(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240510BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
(21)【出願番号】P 2020038243
(22)【出願日】2020-03-05
【審査請求日】2022-11-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】高宮 晶子
(72)【発明者】
【氏名】佐久嶋 和生
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 史章
(72)【発明者】
【氏名】加藤 修
【審査官】新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-066452(JP,A)
【文献】特開2008-112267(JP,A)
【文献】特開2008-269512(JP,A)
【文献】特開2019-046292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の出入り口に設置されたドアの開閉を検知する開閉センサの検知結果を示す第一情報、及び、前記建物内に設置され人感センサの検知結果を示す第二情報を取得する取得部と、
判定部とを備え、
前記判定部は、
取得された
前記第一情報に基づいて、前記ドアが開状態から閉状態に遷移する第一タイミングから次に前記ドアが開状態へ遷移する第二タイミングまでの第一期間を特定し、
取得された前記第二情報が、前記第一期間中に前記人感センサが反応した回数が所定回数以上であることを示す場合に、前記建物内に人が存在すると判定し、
取得された前記第二情報が、前記第一期間中に前記人感センサが反応した回数が前記所定回数未満であることを示す場合に、前記建物内に人が不在であると判定する
情報処理システム。
【請求項2】
前記第一期間には、前記第一タイミングから前記第二タイミングよりも前の第三タイミングまでの第二期間が含まれ、
前記判定部は、
取得された前記第二情報が、前記第二期間中に前記人感センサが反応した回数が前記所定回数以上であることを示す場合に、前記建物内に人が存在すると判定し、
取得された前記第二情報が、前記第二期間中に前記人感センサが反応した回数が前記所定回数未満であることを示す場合に、前記建物内に人が不在であると判定する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記判定部は、
取得された前記第二情報が、前記第二期間中に前記人感センサが反応した回数が前記所定回数未満であることを示すことにより前記建物内に人が不在であると判定すると、判定結果を記憶部に記憶し、
取得された前記第二情報が、前記判定結果が記憶されてから前記第二タイミングまでの期間に前記人感センサが反応した回数が前記所定回数以上であることを示す場合に、前記
記憶部に記憶された判定結果を前記建物内に人が存在するという判定結果に修正する
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記判定部は、取得された前記第二情報が、前記建物内に人が存在すると判定された直後の前記第一期間中に前記人感センサが反応した回数が前記所定回数未満であることを示す場合に、前記建物から人が外出したと判定する
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記判定部は、取得された前記第二情報が、前記建物内に人が不在であると判定された直後の前記第一期間中に前記人感センサが反応した回数が前記所定回数以上であることを示す場合に、前記建物に人が帰宅したと判定する
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記所定回数は、複数回である
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記建物は、住宅であり、
前記ドアは、玄関ドアであり、
前記人感センサは、前記住宅の玄関に設置される
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
さらに、前記判定部の判定結果と、前記建物における電気使用量情報とに基づいて、前記建物内の人に異常が発生したことを通知するための通知情報を出力する出力部を備える
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
建物の出入り口に設置されたドアの開閉を検知する開閉センサの検知結果を示す第一情報、及び、前記建物内に設置された人感センサの検知結果を示す第二情報を取得し、
取得された
前記第一情報に基づいて、前記ドアが開状態から閉状態に遷移する第一タイミングから次に前記ドアが開状態へ遷移する第二タイミングまでの第一期間を特定し、
取得された前記第二情報が、前記第一期間中に前記人感センサが反応した回数が所定回数以上であることを示す場合に、前記建物内に人が存在すると判定し、
取得された前記第二情報が、前記第一期間中に前記人感センサが反応した回数が前記所定回数未満であることを示す場合に、前記建物内に人が不在であると判定する
情報処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内に存在する人を検知する技術が知られている。特許文献1には、施設の所定エリアに存在する人物が予め登録されている人物であるか否かの識別を、発信器を用いて実施できる識別システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、建物内に人が存在しているか否かを判定することができる情報処理システム、及び、情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、建物の出入り口に設置されたドアの開閉を検知する開閉センサの検知結果を示す第一情報、及び、前記建物内に設置された人感センサの検知結果を示す第二情報を取得する取得部と、取得された前記第一情報及び前記第二情報に基づいて、前記建物内に人が存在するか否かを判定する判定部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、建物の出入り口に設置されたドアの開閉を検知する開閉センサの検知結果を示す第一情報、及び、前記建物内に設置された人感センサの検知結果を示す第二情報を取得し、取得された前記第一情報及び前記第二情報に基づいて、前記建物内に人が存在するか否かを判定する。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理システム、及び、情報処理方法は、建物内に人が存在しているか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る見守りシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、開閉センサ及び人感センサの設置例を示す図である。
【
図3】
図3は、人の存否の判定動作の例1のフローチャートである。
【
図4】
図4は、人の存否の具体的な判定の例を示すタイムチャートである。
【
図5】
図5は、人の存否の判定動作の例2のフローチャートである。
【
図6】
図6は、見守り動作のフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[見守りシステムの構成]
まず、実施の形態に係る見守りシステムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る見守りシステムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示されるように、実施の形態に係る見守りシステム10は、開閉センサ20と、人感センサ25と、情報処理システム30と、分電盤60と、照明装置70と、第一情報端末100と、第二情報端末110とを備える。情報処理システム30は、制御装置40及びサーバ装置50を含む。見守りシステム10が備える構成要素のうちサーバ装置50、第一情報端末100、及び、第二情報端末110以外の構成要素は、建物80に設置される。建物80は、例えば、集合住宅または戸建住宅などの住宅であるが、介護施設または病院などであってもよい。
【0014】
見守りシステム10において、建物80に居住するユーザは、例えば、高齢者である。建物80内で普通に生活しているユーザは、照明装置70などの建物80内に設置された機器(言い換えれば、電気機器)をオンしたりオフしたりする。つまり、ユーザが建物80内で普通に生活していれば、建物80における電気使用量にはある程度の変動が発生する。見守りシステム10が備える情報処理システム30は、分電盤60が有する電気使用量の計測機能を利用して、建物80における電気使用量の変動を検知することで、ユーザが正常に生活しているか否かを判定することができる。
【0015】
情報処理システム30は、電気使用量の変動が小さいときには、ユーザが建物80内で倒れているなど、ユーザに何らかの異常(例えば、健康状態の異常)が発生したと判定し、例えば、見守りサービスを提供する事業者が使用する第一情報端末100にユーザに異常が発生したことを通知するための通知情報を送信する。この結果、見守りサービスを提供する事業者のオペレータなどにより、建物80への訪問者の手配が行われる。また、情報処理システム30は、ユーザの家族(例えば、遠方に離れて暮らす家族)が使用する第二情報端末110に第二通知情報を送信することにより、ユーザの家族に直接通知を行うこともできる。
【0016】
ところで、建物80における電気使用量の変動は、ユーザが建物80から外出して建物80内に不在であるときも小さくなる。このため、ユーザが建物80から外出しているときに誤ってユーザに異常が発生したと判定してしまわないような仕組みが求められる。
【0017】
そこで、情報処理システム30は、建物80の出入り口に設けられた開閉センサ20及び人感センサ25の検知結果を用いて、ユーザが建物80から外出して不在であるか否かを判定する。これにより、見守りシステム10は、ユーザに異常が発生したか否かの判定精度を高めることができる。以下、このような見守りシステム10が備える各構成要素について説明する。
【0018】
[開閉センサ及び人感センサ]
まず、開閉センサ20及び人感センサ25について説明する。
図2は、開閉センサ20及び人感センサ25の設置例を示す図である。
【0019】
開閉センサ20は、建物80の出入り口に設置されたドア81の開閉を検知し、検知結果を示す第一情報を出力する。開閉センサ20は、ドア81及びドア枠82の一方に取り付けられた磁石と、ドア81及びドア枠82の他方に取り付けられたマグネットセンサによって実現される、磁力式のセンサである。開閉センサ20は、ドア81及びドア枠82の一方に取り付けられたRFIDタグと、ドア81及びドア枠82の他方に取り付けられたRFIDリーダによって実現される、電波式のセンサであってもよく、開閉センサ20の具体的態様は、特に限定されない。なお、ドア81は、例えば、玄関のドアであるが、勝手口のドアなどであってもよい。
【0020】
人感センサ25は、建物80内に設置され、検知範囲における人の有無を検知する。また、人感センサ25は、人感センサ25の検知結果を示す第二情報を出力する。人感センサ25は、例えば、人の体から発せられる赤外線に反応する焦電センサによって実現されるが、超音波式の人感センサなどであってもよい。人感センサ25の具体的態様は、特に限定されない。
図2の例では、人感センサ25は、建物80内の玄関(より詳細には、ドア枠82の室内側)に設置されているが、建物80内に設置されればよい。
【0021】
[制御装置]
制御装置40は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMS(Home Energy Management System)コントローラであり、建物80内に設置され、建物80内に設置された機器の消費電力を管理する。また、制御装置40は、機器の状態取得、及び、建物80内(あるいは、建物80の敷地内)に設置された機器の制御などを行う。制御装置40は、例えば、家電機器メーカなどの事業者によって提供される。制御装置40は、HEMSコントローラに限定されず、他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。制御装置40は、制御部41と、通信部42と、記憶部43とを備える。
【0022】
制御部41は、制御装置40に関する制御を行う。制御部41は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0023】
通信部42は、制御装置40が、開閉センサ20、人感センサ25、サーバ装置50、及び、分電盤60と通信を行うための通信回路である。通信部42は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部42が行う通信の通信規格については特に限定されない。通信部42は、例えば、開閉センサ20、人感センサ25、及び、分電盤60と通信を行う場合には、局所通信ネットワークを利用し、サーバ装置50と通信を行う場合には、インターネットなどの広域通信ネットワーク90を利用する。
【0024】
記憶部43は、制御部41が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部43は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0025】
[サーバ装置]
サーバ装置50は、建物80からユーザが外出して不在であるか否かの判定、及び、ユーザに異常が発生したか否かの判定などの情報処理を行う。サーバ装置50は、例えば、上記家電機器メーカによって提供されるが、他の事業者によって提供されてもよい。サーバ装置50は、情報処理部51と、通信部52と、記憶部53とを備える。
【0026】
情報処理部51は、建物80からユーザが外出して不在であるか否かの判定、及び、ユーザに異常が発生したか否かの判定などの情報処理を行う。情報処理部51は、具体的には、判定部57と、出力部58とを備える。情報処理部51は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0027】
通信部52は、サーバ装置50が、制御装置40、第一情報端末100、及び、第二情報端末110と通信を行うための通信回路である。通信部52は、制御装置40を介して開閉センサ20及び人感センサ25と通信を行うこともできる。通信部52は、具体的には、取得部55を含む。通信部52が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0028】
記憶部53は、情報処理部51が実行するプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部53は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0029】
[分電盤及び照明装置]
分電盤60は、建物80における電気使用量(言い換えれば、消費電力量)を分岐回路ごとに計測し、計測した電気使用量を示す電気使用量情報を制御装置40に送信する装置である。照明装置70などの、ユーザが普通に生活することでオンオフされる機器が分岐回路に接続されれば、当該分岐回路の電気使用量情報をモニタすることによりユーザの異常の有無を判定することができる。
【0030】
なお、分電盤60は、照明装置70などの機器の電気使用量を計測できる装置の一例であり、制御装置40は、機器の電気使用量を計測できる分電盤60以外の他の装置と通信することにより電気使用量情報を取得することもできる。他の装置は、例えば、スマートメータ(言い換えれば、通信機能を有する電力量計)などである。
【0031】
[第一情報端末及び第二情報端末]
第一情報端末100は、見守りサービスを提供する事業者が、サーバ装置50によって送信される通知情報を受信するために使用する情報端末である。第一情報端末100は、例えば、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であるが、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であってもよい。
【0032】
第二情報端末110は、ユーザの家族がサーバ装置50によって送信される通知情報を受信するために使用する情報端末である。第二情報端末110は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であるが、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であってもよい。
【0033】
[人の存否の判定動作の例1]
以下、建物80における人(ユーザ)の存否の判定動作について説明する。
図3は、人の存否の判定動作の例1のフローチャートである。
【0034】
まず、サーバ装置50の取得部55は、開閉センサ20の検知結果を示す第一情報、及び、人感センサ25の検知結果を示す第二情報を取得する(S11)。第一情報及び第二情報は、制御装置40を介して取得される。
【0035】
第一情報は、より具体的には、ドア81が開状態であるか閉状態であるかを示す情報である。第一情報には、制御装置40によってサーバ装置50(取得部55)に中継される際に、制御部41によって時刻情報(言い換えれば、タイムスタンプ)が付与される。なお、第一情報には、開閉センサ20によって時刻情報が付与されてもよいし、サーバ装置50によって時刻情報が付与されてもよい。
【0036】
第二情報は、より具体的には、人感センサ25の検知範囲に人がいるか否かを示す情報である。以下では、人感センサ25によって人がいることが検知された状態は、人感センサ25が反応した状態とも記載される。第二情報には、制御装置40によってサーバ装置50(取得部55)に中継される際に、制御部41によって時刻情報(言い換えれば、タイムスタンプ)が付与される。なお、第二情報には、人感センサ25によって時刻情報が付与されてもよいし、サーバ装置50によって時刻情報が付与されてもよい。
【0037】
次に、判定部57は、取得された第一情報及び前記第二情報に基づいて、建物80内に人が存在するか否かを判定する(S12)。また、判定部57は、ステップS12における判定結果を記憶部53に記憶する(S13)。
図4は、ステップS12における具体的な判定の例を示すタイムチャートである。
【0038】
なお、
図4においては、第一情報、第二情報、及び、判定結果の関係が示されている。
図4においては、第一情報は、ハイレベルのときにドア81が開状態であることを示し、ローレベルのときにドア81が閉状態であることを示す。第二情報は、ハイレベルのときに人感センサ25の検知範囲に人がいる(人感センサ25が人を検知して反応している)ことを示し、ローレベルのときに人感センサ25の検知範囲に人がいない(人感センサ25が反応していない)ことを示している。
【0039】
図4の(a)は、建物80内の人が建物80の外へ出て建物80内に人が不在となるときの第一情報、第二情報、及び、判定結果の関係を示す図である。
図4の(a)に示されるように、建物80内の人が外出する場合には、ドア81が開状態から閉状態へ遷移した第一タイミングt1以降は、人感センサ25が反応しない。ここで、ドア81が開状態から閉状態に遷移する第一タイミングt1から次にドア81が開状態へ遷移する第二タイミングt2までの期間を第一期間T1と定義すると、判定部57は、第一情報に基づいて第一期間T1を特定することができる。判定部57は、
図4の(a)のように、第二情報が、第一期間T1中に人感センサ25が反応していないことを示す場合に、第一期間T1において建物80内に人が不在であると判定する。
【0040】
図4の(b)は、建物80外の人が、誰もいない建物80内に入るときの第一情報、第二情報、及び、判定結果の関係を示す図である。
図4の(b)に示されるように、建物80外の人が建物80内に入る場合には、ドア81が開状態から閉状態へ遷移した第一タイミングt1以降に、人感センサ25が反応する。そこで、判定部57は、
図4の(b)のように、第二情報が第一期間T1中に人感センサ25が反応したことを示す場合に、第一期間T1において建物80内に人が存在すると判定する。
【0041】
図4の(c)は、建物80内の人が、訪問者に応対して再び建物80内に戻るときの第一情報、第二情報、及び、判定結果の関係を示す図である。
図4の(c)に示されるように、建物80内の人が訪問者に応対する場合には、ドア81が開状態から閉状態へ遷移した第一タイミングt1以降に、人感センサ25が反応する。そこで、判定部57は、
図4の(c)のように、第二情報が第一期間T1中に人感センサ25が反応したことを示す場合に、第一期間T1において建物80内に人が存在すると判定する。
【0042】
以上説明したように、見守りシステム10は、建物80の出入り口に設けられた開閉センサ20及び人感センサ25の検知結果を用いて、建物80内の人の在不在を判定することができる。
【0043】
また、判定部57は、人の外出、及び、人の帰宅を判定(検出)することもできる。例えば、
図4の(a)に示されるように、判定部57は、第二情報が、建物80内に人が
存在すると判定された直後の第一期間T1中に人感センサ25が反応していないことを示す場合に、建物80から人が外出したと判定することができる。
【0044】
また、
図4の(b)に示されるように、判定部57は、第二情報が、建物80内に人が
不在であると判定された直後の第一期間T1中に人感センサ25が反応したことを示す場合に、建物80に人が帰宅したと判定することができる。
【0045】
なお、
図4の例では、第一情報がドア81が開状態である期間については、判定結果が規定されていないが、この期間の判定結果は、当該期間の直前の期間の判定結果と同一とみなされてもよいし、当該期間の直後の期間の判定結果と同一とみなされてもよい。
【0046】
また、人の存否の判定動作の例1においては、第一期間T1に1回でも人感センサ25が反応すると建物80内に人が存在すると判定された。しかしながら、第一期間T1に複数回(言い換えれば、2回以上)人感センサ25が反応することが、人が存在すると判定される要件とされてもよい。これにより、人が存在すると誤判定されることが抑制される。このように、判定部57は、第一期間T1において人感センサ25が反応した回数が所定回数以上であるか否か(所定回数は、1または複数回)に基づいて人の存否の判定を行えばよい。
【0047】
[人の存否の判定動作の例2]
なお、
図4の(b)のように第一期間T1において建物80内に人が存在するという判定が確定するのは、第一タイミングt1以降に人感センサ25が反応したタイミングである。一方で、
図4の(a)のように、第一期間T1において建物80内に人が不在であることが確定するのは、第二タイミングt2となる。つまり、第一タイミングt1以降に人感センサ25の反応が無い場合には、次にドア81が開く第二タイミングt2になるまで不在が確定しない。このため、判定部57は、人の在不在の判定結果をタイムリーに提供できない可能性がある。そこで、判定部57は、第一タイミングt1から数秒~数十秒程度経過した第三タイミングt3(
図4に図示)までを対象に判定を行ってもよい。
図5は、人の存否の判定動作の例2のフローチャートである。
【0048】
判定部57は、第二タイミングt2よりも前の第三タイミングt3において、第一タイミングt1から第三タイミングt3までの第二期間T2(
図4に図示)の間に人感センサ25が反応したか否かを判定する(S21)。第二期間T2の長さは、例えば、5秒であるが、数秒~数十秒程度であってもよい。
【0049】
判定部57は、第二期間T2の間に人感センサ25が反応した場合には(S21でYes)、第一期間T1において建物80内に人が存在すると判定し(S22)、判定結果を記憶部53に記憶する(S23)。一方、判定部57は、第二期間T2の間に人感センサ25が反応しなかった場合には(S21でNo)、第一期間T1において建物80内に人が不在であると判定し(S24)、判定結果を記憶部53に記憶する(S25)。
【0050】
このように、判定部57は、比較的早い第三タイミングt3において在不在の判定を確定してもよい。この場合、建物80内に人がいる場合にドア81が閉まってからなるべく早いタイミングで人感センサ25が反応するように、人感センサ25がドア81の近傍に配置されるとよい。
【0051】
なお、判定部57は、第三タイミングt3において不在と判定した後(言い換えれば、判定結果を記憶部53に記憶した後)、人感センサ25の第二情報を第二タイミングt2までの間モニタし続け、第三タイミングt3から第二タイミングt2までの期間に人感センサ25が反応したか否かをさらに判定してもよい(S26)。
【0052】
判定部57は、この期間に人感センサ25が反応した場合には(S26でYes)、人感センサ25が反応した時点で第一期間T1における判定結果を人が存在するという判定結果に修正する(S27)。つまり、判定部57は、判定結果が記憶されてから第二タイミングt2までの期間に、第二情報が人感センサ25が反応したことを示す場合に、記憶部53に記憶された判定結果を建物80内に人が存在するという判定結果に修正する。
【0053】
一方、判定部57は、上記期間に人感センサ25が反応しなかった場合には(S26でNo)、判定結果を修正せずに動作を終了する。
【0054】
このように、判定部57は、早期に判定結果を確定しつつ、判定結果に誤りがあると考えられる場合には即座に判定結果を是正してもよい。
【0055】
なお、人の存否の判定動作の例2においては、第二期間T2(またはその後の期間)に1回でも人感センサ25が反応すると建物80内に人が存在すると判定された。しかしながら、第二期間T2(またはその後の期間)に複数回人感センサ25が反応することが、人が存在すると判定される要件とされてもよい。これにより、人が存在すると誤判定されることが抑制される。このように、判定部57は、第二期間T2(またはその後の期間)において人感センサ25が反応した回数が所定回数以上であるか否か(所定回数は、1または複数回)に基づいて人の存否の判定を行えばよい。
【0056】
[見守り動作]
次に、上記のような人(ユーザ)の存否の判定結果を用いた見守り動作について説明する。
図6は、見守り動作のフローチャートの一例を示す図である。
【0057】
まず、サーバ装置50の取得部55は、建物80における電気使用量を示す電気使用量情報を制御装置40から取得する(S31)。取得された電気使用量情報は、例えば、記憶部53に記憶される。上述のように、制御装置40は、分電盤60に接続された照明装置70等の機器の電気使用量情報を管理しており、このような電気使用量情報をサーバ装置50に提供することができる。なお、ユーザの見守りに使用する電気使用量情報は、冷蔵庫の電気使用量情報のようにユーザの行動に無関係に変動するものよりも、照明装置70の電気使用量情報のようにユーザが建物内で通常通り生活しているときにのみ変動する(オン及びオフされる)ものがよい。
【0058】
次に、出力部58は、記憶部53に記憶されたユーザの存否の判定結果を読み出し(S32)、ステップS31において取得した電気使用量情報と、ステップS32で読み出したユーザの存否の判定結果とに基づいて、ユーザに異常が発生したか否かを判定する(S33)。
【0059】
出力部58は、例えば、ユーザの存否の判定結果がユーザが建物80内に存在していることを示し、かつ、電気使用量情報が示す電気使用量の変動幅が、所定値未満である場合に、ユーザに異常が発生したと判定し(S33でYes)、通知情報を出力する(S34)。また、出力部58は、これ以外の場合には、ユーザに異常が発生していないと判定し(S33でNo)、通知情報を出力しない。
【0060】
上記通知情報は、ユーザに異常が発生したと判定されたことを通知するための情報である。通信部52は、出力部58によって出力された通知情報を第一情報端末100へ送信する(S35)。なお、電気使用量情報、及び、人の存否の判定結果は、記憶部53において、制御装置40のIDと紐づけて管理されており、通知情報には、制御装置40のIDが含まれる。
【0061】
上述のように、第一情報端末100は、見守りサービスを提供する事業者のオペレータによって使用される。例えば、第一情報端末100の記憶部(図示せず)に制御装置40のIDとユーザの個人情報(具体的には、氏名、性別、年齢、建物80の住所、電話番号、ユーザ家族の連絡先、ユーザの家族が使用する第二情報端末110のIDなど)とが対応付けられたユーザ情報が記憶されていれば、第一情報端末100は、通知情報に含まれる制御装置40のIDに基づいて、異常が発生したと判定されたユーザを特定することができる。そうすると、第一情報端末100を使用するオペレータは、通知情報に応じた対処を行うことができる。例えば、オペレータは、訪問者を建物80へ派遣するなどの異常の発生への対処を行うことができる。
【0062】
なお、通知情報は、第一情報端末100に加えて、または、第一情報端末100に代えて第二情報端末110に送信されてもよい。例えば、記憶部53に制御装置40のIDと第二情報端末110のIDとが対応付けられた情報が記憶されていれば、通信部52は、出力部58によって出力された通知情報をユーザの家族が使用する第二情報端末110へ送信することができる。これにより、ユーザに異常が発生したことがユーザの家族に通知される。
【0063】
見守りシステム10においてユーザの存否の判定結果が使用されれば、ユーザが建物80から外出して建物80内に不在であるときに誤ってユーザに異常が発生したと判定しまうことが抑制される。つまり、見守りシステム10においてユーザの存否の判定結果が使用されれば、ユーザに異常が発生したか否かの判定精度を高めることができる。
【0064】
[効果等]
以上説明したように、情報処理システム30は、建物80の出入り口に設置されたドア81の開閉を検知する開閉センサ20の検知結果を示す第一情報、及び、建物80内に設置された人感センサ25の検知結果を示す第二情報を取得する取得部55と、取得された第一情報及び第二情報に基づいて、建物80内に人が存在するか否かを判定する判定部57とを備える。
【0065】
このような情報処理システム30は、建物80内に人が存在するか否かを判定することができる。
【0066】
また、例えば、判定部57は、取得された第一情報に基づいて、ドア81が開状態から閉状態に遷移する第一タイミングから次にドア81が開状態へ遷移する第二タイミングまでの第一期間T1を特定する。判定部57は、取得された第二情報が、第一期間T1中に人感センサ25が反応した回数が所定回数以上であることを示す場合に、建物80内に人が存在すると判定する。判定部57は、取得された第二情報が、第一期間T1中に人感センサ25が反応した回数が所定回数未満であることを示す場合に、建物80内に人が不在であると判定する。
【0067】
このような情報処理システム30は、ドア81が閉じてから開くまでの期間における人感センサ25が反応した回数に基づいて、建物80内に人が存在するか否かを判定することができる。
【0068】
また、例えば、第一期間T1には、第一タイミングt1から、第二タイミングt2よりも前の第三タイミングt3までの第二期間T2が含まれる。判定部57は、取得された第二情報が、第二期間T2中に人感センサ25が反応した回数が所定回数以上であることを示す場合に、建物80内に人が存在すると判定する。判定部57は、取得された第二情報が、第二期間T2中に人感センサ25が反応した回数が所定回数未満であることを示す場合に、建物80内に人が不在であると判定する。
【0069】
このような情報処理システム30は、ドア81が閉じた直後の所定期間における人感センサ25が反応した回数に基づいて、建物80内に人が存在するか否かをタイムリーに判定することができる。
【0070】
また、例えば、判定部57は、取得された第二情報が、第二期間T2中に人感センサ25が反応した回数が所定回数未満であることを示すことにより建物80内に人が不在であると判定すると、判定結果を記憶部53に記憶する。判定部57は、取得された第二情報が、判定結果が記憶されてから第二タイミングt2までの期間に人感センサ25が反応した回数が所定回数以上であることを示す場合に、記憶部53に記憶された判定結果を建物80内に人が存在するという判定結果に修正する。
【0071】
このような情報処理システム30は、ドア81が閉じた直後の所定期間における人感センサ25が反応した回数に基づいて、建物80内に人が存在するか否かをタイムリーに判定しつつ、判定結果に誤りがあると考えられる場合には修正することができる。
【0072】
また、例えば、判定部57は、取得された第二情報が、建物80内に人が存在すると判定された直後の第一期間T1中に人感センサ25が反応した回数が所定回数未満であることを示す場合に、建物80から人が外出したと判定する。
【0073】
このような情報処理システム30は、建物80から人が外出したことを判定することができる。
【0074】
また、例えば、判定部57は、取得された第二情報が、建物80内に人が不在であると判定された直後の第一期間T1中に人感センサ25が反応した回数が所定回数以上であることを示す場合に、建物80に人が帰宅したと判定する。
【0075】
このような情報処理システム30は、建物80に人が帰宅したことを判定することができる。
【0076】
また、例えば、所定回数は、複数回である。
【0077】
このような情報処理システム30は、人が存在するか否かの判定精度を向上することができる。
【0078】
また、例えば、建物80は、住宅であり、ドア81は、玄関ドアであり、人感センサ25は、住宅の玄関に設置される。
【0079】
このような情報処理システム30は、人が存在するか否かの判定精度を向上することができる。
【0080】
また、例えば、情報処理システム30は、さらに、判定部57の判定結果と、建物80における電気使用量情報とに基づいて、建物80内の人に異常が発生したことを通知するための通知情報を出力する出力部58を備える。
【0081】
このような情報処理システム30は、建物80内の人に異常が発生したことを通知する見守りシステム10として機能することができる。
【0082】
また、情報処理システム30などのコンピュータによって実行される情報処理方法は、建物80の出入り口に設置されたドア81の開閉を検知する開閉センサ20の検知結果を示す第一情報、及び、建物80内に設置された人感センサ25の検知結果を示す第二情報を取得し、取得された第一情報及び前記第二情報に基づいて、建物80内に人が存在するか否かを判定する。
【0083】
このような情報処理方法は、建物80内に人が存在するか否かを判定することができる。
【0084】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0085】
例えば、上記実施の形態では、情報処理システムが見守りシステムに適用される例について説明されたが、情報処理システムは、見守りシステム以外のシステムに適用されてもよい。また、通知情報の具体的な内容、及び、通知の用途については特に限定されない。例えば、情報処理システムは、機械警備(セキュリティシステム)に適用されてもよい。
【0086】
また、上記実施の形態では、情報処理システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置(例えば、制御装置及びサーバ装置のいずれかの装置)によって実現されてもよい。情報処理システムが複数の装置によって実現される場合、情報処理システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、上記実施の形態において、サーバ装置によって行われる処理の一部または全部が、制御装置によって行われてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0088】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0089】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0090】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0091】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0092】
例えば、本発明は、制御装置またはサーバ装置として実現されてもよい。また、本発明は、上記実施の形態の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0093】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
20 開閉センサ
25 人感センサ
30 情報処理システム
55 取得部
57 判定部
58 出力部
80 建物
81 ドア