(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】食材供給装置および食材供給方法
(51)【国際特許分類】
G01G 13/12 20060101AFI20240510BHJP
G01G 17/00 20060101ALI20240510BHJP
A23L 7/10 20160101ALN20240510BHJP
【FI】
G01G13/12
G01G17/00 C
A23L7/10 E
(21)【出願番号】P 2020089552
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】並木 勝矢
(72)【発明者】
【氏名】馬場 友和
(72)【発明者】
【氏名】川田 健司
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-250322(JP,A)
【文献】特開2005-237236(JP,A)
【文献】特開2016-019492(JP,A)
【文献】特開2004-196382(JP,A)
【文献】特開昭55-033649(JP,A)
【文献】特開昭60-003525(JP,A)
【文献】特開平03-243828(JP,A)
【文献】特開平09-089639(JP,A)
【文献】特開2001-301981(JP,A)
【文献】特開2004-085282(JP,A)
【文献】米国特許第04204197(US,A)
【文献】米国特許第04366872(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-23/48
A23L 7/00-7/104
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を食材受容部に落下供給する食材供給手段と、
前記食材供給手段を駆動する駆動手段と、
食材受容部に供給される食材の重量を計測する計量手段と、
設定重量の食材が食材受容部に落下供給されるように前記駆動手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
落下中に計測された食材が
前記設定重量に達したならば前記食材供給手段の動作を停止して前記計量手段の計測値が安定化する安定化時間経過後に再計量を行い、再計量された重量が
前記設定重量に達していないときは、予め設定された動作態様で構成される食材の補填動作を
前記設定重量に達するまで少なくとも1回行う制御を実行する、
ことを特徴とする食材供給装置。
【請求項2】
前記補填動作は、前記駆動手段により食材を第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作である、
ことを特徴とする
請求項1記載の食材供給装置。
【請求項3】
前記補填動作は、
再計量された重量が前記設定重量に対して所定の未達重量以上のときには、前記駆動手段により食材を第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作であり、
再計量された重量が前記設定重量に対して所定の未達重量を下回るときには、前記駆動手段により食材を前記第1の補填時間よりも長い第2の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作を前記所定の未達重量以上となるまで少なくとも1回行い、その後、食材を前記第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作である、
ことを特徴とする
請求項1記載の食材供給装置。
【請求項4】
前記食材供給手段は、食材貯留部内の食材を所定の方向に搬送する搬送手段、前記搬送手段に搬送された食材を解すように取り崩しながら落下させる解し手段、および食材の落下経路に開閉可能に配置された開閉手段を備え、
前記駆動手段は、前記搬送手段を駆動する搬送駆動手段、前記解し手段を駆動する解し駆動手段、および前記開閉手段を駆動する開閉駆動手段を備え、
前記開閉手段は、閉鎖位置では前記解し手段から落下した食材を蓄積し、開放位置では蓄積された食材を食材受容部に落下供給し、
前記計量手段は、閉鎖位置にある前記開閉手段に蓄積された食材を計量可能に設けられている、
ことを特徴とする
請求項1~3の何れか一項に記載の食材供給装置。
【請求項5】
前記食材供給手段は、食材貯留部内の食材を所定の方向に搬送する搬送手段、前記搬送手段に搬送された食材を解すように取り崩しながら落下させる解し手段、および食材の落下経路に開閉可能に配置された開閉手段を備え、
前記駆動手段は、前記搬送手段を駆動する搬送駆動手段、前記解し手段を駆動する解し駆動手段、および前記開閉手段を駆動する開閉駆動手段を備え、
前記開閉手段は、開放位置では前記落下経路を開放して前記解し手段から落下した食材を食材受容部へ供給可能にし、閉鎖位置では前記落下経路を閉鎖し、
前記計量手段は、食材受容部に供給された食材を計量可能に設けられている、
ことを特徴とする
請求項1~3の何れか一項に記載の食材供給装置。
【請求項6】
設定重量の食材を食材受容部に落下供給する食材供給方法であって、
落下中に計量手段により計測された食材が前記設定重量に達したならば食材の供給動作を停止して前記計量手段の計測値が安定化する安定化時間経過後に再計量を行い、
再計量された重量が前記設定重量に達していないときは、予め設定された動作態様で構成される食材の補填動作を前記設定重量に達するまで少なくとも1回行う、
ことを特徴とする食材供給方法。
【請求項7】
前記補填動作は、食材を第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作である、
ことを特徴とする
請求項6記載の食材供給方法。
【請求項8】
前記補填動作は、
再計量された重量が前記設定重量に対して所定の未達重量以上のときには、食材を第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作であり、
再計量された重量が前記設定重量に対して所定の未達重量を下回るときには、食材を前記第1の補填時間よりも長い第2の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作を前記所定の未達重量以上となるまで少なくとも1回行い、その後、食材を前記第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作である、
ことを特徴とする
請求項6記載の食材供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材供給装置および食材供給方法に関し、特に、食材受容部に供給される食材の重量精度の向上に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
弁当や丼物等を作る場合、米飯(食材)を弁当箱や椀等の容器(食材受容部)に供給するための食材供給装置が知られている。この食材供給装置は、ホッパ(食材貯留部)内の米飯を設定重量に計量して、設定重量の米飯を容器に自動的に供給する装置である。
【0003】
食材供給装置においては、米飯を搬送スクリュ(搬送手段)で搬送し、ドラム型の解しローラ(解し手段)で解しながら落下させながら計量し、予め設定された重量の米飯を容器に供給して(盛り付けて)いる。
【0004】
このような食材供給装置では、設定重量に対して重量精度の良い米飯を供給することが求められる。そのための技術として、米飯の計量値が設定重量を上回ったときに供給を一旦停止し、ロードセル(計量手段)の応答が安定化する所定時間の経過後に再計量を行い、設定重量に対して計量値が不足していた場合、不足重量を補うために通常の計量動作を行っている。
【0005】
なお、供給される米飯の重量精度を向上させる技術として、例えば、特許文献1(特開2006-081459号公報)に記載されたものが知られている。この特許文献1は、米飯の主供給部分の機構を利用して残量のつぎ足しの補填供給を行うものであり、具体的には、高低速に変速できる回転ドラムを設けておき、米飯の主供給量は回転ドラムを高速回転して計量室に送込み、残量のつぎ足し補填部分は回転ドラムを低速回転して供給する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、米飯が落下供給される構造においては、計量対象となる米飯の重さが実際にロードセルで計量値として認識されるには、落下時間分のタイムラグが存在する。
【0008】
すると、前述した技術、すなわち通常の計量動作で不足重量を補う動作では、米飯の計量値が必要な補填重量以上になったことを機械が認識してから米飯の供給が停止されるため、タイムラグ分だけ重量過多となり、食材である米飯が過剰に供給されてしまうおそれがある。
【0009】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、設定重量に対して重量精度良く食材を供給することのできる食材供給装置および食材供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の食材供給装置は、食材を食材受容部に落下供給する食材供給手段と、前記食材供給手段を駆動する駆動手段と、食材受容部に供給される食材の重量を計測する計量手段と、設定重量の食材が食材受容部に落下供給されるように前記駆動手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、落下中に計測された食材が前記設定重量に達したならば前記食材供給手段の動作を停止して前記計量手段の計測値が安定化する安定化時間経過後に再計量を行い、再計量された重量が前記設定重量に達していないときは、予め設定された動作態様で構成される食材の補填動作を前記設定重量に達するまで少なくとも1回行う制御を実行する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の本発明の食材供給装置は、請求項1記載の発明において、前記補填動作は、前記駆動手段により食材を第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作である、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の本発明の食材供給装置は、請求項1記載の発明において、前記補填動作は、再計量された重量が前記設定重量に対して所定の未達重量以上のときには、前記駆動手段により食材を第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作であり、再計量された重量が前記設定重量に対して所定の未達重量を下回るときには、前記駆動手段により食材を前記第1の補填時間よりも長い第2の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作を前記所定の未達重量以上となるまで少なくとも1回行い、その後、食材を前記第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作である、ことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の本発明の食材供給装置は、請求項1~3の何れか一項に記載の発明において、前記食材供給手段は、食材貯留部内の食材を所定の方向に搬送する搬送手段、前記搬送手段に搬送された食材を解すように取り崩しながら落下させる解し手段、および食材の落下経路に開閉可能に配置された開閉手段を備え、前記駆動手段は、前記搬送手段を駆動する搬送駆動手段、前記解し手段を駆動する解し駆動手段、および前記開閉手段を駆動する開閉駆動手段を備え、前記開閉手段は、閉鎖位置では前記解し手段から落下した食材を蓄積し、開放位置では蓄積された食材を食材受容部に落下供給し、前記計量手段は、閉鎖位置にある前記開閉手段に蓄積された食材を計量可能に設けられている、ことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の本発明の食材供給装置は、請求項1~3の何れか一項に記載の発明において、前記食材供給手段は、食材貯留部内の食材を所定の方向に搬送する搬送手段、前記搬送手段に搬送された食材を解すように取り崩しながら落下させる解し手段、および食材の落下経路に開閉可能に配置された開閉手段を備え、前記駆動手段は、前記搬送手段を駆動する搬送駆動手段、前記解し手段を駆動する解し駆動手段、および前記開閉手段を駆動する開閉駆動手段を備え、前記開閉手段は、開放位置では前記落下経路を開放して前記解し手段から落下した食材を食材受容部へ供給可能にし、閉鎖位置では前記落下経路を閉鎖し、前記計量手段は、食材受容部に供給された食材を計量可能に設けられている、ことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するため、請求項6に記載の本発明の食材供給方法は、設定重量の食材を食材受容部に落下供給する食材供給方法であって、落下中に計量手段により計測された食材が前記設定重量に達したならば食材の供給動作を停止して前記計量手段の計測値が安定化する安定化時間経過後に再計量を行い、再計量された重量が前記設定重量に達していないときは、予め設定された動作態様で構成される食材の補填動作を前記設定重量に達するまで少なくとも1回行う、ことを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の本発明の食材供給装置は、請求項6記載の発明において、前記補填動作は、食材を第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作である、ことを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の本発明の食材供給装置は、請求項6記載の発明において、前記補填動作は、再計量された重量が前記設定重量に対して所定の未達重量以上のときには、食材を第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作であり、再計量された重量が前記設定重量に対して所定の未達重量を下回るときには、食材を前記第1の補填時間よりも長い第2の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作を前記所定の未達重量以上となるまで少なくとも1回行い、その後、食材を前記第1の補填時間にわたって補填して前記安定化時間経過後に計量する動作である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、落下中に計測された食材が設定重量に達したならば、食材の供給動作を停止して、計量手段の計測値が安定化するまでの時間である安定化時間経過後に再計量を行っている。そして、再計量された重量が設定重量に達していないときには、予め設定された動作態様で構成される食材の補填動作を設定重量に達するまで少なくとも1回行っている。
【0022】
これにより、食材の不足重量を補うという範囲を逸脱して過剰供給してしまうことがなくなり、設定重量に対して重量精度良く食材を供給することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施の形態である米飯供給装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1の米飯供給装置の上部について上蓋を開いた状態で示す斜視図である。
【
図4】本実施の形態の米飯供給装置の上部ホッパおよびその周辺機構を抽出して斜め上方から示す斜視図である。
【
図5】本実施の形態の米飯供給装置のホッパおよびその周辺機構を抽出して斜め下方から示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施の形態である米飯供給装置のブロック図である。
【
図7】本実施の形態の米飯供給装置における米飯の供給プロセスを示すフローチャートである。
【
図8】
図7のフローチャートにおける米飯の補填動作を示すタイムチャートである。
【
図9】本実施の形態の米飯供給装置における変形例としての米飯の供給プロセスを示すフローチャートである。
【
図10】
図9のフローチャートにおける米飯の補填動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
図1は本発明の一実施の形態である米飯供給装置を示す斜視図、
図2は
図1の米飯供給装置の上部について上蓋を開いた状態で示す斜視図、
図3は
図1の米飯供給装置の断面図、
図4は本実施の形態の米飯供給装置の上部ホッパおよびその周辺機構を抽出して斜め上方から示す斜視図、
図5は本実施の形態の米飯供給装置のホッパおよびその周辺機構を抽出して斜め下方から示す斜視図である。
【0026】
図1および
図2に示すように、本実施の形態の米飯供給装置(食材供給装置)Aは、正面板10および当該正面板10の背面に位置する背面板11、ならびにこれら正面板10および背面板11の両側に位置する側面板12を備え、上方に開いた開口部13が形成された本体部1を有している。また、本体部1には、開口部13を開閉するための上蓋14が、蝶番ユニット15を介して取り付けられている。なお、上蓋14は、開口部13を閉鎖したときに外側に位置する外蓋部14-1と、内側に位置する内蓋部14-2とで構成されている。
【0027】
図示するように、正面板10には、タッチパネル式の入力部16が備えられている。入力部16は、容器に供給される米飯(食材)の重量などを入力するための機能部であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されている。本体部1の背面側には、米飯供給装置Aの動作制御を行うための制御部(制御手段:
図6)30などの様々な電子部品が実装された基板17(
図3)が設置されている。
【0028】
正面板10の下方には、米飯を盛り付ける容器(食材受容部:
図3)Sが設置される容器設置部18が設けられ、正面板10と容器設置部18との間には、所定の奥行きおよび高さを有した凹部空間19が形成されている。この凹部空間19は容器Sを収容するに十分な空間となっており、その上方から米飯が落下して容器Sに供給される。また、容器設置部18には、容器Sが設置されているか否かを検知するための容器検知センサ(図示せず)が設置されている。なお、容器検知センサには、容器Sの有無を光学的に検知する光センサや、容器設置部18に容器Sが載置された場合の重量変化で容器Sの有無を検知する重量センサなどを適用することができる。
【0029】
図2および
図3に示すように、前述した開口部13内には、当該開口部13から投入された米飯が貯留されるホッパ(米飯貯留部)20が設置されている。また、
図3に示すように、ホッパ20の底面付近には、米飯を搬送(
図3においては、図面右側から斜め左上側に搬送)するための搬送スクリュ(搬送手段:食材供給手段の一部)21、およびホッパ20内の米飯を撹拌しながら搬送スクリュ21へ送る撹拌羽根(撹拌手段)25が設けられている。
【0030】
搬送スクリュ21における米飯の搬送方向の下流側には、搬送スクリュ21の回転によりホッパ20内を搬送された米飯を解すように取り崩して落下させるドラム型で外周に多数の爪22aが設けられた解しローラ(解し手段:食材供給手段の一部)22が配置されている。さらに、解しローラ22の直下には、当該解しローラ22から落下した米飯の落下経路を開閉する一対の開閉カップ(開閉手段:食材供給手段の一部)23が備えられている。
【0031】
解しローラ22の回転軸は搬送スクリュ21の回転軸と直交するような位置関係になっている。これにより、ホッパ20に貯留された米飯は、ホッパ20に設けられた搬送スクリュ21の回転により解しローラ22へと搬送される。そして、解しローラ22に搬送された米飯は、当該解しローラ22の回転に伴う爪22aの働きにより、解されながら落下する。
【0032】
なお、本実施の形態では、ホッパ20内の米飯が搬送スクリュ21により解しローラ22へと送り出され、解しローラ22により解されて落下する機構となっているが、ホッパ20内の米飯が落下する機構はこれに限定されるものではない。
【0033】
開閉カップ23は、前述した解しローラ22によって落下する米飯の落下経路上に位置している。この開閉カップ23は、米飯が蓄積可能なように下方に膨らんだ形状となっており、上部を支点に回動して開閉可能になった一対の部材で形成されている。そして、閉鎖位置では落下してきた米飯を蓄積するようになっており、蓄積された米飯重量が後述する計量器24によって逐次計量される。また、開放位置では蓄積された米飯が落下して容器Sに供給される。
【0034】
図3および
図5に示すように、ホッパ20は、上端および下端が開口した上部ホッパ20aと、上部ホッパ20aの下端の開口に嵌め込まれてホッパ20の底面を形成する下部ホッパ20bとで構成されている。
【0035】
上部ホッパ20aには、上方より下方へ向かって徐々に狭く形成されており、これによって上端が広口の開口とされるとともに、下端が狭口の開口とされている。
【0036】
図3~
図5において、下部ホッパ20bに形成された略半円形の収容溝20b-1(
図3,
図5)内には、前述した搬送スクリュ21が設置されている。搬送スクリュ21は、米飯の搬送方向に沿って延びる搬送軸21aと、この搬送軸21aの回りに設けられてホッパ20内の米飯を解しローラ22へと搬送する螺旋状のスクリュ21bとで構成されている。そして、搬送軸21aの一方の端部(解しローラ22と反対側の端部)は下部ホッパ20bの外部へ突出しており、当該突出端には減速機26を構成するギア26aが取り付けられている。
【0037】
前述した撹拌羽根25は、搬送スクリュ21と並列に設置されている。撹拌羽根25は、搬送スクリュ21による米飯の搬送方向に沿って配置されたシャフト25aと、シャフト25aの回転方向と交差する方向に延びるとともに相互に間隔を空けて設けられた複数の撹拌棒25bとで構成されている。そして、シャフト25aの一方の端部(解しローラ22と反対側の端部)も下部ホッパ20bの外部へ突出しており、同様に、突出端には減速機27を構成するギア27aが取り付けられている。なお、撹拌羽根25の構造は本実施の形態に示すものには限定されない。また、撹拌羽根25は設けられていなくてもよい。
【0038】
搬送軸21aに取り付けられたギア26aを含む減速機26、およびシャフト25aに取り付けられたギア27aを含む減速機27は、共にハウジング28内に格納されている。また、ハウジング28の裏側には、搬送スクリュ21を回転駆動するための搬送用モータM1、および撹拌羽根25を回転駆動するための撹拌用モータM2がそれぞれ固定されている。そして、搬送用モータM1の出力軸には減速機26を構成するギア26bが、撹拌用モータM2の出力軸には減速機27を構成するギア27bが、それぞれ取り付けられている。これにより、搬送用モータM1の回転力は、ギア26bから中継用のギア26cを介してギア26aに伝達され、搬送スクリュ21を回転させる。また、撹拌用モータM2の回転力は、ギア27bから中継用のギア27cを介してギア27aに伝達され、撹拌羽根25を回転させる。
【0039】
なお、ハウジング28の前面は、減速機26,27を保護するとともに、これらの減速機26,27の回転軸を支持するためのハウジングカバー28aで覆われている。
【0040】
さて、
図3において、米飯供給装置Aは、開閉カップ23に蓄積された米飯(つまり、容器設置部18に載置された容器Sに供給されることになる米飯)の計量を行う計量器(計量手段)24を備えている。
【0041】
計量器24には、荷重を電気信号に変換するロードセルが用いられている。そして、閉鎖位置となっている開閉カップ23に蓄積された米飯の計量値(計量器24による計量値)が目標計量値に到達する直前に搬送スクリュ21および解しローラ22の回転動作が停止し、最終的に目標計量値に到達したときに開閉カップ23が開放位置になって米飯が容器Sに落下供給される。
【0042】
なお、ホッパ20は、ヒータの取り付けられた保温容器32(
図3)内に収容されており、ホッパ20内の米飯が適温に維持されるようになっている。また、装置底面の略四隅には、脚部29(
図3)が取り付けられている。
【0043】
次に、以上の構成を有する米飯供給装置Aのブロック図を
図6に示す。
【0044】
図示するように、本実施の形態の米飯供給装置Aは、装置の動作制御を行う制御部30を備えており、前述した入力部16、計量器24、搬送スクリュ21を回転駆動する搬送用モータ(搬送駆動手段:駆動手段の一部)M1、撹拌羽根25を回転駆動する撹拌用モータM2の他に、解しローラ22を回転駆動する解し用モータ(解し駆動手段:駆動手段の一部)M3、開閉カップ23を開閉させるカップ用モータ(開閉駆動手段:駆動手段の一部)M4などを備えている。さらに、図示は省略されているが、制御部30によって順次読み出されて順に実行されるプログラムが格納されたメモリを備えている。
【0045】
なお、本実施の形態において示すブロック図は本発明に関連した機能ブロックを抽出して示しており、制御部30はこれらの機能ブロックに示された以外の部材等をも制御しているのはもちろんである。
【0046】
次に、本実施の形態の米飯供給装置Aにおける米飯の供給動作について、
図7および
図8を用いて説明する。ここで、
図7は本実施の形態の米飯供給装置における米飯の供給プロセスを示すフローチャート、
図8は本実施の形態の米飯供給装置における米飯の補給動作を示すタイムチャートである。
【0047】
米飯供給装置Aにおける米飯の供給動作の前段階として、電源を入れ、上蓋14を開き、炊き上がった米飯をホッパ20に投入して上蓋14を閉める。
【0048】
そして、タッチパネル式の入力部16を操作して、容器Sに供給される米飯の重量を設定し、スタートボタンをONにする(ステップS01)。なお、この時点では、開閉カップ23は閉鎖位置となっている。
【0049】
ここで、本実施の形態では、例えば200gの米飯が容器Sに供給されるように設定したものとする。なお、設定重量は、このような具体的な数値ではなく、例えば「小盛」、「並盛」、「大盛」のような抽象的な重量が設定可能になっていてもよい。また、抽象的な重量設定では、装置側において、例えば「小盛」では150g、「並盛」では200g、「大盛」では250gのように、数値重量との関連づけがなされる。
【0050】
ステップS01で重量設定を行ってスタートボタンをONにしたならば、米飯の供給動作が行われる(ステップS02)。すなわち、搬送用モータM1が回転して搬送スクリュ21が駆動され、解し用モータM3が回転して解しローラ22が駆動される。これにより、ホッパ20内の米飯は、搬送スクリュ21によって解しローラ22へと搬送され、続いて解しローラ22の回転に伴う爪22aの働きによって解されながら落下し、開閉カップ23に蓄積される。このとき、撹拌用モータM2が回転して撹拌羽根25が駆動され、ホッパ20内の米飯が撹拌されながら搬送スクリュ21へ送られる。
【0051】
図7に示すように、解しローラ22から落下して開閉カップ23に蓄積される米飯は計量器24により逐次計量されており、設定重量に達したかが判断される(ステップS03)。
【0052】
ステップS03において、落下中に計測された米飯が設定重量(ここでは200g)に達したと判断されたならば(設定重量到達Wt:
図8)、一旦、米飯の供給動作が停止される(ステップS04)。そして、計量器24の計測値が安定化するまでの時間である安定化時間の経過後に再計量が行われる(ステップS05)。なお、本実施の形態では、安定化時間は0.5秒となっている。但し、安定化時間は0.5秒に限定されるものではなく、使用する計量器24の種類等に応じて自由に設定することができる。
【0053】
ここで、安定化時間の経過後に再計量を行っているのは、次のような理由による。すなわち、落下中の米飯を計量する場合には、米飯自体の重量に対して米飯の落下に伴う衝撃荷重が加算されることから、実際に開閉カップ23に蓄積された米飯の重量よりも大きな値が瞬間的に示される傾向がある。すると、開閉カップ23には設定重量の米飯が蓄積されていないにもかかわらず、その実際よりも大きな値をもって、米飯が設定重量に達したと判断されることになる。そこで、衝撃荷重の影響を排除するために、計量器24の計測値が安定化するまでの時間すなわち安定化時間を設け、この安定化時間の経過後に再計量を行って米飯の正確な重量を求めるようにしたものである。
【0054】
さて、ステップS05において再計量が行われたならば、その計測重量が設定重量に達しているかが判断される(ステップS06)。
【0055】
そして、ステップS06において、再計量された重量が設定重量に達している(本実施の形態では、200g以上となっている)と判断された場合には、開閉カップ23がカップ用モータM4に駆動されて閉鎖位置から開放位置へと移動する(ステップS07)。これにより、開閉カップ23に蓄積されていた米飯が落下して、直下に設置されている容器Sに供給され、一連の米飯供給動作が終了する。
【0056】
一方、ステップS06において、再計量された重量つまり計測重量が設定重量に達していない(例えば、本実施の形態での設定重量200gに対して、再計量された重量が195gであった)と判断された場合には、予め設定された動作態様で構成される米飯の補填動作に移行する。
【0057】
具体的には、搬送用モータM1および解し用モータM3により搬送スクリュ21および解しローラ22をそれぞれ駆動することにより、第1の補填時間にわたって米飯が補填される(ステップS08)。本実施の形態では、第1の補填時間は0.2秒となっており、この第1の補填時間により2gの米飯が補填されるようになっている。ステップS08で米飯が補填されたならば、続いて、安定化時間(本実施の形態では、0.5秒)の経過後に計量が行われる(ステップS09)。本実施の形態において、ステップS05における計量値である195gに2gが補填されたことから、ステップS09では197gと計量される。
【0058】
さて、このような補填動作が行われたならば、ステップS06に戻って、計測重量が設定重量に達したかが判断される。この場合、計測重量が197gであり、設定重量である200gに達していないので、
図8に示すように、2回目の補填動作が行われる。すなわち、ステップS08において、第1の補填時間(0.2秒)で2gの米飯が補填され、ステップS09において、安定化時間(0.5秒)の経過後に計量が行われる。ここでは、前回の計量値197gに2gが補填されたことから、ステップS09では199gと計量される。
【0059】
2回目の補填動作が行われたならば、再びステップS06に戻って、計測重量が設定重量に達したかが判断される。この場合、計測重量が199gであり、未だ設定重量である200gに達していないので、
図8に示すように、3回目の補填動作が行われる。そして、ステップS08で2gの米飯が補填され、ステップS09で安定化時間(0.5秒)の経過後に計量が行われる。ここでは、前回の計量値199gに2gが補填されたことから、ステップS09では201gと計量される。
【0060】
3回目の補填動作が行われたならば、再びステップS06に戻って、計測重量が設定重量に達したかが判断される。この場合、計測重量が201gであり、設定重量である200gに達しているので(設定重量到達Wf:
図8)、ステップS07に移行し、開閉カップ23が閉鎖位置から開放位置へと移動する。これにより、開閉カップ23に蓄積されていた201gの米飯が落下して、直下に設置されている容器Sに供給され、一連の米飯供給動作が終了する。
【0061】
なお、以下に説明する場合を含めて、本実施の形態では、3回の補填動作が行われているが、回数は3回である必要はないことは言うまでもない。つまり、米飯の補填動作は、設定重量に達するまでの1回または複数回、つまり少なくとも1回行われる。また、前述した第1の補填時間の長さと第1の補填時間で補填される米飯の重量とは本実施の形態に示す数値(それぞれ、0.2秒と2g)に限定されるものではなく、自由に設定することができる。さらに、本実施の形態において、補填動作における安定化時間は、設定重量到達Wt後の安定化時間と同じ0.5秒になっているが、異なっていてもよい。
【0062】
このように、本実施の形態の米飯供給装置Aによれば、落下中に計測された米飯が設定重量に達したならば米飯の供給動作を停止して、計量器24の計測値が安定化するまでの時間である安定化時間経過後に再計量を行っている。そして、再計量された重量が設定重量に達していないときには、第1の補填時間(本実施の形態では、0.2秒)にわたって米飯を補填し、安定化時間経過後に計量するという補填動作を設定重量に達するまでの少なくとも1回(本実施の形態では、3回)行っている。これにより、米飯の不足重量を補うという範囲を逸脱して過剰供給してしまうことがなくなり、設定重量に対して重量精度良く米飯を供給することが可能になる。
【0063】
(補填動作の変形例)
【0064】
以上の説明における補填動作は、第1の補填時間にわたって米飯を補填し、安定化時間経過後に計量するという動作であったが、このような補填動作以外にも、次のような変形例が考えられる。
すなわち、
図9のフローチャートに示すように、
図7のフローチャートと同様なステップを経て、ステップS05で再計量された計測重量が、ステップS06において設定重量に達していないと判断された場合には、再計量された重量が設定重量(例えば、200g)に対して所定の未達重量(例えば、195g)以上であるかが判断される(ステップS10)。
【0065】
そして、ステップS10において、所定の未達重量以上と判断されたときには、前述と同様の補填動作(
図8のタイムチャート参照)が実行される。すなわち、搬送用モータM1および解し用モータM3を駆動することにより第1の補填時間(例えば、0.2秒)で例えば2gの米飯が補填され(ステップS11)、安定化時間(例えば、0.5秒)の経過後に計量が行われる(ステップS12)。その後、計測重量が設定重量に達したかが判断され(ステップS13)、達していると判断されれば、開閉カップ23が開放位置へと移動し(ステップS07)、米飯が落下して容器Sに供給され、一連の米飯供給動作が終了する。また、ステップS13において、計測重量が設定重量に達していないと判断されれば、ステップS10に戻った後、設定重量に達するまで補填動作(ステップS11およびステップS12)が実行される。
【0066】
一方、ステップS10において、再計量された重量が設定重量に対して所定の未達重量を下回る(例えば、192g)と判断されたときには、
図10のタイムチャートに従った補填動作が行われる。すなわち、最初の補填動作として、第1の補填時間よりも長い第2の補填時間(例えば、0.5秒)にわたって補填することにより、例えば5gの米飯が補填される(ステップS14)。続いて、安定化時間(例えば、0.5秒)の経過後に計量が行われる(ステップS12)。ここでは、ステップS05における計量値である192gに5gが補填されたことから、ステップS12では197gと計量される。
【0067】
なお、第2の補填時間の長さと第2の補填時間で補填される米飯の重量についても本実施の形態に示す数値(それぞれ、0.5秒と5g)に限定されるものではなく、自由に設定することができる。
【0068】
このような補填動作が行われたならば、計測重量が設定重量に達したかが判断される(ステップS13)。この場合、計測重量が197gであり、設定重量である200gに達していないので、
図10に示すように、2回目の補填動作が行われる。この2回目以降の補填動作での補填時間は第1の補填時間となる。すなわち、ステップS11において、第1の補填時間(0.2秒)で2gの米飯が補填され、ステップS12において、安定化時間(0.5秒)の経過後に計量が行われる。ここでは、前回の計量値197gに2gが補填されたことから、ステップS12では199gと計量される。
【0069】
なお、ステップS13において、計測重量が設定重量に達していると判断された場合には、開閉カップ23が開放位置へと移動し(ステップS07)、米飯が落下して容器Sに供給される。また、ステップS13において、計測重量が設定重量に達していないと判断されれば、設定重量に達するまで補填動作(ステップS11およびステップS12)が実行される。
【0070】
2回目の補填動作が行われたならば、再びステップS13に移行して、計測重量が設定重量に達したかが判断される。この場合、計測重量が199gであり、未だ設定重量である200gに達していないので、
図10に示すように、3回目の補填動作が行われる。そして、ステップS11で2gの米飯が補填され、ステップS12で安定化時間(0.5秒)の経過後に計量が行われる。ここでは、前回の計量値199gに2gが補填されたことから、ステップS12では201gと計量される。
【0071】
3回目の補填動作が行われたならば、再びステップS13に移行して、計測重量が設定重量に達したかが判断される。この場合、計測重量が201gであり、設定重量である200gに達しているので(設定重量到達Wf:
図10)、ステップS07に移行し、開閉カップ23が閉鎖位置から開放位置へと移動する。これにより、開閉カップ23に蓄積されていた201gの米飯が落下して、直下に設置されている容器Sに供給され、一連の米飯供給動作が終了する。
【0072】
なお、本実施の形態では、第2の補填時間での補填動作の実行回数は1回となっているが、以下に例示するようなケースでは、複数回実行されることになる。
【0073】
たとえば、ステップS05で再計量された計測重量が例えば189gで、ステップS10において、再計量された重量が設定重量に対して所定の未達重量(195g)を下回ると判断され、ステップS14において、第2の補填時間で例えば5gの米飯が補填されたとする。この場合、ステップS12の安定化時間経過後の計量で194gと計量され、ステップS13では、計測重量は設定重量に達していないと判断されてステップS10に戻る。
【0074】
このときには、計測重量が194gのために、ステップS10では、再計量された重量が設定重量に対して所定の未達重量(195g)を下回ると再度判断される。そこで、もう一度、ステップS14において、第2の補填時間で例えば5gの米飯が補填され、次いで、ステップS12の安定化時間経過後の計量で199gと計量され、ステップS13では、計測重量は設定重量に達していないと判断されてステップS10に戻る。
【0075】
そして、ステップS10では、計測重量が199gのために、再計量された重量が設定重量に対して所定の未達重量(195g)以上と判断されるので、次に、ステップS11において、第1の補填時間(0.2秒)で2gの米飯が補填され、ステップS12において、安定化時間(0.5秒)の経過後に計量が行われる。ここでは、前回の計量値199gに2gが補填されたことから、ステップS12では201gと計量される。そして、ステップS13に移行して、計測重量が201gであり、設定重量である200gに達しているので、ステップS07に移行し、開閉カップ23が閉鎖位置から開放位置へと移動する。
【0076】
このように、第2の補填時間での補填動作は1回には限定されず、計測重量が所定の未達重量以上となるまで行われる。つまり、第2の補填時間での補填動作は、計測重量が所定の未達重量以上となるまで1回または複数回(つまり、少なくとも1回)行われる。
【0077】
このような変形例によれば、再計量された重量が設定重量に対して所定の未達重量を下回っている場合、最初の補填動作において、第1の補填時間よりも長い第2の補填時間にわたって米飯が補填されるようになっている。これにより、第1の補填時間だけで補填する場合よりも少ない回数の補填動作で米飯が設定重量に達するようになるので、より短時間で、設定重量に対して重量精度良く米飯を供給することが可能になる。
【0078】
(落下中に計測された米飯重量と米飯供給動作停止とについての変形例)
【0079】
以上の説明では、落下中に計測された米飯が設定重量に達したと判断されたならば(
図7や
図9のステップS03)、一旦米飯の供給動作を停止し(
図7や
図9のステップS04)、安定化時間経過後に再計量を行うようにしている(
図7や
図9のステップS05)。
【0080】
しかしながら、米飯供給動作の停止の判断基準を、米飯の設定重量に達したか否か(
図7や
図9のステップS03)に替えて、設定重量を下回る所定重量に達したか否かにするようにしてもよい。具体例を示すと、設定重量が200gであった場合、その95%である190gに達したと判断されたか否かにするようにしてもよい。
【0081】
なお、米飯供給動作の停止の判断基準を、設定重量を下回る所定重量に達したか否かとした場合、
図7や
図9のステップS05における安定化時間の経過後に再計量したときの計測重量は設定重量には達していない。すると、次のステップS06(計測重量は設定重量に達しているか否かの判断)では、必ず設定重量に達していないことになる。
【0082】
したがって、本変形例の場合には、
図7のステップS05からステップS06をスキップしてステップS08に移行し、あるいは、
図9のステップS05からステップS06をスキップしてステップS10に移行することになる。
【0083】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0084】
例えば、本実施の形態では、第1の補填時間あるいは第2の補填時間にわたって米飯の補填を行うこととしている。ここで、搬送用モータM1や解し用モータM3の動作時間が長くなれば(あるいは、短くなれば)、搬送用モータM1や解し用モータM3の回転量が大きくなって(あるいは、小さくなって)、米飯の補填時間が長くなる(あるいは、短くなる)。したがって、補填時間とは、搬送用モータM1や解し用モータM3の動作時間あるいは回転量と同義である。
【0085】
また、本実施の形態では、搬送スクリュ21、解しローラ22および開閉カップ23で食材供給手段が構成されているが、米飯を計量して容器Sに供給することができれば足り、本食材供給手段の構成に限定されるものではない。
【0086】
また、以上の説明では、開閉カップ23に蓄積される米飯の重量を計測するいわゆる上計量の米飯供給装置Aが示されているが、容器設置部18に載置された容器Sに落下供給される米飯の重量を計測するいわゆる下計量の米飯供給装置であってもよい。
【0087】
ここで、下計量の米飯供給装置Aでは、前述の開閉カップ23に代えて、ホッパ20に貯留された米飯が落下する経路を開閉可能になった開閉シャッタ(開閉手段)が設けられる。また、計量器(計量手段)24は、開閉カップ23に蓄積された米飯の計量を行うのではなく、容器設置部18に設置された容器Sに供給された米飯の計量を行う。そして、開閉シャッタは、開放位置では米飯の落下経路を開放して解しローラ22から落下した米飯を容器Sへ供給可能にし、閉鎖位置では落下経路を閉鎖するように、制御部30によって制御される。
【0088】
また、前述した実施の形態の米飯供給装置Aにおいては、食材受容部の一例として容器Sが示されているが、容器Sに限定されるものではなく、例えば落下した米飯を所定の形状に成形するための成形型などであってもよい。なお、容器Sとしては、丼鉢、椀、トレイ、皿、弁当箱などがあり、特に形状や大きさなどは限定されず、米飯を供給することが可能な様々なものが適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上の説明では、食材の一例として米飯が適用されているが、これに限定されるものではなく、例えばみじん切りした野菜など、食材である限り様々なものを適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
18 容器設置部
20 ホッパ(米飯貯留部)
21 搬送スクリュ(搬送手段:食材供給手段の一部)
22 解しローラ(解し手段:食材供給手段の一部)
23 開閉カップ(開閉手段:食材供給手段の一部)
24 計量器(計量手段)
25 撹拌羽根(撹拌手段)
30 制御部(制御手段)
A 米飯供給装置(食材供給装置)
M1 搬送用モータ(搬送駆動手段:駆動手段の一部)
M2 撹拌用モータ
M3 解し用モータ(解し駆動手段:駆動手段の一部)
M4 カップ用モータ(開閉駆動手段:駆動手段の一部)
S 容器(食材受容部)