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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】屋根設置具および屋根構造
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/28 20060101AFI20240510BHJP
   E04H 15/58 20060101ALI20240510BHJP
   E04G 5/00 20060101ALN20240510BHJP
【FI】
E04G21/28 A
E04H15/58 Z
E04G5/00 301Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023197990
(22)【出願日】2023-11-22
【審査請求日】2024-02-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511194522
【氏名又は名称】株式会社丸由
(74)【代理人】
【識別番号】100185454
【弁理士】
【氏名又は名称】三雲 悟志
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【弁理士】
【氏名又は名称】藤河 恒生
(72)【発明者】
【氏名】岸邉 由朗
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】実用新案登録第2504632(JP,Y2)
【文献】登録実用新案第3230733(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/28
E04H 15/58
E04G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立てられた支柱に取り付けられる屋根設置具であって、
前記支柱に対して直接または間接的に取り付けられる支柱側ジョイントと、
前記支柱の長さ方向に対して傾斜した屋根側ジョイントと、
前記支柱側ジョイントと屋根側ジョイントとを連結する連結部と、
を備え
2本の前記屋根側ジョイントが並べられて固定された屋根設置具。
【請求項2】
前記連結部に回転軸またはボールジョイントを備え、支柱側ジョイントと屋根側ジョイントの相対的な角度が変えられる請求項1の屋根設置具。
【請求項3】
複数の前記支柱が一定間隔で並んでおり、
前記屋根側ジョイントに取り付けられるシート保持部材と、
前記シート保持部材に両側が取り付けられたシートと、
を備えた請求項1の屋根設置具。
【請求項4】
前記支柱が複数であり、複数の支柱にわたって取り付けられたレールと、
前記レールに対して移動自在に取り付けられた移動部と、
を備え、
前記支柱側ジョイントが移動部に取り付けられた請求項1の屋根設置具。
【請求項5】
立てられた支柱の上部に設置される屋根構造であって、
前記支柱の上部に対して直接または間接的に取り付けられる支柱側ジョイントと、
前記支柱に対して傾斜した屋根側ジョイントと、
前記支柱側ジョイントと屋根側ジョイントとを連結する連結部と、
前記屋根側ジョイントに取り付けられるシート保持部材と、
前記シート保持部材に支えられたシートと、
を備え、
2本の前記屋根側ジョイントが並べられて固定された屋根構造。
【請求項6】
前記シート保持部材の一部または全部が柔軟性を有する樹脂で構成された管状の部材を備えた請求項5の屋根構造。
【請求項7】
前記連結部に回転軸またはボールを備え、支柱側ジョイントと屋根側ジョイントの相対的な角度が変えられる請求項5の屋根構造。
【請求項8】
複数の前記支柱が一定間隔で並べられており、
前記シートの両側がシート保持部材に取り付けられた請求項5の屋根構造。
【請求項9】
前記支柱が複数であり、複数の支柱にわたって取り付けられたレールと、
前記レールに対して移動自在に取り付けられた移動部と、
を備え、
前記支柱側ジョイントが移動部に取り付けられた請求項5の屋根構造。
【請求項10】
前記シート保持部材を下方から受けて支える受部材を備えた請求項5の屋根構造。
【請求項11】
前記シート保持部材の上に配置され、シートが取り付けられたシート取付部材を備えた請求項5の屋根構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋根設置具およびその屋根設置具を使用した屋根構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築工事の際に足場が組まれることが多々ある。足場を組むことで高所の作業もできるようになる。しかし、建築工事は雨天で実施できず、工期がずれてしまうこともある。工期のずれは労働環境の悪化につながるおそれがある。そのため、雨天でも工事ができるように対策することが望まれている。
【0003】
下記特許文献1は足場に屋根を設置することが記載されている。特許文献1は建築物の屋根の上に脚棒を配置し、足場を構成するパイプの上部に脚棒を取り付け、その脚棒でテントを支えている。しかし、脚棒を建築物の屋根の上に配置することは難しい。
【0004】
下記特許文献2は支柱に展張ロープと位置調節ロープを取り付け、シートが屋根の上に張られている。屋根を覆うほどのシートをロープで支えることは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平4-98959(図1図2
【文献】特開2023-13516(図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は簡易に屋根を設置できる屋根設置具およびその屋根設置具を使用した屋根構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の屋根設置具は、立てられた支柱に取り付けられる屋根設置具である。屋根設置具は、前記支柱に対して直接または間接的に取り付けられる支柱側ジョイントと、前記支柱の長さ方向に対して傾斜した屋根側ジョイントと、前記支柱側ジョイントと屋根側ジョイントとを連結する連結部とを備える。本発明の屋根構造は、前記屋根設置具と、前記屋根側ジョイントに取り付けられるシート保持部材と、前記シート保持部材に支えられたシートとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると支柱に屋根設置金具を取り付け、その屋根設置金具にシート保持部材とシートを取り付けることで屋根構造になる。シートを使用するため、持ち運びおよび設置が容易である。特許文献2のようにロープを使用しないため、シートを配置しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の屋根設置具を示す正面図である。
図2】本発明の屋根設置具を示す左側面図である。
図3】本発明の屋根設置具を示す平面図である。
図4】建築物の周囲の足場に屋根構造を構成した正面図である。
図5】屋根構造を示す左側面図である。
図6】屋根構造を示す上面図である。
図7】受部材を示す図である。
図8】柔軟性のある樹脂を用いたシート保持部材の図である。
図9】屋根側ジョイントが2つになった屋根設置具を示す図である。
図10】4個の屋根設置具において、両側の屋根設置具の1つの屋根側ジョイントが利用され、残りの屋根設置具の2つの屋根側ジョイントが利用されている図である。
図11】2本のシート保持部材とその間に取り付けられたシートを1セットとした構成を示す図である。
図12】対向させた支柱同士をつなぐように屋根構造を設置した場合の正面図である。
図13図12の屋根構造の左側面図である。
図14】支柱の上部にレールを取り付けた図である。
図15】レールと移動部の構成を示す図である。
図16】二口ジョイントを示す図である。
図17】二口ジョイントが図1の屋根設置具の屋根側ジョイントに取り付けられた図である。
図18】支柱側ジョイントと屋根側ジョイントが固定された構成の屋根設置具を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の屋根設置具およびその屋根設置具を用いた屋根構造について図面を用いて説明する。図面は模式的に描いており、実際と異なる場合がある。複数の実施形態の説明において、一の実施形態で説明した内容を他の実施形態で省略する場合がある。
【0011】
[実施形態1]
図1図2、および図3に示す屋根設置具10は、支柱12の上部またはその付近に屋根の構成部材を設置するための金属製の金具である。屋根設置具10に屋根の構成部材を取り付けることで図4に示す屋根構造14になる。
【0012】
支柱12は地面等に対して鉛直方向に立てられた筒体または棒体である。たとえば、支柱12は建築現場などで建築物16の周囲に設置される足場の支柱12であってもよい。足場の支柱12であれば、支柱12の間隔は一定になる。支柱12の断面は円形になっている。足場の支柱12に屋根設置具10を取り付け、さらに屋根を構成する部材を取り付けることで、足場に屋根構造14を設けることができる(図4)。足場に屋根構造14は雨除け、遮光またはその両方として機能する。
【0013】
屋根設置具10は、支柱12の上部に取り付けられる支柱側ジョイント18および支柱12に対して傾斜している屋根側ジョイント20を備える。
【0014】
支柱側ジョイント18は、金属で構成された筒体である。この筒体の長さ方向は支柱12の長さ方向と一致する。支柱側ジョイント18の中に支柱12の上部22が差し込まれる。支柱12の上部22に穴24があけられている。支柱側ジョイント18にも穴26が設けられており、支柱12の穴24と支柱側ジョイント18の穴26が一致する。支柱12の穴24と支柱側ジョイント18の穴26にボルトまたはピンなどが通され、支柱12に対して支柱側ジョイント18が固定されてもよい。ボルトの場合、ナットでボルトが穴24、26から抜けないようにしてもよい。
【0015】
屋根側ジョイント20は、金属で構成された筒体である。この筒体の長さ方向は、支柱12および支柱側ジョイント18の長さ方向に対して傾斜している。屋根側ジョイント20にシート保持部材28が取り付けられる。図1では屋根側ジョイント20の中にシート保持部材26の一端30が入り込んで取り付けられている。シート保持部材28の一端30に穴32が開けられている。この穴32は屋根側ジョイント20の穴34と一致する。これらの穴32、34にボルトまたはピンなどが通され、屋根側ジョイント20にシート保持部材28が固定されてもよい。ボルトの場合、ナットでボルトが穴32、34から抜けないようにしてもよい。
【0016】
支柱側ジョイント18と屋根側ジョイント20とは連結部36によって取り付けられている。たとえば、連結部36は支柱側ジョイント18に取り付けられた2枚の第1板体38、屋根側ジョイント20に取り付けられ、2枚の第1板体38の間に配置された1枚の第2板体40、第1板体38と第2板体40にそれぞれ設けられた穴(図示省略)、およびそれらの穴を通過するボルト42を備える。ボルト42の軸にナット44が取り付けられ、第1板体38と第2板体40が固定されてもよい。連結部36のボルト42の軸が回転軸となり、屋根側ジョイント20が回転する。支柱側ジョイント18に対して屋根側ジョイント20が回転できる。支柱側ジョイント18と屋根側ジョイント20との相対的な角度は連続的に変化できる。屋根側ジョイント20に取り付けられるシート保持部材28の角度を自由に設定できる。なお、屋根側ジョイント20の角度を連続的に変化できるのであれば、他の構成であってもよい。
【0017】
上記のようにボルト42とナット44を使用した場合、ボルト42とナット44で第1板体38と第2板体40が接触され、相互に固定されるようにする。支柱側ジョイント18に対する屋根側ジョイント20の角度を固定することができる。なお、この角度の固定方法は限定されず、連結部36に角度を固定するための任意の手段を設けてもよい。
【0018】
屋根を構成する部材は、シート保持部材28およびシート46を備える。屋根設置具10にシート保持部材28が取り付けられ、さらにシート46が取り付けられることで、図4図5図6に示す屋根構造14になる。
【0019】
シート保持部材28は直線状の筒体または棒体である。シート保持部材28は金属または樹脂で構成される。シート保持部材28の一端30が屋根側ジョイント20に取り付けられる。シート保持部材28の他端48はどこにも取り付けられず空間に配置される。建築現場であれば、シート保持部材28の他端48を建築物16の壁などに接触させてもよい。
【0020】
複数の支柱12が等間隔に並べられている。各支柱12に屋根設置具10が取り付けられ、さらにシート保持部材28が取り付けられることで、シート保持部材28が並べられた構造になる(図5図6)。なお、隣り合う支柱12同士は水平方向を向いた他の支柱などで固定されていてもよい。
【0021】
シート保持部材28は支柱12よりも断面が小さくなってもよい。シート保持部材28を軽くし、支柱12を安定させやすくするためである。シート保持部材28が管状の場合、その厚みを薄くして軽量にしてもよい。シート保持部材28は支柱12よりも軽量の材質で構成されてもよい。
【0022】
シート保持部材28の他端48またはその付近を下方から受ける受部材50を備えてもよい(図4図7)。受部材50はシート保持部材28を受ける凹部52および直線部54を備える。凹部52は窪56みを有し、その窪み56にシート保持部材28が入る。直線部54は直線状の棒体または筒体で構成されており、一端に凹部52が取り付けられ、他端が地面または軒などに設置される。直線部54は伸縮できて、その長さが変えられるように構成されてもよい。シート保持部材28の他端48またはその付近を下方から支えることができ、シート保持部材28の位置が安定しやすくなる。シート保持部材28の角度を一定に保ちやすくなる。なお、受部材50の構造は、シート保持部材28を受けられれば他の構造であってもよい。
【0023】
シート46は並べられて配置されたシート保持部材28の上に載せられる。シート46に紐体などを取り付けておき、シート保持部材28に紐体をくくり付け、シート46をシート保持部材28に取り付けてもよい。
【0024】
シート保持部材28の他端48またはその付近にシート取付部材58を配置してもよい。シート取付部材58は直線状になった棒体または筒体である。シート46に紐体60などを取り付けておき、紐体60をシート取付部材58にくくり付ける。シート46がシート保持部材28から外れるのを防止できる。シート取付部材58がシート保持部材28の上を転がり落ちないように、シート保持部材28に停止部材62を設けてもよい。停止部材62は棒体または板体などであり、シート保持部材28の上に配置される。シート取付部材58がシート保持部材28の上を転がろうとしても停止部材62が引っ掛かり、シート取付部材58が転がるのを防止できる。停止部材62をシート取付部58に設け、シート取付部58が転がるのを防止してもよい。
【0025】
シート46は柔軟性を有するシート状の物であり、雨水を通さない材質であることが好ましい。シート46が足場の上方に配置されることで、雨天でも作業が可能になる。シート46が遮光性を有してもよい。シート46が晴天時に直射日光を遮り、作業者の体力の消耗を抑えやすくなる。
【0026】
以上のように、本発明は足場の支柱12などに屋根構造14を設けることができ、雨天でも作業が可能になる。天候による作業の遅れが生じにくくなる。屋根構造14にシート46を使用するため、取り付け取り外しが簡単であり、持ち運びも容易である。
【0027】
[実施形態2]
シート保持部材28は硬質の部材で構成されることに限定されない。シート保持部材28の一部または全部を柔軟性のある樹脂で構成されてもよい。たとえば、図8のシート保持部材64のように、屋根側ジョイント20に取り付ける部分66を硬質な部材で構成し、他の部分68は柔軟性のある樹脂で構成する。その樹脂の部分は両端が閉じた筒体である。上記他の部分68の中に空気が入れられることによって直線状になる。空気が入れられる部分に、逆止弁を取り付けてもよい。逆止弁を空気が通過して入れられ、上記他の部分68から空気が抜けるのを防止できる。多くの工事現場にコンプレッサーが設置されるため、そのコンプレッサーを利用して空気を入れてもよい。シート保持部材64の持ち運び時に空気を抜くことができ、軽くて持ち運びが簡単になる。
【0028】
[実施形態3]
シート46はシート保持部材28の上に載せられる構成に限定されない。たとえば、シート保持部材28にシート46が直接取り付けられていてもよい。シート保持部材28にシート46を取り付けるための作業が省かれる。
【0029】
[実施形態4]
図9に示す屋根設置具70のように、2本の屋根側ジョイント20が並べられて固定されていてもよい(図9)。1つの屋根設置具70に1本または2本のシート保持部材28を取り付けることができる(図10)。2本のシート保持部材28を取り付けた場合、2本のシート保持部材28が並べられて配置される。
【0030】
一般的に、工事現場ごとに建築物16の幅が異なり、工事現場によって足場の支柱12の本数が異なる。支柱12は一定間隔で並べられる。そのため、支柱12の並べられる本数によって、支柱12の並べられる方向のシート46の長さは異なる。この異なる長さのシート46をすべて所有するのは困難である。図11に示すように、1枚のシート72およびそのシート72の両側に取り付けられたシート保持部材28を1セットとする。1枚のシート72の幅方向(支柱12の並べられる方向)の長さは屋根側ジョイント20が配置されたときの長さと同じか多少長くする。屋根構造14を構成するために必要なセット数は、支柱12の数から1を減算した数になる。長さの異なるシート46を保有しなくてもよく、汎用性が高くなる。
【0031】
1つの屋根設置具70に取り付けられた2本のシート保持部材28の隙間をなくすために、シート保持部材28同士を固定するための固定手段を備えてもよい。たとえば、固定手段として、紐、帯、面ファスナーなどが挙げられる。2本のシート保持部材28を相互に固定することで、隙間からの雨漏れを防止しやすくなる。
【0032】
[実施形態5]
本発明は建築物16の横に使用される形態に限定されない。たとえば、図12図13に示すように、第1列74に並べられた支柱12と、第1列74と平行に並べられた第2列76の支柱12にそれぞれ屋根設置具10が取り付けられてもよい。互いの列74、76の1本の支柱12は互いに向かい合うように配置されている。シート保持部材78の一端が第1列74にある屋根設置具10に取り付けられ、シート保持部材78の他端が第2列76にある屋根設置具10に取り付けられる。第1列74の支柱12と第2列76の支柱12の間を渡すようにシート保持部材78が配置される。そのシート保持部材78に載せられたり取り付けられたりしてシート80が配置され、屋根構造82となる。シート保持部材78の中央は湾曲されてもよい。シート80をシート保持部材78の上に載せやすくなり、シート80が破損しにくくなる。
【0033】
建築現場に限らず、グラウンドまたは空き地など、支柱12が立てられる場所であれば、屋根構造82を設置できる。支柱12に長さを調節する機構が設けられていれば、傾斜のある場所であっても屋根構造82を設置することができる。なお、図12図13の構成であっても、建築物16の屋根も覆うように屋根構造を設置してもよい。
【0034】
[実施形態6]
図14図15に示すように、本発明は一列に並べられた複数の支柱12の上部に取り付けたレール84と、そのレール84に沿って移動する移動部86を備えてもよい。移動部84に屋根設置具10の支柱側ジョイント18が取り付けられている。レール84の断面は円形または角形の鋼管を使用することができる。支柱12にレール84が取り付けられれば、その取付方法は任意である。たとえば、図15に示すように、レール取付具88を用いてレール84を支柱12に取り付ける。レール取付具はレール84を一周する環状部90と細部92を備える。環状部90はレール84に取り付けられ、細部92が支柱12に取り付けられる。
【0035】
移動部86はレール84に沿って移動できればその構成は限定されない。たとえば、レール84の外形に沿った帯状になっており、下方が開口94になっていてもよい。レール84の断面が円形であれば、移動部86の断面はC字形状になっている。レール84から外れず、支柱12の部分にある環状部90を通過できる。環状部90を通過するとき、細部92のある部分を開口94が通過する
【0036】
[実施形態7]
屋根側ジョイント20は上記の形態に限定されない。図16に示すように、屋根側ジョイント20を2つ並べて固定した二口ジョイント部材96としてもよい。二口ジョイント部材96にシート保持部材28の一端30と同形状の挿入部材98を取り付ける。図17に示すように、挿入部材98が図1等の屋根側ジョイント20に挿入され、二口ジョイント部材96が取り付けられる。図1の1つの屋根側ジョイント20を設けた屋根設置具10は、図16の二口ジョイント部材96を使用することで、2つの屋根側ジョイント20を設けた図9の屋根設置具70と同等の構成になる。挿入部材98は、実施形態1と同様に穴32が備えられ、ボルト等で屋根側ジョイント20に取り付けられて固定されるようにしてもよい。
【0037】
連結部36に対する屋根側ジョイント20の取り付け方は限定されず、連結部36に直接取り付けられてもよいし、他の部材を介して取り付けられてもよい。さらに、連結部36に取り付けられる屋根側ジョイント20の数も1つに限定されず、2つであってもよい。2つである場合、二口ジョイント部材96が連結部36に直接的または間接的に取り付けられてもよい。
【0038】
[実施形態8]
屋根設置具10の支柱側ジョイント18と屋根側ジョイント20の接続は、上記の方法に限定されない。たとえば、連結部36は回転軸を備えたものではなく、ボールジョイントを利用してもよい。支柱12に対する屋根側ジョイント20の角度を連続的かつ自由に変えることができる。
【0039】
図18の屋根設置具100のように、連結部102に回転する機構を備えず、支柱12に対する屋根側ジョイント18の角度が固定された構成であってもよい。屋根設置具100の強度が高くなる。
【0040】
[実施形態9]
支柱側ジョイント18は管状なった物に限定されない。支柱12に取り付けられればその形状は任意である。たとえば、支柱側ジョイント18を棒体で構成し、支柱12にはめ込まれるようにしてもよい。屋根側ジョイント20も管状になった物に限定されない。シート保持部材28が取り付けられればその形状は限定されない。屋根側ジョイント20を棒体で構成し、シート保持部材28がはめ込まれるようにしてもよい。
【0041】
支柱側ジョイント18と屋根側ジョイント20は金属製品に限定されない。強度が保証されるのであれば、強化樹脂などを使用してもよい。
【0042】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。説明した複数の実施形態は別個独立したものではなく、当業者の知識に基づき適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0043】
10、70、100:屋根設置具
12:支柱
14、82:屋根構造
16:建築物
18:支柱側ジョイント
20:屋根側ジョイント
22:支柱の上部
24:支柱上部の穴
26:支柱側ジョイントの穴
28、64、78:シート保持部材
30:シート保持部材の一端
32:シート保持部材の穴
34:屋根側ジョイントの穴
36、102:連結部
38:第1板体
40:第2板体
42:ボルト
44:ナット
46、72、80:シート
48:シート保持部材の他端
50:支持部材
52:凹部
54:直線部
56:窪み
58:シート取付部材
60:紐体
62:停止部材
66:シート保持部材の屋根側ジョイントへの取り付け部分
68:シート保持部材の樹脂で構成された部分
74、76:支柱が並べられた列
84:レール
86:移動部
88:レール取付具
90:環状部
92:細部
94:開口
96:二口ジョイント部
98:挿入部材
【要約】
【課題】簡易に屋根を設置できる屋根設置具およびその屋根設置具を使用した屋根構造を提供する。
【解決手段】屋根設置具10は、支柱12の上部またはその付近に屋根の構成部材を設置するための金属製の金具である。屋根設置具10に屋根の構成部材を取り付けることで屋根構造14になる。屋根設置具10は、支柱12の上部に取り付けられる支柱側ジョイント18および支柱12に対して傾斜している屋根側ジョイント20を備える。屋根を構成する部材は、シート保持部材28およびシート46を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18