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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】行先階登録装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/46 20060101AFI20240510BHJP
   B66B 1/14 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B66B1/46 A
B66B1/14 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023154141
(22)【出願日】2023-09-21
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】井上 元太
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-109449(JP,A)
【文献】特開2014-84219(JP,A)
【文献】特開2019-1566(JP,A)
【文献】特開2011-37570(JP,A)
【文献】特表2022-547422(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102923536(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0144859(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00- 1/52
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごを含むエレベータを制御する制御装置に対して、行先階登録を行う行先階登録装置であり、
エレベータ利用者による一定の指示操作を前記行先階登録の入力操作として受け付ける入力部であって、前記エレベータ利用者の事情に応じた属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作を受け付ける入力部と、
前記制御装置と通信する通信部と、
前記入力部で受け付けた入力操作に基づく前記行先階登録の情報と前記属性の情報を、前記制御装置に送信するように前記通信部を制御する制御部と、を備え、
前記エレベータは、前記行先階登録の情報に基づいて前記制御装置により制御され、且つ前記属性の情報に基づいて前記制御装置により一時的に前記属性に対応する制御内容で制御されるように構成され、
前記入力部は、前記一定の指示操作を起点とし且つ前記一定の指示操作とは異なる動きをする動き操作を、前記属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作として受け付けるように構成される、行先階登録装置。
【請求項2】
少なくとも行先階登録を行うための記号ボタンを複数個含む操作画面を表示する表示部を備え、
前記一定の指示操作は、前記記号ボタンをタッチする操作であり、
前記制御部は、前記記号ボタンがタッチされると、タッチされた前記記号ボタンの周りに、前記入力部で受け付け可能な前記属性に基づく前記エレベータの制御の内容を表す目印を表示するように前記表示部を制御する、請求項1に記載の行先階登録装置。
【請求項3】
前記記号ボタンは、一桁の数字を示す数字ボタンであり、
前記操作画面は、前記表示部に表示されるテンキーを有し、
前記入力部は、所定時間内に複数の前記数字ボタンがタッチされることにより、複数桁の前記行先階登録の入力操作として大きい桁の位から順番に受け付けるように構成され、
前記制御部は、一の位の前記入力操作として前記数字ボタンがタッチされると、一の位としてタッチされた前記数字ボタンの周りに、前記目印を表示するように前記表示部を制御する、請求項2に記載の行先階登録装置。
【請求項4】
表示部を備え、
前記制御部は、前記入力部で前記属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作を受け付けると、前記属性に基づく前記エレベータの制御の内容を表す目印を表示するように前記表示部を制御する、請求項1に記載の行先階登録装置。
【請求項5】
前記入力部は、タッチパネルであり、
前記一定の操作は、前記タッチパネルに対するタッチ操作であり、
前記動き操作は、前記タッチパネルをタッチしたまま別の位置に移動するタッチ移動操作である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の行先階登録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行先階登録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1に記載のエレベータがある。このエレベータは、利用者が動作させたい内容を登録するエレベータ登録装置を備える。前記エレベータ登録装置は、乗りかご内に設けられている操作盤と、前記エレベータの動作を制御する制御装置とを有する。前記操作盤は、タッチパネル式の表示面を有する。前記表示面は、通常利用者の操作に適した配置である第1配置と、例えば一般的な身長の大人よりも身長が小さかったり、車いすを利用している利用者である特別利用者の操作に適した配置である第2配置との、2種類の表示を行うことができる。前記第1配置において、前記表示面は、第1行先階登録領域に利用者により前記乗りかごの行先階を登録する行先階登録部を表示し、第1配置切替領域に前記表示面の表示を前記第1配置から前記第2配置に切り替える配置切替部を表示する。また、前記第2配置において、前記表示面は、第2行先階登録領域に前記利用者により前記乗りかごの行先階を登録する行先階登録部を表示し、第2配置切替領域に前記表示面の表示を前記第2配置から前記第1配置に切り替える配置切替部を表示する。前記制御装置は、前記エレベータの動作を制御する運転制御部を有する。前記運転制御部は、前記エレベータを、前記通常利用者の利用に適した第1運転モードと、前記特別利用者の利用に適した第2運転モードとの2種類の運転モードで動作させることができる。前記第2運転モードは、乗りかごや乗場の扉の開閉速度を前記第1運転モードより遅くし、前記乗りかごの昇降速度を前記第1運転モードよりも遅くする。
【0003】
前記制御装置は、前記第2配置における前記行先階登録部で行先階が登録された場合、前記エレベータの駆動モードを、前記第1運転モードから前記第2運転モードに切り替える制御を行う。これにより、前記エレベータは、前記特別利用者がより容易に前記第2運転モードを利用することが可能である、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-1791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1に記載のエレベータにおいて、駆動モードを前記第1運転モードから前記第2運転モードに切り替える場合、前記特別利用者は、前記配置切替部を操作して前記表示面の表示を前記第1配置から前記第2配置に切り替えた後、前記行先階登録部を操作して行先階を登録する必要があった。したがって、前記特許文献1に記載のエレベータでは、行先階登録と併せて利用者の事情に応じたエレベータの制御を行う場合に、手間がかかるという問題が生じていた。
【0006】
よって、本発明は、行先階登録と併せてエレベータ利用者の事情に応じたエレベータの制御を簡単にできる行先階登録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
乗りかごを含むエレベータを制御する制御装置に対して、行先階登録を行う行先階登録装置であり、
前記エレベータ利用者による一定の指示操作を前記行先階登録の入力操作として受け付ける入力部であって、前記エレベータ利用者の事情に応じた属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作を受け付ける入力部と、
前記制御装置と通信する通信部と、
前記入力部で受け付けた入力操作に基づく前記行先階登録の情報と前記属性の情報を、前記制御装置に送信するように前記通信部を制御する制御部と、を備え、
前記エレベータは、前記行先階登録の情報に基づいて前記制御装置により制御され、且つ前記属性の情報に基づいて前記制御装置により一時的に前記属性に対応する制御内容で制御されるように構成され、
前記入力部は、前記一定の指示操作を起点とし且つ前記一定の指示操作とは異なる動きをする動き操作を、前記属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作として受け付けるように構成される、行先階登録装置である。
【0008】
前記構成によれば、前記通信部は、前記入力部で受け付けた入力操作に基づく前記行先階登録の情報及び前記属性の情報を前記制御装置に送信し、前記エレベータは、前記行先階登録の情報と前記属性の情報に基づいて前記制御装置により一時的に制御される。ここで、本発明では、前記入力部は、前記動き操作を前記属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作として受け付けるように構成されるため、前記行先階登録の入力操作に併せて前記属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作を簡単にできる。
【0009】
また、本発明は、
少なくとも行先階登録を行うための記号ボタンを複数個含む操作画面を表示する表示部を備え、
前記一定の指示操作は、前記記号ボタンをタッチする操作であり、
前記制御部は、前記記号ボタンがタッチされると、タッチされた前記記号ボタンの周りに、前記入力部で受け付け可能な前記属性に基づく前記エレベータの制御の内容を表す目印を表示するように前記表示部を制御してもよい。
【0010】
前記構成によれば、前記表示部が前記目印を表示することにより、例えば、前記エレベータ利用者が前記動き操作で動きを行う向きを知ることができる。
【0011】
また、本発明では、
前記記号ボタンは、一桁の数字を示す数字ボタンであり、
前記操作画面は、前記表示部に表示されるテンキーを有し、
前記入力部は、所定時間内に複数の前記数字ボタンがタッチされることにより、複数桁の前記行先階登録の入力操作として大きい桁の位から順番に受け付けるように構成され、
前記制御部は、一の位の前記入力操作として前記数字ボタンがタッチされると、一の位としてタッチされた前記数字ボタンの周りに、前記目印を表示するように前記表示部を制御してもよい。
【0012】
前記構成によれば、前記表示部が一の位としてタッチされた前記数字ボタンの周りに前記目印を表示するため、前記エレベータ利用者は、一の位の前記数字ボタンをタッチする操作を起点として前記動き操作を行うことができる。
【0013】
また、本発明は、
表示部を備え、
前記制御部は、前記入力部で前記属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作を受け付けると、前記属性に基づく前記エレベータの制御の内容を表す目印を表示するように前記表示部を制御してもよい。
【0014】
前記構成によれば、前記表示部が前記属性に基づく前記エレベータの制御の内容を表す目印を表示することにより、前記エレベータ利用者は、前記入力部によって前記属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作が受け付けられたことを確認できる。
【0015】
また、本発明では、
前記入力部は、タッチパネルであり、
前記一定の操作は、前記タッチパネルに対するタッチ操作であり、前記動き操作は、前記タッチパネルをタッチしたまま別の位置に移動するタッチ移動操作であってもよい。
【0016】
前記構成によれば、前記入力部は、前記エレベータ利用者が前記タッチパネルに対するタッチ操作を行うことにより前記行先階登録の入力操作を受け付け、前記エレベータ利用者が前記タッチ移動操作を行うことにより前記属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作を受け付けるため、前記入力部に対する入力操作を簡単にすることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上、本発明によれば、前記行先階登録の入力操作に併せて前記属性に基づく前記エレベータの制御の入力操作を簡単にできるため、前記行先階登録と併せて前記エレベータ利用者の事情に応じた前記エレベータの制御を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施形態におけるエレベータシステムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、同実施形態に係る行先階登録装置の表示画面を示す図である。
図3図3は、変形例に係る行先階登録装置の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る行先階登録装置2について説明する。本実施形態の行先階登録装置2は、エレベータシステム1に含まれる。そのため、エレベータシステム1について説明を行う中で、行先階登録装置2について説明する。
【0020】
エレベータシステム1は、エレベータ利用者による行先階登録を行うためのシステムである。エレベータシステム1は、行先階登録装置2と、制御装置3と、制御装置3により制御されるエレベータ4とを備える。
【0021】
行先階登録装置2は、エレベータ利用者による行先階登録を受け付け、且つ後述する制御装置3に対して行先階登録を行うための装置である。本実施形態の行先階登録装置2は、エレベータ4の乗場に設けられている。そのため、本実施形態の行先階登録装置2は、乗車前のエレベータ利用者が乗場に後述する乗りかご40を呼び出す(即ち、乗場呼びを行う)ための装置でもある。また、本実施形態の行先階登録装置2は、各階の乗場に設けられている。そのため、図1に示すように、エレベータシステム1には、複数(具体的には、3つ)の行先階登録装置2,2,2が備わっている。行先階登録装置2は、記憶部20と、表示部21と、エレベータ利用者による入力操作を受け付ける入力部22と、通信部23と、制御部24とを備える。
【0022】
記憶部20は、行先階登録装置2の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶している。記憶部20は、行先階登録装置2のIDを記憶している。
【0023】
表示部21は、後述する制御部24から出力される表示信号に基づいて表示を行う。本実施形態の表示部21は、タッチパネル式のディスプレイである。図2(a)~(d)に示すように、本実施形態の表示部21は、エレベータ利用者に行先階の入力操作を行わせるための操作画面2Aと、エレベータ利用者に対して表示を行う表示画面2aと、行先階の登録結果を表示する登録画面2αとを表示する。
【0024】
図2(a),(b)に示すように、本実施形態の操作画面2Aは、複数個(具体的には、1~9、0といった一桁の数字がそれぞれ表示された10個)の数字ボタン2Bと、避難階を表す「☆」ボタンや地下階を表す「-」ボタンとを含む。即ち、本実施形態の操作画面2Aは、表示部21に表示されるテンキーを有する。
【0025】
図2(a)に示すように、表示画面2aは、エレベータ利用者に行先階の入力操作を促す入力補助情報(例えば、英語で「Please enter destination」といったメッセージ)を表示する。また、図2(b)に示すように、表示画面2aには、入力操作中の行先階の情報(例えば、「1」)を表示する。
【0026】
図2(d)に示すように、登録画面2αは、行先階の入力操作により割り当てられる割当号機に関する号機情報(例えば、「A」)、入力結果である行先階を示す行先階情報(例えば、「Floor 1」)及び後述する属性に基づくエレベータ4の制御の内容を表す目印2D(例えば、車椅子マークやペットマーク)を表示する。
【0027】
図2(b)(c)に示すように、表示部21は、目印2Cを表示するように構成されている。ここで、「目印2C」とは、行先階登録とは別に、エレベータ4に対する制御の内容(例えば、かごドアの開閉速度や戸開時間を変える、車椅子を利用するエレベータ利用者向けの乗りかご40を呼ぶ)を表すものである。本実施形態では、表示部21は、目印2Cとして、車椅子を利用するエレベータ利用者向けの乗りかご40を呼ぶ車椅子マークと、乗場表示部にペットが乗車中であることを表示するペットマークとを表示するように構成されている。
【0028】
図2(a)に示すように、本実施形態の表示部21は、エレベータ利用者による入力操作が行われていないとき、操作画面2A及び表示画面2aを表示するデフォルト表示を行うように構成されている。また、デフォルト表示において、表示画面2aは、入力補助情報を表示する。
【0029】
入力部22は、入力操作として、行先階登録とエレベータ利用者の事情に応じた属性に基づくエレベータ4の制御を受け付ける。ここで、「エレベータ利用者の事情」とは、エレベータ利用者が抱える事情のことである。「エレベータ利用者の事情」は、「エレベータ利用者の事情」は、例えば、車椅子に乗っている、ペットを連れている、荷物を持っている、といったエレベータ利用者の外見から分かる物理的な事情と、例えば、多くの人数で乗りかご40に乗りたい、特殊な内装の乗りかご40に乗りたい、乗りかご40が行先階まで止まってほしくない、乗りかご40に特定の人物(例えば、VIP)以外乗せたくない、動物と一緒に乗りかご40に乗りたくない、といったエレベータ利用者の考えに基づく精神的な事情と、に分類できる。また、「属性」とは、エレベータ4に対する制御の内容を示すものである。即ち、「事情に応じた属性」は、エレベータ利用者が抱える事情に基づいて決まるエレベータ4に対する制御の内容を示している。
【0030】
本実施形態の入力部22は、タッチパネルである。そのため、本実施形態では、入力部22と表示部21とがタッチパネル式のディスプレイとして一体的に構成されている。
【0031】
入力部22は、一定の指示操作を行先階登録の入力操作として受け付けるように構成されている。本実施形態において、「一定の指示操作」は、エレベータ利用者の指やタッチペン等の指示手段Xでタッチパネル(具体的には、操作画面2Aの数字ボタン2B)をタッチするタッチ操作である。
【0032】
入力部22は、一定の指示操作を起点とし且つ該一定の操作とは異なる動きをする動き操作を、属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作として受け付けるように構成されている。ここで、「起点」とは、行先階登録の入力操作と、属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作との境目のことである。即ち、行先階登録の入力操作である一定の指示操作(具体的には、数字ボタン2Bのタッチ操作)の終了時点(例えば、指示手段Xがタッチするタッチパネル上の位置から離れたときや、タッチ操作の開始から予め定められた時間が経過したときなど)が「起点」である。ところで、本実施形態では、動き操作が、タッチパネルをタッチしたままの指示手段Xを別の位置に移動するタッチ移動操作(具体的には、スワイプ操作)である。よって、本実施形態では、「起点」とは、タッチパネル上の指示手段Xの位置における境目(換言すると、位置の起点)のことである。
【0033】
例えば、エレベータ利用者が指で「1」の数字ボタン2Bにタッチすると、入力部22は、行先階を「1階」とする入力操作を受け付ける。また、例えば、エレベータ利用者が指で「1」と「0」の数字ボタン2Bに順番にタッチすると、入力部22は、行先階を「10階」とする入力操作を受け付ける。入力部22は、入力操作を受け付けると、受け付けた行先階登録の情報(例えば、「1階」)と属性の情報(例えば、車椅子を利用するエレベータ利用者向けのエレベータ4の制御を行う、という情報)の別々の情報を入力信号によって制御部24に出力するように構成されている。ここで、属性の情報には、例えば、乗りかご40の種類を示す種類情報、乗りかご40の昇降速度やかごドアの開閉速度を示す動作情報、乗場表示部42の表示内容を示す報知情報が含まれる。なお、行先階登録の情報と属性の情報とが制御部24に伝わればよく、例えば、行先階登録の情報を有する入力信号と、属性の情報を有する入力信号とが、別々に制御部24に出力されてもよい。
【0034】
通信部23は、行先階登録装置2が後述する制御装置3と通信するためのものである。通信部23は、各種処理を実行するための信号を送受信する際に使用される。
【0035】
制御部24は、記憶部20に記憶されるプログラムを実行することにより、行先階登録装置2における所定の処理又は機能を実現するためのものである。制御部24は、操作画面2Aや表示画面2a、登録画面2αを表示するように表示部21を制御するように構成されている。具体的に、制御部24は、表示部21に対して表示信号を出力する。本実施形態では、エレベータ利用者による入力操作が行われていないとき、制御部24は、デフォルト表示を行うように表示部21を制御するように構成されている。
【0036】
入力部22から行先階登録の情報を有する入力信号が出力されると、制御部24は、入力部22で受け付け可能な属性に基づくエレベータ4の制御の内容を表す目印2Cを表示するように表示部21を制御するように構成されている。また、本実施形態では、制御部24は、数字ボタン2Bがタッチされた旨を表示するように表示部21を制御するように構成されている。さらに、本実施形態では、制御部24は、入力部22で受け付けた行先階登録の情報を表示するように表示部21を制御するように構成されている。また、本実施形態の制御部24は、これらの制御(具体的には、上記3つの制御)を略同一のタイミングで行うように構成されている。そのため、制御部24は、表示部21に対して上記3つの制御の内容を含んだ表示信号を出力する。
【0037】
また、本実施形態では、入力部22から属性の情報を有する入力信号が出力されると、制御部24は、目印2Cがタッチされた旨を表示するように表示部21を制御するように構成されている。
【0038】
入力部22から行先階登録の情報と属性の情報が伝わると、制御部24は、行先階をエレベータ4に割り当てることを要求する信号である割当依頼信号を生成するように構成されている。本実施形態の割当依頼信号は、行先階を複数のエレベータのうちのいずれかに割り当てるためのものである。割当依頼信号は、行先階登録装置2のIDに加えて、行先階登録の情報及び属性の情報を含む。
【0039】
さらに、制御部24は、割当依頼信号を後述する制御装置3に送信するように通信部23を制御するように構成される。
【0040】
制御装置3は、エレベータ4を制御するためのものである。本実施形態の制御装置3は、複数のエレベータ4,4,4の運行を統合的に制御する。制御装置3は、記憶部30と、通信部31と、制御部32とを備える。
【0041】
記憶部30は、制御装置3の各種機能を実現するためのプログラム及びデータを記憶している。また、記憶部30は、エレベータ利用者が後述する乗りかご40に乗車する階である出発階を示す出発階情報を記憶している。また、記憶部30は、出発階情報と行先階登録装置2のIDとが紐づけられたテーブルを記憶している。よって、行先階登録装置2のIDと出発階情報のいずれか一方を用いれば、もう一方を特定することができる。
【0042】
通信部31は、行先階登録装置2やエレベータ4と通信するためのものである。通信部31は、後述する制御部32から出力される信号を行先階登録装置2やエレベータ4に送信する。通信部31は、行先階登録装置2の通信部23及びエレベータ4とネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0043】
制御部32は、記憶部30に記憶されるプログラムを実行することにより、制御装置3における各種処理を実現するためのものである。また、制御部32は、記憶部30に記憶される出発階情報と、割当依頼信号に含まれる行先階登録の情報と、後述するエレベータ4から送信される運行情報(例えば、乗りかご40がどの階に位置するか、乗りかご40が運行中か否か、乗りかご40にはどの階の呼びが登録されているか等の乗りかご40の運行状況を示す情報)とに基づいて、エレベータ4に対する割当処理を実行するように構成されている。具体的に、制御部32は、通信部31を介して、割当処理を実行するための割当制御信号をエレベータ4に対して送信する。
【0044】
本実施形態では、制御部32は、行先階をA号機~C号機のエレベータ4(具体的には、乗りかご40)のうちのいずれかに対して割り当て、割当号機を決定するように構成されている。ここで、本実施形態では、割当依頼信号に含まれる属性の情報に基づいて、制御部32は、エレベータ利用者の事情に最も適したエレベータ4に対して割当制御信号を送信する。
【0045】
また、制御部32は、割当依頼信号に含まれる属性の情報に基づいて、割当処理とは別に、エレベータ4の制御(例えば、乗りかご40の昇降速度の変更、かごドアの開閉速度や戸開時間の変更、乗場表示部42の表示内容の変更)を行うための属性制御信号を、通信部31を介してエレベータ4に対して送信する。
【0046】
エレベータ4に対する割当処理を実行すると、制御部32は、決定した割当号機を示す割当号機情報を含む割当結果信号を生成するように構成されている。さらに、制御部32は、割当結果信号を行先階登録装置2に対して送信するように、通信部31を制御するように構成されている。
【0047】
エレベータ4は、制御装置3からの信号に従って制御されるように構成されている。また、エレベータ4は、運行情報を制御装置3に対して送信するように構成されている。なお、本実施形態において、制御装置3に対する運行情報の送信は、常時行われているものとする。本実施形態のエレベータ4は、昇降路内を昇降する乗りかご40と、駆動することで乗りかご40を各階の乗場に昇降移動させる巻上機41と、乗場に設けられ且つ例えば乗りかご40の行先階が表示される乗場表示部42と、エレベータ4における各種処理を実現するための制御部43とを含む。また、本実施形態では、A号機からC号機の3台のエレベータ4,4,4が設けられている。
【0048】
乗りかご40には、エレベータ利用者が乗りかご40内に出入りするかご側出入口を開閉するかごドアを駆動するドアモータ400と、乗りかご40内のエレベータ利用者に操作される操作盤401とが設けられている。
【0049】
ここで、乗りかご40には、一般利用者向けのものと、特別利用者向けのもの(例えば、荷物用台車や移動式ベッドの搬送向けのものや、車椅子を利用するエレベータ利用者向けのもの、最大定員人数を増やしたもの、内装が特殊仕様のもの)がある。本実施形態では、A号機のエレベータ4が有する乗りかご40が特別利用者向けのもの(具体的には、車椅子を利用するエレベータ利用者向けの乗りかご40)であり、B号機及びC号機のエレベータ4が有する乗りかご40が一般利用者向けのものである。
【0050】
制御部43は、制御装置3からの信号により、各構成40,41,42を制御する。具体的に、制御部43は、割当制御信号に基づいて、ドアモータ400や巻上機41の駆動を制御する。また、制御部43は、属性制御信号に基づいて、属性に対応する制御内容でドアモータ400や巻上機41の駆動を一時的に制御する。よって、例えば、巻上機41の駆動を制御することによって乗りかご40の昇降速度を変更し、或いはドアモータ400の駆動を制御することによってかごドアの開閉速度や戸開時間を変更する。なお、属性に対応する制御内容での一時的な制御は、登録された行先階に乗りかご40が到着した時点で終了する。
【0051】
続いて、エレベータシステム1において、行先階登録装置2を用いた行先階登録を行う場合の処理について説明する。
【0052】
前提として、行先階登録装置2の制御部24が表示部21に対して表示信号を出力し、図2(a)に示すように、表示部21は、デフォルト表示を行うことにより、操作画面2A及び表示画面2aを表示している。
【0053】
まず、エレベータ利用者が、行先階を指定することを目的とする一定の指示操作としてタッチパネルに対するタッチ操作を行う。本実施形態では、図2(b)に示すように、エレベータ利用者が、操作画面2Aに表示された数字ボタン2B(具体的には、「1」のボタン)を指示手段X(具体的には、エレベータ利用者の指)でタッチして、行先階を選択する操作を行う。これにより、入力部22が行先階登録の入力操作を受け付ける。そして、入力部22は、受け付けた行先階登録の情報(具体的には、「1階」)を有する入力信号を制御部24に出力する。
【0054】
入力部22から行先階登録の情報を有する入力信号が出力されると、制御部24は、入力部22で受け付け可能な属性に基づくエレベータ4の制御の内容を表す目印2Cを表示するように表示部21を制御する。そのため、図2(b)に示すように、数字ボタン2Bがタッチされると、表示部21は、タッチされた数字ボタン2Bの周り(具体的には、上下それぞれ)に目印2C(具体的には、車椅子マークとペットマーク)を表示する。
【0055】
また、本実施形態では、入力部22から行先階登録の情報を有する入力信号が出力されると、制御部24は、数字ボタン2Bがタッチされた旨を表示するように表示部21を制御する。具体的には、図2(b)に示すように、表示部21は、指示手段Xでタッチされた数字ボタン2Bをタッチされる前と異なる色で表示する。
【0056】
さらに、本実施形態では、入力部22から入力信号が出力されると、制御部24は、入力部22で受け付けた行先階登録の情報を表示するように表示部21を制御する。そのため、図2(b)に示すように、表示部21は、入力補助情報に代えて、選択された行先階の数字(具体的には、「1」)を表示画面2aに表示する。
【0057】
なお、本実施形態では、制御部24は、表示部21に対して上記3つの制御の内容を含んだ表示信号を出力する。そのため、表示部21は、目印2Cの表示、タッチされた数字ボタン2Bのタッチ前と異なる色での表示、選択された行先階の数字の表示を略同一のタイミングで行う。
【0058】
続いて、エレベータ利用者が、動き操作としてタッチパネルをタッチしたままの指示手段Xを別の位置に移動するタッチ移動操作(具体的には、スワイプ操作)を行う。よって、図2(c)に示すように、エレベータ利用者が、数字ボタン2Bをタッチする指をタッチパネルにタッチしたまま上側に移動させて、目印2C(具体的には、車椅子マーク)をタッチする。これにより、入力部22は、属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作を受け付ける。よって、入力部22は、属性の情報(具体的には、車椅子を利用するエレベータ利用者向けのエレベータ4の制御を行う、という情報)を有する入力信号を制御部24に出力する。
【0059】
なお、動き操作が行われることなく、数字ボタン2Bをタッチする指示手段Xがタッチパネルから離れた場合には、入力部22は、行先階登録の入力操作のみを受け付ける。よって、この場合、属性の情報に基づくエレベータ4の制御は行われず、出発階情報と行先階登録の情報のみに基づくエレベータ4に対する割当処理が行われる。
【0060】
入力部22から行先階登録の情報と属性の情報が伝わると、制御部24は、割当依頼信号を生成し、通信部23が制御装置3の通信部31に対して割当依頼信号を送信する。
【0061】
また、本実施形態では、入力部22から属性の情報を有する入力信号が出力されると、制御部24は、目印2Cがタッチされた旨を表示するように表示部21を制御する。図2(c)に示すように、表示部21は、指でタッチされた目印2C(具体的には、車椅子マーク)をタッチされる前と異なる色で表示する。
【0062】
なお、図2(c)に示すように、本実施形態では、エレベータ利用者が、数字ボタン2Bをタッチする指をタッチパネルにタッチしたまま上側に移動させ、目印2C(具体的には、車椅子マーク)をタッチする際に、数字ボタン2Bは、タッチ前と異なる色での表示を行い続ける。
【0063】
制御装置3では、通信部31が割当依頼信号を受信すると、制御部32は、行先階登録装置2のIDを用いて、行先階登録装置2のIDと紐づいて記憶される出発階情報を記憶部30から取得する。また、制御部32は、記憶部30に記憶される出発階情報と、割当依頼信号に含まれる行先階登録の情報と、エレベータ4から送信される運行情報に基づいて、エレベータ4に対する割当処理を実行する。具体的には、制御部32が通信部31を介して割当制御信号をエレベータ4に対して送信する。そして、制御部43が、割当制御信号に基づいて巻上機41を制御し、乗りかご40をエレベータ利用者が呼び出す出発階の乗場に向かわす運行処理(即ち、乗場呼び)と、その後に出発階から行先階に向かわす運行処理(即ち、行先階呼び)を行う。これにより、入力操作による行先階登録が行われる。
【0064】
ここで、本実施形態では、制御部32は、割当依頼信号に含まれる属性の情報に基づいて、エレベータ利用者の事情に最も適した、車椅子を利用するエレベータ利用者向けの乗りかご40を有するA号機のエレベータ4に対して割当処理を実行する。なお、制御部32は、車椅子を乗せることの可能なスペースが確保された状態で、乗りかご40をエレベータ利用者が待つ乗場に到着させるようにする。
【0065】
さらに、本実施形態では、通信部31が属性制御信号をエレベータ4に送ると、制御部43は、一時的に、車椅子を利用するエレベータ利用者向けの制御(具体的には、ドアモータ400の駆動を制御することによってかごドアの開閉速度を遅くし、かごドアの戸開時間を長くする)が実行されるように、ドアモータ400や巻上機41の駆動を制御する。
【0066】
エレベータ4に対する割当処理を実行すると、制御部32は、決定した割当号機を示す割当号機情報を含む割当結果信号を生成し、通信部31が、割当結果信号を行先階登録装置2の通信部23に対して送信する。ここで、割当依頼信号に含まれる行先階登録装置2のIDが示す行先階登録装置2の通信部23に対して、通信部31が割当結果信号を送信する。
【0067】
行先階登録装置2では、通信部23が割当結果信号を受信すると、制御部24は、登録画面2αを表示するように表示部21を制御する。よって、図2(d)に示すように、表示部21は、登録画面2αを表示する。特に、表示部21は、登録画面2αに属性に基づくエレベータの制御の内容を表す目印2D(具体的には、車椅子マーク)を表示する。
【0068】
以上、本実施形態によれば、エレベータ利用者が、タッチパネルに対するタッチ操作を行ったままの指示手段Xを別の位置に移動するタッチ移動操作を行うことにより、入力部22は、属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作を受け付ける。よって、行先階登録の入力操作に併せて属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作を簡単にできる。また、入力部22は、簡易な操作で属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作を受け付けることができる。
【0069】
また、本実施形態では、表示部21は、デフォルト表示を行うことにより、操作画面2A及び表示画面2aを表示している。また、デフォルト表示において、表示画面2aは、入力補助情報を表示する。よって、エレベータ利用者に対して、行先階の入力操作を促すことができる。
【0070】
また、本実施形態では、入力部22から行先階登録の情報を有する入力信号が出力されると、制御部24は、入力部22で受け付け可能な属性に基づくエレベータ4の制御の内容を表す目印2Cを表示するように表示部21を制御する。そのため、数字ボタン2Bがタッチされると、表示部21は、タッチされた数字ボタン2Bの周りに目印2Cを表示する。よって、エレベータ利用者に対して、タッチ移動操作を行う向きや、おおよそのエレベータ4の制御の内容を知らせることができる。
【0071】
また、本実施形態では、目印2Cとして、車椅子マークと、ペットマークとを表示する。よって、エレベータ利用者に対して、エレベータ4に対する制御の内容の候補を複数示すことができる。
【0072】
また、本実施形態では、入力部22から行先階登録の情報を有する入力信号が出力されると、制御部24は、数字ボタン2Bがタッチされた旨を表示するように表示部21を制御する。よって、エレベータ利用者に対して、行先階に関する数字ボタン2Bをタッチできたことを示すことができる。
【0073】
また、本実施形態では、入力部22から入力信号が出力されると、制御部24は、入力部22で受け付けた行先階登録の情報を表示するように表示部21を制御する。よって、エレベータ利用者に対して、行先階登録の入力操作を受け付けたことを示すことができる。
【0074】
また、本実施形態では、入力部22から属性の情報を有する入力信号が出力されると、制御部24は、目印2Cがタッチされた旨を表示するように表示部21を制御する。よって、エレベータ利用者に対して、目印2Cをタッチできたことを示すことができる。
【0075】
また、本実施形態では、エレベータ利用者が、数字ボタン2Bをタッチする指をタッチパネルにタッチしたまま上側に移動させ、目印2C(具体的には、車椅子マーク)をタッチする際に、数字ボタン2Bは、タッチ前と異なる色での表示を行い続ける。よって、エレベータ利用者に対して、行先階に関する数字ボタン2Bと目印2Cをタッチできたことを示すことができる。
【0076】
また、本実施形態では、制御部32は、割当依頼信号に含まれる属性の情報に基づいて、制御部32は、エレベータ利用者の事情に最も適したエレベータ4に対して割当処理を実行する。よって、車椅子を利用するエレベータ利用者向けの乗りかご40をエレベータ利用者が呼び出す出発階の乗場に向かわす運行処理と、その後に出発階から行先階に向かわす運行処理を行うことができる。
【0077】
また、本実施形態では、通信部31が属性制御信号をエレベータ4に送ると、エレベータ4では、一時的に、車椅子を利用するエレベータ利用者向けの制御が実行される。即ち、エレベータ4は、エレベータ利用者の事情に応じた属性に対応する制御内容で制御される。よって、エレベータ利用者は、エレベータ4を利用しやすくなる。
【0078】
また、本実施形態では、通信部23が割当結果信号を受信すると、制御部24は、登録画面2αを表示するように表示部21を制御する。よって、表示部21は、登録画面2αを表示する。したがって、エレベータ利用者は、登録された行先階、割り当られたエレベータ4の号機を知ることができる。特に、表示部21は、登録画面2αに属性に基づくエレベータの制御の内容を表す目印(具体的には、車椅子マーク)を表示する。よって、エレベータ利用者は、属性に基づくエレベータ4の制御の内容を知ることができる。
【0079】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【0080】
上記実施形態では、表示部21が操作画面2A、表示画面2a及び登録画面2αを表示する場合について説明した。しかし、表示部21は、少なくとも操作画面2Aを表示するように構成されていればよく、例えば、表示部21が操作画面2Aのみを表示するように構成されていてもよい。
【0081】
上記実施形態では、操作画面2Aは、複数個の数字ボタン2Bと、避難階を表す「☆」ボタンや地下階を表す「-」ボタンとを含んでいた。しかし、これに限らず、例えば、操作画面2Aは、屋上を示す「R」や、ロビー階を示す「Lobby」などの文字ボタンを含んでいてもよい。即ち、操作画面2Aは、行先階登録を行うためのボタンとして、数字ボタン2Bや文字ボタン、「☆」ボタンや「-」ボタンを含む記号ボタンを複数個有していればよい。なお、記号ボタンがタッチされると、表示部21は、記号ボタンの周りに目印2Cを表示する。
【0082】
また、操作画面2Aは、少なくとも複数個の記号ボタンを有してればよく、例えば、複数個の数字ボタン2Bのみを有していてもよい。或いは、操作画面2Aは、複数個の記号ボタンに加えて、記号ボタン以外のボタン(例えば、緊急連絡用のボタン)を有していてもよい。
【0083】
上記実施形態では、操作画面2Aが表示部21に表示されるテンキーを有する場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、操作画面2Aは、登録可能な行先階の数字ボタンや文字ボタンが一覧で表示され、エレベータ利用者が数字ボタンや文字ボタンを選択することで行先階を選択可能なタイプであってもよい。
【0084】
上記実施形態では、表示部21は、タッチされた数字ボタン2Bの周り(具体的には、上下それぞれ)に目印2C(具体的には、車椅子マークとペットマーク)を表示していた。即ち、表示部21は、複数の目印2Cを表示していた。しかし、これに限らず、例えば、表示部21は、一つの目印2Cを表示してもよい。
【0085】
上記実施形態では、行先階登録装置2がエレベータ4の乗場に設けられている場合について説明した。しかし、これに限らず、行先階登録装置2は、乗場及び乗りかご40内の少なくとも一方に設けられていればよい。また、行先階登録装置2は、エレベータ利用者が所持する携帯端末により構成されていてもよい。この場合、例えば、携帯端末に専用のアプリケーションがインストールされ、通信装置が乗場の周辺付近に設けられ、該通信装置が携帯端末とBluetooth(登録商標)等で短距離無線通信接続することにより、携帯端末で行先階登録を行ってもよい。
【0086】
上記実施形態では、入力部22がタッチパネルである場合について説明した。しかし、これに限らず、入力部22は、押込みにより行先階の入力が可能なタイプの行先階ボタンや、赤外線センサ等により非接触での行先階の入力が可能なタイプの行先階ボタンでもよい。この場合、行先階登録装置2は、行先階ボタンである入力部22と、液晶ディスプレイ等の表示部21との組み合わせであってもよい。また、入力部22は、空気中(空間)に映像を結像させる空中タッチディスプレイであってもよい。この空中タッチディスプレイは、例えば、空中画像を生成するための光を出射する光源と、光源からの光を反射及び透過して空中画像を所定の空間に結像する光学部材と、空中画像に対する利用者の入力操作を検知する検知部と、を有する構成としてもよい。
【0087】
上記実施形態では、エレベータ利用者が、操作画面2Aに表示された数字ボタン2B(具体的には、「1」のボタン)を指示手段X(具体的には、エレベータ利用者の指)でタッチして行先階登録を行う場合、即ち、一桁の行先階登録を行う場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、エレベータ利用者が、所定時間内(例えば、0.5~1.5秒以内)に複数の数字ボタン2Bをタッチすることにより、複数桁の行先階登録を行ってもよい。この場合、入力部22は、一つの数字ボタン2Bがタッチされてから、所定の時間内(例えば、1秒以内)に別の数字ボタン2Bが選択されることにより、大きい桁の位から順番に行先階登録の入力操作を受け付けるように構成される。そして、入力部22が一の位としての数字ボタン2Bの入力操作を受け付けると、制御部24は、選択された一の位の数字ボタン2Bの周りに目印2Cを表示するように表示部21を制御するように構成される。よって、エレベータ利用者は、一の位の数字ボタン2Bをタッチする操作の終了時点を起点として動き操作を行うことができ、簡易な操作で属性に基づくエレベータ4の制御を行うことができる。
【0088】
上記実施形態では、行先階登録装置2が各階の乗場に設けられている場合について説明した。しかし、これに限らず、エレベータシステム1が適用される建物の各階床のうち、一部の階床(例えば、エントランス階)の乗場にのみ設けられていてもよい。
【0089】
上記実施形態では、エレベータ利用者がタッチ移動操作であるスワイプ操作を行うことにより属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作を受け付けていた。しかし、これに限らず、例えばタッチ移動操作として、フリック操作を行うようにしてもよい。
【0090】
また、例えば、指示手段Xで操作画面2A上の数字ボタン2Bや目印2Cをタッチした状態から、指示手段Xを表示画面2aに移動させることにより数字ボタン2Bや目印2Cを表示画面2aに動かすドラッグ操作によって、属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作を受け付けてもよい。即ち、タッチ移動操作としては、ドラッグ操作を行ってもよい。
【0091】
また、ドラッグ操作の具体例として、図3(b)に示すように、指示手段Xで数字ボタン2Bをタッチし、表示画面2a上に目印2C(具体的には、車椅子マークとペットマーク)を表示した後、図3(c)(d)に示すように、指示手段Xを表示画面2aに移動させて目印2C(具体的には、車椅子マーク)をタッチする操作が挙げられる。この場合、指示手段Xの移動に追従して数字ボタン2Bが移動する表示を行ってもよいし、数字ボタン2Bが移動する表示がなくてもよい。そして、ドラッグ操作の後、指示手段Xをタッチパネルから離すと、入力部22は、属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作を受け付ける。なお、表示画面2a上に目印2Cを表示する場合、目印2Cを表示画面2aに表示される数字に重ねて表示してもよい。
【0092】
また、一定の操作とは異なる動きをする動き操作としては、例えば、長押しやダブルタップを行ってもよい。即ち、数字ボタン2Bを、階指定のタッチよりも長時間タッチし或いはダブルタップすることで、属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作として受け付けるように構成されてもよい。この場合、「起点」とは、行先階登録の入力操作と、属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作との時間における境目(換言すると、時間の起点)のことである。
【0093】
なお、上記実施形態のように、一定の指示操作を位置の起点とする動き操作(例えば、スライド操作やドラッグ操作)を行う場合は、一定の指示操作を時間の起点とする動き操作(例えば、長押しやダブルタップ)を行う場合と異なり、行先階登録の入力操作である一定の指示操作と、属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作である動き操作とを明確に区別できる。
【0094】
また、例えば、動き操作としてタッチ移動操作を行う場合、指示手段Xが動く方向に目印2Cを表示させてもよい。これにより、エレベータ利用者に対して、タッチ移動操作を行う意味を示すことができる。
【0095】
上記実施形態では、複数のエレベータ4,4,4を備える場合について説明したが、これに限らず、エレベータ4が一つであってもよい。この場合、制御装置3は、一つのエレベータ4を制御する。
【0096】
上記実施形態では、一定の操作がタッチ操作である場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、一定の指示操作が、タッチパネルに行先階の数字を記入する数字記入操作でもよい。この場合、動き操作としては、例えば行先階を記入する記入操作から続けて「☆」や「〇」といった記号をタッチパネルに記入する記号記入操作でもよい。
【0097】
上記実施形態において、エレベータ4では、一時的に、車椅子を利用するエレベータ利用者向けの制御(具体的には、ドアモータ400の駆動を制御することによってかごドアの開閉速度を遅くし、かごドアの戸開時間を長くする)が実行されていた。しかし、これだけに限らず、例えば、車椅子を利用するエレベータ利用者向けの制御としては、例えば、乗場表示部42に専用の表示(具体的には、車椅子を利用するエレベータ利用者が同乗する旨の表示)を行ってもよい。これにより、他のエレベータ利用者に対して、車椅子を利用するエレベータ利用者が同乗する旨を知らせることができる。
【0098】
上記実施形態では、車椅子を利用するエレベータ利用者向けのエレベータ4の制御を行う場合を説明した。しかし、これに限らず、特別利用者向けのエレベータ4の制御として、例えば、ペットを同伴するエレベータ利用者向けを行ってもよい。ここで、ペットを同伴するエレベータ利用者向けのエレベータ4の制御としては、操作盤401や乗場表示部42に、ペットを同伴するエレベータ利用者が乗車する旨を表示する。これにより、例えば、ペットアレルギーのエレベータ利用者は、乗りかご40の使用を見送ることができる。その他、特別利用者向けのエレベータ4の制御として、専用の乗りかご40(例えば、荷物用台車や移動式ベッドの搬送向けのもの、最大定員人数を増やしたもの、内装が特殊仕様のもの)を呼び、或いは操作盤401や乗場表示部42に表示する表示言語を変更してもよい。また、例えば、VIPのエレベータ利用者向けのエレベータ4の制御を行ってもよい。VIPのエレベータ利用者向けのエレベータ4の制御としては、例えば、誰も乗っていない乗りかご40をVIPのエレベータ利用者がいる乗場に向かわせ、その後、乗りかご40を途中の階に止めることなく行先階まで向かわす。また、VIPのエレベータ利用者向けのエレベータ4の制御としては、乗場表示部42に乗りかご40が途中の階には止まらないことを表示するようにしてもよい。
【0099】
上記実施形態では、表示画面2aが入力補助情報(例えば、英語で「Please enter destination」といったメッセージ)を表示する場合について説明した。しかし、英語以外の言語であってもよく、例えば、表示画面2aが入力補助情報として、日本語で「行先階を登録してください」と表示してもよい。
【0100】
上記実施形態では、行先階登録の情報と属性の情報とが別々の情報である場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、属性の情報が行先階登録の情報に含まれていてもよい。
【0101】
上記実施形態では、表示部21は、登録画面2αに属性に基づくエレベータの制御の内容を表す目印2Dを表示していた。しかし、これに限らず、例えば、表示部21は、表示画面2aに目印2Dを表示してもよい。この場合、入力部22から属性の情報を有する入力信号が出力されると、制御部24は、目印2Dを表示するように表示部21を制御することが考えられる。
【0102】
また、上記実施形態では、図2(b)(c)と図2(d)に示すように、目印2Cと目印2Dとが同じ車椅子マークであった。即ち、目印2Cと目印2Dとが同じ表示を行っていた。しかし、これに限らず、属性に基づくエレベータ4の制御の内容を表すのであれば、目印2Cと目印2Dとが異なる表示(例えば、目印2Cが車椅子マーク、目印2Dが車椅子の文字)を行っていてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1:エレベータシステム、2:行先階登録装置、20:記憶部、21:表示部、22:入力部、23:通信部、24:制御部、2A:操作画面、2B:数字ボタン、2C:目印、2D:目印、2a:表示画面、2α:登録画面、3:制御装置、30:記憶部、31:通信部、32:制御部、4:エレベータ、40:乗りかご、400:ドアモータ、401:操作盤、41:巻上機、42:乗場表示部、X:指示手段
【要約】
【課題】行先階登録と併せてエレベータ利用者の事情に応じたエレベータの制御を簡単にできる行先階登録装置を提供する。
【解決手段】エレベータ利用者による一定の指示操作を行先階登録の入力操作として受け付ける入力部22であって、エレベータ利用者の事情に応じた属性に基づくエレベータ4の制御の入力操作を受け付ける入力部22と、制御装置3と通信する通信部23と、入力部22で受け付けた入力操作に基づく行先階登録の情報と属性の情報を、制御装置3に送信するように通信部23を制御する制御部24と、を備え、エレベータ4は、行先階登録の情報に基づいて制御装置3により制御され、且つ属性の情報に基づいて制御装置3により一時的に属性に対応する制御内容で制御されるように構成され、入力部22は、一定の指示操作を起点とし且つ一定の指示操作とは異なる動きをする動き操作を、属性に基づく前記エレベータ4の制御の入力操作として受け付けるように構成される。
【選択図】図1
図1
図2
図3