイール35、37のみを制御する。
図7および
図9に示すような他の例では、ホイール35、37よりも少ないコントローラ53が設けられてもよく、設けられたコントローラ53のうちの1つ以上は、2つ以上のホイール35、37を制御する働きをし、またはホイール35、37のうちのいくつかは、制御されず、惰性で動く。
【0032】
いくつかの例では、所定のホイール35、37は、コントローラが故障した場合に冗長性を提供するために、2つ以上のコントローラに接続され、それによって制御可能であってもよい。例えば、ホイール35は、それ自体のコントローラ53を有するユニット51の一部であってもよいが、(例えば、隣接するユニット51'の)第2のコントローラ53'に接続可能であるかまたは接続されて、ホイール35自体のコントローラ53が故障するかまたは切断された場合に、第2のコントローラ53'がホイール35を制御することを可能にしてもよい。
【0033】
図9に図示された4本のケーブル61は、各それぞれのコントローラ53とメインコントローラ63との間をそれた自体のそれぞれの経路に沿って直接延びているが、他の実施形態では、ケーブルは異なるように配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、単一のケーブルまたはケーブルの束が、(例えば、ボット31の本体33のサイドパネルを下って)メインコントローラ63とコントローラ53のレベルとの間の距離の大部分に伸長し、単一のケーブルまたはケーブルの束が、コントローラ53のレベルまたはその近くで分岐して、異なるコントローラ53とメインコントローラ63とを接続することが好ましいかもしれない。いくつかの実施形態では、ケーブルが異なるコントローラ53を例えばリング状に接続してもよく、単一のケーブルがリングとメインコントローラ63とを接続してもよい。2つ、3つ、または4つのコントローラ53が1つのケーブル61および適切なリングまたはスパー(spur)を介してメインコントローラ63に接続され、別の2つ、3つ、または4つのコントローラ53が別のケーブル61および適切なリングまたはスパーを介してメインコントローラ63に接続されるなど、他の置換も可能である。
【0034】
メインコントローラ63は、少なくとも異なるホイール35、37の回転を調整するように構成され、いくつかの例では、ホイールの上昇および下降などの追加の態様を制御することができる(すなわち、ホイール位置付け機構のためのコントローラとしても機能することができる)。メインコントローラ63は、個々のコントローラ53に適切な命令を送り、ボット31の同じ側のホイール35、37の対が一致して制御されることを確実にすることができ、および/または、ホイールを上昇および下降させる役割を担う任意のホイール移動手段に適切な命令を送り、ボット31の同じ側のホイール35、37の対が一致して上昇または下降されることを確実にすることができる。メインコントローラ63はまた、コンテナ持ち上げ手段39、コンテナ把持アセンブリ43、および制御される必要がある任意の他の構成要素などの、ボット31の他の構成要素を制御してもよい。メインコントローラ63は、ボット31の本体33の上部45に位置付けられてもよい。メインコントローラ63は、例えば、個々のコントローラ53の制御を可能にする適切なソフトウェアと共に、プロセッサ及び付随する回路を含むことができる。
【0035】
図示のケーブル61は、ユニット51に電力を供給するとともに、コントローラ53に制御命令を供給することができる。あるいは、追加のケーブルが、例えば別個の電源からユニット51に電力を供給してもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ53は、ケーブル61を介して接続される代わりに、ワイヤレスでメインコントローラ63に接続されてもよい。
【0036】
いくつかのシナリオでは、ホイール35、37に近接して位置するローカルコントローラ53が存在しないかもしれない。代わりに、メインコントローラ63は、ホイール35、37を駆動するモータおよび/またはホイール昇降手段などの任意の他の構成要素に直接命令を提供してもよい。代替的に、個々のコントローラ53は、メインコントローラ63に近接して、ボット31の上部45に位置付けられてもよく、対応するケーブルが、ホイール35、37を駆動するモータおよび/またはホイール昇降手段などの任意の他の構成要素に設けられてもよい。これは、有利なことに、ボット31の下部47において空間が解放されて、例えば、コンテナ9を搬送するための内部空洞のためにより多くの容積が提供されることを可能にすることを意味することができる。
【0037】
ボット31の様々な構成要素が図に図示されているが、他の構成要素は、表現を簡単にするために省略されている。
【0038】
前述の段落で説明したバリエーションのうちの任意の1つ以上が、積荷取り扱いデバイスの同じ実施形態において実装されてもよいことが想定される。
【0039】
本文書では、nがx、y、及びzのうちの1つである「n方向への移動」という文言(及び関連する言い回し)は、いずれかの方向(即ち、n軸の正の端部に向かうか又はn軸の負の端部に向かう)への、n軸に実質的に沿った又はn軸に対して平行な移動を意味することを意図される。
【0040】
本文書では、「接続する」という語及びその派生語は、直接接続及び間接接続の可能性を含むことを意図される。例えば、「xは、yに接続される」は、介在する構成要素を伴わずにxがyに直接接続される可能性、及び1つ以上の介在する構成要素を伴ってxがyに間接的に接続される可能性を含むことを意図される。直接接続が意図される場合、「直接接続された」、「直接接続」という語又は同様の語が使用されるであろう。同様に、「支持する」という語及びその派生語は、直接接触及び間接接触の可能性を含むことを意図される。例えば、「xは、yを支持する」は、介在する構成要素を伴わずにxがyを直接支持し、それに直接接触する可能性、並びにx及び/又はyに接触する1つ以上の介在する構成要素を伴ってxがyを間接的に支持する可能性を含むことを意図される。「据え付ける」という語及びその派生語は、直接的及び間接的な据え付けの可能性を含むことを意図される。例えば、「xは、y上に据え付けられる」は、介在する構成要素を伴わずにxがy上に直接据え付けられる可能性、及び1つ以上の介在する構成要素を伴ってxがy上に間接的に据え付ける可能性を含むことを意図される。
【0041】
本文書では、「備える」という語及びその派生語は、排他的な意味ではなく包括的な意味を有することを意図される。例えば、「xは、yを備える」は、xが1つ及び1つのみのy、複数のy、又は1つ以上のy、並びに1つ以上の他の要素を含む可能性を含むことを意図される。排他的な意味が意図される場合、「xは、yから成る」という文言が使用され、xがyのみを含み、他に何も含まないことを意味するであろう。
【0042】
本明細書では、「コントローラ」は、1つ以上の他の構成要素を制御する(例えば、命令を提供する)ために好適な任意のハードウェアを含むことが意図される。例えば、1つ以上のメモリ及び適切なソフトウェアを備えたプロセッサは、1つ以上の構成要素に関するデータを処理し、適切な命令を構成要素に送信して、構成要素がその/それらの意図された機能を実行することを可能にする。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、付記する。
[1] 保管構造(1)中のスタック(11)中に積み重ねられたコンテナ(9)を持ち上げて移動させるための積荷取り扱いデバイス(31)であって、前記保管構造(1)は、前記コンテナ(9)のスタック(11)の上方に、第1の方向に伸長する軌道の第1のセット(17)と、前記第1の方向に対して横方向の第2の方向に伸長する軌道の第2のセット(19)とを含み、前記積荷取り扱いデバイス(31)は、前記スタック(11)の上方の前記軌道(17,19)上を移動するように構成され、前記積荷取り扱いデバイス(31)は、
上部(45)及び下部(47)を有する本体(33)と、前記上部(45)は、1つ以上の動作構成要素を格納するように構成され、前記下部(47)は、前記上部(45)の真下に配置され、前記下部(47)は、コンテナ(9)の少なくとも一部を収容するためのコンテナ受け入れ空間を備え、
前記本体(33)を支持するように配置されたホイールアセンブリと、前記ホイールアセンブリは、前記第1の方向への前記積荷取り扱いデバイス(31)の移動をガイドするために前記軌道の第1のセット(17)と係合するためのホイールの第1のセット(35)と、前記第2の方向への前記積荷取り扱いデバイス(31)の移動をガイドするために前記軌道の第2のセット(19)と係合するためのホイールの第2のセット(37)とを備え、
前記ホイールの第1のセット(35)を前記軌道の第1のセット(17)と選択的に係合するか又は前記ホイールの第2のセット(37)を前記軌道の第2のセット(19)と選択的に係合するかのうちのいずれかのためのホイール位置付け機構と、前記ホイール位置付け機構は、前記本体(33)に対して前記ホイールの第1のセット(35)又は前記ホイールの第2のセット(37)を上昇させるか又は下降させ、それによって、前記積荷取り扱いデバイス(31)が、前記保管構造(1)の前記軌道(17,19)を横切って前記第1の方向又は前記第2の方向のうちのいずれかに選択的に移動することを可能にするように構成され、
コンテナ(9)を解放可能に把持するように構成されたコンテナ把持アセンブリ(43)と、前記コンテナ把持アセンブリ(43)を上昇及び下降させるように構成された上昇及び下降アセンブリ(41)とを備えるコンテナ持ち上げ機構(39)とを備え、
前記ホイールの第1及び第2のセット(35、37)のうちの少なくとも1つのホイール(35、37)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)と、前記少なくとも1つのホイール(35、37)の回転を制御するように構成されたコントローラ(53)とを備える組み合わされたホイール及びホイール制御ユニット(51)によって提供される、積荷取扱デバイス(31)。
[2] 前記組み合わされたホイール及びホイール制御ユニット(51)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)および前記コントローラ(53)が据え付けられる据え付け構成要素(55)を備える、[1]に記載の積荷取扱デバイス(31)。
[3] 前記据え付け構成要素(55)は、前記本体(33)に取り外し可能に据え付けられるように構成される、[2]に記載の積荷取扱デバイス(31)。
[4] 前記コントローラ(53)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)を含む、前記ホイールの第1及び第2のセット(35、37)の複数のホイール(35、37)の回転を制御するように構成される、[1]、[2]又は[3]に記載の積荷取扱デバイス(31)。
[5] 前記コントローラ(53)は、前記ホイールの第1のセット(35)のうちの1つのホイール(35)および前記ホイールの第2のセット(37)のうちの1つのホイール(37)の回転を制御するように構成される、[4]に記載の積荷取扱デバイス(31)。
[6] 前記コントローラ(53)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)の上昇および下降を制御するように構成される、[1]から[5]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)。
[7] 前記組み合わされたホイール及びホイール制御ユニット(51)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)を前記本体(33)に対して上昇および下降させるように構成されたホイール移動手段を備える、[1]から[6]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)。
[8] 前記組み合わされたホイール及びホイール制御ユニット(51)は、前記積荷取扱デバイス(31)の上昇及び下降可能なパネル(57、58、59、60)に据え付けられるように構成される、[1]から[7]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)。
[9] ホイール配置内の前記ホイール(35、37)の少なくとも前記回転を調整するように構成されたメインコントローラ(63)をさらに備え、前記コントローラ(53)は、前記メインコントローラ(63)に接続されるように構成される、[1]から[8]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)。
[10] 前記メインコントローラ(63)は、前記ホイール配置内の前記ホイール(35、37)の上昇および下降を調整するように構成される、[9]に記載の積荷取扱デバイス(31)。
[11] 前記コントローラ(53)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)の上方に位置付けられる、[1]から[10]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)。
[12] [1]から[11]のうちのいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(31)を提供する方法であって、
上部(45)及び下部(47)を有する本体(33)を提供するステップと、前記上部(45)は、1つ以上の動作構成要素を格納するように構成され、前記下部(47)は、前記上部(45)の真下に配置され、前記下部(47)は、コンテナ(9)の少なくとも一部を収容するためのコンテナ受け入れ空間を備え、
前記本体(33)を支持するように配置されたホイールアセンブリを提供するステップと、前記ホイールアセンブリは、前記第1の方向への前記積荷取り扱いデバイス(31)の移動をガイドするために前記軌道の第1のセット(17)と係合するためのホイールの第1のセット(35)と、前記第2の方向への前記積荷取り扱いデバイス(31)の移動をガイドするために前記軌道の第2のセット(19)と係合するためのホイールの第2のセット(37)とを備え、
前記ホイールの第1のセット(35)を前記軌道の第1のセット(17)と選択的に係合するか又は前記ホイールの第2のセット(37)を前記軌道の第2のセット(19)と選択的に係合するかのうちのいずれかのためのホイール位置付け機構を提供するステップと、前記ホイール位置付け機構は、前記本体(33)に対して前記ホイールの第1のセット(35)及び/又は前記ホイールの第2のセット(37)を上昇させるか又は下降させ、それによって、前記積荷取り扱いデバイス(31)が、前記保管構造(1)の前記軌道(17,19)を横切って前記第1の方向又は前記第2の方向のうちのいずれかに選択的に移動することを可能にするように構成され、
コンテナ(9)を解放可能に把持するように構成されたコンテナ把持アセンブリ(43)と、前記コンテナ把持アセンブリ(43)を上昇及び下降させるように構成された上昇及び下降アセンブリ(41)とを備えるコンテナ持ち上げ機構(39)を提供するステップとを含み、
前記ホイールの第1及び第2のセット(35、37)の少なくとも1つのホイール(35、37)は、前記少なくとも1つのホイール(35、37)と、前記少なくとも1つのホイール(35、37)の回転を制御するように構成されたコントローラ(53)とを備える組み合わされたホイール及びホイール制御ユニット(51)によって提供される、方法。
[13] [2]から[11]のいずれか一項に記載の追加の特徴を提供することを含む、[12]に記載の方法。
[14] システムであって、
[1]から[11]のうちのいずれか一項に記載の積荷取り扱いデバイス(31)と、 スタック(11)に積み重ねられたコンテナ(9)と、
保管構造(1)とを備え、前記保管構造(1)は、前記コンテナ(9)のスタック(11)の上方に、第1の方向に伸長する軌道の第1のセット(17)と、前記第1の方向に対して横方向の第2の方向に伸長する軌道の第2のセット(19)とを含み、前記積荷取り扱いデバイス(31)は、前記スタック(11)の上方の前記軌道(17,19)上を移動するように構成される、システム。