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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】電力変換ユニット
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240509BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20240509BHJP
【FI】
H05K7/20 H
H02M7/48 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023523004
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 JP2022024341
【審査請求日】2023-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100207192
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 健一
(72)【発明者】
【氏名】南雲 謙志
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第3462592(EP,A1)
【文献】中国実用新案第206790360(CN,U)
【文献】特開2017-99108(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103401434(CN,A)
【文献】特開2005-348534(JP,A)
【文献】特開2008-103576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部で冷媒の流れを生じさせる流体機械と、
前記筐体の内部での前記冷媒の流通経路の上流側で前記冷媒の流路を形成する放熱部材と、
前記放熱部材の素子配置面で前記放熱部材での前記冷媒の流通方向に交差する方向に沿って並んで配置される複数の第1素子と、
前記流通経路で前記複数の第1素子よりも下流側に配置される複数の第2素子と、
隣り合う前記第2素子同士の間に前記冷媒を流通させるように前記複数の第2素子を支持する筐体と、
を備え、
前記筐体は、
前記複数の第2素子がそれぞれ別々に挿入される挿入孔を有する板状の上部と、
前記複数の第2素子が載置される板状の支持部材と、
を備え、
前記上部における前記挿入孔の間には、前記冷媒が通過する複数の上部開口が形成されており、
前記支持部材の前記第2素子を避けた位置には、前記冷媒が通過する複数の支持部開口が形成されている
電力変換ユニット。
【請求項3】
前記流路から隔てられる領域を形成する仕切り部材と、
前記領域に配置されるとともに、前記複数の第1素子の駆動を制御する基板と、
を備える
請求項1に記載の電力変換ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力変換ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発熱源であるスイッチング素子が実装されるヒートシンクを備える電力変換装置がある。
しかしながら、複数のスイッチング素子が実装されるヒートシンクでは、冷却風の通風路が長くなることによって、冷却風の圧力損失が増大するとともに、通風路に沿った温度勾配が増大することによって、冷却効率が低下する可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2003-45632号公報
【文献】国際公開第2011/001568号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、冷却効率を向上させることができる電力変換ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電力変換ユニットは、筐体と、流体機械と、複数の第1素子と、複数の第2素子と、筐体と、を備える。流体機械は、筐体の内部で冷媒の流れを生じさせる。放熱部材は、筐体の内部での冷媒の流通経路の上流側で冷媒の流路を形成する。複数の第1素子は、放熱部材の素子配置面で放熱部材での冷媒の流通方向に交差する方向に沿って並んで配置される。複数の第2素子は、流通経路で複数の第1素子よりも下流側に配置される。筐体は、隣り合う第2素子同士の間に冷媒を流通させるように複数の第2素子を支持する。筐体は、板状の上部と、板状の支持部材と、を備える。上部は、複数の第2素子がそれぞれ別々に挿入される挿入孔を有する。支持部材は、複数の第2素子が載置される。上部における挿入孔の間には、冷媒が通過する複数の上部開口が形成されている。支持部材の第2素子を避けた位置には、冷媒が通過する複数の支持部開口が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の電力変換ユニットの構成を示す斜視図。
図2】実施形態の電力変換ユニットでの素子ユニット及び駆動ユニットの構成を示す斜視図。
図3】実施形態の電力変換ユニットでのキャパシタユニットの構成を示す斜視図。
図4】実施形態の電力変換ユニットでの冷却風の流れを示す断面図。
図5図4に示す素子ユニット及びキャパシタユニットでの冷却風の流れを示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の電力変換ユニットを、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、実施形態の電力変換ユニット10の構成を示す斜視図である。
以下、3次元空間で互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向は、各軸に平行な方向である。例えば図1に示すように、X軸方向は電力変換ユニット10の左右方向に平行である。Y軸方向は電力変換ユニット10の前後方向に平行である。Z軸方向は電力変換ユニット10の上下方向に平行である。
【0009】
実施形態の電力変換ユニット10は、例えば、電気設備等に備えられる盤である。盤は、電源装置及びモータ駆動装置等を構成する配電盤、分電盤及び制御盤等である。電力変換ユニット10は、例えば、半導体素子、導体、ヒューズ、キャパシタ(コンデンサ)、トランス、開閉器、遮断器及び計測機器等の各種の回路構成要素を備える。
【0010】
図1に示すように、電力変換ユニット10は、例えば、操作部10a及び電力制御部10bを備える。操作部10aは、例えば、電力制御部10bの動作に関する操作者の入力操作を受け付ける。操作部10aは、操作者の入力操作に応じて電力制御部10bの動作を指示する信号を出力する。操作部10aは、例えば、操作ボタン等の入力機器及び液晶ディスプレイ等の表示器を備える。
【0011】
電力制御部10bは、例えば、筐体11と、複数のファン(請求項における流体機械の一例)13と、複数の電力制御ユニット15と、を備える。
筐体11のZ軸方向での上部11aは、複数のファン13を支持する。上部11aに形成された排気口11A(後述の図4参照)は、例えばZ軸方向に沿って各ファン13に臨んで通じている。筐体11のY軸方向での前部11bに形成された複数の吸気口11Bは、例えばY軸方向に沿って適宜の電力制御ユニット15に対向して臨んでいる。各吸気口11Bは、例えば矩形の開口である。
筐体11は、内部に配置される複数の電力制御ユニット15を支持する。
【0012】
複数のファン13は、例えば2つのファン13である。各ファン13は、筐体11の前部11bの各吸気口11Bから筐体11の外部の空気を内部に吸入する。各ファン13は、筐体11の上部11aの排気口11Aから筐体11の内部の空気を外部に排出する。各ファン13は、筐体11の内部を流れる空気により形成される冷却風Fによって複数の電力制御ユニット15を冷却する。
【0013】
複数の電力制御ユニット15は、例えば12個の電力制御ユニット15である。複数の電力制御ユニット15は、例えばZ軸方向に6段及びX軸方向に2列に並んで筐体11の内部に配置されている。複数の電力制御ユニット15のうち、最上段の2列の電力制御ユニット15以外の各々は、例えばY軸方向に沿って筐体11の各吸気口11Bに対向して臨むように配置されている。
各電力制御ユニット15は、例えば、素子ユニット21と、駆動ユニット23と、キャパシタユニット25とを備える。
【0014】
図2は、実施形態の電力変換ユニット10での素子ユニット21及び駆動ユニット23の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、素子ユニット21と駆動ユニット23とは、例えばZ軸方向に沿って積層されるように配置されている。
【0015】
素子ユニット21は、第1ユニット筐体31と、複数の半導体素子(第1素子)33と、ヒートシンク(請求項における放熱部材の一例)35と、を備える。第1ユニット筐体31は、複数の半導体素子(請求項における素子、第1素子の一例)33及びヒートシンク35を内部で支持する。第1ユニット筐体31のY軸方向での前部31a及び後部31bには、例えばY軸方向に沿ってヒートシンク35に臨んで通じる前部開口31A及び後部開口31B(後述する図5参照)が形成されている。
【0016】
複数の半導体素子33は、例えば、ブリッジ接続されることによってブリッジ回路を形成する複数のスイッチング素子及び整流素子等である。スイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はMOSFET(Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)等のトランジスタである。整流素子は、各トランジスタに並列に接続されるダイオードである。
【0017】
複数の半導体素子33は、ヒートシンク35の素子配置面35Aに配置されている。ヒートシンク35の素子配置面35Aは、例えばヒートシンク35のZ軸方向での上部35aの上端面である。複数の半導体素子33は、例えば素子配置面35A上でX軸方向に沿って一列に並んで配置されている。
【0018】
ヒートシンク35の外形は、例えば直方体状である。ヒートシンク35のY軸方向に沿った長さは、例えば素子配置面35Aに配置される各半導体素子33のY軸方向の長さよりも所定長さだけ大きく形成されている。所定長さは、例えば各半導体素子33を素子配置面35Aに固定するために必要な長さ程度等である。
【0019】
ヒートシンク35は、複数のフィン部材35bを備える。各フィン部材35bの外形は、例えばY-Z平面に平行な板状である。複数のフィン部材35bは、上部35aからZ軸方向の下方に向かって延び、後述する駆動ユニット23の仕切り部材37aに接している。複数のフィン部材35bは、X軸方向に沿って所定間隔をあけて並んで配置されている。
ヒートシンク35の複数のフィン部材35bは、筐体11の内部を流れる空気の流路35cを形成する。ヒートシンク35での空気の流通方向は、複数のフィン部材35bによってY-Z平面に平行に設定されている。
【0020】
駆動ユニット23は、第2ユニット筐体37と、基板39とを備える。第2ユニット筐体37は、内部に配置される基板39を支持する。第2ユニット筐体37は、仕切り部材37aを備える。仕切り部材37aは、基板39が配置される第2ユニット筐体37の内部と、ヒートシンク35によって形成される空気の流路35cと、を隔てる。
【0021】
仕切り部材37aの外形は、例えばX-Y平面に平行な板状である。仕切り部材37aは、ヒートシンク35での流路35cを流れる空気(冷却風F)が第2ユニット筐体37の内部に流れ込むことを禁止する。
基板39は、例えば複数の半導体素子33のうちのスイッチング素子等を駆動制御する駆動基板等を備える。
【0022】
図3は、実施形態の電力変換ユニット10でのキャパシタユニット25の構成を示す斜視図である。
キャパシタユニット25は、例えば素子ユニット21及び駆動ユニット23とは分離された状態でY軸方向に沿って素子ユニット21及び駆動ユニット23に隣接するように配置されている。
図3に示すように、キャパシタユニット25は、第3ユニット筐体(請求項における支持部材の一例)41と、複数のキャパシタ(コンデンサ:請求項における素子、第2素子の一例)43と、を備える。第3ユニット筐体41は、内部に配置される複数のキャパシタ43を支持する。
【0023】
第3ユニット筐体41は、例えば、X軸方向での左側部41a及び右側部41bと、Z軸方向での上部41c及び下部41dと、上部41cと下部41dとの間の支持部材41eと、を備える。
左側部41a及び右側部41bの各々の外形は、例えばY-Z平面に平行な板状である。左側部41a及び右側部41bの各々には、空気(冷却風F)が通り抜けるための複数の側部開口(請求項における貫通孔の一例)45aが形成されている。各側部開口45aは、例えば円形状に貫通する開口である。
【0024】
上部41c、下部41d及び支持部材41eの各々の外形は、例えばX-Y平面に平行な板状である。上部41cには、複数のキャパシタ43が挿入される複数の挿入孔45b及び空気(冷却風F)が通り抜けるための複数の上部開口(請求項における貫通孔の一例)45c(後述する図5参照)が形成されている。各上部開口45cは、例えば円形状に貫通する開口である。
【0025】
下部41dには、空気(冷却風F)が通り抜けるための複数の下部開口(請求項における貫通孔の一例)45dが形成されている。各下部開口45dは、例えば角丸長方形状に貫通する開口である。
複数のキャパシタ43が配置される支持部材41eには、空気(冷却風F)が通り抜けるための複数の支持部開口45e(後述する図5参照、請求項における貫通孔の一例)が形成されている。各支持部開口45eは、例えば円形状に貫通する開口である。
【0026】
Z軸方向に沿って所定間隔をあけて配置されている上部41cと支持部材41eとの間には、Y軸方向に沿って空気(冷却風F)が通り抜けるための一対の対向する開口45fが形成されている。各開口45fは、例えば長方形状の開口である。
【0027】
Z軸方向に沿って所定間隔をあけて配置されている下部41dと支持部材41eとの間のうち、Y軸方向での前部41fには空気(冷却風F)が通り抜けるための開口45gが形成されている。開口45gは、例えば台形状の開口である。
下部41dと支持部材41eとの間のうち、Y軸方向での後部41gには空気(冷却風F)が通り抜けるための複数の開口45hが形成されている。複数の開口45hは、例えば円形状に貫通する開口である。
【0028】
各キャパシタ43は、例えば複数の半導体素子33のうちのスイッチング素子のオン及びオフの切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化するキャパシタ等を備える。
【0029】
図4は、実施形態の電力変換ユニット10での冷却風Fの流れを示す断面図である。図5は、図4に示す素子ユニット21及びキャパシタユニット25での冷却風Fの流れを示す拡大断面図である。
図4及び図5に示すように、複数のファン13の駆動によって、筐体11の外部の空気は複数の吸気口11Bを介して筐体11の内部に吸い込まれる。筐体11の内部を通過した空気は各排気口11A及び各ファン13を介して筐体11の外部に排出される。筐体11の内部を通過する空気は、各吸気口11Bから各排気口11Aに至る流通経路で冷却風Fとして作用することによって複数の電力制御ユニット15を冷却する。
【0030】
先ず、各吸気口11Bから筐体11の内部に吸い込まれる冷却風Fは、Y軸方向に沿って各電力制御ユニット15の素子ユニット21及び駆動ユニット23に向かって流れる。
各電力制御ユニット15に到達した冷却風Fは、素子ユニット21の第1ユニット筐体31の前部開口31Aからヒートシンク35に向かって流れる。ヒートシンク35によって形成された流路35cを通過する冷却風Fはヒートシンク35に配置された複数の半導体素子33を冷却する。
【0031】
ヒートシンク35及び第1ユニット筐体31の後部開口31Bを通過した冷却風Fは、キャパシタユニット25の第3ユニット筐体41の内部を流れる。第3ユニット筐体41の内部のうち、上部41cと支持部材41eとの間を流れる冷却風Fは、複数のキャパシタ43同士の間を流れることによって各キャパシタ43を冷却する。
第3ユニット筐体41の内部を通過した冷却風Fは、各排気口11A及び各ファン13に向かって流れ、筐体11の外部に排出される。
【0032】
キャパシタユニット25では、Y軸方向での一対の開口45f、開口45g及び複数の開口45hに加えて、X軸方向及びZ軸方向の各々での複数の側部開口45a、複数の上部開口45c、複数の下部開口45d及び複数の支持部開口45eを冷却風Fが通過する。Z軸方向に並んで配置される複数のキャパシタユニット25は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に沿って内部を通過する冷却風Fに対して、いわゆる風洞として機能する。
【0033】
このように、上述の電力変換ユニット10は、冷却風Fの流通方向に直交する方向に沿って一列に並んで配置される複数の半導体素子33を備える。このため、ヒートシンク35による冷却効率を向上させることができる。例えば、複数の半導体素子33が冷却風Fの流通方向に沿って複数列に並んで配置される場合等に比べて、各半導体素子33を積極的に冷却することができるとともに、冷却風Fの流通方向でのヒートシンク35の長さを小さくすることができる。
【0034】
例えば冷却風Fの流通方向に沿って複数の半導体素子33が並ぶ場合等のように、上流側の半導体素子33が下流側の半導体素子33に熱的に作用すること及び上流側の半導体素子33と下流側の半導体素子33との温度の不均一性が生じることを防ぐことができる。
ヒートシンク35での冷却風Fの流通経路が長くなることを抑制することによって、ヒートシンク35の温度勾配の増大を抑制することができるとともに、冷却風Fの圧力損失の増大を抑制することができる。冷却風Fの圧力損失を低減することによって、冷却風Fの風速を増大させ、複数の半導体素子33及び複数のキャパシタ43の冷却効率を向上させることができる。冷却風Fの流通方向でのヒートシンク35の長さが小さくなること、及び、冷却風Fの圧力損失が低減されることによって、冷却風Fの下流側に配置される他の電機機器の冷却効率を向上させることができる。
【0035】
上述の電力変換ユニット10は、冷却風Fの流通方向の上流側に配置されるヒートシンク35を備える。このため、ヒートシンク35に配置される複数の半導体素子33を積極的に冷却することができる。例えば相対的に発熱が大きい半導体素子33を他の回路要素よりも冷却風Fの流通方向の下流側に配置する場合等に比べて、複数の半導体素子33を効率よく冷却することができる。
【0036】
上述の電力変換ユニット10は、複数の側部開口45a、複数の上部開口45c、複数の下部開口45d及び複数の支持部開口45eが形成された第3ユニット筐体41を備える。このため、冷却風Fが第3ユニット筐体41の内部を通過することを促すことができる。複数の第3ユニット筐体41を風洞として機能させることによって、筐体11の内部での圧力損失の増大を抑制することができる。
【0037】
筐体11の内部に冷却風Fの通風路を別途に設ける必要が生じることを防ぎ、筐体11が大型になることを防ぐことができる。筐体11の内部の圧力損失を低減することによって、筐体11の内部での冷却風Fによる冷却能力を向上させ、筐体11の内部の容量を増大させることができる。冷却風Fの冷却能力の増大により、各ファン13の消費電力の増大を抑制し、各ファン13を小型化することができる。
【0038】
上述の電力変換ユニット10は、第2ユニット筐体37の内部と、ヒートシンク35によって形成される空気の流路35cと、を隔てる仕切り部材37aを備える。このため、ヒートシンク35の排熱が第2ユニット筐体37の内部の基板39に熱的に作用することを抑制することができる。
素子ユニット21及び駆動ユニット23と、キャパシタユニット25とは分離されることによって、保守容易性を向上させることができる。
【0039】
以下、変形例について説明する。
上述した実施形態では、素子ユニット21と、駆動ユニット23と、キャパシタユニット25とは、互いに分離されてもよいし、適宜の組み合わせで一体的に形成されてもよい。
【0040】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷却風Fの流通方向に直交する方向に沿って一列に並んで配置される複数の半導体素子33を備えることにより、ヒートシンク35による冷却効率を向上させることができる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0042】
10…電力変換ユニット、11…筐体、13…ファン(流体機械)、15…電力制御ユニット、21…素子ユニット、23…駆動ユニット、25…キャパシタユニット、31…第1ユニット筐体、33…半導体素子(素子、第1素子)、35…ヒートシンク(放熱部材)、35A…素子配置面、35c…流路、37…第2ユニット筐体、37a…仕切り部材、39…基板、41…第3ユニット筐体(支持部材)、43…キャパシタ(コンデンサ、素子、第2素子)、45a…側部開口(貫通孔)、45c…上部開口(貫通孔)、45d…下部開口(貫通孔)、45e…支持部開口(貫通孔)
【要約】
電力変換ユニットは、筐体と、複数のファンと、ヒートシンクと、複数の半導体素子とを備える。ファンは、筐体の内部で空気の流れを生じさせる。ヒートシンクは、筐体の内部での空気の流通経路の上流側で空気の流路を形成する。複数の半導体素子は、ヒートシンクの素子配置面でヒートシンクでの空気の流通方向に交差する方向に沿って並んで配置される。
図1
図2
図3
図4
図5