(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】アンテナシステム
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240510BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240510BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240510BHJP
H01Q 3/30 20060101ALI20240510BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G02F1/13 505
G02F1/1368
H01Q3/30
H01Q21/06
(21)【出願番号】P 2019178392
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-08-19
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510134581
【氏名又は名称】群創光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Innolux Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【氏名又は名称】牛木 護
(72)【発明者】
【氏名】蔡 宗翰
(72)【発明者】
【氏名】呉 湲琳
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-013584(JP,A)
【文献】特開2009-206238(JP,A)
【文献】特開平08-297301(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0011458(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107490915(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0256669(US,A1)
【文献】特開平08-313923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
1/137-1/141
G09F 9/00-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナシステムであって、第一変調ユニット
、第二変調ユニット
、および、コモン電極を有し、
前記第一変調ユニットは、
延在方向に配置されるチャネル、および第一ドレイン電極を有する第一トランジスタ、および、
前記第一トランジスタに電気的に接続されるとともに、第一縦方向で配置される第一変調電極を有し、
前記第二変調ユニットは、
前記延在方向に配置されるチャネルを有する第二トランジスタ、および、
前記第二トランジスタに電気的に接続されるとともに、前記第一縦方向と異なる第二縦方向で配置される第二変調電極を有し、
前記延在方向と前記第一縦方向との間の第一夾角(θA)は、前記延在方向と前記第二縦方向との間の第二夾角(θB)と異なり、
前記第一ドレイン電極が、前記第一変調電極に電気的に接続され、
前記第一ドレイン電極、および、前記第一変調電極は重なる領域を形成し、
前記第一変調電極の面積に対する前記重なる領域の面積の比率が、5%~50%であ
り、
前記コモン電極により、電磁放射線が前記アンテナシステムに導かれ、前記アンテナシステムから放射できるようにし、および/または、前記アンテナシステムにより受信できるようにしている
ことを特徴とするアンテナシステム。
【請求項2】
前記第一夾角と前記第二夾角との間の差異は、15度~90度の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
前記第一変調電極の前記面積は、前記第二変調電極の面積と異なることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記第一トランジスタの前記チャネルの幅対長さの比率は、前記第二トランジスタの前記チャネルの幅対長さの比率と異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
前記第一トランジスタの前記チャネルと前記第一変調電極との間の距離は、前記第二トランジスタの前記チャネルと前記第二変調電極との間の距離と異なることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナシステム。
【請求項6】
前記重なる領域は第三縦方向を有し、前記第三縦方向と前記第一縦方向との間の第三夾角は、70度~110度の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項7】
前記重なる領域の前記第三縦方向に沿った、前記第一変調電極の長さに対する前記重なる領域の長さの比率が、30%~90%であることを特徴とする請求項6に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記第二トランジスタは、さらに、前記第二変調電極に電気的に接続される第二ドレイン電極を有し、前記第一ドレイン電極の長さは、前記第二ドレイン電極の長さと異なることを特徴とする請求項1、6乃至7のいずれか1項に記載のアンテナシステム。
【請求項9】
前記第一変調電極は第一角丸を有し、前記第二変調電極は第二角丸を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のアンテナシステム。
【請求項10】
前記第一角丸の曲率半径は、前記第二角丸の曲率半径と異なることを特徴とする請求項9に記載のアンテナシステム。
【請求項11】
第一方向に沿って延在し、且つ、前記第一トランジスタ、および、前記第二トランジスタの少なくとも一つに電気的に接続されるスキャンライン、および
前記第一方向と異なる第二方向に沿って延在するデータライン、をさらに有し、
前記スキャンライン、および、前記データラインの少なくとも一つが、波の形状を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のアンテナシステム。
【請求項12】
さらに、第一コモン電極、および、変調媒体層を有し、
前記変調媒体層の一部が、前記第一コモン電極と前記第一変調電極との間に設置される
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のアンテナシステム。
【請求項13】
前記第一変調ユニットは、さらに、第一電極、および、第二電極を有し、
前記第一電極が、前記第一変調電極と前記第一トランジスタとの間に設置され、前記第一変調電極が、前記第一電極と前記第二電極との間に設置されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のアンテナシステム。
【請求項14】
アンテナシステムであって、第一変調ユニット
、第二変調ユニット
、および、コモン電極を有し、
前記第一変調ユニットは、
チャネル、および第一ドレイン電極を有する第一トランジスタ、および、
前記第一トランジスタに電気的に接続される第一変調電極、を有し、
前記第二変調ユニットは、
チャネルを有する第二トランジスタ、および、
前記第二トランジスタに電気的に接続される第二変調電極、を有し、
前記第一ドレイン電極が、前記第一変調電極に電気的に接続され、
前記第一トランジスタの前記チャネルと前記第一変調電極との間の距離S1は、前記第二トランジスタの前記チャネルと前記第二変調電極との間の距離S2と異なり、
前記第一ドレイン電極、および、前記第一変調電極は、重なる領域を形成し、且つ、前
記第一変調電極の面積に対する前記重なる領域の面積の比率が、5%~50%の範囲であ
り、
前記コモン電極により、電磁放射線が前記アンテナシステムに導かれ、前記アンテナシステムから放射できるようにし、および/または、前記アンテナシステムにより受信できるようにしていることを特徴とするアンテナシステム。
【請求項15】
前記第一変調電極の面積は、前記第二変調電極の面積と異なることを特徴とする請求項14に記載のアンテナシステム。
【請求項16】
前記第一トランジスタの前記チャネルの幅対長さの比率は、前記第二トランジスタの前記チャネルの幅対長さの比率と異なることを特徴とする請求項15に記載のアンテナシステム。
【請求項17】
前記第二トランジスタは、さらに、前記第二変調電極に電気的に接続される第二ドレイン電極を有し、且つ、前記第一ドレイン電極の長さは、前記第二ドレイン電極の長さと異なることを特徴とする請求項15または16に記載のアンテナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子変調装置(electronic modulating device)に関するものであって、特に、異なる配置の変調電極(modulating electrode)を有する電子変調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、スマートフォン、タブレット、モニター、および、テレビなど、ディスプレイパネルを有する電子製品は、現代社会において、必要不可欠なものになっている。このような携帯型の電子製品の発展に伴い、消費者は、このような製品の品質、機能性、および、価格に対して、高い期待を有する。これらの電子製品は、通常、通信機能を具備する。しかし、当該通信機能は依然として改善が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、電子変調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のいくつかの実施形態において、電子変調装置が提供される。電子変調装置は、第一変調ユニットを含む。第一変調ユニットは、延在方向に配置されるチャネルを有する第一トランジスタを含む。また第一変調ユニットは、第一トランジスタに電気的に接続されて第一縦方向に配置される第一変調電極を有する。また電子変調装置は、第二変調ユニットを有する。第二変調ユニットは、延在方向に配置されるチャネルを有する第二トランジスタを含む。また第二変調ユニットは、第二トランジスタに電気的に接続されて第一縦方向と異なる第二縦方向に配置される第二変調電極を有する。延在方向と第一縦方向との間の第一夾角は、延在方向と第二縦方向との間の第二夾角とは異なる。
【0005】
本発明のいくつかの実施形態において、電子変調装置が提供される。電子変調装置は、第一変調ユニットを有する。第一変調ユニットは、チャネルを有する第一トランジスタを含む。また第一変調ユニットは、第一トランジスタに電気的に接続される第一変調電極を有する。また電子変調装置は、第二変調ユニットを有する。第二変調ユニットは、チャネルを有する第二トランジスタを含む。また第二変調ユニットは、第二トランジスタに電気的に接続される第二変調電極を有する。第一トランジスタのチャネルと第一変調電極との間の距離は、第二トランジスタのチャネルと第二変調電極との間の距離とは異なる。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、レシーバが望まぬ位置に位置するとき、電子装置により放出される情報が影響を受けない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面を参照しながら、以下の実施形態において詳細な説明が与えられる。
【0008】
本発明は次の詳細な説明および実施例を、添付図面を参照しながら読むとよく理解できる。
【0009】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置を示す上面図である。
【0010】
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置における変調ユニットを示す拡大上面図である。
【0011】
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置における変調ユニットを示す拡大上面図である。
【0012】
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置におけるチャネルの延在方向の定義の例を示す図である。
【0013】
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置におけるチャネルの延在方向の定義の例を示す図である。
【0014】
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置におけるチャネルの延在方向の定義の例を示す図である。
【0015】
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置におけるチャネルの延在方向の定義の例を示す図である。
【0016】
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置における変調電極の縦方向の定義の例を示す図である。
【0017】
【
図5B】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置における変調電極の縦方向の定義の例を示す図である。
【0018】
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置における変調ユニットを示す拡大上面図である。
【0019】
【
図7A】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置における変調電極の例を示す図である。
【0020】
【
図7B】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置における変調電極の例を示す図である。
【0021】
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置を示す断面図である。
【0022】
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置を示す断面図である。
【0023】
【
図10】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置を示す上面図である。
【0024】
【
図11A】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置を示す上面図である。
【0025】
【
図11B】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置を示す上面図である。
【0026】
【
図11C】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置を示す上面図である。
【0027】
【
図11D】本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の電子変調装置、および、その製造方法が、以下の記述で詳細に記述される。以下の詳細な記述において、説明の目的のために、いくつかの特定の詳細、および、実施形態が説明されて、本発明の完全な理解を提供する。しかし、本明細書で説明される例示的な実施形態は、単に説明の目的のために用いられ、且つ、本発明の概念は、各種形態で実施され、それらの例示的な実施形態に限定されないことは明らかである。このほか、異なる実施形態の図面は、類似の、および/または、対応する符号を用いて、類似の、および/または、対応する要素を示してもよい。しかし、異なる実施形態の図面中の類似の、および/または、対応する符号の使用は、異なる実施形態間の任意の相互関係を意味するものではない。このほか、本明細書において、たとえば、“第二材料層上方に(above)/上に(on)/に亘って(over)配置される第一材料層”という表現は、第一材料層と第二材料層の直接接触を示してもよく、あるいは、第一材料層と第二材料層の間に、一つ以上の中間層がある非接触状態を示してもよい。上記の状況において、第一材料層は、第二材料層と直接接触していなくてもよい。
【0029】
このほか、本明細書において、相対的な表現が用いられる。たとえば、“上方(upper)”や“下方(lower)”が用いられて、一要素のもう一つの要素に対する位置を記述する。理解すべきことは、装置が上下逆さまになる場合、“底部(bottom)”にある要素が“最上部(top)”にある要素になることである。
【0030】
理解すべきことは、本明細書において、第一、第二、第三等の用語が用いられて、各種要素、構成要素、領域、層、部分、および/または、セクションを記述しているが、これらの要素、構成要素、領域、層、部分、および/または、セクションは、これらの用語により制限されるべきではない、ということである。これらの用語は、ある要素、ある構成要素、ある領域、ある層、ある部分、あるいは、あるセクションと、別の要素、構成要素、領域、層、あるいは、セクションを区別するためだけに用いられる。よって、以下で討論される第一要素、第一構成要素、第一領域、第一層、第一部分、あるいは、第一セクションを、本発明の教示から逸脱することなく、第二要素、第二構成要素、第二領域、第二層、第二部分、あるいは、第二セクションと称することができる。
【0031】
理解すべきことは、例示的な実施形態の当該説明は、明細書全体の一部と見なされるべき添付図面と併せて読み取ることを目的とすることである。これらの図面は尺寸通り描かれていない。このほか、構造、および、装置が概略的に示されて、これらの図面を簡潔にしている。
【0032】
用語“約(about)”、および、“実質的(substantially)”は、通常、状態値の+/-20%を意味し、さらに通常は、これらの用語が状態値の+/-10%、状態値の+/-5%、状態値の+/-3%、状態値の+/-2%、または状態値の+/-1%を意味し、さらにより一般的には、これらの用語が状態値の+/-0.5%を意味する。本発明の状態値は近似値である。特定の記述がないとき、状態値は、“約”や“実質的”の意味を含む。さらに、製造プロセスの偏差や変動を考慮するとき、用語“同一”は、“約”や“実質的”の意味も含む。
【0033】
別に定義されない限り、本明細書で用いられる全用語(技術用語、および、科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意義を有する。さらに理解すべきことは、いずれの場合においても、一般的に使用される辞書により定義される用語は、本発明の相対的な技術や、本発明の背景または文脈に適合する意味を有すると解釈されるべきであり、特に定義されていない限り、理想的、または、過度に形式式な意味として解釈されるべきではない。
【0034】
このほか、本発明のいくつかの実施形態において、たとえば、“接続(connected)”および“相互接続(interconnected)”等の取り付けや結合等に関する用語は関連性に言及しており、特に記述されない限り、構造体同士が、介在構造体により、直接的あるいは間接的に互いに固定あるいは取り付けられ、同様に、両者を移動可能にまたは強固に、取り付けるまたは関係するように、固定あるいは取り付けられる。
【0035】
このほか、用語“縦方向(longitudinal direction)”は、物体の長軸に沿った、あるいは、物体の長軸に平行な方向として定義される。この長軸は、当該物体の縦の中心から延在する線として定義される。細長い物体、あるいは、長方形の物体において、この長軸は、その物体の最大尺寸に最も近い軸に対応する。明確な長軸を有していない物体において、この長軸は、当該物体を取り囲むことができる最小の長方形の長軸である。
【0036】
このほか、語句“第一値から第二値の範囲(in a range from a first value to a second value)”は、その範囲が、第一値、第二値、および、それらの間の別の値を含むことを示す。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態において、電子変調装置が提供される。この電子変調装置は、トランジスタのチャネルの延在方向と変調電極の縦方向との間の夾角が異なる夾角を有する電子ユニットを含む。よって、電子変調装置から異なる方向で受信された情報の変化が、より少ない。
【0038】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置100を示す上面図である。理解すべきことは、明確にするために、電子変調装置100の構成要素のいくつかは
図1で省略されている、ということである。さらに理解すべきことは、本発明のいくつかの実施形態において、追加の構成要素が電子変調装置100に追加されてもよい、ということである。以下で記述されるいくつかの要素を、本発明のいくつかの実施形態に従い、代替、あるいは、削除することができる。
【0039】
図1に示されるように、電子変調装置100は、複数のデータライン102、および、スキャンライン104を有する。少なくとも一つのデータライン102は、第一方向D1(たとえば、Y方向)に沿って延在し、少なくとも一つのスキャンライン104は、第一方向D1と異なる第二方向D2(たとえば、X方向)に沿って延在する。データライン102、および、スキャンライン104は、複数の変調ユニット、あるいは、画素を定義する。いくつかの実施形態において、電子変調装置100は、それぞれ、データライン102、および、スキャンライン104に電気的に接続される複数の変調ユニット106A、および、変調ユニット106Bを有する。たとえば、変調ユニット106A、および、変調ユニット106Bのいくつかにおけるソース電極が、データライン102に電気的に接続されてもよい。別の例において、変調ユニット106A、および、変調ユニット106Bのいくつかにおけるゲート電極が、スキャンライン104に電気的に接続されてもよい。このほか、変調ユニット106A、および/または、変調ユニット106Bは、ともに、第一方向D1に沿って配置される。多種の変更、および/または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。いくつかの実施形態において、変調ユニット106A、および/または、変調ユニット106Bは、どちらも、第二方向D2に沿って配置される。
【0040】
図1に示されるように、少なくとも一つの変調ユニット106Aは、トランジスタ108A、および、変調電極110Aを有し、少なくとも一つの変調ユニット106Bは、トランジスタ108B、および、変調電極110Bを有する。いくつかの実施形態において、電子変調装置100の変調媒体(たとえば、液晶)の配向は、変調電極(110A、および、110B)と、コモン電極(
図8に示される)との間の静電容量を調整することにより制御されて、異なる波長を有する電磁放射線(たとえば、光)が、電子変調装置100から放射できるようにし、および/または、電子変調装置100により受信できるようにしている。
【0041】
図2A、および、
図2Bは、本発明のいくつかの実施形態による変調ユニット106Aと変調ユニット106Bの拡大上面図を示している。
図2Aに示されるように、トランジスタ108Aは、ソース電極112A、ドレイン電極114A、ゲート電極116A、および、チャネル118Aを有する。ソース電極112A、および、ドレイン電極114Aは、ゲート電極116Aの両側に設置される。チャネル118Aは、ソース電極112Aとドレイン電極114Aの間に形成される。さらに、ドレイン電極114Aは、変調電極110Aに電気的に接続される。
【0042】
図2Bに示されるように、トランジスタ108Bは、ソース電極112B、ドレイン電極114B、ゲート電極116B、および、チャネル118Bを有する。ソース電極112B、および、ドレイン電極114Bは、ゲート電極116Bの両側に設置される。チャネル118Bは、ソース電極112Bとドレイン電極114Bの間に形成される。さらに、ドレイン電極114Bは、変調電極110Bに電気的に接続される。変調ユニット106Bのソース電極112B、ゲート電極116B、および、チャネル118Bは、それぞれ、変調ユニット106Aのソース電極112A、ゲート電極116A、および、チャネル118Aと同一、あるいは、類似する。
【0043】
いくつかの実施形態において、変調ユニット106Aと変調ユニット106Bとの間の差異の一つが、チャネルの延在方向と変調電極の縦方向との間の夾角である。いくつかの実施形態において、
図2A、および、
図2Bに示されるように、方向V1、および、方向V2は、それぞれ、チャネル118A、および、チャネル118Bの延在方向として見なされる。さらに、チャネル118Aの方向V1、および、チャネル118Bの方向V2は、実質的に平行である。チャネルの延在方向は、ドレイン電極、および、ソース電極上の二個の基準点によりそれぞれ決定される方向である。これらの二個の基準点が、チャネルと重なってもよい。
【0044】
たとえば、
図2Aに示されるように、チャネル118Aの方向V1は、ソース電極112A上の基準点E、および、ドレイン電極114A上の基準点Fにより決定される。同様に、チャネル118Bの方向V2は、ソース電極112B上の基準点G、および、ドレイン電極114B上の基準点Hにより決定される。より具体的には、変調ユニット106Aの基準点EおよびFの位置は、変調ユニット106Bの基準点GおよびHに対応し、方向V1が、実質的に方向V2に平行であるようにしている。
【0045】
いくつかの実施形態において、変調電極110Aは長方形の形状を有する。変調電極110Aの縦方向は、変調電極110Aの長辺に実質的に平行である。同様に、変調電極110Bの縦方向は、変調電極110Bの長辺に実質的に平行である。この実施形態において、変調電極110Aの長辺に実質的に平行な方向V3は、変調電極110Aの縦方向である。変調電極110Bの長辺に実質的に平行である方向V4は、変調電極110Bの縦方向である。
図2A、および、
図2Bに示されるように、変調電極110Bの縦方向(方向V4)は、変調電極110Aの縦方向(方向V3)と異なる。
【0046】
いくつかの実施形態において、
図2A、および、
図2Bに示されるように、方向V1と方向V3との間の第一夾角θ
Aは、方向V2と方向V4との間の第二夾角θ
Bと異なる。つまり、トランジスタ108Aの延在方向と変調ユニット106Aの変調電極110Aの縦方向との間の夾角は、トランジスタ108Bの延在方向と変調ユニット106Bの変調電極110Bの縦方向との間の夾角と異なる。変調電極の縦方向が変調媒体の配向に影響するので、変調ユニット106Aの変調媒体の配向は、変調ユニット106Bの変調媒体の配向と異なる。つまり、変調媒体の配向は、変調ユニットの夾角に従って変化する。さらに、方向V1は方向V2に平行であり、変調ユニット106A、および、変調ユニット106Bの構成要素を形成するリソグラフィ、および/または、エッチング工程のばらつきを低減できるようにしている。さらに、チャネル118Aの幅対長さの比率と、チャネル118Bの幅対長さの比率との間の差異も減少させることができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、第一夾角θAと第二夾角θBとの間の差異は、15度以上である。たとえば、第一夾角 θAと第二夾角θBとの間の差異は、15度~90度の範囲、たとえば、30度、あるいは、60度である。いくつかの実施形態において、第一夾角θAと第二夾角θBとの間の差異は、45度~90度の範囲である。いくつかの場合、第一夾角θAと第二夾角θBとの間の差異は15度より小さくない。第一夾角θAと第二夾角θBとの間の差異が15度より小さい場合、レシーバが望まれない位置にあるときに、電子装置により放射される情報が影響を受ける可能性がある。注意すべきことは、チャネルの延在方向と変調電極の縦方向との夾角は、鋭角、および、鈍角を有してもよいことである。第一夾角θAと第二夾角θBは鋭角と見なされるが、本発明はこれらに限定されない。
【0048】
いくつかの実施形態において、
図2A、および、
図2Bに示されるように、変調電極110Aの延在方向と変調電極110Bの延在方向とが異なるために、ドレイン電極114Aの長さL1が、ドレイン電極114Bの長さL2と異なる。長さL1およびL2は、第二方向D2(たとえば、X方向)に沿って測定される。いくつかの実施形態において、チャネル118Aと変調電極110Aとの間の距離S1は、チャネル118Bと変調電極110Bとの間の距離S2と異なる。距離S1およびS2は、第二方向(たとえば、X方向)に沿って測定される。理解すべきことは、距離S1およびS2は、チャネルと変調電極との間の最小距離として定義され、これらの距離S1およびS2は、前記第二方向D2に沿って測定されることに制限されるのではなく、同一の方向に沿って測定されるということである。
【0049】
図2A、および、
図2Bは、ソース電極、ドレイン電極、および、チャネルが、それぞれ長方形の形状を有することを示す。多種の変更、および/または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。
図3A、および、
図3Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態によるチャネルの延在方向の例を示している。いくつかの実施形態において、
図3Aに示されるように、変調ユニット106Cは、トランジスタ108C、および、変調電極110Cを有する。トランジスタ108Cは、ソース電極112C、ドレイン電極114C、ゲート電極116C、チャネル118C、および、半導体層120Cを有する。チャネル118Cは、ソース電極112Cとドレイン電極114Cとの間に設置される。本発明の図面で示されるチャネルは単に説明用の例であり、本発明の範囲を限定することを意図していない。当業者なら、実際のチャネル領域の範囲が理解されよう。この詳細は本明細書では記述されない。ソース電極112C、および、ドレイン電極114Cは、それぞれ、複数の突起部分122および124を有して、チャネル118Cが屈曲した形状を有するようにしている。
【0050】
この実施形態において、チャネル118Cの延在方向は、それぞれ、ソース電極112C上、および、ドレイン電極114C上に位置する二個の基準点により定義される。これらの二個の基準点は、チャネル118Cと重なるソース電極112Cおよびドレイン電極114Cから任意に選択される。たとえば、ソース電極112C上の基準点K、および、ドレイン電極114C上の基準点Lにより決定される方向V5は、チャネル118Cの延在方向として定義される。別の実施形態において、ソース電極112C上の基準点K、および、ドレイン電極114C上の基準点Mにより決定される方向V6もまた、選択されて、チャネル118Cの延在方向を定義する。一トランジスタの延在方向を定義するのに用いられるこれらの基準点の位置は、別のトランジスタの基準点の位置と同一であるか、あるいは、対応している。いくつかの例において、少なくとも二個の変調ユニットのトランジスタにおけるチャネルの延在方向は、実質的に平行である。より具体的には、トランジスタの延在方向と変調電極の縦方向との間の夾角は、対応する変調電極の縦方向に従って変化する。
【0051】
多種の変更、および/または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。いくつかの実施形態において、当該トランジスタの延在方向が別の方向で定義される。
図3Bに示されるように、チャネル118Cを取り囲む最小の仮想(imaginary)長方形Z1がある。この実施形態において、チャネル118Cの延在方向は、たとえば仮想長方形Z1の長辺の方向などの、仮想長方形Z1の延在方向と見なされる。
【0052】
このほか、
図3Bに示されるように、チャネル118Cの幅対長さの比率は、チャネル118Cの幅W対長さL3の比率として定義される。チャネル118Cの幅Wは、チャネル118Cの全ての長さである。長さL3は、仮想長方形Z1の長辺の長さである。
【0053】
多種の変更、および/または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。いくつかの実施形態において、ソース電極、および、ドレイン電極が、異なる形状を有する。
図4A、および、
図4Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態によるチャネルの延在方向の定義の例を示している。
図4A、および、
図4Bに示されるように、変調ユニット106Dは、トランジスタ108D、および、変調電極110Dを有する。トランジスタ108Dは、ソース電極112D、ドレイン電極114D、ゲート電極116D、チャネル118D、および、ソース電極112Dとゲート電極116Dとの間に設置される半導体層120Dを有する。ソース電極112D、および、ドレイン電極114Dの形状は、
図3Aのソース電極112C、および、ドレイン電極114Cの形状と異なる。さらに、チャネル118Dは、チャネル118Cと異なる幅対長さの比率を有する。
【0054】
この実施形態において、チャネル118Dの延在方向は、それぞれ、ソース電極112D上、および、ドレイン電極114D上に位置する二個の基準点により定義される。ゲート電極116D、および、半導体層120Dは重なる領域を形成する。これらの二個の基準点は、前記重なる領域におけるソース電極112D、および、ドレイン電極114Dから任意に選択される。たとえば、ソース電極112D上の基準点P、および、ドレイン電極114D上の基準点Qにより決定される方向V8は、チャネル118Dの延在方向であると見なされる。
【0055】
多種の変更、および、または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。いくつかの実施形態において、トランジスタの延在方向が別の方法で定義される。
図4Bに示されるように、チャネル118Dを取り囲む最小の仮想長方形Z2がある。この実施形態において、チャネル118Dの延在方向は、たとえば仮想長方形Z2の長辺の方向などの、仮想長方形Z2の延在方向と見なされる。チャネル118Dの幅対長さの比率は、チャネル118Dの幅W対長さL4の比率として定義される。チャネル118Dの幅Wはチャネル118Dの全ての長さである。長さL3は、仮想長方形Z2の長辺の長さである。
【0056】
図5A、および、
図5Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による変調電極の縦方向の定義の例を示している。いくつかの実施形態において、
図5Aに示されるように、変調電極110Eは長方形の形状を有する。この実施形態において、変調電極110Eの長辺に平行な方向V10は、変調電極110Eの縦方向として定義される。いくつかの実施形態において、変調電極110Fは不規則な形状を有する。
図5Bは、変調電極110Fを取り囲む最小の仮想長方形Z3を示す。この実施形態において、仮想長方形Z3の長辺に平行な方向V11は、変調電極110Fの縦方向と見なされる。上述の最小の仮想長方形は、たとえば、OpenCV(Open Source Computer Vision Library)のようなソフトウェア、あるいは、その他の適切なソフトウェアにより得られる。
【0057】
図6を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置中の変調ユニットの拡大上面図を示している。
図6に示されるように、変調ユニット106Gは、トランジスタ108G、および、変調電極110Gを有する。トランジスタ108Gは、変調電極110Gに電気的に接続されるドレイン電極114Gを有する。ドレイン電極114G、および、変調電極110Gは重なる領域Z5を形成する。いくつかの実施形態において、変調電極110Gの面積に対する重なる領域Z5の面積の比率は、5%~50%の範囲であり、たとえば、15%、あるいは、35%である。いくつかの実施形態において、変調電極110Gの面積に対する重なる領域Z5の面積の比率は、5%~20%の範囲である。変調電極110Gの面積に対する重なる領域Z5の面積の比率が5%~50%の範囲である場合、変調電極の充電速度を向上させることができる。
【0058】
図6に示されるように、重なる領域Z5の縦方向と変調電極110Gの縦方向との間に、第三夾角θ
3がある。
図6に示されるように、方向V12は重なる領域Z5の縦方向と見なされ、方向V13は変調電極110Gの縦方向と見なされる。この実施形態において、重なる領域Z5の縦方向と変調電極110Gの縦方向との間の第三夾角θ
3は90度である。多種の変更、および、または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。いくつかの実施形態において、重なる領域Z5の縦方向と変調電極110Gの縦方向との間の第三夾角θ
3は、70度~110度の範囲であり、たとえば、80度、90度、あるいは、100度である。
【0059】
図7A、および、
図7Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置中の変調電極の例を示している。
図7A、および、
図7Bに示されるように、電子変調装置の変調電極110H、および、変調電極110Iが、異なる面積および形状を有する。いくつかの実施形態において、変調電極110H、および、変調電極110Iの外形は角丸である。角丸は、鋭い先端で電子が凝集することを低減させるのに役立つ。その結果、静電放電(ESD)を低減させることができる。
【0060】
図7A、および、
図7Bに示されるように、変調電極110Hの面積が、変調電極110Iの面積と異なるので、変調電極110Hの角部の曲率半径C1は、変調電極110Hの角部の曲率半径C2と異なる。変調電極110Hの面積が変調電極110Iの面積より大きいという、いくつかの実施形態において、曲率半径C1が曲率半径C2より大きい。
【0061】
図8を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置200の断面図を示している。理解すべきことは、明確にするために、電子変調装置200の要素のいくつかが
図8で省略されていることである。さらに理解すべきことは、本発明のいくつかの実施形態において、追加の要素が電子変調装置200に追加されることである。以下で記述されるいくつかの要素を、本発明のいくつかの実施形態に従い、代替、あるいは、削除することができる。
【0062】
図8に示されるように、電子変調装置200は第一基板202を有する。第一基板202は、トランジスタ、変調電極、および、その他の構成要素のための支持体として用いられる。第一基板202は、ガラス基板、セラミック基板、プラスチック基板、および/または、その他の適切な基板を有する。ゲート絶縁層204、および、パッシベーション層206が第一基板202上に形成される。ゲート絶縁層204は、これに限定されないが、二酸化ケイ素(silicon dioxide)、あるいは、高誘電材(high dielectric constant (high-k) material)、リン珪酸ガラス(phosphosilicate glass、PSG)、ボロフォスフォシリケートガラス(borophosphosilicate glass、BPSG)、低誘電率(low-k)誘電材、および、その他の適切な誘電材を含む。当該低誘電率誘電材は、これに限定されないが、フッ素化シリカガラス(FSG)、カーボンドープシリコン酸化物(carbon doped silicon oxide)、アモルファスフッ素化炭素(amorphous fluorinated carbon)、パリレン(parylene)、ビスベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミド(polyimides)、上述の材料の組み合わせ、および、その他の適切な材料を含む。ゲート絶縁層204、および、パッシベーション層206は、たとえば、化学気相蒸着(chemical vapor deposition)、物理気相蒸着(physical vapor deposition)、あるいは、その他の適切な蒸着工程などの蒸着工程により形成される。
【0063】
このほか、電子変調装置200は、第一基板202上に形成されるトランジスタ208を有する。
図8に示されるように、トランジスタ208は、ソース電極210、ドレイン電極212、ゲート電極214、および、半導体層216を有する。ゲート電極214は第一基板202上に設置される。ゲート電極214は金属材料を有する。たとえば、ゲート電極214は、これに限定されないが、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、金(Au)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、チタニウム(Ti)を含む。ゲート電極214は、これに限定されないが、スパッタ工程(sputter process)により形成される。半導体層216はゲート絶縁層204上に設置される。半導体層216の材料は、これに限定されないが、アモルファスシリコン(amorphous silicon)、たとえば、低温ポリシリコン(low-temp polysilicon、LTPS)などのポリシリコン、金属酸化物、あるいは、その他の適当な材料を含む。金属酸化物は、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛錫酸化物(IGZTO)を含む。ソース電極210、および、ドレイン電極212はゲート絶縁層204上に形成される。このほか、ソース電極210、および、ドレイン電極212は、ゲート電極214上方、且つ、ゲート電極214両側に設置される。さらに、ソース電極210の一部、および、ドレイン電極212の一部は、半導体層216上に形成される。ソース電極210、および、ドレイン電極212の材料および形成方法は、ゲート電極214の材料および形成方法と同一でもよく、あるいは、類似してもよい。
図8に示されるように、チャネル218が、ゲート絶縁層204において、且つ、ソース電極210とドレイン電極212との間に形成される。注意すべきことは、本明細書で記述されるトランジスタの構造は説明の目的のためだけのものであり、たとえば、トップゲートトランジスタのような、トランジスタの他の適切な構造を用いることもできるということである。
【0064】
図8で示されるゲート絶縁層204は、ゲート電極214上に設置される。多種の変更、および、または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。いくつかの実施形態において、ゲート電極214はパッシベーション層206上、かつ、変調電極222と同一の水平層中に形成される。いくつかの実施形態において、電子変調装置200は二個のゲート電極を有し、これらの二個のゲート電極は同一の水平層上に位置する。たとえば、これらの二個のゲート電極は第一基板202上に形成される。いくつかの実施形態において、電子変調装置200は二個のゲート電極を有し、これらの二個のゲート電極は異なる水平層上に設置される。たとえば、ゲート電極の一つは第一基板202上に設置され、ゲート電極のもう一つはパッシベーション層206上に設置される。
【0065】
図8に示されるように、電子変調装置200は、導電要素220、および、変調電極222を有する。変調電極222は、導電要素220により、ドレイン電極212に電気的に接続される。導電要素220、および、変調電極222の材料は、ゲート電極214の材料と同一でもよく、あるいは、類似してもよい。いくつかの実施形態において、リソグラフィ工程、および、エッチング工程が、パッシベーション層206上で実行されて、開口部を形成する。次に、金属材料がこの開口部に充填されて、パッシベーション層206上に蒸着され、その後、リソグラフィ工程、および、エッチング工程を実行して、パッシベーション層206上に設置された金属材料をパターン化する。その結果、導電要素220、および、変調電極222が形成される。フォトリソグラフィ工程は、これに限定されないが、フォトレジストコーティング(たとえば、スピンオンコーティング)、ソフトベーキング(soft baking)、マスクアラインメント(mask alignment)、露光(exposure)、露光後ベーク(post-exposure baking)、フォトレジストの現像(developing the photoresist)、リンスおよび乾燥(rinsing and drying) (たとえばハードベーキング(hard baking))を有する。またフォトリソグラフィ工程が、たとえば、マスクレスフォトリソグラフィ工程、電子ビーム工程(electron-beam process)、イオンビーム工程(ion-beam process)、あるいは、それらの組み合わせのような、その他の適切な工程により実行されてもよく、あるいは代替されてもよい。エッチング工程は、これに限定されないが、ドライエッチング工程、ウェットエッチング工程、および/または、それらの組み合わせである。
【0066】
図8に示されるように、電子変調装置200は、第二基板224を有する。コモン電極、および/または、その他の構成要素を設置するように第二基板224が構成される。第二基板224は、ガラス基板、セラミック基板、プラスチック基板、および/または、その他の適切な基板を含む。ディスプレイ要素層226が第二基板224上に形成される。ディスプレイ要素層226は、これに限定されないが、カラーフィルター層、遮光層、パッシベーション層、および、その他の適切な構成要素または層を有する。このほか、コモン電極228は第二基板224上に形成される。コモン電極228の材料と形成方法は、ゲート電極214の材料および形成方法と同一でもよく、あるいは、類似してもよい。
図8は、コモン電極228がパターン化されていない状態を示す。多種の変更、および、または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。いくつかの実施形態において、コモン電極228はパターン化されて、コモン電極228が個別部分(discrete portions)を有するようにしている。
【0067】
図8に示されるように、電子変調装置200は、さらに、スペーサ230、および、変調媒体層232を有する。変調媒体層232は、変調電極222とコモン電極228との間に設置される。たとえば、変調媒体層232は、液晶層、あるいは、その他の適切な層を有する。第一基板202と第二基板224との間のセルギャップを決定するようにスペーサ230が構成される。いくつかの実施形態において、スペーサ230は、これに限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ガラス、その他の任意の適切な材料、あるいは、それらの組み合わせを含む。変調電極222とコモン電極228との間の電位差が、変調媒体層232の配向を決定する。変調電極222の電圧はトランジスタ208により制御されて、変調媒体層232の配向が変調電極222の電圧に従って変化するようにしている。
【0068】
さらに、電極の構造、あるいは、ポリイミド層(polyimide layer)の配向に従って、変調媒体層232が異なる液晶モード(liquid-crystal mode)で適用される。いくつかの実施形態において、変調媒体層232の材料は、これに限定されないが、ネマチック液晶(nematic liquid crystal)、スメクチック液晶(smectic liquid crystal)、コレステリック液晶(cholesteric liquid crystal)、ブルー相液晶(blue phase liquid crystal)、あるいは、その他の任意の適切な液晶材料である。
【0069】
図8に示されるように、ドレイン電極212と変調電極222との間の重なる部分の長さL5があり、変調電極222は長さL6を有する。いくつかの実施形態において、変調電極222の長さL6に対する長さL5の比率は、30%~90%の範囲であり、たとえば、50%、あるいは、70%である。長さL6に対する変調電極222の長さL5の比率が30%~90%の範囲である場合、電子変調装置200の抵抗を減少させることができる。長さL5、および、長さL6は、変調電極222の縦方向に沿って測定される。しかし、長さL5、および、長さL6が、その他の方向に沿って測定されてもよく、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0070】
図9を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置300の断面を示している。
図9に示されるように、電子変調装置300は、第一基板202上に設置される第一電極234、および、第二基板224上に設置される第二電極236を有する。変調電極222’は、第一電極234と第二電極236との間に設置されるとともに、導電要素220’により、ドレイン電極212に電気的に接続される。導電要素220’、変調電極222’、第一電極234、および、第二電極236の材料と形成方法は変調電極222の材料および形成方法と同一あるいは類似するので、ここでは繰り返さない。第一電極234は、スペーサ230、および、キャビティ238により、第二電極236から分離される。キャビティ238は、これに限定されないが、空気、あるいは、オイルを含む。
【0071】
いくつかの実施形態において、第一電極234、および、第二電極236の電圧は固定である。変調電極222’の電圧は、トランジスタ208により制御される。変調電極222’の電圧が変化するとき、変調電極222’はそれに応じてシフトする。変調電極222’の位置が変化するとき、第二電極236と変調電極222’との間の静電容量、あるいは、第一電極234と変調電極222’との間の静電容量がそれに応じて変化する。よって、異なる波長を有する電磁放射(たとえば、光)が、電子変調装置300から放射され、および/または、電子変調装置300により受信される。
【0072】
図10を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置400の上面図を示している。
図10に示されるように、電子変調装置400は、複数のデータライン402、および、スキャンライン404を有する。少なくとも一つのデータライン402が、第一方向D1に沿って延在し、少なくとも一つのスキャンライン404が、第一方向D1と異なる第二方向D2に沿って延在する。電子変調装置400は、さらに、変調ユニット406A、および、変調ユニット406Bを有する。変調ユニット406Aは、トランジスタ408A、および、変調電極410Aを有する。変調ユニット406Bは、トランジスタ408B、および、変調電極410Bを有する。いくつかの実施形態において、変調電極410Aの面積は、変調電極410Bの面積と異なる。さらに、変調電極410Aの角部における曲率半径は、変調電極410Bの角部における曲率半径と異なる。さらに、変調電極410Aの縦方向は、変調電極410Bの縦方向と異なる。その結果、トランジスタ408Aにおけるチャネルの延在方向と変調電極410Aの縦方向との間の夾角は、トランジスタ408Bにおけるチャネルの延在方向と変調電極410Bの縦方向との間の夾角と異なる。
図10に示される変調ユニット406Aおよび変調ユニット406Bの配置は変更されてもよい。たとえば、変調ユニット406Aおよび変調ユニット406Bの配置は
図1に示される配置と同一であってもよく、本発明の範囲を制限することを意図しない。いくつかの実施形態において、変調ユニット406Aの変調電極410Aのサイズは、変調電極410B、および、変調ユニット406Bのサイズと異なる。いくつかの例において、異なるサイズの変調電極が、チャネルでの異なる幅対長さの比率に対応するが、本発明はこれに限定されない。
【0073】
いくつかの実施形態において、少なくとも一つのデータライン402、および、少なくとも一つのスキャンライン404が、波の形状を有する。これにより、電子変調装置400が、曲げ電子装置(bending electronic device)に適用される。さらに、(たとえば、変調ユニット406A、および、変調ユニット406Bなどの)トランジスタでの異なるチャネルとデータライン402(あるいは、スキャンライン404)との間の夾角が、実質的に同一である。
【0074】
図11A~
図11Dを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による電子変調装置の上面図を示している。
図11A~
図11Dは、トランジスタおよび変調電極の異なる配置を示している。しかし、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0075】
図11Aに示されるように、電子変調装置500Aは、変調ユニット506A、506B、506C、および、506Dを有する。変調ユニット506A、506B、506C、および、506Dは、それぞれ、1つのトランジスタ508A、508B、508C、および、508Dと、1つの変調電極510A、510B、510C、および、510Dとを有する。
図11Aに示されるように、トランジスタ508A、508B、508C、および、508Dのチャネルの延在方向は、互いに実質的に平行である。このほか、変調電極510A、510B、510C、および、510Dの縦方向は互いに異なる。その結果、トランジスタのチャネルの延在方向と変調ユニット506A、506B、506C、および、506Dの変調電極の縦方向との間の夾角が互いに異なる。いくつかの実施形態において、変調ユニット506A、506B、506C、および、506Dのいくつかが、第一方向D1に沿って配置される。多種の変更、および、または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。いくつかの実施形態において、変調ユニット506A、506B、506C、および、506Dのいくつかが、第二方向D2に沿って配置される。
【0076】
図11Bに示されるように、電子変調装置500Bは、複数の変調ユニット506A、および、変調ユニット506Cを有する。いくつかの実施形態において、変調ユニット506A、および、変調ユニット506Cは、交互に、第二方向D2に沿って配置される。このほか、変調ユニット506A、および、変調ユニット506Cは、交互に、第一方向D1に沿って配置される。
【0077】
図11Cに示されるように、電子変調500Cは、複数の変調ユニット506A、および、変調ユニット506Cを有する。いくつかの実施形態において、4個の変調ユニット506Aは、2×2の配列であるグループG1に分類され、4個の変調ユニット506Cは、2×2の配列であるグループG2に分類される。グループG1、および、グループG2は、交互に、第二方向D2に沿って配置される。このほか、グループG1、および、グループG2は、交互に、第一方向D1に沿って配置される。多種の変更、および/または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。いくつかの実施形態において、グループG1、および/または、G2は、m×mの配列であり、ここでmは2より大きい。いくつかの実施形態において、グループG1、および/または、G2はm×nの配列であり、ここでmおよびnは、2以上であり、mおよびnは正の整数であり、且つ、m≠nである。さらに、グループG1、および/または、グループG2は、斜め正方格子状(oblique square)のm×mの配列である。
【0078】
図11Dに示されるように、電子変調装置500Dは、2×2の配列である複数のグループG3、および、グループG4を有する。グループG3、および、グループG4は、交互に、第二方向D2、および、第一方向D1に沿って配置される。さらに、グループG3は、3個の変調ユニット506A、および、1個の変調ユニット506Bから構成される。グループG4は、3個の変調ユニット506C、および、1個の変調ユニット506Dから構成される。しかし、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0079】
多種の変更、および、または、修正が本発明の実施形態で行われてもよい。たとえば、電子変調装置は、電子ユニットに対して異なる配置を有してもよい。このほか、変調電極の面積が変更されてもよい。さらに、トランジスタのチャネルの幅対長さの比率が、変調電極の面積に従って微調整されてもよい。
【0080】
総合すると、本発明は電子変調装置を提供する。この電子変調装置は、異なる夾角を有する電子ユニットを有する。これらの夾角は、トランジスタのチャネルの延在方向と変調電極の縦方向との間のものである。よって、レシーバが望まぬ位置にあるとき、この電子装置により放射される情報が影響を受けない。さらに、実施形態の電子変調装置は、微小電気機械システム(MEMS)、アンテナシステム、あるいは、ディスプレイ装置の構造に適用されてもよく、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0081】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本開示に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の思想を逸脱しない範囲内で各種の変形を加えることができる。
【符号の説明】
【0082】
100,200、300、400、500A、500B 電子変調装置
102、402 データライン
104、404 スキャンライン
106A、106B、106C、106D、106G、406A、406B、506A、506B、506C、506D 変調ユニット
108A、108B、108C、108D、108G、208、408A、508A、508B、508C、508D トランジスタ
110A、110B、110C、110D、110E、110F、110G、110H、110I、222、222’、410A、410B、510A、510B、510C、510D 変調電極
112A、112B、112C、112D、210 ソース電極
114A、114B、114C、114D、114G、212 ドレイン電極
116A、116B、116C、116D、214 ゲート電極
118A、118B、118C、118D、218 チャネル
120C、120D、216 半導体層
202 第一基板
204 ゲート絶縁層
206 パッシベーション層
220 導電要素
224 第二基板
226 ディスプレイ素子層
228 コモン電極
230 スペーサ
232 変調媒体層
234 第一電極
236 第二電極
E、F、G、H、K、M、P、Q 基準点
V1、V2、V3、V4、V5、V10 方向
S1、S2 距離
L1、L2、L3、L4、L5、L6 長さ
Z1、Z2、Z3、Z5 長方形
W 幅
C1、C2 曲率半径
D1 第一方向
D2 第二方向