(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】リモコン送信装置、開閉制御システム及び開閉制御方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240510BHJP
E06B 9/68 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
H04Q9/00 311P
E06B9/68 A
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2019224832
(22)【出願日】2019-12-12
【審査請求日】2022-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】和気 亮二
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-027063(JP,A)
【文献】特開平04-336185(JP,A)
【文献】特開2007-139919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
E06B 9/68
H04L 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作子の操作に対応した開閉体手段の動作に関する制御信号を、固有の識別情報と共に無線方式にて前記開閉体手段の受信機に送信するリモコン送信装置において、
前記制御信号を送信する際に、前記操作子の現時点における操作回数nを
X進数のY桁(X,Yは偶数)で表現した場合における前記Y桁の隣り合う2桁の値を、複数の変換マップからなる第1の変換マップ群の中から選択された(Y/2)種類の第2の変換マップ群に従ってそれぞれ変換することによって符号化し、符号化されたランダムIDを前記制御信号と共に送信することを特徴とするリモコン送信装置。
【請求項2】
請求項
1に記載のリモコン送信装置において、前記操作子の操作回数nを、16進数の6桁で表示し、前記6桁の隣り合う上位2桁、中位2桁及び下位2桁の値を256種類の変換マップからなる第1の
変換マップ群の中から選択された3種類の変換マップからなる第2の
変換マップ群に従ってそれぞれ変換することによって前記符号化された前記ランダムIDを作成することを特徴とするリモコン送信装置。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載のリモコン送信装置において、
前記変換マップは、前記隣り合う2桁の一方の桁がとり得る値を行とし、他方の桁がとり得る値を列とする行列の各成分に、変換後の数値をランダムに割り当てることによって構成されることを特徴とするリモコン送信装置。
【請求項4】
請求項
1、2又は3に記載のリモコン送信装置において、前記受信機は前記第1の
変換マップ群を記憶し、前記リモコン送信装置は前記第2の
変換マップ群を記憶することを特徴とするリモコン送信装置。
【請求項5】
操作子の操作に応じた開閉体手段の動作に関する制御信号を、固有の識別情報と共に無線方式にて前記開閉体手段の受信機に送信する送信機を備えた開閉制御システムにおいて、
前記送信機は、前記操作子の現時点における操作回数nを
X進数のY桁(X,Yは偶数)で表現した場合における前記Y桁の隣り合う2桁の値を、複数の変換マップからなる第1の変換マップ群の中から選択された(Y/2)種類の変換マップからなる第2の変換マップ群に従ってそれぞれ変換することによって符号化し、符号化されたランダムIDを前記制御信号と共に送信し、
前記受信機は、
前記第2の変換マップ群及び受信した前記ランダムIDに基づいて前記操作回数nを復号化することを特徴とする開閉制御システム。
【請求項6】
請求項5に記載の開閉制御システムにおいて、前記操作子の操作回数nを、16進数の6桁で表示し、前記6桁の隣り合う上位2桁、中位2桁及び下位2桁の値を、256種類の変換マップからなる第1の変換マップ群の中から選択された3種類の変換マップからなる第2の変換マップ群に従ってそれぞれ変換することによって前記符号化された前記ランダムIDを作成し、
前記受信機は、前記第2の
変換マップ群を用いて前記操作回数nを復号化することを特徴とする開閉制御システム。
【請求項7】
請求項
5又は6に記載の開閉制御システムにおいて、
前記変換マップは、前記隣り合う2桁の一方の桁がとり得る値を行とし、他方の桁がとり得る値を列とする行列の各成分に、変換後の数値をランダムに割り当てることによって構成されていることを特徴とする開閉制御システム。
【請求項8】
請求項
5、6又は7に記載の開閉制御システムにおいて、前記受信機は前記第1の
変換マップ群を記憶し、前送信機は前記第2の
変換マップ群を記憶することを特徴とする開閉制御システム。
【請求項9】
操作子の操作に応じた開閉体手段の動作に関する制御信号を、固有の識別情報と共に無線方式にて前記開閉体手段に送信することによって前記開閉体手段の開閉動作を制御する開閉制御方法において、
前記操作子の現時点における操作回数nを
X進数のY桁(X,Yは偶数)で表現した場合における前記Y桁の隣り合う2桁の値を、複数の変換マップからなる第1の変換マップ群の中から選択された(Y/2)種類の変換マップからなる第2の変換マップ群に従ってそれぞれ変換することによって符号化し、符号化されたランダムIDを前記制御信号と共に送信し、
前記ランダムIDを受信した前記開閉体手段は、
前記第2の変換マップ群及び前記ランダムIDに基づいて前記操作回数nを復号化することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項10】
請求項
9に記載の開閉制御方法において、前記操作子の操作回数nを、16進数の6桁で表示し、前記6桁の隣り合う上位2桁、中位2桁及び下位2桁の値を、256種類の変換マップからなる第1の
変換マップ群の中から選択された3種類の変換マップからなる第2の
変換マップ群に従ってそれぞれ変換することによって前記符号化された前記ランダムIDを作成し、
前記第2の
変換マップ群を用いて前記操作回数nを復号化することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項11】
請求項
9又は10に記載の開閉制御方法において、
前記変換マップは、前記隣り合う2桁の一方の桁がとり得る値を行とし、他方の桁がとり得る値を列とする行列の各成分に、変換後の数値をランダムに割り当てることによって構成されていることを特徴とする開閉制御方法。
【請求項12】
請求項
9、10又は11に記載の開閉制御方法において、前記第1の
変換マップ群を受信側が記憶し、前記第2の
変換マップ群を送信側が記憶することを特徴とする開閉制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋、ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の窓や出入口などの開口部に設置される開閉体装置を制御するリモコン送信装置、開閉制御システム及び開閉制御方法に係り、特に開閉体装置の動作に関する制御信号を無線方式で送信するように構成されたリモコン送信装置、開閉制御システム及び開閉制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の開口部に設置されるシャッターやドアなどの開閉体装置には、その開閉停の各動作を電動で行う電動シャッターや電動ドアが使用されることが多い。このように電動で開閉停の各動作を行う開閉体装置には、開閉停の3種類のスイッチ(操作子)を備えた有線式又は無線式の3点式又は1点式の専用スイッチなどからの制御信号に応じて所定の開閉動作を実行する。携帯型の無線式の専用スイッチの場合、複数の人がそれぞれ操作する必要のある開閉体装置、例えば、ガレージシャッター装置などについては、複数の無線式の専用スイッチが登録可能となっている。
【0003】
また、特許文献1には、専用スイッチである操作子手段が子機制御手段及び親機制御手段にそれぞれ接続された際に、操作子手段に割り当てられている送信機ID(操作子手段固有の識別情報)を、子機制御手段及び親機制御手段側で読み取って記憶しておき、記憶された送信機IDを通信回線確立の鍵として、親機制御手段と子機制御手段との間の無線の通信回線の接続を確立(ペアリング)するようにしたものが提案されている。特許文献1に記載の発明は、持ち運びに便利な小型の操作子手段の識別情報(送信機ID)をシステム構築の鍵として利用することによって、システム構築のための作業スペースも不要となり、設置現場における施工時に簡易に集中通信装置などの親機制御手段に子機制御手段を適宜設定することができるという優れた効果を奏するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
開閉体装置には、無線式の送信機を内蔵したリモコン送信装置を用いて、開閉動作を制御できるように構成されたものが多く提案されている。例えば、ガレージシャッター装置においては、ユーザが車両から降りることなくシャッターの開閉を実行でき、便利であることから、無線式のリモコン送信装置が幅広く適用されている。
このような無線式のリモコン送信装置の場合、ガレージシャッター装置近傍の壁面やその収納ボックス内に、受信アンテナが取り付けられており、リモコン送信装置からの電波をこのリモコン送受信機で受信するように構成されている。また、特許文献1に記載の開閉制御システムでは、親制御手段からの電波をガレージシャッター装置内に設けられた子機制御手段(リモコン送受信機)で受信している。
【0006】
このリモコン送受信機は、受信アンテナが受信して変換した電気信号(例えば、ASK変調信号やFSK変調信号など)を受信部によって復調し、リモコン送信装置又は親機制御手段の送信機が送信した原送信信号(復調信号)を受信制御部に与える。リモコン送受信機の受信制御部は、原送信信号を解読し、その信号に挿入されている識別情報(送信機ID)に基づいて原送信信号の送信元であるリモコン送信装置及び親機制御手段がリモコン送受信機に対して動作指示を発することができるものであるか否かを認証する。その後、原送信信号に挿入されている指示内容に基づいて、シャッター装置の開動作、閉動作又は停止動作を指示する制御信号に基づいてシャッター装置を駆動する。これにより、ユーザの意図したシャッターの開閉停の各動作が実行される。
【0007】
このようにリモコン送信装置及び親機制御手段からリモコン送受信機への信号の送信を無線方式にて行う場合、リモコン送信装置の送信機IDを識別情報としてリモコン送受信機に予め登録しておくことが必要である。開閉体装置は、この識別情報(送信機ID)に基づいて、そのリモコン送信装置及び親機制御手段が動作指示を発することができるものであるか否かの認証を行っている。
【0008】
リモコン送信装置及び親機制御手段は、制御信号を送信する際に必ず対応するリモコン送信装置の識別情報(送信機ID)を送信しているので、開閉体装置に内蔵されているリモコン送受信機とは別にリモコン送受信機を準備して、リモコン送信装置及び親機制御手段が制御信号を送信した際にその送信信号を受信することによって、その送信信号に挿入されている識別情報(送信機ID)を含む制御信号そのものを複製されてしまうおそれがある。このように、識別情報を含む制御信号が他の機器で複製されると、それを継続して使用することができる。
【0009】
従って、開閉体装置並びにリモコン送信装置及び親機制御手段の所有者とは全く関係の無い第三者が別のリモコン送受信機及び送信機を利用して、制御信号を複製し、開閉体装置の開動作を制御することができるようになるおそれがある。このような制御信号の複製対策として、特定のパターンでコードを変化させるローリングコードを使用することも考えられるが、この場合、別の場所で一旦空送信を実行してしまうと、実際に開閉体装置を操作する時に操作ができないおそれがあり、また、操作可能となるまでに数回のリモコン操作を行う必要があり、操作に手間や時間がかかるおそれがある。
【0010】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、開閉体装置の制御信号を無線方式で送信する際に制御信号の複製を防止することのできるリモコン送信装置、開閉制御システム及び開閉制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るリモコン送信装置の第1の特徴は、操作子の操作に対応した開閉体手段の動作に関する制御信号を、固有の識別情報と共に無線方式にて前記開閉体手段の受信機に送信するリモコン送信装置において、前記制御信号を送信する際に、前記操作子の現時点における操作回数nを所定の規則に従って符号化し、符号化されたランダムIDを前記制御信号と共に送信することにある。
これは、リモコン送信装置の操作子の操作に応じて制御信号を送信する際に、操作子の現時点における操作回数nを所定の規則に従って符号化(暗号化)し、それをランダムIDとして、制御信号と共に送信するようにしたものである。操作子の操作回数は、操作の度にインクリメントされているので、送信の度に異なる値nとなる。そこで、この操作回数nを所定の規則に従って符号化(暗号化)して送信することによって、受信機は前回の操作回数n-1と復号化された値nとを比較することによって、リモコン送信装置が正規のものであるか否かを認証することができる。
【0012】
本発明に係るリモコン送信装置の第2の特徴は、前記操作子の操作回数nをX進数のY桁(X,Yは偶数)で表現した場合における前記Y桁の隣り合う2桁の値を、複数の変換マップからなる第1の変換マップ群の中から選択された(Y/2)種類の第2の変換マップ群に従ってそれぞれ変換することによって前記符号化された前記ランダムIDを作成することにある。
これは、リモコン送信装置が操作回数nをランダムIDに符号化する規則に関するものである。操作回数nは一般的に十進数で表示されるので、この十進数をX進数のY桁で表現する。実施の形態では、操作回数nを528とし、これを16進数の6桁で表現すると、「000210h」となる。Y桁の隣り合う2桁の値を(Y/2)種類の変換マップで変換する。「000210h」のそれぞれ隣り合う2桁は、「00h」,「02h」,「10h」なので、これらの値を3種類の変換マップにてそれぞれ変換することによって、操作回数nをランダムIDに変換することができる。
【0013】
本発明に係るリモコン送信装置の第3の特徴は、前記操作子の操作回数nを、16進数の6桁で表示し、前記6桁の隣り合う上位2桁、中位2桁及び下位2桁の値を256種類の変換マップからなる第1のマップ群の中から選択された3種類の変換マップからなる第2のマップ群に従ってそれぞれ変換することによって前記符号化された前記ランダムIDを作成することにある。
これは、前記第2の特徴に記載されている所定の規則を実施の形態に則して具体的にしたものである。操作回数nを16進数の6桁で表示する。この6桁表示の操作回数nの上位2桁、中位2桁及び下位2桁をそれぞれ256種類からなる第1のマップ群の中から選択された3種類の第2のマップ群を基づいて、16進数の値に変換する。変換された16進数6桁のランダムIDを送信することによって、受信側は、第2のマップ群に基づいてランダムIDから操作回数nを復号する。なお、第1のマップ群は、256種類の中からリモコン送信装置毎に割り当てられているので、リモコン送信装置に割り当てられた3種類のマップが判明できなければ、操作回数nを復号することはできない。また、3種類のマップが判明したとしても操作回数nは送信の度に異なる値を取るので、操作回数nを復号し前回の操作回数n-1と比較することによって、正規のリモコン送信装置否かを認識することができ、制御信号の複製という不正を有効に防止することができる。
【0014】
本発明に係るリモコン送信装置の第4の特徴は、前記第2又は第3の特徴に記載のリモコン送信装置において、前記変換マップは、前記隣り合う2桁の一方の桁がとり得る値を行とし、他方の桁がとり得る値を列とする行列の各成分に、変換後の数値をランダムに割り当てることによって構成されることにある。
これは、符号化及び復号化に利用される変換マップの構成を実施の形態に則して具体的にしたものである。変換マップは、行列の各成分に割り当てられたランダムな数値で構成される。このとき、2桁の一方の桁がとり得る値及び他方の桁がとり得る値は、16進数の場合は「0h」~「Fh」の16個なので、16行×16列(256個の成分)の行列で表現される。このような3種類の変換マップで操作回数nをランダムIDに変換すると、約1677万通りのランダムIDが作成されるようになるので、制御信号の複製という不正を有効に防止することができる。
【0015】
本発明に係るリモコン送信装置の第5の特徴は、前記第2、第3又は第4の特徴に記載のリモコン送信装置において、前記受信機は前記第1のマップ群を記憶し、前記リモコン送信装置は前記第2のマップ群を記憶することにある。
これは、種類の多い第1の変換マップ群を受信機側で記憶し、リモコン送信装置はその中の選択された数種類の第2の変換マップ群のみを記憶するようにしたものである。仮にリモコン送信装置の変換マップが不正に複製されたとしても、それは第1の変換マップ群の一部にすぎないので、不正を有効に防止することができる。また、送信の度に異なる操作回数nをランダムIDに変換して送信しているので、受信機側で前回の送信回数n-1と比較することによって、不正を有効に防止することができる。
【0016】
本発明に係る開閉制御システムの第1の特徴は、操作子の操作に応じた開閉体手段の動作に関する制御信号を、固有の識別情報と共に無線方式にて前記開閉体手段の受信機に送信する送信機を備えた開閉制御システムにおいて、前記送信機は、前記操作子の現時点における操作回数nを所定の規則に従って符号化し、符号化されたランダムIDを前記制御信号と共に送信し、前記受信機は、受信した前記ランダムIDに基づいて前記操作回数nを復号化することにある。
これは、前記リモコン送信装置の第1の特徴に対応した開閉制御システムの発明である。
【0017】
本発明に係る開閉制御システムの第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御システムにおいて、前記送信機は、前記操作子の操作回数nをX進数のY桁(X,Yは偶数)で表現した場合における前記Y桁の隣り合う2桁の値を、複数の変換マップからなる第1のマップ群の中から選択された(Y/2)種類の変換マップからなる第2のマップ群に従ってそれぞれ変換することによって前記符号化された前記ランダムIDを作成し、前記受信機は、前記第2のマップ群を用いて前記操作回数nを復号化することにある。
これは、前記リモコン送信装置の第2の特徴に対応した開閉制御システムの発明である。
【0018】
本発明に係る開閉制御システムの第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の開閉制御システムにおいて、前記操作子の操作回数nを、16進数の6桁で表示し、前記6桁の隣り合う上位2桁、中位2桁及び下位2桁の値を、256種類の変換マップからなる第1のマップ群の中から選択された3種類の変換マップからなる第2のマップ群に従ってそれぞれ変換することによって前記符号化された前記ランダムIDを作成し、前記受信機は、前記第2のマップ群を用いて前記操作回数nを復号化することにある。
これは、前記リモコン送信装置の第3の特徴に対応した開閉制御システムの発明である。
【0019】
本発明に係る開閉制御システムの第4の特徴は、前記第2又は第3の特徴に記載の開閉制御システムにおいて、前記変換マップは、前記隣り合う2桁の一方の桁がとり得る値を行とし、他方の桁がとり得る値を列とする行列の各成分に、変換後の数値をランダムに割り当てることによって構成されていることにある。
これは、前記リモコン送信装置の第4の特徴に対応した開閉制御システムの発明である。
【0020】
本発明に係る開閉制御システムの第5の特徴は、前記第2、第3又は第4の特徴に記載の開閉制御システムにおいて、前記受信機は前記第1のマップ群を記憶し、前送信機は前記第2のマップ群を記憶することにある。
これは、前記リモコン送信装置の第5の特徴に対応した開閉制御システムの発明である。
【0021】
本発明に係る開閉制御方法の第1の特徴は、操作子の操作に応じた開閉体手段の動作に関する制御信号を、固有の識別情報と共に無線方式にて前記開閉体手段に送信することによって前記開閉体手段の開閉動作を制御する開閉制御方法において、前記操作子の現時点における操作回数nを所定の規則に従って符号化し、符号化されたランダムIDを前記制御信号と共に前記開閉体手段に送信し、前記ランダムIDを受信した前記開閉体手段は、前記ランダムIDに基づいて前記操作回数nを復号化することことにある。
これは、前記開閉制御システムの第1の特徴に対応した開閉制御方法の発明である。
【0022】
本発明に係る開閉制御方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御方法において、前記操作子の操作回数nをX進数のY桁(X,Yは偶数)で表現した場合における前記Y桁の隣り合う2桁の値を、複数の変換マップからなる第1のマップ群の中から選択された(Y/2)種類の変換マップからなる第2のマップ群に従ってそれぞれ変換することによって前記符号化された前記ランダムIDを作成し、前記第2のマップ群を用いて前記操作回数nを復号化することにある。
これは、前記開閉制御システムの第2の特徴に対応した開閉制御方法の発明である。
【0023】
本発明に係る開閉制御方法の第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の開閉制御方法において、前記操作子の操作回数nを、16進数の6桁で表示し、前記6桁の隣り合う上位2桁、中位2桁及び下位2桁の値を、256種類の変換マップからなる第1のマップ群の中から選択された3種類の変換マップからなる第2のマップ群に従ってそれぞれ変換することによって前記符号化された前記ランダムIDを作成し、前記第2のマップ群を用いて前記操作回数nを復号化することにある。
これは、前記開閉制御システムの第3の特徴に対応した開閉制御方法の発明である。
【0024】
本発明に係る開閉制御方法の第4の特徴は、前記第2又は第3の特徴に記載の開閉制御方法において、前記変換マップは、前記隣り合う2桁の一方の桁がとり得る値を行とし、他方の桁がとり得る値を列とする行列の各成分に、変換後の数値をランダムに割り当てることによって構成されていることにある。
これは、前記開閉制御システムの第4の特徴に対応した開閉制御方法の発明である。
【0025】
本発明に係る開閉制御方法の第5の特徴は、前記第2、第3又は第4の特徴に記載の開閉制御方法において、前記第1のマップ群を受信側が記憶し、前記第2のマップ群を送信側が記憶することにある。
これは、前記開閉制御システムの第5の特徴に対応した開閉制御方法の発明である。
【発明の効果】
【0026】
本発明のリモコン送信装置、開閉制御システム及び開閉制御方法によれば、開閉体装置の制御信号を無線方式で送信する際に制御信号の複製を防止することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の開閉体装置を備えたシャッター装置の外観を示す図である。
【
図2】
図1の開閉体装置を正面から見た一部透視図である。
【
図3】本発明に係る開閉体装置の制御システムの概略を示す図である。
【
図4】ランダムID生成用のデータ変換マップの一例を示す図である。
【
図5】リモコン送信装置が実行するリモコン処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図6】
図5のリモコン処理によってリモコン送信装置から送信されて来た各制御信号に基づいてシャッター開閉機制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下添付図面に従って本発明に係るリモコン送信装置、開閉制御システム及び開閉制御方法の好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では開閉制御システムによって制御される開閉体装置として、上方が開放方向で下方が閉鎖方向である上下に開閉制御されるシャッター装置を例に説明する。
【0029】
図1は、本発明の開閉体装置を備えたシャッター装置の外観を示す図である。
図2は、
図1の開閉体装置を正面から見た一部透視図である。
図3は、本発明に係る開閉体装置の制御システムの概略を示す図である。通常、シャッター装置は、建物や車庫などの構造物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース1、シャッターカーテン2、ガイドレール3,4、リモコン送信装置5及び光電センサ6,7から構成される。
【0030】
ガイドレール3,4は、シャッターカーテン2の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材で構成されている。シャッターカーテン2は、このガイドレール3,4の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。シャッターケース1内には、巻取シャフト11が回動可能に設けられており、これにシャッターカーテン2が巻き取られたり巻き戻されたりする。また、シャッターケース1内には、モータ13が設けられており、このモータ13の回転駆動力で巻取シャフト11が回転し、シャッターカーテン2の開閉動作が制御されるようになっている。
【0031】
図2に示すように、シャッターケース1内には、巻取シャフト11、チェーン12、モータ13、位置検出装置14、シャッター開閉機制御装置15が設けられている。巻取シャフト11は、シャッターケース1内に回動可能に設けられ、シャッターカーテン2を巻き取ったり巻き戻したりする。チェーン12は、モータ13の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取シャフト11の回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ13の回転駆動力はチェーン12を介して巻取シャフト11側に伝達され、モータ13が回転すると、チェーン12を介して巻取シャフト11が回転し、シャッターカーテン2の開閉動作が制御されるようになっている。
【0032】
モータ13には、その回転位置すなわちシャッターカーテン2の開閉位置と開閉状態を検出するための位置検出装置14が設けられている。この位置検出装置14は、パルス発生型のロータリーエンコーダ等で構成される。モータ13の回転に応じたパルス信号がシャッター開閉機制御装置15に出力されるので、モータ13の回転位置やシャッターカーテン2の閉鎖側先端部の開口部における位置や動作状態などはこのパルスの発生状況に基づいてシャッター開閉機制御装置15が演算にて求めることになる。
【0033】
シャッター開閉機制御装置15は、マイクロコンピュータ構成になっており、図示していない電源ラインを介して電力が供給されている。シャッター開閉機制御装置15は、リモコン送信装置5上の各操作スイッチの操作状態に対応した制御信号をリモコン受信機で受信し、その制御信号に基づいてモータ13の回転を制御する。リモコン受信機21は、リモコン送信装置5との間で所定の周波数帯(例えば、426[MHz])で接続され、リモコン送信装置5特有の送信機IDとランダムIDを介してそれぞれ接続されるようになっている。
【0034】
リモコン送信装置5は、開放用の開スイッチ5a、停止用の停スイッチ5b、閉鎖用の閉スイッチ5cを有し、それぞれの開閉停の各スイッチ5a~5cの操作状態に対応した開閉停の各動作に関する制御信号(送信機ID及びランダムIDを含む)をシャッター開閉機制御装置15のリモコン受信機21に出力する。リモコン受信機21は、制御信号に含まれる送信機IDが登録済のものであり、かつランダムIDが所定のIDと適合した場合に限り開閉停の各動作を実行するようになっている。なお、有線の操作スイッチなどを用いてシャッター開閉機制御装置15に制御信号を送信し、開閉操作させるように構成してあってもよい。
【0035】
送信機IDは、リモコン送信装置5に固有のものなので、リモコン受信機21に予め登録することによって、登録済か否かの判断を行うことができる。一方、ランダムIDは、リモコン送信装置5が制御信号を送信の度に生成されるランダムなIDである。すなわち、ランダムIDはリモコン送信装置5の送信動作毎に更新されるIDであり、送信機IDのように固有のものではなく、特定の条件に従って変化するIDである。リモコン受信機21は、リモコン送信装置5側で生成されるランダムIDと同じIDを生成する機能を備えている。
【0036】
光電センサ6,7は、人や自動車等の通過状態、及び物体等の存在を確認するために使用される障害物感知装置であり、開口部の下側左右両端に設けられている。なお、図では、開口部の前後のいずれか一方の所定箇所に設けられているが、前後両方及び/又は開口部上方に設けるようにしてもよい。光電センサ6は、角柱状の投光器支持部材によって構成され、その反対側に同じ形状の受光器支持部材によって構成される光電センサ7が対となるように設けられている。これらの光電センサ6,7は、シャッターカーテン2の座板の長手方向寸法又は開口部の横幅寸法に相当する距離だけ互いに離間して配置されている。
【0037】
光電センサ6には、例えば赤外線等の光を自ら発光する発光素子からなる投光器6aが支持されている。一方、光電センサ7には、光を自ら受光感知する受光素子からなる受光器7aが支持されている。光電センサ6の投光器6aおよび光電センサ7の受光器7aは、互いに向かい合って配置され、開口部の下側位置で座板に沿って走る物体感知用の光線の光路8を形成している。光電センサ6,7が光路8内で人や物体(自動車)を感知した場合には、光電センサアンプ6b,7bのスイッチング機構によって、その感知信号がシャッター開閉機制御装置15に送信される。
図1において、光路8は、光電センサ6,7の物体感知領域を模式的に示している。
【0038】
図4は、ランダムID生成用のデータ変換マップの一例を示す図である。この実施の形態では、
図4に示す3種類のデータ変換マップM1~M3を用いて、送信機の操作回数nをランダムIDに変換して、送信機IDと開閉停の動作コードと共に送信する。データ変換マップM1~M256は、256種類存在し、リモコン受信機21のメモリ領域に記憶されている。リモコン受信機21に記憶されている256種類のデータ変換マップの中から選択された任意の3種類がリモコン送信装置5に記憶される。
図3では、256種類の中の3種類のデータ変換マップM1~M3がリモコン送信装置5のメモリ領域に記憶されている。リモコン受信機21は、どのリモコン送信装置がどのデータ変換マップを記憶しているのかを記憶している。
【0039】
データ変換マップM1~M3は、送信機の操作回数nを24ビット構成のランダムIDに変換する。すなわち、操作回数nは10進数なので、これを6桁の16進数に変換(HEX変換)する。データ変換マップM1は6桁の16進数の上位8ビット(第6桁,第5桁)を、データ変換マップM2は中間8ビット(第4桁,第3桁)を、データ変換マップM3は下位8ビット(第2桁,第1桁)を、それぞれ別の8ビットに変換する。データ変換マップM1~M3は、それぞれ8ビットの上位4ビットのとり得る16個の値(0h,1h,2h・・・Fh)を行に、下位4ビットのとり得る16個の値(0h,1h,2h・・・Fh)を列にそれぞれ対応付けられ、それぞれの行列の各成分に変換後の数値がランダムに割り当てられることによって構成されている。
【0040】
例えば、送信機の操作回数nが528回の場合、「528」を6桁の16進数に変換すると「000210h」となる。データ変換マップM1は、上位8ビット(第6桁,第5桁)の「00h」を別の8ビットデータに変換するものであり、マップ番号は203である。
図4のデータ変換マップM1において、上位4ビット(第6桁)及び下位4ビット(第5桁)共に「0h」なので、変換後の値は「35h」となる。
【0041】
データ変換マップM2は、中間8ビット(第4桁,第3桁)「02h」を別の8ビットデータに変換するものであり、マップ番号は25である。
図4のデータ変換マップM2において、上位4ビット(第4桁)は「0h」で下位4ビット(第3桁)は「2h」なので、変換後の値は「32h」となる。
【0042】
データ変換マップM3は、下位8ビット(第2桁,第1桁)「10h」を別の8ビットに変換するものであり、マップ番号は242である。
図4のデータ変換マップM3において、上位4ビット(第2桁)は「1h」で下位4ビット(第1桁)は「0h」なので、変換後の値は「2Ah」となる。従って、操作回数が528回である16進数の「000210h」の値は、ランダムID「35322Ah」に変換されて、リモコン受信機21に送信される。
【0043】
このランダムIDを受信したリモコン受信機21は、リモコン送信装置5に記憶されているマップ番号203,25,242に対応するデータ変換マップに基づいて、ランダムIDをリモコン送信装置5の操作回数nに復号することによって、操作回数n=528を取得する。リモコン受信機21は、前回のランダムIDの操作回数を記憶しているので、その操作回数の値n-1と今回の操作回数nとを比較し、今回の操作回数nが前回の操作回数n-1に対して3カウント以内であれば、リモコン送信装置5は、正しい送信機であると認識する。一方、操作回数nが前回の操作回数n-1よりも小さい値や4カウント以上の場合は、リモコン送信装置5は不正なものとして処理を実行しない。
【0044】
図5は、リモコン送信装置が実行するリモコン処理の一例を示すフローチャート図である。
図5において、リモコン送信装置5の開閉停の各スイッチ5a~5cが操作された場合に、その操作状態に対応した開閉停の各動作に関する制御信号が上述のランダムIDと共にリモコン受信機21に送信される。
【0045】
ステップS51では、停スイッチ5bが操作されたか否かの判定を行い、停スイッチ5bが操作された(yes)場合は次のステップS52に進み、停スイッチ5b以外(no)の場合はステップS53に進む。
ステップS52では、リモコン送信装置5に対応した正規の識別情報(送信機ID)と共に停スイッチ5bに対応した停動作に関する制御信号及びランダムIDをリモコン受信機21に送信する。
【0046】
ステップS53では、開スイッチ5aが操作されたか否かの判定を行い、開スイッチ5aが操作された(yes)場合は次のステップS54に進み、開スイッチ5a以外(no)の場合はステップS55に進む。
ステップS54では、リモコン送信装置5に対応した正規の識別情報(送信機ID)と共に開スイッチ5aに対応した開動作に関する制御信号及びランダムIDをリモコン受信機21に送信する。
【0047】
ステップS55では、閉スイッチ5cが操作されたか否かの判定を行い、閉スイッチ5cが操作された(yes)場合は次のステップS56に進み、閉スイッチ5c以外(no)の場合はリターンする。
ステップS56では、リモコン送信装置5に対応した正規の識別情報(送信機ID)と共に閉スイッチ5cに対応した閉動作に関する制御信号及びランダムIDをリモコン受信機21に送信する。
ステップS57では、現時点における操作回数nに1を加算するインクリメント処理を実行する。
【0048】
このリモコン処理では、開閉停の各動作に関する制御信号と共にランダムIDを送信する場合について説明したが、停スイッチ5b又は閉スイッチ5cに対応した制御信号の場合はランダムIDを送信しなくてもよい。リモコン受信機21とは関係の無い、別にリモコン受信機を準備して、リモコン送信装置5が制御信号を送信した際にその送信信号を受信し、その送信信号に挿入されている識別情報すなわち送信機IDを含む制御信号及びランダムIDを複製することができたとしても、リモコン受信機21は停動作又は閉動作に関する制御信号を受信しても、停動作又は閉動作を実行するだけなので問題はない。また、開操作の制御信号が送信された場合は、正規のリモコン送信装置5であれば、操作回数nに対応したランダムIDが同時に送信されるので、リモコン受信機21は操作回数nが3カウント以内であるか否かに応じて、正規又は不正を判別することができるので、開動作に関する制御信号及びランダムIDが複製されても問題はない。
【0049】
図6は、
図5のリモコン処理によってリモコン送信装置から送信されて来た各制御信号に基づいてシャッター開閉機制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャート図である。すなわち、
図6では、開閉停の各動作に関する制御信号を受信したシャッター開閉機制御装置15が実行する処理について説明する。
【0050】
ステップS60では、リモコン送信装置5が正規の送信機であるか否か、すなわち受信した操作回数nに対応したランダムIDを復号した結果の値(操作回数n)が前回の操作回数n-1に対して3カウント以内であるか否かを判定し、正規(yes)の場合は次のステップS61以下の処理を実行し、正規でない(no)場合は直ちにリターンする。
ステップS61では、リモコン受信機21が受信した信号が停スイッチ5bの操作に対応した停止信号か否かの判定を行い、停止信号受信(yes)の場合は次のステップS62に進み、停止信号以外(no)の場合はステップS64に進む。
ステップS62では、現在のシャッターカーテン2の動作が開閉動作中か否(停止中)かの判定を行い、開閉動作中(yes)の場合は次のステップS63に進み、停止中(no)の場合はリターンする。
ステップS63では、シャッターカーテンが開閉動作中なので、その動作を停止してリターンする。なお、ここでは、シャッターカーテン2の開動作中における移動を正方向移動とし、閉動作中における移動を逆方向移動とする。
【0051】
ステップS64では、リモコン受信機21が受信した信号が開スイッチ5aの操作に対応した開信号の受信か否かの判定を行い、開信号受信(yes)の場合は次のステップS65に進み、開信号以外(no)の場合はステップS68に進む。
ステップS65では、現在のシャッターカーテン2の動作が閉動作中か否(開動作中又は停止中)かの判定を行い、閉動作中(yes)の場合は次のステップS66に進み、開動作中又は停止中(no)の場合はステップS67に進む。
【0052】
ステップS66では、ステップS65で閉動作中と判定されたので、その閉動作を停止し、閉動作停止後に開動作を開始し、リターンする。
ステップS67では、ステップS65で開動作中又は停止中と判定されたので、開動作中の場合は、そのまま開動作を継続し、停止中の場合は開動作を開始し、リターンする。
【0053】
ステップS68では、リモコン受信機21が受信した信号が閉スイッチ5cの操作に対応した閉信号の受信か否かの判定を行い、閉信号(yes)の場合は次のステップS69に進み、閉信号以外(no)の場合はリターンする。
ステップS69では、光電センサ6,7によって人や物体(自動車)の感知状態か否かの判定を行い、感知状態(yes)の場合はステップS65に進み、感知状態でない(no)場合はステップS6Aに進む。
【0054】
ステップS6Aでは、現在のシャッターカーテン2の動作が開動作中か否(閉動作中又は停止中)かの判定を行い、開動作中(yes)の場合はステップS6Cに進み、閉動作中又は停止中(no)の場合はステップS6Bに進む。
ステップS6Bでは、閉動作中の場合は、そのまま閉動作を継続し、停止中の場合は閉動作を開始し、リターンする。
ステップS6Cでは、開動作中なので、開動作を停止し、開動作停止後に閉動作を開始し、ステップS60にリターンする。
【0055】
上述の実施の形態では、十進数の操作回数nを16進数の6桁で表示し、この6桁の隣り合う上位2桁、中位2桁及び下位2桁の値を256種類の変換マップからなるマップ番号0~255のマップ群の中から選択されたマップ番号203,25,242の3種類のマップ群に従ってそれぞれ変換することによって符号化されたランダムIDを作成する場合を所定の規則として説明したが、これらの数値は一例であり、一般的には、次のような規則として表現される。
操作回数nをX進数のY桁(X,Yは偶数)で表現した場合におけるY桁の隣り合う2桁の値を、複数の変換マップからなる第1のマップ群の中から選択された(Y/2)種類の変換マップからなる第2のマップ群に従ってそれぞれ変換することによって符号化されたランダムIDを作成する。
また、変換マップの種類も256種類に限定されるものではなく、第1のマップ群の種類が第2のマップ群よりも多ければよい。また、第2のマップ群はそれぞれ異なる種類のマップを含んで構成されるのが好ましいが、同じマップを含んで構成されてもよい。
【0056】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるシャッターカーテンを例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、開閉体装置としては、例えば、シャッター装置、オーバーヘッドドア、窓シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…シャッターケース
11…巻取シャフト
12…チェーン
13…モータ
14…位置検出装置
15…シャッター開閉機制御装置
2…シャッターカーテン
21…リモコン受信機
3,4…ガイドレール
5…リモコン送信装置
5a…開スイッチ
5b…停スイッチ
5c…閉スイッチ
6,7…光電センサ
6a…投光器
7a…受光器
6b,7b…光電センサアンプ
8…光路
M1~M3…データ変換マップ