(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】金属粉末ジェットのための分析システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B22F 10/80 20210101AFI20240510BHJP
B22F 12/90 20210101ALI20240510BHJP
B22F 12/53 20210101ALI20240510BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240510BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240510BHJP
【FI】
B22F10/80
B22F12/90
B22F12/53
B33Y30/00
B33Y50/02
(21)【出願番号】P 2021517533
(86)(22)【出願日】2019-05-23
(86)【国際出願番号】 FR2019051182
(87)【国際公開番号】W WO2019229334
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-05-18
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517160927
【氏名又は名称】アッドアップ
(73)【特許権者】
【識別番号】520467039
【氏名又は名称】イペラ レーザー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】フレチャード ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】シェール フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ボワシェリール フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】ボワシェリール ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール エリック
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-074018(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01950001(EP,A1)
【文献】特開2006-170931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 10/00、12/00
B33Y 30/00
B33Y 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造機の粉末ジェットのための分析システム(310)であって、前記粉末ジェット(21)は、粉末およびガスを含み、前記分析システム(310)は、分離装置(
312)を含み、前記分離装置(
312)は、
-分離要素(326、327)を含み、該分離要素(326、327)は、シリンダを構成する円形横方向壁(328)、および、該分離要素(326、327)を、前記シリンダの対称軸線に対して対称なn個の等しい部分に分離するのに適した少なくとも1つの分離壁(330)を含み、前記分離要素(326、327)は、初期粉末ジェット(21)を粉末ジェットのn個の部分に分離するために、前記少なくとも1つの分離壁(330)上で、初期粉末ジェット(21)を前記分離要素(326、327)の中心に受け入れるのに適しており、
-粉末ジェットの各部分中の粉末の量を検出するための手段を含む、分析システム(310)。
【請求項2】
粉末ジェットの各部分中の粉末の量を検出するための前記手段は、
-粉末ジェットの各部分中の粉末からガスを分離するための膨張室(332)と、
-粉末ジェットの各部分の粉末を貯蔵するための貯蔵室(340)と、
-前記少なくとも1つの分離壁(330)と、を含み、前記円形横方向壁(328)および前記膨張室(
332)は、粉末ジェットの各部分を前記貯蔵室(340)に案内するためのn個の導管を形成し、前記貯蔵室(340)は、各導管から来る粉末の量を分離して収容するのに適している、請求項1に記載の分析システム(310)。
【請求項3】
前記貯蔵室(340)は、各導管のための貯蔵管(342)を備え、各貯蔵管(342)は、前記導管を閉鎖するための弁(344)に接続されている、請求項2に記載の分析システム(310)。
【請求項4】
前記弁(344)を開放することを可能にするための開放装置(314)を含む、請求項3に記載の分析システム(310)。
【請求項5】
前記開放装置(314)は、n個の調節可能なカム(315)を含む、請求項4に記載の分析システム(310)。
【請求項6】
前記膨張室(332)は、ガスが逃げることを可能にするための周方向シケインを含む、請求項2~5のいずれか1項に記載の分析システム(310)。
【請求項7】
前記膨張室(332)は、円筒形端を有し、前記貯蔵室(340)は、線形端を有する、請求項2~6のいずれか1項に記載の分析システム(310)。
【請求項8】
各導管から来る粉末の量を計量するのに適した計量装置(316)を含む、請求項2~7のいずれか1項に記載の分析システム(310)。
【請求項9】
前記計量装置上の粉末の量を吸引するための吸引装置(348)を含む、請求項8に記載の分析システム(310)。
【請求項10】
前記分離装置(312)は、ステレオリソグラフィによって製造される、請求項1~9のいずれか1項に記載の分析システム(310)。
【請求項11】
粉末ジェットが、請求項1~10のいずれか1項に記載の分析システム(310)上で付加製造機のノズル(10)から放出される、粉末ジェットのための分析方法であって、
-粉末およびガスを含む粉末ジェットを放出するステップと、
-前記分離要素(326、327)の前記少なくとも1つの分離壁(330)によって粉末ジェット(21)を粉末ジェットのn個の部分に分離するステップと、
-粉末ジェットの各部分中の粉末の量を検出するステップと、を含む分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加製造の分野に関し、さらに詳しくは、金属粉末ジェットのための分析システムおよび分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
今日、付加製造は、産業生産技術として考えられている。これに関して、付加製造は、多くを要求する分野に属する、宇宙または医学部門のような多くの産業分野で使用されている。かくして、最終顧客のために大変高品質の部品を生産することが必要である。その結果、製造方法のいかなる変遷も、急速に認識されなければならない。加えて、最終顧客は、製造方法の追跡可能性を確保することを可能にする部品の製造履歴にしばしば関心を有する。
【0003】
従来技術では、集中されたエネルギーの下で材料を堆積させるための方法は、固い基板上に溶融状態の金属粉末を堆積させる原理に基づいている。
【0004】
実際、初期の原理は、典型的には45~90μmのオーダーの所定の粒径を有する固体形態の金属粉末を送るためのツールを使用することにある。レーザビームを横断するときに、粉末は、加熱されて、溶け、層を形成するために、直ちに溶融状態で基板に達する。ツールは移動され、かくして、基板上で金属ビーズを形成することが可能である。次に、層は、体積部品を形成するように積み重ねられる。金属粉末は、この方法によって付加製造を使用して実行されるすべての構築の基礎であり、その結果、粉末ジェット、および、そのシェーピングを可能にするツール、すなわち、ノズルの適正な管理は、不可欠である。
【0005】
大変微細な粒径の粉末が、輸送ガス(キャリヤガスと呼ばれる)、および、金属粉末の粒子で構成されるジェットの形態で送られる。このジェットは、粉末をレーザビームまで運ぶことを可能にする。ガスの流量はリットル/秒で表現され、粉末の流量はグラム/秒で表現される。
【0006】
粉末ジェットは、粉末分配器から到来し、管内で、レーザビームになるべく近い堆積ツールまで移動し、レーザビーム中に射出される。金属粉末は、ノズルから数ミリメートル離れた基板上に堆積される。ノズルは、金属粉末が最良な仕方でレーザビームに到達するように、キャリヤガスを含む粉末ジェットを適正に管理された仕方で案内する役割を有する。ノズルは、幾つかの機械部品で構成されており、それらの機械部品のうちの同心状コーンは、粉末を案内する目的を有する。粉末ジェットの案内は、2つのコーン、すなわち、外側コーンおよび中間コーンに依存する。
【0007】
かくして、粉末は、環状円錐形状のジェットによってレーザビーム中に差し向けられる。粉末は、この円錐形ジェットの中心にあるレーザビーム中にあたかも「焦点整合」される。
【0008】
方法の信頼性を保証するために、粉末ジェットを適正に管理することが必要である。この適正な管理は、とりわけ、粉末ジェットの伝播軸線に沿った粉末ジェットの幾何学的形状の制御を必要とさせる。実際、粉末ジェットは、円錐形状を有し、円錐ジェットの円周に沿った粉末の分布は、均質であることが必要である。コーンの間での粉末の伝播は、作業帯域となるノズル出口における収束帯域に近づくまで、粉末ジェットに環状形状を与える。
【0009】
しかしながら、2つのコーンの相対位置は、粉末ジェットの挙動が2つのコーンの相対位置に依存するため、重要である。コーンが同軸であるということは、ジェットにおける粉末の分布に影響を与えるので、特に重要である。さらに、コーンの相対位置決めは、機械的に実行され、種々の理由により、コーンは同軸でないことがある。その結果、粉末ジェットの挙動は、変更され、粉末ジェットの分布は、非対称になることがある。
【0010】
この非対称は、付加製造に影響を及ぼし、部品上に欠陥をもたらすことがある。
【0011】
他の理由が、粉末ジェットの乱れの背後にあることがある。遭遇される方法の漂流によって、粉末ジェットのレベルにおける異常を疑うことができることが容易である。粉末ジェットを制御し、この漂流を定量化することができることも不可欠である。
【0012】
市場において、粉末ジェットの流量を測定し、ガス状流れにおける粉末の挙動を分析することを可能にする解決法はほとんどない。実際、問題および適用はそれほど広範ではない。加えて、測定は、粉末ジェットがガスおよび固体金属粉末で構成されているため、混合的側面を有する。
【0013】
現在、異なるシステムの開発は、ジェットにおける粉末の分布を独自に分析することを目標とし、異なる仕方で分析を行う。異なるシステムの開発のほとんどは、視覚および画像分析の使用に関する。かくして、既存の解決法は、カメラおよび照明による制御を使用するが、かかる制御は、粉末によって引き起こされる照明光の反射のために推奨されていない。しかしながら、これらの装置は、開発の視点および既存設備における実行の視点の両方から、しばしば、複雑かつ高価な技術を伴う。カメラの使用および画像分析に関する作業が企てられてきたが、三次元においてジェット中の粉末の分布を定量化することは複雑なままである。
【0014】
上記の欠点を克服する粉末ジェット分析システムを提案することが必要であることがわかった。とりわけ、三次元における、すなわち、ジェットの伝播の軸線に沿った軸線と垂直な平面における金属粉末の分布の定量化された値を、粉末ジェットの伝播軸線に沿った異なる位置において得ることを可能とし、粉末の流量および前記粉末ジェットの均質性を正確な仕方で測定することを可能にする分析システムおよび方法を提案することが必要であることがわかった。
【発明の概要】
【0015】
第1の観点によれば、本発明の主題は、付加製造機の粉末ジェットのための分析システムであって、前記粉末ジェットは、粉末およびガスを含み、前記分析システムは、分離装置を含み、前記分離装置は、
-分離要素を含み、該分離要素は、シリンダを構成する円形横方向壁、および、該分離要素を、前記シリンダの対称軸線に対して対称なn個の等しい部分に分離するのに適した少なくとも1つの分離壁を含み、前記分離要素は、初期粉末ジェットを粉末ジェットのn個の部分に分離するために、前記少なくとも1つの分離壁上で、初期粉末ジェットを前記分離要素の中心に受け入れるのに適しており、
-粉末ジェットの各部分中の粉末の量を検出するための手段を含む、分析システムに関する。
【0016】
好ましい仕方では、粉末ジェットの各部分中の粉末の量を検出するための前記手段は、
-粉末ジェットの各部分中の粉末からガスを分離するための膨張室と、
-粉末ジェットの各部分の粉末を貯蔵するための貯蔵室と、
-前記少なくとも1つの分離壁と、を含み、前記円形横方向壁および前記膨張室は、粉末ジェットの各部分を前記貯蔵室に案内するためのn個の導管を形成し、前記貯蔵室は、各導管から来る粉末の量を分離して収容するのに適している。
【0017】
好ましい仕方では、前記貯蔵室は、各導管のための貯蔵管を備え、各貯蔵管は、前記導管を閉鎖するための弁に接続されている。
【0018】
好ましい仕方では、前記分析システムは、前記弁を開放することを可能にするための開放装置を含む。
【0019】
好ましい仕方では、前記開放装置は、n個の調節可能なカムを含む。
【0020】
好ましい仕方では、前記膨張室は、ガスが逃げることを可能にするための周方向シケインを含む。
【0021】
好ましい仕方では、前記膨張室は、円筒形端を有し、前記貯蔵室は、線形端を有する。
【0022】
好ましい仕方では、前記分析システムは、各導管から来る粉末の量を計量するのに適した計量装置を含む。
【0023】
好ましい仕方では、前記分析システムは、前記計量装置上の粉末の量を吸引するための吸引装置を含む。
【0024】
好ましい仕方では、前記分離装置は、ステレオリソグラフィによって製造される。
【0025】
第2の観点によれば、本発明の主題は、粉末ジェットが、上記の分析システム上で付加製造機のノズルから放出される、粉末ジェットのための分析方法であって、
-粉末およびガスを含む粉末ジェットを放出するステップと、
-前記分離要素の前記少なくとも1つの分離壁によって粉末ジェットを粉末ジェットのn個の部分に分離するステップと、
-粉末ジェットの各部分中の粉末の量を検出するステップと、を含む分析方法に関する。
【0026】
本発明の目的、主題、および、特徴は、図面を参照してなされる以下の説明を読むときに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】ノズル本体がなく、キャリヤガスおよび二次的ガスがある、
図1の堆積ノズルの概略断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるレーザビームを検出するための装置の斜視図である。
【
図4】
図3によるレーザビームを検出するための装置の上側部分の斜視図である。
【
図5】
図4によるレーザビームを検出するための装置の第1の要素を示す
図1である。
【
図6】
図4によるレーザビームを検出するための装置の第2の要素を示す
図1である。
【
図7】
図4によるレーザビームを検出するための装置の部分断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるレーザビームを検出するための装置の概略断面図である
【
図9a】本発明の一実施形態による、コーンセンタリング装置の概略図である。
【
図10a】本発明の一実施形態によるコーンセンタリング装置の斜視図である。
【
図11】本発明による粉末ジェット分析システムの斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態による、計量装置がない粉末ジェット分析システムのもう1つの斜視図である。
【
図13】本発明の一実施形態による、4つの部分を含む分離装置および堆積ノズルの概略斜視図である。
【
図14】本発明の一実施形態による6つの部分を含む分離装置の斜視図である。
【
図15】本発明の一実施形態による分離装置の断面図である。
【
図17】本発明の一実施形態による分離装置の断面図である。
【
図18】本発明の一実施形態による開放装置の斜視図である。
【
図19】本発明の一実施形態による開放装置の一部の分解図である。
【
図20】本発明の一実施形態による弁と開放装置の間の相互作用の部分断面図である。
【
図21】本発明の一実施形態による漏斗の斜視図である。
【
図22】本発明の一実施形態による吸引装置の斜視図である。
【
図23】
図23a、
図23b、および、
図23cは、本発明の一実施形態による、2つの部分を含み、ぞれぞれ、3つの異なる高さに位置する分離要素の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、DED(指向性エネルギー堆積)方法、すなわち、とりわけ、レーザビームを通して射出される金属粉末の融着による、層重合で、基板上で密部品を構築することにある付加製造方法に関する。この方法は、ノズル10またはノズル本体12を含む機械によって適用される。
図1は、ノズル10の分解図であり、ノズル10は、ノズル本体12、第1のコーンすなわち内側コーン14、第2のコーンすなわち中間コーン16、および、第3のコーンすなわち外側コーン18を含む。第1のコーン14、第2のコーン16、および、第3のコーン18は、銅で作られており、同心状に配置されている。
【0029】
レーザビーム15が、レーザによって放出される。光ファイバが、レーザビームを光学ヘッド(図示せず)まで輸送することを可能にし、ノズル10は、光学ヘッド上に固定されている。次に、レーザは、ノズルを基板(図示せず)まで横断する。
【0030】
概略的に、
図2に示されているように、第1のコーン14は、レーザビーム15によって横断され、ノズル10の外側からは見えない。第2のコーン16は、ガスの流れを集中させるために粉末ジェットのシェーピングを可能にするアルゴンのような二次的ガスと呼ばれるガス17によって横断される。第2のコーンの端は、ノズルの外側から見える。第3のコーン18は、アルゴンのようなキャリヤガス21によって基板上の溶融浴のレベルに粉末をもたらすことを可能にする。
【0031】
レーザビームの検出
図3は、上側部分102および下側部分103を含むレーザビーム15を検出するための装置100を示している。検出装置100は、該検出装置100に対するレーザビームの位置を精密に決定することを可能にする。
【0032】
図4に示されている上側部分102は、第1の要素104、および、金属プレート99上に固定された第2の要素106を含む。第1の要素104および第2の要素106は、検出装置100上でレーザビームを放出中に材料の過熱を回避するために銅で作られている。実際、銅材料は、丁度レーザビームのような赤色を有する。かくして、銅は、ミラーとして作動し、ほとんどエネルギーを吸収しない。その結果、銅は、他の材料と比較してほとんどヒートアップしない。
【0033】
図5に示されているように、第1の要素104は、所定の高さを備える円形形状を有し、上側部品102の上面101に円形中央開口部107を有する。第1の要素104はまた、ベントのノッチ110を含む。これらのノッチ110は、各々、レーザビームの軸線に対して45°で配向されている。
図5は、検出装置100の冷却を改善するように意図された2つのノッチ110を示している。実際、レーザビームが、以下に説明する走査帯域または面108を走査するときに、ノズルはまた、二次的ガス17のジェットを放出する。ベント110により、二次的ガス17は、円錐面の間で自由に循環することができ、次いで、ベント110を通って逃げることができる。次いで、検出装置100は、対流により冷却される。45°の所定の角度は、レーザビームの反射が、検出装置100から出ていき、前記検出装置110の環境を損傷することを回避することを可能にする。
【0034】
第2の要素106が、
図6に示されており、所定の厚さの円形形状を含む。第2の要素106の中央には、およそ800μm~50μmの径の円形開口部または較正済み穴111によって穿孔された尖端形状面が見られる。この径は、およそレーザビームの径に対応している。較正済み穴110は、円形中央開口部107の中心に位置している。
【0035】
第2の要素106はまた、U字形冷却チャンネルを含み、冷却流体、例えば水のためのU字形冷却チャンネルの入口オリフィス62および出口オリフィス64は、
図4および
図6で見える。
図4はまた、急速取付配管連結部66を示している。
【0036】
図7の部分断面図に示されているように、第1の要素104および第2の要素106の形状は、レーザビームの反射が、矢印で
図7に示されているような2つの内側円錐面の間で不定であるように適合されている。かくして、レーザビームのエネルギーは、伝播するときに、消散される。ノズル10上での有害な反射が回避される。面108または走査帯域がまた、
図7に示されている。
【0037】
図3に示されているように、検出装置100はまた、下側部分103を含み、下側部分103は、各々がフォトダイオード114(見えない)のようなセンサを含む3つの区画室50を含む。2つの区画室50だけが、
図3に示されている。下側部分103はまた、リセプタクル52を含み、リセプタクル52は、該リセプタクル52の底部にグラファイトマーチルプレート54(見えない)のような吸収要素を含む。かくして、レーザビームは、較正済み穴111を通過し、グラファイトマーチルプレート54に衝突する。エネルギーの一部または残留エネルギーが、グラファイトマーチルプレート54によって反射される。
図8は、第2の要素106の下に位置する2つのフォトダイオード114を、概略ダイアグラムで、かつ断面図により示している。フォトダイオード114は、グラファイトマーチルプレート54によって反射されるレーザビーム15の残留エネルギーを捕獲し、若しくは検出し、若しくは測定することができるようにグラファイトマーチルプレート54に向いて配置されている。各フォトダイオード114のモデルは、例えば、OsiオプトエレクトロニクスブランドのPIN-5DPIである。フォトダイオードは、例えば、光電池モードで使用される。フォトダイオード114はまた、ブロッキングモードで使用されることができる。各フォトダイオード114は、発生された弱い電流を増幅し、マイクロコントローラによってより容易に読み取り可能な電圧信号に変換するために、例えばトランスインピーダンス増幅搭載器により電子回路内に結合されている。
【0038】
レーザビーム115は、較正済み穴111のまわりで円形中央開口部の中心に見える走査帯域または面108を走査し、較正済み穴111自身は、面108の全体を走査するように、この面108上での例えば前後の移動を可能にする。レーザビームが、較正済み穴111の上方かつ中心に正確に位置決めされるときに、グラファイトマーチルプレート54に到達するレーザビームのエネルギーは、最大になる。かくして、検出モジュールの目的は、レーザビーム15と較正済み穴111が完全に整合する瞬間を探し求めることである。較正済み穴111の位置が知られている限り、較正済み穴111の位置からレーザビーム15の位置を演繹することが可能である。グラファイトマーチルプレート54によって放出されるレーザビーム15の残留エネルギーは、フォトダイオード114によって測定される。エネルギーが最大であるときに、これは、レーザビーム15が較正済み穴111と整合していることを意味している。
【0039】
レーザビームを検出するための装置100はまた、追加の構造手段を含む。これらの追加の構造手段は、レーザビームを検出するための装置100を正確に配置することを可能にし、較正済み穴111の位置を精密に知るために、例えば、
図10aに示されているベースプレート208上の短いセンタリングを可能にする第1の要素104上のショルダを含む。
【0040】
レーザビームを検出するための装置100はまた、検出装置100が所定位置に維持されることを可能にするためのベースプレート208中のねじおよびねじ山を備えたスペーサのような固定手段を含む。レーザビームを検出するための装置100は、レーザビームが較正済み穴111と整合しているときに較正済み穴111の正確な位置からレーザビームの位置を後に演繹すべく較正済み穴111の正確な位置を知るために大変精密な仕方で位置決めされなければならない。
【0041】
レーザビーム15を検出するための装置100の使用中、検出方法は、以下に説明するステップを含む。ノズル10は、上側部分104の円形中央開口部107を通して見える穿孔尖端部108の面を覆う、およそ、例えば、200~300W(ワット)、或いは、好ましくは500~700W(ワット)のパワーのレーザビームを放出する。かくして、走査帯域108は、円形中央開口部107の下方に位置している。
レーザビーム15は、いくつかの位置を占める間に面108を走査するように進行する。レーザビーム15が較正済み穴の外側に位置する位置を占めるときに、レーザビーム15のエネルギーは、
図7で矢印によって見える不定な反射を通じて銅中で放散される。次いで、フォトダイオードは、ゼロ信号を提供する。レーザビームがセンタリングされていない仕方で穴の上方の位置を占めるときに、レーザビームのエネルギーは、円形穴111を経てグラファイトマーチルプレート54に伝達される。フォトダイオード114は、残留エネルギーの量を捕獲し、次いで、非ゼロ電気信号を生成する。レーザビームが較正済み穴111の上方を総じて通過し、較正済み穴111と整合しているときには、レーザビームのエネルギーのすべてが較正済み穴111を通過し、グラファイトマーチルプレート54に接触し、グラファイトマーチルプレート54は、レーザビームのエネルギーのすべての大部分を吸収する。レーザビームの残留エネルギーは、フォトダイオード114によって測定され、次いで、電子回路によって濾過される。この状況で、フォトダイオードによって捕獲される残留エネルギーは、最大である。レーザビームによって占められる位置のすべてのために、ガウシアン形状を有する電気信号が生成される。較正済み穴111と整合するレーザビームの位置は、ガウシアンのピークに対応する。次に、機械位置のログが使用される。これは、付加製造機によって提供されるファイルであり、このファイルは、時刻tにおける製造ヘッドの正確な位置を知るために、レーザビームを放出する製造ヘッド、かくして、ノズルの位置を記録する。このファイルは、毎15ms(ミリ秒)まわりの出力を発生させる。かくして、位置のログおよびフォトダイオードによって得られる信号が、焦点に対応するXおよびY座標、すなわち、レーザビームを検出するための装置100の位置に対するレーザビームの中心を得るために同期化され、或いは時間合わせされる。
【0042】
かくして、レーザビームの位置を検出するための方法は、較正済み穴111を含む面108の上方の基準フレーム(0,x,y)で規定される位置により移動されるノズルのために次のステップを含む:
-所定のパワーのレーザビームを放出し、レーザビームのエネルギーが第1の要素104と第2の要素106の間で消散されるように、面108を、すなわち、較正済み穴111のまわり、および、較正済み穴の中で走査するステップと、
-フォトダイオード114によって得られる信号を測定および濾過するステップと、を含み、前記信号は、較正済み穴111を通過し、グラファイトマーチルプレート54によって反射されるレーザの光エネルギーの量を代表しており、
-付加製造機の堆積ノズル10または製造ヘッドの位置データに、濾過された電気信号を一定時間スケールに亘り同期化させ、或いは時間合わせするステップと、堆積ノズル10または製造ヘッドの基準フレームにおいて、レーザビームの焦点が較正済み穴の正確に上方にあり、かくして、較正済み穴111と整合している位置、すなわち、最大濾過信号値の位置を得るステップと、を含む。
【0043】
かくして、レーザビーム15を検出するための装置100は、およそ1~1000W(ワット)の範囲にあり、或いはさらに1500Wを越えるレーザビームパワーのために50μm(マイクロメータ)のオーダーの正確さをもってレーザビーム15の焦点の位置を決定することを可能にする。
【0044】
コーンのセンタリングおよび状態
図9aは、コーンセンタリング装置200を、概略的に、かつ概略ダイアグラムにより示している。コーンセンタリング装置200は、照明装置202およびカメラ204を含む。
【0045】
照明装置202は、赤色により照明する。実際、ノズルの銅コーンは、赤色を有し、この照明は、最も適している。照明装置202は、例えばエフィルックスブランドの、かつ例えば100mm(ミリメータ)径の照明ドームを含み、この照明ドームは、該ドームの底面に穴を含む。
【0046】
カメラ204は、大変高い精細度を有し、黒および白センサを有する。かくして、カメラ204は、例えば、Basler ac2440-20gmブランドのものであり、例えば、2448×2048の解像度を有する。焦点距離は、例えば35mm(ミリメータ)である。選択されるレンズは、例えばFujinon HF35HA1Bである。
【0047】
図10aに示されているように、コーンセンタリング装置200はまた、カメラ204のための支持体206を含む。
【0048】
コーンセンタリング装置200は、ポリカーボネートで作られているベースプレート208を含み、ベースプレート208の下方に、照明装置202およびカメラ204が位置している。ベースプレートは、レーザビームを検出するための装置100、コーンセンタリング装置200、および、以下に説明する粉末ジェット分析システムを一体化するために3つの穿孔部または3つの穴を含む。
図10bに示されているように、カメラ204は、ポリカーボネートで作られている窓56によって、照明装置202の底の穴からコーンセンタリング装置200内に導入されることがある埃および粉末ジェットから保護されている。
【0049】
コーンセンタリング装置200の使用中、レーザビームを検出するための装置で測定されるようなレーザビームの中心は、カメラ204の知られた基準フレーム、例えば
図9bに示されているようなカメラ204によって撮られた画像の中心と整合しなければならない。
【0050】
コーンセンタリング装置200の作動の文脈内で実行される計算ステップのすべては、産業観察ソフトウェアによって実行される。カメラは、
図9cに示されている同心円に対応するノズルの端に対する画像を獲得する。
【0051】
コーンセンタリング装置200は、最初に、
図9cに示されている外側コーン18および中間コーン16の異なる見える径に関連した中心を計算するステップを含む。次に、方法は、レーザビームの水平軸線OXおよび鉛直軸線OYに沿ったオフセット、並びに、コーンに対応し、前のステップで計算された円の異なる中心のオフセットを計算するステップを含む。
【0052】
これらのパラメータが、決定された基準値に比べて正確な値を有する場合には、方法は、以下のステップで継続する。かくして、方法は、最小二乗法によって異なる内側コーンおよび中間コーンの内側径および中間径を計算するステップを含む。レーザビームのまわりの最大許容不整合は、50μm(マイクロメータ)のオーダーである。次いで、方法は、画像認識ソフトウェアによって2つの見えるコーン上の変形、障害物、材料欠損型欠陥を検出し、測定するステップを含む。
【0053】
欠陥が画像認識ソフトウェアによって検出された場合には、方法は、コーンの再整合或いは掃除、または、コーンが損傷されている場合にはコーンの完全な取り替えのようなコーンに関する必要な操作を実行するユーザーの介入により継続する。
【0054】
欠陥が検出されない場合には、方法は、測定されたデータをデータベースに保存するステップにより継続する。
【0055】
かくして、コーンセンタリング方法は、以下のステップ:
-所定の基準フレームでレーザビームを検出するためのモジュールにより測定された位置、すなわち、カメラによって撮られた画像の中心でレーザビームを配置するステップと、
-画像の獲得を発するステップと、
-コーンに関する欠陥の存在を検出し、必要ならば、コーンの取り換えのためにユーザーが介入するステップと、
-外側コーンおよび中間コーンの径を測定するステップと、
-基準値と比較し、必要ならば、コーンの取り換えのためにユーザーが介入するステップと、
-前記径に関連した中心を計算するステップと、
-レーザビーム、すなわち、カメラの中心に対するコーンの水平軸線OXおよび鉛直軸線OYに沿ったオフセットを計算するステップと、
-その結果に応じて、コーンの再整合のためにノズルに関し、ユーザーが介入するステップと、を含む。
【0056】
かくして、コーンセンタリング装置200は、コーンがレーザビームのまわりで同心状であるのみならず、コーンが良好な状態にある、すなわち、丸く、清浄であることを確認することを可能にする。コーンセンタリング装置200はまた、製造が進行するときにコーンの状態の履歴を保持することを可能にする。
【0057】
粉末ジェットの分析
図11および
図12は、本発明による粉末ジェット分析システム310を示している。
分析システム310は、分離装置
312、開放装置314、計量装置またははかり316、および、吸引装置348を含む。
【0058】
本発明による分析システムは、レーザビームを検出するための装置100およびコーンセンタリング装置200と共に作動するのに適している。
【0059】
本発明による分析システム310はまた、従来技術で知られ、
図2および
図13に示されているような付加製造機に一体化された堆積ノズルと共に作動するのに適している。堆積ノズル10は、とりわけ、中間コーン16および外側コーン18を含む。粉末ジェット21は、金属粉末およびキャリヤガスを含む。粉末ジェット21は、中間コーン16および外側コーン18を通るジェットの形態を取る。本発明の文脈では、初期の、または、入射粉末ジェット21は、およそ10mmのコーン出口における径、および、およそ5mmのコーン出口からの焦点距離を有する。
【0060】
概略ダイアグラムにより
図13に示されているように、分離装置312は、シリンダを構成する円形横方向壁を備えた分離要素326を含む。分離要素326は、数センチメートルのオーダーのものである。分離要素326は、シリンダの中心対称軸線に対して対称な仕方で配置された1つまたはそれ以上の分離壁330を含む。かくして、分離壁330は、分離要素326の内側容積を、各々が同じ容積を有する複数の部分またはハニカムに分割する。
図13では、4つの分離壁330が、分離要素326の容積を、等しい容積の4つの部分に分割する。分離壁330の数は、例えば2~10の間の等しい容積の複数の部分を得るように変わり得る。等しい容積の多数の部分の存在は、粉末ジェットの均質性を最良に確認することを可能にする。分離壁の半径の長さは、分離要素の半径の長さまたは分離要素の直径の長さであることができる。
【0061】
もう1つの代替例により、
図14に示されているように、分離要素327は、等しい容積の6つの部分を得るために6つの分離壁を含むことができる。分離壁330の厚さは、粉末ジェット21の流れをなるべく乱さず、分離ジェットの正常な分離を得るために、なるべく小さくなければならず、例えば0.1mmのオーダーのものである。
【0062】
分離要素326、327は、粉末ジェットによる浸食に耐えることができるために金属で作られているのがよい。分離壁326は、例えば316Lステンレス鋼、または、H13型の総鋼(X40CrMoV5-1)を使用するSLM(選択的レーザ溶融)付加製造により製造されるのがよい。分離要素326、327の径は、およそ3cm(センチメートル)である。
【0063】
かくして、
図13に示されているように、分離要素326上に落ちる初期の粉末ジェット21は、前記分離要素の部分を通して分割される。
図13の分割要素326は、分割ジェットを粉末ジェットの4つの部分に分割または分離することを可能にし、
図14の分割要素327は、分割ジェットを粉末ジェットの6つの部分に分割または分離することを可能にする。
【0064】
分離装置312は、分割ジェットの各部分中の粉末の量を検出するための手段を含む。これらの手段は、一方では、以下で説明する膨張室332、および、以下で説明する貯蔵室340を含む。
【0065】
かくして、
図15に示されているように、分離装置312はまた、円筒形端を有する第1のリセプタクすなわち膨張室332を含む。実際、第1のリセプタクル332は、粉末ジェット21に含まれているキャリヤガスのための膨張室として役立つように意図されており、粉末が第2のリセプタクル340内に流れ込むことを可能にしながら、キャリヤガスが、矢印338によって示されているようにシケイン336を通って逃げることを可能にする。
【0066】
図15に示されている第2のリセプタクルすなわち貯蔵室340は、流れ込んだ粉末を貯蔵するための貯蔵管342を含む。貯蔵室340は、
図16に示されているように以下で説明する開放装置の固定を可能にする線形端20を有する。
【0067】
【0068】
分離要素317によって、すなわち、円形横方向壁328および分離壁330、並びに、膨張室332によって形成される構造は、導管を形成し、これらの導管中で、粉末ジェットの各々の部分が所定のそれぞれの導管30中を流れる。貯蔵管342が、導管の端部を形成する。
【0069】
各貯蔵管342は、各導管を開放し、閉鎖することを可能にする弁344を含む。弁344の開放および閉鎖運動が、2方向矢印によって、概略ダイアグラムにより、
図17に示されている。各弁344は、戻しばね60を含む。
【0070】
弁344は、開放装置314により作動する。
【0071】
弁開放装置314は、例えば
図18に示されているように、調節可能なカムによって自動化される。かくして、各弁344は、互いに独立に制御されることができる。カムの数は、分離要素327の部分の数に自分自身等しい弁の数に等しい。実際、
図19に示されているように、開放装置314は、スペーサによって間隔を隔てて配置され、弾性リング323によって閉鎖された、7角形部分を備えた軸317上のショルダに当接して取り付けられた6つのカム315を含む。軸317の端に位置するカム315は、磁石321を含む。軸317は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)軸受け上に取り付けられており、なるべく回転速度を減らすために2の減速比を有するプーリおよびベルトシステムを備えるモータによって駆動される。開放装置314は、軸317の端に位置するカム315がリードセンサの正面を通過する瞬間を検知するために横方向に位置決めされた可撓性ブレードを備え、または、リード効果を備えるセンサを含む。
図20は、弁344を備えた開放装置314の断面図を示している。
図20に示されているように、以下で説明する漏斗346が、弁が戻しばね346の作用の下で閉鎖するときに、粉末の量が漏斗346の外側で射出されることを回避するために、スカート323と関連している。スカート323は、分離装置の正面に向かって射出された粉末の粒を漏斗に再差し向けすることを可能にする。分離要素327から漏斗までの分析システムの長さは、およそ20cm(センチメートル)である。
【0072】
本発明の実施形態によれば、分離装置は、6つの弁344を含む。
【0073】
図16に示されているように、膨張室332および貯蔵室340はまた、粉末を弁344に案内するための導管を形成する。粉末が最小の摩擦で導管に滑り込むことを可能にするために、使用される材料は、滑らかでなければならず、静電気現象を回避するために好ましくは導電性でなければならない。かくして、膨張室322、貯蔵室340、および、弁344によって形成される組立体は、ステレオリソグラフィによって作られる。3Dプリンティング技術は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)およびPBT(ポリブチレンテレフタレート)と同様な機械的特性を有する透明な材料、TuskXC2700Tを使用することを可能にする。実際、ABSで作られて部品は、機械的システムの作動を中断することなく機械的システムで同じ幾何学的形状のTuskXC2700Tで作られる部品によって置き換えられることができる。
【0074】
分析システム310はまた、
図21に示されている漏斗346を含む。かくして、弁344の開放中、粉末は、漏斗346に向かって逃げることができる。漏斗346は、以下に示すように粉末を吸引するために漏斗の出口に同軸管347を含む。
図20に示されているように、漏斗346はまた、開放装置314の戻しばね60のための維持用乳頭部58、および、維持用乳頭部58を補剛するための補強部を含む。漏斗346はまた、異なる固定タブおよびねじ穴を含み、その軸線通路は、分離装置312および弁344に対する漏斗の位置決めを可能にする。
【0075】
分析システム310はまた、
図11に示されている計量装置またははかり316を含む。かくして、漏斗346の形状は、決定された導管中を流れた粉末の重量を決定することを可能にする。
【0076】
分析システムはまた、
図11および
図22に示されており、測定後にはかり316上に存在する粉末を排出することができる吸引装置348を含む。吸引装置316は、
図22に示されている1部品ベンチュリ吸引管を含み、粉末の吸引を実行するために、アルゴンが1部品ベンチュリ吸引管中に射出される。
【0077】
分析システムは、ケーシング(図示せず)のようなボックス中に組み立てられることができる。
【0078】
作動中、分析システム310は、従来技術による付加製造機の作業エンクロージャに配置される。分析システム310は、可動であるノズル10の範囲内になければならない。さらに詳しくは、ノズル10は、センタリングされた仕方で、分析システム310の上方に位置しなければならない。かくして、分析システム310は、分析システムの作動前に、レーザビームを検出するための装置100およびコーンセンタリング装置200と共に作動するのに適している。かくして、金属粉末ジェットの分析の開始前に、レーザビームは、センタリングされた仕方で、コーンもセンタリングされて、分析システムの上方に位置する。次いで、以下に説明する分析システムの作動は、コーンのセンタリングが、均質な粉末ジェットを得るために十分かどうかを決定することを可能にする。
【0079】
分析中、ノズル10は、分析システムの上方に、かつ、概略ダイアグラムを示す
図13に示されているように、分離要素326の上方に位置決めされる。次いで、ノズル10から到来する初期の粉末ジェット21は、初期の粉末ジェットを不定の数の粉末ジェットの部分に分割する役割を有する分離要素326の上側部分を通して、分析システム310内に侵入する。初期の粉末ジェット21は、所定の時間、注ぎ出る。
【0080】
初期の粉末ジェット21が分割されたときに、粉末ジェットの各部分は、流れを好ましく乱れのない状態にする決定された寸法形状特性を持った特定の導管中においてその軌道を継続する。各導管において、粉末ジェットの部分は、粉末ジェット21に含まれたガスが逃げることを可能にするために、膨張室332を覆う。
【0081】
次いで、粉末の量は、貯蔵室340に貯蔵されるために、弁344の機械的システムによって停止される。これらの機械的弁344の下方に、
図11に示されているように粉末の各部分を計量することを可能にするはかり316が見出される。
【0082】
はかり316上で計量するステップ前にシステムを初期化するために、すべての弁を、粉末ジェットの存在下で数秒間同時に開放する。次いで、すべての弁を同時に閉鎖する。次に、粉末は、調節された流量に応じて、2~5分のオーダーの所定時間で貯蔵管を充填する。
【0083】
第1の弁344の開放により計量サイクルが始まり、第1の弁344の開放は、粉末を解放し、粉末は、計量のためにはかり316に達する。その値は、データベースに記録され、粉末ジェットをサンプリングするための第1の帯域に対応する導管に関係付けられる。
【0084】
今度は、第2の機械的弁344が開放し、第2の計量が実行される。かくして記録される値は、第1の部分と第2の部分の総和に対応する。2つの差は、第2のサンプリングに特有の値を得ることを可能にする。
【0085】
このサイクルは、粉末分離部分がある回数繰り返される。最後には、粉末の各部分が計量され、かくして、粉末ジェットの各部分中の粉末の量を比較することができる。加えて、各部分の総和は、所定時間中にサンプリングされた粉末の量の総重量を得ることを可能にする。次いで、粉末の流量が得られる。
【0086】
サイクルが終了した後に、はかり上に配置されている粉末は、吸引装置348によって排出される。
【0087】
図23a、
図23b、および、
図23cは、分離要素328に流入する粉末ジェットの流れの正面図を、概略ダイアグラムにより示しており、分離要素328は、もう1つの実施形態によれば、初期の粉末ジェットを2つの粉末ジェットに分離するために、2つの分離壁10を含む。分離要素328は、初期の粉末ジェットの流れに対して異なる高さzに位置しており、
図23aでは、分離要素328は、粉末ジェットの2つの部分350、352の形成をもたらすノズル10から距離z1に位置する。
図23bでは、分離要素328は、粉末ジェットの2つの部分354、356の形成をもたらすノズル10から距離z2に位置する。
図23cでは、分離要素328は、粉末ジェットの2つの部分358、360の形成をもたらすノズル10から距離z3に位置する。
【0088】
かくして、本発明による分析システム310の技術的効果は、異なる高さに応じて粉末ジェットの特徴化を顕著に可能にすることである。
【0089】
本発明による分析システム310の技術的効果はまた、ノズルのコーンの正しいセンタリングを有効にするために、粉末ジェットの均質性を制御することである。均質性の測定は、各導管に流入した粉末の量を測定することによって実行される。
【0090】
最後に、分析システム310はまた、粉末ジェットの質量流量を決定することを可能にする。
【0091】
分析システムはまた、弁344を開放することを可能にするモータを制御し、異なる計量作業の計算を実行するためにはかり316のデータを獲得するために電子制御装置(図示せず)を含む。
【0092】
レーザビームを検出するための装置、コーンセンタリング装置、および、粉末ジェット分析システムによって形成される組立体は、かくして、付加製造機内に配置され、レーザビームを検出するプロセスを開始するためにレーザビームを検出するための装置の上方に配置することを必要とさせるだけである。次に、コーンセンタリング装置を、コーンセンタリング装置200の中心と較正済み穴111の間の知られた距離により使用することができ、次いで、今度は、粉末ジェット分析システムを使用する。
【0093】
【0094】
前に記載した実施形態は、例としてのみ示されている。