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特許7485940検索制御プログラム、検索制御方法及び検索制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】検索制御プログラム、検索制御方法及び検索制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/33 20190101AFI20240510BHJP
   G06Q 30/016 20230101ALI20240510BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240510BHJP
【FI】
G06F16/33
G06Q30/016
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020143634
(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公開番号】P2022038912
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】関根 絵里菜
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/216054(WO,A1)
【文献】特表2018-511873(JP,A)
【文献】特開平11-039338(JP,A)
【文献】特開2007-310663(JP,A)
【文献】特開平11-250086(JP,A)
【文献】森本 由起子,ヘルプデスクシステムにおける類似事例検索機能の開発及び評価,情報処理学会研究報告,社団法人情報処理学会,1999年09月24日,第99巻, 第78号,pp.1~8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
それぞれが過去に受信した問合せである複数の過去問合せに対して過去問合せに応じた情報検索において利用されたキーワードを関連付けて記憶する記憶部から、受信した新規の問合せと所定基準以上類似する過去問合せを特定し、
前記記憶部において特定した前記類似する過去問合せと関連付けられたキーワードを、受信した前記新規の問合せに応じた情報検索に利用可能なキーワードとして取得する、
処理を実行させることを特徴とする検索制御プログラム。
【請求項2】
前記過去問合せに関連付けられたキーワードは、過去に特定ユーザが情報検索に利用したキーワードであることを特徴とする請求項1に記載の検索制御プログラム。
【請求項3】
取得した前記キーワードを、前記新規の問合せに応じた情報検索において利用を推奨するキーワードとして表示する、処理を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の検索制御プログラム。
【請求項4】
前記表示する処理では、前記特定する処理において特定された前記過去問合せと前記新規の問合せとの類似度を、取得した前記キーワードと合わせて表示する、ことを特徴とする請求項3に記載の検索制御プログラム。
【請求項5】
前記記憶部から、特定した前記類似する過去問合せと所定基準以上類似する過去問合せを更に特定し、更に特定した過去問合せと関連付けられたキーワードを、受信した前記新規の問合せに応じた情報検索に利用可能なキーワードとして取得する、処理を前記コンピュータがさらに実行することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の検索制御プログラム。
【請求項6】
前記特定する処理では、受信した前記新規の問合せと所定基準以上類似する過去問合せに、第1の過去問合せと、前記第1の過去問合せとの類似度が予め定めた閾値以上である第2の過去問合せとが含まれる場合に、前記第1の過去問合せと前記第2の過去問合せの一方のみを特定する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の検索制御プログラム。
【請求項7】
取得した前記キーワードを、前記新規の問合せに応じた情報検索のキーワードに追加して表示する、処理を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の検索制御プログラム。
【請求項8】
前記特定する処理では、受信した前記新規の問合せと前記過去問合せとが所定基準以上類似するかを、word2vec、doc2vec、及びコサイン類似度のいずれかを用いて判定する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の検索制御プログラム。
【請求項9】
コンピュータが、
それぞれが過去に受信した問合せである複数の過去問合せに対して過去問合せに応じた情報検索において利用されたキーワードを関連付けて記憶する記憶部から、受信した新規の問合せと所定基準以上類似する過去問合せを特定し、
前記記憶部において特定した前記類似する過去問合せと関連付けられたキーワードを、受信した前記新規の問合せに応じた情報検索に利用可能なキーワードとして取得する、
処理を実行することを特徴とする検索制御方法。
【請求項10】
それぞれが過去に受信した問合せである複数の過去問合せに対して過去問合せに応じた情報検索において利用されたキーワードを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部から、受信した新規の問合せと所定基準以上類似する過去問合せを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記類似する過去問合せと関連付けられたキーワードを、受信した前記新規の問合せに応じた情報検索に利用可能なキーワードとして取得する取得部と、
を備える検索制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索制御プログラム、検索制御方法及び検索制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製品やサービス等について、顧客からの問合せを電話で受け付けるコールセンターでは、問合せを受け付けたオペレータは、顧客に対してスピーディーに回答をする必要がある。
【0003】
このため、コールセンターには、FAQ(Frequently Asked Questions:よくある質問)を蓄積したFAQ検索システムが用意されている。オペレータは、顧客から新規の問合せがあると、FAQ検索システムを利用して、新規の問合せ内容に対応するFAQをキーワード検索し、検索されたFAQの内容を参考にして回答を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-197841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FAQ検索システムを利用する場合、オペレータが設定するキーワードが適切でなければ、必要としているFAQを検索することはできない。しかしながら、適切なキーワードを選定するためには、経験やノウハウが必要となる。
【0006】
1つの側面では、本発明は、問合せに応じた情報検索の利便性を向上することが可能な検索制御プログラム、検索制御方法及び検索制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの態様では、検索制御プログラムは、コンピュータに、それぞれが過去に受信した問合せである複数の過去問合せに対して過去問合せに応じた情報検索において利用されたキーワードを関連付けて記憶する記憶部から、受信した新規の問合せと所定基準以上類似する過去問合せを特定し、前記記憶部において特定した前記類似する過去問合せと関連付けられたキーワードを、受信した前記新規の問合せに応じた情報検索に利用可能なキーワードとして取得する、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
問合せに応じた情報検索の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係るFAQ検索システムの構成を概略的に示す図である。
図2図2(a)は、サーバのハードウェア構成を示す図であり、図2(b)は、端末のハードウェア構成を示す図である。
図3】サーバの機能ブロック図である。
図4図4(a)は、ナレッジDBの一例を示す図であり、図4(b)は、FAQ検索ログの一例を示す図である。
図5図5(a)は、対応履歴DBの一例を示す図であり、図5(b)は、キーワードDBの一例を示す図である。
図6】FAQ検索処理を示すフローチャートである。
図7図7(a)、図7(b)は、FAQ検索画面の一例を示す図である。
図8】キーワード選択画面の一例を示す図(その1)である。
図9】キーワード選択画面の一例を示す図(その2)である。
図10】登録処理(その1)を示すフローチャートである。
図11】キーワード登録画面の一例を示す図(その1)である。
図12】キーワード登録画面の一例を示す図(その2)である。
図13】登録処理(その2)を示すフローチャートである。
図14図14(a)、図14(b)は、図13の処理を説明するための図(画面例)である。
図15図15(a)、図15(b)は、図13の処理を説明するための図(データ例)である。
図16図13の登録処理(その2)の別例を示すフローチャートである。
図17】一実施形態の概要を説明するための図である。
図18】変形例1を説明するための図である。
図19図19(a)、図19(b)は、変形例2を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、FAQ検索システムの一実施形態について、図1図17に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1には、FAQ検索システム100の構成が概略的に示されている。FAQ検索システム100は、例えば、顧客から製品やサービス等に関する問合せを受け付けて対応するコールセンターにおいて稼働するシステムである。図1に示すように、FAQ検索システム100は、検索制御装置としてのサーバ10と、複数の端末70とを備える。サーバ10及び端末70は、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワーク80に接続されている。
【0012】
サーバ10は、コールセンターに勤務するオペレータが端末70に対して入力したキーワードを取得し、当該キーワードに対応するFAQ(Frequently Asked Questions:よくある質問)を端末70に提供する処理などを実行する。
【0013】
図2(a)には、サーバ10のハードウェア構成が概略的に示されている。図2(a)に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これらサーバ10の構成各部は、バス98に接続されている。サーバ10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム(検索制御プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラム(検索制御プログラムを含む)をCPU90が実行することにより、図3に示す各部の機能が実現される。なお、図3には、サーバ10のHDD96等に格納されている各種DB等も図示されている。なお、図3の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。なお、図3の各部の詳細については後述する。
【0014】
端末70は、オペレータが利用するPC(Personal Computer)などの端末である。図2(b)には、端末70のハードウェア構成が概略的に示されている。図2(b)に示すように、端末70は、CPU190、ROM192、RAM194、記憶部(HDD)196、ネットワークインタフェース197、表示部193、入力部195、及び可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。これら端末70の構成各部は、バス198に接続されている。表示部193は、液晶ディスプレイ等を含み、入力部195は、キーボードやマウス、タッチパネル等を含む。可搬型記憶媒体用ドライブ199は、可搬型記憶媒体191に格納されているデータやプログラムを読み取ることが可能である。
【0015】
図3は、サーバ10の機能ブロック図である。サーバ10のCPU90は、プログラムを実行することにより、図3に示すFAQ検索部20、検索ログ登録部22、対応履歴取得部24、類似問合せ検索部26、登録部28として機能する。
【0016】
FAQ検索部20は、端末70においてオペレータが入力又は選択したキーワードを用いてナレッジDB40に格納されているFAQを検索(例えばOR検索)し、検索された(ヒットした)FAQを端末70に対して提供(出力)する。ここで、ナレッジDB40には、図4(a)に示すようにFAQの具体的な内容(質問(Q)と回答(A)の組み合わせ)が多数格納されている。
【0017】
検索ログ登録部22は、オペレータが検索に利用したキーワードのログをFAQ検索ログ42に登録する。FAQ検索ログ42には、オペレータがFAQの検索を実行するたびに、ログが追加される。図4(b)には、FAQ検索ログ42の一例が示されている。FAQ検索ログ42には、「検索日時」、「オペレータ名」、「キーワード」の各情報が含まれる。「検索日時」は、オペレータがキーワードを用いてFAQ検索を行った日時であり、「オペレータ名」はオペレータの氏名であり、「キーワード」は、オペレータがFAQ検索に利用したキーワードである。
【0018】
対応履歴取得部24は、オペレータが顧客対応を行った後に端末70上で作成する対応履歴情報を取得し、対応履歴DB44に格納する。図5(a)には、対応履歴DB44に格納されるデータ例が示されている。対応履歴DB44には、「対応履歴No.」、「対応日時」、「オペレータ名」、「問合せ内容」、「対応履歴」が格納される。「対応履歴No.」は、対応履歴情報の識別番号であり、「対応日時」は、オペレータが対応履歴情報を作成した日時であり、「オペレータ名」は、オペレータの氏名である。また、「問合せ内容」は、オペレータが受けた問合せの内容であり、「対応履歴」は、問合せ内容の詳細や、オペレータが実際に顧客に回答した内容、回答後の結果などである。
【0019】
類似問合せ検索部26は、オペレータが、端末70上で新規の問合せ内容を入力した場合に、入力された新規の問合せ内容を取得する。そして、類似問合せ検索部26は、取得した新規の問合せ内容を用いて、記憶部としてのキーワードDB46を検索する。ここで、キーワードDB46には、図5(b)に示すように、「問合せ内容」ごとに利用すべき「キーワード」が対応付けて(関連付けて)格納されている。このキーワードDB46に格納されているデータは、特定ユーザ(経験豊富なベテランに分類されるオペレータ)などが手作業で入力したものや、特定ユーザが実際に利用したもの(過去の問合せ内容とその問合せの際に用いたキーワード)である。類似問合せ検索部26は、キーワードDB46から、新規の問合せ内容に対応するキーワードを検索し、検索結果を端末70に出力する。
【0020】
登録部28は、キーワードDB46を更新する処理を実行する。登録部28の具体的な処理については、後述する。
【0021】
(FAQ検索処理について)
次に、図6のフローチャートに沿って、FAQ検索処理について説明する。図6の処理の前提として、オペレータは、端末70においてFAQ検索画面の表示を要求(リクエスト)する入力を行っており、その要求が端末70からサーバ10(FAQ検索部20)に送信されているものとする。
【0022】
図6の処理が開始されると、FAQ検索部20は、ステップS10において、FAQ検索画面を端末70の表示部193上に表示する。この場合のFAQ検索画面は、図7(a)に示すような画面である。図7(a)の画面には、現在日時と操作しているオペレータ名を表示する欄、キーワード入力欄、FAQ表示欄、「検索」ボタン、「キーワード選択支援」ボタンが設けられている。なお、現在日時とオペレータ名については、オペレータによる修正は不可能となっている。
【0023】
例えば、オペレータは、顧客から新規問合せを受け付けると、図7(a)のFAQ検索画面のキーワード入力欄に1又は複数のキーワードを入力した後、「検索」ボタンを押す。あるいは、オペレータは、適切なキーワードを思いつかないなどの理由によりキーワード入力欄に必要十分なキーワードを入力できないような場合には、「キーワード選択支援」ボタンを押す。
【0024】
次のステップS12では、FAQ検索部20は、「検索」ボタンが押されたか否かを判断する。オペレータが図7(a)のFAQ検索画面のキーワード入力欄に1又は複数のキーワードを入力した後、「検索」ボタンを押すと、ステップS12の判断が肯定され、ステップS14に移行する。
【0025】
ステップS14に移行すると、FAQ検索部20は、キーワード入力欄に入力されているキーワードでナレッジDB40を検索し、検索結果をFAQ検索画面のFAQ表示欄に表示する。例えば、FAQ検索部20は、キーワードの全てがナレッジDB40の「Q」の欄に含まれているFAQを検索し、検索できた(ヒットした)場合には、図7(b)に示すように、検索されたFAQをFAQ表示欄に表示する。オペレータは、表示されたFAQを参照しながら、顧客に対して問合せに対する回答を行う。なお、複数のFAQがヒットした場合には、スクロール操作やページ送り操作等により、全FAQを表示できるようにすればよい。また、FAQを検索できなかった場合には、FAQ検索部20は、検索結果が0件であった旨や、キーワードを変更して再検索すべき旨を表示すればよい。ステップS14の処理が行われた後は、図6の全処理を終了する。
【0026】
一方、ステップS12の判断が否定された場合(「検索」ボタンが押されていない場合)には、ステップS16に移行し、類似問合せ検索部26は、「キーワード選択支援」ボタンが押されたか否かを判断する。このステップS16の判断が否定された場合には、ステップS12に戻る。一方、ステップS16の判断が肯定された場合、すなわちオペレータが図7(a)の「キーワード選択支援」ボタンを押すと、ステップS18に移行する。
【0027】
ステップS18に移行すると、類似問合せ検索部26は、キーワード選択支援画面を表示する。図8には、キーワード選択支援画面の一例が示されている。キーワード選択支援画面には、新規問合せ内容入力欄、「検索」ボタン、検索結果表示欄、「終了」ボタンが設けられている。新規問合せ内容入力欄は、オペレータが新規で受け付けた問合せ内容を入力する欄であり、オペレータは、当該欄に問合せ内容を入力した後に、「検索」ボタンを押す。また、検索結果表示欄は、新規問合せ内容に応じたキーワードの検索結果を表示する欄である。「終了」ボタンは、キーワード選択支援画面を用いた処理を終了する際にオペレータが押すボタンである。
【0028】
図6に戻り、続いて、ステップS20、S32では、類似問合せ検索部26は、新規問合せが入力され、「検索」ボタンが押されるまで(S20:肯定)、又は「終了」ボタンが押されるまで(S32:肯定)、待機する。例えば、オペレータによって「終了」ボタンが押された場合(S32:肯定)には、類似問合せ検索部26は、キーワード選択支援画面を非表示にして(閉じて)、ステップS12に戻る。一方、「検索」ボタンが押された場合(S20:肯定)には、類似問合せ検索部26は、ステップS22に移行し、キーワードDB46の問合せ内容と、新規問合せ内容との類似度を算出する。具体的には、類似問合せ検索部26は、機械学習の手法(例えばword2vec、doc2vec、コサイン類似度など)を用いて、キーワードDB46の問合せ内容それぞれと、新規問合せ内容との類似度を算出する。なお、word2vecとdoc2vecは、各問合せ内容に含まれる単語をベクトル化し、ベクトルの方向が近いものを類似度が高いと判定する手法である。また、コサイン類似度は、同一の単語が含まれている問合せ内容ほど類似度が高いと判定する手法である。
【0029】
次いで、ステップS24では、類似問合せ検索部26は、新規問合せ内容との類似度が所定基準以上であった問合せ内容と、当該問合せ内容に対応するキーワードを表示する。ここで表示されるキーワードは、オペレータが新たなキーワードとして追加することを推奨するキーワード(追加キーワード候補)であるといえる。例えば所定基準が50%である場合には、図9に示すように、新規問合せ内容との類似度が50%以上であった問合せ内容とキーワードの組み合わせを、検索結果表示欄に表示する。なお、検索結果表示欄の各キーワードの近傍には「選択」ボタンが表示される。オペレータは、この検索結果表示欄を参照して、追加キーワード候補の中に、図7(a)のキーワード入力欄に追加したいキーワードがあるか検討する。そして、追加したいキーワードがある場合には、オペレータは、追加したいキーワードに対応する「選択」ボタンを押す。なお、検索結果表示欄には、各問合せ内容と新規問合せ内容との類似度が表示され、かつ類似度が高い順に表示されているため、オペレータは、類似度を参考にしつつ、追加するキーワードを検討することができる。
【0030】
次いで、図6のステップS26、S30では、類似問合せ検索部26は、オペレータによって、「選択」ボタンが押されるまで(S26:肯定)、又は「終了」ボタンが押されるまで(S30:肯定)待機する。
【0031】
オペレータが「選択」ボタンを押した場合には、ステップS26の判断が肯定され、ステップS28に移行する。ステップS28に移行すると、類似問合せ検索部26は、押された「選択」ボタンに対応するキーワードをFAQ検索画面(図7(a))のキーワード入力欄に追加する。なお、オペレータは、「終了」ボタンを押すまでは、複数の「選択」ボタンを押すことにより、複数のキーワードを追加することが可能である。
【0032】
一方、オペレータが「終了」ボタンを押した場合には、ステップS30の判断が肯定され、ステップS12に戻る。なお、ステップS12に戻る場合には、類似問合せ検索部26は、キーワード選択支援画面を非表示にする。その後は、ステップS12の処理が上述と同様に実行される。したがって、オペレータは、キーワード選択支援画面を用いて新たなキーワードを追加し、「検索」ボタンを押せば(S12:肯定)、適切なキーワードを用いてナレッジDB40のFAQを検索することができる(S14)。
【0033】
(登録処理(その1)について)
次に、キーワードDB46へのデータの登録処理(その1)について、図10のフローチャートに沿って説明する。本登録処理は、ベテランに分類されるオペレータが図11に示すようなキーワード登録画面に入力した情報に基づいて、登録部28がキーワードDB46にデータを追加登録する処理である。図10の処理は、オペレータ(ベテラン)が端末70上からキーワード登録画面の表示要求を入力し、登録部28が当該要求を受け付けた段階で開始される。なお、キーワード登録画面の表示要求は、予めサーバ10で管理されているオペレータ(ベテラン)のみが行うことができるものとする。
【0034】
図10の処理が開始されると、ステップS50において、登録部28は、キーワード登録画面(図11)を端末70の表示部193上に表示する。図11のキーワード登録画面には、問合せ内容入力欄、「検索」ボタン、キーワード登録欄が設けられている。オペレータは、問合せ内容入力欄に、実際に顧客から問合せがあった内容や、過去の経験等から想定される問合せ内容を入力し、「検索」ボタンを押す。
【0035】
次いで、ステップS52では、登録部28が、図11の画面の問合せ内容入力欄に問合せ内容が入力され、「検索」ボタンが押されるまで待機する。オペレータが問合せ内容を入力して「検索」ボタンを押すと、ステップS54に移行する。
【0036】
次いで、ステップS54では、登録部28が、キーワードDB46の問合せ内容と、キーワード登録画面に入力された問合せ内容との類似度を算出する。この類似度の算出の際にも、前述した機械学習の手法(例えばword2vec、doc2vec、コサイン類似度など)を用いることができる。
【0037】
次いで、ステップS56では、登録部28が、類似度が所定基準以上の問合せ内容と、これに対応するキーワードを、キーワード登録画面のキーワード登録欄に表示する(図12参照)。ここで、図12のキーワード登録欄には、類似度が所定基準以上(例えば80%以上)の問合せ内容とキーワードとを対応付けた表が表示されるものとする。また、各問合せ内容の左隣りには、類似度も表示するものとする。また、問合せ内容の欄には、「修正」ボタンが設けられ、キーワードの欄には、「修正」、「削除」、「キーワード追加」ボタンが設けられている。更に、キーワード登録欄には、問合せ内容を新たに追加する欄(「問合せの追加」、「キーワードの追加」ボタン)や「登録」ボタンが設けられている。
【0038】
オペレータは、例えば、問合せ内容「パソコン 音が出なくなる」の修正ボタンを押した場合には、問合せ内容「パソコン 音が出なくなる」を修正することができる。また、問合せ内容「パソコン 音が出なくなる」に対応付けられているキーワードの「修正」や「削除」ボタンを押すことで、キーワードの修正や削除をすることができる。更に、オペレータが、問合せ内容「パソコン 音が出なくなる」に対応付けられている「キーワードの追加」ボタンを押した場合には、新たなキーワードを追加するための入力欄が表示される。この場合、オペレータは、表示された入力欄に新たなキーワードを入力することで、問合せ内容「パソコン 音が出なくなる」に対応するキーワードを新たに追加することができる。また、オペレータは、「問合せの追加」ボタンを押すと、問合せ内容入力欄に入力されている内容「パソコンから音が出なくなった」を問合せ内容として追加することができる。また、オペレータが、追加した問合せ内容に対応する「キーワードの追加」ボタンを押した場合には、新たなキーワードを追加するための入力欄が表示される。この場合、オペレータは、表示された入力欄に新たなキーワードを入力することで、問合せ内容「パソコンから音が出なくなった」に対応するキーワードを追加することができる。
【0039】
図10に戻り、次のステップS58では、登録部28が、「登録」ボタンが押されるまで待機する。オペレータが登録ボタンを押すと、ステップS60に移行し、登録部28は、図12のキーワード登録画面上で更新された内容で、キーワードDB46を更新する。
【0040】
以上により、図10の全処理が終了する。本実施形態では、図10の処理を登録部28が実行することにより、ベテランのオペレータの入力操作に応じて、キーワードDB46を更新することができる。
【0041】
(登録処理(その2)について)
次に、キーワードDB46へのデータの登録処理(その2)について、図13のフローチャートに沿って説明する。本登録処理は、ベテランに分類されるオペレータが実際に顧客対応を行った場合に、登録部28が自動的にキーワードDB46にデータを追加登録する処理である。
【0042】
図13の処理は、ベテランに分類されるオペレータが、図14(a)に示すようにFAQ検索画面を用いてFAQを検索して顧客対応を行い、顧客対応後に図14(b)に示すように対応履歴入力画面に対応履歴を記載して「登録」ボタンを押した段階で開始される。
【0043】
なお、オペレータが図14(a)のようにFAQ検索画面を用いてキーワード検索を行うと、検索ログ登録部22は、FAQ検索部20からキーワードの他、オペレータの氏名、日時を取得し、FAQ検索ログ42に格納する(図4(b)参照)。一方、オペレータが図14(b)の対応履歴入力画面の「登録」ボタンを押すと、対応履歴取得部24は、対応履歴入力画面に表示されているデータを取得し、対応履歴DB44に格納する(図5(a)参照)。なお、対応履歴入力画面の対応履歴No.、対応日時、オペレータ名は、自動的に表示されるものであり、オペレータによる修正は不可能である。
【0044】
図13の処理が開始されると、ステップS70において、登録部28が、対応履歴の問合せ内容(過去問合せ)を取得するとともに、対応履歴に対応するFAQ検索ログを特定し、キーワードを取得する。なお、対応履歴に対応するFAQ検索ログとは、対応履歴を作成したオペレータと同一人物のFAQ検索ログのうち、検索日時が対応履歴の対応日時の直前であるFAQ検索ログである。すなわち、対応履歴に対応するFAQ検索ログとは、実際にオペレータが対応したときにFAQ検索に利用したキーワードを格納するログである。ここでは、登録部28は、図15(a)に示す対応履歴から問合せ内容(過去問合せ)「パソコンから急に音がでなくなった。」を取得し、図15(b)に示すFAQ検索ログからキーワード「既定のデバイス コントロールパネル」を取得したとする。
【0045】
次いで、ステップS72では、登録部28は、取得した問合せ内容「パソコンから急に音がでなくなった。」と同一の問合せ内容がキーワードDB46に存在するか否かを判断する。このステップS72の判断が否定された場合、すなわち、同一の問合せ内容がキーワードDB46に存在しなかった場合には、ステップS74に移行し、登録部28は、ステップS70で取得した問合せ内容とキーワードを対応付けてキーワードDB46に記憶する。その後は、図13の全処理を終了する。
【0046】
一方、ステップS72の判断が肯定された場合、すなわち、同一の過去問合せ内容がキーワードDB46に存在していた場合には、ステップS76に移行する。ステップS76に移行すると、登録部28は、取得したキーワードの中に、同一の問合せ内容に対応付けられているキーワードに含まれていないものがあるか否かを判断する。このステップS76の判断が否定された場合には、新たに登録するキーワードは存在しないため、そのまま図13の処理を終了する。
【0047】
これに対し、ステップS76の判断が肯定された場合には、ステップS78に移行し、登録部28は、キーワードDB46の同一の問合せ内容に対応するキーワードに、含まれていなかったキーワードを追加する。その後は、図13の全処理を終了する。
【0048】
以上のように、図13の処理を実行することで、ベテランに分類されるオペレータが実際に検索に用いたキーワードと問合せ内容(過去問合せ)とを自動的に取得し、キーワードDB46を自動的に更新することができる。また、ステップS72~S78の判断・処理を実行することで、キーワードDB46の更新を必要最低限にすることができる。
【0049】
なお、図13の処理に代えて、図16の処理を実行することとしてもよい。図16の処理は、ステップS72の判断が否定された場合の処理が、図13と異なっている。図16のステップS72が否定された場合、すなわち、取得した問合せ内容と同一の問合せ内容がキーワードDB46に存在しなかった場合には、登録部28は、ステップS80に移行する。ステップS80に移行すると、登録部28は、取得した問合せ内容と類似する問合せ内容(例えば、類似度が90%以上の問合せ内容)がキーワードDB46に存在するかを判断する。このステップS80の判断が否定された場合(類似する問合せ内容が存在しない場合)には、ステップS82に移行し、図13のステップS74と同様、登録部28は、ステップS70で取得した問合せ内容とキーワードを対応付けてキーワードDB46に記憶する。一方、ステップS80の判断が肯定された場合には、ステップS84に移行し、登録部28は、取得したキーワードの中に、類似する問合せ内容に対応付けられているキーワードに含まれていないものがあるか否かを判断する。このステップS84の判断が否定された場合には、新たに登録するキーワードは存在しないため、そのまま図16の処理を終了する。
【0050】
これに対し、ステップS84の判断が肯定された場合には、ステップS86に移行し、登録部28は、キーワードDB46の類似する問合せ内容に対応するキーワードに、含まれていなかったキーワードを追加する。その後は、図16の全処理を終了する。
【0051】
以上のように、図16の処理を実行すれば、キーワードDB46において更新するデータをより少なくすることができる。
【0052】
これまでの説明から分かるように、本実施形態においては、類似問合せ検索部26により、キーワードDB46から新規問合せ内容と類似する問合せ内容を特定する特定部としての機能が実現されている。また、類似問合せ検索部26により、特定した問合せ内容に関連付けられたキーワードを取得する取得部としての機能が実現されている。また、類似問合せ検索部26により、取得部が取得したキーワードを追加キーワード候補として表示する表示制御部としての機能が実現されている。
【0053】
図17には、本実施形態の概要が示されている。本実施形態においては、図17に示すように、キーワードDB46には、ベテランのオペレータが過去に顧客から受け付けた問合せの際に得られた問合せ内容(過去問合せ内容)Iと実際に検索に利用したキーワードKとの組み合わせ(データX)が格納されている。また、キーワードDB46には、ベテランのオペレータが手入力した問合せ内容とキーワードとの組み合わせ(データY)が格納されている。オペレータ(初心者など)は、顧客から新規の問合せを受け付けると、新規の問合せ内容をキーワード選択支援画面(図8)に入力し、「検索」ボタンを押す。この場合、類似問合せ検索部26は、新規問合せ内容を用いてキーワードDB46を検索し、新規問合せ内容に類似する問合せ内容に対応するキーワードを追加キーワード候補とし、オペレータに提示する(図9)。これにより、オペレータは、キーワード候補から適切なキーワードを選択して、検索に利用することができるので、目的のFAQに対してたどり着きやすくなる。すなわち、問合せに応じたFAQ検索の利便性を向上することができる。ここで、コールセンターにおいては、オペレータの入れ替わりが激しいため、経験を積むことが難しく、オペレータを教育するにもコストがかかる。これに対し、本実施形態のように、ベテランの過去の履歴や、ベテランが経験により知得したノウハウをキーワードDB46に格納しておき、初心者等が利用できるようにしておくことで、オペレータ教育に要する時間やコストを低減することができる。また、初心者のオペレータは、自己が入力したキーワードと、追加キーワード候補とを比較して学習することで、キーワード入力に関するスキルを向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、キーワード選択支援画面を利用する場合には、オペレータは、新規問合せ内容(顧客の発した内容)を入力すればよいため、特別な知識は不要である。
【0055】
また、本実施形態では、図9に示すように、類似問合せ検索部26は、キーワード候補を表示する際に、新規問合せ内容に類似する問合せ内容の類似度を併せて表示する。これにより、オペレータは、追加するキーワードを選択する際の判断基準として、類似度を活用することができる。
【0056】
なお、上記実施形態では、類似問合せ検索部26が検索したキーワードを、追加キーワード候補(利用を推奨するキーワード)としてオペレータに提示する場合について説明したが、これに限られるものではない。類似問合せ検索部26は、新規問合せ内容に最も類似する問合せ内容に対応するキーワードをFAQ検索画面のキーワード入力欄に直接追加してもよい。
【0057】
(変形例1)
なお、上記実施形態のキーワード選択支援画面において、図18に示すように、オペレータが入力した新規問合せ内容に類似する問合せ内容を検索結果表示欄に表示する際に、「選択」ボタンを併せて表示してもよい。この「選択」ボタンがオペレータによって押された場合には、類似問合せ検索部26は、押された「選択」ボタンに対応する問合せ内容に所定基準以上類似する問合せ内容をキーワードDB46において再検索する。そして、類似問合せ検索部26は、ヒットした問合せ内容と、対応するキーワードを、図18に示すようにポップアップ表示してもよい。
【0058】
なお、ポップアップ表示された画面内においてオペレータがキーワードを選択した場合にも、選択されたキーワードがFAQ検索画面のキーワード入力欄に追加されるものとする。このようにすることで、オペレータは、自己が入力した問合せ内容に類似する問合せ内容を選択することで、選択した問合せ内容に類似する問合せ内容に対応するキーワードを更に確認することができる。これにより、オペレータが最初に入力した問合せ内容が稚拙であったとしても、入力した問合せ内容に類似する問合せ内容(ベテランが入力した問合せ内容)を用いて再検索することで、より適切なキーワードを表示することができる。
【0059】
(変形例2)
なお、上記実施形態では、類似度が所定基準以上の過去問合せ内容を、類似度が高いものから順に全て表示する場合について、説明したが、これに限られるものではない。例えば、図19(a)に示すように、類似度が所定基準以上の問合せ内容が複数(図19(a)では2つ)あったとする。この場合、類似問合せ検索部26は、2つの問合せ内容同士の類似度を計算する。そして、類似問合せ検索部26は、計算した類似度が所定の閾値(例えば90%)以上であった場合には、これら2つをクラスタリングして、図17(b)に示すように類似度が高い方のみを代表的に表示する。
【0060】
このように、複数の問合せ内容が類似する場合に、その一部を表示しないようにすることで、画面上の情報を減らすことができる。これにより、オペレータが目的のキーワードを探すための時間を短縮することができる。
【0061】
なお、登録部28は、上記実施形態で説明した登録処理(その1)と登録処理(その2)は、いずれか一方のみを実行することとしてもよい。例えば、登録処理(その2)のみを行うこととすれば、キーワードDB46には、過去問合せの問合せ内容と、過去問合せに応じたFAQ検索において利用されたキーワードのみが格納されることになる。
【0062】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0063】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記憶媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0064】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記憶媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記憶媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0065】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0066】
なお、以上の実施形態の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) コンピュータに、
それぞれが過去に受信した問合せである複数の過去問合せに対して過去問合せに応じた情報検索において利用されたキーワードを関連付けて記憶する記憶部から、受信した新規の問合せと所定基準以上類似する過去問合せを特定し、
前記記憶部において特定した前記類似する過去問合せと関連付けられたキーワードを、受信した前記新規の問合せに応じた情報検索に利用可能なキーワードとして取得する、
処理を実行させることを特徴とする検索制御プログラム。
(付記2) 前記過去問合せに関連付けられたキーワードは、過去に特定ユーザが情報検索に利用したキーワードであることを特徴とする付記1に記載の検索制御プログラム。
(付記3) 取得した前記キーワードを、前記新規の問合せに応じた情報検索において利用を推奨するキーワードとして表示する、処理を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする付記1又は2に記載の検索制御プログラム。
(付記4) 前記表示する処理では、前記特定する処理において特定された前記過去問合せと前記新規の問合せとの類似度を、取得した前記キーワードと合わせて表示する、ことを特徴とする付記3に記載の検索制御プログラム。
(付記5) 前記記憶部から、特定した前記類似する過去問合せと所定基準以上類似する過去問合せを更に特定し、更に特定した過去問合せと関連付けられたキーワードを、受信した前記新規の問合せに応じた情報検索に利用可能なキーワードとして取得する、処理を前記コンピュータがさらに実行することを特徴とする付記1~4のいずれかに記載の検索制御プログラム。
(付記6) 前記特定する処理では、受信した前記新規の問合せと所定基準以上類似する過去問合せに、第1の過去問合せと、前記第1の過去問合せとの類似度が予め定めた閾値以上である第2の過去問合せとが含まれる場合に、前記第1の過去問合せと前記第2の過去問合せの一方のみを特定する、ことを特徴とする付記1~4のいずれかに記載の検索制御プログラム。
(付記7) 取得した前記キーワードを、前記新規の問合せに応じた情報検索のキーワードに追加して表示する、処理を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする付記1又は2に記載の検索制御プログラム。
(付記8) 前記特定する処理では、受信した前記新規の問合せと前記過去問合せとが所定基準以上類似するかを、word2vec、doc2vec、及びコサイン類似度のいずれかを用いて判定する、ことを特徴とする付記1~7のいずれかに記載の検索制御プログラム。
(付記9) コンピュータが、
それぞれが過去に受信した問合せである複数の過去問合せに対して過去問合せに応じた情報検索において利用されたキーワードを関連付けて記憶する記憶部から、受信した新規の問合せと所定基準以上類似する過去問合せを特定し、
前記記憶部において特定した前記類似する過去問合せと関連付けられたキーワードを、受信した前記新規の問合せに応じた情報検索に利用可能なキーワードとして取得する、
処理を実行することを特徴とする検索制御方法。
(付記10) それぞれが過去に受信した問合せである複数の過去問合せに対して過去問合せに応じた情報検索において利用されたキーワードを関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部から、受信した新規の問合せと所定基準以上類似する過去問合せを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記類似する過去問合せと関連付けられたキーワードを、受信した前記新規の問合せに応じた情報検索に利用可能なキーワードとして取得する取得部と、
を備える検索制御装置。
(付記11) 前記過去問合せに関連付けられたキーワードは、過去に特定ユーザが情報検索に利用したキーワードであることを特徴とする付記10に記載の検索制御装置。
(付記12) 取得した前記キーワードを、前記新規の問合せに応じた情報検索において利用を推奨するキーワードとして表示する表示制御部を更に備える付記10又は11に記載の検索制御装置。
(付記13) 前記表示制御部は、前記特定部が特定した前記過去問合せと前記新規の問合せとの類似度を、取得した前記キーワードと合わせて表示する、ことを特徴とする付記12に記載の検索制御装置。
(付記14) 前記特定部は、前記記憶部から、特定した前記類似する過去問合せと所定基準以上類似する過去問合せを更に特定し、
前記取得部は、更に特定した過去問合せと関連付けられたキーワードを、受信した前記新規の問合せに応じた情報検索に利用可能なキーワードとして取得する、ことを特徴とする付記10~13のいずれかに記載の検索制御装置。
(付記15) 前記特定部は、受信した前記新規の問合せと所定基準以上類似する過去問合せに、第1の過去問合せと、前記第1の過去問合せとの類似度が予め定めた閾値以上である第2の過去問合せとが含まれる場合に、前記第1の過去問合せと前記第2の過去問合せの一方のみを特定する、ことを特徴とする付記10~13のいずれかに記載の検索制御装置。
(付記16) 取得した前記キーワードを、前記新規の問合せに応じた情報検索のキーワードに追加して表示する表示制御部を更に備える付記10又は11に記載の検索制御装置。
(付記17) 前記特定部は、受信した前記新規の問合せと前記過去問合せとが所定基準以上類似するかを、word2vec、doc2vec、及びコサイン類似度のいずれかを用いて判定する、ことを特徴とする付記10~16のいずれかに記載の検索制御装置。
【符号の説明】
【0067】
10 サーバ(検索制御装置)
26 類似問合せ検索部(特定部、取得部、表示制御部)
46 キーワードDB(記憶部)
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