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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/516 20210101AFI20240510BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240510BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240510BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240510BHJP
【FI】
H01M50/516
H01M50/503
H01M50/505
H01M50/55 101
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021145107
(22)【出願日】2021-09-07
(65)【公開番号】P2023038414
(43)【公開日】2023-03-17
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】プライムアースEVエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】村石 康輔
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/157262(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/130706(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面の一部が端子面となっている電池セルと、前記端子面に接合されているバスバーとを有する電池モジュールであって、
前記バスバーには、厚み方向に貫通しており前記端子面の一部を露出させる切り欠き箇所が形成されており、
前記バスバーと前記端子面とを溶接により接合した箇所である溶接痕が形成されており、
前記溶接痕の少なくとも一方の端部が、前記切り欠き箇所、および、前記切り欠き箇所にて露出している前記端子面に掛かっており、
前記バスバーの複数箇所に前記切り欠き箇所が形成されており、
前記溶接痕が、1つの前記切り欠き箇所から他の1つの前記切り欠き箇所に達して形成されている電池モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の電池モジュールであって、
複数の電池セルを有し、
前記バスバーは、隣接して配置された2つの前記電池セルの前記端子面同士を接続するものである電池モジュール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電池モジュールであって、
前記切り欠き箇所が貫通穴である電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、電池セルの端子面に接合されているバスバーを有する電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールでは一般的に、電池セルの外面に設けられた端子面にバスバーが接続されている。バスバーは、接合された電池セルを、例えば他の電池セルと電気的に接続するものである。電池セルにバスバーが接合された従来の電池モジュールとして、例えば、特許文献1に記載されているものを挙げることができる。この文献の電池モジュールでは、バスバーに開口窓を形成しておき、開口窓の内側にて電池セルの端子面を露出させつつ、開口窓の外側にて端子面とバスバーとを接合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/130706号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の技術では、電池セルの端子面とバスバーとの接合箇所である溶接痕を、バスバーの開口窓の外側を囲うように大きく形成している。溶接痕を大きく形成する場合、例えば、溶接に要する時間は長くなる傾向にあり、電池モジュールの生産効率は低下してしまう。一方で、溶接時間を短くするほど、形成できる溶接痕は小さくなるため、端子面とバスバーとの接合強度は低下する傾向にある。すなわち、端子面とバスバーとの分離が適切に抑制される溶接痕を、短時間で形成することは困難であった。
【0005】
本開示技術は、前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、電池セルの端子面とバスバーとの接合が短時間でなされ、これらが接合箇所にて分離しにくい電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示技術の一態様は、外面の一部が端子面となっている電池セルと、端子面に接合されているバスバーとを有する電池モジュールであって、バスバーには、厚み方向に貫通しており端子面の一部を露出させる切り欠き箇所が形成されており、バスバーと端子面とを溶接により接合した箇所である溶接痕が形成されており、溶接痕の少なくとも一方の端部が、切り欠き箇所、および、切り欠き箇所にて露出している端子面に掛かっている電池モジュールである。
【0007】
上記態様における電池モジュールには、少なくとも一方の端部が、切り欠き箇所、および、切り欠き箇所にて露出している端子面に掛かっている溶接痕が形成されている。このような溶接痕の端部は、バスバーに端子面から遠ざかる向きの力が作用した際にも、応力が集中しにくい。よって、電池セルの端子面とバスバーとは、その溶接痕の箇所にて分離しにくい。また、この溶接痕は、線状に溶接を行いつつその端部を切り欠き箇所まで伸ばすことで形成できる。溶接の端部を切り欠き箇所まで伸ばすことによって、溶接に要する時間が特段、長くなってしまうことはない。つまり、このような溶接痕は短時間で形成される。従って、上記態様における電池モジュールは、電池セルの端子面とバスバーとの接合が短時間でなされ、これらが接合箇所にて分離しにくい電池モジュールである。
【0008】
上記態様の電池モジュールではさらに、バスバーの複数箇所に切り欠き箇所が形成されており、溶接痕が、1つの切り欠き箇所から他の1つの切り欠き箇所に達して形成されていることが望ましい。このようにすることで、溶接痕の両端部において、バスバーと端子面とが分離してしまうことを抑制できる。
【0009】
上記態様の電池モジュールではさらに、複数の電池セルを有し、バスバーは、隣接して配置された2つの電池セルの端子面同士を接続するものであることが望ましい。このようにすることで、複数の電池セルが適切に接続され、所望の能力を安定して発揮できる電池モジュールを構成できる。
【0010】
上記態様の電池モジュールではさらに、切り欠き箇所が貫通穴であることが望ましい。このようにすることで、貫通穴を、製造工程においては目印等として使用することができる。
【発明の効果】
【0011】
本開示技術によれば、電池セルの端子面とバスバーとの接合が短時間でなされ、これらが接合箇所にて分離しにくい電池モジュールが提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態に係る電池モジュールの外観斜視図である。
図2】電池モジュールにおける電池セルおよびバスバーの斜視図である。
図3】バスバーの平面図である。
図4】溶接痕の断面図である。
図5】比較例に係る溶接痕が形成されたバスバーの平面図である。
図6】比較例に係る溶接痕の断面図である。
図7】比較例に係る溶接痕が形成されたバスバーに変形が生じた場合を示す図である。
図8】比較例に係る溶接痕が形成されたバスバーに変形が生じた場合の溶接痕における応力の発生箇所について説明する図である。
図9】実施の形態に係る溶接痕が形成されたバスバーに変形が生じた場合の溶接痕における応力の発生箇所について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示技術を具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、図1に示す電池モジュール1に本開示技術を適用したものである。図1の電池モジュール1は、ロアケース2に複数の電池セル3を詰めたものである。複数の電池セル3は、ロアケース2の内部で水平方向に積層して配置されている。電池モジュール1は、実際に使用される場面では図1に示す状態に対してさらにアッパーケース等が取り付けられるが、それらは本開示技術における特徴点ではないのでここでは省略する。
【0014】
本形態における電池セル3は、図2に示されるように角型平板状のものである。電池セル3は、外装体4の内部に発電要素を内蔵したものである。外装体4の上面の両端にはそれぞれ正極端子5、負極端子6が設けられている。電池セル3は、正極端子5、負極端子6を通じて充放電が可能である。正極端子5の上面を正極端子面51、負極端子6の上面を負極端子面61としてそれぞれ示している。
【0015】
電池モジュール1内の複数の電池セル3は、図2に示すように、正極端子5と負極端子6とが交互に逆向きになるように配置されている。隣接する電池セル3の正極端子5と負極端子6とを接続するように、バスバー7が配置されている。バスバー7は、導電性の金属板である。本形態のバスバー7は、平板状のものである。バスバー7は、正極端子5の正極端子面51、負極端子6の負極端子面61に接続されている。バスバー7の位置は、図2中の右側の列と左側の列とでずれている。これにより、本形態の電池モジュール1において、複数の電池セル3よりなる電池群は、バスバー7によって電気的に直列に接続されている。
【0016】
図3は、バスバー7の平面図である。バスバー7は、正極端子面51に接続されている正極接続部71と、負極端子面61に接続されている負極接続部72とを有している。正極接続部71、負極接続部72には、バスバー7を厚み方向に貫通する貫通穴75が形成されている。貫通穴75は、バスバー7の一部を切り欠いて形成された切り欠き箇所である。また貫通穴75は、正極接続部71、負極接続部72にそれぞれ4つずつ形成されている。本形態では、正極接続部71、負極接続部72におけるそれぞれ4つの貫通穴75の配置は、これらを頂点とした四角形が構成される配置である。
【0017】
また、正極接続部71、負極接続部72にはそれぞれ、2つの溶接痕8が形成されている。溶接痕8にはドットハッチングを施して示している。溶接痕8はいずれも、2つの貫通穴75同士の間を結ぶように、線状に形成されている。正極接続部71に設けられた溶接痕8は、正極接続部71と正極端子面51とを溶接により接合することで形成されたものである。負極接続部72に設けられた溶接痕8は、負極接続部72と負極端子面61とを溶接により接合することで形成されたものである。図3に示す線状の溶接痕8はいずれも、電池セル3の幅方向に伸びるように設けられている。
【0018】
図4は、溶接痕8の断面図である。溶接痕8の端部の上部側は、貫通穴75に掛かっている。溶接痕8の端部の貫通穴75の箇所よりも下部側は、貫通穴75にて露出している正極端子面51または負極端子面61に掛かっている。すなわち、貫通穴75同士の間に形成された溶接痕8の両端はそれぞれ、貫通穴75、および、貫通穴75にて露出している正極端子面51または負極端子面61に掛かっている。また、溶接痕8は、バスバー7の厚み方向について、バスバー7の上面からバスバー7を貫通し、正極端子5、負極端子6にまでおよんでいる。これにより、バスバー7と正極端子面51または負極端子面61とを接合している。
【0019】
このような本形態の溶接痕8は、レーザー溶接によって形成されたものである。すなわち、正極端子面51、負極端子面61の上にバスバー7を配置しつつ、溶接痕8を形成する箇所の一端から他端にかけてレーザー光の照射位置を移動させる。これにより、レーザー照射によって溶融したバスバー7と正極端子5または負極端子6とは、互いに混ざり合ってその後、固化して溶接痕8となる。本形態の溶接痕8は、隣り合う貫通穴75同士を結ぶように線状にレーザー光の照射位置を移動することで形成される。よって、レーザー光の照射によって面状の大きな溶接痕を形成する場合と比較して、バスバー7の接合を短時間で行うことができる。
【0020】
また、本形態のように、端部が貫通穴75に達している溶接痕8は、その端部において、バスバー7が正極端子面51、負極端子面61から分離しにくいものである。このことについて、本形態の溶接痕8とは異なる比較例と比較しつつ説明する。
【0021】
図5は、比較例に係る溶接痕9が形成されたバスバー7の平面図である。比較例についても、溶接痕9以外の構成については、上記の実施の形態と同様である。比較例に係る溶接痕9は、本形態に係る溶接痕8よりも短い。具体的に、比較例に係る溶接痕9は、その両端がともに、貫通穴75に達しない程度の長さである。図6は、比較例に係る溶接痕9の断面図である。溶接痕9の両端はともに、貫通穴75、および、貫通穴75にて露出している正極端子面51、負極端子面61のいずれにも掛かっていない。
【0022】
図7は、比較例に係る溶接痕9が形成されたバスバー7に、正極端子面51、負極端子面61から遠ざかるような力が作用した場合を示す図である。図7のバスバー7には、溶接痕9の長手方向におけるバスバー7の端部側(右側)ほど、正極端子面51、負極端子面61から遠ざかるような力が作用している。例えば、隣り合う電池セル3の一方が他方に対して移動してしまったような場合、バスバー7がねじれるように変形することで、このような力が作用することがある。
【0023】
図8には、比較例に係る溶接痕9の平面図を示している。また図8には、バスバー7の上側の端部側ほど正極端子面51、負極端子面61から遠ざかるようにバスバー7が変形した場合に応力が発生する位置Aを示している。図8に示すように、位置Aは、溶接痕9の長手方向の端部に位置している。すなわち、比較例に係る溶接痕9では、長手方向の端部の位置Aに応力が集中してしまうことがある。この応力が集中する位置Aは、図7に示すように溶接痕9の厚みが厚い部分であり、その厚み方向における中間の箇所である。そして、溶接痕9の位置Aでは、応力集中が繰り返し発生することによって疲労破壊が生じてしまうおそれがある。
【0024】
これに対し、本形態に係る溶接痕8では、図4の断面図にも示すように、長手方向の端部ほど、上面がなだらかになっている。そして、本形態に係る溶接痕8は、端部側ほど厚みが薄くなりつつ、貫通穴75の内側にて正極端子面51、負極端子面61の下部に沈み込むような形状をしている。このような溶接痕8の形状は、バスバー7の端部側ほど正極端子面51、負極端子面61から遠ざかるようにバスバー7が変形した場合にも、長手方向の端部に応力が集中しにくい形状である。
【0025】
図9には、本形態に係る溶接痕8の平面図を示している。また図9には、バスバー7の上側の端部側ほど正極端子面51、負極端子面61から遠ざかるようにバスバー7が変形した場合に応力が発生する位置B1~B3、C1~C3を示している。位置B1~B3および位置C1~C3はそれぞれ、溶接痕8のうち、上側の端部付近の側部に位置している。溶接痕8の上側の端部に近い位置B1、C1より、上側の端部から遠い位置B3、C3にかけて、発生する応力は小さくなる。すなわち、本形態に係る溶接痕8では、図9に示すように、バスバー7の上側の端部側ほど正極端子面51、負極端子面61から遠ざかるようにバスバー7が変形した場合、溶接痕8の側部に沿って応力が分散する。これにより、溶接痕8の長手方向の端部に大きな応力が集中することが抑制されている。よって、本形態に係る溶接痕8は、バスバー7の変形が繰り返されるような状況においても疲労破壊が生じにくい。これにより、バスバー7が、正極端子面51、負極端子面61から分離してしまうことが抑制される。
【0026】
また、貫通穴75は、バスバー7の溶接工程にて有効に活用できるものである。すなわち、例えば、レーザー溶接の際に、貫通穴75を、レーザーの照射箇所の始点または終点の目印として使用することができる。これにより、レーザーの照射位置を正確に定め、適切な溶接痕8を形成することができる。また、レーザーの照射位置と、その始点、終点の目印とが近い位置であることで、レーザーの照射を、始点から終点にわたって正確に行うことができる。
【0027】
そして、貫通穴75をバスバー7の溶接工程にて有効に活用できることで、バスバー7等の各部品の小型化を図ることができる。溶接工程における目印等に用いる貫通穴を別途、設ける必要がないからである。また、バスバー7や正極端子面51、負極端子面61について限られた面積のなかで、溶接痕8を大きく形成することができる。これにより、各部品の小型化を図りつつ、十分な接合強度を有する溶接痕8を設けることができる。
【0028】
以上詳細に説明したように本実施形態に係る電池モジュールは、電池セル3と、電池セル3の正極端子面51、負極端子面61に接合されているバスバー7とを有する。バスバー7には、厚み方向に貫通する貫通穴75が形成されている。貫通穴75の内部では、正極端子面51、負極端子面61の一部が露出している。また、バスバー7と正極端子面51、負極端子面61とを溶接により接合した箇所である溶接痕8が形成されている。溶接痕8の端部は、貫通穴75、および、貫通穴75にて露出している正極端子面51、負極端子面61に掛かっている。このような溶接痕8の端部では、バスバー7に正極端子面51、負極端子面61から遠ざかる向きの力が作用した際にも、応力が集中しにくい。よって、バスバー7が正極端子面51、負極端子面61から分離してしまうことが抑制されている。また、溶接痕8は、線状に接合を行いつつその端部を貫通穴75まで伸ばすことで形成できる。溶接の端部を貫通穴75まで伸ばすことによって、溶接に要する時間が特段、長くなってしまうことはない。つまり、溶接痕8は短時間で形成される。従って、電池セルの端子面とバスバーとの接合が短時間でなされ、これらが接合箇所にて分離しにくい電池モジュールが実現されている。
【0029】
また、バスバー7には複数の貫通穴75が形成されている。そして、溶接痕8は、両端がそれぞれ2つの貫通穴75に達して形成されている。このため、溶接痕8の両端部において、バスバー7と正極端子面51、負極端子面61とが分離してしまうことを抑制できる。また、バスバー7は、隣接して配置された2つの電池セル3の正極端子面51と負極端子面61とを接続するものである。これにより、複数の電池セル3が適切に接続され、所望の能力を安定して発揮できる電池モジュール1が構成されている。また、溶接痕8の端部が達する箇所を貫通穴75としておくことで、その貫通穴75を、製造工程においては目印等として使用することができる。例えば、貫通穴75をレーザー溶接の始点または終点の目印とすることで、レーザーの照射位置を正確に定めること等ができる。
【0030】
上記実施の形態はいずれも単なる例示にすぎず、本開示技術を何ら限定するものではない。従って本開示技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。
【0031】
例えば、上記実施の形態では、溶接痕8の端部がともに2つの貫通穴75にそれぞれ達している例について説明した。しかし、溶接痕の一方の端部側への応力集中についてのみを抑制する目的であれば、溶接痕は、その一方の端部側についてのみ、貫通穴まで達するようにしておけばよい。また例えば、上記実施の形態では、溶接痕8の端部が掛かっている切り欠き箇所を、丸い貫通穴75とした例について説明した。しかし、溶接痕の端部が掛かる切り欠き箇所の形状は、例えば、三角形や四角形の貫通穴であってもよい。また例えば、溶接痕の端部が掛かる切り欠き箇所は、一部がバスバーの外縁に繋がるU字形状をしていてもよい。
【0032】
また例えば、上記実施の形態では、溶接痕8として、正極端子面51、負極端子面61のそれぞれについて2つずつ設けた例について説明した。しかし、溶接痕8は、正極端子面51、負極端子面61のそれぞれに1つずつであってもよい。また例えば、上記実施の形態では、4つの貫通穴75のうちの2つの貫通穴75同士に両端が達する溶接痕8を2つ、平行に設けた構成について説明した。しかし、複数の溶接痕を設ける場合、必ずしも平行である必要はない。また例えば、溶接痕は、四角形の頂点を構成するように配置された4つの貫通穴75のうち、対角に位置するもの同士を結ぶように設けることとしてもよい。すなわち、複数の溶接痕を、交差するように設けることとしてもよい。
【0033】
また上記実施の形態では、複数の電池セル3が電気的に直列に接続された電池モジュール1の例について説明した。しかし、例えば、複数の電池セル3を電気的に並列に接続した電池モジュールを適用対象とすることもできる。すなわち、電気的な接続態様に制約はない。また上記実施の形態では、両端がそれぞれ電池セル3の端子面に接続されたバスバー7について説明した。しかし、例えば、一端が電池セル3の端子面に接続され、他端が電池モジュールの外部端子へと接続されたバスバーの一端側について、溶接痕8が形成されていてもよい。また上記実施の形態の適用対象は、電池種(ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の種別)については特段の限定はない。
【符号の説明】
【0034】
1 電池モジュール 3 電池セル 7 バスバー
51 正極端子面 61 負極端子面 75 貫通穴(切り欠き箇所)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9