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  • 特許-折畳式ハンガー 図1a
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  • 特許-折畳式ハンガー 図3a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】折畳式ハンガー
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/40 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
A47G25/40 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023504217
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 SK2020050017
(87)【国際公開番号】W WO2022071895
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523022354
【氏名又は名称】ジェイクス,ボリス
【氏名又は名称原語表記】JAKES, Boris
【住所又は居所原語表記】Michalska 16, 811 01 Bratislava Slovakia
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】ジェイクス,ボリス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイクス,ズデニェク
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04524890(US,A)
【文献】スペイン国特許出願公開第2755850(ES,A1)
【文献】英国特許出願公開第02335354(GB,A)
【文献】実開昭51-073230(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊下げ要素(3)が設けられた本体部(2)と、本体部(2)に固定された一つの固定アーム(4)と、本体部(2)に回動可能に取り付けられた一つの可動アーム(5)とを備えた折畳式ハンガー(1)において、
前記本体部(2)が、さらに、
・スパイク(6)、
・ユーザによって動作するよう適合された阻止ピン(7)であって、前記スパイク(6)に沿った阻止ピン(7)の摺動動作を確実にもたらし、スパイク(6)から前記阻止ピン(7)を押し出す継続的な力を生み出すように摺動可能かつ伸縮可能であるようにスパイク(6)に設けられた阻止ピン(7)であって、摺動ブロックガイド(8)の阻止溝(8.3)内に篏合するよう適合されたレリーフ(7.2)を、その底部分に有するシャンク(7.1)で構成された阻止ピン(7)、及び
・ユーザによって動作するよう適合され、本体部(2)に移動可能に位置決めされた摺動ブロックガイド(8)
を備え、
前記摺動ブロックガイド(8)が、開位置と閉位置との間で移動するよう適合され、かつ、
前記摺動ブロックガイド(8)が、
・阻止ピン(7)のシャンク(7.1)を収容するガイドスロット(8.1)と、
・ガイドスロット(8.1)の全長に沿って形成され、阻止ピン(7)のレリーフ(7.2)の自由な動きを可能にする空間(8.2)と、
・ガイドスロット(8.1)の閉鎖端部に形成され、阻止ピン(7)のレリーフ(7.2)を収容するよう適合された阻止溝(8.3)と、
・摺動ブロックガイド(8)を、その開位置に向けて摺動させる継続的な力を生み出すように適合された予め応力がかけられた可撓性要素(8.4)と、
・可動アーム(5)の歯車歯(5.1)と協働するよう適合された摺動ブロックガイド歯車歯(8.5)と
を備え、
前記歯車歯(5.1)が、前記可動アーム(5)の近位端に設けられ、摺動ブロックガイド歯車歯(8.5)と協働するよう適合され、
前記摺動ブロックガイド(8)が、
・阻止ピン(7)のレリーフ(7.2)が、摺動ブロックガイド(8)の阻止溝(8.3)に落ち込み、可動アーム(5)が、固定アーム(4)に対して対称的に配置される標準位置を採る閉位置と、
・阻止ピン(7)がガイドスロット(8.1)の入口に位置し、阻止ピン(7)のレリーフ(7.2)が阻止溝(8.3)から出て、摺動ブロックガイド(8)が使用者による動作のためにアクセス可能になる位置まで動かされることになるレリーフの自由移動を可能にするために空間(8.2)内に位置し、かつ、可動アーム(5)が標準位置から、摺動ブロックガイド(8)の該位置まで動かされる開位置と
の間で移動するよう適合されている
ことを特徴とする折畳式ハンガー。
【請求項2】
固定アーム(4)が、本体部(2)と一体に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の折畳式ハンガー。
【請求項3】
可撓性要素(8.4)が、摺動ブロックガイド(8)と一体に形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の折畳式ハンガー。
【請求項4】
可撓性要素(8.4)が、鋼製又はプラスチック製バネ、押しバネ又は牽引紐である
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【請求項5】
本体部(2)にカバー(2.1)が設けられている
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【請求項6】
摺動ブロックガイド(8)が、側壁(8,6)を備え、
摺動ブロックガイド(8)が閉位置にある場合おいては、摺動ブロックガイド(8)の側壁(8,6)が本体部(2)及び/又はカバー(2.1)と整列し、摺動ブロックガイド(8)が開位置にある場合おいては、摺動ブロックガイド(8)が、本体(2)から部分的に突出し、ユーザが摺動ブロックガイド(8)を操作可能にするように、側壁(8,6)は本体部(2)に配置されている
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【請求項7】
固定アーム(4)及び可動アーム(5)が、摺動ブロックガイド(8)の開位置において相互係合に適した形状を有する
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【請求項8】
摺動ブロックガイド歯車歯(8.5)が円弧形状である
ことを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【請求項9】
可動アーム(5)の歯車歯(5.1)が円弧形状である
ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【請求項10】
カバー(2.1)を備えた本体部(2)が、摺動ブロックガイド(8)の閉位置において、円筒状状、ブロック状又は平坦ブロック状の形状を有する
ことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【請求項11】
阻止ピン(7)に、ユーザによって操作されるヘッドが設けられ、
前記ヘッドが、本体部(2)又はカバー表面と整列するか、又は、阻止ピン(7)のための開口(2.2)から延びるか、又は、本体部(2)に僅かに沈んでいるが、ユーザの指でアクセス可能であるように配置されている
ことを特徴とする請求項1~10の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【請求項12】
摺動ブロックガイド(8)のガイドスロット(8.1)が円弧形状である
ことを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【請求項13】
摺動ブロックガイド(8)が本体部(2)に回動可能に配置されている
ことを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【請求項14】
摺動ブロックガイド(8)が、本体部(2)に摺動可能に配置されている
ことを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載の折畳式ハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服用の折畳式ハンガーに関するもので、家庭における衣服の収納、並びに繊維及びファッション産業や貿易ネットワーク等におけるそのような特徴の製品の収納に用いられる道具の分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
国際特許公開W02020/122703A1に開示された折畳式衣類用ハンガーは、バーやコートスタンドに掛けるためのフックと、一対のアームとを備え、各アームが近位端を有するものである。第1アームはフックの一端から延び、一方、第2アームは両アームの近位端の位置で第1アームに回動可能にヒンジ止めされている。フックと第2アーム(4)には、それぞれ対応する一対の雌雌連結要素が配置され、ハンガーの使用時に第2アームをフックに着脱自在に係合させることができる。このハンガーの欠点は、第2アームが垂直下方に垂れ下がったままになり、ハンガーを衣服の首開口部に挿入するのに邪魔になることにある。
【0003】
米国特許公開US2440637Aによる衣服ハンガーは、隣接する底部分の位置でヒンジ結合された、実質的に平坦な材料から成る一対の肩部片と、平坦ハンドル部とを有し、前記平坦ハンドル部が、内側に湾曲した側面を有し、前記肩部片から上方に突出し、通常は互いに接して、前記肩部片の実質的に水平位置から上方の揺動を制限し、それにより、片手の2本の指を前記内側に湾曲した側面に対して係合させて、肩部片を下方、次に上方に揺動できるようにしている。前記衣服ハンガーは、さらに、前記ハンドル部分の一方に設けられた突起と、他方のハンドル部分に設けられ、前記突起に係合して前記ハンドル部分をラッチした状態に保持する板バネとを備え、前記板バネは、前記ハンドル部分の表面から突出する側部を有し、それにより、前記ハンドル部分のラッチを外すために前記手の別の指によって前記板バネを手動で係合させて屈曲させることができるようにされている。
【0004】
前記従来の衣服ハンガーには、衣服を吊るす際に、常にハンドルバネ力に打ち勝つ必要があり、疲労が大きいという欠点がある。
【0005】
本発明の目的は、上記のような欠点を取り除き、使用者が簡単かつ便利に素早く使用できるハンガーを提供することにある。
【発明の概要】
【0006】
本発明による折畳式ハンガーは、スムーズに開閉することができ、かつ、吊り下げ要素を有する本体部と、前記本体部に固定された一つの固定アームと、前記本体部に回動可能に取り付けられた一つの可動アームとを備え、それにより、前記欠点は相当に改善される。
【0007】
前記本体部はさらに、スパイクと、ユーザによる操作に適合した阻止ピンとを備え、前記阻止ピンは、(例えば、バネを介して)スパイク上に柔軟性を持って摺動可能に設けられ、スパイクに沿った阻止ピンの摺動可能な移動を確保し、かつ、阻止ピンをスパイクから押し出す継続的な力を生み出すように構成されている。前記阻止ピンは、その底部分にレリーフを有するシャンクを備え、前記レリーフは、摺動ブロックガイドの阻止溝内に嵌るよう適合されている。前記本体部は、さらに、ユーザによる操作に適合された摺動ブロックガイドを備え、該摺動ブロックガイドは本体部に移動可能に配置されている。前記摺動ブロックガイドは、開位置と閉位置との間で移動するよう適合され、前記阻止ピンのシャンクを収容するガイドスロットと、前記阻止ピンのレリーフの自由動作のための空間であって、前記ガイドスロットの全長に沿って形成された空間と、阻止ピンのレリーフを収容するよう適合された阻止溝であって、前記ガイドスロットの閉鎖端部に形成された阻止溝と、摺動ブロックガイドを開位置に押圧する継続的な押圧力を形成するために予め応力がかけられた可撓性要素と、可動アームの歯車歯と協働するよう適合された摺動ブロックガイド歯車歯とを備えている。前記可動アームには、その近位端に歯車歯が設けられ、好ましくは、部分的に円弧状の歯車歯が設けられ、前記歯車歯は、摺動ブロックガイドの歯車歯と協働するよう適合されている。
【0008】
摺動ガイドブロックは、
・阻止ピンのレリーフが、摺動ブロックガイドの阻止溝でロックされ、可動アームが、標準位置、即ち、固定アームに対して対称的に配置される位置を採る閉位置と、
・阻止ピンがガイドスロットの入口に位置し、阻止ピンのレリーフが阻止溝から出て、自由動作のための空間に入り、可動アームが標準位置からそらされる開位置と
の間で移動するよう適合されている。
【0009】
一実施形態によれば、本発明による折畳式ハンガーは、本体部と一体に形成され得る固定アームを有する。
【0010】
別の実施形態によれば、可撓性要素は、摺動ブロックガイドと一体部材であってもよく、また、摺動ブロック部材に取り付けられてもよい。可撓性要素は、鋼製又はプラスチック製バネ、押しバネ若しくは牽引紐又は、例えば、可撓性ゴム要素等の他の形態のサスペンションであり得る。摺動ブロックガイドの可撓性要素は、摺動ガイドブロックをその開位置に押圧するよう、引っ張るよう、又は摺動させるよう継続的な押圧力又は牽引力を生み出すために予め応力がかけられている。可撓性要素に予めかけられる応力は、可撓性要素が変形して、反力が生じるような方法で、可撓性要素を本体部、カバー又はハンガーの本体部に形成された支持要素に可撓性要素を押圧する(付勢する)ことによって生じ得る。
【0011】
一つの好ましい実施形態によれば、本体部には、少なくとも部分的にカバーが設けられ得る。前記カバーは、阻止ピン用の開口を有する。
【0012】
摺動ブロックガイドは、その開位置において、ハンガーを操作するためにユーザの指又は掌がアクセス可能になるような方法で本体部内に配置される。開位置において、摺動ブロックガイドは、本体部から延びるか、本体部と整列されるか、又は本体部内に僅かに沈むがユーザの指でアクセス可能にされ得る。
【0013】
好ましい実施形態によれば、摺動ブロックガイドは側壁を有する。また、摺動ブロックガイドは、閉位置において、摺動ブロックガイドの側壁がカバー及び/又は本体部表面と整列し、かつ、その開位置において、ユーザのハンガー操作を可能にするために摺動ブロックガイドが本体部から部分的に突出するような方法で、本体部に配置されている。
【0014】
別の好ましい実施形態によれば、第一及び第二アームは、摺動ブロックガイドが開位置にある時に相互係合するよう適合された形状を有し得る。
【0015】
好ましい実施形態によれば、阻止ピンは、ユーザによって操作するよう適合されたヘッドを有し得る。前記阻止ピンのヘッドは、開口を介してカバー/本体部から延びることができ、また、本体部又はカバー表面と整列することができ、また、本体に僅かに沈むがユーザの指でアクセス可能にされることができる。
【0016】
摺動ブロックガイドは、例えば、ピンで吊り下げて本体部内に回動可能に配置してもよく、又は、例えば、溝内で摺動可能に配置してもよい。摺動ブロックガイドが回動可能に構成されている場合、摺動ブロックガイドの阻止溝と歯車歯とは、両方共、好ましくは、円弧状の形状である。摺動ブロックガイドが摺動可能に構成されている場合、摺動ブロックガイドの阻止溝と歯車歯とは、両方共、好ましくは、直線形状である。
【0017】
本発明による折畳ハンガーの利点は、阻止ピンを押すだけで、可動アームを標準位置から折畳位置に回動させ、好ましくは、固定アームが可動アームと整列するようにし、かつ、ハンガーに衣服を掛けている間に、力を加えるか又は阻止ピンを保持する必要なく、可動アームをその位置で固定することができることにある。可動アームは、その安定した位置(固定アームの下の位置)にあるため、衣服の首開口部を変形させることなく、衣服をハンガーに簡単にかつシンプルに通すことができる。同様に、(突出した)摺動ブロックガイドを本体部の内側に押圧することで、可動アームは、その標準位置に回転して戻り、固定される。
【0018】
可動アームは、その標準位置から折り曲げられると、その折畳位置にくる。好ましくは、可動アームは、10°~180°の範囲で、より好ましくは、70°、80°又は90°で折り曲げられ得、最も好ましくは、可動アームは、固定アームに整列され、即ち、固定アームに対して並行又は殆ど並行にされ得る。
【0019】
ユーザが阻止ピンを押すと、阻止ピンのレリーフが阻止溝から解放され、予め応力がかけられた摺動ブロックガイドが、その閉位置から開位置に回転する一方で、阻止ピンのシャンクが、摺動ブロックガイドのガイドスロットから出て、摺動ブロックガイドが、それがユーザ操作のためにアクセス可能になるように回転する。摺動ブロックガイドは、本体部表面から部分的に突出してもよく、本体表面と整列してもよく、また、本体内に僅かに沈んでもよい。予め応力がかけられた摺動ブロックガイドを、摺動ブロックガイドの歯車歯と可動アームの歯車歯とによって形成されたギヤ群を介して部分的に回動させることで、この動きは、可動アームに伝達され、可動アームが所定の角度で回動する。好ましい実施形態では、可動アームは、それが固定アームと並行又は殆ど並行になる位置まで回動される。
【0020】
使用者が摺動ブロックガイドを本体部の内側に押し込むと、摺動ブロックガイドの可撓性要素が変形して予め応力がかけられた位置を採り、摺動ブロックガイドは、その開位置からその閉位置に部分的に回動され、その結果、可動アームは上記したギヤ群によって標準位置に戻され、標準位置に固定される。部分的な回動によって、予め応力がかけられた阻止ピンのレリーフが摺動ブロックガイドの阻止溝に係合するまで、阻止ピンのシャンクは、摺動ブロックガイドのガイドスロット内で動かされ、前記係合の結果、摺動ブロックガイドがその閉位置に固定され、従って、可動アームもその標準位置に固定される。この摺動ブロックガイドの閉位置は、阻止ピンを押すことによって解除される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1a】摺動ブロックガイドを備えたハンガーを示しており、この図では摺動ガイドブロックは閉位置にあり、可撓性要素には予め応力がかけられている。
図1b】カバーを示す図である。
図2】摺動ガイドブロックが開位置にあるハンガーを示している。
図3a】摺動ブロックガイドの一実施例の正面図である。
図3b】摺動ブロックガイドの一実施例の側面図である。
図4】吊下げ要素及び固定アームを備えたハンガー本体部を示している。
図5】阻止ピンを示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面に示された幾つかの実施例を参照して、本発明に係る折畳式ハンガーについて説明していく。
【実施例1】
【0023】
図1aに示すように、折畳式ハンガー1は、平坦本体部2を有し、該本体部2は、二つの側壁を有する底部を備えている。前記本体部2は、阻止ピン用の開口2.2が設けられたカバー2.1を有する(図1b)。さらに、本体部2は、吊下げ要素3を備え、該吊下げ要素3は、前記本体部2の一方の側壁に一体的に接続されたフックの形態である。本体部2は、その底部分の位置に、固定アーム4及び可動アーム5を備え、これらは標準位置に配置されている。前記本体部2の底部分の位置にはピンが設けられており、前記ピンは、そのほぼ右上角部の位置で、回動可能な摺動ブロックガイド8を支持している。摺動ブロックガイド8は、図3A及び図3bにも示されており、該摺動ブロックガイド8は、側壁8.6と、アーチ形状のガイドスロット8.1とを備えている。前記摺動ブロックガイド8の一方側の位置において、前記ガイドスロット8.1の周囲に空間8.2が形成されており、かつ、前記空間8.2側からガイドスロット8.1の端部に環状阻止溝8.3が形成されている(図3b参照)。摺動ブロックガイド8は、その頂部に、予め応力がかけられた可撓性要素8.4を備え、前記可撓性要素8.4は、この実施例では本体部2の側壁に当たっている。スライドブロック8は、そのアーム4及び5に隣接する側に、円弧状歯車歯が設けられており、前記歯車歯8.5は、ロック位置において、部分的に円形の歯車歯5.1に取り付けられている。このロック位置は、スパイク6に沿った柔軟な移動を可能にする押圧バネ上でスパイク6に設けられた阻止ピンの位置によって固定されている。前記スパイク6の位置は図4に示されている。前記阻止ピン7は図5に示されており、シャンク7.1と、その底部分に設けられたレリーフ7.2とを備えている。
【実施例2】
【0024】
図2に示す折畳式ハンガーは、図1Aに示すハンガーと同じ構成要素を備えているが、可動アーム5の位置、摺動ブロックガイドの位置及び阻止ピン7のレリーフ7.2の位置が異なる。可動アームは、その折り畳まれたロック位置において、固定アーム4と同じ側で、固定アーム4の下方に位置し、従って、折畳式ハンガー1の幅が、約半分に縮小される。この位置は、その首開口部を通して衣服を、ハンガーに簡単に掛けることができるようにする。摺動ブロックガイド8は、その開放位置にあり、部分的に本体部2から延びている。摺動ブロックガイド8の可撓性部材8.4は、本体部2の壁に緩く寄りかかり、摺動ブロックガイドをその開放位置に保持している。阻止ピン7は、ガイドスロット8.1の自由端の位置にあり、阻止ピン7のレリーフ7.2は、摺動ブロックガイド8の阻止溝8.3から解放され、摺動ブロックガイドの空間8.2に位置し、レリーフ7.2が自由に動くことができるようにされている。この位置において、ハンガーは衣服を掛けるための準備がされる。
【実施例3】
【0025】
折畳式ハンガーは、以下のように作用する。
本発明による折畳式ハンガー1に掛けられる衣服は、その首開口部を延ばすことなく掛けられ得る。可動アーム5の位置は、ハンガー1を保持する人の一方の手、その手の一つの指で、その標準位置から折畳位置に変えることが可能である。スパイク6に沿って移動可能なバネに設けられた阻止ピン7を押圧することで、阻止ピンのレリーフ7.2を阻止溝の外に動かし、摺動ブロックガイドは、予め応力がかけられた可撓性要素8.4の効果によって、その一部が本体部2の外に動き、摺動ブロックガイドの開放位置を形成するように部分的に回転する。このようにして、固定スパイク6に設けられた阻止ピン7は、ガイドスロット8.1の自由端まで動き、可動アーム5は、近位端の位置で歯車歯5.1を介して、それが固定アーム4に当たるまで、摺動ブロックガイド8の下端にある歯車歯8.5上を回転する。衣服をハンガーに掛けた後、本体部2の位置で折畳ハンガー1を保持している手で、摺動ブロックガイド8の本体部2の外側に延びている部分を押す。この押圧動作は、摺動ブロックガイド8の可撓性要素8.4に対して作用し、前記可撓性要素は、予め応力がかけられた位置にくるよう本体部2の壁に対して変形され、摺動ブロックガイド全体が本体部2の中に収容され、阻止ピン7のシャンク7.1が、阻止溝8.3が形成されたガイドスロット8.1の端部に来るまで、ガイドスロット8.1が摺動ブロックガイド8と共に移動し、スパイク6上に阻止ピン7が可撓性をもって取り付けられているので、阻止ピン7のレリーフ7.2が阻止溝8.3の中に落ち込む。歯車を介して摺動ブロックガイド8に接続された可動アーム5は、ロックされた標準位置に達するまで回転するよう付勢される。標準位置のロックは、阻止ピン7のレリーフ7.2が、摺動ブロックガイドの阻止溝8.3内に落ち込むことによって達成される。
【符号の説明】
【0026】
1 折畳式ハンガー
2 本体部
2.1 本体カバー
2.2 阻止ピン用開口
3 吊下げ要素
4 固定アーム
5 可動アーム
5.1 可動アームの歯車歯
6 スパイク
7 阻止ピン
7.1 シャンク
7.2 レリーフ
8 摺動ブロックガイド
8.1 ガイドスロット
8.2 レリーフの自由移動用空間
8.3 阻止溝
8.4 可撓性要素
8.5 摺動ブロックガイドの歯車歯
8.6 側壁
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4
図5