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特許7485930ロボット減速機寿命推定シミュレーション装置
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  • 特許-ロボット減速機寿命推定シミュレーション装置 図1
  • 特許-ロボット減速機寿命推定シミュレーション装置 図2
  • 特許-ロボット減速機寿命推定シミュレーション装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ロボット減速機寿命推定シミュレーション装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
B25J19/06
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020104042
(22)【出願日】2020-06-16
(65)【公開番号】P2021194747
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】石井 淳史
【審査官】臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-123051(JP,A)
【文献】国際公開第2014/132903(WO,A1)
【文献】特開2017-177258(JP,A)
【文献】特開平07-325133(JP,A)
【文献】特開2009-043165(JP,A)
【文献】特開2019-217612(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0051390(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/10-19/06
G01R 31/36
G06Q 50/00-50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの動作プログラムをシミュレーションにより実行して、該ロボットの各軸の減速機の回転速度および前記各軸の減速機にかかる負荷をサンプリング周期毎に算出する回転速度負荷算出部と、
少なくとも定格寿命Lを含む定格データを記憶する減速機定格データ記憶部と、
前記減速機定格データ記憶部から前記定格データを読み出すとともに、前記回転速度負荷算出部が算出したサンプリング周期単位の回転速度および負荷を継続した場合の前記ロボットの各軸の減速機の寿命である微分寿命を算出する減速機微分寿命算出部と、
前記ロボットをグラフィックで表示するグラフィック表示部とを備え、
前記グラフィック表示部は、前記定格寿命Lと前記微分寿命Iとに基づいて、前記微分寿命Iをリアルタイムに監視しながら、式(2)を用いて色の明るさDを算出するとともに、前記微分寿命の値に応じて算出した前記明るさDを用いて前記ロボットの各減速機を内包する可動部の色または明度を変化させることを特徴とするロボット減速機寿命推定シミュレーション装置。
【数1】
【請求項2】
前記グラフィック表示部は、サンプリング周波数より長い所定時間内での前記微分寿命の最小値に応じて、前記ロボットの可動部の色または明度を変化させることを特徴とする請求項1に記載のロボット減速機寿命推定シミュレーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの各軸の減速機の寿命をシミュレーションにより推定するロボット減速機寿命推定シミュレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一例として生産システムにおいては、各種工程を担う産業用ロボットが生産ラインに設置されている。ロボットは、各軸の減速機を内包する可動部を有し、各種工程を行う自由度を確保している。このような生産システムでは、生産量を増加させるために、ロボットのサイクルタイムを短縮することが求められている。
【0003】
ここでロボットのサイクルタイムを短縮するためには、ロボットの各軸の減速機の速度(回転速度)を高めることが考えられる。しかし減速機は、回転速度を高くすると加減速時の負荷が大きくなり、寿命が短くなってしまう。このため、動作プログラムに応じてロボットの駆動系の寿命を予測することが必要となる(例えば特許文献1)。なお寿命とは、性能を維持して稼働できる時間の合計をいう。
【0004】
特許文献1には、ロボットの負荷をモニタするロボット制御装置が記載されている。このロボット制御装置では、ロボットの駆動系に係る負荷を検出して寿命を予測している。
【0005】
また、ロボットの各軸の減速機の寿命は、ロボットの動作プログラムを調整することにより延長可能とされている(例えば特許文献2)。特許文献2には、ロボット減速機寿命推定シミュレーション装置が記載されている。この装置では、ロボットの動作プログラムにより各軸の減速機の寿命を予測するだけでなく、ロボットのツール先端点の軌跡を固定したままで、各軸の減速機にかかる負荷を算出し、負荷が大きい場合には回転速度を小さくしている。
【0006】
そして特許文献2の装置では、ロボットの動作プログラムに基づいてロボットの各軸の減速機の寿命を推定するとともに、ロボットの軌跡を変化させることなしに、減速機の寿命を延長させられる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平7-107767号公報
【文献】特開2013-144349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2の装置のように、ロボットの動作を変更せずに、すなわちロボットのツール先端点の軌跡を変化させずに動作プログラムの変更を行う場合には、減速機の寿命を十分に延長させることが困難である。そのため、減速機の寿命を十分に延長させるには、ロボットの動作そのものを変更する必要がある。そして、適切に動作を変更するためには、動作プログラムを作成する操作者が、どのような動作のときに負荷が大きくなるのかを認識することが必要である。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み、ロボットの各軸の減速機の寿命を短くする原因となる動作を、操作者に容易に認識させることができるロボット減速機寿命推定シミュレーション装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明にかかるロボット減速機寿命推定シミュレーション装置の代表的な構成は、ロボットの動作プログラムをシミュレーションにより実行して、ロボットの各軸の減速機の回転速度および各軸の減速機にかかる負荷をサンプリング周期毎に算出する回転速度負荷算出部と、回転速度負荷算出部が算出したサンプリング周期単位の回転速度および負荷を継続した場合のロボットの各軸の減速機の寿命である微分寿命を算出する減速機微分寿命算出部と、ロボットをグラフィックで表示し、微分寿命の値に応じてロボットの各減速機を内包する可動部の色または明度を変化させるグラフィック表示部とを備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成では、ロボットの動作プログラムをシミュレーションにより実行して、ロボットの各軸の減速機の回転速度および負荷をサンプリング周期毎に算出し、この瞬間的な回転速度および負荷に基づいて、その回転速度および負荷を継続した場合の減速機の寿命である微分寿命を算出している。さらに、グラフィック表示部において、ロボットの各減速機を内包する可動部の色または明度を、算出された微分寿命の値に応じてグラフィック上で変化させる。このため、操作者は、ロボットが表示されたグラフィック上で、サンプリング周期単位で変化するロボットの可動部の色または明度を視覚的かつ直感的に確認するだけで、動作プログラムのうち、減速機の寿命を短くする原因となる動作ステップを容易に認識することができる。そして操作者は、この動作ステップを修正することにより、結果的に、減速機の寿命を延長できる。なおグラフィック表示部は、ロボットを3次元グラフィックまたは2次元グラフィックで表示してもよい。
【0012】
上記のグラフィック表示部は、サンプリング周波数より長い所定時間内での微分寿命の最小値に応じて、ロボットの可動部の色または明度を変化させるとよい。これにより、例えばサンプリング周波数が5msecであるとき、100msecの間で最も微分寿命が短い場合の色または明度によって、ロボットの可動部を表示することができる。なお具体的な数値は例示である。このため、瞬間的な短寿命(高負荷)であっても操作者が確実に視認することができる。したがって操作者は、ロボットの減速機の寿命を短くする原因であって修正すべき動作ステップをより確実に認識できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロボットの各軸の減速機の寿命を短くする原因となる動作を、操作者に容易に認識させることができるロボット減速機寿命推定シミュレーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態におけるロボット減速機寿命推定シミュレーション装置の機能を示すブロック図である。
図2図1のロボット減速機寿命推定シミュレーション装置によるロボットの3次元グラフィックを例示する図である。
図3図1のロボット減速機寿命推定シミュレーション装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態におけるロボット減速機寿命推定シミュレーション装置(以下、シミュレーション装置100)の機能を示すブロック図である。図2は、図1のシミュレーション装置100によるロボット102の3次元グラフィックを例示する図である。
【0017】
シミュレーション装置100は、ロボット102の各軸の減速機(不図示)の寿命をシミュレーションにより推定する装置である。ロボット102としては、例えば生産システムにおいて生産ラインに設置され、各種工程を担う産業用ロボットなどが挙げられる。ロボット102は、各種工程を行う自由度を確保するため、各軸の減速機を内包する複数の可動部104、106、108を有する。
【0018】
生産システムでは、生産量を増加させるために、ロボット102の各軸の減速機の回転速度を高めて、ロボット102のサイクルタイムを短縮することが求められる。しかし、ロボット102の可動部104、106、108に内包される減速機は、回転速度を高くすると加減速時の負荷が大きくなり、寿命が短くなってしまう。ここで、減速機の寿命とは、負荷をかけ続けると、減速機の累積故障確率が10%となる稼働時間をいう。
【0019】
そこでシミュレーション装置100では、ロボット102の動作プログラムをシミュレーションにより実行して、どのような動作のとき減速機の負荷が大きくなるかを、動作プログラムを作成する操作者に視覚的に容易に認識させることができる構成を採用した。
【0020】
シミュレーション装置100は、図1に示すように仮想制御装置110と、ロボットシミュレータ112と、モニタ130に画像を出力するグラフィック表示部としての3次元グラフィック表示部114とを備える。仮想制御装置110は、動作指令算出部116を有し、実際のロボットを制御する制御装置から出力される動作指令に近似した動作指令を、サンプリング周期毎に算出し、これをロボットシミュレータ112に出力する。
【0021】
ロボットシミュレータ112は、各軸角度算出部118と、各軸回転速度算出部120と、各軸トルク算出部122と、減速機微分寿命算出部124と、ロボット質点モデル記憶部126と、減速機定格データ記憶部128とを有する。
【0022】
各軸角度算出部118は、図1に示すように動作指令算出部116から出力されるサンプリング周期毎の動作指令に基づいて、ロボット102の各軸の角度を算出し、これを各軸トルク算出部122および3次元グラフィック表示部114に出力する。各軸回転速度算出部120は、動作指令算出部116からのサンプリング周期毎の動作指令に基づいて、ロボット102の各軸の減速機の回転速度を算出し、これを減速機微分寿命算出部124に出力する。
【0023】
各軸トルク算出部122は、ロボット質点モデル記憶部126からロボット102の各軸のそれぞれに質点を設定した質点モデルを読み出す。そして、各軸トルク算出部122は、読み出した質点モデルと、各軸角度算出部118が算出したロボット102の各軸の角度とに基づいて、各軸の減速機にかかる負荷を算出し、これを減速機微分寿命算出部124に出力する。このように、各軸回転速度算出部120および各軸トルク算出部122は、ロボット102の各軸の減速機の回転速度および各軸の減速機にかかる負荷をサンプリング周期毎に算出するものであり、回転速度負荷算出部として機能する。
【0024】
減速機微分寿命算出部124は、減速機定格データ記憶部128から定格データとして定格寿命L、定格回転速度Vおよび定格トルクTを読み出す。そして、減速機微分寿命算出部124は、読み出した定格データと、各軸回転速度算出部120が算出したロボット102の各軸の減速機のサンプリング周期単位の回転速度vと、各軸トルク算出部122が算出した各軸の減速機にかかるサンプリング周期単位の負荷(トルク)τとに基づいて、以下の式(1)を用いて、ロボット102の各軸の減速機の微分寿命Iを算出する。
【数1】
【0025】
ここで微分寿命Iとは、ロボット102の各軸の減速機のサンプリング周期単位の回転速度vおよび負荷τを継続した場合の、ロボット102の各軸の減速機の寿命である。換言すれば、ある瞬間の回転速度vおよび負荷τで稼働させつづけた場合の減速機の寿命である。さらに、減速機微分寿命算出部124は、算出した微分寿命Iを3次元グラフィック表示部114に出力する。
【0026】
3次元グラフィック表示部114は、モニタ130にロボット102を3次元グラフィックで表示する。この3次元グラフィックは、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)の三つの成分からなるHSV色空間で表示されている。
【0027】
また、3次元グラフィック表示部114は、上記の定格寿命Lと、減速機微分寿命算出部124が算出した各軸の減速機の微分寿命Iとに基づいて、微分寿命Iをリアルタイムで監視しながら、以下の式(2)を用いて、色の明るさ(明度)Dを算出する。
【数2】
【0028】
このように、3次元グラフィック表示部114は、微分寿命Iをリアルタイムで監視しながら、明度Dを算出するため、微分寿命Iの値に応じてロボット102の各減速機を内包する可動部104、106、108(図2参照)の明度を変化させることができる。なお3次元グラフィック表示部114では、明度を変化させる場合には、HSV空間において色相および彩度を固定している。
【0029】
また3次元グラフィック表示部114では、3次元グラフィックの明度を変化させるだけでなく、微分寿命Iの値に応じて可動部104、106、108の色を変化させることもできる。
【0030】
一例として、図2に示すロボット102の3次元グラフィックでは、ハッチングによって可動部104、106、108の明度や色を区別するように示している。3次元グラフィック表示部114では、微分寿命Iが短い(高負荷)ほど、明度を低くしたり、色を濃くしたり、あるいは、微分寿命Iが長い(低負荷)ほど、明度を高くしたり、色を薄くしたりするなど、適宜の設定に応じた表示を行うことができる。
【0031】
さらに3次元グラフィック表示部114では、各軸角度算出部118が算出したロボット102の各軸の角度に基づいて、動作プログラムに合わせたロボット102の動作を3次元グラフィック上にサンプリング周期毎に表示することができる。
【0032】
図3は、図1のシミュレーション装置100の処理を示すフローチャートである。シミュレーション装置100では、まず、ロボット102の動作プログラムをシミュレーションにより実行する動作指令が、仮想制御装置110からロボットシミュレータ112に出力される(ステップS100)。
【0033】
つぎに、ロボットシミュレータ112では、各軸回転速度算出部120がロボット102の各軸の減速機の回転速度をサンプリング周期毎に算出し(ステップS102)、さらに各軸トルク算出部122が各軸の減速機にかかる負荷をサンプリング周期毎に算出する(ステップS104)。
【0034】
続いて、減速機微分寿命算出部124は、各軸回転速度算出部120および各軸トルク算出部122が算出したサンプリング周期単位の回転速度および負荷に基づいて、上記の式(1)を用いて、その瞬間的な回転速度および負荷を継続した場合のロボット102の各軸の減速機の寿命である微分寿命を算出する(ステップS106)。
【0035】
そして3次元グラフィック表示部114は、ロボット102をモニタ130に3次元グラフィックで表示する。このとき、微分寿命の値に応じて、上記の式(2)を用いるなどして、ロボット102の各減速機を内包する可動部104、106、108の色または明度を変化させる(ステップS108)。また、シミュレーション装置100では、ステップS108の処理を行った後、動作プログラムを実行中であれば(ステップS110、Yes)、再びステップS102に戻り、ステップS108までの処理をサンプリング周期毎に繰り返し、動作プログラムを実行中でなければ(No)、処理を終了する。
【0036】
このようにシミュレーション装置100では、3次元グラフィック表示部114において、ロボット102の各減速機を内包する可動部104、106、108の色または明度を、算出された微分寿命の値に応じて3次元グラフィック上で変化させる。
【0037】
したがって、動作プログラムを作成する操作者は、ロボット102が表示された3次元グラフィック上で、サンプリング周期単位で変化するロボット102の可動部104、106、108の色または明度を視覚的かつ直感的に確認するだけで、動作プログラムのうち、減速機の寿命を短くする原因となる動作ステップを容易に認識することができる。そして操作者は、この動作ステップを修正することにより、結果的に、減速機の寿命を延長できる。すなわち、本来は目に見えない負荷の可視化をすることができる。
【0038】
また3次元グラフィック表示部114は、適宜の設定を変更することにより、サンプリング周波数より長い所定時間内での微分寿命の最小値に応じて、ロボット102の可動部104、106、108の色または明度を変化させるようにしてもよい。
【0039】
一例として、サンプリング周波数が5msecであるとき、100msecの間で最も微分寿命が短い場合の色または明度によって、ロボット102の可動部104、106、108を表示する。仮にサンプリング周波数ごとに色を変化させると、操作者は、瞬間的に短寿命(高負荷)の色が表示されてもあっても肉眼では認識できないか、または見逃してしまうおそれがある。しかしサンプリング周波数とは別にある程度長い時間幅を設定し、その期間の中で最も短い微分寿命に従って色または明度を変化させることにより、確実に視認することができる。このため、操作者は、ロボット102の減速機の寿命を短くする原因であって修正すべき動作ステップをより確実に認識できる。
【0040】
なお操作者は、ロボット102の減速機の寿命を延長するように、動作プログラムを修正する際、減速機の回転速度および負荷の影響を考慮した減速機の寿命を、3次元グラフィック上の変化を確認するだけで適切に評価することができ、修正が必要な動作ステップを直感的に理解できる。また操作者は、3次元グラフィック上で、ロボット102の動作に対応した各軸の減速機の負荷を視覚的に把握できるため、減速機の負荷を考慮して動作プログラムを作成するようになる。つまりシミュレーション装置100を用いることで、操作者はどのような動作をさせると減速機に無理がかかるのかを学習することができ、動作プログラムを作成する操作者の技能も向上させることができる。
【0041】
ここで上記実施形態では、図2に示すモニタ130に画像を出力するグラフィック表示部として3次元グラフィック表示部114を例示したが、これに限定されない。一例として、グラフィック表示部は、ロボット102をモニタ130に2次元グラフィックで表示するものであってもよい。この場合、シミュレーション装置100では、ロボット102の各減速機を内包する可動部104、106、108の色または明度を、算出された微分寿命の値に応じて2次元グラフィック上で変化させることができる。
【0042】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、ロボットの各軸の減速機の寿命をシミュレーションにより推定するロボット減速機寿命推定シミュレーション装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
100…ロボット減速機寿命推定シミュレーション装置、102…ロボット、104、106、108…可動部、110…仮想制御装置、112…ロボットシミュレータ、114…3次元グラフィック表示部、116…動作指令算出部、118…各軸角度算出部、120…各軸回転速度算出部、122…各軸トルク算出部、124…減速機微分寿命算出部、126…ロボット質点モデル記憶部、128…減速機定格データ記憶部、130…モニタ
図1
図2
図3