(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】画像形成装置及び接着装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/14 20060101AFI20240510BHJP
B65H 37/06 20060101ALI20240510BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G03G21/14
B65H37/06
G03G15/00 430
(21)【出願番号】P 2020130773
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 拓
(72)【発明者】
【氏名】松田 考平
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊
(72)【発明者】
【氏名】嶋野 努
(72)【発明者】
【氏名】西沢 祐樹
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-171607(JP,A)
【文献】特開2015-196567(JP,A)
【文献】特開2017-090549(JP,A)
【文献】特開2007-199284(JP,A)
【文献】特開2001-206625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/14
B65H 37/06
G03G 15/00
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真プロセスにより、搬送されるシートにトナー及び粉末接着剤を含む複数の種別の粉体を付着させることで、当該シートに粉体像を形成する粉体像形成手段と、
前記粉体像形成手段により前記シートに付着させる前記粉体の種別に基づき、先行シートと、当該先行シートの次に前記粉体像形成手段によって前記粉体像が形成される後続シートとのシート間隔を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記先行シート及び前記後続シートの内の少なくとも1つが前記トナーのみを付着させるシートである場合、前記シート間隔を基準間隔に制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記先行シート及び前記後続シートの両方が前記粉末接着剤を付着させるシートである場合、前記シート間隔を前記基準間隔より増加させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記先行シート及び前記後続シートの両方が前記粉末接着剤を付着させるシートであり、かつ、前記先行シートにおいて前記粉末接着剤を付着させる第1接着剤領域と、前記後続シートにおいて前記粉末接着剤を付着させる第2接着剤領域と、が所定条件を満たす場合、前記シート間隔を前記基準間隔より増加させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記シートの搬送方向において、前記第1接着剤領域が前記先行シートに連続して前記粉末接着剤を付着させる第1領域を含み、前記シートの搬送方向において、前記第2接着剤領域が前記後続シートに連続して前記粉末接着剤を付着させる第2領域を含み、かつ、前記搬送方向とは直交する幅方向において、前記第1領域と前記第2領域が重複している場合、前記所定条件が満たされることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記先行シート及び前記後続シートの両方が前記粉末接着剤を付着させるシートであることが所定回数だけ連続した場合、前記シート間隔を前記基準間隔より増加させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
環境情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記シート間隔を前記基準間隔より増加させる場合の増加量の決定に前記環境情報を使用することを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記環境情報は、温度及び湿度の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記粉体像形成手段の劣化を評価する評価値を管理し、前記シート間隔を前記基準間隔より増加させる場合の増加量の決定に前記評価値を使用することを特徴とする請求項3から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記シート間隔を前記基準間隔より増加させる場合の増加量の決定に前記シート間隔を前記基準間隔より増加させたことが連続した回数を使用することを特徴とする請求項3から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記シート間隔を前記基準間隔より増加させる場合、前記シート間隔を前記基準間隔より所定量だけ増加させることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記粉体像形成手段は、
第1感光体及び第2感光体と、
前記第1感光体及び前記第2感光体を露光する露光手段と、
前記粉体像の形成時には回転駆動され、前記第1感光体の前記露光手段による露光領域に前記粉末接着剤を付着させる第1ローラと、
前記粉体像の形成時には回転駆動され、前記第2感光体の前記露光手段による露光領域に前記トナーを付着させる第2ローラと、を有し、
前記第1ローラは、前記先行シートに付着させる前記粉末接着剤を前記第1感光体に付着させてから、前記後続シートに付着させる前記粉末接着剤を前記第1感光体に付着させるまでの間においても回転駆動されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
搬送されるシートにトナー及び粉末接着剤を含む複数の種別の粉体を付着させることで、当該シートに粉体像を形成する粉体像形成手段であって、
第1感光体及び第2感光体と、
前記第1感光体及び前記第2感光体を露光する露光手段と、
前記粉体像の形成時には回転駆動され、前記第1感光体の前記露光手段による露光領域に前記粉末接着剤を付着させる第1ローラと、
前記粉体像の形成時には回転駆動され、前記第2感光体の前記露光手段による露光領域に前記トナーを付着させる第2ローラと、
を有する、前記粉体像形成手段と、
ジョブの最後のシートに付着させる前記粉体の種別に基づき、前記ジョブの終了後に前記第1ローラを停止させるまでの前記第1ローラの回転数を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
前記制御手段は、前記ジョブの前記最後のシートが前記粉末接着剤を付着させる第1シートである場合、前記第1ローラを停止させるまでの前記第1ローラの回転数を基準回転数より増加させ、前記ジョブの前記最後のシートが前記トナーのみを付着させる第2シートである場合、前記第1ローラを停止させるまでの前記第1ローラの回転数を前記基準回転数に制御することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記制御手段は、前記ジョブの前記最後のシートが前記第1シートであっても、前記ジョブの終了前に次のジョブが投入され、かつ、前記次のジョブの最初のシートが前記第2シートである場合、前記第1ローラを停止させるまでの前記第1ローラの回転数を前記基準回転数に制御することを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
搬送されるシートにトナー及び粉末接着剤を含む複数の種別の粉体を付着させることで、当該シートに粉体像を形成する粉体像形成手段であって、
第1感光体及び第2感光体と、
前記第1感光体及び前記第2感光体を露光する露光手段と、
前記粉体像の形成時には回転駆動され、前記第1感光体の前記露光手段による露光領域に前記粉末接着剤を付着させる第1ローラと、
前記粉体像の形成時には回転駆動され、前記第2感光体の前記露光手段による露光領域に前記トナーを付着させる第2ローラと、
を有する、前記粉体像形成手段と、
第1ジョブの最初のシートに付着させる前記粉体の種別、或いは、前記第1ジョブの前の第2ジョブの最後のシートに付着させた前記粉体の種別に基づき、前記第1ジョブを開始するまでの前記第1ローラの回転数を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
前記制御手段は、前記第1ジョブの前記最初のシートが前記粉末接着剤を付着させるシートである場合、前記第1ジョブを開始するまでの前記第1ローラの回転数を基準回転数より増加させ、前記第1ジョブの前記最初のシートが前記トナーのみを付着させるシートである場合、前記第1ジョブを開始するまでの前記第1ローラの回転数を前記基準回転数に制御することを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記制御手段は、前記第2ジョブの前記最後のシートが前記粉末接着剤を付着させるシートである場合、前記第1ジョブを開始するまでの前記第1ローラの回転数を基準回転数より増加させ、前記第2ジョブの前記最後のシートが前記トナーのみを付着させるシートである場合、前記第1ジョブを開始するまでの前記第1ローラの回転数を前記基準回転数に制御することを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記制御手段は、前記第1ジョブの前記最初のシート及び前記第2ジョブの前記最後のシートが共に前記粉末接着剤を付着させるシートである場合、前記第1ジョブを開始するまでの前記第1ローラの回転数を基準回転数より増加させ、前記第1ジョブの前記最初のシート及び前記第2ジョブの前記最後のシートの内の少なくとも1つが、前記トナーのみを付着させるシートである場合、前記第1ジョブを開始するまでの前記第1ローラの回転数を前記基準回転数に制御することを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記粉体像形成手段により前記粉末接着剤が付着された前記シートを折り畳む折り手段と、
前記折り手段により折り畳まれた前記シートを加熱、かつ、加圧する手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記粉体像形成手段により前記粉体像が形成された前記シートを加熱、かつ、加圧することで、前記シートに前記粉体像を定着させる定着手段をさらに備え、
前記折り手段は、前記シートの搬送方向において、前記定着手段より下流側に設けられることを特徴とする請求項20に記載の画像形成装置。
【請求項22】
電子写真プロセスにより、搬送されるシートに粉末接着剤を付着させる付着手段と、
先行シートにおいて前記粉末接着剤を付着させる第1接着剤領域と、当該先行シートの次に前記付着手段によって処理される後続シートにおいて前記粉末接着剤を付着させる第2接着剤領域と、に基づき、前記先行シートと前記後続シートのシート間隔を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする接着装置。
【請求項23】
前記制御手段は、前記第1接着剤領域と前記第2接着剤領域が拡張条件を満たさない場合、前記シート間隔を基準間隔に制御し、前記第1接着剤領域と前記第2接着剤領域が前記拡張条件を満たす場合、前記シート間隔を前記基準間隔より増加させ、
前記拡張条件は、前記シートの搬送方向において、前記第1接着剤領域が前記先行シートに連続して前記粉末接着剤を付着させる第1領域を含み、前記シートの搬送方向において、前記第2接着剤領域が前記後続シートに連続して前記粉末接着剤を付着させる第2領域を含み、かつ、前記搬送方向とは直交する幅方向において、前記第1領域と前記第2領域が重複している場合に満たされることを特徴とする請求項22に記載の接着装置。
【請求項24】
感光体と、前記感光体を露光する露光手段と、前記感光体の前記露光手段による露光領域に粉末接着剤を付着させるローラと、を有し、搬送されるシートに前記粉末接着剤を付着させる付着手段と、
第1ジョブの最後の第1シートにおいて前記粉末接着剤を付着させる第1接着剤領域と、前記第1ジョブの次の第2ジョブの最初の第2シートにおいて前記粉末接着剤を付着させる第2接着剤領域と、に基づき、前記第1ジョブの終了後に前記ローラを停止させるまでの前記ローラの回転数、或いは、前記第2ジョブを開始するまでの前記ローラの回転数を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴とする接着装置。
【請求項25】
前記制御手段は、前記第1接着剤領域と前記第2接着剤領域が拡張条件を満たさない場合、前記ローラの回転数を基準回転数に制御し、前記第1接着剤領域と前記第2接着剤領域が前記拡張条件を満たす場合、前記ローラの回転数を前記基準回転数より増加させ、
前記拡張条件は、前記シートの搬送方向において、前記第1接着剤領域が前記第1シートに連続して前記粉末接着剤を付着させる第1領域を含み、前記シートの搬送方向において、前記第2接着剤領域が前記第2シートに連続して前記粉末接着剤を付着させる第2領域を含み、かつ、前記搬送方向とは直交する幅方向において、前記第1領域と前記第2領域が重複している場合に満たされることを特徴とする請求項24に記載の接着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスによりシートに粉末接着剤を付着させる画像形成装置及び接着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から特許文献4は、電子写真プロセスによりシートにトナーを付着させて画像を形成すると共に、電子写真プロセスによりシートに粉末接着剤を付着させる装置を開示している。粉末接着剤が付着されたシートは、折り畳まれた後、加熱・加圧される。これにより、折り畳まれたシートは、粉末接着剤により接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-171607号公報
【文献】特開2007-193004号公報
【文献】特開2008-36957号公報
【文献】特開2008-162029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、シートを折り畳んで袋を形成する場合、シートの搬送方向とは直交する幅方向の少なくとも1端においては、搬送方向に連続して粉末接着剤を付着させる必要がある。これは、現像ローラの回転軸方向の同じ位置から連続して感光体に粉末接着剤を供給することを意味する。現像ローラの回転軸方向の同じ位置から連続して感光体に粉末接着剤を供給すると、現像ローラの当該位置から感光体に供給される粉末接着剤の量が少なくなり、よって、シートに付着する粉末接着剤の量も少なくなる。粉末接着剤の量の少ない箇所での接着力は低下するため、成果物である袋が形成されなくなり得る。
【0005】
本発明は、粉末接着剤による接着力の低下を抑制する技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によると、画像形成装置は、電子写真プロセスにより、搬送されるシートにトナー及び粉末接着剤を含む複数の種別の粉体を付着させることで、当該シートに粉体像を形成する粉体像形成手段と、前記粉体像形成手段により前記シートに付着させる前記粉体の種別に基づき、先行シートと、当該先行シートの次に前記粉体像形成手段によって前記粉体像が形成される後続シートとのシート間隔を制御する制御手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、粉末接着剤による接着力の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】一実施形態によるプロセスカートリッジの構成図。
【
図3】一実施形態による折り器における処理の説明図。
【
図4】一実施形態によるシートに付着される各粉体の位置関係を示す図。
【
図5】一実施形態による成果物と、接着剤領域を示す図。
【
図6】単位面積当たりの粉末接着剤の付着量と、接着力との関係を示す図。
【
図10】一実施形態によるシート間隔制御の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
図1は、本実施形態による、電子写真プロセスにより画像形成を行う画像形成装置1の構成図である。画像形成装置1は、画像形成ユニット10と、後処理ユニット30と、を有する。画像形成ユニット10は、画像データに基づきカセット8に格納されたシートPに画像を形成し、かつ、画像データで指定されたシートPの領域(以下、接着剤領域)に粉末接着剤を付着させる。このため、画像形成ユニット10は、4つのプロセスカートリッジ7n、7y、7m及び7cと、プロセスカートリッジ7n、7y、7m及び7cそれぞれに対応する一次転写ローラ4と、を備えている。各プロセスカートリッジ7n、7y、7m及び7cは、画像形成装置1の交換部品であり、画像形成装置1の本体に対して着脱可能に構成される。
【0011】
各プロセスカートリッジ7n、7y、7m及び7cの構成は同様であり、以下では、纏めてプロセスカートリッジ7と表記する。但し、プロセスカートリッジ7y、7m及び7cと、プロセスカートリッジ7nには、異なる種別の粉体が収納される。具体的には、粉体の種別"トナー"がプロセスカートリッジ7y、7m及び7cに収納され、粉体の種別"粉末接着剤"がプロセスカートリッジ7nに収納される。なお、プロセスカートリッジ7y、7m及び7cに収納されるトナーの色は、それぞれ、イエロー、マゼンタ及びシアンである。
【0012】
図2は、プロセスカートリッジ7の構成図である。プロセスカートリッジ7は、感光体ユニットCCと、現像ユニットDTと、を備えている。感光体ユニットCCは、感光体101と、帯電ローラ102と、クリーニング部材103と、を備え、現像ユニットDTは、
図2に示す残りの部材を備えている。感光体101は、画像形成時、図の時計回り方向に回転駆動される。帯電ローラ102は、帯電電圧を出力することにより、感光体101の表面を一様な電位に帯電させる。帯電された感光体101の表面は、スキャナユニット2(
図1)により露光され、これにより感光体101に静電潜像が形成される。クリーニング部材103は、感光体101に残留した粉体を除去する。
【0013】
現像ユニットDTの収容部104には、粉体が収納される。搬送部材108は、図の時計回り方向(矢印f方向)に回転駆動される。これにより、収容部104に収納された粉体は、撹拌されると共に、現像室109に搬送される。供給ローラ106は、図の時計回り方向に回転駆動され、粉体を現像ローラ105に供給すると共に、現像ローラ105に残留した粉体を現像ローラ105からは剥ぎ取る。現像ブレード107は、現像ローラ105上の粉体の厚みを規制するために設けられる。現像ローラ105は、図の反時計回り方向に回転駆動され、現像電圧を出力する。現像電圧により、現像ローラ105が担持している粉体は感光体101の静電潜像(露光領域)に付着する。これにより、プロセスカートリッジ7y、7m及び7cの場合には、感光体101に、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像が形成される。また、プロセスカートリッジ7nの場合には、感光体101に粉末接着剤による像(パターン)が形成される。以下の説明では、プロセスカートリッジ7y、7m及び7cにより形成されるトナー像と、プロセスカートリッジ7nにより形成される粉末接着剤の像(パターン)と、を纏めて粉体像と表記する。不揮発性メモリ110には、画像形成時の制御に必要な情報や、プロセスカートリッジ7の使用履歴等の随時更新される情報等が格納される。
【0014】
図1に戻り、各プロセスカートリッジ7に対応して設けられた一次転写ローラ4は、一次転写電圧を出力することで、各感光体101の粉体像を転写ベルト3に転写する。なお、転写ベルト3は、画像形成時、図の反時計回り方向(V方向)に回転駆動される。プロセスカートリッジ7y、7m及び7cの各感光体101に形成されたトナー像を重ねて転写ベルト3に転写することで、イエロー、マゼンタ及びシアン以外の色を形成することができる。例えば、黒色は、イエロー、マゼンタ、シアンのトナーを重畳したプロセスブラックとして形成することができる。転写ベルト3に転写された粉体像は、二次転写ローラ5の対向位置に搬送される。
【0015】
カセット8に格納されたシートPは、主搬送路1mに給送され、二次転写ローラ5の対向位置に搬送される。二次転写ローラ5は、二次転写電圧を出力することで、転写ベルト3の粉体像をシートPに転写する。この様に、プロセスカートリッジ7、一次転写ローラ4、スキャナユニット2、転写ベルト3及び二次転写ローラ5は、シートPに粉体像を形成する粉体像形成部を構成している。なお、各プロセスカートリッジも、それぞれ、感光体101に各色のトナーTy、Tm若しくはTcによる粉体像、又は、粉末接着剤Tnによる粉体像を形成する、狭義の粉体像形成部を構成している。なお、電子写真プロセスとは、上述した様に、感光体101に静電潜像を形成し、静電潜像を粉体によって現像し、現像した画像をシートPに転写(付着)させるプロセスである。
【0016】
粉体像の転写後、シートPは、第1定着器6に搬送される。第1定着器6は、シートPを加熱・加圧することで、シートPに粉体像を定着させる。シートPの両面に粉体像を形成する場合、フラッパ33は、図の点線で示す様に、第1排出ローラ34aと中間ローラ34bとによるニップ領域にシートPを導く向きに設定される。そして、シートPは、第1排出ローラ34a及び中間ローラ34bにより、排出トレイ13の方に向けて挟持搬送される。シートPの後端が、フラッパ33を超えると、第1排出ローラ34a及び中間ローラ34bの回転方向は、それまでとは逆方向に切り替えられる。また、フラッパ33は、図の実線で示す様に、両面搬送路1rにシートPを導く向きに設定される。これにより、シートPは両面搬送路1rに向けて搬送される。その後、シートPは、両面搬送路1rを介して、再度、画像形成位置(転写位置)である二次転写ローラ5の対向位置に搬送される。
【0017】
両面に粉体像が形成されたシートP、或いは、シートPの片面のみに粉体像を形成する場合において片面に粉体像が形成されたシートPは、第1定着器6を通過した後、第2排出ローラ34c及び中間ローラ34bにより挟持搬送される。なお、この際、フラッパ33は、図の実線で示す様に、第2排出ローラ34cと中間ローラ34bとによるニップ領域にシートPを導く向きに設定される。
【0018】
シートPに形成される粉体像は、粉末接着剤Tnが使用されるものと、粉末接着剤Tnが使用されず、トナーのみによるものとに分類される。以下の説明においては、粉末接着剤Tnが使用される粉体像を"第1種別"の粉体像と表記し、トナーのみによる粉体像を"第2種別"の粉体像と表記する。第1種別の粉体像が形成されたシートPは、後処理ユニット30による後処理が必要であり、第2種別の粉体像が形成されたシートPは、後処理ユニット30による後処理が不要である。したがって、第2種別の粉体像が形成されたシートPは、排出トレイ13に排出される。この際、フラッパ13aは、図の点線で示す様に、トレイ13にシートPを導く向きに設定される。一方、第1種別の粉体像が形成されたシートPは、後処理ユニット30の中間パス15に向けて搬送される。この際、フラッパ13aは、図の実線で示す様に、中間パス15にシートPを導く向きに設定される。
【0019】
第1定着器6の下流側に設けられる後処理ユニット30は、折り器31と、第2定着器32と、排出ユニット35と、を有する。折り器31において、シートPを折り畳む折り処理が実行される。
図3は、折り処理の説明図である。
図3(A)は、シートPが、第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dにより中間パス15において挟持搬送されている状態を示している。シートPの先端qが、第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dの位置を通過すると、シートPの先端qは、ガイド壁31f(
図3(B))により図の下向きに案内される。そして、シートPの先端qは、
図3(B)に示す様に、互いに対向している第1折りローラ31aと第2ガイドローラ31dに引き込まれて引き込み部31eの壁31gに当接する。その後、シートPは、第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dによって押し込まれることにより、壁31gに摺接しながら引き込み部31eの奥へと進む。そして、
図3(C)に示す様に、先端qは、引き込み部31eの端部31hに突き当たる。なお、引き込み部31eは、
図1に示す様に、中間パス15の下方側で中間パス15と略平行に形成されており、
図3(C)の段階において、シートPは第2ガイドローラ31dに巻き付いてU字型に曲がった状態となる。
【0020】
図3(C)の状態から第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dによってシートPがさらに押し込まれると、
図3(D)に示す様に、シートPの中間位置rに撓みが生じる。撓みが生じた中間位置rが第2折りローラ31bに接すると、シートPの中間位置rは、
図3(E)に示す様に、第2折りローラ31bから受ける摩擦力によって、第1折りローラ31aと第2折りローラ31bとのニップに引き込まれる。そして、
図3(F)に示す様に、シートPは、中間位置rを折り目として折り畳まれた状態で、第1折りローラ31aと第2折りローラ31bにより挟持搬送され、中間位置rを先端側として折り器31から排出される。
【0021】
シートPの搬送方向の長さをLとすると、引き込み部31eの深さN(
図3(E))は、L/2に設定され得る。なお、引き込み部31eの深さNとは、第1折りローラ31aと第2折りローラ31bとのニップから引き込み部31eの端部31hまでの距離である。この様に深さNを設定することで、折り器31においては、シートPの搬送方向の半分の位置で、シートPを2つ折りにする処理(中折り)が行われる。なお、引き込み部31eの深さNは、シートPの搬送方向の長さLの半分とすることに限定されない。引き込み部31eの深さNは、シートPの折り目の位置に応じて任意に調整され得る。
【0022】
なお、折り器31の構成は、
図3の構成に限定されない。例えば、シートPにブレードを押し当ててローラ対のニップ領域に押し込むことで折り目を形成する折り機構を使用することができる。また、折り処理も2つ折りに限定されず、Z折り、3つ折り等の折り処理を実行するものとすることができる。なお、本実施形態の折り器31は、回転するローラと固定された引き込み部31eで構成されるため、往復運動をするブレードを用いる折り機構に比べて駆動機構の簡素化が可能である。また、本実施形態の折り器31は、4本のローラ以外に、シート長の半分の深さNを有する引き込み部31eを設ければよいため、後処理ユニット30の小型化が可能である。
【0023】
図1に戻り、折り器31を通過したシートPは、第2定着器32に搬送される。第2定着器32は、第1定着器6と同様な定着構成を有する。具体的には、第2定着器32は、加熱部材としての加熱ローラ32bと、加圧部材としての加圧ローラ32aとを有する。加熱ローラ32bは、ハロゲンランプやセラミックヒータ等の発熱体や誘導加熱方式の発熱機構によって加熱される。加圧ローラ32aは、バネ等の付勢部材によって加熱ローラ32bに押圧されており、加熱ローラ32bと加圧ローラ32aとのニップ領域(圧着ニップ)を通過するシートPを加圧するための加圧力を発生させる。
【0024】
折り器31で折り畳まれたシートPは、第2定着器32によって加熱・加圧される。加熱されることで、シートPの接着剤領域の粉末接着剤Tnが再溶融し、加圧されることで、再溶融した粉末接着剤Tnは接着剤領域の対向領域(折り畳まれた状態で、接着剤領域に対向する領域)に付着する。第2定着器32を通過後、粉末接着剤Tnが冷えて固まることで、シートPの接着剤領域と対向領域が接着される。第2定着器32を通過したシートPは、排出ユニット35に排出される。
【0025】
なお、画像形成装置1の制御部100は、CPUや、揮発性メモリ及び不揮発性メモリ等の記憶デバイスを有し、画像形成装置1の全体を制御する。また、画像形成装置1は、画像形成装置1の周囲の環境情報を取得するセンサを有する。本実施形態において、画像形成装置1は、画像形成装置1の周囲の温度及び湿度を環境情報として取得する。このため、画像形成装置1は、温湿度センサ16を有する。
【0026】
図1に示す様に、本実施形態では、プロセスカートリッジ7n、7y、7m、7cの順で粉体像を転写ベルト3に転写する。したがって、
図4に示す様に、4つの種別の粉体像を重ねる場合、転写ベルト3においては、粉末接着剤Tnが最下層(転写ベルト3に接触する層)となり、その上にイエロー、マゼンタ、シアンのトナーTy、Tm及びTcが重ねられる。よって、
図4に示す様に、シートPにおいては、粉末接着剤Tnの層が最上位となる。粉末接着剤Tnの層が最上位となるため、第2定着器32により、折り畳んだシートPを接着することができる。
【0027】
イエロー、マゼンタ及びシアンのトナーTy、Tm及びTcには、公知の種々のトナーを使用することができる。例えば、熱可塑性樹脂を結着樹脂として用いたトナーを使用することができる。また、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂等を用いたトナーを使用することもできる。さらに、トナーは、着色剤、磁性体、荷電制御剤、ワックス、外部添加剤を含有するものとすることもできる。
【0028】
粉末接着剤Tnには、熱可塑性樹脂を含有する粉末接着剤を用いることができる。また、粉末接着剤Tnは、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-アクリル酸共重合樹脂等の公知の熱可塑性樹脂を含有するものであっても良い。また、粉末接着剤Tnは、ワックスを含有するものであっても良い。具体的には、粉末接着剤Tnは、例えば、アルコールと酸とのエステル類であるエステルワックス、パラフィンワックスなどの炭化水素系ワックス等を含有するものとすることができる。さらに、粉末接着剤Tnは、着色剤を含むものとすることもできる。着色剤としては、ブラック用着色剤、イエロー用着色剤、マゼンタ用着色剤、及び、シアン用着色剤等の公知の着色剤を使用することができる。なお、粉末接着剤Tnにおける着色剤の含有量については、1.0質量%以下とすることができる。さらに、粉末接着剤Tnは、磁性体、荷電制御剤、ワックス、外部添加剤を含有するものとすることもできる。
【0029】
なお、電子写真方式を利用してシートPに粉末接着剤Tnを付着させるため、例えば、粉末接着剤Tnの重量平均粒子径は、5.0μm以上、かつ、30μm以下のものを使用することができる。なお、接着性を満たすものであれば、粉末接着剤Tnとして、印刷用に使用されるトナーを使用することもできる。
【0030】
図5は、画像形成装置1が生成する成果物の例と、各成果物の生成のための接着剤領域を示している。
図5(A)は、成果物が圧着ハガキ51である場合を示している。この場合、シートPの片面の略全領域が、接着剤領域51aになり、シートPは、中央の折り目51bで折り畳まれた状態で圧着される。
図5(B)は、成果物が給与明細書52である場合を示している。この場合、シートPの片面の外周部の全周が接着剤領域52aになり、シートPは、中央の折り目52bで折り畳まれた状態で圧着される。
図5(C)は、成果物が薬袋53である場合を示している。この場合、シートPの片面の外周部の内の1辺を除く3つの辺が、接着剤領域53aとなる。なお、3つの辺の内の平行な2辺が折り目53bと平行となる様に粉末接着剤Tnを付着させる。折り目53でシートPを折り畳んで圧着することで、シートPは、袋状に形成される。
【0031】
図5(A)及び
図5(B)の圧着ハガキ51や給与明細書52の様に、折り畳まれた内側(接着面の側)に印刷された内容を特定の人が確認するための成果物の場合、その接着面を剥がすことが可能な様に、接着力、つまり、粉末接着剤Tnの付着量が調整される。一方、
図5(C)の薬袋53の様に、接着面を維持することが必要な成果物の場合、接着面が剥がれない様に、接着力、つまり、粉末接着剤Tnの付着量が調整される。
【0032】
図6は、粉末接着剤Tnの単位面積当たりの重量(以下、M/Sと表記する。)と、接着力との関係を示している。
図6に示す様に、M/Sが増加すると、接着力も増加する。なお、
図6のYは、シートPの強度、より詳しくは、接着面を引き剥がす向きの力をシートPに加えた際に、シートPに破れ等の破損が生じ始める力に対応する。
図6より、M/SがXより大きい場合、接着力は、シートPの強度より高くなる。例えば、M/SをXより小さくすると、接着面を引き剥がすことができる。したがって、
図5(A)及び
図5(B)に示す圧着ハガキ51及び給与明細書52等の様に、接着面が剥がされる成果物の場合、M/SをX未満とすれば良い。また、
図5(C)に示す薬袋53の様に、接着面を維持する成果物の場合、M/SをX以上とすれば良い。
【0033】
例えば、1つの印刷ジョブにより複数のシートPに対して連続して粉体像を形成する場合を考える。複数のシートPに対して連続して粉体像を形成する場合、先行シートの後端と、後続シートの先端との間には、所定の基準間隔R(
図7(A)参照)が設けられる。なお、生産性を高めるため、基準間隔Rは、可能な限り短く設定される。なお、1つの印刷ジョブにおいては、第1種別の粉体像(粉末接着剤Tnを使用)を形成するシートPと、第2種別(粉末接着剤Tnを不使用)の粉体像を形成するシートPを混在させることができる。
【0034】
ここで、第1種別の粉体像をシートPに連続して形成する場合を考える。
図7(A)は、
図5(C)に示す薬袋53を連続して形成する場合を示している。なお、
図7(A)(
図7(B)も同様)の網掛領域54は、先行シートの接着剤領域であり、網掛領域55は、後続シートの接着剤領域である。
図7(A)において、シートPの左側の搬送方向に平行な辺には、連続して粉末接着剤Tnを付着させなければならない。これは、現像ローラ105の回転軸方向(搬送方向とは直交する幅方向に対応)の同じ位置から、感光体101に連続して粉末接着剤Tnを供給することを意味する。そうすると、供給ローラ106から現像ローラ105への粉末接着剤Tnの供給が追い付かなくなり、シートPに付着させる粉末接着剤Tnの量が少なくなる。これにより、必要な量の粉末接着剤Tnが接着剤領域に付着せず、接着面の剥がれや、そもそも、接着させる必要がある箇所が接着しないといった成果物の不良(以下、成果物不良)が生じ得る。
【0035】
したがって、本実施形態では、
図7(B)に示す様に、先行シート及び後続シートが共に第1種別の粉体像を形成するシートPである場合、制御部100は、先行シートと後続シートとのシート間隔を基準間隔RよりΔIだけ広げる。なお、先行シート及び後続シートの内の少なくとも1つが第2種別の粉体像を形成するシートPの場合、制御部100は、先行シートと後続シートとのシート間隔を基準間隔Rに制御する。
【0036】
シート間隔の増加量ΔIは、現像ローラ105への粉末接着剤Tnの供給が回復する時間に基づき決定される。例えば、増加量ΔIは、現像ローラ105の周長、又は、現像ローラ105の周長より大きい値に設定することができる。少なくとも現像ローラ105の周長だけシート間隔を広くすることで、現像ローラ105の1周に渡り、供給ローラ106から粉末接着剤Tnが供給される。なお、現像室109内の粉末接着剤Tnの量が少なくなることを考慮し、増加量ΔIを、供給ローラ106の周長、又は、搬送部材108が1周する時間の間にシートPが搬送される距離(長さ)以上の値とすることができる。例えば、増加量ΔIを、現像ローラ105の周長、供給ローラ106の周長、及び、搬送部材108が1周する時間の間にシートPが搬送される距離(長さ)の内の最大値、又は、最大値より大きい値とすることができる。
【0037】
図8(A)は、
図5(C)に示す薬袋53を連続して4つ形成した場合の結果を示している。なお、
図8(A)において、増加量ΔIは、現像ローラ105の周長の倍数で示している。
図8(A)に示す様に、温度及び湿度が23度及び50%の環境において、新品のプロセスカートリッジ7nを使用した場合、ΔI=3、5及び8の総てにおいて、4つの薬袋53に成果物不良は生じなかった。なお、比較例として、温度及び湿度が23度及び湿度が50%の環境において、新品のプロセスカートリッジ7nを使用し、ΔI=0とすると、最後(4つ目)の薬袋53に成果物不良が生じた。
【0038】
また、
図8(A)に示す様に、温度及び湿度が15度及び10%の環境において、新品のプロセスカートリッジ7nを使用した場合、ΔI=5及び8においては、4つの薬袋53に成果物不良は生じなかった。しかしながら、ΔI=3の場合、最後の薬袋53に成果物不良が生じた。さらに、温度及び湿度が15度及び10%の環境において、寿命末期のプロセスカートリッジ7nを使用した場合、ΔI=8においては、4つの薬袋53に成果物不良は生じなかった。しかしながら、ΔI=3においては最後の2つの薬袋53に成果物不良が生じ、ΔI=5においては最後の薬袋53に成果物不良が生じた。なお、本実施形態の画像形成装置1において、ΔI=8は、搬送部材108の1回転に対応する。
【0039】
温度及び湿度が低くなることにより成果物不良が生じ易くなるのは、粉末接着剤Tnの流動性が低下するためと考えられる。具体的には、低温低湿環境下においては、粉末接着剤Tnの中に帯電量の高いものが生じ得る。帯電量の高い粉末接着剤Tnが存在すると、それを核にして帯電量が比較的低い粉末接着剤Tnが集まり凝集塊が生じ易くなる。これにより、粉末接着剤Tnの流動性が下がり、供給ローラ106から現像ローラ105への粉末接着剤Tnの供給量が減ったことが成果物不良の発生原因であると考えられる。
【0040】
また、プロセスカートリッジ7nが寿命に近づくと成果物不良が生じ易くなる原因の一つは、プロセスカートリッジ7の経時変化等により粉末接着剤Tnの外添剤が埋没したためと考えられる。粉末接着剤Tnの外添剤が埋没すると、粉末接着剤Tnの流動性が低下し、これにより現像ローラ105への粉末接着剤Tnの供給量が減少する。また、プロセスカートリッジ7nが寿命に近づくと成果物不良が生じ易くなる原因の一つは、粉末接着剤Tnの残量が少なくなることで、搬送部材108による供給ローラ106への粉末接着剤Tnの供給量も減少したためと考えられる。
【0041】
したがって、制御部100は、温湿度センサ16が検出する環境情報に基づき増加量ΔIを制御することができる。例えば、温度及び/又は湿度と、増加量ΔIとの関係を予め決定して制御部100の記憶デバイスに格納しておく。そして、制御部100は、シートPに粉体像を形成する際に温湿度センサ16が検出している温度及び/又は湿度に基づき増加量ΔIを決定することができる。この場合、温度及び/又は湿度の低下に伴い、増加量ΔIを段階的に増加させる構成とすることができる。また、プロセスカートリッジ7nの劣化に応じて増加量ΔIを制御する構成とすることができる。具体的には、制御部100は、プロセスカートリッジ7nの劣化を評価する評価値を管理する。評価値としては、プロセスカートリッジ7nの使用期間や、プロセスカートリッジ7nの現像ローラ105の累積回転数や、第1種別の粉体像のシートPへの形成枚数や、シートPに供給した粉末接着剤Tnの総量等を使用することができる。制御部100は、評価値が大きくなると、増加量ΔIを段階的に増加させることができる。また、環境情報と、プロセスカートリッジ7nの劣化の両方を考慮して増加量ΔIを決定する構成とすることもできる。また、増加量ΔIを、常に、所定量とすることもできる。例えば、
図8(A)の結果から、プロセスカートリッジ7の状態や温湿度に拘わらず、成果物不良が生じなかったΔI=8で一定とすることもできる。
【0042】
なお、本実施形態では、先行シート及び後続シートが共に第1種別の粉体像を形成するものであると、先行シートの接着剤領域と、後続シートの接着剤領域に拘わらず、先行シートと後続シートとのシート間隔を基準間隔Rより広げていた。しかしながら、先行シートの接着剤領域54(第1接着剤領域)と後続シートの接着剤領域55(第2接着剤領域)が所定条件である拡張条件を満たす場合に、先行シートと後続シートとのシート間隔を基準間隔Rより広げる構成とすることもできる。例えば、先行シート及び後続シートの接着剤領域が共に、搬送方向に渡って連続して粉末接着剤Tnを付着させる第1領域及び第2領域を有し、かつ、第1領域及び第2領域の幅方向の範囲が重複していることを拡張条件の1つとすることができる。この拡張条件を満たさない場合、現像ローラ105の同じ位置から先行シート及び後続シートのそれぞれに連続して粉末接着剤Tnは供給されない。したがって、必要な量の粉末接着剤TnがシートPに供給されなくなることが起こり難くなる。よって、先行シート及び後続シート共に第1種別の粉体像を形成する場合であっても、拡張条件を満たさない場合にはシート間隔を基準間隔Rに制御する構成とすることができる。なお、拡張条件を満たすことになる第1領域及び第2領域の搬送方向の連続した長さは予め決定しておく。例えば、第1領域及び第2領域のいずれか、或いは、両方の搬送方向の長さがシートPの全体に渡る場合には、少なくとも拡張条件が満たされる構成とすることができる。
【0043】
なお、シート間隔を制御するとの文脈で本実施形態の説明を行ったが、シート間隔は、画像形成タイミングに置き換えることが可能である。つまり、先行シートと後続シートのシート間隔を増加させることは、後続シートに対する画像形成タイミングを、シート間隔が基準間隔Rの場合の画像形成タイミグよりシートPがΔIだけ搬送される時間だけ遅らせることと等価である。なお、画像形成タイミングとは、各感光体101に静電潜像を形成するために、各感光体101の露光を開始するタイミングである。
【0044】
以上、説明した様に、先行シートと後続シートのシート間隔又は後続シートの画像形成タイミングを制御することで、必要な量の粉末接着剤TnがシートPに供給されなくなることを防ぎ、よって、成果物不良を抑えることができる。
【0045】
<第二実施形態>
続いて、第二実施形態について、第一実施形態との相違点を中心に説明する。第一実施形態では、1つ印刷ジョブにより複数のシートPに対して粉体像を形成する際の、シート間隔又は後続シートの画像形成タイミングの制御について説明した。本実施形態では、異なる印刷ジョブ間における制御について説明する。
【0046】
図9(A)に示す様に、先行する印刷ジョブの最後のシートPに対する処理の終了後、画像形成装置1は、画像形成後の予備動作(後回転)を実行する。具体的には、後回転において、画像形成装置1は、現像電圧等の画像形成に使用する各電圧をオフにし、現像ローラ105を感光体101から離間させ、現像ローラ105や感光体101等の回転を停止させる。また、
図9(A)に示す様に、後続の印刷ジョブの最初のシートPに対する処理を行う前に、画像形成装置1は、画像形成前の予備動作(前回転)を実行する。具体的には、前回転において、画像形成装置1は、現像電圧等の画像形成に使用する各電圧をオンにし、現像ローラ105や感光体101等を回転させ、現像ローラ105を感光体101に当接させる。
【0047】
後回転において現像ローラ105が停止するまでの間と、前回転において現像ローラ105を回転させた以降においては、粉末接着剤Tnが現像ローラ105に供給される。しかしながら、この供給量が不十分な場合、後続ジョブの最初のシートPには、粉末接着剤Tnが十分に供給されず、成果物不良が生じ得る。したがって、本実施形態では、
図9(B)に示す様に、先行ジョブの最後のシートPに第1種別の粉体像を形成した場合、後回転において現像ローラ105を停止させるまでの回転数を基準回転数よりΔKだけ多くする。なお、基準回転数とは、先行ジョブの最後のシートPに第2種別の粉体像を形成した場合の後回転における現像ローラ105の回転数である。この構成により、後続ジョブの開始時点において、現像ローラ105に十分な量の粉末接着剤Tnを供給しておく。
【0048】
図8(B)は、
図5(C)に示す薬袋53を1つだけ形成する印刷ジョブを、連続して4つ投入した場合の結果を示している。
図8(B)に示す様に、ΔK=2とすると、4つの薬袋53に成果物不良は生じなかった。一方、比較例として、ΔK=0とすると、最後(4つ目)の薬袋53に成果物不良が生じた。なお、
図8(B)は、温度及び湿度が23度及び50%の環境において、新品のプロセスカートリッジ7nを使用した場合の結果である。
【0049】
なお、本実施形態では、先行ジョブの最後のシートPに第1種別の粉体像を形成することを、後回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数より増加させる条件としていた。しかしながら、先行ジョブの終了前に後続ジョブが画像形成装置1に投入され、かつ、後続ジョブの最初のシートPに第2種別の粉体像を形成する場合、後回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数に制御する構成とすることができる。さらに、後続ジョブの最初のシートPに第1種別の粉体像を形成する場合であっても、先行ジョブの最後のシートPと後続ジョブの最初のシートの現像剤領域が拡張条件を満たさない場合、後回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数に制御する構成とすることもできる。これは、その様な場合、先行ジョブの最後のシートPと後続ジョブの最初のシートPの両方に対して、現像ローラ105の同じ位置から連続して感光体101に粉末接着剤Tnを供給する必要がないからである。
【0050】
また、前回転ではなく、後回転において現像ローラ105の回転数を増加させるのは、後続ジョブが画像形成装置1に投入されてから、後続ジョブが開始されるまでの期間を短くするためである。しかしながら、前回転の期間において、現像ローラ105を基準回転数より多く回転させることで、後続ジョブにおける粉体像の形成前に現像ローラ105に十分な量の粉末接着剤Tnを供給しておく構成とすることもできる。
【0051】
この場合、後続ジョブの最初のシートPに第1種別の粉体像を形成することを、前回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数より増加させる条件とすることができる。なお、基準回転数とは、後続ジョブの最初のシートPに第2種別の粉体像を形成する場合の前回転における現像ローラ105の回転数である。さらに、後続ジョブの最初のシートPに第1種別の粉体像を形成することに加えて、先行ジョブの最後のシートPに第1種別の粉体像を形成していたことを、前回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数より多くする条件とすることもできる。さらに、第一実施形態で述べた様に、先行ジョブの最後のシートPと後続ジョブの最初のシートPの現像剤領域が拡張条件を満たすことを、前回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数より増加させる条件に追加することもできる。また、先行ジョブの最後のシートPに第1種別の粉体像を形成していたことを、前回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数より増加させる条件とすることもできる。なお、この場合、先行ジョブの最後のシートPに第2種別の粉体像を形成していると、制御部100は、前回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数に制御する。
【0052】
以上、所定の条件を満たす場合に、後回転又は前回転において現像ローラ105を基準回転数より多く回転させる。この構成により、必要な量の粉末接着剤TnがシートPに供給されなくなることを防ぎ、よって、成果物不良が生じることを抑えることができる。なお、現像ローラ105を基準回転数より多く回転させることは、先行ジョブと後続ジョブが連続する場合に先行ジョブの最後のシートPと後続ジョブの最初のシートPとの間隔を、現像ローラ105を基準回転数だけ回転させた際の間隔より広げることに対応する。さらに、現像ローラ105を基準回転数より多く回転させることは、先行ジョブと後続ジョブが連続する場合に後続ジョブの最初のシートPの画像形成タイミングを、現像ローラ105を基準回転数だけ回転させた際の画像形成タイミングより遅らせることに対応する。
【0053】
<第三実施形態>
続いて、第三実施形態について第一実施形態との相違点を中心に説明する。第一実施形態においては、先行シート及び後続シートに形成する粉体像の種別に基づきシート間隔を制御していた。つまり、第一実施形態では、第1種別の粉体像を連続する3つのシートPに形成しても、その連続数は、シート間隔の決定に考慮されていなかった。本実施形態では、第1種別の粉体像がシートPに形成される連続回数に応じてシート間隔を制御する。
【0054】
図10は、第1種別の粉体像を4つの連続するシートPに形成する場合のシート間隔を示している。なお、
図10の1番目のシートPとは、印刷ジョブにおける最初のシートP、或いは、先行するシートPには第2種別の粉体像が形成されるシートPである。
図10に示す様に、1番目と2番目とのシート間隔の増加量をΔI1とし、2番目と3番目とのシート間隔の増加量をΔI2とし、3番目と4番目とのシート間隔の増加量をΔI3とする。増加量ΔI1、Δ2及びΔ3については予め決定されて制御部100の記憶デバイスに格納されている。なお、以下では、この3つの増加量を"ΔI/Δ2/Δ3"と表記する。また、第一実施形態と同様、増加量ΔI1、Δ2及びΔ3を現像ローラ105の周長の倍数で表記する。
【0055】
第一実施形態で述べた様に、温度及び湿度が23度及び50%の環境において、新品のプロセスカートリッジ7nを使用し、増加量ΔIを0として、4つの薬袋53を連続して形成すると、4つ目の薬袋53に成果物不良が生じた。一方、温度及び湿度が23度及び50%の環境において、新品のプロセスカートリッジ7nを使用し、増加量を"0.5/0.5/2"とした場合、4つの薬袋53の総てに成果物不良は生じなかった。なお、第1種別の粉体像を形成するシートPが5つ以上連続する場合、4番目のシートより後のシート間隔の増加量については3番目(最後)の増加量であるΔI3=2で一定とすることができる。なお、本実施形態では、1番目から3番目の増加量ΔI1~ΔI3を定義したが、2以上の任意のnに対して、1番目からn番目の増加量を定義した増加量情報を予め決定して制御部100の記憶デバイスに格納しておく構成とすることができる。
【0056】
なお、増加量情報"0.5/0.5/2"は一例であり、本発明は、この様な増加量情報に限定されない。但し、あるシート間隔の増加量は、1つ前のシート間隔の増加量と同じ、又は、それより大きくする。例えば、増加量情報を"0.5/1/1.5"とすることができる。この場合において、第1種別の粉体像を形成するシートPが3つ連続した場合、1番目と2番目のシート間隔については0.5だけ増加させ、2番目と3番目のシート間隔については1だけ増加させる。
【0057】
また、例えば、増加量情報を"0/0/3"とすることもできる。これは、第1種別の粉体像を形成するシートPが4つ以上連続した場合、3番目と4番目のシート間隔から、シート間隔を増加させることに対応する。第一実施形態で述べた様に、温度及び湿度が23度及び50%の環境において、新品のプロセスカートリッジ7nを使用し、増加量ΔIを0として、4つの薬袋53を連続して形成しても、1つ目から3つ目の薬袋53には成果物不良が生じなかった。したがって、この様な特性の場合、1番目の増加量ΔI1及び2番目の増加量ΔI2を0としても問題が生じず、かつ、間隔を広げないことで生産性を高くすることができる。なお、上記"0/0/3"は例示であり、第1種別の粉体像を形成するシートPが所定回数以上連続すると、シート間隔を基準間隔Rより増加させ始める構成とすることができる。
【0058】
以上、本実施形態では、シート間隔を基準間隔Rより増加させると判定したことの連続回数と、増加量ΔIとの関係を予め決定し、増加量情報として制御部100に格納しておく。この構成により、生産性を高くしつつ、成果物不良を抑えることができる。増加量ΔIは、連続した回数が増えるにつれて、段階的に大きくする。なお、上述した様に、最初の所定回数の増加量ΔIについては0にすることができる。これは、第1種別の粉体像を形成するシートPが所定回数以上連続すると、シート間隔を基準間隔Rより増加させることに対応する。なお、本実施形態でも、さらに、第一実施形態で述べた拡張条件を使用することができる。具体的には、先行シートと後続シートが拡張条件を満たすと、拡張条件を満たした連続回数と増加量情報とに基づき、制御部100は増加量ΔIを判定する構成とすることができる。
【0059】
さらに、第一実施形態で述べた様に環境情報や、プロセスカートリッジ7nの劣化を評価する評価値を更に考慮することもできる。例えば、増加量情報を、環境情報及び/又は評価値毎に予め決定して制御部100に格納しておく構成とすることができる。また、例えば、環境情報及び/又は評価値に基づく増加量情報の各増加量ΔIの補正方法を示す情報を予め決定して制御部100に格納しておく構成とすることができる。
【0060】
[その他の実施形態]
なお、トナー及び粉末接着剤を使用して粉体像を形成する画像形成装置を例にして上記各実施形態を説明したが、本発明は、粉末接着剤のみを使用する接着装置として実現することもできる。接着装置は、1つのジョブで複数のシートに対して粉末接着剤を付着させる際に第一実施形態で説明した拡張条件を満たす場合、先行シートと後続シートのシート間隔を基準間隔より増加させる。つまり、先行シート及び後続シート共に、搬送方向に連続して粉末接着剤Tnが付着され、かつ、搬送方向に連続して粉末接着剤Tnが付着される幅方向の範囲が重複している場合、シート間隔を基準間隔より増加させる。
【0061】
また、先行ジョブの終了前に後続ジョブが投入され、かつ、先行ジョブの最後のシートと後続ジョブの最初のシートが拡張条件を満たさない場合、接着装置は、後回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数に制御する。一方、拡張条件を満たす場合、制御部100は、現像ローラ105の回転数を基準回転数より多くする。或いは、先行ジョブの最後のシートと後続ジョブの最初のシートが拡張条件を満たす場合、接着装置は、前回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数より多くする。なお、先行ジョブの最後のシートと後続ジョブの最初のシートが拡張条件を満たさない場合、接着装置は、前回転における現像ローラ105の回転数を基準回転数に制御する。
【0062】
なお、第一実施形態及び第三実施形態では、複数のシートPに対して粉体像を連続して形成する際の、シート間隔又は後続シートの画像形成タイミングの制御について説明した。ここで、複数のシートPに粉体像を連続して形成する際のシートPの搬送制御について補足する。まず、複数のシートPそれぞれの片面のみに粉体像を形成する場合には、複数のシートPを順に二次転写ローラ5の対向位置に搬送するのみである(片面制御)。また、複数のシートPの両面に粉体像を形成する場合には、あるシートの一方の面に粉体像を形成した後、当該シートの他方の面に粉体像を形成する前に、他のシートに粉体像を形成する様にシートを搬送する制御(両面第1制御)と、他のシートに粉体像を形成しない様にシートを搬送する制御(両面第2制御)と、が存在する。
【0063】
本発明は、上記の片面制御、両面第1制御、及び、両面第2制御のいずれにも適用することができる。なお、片面制御及び両面第1制御の場合、粉体像形成部が粉体像を転写する2つの連続したシートPは、異なるシートPである。つまり、先行シートと後続シートは、異なるシートPである。一方、両面第2制御の場合、2つの連続したシートPが同じシートになる場合がある。具体的には、粉体像形成部は、あるシートPの第1面(表面)に粉体像を形成した後、同じシートPの第2面(裏面)に粉体像を形成し、続いて、他のシートPの第1面(表面)に粉体像を形成する。この場合、先行シートと後続シートは同じシートPになり得る。なお、両面第2制御の場合、先に両面に粉体像を形成するシートPを先行シートとし、当該先行シートの次に両面に粉体像を形成するシートPを後続シートとして本発明を適用することもできる。なお、第一実施形態及び第三実施形態の基準間隔Rは、片面制御、両面第1制御、及び、両面第2制御のそれぞれで異なっていても良い。
【0064】
さらに、両面第1制御と両面第2制御とを混在させることもできる。例えば、シートPの両面に第2種別の粉体像を形成する場合には、両面第1制御とし、第1面には第2種別の粉体像を形成するが、第2面には第1種別の粉体像を形成するシートPについては、両面第2制御とする構成とすることもできる。第2面に第1種別の粉体像を形成するシートPの場合、第1面への粉体像の形成から第2面への粉体像の形成までの間に、他のシートPに対する粉体像の形成が行われないため、シート間隔が大きくなる。よって、第1面への粉体像の形成から第2面への粉体像の形成までの間の現像ローラ5の回転数が多くなり、現像ローラ5に粉末接着剤Tnを供給することができる。
【0065】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0066】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0067】
7n、7y、7m、7c:プロセスカートリッジ、100:制御部