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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】情報システム及び情報送信方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240510BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G08G1/09 H
G08G1/16 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018230766
(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公開番号】P2020095321
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-09-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】前田 光
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】倉橋 紀夫
【審判官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-182661(JP,A)
【文献】国際公開第2010/116601(WO,A1)
【文献】特開2009-32260(JP,A)
【文献】特開2015-201113(JP,A)
【文献】特開2018-5366(JP,A)
【文献】国際公開第2018/085107(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の屋外であり施設の敷地内に設置される照明装置を備えた情報システムであって、
前記照明装置に搭載され、周囲に存在する移動体を検知し、検知した前記移動体に関する情報を前記照明装置の周囲に存在する車両に送信する情報出力部と、
前記移動体に保持される端末装置とを備え、
前記端末装置は、前記端末装置の位置情報、前記端末装置の速度情報、前記端末装置の進行方向情報、及び、前記端末装置の種類情報を含むビーコン信号を発し、
前記車両は、前記情報出力部が送信した前記移動体に関する情報を受信し、かつ、前記端末装置が発する前記ビーコン信号を受信し、
前記移動体に関する情報は、前記移動体の位置情報、前記移動体の速度情報、前記移動体の進行方向情報、及び、前記移動体の種類情報である
情報システム。
【請求項2】
前記情報出力部は、周囲に存在する前記移動体を検知し、検知した前記移動体に関する情報を出力する検知部と、前記検知部が出力した前記移動体に関する情報を前記車両に送信する通信部とを有する
請求項1に記載の情報システム。
【請求項3】
施設の屋外であり施設の敷地内に設置される照明装置に搭載された情報出力部が、周囲に存在する移動体を検知し、検知した前記移動体に関する情報を前記照明装置の周囲に存在する車両に送信することと、
前記移動体に保持される端末装置が、前記端末装置の位置情報、前記端末装置の速度情報、前記端末装置の進行方向情報、及び、前記端末装置の種類情報を含むビーコン信号を発することと、
前記車両は、前記情報出力部が送信した前記移動体に関する情報を受信し、かつ、前記端末装置が発する前記ビーコン信号を受信することとを含み、
前記移動体に関する情報は、前記移動体の位置情報、前記移動体の速度情報、前記移動体の進行方向情報、及び、前記移動体の種類情報である
情報送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報システム及び情報送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の情報システムとして特許文献1には、再生ネットワークに接続され、再生ネットワークから取得したコンテンツを再生する再生デバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6002843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の情報システムを自動運転車両に適用したとき、ネットワークから自動運転車両の周辺の移動体の存在を示す情報を取得することはできない。
【0005】
そこで、自動運転車両が安全に走行することができるための補助を行うことができる情報システム及び情報送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示に係る情報システムの一態様は、施設の屋外であり施設の敷地内に設置される照明装置を備えた情報システムであって、前記照明装置に搭載され、周囲に存在する移動体を検知し、検知した前記移動体に関する情報を前記照明装置の周囲に存在する車両に送信する情報出力部と、前記移動体に保持される端末装置とを備え、前記端末装置は、前記端末装置の位置情報、前記端末装置の速度情報、前記端末装置の進行方向情報、及び、前記端末装置の種類情報を含むビーコン信号を発し、前記車両は、前記情報出力部が送信した前記移動体に関する情報を受信し、かつ、前記端末装置が発する前記ビーコン信号を受信し、前記移動体に関する情報は、前記移動体の位置情報、前記移動体の速度情報、前記移動体の進行方向情報、及び、前記移動体の種類情報である。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本開示に係る情報送信方法の一態様は、施設の屋外であり施設の敷地内に設置される照明装置に搭載された情報出力部が、周囲に存在する移動体を検知し、検知した前記移動体に関する情報を前記照明装置の周囲に存在する車両に送信することと、前記移動体に保持される端末装置が、前記端末装置の位置情報、前記端末装置の速度情報、前記端末装置の進行方向情報、及び、前記端末装置の種類情報を含むビーコン信号を発することと、前記車両は、前記情報出力部が送信した前記移動体に関する情報を受信し、かつ、前記端末装置が発する前記ビーコン信号を受信することとを含み、前記移動体に関する情報は、前記移動体の位置情報、前記移動体の速度情報、前記移動体の進行方向情報、及び、前記移動体の種類情報である。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る情報システム等によれば、自動運転車両が安全に走行することができるための補助を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る情報システムを例示する模式図である。
図2図2は、実施の形態1に係る情報システムを例示するブロック図である。
図3図3は、実施の形態1に係る情報システムの動作を例示するシーケンス図である。
図4図4は、実施の形態2に係る情報システムを例示するブロック図である。
図5図5は、実施の形態2に係る情報システムの動作を例示するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
近年、自動運転車両の開発が急激に進展により、自動運転車両が登場してきている。自動運転車両においては、所謂レベル3まで実現されている。ここでレベル3は、高速道路等の特定の地域において、加速・操舵・制動の全ての制御が自動で行われる一方、住宅街等では、運転手が車両の運転を行う必要がある自動運転レベルである。近年では、レベル3よりも高度な所謂レベル4の実現に向けた取り組みを行っている。ここでレベル4は、住宅街等において、加速・操舵・制動の全ての制御が自動で行われ、かつ、運転手が車両の運転に関与しない自動運転レベルである。しかし、住宅街等では、障害物による死角が多いため、車両が完全な自動運転をすることは困難である。
【0011】
そこで、住宅街であっても、自動運転車両が安全に走行することができるための補助を行うことができる情報システム等を提供する。今後の所謂レベル5を視野に入れると、自動運転車両における情報システムは、インフラ及び住宅街等に必須の技術と言える。ここでレベル5は、場所に限定されず完全に自動化された自動運転レベルである。
【0012】
以下では、本開示の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0014】
まず、本実施の形態に係る情報システム及び情報送信方法について説明する。
【0015】
(実施の形態1)
[構成]
図1は、実施の形態1に係る情報システム1aを例示する模式図である。
【0016】
図1に示すように、情報システム1aは、市街地、住宅街等である施設の屋外に設置される装置が移動体90に関する情報(以下、移動体情報という)を車両50に送信するシステムである。例えば、情報システム1aの装置は、住宅街において、屋外であり施設の敷地内に設置される。例えば、装置は、施設の外壁、塀、庭等に設置される。ここで車両50は、自動運転車両であるが、手動運転のモードと自動運転のモードとに相互に切換えることができる。車両50は、例えば、自動車、自動二輪車等である。また、屋外に設置される装置は、例えば、住宅に設置される照明装置10、インターホン、宅配ボックス等である。
【0017】
図2は、実施の形態1に係る情報システム1aを例示するブロック図である。
【0018】
図2に示すように、情報システム1aは、1以上の照明装置10を有する。本実施の形態では、装置の一例として、照明装置10を例示して説明する。
【0019】
各々の照明装置10は、住宅等の施設及び施設周囲の空間全体を照明することができるように、施設の屋外に設置される。各々の照明装置10は、例えば、スポットライト10a、表札灯10b、ダウンライト10c、ポーチライト10d、ガーデンライト10e等である。スポットライト10a、表札灯10b、ダウンライト10c、ポーチライト10d、ガーデンライト10e等は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)のアドホックネットワークを構成し、それぞれが相互に通信可能である。
【0020】
各々の照明装置10には、情報出力部20がそれぞれ搭載される。情報出力部20は、各々の照明装置10に一体的に備えられていてもよく、別体として各々の照明装置10に接続されていてもよい。この場合、情報出力部20は、各々の照明装置10と電気的かつ通信可能に接続される。
【0021】
情報出力部20は、情報出力部20の周囲に存在する移動体情報を車両50に送信する。この移動体90は、施設の傍を通行又は停止する車両50及び人等、施設から出発する車両50及び人等である。
【0022】
情報出力部20は、検知部21と、通信部22とを備える。
【0023】
検知部21は、検知部21の周囲、つまり照明装置10の周囲に存在する移動体90を検知するセンサである。具体的には、検知部21は、移動体90の位置、移動体90の速度、移動体90の進行方向、及び、移動体90の種類等を検知して取得する。検知部21は、例えば、TOF(Time of Flight)カメラ、赤外線カメラ若しくは可視光カメラ等の撮像装置、レーザーレーダ又は人感センサ等であり、これらのセンサを組み合わせて用いてもよい。
【0024】
検知部21は、検知した移動体情報を通信部22に出力する。つまり検知部21は、検知部21の周囲に存在する移動体90から車両50を抽出し、抽出した車両50に対し、通信部22を介して移動体情報を送信する。なお、車両50が情報出力部20に対して移動体情報の要求を行うことで、検知部21が通信部22を介して移動体情報を車両50に送信してもよい。
【0025】
ここで移動体情報は、移動体90の位置情報、移動体90の速度情報、移動体90の進行方向情報、及び、移動体90の種類情報等を含む。具体的には、移動体90の位置情報は、検知部21が検知した時点の移動体90の位置を示す情報であり、検知部21から移動体90まで、又は、車両50から当該車両50を除く移動体90までの相対的な位置情報であってもよく、緯度及び経度等といった絶対的な位置情報であってもよい。また、移動体90の速度情報は、検知部21が検知した時点の移動体90の走行速度を示す情報である。さらに、移動体90の進行方向情報は、検知部21が検知した時点の移動体90の進行方向を示す情報であり、例えば、移動体90が進行する方位を示す情報である。また、移動体90の種類情報は、子供、老人、大人、自転車、自動二輪車又は自動車等といった移動体90の種類を特定する情報である。
【0026】
なお、移動体情報には、車両50に関する情報を含まれていてもよいが、当然のことながら、車両50以外の他の移動体情報が含まれる。
【0027】
通信部22は、検知部21が取得した移動体情報を車両50に送信する無線通信モジュールである。具体的には、通信部22は、情報出力部20つまり照明装置10の周囲に存在する車両50が使用するための移動体情報を、車両50に送信する。通信部22は、移動体情報をブロードキャストで、周囲に存在する車両50に送信する。例えば、通信部22は、車両50との間で、Wi-Fi等の通信プロトコルを用いた無線通信が行われる。
【0028】
また、各々の照明装置10は、制御部11と、発光モジュール12と、電源部13とを備える。
【0029】
制御部11は、発光モジュール12の点灯及び消灯を制御するコントローラである。また、制御部11は、発光モジュール12の点灯状態を制御するコントローラでもある。つまり、制御部11は、発光モジュール12の点灯状態を制御する調光回路及び調色回路を有する。制御部11は、指示された調光率に応じて発光モジュール12の発する光の光量を多くしたり、少なくしたりする。また、制御部11は、指示された色温度に応じて、発光モジュール12が発する光の色温度を高くしたり低くしたりする。このように、制御部11は、発光モジュール12を制御することで、調光率を変化させた光を出射したり、調色率を変化させた光を出射したりする。
【0030】
なお、照明装置10は、照度センサを有していてもよい。具体的には、周囲が明るいことを照度センサが検知すれば、制御部11は、発光モジュール12の発する光の光量が少ないコマンドを電源部13に送信する。また、周囲が暗いことを照度センサが検知すれば、制御部11は、発光モジュール12の発する光の光量が多い制御コマンドを電源部13に送信したりする。これにより、照明装置10は、周囲の照度に応じて、明るく点灯したり暗く点灯したりする。
【0031】
なお、照明装置10は、人感センサを有していてもよい。制御部11は、人感センサから取得した検知情報に基づいて、発光モジュール12の点灯及び消灯を制御してもよい。人感センサは、照明装置10の周囲における人の存在の有無を検知するセンサであり、人の存在を検知すると、検知した情報を制御部11に送信してもよい。例えば、制御部11は、人感センサから検知情報を取得すると、発光モジュール12を点灯させるコマンドを電源部13に送信したり、人感センサから検知情報を取得すると、点灯している発光モジュール12を消灯させるコマンドを電源部13に送信したりしてもよい。これにより、照明装置10は、人が存在すれば点灯し、人が存在しなくなれば消灯する。
【0032】
発光モジュール12は、照明装置10が周囲を照明するための光を出射する。発光モジュール12は、光を放射状に発するLED(Light Emitting Diode)を有するモジュールである。発光モジュール12は、例えば白色光を出射するように構成される光源と、光源を実装するための実装基板とを有する。
【0033】
光源は、COB(Chip On Board)型LEDで構成され、実装基板上に実装されたベアチップ(LEDチップ)である複数の青色LEDと、それら青色LEDを封止し、黄色蛍光体を含む封止部材とを有する。実装基板には、光源を発光させるために、直流電流を電源部13から受電する電極端子が形成される。電極端子には、配線に接続されたリード線等を介して直流電流が供給される。なお、光源は、COB型LEDに限定されず、SMD(Surface Mount Device)型のLEDであってもよい。
【0034】
電源部13は、発光モジュール12に電力を供給する電源回路が内蔵されたモジュールである。電源部13に内蔵された電源回路は、電源部13に接続された配線から供給された交流電流を直流電流に変換し、変換した直流電流を、リード線を介して発光モジュール12の光源に供給する。
【0035】
車両50は、各々の照明装置10に搭載される情報出力部20から、周囲に存在する移動体情報を受信する。車両50は、この移動体情報に基づいて、走行を継続したり、走行を停止したりするといった判断に用いることができる。
【0036】
[動作]
次に、情報システム1a及び情報送信方法の動作について説明する。
【0037】
図3は、実施の形態1に係る情報システム1aの動作を例示するシーケンス図である。
【0038】
図3に示すように、各々の照明装置10に搭載される情報出力部20の検知部21は、照明装置10の周囲に存在する移動体90を検知する(S11)。つまり、照明装置10の周囲には車両50が存在している。
【0039】
次に、情報出力部20は、当該車両50に対して移動体情報を送信する(S12)。車両50は、移動体情報を受信する。そして、情報システム1aは、処理を終了する。
【0040】
このように、例えば施設から車両50が出発する場合に、照明装置10の周囲に存在する移動体90(出発しようとする車両50、及び、当該車両50以外の移動体90)を検知し、検知した移動体情報を当該車両50に送信する。これにより、車両50は、移動体情報(車両50以外の他の移動体情報)を受信することができる。このため、車両50は、移動体情報に示される移動体90の位置情報、移動体90の速度情報、移動体90の進行方向情報、及び、移動体90の種類情報に基づいて、車両50を出発させることができるかどうかの判断に用いることができる。
【0041】
[作用効果]
次に、本実施の形態における情報システム1a及び情報送信方法の作用効果について説明する。
【0042】
上述したように、本実施の形態に係る情報システム1aは、施設の屋外に設置される情報システム1aである。また、情報システム1aは、周囲に存在する移動体情報を取得する情報出力部20を備える。そして、情報出力部20は、移動体情報を車両50に送信する。
【0043】
通常、住宅街等では、障害物による死角が多く、移動体を検知するインフラセンサ(例えばオービス(登録商標)等のセンサ)が設置されていない環境下にある。しかし、この情報システム1aによれば、情報出力部20が、情報出力部20の周囲に存在する車両50に対して移動体情報を送信する。つまり、住宅街等に通常設置されている照明装置、インターホン、宅配ボックス等の装置を用いることで、住宅街等を走行する移動体90を検知することができるため、住宅街等での障害物による死角を減らすことができる。これにより、車両50は、例えば、移動体情報に基づいて、走行を停止したり、発進したりする等の判断に用いることができる。
【0044】
したがって、住宅街であっても、自動運転車両が安全に走行することができるための補助を行うことができる。
【0045】
また、本実施の形態に係る情報システム1aは、さらに、情報出力部20を搭載する照明装置10を備える。
【0046】
また、本実施の形態に係る情報送信方法は、施設の屋外に設置される情報出力部20が、周囲に存在する移動体情報を取得することと、情報出力部20が取得した移動体情報を車両50に送信することとを含む。
【0047】
これらにおいても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0048】
また、本実施の形態に係る情報システム1aにおいて、情報出力部20は、周囲に存在する移動体90を検知し、検知した移動体情報を出力する検知部21と、検知部21が出力した移動体情報を車両50に送信する通信部22とを有する。
【0049】
これによれば、検知部21が情報出力部20の周囲に存在する移動体90を検知し、通信部22が検知した移動体情報を車両50に送信することができる。このため、移動体90を精度よく検知することができる。
【0050】
また、本実施の形態に係る情報システム1aにおいて、移動体情報は、移動体90の位置情報、移動体90の速度情報、移動体90の進行方向情報、及び、移動体90の種類情報である。
【0051】
これによれば、車両50は、自車両50以外の他の移動体90の動きをより精度よく予測するための情報を取得することができる。このため、情報システム1aでは、自動運転車両が安全に走行することができるための補助をより適切に行うことができる。
【0052】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2に係る情報システム1bを例示するブロック図である。
【0053】
本実施の形態において、情報システム1b及び情報送信方法では、端末装置210がビーコン信号を発する点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0054】
図4に示すように、情報システム1bは、1以上の照明装置10の他に、さらに、移動体90に保持される端末装置210を備える。例えば、端末装置210は、スマートフォン、タブレット端末等である。なお、端末装置210は、ビーコン信号を発する発信機を搭載した杖、名札、ICカード、カードケース等でもよい。つまり端末装置210は、移動体90(例えば自動車等)に搭載される又は移動体90(例えば人)に所持される装置である。
【0055】
例えば杖、名札、ICカード、カードケース等はユーザが常備するものであるため、端末装置210は、車両50に対してユーザの正確な移動体情報を送信することができる。また、このような端末装置210は、ビーコン信号の通信プロトコルだけでなく、アドホックネットワークの通信プロトコルも備えるため、施設内におけるアドホックネットワークを構成する装置とも連動できる。このように、端末装置210は、車両50に対して自動運転を補助する移動体情報を送信するだけでなく、ユーザの帰宅時の照明装置10との連動、電気錠の開閉等といった、IoT(Internet of Things)システムを構成する。
【0056】
また、端末装置210は、夜に視認し易い光反射シートを備えた装置であってもよい。このため、端末装置210には、さらに、視認性に優れた機能を付属させてもよい。
【0057】
端末装置210は、移動体情報を含むビーコン信号を発する。具体的には、端末装置210は、端末装置210の位置情報、速度情報、進行方向情報、及び、種類情報を含むビーコン信号を発する。例えば、位置情報は、端末装置210が備えるGPS(Global Positioning System)機能により取得してもよい。また、速度情報は、端末装置210が備える速度センサにより取得してもよい。さらに、進行方向情報は、端末装置210が備える地磁気センサにより取得してもよい。また、種類情報は、ユーザが端末装置210に予め入力したデータによって取得してもよい。また、端末装置210は、撮像装置を備えていてもよい。端末装置210は、撮像装置によって撮像した情報に基づいて、端末装置210の位置情報、速度情報、進行方向情報、及び、種類情報を割り出してもよい。
【0058】
端末装置210が発するビーコン信号が届く距離に車両50が存在する場合に、車両50は、端末装置210が発するビーコン信号を受信する。車両50は、各々の照明装置10からの移動体情報だけでなく、移動体90に用いられる端末装置210からも移動体情報を取得する。
【0059】
[動作]
次に、情報システム1b及び情報送信方法の動作について説明する。
【0060】
図5は、実施の形態2に係る情報システム1bの動作を例示するシーケンス図である。図3と同一の処理についてはその適宜その説明を省略する。
【0061】
図5に示すように、車両50は、近くに端末装置210が近づくと、端末装置210が発するビーコン信号を受信する(S111)。端末装置210が常にビーコン信号を発しているため、車両50は、ビーコン信号の受信エリアに入れば、ビーコン信号を受信する。
【0062】
また、一方で、各々の照明装置10に搭載される情報出力部20の検知部21は、照明装置10の周囲に存在する移動体90を検知する(S11)。
【0063】
次に、情報出力部20は、当該車両50に対して移動体情報を送信する(S12)。車両50は、移動体情報を受信する。そして、情報システム1bは、処理を終了する。
【0064】
[作用効果]
次に、本実施の形態における情報システム1b及び情報送信方法の作用効果について説明する。
【0065】
上述したように、本実施の形態に係る情報システム1bは、さらに、移動体90に保持される端末装置210を備える。また、端末装置210は、移動体情報を含むビーコン信号を発する。そして、車両50は、端末装置210が発するビーコン信号を受信する。
【0066】
このように、ビーコン信号によって端末装置210の移動体情報を取得できるため、走行中の車両50は、カメラ又はセンサ等の検知部21で補えない物陰からの情報を正確に把握することができる、つまり、上空から俯瞰した地図のように端末装置210の位置を正確に把握することができる。移動体90と衝突しないように減速若しくは停止、又は、ビーコン信号の発信源を避けるように迂回したりするといった一連の動作をするように、車両50にプログラムすることができる。このため、車両50は、事故を未然に回避したりすることができる。さらに、検知部21が取得した移動体情報と合わせることで、車両50は、様々な環境に応じた対応を取ることができる。
【0067】
また、情報システム1bが移動体情報を車両50に送信し、端末装置210がビーコン信号を送信する。このため、例えば、通信環境の悪化によって情報システム1bと車両50とが通信できなくなっても、車両50は、端末装置210が発するビーコン信号を受信することができる。このため、情報システム1bでは、車両50に対して移動体情報を確実に送信することができる。
【0068】
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態1、2に基づいて説明したが、本開示は、上記情報システム及び情報送信方法に限定されるものではない。
【0069】
例えば、上記実施の形態1、2に係る情報システム及び情報送信方法では、各々の照明装置に搭載される情報出力部がクラウドを介して、移動体情報を車両に送信してもよい。
【0070】
また、上記実施の形態1、2に係る情報システムの各々の照明装置は、施設の屋内にある照明装置と通信可能に接続されていてもよい。また、各々の照明装置は、シングルプロトコル又はマルチプロトコルによる無線通信を行うことが可能であってもよい。
【0071】
また、上記実施の形態1、2に係る情報システムの各々の照明装置は、施設の屋内にある、スピーカ、エアコン等の家電機器と連動してもよい。例えば、各々の照明装置の点灯と同時に、スピーカが音を発したり、エアコンが起動したりしてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態1、2に係る情報送信方法は、コンピュータを用いて実現するプログラムであってもよい。
【0073】
また、上記実施の形態1、2に係る情報システムに含まれる各処理部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0074】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0075】
なお、上記各実施の形態1、2において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0076】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0077】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0078】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0079】
その他、実施の形態1、2に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態1、2における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1a、1b 情報システム
10 照明装置
10a スポットライト(照明装置)
10b 表札灯(照明装置)
10c ダウンライト(照明装置)
10d ポーチライト(照明装置)
10e ガーデンライト(照明装置)
20 情報出力部
21 検知部
22 通信部
50 車両
90 移動体
210 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5