(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240510BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240510BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240510BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240510BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20240510BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240510BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V19/00 500
F21S2/00 230
F21S8/04 130
F21V23/00 160
F21Y103:10
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020112125
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 芳朗
(72)【発明者】
【氏名】今井 敦史
(72)【発明者】
【氏名】北川 拓也
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-076749(JP,A)
【文献】特表2013-521594(JP,A)
【文献】特開2017-228352(JP,A)
【文献】特開2018-101611(JP,A)
【文献】特開2011-142063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 19/00-19/06
F21V 23/00-99/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の器具本体と、長尺の光源ユニットと、前記器具本体に対して前記光源ユニットを着脱可能に取り付ける取付部材とを備え、
前記取付部材は、前記器具本体に配置される1つ以上の取付ばねと、前記取付ばねの一部が引っ掛かる引掛部とを有し、
前記光源ユニットは、長尺の光源モジュールと、前記光源モジュールを支持する支持部材とを有し、
前記光源モジュールは、長尺の基板と、前記基板の表面に配置される複数の発光素子とを有し、
前記支持部材は、長尺の板状に形成されて前記基板の裏面と対向する主部と、前記主部の長手方向に沿った一対の側端から前記基板の裏面側に起立する一対の側壁部とを有し、
前記器具本体は、前記光源ユニットの取付時において、前記一対の側壁部のそれぞれの先端を前記器具本体から離れる方向へ案内する案内部材を有し、
前記案内部材は、前記器具本体の長手方向に沿って前記取付ばねと並んでいる、
照明器具。
【請求項2】
長尺の器具本体と、長尺の光源ユニットと、前記器具本体に対して前記光源ユニットを着脱可能に取り付ける取付部材とを備え、
前記光源ユニットは、長尺の光源モジュールと、前記光源モジュールを支持する支持部材とを有し、
前記光源モジュールは、長尺の基板と、前記基板の表面に配置される複数の発光素子とを有し、
前記支持部材は、長尺の板状に形成されて前記基板の裏面と対向する主部と、前記主部の長手方向に沿った一対の側端から前記基板の裏面側に起立する一対の側壁部とを有し、
前記取付部材は、前記器具本体に配置される1つ以上の取付ばねと、前記取付ばねの一部が引っ掛かる引掛部とを有し、
前記引掛部は、前記一対の側壁部が互いに向き合う前記側壁部の内側面に設けられ、
前記器具本体は、前記光源ユニットの取付時において、前記一対の側壁部のそれぞれの先端を前記器具本体から離れる方向へ案内する案内部材と、前記取付ばねの変形量を制限する制限部材とを有する、
照明器具。
【請求項3】
長尺の器具本体と、長尺の光源ユニットと、前記器具本体に対して前記光源ユニットを着脱可能に取り付ける取付部材と、外部電源から前記光源ユニットに給電するための電源線とを備え、
前記光源ユニットは、長尺の光源モジュールと、前記光源モジュールを支持する支持部材とを有し、
前記光源モジュールは、長尺の基板と、前記基板の表面に配置される複数の発光素子とを有し、
前記支持部材は、長尺の板状に形成されて前記基板の裏面と対向する主部と、前記主部の長手方向に沿った一対の側端から前記基板の裏面側に起立する一対の側壁部とを有し、
前記器具本体は、前記光源ユニットの取付時において、前記一対の側壁部のそれぞれの先端を前記器具本体から離れる方向へ案内する案内部材を有し、
前記案内部材は、前記電源線が配線可能な空間を有する、
照明器具。
【請求項4】
長尺の器具本体と、長尺の光源ユニットと、前記器具本体に対して前記光源ユニットを着脱可能に取り付ける取付部材とを備え、
前記光源ユニットは、長尺の光源モジュールと、前記光源モジュールを支持する支持部材とを有し、
前記光源モジュールは、長尺の基板と、前記基板の表面に配置される複数の発光素子とを有し、
前記支持部材は、長尺の板状に形成されて前記基板の裏面と対向する主部と、前記主部の長手方向に沿った一対の側端から前記基板の裏面側に起立する一対の側壁部とを有し、
前記器具本体は、前記光源ユニットの取付時において、前記一対の側壁部のそれぞれの先端を前記器具本体から離れる方向へ案内する案内部材を有し、
前記器具本体は、つりボルトが挿通されるボルト挿通孔が設けられ、
前記器具本体は、外部電源から前記光源ユニットに給電するための電源線を、前記ボルト挿通孔を避けるように保持する保持部材を有する、
照明器具。
【請求項5】
前記引掛部は、前記一対の側壁部が互いに向き合う前記側壁部の内側面に設けられ、
前記器具本体は、前記取付ばねの変形量を制限する制限部材を有する、
請求項
1記載の照明器具。
【請求項6】
前記取付部材は、前記器具本体に配置される1つ以上の取付ばねと、前記取付ばねの一部が引っ掛かる引掛部とを有し、
前記引掛部は、前記一対の側壁部が互いに向き合う前記側壁部の内側面に設けられ、
前記器具本体は、前記取付ばねの変形量を制限する制限部材を有する、
請求項
3又は4記載の照明器具。
【請求項7】
外部電源から前記光源ユニットに給電するための電源線を備え、
前記案内部材は、前記電源線が配線可能な空間を有する、
請求項
1又は2又は4又は5記載の照明器具。
【請求項8】
前記器具本体は、つりボルトが挿通されるボルト挿通孔が設けられ、
前記器具本体は、外部電源から前記光源ユニットに給電するための電源線を、前記ボルト挿通孔を避けるように保持する保持部材を有する、
請求項
1又は2又は3又は5記載の照明器具。
【請求項9】
前記案内部材は、前記側壁部の内側面に沿って前記器具本体から突出する1つ以上の案内片を有する、
請求項1-8のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記案内部材と前記制限部材は、1つの合成樹脂成形体として一体に形成されている、請求項2又は6記載の照明器具。
【請求項11】
前記案内部材と前記保持部材は、1つの合成樹脂成形体として一体に形成されている、請求項4又は8記載の照明器具。
【請求項12】
前記器具本体は、つりボルトが挿通されるボルト挿通孔が設けられ、外部電源から前記光源ユニットに給電するための電源線を、前記ボルト挿通孔を避けるように保持する保持部材を有し、
前記案内部材、前記制限部材及び前記保持部材は、1つの合成樹脂成形体として一体に形成されている、
請求項2又は5又は6記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、より詳細には、光源ユニット及び当該光源ユニットが着脱可能に取り付けられる器具本体を備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の照明装置(照明器具)を例示する。特許文献1記載の照明装置は、光源となる発光素子を有する長尺状の光源ユニットと、光源ユニットが取り付けられる器具本体を有する長尺状の照明器具(器具本体)と、を備える。器具本体は、長方形の板状に形成された底部と、底部の短手方向の両側辺からそれぞれ立ち上がり突出して設けられている側面部とを有して長尺の箱状に形成されている。
【0003】
光源ユニットは、長尺状に形成されており、器具本体に一部が収容され、器具本体に着脱自在に取り付けられる。光源ユニットの長手方向の両端にそれぞれバネが設けられている。2つのバネはそれぞれ、バネ係合部を有している。バネ係合部は、器具本体の一対の側面部の先端に設けられた凸部に係合する。
【0004】
特許文献1記載の照明装置では、光源ユニットが器具本体に取り付けられる際、バネ係合部が器具本体に対する光源ユニットのガイドとなるため、光源ユニットを器具本体に容易に取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、器具本体が一対の側壁を有しない場合、器具本体に光源ユニットを取り付ける際に光源ユニットをガイドすることが困難となり、光源ユニットの取付作業の作業性が低下する可能性がある。
【0007】
本開示の目的は、器具本体に対する光源ユニットの取付作業の作業性の向上を図ることができる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る照明器具は、長尺の器具本体と、長尺の光源ユニットと、前記器具本体に対して前記光源ユニットを着脱可能に取り付ける取付部材とを備える。前記取付部材は、前記器具本体に配置される1つ以上の取付ばねと、前記取付ばねの一部が引っ掛かる引掛部とを有する。前記光源ユニットは、長尺の光源モジュールと、前記光源モジュールを支持する支持部材とを有する。前記光源モジュールは、長尺の基板と、前記基板の表面に配置される複数の発光素子とを有する。前記支持部材は、長尺の板状に形成されて前記基板の裏面と対向する主部と、前記主部の長手方向に沿った一対の側端から前記基板の裏面側に起立する一対の側壁部とを有する。前記器具本体は、前記光源ユニットの取付時において、前記一対の側壁部のそれぞれの先端を前記器具本体から離れる方向へ案内する案内部材を有する。前記案内部材は、前記器具本体の長手方向に沿って前記取付ばねと並んでいる。
本開示の一態様に係る照明器具は、長尺の器具本体と、長尺の光源ユニットと、前記器具本体に対して前記光源ユニットを着脱可能に取り付ける取付部材とを備える。前記光源ユニットは、長尺の光源モジュールと、前記光源モジュールを支持する支持部材とを有する。前記光源モジュールは、長尺の基板と、前記基板の表面に配置される複数の発光素子とを有する。前記支持部材は、長尺の板状に形成されて前記基板の裏面と対向する主部と、前記主部の長手方向に沿った一対の側端から前記基板の裏面側に起立する一対の側壁部とを有する。前記取付部材は、前記器具本体に配置される1つ以上の取付ばねと、前記取付ばねの一部が引っ掛かる引掛部とを有する。前記引掛部は、前記一対の側壁部が互いに向き合う前記側壁部の内側面に設けられる。前記器具本体は、前記光源ユニットの取付時において、前記一対の側壁部のそれぞれの先端を前記器具本体から離れる方向へ案内する案内部材と、前記取付ばねの変形量を制限する制限部材とを有する。
本開示の一態様に係る照明器具は、長尺の器具本体と、長尺の光源ユニットと、前記器具本体に対して前記光源ユニットを着脱可能に取り付ける取付部材と、外部電源から前記光源ユニットに給電するための電源線とを備える。前記光源ユニットは、長尺の光源モジュールと、前記光源モジュールを支持する支持部材とを有する。前記光源モジュールは、長尺の基板と、前記基板の表面に配置される複数の発光素子とを有する。前記支持部材は、長尺の板状に形成されて前記基板の裏面と対向する主部と、前記主部の長手方向に沿った一対の側端から前記基板の裏面側に起立する一対の側壁部とを有する。前記器具本体は、前記光源ユニットの取付時において、前記一対の側壁部のそれぞれの先端を前記器具本体から離れる方向へ案内する案内部材を有する。前記案内部材は、前記電源線が配線可能な空間を有する。
本開示の一態様に係る照明器具は、長尺の器具本体と、長尺の光源ユニットと、前記器具本体に対して前記光源ユニットを着脱可能に取り付ける取付部材とを備える。前記光源ユニットは、長尺の光源モジュールと、前記光源モジュールを支持する支持部材とを有する。前記光源モジュールは、長尺の基板と、前記基板の表面に配置される複数の発光素子とを有する。前記支持部材は、長尺の板状に形成されて前記基板の裏面と対向する主部と、前記主部の長手方向に沿った一対の側端から前記基板の裏面側に起立する一対の側壁部とを有する。前記器具本体は、前記光源ユニットの取付時において、前記一対の側壁部のそれぞれの先端を前記器具本体から離れる方向へ案内する案内部材を有する。前記器具本体は、つりボルトが挿通されるボルト挿通孔が設けられる。前記器具本体は、外部電源から前記光源ユニットに給電するための電源線を、前記ボルト挿通孔を避けるように保持する保持部材を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の照明器具は、器具本体に対する光源ユニットの取付作業の作業性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る照明器具の斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の照明器具の一部破断した分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の照明器具の分解斜視図である。
【
図7】
図7は、同上の照明器具における器具本体の正面図である。
【
図8】
図8は、同上の照明器具における器具本体の一部省略した分解斜視図である。
【
図9】
図9は、同上の照明器具における器具本体の一部省略した正面図である。
【
図10】
図10は、同上の照明器具における光源ユニットの平面図である。
【
図12】
図12は、同上の照明器具におけるエンド部材の斜視図である。
【
図13】
図13は、同上の照明器具におけるエンド部材の分解斜視図である。
【
図14】
図14は、同上の照明器具におけるエンド部材の分解斜視図である。
【
図15】
図15は、同上の照明器具のエンド部材を省略した側面図である。
【
図16】
図16は、同上の照明器具の一部省略した断面図である。
【
図17】
図17は、同上の照明器具の一部省略した正面図である。
【
図18】
図18は、同上の照明器具の変形例における器具本体の一部省略した分解斜視図である。
【
図19】
図19は、同上の照明器具の変形例における器具本体の一部省略した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(1)本開示の実施形態の概要
本開示の実施形態に係る照明器具A1は、長尺の器具本体1と、長尺の光源ユニット2と、器具本体1に対して光源ユニット2を着脱可能に取り付ける取付部材3とを備える。光源ユニット2は、長尺の光源モジュール20と、光源モジュール20を支持する支持部材21とを有する。光源モジュール20は、長尺の基板200と、基板200の表面に配置される複数のLED201とを有する。支持部材21は、長尺の板状に形成されて基板200の裏面と対向する主部210と、主部210の長手方向に沿った一対の側端から基板200の裏面側に起立する一対の側壁部211とを有する。器具本体1は、光源ユニット2の取付時において、一対の側壁部211のそれぞれの先端を器具本体1から離れる方向へ案内する案内部材40を有する。
【0013】
しかして、本開示の実施形態に係る照明器具A1は、案内部材40によって、一対の側壁部211のそれぞれの先端を器具本体1から離れる方向へ案内するので、案内部材40がない場合に比べて、側壁部211の先端が器具本体1に引っ掛かりにくくなる。その結果、本開示の実施形態に係る照明器具A1は、特許文献1記載の照明装置などの従来例に比べて、器具本体1に対する光源ユニット2の取付作業の作業性の向上を図ることができる。
【0014】
(2)実施形態の詳細な説明
(2-1)照明器具
本開示の実施形態に係る照明器具A1(以下、照明器具A1と略す。)は、
図1-
図6に示すように、長尺の器具本体1と、長尺の光源ユニット2と、器具本体1に対して光源ユニット2を着脱可能に取り付けるための取付部材3とを備えている。照明器具A1は、例えば、オフィスビルの執務室の天井などに直付けされる。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図1において矢印で示す上下、前後及び左右の各方向を照明器具A1及び光源ユニット2のそれぞれの上下、前後及び左右の各方向と規定する。
【0015】
(2-2)器具本体
器具本体1は、長尺の長方形状に形成された底板10と、底板10の長手方向(左右方向)に沿った両端(前端及び後端)から上向きに立ち上がる一対の側板11とを有している(
図4参照)。底板10と一対の側板11は、1枚の金属板が曲げ加工されることによって一体に形成される。つまり、一対の側板11は、底板10の強度を向上させる機能を有している。
【0016】
底板10は、2つの第1電線孔12、2つの第2電線孔13、2つのボルト挿通孔14、及び2つの引掛穴18を有している(
図4及び
図6参照)。
【0017】
2つの第1電線孔12は、底板10の長手方向の両端(左端及び右端)に設けられた円形の孔である。2つの第1電線孔12のうちの一方の第1電線孔12には、外部電源(例えば、商用の電力系統)に接続された電源ケーブル80が挿通される(
図7参照)。各第1電線孔12には、円環状の合成樹脂成形体からなるブッシング120がはめ込まれており、ブッシング120によって電源ケーブル80を底板10の第1電線孔12のエッジから保護している。
【0018】
電源ケーブル80は、底板10の下面に取り付けられた電源端子台15に接続される(
図7参照)。電源端子台15は、底板10の第1電線孔12の近くに取り付けられている。電源ケーブル80は、電源端子台15を介して2本の電線17と電気的に接続される。
【0019】
一方の電源端子台15に接続された2本の電線17、他方の電源端子台15に接続された2本の電線17、及びプラグコネクタ16に接続された2本の電線17が、閉端接続子82によって、各々1本ずつ接続されている(
図7参照)。なお、電源ケーブル80に含まれる3本の電線のうちの1本の電線17(接地極の電線)は、圧着端子によって器具本体1の底板10と電気的に接続されている。
【0020】
2つの第2電線孔13は、底板10の長手方向の中央と各第1電線孔12の間に設けられた長円形の孔である(
図7参照)。2つの第2電線孔13のうちの一方の第2電線孔13には、外部の信号送信源に接続された信号ケーブルが挿通される。第2電線孔13に挿通された信号ケーブルは、光源ユニット2に設けられる信号端子台52(後述する)に接続される。ただし、各第2電線孔13には、後述する機能ブロック4のブッシング部43がはめ込まれており、ブッシング部43によって信号ケーブルを底板10の第2電線孔13のエッジから保護している(
図7参照)。
【0021】
2つのボルト挿通孔14はそれぞれ、底板10の電源端子台15と第2電線孔13の間に1つずつ設けられた長円形の孔である(
図7参照)。これら2つのボルト挿通孔14には、天井から突出するつりボルトが1本ずつ挿通される。そして、ボルト挿通孔14に挿通されたつりボルトにナットが締め付けられることにより、器具本体1が天井に固定される。
【0022】
2つの引掛穴18はそれぞれ、底板10の第2電線孔13よりも中央寄りに設けられただるま穴である(
図7参照)。これら2つの引掛穴18には、光源ユニット2を仮つりするための2本のひもの先端が差し込まれて引っ掛けられる。
【0023】
(2-3)取付部材
器具本体1には2つの取付部材3が設けられている。各取付部材3は、取付ばね30を1つずつ有している(
図4及び
図5参照)。取付ばね30は、一対のばね片300と、一対のばね片300同士を連結する連結片301とを有している(
図8参照)。なお、一対のばね片300と連結片301は、帯板状の金属板が曲げ加工されることによってU字状に形成されている。各ばね片300の先端部分(下端部分)は、V字状に折り曲げられることにより、先端(下端)に向かって内側に傾斜している。
【0024】
これら2つの取付ばね30は、器具本体1の底板10にねじ止めによって固定される。すなわち、各取付ばね30の連結片301が、底板10における電源端子台15とボルト挿通孔14の間にねじ止めされる。そして、一対のばね片300はそれぞれ、器具本体1の短手方向(前後方向)に沿って変形(たわみ)可能である。
【0025】
(2-4)機能ブロック
器具本体1は、2つの機能ブロック4を有している(
図4参照)。各機能ブロック4は、案内部材40、制限部材41、保持部材42及びブッシング部43を有している(
図8参照)。機能ブロック4は、案内部材40、制限部材41、保持部材42及びブッシング部43を一体に形成した合成樹脂成形体で構成されている。ただし、案内部材40、制限部材41、保持部材42及びブッシング部43は、それぞれが別体に形成されてもよいし、少なくとも2つの部材が一体に形成されてもよい。
【0026】
制限部材41は、四角形の平板状に形成されている(
図8参照)。制限部材41は、取付ばね30の一対のばね片300の内側に1つずつ配置される。そして、各ばね片300が内側に変形したとき(たわんだとき)、各ばね片300が制限部材41に当たることによって、各ばね片300の変形量(たわみ量)が制限される。つまり、制限部材41は、取付ばね30のばね片300が塑性変形することを防ぐことができる。
【0027】
案内部材40は、4つの案内片400を有している(
図8参照)。4つの案内片400は、一対の制限部材41のそれぞれの両端に1つずつ配置されている。すなわち、器具本体1の長手方向(左右方向)に並ぶ2つの案内片400の間に制限部材41が配置されている。
【0028】
各案内片400は、先端(下端)を三角形状とした角柱状に形成されている。各案内片400は、機能ブロック4が器具本体1に取り付けられた状態において、各案内片400の先端が取付ばね30のばね片300の先端よりも先(下)に位置する長さに形成されている。ただし、4つの案内片400のうちで器具本体1の短手方向(前後方向)に沿って並ぶ2つの案内片400の先端(下端)同士をつなぐことにより、案内片がU字状に形成されても構わない。
【0029】
保持部材42は、一対の第1保持片421、第2保持片422及び第3保持片423を有している(
図7-
図9参照)。一対の第1保持片421は、長手方向の一端が湾曲した長尺の板状に形成されている。また、一対の第1保持片421は、機能ブロック4が器具本体1に取り付けられた状態において、上下方向から見てボルト挿通孔14の周囲を囲むように構成されている。一対の第1保持片421は、器具本体1の側板11との間に配線用の空間を形成し、当該空間に配置される電線17を保持するように構成されている。しかして、一対の第1保持片421が電線17を保持することにより、ボルト挿通孔14に挿通されるつりボルトで電線17の被覆が傷付くというような不具合の発生を抑制することができる(
図7及び
図9参照)。
【0030】
第2保持片422は、一対の制限部材41の先端(下端)をまたぐように細い板状に形成されている(
図7-
図9参照)。第2保持片422は、器具本体1の底板10との間に配線用の空間を形成し、当該空間に配置される電線17を保持するように構成されている(
図7及び
図9参照)。
【0031】
第3保持片423は、おおむねL字形状に形成されている(
図8参照)。第3保持片423は、制限部材41を挟んで第1保持片421と反対側(電源端子台15と隣接する側)に配置されている(
図7参照)。そして、第3保持片423は、電源端子台15に接続される電線17の下方に位置して電線17を保持するように構成されている(
図7及び
図9参照)。
【0032】
ブッシング部43は、長円形の筒状に形成された本体部430と、本体部430の下端から本体部430の外側に突出するフランジ部431と、フランジ部431の先端から突出する舌片432とを有している(
図8参照)。舌片432には円形のねじ挿通孔433が貫通している。本体部430は、機能ブロック4が器具本体1に取り付けられた状態において、第2電線孔13に挿通される(
図7参照)。すなわち、ブッシング部43は、第2電線孔13に挿通される本体部430により、底板10の第2電線孔13のエッジから信号ケーブルの被覆を保護することができる。
【0033】
機能ブロック4は、複数の爪44を有している(
図8参照)。1つの爪44は、フランジ部431の先端に設けられている。残り2つの爪44は、案内部材40の端部に設けられている。器具本体1の底板10において、第2電線孔13の近傍にねじ孔100が設けられている。また、底板10において、取付ばね30と電源端子台15の間にC字状の引掛溝101が設けられている。
【0034】
機能ブロック4は、フランジ部431の先端に設けられた爪44を第2電線孔13の縁に引っ掛け、案内部材40の端部に設けられた2つの爪44を引掛溝101の両端の縁に引っ掛け、舌片432のねじ挿通孔433に挿通されるねじをねじ孔100にねじ込むことで器具本体1に取り付けられる。
【0035】
(2-5)光源ユニット
光源ユニット2は、光源モジュール20、支持部材21、カバー22、電源ユニット5及び一対のエンド部材6を備える(
図4及び
図5参照)。
【0036】
(2-5-1)光源モジュール
光源モジュール20は、2つの基板200と、各基板200の表面(下面)に実装された複数の発光素子(LED201)とを有している(
図5参照)。各基板200は、長尺の長方形状に形成されている。各基板200の表面には、複数のLED201を接続するための導体が形成されている。なお、2つの基板200の導体は、各基板200の長手方向の端部に実装されたコネクタを介して接続されている。
【0037】
複数のLED201はそれぞれ、パッケージタイプの照明用白色LEDである。ただし、光源モジュール20の発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子又は半導体レーザ素子などのLED以外の発光素子であっても構わない。
【0038】
(2-5-2)電源ユニット
電源ユニット5は、プリント回路で構成された電源回路50と、電源回路50を収容する電源ケース51とを備える(
図4及び
図11参照)。電源ケース51は、1つの面(下面)が開放された長尺の箱形に形成されている。電源回路50は、電線54を介して外部電源から供給される交流電圧を整流する整流回路、整流回路で整流された脈流電圧を昇圧して平滑する昇圧回路、昇圧回路から出力される直流電圧を降圧する降圧回路、降圧回路を制御する制御回路などを有する。制御回路は、光源モジュール20に供給する電流(負荷電流)を目標値に一致させて定電流化するように降圧回路を制御する。また、制御回路は、信号送信源から信号ケーブル及び信号端子台52を介して入力される信号(調光信号)に応じて、負荷電流の目標値を調整して光源モジュール20を調光する。信号送信源は、例えば、執務室の壁に設置される照明用のコントローラである。なお、電源ケース51から引き出された電線54の先端には、器具本体1のプラグコネクタ16と接続可能なレセプタクルコネクタ55が取り付けられている(
図10参照)。
【0039】
(2-5-3)支持部材
支持部材21は、長尺の板状に形成された主部210と、主部210の長手方向(左右方向)に沿った一対の側端(前端及び後端)から上向きに起立する一対の側壁部211とを有している(
図5参照)。一対の側壁部211は、長尺の長方形状に形成されている。
【0040】
また、支持部材21は、位置決め片212、係止片213、一対のカバー取付片214、一対の引掛部31、及び一対の突起部215を有している(
図11参照)。
【0041】
位置決め片212は、主部210の下面における後端部から下向きに突出する角柱状に形成されている(
図11参照)。係止片213は、主部210の下面における前端部から下向きに突出するL字状に形成されている。位置決め片212及び係止片213はそれぞれ、主部210の長手方向に沿って互いに平行するように主部210の長手方向の全長に渡って形成されている。係止片213と主部210の間の隙間に、光源モジュール20の基板200が差し込まれ、係止片213に基板200が係止される(
図11参照)。そして、位置決め片212により、主部210の前後方向において基板200が位置決めされる。基板200は、複数本のねじによって主部210にねじ止めされる。
【0042】
一対のカバー取付片214はそれぞれ、L字状に形成され、かつ、主部210の長手方向に沿った各側端から下向きに突出している(
図11参照)。各カバー取付片214には、後述するようにカバー22の一対の取付部222が引っ掛けられる。
【0043】
一対の引掛部31はそれぞれ、一対の側壁部211の内側面において、上下方向のほぼ中央から、各側壁部211の長手方向の全長に渡って内向きに突出している(
図11参照)。ただし、各引掛部31の先端部分は、下向きに折れ曲がっている。これら一対の引掛部31は、器具本体1に取り付けられた2つの取付ばね30のそれぞれのばね片300の先端部分に引っ掛かる。つまり、一対の引掛部31は、取付ばね30とともに取付部材3を構成している。
【0044】
一対の突起部215はそれぞれ、一対の側壁部211の内側面における下端部分から、各側壁部211の長手方向の全長に渡って内向きに突出している(
図11参照)。なお、主部210、一対の側壁部211、位置決め片212、係止片213、一対のカバー取付片214、一対の引掛部31、及び一対の突起部215は、アルミ合金などの金属材料が押出成形されることで一体に形成されることが好ましい。
【0045】
(2-5-4)カバー
カバー22は、前壁220と、一対の側壁221と、一対の取付部222とを有する(
図5参照)。前壁220は、長尺の長方形状に形成されている。一対の側壁221はそれぞれ、長尺の長方形状に形成され、前壁220の長手方向に沿った両端(前端及び後端)から上向きに突出している。一対の取付部222はそれぞれ、長尺のU字状に形成され、各側壁部211の上端から、側壁部211の長手方向の全長に渡って内向きに突出している。ここで、前壁220、一対の側壁部211及び一対の取付部222は、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂などの透光性を有する合成樹脂の押出成形によって一体に形成されることが好ましい。なお、カバー22は、光源モジュール20から放射される光を拡散させるため、合成樹脂材料にフィラーが混合されて乳白色に形成されることが好ましい。
【0046】
カバー22は、支持部材21の一対のカバー取付片214のそれぞれに、一対の取付部222を1つずつ引っ掛けることにより、支持部材21に取り付けられる(
図11参照)。支持部材21に取り付けられたカバー22は、主部210の下面に取り付けられた光源モジュール20を覆っている。
【0047】
(2-5-5)エンド部材
エンド部材6は、カバーエンド部60、エンドキャップ部61及び取付具62を有している(
図12-
図14参照)。カバーエンド部60は、筒部600、壁部601、突壁602、台座603、一対の結合部604、及び一対の押さえ片605を有している。
【0048】
筒部600は、角筒状に形成されている。壁部601は、四角形の平板状に形成され、筒部600の軸方向の一端と結合されて筒部600の軸方向の一端を塞いでいる。壁部601の上面には、軸方向を前後方向とした三角柱状のかん合突部606が設けられている(
図13参照)。
【0049】
突壁602は、四角形の平板状に形成され、筒部600の上面における壁部601寄りの位置から上向きに突出している。台座603は、四角形の平板状に形成され、突壁602の上端から筒部600の上面と平行に配置されている。
【0050】
一対の結合部604はそれぞれ、逆L字状に形成され、台座603の上面において壁部601から遠い方の前後両端から上向きに突出している。一対の押さえ片605はそれぞれ、四角形の平板状に形成され、筒部600の開口端(壁部601と反対側の端)における上部の前後両端から筒部600の軸方向に沿って突出している。なお、筒部600、壁部601、突壁602、台座603、一対の結合部604、及び一対の押さえ片605は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂成形体として一体に形成されている。ただし、カバーエンド部60は、カバー22と同様に光源モジュール20から放射される光を拡散させるため、合成樹脂材料にフィラーが混合されて乳白色に形成されることが好ましい。
【0051】
エンドキャップ部61は、通線用の孔611を有する本体610と、本体610に着脱可能に取り付けられ、本体610に取り付けられた状態で孔611を塞ぐ蓋体63とを有している。なお、本体610及び蓋体63はそれぞれ、透光性を有しない合成樹脂成形体で構成されている。
【0052】
本体610は、U字形の平板状に形成されている。本体610の下面に、三角柱状の凹部(かん合凹部618)が形成されている(
図14参照)。本体610の表面は平たん面であり、本体610の裏面には一対の縦片612と、横片613と、一対の支持片614と、一対の突片615が設けられている。
【0053】
一対の縦片612は、おおよそ台形状に形成され、本体610の裏面における孔611の前後両隣から本体610の厚み方向に沿って突出している。横片613は、四角形の平板状に形成され、一対の縦片612の下端をつなぐように、本体610の裏面における孔611の下隣から本体610の厚み方向に沿って突出している。
【0054】
横片613の前後方向の両端に、結合溝616が1つずつ設けられている。これらの結合溝616は、横片613の先端側で開放されて本体610の厚み方向を長手方向とする四角形状に形成されている。また、横片613の上面における結合溝616の近傍に突部617が1つずつ設けられている。これらの突部617は、本体610の厚み方向を軸方向とする四角柱状に形成されている。
【0055】
一対の支持片614は、四角すい状に形成され、一対の縦片612の側面から本体610に沿って孔611に近付く向きに突出している。ここで、一対の支持片614と本体610の間には、蓋体63のフランジ部631がスライド可能に差し込まれる空間が形成されている。
【0056】
一対の突片615は、角柱状に形成され、一対の縦片612の外側面において、縦片612の上下方向のほぼ中央の位置から縦片612の上下方向の厚み方向(前後方向)に沿って外向きに突出している。
【0057】
蓋体63は、四角形の箱状に形成された本体部630と、本体部630の下面及び前後両側面から突出するフランジ部631と、一対の支持部632と、爪部633とを有している(
図13及び
図14参照)。
【0058】
本体部630の表面は平たん面である。フランジ部631のうち、本体部630の前後両側面から突出する部分は、下方に向かって厚みを小さくするように形成されている。
【0059】
一対の支持部632はそれぞれ、台形状に形成され、本体部630の裏面における下方の前後両端から左右方向に突出している。爪部633は、本体部630の下面における前後方向の中央に設けられ、フランジ部631よりも本体部630の表面側に突出している。
【0060】
取付具62は、固定板620、連結板621及び支持板622を有している。固定板620は、長方形の平板状に形成されている。支持板622は、固定板620よりも小さい長方形の平板状に形成されている。連結板621は、Z形に形成され、固定板620の端部と支持板622の端部を連結している。なお、固定板620、連結板621及び支持板622は、1枚の金属板が曲げ加工されることによって一体に形成されている。
【0061】
固定板620は、円形の2つのねじ挿通孔623を有している。取付具62は、固定板620の2つのねじ挿通孔623に挿通したねじを支持部材21の主部210にねじ止めすることによって、支持部材21に固定される。
【0062】
固定板620、連結板621及び支持板622には、2つのかん合溝624が平行するように形成されている(
図12-
図14参照)。
【0063】
(2-5-6)シール部材
光源ユニット2は、シール部材7を備えている。シール部材7は、エンド部材6のカバーエンド部60とカバー22の間に生じる隙間から異物(塵埃及び虫など)が侵入することを阻止する機能を有している。
【0064】
シール部材7は、本体70、シール片71及び一対のリブ72を有している(
図13及び
図14参照)。シール部材7は、例えば、シリコーン樹脂で形成されている。本体70は、おおよそ角筒状に形成されている。ただし、本体70の上側の壁は、下側及び前後両側の壁よりも細く形成されている。シール片71は、U字状に形成され、本体70の下側及び前後両側の壁の先端付近から外向きに突出している。一対のリブ72はそれぞれ、四角形の平板状に形成され、本体70の上側の壁の前後両端から上向きに突出している(
図13参照)。
【0065】
(2-6)光源ユニットの組立工程
次に、光源ユニット2の組立工程を説明する。
【0066】
(2-6-1)支持部材に対する電源ユニットと信号端子台の取付工程
まず、支持部材21の主部210の上面のほぼ中央において、電源ケース51が主部210にねじ止めされることにより、電源ユニット5が支持部材21に取り付けられる(
図10参照)。このとき、電源ケース51の開放された面が主部210で閉塞される(
図11参照)。また、電源ケース51には外側に突出する引掛片510が切り起こして形成されている(
図11参照)。そして、引掛片510が側壁部211の引掛部31に引っ掛かることによって、電源ケース51が支持部材21の主部210から浮き上がることが防止される。
【0067】
また、2つの信号端子台52は、2つの取付ベース23によって支持部材21の主部210の上面に取り付けられる(
図10及び
図15参照)。各取付ベース23は、信号端子台52が固定される固定部230と、主部210にねじ止めされるねじ止め片231とを有している。固定部230とねじ止め片231の間に段差が形成されており、ねじ止め片231が主部210にねじ止めされた状態において、固定部230と主部210の間にスペースが形成される(
図15参照)。なお、固定部230の端部にはV字状の突部233が設けられており、支持部材21の側壁部211に設けられた突起部215に突部233が引っ掛けられることにより、固定部230が側壁部211に支持される(
図15参照)。2つの信号端子台52と電源ユニット5は、それぞれ2本の信号線53で接続される(
図10参照)。
【0068】
固定部230には、それぞれに仮つり用のひもが取り付けられるひも取付部232が設けられている。そして、仮つり用のひもの下端がひも取付部232に取り付けられる。なお、仮つり用のひもは、器具本体1に光源ユニット2を取り付ける際に使用される。
【0069】
(2-6-2)支持部材に対する光源モジュールの取付工程
続いて、主部210の下面に光源モジュール20が取り付けられる。光源モジュール20は、係止片213と主部210の間の隙間に基板200が差し込まれ、かつ、位置決め片212によって位置決めされた状態で基板200が主部210にねじ止めされて主部210に取り付けられる(
図11及び
図16参照)。このとき、主部210に設けられた貫通孔を通して、光源モジュール20と電源ユニット5が電気的に接続される。
【0070】
(2-6-3)支持部材に対するカバーの取付工程
続いて、カバー22の長手方向の一端から、主部210の下面とカバー取付片214の間の隙間にカバー22の取付部222が挿入されることにより、カバー22が主部210に取り付けられる(
図11参照)。なお、カバー22は、主部210のカバー取付片214に取付部222が引っ掛かっているだけであるから、主部210に対して、主部210の長手方向に沿って移動可能である。
【0071】
(2-6-4)エンド部材の取付工程
まず、シール部材7の本体70が、カバーエンド部60の筒部600に被せられるようにして筒部600に取り付けられる。そして、カバーエンド部60の一対の結合部604が、エンドキャップ部61の本体610の一対の結合溝616に1つずつ挿入されてカバーエンド部60とエンドキャップ部61の本体610が結合される(
図12参照)。このとき、カバーエンド部60のかん合突部606とエンドキャップ部61のかん合凹部618がかん合することによってカバーエンド部60とエンドキャップ部61が位置決めされる。
【0072】
続いて、エンドキャップ部61の本体610の一対の突部617が、取付具62の2つのかん合溝624のそれぞれに1つずつかん合されることにより、エンドキャップ部61に取付具62が取り付けられる。
【0073】
そして、エンドキャップ部61の一対の支持片614と本体610の間の空間にフランジ部631が差し込まれることにより、エンドキャップ部61に蓋体63が装着される。なお、蓋体63は、本体部630に設けられた爪部633が、エンドキャップ部61の本体610の裏面に設けられた凹所619に引っ掛かることにより、本体610に対して抜け止めされる(
図16参照)。
【0074】
ここで、蓋体63がエンドキャップ部61に装着された状態において、蓋体63の一対の支持部632と本体610の横片613の間に取付具62の支持板622が挟み込まれる(
図16参照)。その結果、一対の支持部632によって取付具62の上下方向の移動が制限されるので、突部617とかん合溝624のかん合が外れなくなる。
【0075】
上述のように組み立てられたエンド部材6が、支持部材21及びカバー22の長手方向の両端部に1つずつ取り付けられる。具体的には、取付具62の固定板620の前後両端部分が、主部210の上面と一対の突起部215の間に差し込まれる。また、エンドキャップ部61の一対の突片615が、一対の側壁部211の引掛部31の下に差し込まれる。つまり、エンドキャップ部61の一対の突片615は、上下方向において引掛部31に引っ掛けられる。その結果、支持部材21に対するエンドキャップ部61のがたつきが抑制される。そして、固定板620の2つのねじ挿通孔623に挿通される2本のねじにより、固定板620が支持部材21の主部210にねじ止めされる。
【0076】
また、カバーエンド部60の筒部600及びシール部材7がカバー22内に挿入され、エンドキャップ部61の本体610によって支持部材21の長手方向の両端部が塞がれる。カバー22内に挿入されたシール部材7のシール片71は、カバー22の前壁220及び側壁部211の内側面に密着することによってカバーエンド部60とカバー22の隙間を塞いでいる(
図16参照)。
【0077】
ここで、シール部材7の本体70がカバー22の前壁220及び側壁部211の内側面に密着した場合、カバー22が熱の影響で膨張・収縮する際にシール部材7とカバー22の間の摩擦力が大きくなり過ぎてカバー22に過大な応力が発生するおそれがある。
【0078】
しかしながら、上述のようにシール部材7のシール片71をカバー22の前壁220及び側壁部211の内側面に密着させることにより、シール部材7とカバー22の間の摩擦力が必要以上に大きくならず、カバー22に生じる応力の抑制を図ることができる。
【0079】
また、エンド部材6が支持部材21及びカバー22の長手方向の端部に取り付けられると、カバーエンド部60の一対の押さえ片605は、上下方向において光源モジュール20の基板200の端部と重なる位置に配置される(
図16参照)。したがって、カバーエンド部60に外力が加わった際、押さえ片605が基板200を押さえることにより、カバーエンド部60がカバー22内に倒れ込むことを防ぐことができる。
【0080】
上述のように支持部材21及びカバー22の長手方向の両端部にエンド部材6が1つずつ取り付けられることにより、光源ユニット2の組立が完了する。
【0081】
(2-7)照明器具の施工手順
次に、照明器具A1を天井に取り付ける施工作業の手順を説明する。施工作業を行う作業者は、天井に設けた穴から室内に引き出された電源ケーブル80を器具本体1の第1電線孔12に挿通する。また、作業者は、天井に設けた穴から室内に引き出された信号ケーブルを第2電線孔13に挿通する。そして、作業者は、天井から下に突出する2本のつりボルトを器具本体1の2つのボルト挿通孔14に1本ずつ挿通し、各つりボルトにナットを締め付けて器具本体1を天井に取り付ける。また、作業者は、電源ケーブル80を電源端子台15に接続する。
【0082】
続いて、作業者は、2つの取付ベース23の各ひも取付部232に取り付けた2本のひもの先端を、器具本体1の2つの引掛穴18に1本ずつ引っ掛けることにより、光源ユニット2を2本のひもで器具本体1に仮つりする。この状態で、作業者は、電源ユニット5のレセプタクルコネクタ55を器具本体1のプラグコネクタ16と接続する。さらに、作業者は、器具本体1の第2電線孔13に挿通した信号ケーブルの信号線を信号端子台52に接続する。
【0083】
そして、作業者は、仮つり状態の光源ユニット2を両手で支えながら器具本体1に近付け、器具本体1の取付ばね30を支持部材21の一対の側壁部211の間に挿入する。このとき、案内部材40の案内片400に側壁部211の先端が当たることにより、取付ばね30が一対の側壁部211の間に確実に挿入される。したがって、取付ばね30のばね片300が側壁部211の外側に出てしまい、ばね片300に過大な力が加わって塑性変形するような不具合の発生を防ぐことができる。
【0084】
また、取付ばね30の一対のばね片300の先端部分が内向き(引掛部31から離れる向き)に傾斜している。そのため、作業者は、ばね片300の先端部分を引掛部31につかえさせずにスムーズにたわませ、最終的にばね片300を引掛部31に確実に引っ掛けさせることができる。
【0085】
さらに、制限部材41によってばね片300の変形量(たわみ量)が制限されるので、ばね片300に過大な力が加わって塑性変形するような不具合の発生を防ぐことができる。
【0086】
一対の側壁部211の間に挿入された取付ばね30は、一対のばね片300のそれぞれの先端部分が各側壁部211の内側面の引掛部31に引っ掛かる(
図11及び
図15参照)。つまり、光源ユニット2は、2つの取付ばね30と引掛部31からなる取付部材3によって器具本体1に取り付けられる。なお、作業者が光源ユニット2を下向きに引っ張れば、取付ばね30の先端部分が引掛部31から外れるので、光源ユニット2を器具本体1から取り外すことができる。
【0087】
ここで、光源ユニット2は、
図17に示すように、カバー22の長手方向の端部とエンド部材6のカバーエンド部60の壁部601との間に僅かな隙間を生じさせている。つまり、電源ユニット5が動作して光源モジュール20を点灯させている間はカバー22の温度が上昇し、合成樹脂成形体からなるカバー22が熱膨張によって伸長する。仮に、カバー22の端部とカバーエンド部60の壁部601との間に隙間がなければ、熱膨張で伸長したカバー22の端部が壁部601に接触し、カバー22の伸長が阻止されることでカバー22に反り又は変形などの不具合が生じる可能性がある。しかしながら、光源ユニット2は、上述のようにカバー22の端部とカバーエンド部60の壁部601との間に隙間を設けることにより、熱膨張で伸長したカバー22の端部が壁部601と接触しにくくなる。その結果、光源ユニット2及び照明器具A1は、熱膨張によるカバー22の伸長によってカバー22が破損するなどの不具合の発生を抑制することができる。
【0088】
なお、カバー22の長手方向の端部とエンド部材6のカバーエンド部60の壁部601との間に僅かな隙間を生じさせた場合においても、カバー22と支持部材21の間の境界部分がシール部材7の一対のリブ72で塞がれる(
図17参照)。そのため、カバー22と支持部材21の境界部分の隙間から異物がカバー22内に侵入することを阻止することができる。
【0089】
ところで、複数の照明器具A1が間隔を空けずかつ一列に並ぶように天井に取り付けられる場合がある。この場合、エンドキャップ部61の本体610から蓋体63が取り外され、エンドキャップ部61の孔611を通して電源ケーブル80と信号ケーブルが送り配線される。しかして、作業者は、器具本体1に取り付ける前に光源ユニット2のエンドキャップ部61から蓋体63を引っ張って取り外せばよいので、配線作業の作業性の向上を図ることができる。
【0090】
(3)実施形態の特徴
実施形態に係る照明器具A1の1つの特徴は、器具本体1が案内部材40を有していることである。案内部材40は、一対の側壁部211の先端に当たることにより、一対の側壁部211を器具本体1から離れる方向(外向き)に案内するので、取付ばね30のばね片300が側壁部211の外側に出てしまうことを防ぐことができる。
【0091】
その結果、実施形態に係る照明器具A1は、器具本体1に対する光源ユニット2の取付作業の作業性の向上を図ることができる。
【0092】
また、実施形態に係る照明器具A1において、器具本体1は、ばね片300の変形量を制限する制限部材41を有している。しかして、実施形態に係る照明器具A1は、制限部材41によってばね片300の変形量(たわみ量)が制限されるので、ばね片300に過大な力が加わって塑性変形するような不具合の発生を防ぐことができる。
【0093】
さらに、実施形態に係る照明器具A1では、案内部材40が電線17を配線可能な空間を有している。この空間は、器具本体1の一対の側板11に沿って、器具本体1の長手方向に並ぶ各一対の案内片400に挟まれた空間である(
図9参照)。しかして、案内部材40が上記空間を有しているので、実施形態に係る照明器具A1は、器具本体1のスペースを有効に活用して器具本体1の小型化を図ることができる。
【0094】
また、実施形態に係る照明器具A1において、器具本体1は、ボルト挿通孔14を避けるように電線17を保持する保持部材42を有している(
図9参照)。保持部材42は、一対の第1保持片421、第2保持片422及び第3保持片423を含んでいる。しかして、保持部材42がボルト挿通孔14を避けるように電線17を保持するので、実施形態に係る照明器具A1は、つりボルトによって電線17の被覆(絶縁体)が傷付くことを防ぐことができる。
【0095】
さらに、実施形態に係る照明器具A1において、案内部材40、制限部材41及び保持部材42が1つの合成樹脂成形体(機能ブロック4)として一体に形成されているので(
図8参照)、器具本体1の組立作業の作業性の向上を図ることができる。なお、実施形態に係る照明器具A1では、第2電線孔13のエッジから信号ケーブルを保護するためのブッシング部43が機能ブロック4と一体に形成されている(
図8参照)。そのため、実施形態に係る照明器具A1は、第2電線孔13にブッシングをはめ込む場合に比べて、器具本体1の組立作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
【0096】
(4)変形例
実施形態に係る照明器具A1の変形例について、
図18及び
図19を参照して説明する。ただし、変形例の照明器具A2は、機能ブロック4の構造を除いて、照明器具A1と共通の構成を有している。したがって、変形例の照明器具A2において、照明器具A1と共通の構成要素には同一の符号を付して図示及び説明を適宜省略する。
【0097】
変形例の照明器具A2の機能ブロック4においては、保持部材42の第3保持片423がL字形状に形成されている。また、ブッシング部43のフランジ部431の先端、案内部材40の案内片400の上端のそれぞれに、一対の爪44が設けられている(
図18参照)。機能ブロック4は、これらの爪44が底板10の第2電線孔13の縁及び引掛孔102の縁に引っ掛けられることにより、器具本体1に取り付けられる。
【0098】
変形例の照明器具A2においても、照明器具A1と同様に、保持部材42によって電線17を保持して電線17の被覆が傷付くことを防ぐことができる。
【0099】
(5)まとめ
本開示の第1の態様に係る照明器具(A1;A2)は、長尺の器具本体(1)と、長尺の光源ユニット(2)と、器具本体(1)に対して光源ユニット(2)を着脱可能に取り付ける取付部材(3)とを備える。光源ユニット(2)は、長尺の光源モジュール(20)と、光源モジュール(20)を支持する支持部材(21)とを有する。光源モジュール(20)は、長尺の基板(200)と、基板(200)の表面に配置される複数の発光素子(LED201)とを有する。支持部材(21)は、長尺の板状に形成されて基板(200)の裏面と対向する主部(210)と、主部(210)の長手方向に沿った一対の側端から基板(200)の裏面側に起立する一対の側壁部(211)とを有する。器具本体(1)は、光源ユニット(2)の取付時において、一対の側壁部(211)のそれぞれの先端を器具本体(1)から離れる方向へ案内する案内部材(40)を有する。
【0100】
第1の態様に係る照明器具(A1;A2)は、案内部材(40)を有することにより、取付部材(3)による取付を確実に行うことができ、器具本体(1)に対する光源ユニット(2)の取付作業の作業性の向上を図ることができる。
【0101】
本開示の第2の態様に係る照明器具(A1;A2)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明器具(A1;A2)において、案内部材(40)は、側壁部(211)の内側面に沿って器具本体(1)から突出する1つ以上の案内片(400)を有することが好ましい。
【0102】
第2の態様に係る照明器具(A1;A2)は、案内部材(40)が有する案内片(400)に側壁部(211)が案内されるので、案内部材(40)の小型化を図ることができる。
【0103】
本開示の第3の態様に係る照明器具(A1;A2)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明器具(A1;A2)において、取付部材(3)は、器具本体(1)に配置される1つ以上の取付ばね(30)と、取付ばね(30)の一部が引っ掛かる引掛部(31)とを有することが好ましい。引掛部(31)は、一対の側壁部(211)が互いに向き合う側壁部(211)の内側面に設けられることが好ましい。器具本体(1)は、取付ばね(30)の変形量を制限する制限部材(41)を有することが好ましい。
【0104】
第3の態様に係る照明器具(A1;A2)は、制限部材(41)によって取付ばね(30)の変形量が制限されるので、取付ばね(30)に過大な力が加わって塑性変形するような不具合の発生を防ぐことができる。
【0105】
本開示の第4の態様に係る照明器具(A1;A2)は、第1-第3のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明器具(A1;A2)において、外部電源から光源ユニット(2)に給電するための電源線(電線17)を備えることが好ましい。案内部材(40)は、電源線が配線可能な空間を有することが好ましい。
【0106】
第4の態様に係る照明器具(A1;A2)は、器具本体(1)のスペースを有効に活用して器具本体(1)の小型化を図ることができる。
【0107】
本開示の第5の態様に係る照明器具(A1;A2)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明器具(A1;A2)において、器具本体(1)は、つりボルトが挿通されるボルト挿通孔(14)が設けられることが好ましい。器具本体(1)は、外部電源から光源ユニット(2)に給電するための電源線(電線17)を、ボルト挿通孔(14)を避けるように保持する保持部材(42)を有することが好ましい。
【0108】
第5の態様に係る照明器具(A1;A2)は、保持部材(42)がボルト挿通孔(14)を避けるように電源線を保持するので、ボルト挿通孔(14)に挿通されるつりボルトによって電源線の被覆(絶縁体)が傷付くことを防ぐことができる。
【0109】
本開示の第6の態様に係る照明器具(A1;A2)は、第3の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る照明器具(A1;A2)において、案内部材(40)と制限部材(41)は、1つの合成樹脂成形体として一体に形成されていることが好ましい。
【0110】
第6の態様に係る照明器具(A1;A2)は、器具本体(1)の組立作業の作業性の向上を図ることができる。
【0111】
本開示の第7の態様に係る照明器具(A1;A2)は、第5の態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る照明器具(A1;A2)において、案内部材(40)と保持部材(42)は、1つの合成樹脂成形体として一体に形成されていることが好ましい。
【0112】
第7の態様に係る照明器具(A1;A2)は、器具本体(1)の組立作業の作業性の向上を図ることができる。
【0113】
本開示の第8の態様に係る照明器具(A1;A2)は、第6の態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る照明器具(A1;A2)において、案内部材(40)、制限部材(41)及び保持部材(42)は、1つの合成樹脂成形体として一体に形成されていることが好ましい。
【0114】
第8の態様に係る照明器具(A1;A2)は、器具本体(1)の組立作業の作業性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0115】
A1;A2 照明器具
1 器具本体
2 光源ユニット
3 取付部材
14 ボルト挿通孔
17 電線(電源線)
20 光源モジュール
21 支持部材
30 取付ばね
31 引掛部
40 案内部材
41 制限部材
42 保持部材
200 基板
201 LED(発光素子)
210 主部
211 側壁部
400 案内片