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特許7485835システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法
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  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図1
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図2
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図3
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図4
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図5
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図6
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図7
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図8
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図9
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図10
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図11
  • 特許-システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240509BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023104623
(22)【出願日】2023-06-27
【審査請求日】2023-06-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598136736
【氏名又は名称】北関東通商株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】弁理士法人日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 和喜代
【審査官】阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-080784(JP,A)
【文献】特開2011-076350(JP,A)
【文献】特開2009-259178(JP,A)
【文献】特開2007-178833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 ー 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素ガスを環境中に排出する排出源を所有する企業がそれぞれ有する企業端末になる企業側端末群、二酸化炭素ガスを吸収する森林を所有する森林所有者がそれぞれに有する森林所有者端末になる森林所有者側端末群及びシステム管理者の有するシステム管理者端末を含んだシステムにおける当該システム管理者端末であって、当該システム管理者端末に、ネットワークに参画する企業の企業ID及び森林所有者の森林ID、及び森林による二酸化炭素吸収量の計算式及び算定対象の森林に係る森林情報に基づく二酸化炭素吸収量の算定方法が記憶され、
システム管理者端末が、当該ネットワークに参画する企業IDごとに当該企業が有する二酸化炭素ガス排出情報を含む企業情報及び当該ネットワークに参画する森林所有者IDごとに当該森林所有者が有する森林に関する森林情報を含む森林所有者情報を取得し、
また、企業IDごとに、企業情報から年間排出二酸化炭素ガス量データを取得して、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データから、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを演算し、及び森林所有者別の森林所有者情報及び上述した計算式及び算定方法から、森林所有者IDごとの年間二酸化炭素ガス吸収量データを取得して、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データを演算し、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データに比して等価もしくは小さくするデータ処理をして、データ処理後の企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを取得し、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データに、当該企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データが反映されたデータ処理によって、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データに比して等価なもしくは小さな、企業IDごとの参照年間排出二酸化炭素ガス量データを設定し、
システム管理者自身の処理で、もしくは予め定めたルールに基づいて自動処理で、前記企業IDの中から企業IDを選択し、当該企業IDの年間排出二酸化炭素ガス量データをゼロもしくはマイナスにする年間二酸化炭素ガス吸収量データを持つ森林所有者IDを、前記森林所有者IDの中から設定し、選択した企業IDに関連付けし、前記参照年間排出二酸化炭素ガス量データを持った企業情報になる画面情報及び年間二酸化炭素ガス吸収量データを持った森林情報になる画面情報を取得し、
システム管理者端末の画面表示手段が、画面に、設定された当該企業及び当該森林所有者の関連付けから、当該企業に関連付けられた企業情報及び当該森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を表示し、
出力手段が、企業ID別に、あるいは森林所有者ID別に、設定された企業及び森林所有者の関連付けから、当該企業に関連付けられた企業情報及び当該森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を企業端末及び森林所有者端末に出力すること
を特徴とするシステム管理者端末。
【請求項2】
二酸化炭素ガスを環境中に排出する排出源を所有する企業がそれぞれ有する企業端末になる企業側端末群、二酸化炭素ガスを吸収する森林を所有する森林所有者がそれぞれに有する森林所有者端末になる森林所有者側端末群及びシステム管理者の有するシステム管理者端末を含んだシステムであって、当該システム管理者端末に、ネットワークに参画する企業の企業ID及び森林所有者の森林ID、及び森林による二酸化炭素吸収量の計算式及び算定対象の森林に係る森林情報に基づく二酸化炭素吸収量の算定方法が記憶され、
システム管理者端末が、当該ネットワークに参画する企業IDごとに当該企業が有する二酸化炭素ガス排出情報を含む企業情報及び当該ネットワークに参画する森林所有者IDごとに当該森林所有者が有する森林に関する森林情報を含む森林所有者情報を取得し、
また、企業IDごとに、企業情報から年間排出二酸化炭素ガス量データを取得して、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データから、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを演算し、及び森林所有者別の森林所有者情報及び上述した計算式及び算定方法から、森林所有者IDごとの年間二酸化炭素ガス吸収量データを取得して、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データを演算し、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データに比して等価もしくは小さくするデータ処理をして、データ処理後の企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを取得し、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データに、データ処理後の企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データが反映されたデータ処理によって、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データに比して等価なもしくは小さな、企業IDごとの参照年間排出二酸化炭素ガス量データを設定し、
システム管理者自身の処理で、もしくは予め定めたルールに基づいて自動処理で、前記企業IDの中から企業IDを選択し、当該企業IDの年間排出二酸化炭素ガス量データをゼロもしくはマイナスにする年間二酸化炭素ガス吸収量データを持つ森林所有者IDを、前記森林所有者IDの中から設定し、選択した企業IDに関連付けし、前記参照年間排出二酸化炭素ガス量データを持った企業情報になる画面情報及び年間二酸化炭素ガス吸収量データを持った森林情報になる画面情報を取得し、
システム管理者端末の画面表示手段が、画面に、設定された当該企業及び当該森林所有者の関連付けから、当該企業に関連付けられた企業情報及び当該森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を表示し、
企業端末が、企業端末の画面表示装置の画面に、企業に関連付けられた企業情報に関連して、森林所有者の森林情報を表示し、
森林所有者端末が、森林所有者端末の画面表示装置の画面に、森林所有者に関連付けられた森林情報に関連して、企業情報を表示すること
を特徴とする企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム。
【請求項3】
二酸化炭素ガスを環境中に排出する排出源を所有する企業がそれぞれ有する企業端末になる企業側端末群、二酸化炭素ガスを吸収する森林を所有する森林所有者がそれぞれに有する森林所有者端末になる森林所有者側端末群及びシステム管理者の有するシステム管理者端末を含んだシステムにおける当該システム管理者端末が用いられ、当該システム管理者端末に、ネットワークに参画する企業の企業ID及び森林所有者の森林ID、及び森林による二酸化炭素吸収量の計算式及び算定対象の森林に係る森林情報に基づく二酸化炭素吸収量の算定方法が記憶された環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法において、
システム管理者端末によって、当該ネットワークに参画する企業IDごとに当該企業が有する二酸化炭素ガス排出情報を含む企業情報及び当該ネットワークに参画する森林所有者IDごとに当該森林所有者が有する森林に関する森林情報を含む森林所有者情報が取得され、
また、企業IDごとに、企業情報から年間排出二酸化炭素ガス量データが取得されて、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データから、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データが演算され、及び森林所有者別の森林所有者情報及び上述した計算式及び算定方法から、森林所有者IDごとの年間二酸化炭素ガス吸収量データが取得されて、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データが演算され、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データに比して等価もしくは小さくするデータ処理がされて、データ処理後の企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データが取得され、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データに、データ処理後の企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データが反映されたデータ処理によって、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データに比して等価なもしくは小さな、企業IDごとの参照年間排出二酸化炭素ガス量データが設定され、
システム管理者自身の処理で、もしくは予め定めたルールに基づいて自動処理で、前記企業IDの中から企業IDが選択され、当該企業IDの年間排出二酸化炭素ガス量データをゼロもしくはマイナスにする年間二酸化炭素ガス吸収量データを持つ森林所有者IDが、前記森林所有者IDの中から設定され、選択した企業IDに関連付けされ、前記参照年間排出二酸化炭素ガス量データを持った企業情報になる画面情報及び年間二酸化炭素ガス吸収量データを持った森林情報になる画面情報が取得され、
システム管理者端末の画面表示手段によって、画面に、設定された当該企業及び当該森林所有者の関連付けから、当該企業に関連付けられた企業情報及び当該森林所有者に関連付けられた森林所有者情報が表示され、
出力手段によって、企業ID別に、あるいは森林所有者ID別に、設定された企業及び森林所有者の関連付けから、当該企業に関連付けられた企業情報及び当該森林所有者に関連付けられた森林所有者情報が企業端末及び森林所有者端末に出力されること
を特徴とするシステム管理者端末における環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法。
【請求項4】
二酸化炭素ガスを環境中に排出する排出源を所有する企業がそれぞれ有する企業端末になる企業側端末群、二酸化炭素ガスを吸収する森林を所有する森林所有者がそれぞれに有する森林所有者端末になる森林所有者側端末群及びシステム管理者の有するシステム管理者端末を含んだシステムが用いられ、当該システム管理者端末に、ネットワークに参画する企業の企業ID及び森林所有者の森林ID、及び森林による二酸化炭素吸収量の計算式及び算定対象の森林に係る森林情報に基づく二酸化炭素吸収量の算定方法が記憶された環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法において、
システム管理者端末によって、当該ネットワークに参画する企業IDごとに当該企業が有する二酸化炭素ガス排出情報を含む企業情報及び当該ネットワークに参画する森林所有者IDごとに当該森林所有者が有する森林に関する森林情報を含む森林所有者情報が取得され、
また、システム管理者端末の演算処理手段によって、企業IDごとに、企業情報から年間排出二酸化炭素ガス量データが取得されて、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データから、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データが演算され、及び森林所有者別の森林所有者情報及び上述した計算式及び算定方法から、森林所有者IDごとの年間二酸化炭素ガス吸収量データが取得されて、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データが演算され、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データに比して等価もしくは小さくするデータ処理がされて、データ処理後の企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データが取得され、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データに、データ処理後の企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データが反映されたデータ処理によって、企業IDごとの年間排出二酸化炭素ガス量データに比して等価なもしくは小さな、企業IDごとの参照年間排出二酸化炭素ガス量データが設定され、
システム管理者端末の演算処理手段によって、システム管理者自身の処理で、もしくは予め定めたルールに基づいて自動処理で、前記企業IDの中から企業IDが選択され、当該企業IDの年間排出二酸化炭素ガス量データをゼロもしくはマイナスにする年間二酸化炭素ガス吸収量データを持つ前記森林所有者IDが、前記森林所有者IDの中から設定され、選択した企業IDに関連付けされ、前記参照年間排出二酸化炭素ガス量データを持った企業情報になる画面情報及び年間二酸化炭素ガス吸収量データを持った森林情報になる画面情報が取得され、
システム管理者端末の画面表示手段によって、画面に、設定された当該企業及び当該森林所有者の関連付けから、当該企業に関連付けられた企業情報及び当該森林所有者に関連付けられた森林所有者情報が表示され、
企業端末によって、企業端末の画面表示装置の画面に、企業に関連付けられた企業情報に関連して、森林所有者の森林情報が表示され、
森林所有者端末によって、森林所有者端末の画面表示装置の画面に、森林所有者に関連付けられた森林情報に関連して、企業情報が表示されること
を特徴とする企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム管理者端末、企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステム、システム管理者端末おける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法及び企業端末群、森林所有者端末群及びシステム管理者端末を含んだシステムにおける環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法に係る。
【背景技術】
【0002】
企業には、省エネや、二酸化炭素ガス(炭酸ガス、COガス)を排出しない方法に注力して事業を行い、省エネに配慮した取り組みや、二酸化炭素ガスの排出が少なるような地域、環境を作ることが求められる。
【0003】
企業に二酸化炭素ガス排出削減目標を達成することのために炭素削減を行い、炭素削減で目標に達しないときに、二酸化炭素ガス排出目標を達成しようとする企業に炭素排出権を販売する方法が多数提案される。
【0004】
また、二酸化炭素ガスを吸収する具体的な手段として、森林を活用する方法が多数提案される。
【0005】
CO排出権取引とは、地球温暖化の原因とされている温室効果ガス(その大部分はCO)の排出量を抑制するため、予め企業などにCO排出量の上限枠(排出権)を割当て、これが上限より少なかった企業は、上限を超過してCOを排出する企業に対し、排出権の余剰分を売ることができる制度である。
【0006】
特許文献1には、森林による二酸化炭素吸収作用を吸収権とし、その吸収権と森林管理をビジネスとしたシステムが記載される。
【0007】
特許文献2には、森林地における酸素ガス生成量を算出して、二酸化炭素ガス吸収量として記憶し、排出権購入希望者の必要二酸化炭素ガス吸収量ベースに二酸化炭素ガス吸収量とをマッチングし、条件が合致すると売注文と買注文との間で取引を成立させる二酸化炭素排出権取引システムが記載される。
【0008】
特許文献3には、森林が有する二酸化炭素吸収能力を地図上の森林単位面積当りの大きさで表示した吸収能力マップを保持し、企業が割り当てを希望する二酸化炭素排出権である割当希望地の入力を受け付け、当該企業に割り当てるべき地図上の森林区画を算出するようにした二酸化炭素吸収用森林区画算出装置が記載される。
【0009】
特許文献4には、植林パターンの提案二酸化炭素吸収量の評価を算出して構成される森林復興育成支援システムが記載される。
【0010】
非特許文献1~3には、森林による二酸化炭素吸収量の算定方法が具体的に記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2009-259178号公報
【文献】特開2009-80784号公報
【文献】特許第4856747号公報
【文献】特許第6332664号公報
【非特許文献】
【0012】
【文献】林野庁長官通知令和3年12月27日制定3林政企第60号による「森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について」
【文献】林野庁令和3年12月27日報道発表資料「森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について」
【文献】林野庁ホーム>分野別情報>森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について>二酸化炭素の吸収・固定量「見える化」計算シート
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
企業には、排出権の有無に関わらず、二酸化炭素ガス(炭酸ガス)を排出しない方法に注力して事業を行い、省エネに配慮した取り組みを実行していることでは足らず、森林を取得しなくても、二酸化炭素ガスの排出が少なるような地域、環境を作り、地球温暖化防止や自社が発生している二酸化炭素について削減対策を行っていることを世間にアピールすることが求められる。
【0014】
特許文献1~3には、森林所有者側の売注文と企業の買注文との間で取引を成立させる二酸化炭素排出権取引システムが記載されるが、二酸化炭素排出権データを幅広く収集すること及び二酸化炭素排出対策企業を幅広く収集することの困難せいのために現実的には売注文と買注文との間で取引を直接的に成立させることは困難性がある。
【0015】
森林所有者側の売注文と企業の買注文との間で取引を成立させる二酸化炭素排出権取引システムを効果的に構築するには、両者を斡旋する事業体、すなわち管理者を設けて酸化炭素排出権データを幅広く適正に収集処理し、二酸化炭素排出対策企業を幅広く収集処理し、双方が所有する情報を見える化してお互いの状況を視覚的に容易に確認できるようにすることが求められる。
【0016】
本発明は、係る点に鑑み、森林所有者側の売注文、企業の買注文の両者を斡旋する事業体、すなわち管理者を設けて酸化炭素排出権データを幅広く適正に収集し、二酸化炭素排出対策企業を幅広く収集し、双方が所有する情報を見える化してお互いの状況を視覚的に容易に確認できるようにして、企業が、森林を取得しなくても、二酸化炭素ガスの排出が少なるような地域、環境を作り、地球温暖化防止や自社が発生している二酸化炭素について削減に貢献していることを世間にアピールできるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
図12は、企業から排出されるCOと森林で吸収されるCOとの関連を示す図である。
【0018】
本件発明において、図12に示すように、人間の活動により排出される二酸化炭素(CO)は、森林などが吸収するCOにほぼ等価である知見が採用される。
【0019】
本発明は、二酸化炭素ガスを環境中に排出する排出源を所有する企業の有する企業側端末群、二酸化炭素ガスを吸収する森林を所有する森林所有者の有する森林所有者側端末群及びシステム管理者の有するシステム管理者端末を通信回路で結んで形成されたネットワークを備え、
システム管理者端末に、当該ネットワークに参画する企業の企業ID及び森林所有者の森林ID、及び令和3年12月27日制定3林政企第60号による「森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について」に規定された計算式及び算定方法が記憶され、
システム管理者端末が、企業側端末から提供される当該ネットワークに参画する企業ID及び二酸化炭素ガス排出情報を含む企業情報、及び森林所有者側端末から提供される当該ネットワークに参画する森林所有者ID及び森林所有者の森林に関する森林所有者情報を取得する機能を備え、
システム管理者端末が、企業側端末別の年間排出二酸化炭素ガス量データを取得して、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを演算して統計し、及び森林所有者側端末別の森林所有者情報及び上述した計算式及び算定方法から、森林所有者側端末別の年間二酸化炭素ガス吸収量データを取得して、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データを演算して統計し、
管理者自身の処理で、もしくは自動処理で、年間排出二酸化炭素ガス量データを年間二酸化炭素ガス吸収量データに比して等価もしくは小さくする処理がなされた、当該ネットワークに参画する企業IDの中から企業を選択に際して参照される参照年間排出二酸化炭素ガス量データを取得し、参照年間排出二酸化炭素ガス量データを参照して企業IDの中から企業を選択し、企業側端末別の年間排出二酸化炭素ガス量データをゼロもしくはマイナスにする年間二酸化炭素ガス吸収量データを持つ森林所有者を森林所有者IDの中から設定して、選択した企業に関連付けし、
システム管理者端末の画面表示装置の画面に、企業ID別に、あるいは森林所有者ID別に、企業に関連付けられた企業情報及び森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を互いに関連付けて表示し、
二酸化炭素ガス排出側端末の画面表示装置の画面に、企業に関連付けられた企業情報に関連して、森林所有者の森林情報を表示し、
及び森林所有者側端末の画面表示装置の画面に、森林所有者関連付けられた森林情報に関連して、企業情報を表示すること
を特徴とする環境排出二酸化炭素ガスデータ処理のためのネットワークを提案する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、
システム管理者端末の画面表示装置の画面に、企業ID別に、あるいは森林所有者ID別に、企業に関連付けられた企業情報及び森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を互いに関連付けて表示し、
二酸化炭素ガス排出側端末の画面表示装置の画面に、企業に関連付けられた企業情報に関連して、森林所有者の森林情報を表示し、
及び森林所有者側端末の画面表示装置の画面に、森林所有者関連付けられた森林情報に関連して、企業情報を表示することができる。
【0021】
これによって、森林所有者側の売注文、企業の買注文の両者を斡旋する事業体、すなわち管理者を設けて酸化炭素排出権データを幅広く適正に収集し、二酸化炭素排出対策企業を幅広く収集し、双方が所有する情報を見えるかしてお互いの状況を視覚的に容易に確認でき、企業が、森林を取得しなくても、二酸化炭素ガスの排出が少なるような地域、環境を作り、地球温暖化防止や企業が発生している二酸化炭素について削減に貢献していることを世間にアピールできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の環境排出二酸化炭素ガスデータ処理のためのネットワークを示す図
図2】企業情報の内容を示す図
図3】森林所有者情報の内容を示す図
図4】森林の形態を示す図
図5】システム管理者による情報収集方法を示す図
図6】本発明の環境排出二酸化炭素ガスデータ処理装置をブロックで示す図
図7】林野庁長官通知令和3年12月27日制定3林政企第60号による「森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について」を示す図
図8】林野庁ホームで公開された二酸化炭素の吸収・固定量「見える化」計算シートを示す図
図9】本発明の実施例の方法をステップで示す図
図10】管理者端末、企業側端末及び森林所有者側端末の画面に表示される情報内容及び対価の流れを示す図
図11図9に示すステップで企業側端末及び森林所有者側端末の画面に表示される画面内容を示す図
図12】企業から排出されるCOと森林で吸収されるCOとの関連を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の環境排出二酸化炭素ガスデータ処理のためのネットワークを示す。
【0024】
図1において、本発明の環境排出二酸化炭素ガスデータ処理のためのネットワーク100は、企業側端末群1、森林所有者側端末群2及び事業体、すなわちシステム管理者のシステム管理者端末3をネットワーク通信手段4で結んで構成される。
【0025】
企業は、企業A、企業B、企業C…からなり、森林所有者は、森林所有者A、森林所有者B、森林所有者C…からなり、企業Aは、企業側端末A1、企業Bは、企業側端末B1を、企業Cは、企業側端末C1を有し、森林所有者Aは、森林所有者側端末A2を、森林所有者Bは、森林所有者側端末B2を、森林所有者Cは、森林所有者側端末C2を有し、システム管理者Dは、システム管理者端末3を有する。
【0026】
システム管理者端末3には、好ましくは二酸化炭素ガス吸収量の算定業者Eの算定業者端末5が接続される。この場合は、森林情報は、、森林所有者に情報提供に基づき企業の依頼に従って形成される。
【0027】
システム管理者は、取引される買取り、売却のための二酸化炭素ガス量の単位量当たりに取引対価を決定し、対価情報として企業及び森林所有者に取引情報として伝達する。
【0028】
システム管理者は、企業と森林所有者を連携させるあっせん者、すなわち仲介人として機能する。
【0029】
算定業者Eの算定業者端末5は、、森林所有者Bの森林所有者側端末B2に接合されてもよい。この場合は、森林情報は、森林所有者の依頼に従って形成される。
【0030】
また、企業Aは、企業情報A11を、企業Bは、企業情報B11を、企業Cは、企業情報C11を有し、森林所有者Aは、森林情報A22を、森林所有者Bは、森林情報B22を、森林所有者Cは、森林情報C22を有する。
【0031】
図2は、企業情報の内容を示す。
【0032】
企業情報は、X-座標のX軸に示される企業ID、企業データをY軸に示される各ブロックで示され得る。企業の概念には、二酸化炭素を排出する治自体が含まれる。
【0033】
企業IDには、当該企業を特定する企業名、住所、通信媒体、企業構成、企業のホームページなどが含まれる。また、企業IDには、企業自体を撮影した画像が含まれる。この画像は、図11に示される形で活用される。
【0034】
企業データは、a 企業全体、b 企業が持つ二酸化炭素の排出源、c 年間排出二酸化炭素ガス量データを有して形成される。
【0035】
これらデータの取得は、各企業者によって実行され、データ化され、システム管理者の要望に従ってシステム管理者端末3に提供される。
【0036】
二酸化炭素排出量は、自社で使った化石燃料の燃焼などによる直接的な排出と、電力などの使用による間接的な排出、他所の原材料や製品利用などからの排出がある。最近は、これらすべてについての開示を求める動きが強まっている。ニーズに応じて排出の範囲が規定される。
【0037】
企業が排出する二酸化炭素の排出量データには、製品を製造するに際して生成された産業廃棄物をリサイクルシステムでリサイクルすることで、二酸化炭素の排出量削減した場合の二酸化炭素の排出量データあるいは排出された二酸化炭素の一部を酸素と炭素に分解して二酸化炭素の排出量削減した場合の二酸化炭素の排出量データと二酸化炭素の排出量削減しない場合の二酸化炭素の排出量データとがある。いずれの場合にあっても二酸化炭素の排出量データは、企業情報の内容とされる。
【0038】
図3は、森林所有者情報の内容を示す。
【0039】
森林所有者情報は、X-座標のX軸に示される森林所有者ID、森林所有者データをY軸に示される各ブロックで示され得る。森林所有者の概念には、森林を保有する治自体が含まれる。
【0040】
森林所有者IDには、当該森林所有者を特定する森林所有者名、住所、通信媒体、森林所有者構成、森林所有者のホームページなどが含まれる。また、森林所有者IDには、森林所有者が有する森林を撮影した画像が含まれる。この画像は、図11に示される形で活用される。
【0041】
森林所有者データは、a 森林の所在する都道府県名、b 樹種、c 樹級、d 樹種毎の面積、e 樹種毎の樹高、f 平均直径、g 立木の本数を有して形成される。
【0042】
図4は、森林の形態を示す図である。
【0043】
本発明の実施例の対象の森林には、既存の森林と植林がある。国内外を問わない。
【0044】
森林は、多くの場合森林簿に登録される。
【0045】
既存の森林の場合、a~gの森林データ、森林情報から所定の算定方法による二酸化炭素ガス吸収量データ(1年間)が取得される。植林の場合、造林・保育を行うことにより吸収される二酸化炭素の増加分データ(1年間)が取得される。
【0046】
図5は、システム管理者による情報収集方法を示す図である。
【0047】
システム管理者Dは、システム管理者端末3を用いて、企業側端末A1、B1、C1に
ネットワーク100に参画する企業の募集を掛け、企業からの応募を受ける(募集と応募21)。この募集と応募21にネートワークに参画する募集画面及び応募画面22が用いられる。募集に当たっては、募集案内が添付される。
【0048】
また、システム管理者Dは、システム管理者端末3を用いて、森林所有者側端末A2、B2、C2にネットワーク100に参画する森林所有者の募集を掛け、森林所有者からの応募を受ける(募集と応募23)。この募集と応募21にネートワークに参画する募集画面及び応募画面24が用いられる。募集に当たっては、募集案内が添付される。
【0049】
企業は、応募に当たって希望する森林所有者、森林の所在、例えば都道府県名、地域、外国名を指定あるいは希望指定することができる。
【0050】
森林所有者は、応募に当たって希望する企業、企業の所在、例えば都道府県名、地域を指定あるいは希望指定することができる。
【0051】
管理者は、企業及び森林所有者の設定に当たっては、企業及び森林所有者のニーズに合わせる。合致が難しい場合、関係する企業及び森林所有者に相談して企業及び森林所有者の設定を行う。
【0052】
図6は、本発明の環境排出二酸化炭素ガスデータ処理装置をブロックで示す図である。
【0053】
本発明の環境排出二酸化炭素ガスデータ処理装置101は、システム管理者端末内に構成されて、企業側端末A1、B1、C1から提供されるネットワーク100に参画する企業ID及び二酸化炭素ガス排出情報を含む企業情報、及び森林所有者側端末A2、B2、C2から提供されるネットワーク100に参画する森林所有者ID及び森林所有者の森林に関する森林所有者情報を取得する機能11を備える。
【0054】
本発明の環境排出二酸化炭素ガスデータ処理装置101は、演算処理手段12、出力手段13、記憶手段(データベース)14及び画面表示手段15を備え、外部の企業側端末A1、B1、C1及び森林所有者側端末A2、B2、C2にネットワーク通信手段4を介して接続される。
【0055】
記憶手段(データベース)14は、ネットワークに参画する企業の企業の企業ID及び森林所有者の森林ID、及び令和3年12月27日制定3林政企第60号による「森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について」に規定された算定方法を記憶する。
【0056】
すなわち、ネットワークに参画する企業の企業ID及び森林所有者の森林ID、及び森林による二酸化炭素吸収量の計算式及び算定対象の森林に係る森林情報に基づく二酸化炭素吸収量の算定方法が記憶される。
【0057】
本発明の環境排出二酸化炭素ガスデータ処理装置101は、図5に示される方法に従って、入力手段(図示せず)から図2に示す企業情報を入力し、図3に示す森林情報を入力する。
【0058】
本発明の環境排出二酸化炭素ガスデータ処理装置101は、システム管理者端末内に構成され、当該ネットワークに参画する企業IDごとに当該企業が有する二酸化炭素ガス排出情報を含む企業情報及び当該ネットワークに参画する森林所有者IDごとに当該森林所有者が有する森林に関する森林情報を含む森林所有者情報を取得する。
【0059】
また、企業別に、企業情報から年間排出二酸化炭素ガス量データを取得して、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを演算して統計し、及び森林所有者別の森林所有者情報及び上述した計算式及び算定方法から、森林所有者別の年間二酸化炭素ガス吸収量データを取得して、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データを演算して統計し、年間排出二酸化炭素ガス量データを年間二酸化炭素ガス吸収量データに比して等価もしくは小さくするデータ処理をして、参照年間排出二酸化炭素ガス量データを取得する。この結果を踏まえて、すなわち反映して、企業IDごとに年間排出二酸化炭素ガス量データに比して等価もしくは小さくするデータ処理をして企業IDごとの参照年間排出二酸化炭素ガス量データを設定する。
【0060】
システム管理者自身の処理で、もしくは予め定めたルールに基づいて自動処理で、企業IDの中から企業を選択することで選択された企業IDを取得し、森林所有者IDの中から森林所有者を選択することで森林所有者IDを取得して、選択した企業IDに選択した森林所有者IDを関連付けして、参照年間排出二酸化炭素ガス量データを持つ企業と企業情報になる画面情報及び年間二酸化炭素ガス吸収量データを持つ森林所有者と森林情報になる画面情報を取得する。
【0061】
かくして、企業と企業に関連付けられた森林所有者が特定され、企業と企業に関連付けられた森林所有者が特定された状況での企業情報および森林情報をペア情報として画面表示する準備がなされる。
企業ID別に、あるいは森林所有者ID別に、企業に関連付けられた企業情報及び森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を互いに関連付けてシステム管理者端末の画面表示装置の画面に表示する。
【0062】
出力手段は、企業ID別に、あるいは森林所有者ID別に、企業に関連付けられた企業情報及び森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を互いに関連付けて出力する。
【0063】
画面表示手段15は、画面15Aに、企業ID別に、あるいは森林所有者ID別に、企業に関連付けられた企業情報及び森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を互いに関連付けて表示する。
【0064】
二酸化炭素吸収量の計算式及び算定対象森林に係る森林情報に基づく二酸化炭素吸収量の算定方法が記憶され、参照年間排出二酸化炭素ガス量データを参照して企業IDの中から企業を選択し、企業側端末別の年間排出二酸化炭素ガス量データを、例えばゼロもしくはマイナスにする年間二酸化炭素ガス吸収量データを持つ森林所有者を森林所有者IDの中から設定して、選択した企業に関連付けし、システム管理者端末の画面表示装置の画面に、企業ID別に、あるいは森林所有者ID別に、企業に関連付けられた企業情報及び森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を互いに関連付けて表示する環境排出二酸化炭素ガスデータ処理装置101が形成される。
【0065】
図1において、二酸化炭素ガスを環境中に排出する排出源を所有する企業の有する企業側端末群、二酸化炭素ガスを吸収する森林を所有する森林所有者の有する森林所有者側端末群及びシステム管理者の有するシステム管理者端末を通信回路で結んで形成されたネットワークが構成される。
【0066】
ネットワーク上において、システム管理者端末の画面表示装置の画面に、設定された当該企業及び当該森林所有者の関連付けから、当該企業に関連付けられた企業情報及び当該森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を表示する。
【0067】
企業端末が、企業端末の画面表示装置の画面に、企業に関連付けられた企業情報に関連して、森林所有者の森林情報を表示する。
【0068】
森林所有者端末が、森林所有者端末の画面表示装置の画面に、森林所有者関連付けられた森林情報に関連して、企業情報を表示する。
【0069】
図7は、林野庁長官通知令和3年12月27日制定3林政企第60号による「森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について」を示す図である。
【0070】
林野庁長官通知令和3年12月27日制定3林政企第60号による「森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について」によれば、CO吸収量の計算式が開示され、当該計算式に用いられる計算因子が開示される。
【0071】
したがって、計算因子を取得して当該計算式を用いることで、特定した森林における二酸化炭素吸収量データを取得することができる。
【0072】
この算出方法に用いられる計算式として次の計算式が記載される。
【0073】
森林1ha当たりの年間CO吸収量(t-CO/年・ha)
=森林1ha当たりの年間幹成長量(m/年・ha)
×拡大係数 ×(1-地下部比率)× 容積密度(t/m)× 炭素含有率
×CO換算係数
<計算因子>
〇森林1ha当たりの年間CO吸収量:
樹木の幹の部分が1年間で成長する1ha当たりの体積(材質)
(算定対象森林の齢級とその1つ上の齢級の1ha当たりの材積
の差を1齢級の年数(5年)で除し、算出)
〇拡大係数:枝部分の容積を付加するための係数
〇地下部比率:樹木の地上部(幹+枝)の容積に対する根の容積の割合
〇容積密度:木材の容積を重量に変換する係数
〇炭素含有率:木材の重量1トン当たりの炭素含有量を示す割合
〇CO換算係数:炭素量を二酸化炭素量へ変換する係数
CO吸収量の具体的の算出に当たって次のデータが取得されることが記載される。
【0074】
a 森林の所在する都道府県名
b樹種(スギ、ヒノキ、カラマツ、その他の4種類から選択)
c齢級(5年ごとにまとめたおおよその樹齢)
d樹種毎の面積
e樹脂毎の平均樹高
f平均直径
g立木の本数
愛知県森林CO吸収量試算(簡略版) が存在するが、骨子は、林政企第60号に同等である。
【0075】
1 算定方法 (1) 算定式 CO吸収量は、(2)の算定因子の適用区分が異なる森林ごとに次の式により算定し、 それらを合計して求める。 CO吸収量(t-CO/年)=森林面積×幹材積の成長量×拡大係数 ×容積密度×炭素含有率×二酸化炭素換算係数

図8は、林野庁ホームで公開された二酸化炭素の吸収・固定量「見える化」計算シートを示す図である。
【0076】
当該計算式による計算は、「森林づくりによるCO吸収量計算シート」に、算定対象森林に係るaからdまでの森林情報を入力することにより行うことが可能であることが記載される。
【0077】
図7に示される、林野庁長官通知令和3年12月27日制定3林政企第60号による森林による二酸化炭素吸収量の算定方法及び図8に示さる二酸化炭素の吸収・固定量「見える化」計算シートが森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データを演算して統計するために用いられる。詳細についてはこれらの資料が参照される。
【0078】
図3に示される森林所有者情報の取得にあったては、図7及び図8に示される事項が参照されて実行され、取得される。これらデータの取得は、各森林所有者によって実行され、データ化され、システム管理者の要望に従ってシステム管理者端末3に提供される。
【0079】
図1において、システム管理者端末3には、好ましくは二酸化炭素ガス吸収量の算定業者Eの算定業者端末5が接続されることを示した。算定業者Eは、からシステム管理者の依頼を受けてシステム管理者端末3から算定業者端末5に情報の提供を受けて森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データを演算して統計する業務をおこない、生成された各種情報をシステム管理者端末3に送信して、システム管理者の業務を支援する。
【0080】
図9は、本発明の実施例の方法をステップで示す図である。
【0081】
図10 管理者端末、企業側端末及び森林所有者側端末の画面に表示される情報内容及び対価の流れを示す図である。
【0082】
図11 図9に示すステップで企業側端末及び森林所有者側端末の画面に表示される画面内容を示す図である。
【0083】
図9のステップの流れは、次に示すステップから形成される。
【0084】
S1…記憶手段14における算定方法の記憶
図7図8に関連して説明したCO吸収量の計算式及びaからgに示される各データが記録される。
【0085】
森林による二酸化炭素吸収量の計算式及び算定対象森林に係る森林情報に基づく二酸化炭素吸収量の算定方法(令和3年12月27日制定3林政企第60号による「森林による二酸化炭素吸収量の算定方法について」に規定された算定方法による)が記憶される。森林情報は、森林データに読み替え得る。
【0086】
S2…年間排出二酸化炭素量データの演算、取得
図2に示される企業情報が企業側端末からシステク管理者端末3に送信され、取得される。
【0087】
システム管理者端末が、企業側端末別の年間排出二酸化炭素ガス量データを取得して、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データを演算して統計する。
【0088】
年間排出二酸化炭素量データの演算、取得される。企業全体で、及び/又は企業が有する個々の排出二酸化炭素の排出源ごとに年間排出二酸化炭素量データが演算、取得されてもよい。
【0089】
S3…年間二酸化炭素吸収量データの演算、取得
森林所有者側端末別の年間二酸化炭素ガス吸収量データを取得して、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データを演算して統計する。
【0090】
森林所有者側端末別の森林所有者情報及び上述した計算式及び算定方法から、森林所有者側端末別の年間二酸化炭素ガス吸収量データを取得する。
森林情報と年間二酸化炭素ガス吸収量データとをX―Y軸上にマップデータとしておき、森林情報を用いて直ちに年間二酸化炭素ガス吸収量データを取得することができる。
【0091】
S4…参照年間排出二酸化炭素量データの演算、取得
年間排出二酸化炭素ガス量データを年間二酸化炭素ガス吸収量データに比して等価もしくは小さくする処理がなされた、当該ネットワークに参画する企業IDの中から企業を選択に際して参照される参照年間排出二酸化炭素ガス量データを取得する。企業における排出二酸化炭素ガス量データを取得する方法は従前の方法でよく、よく知られた方法が採用される。
【0092】
S5…企業IDの中から企業選択
参照年間排出二酸化炭素ガス量データを参照して企業IDの中から企業を選択
S6…森林所有者IDの中から森林所有者選択
管理者自身の処理で、もしくは予め設定されたルールに基づいて環境排出二酸化炭素ガスデータ処理装置101による自動処理で、企業側端末別の年間排出二酸化炭素ガス量データをゼロもしくはマイナスにする年間二酸化炭素ガス吸収量データを持つ森林所有者を森林所有者IDの中から選択する。ルールは、例えば照年間排出二酸化炭素ガス量データに対応した森林所有者側端末別の年間二酸化炭素ガス吸収量データに比較して所定の範囲に入ること、企業のPR活動に対応して企業あるいは森林所有者互いの相性、希望、例えば地域的希望に沿ってシステム管理者が定めればよい。
【0093】
選択される森林所有者は、複数であってもよい。企業に森林所有者を関連付け、企業情報に森林所有者情報を関連付け、設定する。
【0094】
参照年間排出二酸化炭素ガス量データに対応した森林所有者側端末別の年間二酸化炭素ガス吸収量データに比較されるが、1対1であることが望ましいが、これに限定されず、企業のPR活動に対応して企業あるいは森林所有者互いの相性、希望に沿って選択がなされる。参照年間排出二酸化炭素ガス量データに対応した森林所有者側端末別の年間二酸化炭素ガス吸収量データに比較による互いのカバー率は、双方に通知される。
【0095】
S7…企業情報と森林所有者情報との関連付けによる画面表示情報の取得
次の情報を取得する。
【0096】
・システム管理者端末に表示する情報
・企業側端末に表示する情報
・森林所有者端末に表示する情報
システム管理者端末3で取得された情報は、一対のペア情報とされて企業側端末A1、B1、C1及び森林所有者端末A2、B2、C2にそれぞれ送信される。
【0097】
図10に、一対のペア情報からシステム管理者端末3、企業側端末A1、B1、C1及び森林所有者端末A2、B2、C2にそれぞれ表示される情報が示される。
【0098】
システム管理者端末3に、企業ID別に、あるいは森林所有者ID別に、企業情報と森林所有者情報を関連付けて画面表示される。
【0099】
企業側端末A1、B1、C1に、企業情報に関連付けられた森林所有者情報が画面表示される。
【0100】
森林所有者端末A2、B2、C2に、森林所有者情報に関連付けられた企業情報が画面表示される。
【0101】
企業情報と森林所有者情報を関連付けて画面表示できるようにすることで、企業には、森林を取得しなくても、二酸化炭素ガスの排出が少なるような地域、環境を作り、地球温暖化防止や自社が発生している二酸化炭素について削減に貢献していることを世間にアピールできるメリットが生じる。このメリットは、経済的利益を発生させ、経済的利益は、金銭に換算される。
【0102】
システム管理者Dは、対価に流れ50に示されるように、企業A、B、Cから経済的利益の一部を、双方を斡旋して連携付けたことの役務に対して対価(1)の支払いを受け、対価(1)の中から一部を対価(2)として森林所有者A、B、Cに支払う。
【0103】
インターネット情報によれば、2022年におけるCO排出権の取引における平均CO排出権落札価格は、約1.51円/kWhであった。当該システムの運営、管理に当たってCO排出権の取引における平均CO排出権落札価格が参照される。
【0104】
S8…各端末に画面に表示して可視化
可視化されたより具体的な状態の例を図11に示される。
【0105】
システム管理者端末1の記憶手段14には、可視化されたより具体的な状態の例が記録され、統計された状態で保持され、出力手段13を介して必要に応じて外部に取り出され得る。
【0106】
企業、森林所有者及びシステム管理者間の情報の授受が継続される。
【0107】
システム管理者端末によって、当該ネットワークに参画する企業IDごとに当該企業が有する二酸化炭素ガス排出情報を含む企業情報及び当該ネットワークに参画する森林所有者IDごとに当該森林所有者が有する森林に関する森林情報を含む森林所有者情報が取得され、
また、企業別に、企業情報から年間排出二酸化炭素ガス量データが取得されて、企業側端末群の年間排出二酸化炭素ガス量データが演算されて統計され、及び森林所有者別の森林所有者情報及び上述した計算式及び算定方法から、森林所有者別の年間二酸化炭素ガス吸収量データが取得されて、森林所有者側端末群の年間二酸化炭素ガス吸収量データが演算されて統計され、年間排出二酸化炭素ガス量データを年間二酸化炭素ガス吸収量データに比して等価もしくは小さくするデータ処理がされて、参照年間排出二酸化炭素ガス量データが取得され、企業IDごとに年間排出二酸化炭素ガス量データに比して等価もしくは小さくするデータ処理がされて企業IDごとの参照年間排出二酸化炭素ガス量データが設定され、
システム管理者自身の処理で、もしくは予め定めたルールに基づいて自動処理で、企業IDの中から企業を選択することで選択された企業IDが取得され、森林所有者IDの中から森林所有者を選択することで森林所有者IDが取得され、選択した企業IDに選択した森林所有者IDが関連付けられて、参照年間排出二酸化炭素ガス量データを持つ企業と企業情報になる画面情報及び年間二酸化炭素ガス吸収量データを持つ森林所有者と森林情報になる画面情報が取得され、
システム管理者端末の画面表示手段によって、画面に、設定された当該企業及び当該森林所有者の関連付けから、当該企業に関連付けられた企業情報及び当該森林所有者に関連付けられた森林所有者情報が表示され、
出力手段によって、企業ID別に、あるいは森林所有者ID別に、設定された企業及び森林所有者の関連付けから、当該企業に関連付けられた企業情報及び当該森林所有者に関連付けられた森林所有者情報が企業端末及び森林所有者端末に出力されること
を特徴とする環境排出二酸化炭素ガスデータ処理装置による環境排出二酸化炭素ガスデータ処理方法が形成される。
【0108】
図11は、図9に示すステップで企業側端末及び森林所有者側端末の画面に表示される画面内容を示す図である。
【0109】
表示される2つの画像は、静止画であってもよいし動画であってもよい。
【0110】
システム管理者端末画面表示:企業情報と森林所有者情報を関連付けが、2つの画像情報と共に画面上に表示され、可視化される。
【0111】
企業側端末画面表示:企業情報に関連付けられた森林所有者情報が、森林画像情報と共に画面上に表示され、可視化される。森林画像と企業画像が一対のペア画像として表示されてもよい。
【0112】
森林所有者側端末画面表示:森林所有者情報企業情報に関連付けられた企業情報が、企業画像情報と共に画面上に表示され、可視化される。企業画像と森林画像が一対のペア画像として表示されてもよい。
【0113】
上述の画像表示で、表示される企業情報には当該企業が販売する製品(商品を含む)について、その製造に要する二酸化炭素の排出量を計算して、当該製品画像と森林画像とをペア方法として画像表示して、当該製品についてのPR画像としてもよい。
【0114】
可視化することで、企業側の人達は、当該企業全体から、もしくはその二酸化炭素排出源、例えば工場から排出される二酸化炭素量と同等の二酸化炭素を吸収する森林を画面上で確認でき、二酸化炭素について削減貢献のためのインセンテイブが持つことが期待される。また、森林所有者側の人達は、関連した企業の二酸化炭素排出に貢献していること直接的に確認でき、森林の保守し、植林するためのインセンテイブが持つことが期待される。
【符号の説明】
【0115】
100…環境排出二酸化炭素ガスデータ処理のためのネットワーク、101…環境排出二酸化炭素ガスデータ処理装置、1…企業側端末群、2…森林所有者側端末群、3…事業体、すなわちシステム管理者のシステム管理者端末、4…ネットワーク通信手段、11…森林所有者情報を取得する機能、12…演算処理手段、13…出力手段、14…記憶手段(データベース)、15…画面表示手段、21、23…募集と応募、22、24…募集画面及び応募画面、50…対価に流れ。
【要約】      (修正有)
【課題】企業が森林を取得しなくても、二酸化炭素ガスの排出が少なる地域、環境を作り、地球温暖化防止や企業が発生している二酸化炭素について削減に貢献していることを世間にアピールする。
【解決手段】方法は、企業別に、企業情報から年間排出二酸化炭素ガス量データを取得し、森林所有者別の年間二酸化炭素ガス吸収量データを取得し、年間排出二酸化炭素ガス量データを年間二酸化炭素ガス吸収量データに比して等価もしくは小さくするデータ処理をして、企業ID毎の参照年間排出二酸化炭素ガス量データを設定し、参照年間排出二酸化炭素ガス量データを持つ企業と企業情報になる画面情報及び年間二酸化炭素ガス吸収量データを持つ森林所有者と森林情報になる画面情報を取得し、画面に、設定された当該企業及び当該森林所有者の関連付けから、当該企業に関連付けられた企業情報及び当該森林所有者に関連付けられた森林所有者情報を表示する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12