(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
F24H 15/429 20220101AFI20240510BHJP
G06F 9/445 20180101ALI20240510BHJP
H04M 15/00 20240101ALI20240510BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240510BHJP
F24H 1/00 20220101ALI20240510BHJP
【FI】
F24H15/429
G06F9/445
H04M15/00 B
H04Q9/00 301D
F24H1/00 Z
(21)【出願番号】P 2020105401
(22)【出願日】2020-06-18
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲廣▼田 大輔
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-168515(JP,A)
【文献】特開2003-202153(JP,A)
【文献】特開2002-111894(JP,A)
【文献】特開2008-275229(JP,A)
【文献】特開2016-223714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 15/10 - 15/493
G06F 9/445
H04M 15/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバと通信接続可能な給湯装置であって、
前記給湯装置における一又は複数の機能を有効化するための、一又は複数のプログラムが予め格納された記憶部と、
前記一又は複数の機能毎の契約状況を示す情報を前記管理サーバから受信する通信部と、
前記管理サーバから受信した前記情報に基づいて前記一又は複数のプログラムの実行及び非実行を制御することで前記一又は複数の機能を有効化又は無効化する演算処理部とを備え、
前記管理サーバは、最新の前記契約状況を反映して前記情報を逐次更新し、
前記通信部は、定期的に前記管理サーバに対して前記情報の送信を要求する、給湯装置。
【請求項2】
管理サーバと通信接続可能な給湯装置であって、
前記給湯装置における一又は複数の機能を有効化するための、一又は複数のプログラムが予め格納された記憶部と、
前記一又は複数の機能毎の契約状況を示す情報を前記管理サーバから受信する通信部と、
前記管理サーバから受信した前記情報に基づいて前記一又は複数のプログラムの実行及び非実行を制御することで前記一又は複数の機能を有効化又は無効化する演算処理部とを備え、
前記管理サーバは、最新の前記契約状況を反映して前記情報を逐次更新するとともに、更新後の前記情報を前記通信部に送信する
、給湯装置。
【請求項3】
管理サーバと通信接続可能な給湯装置であって、
前記給湯装置における一又は複数の機能を有効化するための、一又は複数のプログラムが予め格納された記憶部と、
前記一又は複数の機能毎の契約状況を示す情報を前記管理サーバから受信する通信部と、
前記管理サーバから受信した前記情報に基づいて前記一又は複数のプログラムの実行及び非実行を制御することで前記一又は複数の機能を有効化又は無効化する演算処理部とを備え、
前記管理サーバから送信された前記情報は前記記憶部に格納され、
前記演算処理部は、予め定められた時間帯において前記給湯装置の運転停止期間中に、格納された前記情報に基づいて、前記一又は複数のプログラムの少なくとも一部のロード処理及びアンロード処理の少なくとも一方を実行する
、給湯装置。
【請求項4】
管理サーバと通信接続可能な給湯装置であって、
前記給湯装置における一又は複数の機能を有効化するための、一又は複数のプログラムが予め格納された記憶部と、
前記一又は複数の機能毎の契約状況を示す情報を前記管理サーバから受信する通信部と、
前記管理サーバから受信した前記情報に基づいて前記一又は複数のプログラムの実行及び非実行を制御することで前記一又は複数の機能を有効化又は無効化する演算処理部とを備え、
前記通信部は、前記情報の初回受信に先立って、当該給湯装置の識別情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、当該識別情報に基づいて当該給湯装置の前記契約状況を反映した前記情報を前記通信部へ送信する
、給湯装置。
【請求項5】
前記契約状況を示す情報は、前記一又は複数の機能の少なくとも一部に係る課金情報を含む、請求項
1~4のいずれか1項に記載の給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置に関し、より特定的には、有効とされる機能が切り替えられる給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯装置の多機能化が進んでいる。従来は、給湯装置の工場出荷段階、又は、設置工事段階で有効化される機能は固定されることが一般的である。
【0003】
例えば、特開2019-24181号公報(特許文献1)には、通信端末による熱源機の遠隔操作機能を有するシステムにおいて、当該熱源機のリモコンの操作部が、特定の操作以外の操作を無効化するロック状態に設定されると、当該ロック状態が解除された非ロック状態と比較して、通信端末による遠隔操作を制限することが記載されている。即ち、特許文献1には、リモコンをロック状態とする所定操作によって、予め定められた遠隔操作機能の一部を無効化する制御が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、近年では、ユーザの新規契約、或いは、料金支払等による期間制限を反映して、機能の追加及び削除が給湯装置5のユーザ以外によって指定されるシステム運用が求められるようになっている。
【0006】
この様な運用に対しては、新規契約及び/又は課金による機能追加に対応して、当該機能に必要なソフトウェアをサーバ等から都度ダウンロードし、給湯装置において、当該ソフトウェアを実行することによって対応する機能が有効化されるシステム構成が想定される。
【0007】
しかしながら、当該ソフトウェアの通信量が大きい場合には、給湯装置でのソフトウェアの取得に長時間を要することが懸念される。このようなソフトウェアの取得は、緊急性が高いものを除いて、給湯装置の運転オフ時間に実行されることが一般的であり、かつ、ソフトウェアの取得中に給湯装置の運転がオンされた場合には、給湯装置の運転が優先されて、ソフトウェアの取得は中断されて後回しとされるケースが発生し得る。このような場合には、契約に対応した機能追加がタイムリーに実現できないことで、ユーザ利便性が低下することが懸念される。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、契約状況を反映した給湯装置の機能の有効化及び無効化を、ユーザ利便性を低下させることなく実行することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面では、管理サーバと通信接続可能な給湯装置であって、記憶部と、通信部と、演算処理部とを備える。記憶部は、給湯装置における一又は複数の機能を有効化するための一又は複数のプログラムを予め格納する。通信部は、一又は複数の機能毎の契約状況を示す情報を管理サーバから受信する。演算処理部は、管理サーバから受信した情報に基づいて一又は複数のプログラム実行及び非実行を制御することで一又は複数の機能を有効化又は無効化する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、契約状況の更新による機能の追加又は削除時には、管理サーバとの間でプログラムを送受信することなく、契約状況を示す情報のみを管理サーバから受信することで、給湯装置における機能を有効化又は無効化することができる。この結果、契約状況の変化に対応して給湯装置において機能が実際に有効化又は無効化されるまでの時間を短縮することで、ユーザ利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態に従う給湯装置及び当該給湯装置の運用システムの構成例を説明する概略図である。
【
図2】
図1に示されたコントローラの構成を説明するブロック図である。
【
図3】
図2に示されたメモリの記憶内容を説明する概念図である。
【
図4】本実施の形態に係る給湯装置における契約状況に連動した機能有効化制御を説明する状態フロー図である。
【
図5】給湯装置の運用システムの構成の第1の変形例を説明する概略図である。
【
図6】給湯装置の運用システムの構成の第2の変形例を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
【0013】
図1は、本実施の形態に従う給湯装置及び当該給湯装置の運用システムを説明する概略図である。
【0014】
図1を参照して、給湯装置5は、熱源機10と、コントローラ11と、リモートコントローラ20,30とを備える。熱源機10は、例えば、ガスや石油等の燃料の燃焼熱を用いる加熱、及び、発電時の排熱又はヒートポンプによる加熱の何れを熱源に利用する構成であってもよい。又、熱源機10は、加熱された高温水がそのまま出湯される構成の他、加熱された高温水を貯留する貯湯式の構成であってもよい。熱源機10から出力される温水は、図示しない給湯配管を経由して、浴槽、シャワー、カラン等へ供給される。
【0015】
給湯装置5に対するユーザ指令は、リモートコントローラ20,30によって入力される。リモートコントローラ20,30は、通信線21および31によって、熱源機10の筐体に内蔵されるコントローラ11と接続される。通信線21,31は、2心通信線によって構成される。
【0016】
例えば、リモートコントローラ20は台所の壁面に配設される。以下では、リモートコントローラ20を「台所リモコン20」とも称する。台所リモコン20は、給湯装置5の運転を入り切りするための運転スイッチ22と、操作スイッチ23と、表示部25とを含む。運転スイッチ22および操作スイッチ23は、代表的には、プッシュボタンやタッチボタンによって構成することができる。表示部25は、代表的には、液晶パネルによって構成することができる。
【0017】
同様に、リモートコントローラ30は、浴室の壁面に配設される。以下では、リモートコントローラ30を「浴室リモコン30」とも称する。浴室リモコン30は、運転スイッチ32と、操作スイッチ33と、表示部35とを有する。運転スイッチ32および操作スイッチ33は、代表的には、プッシュボタンやタッチボタンによって構成することができる。表示部35は、代表的には、液晶パネルによって構成することができる。
【0018】
台所リモコン20は、無線通信による通信経路51によって、宅内に配置されたインターフェイス機器40と通信可能に構成されている。インターフェイス機器40は、一定範囲内に存在する機器を、外部通信網45(インターネット)に通信接続するための通信中継器であり、例えば、インターネットに対してWi-Fi接続するための無線LAN(Local Area Network)ルータによって構成することができる。給湯装置5(台所リモコン20)は、外部通信網45に通信接続することで、サーバ50に対してアクセスすることができる。従って、給湯装置5(台所リモコン20)は、インターフェイス機器40を経由して、サーバ50との間で双方向に通信することができる。
【0019】
図2は、
図1に示されたコントローラの構成を説明するブロック図である。
図2を参照して、コントローラ11は、CPU(Central Processing Unit)12、入出力インターフェイス(I/O)13、通信部14、及び、メモリ15を含むマイクロコンピュータによって構成することができる。
【0020】
コントローラ11は、メモリ15に格納されたプログラムをCPU12が実行することによるソフトウェア処理によって、給湯装置5の動作を制御する。入出力インターフェイス13は、熱源機10に配置されたセンサ類の検出値を受けて、CPU12へ入力する。更に、入出力インターフェイス13は、CPU12での演算処理によって生成された、熱源機10の構成機器への制御指令を受けて、当該構成機器に対して出力する。メモリ15は「記憶部」の一実施例に対応し、CPU12は「演算処理部」の一実施例に対応する。
【0021】
更に、入出力インターフェイス13は、コントローラ11に設けられた、ディップスイッチ等の操作部17の操作状態を示す信号をCPU12へ入力する機能を有する。
【0022】
通信部14は、通信線21および31を経由して、台所リモコン20及び浴室リモコン30との間で双方向にデータを送受信することによって情報を授受できるように構成される。これにより、台所リモコン20及び浴室リモコン30に入力されたユーザ指令は、CPU12に伝送される。反対に、CPU12で生成されたデータを台所リモコン20及び浴室リモコン30に伝送して、表示部25,35での表示に用いることも可能である。
【0023】
更に、通信部14は、
図1に示した様に、台所リモコン20及びインターフェイス機器40を経由して外部通信網45(インターネット)に接続することで、サーバ50との間で双方向のデータ通信が可能である。この結果、コントローラ11は、サーバ50との間で双方向にデータを授受することができる。
【0024】
図3は、
図2に示されたメモリの記憶内容を説明する概念図である。
図3を参照して、メモリ15は、給湯装置5の工場出荷段階において、n個(n:2以上の整数)の機能F1~Fnをそれぞれ有効化するためのプログラムPL1~PLnを記憶する。
【0025】
機能F1~Fnの一部は、追加的に実現される機能であり、プログラムを新たに実行することで、対応する機能が有効化される。例えば、浴室リモコン30に内蔵された人感センサ(図示せず)の検知結果を用いて、入浴検知後に浴室内での人の動きが検知されないときに、台所リモコン20等に警告メッセージを出力する機能(いわゆる、「見守り機能」)を有効化することができる。
【0026】
一例として、複数のプログラムPL1~PLnのうちのプログラムPLm(m:1≦m≦nの整数)がCPU12により実行されることによって、見守り機能が有効化されるものとする。この場合には、ユーザが当該見守り機能を付加する契約を行っているときに、プログラムPLmを実行する一方で、見守り機能が契約されていないとき、又は、契約の有効期限が切れたときには、プログラムPLmを非実行とすることで、コントローラ11によって見守り機能の有効化及び無効化を制御することができる。
【0027】
或いは、機能F1~Fnの一部は、択一的に実現される機能であってもよい。例えば、インターネットラジオを浴室リモコン30で聴取する機能については、異なる選局可能範囲が設定されるk個のプログラムPLj1~PLjkによって実現されるものとする。ここで、j1~jkは、1以上n以下であり、かつ、上記mとは異なる整数である。このときには、インターネットラジオ機能を付加する契約が無いときには、プログラムPLj1~PLjkが全て非実行とされる。
【0028】
一方で、インターネットラジオ機能を付加する場合には、契約内容に選曲可能範囲の選択が含まれており、当該選択に応じて、プログラムPLj1~PLjkのうちの1個のプログラムが、CPU12により選択的に実行される一方で、残りの(k-1)個のプログラムが非実行とされる。これにより、選局可能範囲の選択を含む契約内容に応じて、コントローラ11によって、インターネットラジオ機能に係る機能の有効化及び無効化を制御することができる。
【0029】
このようにして、CPU12による複数のプログラムPL1~PLnの実行及び非実行の切り替えにより、機能F1~Fnの選択的な有効化が可能となる。メモリ15には、複数のプログラムPL1~PLnの実行及び非実行を指示するための制御データDcntが更に記憶される。制御データDcntの更新によりCPU12の実行プログラムを切り替えることで、機能F1~Fnのうちの有効化される機能を切り替えることが可能となる。
【0030】
図4は、本実施の形態に係る給湯装置における契約状況に連動した機能有効化制御を説明する状態フロー図である。
【0031】
図4を参照して、コントローラ11のメモリ15には、複数のプログラムPL1~PLnが、工場出荷前の段階で書き込まれる。これにより、工場出荷後に、給湯装置5が設置される段階において、メモリ15には、複数のプログラムPL1~PLnが格納されている。
【0032】
給湯装置5の設置工事時において、給湯装置5はサーバ50と通信接続される。通信接続が確立されると、給湯装置5の識別情報が、サーバ50へ送信されて登録される。サーバ50には、給湯装置5の購入者(ユーザ)の契約情報が書き込まれる。契約情報は、当該給湯装置5のユーザによる契約状況に従って、機能F1~Fnのそれぞれを有効/無効の何れとするかの情報を含み、例えば、課金によって、有期又は無期限で各機能を有効化することができる。即ち、当該契約情報(契約状況を示す情報)は、課金情報を含むものである。或いは、当該契約情報は、課金情報ではない、無料の契約情報、例えば、無料のユーザ登録に係る情報等を含んでもよい。
【0033】
サーバ50は、識別情報を用いて、登録された給湯装置5と、既に書き込まれている契約情報とを紐付けする。これにより、契約状況に従って機能F1~Fnのそれぞれが有効/無効の何れであるかを示す制御データDcntについて、初期値となるDcnt(t1)が生成される。制御データDcnt(t1)は、サーバ50から給湯装置5へ送信されて、コントローラ11のメモリ15(
図3)に格納される。制御データDcntは、複数の機能F1~Fn(
図3)のそれぞれの契約状況を示す「情報」の一実施例に対応する。
【0034】
コントローラ11は、格納された制御データDcntに従って、複数のプログラムPL1~PLnの実行及び非実行を制御する。新たに実行すべきプログラムが生じた場合には、給湯装置5の運転スイッチのオフ期間において、CPU12がメモリ15から当該プログラムをロードする処理が実行される。
【0035】
反対に、実行中のプログラムを非実行とする場合には、給湯装置5の運転スイッチのオフ期間において、CPU12が当該プログラムをアンロードする処理が実行される。この様な、ロード処理及びアンロード処理は、予め定められた時間帯(例えば、深夜時間帯)を指定して、給湯装置5の運転スイッチのオフ期間中に実行することができる。
【0036】
初回のDcnt(t1)に対しては、複数のプログラムPL1~PLnのうちの、契約によって有効化された機能に対応する少なくとも一部のプログラムを実行する処理を、給湯装置5の試運転の一環として実行することが可能である。
【0037】
給湯装置5のユーザが新しい機能を追加する契約、或いは、機能を削除する契約を行うことで、契約状況が更新される。或いは、一定期間毎の料金支払いを伴う契約については、当該期間の経過に応じて契約状況が更新される。契約状況の更新に応じて、サーバ50に登録される契約情報が更新されると、サーバ50は、当該制御データDcntの内容を更新する。これにより、サーバ50には、常に、最新の契約状況を反映した内容の制御データDcntが保持される。このように、サーバ50は、給湯装置5に係る契約情報を管理することで「管理サーバ」として機能することができる。
【0038】
給湯装置5は、定期的にサーバ50に通信することで、最新の制御データDcntを取得することができる。
図4には、給湯装置5が、タイミングtxにおいてサーバ50にアクセスすることで、当該時点における最新の制御データDcnt(tx)を取得する例が示されている。このようなタイミングtxは、例えば、深夜時間帯の予め定められた時刻に毎日設けることができる。
【0039】
給湯装置5のコントローラ11は、制御データDcnt(tx)を取得すると、メモリ15に更新後の内容を格納する。更に、更新後の制御データDcnt(tx)の内容と、現時点でのプログラムPL1~PLnの実行/非実行の状態に照らして、新たに実行するプログラム、或いは、非実行とするプログラムが存在するか否かを確認する。この確認結果に応じて、必要なロード処理及び/又はアンロード処理が、上述のタイミングで実行される。
【0040】
或いは、サーバ50は、契約状況の更新に応じて制御データDcntの内容を更新すると、更新後の制御データDcntを、給湯装置5からの送信要求を待つことなく、給湯装置5に対して送信してもよい。
【0041】
例えば、タイミングtyにおいて、契約状況の更新に応じて制御データDcntが更新されると、当該時点において、更新後の制御データDcnt(ty)を、サーバ50から給湯装置5へ送信することができる。制御データDcnt(ty)についても、一旦メモリ15に格納した後に、適切なタイミングで、更新後の制御データDcnt(ty)に基づくロード処理及び/又はアンロード処理を実行することができる。
【0042】
これにより、契約内容の変更を適宜反映して、給湯装置5のコントローラ11でのプログラムPL1~PLnの実行/非実行を制御することで、複数の機能F1~Fnを選択的に有効化することができる。特に、契約状況に応じて機能を有効化又は無効化する際に、サーバ50から台所リモコン20へのダウンロード配信、及び、台所リモコン20からコントローラ11への通信線21による通信によってプログラムを送受信する必要が無い。
【0043】
この様に、本実施の形態に係る給湯装置では、予め格納された複数のプログラムのロード処理及びアンロード処理によって、契約状況を反映した機能の有効化及び無効化の制御が実行される。従って、機能追加時にサーバ50からソフトウェアが都度配信される場合と比較して、当該契約状況の変更を短時間で給湯装置5での機能選択に反映することができる。この結果、ユーザ利便性を高めることができる。
【0044】
又、現在の機能F1~Fnの各々の有効/無効に関する最新の情報は、コントローラ11から、台所リモコン20及び浴室リモコン30に伝送される。これにより、台所リモコン20及び浴室リモコン30の表示部25,35により、給湯装置5における現時点の有効機能に関する情報をユーザに提供することができる。
【0045】
尚、契約状況を管理するサーバ50と給湯装置5との通信接続は、
図1の構成例に限定されるものではない。
【0046】
図5には、
図1に示された給湯装置の運用システムの構成の第1の変形例を説明する概略図が示される。
【0047】
図5を参照して、給湯装置5とインターフェイス機器40との間は、通信アダプタ300aによって通信接続されてもよい。この場合には、通信アダプタ300aが、インターフェイス機器40と通信可能に構成されており、熱源機10(コントローラ11)、台所リモコン20、及び、浴室リモコン30は、通信線47を経由して、通信アダプタ300aと通信接続される。
【0048】
言い換えると、
図1の構成例は、通信アダプタ300aの機能が、台所リモコン20に内蔵されたものに相当する。
図5の構成によっても、熱源機10のコントローラ11は、通信アダプタ300aを経由して、最新の契約状況が反映された制御データDcntをサーバ50から適時に受信することが可能である。尚、
図5において、通信アダプタ300aは、インターフェイス機器40との間で無線通信経路を形成する、無線アダプタとして例示されているが、インターフェイス機器40と通信線によって接続される、有線アダプタとすることも可能である。
【0049】
図6には、
図1に示された給湯装置の運用システムの構成の第2の変形例を説明する概略図が示される。
【0050】
図6を参照して、熱源機10側に通信アダプタ300a(
図5)の機能を内蔵することにより、熱源機10のコントローラ11から直接、インターフェイス機器40を経由してサーバ50と通信接続する構成とすることも可能である。
【0051】
図6の構成例によっても、コントローラ11は、最新の契約状況が反映された制御データDcntをサーバ50から定期的に受信することができる。尚、熱源機10(コントローラ11)とインターフェイス機器40との間は、有線接続されてもよい。この様に、契約状況を管理するサーバ50と給湯装置5との通信接続態様は、任意とすることができる。
【0052】
又、コントローラ11への制御データDcntの入力は、サーバ50からの受信に限定されるものではない。例えば、
図2に示された操作部17をサービスマンが操作することによって、制御データDcntの新規入力又は変更を行うことも可能である。これにより、給湯装置5の設置工事時、又は、機能追加のための追加工事時に、サービスマン等が直接、コントローラ11に制御データDcntを書き込むことも可能となる。
【0053】
尚、メモリ15に予め格納される複数のプログラムは、工場出荷後に一部のプログラムが追加的に書きこまれてもよい。即ち、最新の契約状況が反映された制御データDcntが得られた時点においてメモリ15に予め格納されている、複数の機能をそれぞれ有効化するための複数のプログラムの実行/非実行が、制御データDcntに基づいて制御されることで、本実施の形態による契約状況に連動した機能有効化制御を実現することが可能である。
【0054】
又、本実施の形態では、複数の機能の選択的な有効化のために、予め格納された複数のプログラムの実行及び非実行が制御される例を説明したが、本実施の形態による契約状況に連動した機能有効化制御は、単一機能の有効化及び無効化の制御にも適用することが可能である(即ち、n=1)。この場合には、当該一機能を有効化するための一のプログラムが予めメモリ15に格納された状態において、最新の契約状況が反映された制御データDcntに基づき当該一のプログラムが実行又は非実行とされることになる。
【0055】
尚、本実施の形態では、概念的に、追加的に実現される1つの機能が、対応する1つのプログラムの実行によって有効化されるものとして1:1の対応で説明したが、これに代えて、或いはこれとともに、実際には、1つの機能が、対応する複数個のプログラムによって実現される態様とすることも可能である。
【0056】
又、複数個の機能を1セットとして有効化/無効化できるように構成することも可能であり、この場合には、対応する1つ又は複数個のプログラムの実行によって、対応する1セットの複数個の機能が一括して、即ち、同時に実現される態様とすることも可能である。
【0057】
尚、以上の説明では、熱源機10のコントローラ11でのプログラムの実行及び非実行の選択によって、給湯装置5の機能の有効化及び無効化が制御されるものとしたが、同様の制御は、他のコントローラ、例えば、台所リモコン20又は浴室リモコン30に内蔵されるコントローラ(図示せず)によって実行されてもよい。例えば、上述したインターネットラジオ機能については、浴室リモコン30のコントローラが、
図3~
図4で説明した制御を実行することが可能である。
【0058】
又、本実施の形態では、プログラムのロード処理及び/又はアンロード処理は、予め定められた時間帯(例えば、深夜時間帯)を指定して、給湯装置5の運転スイッチのオフ期間中に実行する例を説明したが、機能によっては、時間帯に関係なく、運転オンモードのままロード処理及び/又はアンロード処理を実行してもよい。
【0059】
或いは、機能によっては(例えば、緊急性の高い機能)、運転オンモードを強制的に運転オフモードに切り替えてロード処理及び/又はアンロード処理を実行してもよい。その場合には、強制的に運転オフモードに切り替える旨、及び、ロード処理等を実行する旨を、表示部25,35等で構成可能な「報知部」によってユーザに報知するように構成することが好ましい。
【0060】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0061】
5 給湯装置、10 熱源機、11 コントローラ、12 CPU,13 入出力インターフェイス、14 通信部、15 メモリ、17 操作部(コントローラ)、20 リモートコントローラ(台所リモコン)、21,31,47 通信線、22,32 運転スイッチ、23,33 操作スイッチ、25,35 表示部、30 リモートコントローラ(浴室リモコン)、40 インターフェイス機器、45 外部通信網、50 サーバ、51 通信経路、300a 通信アダプタ、Dcnt 制御データ、PL1~PLn プログラム。