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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】換気ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/10 20060101AFI20240510BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20240510BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
F24F7/10 Z
F24F3/14
F24F7/007 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022144123
(22)【出願日】2022-09-09
(65)【公開番号】P2024039513
(43)【公開日】2024-03-22
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】岡元 諒
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-176944(JP,A)
【文献】特開2003-314858(JP,A)
【文献】特開2006-090625(JP,A)
【文献】特開2018-179363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/10
F24F 3/14
F24F 7/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風ファンと、換気ホース(56、132)と、吸込口(52a、52b、SP)と、吹出口(52d、BP)とを備える換気ユニット(140、150)であって、
前記吸込口から前記送風ファンを介して前記吹出口に到達するまでの通風経路(VP)に設けられる、加湿用のローター(58、321)である吸着部材と、
前記ローターに導入される空気を加熱するヒーター(322)と、
前記送風ファンを駆動して、前記通風経路から前記換気ホースを通じて室外空気(Aout)を室内(ID)に供給する給気運転と、前記給気運転と同じ回転方向で前記送風ファンを駆動して、前記吸着部材を通さずに、前記換気ホースを通じて室内空気を室外(OD)へと排出する排気運転と、行う制御部と、
前記給気運転時における空気の経路である給気経路(SU)と、前記排気運転時における空気の経路である排気経路(EX)を切り換える切換機構と、
前記排気運転時に前記室内空気を外部に排出するための排気口(52e、EP)と、
を備え
前記切換機構は、前記排気経路が、前記換気ホースを通じた空気が前記吹出口から前記送風ファンを介して前記排気口に到達するまでの経路となるように、切り換え、
前記制御部は、室外空気を吸い込んで前記ヒーターにより加熱した後、前記ローターを通し、前記排気口により再び室外へと排出する再生運転、をさらに行う、
換気ユニット。
【請求項2】
前記吸着部材は、前記通風経路において、前記吸込口と前記送風ファンとの間に設けられる、
請求項1に記載の換気ユニット。
【請求項3】
前記切換機構は、前記再生運転時における空気の経路である再生経路(RP)が、前記吸込口から吸い込まれた空気が、前記送風ファンを介して前記排気口までの経路となるように切り換える、
請求項1に記載の換気ユニット。
【請求項4】
前記給気運転時に前記排気口を閉鎖し、前記排気運転時に前記排気口を開放するシャッタ(74a、353)、
をさらに備える請求項1に記載の換気ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
換気ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
換気ホースによって室内と接続され、送風ファンが駆動することで給気運転及び排気運転を行う場合がある。
【0003】
特許文献1(特開2004-286432号公報)は、吸着部材を備え、排気運転時には室内空気が吸着部材を通過して室外へ排出される換気ユニットを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の換気ユニットでは、排気運転時に室内空気に含まれる汚染物質が吸着部材に吸着してしまう。
【0005】
本開示は、排気運転時に吸着部材の汚染を抑制する換気ユニットを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点の換気ユニットは、送風ファンと、換気ホースと、吸込口と、吹出口と、吸着部材と、制御部を備える。吸着部材は、吸込口から送風ファンを介して吹出口に到達するまでの通風経路に設けられる。制御部は、給気運転と排気運転を行う。給気運転は、送風ファンを駆動して、通風経路から換気ホースを通じて室外空気を室内に供給する運転である。排気運転は、給気運転と同じ回転方向で送風ファンを駆動して、吸着部材を通さずに、換気ホースを通じて室内空気を室外へと排出する運転である。
【0007】
本換気ユニットは、吸着部材が設けられる通風経路から空気を供給する給気運転と、給気運転と同じ回転方向で送風ファンを駆動して吸着部材を通さずに空気を排出する排気運転を行う。従って、本換気ユニットは、吸着部材を通した室外空気を室内へ供給でき、排気運転時において、汚染物質が吸着部材に吸着することを防止できる。
【0008】
第2観点の換気ユニットは、第1観点の換気ユニットであって、吸着部材が、通風経路において、吸込口と送風ファンとの間に設けられる。
【0009】
本換気ユニットは、送風ファンの吸引力により、給気運転と排気運転を行う。排気運転時において送風ファンと吹出口との間に吸着部材が設けられる場合、吸引力を利用でき、吸着部材を通さない経路が設けられる必要がある。従って、換気ユニットの排気経路が複雑になり、給気運転と排気運転との切り換えが困難になる。
【0010】
本換気ユニットは、吸着部材が、通風経路において、吸込口と送風ファンとの間に設けられる。従って、本換気ユニットは、吸着部材を通す給気運転と、吸着部材を通さない排気運転の間での切り換えを、容易に行うことができる。
【0011】
第3観点の換気ユニットは、第1観点又は第2観点の換気ユニットであって、切換機構をさらに備える。切換機構は、給気運転時における空気の経路である給気経路と、排気運転時における空気の経路である排気経路を切り換える。
【0012】
本換気ユニットは、給気経路と排気経路を切り換える切換機構により、給気運転と排気運転の間で切り換えを、より容易に行うことができる。
【0013】
第4観点の換気ユニットは、第3観点の換気ユニットであって、排気口をさらに備える。排気口は、排気運転時に室内空気を外部に排出する。また、切換機構は、排気経路が、換気ホースを通じた空気が、吹出口から送風ファンを介して排気口に到達するまでの経路となるように切り換える。
【0014】
本換気ユニットは、給気運転時に室外空気を吸い込む吸込口とは別に、排気運転時に室内空気を外部に排出する排気口を備える。従って、本換気ユニットは、排気口により、給気運転と排気運転の間で切り換えを、より容易に行うことができる。
【0015】
第5観点の換気ユニットは、第4観点の換気ユニットであって、ヒーターをさらに備える。吸着部材は、加湿用のローターである。ヒーターは、ローターに導入された空気を加熱する。制御部は、室外空気を吸い込んで、ヒーターにより加熱された後、ローターを通し、排気口により再び室外へと排出する再生運転、をさらに行う。
【0016】
本換気ユニットは、加湿用のローターである吸着部材により、空気に水分を供給する加湿を行うことができる。また、本換気ユニットは、加熱された空気が、ローターから水分を奪う再生運転を行う。従って、本換気ユニットは、ローターの水分吸着能力を再生することができる。さらに、本換気ユニットは、再生運転時において用いる排気口が、排気運転時において用いる排気口と同一である。本換気ユニットは、再生運転のための排気口をさらに設ける必要がなく、既存の構造を活用した再生運転が可能である。従って、本換気ユニットは、構造を簡素化できる。
【0017】
第6観点の換気ユニットは、第5観点の換気ユニットであって、切換機構が、再生運転時における空気の経路である再生経路が、吸込口から吸い込まれた空気が、送風ファンを介して排気口までの経路となるように切り換える。
【0018】
従って、本換気ユニットは、切換機構により、他の運転と再生運転の間で切り換えを、より容易に行うことができる。
【0019】
第7観点の換気ユニットは、第4観点から第6観点の何れかの観点の換気ユニットであって、シャッタをさらに備える。シャッタは、給気運転時に排気口を閉鎖し、排気運転時に排気口を開放する。
【0020】
従って、本換気ユニットは、給気運転と排気運転の間で切り換えを、より容易に行うことができる。
【0021】
第8観点の換気ユニットは、第1観点から第4観点、第7観点の何れかの観点の換気ユニットであって、吸着部材が、加湿用のローターと、プレフィルターと、集塵フィルターと、消臭フィルターの少なくとも何れかである。
【0022】
本換気ユニットは、吸着部材が加湿用のローターである場合、空気に水分を供給する加湿を行うことができる。また、本換気ユニットは、吸着部材がプレフィルターと、集塵フィルターと、消臭フィルターである場合、空気を清浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】空気調和機100を示す概略構成図である。
図2】ユニット本体131を示す断面図である。
図3】ユニット本体131を示す上面図である。
図4】加湿装置320を示す概略構成図である。
図5】室内ユニット110と室外ユニット120の制御ブロック図である。
図6】空気調和機100における給気経路SUを示す概略構成図である。
図7】ユニット本体131における給気経路SUを示す断面図である。
図8】ユニット本体131における給気経路SUを示す上面図である。
図9】加湿装置320における給気経路SUを示す概略構成図である。
図10】空気調和機100における排気経路EXを示す概略構成図である。
図11】ユニット本体131における排気経路EXを示す断面図である。
図12】ユニット本体131における排気経路EXを示す上面図である。
図13】空気調和機100における再生経路RPを示す概略構成図である。
図14】ユニット本体141における再生経路RPを示す断面図である。
図15】ユニット本体141における再生経路RPを示す上面図である。
図16】空気調和機102を示す概略構成図である。
図17】ユニット本体50の内部構造を示す斜視図である。
図18】ユニット本体50の構成要素の一部を取り外した状態の斜視図である。
図19】ユニット本体50の構成要素の一部を取り外した状態の上面図である。
図20】ユニット本体50の分解斜視図である。
図21】ユニット本体50の一部の構成要素の分解斜視図である。
図22】ユニット本体50の概略断面図である。
図23】給気運転時のシャッタ74aの動作を示す概略構成図である。
図24】再生運転時のシャッタ74aの動作を示す概略構成図である。
図25】排気運転時のユニット本体50の内部構造を示す斜視図である。
図26】排気運転時のユニット本体50の分解斜視図である。
図27】排気運転時のユニット本体50の一部の構成要素の分解斜視図である。
図28】排気運転時のユニット本体50の概略断面図である。
図29】排気運転時のシャッタ74aの動作を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
(1)全体構成
第1実施形態に係る空気調和機100について説明する。図1は、空気調和機100を示す概略構成図である。空気調和機100は、冷媒と空気との熱交換と、空気の供給及び排出により、室内IDの空気調和を行う。空気調和の例としては、冷房、冷凍、暖房、加湿、除湿、空気清浄、送風、換気などが挙げられる。本実施形態において、空気調和機100が行う空気調和は、冷房、暖房、加湿、換気である。
【0025】
空気調和機100は、室内ユニット110と、室外ユニット120を備える。室内ユニット110と室外ユニット120は、電気的に接続する。
【0026】
(1-1)室内ユニット
室内ユニット110は、室内IDに設置される。室内ユニット110は、室内吸込口IP1、室内吹出口IP2、室内熱交換器(図示省略)、室内ファン(図示省略)を備える。
【0027】
室内吸込口IP1は、室内IDの空気を室内ユニット110内に吸い込むための開口である。室内吹出口IP2は、室内ユニット110内の空気を室内IDに吹き出すための開口である。
【0028】
室内熱交換器は、冷媒と空気との熱交換を行う。室内熱交換器は、後述する室外熱交換器などと冷凍サイクルを構成する。室内熱交換器は、蒸発器又は凝縮器として動作する。
【0029】
室内ファンは、回転駆動して吸引力を生成する。室内ファンの吸引力により、室内IDの空気は、室内吸込口IP1から吸い込まれ、室内吹出口IP2から吹き出される。
【0030】
(1-2)室外ユニット
室外ユニット120は、室外ODに設置される。室外ユニット120は、熱交換ユニット121と、換気ユニット130を備える。
【0031】
(1-2-1)熱交換ユニット
熱交換ユニット121は、冷媒と空気との熱交換を行う室外熱交換器(図示省略)を備える。室外熱交換器は、室内熱交換器などと冷凍サイクルを構成する。室外熱交換器は、蒸発器又は凝縮器として動作する。
【0032】
(1-2-2)換気ユニット
換気ユニット130は、室外ODの空気を室内IDに供給し、室内IDの空気を室外ODに排出して、室内IDの空気調和を行う。換気ユニット130は、ユニット本体131と、換気ホース132を備える。
【0033】
ユニット本体131には、吸込口SP、吹出口BP、排気口EPが設けられる。ユニット本体131の詳細構成については後述する。
【0034】
換気ホース132は、室内ユニット110と室外ユニット120との空気の経路を形成する。
【0035】
(2)詳細構成
ユニット本体131の詳細構成について説明する。図2は、ユニット本体131を示す断面図である。図3は、ユニット本体131を示す上面図である。ユニット本体131は、ケーシング310と、加湿装置320と、ファンユニット330と、ダンパユニット340と、シャッタ350と、制御装置360などを備える。
【0036】
(2-1)ケーシング
ケーシング310は、加湿装置320と、ファンユニット330と、ダンパユニット340と、シャッタ350、制御装置360などを収容する筐体である。ファンユニット330は、送風ファンの一例である。ダンパユニット340は、切換機構の一例である。なお、ケーシング310は、制御装置360を収容しなくてもよい。
【0037】
ケーシング310は、熱交換ユニット121の上面側に載置され、短形箱状形態をもつ。ケーシング310が形成する内部空間604に、加湿装置320と、ファンユニット330と、ダンパユニット340と、シャッタ350、制御装置360などが配置される。ケーシング310には、吸込口SP、吹出口BP、排気口EPが設けられる。
【0038】
(2-1-1)吸込口、吹出口、排気口
吹出口BPは、ユニット本体131から換気ホース132に空気を吹き出すための開口である。また、吹出口BPは、換気ホース132からユニット本体131に空気を吸い込むための開口である。吹出口BPは、ケーシング310の底壁面601に設けられる。吹出口BPは、ケーシング310の一側寄りに設けられる。
【0039】
吸込口SPは、室外ODからユニット本体131に空気を吸い込むための開口である。吸込口SPは、ケーシング310の側壁面603に設けられる。吸込口SPは、ケーシング310の一側寄りに設けられる。吸込口SPは、吹出口BPと適宜離間して設けられる。
【0040】
排気口EPは、ユニット本体131から室外ODに空気を排出するための開口である。排気口EPは、ケーシング310の側壁面603に設けられる。
【0041】
(2-1-2)通風経路
通風経路VPは、吸込口SPからファンユニット330を介して吹出口BPに到達するまでの経路である。通風経路VPにおける吸込口SP側を、上流側USと称する。通風経路VPにおける吹出口BP側を、下流側DSと称する。
【0042】
(2-1-3)ソケット
ソケット602は、吹出口BPに嵌挿される部材である。ソケット602の形状は、中空洞の円筒状である。ソケット602は、換気ホース132の一端と接続する。ソケット602は、吹出口BPを通して下方へ延出される。
【0043】
(2-2)加湿装置
加湿装置320は、空気に水分を吸着させて加湿を行う。加湿装置320は、通風経路VPに設けられる。本実施形態において、加湿装置320は、吸込口SPの近傍に設けられる。言い換えると、加湿装置320は、吸込口SPとファンユニット330との間に設けられる。
【0044】
図4は、加湿装置320を示す概略構成図である。加湿装置320は、吸着部材と、ヒーター322を備える。本実施形態において、吸着部材は、加湿用のローター321である。なお、加湿装置320は、加湿トレイと、加湿タンクと、加湿用のモーターの少なくとも何れかを備えもよい。
【0045】
(2-2-1)ローター
ローター321は、加湿エレメント(図示省略)により構成される。加湿エレメントの例としては、不織布、織布などが挙げられる。加湿エレメントは、水分を吸着した状態で通風経路VPの空気を通過させることができる。
【0046】
(2-2-2)ヒーター
ヒーター322は、ローター321に導入される空気を加熱する。ヒーター322は、ローター321に対して上流側USに設けられる。ヒーター322は、通風経路VPの空気が通過できるように構成される。ヒーター322は、ヒーター322より小さい複数のヒーターにより構成されてもよい。
【0047】
(2-3)ファンユニット
ファンユニット330は、後述するファン羽根車407の回転駆動により吸引力SFを生成する。ファンユニット330は、ファンハウジング405と、ベルマウス板406と、ファン羽根車407と、ファン電動機408などを備える。
【0048】
(2-3-1)ファンハウジング
ファンハウジング405は、底板403と、側板404で構成される。底板403は、スクロール状の平面形状をもつ。側板404は、底板403の外周を囲繞する。
【0049】
(2-3-2)ベルマウス板
ベルマウス板406は、ファンハウジング405の開口端側に、ファンハウジング405を閉塞する如く固定配置される。ベルマウス板406は、矩形平板状である。ベルマウス板406は、ファン吸込口401とファン吹出口402を適宜離間して併設する。
【0050】
(2-3-2-1)ファン吸込口、ファン吹出口
ファン吸込口401は、ファンユニット330の外からファンユニット330内に、空気を吸い込むための開口である。
【0051】
ファン吹出口402は、ファンユニット330内からファンユニット330の外に、空気を吹き出すための開口である。ファン吹出口402は、吹出口BPと同軸上に位置するよう設けられる。
【0052】
(2-3-3)ファン羽根車
ファン羽根車407は、ベルマウス板406とファンハウジング405で囲繞された空間内に配置される。ファン羽根車407は、ファン吸込口401に対向するように配置される。
【0053】
ファン羽根車407は、後述するファン電動機408により回転駆動され、吸引力SFを生成する。ファンユニット330が動作する場合、運転の種類に関わらず、ファン羽根車407の回転方向は同じである。従って、ファンユニット330が動作する場合、運転の種類に関わらず、ファン羽根車407により生成される吸引力SFの方向も同じである。
【0054】
(2-3-4)ファン電動機
ファン電動機408は、ファンハウジング405の外面側に固定される。ファン電動機408は、ファン羽根車407を回転駆動させる。
【0055】
(2-4)ダンパユニット
ダンパユニット340は、後述する給気経路SUと、後述する排気経路EXを切り換える。ダンパユニット340は、ダンパ包設体341と、ダンパ本体342を備える。
【0056】
(2-4-1)ダンパ包設体
ダンパ包設体341は、板材を略「U」字状に折曲させて形成される。ダンパ包設体341は、底壁501と、側壁502などを備える。底壁501は、ベルマウス板406と略同等の寸法形状をもつ。側壁502は、底壁501の左右両縁から立ち上がる同一高さをもつ一対の壁である。
【0057】
ダンパ包設体341は、側壁502をダンパユニット340側のベルマウス板406の下面に衝合固定して一体化させる。従って、ベルマウス板406とダンパ包設体341とによって矩形の断面形状をもつ貫通域505が形成される。貫通域505の両端である、上流端503及び下流端504は、開口である。従って、貫通域505は、トンネル状である。貫通域505内において、後述のダンパ本体342は、貫通域505の軸方向(貫通方向)に移動可能に配置される。
【0058】
ダンパ包設体341は、貫通域505の一端寄りに対応する位置に、給排気口515を設ける。給排気口515は、ファンユニット330側のファン吹出口402と略同径をもつ。底壁501から下方へ延出するソケット602は、底壁501と一体を形成する。
【0059】
ダンパ包設体341は、底壁501をケーシング310の底壁面601に衝合固定することでケーシング310側に取り付けられる。従って、ダンパ包設体341をケーシング310側に取り付けた状態においては、ダンパ包設体341側の給排気口515とベルマウス板406側のファン吹出口402が上下方向に略重合して配置される。
【0060】
(2-4-2)ダンパ本体
ダンパ本体342は、基部506と、延設部507と、底壁508と、側壁509と、湾曲壁510などを備える。基部506は、上面が開口した矩形箱状をもつ。延設部507は、基部506の一つの隅部に連続して側方へ延設される。底壁508は、基部506から延設部507に跨がる。側壁509は、基部506の周囲に、基部506を囲繞するように立設される。湾曲壁510は、延設部507の周囲を球面状に覆う。
【0061】
底壁508のうち、基部506の一側寄りに対応する位置には、第1開口511が設けられる。底壁508のうち、延設部507に対応する位置には、第2開口512が、設けられる。第1開口511には、第1開口511から上方へ延びる断面円形の筒状部材513がダンパ本体342と一体に形成される。
【0062】
筒状部材513の高さは、筒状部材513の上端が側壁509の上端と略同等の高さに位置するように、設定される。筒状部材513及び側壁509の高さ寸法は、ダンパ包設体341の貫通域505の高さ寸法に対応して設定される。ダンパ本体342は、貫通域505内に摺動可能に嵌装配置される。
【0063】
ダンパ本体342の側壁509で囲繞された空間のうち、筒状部材513を除く部分(筒状部材513の外側部分)をダンパ内空間514と称する。
【0064】
貫通域505内におけるダンパ本体342の摺動方向は、貫通域505の軸方向(矢印a方向、矢印b方向)である。第1開口511と第2開口512の平面方向における相対位置は、ダンパ本体342の摺動に伴って、第1開口511と第2開口512が択一的に給排気口515と連通し得るように設定される。
【0065】
第1開口511が給排気口515と連通する場合、ファン吸込口401がダンパ本体342の外側に位置するため、ファン吸込口401とダンパ本体342の連通は、遮断される。他方、第2開口512が給排気口515と連通する場合、ファン吸込口401がダンパ内空間514内に位置するため、ファン吸込口401とダンパ本体342は、連通する。
【0066】
(2-5)シャッタ
シャッタ350は、後述する給気運転時に排気口EPを閉鎖し、後述する排気運転時に排気口EPを開放する。シャッタ350の第1側面351は、側壁面603に固定される。シャッタ350は、旋回可能であり、矢印c方向、矢印d方向に移動する。
【0067】
シャッタ350が矢印c方向に移動した場合、シャッタ350の第2側面352は底板403と接する。従って、シャッタ350が矢印c方向に移動した場合、シャッタ350は、排気口EPを開放する。また、シャッタ350が矢印c方向に移動した場合、シャッタ350は、矢印e方向の空気の経路を遮断する。他方、シャッタ350が矢印d方向に移動した場合、第2側面352は側壁面603と接する。従って、シャッタ350が矢印d方向に移動した場合、シャッタ350は、排気口EPを閉鎖する。
【0068】
(2-6)制御装置
制御装置360は、給気運転と、排気運転と、吸着運転などを行う。給気運転と、排気運転と、吸着運転の詳細については後述する。制御装置360は、加湿装置320と、ファンユニット330と、ダンパユニット340と、シャッタ350などの動作を制御する。制御装置360は、制御部の一例である。
【0069】
制御装置360は、ユニット本体131内に設けられる。制御装置360が配置されたユニット本体131の図は省略する。図5は、室内ユニット110と室外ユニット120の制御ブロック図である。制御装置360は、加湿装置320と、ファンユニット330と、ダンパユニット340と、シャッタ350と電気的に接続する。熱交換ユニット121とユニット本体131は電気的に接続する。室内ユニット110と室外ユニット120は電気的に接続する。
【0070】
制御装置360は、コンピュータにより実現されるものである。制御装置360は、制御演算装置と記憶装置とを備える(いずれも図示省略)。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。制御装置360により実現される具体的な機能については後述する。
【0071】
なお、ここで説明する制御装置360の構成は一例に過ぎず、以下で説明する制御装置360の機能は、ソフトウェアで実現されても、ハードウェアで実現されても、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0072】
(3)動作
空気調和機100の動作について説明する。空気調和機100は、冷房、暖房、加湿、換気などを行う。
【0073】
冷房は、室内熱交換器を蒸発器、室外熱交換器を凝縮器とする冷媒回路により、冷媒が室内空気から熱を奪う動作である。室内熱交換器を蒸発器、室外熱交換器を凝縮器とする冷媒回路により、冷媒が室内空気から熱を奪う運転を、冷房運転と称する。冷房は、冷房運転により行われる。
【0074】
暖房は、室内熱交換器を凝縮器、室外熱交換器を蒸発器とする冷媒回路により、冷媒が室内空気に熱を供給する動作である。室内熱交換器を凝縮器、室外熱交換器を蒸発器とする冷媒回路により、冷媒が室内空気に熱を供給する運転を、暖房運転と称する。暖房は、暖房運転により行われる。
【0075】
加湿は、ファンユニット330を駆動して、通風経路VPから換気ホース132を通じて、水分が吸着された室外空気を室内IDに供給する動作である。ファンユニット330を駆動して、通風経路VPから換気ホース132を通じて、室外空気を室内IDに供給する運転を、給気運転と称する。室外空気に水分を吸着させる運転を、吸着運転と称する。加湿は、給気運転と吸着運転により行われる。
【0076】
室内湿度が目標湿度より低い場合がある。目標湿度の例としては、室内IDの人又は物に適正な湿度などが挙げられる。室内湿度が目標湿度より低い場合、水分が吸着された室外空気を室内IDに供給すると、吸着した水分により室内湿度が高くなる。
【0077】
換気は、ファンユニット330を駆動して通風経路VPから換気ホース132を通じて室外空気を室内IDに供給し、給気運転と同じ回転方向でファンユニット330を駆動してローター321を通さずに換気ホース132を通じて室内空気を室外ODへと排出する動作である。給気運転と同じ回転方向でファンユニット330を駆動して、ローター321を通さずに換気ホース132を通じて室内空気を室外ODへと排出する運転を、排気運転と称する。換気は、給気運転と排気運転により行われる。なお、換気は、給気運転によらず、排気運転により行われてもよい。
【0078】
室内IDの空気に汚染物質が存在する場合がある。汚染物質とは、室内IDの人又は物に適正ではない物質をいう。汚染物質の例としては、タバコの煙に含まれる物質、調理による煙に含まれる物質、埃、PM2.5などが挙げられる。タバコの煙に含まれる物質の例としては、アスベスト、アセトアルデヒド、一酸化炭素、カドミウム、タール、ダイオキシン、ニコチンなどが挙げられる。調理による煙に含まれる物質の例としては、二酸化窒素、ホルムアルデヒド、一酸化炭素、PM2.5などが挙げられる。
【0079】
室内IDの空気に汚染物質が存在する場合、汚染物質を除去する必要がある。室内空気を室外ODに排出すると、室内空気に含まれる汚染物質も排出される。また、室外空気を室内IDに供給すると、室内空気に含まれる汚染物質の濃度が薄まる。従って、室内IDの空気に汚染物質が存在する場合、汚染物質を排出し、汚染物質の濃度を下げるため、換気が行われる。
【0080】
加湿又は換気に関わる給気運転、吸着運転、排気運転について詳細に説明する。
【0081】
(3-1)給気運転
給気運転について詳細に説明する。図6は、空気調和機100における給気経路SUを示す概略構成図である。給気経路SUとは、給気運転時における空気の経路である。図7は、ユニット本体131における給気経路SUを示す断面図である。図8は、ユニット本体131における給気経路SUを示す上面図である。
【0082】
ダンパ本体342を矢印b方向へ移動させて、給排気口515とファン吹出口402を、筒状部材513(第1開口511)を介して連通させる。第2開口512は、底壁501によって閉塞される。シャッタ350が矢印d方向へ移動されるため、排気口EPは、閉鎖される。
【0083】
ファン羽根車407が回転駆動されると、吸引力SFが生成される。室外ODの空気は、吸引力SFによって、吸込口SPから内部空間604内に吸い込まれる。室外ODの空気は、シャッタ350が排気口EPを閉鎖しているため、排気口EPから吸い込まれない。従って、排気口EPからの空気の経路は、形成されない。
【0084】
吸込口SPからファンユニット330を介して吹出口BPまでは、通風経路VP設けられている。また、吸込口SPとファンユニット330の間には、加湿装置320が設けられている。従って、吸込口SPから吸い込まれた室外空気は、加湿装置320を通過する。
【0085】
加湿装置320を通過した室外空気は、通風経路VPに沿って、貫通域505に到達する。貫通域505に到達した室外空気は、ファン吸込口401からファンユニット330内に吸い込まれる。
【0086】
室外空気は、静圧が高められた状態で、ファン吹出口402から筒状部材513側に吹き出される。筒状部材513側に吹き出された室外空気は、給排気口515に到達する。給排気口515に到達した室外空気は、換気ホース132を通じて室内ユニット110内に到達する。
【0087】
室内ユニット110内に到達した室外空気は、室内ファンの回転駆動により、室内吹出口IP2を介して、室内IDに供給される。室外空気は、ファンユニット330の駆動により、通風経路VPから換気ホース132を通じて室内IDに供給される。
【0088】
(3-2)吸着運転
吸着運転について詳細に説明する。図9は、加湿装置320における給気経路SUを示す概略構成図である。
【0089】
給気運転時において、室外空気は、通風経路VPに沿って加湿装置320を通過する。まず、室外空気は、ローター321の上流側USに設けられるヒーター322に到達する。室外空気は、ヒーター322を通過しながら、ヒーター322により加熱される。加熱された室外空気は、ローター321に到達する。室外空気が加熱されているため、ローター321が含む水分は、室外空気に吸着される。室外空気は、ローター321を通過しながら、ローター321が含む水分を吸着する。水分を吸着した室外空気は、通風経路VPに沿って下流側DSに流れる。従って、吸着運転により、室外空気は、水分を吸着する。
【0090】
(3-3)排気運転
排気運転の詳細について説明する。図10は、空気調和機100における排気経路EXを示す概略構成図である。排気経路EXは、排気運転時における空気の経路である。図11は、ユニット本体131における排気経路EXを示す断面図である。図12は、ユニット本体131における排気経路EXを示す上面図である。
【0091】
ダンパ本体342を矢印a方向へ移動させて、給排気口515とファン吸込口401を、ダンパ内空間514を介して(筒状部材513の外側部分を介して)連通させる。筒状部材513は、底壁501によって閉塞される。シャッタ350が矢印c方向へ移動されるため、排気口EPは、開放される。
【0092】
室内ファンが回転駆動されると、室内空気は、室内IDから室内ユニット110内に、室内吸込口IP1を介して吸い込まれる。室内ユニット110内の室内空気は、換気ホース132を介してユニット本体131に到達する。
【0093】
ファン羽根車407が回転駆動されると、吸引力SFが生成される。ファン羽根車407は、給気運転時と同じ回転方向で回転する。従って、ファン羽根車407が生成する吸引力SFも、給気運転時と同じ方向に作用する。吸引力SFにより室内空気は、ダンパ内空間514を通って、ファン吸込口401側から吸い込まれる。ファンユニット330に吸い込まれた室内空気は、ファン吹出口402からの貫通域505側に吹き出される。貫通域505側に吹き出された室内空気は、内部空間604に到達する。
【0094】
シャッタ350は、排気口EPを開放し、吸込口SPへの経路を閉鎖している。従って、内部空間604に到達した室内空気は、排気口EPを介して、室外ODに排出される。シャッタ350により、吸込口SPへの空気の経路は形成されない。従って、室内空気は、加湿装置320を通さずに、室外ODに排出される。
【0095】
(3-4)その他
空気調和機100は、除湿を行ってもよい。除湿は、給気運転により行われる。除湿の際、吸着運転は行われない。
【0096】
給気運転が行われるため、室外空気は、加湿装置320を通過して、室内IDに供給される。加湿装置320を通過する際、吸着運転は行われない。吸着運転が行われないため、ヒーター322に到達した室外空気は、加熱されない。加熱されていない室外空気は、ローター321に水分を奪われる。水分が奪われた室外空気は、室内IDに供給される。従って、室内IDの湿度は下がる。除湿は、除湿された空気が供給されて動作するため、「除湿給気」とも称される。
【0097】
(4)特徴
(4-1)
換気ユニット130は、送風ファンと、換気ホース132と、吸込口SPと、吹出口BPと、吸着部材と、制御部を備える。吸着部材は、吸込口SPから送風ファンを介して吹出口BPに到達するまでの通風経路VPに設けられる。制御部は、給気運転と排気運転を行う。給気運転は、送風ファンを駆動して、通風経路VPから換気ホース132を通じて室外空気を室内IDに供給する運転である。排気運転は、給気運転と同じ回転方向で送風ファンを駆動して、吸着部材を通さずに、換気ホース132を通じて室内空気を室外ODへと排出する運転である。
【0098】
換気ユニット130は、吸着部材が設けられる通風経路VPから空気を供給する給気運転と、給気運転と同じ回転方向で送風ファンを駆動して吸着部材を通さずに空気を排出する排気運転を行う。従って、換気ユニット130は、吸着部材を通した室外空気を室内IDへ供給でき、排気運転時において、汚染物質が吸着部材に吸着することを防止できる。
【0099】
(4-2)
換気ユニット130は、吸着部材が、通風経路VPにおいて、吸込口SPと送風ファンとの間に設けられる。
【0100】
換気ユニット130は、送風ファンの吸引力SFにより、給気運転と排気運転を行う。排気運転時において送風ファンと吹出口との間に吸着部材が設けられる場合、吸引力を利用でき、吸着部材を通さない経路が設けられる必要がある。従って、換気ユニットの排気経路EXが複雑になり、給気運転と排気運転との切り換えが困難になる。
【0101】
換気ユニット130は、吸着部材が、通風経路VPにおいて、吸込口SPと送風ファンとの間に設けられる。従って、換気ユニット130は、吸着部材を通す給気運転と、吸着部材を通さない排気運転の間での切り換えを、容易に行うことができる。
【0102】
(4-3)
換気ユニット130は、切換機構をさらに備える。切換機構は、給気運転時における空気の経路である給気経路SUと、排気運転時における空気の経路である排気経路EXを切り換える。
【0103】
換気ユニット130は、給気経路SUと排気経路EXを切り換える切換機構により、給気運転と排気運転の間で切り換えを、より容易に行うことができる。
【0104】
(4-4)
換気ユニット130は、排気口EPをさらに備える。排気口EPは、排気運転時に室内空気を外部に排出する。また、切換機構は、排気経路EXが、換気ホース132を通じた空気が、吹出口BPから送風ファンを介して排気口EPに到達するまでの経路となるように切り換える。
【0105】
換気ユニット130は、給気運転時に室外空気を吸い込む吸込口SPとは別に、排気運転時に室内空気を外部に排出する排気口EPを備える。従って、換気ユニット130は、排気口EPにより、給気運転と排気運転の間で切り換えを、より容易に行うことができる。
【0106】
(4-5)
換気ユニット130は、シャッタ350をさらに備える。シャッタ350は、給気運転時に排気口EPを閉鎖し、排気運転時に排気口EPを開放する。
【0107】
シャッタ350は、給気運転時に排気口EPを閉鎖する。給気運転時において、排気口EPからの空気の経路が形成されないため、空気の経路は、複雑にならない。換気ユニット130は、排気口EPを用いた排気運転を行いつつ、給気運転時における空気の経路を単純化できる。従って、換気ユニット130は、給気運転と排気運転の間で切り換えを、より容易に行うことができる。
【0108】
(5)変形例
空気調和機100は、さらに空気清浄を行ってもよい。吸着部材は、ローター321に加え、プレフィルターと、集塵フィルターと、消臭フィルターの少なくとも何れかをさらに含む。
【0109】
また、空気調和機100は、加湿の代わりに空気清浄を行ってもよい。吸着部材は、プレフィルターと、集塵フィルターと、消臭フィルターの少なくとも何れかである。加湿装置320は、「吸着装置」と称されてもよい。吸着装置は、ヒーター322を備えない。
【0110】
プレフィルターは、室外空気から比較的大きな塵埃を吸着するフィルターである。プレフィルターの構造の例としては、ネット状のシートを両面から樹脂のフレームで挟まれた構造などが挙げられる。集塵フィルターは、室外空気から比較的小さな塵埃を吸着するフィルターである。消臭フィルターは、室外空気から臭気成分を吸着するフィルターである。
【0111】
(5-1)特徴
換気ユニット130は、吸着部材が、加湿用のローター321と、プレフィルターと、集塵フィルターと、消臭フィルターの少なくとも何れかである。
【0112】
換気ユニット130は、吸着部材が加湿用のローター321である場合、空気に水分を供給する加湿を行うことができる。また、換気ユニット130は、吸着部材がプレフィルターと、集塵フィルターと、消臭フィルターである場合、空気を清浄することができる。
【0113】
<第2実施形態>
(1)全体構成
第2実施形態に係る空気調和機101について、第1実施形態に係る空気調和機100と相違を中心に説明する。空気調和機101は、空気調和機100の動作に加え、さらに再生を行う。再生の詳細については後述する。
【0114】
(2)詳細構成
換気ユニット140のユニット本体141は、ユニット本体131のダンパユニット340とは異なる構造のダンパユニット370を備える。図13は、空気調和機100における再生経路RPを示す概略構成図である。再生経路RPは、再生運転時の空気の経路である。図14は、ユニット本体141における再生経路RPを示す断面図である。図15は、ユニット本体141における再生経路RPを示す上面図である。
【0115】
(2-1)ダンパユニット
ユニット本体141のダンパユニット370は、ダンパユニット340の固定の側壁509の代わりに、旋回可能な側壁519を備える。側壁519は、矢印f方向、矢印g方向に移動される。
【0116】
側壁519は、再生運転時において、矢印g方向に移動される。矢印g方向に移動された側壁519は、貫通域505とダンパ内空間514の間の経路を開放する。再生運転時において、貫通域505とダンパ内空間514は、再生経路RPを形成する。従って、ダンパユニット370は、側壁519により、再生経路RPが、吸込口SPから吸い込まれた空気が、ファンユニット330を介して排気口EPまでの経路となるように切り換える。
【0117】
他方、側壁519は、再生運転以外の運転時において、矢印f方向に移動される。矢印f方向に移動された側壁519は、貫通域505とダンパ内空間514の間の経路を遮断する。
【0118】
(2-2)シャッタ
シャッタ353は、シャッタ350の動作に加え、再生運転時において、排気口EPを開放する。
【0119】
(3)動作
空気調和機101の動作について説明する。空気調和機101は、冷房、暖房、加湿、換気に加え、再生を行う。
【0120】
再生は、室外空気を吸い込んで、ヒーター76により加熱される室外空気を、ローター58に通し、排気口52eにより再び室外ODへと排出する動作である。室外空気を吸い込んで、ヒーター76により加熱される室外空気を、ローター58を通し、排気口52eにより再び室外ODへと排出する運転を、再生運転とする。再生は、再生運転と、吸着運転により行われる。
【0121】
(3-1)再生運転
再生運転の詳細について説明する。ダンパ本体342を矢印a方向へ移動させて、給排気口515とファン吸込口401を、ダンパ内空間514を介して(筒状部材513の外側部分を介して)連通させる。筒状部材513は、底壁501によって閉塞される。シャッタ350が矢印c方向へ移動されるため、排気口EPは、開放される。側壁519が矢印g方向へ移動され、貫通域505とダンパ内空間514の間の経路は、開放される。
【0122】
ファン羽根車407は、給気運転時と同じ回転方向で駆動する。従って、ファン羽根車407は、給気運転時と同じ方向の吸引力SFを生成する。室外ODの空気は、吸引力SFによって、吸込口SPから内部空間604内に吸い込まれる。
【0123】
吸込口SPからファンユニット330を介して吹出口BPまでは、通風経路VP設けられている。また、吸込口SPとファンユニット330の間には、加湿装置320が設けられている。従って、吸込口SPから吸い込まれた室外空気は、加湿装置320を通過する。
【0124】
加湿装置320を通過した室外空気は、通風経路VPに沿って、貫通域505に到達する。貫通域505とダンパ内空間514が連通されているため、室外空気はダンパ内空間514に流れる。室外空気は、ファン吸込口401からファンユニット330内に吸い込まれる。
【0125】
ファンユニット330に吸い込まれた室内空気は、ファン吹出口402からの再び貫通域505側に吹き出される。貫通域505側に吹き出された室内空気は、内部空間604に到達する。
【0126】
シャッタ350は、排気口EPを開放し、吸込口SPへの経路を閉鎖している。従って、内部空間604に到達した室内空気は、排気口EPを介して、室外ODに排出される。シャッタ350により、吸込口SPへの空気の経路は形成されない。従って、室内空気は、加湿装置320を通さずに、室外ODに排出される。
【0127】
(4)特徴
(4-1)
換気ユニット140は、ヒーター322をさらに備える。吸着部材は、加湿用のローター321である。ヒーター322は、ローター321に導入される空気を加熱する。制御部は、室外空気を吸い込んで、ヒーター322により加熱される室外空気をローター321に通し、排気口EPにより再び室外ODへと排出する再生運転、をさらに行う。
【0128】
換気ユニット140は、加湿用のローター321である吸着部材により、空気に水分を供給する加湿を行うことができる。また、換気ユニット140は、加熱された空気が、ローター321から水分を奪う再生運転を行う。従って、換気ユニット140は、ローター321の水分吸着能力を再生することができる。さらに、換気ユニット140は、再生運転時において用いる排気口EPが、排気運転時において用いる排気口EPと同一である。換気ユニット140は、再生運転のための排気口をさらに設ける必要がなく、既存の構造を活用した再生運転が可能である。従って、換気ユニット140は、構造を簡素化できる。
【0129】
(4-2)
換気ユニット140は、切換機構が、再生運転時における空気の経路である再生経路RPが、吸込口SPから吸い込まれた空気が、送風ファンを介して排気口EPまでの経路となるように切り換える。
【0130】
従って、換気ユニット140は、切換機構により、他の運転と再生運転の間で切り換えを、より容易に行うことができる。
【0131】
<第3実施形態>
(1)全体構成
第3実施形態に係る空気調和機102について、第2実施形態に係る空気調和機101と相違を中心に説明する。空気調和機102の換気ユニット150は、空気調和機101の換気ユニット140と異なる構造をもつ。
【0132】
図16は、空気調和機102を示す概略構成図である。換気ユニット150は、ユニット本体50と換気ホース56を備える。
【0133】
(2)詳細構成
ユニット本体50の詳細構成について説明する。図17は、ユニット本体50の内部構造を示す斜視図である。図18は、ユニット本体50の構成要素の一部を取り外した状態の斜視図である。図19は、ユニット本体50の構成要素の一部を取り外した状態の上面図である。図20は、ユニット本体50の分解斜視図である。図21は、ユニット本体50の一部の構成要素の分解斜視図である。図22は、ユニット本体50の概略断面図である。
【0134】
(2-1)ケーシング
ケーシング52には、吸込口52a、吸込口52b、第1別口52c、吹出口52d、排気口52e、第2別口52fが設けられる。第1別口52cは、室外ODからユニット本体50に室外空気Aoutを吸い込むための開口である。吹出口52dには、換気ホース56が接続される。第2別口52fは、ユニット本体50から室外ODに空気を排出するための開口である。
【0135】
ケーシング52は、ケーシング52の底板部52gにシール部52jを備える。シール部52jは、後述する下側空間S2と後述する下側空間S4の間で室外空気Aoutの往来を遮断する。
【0136】
(2-2)加湿装置
加湿装置57は、ローター58、ホルダ60、モーター64、第1ヒーター76A、第2ヒーター76B、トレイ82などを備える。
【0137】
(2-2-1)ローター、ホルダ、モーター
ケーシング52内の中央に、ローター58が設けられる。なお、ローター58に加えて、プレフィルターと、集塵フィルターと、消臭フィルターの少なくとも何れかが設けられてもよい。
【0138】
ローター58は、鉛直方向(Z軸方向)に空気が通過可能であり、鉛直方向に延在する回転中心線C1を中心にして回転する円盤状の部材である。ローター58は、円筒状のホルダ60によって保持される。ローター58は、加湿用のモーター64によって回転される。モーター64は、ホルダ60の外歯に係合するギヤ62を備える。ローター58は、ユニット本体50の運転中、所定の回転速度で回転し続ける。
【0139】
(2-2-2)ヒーター
加湿装置57は、第1ヒーター76Aと第2ヒーター76Bを備える。第1ヒーター76Aは、吸込口52aから始まる流路R1に対して設けられる。第2ヒーター76Bは、吸込口52bから始まる流路R2に対して設けられる。
【0140】
第1ヒーター76A及び第2ヒーター76Bは、ローター58近傍に配置される。第1ヒーター76A及び第2ヒーター76Bは、流路R1、流路R2におけるローター58に対して上流側に、配置される。第1ヒーター76A及び第2ヒーター76Bは、隔壁板78に設けられる。
【0141】
第1ヒーター76A、第2ヒーター76B、流路R1及び流路R2が通過するローター58の上面58aの部分は、ヒーターカバー80によって覆われる。従って、第1ヒーター76A及び第2ヒーター76Bによって加熱される室外空気Aoutは、ローター58を通過することができる。
【0142】
第1ヒーター76A及び第2ヒーター76Bは、同一の加熱能力を備えるヒーターであってもよいし、異なる加熱能力を備えるヒーターであってもよい。
【0143】
(2-2-2)トレイ
トレイ82は、第1ヒーター76A及び第2ヒーター76B近傍の隔壁板78の部分に設けられる。トレイ82は、室外空気Aoutから分離した塵などを受け止めて回収する。
【0144】
(2-3)ファンユニット
ファンユニット65は、ファン羽根車66、隔壁板68、ファンハウジング70、ファン電動機72などを備える。
【0145】
(2-3-1)ファン羽根車
ファン羽根車66は、ローター58に対してユニット本体50の長手方向(Y軸方向)の一方側に配置される。ファン羽根車66の例としては、シロッコファンなどが挙げられる。ファン羽根車66は、ローター58に対して長手方向の一方側の空間を上下に二分割する隔壁板68に設けられた円筒状部68a内に収容される。
【0146】
(2-3-2)隔壁板
隔壁板68により、ローター58の上面58aの一部分が接する上側空間S1と、ローター58の下面58bの一部分が接する下側空間S2が形成される。隔壁板68の円筒状部68aには、吹出口52dに接続する開口68bと、排気口52eと接続する開口68cとが形成される。また、隔壁板68には、円筒状部68a内のファン羽根車66に空気を取り込むための貫通穴68dが形成される。 隔壁板68の開口68bの近傍には、第1切換機構SNが設けられる。第1切換機構SNは、扇状の切換部材Naを有する。切換部材Naは、モーター(図示省略)によって、回転軸Nbを中心に回転する。第1切換機構SNは、回転軸Nbを中心に切換部材Naを回転させることにより、通気口SXの閉鎖と開放を切り換え可能である。通気口SXが開放される場合、吹出口52dと下側空間S2は連通される。
【0147】
隔壁板68とケーシング52の底板部52gの間には、可動式の第2切換機構SMが設けられる。第2切換機構SMは、排気運転時において、下側空間S2とローター58の間の空気の経路を遮断する。第2切換機構SMは、給気運転時又は再生運転時においては、下側空間S2とローター58の間の空気の経路を開放するように構成される。
【0148】
(2-3-3)ファンハウジング
隔壁板68の円筒状部68aには、ファン羽根車66を覆うファンハウジング70が取り付けられる。
【0149】
(2-3-4)ファン電動機
ファンハウジング70に、ファン羽根車66を回転させるファン電動機72が設けられる。
【0150】
(2-4)ダンパユニット
ダンパユニット74は、空気の経路を切り換える。ダンパユニット74は、旋回可能なシャッタ74aを備える。
【0151】
(2-4-1)シャッタ
シャッタ74aは、旋回して隔壁板68の開口68bと円筒状部68aの内側(ファン羽根車66の近傍)の経路を開放、閉鎖できる。開口68bは吹出口52dと接続する。従って、シャッタ74aは、旋回して吹出口52dと円筒状部68aの内側の経路を開放、閉鎖できる。
【0152】
シャッタ74aは、旋回して隔壁板68の開口68cを開放、閉鎖できる。開口68cは排気口52eと接続する。従って、シャッタ74aは、旋回して排気口52eを開放、閉鎖できる。
【0153】
(2-5)制御装置
制御装置(図示省略)は、給気運転、排気運転、再生運転に加え、補充運転を行う。補充運転の詳細については後述する。
【0154】
(2-6)補充ファン
補充ファン84は、後述する補充運転を行うためのファンである。補充ファン84は、回転駆動して吸引力を生成する。補充ファン84は、後述する流路R3に室外空気Aoutの流れを発生させる。補充ファン84は、ローター58に対してユニット本体50の長手方向(Y軸方向)の他方側に配置される。補充ファン84の例としては、シロッコファンなどが挙げられる。
【0155】
(2-6-1)モーター、円筒状部
補充ファン84は、ケーシング52の底板部52gの外側面に取り付けられるモーター86によって回転される。補充ファン84は、底板部52gの内側面に設けられた円筒状部52h内に収容される。円筒状部52hの内部空間は、第2別口52fに連通する。
【0156】
(2-6-2)隔壁板、シール部材
円筒状部52h上には、補充ファン84を覆う隔壁板78が取り付けられる。隔壁板78は、ローター58に対して長手方向(Y軸方向)の一方側の空間を上下に二分割する。
【0157】
隔壁板78には、室外空気Aoutを補充ファン84内に取り込むための貫通穴78aが設けられる。隔壁板78には、上面58aを覆うことなくローター58を回転可能に収容するローター収容部78bが設けられる。隔壁板78は、シール部78cを備える。シール部78cは、ローター58の上方の上側空間S1と上側空間S3の間で室外空気Aoutの往来を遮断する。
【0158】
隔壁板78と天板54との間をシールするシール部材88は、隔壁板78と天板54の間に設けられる。シール部材88により、流路R1、流路R2を流れる室外空気Aoutと流路R3を流れる室外空気Aoutは、異なる位置でローター58を通過でき、互いに混合されない。
【0159】
(3)動作
空気調和機102の動作について説明する。空気調和機102は、冷房、暖房、加湿、換気、再生に加え、除湿、補充を行う。
【0160】
補充は、ローター58に水分を補充させる動作である。補充は、第1別口52cで室外空気Aoutを吸い込んで、ローター58を通し、第2別口52fにより再び室外ODへと排出する動作である。第1別口52cで室外空気Aoutを吸い込んで、ローター58を通し、第2別口52fにより再び室外ODへと排出する運転を、補充運転という。補充は、補充運転により行われる。
【0161】
空気調和機102の加湿は、給気運転、吸着運転に加え、補充運転により行われてもよい。加湿が補充運転により行われる場合、ローター58への水分の補充のため、継続的な加湿が可能となる。
【0162】
空気調和機102の除湿は、空気調和機100と同様に、吸着運転によらず、給気運転により行われる。
【0163】
(3-1)給気運転
ファン電動機72がファン羽根車66を回転させると、ケーシング52の吸込口52a、吸込口52bを介して、室外空気Aoutがケーシング52内に吸い込まれる。吸込口52aと吸込口52bの間には、ファンハウジング70とファン電動機72が存在する。従って、ローター58を通過し、室外ODと室内ユニット110を接続し、室外空気Aoutが流れる流路が実質的に2つ存在する。2つの流路R1、流路R2は、ローター58の通過後に互いに合流する合流路を含み、合流路にファン羽根車66が設けられている。
【0164】
吸込口52a、吸込口52bで吸い込まれた室外空気Aoutは、隔壁板68の上方の上側空間S1に流入し、第1ヒーター76A及び第2ヒーター76Bに向かって流れる。第1ヒーター76A及び第2ヒーター76Bは、ヒーターカバー80によって覆われている。従って、流路R1、流路R2を流れる室外空気Aoutは、第1ヒーター76A及び第2ヒーター76Bに進入するために、側壁部80aの外側面に沿って降下する。室外空気Aoutは、隙間に進入して上方向に移動する。室外空気Aoutは、第1ヒーター76A及び第2ヒーター76Bを貫通して移動する。
【0165】
室外空気Aoutは、上面58aに向かって降下する。2つの流路R1、流路R2は、室外空気Aoutが通過するラビリンスを含んでいる。流路R1、流路R2は、室外空気Aoutが通過するラビリンスを含むことにより、室外空気Aoutに含まれる塵や砂などが換気ホース56、室内ユニット110、及び室内IDに届くことを抑制できる。室外空気Aoutがラビリンスを移動するときに塵や砂などが重力によって室外空気Aoutから分離される。
【0166】
室外空気Aoutは、上面58aから下面58bに向かってローター58を通過する。言い換えると、室外空気Aoutは、加湿装置57を通過する。ローター58を通過した室外空気Aoutは、隔壁板68の下方の下側空間S2内を移動し、隔壁板68の貫通穴68dを通過してファン羽根車66に取り込まれる。
【0167】
ファン羽根車66に取り込まれた室外空気Aoutは、開口68b、開口68cにおいてシャッタ74aによって閉鎖されていない方の開口を通過する。図23は、給気運転時のシャッタ74aの動作を示す概略構成図である。室外空気Aoutは、開口68b、吹出口52dを通過し、換気ホース56を介して、室内ユニット110に到達する。室内ユニット110に到達した室外空気Aoutは、室内吹出口IP2を介して、室内IDに供給される。
【0168】
(3-2)再生運転
室外ODからファン羽根車66に取り込まれるまでの室外空気Aoutの流路は、給気運転の室外空気Aoutの流路R1、流路R2と同様である。ファン羽根車66に取り込まれた室外空気Aoutは、開口68b、開口68cにおいてシャッタ74aによって閉鎖されていない方の開口を通過する。図24は、再生運転時のシャッタ74aの動作を示す概略構成図である。室外空気Aoutは、開口68c、排気口52eを通過し、再び室外ODに排出される。
【0169】
(3-3)補充運転
室外空気Aoutの流路として、流路R1、流路R2以外の流路R3が生成される。室外空気Aoutの流路R3は、流路R1、流路R2と異なり、室内ユニット110内に接続しない。流路R3は、ローター58を通過し、室外空気Aoutが室外ODから室外ODに流れる流路である。流路R3は、第1別口52cから始まり、ローター58を下面58bから上面58aに向かって通過し、第2別口52fに至る。
【0170】
モーター86が補充ファン84を回転駆動させると、第1別口52cを介して、室外空気Aoutがケーシング52内に流入する。第1別口52cを介して流入した室外空気Aoutは、隔壁板78の下方の下側空間S4に流入し、ローター58の下方に向かって流れる。室外空気Aoutは、ローター58の下面58bから上面58aに向かってローター58を通過する。
【0171】
ローター58を通過した室外空気Aoutは、隔壁板78の上方の上側空間S3内を移動し、貫通穴78aを通過して補充ファン84に取り込まれる。補充ファン84に取り込まれた室外空気Aoutは、第2別口52fを介して室外ODに排出される。
【0172】
加熱されない室外空気Aoutは、ローター58により水分を奪われる。言い換えると、ローター58は、室外空気Aoutにより水分を補充する。
【0173】
(3-4)吸着運転
吸着運転は、第1ヒーター76A、第2ヒーター76Bの少なくとも一方が作動する状態で行われる。室内IDの湿度を小さく増加させる場合、第1ヒーター76Aと第2ヒーター76Bの少なくとも一方が作動される。他方、室内IDの湿度を大きく増加させる場合、第1ヒーター76Aと第2ヒーター76Bの両方が作動される。
【0174】
複数のヒーターを使用することにより、1つの加熱手段を用いる場合に比べて、室外空気Aoutの水分量(ローター58から奪う水分量)を細かく調節することができる。従って、室内IDの加湿量をきめ細やかに制御することができる。
【0175】
(3-5)排気運転
図25は、排気運転時のユニット本体50の内部構造を示す斜視図である。図26は、排気運転時のユニット本体50の分解斜視図である。図27は、排気運転時のユニット本体50の一部の構成要素の分解斜視図である。図28は、排気運転時のユニット本体50の概略断面図である。排気運転時に生成される流路を流路R4と称する。
【0176】
室内空気は、室内ユニット110内に吸い込まれる。吸い込まれた室内空気は、換気ホース56を通じて、吹出口52dに到達する。室内空気は、回転駆動するファン羽根車66の吸引力により、吹出口52d、開口68bを介して、ユニット本体50内に流れる。ユニット本体50内に流れた室内空気は、隔壁板68の上に到達する。
【0177】
図29は、排気運転時のシャッタ74aの動作を示す概略構成図である。シャッタ74aにより、吹出口52dから直接ファン羽根車66に流れる経路は、遮断されている。排気運転時において、通気口SXは開放されている。従って、隔壁板68の上に到達した室内空気は、通気口SXを介して、下側空間S2に流れる。
【0178】
下側空間S2に流れた室内空気は、吸引力により、貫通穴68dを介してファン羽根車66の近傍に到達する。排気運転時において、シャッタ74aは、排気口52eを開放している。従って、ファン羽根車66の近傍に到達した室内空気は、開口68c、排気口52eを介して室外ODに排出される。
【0179】
換気ユニット150は、再生運転時において用いる排気口52eが、排気運転時において用いる排気口52eと同一である。換気ユニット150は、再生運転のための排気口をさらに設ける必要がなく、既存の構造を活用した再生運転が可能である。従って、換気ユニット150は、構造を簡素化できる。
【0180】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0181】
52a 吸込口
52b 吸込口
52d 吹出口
52e 排気口
56 換気ホース
58 ローター
74a シャッタ
121 熱交換ユニット
130 換気ユニット
132 換気ホース
140 換気ユニット
150 換気ユニット
321 ローター
322 ヒーター
350 シャッタ
353 シャッタ
Aout 室外空気
BP 吹出口
EP 排気口
EX 排気経路
ID 室内
OD 室外
RP 再生経路
SP 吸込口
SU 給気経路
VP 通風経路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0182】
【文献】特開2004-286432号公報
図1
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