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特許7486306便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法
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  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図1
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図2
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図3
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図4
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図5
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図6
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図7
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図8
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図9
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図10
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図11
  • 特許-便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/30 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
A47K13/30 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019216104
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021083824
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 英也
(72)【発明者】
【氏名】井上 幸宏
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-338429(JP,A)
【文献】特開2017-113098(JP,A)
【文献】特開2004-242802(JP,A)
【文献】特許第4250866(JP,B2)
【文献】特開平04-343812(JP,A)
【文献】特開昭63-312814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座、便蓋、及び装置本体のうちの少なくとも一つを具備し、
前記便座、前記便蓋及び前記装置本体の少なくとも一部は、
表面シート及び前記表面シートの裏面に固着された繊維シートを有する表層と、
前記繊維シートの隙間に浸潤しつつ前記表層の裏面に固着された樹脂層と、を備え、
前記表層は、前記表面シートと前記繊維シートとの間に発熱部材を有し、前記表面シートの裏面と前記繊維シートの表面とは接触した状態で接着され
前記発熱部材は、前記繊維シートに埋め込まれている便座装置。
【請求項2】
前記便座及び前記便蓋のうち少なくとも一方は、自身の前記樹脂層によって形成されたヒンジ部を有する請求項1に記載の便座装置。
【請求項3】
前記便座及び前記便蓋の少なくとも一方は、倒伏姿勢において自身の下面に配置され、自身の前記樹脂層によって形成された足部を有する請求項1から請求項2までの何れか一項に記載の便座装置。
【請求項4】
前記足部には、前記樹脂層を射出成形したゲート痕が形成されており、前記ゲート痕を覆うキャップ部が取り付けられている請求項3に記載の便座装置。
【請求項5】
前記発熱部材は、配線のために前記便座の後端部から引き出されている請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の便座装置。
【請求項6】
求項1から請求項5までの何れか一項に記載の便座装置と、
前記便座装置が取り付けられている便器本体と、
を備えている便器装置
【請求項7】
請求項1から請求項までの何れか一項に記載の便座装置を製造する方法であって、
前記表層の成形を行う第1手順と、
前記第1手順によって成形された前記表層に対し前記樹脂層の成形を行う第2手順と、を含み、
前記第1手順において、前記発熱部材と前記繊維シートとは接着剤で貼り付けられ、前記表面シートと前記繊維シートとは、前記繊維シートのうち前記発熱部材が貼り付けられている面を前記表面シート側にして重ねて、接着剤で接着される、便座装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器本体に取り付けられる便座装置が知られている。例えば下記特許文献1に記載されている便座装置は、便座と、便蓋と、洗浄ノズルなどを内蔵した装置本体とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-152395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成の便座装置は、一般に白色系であり、更なるデザイン性の向上が望まれる。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、デザイン性を高めることができる便座装置、便器装置、及び便座装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の便座装置は、便座、便蓋、及び装置本体のうちの少なくとも一つを具備し、前記便座、前記便蓋及び前記装置本体の少なくとも一部は、表面シート及び前記表面シートの裏面に固着された繊維シートを有する表層と、前記繊維シートの隙間に浸潤しつつ前記表層の裏面に固着された樹脂層と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1における便器装置を示す斜視図
図2】裏側から見た便座を示す斜視図
図3】裏側から見た便座を示す正面図
図4】発熱部材の配置に係る一例を示す図
図5】発熱部材の配置に係る他の例を示す図
図6】便座を示す断面図
図7】メス金型に積層体をセットする様子を示す断面図
図8】表層を成形する様子を示す断面図
図9】樹脂層を成形する様子を示す断面図
図10】金型から便座を取り出す様子を示す断面図
図11】他の実施形態(1)及び(2)における便器装置を示す斜視図
図12】他の実施形態(5)における便座を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
便器装置10は、便器本体11と、便座装置12とを備えている。以下、各構成部材において、便器装置10の設置状態における上側(図1のZ軸正方向側)を上側、下側(図1のZ軸負方向側)を下側、便器装置10に着座した人から見て前側(図1のX軸正方向側)を前側、後側(図1のX軸負方向側)を後側、右側(図1のY軸正方向側)を右側、左側(図1のY軸負方向側)を左側として説明する。
【0009】
便器本体11は、便鉢部13を有している。便鉢部13は、すり鉢状の内面を有している。
【0010】
便座装置12は、便座20及び便蓋14を備えている。便座20は、発熱部材34を有する暖房便座である(図4及び図5参照)。便座20は、倒伏姿勢と起立姿勢とに回転自在である。倒伏姿勢の便座20は、便器本体11の上面に沿って配置される。起立姿勢の便座20は、上方に向けてわずかに後方に傾斜して配置される。
【0011】
便座20は、図2に示すように、便座本体部21と、ヒンジ部22と、足部23とを有している。便座本体部21は、中心部が開口した環状をなしている。ヒンジ部22は、便座本体部21の後端部に設けられている。ヒンジ部22は、便座本体部21の左右方向における略中央に位置している。ヒンジ部22は、便座本体部21の裏面(倒伏姿勢における下面)から突出している。ヒンジ部22は、軸線が左右方向に延びた筒状をなしている。
【0012】
足部23は、便座本体部21の裏面(倒伏姿勢における下面)に設けられている。足部23は、便座本体部21の裏面から突出している。図3に示すように、足部23は、便座本体部21の4箇所に設けられている。足部23は、便座本体部21の左側及び右側に2ずつ設けられている。左側の足部23、及び右側の足部23は、前後方向に所定の間隔をあけて配置されている。足部23は、左右対称に配置されている。足部23には、後述する樹脂層32を射出成形したゲート痕24が形成されている。足部23の突出端(倒伏姿勢における下端)には、キャップ部材25が取り付けられている。キャップ部材25によって、ゲート痕24は隠されている。
【0013】
このような形状の便座20は、表層31及び樹脂層32を有する表面部30によって構成されている。表面部30については、後ほど詳しく説明する。
【0014】
便蓋14は、便座20の上面を覆う形状をなしている。便蓋14は、倒伏姿勢と起立姿勢とに回転自在である。倒伏姿勢の便蓋14は、便器本体11及び便座20の開口を塞ぐ。起立姿勢の便座20は、図1に示すように、便座20及び便器本体11の開口を開放する。起立姿勢の便座20は、上方に向けて後方にわずかに傾斜している。便蓋14には、足部15が設けられている。足部15は、左右に一対設けられている。足部15は、起立姿勢の便蓋14の上下方向における中間部に配置されている。
【0015】
表面部30は、図1及び図2に示すように、表層31と、表層31の裏面に固着された樹脂層32とを有している。表面部30は、便座20のうちキャップ部材25を除く全体を構成している。表層31は、図1に示すように、倒伏姿勢の便座20の上面を構成する。図面では、網掛けで示した部分が表層31である。表層31は、便座本体部21の上面の概ね全体にわたる環状をなしている。樹脂層32は、倒伏姿勢における便座20の下面を構成する(図2参照)。表面部30は、便座20として必要な所定の強度を有している。
【0016】
表層31は、図6に示すように、表面シート31Aと、繊維シート33とを有している。表面シート31Aは、薄いシート状の素材(材質)からなる。表面シート31Aは、合成樹脂製シート、合成皮革、木製シート、金属製シートなど、各種のシート状素材から選択できる。
【0017】
繊維シート33は、表面シート31Aの裏面に固着されている。繊維シート33は、不織布など、樹脂層32が浸潤可能な隙間を有するものである。繊維シート33は、表面シート31Aの裏面の概ね全体にわたる環状をなしている。繊維シート33は、図示しない接着剤によって表面シート31Aの裏面に固着されている。
【0018】
表層31には、発熱部材34が配置されている。発熱部材34は、通電によって加熱する線状ヒータである。発熱部材34は、例えば、シーズヒータによって構成される。発熱部材34は、例えば図4及び図5に示すように、蛇行した状態で繊維シート33の一面の全体に貼り付けられている。図4に示したものと比べて図5に示したものは発熱部材34の密度が高い。発熱部材34の端部は、繊維シート33の後端から外側に延びている。発熱部材34の端部は、配線のために便座20の後端部から外側に引き出される。発熱部材34の端部は、便座20の後端部のうちヒンジ部22から取り出すこともできる。発熱部材34は、表面シート31Aに近接しているから、便座20を効率よく暖めることができる。
【0019】
樹脂層32は、繊維シート33の隙間に浸潤しつつ表層31の裏面に固着されている。樹脂層32は、ポロプロピレンなどの熱可塑性樹脂からなる。樹脂層32は、便座本体部21の下面を構成する下面部35と、ヒンジ部22と、足部23とを一体に有している。下面部35は、表層31の裏面に沿った環状をなしている。下面部35の中心部は、開口している。下面部35の厚さ寸法(倒伏姿勢における上下方向の寸法)は、図6に示すように、表層31の厚さ寸法よりも大きい。
【0020】
便座20を製造する方法の一例を説明する。便座20の製造方法は、表層31を成形する第1手順と、第1手順によって成形された表層31に対し樹脂層32を成形する第2手順とを含む。
【0021】
第1手順には、プレス機50が用いられる。具体的には、図7に示すように、平板状の積層体36をプレス機50のメス金型51の上に載置し、図8に示すように、積層体36を所定の形状に成形することによって、表層31を製造する。
【0022】
上記載置として、最初に、表面シート31A及び繊維シート33からなる積層体36を準備する。まず、発熱部材34を繊維シート33に接着剤によって貼り付け、その後、表面シート31A及び繊維シート33を接着剤によって接着する。繊維シート33は、発熱部材34が貼り付けられている面を、表面シート31A側にして重ねる。表面シート31A及び繊維シート33を接着する作業は、平らな状態で行うから容易である。積層体36は、便座20の表面の形状に沿って切断してもよい。こうして準備した積層体36を、プレス機50のメス金型51の上に載置する。このとき、繊維シート33を上側(オス金型52側)に配置する。
【0023】
その後、図8に示すように、プレス機50のオス金型(可動金型)52をメス金型51に向かって移動させる。積層体36は、オス金型52及びメス金型51の形状に沿って湾曲した形状になり、表層31が成形される。表層31は、便座20の開口縁部を構成する第1湾曲部37と、便座20の外周縁部を構成する第2湾曲部38とを有している。成形された表層31をプレス機50から取り出す。このとき、表層31の周囲をレーザーカッタや切断用金型(切断ユニット)によって切断してバリ取りを行っても良い。
【0024】
第2手順には、射出成形機53が用いられる。具体的には、図9に示すように、第1手順によって成形された表層31を金型54内にセットし、金型54内の空間に樹脂層32の原料39を射出することによって、樹脂層32を成形する。
【0025】
表層31は、繊維シート33を上側(オス金型55側)に向けて、メス金型56にセットされる。金型54のゲート57は、表層31のうち樹脂層32の足部23に対応する位置に配置されるように設定されている。
【0026】
金型54内に表層31をセットした後、金型54内の空間に樹脂層32の原料39を射出する。樹脂層32の原料39は、表層31の上側に所定の間隔をあけて配置された4つのゲート57から押し出され、繊維シート33の上面に沿って広がる。樹脂層32の原料39は、繊維シート33の各繊維の隙間に浸潤しつつ表層31の上面の全体にわたる。これによって、樹脂層32は表層31に強固に固着する。金型54によって、樹脂層32は、便座本体部21、ヒンジ部22及び足部23を有する形状に成形される。樹脂層32の外面と表層31の第1湾曲部37及び第2湾曲部38の外面とは、段差なく連なって成形される。原料39が冷却して固化した後、図10に示すように、表層31に樹脂層32が固着されてなる表面部30を金型54から取り出す。ゲート57の部分に固化された樹脂41を切断位置42で切断し、足部23にキャップ部材25を取り付ける。以上により、便座20の製造が完了する。
【0027】
上記のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。便座装置12は、便座20を具備している。便座20は、表層31と、樹脂層32とを有する表面部30を備えている。表層31は、表面シート31A及び繊維シート33を有している。繊維シート33は、表面シート31Aの裏面に固着されている。樹脂層32は、繊維シート33の隙間に浸潤しつつ表層31の裏面に固着されている。この構成によれば、表層31の素材を変更することによって表面部30のデザインを選択できるから、便座装置12のデザイン性を高めることができる。
【0028】
樹脂層32には、便座20を回転自在に支持するヒンジ部22が形成されている。この構成によれば、樹脂層32の成形時にヒンジ部22を形成できるから、例えば便座の座表にヒンジ部を有する座裏を別途製造して溶着する場合と比べて、便座20を容易に製造できる。
【0029】
樹脂層32には、便座20の倒伏姿勢において下面に配置される足部23が形成されている。この構成によれば、樹脂層32の成形時に足部23を形成できるから、例えば便座の座表に足部を有する座裏を別途製造して溶着する場合と比べて、便座20を容易に製造できる。
【0030】
足部23には、樹脂層32を射出成形したゲート痕24が形成されており、ゲート痕24を覆うキャップ部材25が取り付けられている。この構成によれば、キャップ部材25によって樹脂層32のゲート痕24を隠すことができるから、見た目をよくすることができる。
【0031】
便座20の表面シート31Aと樹脂層32との間に、発熱部材34が備えられている。この構成によれば、例えば便座の座表の裏側に発熱部材を貼り付けた後、座表に座裏を溶着する場合と比べて、発熱部材34を備えた便座20を容易に製造できる。
【0032】
発熱部材34は、繊維シート33に貼り付けられている。この構成によれば、発熱部材34の熱が繊維シート33に伝わるから、便座20の上面(表面)を効率よく温めることができる。
【0033】
便座装置12を製造する方法は、表層31の成形を行う第1手順と、第1手順によって成形された表層31に対し樹脂層32の成形を行う第2手順と、を含む。
【0034】
座表に座裏を溶着する場合には、専用の溶着設備が用いられることが多い。これに対し、上記の製造方法によれば、溶着作業が不要であるから、専用の溶着設備が不要である。
【0035】
座表に座裏を溶着する場合には、溶着部の溝をなくすべく、後処理(機械加工や研磨)をする。これに対し、上記の製造方法によれば、樹脂層32を表層31の縁に沿って成形することによって、表層31の縁に段差が形成されないから、後処理を不要にできる。
【0036】
座表に座裏を溶着する便座は、厚さ寸法が大きくなりがちである。これに対し、上記の製造方法によれば、座表と座裏とを溶着して製造される便座と比べて厚さ寸法を小くし、便座20を軽量化できる。これによって、便座20の開閉部材(自動開閉ユニットやスローダウンユニット)の負担を減らすことができる。
【0037】
第1手順は、表層31に発熱部材34を固定することを含む。座表の裏側に、発熱部材34が接着されたアルミ箔を貼り付ける場合には、座表の裏側に曲面があるため、アルミ箔の位置ずれやシワの発生に注意を要する。これに対し、上記の製造方法によれば、発熱部材34を貼り付けた繊維シート33と表面シート31Aとを、平らな状態で接着した後、プレス機50によって湾曲形状を成形するから、作業が容易である。
【0038】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態における便座装置12は、便座20及び便蓋14を備えている。これに限らず、図11に示すように、便座装置60は、便座61、便蓋62及び各種の機能部品を備えた装置本体63を備えるものであってもよい。もしくは、便座装置は、便座のみ、便蓋のみ、装置本体のみを備えるものであってもよい。
(2)上記実施形態における便座装置12は、便座20のみが表面部30を備えている。これに限らず、図11に示すように、便座装置60は、便座61、便蓋62及び各種の機能部品を備えた装置本体63の全てに表面部64を設けてもよい。表面部64は、図11において網掛けで示した部分である。
(3)上記実施形態における便座装置12は、便座20のみが表面部30を備え、便座20のヒンジ部22及び足部23が樹脂層32に形成されている。これに限らず、便座装置は、便蓋が表面部を備えるものとしてもよい。この場合、便蓋のヒンジ部及び足部を樹脂層に形成してもよい。
(4)上記実施形態において表面部30の表層31は、便座本体部21の上面の概ね全体を構成している。これに限らず、表面部の表層は、便座の外面の一部領域のみ、例えば上面の一部領域のみ、下面の一部領域のみを構成してもよい。
(5)上記実施形態では、表面シート31Aと樹脂層32との間に発熱部材34が配置されている。表面シート31Aと樹脂層32との間には、図12に示すように、発熱部材34とともに、ウレタンなどのやわらかい素材の弾性部材80を配置してもよい。弾性部材は、発熱部材に換えて配置してもよい。
(6)上記実施形態では、足部23は便座本体部21の裏面の4箇所に設けられている。これに限らず、足部23の数や位置は変更できる。
(7)上記実施形態では、発熱部材34が線状ヒータである場合を例示した。これに限らず、発熱部材は、例えば絶縁された金属箔に電熱線が貼り付けられた面状ヒータであってもよい。
(8)上記実施形態において繊維シート33は、発熱部材34が貼り付けられている面を、表面シート31A側にして重ねる。これとは逆に、繊維シートは、発熱部材が貼り付けられている面を、表面シート側とは反対側にして重ねてもよい。この場合、別の繊維シートを発熱部材に重ねて貼り付け、発熱部材を繊維シートによって挟む構成とすることによって、発熱部材を保護してもよい。
(9)上記実施形態において繊維シート33は、発熱部材34が貼り付けられている面を、表面シート31A側にして重ねる。これに加えて、表面シートと発熱部材との間に、発熱部材を保護するためのクッション干渉材(シート)などを配置してもよい。
(10)上記実施形態において金型54のゲート57は、表層31のうち樹脂層32の足部23に対応する位置に配置されるように設定されている。これに限らず、金型のゲートは、足部の位置以外の位置に設定してもよい。この場合、ゲート残りを後処理でカットし、ゲート痕を目立ちにくくすることができる。もしくは、ゲートの径が小さいピンゲートを多点で設けてゲート痕を目立ちにくくしてもよい。
【0039】
10…便器装置、11…便器本体、12,60…便座装置、14,62…便蓋、20,61…便座、22…ヒンジ部、23…足部、24…ゲート痕、25…キャップ部材、31…表層、31A…表面シート、32…樹脂層、33…繊維シート、34…発熱部材、63…装置本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12