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特許7486072演算システム、広告配信システム、広告配信方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】演算システム、広告配信システム、広告配信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/10 20200101AFI20240510BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20240510BHJP
【FI】
H05B47/10
G06Q30/0241
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020094968
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021190319
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】緒方 俊文
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-124922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/10
G06Q 30/0241
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置されて所定領域を照明する機能と照明データに基づいて光源を点灯させる機能とを有する照明システムと共に用いられる演算システムであって、
広告配信内容に関する情報を含むデータを前記照明データとして作成する作成部と、
前記作成部で作成された前記照明データを前記照明システムに出力する出力部と、
前記出力部から出力された前記照明データに基づいて前記照明システムが前記光源を点灯させた際の前記照明システムでの照明使用量を、前記所定領域の照度に基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する分割部と、を備える、
演算システム。
【請求項2】
施設に設置されて所定領域を照明する機能と照明データに基づいて光源を点灯させる機能とを有する照明システムと共に用いられる演算システムであって、
広告配信内容に関する情報を含むデータを前記照明データとして作成する作成部と、
前記作成部で作成された前記照明データを前記照明システムに出力する出力部と、
前記出力部から出力された前記照明データに基づいて前記照明システムが前記光源を点灯させた際の前記照明システムでの照明使用量を、前記広告配信内容に関する広告サイトへのアクセス数に基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する分割部と、を備える、
演算システム。
【請求項3】
施設に設置されて所定領域を照明する機能と照明データに基づいて光源を点灯させる機能とを有する照明システムと共に用いられる演算システムであって、
広告配信内容に関する情報を含むデータを前記照明データとして作成する作成部と、
前記作成部で作成された前記照明データを前記照明システムに出力する出力部と、
前記出力部から出力された前記照明データに基づいて前記照明システムが前記光源を点灯させた際の前記照明システムでの照明使用量を、前記広告配信内容の提供回数及び前記広告配信内容に関する広告サイトへのアクセス数の少なくとも一方と、前記所定領域の照度とに基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する分割部と、を備える、
演算システム。
【請求項4】
施設に設置されて所定領域を照明する機能と照明データに基づいて光源を点灯させる機能とを有する照明システムと共に用いられる演算システムであって、
広告配信内容に関する情報を含むデータを前記照明データとして作成する作成部と、
前記作成部で作成された前記照明データを前記照明システムに出力する出力部と、
前記出力部から出力された前記照明データに基づいて前記照明システムが前記光源を点灯させた際の前記照明システムでの照明使用量を、前記所定領域の照度と、前記広告配信内容の情報量とに基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する分割部と、を備える、
演算システム。
【請求項5】
施設に設置されて所定領域を照明する機能と照明データに基づいて光源を点灯させる機能とを有する照明システムと共に用いられる演算システムであって、
広告配信内容に関する情報を含むデータを前記照明データとして作成する作成部と、
前記作成部で作成された前記照明データを前記照明システムに出力する出力部と、
前記出力部から出力された前記照明データに基づいて前記照明システムが前記光源を点灯させた際の前記照明システムでの照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する分割部と、を備え、
前記分割部は、
前記第1使用量に相当する課金を、前記施設の所有者又は管理者である事業者に行わせ、かつ、前記第2使用量に相当する課金を、前記広告配信内容による広告配信を要望する広告依頼主に行わせるように、前記照明使用量を前記第1使用量と前記第2使用量とに分割する、
演算システム。
【請求項6】
前記分割部は、
前記第1使用量に相当する課金を、前記施設の所有者又は管理者である事業者に行わせ、かつ、前記第2使用量に相当する課金を、前記広告配信内容による広告配信を要望する広告依頼主に行わせるように、前記照明使用量を前記第1使用量と前記第2使用量とに分割する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の演算システム。
【請求項7】
前記分割部は、
前記第1使用量に相当する課金を照度によって変化させて前記事業者に行わせるように、前記照明使用量を前記第1使用量と前記第2使用量とに分割する、
請求項5又は6に記載の演算システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の演算システムと、
前記照明システムと、を備える、
広告配信システム。
【請求項9】
前記照明システムは、
前記所定領域に光を放射する前記光源を有し、
前記光源を用いて前記照明データを光にて出力する、
請求項8に記載の広告配信システム。
【請求項10】
広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成する作成ステップと、
施設に設置されて所定領域を照明する照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う点灯ステップと、
前記点灯ステップにおいて、前記照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う際の前記照明システムでの照明使用量を、前記所定領域の照度に基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する分割ステップと、を有する、
広告配信方法。
【請求項11】
広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成する作成ステップと、
施設に設置されて所定領域を照明する照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う点灯ステップと、
前記点灯ステップにおいて、前記照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う際の前記照明システムでの照明使用量を、前記広告配信内容に関する広告サイトへのアクセス数に基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する分割ステップと、を有する、
広告配信方法。
【請求項12】
広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成する作成ステップと、
施設に設置されて所定領域を照明する照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う点灯ステップと、
前記点灯ステップにおいて、前記照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う際の前記照明システムでの照明使用量を、前記広告配信内容の提供回数及び前記広告配信内容に関する広告サイトへのアクセス数の少なくとも一方と、前記所定領域の照度とに基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する分割ステップと、を有する、
広告配信方法。
【請求項13】
広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成する作成ステップと、
施設に設置されて所定領域を照明する照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う点灯ステップと、
前記点灯ステップにおいて、前記照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う際の前記照明システムでの照明使用量を、前記所定領域の照度と、前記広告配信内容の情報量とに基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する分割ステップと、を有する、
広告配信方法。
【請求項14】
広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成する作成ステップと、
施設に設置されて所定領域を照明する照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う点灯ステップと、
前記点灯ステップにおいて、前記照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う際の前記照明システムでの照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する分割ステップと、を有し、
前記分割ステップでは、
前記第1使用量に相当する課金を、前記施設の所有者又は管理者である事業者に行わせ、かつ、前記第2使用量に相当する課金を、前記広告配信内容による広告配信を要望する広告依頼主に行わせるように、前記照明使用量を前記第1使用量と前記第2使用量とに分割する、
広告配信方法。
【請求項15】
請求項10~14のいずれか1項に記載の広告配信方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項9に記載の広告配信システムの前記照明システムからの光を受光する受光機能を有するコンピュータに、
広告配信内容に関する情報を含む照明データに基づいて前記光源を点灯させる前記照明システムからの光から前記照明データを取得する第1取得ステップ、及び、
前記第1取得ステップで取得した前記照明データに基づいて広告配信内容を取得する第2取得ステップ、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に演算システム、広告配信システム、広告配信方法及びプログラムに関する。本開示は、より詳細には、照明システムと共に用いられる演算システム、演算システムを備える広告配信システム、広告配信を行うための広告配信方法、及び、広告配信に用いられるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具からの光を用いて可視光通信を行うシステムが知られている。上記システムは、照明器具の光源をオンオフすることによって光源から放射される光に情報を重畳させるように構成されている。
【0003】
また、照明システムを導入する際に、商品販売会社と金融会社と顧客とが3者契約を結ぶ際に用いられる情報共有システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-13806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のシステムでは、広告依頼主が依頼する広告を配信する際に、事業者に提供される照明環境を維持しながら、事業者と広告依頼主との双方にメリットのあるシステムを提供することが難しかった。
【0006】
本開示は上記の点に鑑みてなされた発明であり、本開示の目的は、より効率的な広告配信と事業者の照明使用料金の削減との両方を実現可能とする演算システム、広告配信システム、広告配信方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る演算システムは、照明システムと共に用いられる。前記照明システムは、施設に設置されて所定領域を照明する機能と、照明データに基づいて光源を点灯させる機能とを有する。前記演算システムは、作成部と、出力部と、分割部とを備える。前記作成部は、広告配信内容に関する情報を含むデータを照明データとして作成する。前記出力部は、前記作成部で作成された前記照明データを前記照明システムに出力する。前記分割部は、前記出力部から出力された前記照明データに基づいて前記照明システムが前記光源を点灯させた際の前記照明システムでの照明使用量を、前記所定領域の照度に基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
本開示の一態様に係る演算システムは、照明システムと共に用いられる。前記照明システムは、施設に設置されて所定領域を照明する機能と、照明データに基づいて光源を点灯させる機能とを有する。前記演算システムは、作成部と、出力部と、分割部とを備える。前記作成部は、広告配信内容に関する情報を含むデータを照明データとして作成する。前記出力部は、前記作成部で作成された前記照明データを前記照明システムに出力する。前記分割部は、前記出力部から出力された前記照明データに基づいて前記照明システムが前記光源を点灯させた際の前記照明システムでの照明使用量を、前記広告配信内容に関する広告サイトへのアクセス数に基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
本開示の一態様に係る演算システムは、照明システムと共に用いられる。前記照明システムは、施設に設置されて所定領域を照明する機能と、照明データに基づいて光源を点灯させる機能とを有する。前記演算システムは、作成部と、出力部と、分割部とを備える。前記作成部は、広告配信内容に関する情報を含むデータを照明データとして作成する。前記出力部は、前記作成部で作成された前記照明データを前記照明システムに出力する。前記分割部は、前記出力部から出力された前記照明データに基づいて前記照明システムが前記光源を点灯させた際の前記照明システムでの照明使用量を、前記広告配信内容の提供回数及び前記広告配信内容に関する広告サイトへのアクセス数の少なくとも一方と、前記所定領域の照度とに基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
本開示の一態様に係る演算システムは、照明システムと共に用いられる。前記照明システムは、施設に設置されて所定領域を照明する機能と、照明データに基づいて光源を点灯させる機能とを有する。前記演算システムは、作成部と、出力部と、分割部とを備える。前記作成部は、広告配信内容に関する情報を含むデータを照明データとして作成する。前記出力部は、前記作成部で作成された前記照明データを前記照明システムに出力する。前記分割部は、前記出力部から出力された前記照明データに基づいて前記照明システムが前記光源を点灯させた際の前記照明システムでの照明使用量を、前記所定領域の照度と、前記広告配信内容の情報量とに基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
本開示の一態様に係る演算システムは、照明システムと共に用いられる。前記照明システムは、施設に設置されて所定領域を照明する機能と、照明データに基づいて光源を点灯させる機能とを有する。前記演算システムは、作成部と、出力部と、分割部とを備える。前記作成部は、広告配信内容に関する情報を含むデータを照明データとして作成する。前記出力部は、前記作成部で作成された前記照明データを前記照明システムに出力する。前記分割部は、前記出力部から出力された前記照明データに基づいて前記照明システムが前記光源を点灯させた際の前記照明システムでの照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。前記分割部は、前記第1使用量に相当する課金を、前記施設の所有者又は管理者である事業者に行わせ、かつ、前記第2使用量に相当する課金を、前記広告配信内容による広告配信を要望する広告依頼主に行わせるように、前記照明使用量を前記第1使用量と前記第2使用量とに分割する。
【0008】
本開示の一態様に係る広告発信システムは、前記演算システムと、前記照明システムとを備える。
【0009】
本開示の一態様に係る広告配信方法は、作成ステップと、点灯ステップと、分割ステップとを有する。前記作成ステップでは、広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成。前記点灯ステップでは、施設に設置されて所定領域を照明する照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う。前記分割ステップでは、前記点灯ステップにおいて、前記照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う際の前記照明システムでの照明使用量を、前記所定領域の照度に基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
本開示の一態様に係る広告配信方法は、作成ステップと、点灯ステップと、分割ステップとを有する。前記作成ステップでは、広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成。前記点灯ステップでは、施設に設置されて所定領域を照明する照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う。前記分割ステップでは、前記点灯ステップにおいて、前記照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う際の前記照明システムでの照明使用量を、前記広告配信内容に関する広告サイトへのアクセス数に基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
本開示の一態様に係る広告配信方法は、作成ステップと、点灯ステップと、分割ステップとを有する。前記作成ステップでは、広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成。前記点灯ステップでは、施設に設置されて所定領域を照明する照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う。前記分割ステップでは、前記点灯ステップにおいて、前記照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う際の前記照明システムでの照明使用量を、前記広告配信内容の提供回数及び前記広告配信内容に関する広告サイトへのアクセス数の少なくとも一方と、前記所定領域の照度とに基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
本開示の一態様に係る広告配信方法は、作成ステップと、点灯ステップと、分割ステップとを有する。前記作成ステップでは、広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成。前記点灯ステップでは、施設に設置されて所定領域を照明する照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う。前記分割ステップでは、前記点灯ステップにおいて、前記照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う際の前記照明システムでの照明使用量を、前記所定領域の照度と、前記広告配信内容の情報量とに基づいて、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
本開示の一態様に係る広告配信方法は、作成ステップと、点灯ステップと、分割ステップとを有する。前記作成ステップでは、広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成。前記点灯ステップでは、施設に設置されて所定領域を照明する照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う。前記分割ステップでは、前記点灯ステップにおいて、前記照明システムを用いて、前記照明データに基づく点灯を行う際の前記照明システムでの照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。前記分割ステップでは、前記第1使用量に相当する課金を、前記施設の所有者又は管理者である事業者に行わせ、かつ、前記第2使用量に相当する課金を、前記広告配信内容による広告配信を要望する広告依頼主に行わせるように、前記照明使用量を前記第1使用量と前記第2使用量とに分割する。
【0010】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記広告配信方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0011】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記広告配信システムの前記照明システムからの光を受光する受光機能を有するコンピュータに、第1取得ステップ及び第2取得ステップを実行させるためのプログラムである。前記第1取得ステップでは、広告配信内容に関する情報を含む照明データに基づいて前記光源を点灯させる前記照明システムからの光から前記照明データを取得する。前記第2取得ステップでは、前記第1取得ステップで取得した前記照明データに基づいて前記広告配信内容を取得する。
【発明の効果】
【0012】
本開示の上記態様に係る演算システム、広告配信システム、広告配信方法及びプログラムによれば、より効率的な広告配信と事業者の照明使用料金の削減との両方を実現可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態1に係る演算システムを備える広告配信システムの概略図である。
図2図2Aは、実施形態1に係る照明システムのブロック図である。図2Bは、実施形態1の変形例に係る照明システムのブロック図である。
図3図3は、実施形態1に係る広告配信システムを用いた事業を説明するための概略図である。
図4図4は、実施形態1に係る広告配信方法のフローチャートである。
図5図5は、実施形態2に係る演算システムを備える広告配信システムの概略図である。
図6図6は、実施形態2に係る広告配信システムを用いた事業を説明するための概略図である。
図7図7は、実施形態3に係る演算システムを備える広告配信システムの概略図である。
図8図8は、実施形態4に係る演算システムを備える広告配信システムの概略図である。
図9図9は、実施形態4に係る広告配信システムを用いた事業を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態1~4に係る演算システム及び広告配信システムについて、図面を参照して説明する。下記の実施形態等において参照する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比は、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0015】
(実施形態1)
(1)広告配信システム
実施形態1に係る広告配信システム1の構成について、図面を参照して説明する。
【0016】
実施形態1に係る広告配信システム1は、図1に示すように、演算システム2と、照明システム3とを備える。広告配信システム1は、照明システム3からの光を用いて、広告を配信するシステムである。
【0017】
広告配信システム1は、例えば、照明提供業者71によって管理されている。なお、広告配信システム1のすべてが照明提供業者71によって管理されることに限定されない。例えば、広告配信システム1のうち、演算システム2は照明提供業者71に管理され、照明システム3は事業者72に管理されてもよい。
【0018】
照明システム3は、照明提供業者71に管理されている。より詳細には、照明システム3は、例えば、照明システム3が設置されている空間が照明提供業者71に把握されることによって、照明提供業者71に管理されている。なお、照明システム3は、照明システム3が設置されている場所が照明提供業者71に把握されていることによって、照明提供業者71に管理されていてもよい。
【0019】
照明提供業者71は、照明を提供する主体である。照明提供業者71は、演算システム2(図1参照)及び照明システム3(図1参照)を管理している。つまり、照明提供業者71は、広告配信システム1(図1参照)を管理している。
【0020】
事業者72は、例えば、施設8を所有する主体(所有者)、又は、施設8を管理する主体(管理者)である。事業者72は、照明提供業者71と契約を結び、施設8への照明の提供を照明提供業者71から受けている。
【0021】
使用者73は、事業者72が所有者又は管理者である施設8を利用する主体である。例えば施設8がショッピングモールである場合、使用者73は、ショッピングモールに来る来客者である。例えば施設8がオフィスビルである場合、使用者73は、オフィスビル内で勤務する勤務者である。
【0022】
広告依頼主74は、照明提供業者71に対して広告配信を依頼する主体である。広告依頼主74は、例えば、自己の事業に関する広告配信を依頼する事業主、又は、他の事業主の事業に関する広告配信を依頼する広告代理店を含む。
【0023】
電力会社75は、照明システム3の電力を供給する主体である。電力会社75は、発電設備及び送電設備を所有して電力を供給する電力供給業者に限定されず、他者の発電設備及び送電設備を用いて電力を供給する電力供給業者であってもよい。
【0024】
照明システム3は、事業者72が所有者又は管理者である施設8に設置されている。実施形態1では、照明システム3は、建物に設置されている。なお、照明システム3が設置される施設8は、建物であることに限定されず、建物以外の屋内施設であってもよい。また、照明システム3が設置される施設8は、例えば、建物のような屋内施設でなく、屋外施設であってもよい。
【0025】
照明システム3は、施設8に設置されて所定領域81を照明する。例えば施設8がショッピングモールである場合、照明システム3は、ショッピングモール内の店舗に設置されて、上記店舗内の空間を照明する。あるいは、照明システム3は、ショッピングモール内の通路に設置されて、上記通路の空間を照明する。例えば施設8がオフィスビルである場合、照明システム3は、オフィスビル内の事務所に設置されて、上記事務所内の空間を照明する。あるいは、照明システム3は、オフィスビル内の共有スペースに設置されて、上記共有スペースを照明する。
【0026】
本開示において、「照明提供業者」とは、照明を提供することを事業とする者をいう。照明提供業者は、自己の照明システム又は他者の照明システムを用いて照明を提供する。照明提供業者が自己の照明システムを所有する場合、照明提供業者は、演算システム2及び照明システム3を管理している照明提供業者71である。つまり、照明提供業者は、広告配信システム1(図1参照)を管理している照明提供業者71である。照明提供業者は、照明を提供する報酬として、照明の提供を受ける者から照明使用料金を徴収する。
【0027】
本開示において、「事業者」とは、例えば、施設8を所有する所有者又は施設8を管理する管理者をいう。事業者は、照明システムを用いて照明提供業者から照明の提供を受けている。照明システムは、事業者が所有者又は管理者である施設8に設置されている。事業者は、照明の提供を受ける代金として、照明使用料金を照明提供業者に支払う。
【0028】
本開示における「使用者」とは、事業者が所有者又は管理者である施設8を利用する主体である。例えば施設8がショッピングモールである場合、使用者は、ショッピングモールに来る来客者である。例えば施設8がオフィスビルである場合、使用者は、オフィスビル内で勤務する勤務者である。
【0029】
本開示において、「広告依頼主」とは、照明提供業者に対して広告配信を依頼する主体である。広告依頼主は、例えば、自己の事業に関する広告配信を依頼する事業主、又は、他の事業主の事業に関する広告配信を依頼する広告代理店を含む。広告依頼主は、広告配信に関する内容(広告配信内容)を照明提供業者に提供する。
【0030】
本開示において、「広告配信内容」は、例えば、広告依頼主が広告として伝えたいコンテンツ、若しくは、広告依頼主が広告として伝えたいコンテンツを表示するサイトのURL(Uniform Resource Locator)、又は、これらの両方を含む。「広告として使用者に伝えたいコンテンツ」は、例えば、自己の事業に関する広告内容、又は、他の事業主の事業に関する広告内容である。
【0031】
本開示において、「電力会社」とは、電力を供給する主体である。ここでは、電力会社は、照明システムで使用される電力を供給する主体である。電力会社は、例えば、発電設備及び送電設備を所有して電力を供給する電力供給業者である。なお、電力会社は、上記電力供給業者であることに限定されず、他者の発電設備及び送電設備を用いて電力を供給する電力供給業者であってもよい。
【0032】
本開示において、「施設」とは、屋内施設又は屋外施設を含む。照明システム3は、施設に設置されている。実施形態1では、照明システム3は、建物に設置されている。なお、照明システム3の設置場所は、建物に限定されず、建物以外の施設に設置されてもよい。照明システム3は、例えば、建物のような屋内施設はなく、屋外施設に設置されてもよい。
【0033】
(2)演算システム
次に、実施形態1に係る演算システム2の構成について、図面を参照して説明する。
【0034】
実施形態1に係る演算システム2は、図1に示すように、広告情報取得部21と、作成部22と、通信部23と、使用情報取得部24と、分割部25と、算出部26と、記憶部27とを備える。
【0035】
演算システム2は、照明システム3と共に用いられる演算システムである。施設8が、複数のフロアを有する建物である場合、演算システム2は、例えば、建物のフロアごとに設けられている。なお、施設8が建物である場合、演算システム2は、建物ごとに設けられていてもよい。また、演算システム2は、事業者72ごとに設けられていてもよい。例えば事業者72が複数の施設8の所有者又は管理者である場合、複数の施設8に対して、1つの演算システム2が用いられていてもよいし、複数の施設8のうちの2つ以上の施設8に対して、1つの演算システム2が用いられていてもよい。あるいは、事業者72が複数の施設8の所有者又は管理者であっても、施設8ごとに演算システム2が用いられていてもよい。
【0036】
(3)照明システム
図1に示す照明システム3は、施設8に設置されて所定領域81を照明する機能と、照明データに基づく点灯を行う機能とを有する。照明システム3は、照明データに基づく点灯を事業者72及び使用者73の少なくとも一方に対して行うように構成されている。
【0037】
照明システム3は、図2Aに示すように、複数(図示例では3つ)の照明器具31と、制御装置32とを備える。
【0038】
複数の照明器具31の各々は、光源33と、電源回路34とを備える。光源33は、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。光源33は、所定領域81に光を放射する。複数の照明器具31は、互いに異なる固有のアドレスを有する。各照明器具31が固有のアドレスを有することにより、複数の照明器具31を識別することができる。
【0039】
制御装置32は、複数の照明器具31の各々に付与されているアドレスを用いて複数の照明器具31を制御する。
【0040】
複数の照明器具31の各々は、制御装置32の制御に従って、光源33を用いて照明データを光にて出力する。
【0041】
実施形態1の照明システム3は、広告配信と照明提供とを一体に行う。つまり、照明システム3は、広告配信と照明提供とを同一の光源33を用いて行う。言い換えると、照明システム3は、照明器具31の照明を行う光源33のオンオフを照明データに基づいて制御することによって、広告配信を行う。
【0042】
(4)演算システムの各構成要素
以下、実施形態1に係る演算システム2の各構成要素について、図面を参照して説明する。
【0043】
(4.1)広告情報取得部
広告情報取得部21は、図1に示すように、広告配信内容を広告依頼主側通信装置5から取得する取得部として機能する。より詳細には、広告情報取得部21は、ネットワークを介して、広告依頼主側通信装置5から広告配信内容を取得する。そして、広告情報取得部21は、取得した広告配信内容を作成部22に出力する。
【0044】
(4.2)作成部
図1に示す作成部22は、広告配信内容に関する情報を含むデータを照明データとして作成する。より詳細には、作成部22は、広告依頼主側通信装置5から出力されて広告情報取得部21で取得された広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成する。そして、作成部22は、照明データを通信部23に出力する。
【0045】
(4.3)通信部
通信部23は、図1に示すように、作成部22で作成された照明データを照明システム3に出力する出力部として機能する。より詳細には、通信部23は、照明システム3の制御装置32と通信を行う機能を有する。通信部23は、例えば制御装置32と有線通信を行うように構成されている。通信部23は、照明データを制御装置32に出力する。なお、通信部23は、制御装置32と有線通信を行うことに限定されず、制御装置32と無線通信を行ってもよい。
【0046】
通信部23は、複数の照明器具31の各々に付与されている識別情報(アドレス)を指定して、制御装置32を介して、複数の照明器具31の少なくとも1つに照明データを出力する。
【0047】
(4.4)使用情報取得部
図1に示す使用情報取得部24は、照明システム3での照明使用量を取得する。より詳細には、使用情報取得部24は、通信部23から出力された照明データに基づいて光源33を点灯させた際の照明システム3での照明使用量を取得する。
【0048】
実施形態1において、「照明使用量」は、例えば、照明システム3で使用された電力量つまり電力使用量である。ここで、「電力使用量」は、例えば、実際に計測された実測値を用いて求められる。
【0049】
使用情報取得部24は、照明データに基づいて光源33を点灯させた際の照明システム3で使用された電力使用量を照明使用量として取得する。使用情報取得部24は、例えば、照明システム3の電力ラインに設けられている電力メータから、通信部23を介して電力使用量を取得するように構成されている。なお、使用情報取得部24は、例えば、エネルギーマネジメントシステムから電力使用量を取得するように構成されていてもよい。エネルギーマネジメントシステムは、施設8内の電気機器(照明システム3を含む)で使用されるエネルギー(電力使用量)を管理するシステムである。
【0050】
また、電力使用量は、実測値に限定されず、推測値であってもよい。例えば、照明システム3の仕様(消費電力)はあらかじめわかっているため、使用情報取得部24は、照明システム3の仕様と照明システム3の使用時間とから求められる値を電力使用量として取得するように構成されていてもよい。照明システム3の仕様は、例えば、記憶部27にあらかじめ記憶されている。なお、照明システム3の仕様は、記憶部27以外に記憶されていてもよい。照明システム3の仕様は、照明システム3に記憶されていてもよい。この場合、使用情報取得部24は、通信部23を介して、照明システム3の仕様を取得する。
【0051】
(4.5)分割部
図1に示す分割部25は、通信部23から出力された照明データに基づいて照明システム3が光源33を点灯させた際の照明システム3での照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
【0052】
より詳細には、分割部25は、第1使用量に相当する課金を事業者72に行わせ、かつ、第2使用量に相当する課金を広告依頼主74に行わせるように、照明システム3での照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割する。言い換えると、照明提供に対する照明使用料金(第1使用料金)の支払いを事業者72に行わせ、広告配信に対する照明使用料金(第2使用料金)の支払いを広告依頼主74に行わせるように、分割部25は、照明システム3での照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割する。
【0053】
分割部25は、例えば、広告配信内容の提供回数、及び、広告配信内容に関する広告サイトへのアクセス数の少なくとも一方に基づいて、第2使用量を決定する。例えば、広告配信内容が広告依頼主74が伝えたいコンテンツである場合、分割部25は、広告配信内容の配信回数に基づいて第2使用量を決定する。広告配信内容の配信回数が多いほど、照明システム3での照明使用量に対する第2使用量の割合が大きくなるように、分割部25は第2使用量を決定する。他の例として、広告配信内容がURLである場合、分割部25は、URLに対応する広告サイトへのアクセス数に基づいて、第2使用量を決定する。広告サイトへのアクセス数が多いほど、照明システム3での照明使用量に対する第2使用量の割合が大きくなるように、分割部25は第2使用量を決定する。
【0054】
ところで、分割部25は、照明対象の所定領域81の照度を考慮して、照明システム3での照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割することが可能である。より詳細には、分割部25は、例えば、第1使用量に相当する課金を照明対象の所定領域81の照度によって変化させて事業者72に行わせるために、照明システム3での照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割する。照度は、照明提供への影響は大きいが、広告配信への影響は小さい。このため、照度が高いほど第1使用量が多くなるように、分割部25は、照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割する。
【0055】
また、分割部25は、例えば、第2使用量に相当する課金を広告配信内容の情報量によって変化させて広告依頼主74に行わせるために、照明システム3での照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割する。より詳細には、広告配信内容の情報量が多いほど第2使用量が多くなるように、分割部25は、照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割する。
【0056】
(4.6)算出部
図1に示す算出部26は、分割部25で得られた第1使用量及び第2使用量に基づいて、第1使用量に対する第1使用料金、及び、第2使用量に対する第2使用料金を算出する。
【0057】
第1使用料金は、照明提供に対する照明使用料金である。より詳細には、第1使用料金は、照明提供に用いた照明使用量に対する照明使用料金である。第1使用料金は、従量料金のみであってもよいし、基本料金と従量料金との合計金額であってもよい。基本料金は、例えば、第1使用量の多少に関係なく、照明提供に関する固定料金である。従量料金は、例えば、第1使用量に対する従量制による変動料金である。例えば、第1使用量が多くなるほど、従量料金は高くなり、第1使用量が少なくなるほど、従量料金は安くなる。
【0058】
第2使用料金は、広告配信に対する照明使用料金である。より詳細には、第2使用料金は、広告配信に用いた照明使用量に対する照明使用料金である。第2使用料金は、従量料金のみであってもよいし、基本料金と従量料金との合計金額であってもよい。基本料金は、例えば、第2使用量の多少に関係なく、広告配信を依頼すると一律に発生する固定料金である。従量料金は、例えば、第2使用量に対する従量制による変動料金である。例えば、第2使用量が多くなるほど、従量料金は高くなり、第2使用量が少なくなるほど、従量料金は安くなる。
【0059】
また、第1使用料金又は第2使用料金のいずれか一方は、固定料金であってもよい。第1使用料金が固定料金である場合、第2使用料金は、例えば、第2使用量によって変動する。第2使用料金が固定料金である場合、第1使用料金は、例えば、第1使用量によって変動する。
【0060】
なお、照明提供に関する料金プランは1つに限定されず、複数あってもよい。また、広告配信に関する料金プランは1つに限定されず、複数あってもよい。
【0061】
(4.7)記憶部
図1に示す記憶部27は、種々の情報を記憶する。記憶部27は、例えば、演算システム2を、広告情報取得部21、作成部22、通信部23、使用情報取得部24、分割部25及び算出部26として機能させるためのプログラムを記憶する。
【0062】
(5)通信装置
図1に示す通信装置4は、例えば、使用者73(図3参照)が所有する端末である。通信装置4は、例えば、スマートフォン等の携帯電話、又は、パーソナルコンピュータである。通信装置4は、携帯電話のような可搬型の端末であることが好ましい。つまり。通信装置4は、使用者73と共に移動可能な端末であることが好ましい。
【0063】
通信装置4は、処理部41と、記憶部42とを備える。処理部41は、通信装置4の各処理を行う。記憶部42は、種々の情報を記憶する。
【0064】
通信装置4は、照明システム3から放射された光を受け取るように構成されている。例えば、通信装置4は、カメラ機能を用いて照明システム3からの光を受け取るように構成されている。既述したように、広告配信内容に関する情報を含む照明データに基づいて、照明システム3から光が放射される。
【0065】
広告配信内容に関する情報が広告配信内容そのものの情報である場合、通信装置4は、受け取った光に含まれている情報つまり広告配信内容そのものを表示部に表示する。これにより、使用者73は、広告配信内容を見ることができる。
【0066】
広告配信内容に関する情報が広告配信内容を表示するサイトのURLである場合、通信装置4は、受け取った光に含まれている情報つまりURLを表示部に表示する。使用者73は、表示されているURLのサイトにアクセスすることによって、広告配信内容を見ることができる。
【0067】
(6)広告配信事業
次に、実施形態1に係る広告配信システム1を用いた広告配信事業について、図3を参照して説明する。
【0068】
まず、照明提供について説明する。照明提供業者71は、照明システム3を用いて、事業者72に照明を提供している(図3のA2)。照明システム3を動作させるための電力は、電力会社75から提供されている(図3のA1)。照明システム3(図1参照)は、事業者72の建物に設置されている。事業者72は、建物に設置されている照明システム3から放射される光によって、使用者73に照明を提供する(図3のA3)。
【0069】
次に、広告配信について説明する。照明提供業者71は、広告依頼主74から広告配信要望を受ける(図3のB1)。照明提供業者71は、広告依頼主74から広告配信要望を受けて、広告依頼主74から広告配信内容を取得すると、演算システム2(図1参照)を用いて、広告配信内容に基づく照明データを作成する。そして、照明提供業者71は、照明データを用いて、事業者72に広告を提供する(図3のB2)。事業者72は、照明データに基づいてオンオフ制御された光によって、使用者73に広告を提供する(図3のB3)。使用者73は、通信装置4(図1参照)を用いて、広告を見ることができる。
【0070】
次に、支払について説明する。事業者72は、照明提供に対する照明使用料金を照明提供業者71に支払う(図3のC1)。また、広告依頼主74は、広告配信に対する照明使用料金を照明提供業者71に支払う(図3のC2)。照明提供業者71は、照明システム3に必要な電力提供に対する電気料金を電力会社75に支払う(図3のC3)。
【0071】
上記のようにして、照明提供業者71は、照明を提供すると共に広告も提供し、照明提供に対する照明使用料金を事業者72から徴収し、広告配信に対する照明使用料金を広告依頼主74から徴収することができる。
【0072】
(7)広告配信方法
次に、実施形態1に係る広告配信方法(広告配信システムの動作)について、図4を参照して説明する。
【0073】
広告配信方法は、図4に示すように、広告情報取得ステップS1と、作成ステップS2と、出力ステップS3と、点灯ステップS4と、使用情報取得ステップS5と、分割ステップS6と、算出ステップS7とを有する。
【0074】
広告情報取得ステップS1は、広告情報つまり広告配信内容を取得するステップである。より詳細には、広告情報取得ステップS1では、演算システム2の広告情報取得部21が広告依頼主側通信装置5から広告配信内容を取得する。
【0075】
作成ステップS2は、広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成するステップである。より詳細には、作成ステップS2では、演算システム2の作成部22が、広告情報取得ステップS1において、広告情報取得部21で取得された広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成する。
【0076】
出力ステップS3は、照明データを出力するステップである。より詳細には、出力ステップS3では、演算システム2の通信部23が、作成ステップS2において、作成部22で作成された照明データを照明システム3に出力する。
【0077】
点灯ステップS4は、照明システム3を用いて、照明データに基づく点灯を行うステップである。より詳細には、点灯ステップS4では、照明システム3の制御装置32が、演算システム2の通信部23から照明データを受信する。照明システム3の複数の照明器具31の少なくとも1つが、制御装置32の制御に従って、照明データに基づく点灯を行う。照明システム3は、施設8に設置されて、所定領域81を照明する。
【0078】
使用情報取得ステップS5は、照明システム3での照明使用量を取得するステップである。より詳細には、使用情報取得ステップS5では、点灯ステップS4において、照明システム3を用いて、照明データに基づく点灯を行う際の照明システム3での照明使用量を取得する。使用情報取得ステップS5では、演算システム2の使用情報取得部24が、通信部23を介して、照明使用量を取得する。
【0079】
分割ステップS6は、使用情報取得ステップS5で取得した照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割するステップである。より詳細には、分割ステップS6では、演算システム2の分割部25が、照明システム3での照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
【0080】
算出ステップS7は、第1使用料金及び第2使用料金を算出するステップである。より詳細には、算出ステップS7では、分割部25によって得られた第1使用量及び第2使用量を用いて、第1使用料金及び第2使用料金を算出する。算出ステップS7では、演算システム2の算出部26が、第1使用量及び第2使用量を用いて、第1使用料金及び第2使用料金を算出する。
【0081】
(8)効果
実施形態1に係る演算システム2は、照明データに基づいて照明システム3が光源33を点灯させた際の照明システム3での照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。これにより、より効率的な広告配信と事業者72の照明使用料金の削減との両方を実現可能とする。
【0082】
実施形態1に係る演算システム2は、第1使用量に相当する課金を事業者72に行わせ、かつ、第2使用量に相当する課金を広告依頼主74に行わせるように、照明システム3での照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割する。これにより、照明環境を維持しながら、照明だけの場合の課金に比べて、事業者72への課金を低減させることができる。また、照明とは別に単独で広告配信を行う場合に比べて、広告依頼主74への課金も低減させることができる。その結果、事業者72と広告依頼主74との両方にとって、支払金額を低減させることができる。
【0083】
実施形態1に係る演算システム2は、第1使用量に相当する課金を照度によって変化させて事業者72に行わせるように、照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割する。これにより、照度(照明環境)に応じて支払金額を変更することができるので、照明提供を受ける事業者72にとって、よりリーズナブルな料金設定にすることができる。
【0084】
実施形態1に係る広告配信システム1では、照明システム3が光源33を用いて照明データを光にて出力する。これにより、照明提供と広告配信とを一体で行うことができる。
【0085】
(9)変形例
以下、実施形態1の変形例について説明する。
【0086】
広告配信システム1において、照明システム3は、複数の照明器具31を備えることに限定されず、1つの照明器具31のみを備えてもよい。また、照明システム3における照明器具31の個数は、3つに限定されず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0087】
なお、複数の照明器具31の各々の光源33は、発光ダイオードに限定されず、他の光源であってもよい。光源33は、例えば、レーザ又は有機EL(Electro Luminescence)であってもよい。
【0088】
広告配信システム1は、図2Aに示す照明システム3に代えて、図2Bに示す照明システム3aを備えてもよい。
【0089】
照明システム3aは、複数(図示例では3つ)の照明装置35を備える。複数の照明装置35の各々は、照明器具36と、電源37とを備える。照明器具36は、光源33aを備える。光源33aは、例えば発光ダイオードである。複数の照明装置35は、互いに異なる固有のアドレスを有する。各照明装置35が固有のアドレスを有することにより、複数の照明装置35を識別することができる。複数の照明装置35の各々は、光源33aを用いて照明データを光にて出力する。
【0090】
なお、各照明器具36の光源33aは、発光ダイオードに限定されず、他の光源であってもよい。各光源33aは、例えば、レーザ又は有機ELであってもよい。
【0091】
上記の各変形例に係る広告配信システム1及び演算システム2においても、実施形態1に係る広告配信システム1及び演算システム2と同様の効果を奏する。
【0092】
(実施形態2)
実施形態2に係る広告配信システム1bは、図5に示すような演算システム2bを備える点で、実施形態1に係る広告配信システム1b(図1参照)と相違する。
【0093】
(1)構成
実施形態2に係る広告配信システム1bは、図5に示すように、演算システム2bと、照明システム3とを備える。なお、実施形態2に係る広告配信システム1bに関し、実施形態1に係る広告配信システム1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
実施形態2に係る演算システム2bは、図5に示すように、広告情報取得部21と、作成部22と、通信部23と、使用情報取得部24と、分割部25と、算出部26と、記憶部27とを備える。演算システム2bは、他情報取得部28を更に備える。
【0095】
他情報取得部28は、広告とは異なる他情報を取得する。他情報は、例えば、社内LAN又はインターネットからの情報である。他情報取得部28で取得された他情報は、広告依頼主側通信装置5からの広告と同様、照明データに変換される。上記照明データは、照明システム3に出力される。
【0096】
(2)通信装置
実施形態2の通信装置4は、実施形態1の通信装置4(図1参照)と同様、図5に示すように、処理部41と、記憶部42とを備える。処理部41は、通信装置4の各処理を行う。記憶部42は、種々の情報を記憶する。通信装置4は、照明システム3から放射された光を受け取るように構成されている。
【0097】
通信装置4は、照明システム3からの光を受けることによって、広告配信内容と共に、広告とは異なる他情報を受信する。これにより、使用者73は、広告配信内容及び他情報を見ることができる。
【0098】
(3)広告配信事業
次に、実施形態2に係る広告配信システム1bを用いた広告配信事業について、図6を参照して説明する。なお、照明提供及び広告配信は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。同様に、支払も、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0099】
データ提供について説明する。照明提供業者71は、広告とは異なる他情報を社内LAN及びインターネットから取得する(図6のD1)。照明提供業者71は、他情報を取得すると、演算システム2b(図5参照)を用いて、他情報に基づく照明データを作成する。この際に、広告配信内容を取得している場合、演算システム2bは、他情報及び広告配信内容に基づく照明データを作成する。そして、照明提供業者71は、照明データを用いて、事業者72に他情報を提供する(図6のD2)。事業者72は、照明データに基づいてオンオフ制御された光によって、使用者73に他情報を提供する(図6のD3)。使用者73は、通信装置4(図5参照)を用いて、他情報を取得することができる。
【0100】
上記のようにして、照明提供業者71は、照明を提供すると共に広告も提供し、さらに、社内LAN及びインターネットからの他情報も提供することができる。
【0101】
(4)効果
実施形態2に係る演算システム2bにおいても、実施形態1に係る演算システム2と同様、照明システム3での照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。これにより、より効率的な広告配信と事業者72の照明使用料金の削減との両方を実現可能とする。
【0102】
(5)変形例
実施形態1の各変形例を、実施形態2に係る広告配信システム1b及び演算システム2bに適用することが可能である。
【0103】
上記の各変形例に係る広告配信システム1b及び演算システム2bにおいても、実施形態2に係る広告配信システム1b及び演算システム2bと同様の効果を奏する。
【0104】
(実施形態3)
実施形態3に係る広告配信システム1cは、図7に示すように、サーバ6を備える点で、実施形態1に係る広告配信システム1(図1参照)と相違する。
【0105】
(1)広告配信システム
実施形態3に係る広告配信システム1cは、図7に示すように、演算システム2と、照明システム3と、サーバ6とを備える。なお、実施形態3に係る広告配信システム1cに関し、実施形態1に係る広告配信システム1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0106】
実施形態3に係る演算システム2は、実施形態1に係る演算システム2と同様、図7に示すように、広告情報取得部21と、作成部22と、通信部23と、使用情報取得部24と、分割部25と、算出部26と、記憶部27とを備える。
【0107】
(2)通信装置
実施形態3の通信装置4cは、図7に示すように、処理部41cと、記憶部42とを有する。
【0108】
処理部41cは、第1取得部43と、第2取得部44とを有する。第1取得部43は、照明データに基づく点灯を行う照明システム3から照明データを取得する。第2取得部44は、第1取得部43で取得された照明データに基づいて広告配信内容を取得する。
【0109】
記憶部42は、種々の情報を記憶する。記憶部42は、処理部41cが第1取得部43及び第2取得部44として機能させるためのプログラムを記憶する。
【0110】
(3)サーバ
図7に示すサーバ6は、例えば通信装置4cからの要求に応じて、通信装置4cに上記プログラムを送信する。より詳細には、サーバ6は、通信装置4cを第1取得部43及び第2取得部44として機能させためのプログラムを通信装置4cに送信する。
【0111】
(4)効果
実施形態3に係る演算システム2においても、実施形態1に係る演算システム2と同様、照明システム3での照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。これにより、より効率的な広告配信と事業者72の照明使用料金の削減との両方を実現可能とする。
【0112】
(5)変形例
実施形態1の各変形例を、実施形態3に係る広告配信システム1c及び演算システム2に適用することが可能である。
【0113】
上記の各変形例に係る広告配信システム1c及び演算システム2においても、実施形態3に係る広告配信システム1c及び演算システム2と同様の効果を奏する。
【0114】
(実施形態4)
実施形態4では、道路灯3d(図8参照)を用いて、タクシー(車両9)に乗車しているタクシー利用者73d(図9参照)に広告を配信する場合について説明する。
【0115】
実施形態4に係る広告配信システム1dは、図8に示すように、道路灯3dを用いて広告を配信する点で、実施形態1に係る広告配信システム1(図1参照)と相違する。
【0116】
(1)広告配信システム
実施形態4に係る広告配信システム1dは、図8に示すように、演算システム2と、道路灯3dとを備える。なお、実施形態4に係る広告配信システム1dに関し、実施形態1に係る広告配信システム1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0117】
実施形態4に係る演算システム2は、実施形態1に係る演算システム2と同様、図8に示すように、広告情報取得部21と、作成部22と、通信部23と、使用情報取得部24と、分割部25と、算出部26と、記憶部27とを備える。
【0118】
(2)道路灯
図8に示す道路灯3dは、例えば、道路に設置されている。道路灯3dは、光源を備え、道路の所定領域を照明する。より詳細には、道路灯3dは、広告配信内容に関する情報を含む照明データを演算システム2から取得し、照明データに基づいて光源を点灯させる。なお、図8は、1つの道路灯3dのみを図示しているが、実際には、道路には、複数の道路灯3dが設置されている。
【0119】
道路灯3dは、照明提供業者71ではなく、照明設置業者76によって管理又は所有されている。照明設置業者76は、例えば、道路を管理している道路管理者である。実施形態4では、照明提供業者71が演算システム2を管理し、道路管理者が道路灯3dを管理している。なお、道路管理者が道路灯3dを管理又は所有することに限定されない。照明提供業者71及び道路管理者とは異なる主体が道路灯3dを管理又は所有してもよい。また、照明提供業者71と異なる主体が道路灯3dを管理又は所有していることに限定されない。実施形態4においても、実施形態1~3と同様、照明提供業者71が演算システム2と道路灯3dとの両方を管理又は所有していてもよい。
【0120】
(3)車両
車両9は、例えば、タクシー業者77が所有するタクシーである。車両9は、人が運転する車両であってもよいし、自動運転が可能な車両であってもよい。車両9は、道路灯3dからの光を受け取る受光機能を有する。車両9は、道路灯3dからの光から広告配信内容に関する情報を取得する情報取得機能を有する。
【0121】
車両9は、種々の情報を表示する表示装置(ディスプレイ)を備える。表示装置は、車両9の車両本体内つまり車内に設置されている。なお、表示装置は、種々の情報を表示する表示機能と共に、種々の操作を受け付ける操作受付機能を有してもよい。
【0122】
車両9は、道路灯3dからの光を受け取ると、上記光に含まれている情報つまり広告配信内容を取得する。車両9の表示装置は、車両9が取得した広告配信内容を、車内に設置されている表示装置に表示する。タクシー利用者73dは、タクシーを使用している間、車内において、表示装置に表示されている広告配信内容を見ることができる。
【0123】
表示装置の所有者は、タクシー業者77であってもよいし、照明提供業者71であってもよい。表示装置の所有者が照明提供業者71である場合、例えば、照明提供業者71がタクシー業者77に表示装置を有償又は無償で貸与している。
【0124】
(4)広告配信事業
次に、実施形態4に係る広告配信システム1dを用いた広告配信事業について、図9を参照して説明する。
【0125】
実施形態4では、照明提供業者71が演算システム2(図8参照)を管理しており、照明設置業者76が道路灯3d(図8参照)を管理している。
【0126】
まず、照明提供について説明する。照明提供業者71は、照明設置業者76に照明データを提供する(図9のE2)。道路灯3dを動作させるための電力は、電力会社75から提供されている(図9のE1)。照明設置業者76は、道路に設置されている道路灯3dから放射される光によって、タクシー業者77に照明を提供する(図9のE3)。道路灯3dは、照明設置業者76によって管理されている道路に設置されている。
【0127】
次に、広告配信について説明する。照明提供業者71は、広告依頼主74から広告配信要望を受ける(図9のF1)。照明提供業者71は、広告依頼主74から広告配信要望を受けて、広告依頼主74から広告配信内容を取得すると、演算システム2(図8参照)を用いて、広告配信内容に基づく照明データを作成する。そして、照明提供業者71は、照明データを用いて、照明設置業者76に広告を提供する(図9のF2)。照明設置業者76は、照明データに基づいてオンオフ制御された光によって、タクシー業者77に広告配信内容を提供する(図9のF3)。タクシー業者77の車両9(図8参照)に乗車しているタクシー利用者73dは、車両9に搭載されている表示装置に表示されている広告配信内容を見ることができる(図9のF4)。
【0128】
車両9の表示装置に表示されている広告配信内容が、広告依頼主74が伝えたいコンテンツである場合、タクシー利用者73dは、上記コンテンツを見ることができる。一方、表示装置に表示されている広告配信内容がURLである場合、タクシー利用者73dは、自己の通信装置4(図1参照)に上記URLを取り込むことによって、広告依頼主74が伝えたいコンテンツを表示するサイトを閲覧することができる。つまり、タクシー利用者73dは、通信装置4を用いて、広告を見ることができる。
【0129】
車両9の表示装置に表示される広告配信内容は、例えば、道路灯3dが設置されている場所を含む地域に関する広告であったり、車両9の進行方向の地域に関する広告であったりする。「道路灯3dが設置されている場所を含む地域に関する広告」は、例えば、道路灯3dが設置されている場所を含む地域の店の広告である。「車両9の進行方向の地域に関する広告」は、例えば、車両9の進行方向の地域の店の広告である。道路に対する道路灯3dの設置位置は固定されているため、道路灯3dによる照明領域において、車両9の進行方向は決まっている。車両9の進行方向の地域すなわちタクシー利用者73dの目的地に関する広告を配信することは、車両9に乗車中のタクシー利用者73dにとって効果的である。つまり、タクシーに乗車中の時間つまり移動時間を有効に活用することができる。
【0130】
また、表示装置が操作受付機能を利用してタクシー利用者73dの属性を受け付けることが可能な場合、表示装置は、車両9が取得した広告配信内容のうち、タクシー利用者73dの属性に関連する広告配信内容を選択して表示することが可能である。タクシー利用者73dの属性とは、タクシー利用者73dの性別、年齢、興味、目的地等である。
【0131】
次に、支払について説明する。照明提供業者71は、演算システム2を用いて、照明提供に対する照明使用料金(第1使用料金)と、広告配信に対する照明使用料金(第2使用料金)とを算出する。道路灯3dを管理する照明設置業者76は、照明提供に対する照明使用料金(第1使用料金)を照明提供業者71に支払う(図9のG1)。また、広告依頼主74は、広告配信に対する照明使用料金(第2使用料金)を照明提供業者71に支払う(図9のG2)。照明提供業者71は、道路灯3dに必要な電力提供に対する電気料金を電力会社75に支払う(図9のG3)。照明提供業者71は、道路灯3dを管理又は所有する照明設置業者76に代わって、道路灯3dに関する電力料金を電力会社75に支払う。
【0132】
上記のようにして、照明提供業者71は、照明を提供すると共に広告も提供し、照明提供に対する照明使用料金を照明設置業者76から徴収し、広告配信に対する照明使用料金を広告依頼主74から徴収することができる。
【0133】
さらに、実施形態4では、照明提供業者71は、タクシー業者77に対して、広告掲載費用を支払う(図9のG4)。タクシー業者77は、車両9の表示装置に広告配信内容を表示することによって、広告掲載費用を受け取る。広告掲載費用は、例えば、広告依頼主74が照明提供業者71に支払った費用の一部であり、タクシー業者77は、照明提供業者71を経由して広告掲載費用を受け取る。これにより、タクシー業者77は、タクシー利用者73dからのタクシー利用料金だけでなく、照明提供業者71からの広告掲載費用も収入源とすることができる。なお、広告掲載費用は、実績に応じて変動してもよいし、固定料金であってもよい。
【0134】
(5)効果
実施形態4に係る演算システム2においても、実施形態1に係る演算システム2と同様、道路灯3dでの照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。これにより、より効率的な広告配信と事業者72の照明使用料金の削減との両方を実現可能とする。
【0135】
(6)変形例
実施形態1の各変形例を、実施形態4に係る広告配信システム1d及び演算システム2に適用することが可能である。
【0136】
上記の各変形例に係る広告配信システム1d及び演算システム2においても、実施形態4に係る広告配信システム1d及び演算システム2と同様の効果を奏する。
【0137】
(変形例)
(1)変形例1
実施形態1~4及び実施形態1~4の変形例において、照明器具31,36の光源33,33aは、単一色の光を放射する構成であることに限定されず、複数の色の光を放射する構成であってもよい。各光源33,33aは、赤色の光を放射する光源と、緑色の光を放射する光源と、青色の光を放射する光源とを含んでもよい。
【0138】
変形例1では、各色の光源ごとに、照明データを重畳させることができるので、単一色の光のみを放射する場合に比べて、情報量を多くすることができる。
【0139】
(2)変形例2
実施形態1~4及び実施形態1~4の変形例において、照明システム3は、照明提供と広告配信とを一体に行うことに限定されない。つまり、照明システム3は、照明提供と広告配信とを同一の光源33を用いて行うことに限定されない。照明システム3は、照明提供と広告配信とを別々に行ってもよい。この場合、照明システム3では、複数の照明器具36の各々が、照明提供のための光源と、広告配信のための光源とを備える。言い換えると、各照明器具36が、照明提供を行うための光源33とは別に、広告配信のための光源を備える。
【0140】
上記のような場合であっても、照明提供と広告配信とを一体に行う場合と同様、照明システム3を用いて、照明提供と広告配信との両方を行うことができる。
【0141】
なお、本開示における装置、システム、又は方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、又は方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む1つ又は複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0142】
以上説明した実施形態及び変形例は、本開示の様々な実施形態及び変形例の一部に過ぎない。また、実施形態及び変形例は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0143】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0144】
第1の態様に係る演算システム(2;2b;2c)は、照明システム(3;3a;道路灯3d)と共に用いられる。照明システムは、施設(8)に設置されて所定領域(81)を照明する機能と、照明データに基づいて光源(33;33a)を点灯させる機能とを有する。演算システム(2;2b;2c)は、作成部(22)と、出力部(通信部23)と、分割部(25)とを備える。作成部(22)は、広告配信内容に関する情報を含むデータを照明データとして作成する。出力部は、作成部(22)で作成された照明データを照明システムに出力する。分割部(25)は、出力部から出力された照明データに基づいて照明システム(3;3a;道路灯3d)が光源(33;33a)を点灯させた際の照明システム(3;3a;道路灯3d)での照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
【0145】
第1の態様に係る演算システム(2;2b;2c)によれば、より効率的な広告配信と事業者(72)の照明使用料金の削減との両方を実現可能とする。
【0146】
第2の態様に係る演算システム(2;2b;2c)では、第1の態様において、分割部(25)は、第1使用量に相当する課金を事業者(72)に行わせ、かつ、第2使用量に相当する課金を広告依頼主(74)に行わせるように、照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割する。事業者(72)は、施設(8)の所有者又は管理者である。広告依頼主(74)は、広告配信内容による広告配信を要望する主体である。
【0147】
第2の態様に係る演算システム(2;2b;2c)によれば、照明環境を維持しながら、照明だけの場合の課金に比べて、事業者(72)への課金を低減させることができる。また、第2の態様に係る演算システム(2;2b;2c)によれば、照明提供とは別に単独で広告配信を行う場合に比べて、広告依頼主(74)への課金も低減させることができる。その結果、事業者(72)と広告依頼主(74)との両方にとって、支払金額を低減させることができる。
【0148】
第3の態様に係る演算システム(2;2b;2c)では、第2の態様において、分割部(25)は、第1使用量に相当する課金を照度によって変化させて事業者(72)に行わせるように、照明使用量を第1使用量と第2使用量とに分割する。
【0149】
第3の態様に係る演算システム(2;2b;2c)によれば、照度(照明環境)に応じて支払金額を変更することができるので、照明が提供される事業者(72)にとって、よりリーズナブルな料金設定にすることができる。
【0150】
第4の態様に係る広告配信システム(1;1b;1c;1d)は、第1~3の態様のいずれか1つの演算システム(2;2b;2c)と、照明システム(3;3a;道路灯3d)とを備える。
【0151】
第4に態様に係る広告配信システム(1;1b;1c;1d)によれば、演算システム(2;2b;2c)において、より効率的な広告配信と事業者(72)の照明使用料金の削減との両方を実現可能とする。
【0152】
第5の態様に係る広告配信システム(1;1b;1c;1d)では、第4の態様において、照明システム(3;3a;道路灯3d)は、光源(33;38)を有する。光源(33;38)は、所定領域(81)に光を放射する。照明システムは、光源(33;38)を用いて照明データを光にて出力する。
【0153】
第5の態様に係る広告配信システム(1;1b;1c;1d)によれば、照明提供と広告配信とを一体で行うことができる。
【0154】
第6の態様に係る広告配信方法は、作成ステップと、点灯ステップと、分割ステップとを有する。作成ステップでは、広告配信内容に関する情報を含む照明データを作成する。点灯ステップでは、施設(8)に設置されて所定領域(81)を照明する照明システム(3;3a;道路灯3d)を用いて、照明データに基づく点灯を行う。分割ステップでは、点灯ステップにおいて、照明システム(3;3a;道路灯3d)を用いて、照明データに基づく点灯を行う際の照明システム(3;3a;道路灯3d)での照明使用量を、照明提供に用いた第1使用量と、広告配信に用いた第2使用量とに分割する。
【0155】
第6の態様に係る広告配信方法によれば、より効率的な広告配信と事業者の照明使用料金の削減との両方を実現可能とする。
【0156】
第7の態様に係るプログラムは、第6の態様の広告配信方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0157】
第7の態様に係るプログラムによれば、より効率的な広告配信と事業者の照明使用料金の削減との両方を実現可能とする。
【0158】
第8の態様に係るプログラムは、受光機能を有するコンピュータを、第1取得部(43)及び第2取得部(44)として機能させるためのプログラムである。第1取得部(43)は、広告配信内容に関する情報を含む照明データに基づいて光源(33;33a)を点灯させる照明システム(3;3a;道路灯3d)からの光から照明データを取得する。第2取得部(44)は、第1取得部(43)で取得された照明データに基づいて広告配信内容を取得する。
【符号の説明】
【0159】
1,1b,1c,1d 広告配信システム
2,2b 演算システム
22 作成部
23 通信部(出力部)
25 分割部
3,3a 照明システム
3d 道路灯(照明システム)
33,33a 光源
72 事業者
74 広告依頼主
76 照明設置業者(事業者)
8 施設
81 所定領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9