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特許7486232凍結水の膨張から水道管を保護するデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】凍結水の膨張から水道管を保護するデバイス
(51)【国際特許分類】
   E03B 7/10 20060101AFI20240510BHJP
   F16L 55/045 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
E03B7/10 F
F16L55/045
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022560260
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 IB2020053923
(87)【国際公開番号】W WO2021214530
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】16/854,946
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522387087
【氏名又は名称】ソデール,ステファン
【氏名又は名称原語表記】SODER, Stephan
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソデール,ステファン
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第2009872(GB,A)
【文献】米国特許第742511(US,A)
【文献】米国特許第2729234(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/10
F16L 55/045-55/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結水の膨張により引き起こされる道管の損傷を防ぐように設計されたデバイスであって、
各開放端によって横方向に接合されたときに円筒形キャビティを形成する、それぞれ閉鎖端および開放端を有する、第1および第2のキャニスタを備えるバルブ本体であって、各第1および第2のキャニスタが各開放端によって横方向に接合するとき、各管状コア間の前記バルブ本体全体に長手方向経路を形成するように、各第1および第2のキャニスタが、前記閉鎖端から前記開放端の前まで縦方向に延びる管状コアをさらに有し、各第1および第2のキャニスタが、その筐体端に受け道管部分に取り付けるための手段を有するバルブ本体と、
各第1および第2のキャニスタの間の接続リングと、
第1および第2のばねであって、それぞれ前記管状コアの周囲に、かつ、各第1および第2のキャニスタの前記筐体端に配置される第1および第2のばねと、
第1および第2のピストンであって、それぞれ各第1および第2のキャニスタの前記ばねに隣接する前記管状コアの周囲に配置され、各第1および第2のばねによって占められる空間が前記バルブ本体を通る前記長手方向経路から密閉されるように、各ピストンが、前記バルブ本体の前記管状コアと前記円筒形キャビティとの間で半径方向に同一平面上にあり、各第1および第2のピストンが、前記第1および第2のばねによって互いに押し付けられて接触し、第1および第2のキャニスタの各管状コアが、各ピストン間の空間に通じる少なくとも1つのオリフィスを有する第1および第2のピストンと、を備える、デバイス。
【請求項2】
各ピストンは、少なくとも1つの環状のくぼみがあり、そこにゴムリングが配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
各ピストンは、各キャニスタの開放端に向かう角度のあるくぼみをさらに有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
各キャニスタは、各第1および第2のばねによって占められるキャビティ空間に通じる少なくとも1つの通気逃がし孔を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
各管状コアは、前記ピストン間の空間につながる少なくとも1つのオリフィスを有し、前記バルブ本体を通る前記長手方向経路へのアクセスを可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
各管状コアは、前記キャニスタが接続されたときにそれらが接触しないような長さである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
各第1および第2のキャニスタは、ねじ込み手段である受け道管部分に取り付けられる手段をその筐体端に有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
各第1および第2のキャニスタにおいて、ロックナットを用いてその筐体端を道管部分に取り付ける、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
水道管内の流量と圧力の増加に適応するように設計されたデバイスであって、
各開放端によって横方向に接合されたときに円筒形キャビティを形成する、それぞれ閉鎖端および開放端を有する、第1および第2のキャニスタを備えるバルブ本体であって、各第1および第2のキャニスタが各開放端によって横方向に接合するとき、前記バルブ本体全体に長手方向経路を形成するように、各第1および第2のキャニスタが、前記閉鎖端から前記開放端の前まで縦方向に延びる管状コアをさらに有するバルブ本体と、
各第1および第2のキャニスタの間の接続リングと、
第1および第2のばねであって、それぞれ前記管状コアの周囲に、かつ、各第1および第2のキャニスタの筐体端に配置される第1および第2のばねと、
第1および第2のピストンであって、それぞれ各第1および第2のキャニスタの前記ばねに隣接する前記管状コアの周囲に配置され、各第1および第2のばねによって占められる空間が前記バルブ本体を通る前記長手方向経路から密閉されるように、各ピストンが、前記バルブ本体の前記管状コアと前記円筒形キャビティとの間で半径方向に同一平面上にあり、各第1および第2のピストンが、前記第1および第2のばねによって互いに押し付けられて接触する第1および第2のピストンと、を備える、デバイス。
【請求項10】
各ピストンは、少なくとも1つの環状のくぼみがあり、そこにゴムリングが配置される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
各ピストンは、各キャニスタの開放端に向かう角度のあるくぼみをさらに有する、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
各キャニスタは、各第1および第2のばねによって占められるキャビティ空間に通じる少なくとも1つの通気逃がし孔を有する、請求項9に記載のデバイス。
【請求項13】
各管状コアは、前記ピストン間の空間につながる少なくとも1つのオリフィスを有し、前記バルブ本体を通る前記長手方向経路へのアクセスを可能にする、請求項9に記載のデバイス。
【請求項14】
各管状コアは、前記キャニスタが接続されたときにそれらが接触しないような長さである、請求項9に記載のデバイス。
【請求項15】
各第1および第2のキャニスタは、ねじ込み手段である受け道管部分に取り付けられる手段をその筐体端に有する、請求項9に記載のデバイス。
【請求項16】
各第1および第2のキャニスタにおいて、ロックナットを用いてその筐体端を道管部分に取り付ける、請求項9に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年4月22日に出願された米国実用非仮特許出願第16854946号に関連し、それに対して優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ウィークエンドホーム、キャンピングカー、キャラバン、オフショア施設、工場、ボート、船舶などを含む道管システムを利用する他の用途を含む、住宅およびビジネスビルの給水システムに関する。寒い気候の間、道管内の水は凍結の結果として膨張することが知られており、システムに重大な損傷を引き起こし得る。本発明は、既存のシステムに容易に組み込まれ得る。設置すると、それは通常の動作を保証し、寒い気候での膨張した水の体積を緩和する。デバイスは、ばね式ピストンを介して道管システム内の圧力が上昇する状態における減圧機能も提供する。
【0003】
近年、世界の多くの地域で、冬の間、より寒く、より長期にわたる厳しい気象条件が発生している。家庭用および業務用の両方の水道管システムは、この時期に凍結した水の影響を受けることが知られている。道管内の水が氷点下の温度にさらされると、それらは氷になり、通常の体積を超えて膨張する。出口がなければ、この種の膨張は水道管を破損するところまで押す。その後、温度が氷点超に上昇すると、氷はその液体の状態に戻り、道管の壊れた部分から漏れる。多くの場合、この状態は、水漏れにより、水道管自体だけでなく、周囲の構造物の両方に重大な損傷をもたらす。
【0004】
従来、断熱材は、凍結状態になりやすい道管の部分に巻き付けられ得る。これにより、道管のその部分の水が凍結するのを遅らせたりまたは防止したりして、道管システムを局所的に保護する可能性がある。しかし、この方法では凍結を完全に防ぐことはできず、覆われた部分にしか効果がない。道管の他の部分は依然として氷点下の温度にさらされ得、システム全体は、道管の保護されていない部分によって再び危険にさらされる。多くの場合、道管の曲がりに小さな氷の栓が形成され、水循環を中断する。その後、道管全体が凍結する。さらに、道管システムの被覆されていない部分が凍結状態にさらされると、水の凍結によって体積が膨張し、凍結箇所から離れた道管部分の圧力が上昇し得る。多くの道管システムは密閉された状態であるため、伝達された体積変化により、道管の最も弱い部分を突き破るのに十分な力が発生し得る。外部保護があるかどうかに関係なく、システム全体が依然として危険にさらされている。
【0005】
新しい道管システムを設計するときは、通常、このような損傷を最小限に抑えるように考慮される。古い既存の水道管システムに保護が必要な場合、この問題は悪化し、システム全体を大幅に変更することになる。これは、道管の配置と構成とを大幅に変更せずに古いシステムに後付けできるスタンドアロン製品がほとんどないからである。古い道管システムの所有者は、それらが新しい設計計画に適応する可能性が低いため、特に影響を受けやすい。これは、所有者が寒い季節ごとに準備することによる大きな財政的および人的負担をもたらす。
【0006】
道管の凍結による水圧を軽減でき、また設置時の使用とアクセスが容易なデバイスが必要である。目的は、この既知の問題を効果的に解決しながら、最小限の既存のシステムの変更を必要とするデバイスを有することである。さらに、デバイスは、さまざまなサイズと範囲の道管システムに対応できるように拡張可能である必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、既存のシステムに効果的に設置され、凍結した水状態の影響を受けやすい道管を即座に開放するように設計される。デバイスのコンパクトな構造により、設置時に道管のごく一部分を取り外すだけで済み、道管のサイズまたはおよび凍結状態の間で予想される体積変化に応じて大きさを変えられ得る。設置後は、それは必要に応じてシームレスにその機能を実行するため、通常の状態ではそれは配管システムの流量および動作に影響を与えない。デバイスはマニュアルプロンプト(manual prompt)なしで必要に応じて機能するため、監視は必要ない。さらに、状態が良くなるとそれは自動的にリセットされるように設計される。それは、電源入力に依存しない完全に自動化されたデバイスであることにより、競争上の優位性を備えており、プロセスを通じて任意のユーザー入力なしで双方向に機能する。
【0008】
好ましい実施形態では、本デバイスは、設置を容易にするために2つの部分で構成される。まず、道管の一部分が削除される。第二に、デバイスの各部分がそれぞれ道管の一端に取り付けられる。次に、道管内でシームレスな接続を提供するために、2つの部分が一緒に取り付けられる。設置されると、本発明のデバイスは道管の一部を占有し、通常の動作中に妨げられない流れを提供する。
【0009】
本デバイスの各部分は、圧力が上昇して体積が膨張したときにデバイス内で自由に動くことができるばね式ピストン機構を含む。通常の動作中、水は2つのピストン機構の間の空間を満たすことができます。これにより、動作条件で必要な場合を除き、デバイス内の構成要素が任意にさらに移動することを誘発しない。各ばねは、道管内の標準動作圧力に対応するように設定されており、通常の条件下で妨げられない流れを保証する。
【0010】
好ましい実施形態では、各ばね式ピストンは、その間の空間内の水が増大した圧力を受けて強制的に膨張すると、押し戻される。道管の一部の水が凍結すると、同じ体積の水がより大きな体積の氷に変換される。この変化が本デバイスの場所で発生した場合、各ばね式ピストンは結果として生じる氷によって押し戻される。この変化が配管システムの他の部分で発生した場合、システムの体積の変化により、流体力学の原理に従って、体積の移動によってばね付きピストンが押し戻され得る。したがって、本デバイスは、適切な体積および圧力開放を提供する。
【0011】
凍結状態が緩和すると、氷が溶けてシステムの体積が通常に戻り、ばね式ピストンがそれらの元の構成に戻る。そのため、本デバイスは、任意の外部監視またはリセットを必要としない。動作条件は、デバイスの機能が必要かどうかを決定し、必要に応じてその機能を自動的に開始および終了する。これにより、一度設置するとそれだけで安心できるため、家庭およびビジネスの所有者にとって使いやすさがさらに向上する。
【0012】
このデバイスの別の実施形態は、ウォーターハンマーの有害な影響に対抗するために使用される。出口が突然閉鎖されることにより、道管システムに急激な体積および圧力が導入されると、ウォーターハンマーが発生する。入ってくる水の流れはすぐには止められず、今閉鎖された道管システム内の圧力が上昇する。急上昇は、道管システム内で開放を見つけ得ない。その結果、それは道管内で突然の劇的な損傷を引き起こし得る。体積移動の基本原理を利用することにより、本デバイスは、道管システムの内部体積を拡張してウォーターハンマーに対抗する効果的な手段を提供する。それが凍結状態に対抗するのと同じ方法で、デバイスは、測定可能な量の体積膨張を可能にし、次にばね付きピストンを収縮させることによって圧力を解放する。手動のトリガーまたは監視が必要ないため、道管内の水の圧力と体積が急激に増加すると、ピストンは自動的に即座に動く。これにより、ウォーターハンマー状態が発生したときに即座に開放する。もう一度、効果が弱まると、ピストンは外部からのプロンプト(external prompt)なしでそれらの元の構成に戻る。適切に機能している場合、本デバイスは任意の警報を発することなく道管システムを保護し、ビジネスおよび住宅所有者は悪影響が発生していることに気付くことはない。
【0013】
本発明のデバイスは、ピストンおよびばねのさまざまなサイズおよび構成で作製され得、図面および図に示された比率によって必ずしも特定される必要はない、各アプリケーションの個々のニーズにさらに対応する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、添付の図面を参照して、単なる例として本明細書に記載される。
【0015】
図1】デバイスの図解および実施形態である。
【0016】
図2】デバイスの構成の図解である。
【0017】
図3】デバイスのシステムの構成要素の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(発明の詳細な説明)
図1に示されているのは、道管システム内の水の凍結による潜在的な損傷を軽減するために使用されるデバイスの好ましい実施形態である。バルブ本体100は、既存のシステムへの取り付けを容易にするために、オスキャニスタ10およびメスキャニスタ20から作られる。オスキャニスタ10およびメスキャニスタ20を接合すると、既存の道管に取り付けられ得るバルブ本体100を形成する。メスキャニスタ20は、上流または下流の道管にそれ自体を取り付けるための外部手段21を有し、オスキャニスタ10は、反対側の道管にそれ自体を取り付けるための別の外部手段11を有する。好ましい実施形態では、オスキャニスタ10とメスキャニスタ20との間の溝にワッシャ101を配置して、より良好なシールを促進する。バルブ本体100は、凍結しない温度でそれが置き換える道管部分内の通常の水流を可能にする。
【0019】
図2に示されているのは、本発明のシステムの好ましい実施形態の構成である。オスキャニスタ10は、その対応する手段22によってそれ自体がメスキャニスタ20に取り付けられるようにする手段12を有する。この好ましい実施形態では、オスキャニスタ10は、外側筐体にねじ手段11を有し、メスキャニスタ21は、内部キャビティにねじ手段21を有する。これらのねじ山を合わせると、外部ツールを使用せずにユニットを組み立てることができる。
【0020】
オスキャニスタ10は、キャニスタ10の内部に環状かつ円筒形キャビティ14を形成する管状コア13を有する。好ましい実施形態では、管状コア13は、オスキャニスタ10の残りの部分と一体として構成され、その筐体端から始まる。管状コア13は、その中空キャビティ内にオスキャニスタ10の長さを通る長手方向経路を形成し、動作中に流体がその中心を通過できるようにする。管状コア13およびキャニスタ10の内面は、円筒形キャビティを形成する。メスキャニスタ20は、同じ構成および構造の対応する管状コア14を有し、同じ意図された機能を提供する。
【0021】
オスキャニスタ10は、管状コア13の周りに配置されたばね50を有する。ばね50は、オスキャニスタ10の筐体端に対して同一平面上に配置される。ばね50は、円筒形キャビティ15内に嵌合し、キャビティ内で自由に伸び縮みすることができる。メスキャニスタ20はまた、その管状コア14の周りに配置されたばね60を有し、その筐体端に対して同一平面上にある。
【0022】
ピストン70が管状コア13の周りに配置され、対応するピストン80が他のキャニスタの管状コア23の周りに配置される。好ましい実施形態では、ばね13がピストン70とオスキャニスタ10の筐体端との間に挟まれるように、ピストン70は、管状コア13とオスキャニスタ10の内面との間で半径方向に同一平面上にある。ピストン70の同一平面上配置により、円筒形キャビティ15が、管状コア13を通って流れてピストン70と接触し得る流体から隔離されることを確実にする。好ましい実施形態では、弾性Oリング71がピストンの周りに配置され得るように、ピストンは、その外面に環状溝で構成される。これにより、管状コア13の周りの気密シールが可能になり、流体が円筒形キャビティ15に入るのを防ぎ得る。
【0023】
環状ピストン80は、その対応するピストン70と同じ配置および構造で、メスキャニスタ20の管状コア23の周りに配置される。これにより、メスキャニスタ内に別の気密キャビティ25を形成する。好ましい実施形態では、環状ピストン80はまた、弾性Oリング81を容易にするために、その外面の周りに環状溝を有する。
【0024】
好ましい実施形態では、管状コア13および14は、オスキャニスタ10およびメスキャニスタ20が一緒に取り付けられたときに互いに接触し、バルブ本体100を通る長手方向経路を作成する。
【0025】
図2に示すように、オスキャニスタ10とメスキャニスタ20が一緒に取り付けられると、ばね50は通常の動作パラメータの下で伸びて、環状ピストン70を押してピストン80と接触させ、これもまたばね60によって所定の位置に押し込まれる。このような構成では、ピストン70はピストン80に対して同一平面上にあり、2つのピストンおよび2つの管状コアによって長手方向経路が形成される。好ましい実施形態では、これにより、流体は、通常の動作パラメータの下で制限されることなく、端11から端21までバルブ本体100を通過することができる。
【0026】
好ましい実施形態では、各ピストン70 80は、各端に角度のある溝で構成され、2つのピストンと管状コア13 23との間に空間を作り出す。図2に示すように、管状コア13および23上にくぼみが構成され、コアが互いに接触しているときに少なくとも1つのオリフィスを形成する。これにより、流体が2つのピストンの間の空間に流入して充填される。
【0027】
この構成では、動作圧力が通常の状態にある間、流体は長手方向経路を通って無制限に流れることができる。流体はまた、通常の作動中に管状コア13 23のオリフィスを通って2つのピストンの間の空間に入ることができる。
【0028】
一実施形態では、管状コア13および23は、それらが互いに接触しないような長さである。この構成は、オリフィスではなく、2つのピストン70 80の間の空間に水が入るためのアクセスを提供する。管状コア、ピストン、およびバルブ本体100の構成は、通常の動作パラメータの下で自由な水の流れを保証する。
【0029】
管状コア13 23とキャニスタの内部キャビティとの間のピストンの同一平面上配置により、流体はピストンを通過して空間15に入らない。これは、流体がばね50および60と接触せず、したがってばね60および60ならびにピストン70および80の動きを妨げないことを保証する。好ましい実施形態では、弾性プラスチック材料で構成されたOリングが、ピストンの溝の周りに配置され、長手方向経路に存在する流体からキャビティ15をより良好に密閉できるようにする。
【0030】
道管内の流れの変化する圧力に応じて、ピストン70および80はばね50および60に対して適宜移動し、デバイス内の任意の体積膨張および圧力上昇に適応する。好ましい実施形態では、ばね70および80は、道管内で予想される標準圧力に耐えるように選択され、流量および圧力が予想される閾値を超えて増加した場合にのみ収縮してピストン70および80を許容する。このような設定は、ユーザーの好みに基づいてばね50もしくは60、またはその両方を置き換えることで簡単に変更され得、各アプリケーションのニーズに基づいてカスタマイズできる。本デバイスの構成により、これらのばねの置き換えは現場で簡単に行われ得る。
【0031】
複数の原因により、道管に流入する流体の量が増加し、次いでピストン70と80との間の空間に流入し得る。流入流量が急増し得、本発明が占める空間に水を押し込むために、道管の他の部分で水が凍らされ得、道管システムの出口がブロックされて、逆流が蓄積し得、そして最後に、本デバイス内の液体の体積は、それが凍結すると増加し得る。このように増加した量の流体は、少なくとも1つのオリフィスを通ってピストン70と80の間の空間に入ることができる。ばね50および60によって支持されるこれらのピストンは、それらの間の空間が拡大するにつれて、互いに押し離される。一実施形態の例では、温度が凝固点まで下がると、空間内の水が凝固し、それが膨張するにつれて、ばね式ピストン70 80を押して、静的凍結膨張の圧力を解放する。ばね式ピストンの同一平面上配置によって作製されたシール構造により、ピストンとばねの両方の動きが、キャビティ空間15 25に入る流体によって妨げられることはない。
【0032】
好ましい実施形態では、図3に示されるように、オスキャニスタ10の筐体端に向かって通気逃がし孔14が配置され、その結果、空気が逃がし孔を通って逃げることができ、ピストンが圧力下で移動できるようになる。体積の増加が急激で劇的な状況では、密閉された空間内の動きによって、ピストンが適切にかみ合うのを妨げ得る加圧された空間が作製され得る。このように、通気逃がし孔14は、空気を開放し、キャビティ15 25内の機構に自由な動きを提供することを可能にする。
【0033】
圧力および流れが道管内に蓄積されると、ピストンに対する圧力が残りのスプリング設定よりも大きい限り、ピストン50および60は後退したままになり、ばね70および80は収縮したままになる。本デバイスを立てた状態で許容される体積は、ばね70 80によって設定されるキャビティ15 25に比例する。本デバイスについて本明細書で説明した機能は、必ずしも図面および図に示された比率で規定されるものではなく、各用途の個々のニーズにさらに対応するために、ピストンおよびばねの様々なサイズおよび構成で作製され得ることが、当業者には理解される。
【0034】
急上昇する流れ(surge flow)および圧力が減少すると、ばね70および80は、それらの引張強度が外力に打ち勝って自然に伸び、ピストン50および60を互いに向かって押す。ピストン50 60の位置は、バルブ本体内に存在する増加した圧力の、ばね設定に対する割合に依存し、バルブ本体内の圧力が安定したままである限り、留まる。流れおよび圧力が通常の動作条件に戻ると、ピストン50および60は互いに接触して戻り、バルブ本体を通る長手方向経路をその開始時の構成で形成することができる。バルブ本体内の機能を促進するために必要な外部監視デバイスまたは制御機構はなく、道管のこの部分の流れは、それ自体で通常の設定に戻ることになる。
このように、バルブ本体は、外部からの入力なしに、本デバイス内に存在する流れにより必要に応じてオートリセット機能を実行する。
【0035】
本デバイスの構成により、各ピストン50 60は互いに独立して動くことができる。したがって、デバイスは、専用の入口と出口なしで双方向に機能し得る。ばね70 80およびピストン50 60の動きは、それらの機能が各ピストン50 60の間の空間に蓄積された圧力と体積にのみ依存するため、流れが一方向か別方向かを区別しない。したがって、このデバイスが誤って設置され、配管システムの正常な動作が妨げられる心配はない。デバイスが配管に適切に取り付けられている限り、それは適切かつすぐに機能し始める。
【0036】
好ましい実施形態では、バルブ本体100は、鋼材および真鍮材の組み合わせで構成される。本デバイスは、アプリケーションの要求に基づいて、異なる材料の組み合わせで構成され得ることが理解される。
図1
図2
図3