(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】部分免荷システムの方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61H 1/02 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
A61H1/02 R
(21)【出願番号】P 2019539192
(86)(22)【出願日】2018-02-14
(86)【国際出願番号】 US2018018166
(87)【国際公開番号】W WO2018152190
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-02-08
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-23
(32)【優先日】2017-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507373704
【氏名又は名称】バイオネス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マクブライド,キース
(72)【発明者】
【氏名】グルコフスキー,アルカディー
(72)【発明者】
【氏名】スミス,オーガスティン
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】村上 聡
【審判官】村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-329278(JP,A)
【文献】特開2003-47635(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0287268(US,A1)
【文献】実開平6-15658(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行トレーニング中に部分免荷を提供するために部分免荷システムを使用する方法であって、前記部分免荷システムは、トラックから前記部分免荷システムを移動可能に吊るすように構成された駆動アセンブリと、ユーザを前記部分免荷システムに結合するために前記ユーザによって身に着けられた接続デバイスに結合されるように構成されたテザーとを含み、前記方法は、
前記接続デバイスが初期位置にある時の前記テザーの基準長さを定義することと、
前記テザーの前記基準長さに少なくとも部分的に基づいて前記テザーのしきい長さを定義することと、
前記テザーの前記長さの変化のしきい速度及び前記テザーの前記長さが変化する所定の持続時間を定義することと、
前記歩行トレーニング中に、前記ユーザが前記表面に対して相対的に移動し、(i)前記テザーの前記長さが前記テザーの前記しきい長さより長く、(ii)前記テザーの前記長さの変化の速度が前記変化のしきい速度を超え、
(iii)前記テザーの前記長さの変化の持続時間が前記所定の持続時間よりも短い時に、部分免荷を提供するために前記部分免荷システムを支持構成へ移行することであって、
前記支持構成ではテザーがロックされ、前記駆動アセンブリは、前記トラックに沿って相対的に前記部分免荷システムを移動させて、前記ユーザが前記表面に対して相対的に移動するときに、前記部分免荷システムを前記ユーザに対して相対的に頭上の位置に維持するように構成されることと、
前記部分免荷システム内に含まれる電子デバイスのディスプレイ上に前記歩行トレーニングに関連するデータを表示することと、を含む方法。
【請求項2】
前記テザーの前記長さは、前記ユーザが前記テザーに働かせる力の増加に応答して増やされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザがそれに対して相対的に移動する前記表面は静止表面である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザがそれに対して相対的に移動する前記表面は、トレッドミルを含む移動する表面である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ディスプレイ上での前記歩行トレーニングに関連する前記データの表示は、前記部分免荷システムの動作条件及び前記トレッドミルの動作条件に関連するデータを表示することを含む、請求項
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[1001] 本願は、その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2017年2月14日に出願した米国特許仮出願第62/458648号、名称「Methods and Apparatus for Body Weight Support System」の優先権及び利益を主張するものである。
【0002】
[1002] 本願は、その開示のそれぞれの全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2013年1月20日に出願した米国特許第9682000号、名称「Methods and Apparatus for Body Weight Support System」の一部継続である、2014年3月26日に出願した米国特許第9855177号、名称「Methods and Apparatus for Body Weight Support System」の一部継続である、2015年2月3日に出願した米国特許公開第2015/0143627号、名称「Methods and Apparatus for Body Weight Support System」に関する。
【背景技術】
【0003】
[1003] 本明細書で説明される実施形態は、ユーザの体重を支持する装置及び方法に関する。より具体的には、本明細書で説明される実施形態は、歩行治療(gait therapy)中にユーザの体重を支持する装置及び方法に関する。
【0004】
[1004] 深刻なウォーキング障害を有する個人に集中的ではあるが安全な歩行治療(gait therapy)を成功裡に与えることは、技量を有する療法士に課題を提示する可能性がある。脳卒中、脊髄損傷、外傷性脳損傷、又は類似物などの多数の神経損傷の急性期には、個人は、しばしば非常に不安定なウォーキング・パターンと低い持久力とを示し、ユーザ(例えば、患者)と療法士との両方にとって歩行を安全に実践することが困難になる。この故に、リハビリテーション・センタは、しばしば、平地歩行トレーニングを、部分免荷(body-weight support)システムがトレーニングの強度を上げながら転倒を最小にするのを助けることのできるトレッドミルに移す。
【0005】
[1005] いくつかの例では、部分免荷されたトレッドミル・トレーニングは、従来の歩行トレーニングに類似するかこれを超えるウォーキング能力の増大を促進することができる。残念ながら、患者をトレッドミル上のトレーニングから安全な重量支持された平地歩行トレーニングに移行させるシステムはほとんどない。さらに、ウォーキング障害を有するほとんどの個人の主目標が、トレッドミル上ではなく彼らの自宅及びコミュニティで歩くことなので、歩行を目標とする治療的介入が、平地歩行トレーニング(例えば、トレッドミル上ではなく)を含むことが、しばしば望ましい。
【0006】
[1006] いくつかの既知の支持システムは、滑らかで平坦な表面の上で歩行障害を有する個人をトレーニングすることを含む。しかし、いくつかのシステムでは、療法士は、患者、特に患者の下腿との相互作用を著しく妨害される。膝及び/若しくは尻を安定させるために部分的支援を必要とする患者又は脚を進ませるために助けを必要とする患者にとって、これらのシステムは、患者と療法士との間の重大な障壁を提示する。
【0007】
[1007] いくつかの既知の歩行支持システムは、システムによって支持される患者に静的な除荷(unloading)を提供するように構成される。すなわち、静的除荷の下では、患者を支持する肩ひもの長さは、患者が、ひもがゆるんでいる時に彼らの重量の実質的にすべてを支え、ひもが教えられる時に実質的に重量を支えないのいずれかになるように、固定長にセットされる。静的除荷システムは、異常な地面反力と下肢の変更された筋活動パターンとをもたらすことが示された。さらに、静的除荷システムは、患者の垂直変位を妨げ、これが、大きい範囲の動きが必要である場合に、ある形態のバランス及び姿勢治療を妨げる可能性がある。その結果、いくつかの既知のシステムは、車椅子から立位へ患者を持ち上げることができず、これによって、システムの使用を車椅子に追いやられていない個人(例えば、軽度から中程度の歩行障害を有する患者)に制限する。
【0008】
[1008] いくつかの既知の静的支持システムでは、部分免荷の量に対する制限がある場合がある。そのようなシステムでは、部分免荷は、継続的に変調され得るのではなく、トレーニング・セッションが始まる前に調整され、トレーニング中にはそのレベルで実質的に固定されたままになる。さらに、除荷の量は、オペレータがシステムを手作業で調整することを必要とするので、継続的には調整され得ない。
【0009】
[1009] 他の既知のシステムでは、患者は、患者が歩行治療中に頭上のレールに沿ってトロリを物理的異に引っ張る間に患者を支持するように構成された受動トロリ及びレール・システムによって支持され得る。トロリは相対的に少ない質量を有することができるが、患者は、その質量の存在を感じる可能性がある。従って、バランス、姿勢、及びウォーキング能力に焦点を合わせることができるのではなく、患者は、トロリの力学を補償しなければならない可能性がある。例えば、滑らかで平坦な表面上で、被験者が突然停止する場合に、トロリは、前方に移動し続け、被験者を潜在的に不安定にし、これによって、被験者がデバイスから除去される時に存続する可能性がある異常な補償歩行戦略をもたらす可能性がある。
【0010】
[1010] いくつかの既知の平地歩行支持システムは、電動化されたトロリ及びレール・システムを含む。そのような既知のシステムでは、電動化されたトロリは、相対的にかさばる可能性があり、これによって、システムに高さ制限を課す可能性がある。例えば、いくつかの既知のシステムでは、患者の効果的な支持に関する最大の適切な高さがある場合がある。いくつかの既知のシステムでは、システムが変化する身長の患者を支持するために、最小天井高さが必要である場合がある。
【0011】
[1011] トロリが電動化され、被験者の移動に従うようにプログラムされると同時に、機構及び全体的なシステム力学は、患者が動くために重くかさばるトロリを引っ張っていると患者が感じるように、システムの応答のかなりの遅延をもたらす可能性がある。そのようなシステム挙動は、ウォーキング中に、障害を有する患者を不安定にする可能性がある。さらに、一部の既知の電動化されたシステムは、トロリに電力を供給し、制御するために電力ケーブル及び/又は制御ケーブルの太い束を含む。そのようなケーブル束は、ルーティング及び管理並びにトロリの往来の低減における重大な課題を提示する。例えば、一部の既知のシステムでは、ケーブル束は、ベローズ構成で配置され、ケーブル束は、トロリが電源に向かって動く時に縮小し、トロリが電源から離れて動く時に延びるようになっている。この形で、トロリの往来は、縮小されたケーブル束によって占有される空間によって制限される。いくつかの例では、ケーブルの束は、制御システムの性能における重大な課題を提示する変化する慣性を構成し、従って、電動化された支持システム全体の効力を下げる可能性がある。
【0012】
[1012] 従って、ゲート治療中に患者の体重を支持する改善された装置及び方法の必要が存在する。
【発明の概要】
【0013】
[1013] 歩行治療中に患者の体重を支持する装置及び方法が本明細書で説明される。いくつかの実施形態では、歩行トレーニング中に部分免荷を提供するために部分免荷システムを使用する方法は、部分免荷システム内に含まれるテザーの基準長さを定義することを含む。テザーは、ユーザを部分免荷システムに結合するためにユーザによって身に着けられた接続デバイスに結合されるように構成される。接続デバイスが初期位置にある時のテザーの基準長さが、定義される。テザーのしきい長さが、定義される。部分免荷の第1量が、歩行トレーニング中に、ユーザが表面に対して相対的に移動し、テザーの長さがテザーのしきい長さより短い時に、提供される。部分免荷の第2量が、歩行トレーニング中に、ユーザが表面に対して相対的に移動し、テザーの長さがテザーのしきい長さより長い時に、提供される。この方法は、部分免荷システム内に含まれる電子デバイスのディスプレイ上に歩行トレーニングに関連するデータを表示することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】[1014]一実施形態による部分免荷システムを示す概略図である。
【
図2】[1015]一実施形態による部分免荷システムを示す透視図である。
【
図3】[1015]一実施形態による部分免荷システムを示す透視図である。
【
図4】[1016]
図2の部分免荷システム内に含まれるトロリを示す様々な透視図である。
【
図5】[1016]
図2の部分免荷システム内に含まれるトロリを示す様々な透視図である。
【
図6】[1016]
図2の部分免荷システム内に含まれるトロリを示す様々な透視図である。
【
図7】[1016]
図2の部分免荷システム内に含まれるトロリを示す様々な透視図である。
【
図8】[1017]
図4のトロリ内に含まれるハウジングを示す上面透視図である。
【
図9】[1018]
図8のハウジングを示す分解図である。
【
図10】[1019]
図4のトロリのうちで領域Zとして識別される部分を示す拡大図である。
【
図11】[1020]
図4のトロリ内に含まれる電子システムを示す底面透視図である。
【
図12】[1021]
図4のトロリ内に含まれる駆動機構を示す透視図である。
【
図13】[1022]
図12の駆動機構内に含まれる第1駆動アセンブリを示す透視図である。
【
図14】[1022]
図12の駆動機構内に含まれる第1駆動アセンブリを示す透視図である。
【
図15】[1023]
図13の第1駆動アセンブリを示す分解図である。
【
図16】[1023]
図13の第1駆動アセンブリを示す分解図である。
【
図17】[1024]それぞれ
図13の第1駆動アセンブリ内に含まれる、第1支持部材、第2支持部材、及び第3支持部材を示す透視図である。
【
図18】[1024]それぞれ
図13の第1駆動アセンブリ内に含まれる、第1支持部材、第2支持部材、及び第3支持部材を示す透視図である。
【
図19】[1024]それぞれ
図13の第1駆動アセンブリ内に含まれる、第1支持部材、第2支持部材、及び第3支持部材を示す透視図である。
【
図20】[1025]
図13の第1駆動アセンブリ内に含まれる駆動輪サブアセンブリを示す分解図である。
【
図21】[1026]
図13の第1駆動アセンブリ内に含まれる副車輪サブアセンブリを示す透視図である。
【
図22】[1027]
図18の第2支持部材に結合された
図21の副車輪サブアセンブリを示す、
図13の第1駆動アセンブリの一部を示す透視図である。
【
図23】[1028]支持トラックと接触している
図13の第1駆動アセンブリを示す透視図である。
【
図24】[1029]
図12の駆動機構内に含まれる第2駆動アセンブリを示す透視図である。
【
図25】[1030]
図24の第2駆動アセンブリを示す分解図である。
【
図26】[1031]
図20の支持トラックと接触している
図24の第2駆動アセンブリを示す透視図である。
【
図27】[1032]その両方が
図4のトロリ内に含まれる、
図8のハウジング内に含まれる支持機構及び基部を示す透視図である。
【
図29】[1034]
図27の支持機構内に含まれるウインチ・アセンブリを示す透視図である。
【
図30】[1035]
図29のウインチ・アセンブリを示す分解図である。
【
図31】[1036]
図27の支持機構内に含まれる案内アセンブリを示す分解図である。
【
図32】[1037]
図28のウインチ・アセンブリなしで示された
図27の支持機構の透視図である。
【
図33】[1038]
図27の支持機構内に含まれるカム・アセンブリを示す分解図である。
【
図34】[1039]一実施形態による患者接続機構を示す透視図である。
【
図35】[1040]一実施形態による部分免荷システムを示す透視図である。
【
図36】[1041]線X-Xに沿った
図35の部分免荷システムの断面図である。
【
図37】[1042]一実施形態による支持システムを示す概略図である。
【
図38】[1043]一実施形態による支持システムの一部を示す透視図である。
【
図39】[1044]
図38の支持システム内に含まれる手押し車を示す透視図である。
【
図40】[1045]線40-40に沿った、
図39の手押し車内に含まれる接続部材を示す断面図である。
【
図41】[1046]一実施形態による支持システムの部分を示す上面透視図及び底面透視図である。
【
図42】[1046]一実施形態による支持システムの部分を示す上面透視図及び底面透視図である。
【
図43】[1047]一実施形態による支持システムの一部を示す透視図である。
【
図44】[1048]線44-44に沿った、
図43の支持システム内に含まれる停止機構を示す断面図である。
【
図45】[1049]一実施形態による支持システム内に含まれる光学追跡システムを示す概略図である。
【
図46】[1049]一実施形態による支持システム内に含まれる光学追跡システムを示す概略図である。
【
図47】[1049]一実施形態による支持システム内に含まれる光学追跡システムを示す概略図である。
【
図48】[1050]一実施形態による制御図を示す概略図である。
【
図49】[1051]一実施形態による患者の質量中心の変位を示すグラフである。
【
図50】[1052]一実施形態による患者の移動に応答する患者支持機構に関連する動作条件を示すグラフである。
【
図51】[1052]一実施形態による患者の移動に応答する患者支持機構に関連する動作条件を示すグラフである。
【
図52】[1052]一実施形態による患者の移動に応答する患者支持機構に関連する動作条件を示すグラフである。
【
図53】[1052]一実施形態による患者の移動に応答する患者支持機構に関連する動作条件を示すグラフである。
【
図54】[1053]一実施形態による部分免荷システムを使用する間の電気刺激装置及び/又は障害を有する患者の歩行に関連する1つ又は複数の動作条件のグラフ表現を示す図である。
【
図55】[1054]一実施形態による、部分免荷システム及び例えば電気刺激装置に関連するデータに少なくとも部分的に基づいて判定された患者の歩行特性のセットのグラフ表現を示す図である。
【
図56】[1055]一実施形態による、少なくとも部分的に部分免荷システムによって判定される患者の歩行の対称解析に関連するデータのグラフ表現を示すディスプレイのスクリーンショットである。
【
図57】[1056]一実施形態による、少なくとも部分的に部分免荷システムによって判定される、患者のtimed-up-and-go testに関連するデータのグラフ表現を示すディスプレイのスクリーンショットである。
【
図58】[1057]一実施形態による、少なくとも部分的に部分免荷システムによって判定される、患者のtimed-distance testに関連するデータのグラフ表現を示すディスプレイのスクリーンショットである。
【
図59】[1058]一実施形態による、部分免荷システム内に含まれ、かつ/又はこれによって実施される転倒予防システムに関連するデータのグラフ表現を示すディスプレイのスクリーンショットである。
【
図60】[1059]それぞれ第1モード及び/又は構成、第2モード及び/又は構成、並びに第3モード及び/又は構成の、
図59に示された転倒予防システムの部分をグラフィックに表すディスプレイのスクリーンショットである。
【
図61】[1059]それぞれ第1モード及び/又は構成、第2モード及び/又は構成、並びに第3モード及び/又は構成の、
図59に示された転倒予防システムの部分をグラフィックに表すディスプレイのスクリーンショットである。
【
図62】[1059]それぞれ第1モード及び/又は構成、第2モード及び/又は構成、並びに第3モード及び/又は構成の、
図59に示された転倒予防システムの部分をグラフィックに表すディスプレイのスクリーンショットである。
【
図63】[1060]
図59に示された転倒予防システムの部分をグラフィックに表すディスプレイのスクリーンショットである。
【
図64】[1061]一実施形態による、患者がトレッドミルを使用する間の部分免荷システムの使用に関連するデータのグラフィック表現を示すディスプレイの様々なスクリーンショットである。
【
図65】[1061]一実施形態による、患者がトレッドミルを使用する間の部分免荷システムの使用に関連するデータのグラフィック表現を示すディスプレイの様々なスクリーンショットである。
【
図66】[1061]一実施形態による、患者がトレッドミルを使用する間の部分免荷システムの使用に関連するデータのグラフィック表現を示すディスプレイの様々なスクリーンショットである。
【
図67】[1061]一実施形態による、患者がトレッドミルを使用する間の部分免荷システムの使用に関連するデータのグラフィック表現を示すディスプレイの様々なスクリーンショットである。
【
図68】[1061]一実施形態による、患者がトレッドミルを使用する間の部分免荷システムの使用に関連するデータのグラフィック表現を示すディスプレイの様々なスクリーンショットである。
【
図69】[1061]一実施形態による、患者がトレッドミルを使用する間の部分免荷システムの使用に関連するデータのグラフィック表現を示すディスプレイの様々なスクリーンショットである。
【
図70】[1062]一実施形態による、支持トラックの一部、パワー・レールの一部、及びターンテーブルを示す概略図である。
【
図71】[1063]一実施形態による支持システムを示す概略図である。
【
図72】[1064]それぞれ、異なる実施形態による電力系統の一部を示す透視図である。
【
図73】[1064]それぞれ、異なる実施形態による電力系統の一部を示す透視図である。
【
図74】[1065]それぞれ、一実施形態による部分免荷システムを示す正面図、側面図、及び底面図である。
【
図75】[1065]それぞれ、一実施形態による部分免荷システムを示す正面図、側面図、及び底面図である。
【
図76】[1065]それぞれ、一実施形態による部分免荷システムを示す正面図、側面図、及び底面図である。
【
図77】[1066]それぞれが異なる実施形態による、部分免荷を提供する方法をそれぞれが示す流れ図である。
【
図78】[1066]それぞれが異なる実施形態による、部分免荷を提供する方法をそれぞれが示す流れ図である。
【
図79】[1066]それぞれが異なる実施形態による、部分免荷を提供する方法をそれぞれが示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1067] いくつかの実施形態では、歩行トレーニング中に部分免荷を提供するために部分免荷システムを使用する方法は、部分免荷システム内に含まれるテザーの基準長さを定義することを含む。テザーは、ユーザを部分免荷システムに結合するためにユーザによって身に着けられた接続デバイスに結合されるように構成される。接続デバイスが初期位置にある時のテザーの基準長さが、定義される。テザーのしきい長さが、定義される。第1量の部分免荷が、歩行トレーニング中に、ユーザが表面に対して相対的に移動し、テザーの長さがテザーのしきい長さより短い時に、提供される。第2量の部分免荷が、歩行トレーニング中に、ユーザが表面に対して相対的に移動し、テザーの長さがテザーのしきい長さより長い時に、提供される。この方法は、部分免荷システム内に含まれる電子デバイスのディスプレイ上に歩行トレーニングに関連するデータを表示することをさらに含む。
【0016】
[1068] いくつかの実施形態では、歩行トレーニング中に部分免荷を提供するために部分免荷システムを使用する方法は、部分免荷システム内に含まれるテザーの基準長さを定義することを含む。テザーは、ユーザを部分免荷システムに結合するためにユーザによって身に着けられた接続デバイスに結合されるように構成される。接続デバイスが初期位置にある時のテザーの基準長さが、定義される。テザーの長さの変化に関連する第1判断基準が、定義され、テザーの長さの変化に関連する第2判断基準が、定義される。ユーザが歩行トレーニング中に転倒することに応答して提供すべき部分免荷の量が、定義される。この方法は、第1判断基準及び第2判断基準が満足されることに基づいて転倒が発生したと判定することを含み、第1判断基準及び第2判断基準が満足されることに応答して、その量の部分免荷が提供される。
【0017】
[1069] いくつかの実施形態では、歩行トレーニング中に部分免荷を提供するために部分免荷システムを使用する方法は、部分免荷システム内に含まれるテザーの基準長さを定義することを含む。テザーは、ユーザを部分免荷システムに結合するためにユーザによって身に着けられた接続デバイスに結合されるように構成される。接続デバイスが初期位置にある時のテザーの基準長さが、定義される。テザーのしきい長さが、定義される。テザーのしきい長さは、ユーザが歩行トレーニング中に転倒することに関連する。歩行トレーニング中の転倒のしきい回数が、定義される。この方法は、歩行トレーニング中に、ユーザが表面に対して相対的に移動し、転倒の回数が転倒のしきい回数より少ない時に、所定の量の部分免荷を提供することを含む。歩行トレーニング中に転倒のしきい回数が満足されることに応答して、ユーザに提供すべき部分免荷の所定の量が、増やされる。この方法は、部分免荷システム内に含まれる電子デバイスのディスプレイ上で歩行トレーニングに関連するデータを表示することをさらに含む。
【0018】
[1070] いくつかの実施形態では、装置は、駆動機構と、患者支持機構と、電子システムと、を有するトロリを含む。駆動機構は、支持トラックからトロリを移動可能に吊るすように構成される。駆動機構は、駆動機構の動作条件を感知するように構成された第1センサを含む。患者支持機構は、テザー及び第2センサを含む。第2センサは、患者支持機構の動作条件を感知するように構成される。テザーは、患者支持機構が患者を支持するように、患者に動作可能に結合され得る。電子システムは、患者支持機構が患者の体重のうちの所定の量を支持するように、第1センサからの信号及び第2センサからの信号の受信に応答して、駆動機構又は患者支持機構の少なくとも1つの動作条件を更新するように構成される。
【0019】
[1071] いくつかの実施形態では、装置は、駆動機構と、患者支持機構と、電子システムとを含む。駆動機構は、トロリ内に含まれ、支持トラックからトロリを吊るすように構成される。駆動機構は、駆動機構の動作条件を感知するように構成された第1センサを含む。患者支持機構は、トロリに結合し、テザー及び第2センサを含む。テザーは、患者支持機構が患者の重量の少なくとも一部を支持するように、患者に動作可能に結合されるように構成される。第2センサは、患者支持機構の動作条件を感知するように構成される。電子システムは、トロリ内に含まれ、少なくともプロセッサ及びメモリを有する。プロセッサは、第1センサから受信された信号及び第2センサから受信された信号に少なくとも部分的に基づいて、患者の歩行特性を定義するように構成される。
【0020】
[1072] いくつかの実施形態では、方法は、駆動機構又は患者支持機構のうちの少なくとも1つの第1動作条件に関連する信号を受信することを含む。患者支持機構は、能動トロリに結合され、患者を支持するように構成される。駆動機構は、能動トロリに結合され、患者の移動に応答して支持トラックに沿ってトロリを移動するように構成される。駆動機構又は患者支持機構のうちの少なくとも1つの第2動作条件に関連する信号が受信される。第1動作条件と第2動作条件との間の相違が判定される。その判定に少なくとも部分的に基づいて、患者支持機構によって支持された患者の歩行特性が定義される。
【0021】
[1073] いくつかの実施形態では、方法は、第1センサから第1信号を受信することを含む。第1信号は、患者支持システム内に含まれる患者支持機構の動作条件に関連する。患者支持機構は、患者支持システムが患者の重量の少なくとも一部を支持するようにするために、患者を患者支持機構に繋ぐように構成されたテザーを含む。第2信号が、第2センサから受信される。第2信号は、患者支持システム内に含まれる駆動機構の動作条件に関連する。駆動機構は、(1)支持トラックから患者支持システムを吊るし、(2)患者の移動に応答して支持トラックに沿って移動するように構成される。患者の移動に関連する少なくとも1つの歩行特性が、患者支持機構の動作条件及び駆動機構の動作条件に少なくとも部分的に基づいて判定される。第3信号が、出力デバイスに送られる。第3信号は、少なくとも1つの歩行特性に関連するデータを出力デバイスを介して出力する命令を示す。
【0022】
[1074] いくつかの実施形態では、システムは、支持トラックから移動可能に吊るされた第1トロリ及び第2トロリを含む。第1トロリは、第1患者を支持するように構成された患者接続機構を含む。第1トロリは、支持トラックに対して相対的に移動するように構成される。第2トロリは、第2患者を支持するように構成された患者接続機構を含む。第2トロリは、第2トロリの移動が第1トロリの移動とは独立になるように、支持トラックに対して相対的に移動するように構成される。衝突管理アセンブリが、第1トロリ及び第2トロリのうちの1つに結合されるように構成される。衝突管理アセンブリは、第1トロリが第2トロリに直接に接触するのを防ぐように構成されたバンパを含む。
【0023】
[1075] いくつかの実施形態では、装置は、結合部分及びトロリ部分を含む。結合部分は、支持トラックの端部に結合される。結合部分は、第1部材及び第2部材を含む。第2部材は、支持トラックに対して相対的に固定された位置に維持され、第1部材は、第1構成と第2構成との間で結合部分を推移させるために支持トラックに対して相対的に移動するように構成される。トロリ部分は、支持トラックから移動可能に吊るされ、第1部材の端部に結合される。トロリ部分は、患者支持システムの一部と接触して配置されるように構成されたバンパを含み、バンパが患者支持システムの一部と接触し、患者支持システムが支持トラックに沿って端部に向かって移動する時に、トロリ部分が、支持トラックに対して相対的に第1位置から第2位置へ移動するようになっている。結合部分の第1部材は、トロリ部分が第1位置から第2位置へ移動される時に結合部分の第2部材に対して相対的に移動され、これによって、結合部分を第2構成にする。トロリ部分及び結合部分は、結合部分が第2構成である時に、支持トラックの端部に向かう患者支持システムの移動を集合的に制限する。
【0024】
[1076] いくつかの実施形態では、装置は、トロリと、患者接続機構と、追跡部材と、を含む。トロリは、支持トラックから移動可能に吊るされる。トロリは、撮像デバイスを有する電子システムを含む。電子システムは、支持トラックの長さに沿ったトロリの移動を制御するように構成される。患者接続機構は、トロリに結合され、患者が第1位置から第2位置へ移動する時に患者を支持するように構成される。追跡部材は、患者接続機構に結合され、患者の第1位置に関連する第1位置から患者の第2位置に関連する第2位置へトロリに対して相対的に移動されるように構成される。トロリの撮像デバイスは、第1位置にある追跡部材の画像と第2位置にある追跡部材の画像とを取り込むように構成され、電子システムは、第1位置にある追跡部材の画像と第2位置にある追跡部材の画像とに少なくとも部分的に基づいて、支持トラックの長さに沿ったトロリの移動を制御するように構成される。
【0025】
[1077] いくつかの実施形態では、部分免荷システムは、トロリと、電力供給に動作可能に結合されたパワー・レールと、患者接続機構と、を含む。トロリは、駆動系と、制御システムと、患者支持システムとを含む。駆動系は、支持レールに移動可能に結合される。制御システムの少なくとも一部は、パワー・レールに物理的に及び電気的に結合される。患者支持機構は、患者接続機構に少なくとも一時的に結合される。制御システムは、患者接続機構に印加される力に少なくとも部分的に基づいて、患者支持機構の少なくとも一部を制御することができる。
【0026】
[1078] いくつかの実施形態では、部分免荷システムは、閉ループ・トラックと、閉ループ・トラックに結合された電力を与えられた導体と、能動的に制御されるトロリと、患者支持アセンブリとを含む。能動的に制御されるトロリは、閉ループ・トラックから移動可能に吊るされ、電力を与えられた導体に電気的に結合される。患者支持アセンブリは、トロリに結合され、患者の体重を動的に支持するように構成される。
【0027】
[1079] いくつかの実施形態では、部分免荷デバイスは、ハウジングと、駆動要素と、車輪アセンブリと、患者支持アセンブリと、を含む。駆動要素の少なくとも一部及び車輪アセンブリの少なくとも一部は、ハウジング内に配置される。患者支持アセンブリは、駆動要素に結合され、患者の体重を動的に支持するように構成される。
【0028】
[1080] 本明細書で使用される時に、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうではないと明瞭に指示しない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、用語「a member」は、単一のmember又はmemberの組合せを意味することが意図されており、「a material」は、1つ又は複数のmaterial又はその組合せを意味することが意図されている。
【0029】
[1081] 本明細書で使用される時に、用語「約」は、一般に、述べられた値の±10%を意味する。例えば、約0.5は、0.45及び0.55を含み、約10は、9から11までを含み、約1000は、900から1100までを含む。
【0030】
[1082] 本明細書で使用される時に、用語「セット」は、複数の特徴又は複数の部分を有する単一の特徴を指す可能性がある。例えば、壁のセットに言及する時に、壁のセットを、複数の部分を有する1つの壁と考えることができ、あるいは、壁のセットを、複数の別個の壁と考えることができる。従って、一体となって構成された項目が、壁のセットを含むことができる。そのような壁のセットは、連続又はお互いから不連続のいずれかである複数の部分を含むことができる。例えば、一体となって構成された壁が、戻り止めのセットを含むことができる 壁のセットを形成すると言われ得る。壁のセットは、別々に作られ、その後に一緒に接合される(例えば、溶接、接着剤、又は任意の適切な方法を介して)複数の項目からも製造され得る。
【0031】
[1083] 本明細書で使用される時に、用語「平行」は、一般に、2つの幾何構造(2つの直線、2つの平面、1つの直線と1つの平面、又は類似物)が実質的に無限遠まで延びる時にそれらが実質的に交差しない、2つの幾何構造の間の関係を記述する。例えば、本明細書で使用される時に、直線は、無限遠まで延びる時に別の直線と交差しない時に、その直線に平行であると言われる。同様に、平坦な表面(すなわち、2次元表面)が直線に平行であると言われる時に、直線に沿ったすべての点は、表面の最も近い部分から実質的に等しい距離だけ離隔されている。2つの幾何構造は、本明細書では、例えばそれらがある公差内でお互いに平行である時など、それらが名目上お互いに平行である時に、お互いに「平行」又は「実質的に平行」であると記述される。そのような公差は、例えば、製造公差、測定公差、又は類似物を含む。
【0032】
[1084] 本明細書で使用される時に、用語「張力」は、物体を軸方向に引っ張る外力に応答する物体内の内力(すなわち、応力)に関する。例えば、一端でロープからぶら下がり、他端で支持体に固定して取り付けられた、質量を有する物体は、ロープを張力下に置く力を働かせる。張力下の物体内の応力は、物体の断面積に関して特徴を表され得る。例えば、より小さい断面積を有する別の物体より大きい断面積を有する物体には、より少ない応力が印加される。塑性変形(例えば、例えばくびれ及び/又は類似物などの永久変形)の前の張力下の物体に働く最大応力は、物体の引張強度によって特徴を表される。引張強度は、構成材料の(すなわち、これに固有の)示強性である。従って、張力下の物体の応力の最大量は、それぞれより高い引張強度又はより低い引張強度を有する材料から物体を形成することによって、増加させ又は減少させることができる。
【0033】
[1085] 本明細書で使用される時に、用語「運動学」は、動きの原因を考慮せずに、点、物体、又は物体の系の運動を記述する。例えば、物体の運動学は、並進運動、回転運動、又は並進運動と回転運動との両方の組合せを記述することができる。物体の系の運動学を考慮する時には、既知の数式を使用して、平面若しくは平面のセット、軸若しくは軸のセット、及び/又は物体の系に含まれる1つ又は複数の他の物体に対する相対的な物体の運動を記述することができる。
【0034】
[1086] 本明細書で使用される時に、用語「フィードバック」、「フィードバック・システム」、及び/又は「フィードバック・ループ」は、過去又は現在の特性が現在又は将来のアクションに影響するシステムに関する。例えば、サーモスタットは、サーモスタットの状態(例えば、「オン」構成又は「オフ」構成)がサーモスタットにフィードバックされる温度に依存するフィードバック・システムであると言われる。フィードバック・システムは、例えばproportional-integral-derivative(PID)コントローラなどの制御方式を含むことができる。さらに詳説すると、一部のフィードバック・システムの出力は、比例項、積分項、及び微分項の和によって数学的に記述され得る。PIDコントローラは、しばしば、1つ又は複数の電子デバイス内で実施される。そのようなコントローラでは、比例項、積分項、及び/又は微分項は、フィードバック・システムの特性を変更するために能動的に「調整」され得る。
【0035】
[1087] 電子デバイスは、しばしば、所望のシステム状態を達成し、かつ/又は維持するために、機械系の運動学を能動的に制御するためにフィードバック・システムを実施する。例えば、フィードバック・システムは、システム内に含まれる任意の他の構成要素に対する相対的な1つ又は複数の構成要素の運動学及び/又は位置を変更することによって、システム(例えば、ばね質量系及び/又は類似物)内の力を制御するために実施され得る。さらに詳説すると、フィードバック・システムは、機械系内に含まれる1つ又は複数の構成要素の現在及び/又は過去の状態(例えば、位置、速度、加速度、力、トルク、張力、電力など)を判定し、例えばPID制御方式に過去及び/又は現在の状態値を返すことができる。いくつかの例では、電子デバイスは、任意の適切な数値法又はその任意の組合せ(例えば、ニュートン法、ガウス消去法、オイラー法、LU分解など)を実施することができる。従って、1つ又は複数の構成要素の過去及び/又は現在の状態に基づいて、機械系は、所望の系状態を達成するために能動的に変更され得る。
【0036】
[1088]
図1は、一実施形態による部分免荷システム1000の概略図である。部分免荷システム1000(本明細書では「支持システム」とも称する)は、少なくとも、トロリ1100、患者接続機構1800(本明細書では「接続機構」とも称する)、電力供給1610、電力を与えられた導体又はレール1620、及び制御1900を含む。支持システム1000は、集中的な歩行治療において、例えば脳卒中、脊髄損傷、外傷性脳損傷、又は類似物などの神経損傷によって引き起こされたウォーキング不全を有する患者を支持するのに使用され得る。そのような例では、支持システム1000は、歩行治療を容易にするために患者の体重の少なくとも一部を支持するのに使用され得る。他の例では、支持システム1000は、例えば宇宙飛行士のトレーニングに関する低重力シナリオ又は類似物をシミュレートするのに使用され得る。いくつかの実施形態では、支持システム1000は、平地の上でこれにまたがって患者を支持することの代わりに又はそれに加えて、トレッドミル又は階段の上で患者を支持するのに使用され得る。
【0037】
[1089] 支持システム1000内に含まれるトロリ1100は、任意の適切な形状、サイズ、又は構成とすることができ、例えば患者の体重の少なくとも一部の支持に関連する任意の適切な機能を実行できる1つ又は複数のシステム、機構、アセンブリ、又はサブアセンブリ(
図1には図示せず)を含むことができる。トロリ1100は、少なくとも、駆動系1300、患者支持機構1500、及び電子システム1700を含むことができる。いくつかの実施形態では、駆動系1300は、支持トラック(
図1には図示せず)に移動可能に結合され、支持トラックの長さに沿って移動する(例えば、滑る、転がる、又は他の形で前進する)ように構成され得る。支持トラックは、任意の適切な形状、サイズ、又は構成とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、支持トラックは、実質的に直線又は曲線とすることができる。他の実施形態では、支持トラックは、例えば円、長円、楕円、長方形(例えば、丸められた角を有する又は有しない)、又は任意の他の適切な形状など、閉ループとすることができる。いくつかの実施形態では、支持トラックは、トロリ1100の少なくとも一部がそれから「ぶら下がる」ことができる屋根構造又は天井構造内に含まれるビーム(例えば、Iビーム又は類似物)とすることができる(例えば、トロリ1100の少なくとも一部がビームから離れて延びることができる)。他の実施形態では、支持トラックの少なくとも1つの端部が、垂直の壁又は類似物に結合され得る。さらに他の実施形態では、支持トラックは、例えばガントリ又はAフレームなどの自立構造内に含められ得る。
【0038】
[1090] トロリ1100の駆動系1300は、トロリ1100の重量及び支持システム1000を利用する患者の重量の一部(例えば、患者は、本明細書でさらに詳細に説明するように、患者接続機構1800を介してトロリ1100に一時的に結合される)が支持トラックによって支持されるように、支持トラックの表面に沿って転がるように構成された1つ又は複数の車輪を含むことができる。同様に述べると、駆動系1300の1つ又は複数の車輪は、支持トラックの水平表面に隣接し、これの上に配置され得、従って、トロリ1100は、支持トラックから「ぶら下がり」又は支持トラックから吊るされ得る。他の実施形態では、トロリ1100がそれからぶら下がる表面が水平である必要はない。例えば、支持トラックの少なくとも一部は、下り勾配(及び/又は上り勾配)を規定することができ、ここで、支持トラックの第1端部は、第1高さに配置され、支持トラックの第2端部は、第1高さとは異なる第2高さに配置される。そのような実施形態では、トロリ1100は、トロリ1100の縦中心線(図示せず)に平行な支持トラックの表面からぶら下がることができる。そのような実施形態では、トロリは、上り勾配/下り勾配の表面にまたがって移動する、階段を登り降りするなどを行う患者を支持するのに使用され得る。
【0039】
[1091] いくつかの実施形態では、トロリ1100は、相対的に小さいプロファイル(例えば、高さ)を有し又は規定し、トロリ1100の表面と患者の一部との間の空間を、例えば患者が車椅子から立ち上がる時など、患者が座位と立位との間で移動することを可能にするのに十分に大きくすることができるようになっている。さらに、トロリ1100が支持トラックからぶら下がる状態で、トロリ1100の重量及び支持システムを利用する患者の重量は、駆動系の1つ又は複数の車輪とトロリ1100がそこからぶら下がる支持トラックの表面との間の摩擦(例えば、牽引力)を増やすことができる。従って、駆動系1300の1つ又は複数の車輪は、実質的に滑らずに支持トラックの表面に沿って転がることができる。
【0040】
[1092] いくつかの実施形態では、トロリ1100を電動化することができる。例えば、いくつかの実施形態で、トロリ1100は、駆動系1300に動力を与える(例えば、駆動する、回転する、回る、係合する、アクティブ化するなど)ように構成された1つ又は複数のモーターを含むことができる。いくつかの実施形態で、モーター(1つ又は複数)は、本明細書でさらに詳細に説明するように、トロリ1100が、支持システム1000を利用する患者に歩調をつけることができるように、任意の適切な速度及び/又は任意の適切な方向(例えば、順方向又は逆方向)で駆動系1300の車輪を回転させるように構成され得る。いくつかの実施形態で、電子システム1700及び/又は制御1900は、電子システム1700及び/又は制御1900がモーター(1つ又は複数)を動作させることに関連する電気信号を送ることができるように、1つ又は複数のモーターに動作可能に結合され(例えば、電気接続され)得る。いくつかの実施形態では、モーター(1つ又は複数)は、停電又は類似物に応答してモーター(1つ又は複数)を実質的にロックするように構成されたクラッチ、ブレーキ、又は類似物を含むことができる。同様に述べると、モーター(1つ又は複数)は、停電(例えば、部分的な停電及び/又は完全な停電)に応答してトロリ1100の移動を制限する(例えば、駆動系1300及び/又は患者支持機構1500の移動を制限する)ために、ロックされた構成に配置され得る。
【0041】
[1093] 患者支持機構1500(本明細書では「支持機構」とも称する)は、任意の適切な構成とすることができ、接続機構1800に少なくとも一時的に結合され得る。例えば、いくつかの実施形態で、支持機構1500は、接続機構1800の結合部分に一時的に結合され得るテザーを含むことができる。さらに、接続機構1800は、患者が身に着けるか患者に結合されるハーネス又は類似物の一部を受けるように構成された患者結合部分(
図1には図示せず)をさらに含むことができる。従って、接続機構1800及び支持機構1500は、患者の体重の一部を支持し、患者をトロリ1100に一時的に結合することができる。
【0042】
[1094] いくつかの実施形態では、テザーの端部を、例えばウインチに結合することができる。そのような実施形態では、ウインチは、テザーを巻き又はほどくためにドラムを回転することのできるモーターを含むことができる。同様に述べると、テザーは、ドラムの回りに巻き付けられ得、モーターは、ドラムの回りにより多くのテザーを巻き付けるために第1方向にドラムを回転することができ、ドラムの回りからより多くのテザーを解くために第1方向と反対の第2方向にドラムを回転することができる。いくつかの実施形態で、支持機構1500は、支持機構1500が機械的利点を得るように、テザーを係合することのできる1つ又は複数のプーリーを含むことができる。同様に述べると、プーリーは、患者が接続機構1800に結合されている間にドラムの回りでテザーを巻き又はほどくためにウインチが働かせる力が減らされるように配置され得る。
【0043】
[1095] トラックに沿ったトロリの移動を可能にするように構成された水平駆動系/モーター及びテザーを制御するために移動するように構成された垂直駆動系を、同時に制御し、操作することができ、そうでなくてもよい。例えば、患者がトレッドミル上でウォークしている時に、水平移動はほとんど又は全くないが、垂直(重量を担う)駆動系は、歩行中の変化、転倒、その他を補償するために動作している。
【0044】
[1096] いくつかの実施形態では、プーリー・システムは、移動する(例えば、ピボット回転する、並進する、スイングする、又は類似物)ように構成された少なくとも1つのプーリーを含むことができる。例えば、プーリーは、プーリーの動きの範囲を定義するように構成されたカム機構(図示せず)内に含まれ、又はこれに結合され得る。そのような実施形態では、少なくとも1つのプーリーの移動は、接続機構1800に働く力と一致し、かつ/又はこれによって引き起こされ得る。例えば、いくつかの例で、患者は、患者の重量によってテザーに働く力が変更される(例えば、増やされ又は減らされる)ように、トロリ1100に対して相対的に移動することができる。そのような例では、プーリーは、テザー内の張力が実質的に変更されないように、力の変化に従って移動され得る。さらに、カム機構内に含まれ又はこれに結合されたプーリーに関して、プーリーの移動は、動きの所定の範囲を介してカムを移動することができる。いくつかの実施形態で、電子システム1700は、プーリー及び/又はカムの移動の量を判定するように構成された、プーリー及び/又はカムに動作可能に結合されたセンサ又はエンコーダを含むことができる。この形で、電子システム1700は、プーリーの移動に従ってドラムの回りでテザーを巻き又はほどくことに関連する信号をウインチ内に含まれるモーターに送ることができる。例えば、プーリーは、テザーに働く力の増加に応答して第1方向に移動され得、電子システム1700は、ドラムからテザーの一部をほどくためのドラムの回転に関連する信号をウインチのモーターに送ることができる。逆に、プーリーは、テザーに働く力の減少に応答して第1方向と反対の第2方向に移動され得、電子システム1700は、ドラムの回りにテザーの一部を巻くためのドラムの回転に関連する信号をウインチのモーターに送ることができる。従って、支持機構1500は、体重のうちで支持システム1000によって支持される部分が実質的に未変更のままになるように、患者の働かせる力に応答して反力を働かせるように構成され得る。さらに、患者の体重の一部を能動的に支持することによって、支持システム1000は、支持システム1000によって支持される患者の転倒の尤度及び/又は重大さを制限することができる。同様に述べると、支持機構1500及び電子システム1700は、患者の転倒の重大さを能動的に制限するために、相対的に短い長さの時間(例えば、1秒よりはるかに短い)内に、テザーに働く力の変化に応答することができる。
【0045】
[1097] 上で説明したように、トロリ1100内に含まれる電子システム1700は、トロリ1100の少なくとも一部を制御することができる。電子システム1700は、少なくともプロセッサ及びメモリを含む。メモリは、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、メモリ・バッファ、ハード・ドライブ、読取専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EPROM)、及び/又は類似物とすることができる。いくつかの実施形態では、メモリは、上で説明したように、患者支持システム1000内に含まれる1つ又は複数の機械系及び/又は電気システムの制御に関連するモジュール、プロセス、及び/又は機能をプロセッサに実行させる命令を記憶する。いくつかの実施形態では、制御信号は、例えば電力線ブロードバンド(broadband over power-line、BOP)構成を使用して、電力を与えられたレールを介して配送される。
【0046】
[1098] 電子デバイスのプロセッサは、命令のセット又はコードを走行させ又は実行するように構成された任意の適切な処理デバイスとすることができる。例えば、プロセッサは、汎用プロセッサ(GPU)、中央処理装置(CPU)、アクセラレーテッド・プロセッシング・ユニット(APU)、及び/又は類似物とすることができる。プロセッサは、患者支持システム1000内に含まれる1つ又は複数の機械系及び/又は電気システムの制御に関連する、メモリ内に記憶された命令のセット又はコードを走行させ又は実行するように構成され得る。例えば、プロセッサは、上で説明したように、1つ又は複数のモーター、センサ、通信デバイス、エンコーダ、又は類似物の制御に関連する命令のセット又はコードを走行させ又は実行することができる。より具体的には、プロセッサは、駆動系1300及び/又は支持機構1500の一部に関連する1つ又は複数のセンサ及び/又はエンコーダからの信号の受信に応答して命令のセットを実行することができる。同様に述べると、プロセッサは、フィードバック・ループ(例えば、proportional-integral-derivative(PID)制御法に基づく)に関連する命令のセットを実行するように構成され得、ここで、電子システム1700は、本明細書でさらに詳細に説明するように、駆動系1300及び/又は支持システム1500から受信した現在及び/又は以前のデータ(例えば、位置、速度、力、加速度、テザーの角度、又は類似物)に少なくとも部分的に基づいて、駆動系1300及び/又は支持システム1500の後続アクションを制御することができる。
【0047】
[1099] いくつかの実施形態では、電子システム1700は、制御1900と通信していることのできる通信デバイス(
図1には図示せず)を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態で、通信デバイスは、1つ又は複数のネットワーク・インターフェース・デバイス(例えば、ネットワーク・インターフェース・カード)を含むことができる。通信デバイスは、制御1900へのデータの送出及び/又は制御1900からのデータの受信に関連する有線ネットワーク及び/又は無線ネットワーク(
図1には図示せず)を介してデータを伝送するように構成され得る。制御1900は、任意の適切なデバイス又はモジュール(例えば、ハードウェア・モジュール又はメモリ内に記憶されプロセス内で実行されるソフトウェア・モジュール)とすることができる。例えば、いくつかの実施形態で、制御1900は、少なくともプロセッサ及びメモリ(
図1には図示せず)を含み、例えばパーソナル・コンピュータ・アプリケーション、モバイル・アプリケーション、ウェブ・ページ、及び/又は類似物を走行させるように構成された電子デバイスとすることができる。この形で、ユーザは、本明細書でさらに詳細に説明するように、支持システム1000に関連するシステム・パラメータのセットを確立するために制御1900にかかわることができる。いくつかの実施形態では、制御1900は、ハンドヘルド・コントローラとして実施され得る。
【0048】
[1100] いくつかの実施形態では、トロリ1100の制御は、1つ又は複数のコントローラを使用して達成され得る。複数のコントローラが利用される(例えば、パーソナル・コンピュータ制御及びハンドヘルド制御)実施形態では、一時に1つのコントローラだけを使用することができる。他の実施形態では、コントローラのうちの1つ(例えば、ハンドヘルド・コントローラ)が、パーソナル・コンピュータ・コントローラをオーバーライドすることができる。他の実施形態では、ユーザが、関連するコントローラを作動させることによって、どのコントローラが利用されるのかを指定することができる。言い換えると、ユーザは、コントローラを使用して主導権を握ることができ、あるいは、コントローラを作動させることによって他のコントローラに制御を移すことができる。
【0049】
[1101] いくつかの実施形態では、患者支持システム1000は、歩行及び安定性支援デバイスに視覚フィードバック及び聴覚フィードバックを追加することによって、歩行及び安定性リハビリテーション・トレーニングを改善するように構成される。トロリ1100は、過去のトレーニング・セッションからのヒューリスティック患者データを用いてフィードバックを調整し、治療/トレーニングごとにデータを記憶する。
【0050】
[1102]
図1に示されているように、トロリ1100は、パワー・レール1620に動作可能に結合される。パワー・レール1620は、パワー・レール1620に電流の流れ(例えば、電力)を供給するように構成された電源1610にさらに結合される。より具体的には、パワー・レール1620は、任意の適切なトランス、コンバータ、コンディショナ、キャパシタ、抵抗、絶縁体、及び/又は類似物(
図1には図示せず)を含むことができ、パワー・レール1620が、電源1610から電流の流れを受け取り、電流の流れの少なくとも一部をトロリ1100に転送できるようになっている。パワー・レール1620は、例えば単相又は多相の電力を1つ又は複数のトロリ1100に配送するために、1つ又は複数の電気導体を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態で、パワー・レール1620は、トロリ1100の電子システム1600の導電部分を受けるように構成された実質的に管状のレールである。いくつかの実施形態で、パワー・レール1620は、電子システム1700の導電部材がそれに沿って移動する(例えば、滑る、転がる、又は他の形で前進する)ことのできる管状のレールの内側部分内に配置された1つ又は複数の導電表面を含むことができる。他の実施形態では、パワー・レール1620は、実質的に開かれた構成(例えば、実質的に管状ではなく)とするか、これを有することができる。そのような実施形態では、パワー・レール1620は、パワー・レール1620の任意の適切な表面又は表面の組合せ上に配置された1つ又は複数の導電部材を含むことができる。
【0051】
[1103] パワー・レール1620は、本明細書でさらに詳細に説明するように、電源1610からトロリ1100の電子システム1700へ電流の流れを伝送するように構成される。パワー・レール1620は、任意の適切な形状、サイズ、又は構成とすることができる。例えば、パワー・レール1620は、支持トラック(
図1には図示せず)に類似する形状で延びることができ、パワー・レール1620が支持トラックに実質的に平行になるように配置され得る。この形で、トロリ1100は、パワー・レール1620と電気的に接触したままでありながら支持トラックの長さに沿って前進することができる。さらに、パワー・レール1620及びトロリ1100の配置は、既知の支持システムを参照して上で説明したように、支持トラックの長さに沿ったトロリ1100の移動が、ケーブルの束によって妨げられず、制限されないようになっている。他の実施形態では、パワー・レール1620及び/又はその一部は、支持トラック又はその一部に結合され、これに沿って配置され、かつ/又は他の形で少なくとも部分的にこれと一体化され得る。さらに他の実施形態では、パワー・レール1620は、パワー・レール1620が例えば中央の電源からトロリ1100まで延びる伸縮構成とし、かつ/又はこれを有することができる。
【0052】
[1104] 上ではパワー・レール1620に結合されるものとして説明したが、いくつかの実施形態では、トロリ1100を、電池式とすることができる。そのような実施形態では、トロリ1100は、トロリ1100に電流の流れを供給するのに適切な1つ又は複数のバッテリ又はバッテリ・システムを含むことができる。そのような実施形態では、1つ又は複数のバッテリは、パワー・レール1620から受け取られる電力に加えて及び/又はその代わりに電力を供給するように構成され得る。いくつかの実施形態では、そのような実施形態に含まれる1つ又は複数のバッテリは、再充電可能とすることができる。例えば、パワー・レール1620から受け取られる電力又は電流の流れの少なくとも一部が、1つ又は複数のバッテリに配送され得る(例えば、バッテリを充電し又は再充電するために)。いくつかの実施形態では、パワー・レール1620及び/又は支持トラックは、支持トラック上又はこれに沿ったある位置(1つ又は複数)に配置された1つ又は複数の充電ステーションを含むことができる。そのような実施形態では、トロリ1100は、例えば、所定の又は所望のアルゴリズム、スケジュール、及び/又は条件に従って充電ステーション(1つ又は複数)に自動的にドッキングすることができる。例えば、トロリは、1つ又は複数のバッテリの電力レベルが所定の及び/若しくは所望のレベル未満である時又は休止期間中(例えば、システムが、所与の時間、夜間、又は所定の時刻に使用されていない時)に、そのような充電ステーションに移動し、これにドッキングすることができる。
【0053】
[1105] トロリ1100が、上ではパワー・レール1620、バッテリ、又はバッテリ・システムのうちの1つ又は複数から電力を受け取るものとして説明されたが、いくつかの実施形態では、支持システム1000は、支持システム1000の少なくとも一部に電力を供給できる無停電電力供給(又は任意の他の適切なエネルギ・キャパシタ若しくはエネルギ貯蔵デバイス)を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、無停電電力供給(UPS)は、電力供給1610及び/又はトロリ1100内に含まれる1つ若しくは複数のバッテリに対するバックアップを提供するために含められ得る。すなわち、UPSは、電源1610とパワー・レール1620との間又は電源1610とトロリ1100との間に電気的に接続され得る。他の実施形態では、UPSは、例えば送電網の障害及び/又は中断に応答して、電力供給1610に電力を供給するように構成され得る。すなわち、UPSは、送電網と電源1610との間に電気的に接続され得る。さらなる他の実施形態では、トロリ1100は、パワー・レール1620又は1つ若しくは複数のバッテリからの電力の流れが中断されるか他の形で停止する場合にトロリ1100に電力を供給できるUPSを含むことができる。いくつかの実施形態では、支持システム1000は、トロリ1100と支持システム1000内に含まれる1つ又は複数の追加のデバイス(例えば、トレッドミルなどの副トレーニング・デバイス、パーソナル・コンピュータ、サーバ、その他などの1つ若しくは複数の計算デバイス、及び/又は任意の他の適切なデバイス)とに主電力又はバックアップ電力を供給するように構成されたUPSを含むことができる。
【0054】
[1106] いくつかの実施形態では、電力及び/又は電気エネルギは、パワー・レール1620(又は、パワー・レール1620の1つ若しくは複数の部分)からトロリ1100へ、任意の適切な転送モードを介して転送され得る。例えば、いくつかの実施形態では、トロリ1100の導電部材(例えば、コレクタ又は類似物)が、パワー・レール1620の導体又は導電部分に物理的にかつ/又は電気的に接触しているものとすることができる。他の実施形態では、トロリ1100は、少なくともパワー・レール1620の一部及び/又はトラック1050の導電部分又は導電表面によって又はこれに沿って生成された交番する電磁場に応答して電流の流れがそれに沿って誘導される1つ又は複数の誘導コイルを含むことができる。そのような実施形態では、誘導を介して受け取られる電力は、トロリ1100に電力を供給するのに使用され得、かつ/又は例えばトロリ1100の1つ又は複数のバッテリを充電するのに使用され得る。
【0055】
[1107] さらに、制御1900は、電力供給1610にも動作可能に結合され得、パワー・レール1620及び/又はトロリ1100に配送される電力の量を制御するように構成され得る。例えば、制御1900は、支持システム1000をオンに切り替えるかパワー・アップするために電力供給1610からパワー・レール1620への電流の流れを開始するように構成され得る。逆に、制御1900は、支持システム1000をオフに切り替えるかパワー・ダウンするために電力供給1610からパワー・レール1620への電流の流れを停止するように構成され得る。
【0056】
[1108] 制御1900が、
図1ではトロリ1100とは独立であり、これに動作可能に結合されるものとして示されているが、いくつかの実施形態では、制御1900は、トロリ1100の電子システム1700内に含められ得る。例えば、いくつかの実施形態で、制御1900は、ハードウェア・モジュール及び/又は電子システム1700のプロセッサによって実行され得るソフトウェア・モジュールとすることができる。そのような実施形態では、電子システム1700は、ユーザ・インターフェース(例えば、タッチ・スクリーン及び/又は1つ若しくは複数のダイアル、ボタン、スイッチ、トグル、若しくは類似物)を含むことができる。従って、ユーザ(例えば、理学療法士、医師、看護師、技師など)は、支持システム1000のシステム・パラメータのセットを確立するために制御1900に関連するユーザ・インターフェースにかかわることができる。
【0057】
[1109]
図1には示されていないが、いくつかの実施形態では、複数のトロリ1100が同一の支持トラックに結合され得る。そのような実施形態では、支持トラックからぶら下がるトロリ1100は、例えば、特定のトロリ1100に対する相対的な1つ又は複数のトロリ1100の近接に関連する信号を電子システム1700に送ることのできるセンサ(例えば、超音波近接センサ及び/又は類似物)を含むことができる。この形で、トロリ1100の電子システム1700は、例えば、トロリ1100の衝突を防ぐために駆動系1300に含まれるモーターを制御することができる。従って、支持システム1000は、患者をお互いから所望の距離に保ちながら、複数の患者(例えば、支持トラックの回りに配置された複数のトロリ1100に対応する複数の患者)を支持するのに使用され得る。
【0058】
[1110] いくつかの実施形態では、支持システムは、使用中に患者にフィードバックを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、レーザー光源又はカルミネーテッド(culminated)光源が、患者がセッション中に従うための光経路を作成するためにトロリ1100に結合される。光経路は、患者が、脚/足/尻の動きを正しく制御するように脳をトレーニングすることを試みている間に前又は足元を見ることを可能にする。いくつかの実施形態では、第2光源が、患者が正しい位置に足を置くためにそこにねらいを定めることのできる「目標」位置を照明するように構成される。いくつかの実施形態では、目標のサイズは、ユーザの器用さに応じて変更され得る。言い換えると、よりよい筋肉制御を有するユーザに関して、目標をより小さくすることができる。光経路及び目標位置は、本明細書でより詳細に説明するように、ユーザ・インターフェースを使用して変更され得る。
【0059】
[1111] いくつかの実施形態では、患者の歩行が不正である時に、可聴フィードバックが患者に提供される。いくつかの実施形態では、患者が転倒し始める時に、可聴フィードバックが提供され得る。異なる可聴トーンが、異なる問題/目的のために提供され得る。
【0060】
[1112] いくつかの実施形態では、CCDカメラ・インターフェースが、将来の解析用のビデオ監視のために構成され、感知されたロープ位置、速度、張力などに相関され得る。いくつかの実施形態では、モニタが、筋肉使用(例えば、脚筋、胸部の筋肉など)を監視するために患者の身体に結合され得る。そのような情報は、電子システム1700に無線で送信され、治療/リハビリテーション・セッション中及びその後に患者に提供されるフィードバック内で調整される。言い換えると、様々なセンサ、カメラなどによって収集されたデータのすべてが、動的なリアルタイム・フィードバック及び/又はセッション後フィードバックを提供するために調整され得る。
【0061】
[1113]
図2~
図33は、一実施形態による部分免荷システム2000を示す。部分免荷システム2000(本明細書では「支持システム」とも称する)は、例えば歩行治療中などに、患者の体重の一部を支持するのに使用され得る。
図2及び
図3は、支持システム2000の透視図である。支持システム2000は、トロリ2100、電力系統2600、及び患者接続機構2800(例えば、
図34参照)を含む。
図2及び
図3に示されているように、トロリ2100は、トロリ2100の重量及び支持システム2000を利用する患者の重量を支持するように構成された支持トラック2050に移動可能に結合される。支持トラック2050は、I字形を有するものとして図示されているが、支持トラック2050は、任意の適切な形状とすることができる。さらに、支持トラック2050は、実質的に直線として図示されているが、支持トラック2050は、曲線方向に延びることができる。他の実施形態では、支持トラック2050は、例えば円、長円、楕円、正方形、又は類似物などの閉ループに配置され得る。本明細書でさらに詳細に説明するように、電力系統2600は、支持トラック2050に実質的に平行に延び、電源(
図2~
図32には図示せず)からトロリ2100へ電流の流れを転送するためにトロリ2100に少なくとも電気的に結合されるパワー・レール2620を含むことができる。
【0062】
[1114]
図4~
図7は、トロリ2100の透視図である。トロリ2100は、任意の適切な形状、サイズ、又は構成とすることができる。例えば、トロリ2100は、支持トラック2050から吊るされ得(本明細書でさらに詳細に説明するように)、トロリ2100と患者との間の空間を最大にすることができるように、相対的に小さいプロファイル(例えば、高さ)を有し又は規定することができる。この形で、支持システム2000は、変化する高さを有する患者を支持するのに使用されると同時に、車椅子に少なくとも部分的に追いやられた患者を支援する際に一般的であるように、座位から立位に立ち上がる患者を支持することができる。トロリ2100は、ハウジング2200(例えば、
図8及び
図9参照)、電子システム2700(例えば、
図10及び
図11参照)、駆動系2300(例えば、
図12~
図26参照)、及び患者支持機構2500(例えば、
図27~
図33参照)を含む。
【0063】
[1115]
図8及び
図9に示されているように、ハウジング2200は、基部2210、第1サイド・メンバ2230、第2サイド・メンバ2240、第3サイド・メンバ2250、及びカバー2260を含む。ハウジング220は、本明細書でさらに詳細に説明するように、電子システム2700の少なくとも一部を囲み、かつ/又はカバーするように構成される。
図9に示されているように、基部2210は、第1側面2211及び第2側面2212を有する。基部2210は、駆動機構開口部2213のセット、ファン開口部2214、案内機構開口部2215、バイアス機構開口部2217、案内部材開口部2218、及びカム・プーリー開口部2219、カム・ピボット開口部2220を規定する。本明細書でさらに詳細に説明するように、駆動機構開口部2213は、駆動系2300内に含まれる車輪のセットが基部2210に接触せずに回転できるように、駆動系2300内に含まれる第1駆動アセンブリ2310の少なくとも一部を受ける。ファン開口部2214は、電子システム2700内に含まれるファン2740の一部を受ける。より具体的には、ファン2740の一部は、ファンが電子システム2700によって作られる熱をハウジング2200内から移動できるように、開口部を通って延びることができる。案内機構開口部2215は、患者支持機構2500(本明細書では「支持機構」とも称する)内に含まれる案内機構2540の一部を受ける。より具体的には、基部2210は、案内機構開口部2215を規定する基部2210の表面から延びるように構成された取付けタブ2216のセットを含む。この形で、案内機構2540は、取付けタブ2216に結合され得る。バイアス機構開口部2217、案内部材開口部2218、カム・プーリー開口部2219、及びカム・ピボット開口部2220は、本明細書でさらに詳細に説明するように、それぞれ、支持機構2500内に含まれるカム機構2570の一部を移動可能に受けることができる。
【0064】
[1116] 第1サイド・メンバ2230は、第1側面2231及び第2側面2232を有する。第2側面2232は、そこに基部2210を結合するために基部2210の一部を受けるスロット2233を規定する。第1サイド・メンバ2230は、本明細書でさらに詳細に説明するように、電子システム2700内に含まれるコレクタ2770の一部に結合される取付け部分2235をも含む。第2サイド・メンバ2240は、第1側面2241及び第2側面2242を有する。第2側面2242は、そこに基部2210を結合するために基部2210の一部を受けるスロット2243を規定する。第2側面2242は、支持機構2500内に含まれるウインチ・アセンブリ2510の一部に結合される凹窩部分2244をも含む。第3サイド・メンバ2250は、第1サイド・メンバ2230、第2サイド・メンバ2240、及び基部2210に結合され、インジケータ・ライトを受けるライト開口部2251と電源出力モジュールを受ける電源出力開口部とを規定する。
【0065】
[1117] カバー2260は、基部2210の第2側面2212に隣接して配置される。より具体的には、カバー2260は、基部2210の第2側面2212に移動可能に結合され得、その中に囲まれた電子システム2700の一部にアクセスできるようになっている。カバー2260は、第1端部2261及び第2端部2262を有する。第1端部2261は、開口であり、本明細書でさらに詳細に説明するように、コレクタ2770の一部を受けるように構成されたノッチ2265を規定する。カバー2260の第2端部2262は、実質的に囲まれ、凹窩領域2264を含むように構成される。この形で、支持機構2500の一部は、本明細書でさらに詳細に説明するように、患者接続機構2800に結合するために凹窩領域2264内に及び/又は凹窩領域2264を通って延びることができる。カバー2260は、その中に配置された電子システム2700の少なくとも一部を冷却できるように、カバー2260によって囲まれた区域に空気の流れを提供するように配置され得る通気孔2263のセットをも規定する。
【0066】
[1118]
図10及び
図11は、トロリ2100の電子システム2700を示す。電子システム2700は、トロリ2100の少なくとも一部を制御するように集合的に操作される電子デバイスのセットを含む。上で説明したように、電子システム2700は、ハウジング2200の一部に結合され、パワー・レール2620と物理的に及び/又は電気的に接触して配置されたコレクタ2770を含む。コレクタ2770は、任意の適切な形状、サイズ、又は構成とすることができ、例えば鉄、鋼鉄、又は類似物など、任意の適切な導電材料から形成され得る。この形で、コレクタ2770は、パワー・レール2620から電流の流れを受け取ることができる。例えば、
図10に示されているように、パワー・レール2620は、電源(図示せず)に電気的に結合された1つ又は複数の導電部分2621(例えば、個々の導体又は表面)を収容し又は実質的に囲む実質的に中空の管である。この形で、コレクタ2770は、コレクタ2770の導電部分2771(例えば、個々の導体、導電表面、又は類似物)がパワー・レール2620の1つ又は複数の導電部分2621と電気通信して配置されるように、パワー・レール2620の中空の管内に配置され得る。従って、コレクタ2770は、パワー・レール2620によって転送される、電源からの電流の流れを受け取る。さらに、コレクタ2770は、コレクタ2770の結合部分2772が、ハウジング2200の取付け部分2235に結合されるために、パワー・レール2620によって規定されたスロット2622を通って延びるように、パワー・レール2620内に配置され得る。結合部分2772は、トロリ2100の電力モジュール(図示せず)にさらに結合され得る。従って、トロリ2100は、パワー・レール2620を介して電源から電力を受け取る。
【0067】
[1119] パワー・レール2620が、実質的に中空の管であるものとして図示され、説明されるが、他の実施形態では、パワー・レールは、任意の適切な構成とすることができる。例えば、いくつかの実施形態で、パワー・レールは、相対的に平坦な又は開かれたパワー・レールの表面などの任意の適切な表面上の1つ又は複数の導電部分とすることができる。いくつかの実施形態で、パワー・レールは、例えば支持トラック2050の1つ又は複数の導電部分(例えば、1つ若しくは複数の内側表面及び/又は1つ若しくは複数の外側表面)とすることができる。本明細書でさらに詳細に説明するように、トロリ2100の導電部分(例えば、コレクタ2770)は、パワー・レール2620及び/又は、トロリ2100の1つ若しくは複数の部分に電力を供給する、電力の流れを供給する任意の他の適切な導電表面と電気接触しているものとすることができる。
【0068】
[1120]
図10及び
図11には示されていないが、電子システム2700は、少なくともプロセッサ、メモリ、及び通信デバイスを含む。メモリは、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、メモリ・バッファ、ハード・ドライブ、読取専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EPROM)、及び/又は類似物とすることができる。いくつかの実施形態では、メモリは、患者支持システム2000内に含まれる1つ又は複数の機械系及び/又は電気システムの制御に関連するモジュール、プロセス、及び/又は機能をプロセッサに実行させる命令を記憶する。例えば、メモリは、proportional-integral-derivative(PID)制御システムに関連する命令、情報、及び/又はデータを記憶することができる。いくつかの実施形態では、PID制御システムは、例えばソフトウェア・パッケージ内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、PID制御は、本明細書でさらに詳細に説明するように、ユーザがPID制御を「調整」することを可能にする、プロセッサによって実行されるユーザ制御される命令のセットとすることができる。
【0069】
[1121] 電子デバイスのプロセッサは、命令のセット又はコードを走行させ又は実行するように構成された任意の適切な処理デバイスとすることができる。例えば、プロセッサは、汎用プロセッサ(GPU)、中央処理装置(CPU)、アクセラレーテッド・プロセッシング・ユニット(APU)、及び/又は類似物とすることができる。プロセッサは、患者支持システム内に含まれる1つ又は複数の機械系及び/又は電気システムの制御に関連する、メモリ内に記憶された命令のセット又はコードを走行させ又は実行するように構成され得る。例えば、プロセッサは、PID制御に関連し、メモリ内に記憶され、駆動系2300及び/又は患者支持機構2500の一部に関する制御にさらに関連する、命令のセット又はコードを走行させ又は実行することができる。より具体的には、プロセッサは、1つ又は複数のセンサ及び/又はエンコーダ(下で図示し、説明する)からの信号の受信に応答して、駆動系2300及び/又は支持機構2500の1つ又は複数の後続アクションを制御できる命令のセットを実行することができる。同様に述べると、プロセッサは、本明細書でさらに詳細に説明するように、駆動系2300及び/又は支持機構2500から受信された現在の及び/又は以前のデータ(例えば、位置、速度、力、加速度、又は類似物)に少なくとも部分的に関連する信号を送る1つ又は複数のセンサ又はエンコーダを含むフィードバック・ループに関連する命令のセットを実行することができる。
【0070】
[1122] 通信デバイスは、例えば、有線ネットワーク又は無線ネットワークを介して電子デバイスと通信するように構成された1つ又は複数のネットワーク・インターフェース・デバイス(例えば、ネットワーク・カード)とすることができる。例えば、いくつかの実施形態で、ユーザは、トロリ2100の動作に関連する1つ又は複数の信号を電子システム2700に送り、かつ/又は電子システム2700から受信する、リモート・コントロール・デバイスを操作することができる。リモート・コントロールは、任意の適切なデバイス又はモジュール(例えば、ハードウェア・モジュール又はメモリ内に記憶されプロセス内で実行されるソフトウェア・モジュール)とすることができる。例えば、いくつかの実施形態で、リモート・コントロールは、少なくともプロセッサ及びメモリを含み、例えばパーソナル・コンピュータ・アプリケーション、モバイル・アプリケーション、ウェブ・ページ、及び/又は類似物を走行させる電子デバイスとすることができる。この形で、ユーザは、例えば支持システム2000によって支持される体重の所望の量など、支持システム2000に関連するシステム・パラメータのセットを確立するためにリモート・コントロールにかかわることができる。
【0071】
[1123]
図12に示されているように、駆動系2300は、第1駆動アセンブリ2310及び第2駆動アセンブリ2400を含む。駆動系2300は、基部2210の第1側面2211に結合され(例えば、
図2及び
図3参照)、第1駆動アセンブリ2310及び第2駆動アセンブリ2400が整列される(例えば、同軸)ように配置される。この形で、第1駆動アセンブリ2310及び第2駆動アセンブリ2400は、本明細書でさらに詳細に説明するように、支持トラック2050の一部を受けることができる。
【0072】
[1124]
図13~
図23は、第1駆動アセンブリ2310を示す。第1駆動アセンブリ2310は、モーター2311、支持構造2315、案内輪アセンブリ2360のセット、駆動輪アセンブリ2370のセット、及び副車輪アセンブリ2390のセットを含む。モーター2311は、支持構造2315のサイド・メンバ2320に結合され、電子システム2700の一部と電気通信している。モーター2311は、その中に含まれる駆動輪2385を回転するために駆動輪アセンブリ2370のうちの1つの一部に係合する出力軸2312(例えば、
図15及び
図16参照)を含む。より具体的には、モーター2311は、モーター2311に出力軸2312を回転させるアクティブ化信号(例えば、電流の流れ)を電子システム2700から受信し、出力軸2312は、駆動輪2385を回転させる。
図13及び
図14に示されているように、第1駆動アセンブリ2310の少なくとも一部は、第1駆動アセンブリ2310によって規定される縦平面(図示せず)に関して実質的に対称である。この形で、第1駆動アセンブリ2310の各側面は、同様の構成要素を含み、これによって、多用途性を高め、製造コストを下げる。例えば、第1駆動アセンブリ2310は、2つのサイド・メンバ2320を含み、モーター2311は、特定のサイド・メンバ2320に結合されるものとして図示されているが、他の実施形態では、モーター2311は、他のサイド・メンバ2320に結合され得る。
【0073】
[1125] 支持構造2315は、2つのサイド・メンバ2320、基部2340、2つの前端支持部材2350、2つの後端支持部材2354、及び2つの横支持部材2358を含む。
図13~
図16に示されているように、サイド・メンバ2320は、同一である(例えば、第1駆動アセンブリ2310の対称に起因して)。サイド・メンバ2320は、それぞれ、ベアリング開口部2321、ノッチ2322、及びスロット2325のセットを規定する。各サイド・メンバ2320のベアリング開口部2321は、駆動輪アセンブリ2370内に含まれる駆動ベアリング2376(
図20)を受ける。より具体的には、駆動ベアリング2376は、駆動ベアリング2376の外側表面がベアリング開口部2321を規定するサイド・メンバ2320の表面との摩擦ばめを形成するように、ベアリング開口部2321内に配置され得る。同様に述べると、駆動ベアリング2376及びベアリング開口部2321を規定するサイド2320の表面は、駆動ベアリング2376をベアリング開口部2321内に保持するためにプレス・フィットを形成する。
【0074】
[1126] サイド・メンバ2320のそれぞれによって規定されるノッチ2322は、ばね棒2323及びばね2324を受ける。ばね2324は、ばね棒2323がばね2324の動きを実質的に制限するようにばね棒2323の回りに配置される。より具体的には、ばね棒2323は、ばね2324の移動を横方向に実質的に制限しながら、ばね2324が軸方向に移動する(例えば、縮み、かつ/又は延びる)ことを可能にするように構成される。本明細書でさらに詳細に説明するように、ばね棒2323及びばね2324は、基部2340のばね突起2344と係合するためにノッチ2322の表面から延びる。スロット2325のセットは、本明細書でさらに詳細に説明するように、各スロット2325が、サイド・メンバ2320を基部2340に移動可能に結合するように構成された取付けハードウェア(例えば、メカニカル・ファスナ、ピン、ドエルなど)を受けるように構成される。
【0075】
[1127] 上で説明したように、基部2340は、サイド・メンバ2320に移動可能に結合される。基部2340は、側壁2342のセット及び車軸部分2346を含む。基部2340の車軸部分2346は、駆動輪アセンブリ2370内に含まれる伝達車軸2388を受ける開口部2347を規定する。より具体的には、伝達車軸2388は、本明細書でさらに詳細に説明するように、回転運動が駆動アセンブリ2370のうちの一方から駆動アセンブリ2370の他方に伝達され得るように、車軸部分2346の開口部2347内で回転することができる。
【0076】
[1128] 側壁2342は、それぞれ、ノッチ2343を規定し、ばね突起2344を含む。より具体的には、ばね突起2344は、それぞれ、側壁2342から実質的に垂直の方向に延びる。
図13及び
図14に示されているように、サイド・メンバ2320が基部2340に結合される時に、サイド・メンバ2320のノッチ2322は、それぞれ、基部2340のばね突起2344のうちの1つを受ける。同様に、サイド・メンバ2320が基部2340に結合される時に、基部2340によって規定されるノッチ2343は、それぞれ、ばね2324のうちの1つの一部を受ける。この形で、各サイド・メンバ2320のばね棒2323及びばね2324は、ばね2324が対応するばね突起2344の表面に接触して配置されるように、基部2340の側壁2342から延びるばね突起2344に整列される。サイド・メンバ2320が基部2340に移動可能に結合された状態で(例えば、スロット2325内に取付けハードウェアを配置することによって)、各サイド・メンバ2320のばね2324は、基部2340に対する相対的なサイド・メンバ2320の移動を減衰させることができる。同様に述べると、各サイド・メンバ2320のばね2324は、サイド・メンバ2320の一方又は両方に印加される外力(例えば、動作上の振動、モーターが働かせるトルク、又は類似物)に応答して反力(例えば、ばねの圧縮によってもたらされる)を働かせるために、対応するばね突起2344の表面に係合することができる。
【0077】
[1129]
図17~
図19は、それぞれ、前端支持部材2350、後端支持部材2354、及び横支持部材2358のそれぞれのうちの1つを示す。上で説明したように、第1駆動アセンブリ2310の対称は、2つの前端支持部材2350が同一であり、2つの後端支持部材2354が同一であり、2つの横支持部材2358が同一であるようになっている。前端支持部材2350は、それぞれ、サイド・メンバ2320のうちの1つに固定して結合される。
図17に示されているように、前端支持部材2350は、それぞれ、副車輪アセンブリ2390のレバー・アーム2391を受けるレバー・アーム・ノッチ2355と、副車輪アセンブリ2390のばね2394を受けるばね凹窩2352と、例えば支持トラック2050の水平部分2051(例えば、
図23参照)を受ける支持トラック・ノッチ2353とを規定する。
【0078】
[1130] 後端支持部材2354は、それぞれ、サイド・メンバ2320のうちの1つに固定して結合され、前端支持部材2354に対して相対的に後方の位置に配置される。さらに詳説すると、後端支持部材2354は、前端支持部材2354から、駆動輪アセンブリ2370の一部がその間に配置されることを可能にするのに十分に長い距離に離隔される。
図18に示されているように、後端支持部材2354は、それぞれ、駆動輪アセンブリ2370の駆動ベルト2389を受けるように構成されたベルト・ノッチ2355と、支持トラック2050の水平部分2051を受けるように構成された支持トラック・ノッチ2353とを規定する(例えば、前端支持部材2350に関して説明したように)。
【0079】
[1131] 横支持部材2358は、それぞれ、前端支持部材2350のうちの1つ及び後端支持部材2354のうちの1つに固定して結合される。従って、それぞれ対応するサイド・メンバ2320に結合された前端支持部材2350及び後端支持部材2354と共に、横支持部材2358は、駆動輪アセンブリ2370を収容し又は受けるように構成された空間を実質的に囲む。さらに、支持構造2315の配置は、横支持部材2358の隣接する表面の間に規定される空間が、例えば支持トラック2050の垂直部分2052を受けるのに十分に大きくなるようになっている。
【0080】
[1132]
図19に示されているように、横支持部材2358は、駆動輪アセンブリ2370の支持ベアリング2377を受けるベアリング開口部2359を規定する。より具体的には、支持ベアリング2377は、支持ベアリング2377の外側表面がベアリング開口部2359を規定する横支持部材2358の表面との摩擦ばめを形成するように、ベアリング開口部2359内に配置される。同様に述べると、支持ベアリング2377の外側表面及び横支持部材2358の表面は、ベアリング開口部2359内に支持ベアリング2377を保持するためにプレス・フィットを形成する。
【0081】
[1133] 戻って
図13~
図15を参照すると、第1駆動アセンブリ2310は、4つの案内輪アセンブリ2360を含む。案内輪アセンブリ2360は、それぞれ、取付けブラケット2361及び案内輪2363を含む。より具体的には、案内輪2363のそれぞれは、案内輪2363が取付けブラケット2361に対して相対的に回転できるように、取付けブラケット2361のうちの1つに回転可能に結合される。
【0082】
[1134] 案内輪アセンブリ2360は、それぞれ、支持構造2315の一部に結合されるように構成される。さらに詳説すると、
図13~
図16に示されているように、各案内輪アセンブリ2360の取付けブラケット2361は、前端支持部材2350のうちの1つ又は後端支持部材2354のうちの1つに結合される。同様に述べると、前端支持部材2350の両方は、案内輪アセンブリ2360のうちの1つに含まれる取付けブラケット2361に結合され、後端支持部材2354の両方は、案内輪アセンブリ2360のうちの1つに含まれる取付けブラケット2361に結合される。案内輪アセンブリ2360は、案内輪2363の一部が横部材2358の間に規定される空間内に延びるように、支持構造2315に結合される。この形で、案内輪2363は、第1駆動アセンブリ2310が支持トラック2050に結合される時に支持トラック2050の垂直部分2052の表面に沿って転がることができる(例えば、
図23参照)。
【0083】
[1135]
図13~
図15に示されているように、案内輪アセンブリ2360は、前端支持部材2350に結合される案内輪アセンブリ2360内に含まれる案内輪2363が、取付けブラケット2361の実質的に下に配置されるように、支持構造2315に対して相対的に配置され得る。逆に、後端支持部材2350に結合される案内輪アセンブリ2360内に含まれる案内輪2363は、取付けブラケット2361の実質的に上に配置される。この配置は、支持トラック2050の垂直部分2051の、少なくとも1つの案内輪2360と接触する表面積を増やすことができる。この形で、支持トラック2050の縦中心線(図示せず)の回りの回転運動が、最小にされ又は除去され得る。特定の配置であるものとして図示されているが、他の実施形態では、案内輪2363が、任意の適切な形で配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、すべての案内輪2363が、取付けブラケット2361の下に取り付けられ得る。他の実施形態では、すべての案内輪2363が、取付けブラケット2361の上に取り付けられ得る。さらなる他の実施形態では、案内輪2363は、構成の任意の組合せで取付けブラケット2361に取り付けられ得る(例えば、任意の適切な配置で取付けブラケット2361の上又は下に取り付けられる)。
【0084】
[1136]
図20は、駆動輪アセンブリ2370の分解図である。上で説明したように、第1駆動アセンブリ2310の対称は、駆動輪アセンブリが同一であるようになっている。従って、
図20に示された駆動輪アセンブリ2370の議論は、両方の駆動輪アセンブリ2370にあてはまる。駆動輪アセンブリ2370は、駆動軸2371、駆動ベアリング2376、支持ベアリング2377、駆動スプロケット2379、伝達スプロケット2381、駆動輪2385、伝達車軸2388(
図20には図示せず)、及び駆動ベルト2389を含む。駆動軸2371は、第1部分2372、第2部分2373、及び第3部分2374を有し、開口部2375を規定する。第1部分2372は、駆動スプロケット2378に少なくとも部分的に関連する第1直径を有する。さらに詳説すると、駆動スプロケット2378は、駆動軸2371の第1部分2372の直径に関連する直径を有する開口部2380を規定する。この形で、駆動スプロケット2378は、開口部2380を規定する駆動スプロケット2378の表面が、駆動軸2371の第1部分2372の外側表面との摩擦ばめを形成するように、駆動軸2371の第1部分2372の回りに配置される。同様に、駆動ベアリング2376は、このベアリングの内側表面が駆動軸2371の第2部分2372の外側表面との摩擦ばめを形成するように、第1部分2372の回りに配置される。従って、駆動ベアリング2376内の駆動軸2371の回転は、駆動スプロケット2378を回転させる。さらに、駆動ベアリング2376がサイド・メンバ2370のうちの1つのベアリング開口部2321を用いて保持される状態で、駆動軸2371は、本明細書でさらに詳細に説明するように、対応するサイド・メンバ2370に対して相対的に回転され得る。
【0085】
[1137] 駆動軸2371の第2部分2373は、第1部分2372の直径より小さく、駆動輪2385に少なくとも部分的に関連する第2直径を有する。さらに詳説すると、駆動輪2385は、駆動軸2371の第2部分2373の直径に関連する直径を有する開口部2387を規定するハブ2386を含む。
図20に示されているように、駆動輪2385の開口部2387は、駆動軸2371の第2部分2373の外側表面から延びるキーを受けるように構成されたキー溝を含む。この形で、駆動輪2385は、駆動軸2373の第2部分2373の回りに固定して配置される。
【0086】
[1138] 駆動軸2371の第3部分2374は、第2部分2372の直径より小さく、支持ベアリング2377に少なくとも部分的に関連する第3直径を有する。さらに詳説すると、支持ベアリング2377は、第3部分2374の外側表面が支持ベアリング2377の内側表面との摩擦ばめを形成するように、駆動軸2371の第3部分2374の回りに配置される。さらに、支持ベアリング2377が横支持部材2358のベアリング開口部2359内に配置された状態で、駆動軸2371の第3部分2374は、少なくとも部分的に支持され得る。
【0087】
[1139] 駆動軸2371によって規定される開口部2375は、モーター2311の出力軸2312を受ける。より具体的には、駆動軸2371は、モーター2311の出力軸2312に少なくとも一時的に固定して結合され得、従って、出力軸2312が回転される(例えば、電子システム2700からのアクティブ化信号に応答して)時に、駆動軸2371は、同時に回転される。駆動ベアリング2376及び支持ベアリング2377がそれぞれサイド・メンバ2320のベアリング開口部2321内及び横支持部材2358のベアリング開口部2359内に配置された状態で、駆動軸2371は、支持構造2315に対して相対的に回転することができる。さらに、駆動軸2371の回転は、駆動スプロケット2378と駆動輪2385との両方を回転させる。
【0088】
[1140] 駆動スプロケット2378は、駆動ベルト2389と係合するように構成される。より具体的には、駆動ベルト2389は、ベルト2389の内側表面から延びる歯のセット(図示せず)と係合する歯2379のセットを含む。ベルト2389は、伝達スプロケット2381にさらに結合される。伝達スプロケット2381は、ベルト2389の歯と係合する歯2382のセットを含む。この形で、駆動スプロケット2378の回転(上で説明した)は、ベルト2389を回転させ、これが、伝達スプロケット2381を回転させる。伝達スプロケット2381は、伝達車軸2388(例えば、
図16参照)を受けるように構成された開口部2383を規定する。より具体的には、伝達車軸2388は、第1駆動輪アセンブリ2370(例えば、モーター2311の出力軸2312に結合された駆動輪アセンブリ2370)の伝達スプロケット2381の回転が、第2駆動輪アセンブリ2370の伝達スプロケット2381を回転させるように、各駆動輪アセンブリ2370の伝達スプロケット2381に固定して結合され得る。従って、モーター2311が、出力軸2312を回転させるためにアクティブ化される時には、両方の駆動輪アセンブリ2370の両方の駆動輪2385が、回転するように促される。
【0089】
[1141] いくつかの実施形態では、支持構造2315のサイド・メンバ2320及び基部2340は、サイド・メンバ2320のばね2324が、予荷重構成になる(例えば、追加の外力がサイド・メンバ2320の一方又は両方に印加されることなく部分的に圧縮される)ように配置され得る。より具体的には、各ばね2324は、対応するサイド・メンバ2320を基部2340に対する相対的な所望の位置に配置するために、基部2340の対応するばね突起2344の表面に力を働かせる(例えば、予荷重に起因して)ことができる。さらに、駆動ベアリング2376が対応するサイド・メンバ2320のベアリング開口部2321内に固定して配置され、伝達車軸2388が基部2340の車軸部分2346によって規定される開口部2347内に配置された状態で、駆動スプロケット2378及び伝達スプロケット2381の回りに配置されたベルト2379は、引張り状態にされ得る。従って、基部2340に移動可能に結合されたサイド・メンバ2320の配置は、ベルト2379が駆動スプロケット2378の歯2379及び/又は伝達スプロケット2381の歯2382に沿って実質的に滑らなくなるように、適切な量の張力でベルト2379を保持することができる。
【0090】
[1142]
図21に示されているように、第1駆動アセンブリ2310は、副車輪アセンブリ2390を含む。副車輪アセンブリ2390は、レバー・アーム2391、副車輪2393、及びばね2394を含む。レバー・アーム2391は、車軸部分2392、ピボット部分2395、及び係合部分2396を含む、実質的に角度を付けられた部材である。車軸部分2392は、レバー・アーム2391の第1端に配置され、副車輪2393が車軸部分2392の回りで回転するように副車輪2393に移動可能に結合される。ピボット部分2395は、前端支持部材2350の、レバー・アーム・ノッチ2351を規定する部分に移動可能に結合される。例えば、いくつかの実施形態では、レバー・アーム2391のピボット部分2395は、例えば前端支持部材2350内に含まれるピボット・ピン(図示せず)を受けるように構成された開口部を含むことができる。この形で、ピボット・ピンは、その回りでピボット部分2395がピボット回転し又は回転することのできる軸を規定することができる。
【0091】
[1143] 係合部分2396は、ばね2394の一部と係合するように構成される。より具体的には、
図22に示されているように、ばね2394の第1端部は、前端支持部材2350によって規定されるばね凹窩2352と接触し、ばね2394の第2端部は、係合部分2396と接触する。この形で、ばね2394は、レバー・アーム2391をピボット部分2395の回りでピボット回転するために係合部分2396に力を働かせることができる。さらに詳説すると、
図22に示されているように、ばね2394が働かせる力は、副車輪2393が駆動輪2385に向かってピボット回転されるように、レバー・アーム2391をピボット回転することができる。従って、第1駆動アセンブリ2310が、支持トラック2050の付近に配置される時に、副車輪2393は、支持トラック2050の水平部分2051の下面と接触して配置され得る。さらに、ばね2394が働かせる力は、駆動輪2385及び副車輪2393が、それぞれ支持トラック2051の水平部分2051の上面及び下面に圧縮力を働かせるようになっている。この配置は、例えば、駆動輪2385と支持トラック2050の水平部分2051との間の摩擦を増やすことができる。
【0092】
[1144]
図24~
図26は、第2駆動アセンブリ2400を示す。第2駆動アセンブリ2400は、第1駆動アセンブリ2310と同様に機能することができ、従って、第2駆動アセンブリ2400のいくつかの部分は、本明細書でさらに詳細には説明されない。第2駆動アセンブリ2400は、支持構造2405、案内輪アセンブリ2430のセット、主車輪アセンブリ2440のセット、カプラ2460、及びエンコーダ2470を含む。図示されているように、第2駆動アセンブリ2400の少なくとも一部は、第2駆動アセンブリ2400によって規定される縦平面(図示せず)に関して実質的に対称である。この形で、第2駆動アセンブリ2400の各側面は、同様の構成要素を含み、これによって、多用途性を高め、製造コストを下げる。例えば、第2駆動アセンブリ2400は、2つのサイド・メンバ2420を含み、カプラ2460及びエンコーダ2470は、特定のサイド・メンバ2420に結合されて図示されているが、他の実施形態では、カプラ2460及びエンコーダ2470は、他のサイド・メンバ2420に結合され得る。
【0093】
[1145] 支持構造2405は、2つのサイド・メンバ2410、基部2420、前端支持部材2431のセット、後端支持部材2432のセット、及び横支持部材2433のセットを含む。
図24~
図26に示されているように、サイド・メンバ2410は、同一である(例えば、第1駆動アセンブリ2400の対称に起因して)。サイド・メンバ2410は、それぞれ、駆動輪アセンブリ2470内に含まれるベアリング2454(
図25)を受けるベアリング開口部2411を規定する。より具体的には、ベアリング2454は、駆動ベアリング2454の外側表面がベアリング開口部2411を規定するサイド・メンバ2410の表面との摩擦ばめを形成するように、ベアリング開口部2411内に配置され得る。同様に述べると、駆動ベアリング2454及びベアリング開口部2411を規定するサイド2410の表面は、ベアリング開口部2411内に駆動ベアリング2454を保持するためにプレス・フィットを形成する。
【0094】
[1146] 基部2420は、サイド・メンバ2410に固定して結合されるように構成される。基部2420は、第2駆動アセンブリ2400をハウジング2200の基部2210に結合する(例えば、例えばメカニカル・ファスナ又は類似物などの任意の適切な取付けハードウェアを介して)ために、基部2420の上面及び下面から延びるように構成された取付け板2421を含む。取付け板2421の配置は、第2駆動アセンブリ2400が支持トラック2050付近に配置される時に、取付け板2421が、支持トラック2050の縦中心線(図示せず)に対する相対的な横方向での第2駆動機構2400の移動を実質的に制限できるようなものとすることができる。いくつかの実施形態では、取付け板2421は、支持トラック2050の水平部分2051の底面に沿って滑るのに十分に滑らかとすることのできる任意の適切な表面仕上げを含むことができる。他の実施形態では、取付け板2421は、支持トラック2050の底面に沿った取付け板2421の滑りを容易にする、例えばナイロン又は類似物などの材料から形成され得る。
【0095】
[1147] 前端支持部材2431、後端支持部材2432、及び横支持部材2433は、
図17~
図19を参照して上で説明した前端支持部材2350、後端支持部材2354、及び横支持部材2358と同様に配置され得る。この形で、サイド・メンバ2410並びに支持部材2431、2432、及び2433は、主車輪アセンブリ2440の少なくとも一部を実質的に囲むように構成された空間を規定することができる。さらに、横支持部材2433は、上で説明した横部材2333に類似する形で主車輪アセンブリ2350のベアリング2454を受けるように構成された開口部を規定することができる。しかし、
図24~
図26に示されているように、前端支持部材2431、後端支持部材2432、及び横支持部材2433は、前端支持部材2431、後端支持部材2432、及び横支持部材2433が、第2駆動アセンブリ2400の任意の部分を収容するために1つ又は複数のノッチ及び/又は凹窩を含む必要がないという点で、異なることができる。
【0096】
[1148] 第2駆動アセンブリ2400は、4つの案内輪アセンブリ2440を含む。案内輪アセンブリ2440は、それぞれ、取付けブラケット2441及び案内輪2443を含む。より具体的には、案内輪2443のそれぞれは、案内輪2443が取付けブラケット2441に対して相対的に回転できるように、取付けブラケット2441のうちの1つに回転可能に結合される。案内輪アセンブリ2440は、それぞれ、支持構造2405の一部に結合されるように構成される。さらに詳説すると、
図24~
図26に示されているように、各案内輪アセンブリ2440の取付けブラケット2441は、前端支持部材2431のうちの1つ又は後端支持部材2432のうちの1つに結合される。同様に述べると、前端支持部材2431の両方が、案内輪アセンブリ2440のうちの1つに含まれる取付けブラケット2441に結合され、後端支持部材2432の両方が、案内輪アセンブリ2440のうちの1つに含まれる取付けブラケット2441に結合される。案内輪アセンブリ2440は、案内輪2443の一部が横部材2433の間に規定される空間内に延びるように、支持構造2405に結合される。この形で、案内輪2443は、第2駆動アセンブリ2400が支持トラック2050に結合される時に、支持トラック2050の垂直部分2052の表面に沿って転がることができる(例えば、
図26参照)。第1駆動アセンブリ2310を参照して上で説明したように、案内輪アセンブリ2440は、支持トラック2050の縦中心線の回りでの第2駆動アセンブリ2400の回転運動を制限するために、任意の適切な構成で配置され得る。
【0097】
[1149] 主車輪アセンブリ2450は、それぞれ、ハブ2452、車軸2453、及びベアリング2454を有する主車輪2451を含む。上で説明したように、車軸2453は、ベアリング2354内に配置され得、ベアリング2354は、サイド・メンバ2410及び横部材2433に結合される。この形で、各主車輪2451は、対応する車軸2453の回りで支持構造2405に対して相対的に回転することができる。
図26に示されているように、第2駆動アセンブリ2400は、主車輪2451が水平部分2051の上面に沿って転がるように、支持トラック2050付近に配置される。同様に、案内輪2443は、支持トラック2050の垂直部分2052の表面に沿って転がる。
【0098】
[1150]
図24及び
図26に示されているように、車軸2453は、サイド・メンバ2410の開口部2411内に配置されたベアリング2454を通って延びるように構成される。この形で、カプラ2460は、車軸2453をエンコーダ2470に結合するために車軸2453に結合することができる。従って、エンコーダ2470は、主車輪2451の回転に関連する情報を受け取り、かつ/又は判定することができる。例えば、エンコーダ2470は、位置、回転速度、回転加速度、又は類似物を判定することができる。さらに、エンコーダ2470は、電子システム2700の一部と電気通信している(例えば、有線通信又は無線通信を介して)ことができ、第2駆動アセンブリ2400に関連する情報を電子システム2700の一部に送ることができる。エンコーダ2470から情報を受信する時に、電子システム2700の一部は、本明細書でさらに詳細に説明するように、アクションの実行(例えば、1つ若しくは複数のモーターの出力の増加若しくは減少又は類似物)に関連する信号を任意の他の適切なシステムに送ることができる。いくつかの例で、電子システム2700は、第2駆動アセンブリ2400に関連するエンコーダ2470から送られた情報に少なくとも部分的に基づいて支持トラック2050に対する相対的なトロリ2100の位置を判定することができる。そのような例では、ユーザ(例えば、医師、内科医、看護師、技師、又は類似物)は、支持トラック2050のうちでそれに沿ってトロリ2100が移動する部分に関連するパラメータのセットを入力することができる。この形で、ユーザは、治療セッションに関する支持トラック2050に沿った所望の経路を定義することができる。
【0099】
[1151]
図27~
図33は、トロリ2100内に含まれる支持機構2500を示す。
図27に示されているように、支持機構2500は、テザー2505、ウインチ・アセンブリ2510、案内機構2540、第1プーリー2563、第2プーリー2565、及びカム機構2570を含む。テザー2505は、例えば、ナイロン又は他の適切なポリマなどの任意の適切な材料から形成され得るロープ又は他の長く柔軟な部材とすることができる。テザー2505は、ウインチ・アセンブリ2510の一部に結合される第1端部2506と、例えば
図34に示された患者接続機構2800などの任意の適切な患者接続機構に結合され得る第2端部2507とを含む。テザー2505は、本明細書でさらに詳細に説明するように、支持機構2500が患者の体重の少なくとも一部を能動的に支持するように、ウインチ・アセンブリ2510の一部、案内機構2540、カム機構2570、第1プーリー2563、及び第2プーリー2565と係合するように構成される。
【0100】
[1152]
図29及び
図30に示されているように、ウインチ・アセンブリ2510は、モーター2511、取付けフランジ2515、カプラ2520、ドラム2525、及びエンコーダ・アセンブリ5230を含む。モーター2511は、カプラ2520に結合され、電子システム2700の一部と電気通信している。モーター2511は、モーター2511の出力軸2512の回転がカプラ2520の出力部材2521を回転させるようにカプラ2520の入力部分(図示せず)と係合する出力軸2512を含む。より具体的には、モーター2511は、モーター2511に第1回転方向又は第1回転方向と反対の第2回転方向に出力軸2512を回転させるアクティブ化信号(例えば、電流の流れ)を電子システム2700から受信する。出力軸2512は、それぞれ第1回転方向又は第2回転方向にカプラ2520の出力部材2521を回転させる。
【0101】
[1153] 取付けフランジ2515は、カプラ2520の一部の上に配置され、ハウジング2200の第3サイド・メンバ2250に結合され得る部分を含む。この形で、モーター2511は、取付けフランジ2515及びハウジング2200によって支持される。カプラ2520の出力部材2521は、モーター2511の出力軸2512が第1方向又は第2方向に回転される時に、ドラム2525が、それぞれ第1方向又は第2方向に回転されるように、ドラム2525の取付け板2522に結合される。図示されていないが、いくつかの実施形態では、カプラ2520は、所望の歯車比を定義する任意の適切な形で配置され得る1つ又は複数の歯車を含むことができる。この形で、出力軸2512の回転は、第1方向又は第2方向で第1回転速度を有するものとすることができ、ドラム2525の回転は、それぞれ第1方向又は第2方向で、出力軸2525の第1回転速度とは異なる第2回転速度(例えば、より高い又はより低い回転速度)を有するもののとすることができる。いくつかの実施形態では、カプラ2520は、電子システム2700が出力軸2512の回転方向の変更に関連する信号をモーター2511に送ることから生じる可能性がある衝撃(すなわち、力)を減らし、かつ/又は減衰させるように構成され得る1つ又は複数のクラッチを含むことができる。
【0102】
[1154] ドラム2525は、取付け板2522と鏡板2529との間に配置される。本明細書でさらに詳細に説明するように、エンコーダ・アセンブリ2530のエンコーダ・ドラム2531は、エンコーダ・アセンブリ2530の少なくとも一部がドラム2525によって規定される内容積2528内に配置されるように端フランジ2529に結合される。ドラム2525は、螺旋溝2527のセットを規定する外側表面2526を有する。螺旋溝2527は、テザー2505の一部を受け、テザー2505がドラム2525の回りで巻きかつ/又はほどくためにそれに沿って巻き付くことができる経路を規定する。例えば、モーター2511は、第1方向に出力軸2512を回転する信号を電子システム2700から受信することができる。この形で、ドラム2525は、第1方向に回転され、テザー2505は、例えば、ドラム2525の回りに巻かれ得る。逆に、モーター2511は、第2方向に出力軸2512を回転する信号を電子システム2700から受信することができ、従って、ドラムは、第2方向に回転され、テザー2505は、例えば、ドラム2525からほどかれ得る。
【0103】
[1155] エンコーダ・アセンブリ2530は、エンコーダ・ドラム2531、取付けフランジ2532、ベアリング・ブラケット2533、ベアリング2535、カプラ2536、エンコーダ2537、及びエンコーダ・ハウジング2538を含む。上で説明したように、エンコーダ・ドラム2531の第1端部は、エンコーダ・アセンブリ2530の一部がドラム2525の内容積2528内に配置されるように、ドラム2525の端フランジ2529に結合される。取付けフランジ2532は、エンコーダ・ドラム2531の第2端部に結合され、ベアリング・ブラケット2533にさらに結合される。ベアリング・ブラケット2533は、ベアリング2535がその回りに配置される車軸2534を含む。カプラ2536は、ベアリング・ブラケット2533の車軸2534に結合され、ベアリング・ブラケット2533にエンコーダ2537を結合するように構成される。
図28に示されているように、カプラ2536及びエンコーダ2537は、エンコーダ・ハウジング2538内に配置される。より具体的には、カプラ2536は、エンコーダ・ハウジング2538内に移動可能に配置され、エンコーダ2537は、エンコーダ・ハウジング2538に固定して結合される。さらに、エンコーダ・ハウジング2538の第1端部は、ベアリング2535の回りに配置され、エンコーダ・ハウジング2538の第2端部は、ハウジング2240の第2サイド・メンバ2240の凹窩部分2244に接触し、これに固定して結合される。この形で、エンコーダ・ドラム2531、取付けフランジ2532、ベアリング・ブラケット2533、及びカプラ2536は、エンコーダ2537及びエンコーダ・ハウジング2538に対して相対的に、ドラム2525と同時に回転するように構成される。従って、エンコーダ2537は、ドラム2525の回転に関連する情報を受信し、かつ/又は判定することができる。例えば、エンコーダ2537は、テザー2505の位置、回転速度、回転加速度、供給速度、又は類似物を判定することができる。さらに、エンコーダ2537は、電子システム2700の一部と電気通信している(例えば、有線通信又は無線通信を介して)ことができ、ウインチ・アセンブリ2510に関連する情報を電子システム2700の一部に送ることができる。エンコーダ2537から情報を受信する時に、電子システム2700の一部は、本明細書でさらに詳細に説明するように、アクションの実行(例えば、1つ若しくは複数のモーターの出力の増加若しくは減少又は類似物)に関連する信号を任意の他の適切なシステムに送ることができる。
【0104】
[1156] 戻って
図27を参照すると、支持機構2500の案内機構2540は、ハウジング2200内に含まれる基部2210の案内機構開口部2215内に少なくとも部分的に配置される。より具体的には、案内機構2540は、基部2210の取付けタブ2216に結合される取付けブラケット2541のセットを含む。この形で、案内機構2540の少なくとも一部が、案内機構開口部2215内に吊るされる。
図31に示されているように、案内機構2540は、取付けブラケット2541、案内ドラム・アセンブリ2545、ストッパ・ブラケット2550、ストッパ2551、ローラー・アセンブリ2554、カプラ2559、支持ブラケット2560、及びエンコーダ2561を含む。上で説明したように、取付けブラケット2541は、基部2210の取付けタブ2216に結合される。取付けブラケット2541は、それぞれ、案内ドラム・アセンブリ2545の一部に移動可能に結合される第1取付け部分2542、ストッパ・ブラケット2550に固定して結合される第2取付け部分2543、及びローラー・アセンブリ2554の一部に移動可能に結合されるピボット部分2544を含む。ストッパ・ブラケット2550は、ストッパ2551にさらに結合され、取付けブラケット2541に対する相対的な案内ドラム・アセンブリ2545の移動を制限するように構成される。
【0105】
[1157] 案内ドラム・アセンブリ2545は、案内ドラム2546、ピボット・プレート2547のセット、及びストッパ・プレート2549を含む。案内ドラム2546は、ピボット・プレート2547に移動可能に結合される。例えば、
図31には示されていないが、ピボット・プレート2547は、それぞれ、案内ドラム2546がその回りで回転できる車軸を受けるように構成された開口部を含むことができる。ピボット・プレート2547は、それぞれ、取付けブラケット2541の第1取付け部分2542によって規定される開口部(図示せず)内に配置され得るピボット車軸2548を含む。この形で、案内ドラム・アセンブリ2545は、ピボット車軸2548の回りで取付けブラケット2541に対して相対的にピボット回転することができる。ストッパ・プレート2549は、取付けブラケット2541に対する相対的な案内ドラム・アセンブリ2545のピボット回転運動を制限するためにストッパ2551の一部と係合するように構成される。より具体的には、ストッパ・ブラケット2550が取付けブラケット2541及びストッパ2551に固定して結合された状態で、案内ドラム・アセンブリ2545は、ストッパ・プレート2549がストッパ2551と接触して配置されるように、ストッパ・ブラケット2550に向かってピボット回転することができる(例えば、本明細書でさらに詳細に説明するように、テザー2505に働く力に応答して)。ストッパ2551は、任意の適切な形状、サイズ、又は構成とすることができる。例えば、いくつかの実施形態で、ストッパ2551は、ストッパ・プレート2549がストッパ2551に接触して配置される時に、案内ドラム・アセンブリ2545の働かせる力の一部を吸収するように構成されたエラストマ部材とすることができる。
【0106】
[1158] ローラー・アセンブリ2554は、スイング・アーム2555のセット及びローラー2558のセットを含む。スイング・アーム2555は、第1端部2556及び第2端部2557を含む。スイング・アーム2555の第1端部2556は、ローラー2558に移動可能に結合される。より具体的には、ローラー2558は、ローラー2558の間に規定される間隔がテザー2505の一部を受けることができるように配置され得る。従って、テザー2505が、ローラー2558に対して相対的に動かされる時に、ローラー2558は、スイング・アーム2555に対して相対的に回転することができる。スイング・アーム2555の第2端部2557は、取付けブラケット2541のピボット部分2543に結合される。例えば、
図31に示されているように、ピボット部分2543は、ベアリング内に配置された車軸のセットを含むことができる。この形で、スイング・アーム2555の第2端部2557は、ローラー・アセンブリ2554及び車軸が取付けブラケット2541に対して相対的にピボット回転できる(例えば、本明細書でさらに詳細に説明するように、テザー2505に働く力に応答して)ように車軸に結合することができる。
【0107】
[1159] 案内機構2540内に含まれるカプラ2559は、取付けブラケット2541のうちの1つのピボット部分2543の車軸に結合される。カプラ2559は、エンコーダ2561の入力軸にさらに結合される。より具体的には、支持ブラケット2560は、ハウジング2200の基部2210に結合され、基部2210に対する相対的なエンコーダ2561の一部の移動を制限するために、エンコーダ2561の一部にも結合される。従って、エンコーダ2561は、取付けブラケット2541に対する相対的なローラー・アセンブリ2554のピボット運動に関連する情報を受信し、かつ/又は判定することができる。例えば、エンコーダ2561は、テザー2505の位置、回転速度、回転加速度、供給速度、又は類似物を判定することができる。さらに、エンコーダ2561は、電子システム2700の一部と電気通信している(例えば、有線通信又は無線通信を介して)ことができ、案内機構2540に関連する情報を電子システム2700の一部に送ることができる。エンコーダ2561から情報を受信する時に、電子システム2700の一部は、アクションの実行(例えば、1つ若しくは複数のモーター2311及び2511の出力の増加若しくは減少、1つ若しくは複数のモーター2311及び2511の方向の変更、又は類似物)に関連する信号を任意の他の適切なシステムに送ることができる。
【0108】
[1160]
図32に示されているように、第1プーリー2563及び第2プーリー2565は、それぞれ第1プーリー・ブラケット2564及び第2プーリー・ブラケット2565に回転可能に結合される。第1プーリー・ブラケット2564及び第2プーリー・ブラケット2565は、ハウジング2200の基部2210にさらに結合される。この形で、第1プーリー2563、第2プーリー2565、及びカム機構2570の少なくとも一部は、本明細書でさらに詳細に説明するように、ウインチ・アセンブリ2510に機械的利点を提供するためにテザー2505と係合することができる。
【0109】
[1161]
図32及び
図33に示されているように、カム機構2570は、カム・プーリー・アセンブリ2571、カム2580、カプラ2585、カプラ・ハウジング2586、エンコーダ2587、及びバイアス機構2588を含む。カム・プーリー・アセンブリ2571は、カム・プーリー2572、カム・アーム2574、カム車軸2575、及びスペーサ2576を含む。カム・アーム2574は、カム・プーリー2572に回転可能に結合される第1端部と、カム車軸2575に回転可能に結合される第2端部とを含む。カム車軸2575は、カプラ2585に結合されるために、カム・ピボット開口部2220(基部2210によって規定される)、スペーサ2576、及びカム2580を通って延びる。スペーサ2576は、基部2210に結合され、基部2210の第2側面2212とカム2580の表面との間に配置される。スペーサ2576は、カム2580がスペーサ2576の表面に沿って相対的に簡単に移動することを可能にするために、例えばポリエチレン、ナイロン、又は類似物などの相対的に低い摩擦係数を有する材料から形成され得る。この形で、カム2580は、本明細書でさらに詳細に説明するように、バイアス機構2588の一部がカム2580と第2側面2212との間に配置されることを可能にするために、基部2210の第2側面2212から十分な距離に間隔を置かれる。
【0110】
[1162] カム・アセンブリ2570のカム2580は、開口部2581を規定し、取付け部分2582及び係合表面2583を含む。カム2580の係合表面2583は、本明細書でさらに詳細に説明するように、バイアス機構2588の一部と接触する。カム2580によって規定される開口部2581は、ベアリング2584を受ける。開口部2581内に配置された時に、ベアリング2584は、カム2580がカム車軸2575の回りで回転することを可能にする。カム2580の取付け部分2582は、カム・プーリー開口部2219内に少なくとも部分的に配置され、カム・プーリー2572に結合される。例えば、
図33に示されているように、取付け部分2582は、カム・プーリー2572によって規定されるねじ付き開口部(図示せず)によって受けられ得るカム2580の表面から延びるねじ付きの棒である。この形で、テザー2505に働く力の変化(例えば、力の増加又は減少)に応答するカム・プーリー・アセンブリ2571の移動は、カム2580をカム車軸2575の回りで回転させる(上で説明したように)。
【0111】
[1163] カプラ・ハウジング2586は、スペーサ2576に隣接する側面と反対の、カム2580の表面に結合される。言い換えると、カプラ・ハウジング2586は、カム2580に結合される時に、基部2210から離れて延びる。カプラ・ハウジング2586は、エンコーダ2587にさらに結合される。従って、カム2580が、カム車軸2575の回りで回転される時には、カプラ・ハウジング2586及びエンコーダ2587も、カム車軸2575の回りで回転される。カプラ2585は、カプラ・ハウジング2586内に配置され、カム車軸2575とエンコーダ2575の入力部分(図示せず)との両方に結合される。従って、カプラ2585が、カム車軸2575とエンコーダ2587の入力部分とに結合された状態で、カム2580及びカプラ・ハウジング2586の回転は、エンコーダ2587をその入力部分の回りで回転させる。この形で、エンコーダ2587は、カム車軸2575に対する相対的なカム2580及び/又はカム・プーリー・アセンブリ2571のピボット運動に関連する情報を受信し、かつ/又は判定することができる。例えば、エンコーダ2587は、テザー2505の位置、回転速度、回転加速度、供給速度、又は類似物を判定することができる。さらに、エンコーダ2587は、電子システム2700の一部と電気通信している(例えば、有線通信又は無線通信を介して)ことができ、カム機構2570に関連する情報を電子システム2700の一部に送ることができる。エンコーダ2587から情報を受信する時に、電子システム2700の一部は、アクションの実行(例えば、1つ若しくは複数のモーター2311及び2511の出力の増加若しくは減少、1つ若しくは複数のモーター2311及び2511の方向の変更、又は類似物)に関連する信号を任意の他の適切なシステムに送ることができる。
【0112】
[1164] バイアス機構2588は、車軸2589、取付けフランジ2590、第1ピボット・アーム2591、第2ピボット・アーム2595、案内部材2596、バイアス部材2597、及び取付けポスト2598を含む。車軸2589は、取付けフランジ2588内に移動可能に配置され、第2ピボット・アーム2591によって規定される車軸開口部2592内に固定して配置されるために、基部2210によって規定されるバイアス機構開口部2217を通って延びる。さらに詳説すると、取付けフランジ2589の一部は、第2ピボット・アーム2591の表面に接触するために、バイアス機構開口部2217を通り、基部2210の第2側面2212を超えて延びる。この形で、第2ピボット・アーム2591の表面は、基部2210の第2側面2212からオフセットされる。さらに、スペーサ2576(上で説明した)の配置は、車軸2589が車軸開口部2592内に配置される時に、第1ピボット・アーム2591の第2表面がカム2580の表面からオフセットされるようになっている。従って、第1ピボット・アーム2591は、相対的に少ない量の摩擦を伴って基部2210に対して相対的にピボット回転することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも、取付けフランジ2590のうちでバイアス機構開口部2217を通って延びる部分は、例えばポリエチレン、ナイロン、又は類似物など、相対的に低い摩擦係数を有する材料から作られ得る。
【0113】
[1165] 第1ピボット・アーム2591は、車軸開口部2592及び案内部材開口部2593を規定し、係合部材2594を含む。案内部材開口部2593は、案内部材2596を第1ピボット・アーム2591に結合するために、案内部材2596の一部を受けるように構成される。案内部材2596は、案内部材2596の一部が基部2210によって規定される案内部材開口部2218を通って延びるように、第1ピボット・アーム2591の表面から基部2210に向かって延びる。いくつかの実施形態では、案内部材2596は、基部2210と係合するように構成されたスリーブ又は類似物を含むことができる。そのような実施形態では、スリーブは、例えばポリエチレン、ナイロン、又は類似物など、相対的に低い摩擦係数を有する材料から形成され得る。従って、案内部材2596は、第1ピボット・アーム2591が基部2210に対して相対的に移動される時に、案内部材トラック2218内で移動することができる。
【0114】
[1166] 第1ピボット・アーム2591の係合部材2594は、第1ピボット・アーム2591の表面からカム2580に向かって延びる。この形で、係合部材2594は、本明細書でさらに詳細に説明するように、カム2580が基部2210に対して相対的に移動される時に、カム2580の係合表面2583に沿って移動され得る。いくつかの実施形態では、係合部材2594は、第1ピボット・アーム2591に回転可能に結合され得、係合表面2583に沿って転がるように構成され得る。他の実施形態では、係合部材2594及び/又は係合表面2583は、相対的に低い摩擦係数を有する材料から形成され得る。そのような実施形態では、係合部材2594は、係合表面2583に沿って滑らされ得る。
【0115】
[1167] バイアス機構2588の第2ピボット・アーム2595は、車軸2589に固定して結合される第1端部と、バイアス部材2597の第1端部に結合される第2端部とを有する。取付けポスト2598は、基部2210に固定して結合され、バイアス部材2597の第2端部にさらに結合される。従って、第2ピボット・アーム2595は、バイアス部材2597が第1構成(変形されていない構成)である第1位置と、バイアス部材2597が第2構成(変形されている構成)である第2位置との間で取付けフランジ2590に対して相対的にピボット回転することができる。例えば、いくつかの実施形態では、バイアス部材2597は、圧縮されていない構成(例えば、第1構成)と圧縮された構成(例えば、第2構成)との間で移動され得るばねとすることができる。他の実施形態では、バイアス部材2597は、延ばされていない構成と延ばされた構成との間で移動され得るばねとすることができる。言い換えると、バイアス部材2597は、それぞれ圧縮ばね又は伸張ばねのいずれかとすることができる。さらなる他の実施形態では、バイアス部材2597は、例えばガス・ストラット又は類似物など、任意の他の適切なバイアス機構及び/又はエネルギ貯蔵デバイスとすることができる。
【0116】
[1168] カム2580が、テザー2505に働く力に応答して第1位置から第2位置に回転される時に(上で説明した)、バイアス部材2597は、カム2580の回転に抵抗する反力を働かせることができる。より具体的には、係合部材2594がカム2580の係合表面2583に接触した状態で、バイアス部材2587は、係合表面2583に沿った係合部材2594の移動に抵抗する反力を働かせる。従って、いくつかの例では、テザー2505に働く力の相対的に小さい変化は、カム2580及びカム・プーリー・アセンブリ2571を回転させるのに十分に大きくはない可能性がある。この配置は、テザー2505に働く力の些細な動揺に応答する支持システム2000によって支持される体重の量の望ましくない変化を減らすことができる。
【0117】
[1169]
図34は、患者接続機構2800を示す。患者接続機構2800は、患者接続機構2800をトロリ2100に結合するためにテザー2505の第2端部2507に噛み合わされ得る。さらに、患者接続機構2800は、下で説明するように、支持システム2000に患者を結合するために、患者によって身に着けられるハーネス又は類似物に結合され得る。
【0118】
[1170] 患者接続機構2800は、第1結合部分2810及び第2結合部分2812を有する。第1結合部分2810は、上で説明したように、テザーの第2端部2507に結合するように構成された結合機構2811を含む。例えば、結合機構2811は、テザー2505の接続デバイス(
図2~
図34には図示せず)に結合するように構成されたループ又はフックとすることができる。第2結合部分2821は、第1腕2820及び第2腕2840に移動可能に結合される。本明細書でさらに詳細に説明するように、第12820及び第2腕2840は、患者接続機構2800に結合された患者の重量によって働かされる力の少なくとも一部を吸収するためにお互いに対して相対的にピボット回転することができる。
【0119】
[1171] 患者接続機構2800の第1腕2820は、ピボット部分2821及びマウント部分2822を含む。ピボット部分2821は、第2結合部分2812に移動可能に結合される。マウント部分2822は、本明細書でさらに詳細に説明するように、案内棒2830を受ける。第1腕2820は、第2腕2840の一部を受けるスロット2824と、患者によって身に着けられるハーネスの一部を受ける開口部2826とを規定する。
【0120】
[1172] 第2腕2840は、ピボット部分2841及び結合部分2842を有する。ピボット部分2841は、第2結合部分2812に移動可能に結合される。この形で、第1腕2820と第2腕2840との両方が、本明細書でさらに詳細に説明するように、結合部分2812に対して相対的に、及びお互いに対して相対的に、ピボット回転することができる。結合部分2842は、患者によって身に着けられるハーネスの一部を受ける開口部2843を規定する。結合部分2842は、第1エネルギ貯蔵部材2844の第1端部及び第2エネルギ貯蔵部材2851(集合的にエネルギ貯蔵部材2850と称する)の第1端部にも移動可能に結合される。エネルギ貯蔵部材2850は、例えば、ガス・ストラット又は類似物とすることができる。
【0121】
[1173]
図34に示されているように、エネルギ貯蔵部材2850は、第1腕2820に向かって延びるように構成される。より具体的には、第2エネルギ貯蔵部材2851は、第1腕2820の案内棒2830に移動可能に結合される結合部分2852を含む。第1エネルギ貯蔵部材2844は、係合部材2845に移動可能に結合され、第2エネルギ貯蔵部材2851の結合部分2852にさらに結合される結合部分(
図34には図示せず)をも含む。同様に述べると、第1エネルギ貯蔵部材2844の結合部分は、第1エネルギ貯蔵部材2844の縦中心線(図示せず)に対して相対的に実質的に垂直な方向に延びる。
【0122】
[1174] 係合部材2845は、第1エネルギ貯蔵部材2844の結合部分及び第2結合部分2851の結合部分2852に移動可能に結合される。係合部材2845は、スロット2825を少なくとも部分的に規定する第1腕2820の係合表面2825と接触して配置されるように構成される。同様に述べると、係合部材2845は、第1腕2820によって規定されるスロット2824内で、係合表面2825と接触2825して配置される。さらに、係合部材2845及びエネルギ貯蔵部材2850の配置は、係合部材2845が係合表面2825に沿って転がることを可能にする。
【0123】
[1175] 力が、患者によって第1腕2820 第2腕2840に働かされる時に、第1腕2820及び第2腕2840は、第2結合部分2812の回りでお互いに向かってピボット回転する。第1腕2820及び第2腕2840のピボット回転は、係合部材2845を係合表面2825に向かって移動し、より低いポテンシャル・エネルギの構成のエネルギ貯蔵部材2850をより高いポテンシャル・エネルギの構成にさらに移動する(例えば、ガス・ストラットを圧縮する)。従って、エネルギ貯蔵部材2850は、患者接続機構2800に働く力の少なくとも一部を吸収することができる。さらに、患者接続機構2800に働く力が、第2構成のエネルギ貯蔵部材2850のポテンシャル・エネルギより小さい時には、エネルギ貯蔵部材2850は、第1腕2820及び第2腕2840をお互いから離れてピボット回転するために、その第1位置に向かって移動することができる。
【0124】
[1176] 使用中に、患者支持システム2000は、それに結合される患者の体重の少なくとも一部を能動的に支持するのに使用され得る。例えば、上で説明したように、いくつかの例で、患者は、患者接続機構2800に結合され、患者接続機構2800は、テザー2505の第2端部2507に結合される。この形で、支持システム2000(例えば、テザー2505、トロリ2100、及び支持レール2050)は、患者の体重の少なくとも一部を支持することができる。
【0125】
[1177] いくつかの例では、ユーザ(技師、療法士、医師、内科医、又は類似物)は、患者及び支持システム2000に関連するシステム・パラメータのセットを入力することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、例えばパーソナル・コンピュータ、モバイル・デバイス、スマートフォン、又は類似物などのリモート・コントロール・デバイスを介してシステム・パラメータのセットを入力することができる。他の実施形態では、ユーザは、例えばトロリ2100内又はトロリ2100上に含まれるコントロール・パネル上で、システム・パラメータを入力することができる。システム・パラメータは、例えば、患者の体重、患者の身長、支持システム2000によって支持される体重の所望の量、歩行治療中の患者ウォーキングの所望の速度、支持トラック2050の長さに沿った所望の経路又は距離、又は類似物を含むことができる。
【0126】
[1178] システム・パラメータが入力された状態で、患者は、例えば歩行治療セッションを開始することができる。いくつかの例では、トロリ2100は、患者の移動に応答して支持構造2050に沿って移動することができる(上で
図23及び
図26を参照して説明したように)。同様に述べると、トロリ2100は、患者がウォークする時に、支持構造2050に沿って移動することができる。いくつかの例では、トロリ2100は、患者の実質的に頭上に留まるように構成され得る。そのような例では、電子システム2700は、例えば駆動系2300のエンコーダ2470、案内機構2540のエンコーダ2561、及び/又はカム・アセンブリ2570のエンコーダ2587から受信した情報に基づいて、駆動系2300のモーター2311の制御に関連する命令のセットを実行することができる。例えば、電子システム2700は、案内機構2540のエンコーダ2561に関連する情報に少なくとも部分的に基づいて駆動輪2385の回転速度を変更する際に動作する信号を駆動系2300のモーター2311に送ることができる。さらに詳説すると、いくつかの例では、患者は、トロリ2100より速くウォーキングし、これによって、基部2210に対する相対的なテザー2505及び案内機構2540の角度を変更する場合がある。従って、案内機構2540のエンコーダ2561は、基部2210に対する相対的な案内機構2540の角度に関連する信号を送ることができ、この信号の受信時に、電子システム2700は、駆動輪2385の回転速度を高めるために駆動系2300のモーター2311に信号を送ることができる。この形で、患者に対する相対的なトロリ2100の位置が、ユーザ定義のパラメータに少なくとも部分的に基づき、さらに、駆動系2300のエンコーダ2470、案内機構2540のエンコーダ2561、及び/又はカム・アセンブリ2570のエンコーダ2587から受信された情報に少なくとも部分的に基づいて、能動的に制御され得る。患者の頭上になるように能動的に制御されるものとして説明されるが、他の例は、ユーザは、トロリ2100が所望の距離で患者に続くか所望の距離で患者に先行することに関連するパラメータを定義することができる。
【0127】
[1179] いくつかの例では、患者によってテザー2505に働かされる力の量が、増加し又は減少する場合がある。例えば、患者がつまずき、これによって、テザー2505に働かされる力の量が増加する場合がある。そのような例では、テザー2505に働く力の増加は、案内機構2540をピボット回転させることができ、力の増加に応答してカム・ピボット・アーム2571を移動することができる。カム・ピボット・アーム2571の移動は、カム・アセンブリ2570を移動する(上で
図33を参照して説明したように)。この形で、案内機構2540のエンコーダ2561及びカム・アセンブリ2570のエンコーダ2587は、それぞれ案内機構2540及びカム・アセンブリ2570の状態の変化に関連する信号を電子システム2700に送ることができる。
【0128】
[1180] エンコーダ2561及び2587から信号を受信する際に、プロセッサは、カム・アセンブリ2570に関連する、メモリ内に含まれる命令のセットを実行することができる。例えば、プロセッサは、カム2580又は案内機構2540の位置、カム2580又は案内機構2540の速度及び加速度、又は類似物を判定することができる。案内機構2540及びカム・アセンブリ2570の構成の変化の判定に基づいて、プロセッサは、駆動系2300及び/又は患者支持機構2500の現在の状態を変更するために、第1駆動アセンブリ2310のモーター2311及び/又はウインチ・アセンブリ2510のモーター2511に信号を送ることができる。いくつかの例では、駆動系及び/又は患者支持機構2500の状態の変化の大きさは、proportional-integral-derivative(PID)制御に少なくとも部分的に基づく。そのような例では、電子システム2700(例えば、プロセッサ又はプロセッサと通信している任意の他の電子デバイス)は、患者支持機構2500の変化を判定し、PID制御に基づいて変化をモデル化する。モデル化の結果に基づいて、プロセッサは、駆動系2300及び/又は患者支持機構2500の変化の適切な大きさを判定することができる。
【0129】
[1181] 相対的に短い時間期間の後(例えば、1秒よりはるかに短く、例えばプロセッサの1つ又は少数のクロック・サイクルの後)に、プロセッサは、それぞれ駆動系2300、ウインチ・アセンブリ2510、案内機構2540、及び/又はカム・アセンブリ2570の構成の変化に関連する信号を駆動系2300のエンコーダ2470、ウインチ・アセンブリ2510のエンコーダ2537、案内機構2540のエンコーダ2561、及び/又はカム・アセンブリ2570のエンコーダ2587から受信することができる。この形で、プロセッサを含むがこれに限定されない、電子システム2700内に含まれる電子デバイスのうちの1つ又は複数が、エンコーダ2470、2537、2561、及び2587に関連するフィードバックに関連する、メモリ内に記憶された命令のセットを実行する。従って、トロリ2100の駆動系2300及び患者支持機構2500は、テザー2505に働く力の変化に応答し、駆動系2300及び患者支持機構2500の現在の状態及び/又は以前の状態に少なくとも部分的に基づいて、能動的に制御され得る。同様に述べると、支持システム2000は、つまずくか他の理由で転倒した後に患者が倒れる量を能動的に減らすことができる。
【0130】
[1182] 患者支持システム2000が、上では
図2~
図34を参照して、患者の体重の一部を能動的に支持するものとして説明されるが、いくつかの実施形態では、患者支持システムは、患者の体重の一部を受動的に(すなわち、能動的にではなく)支持することができる。
図35及び
図36は、一実施形態による部分免荷システム3900を示す。部分免荷システム3900(本明細書では「支持システム」とも称する)は、例えば歩行治療中、歩行トレーニング中、又は類似物中に患者の体重の一部を支持するのに使用され得る。支持システム3900は、支持システム3900の重量及び支持システム3900を利用する患者の重量を支持するように構成された支持トラック(図示せず)に移動可能に結合され得る。支持トラックは、例えば、上で説明した支持トラック2050に類似するかこれと同一とすることができる。
【0131】
[1183] 支持システム3900は、第1結合部分3910及び第2結合部分3940を含む。第1結合部分3910は、上で説明したように、支持トラックに移動可能に結合するように構成される。第1結合部分3910は、第1側面アセンブリ3911、第2側面アセンブリ3921、及び基部3930を含む。第1側面アセンブリ3911は、駆動輪3912のセット、案内輪3913のセット、外壁3914、内壁3915、及びカプラ3916のセットを含む。カプラ3916は、外壁3914及び内壁3915を一緒に結合するために、外壁3914と内壁3915との間に延びるように構成される。外壁3914は、基部3930にさらに結合される。駆動輪3912は、支持トラックの上面上に配置されるように構成された駆動輪3912の上側セット及び支持トラックの下面上に配置されるように構成された駆動輪3912の下側セットに配置される。この形で、駆動輪3912は、支持トラック(
図35及び
図36には図示せず)の水平部分に沿って転がる。案内輪3913は、駆動輪3912に対して相対的に垂直方位で配置され、支持トラックの垂直部分に沿って転がるように構成される(例えば、上で
図32を参照して同様に説明されるように。
【0132】
[1184] 第2側面アセンブリ3921は、駆動輪3922のセット、案内輪3923のセット、外壁3924、内壁3925、及びカプラ3916のセットを含む。第1側面アセンブリ3911及び第2側面アセンブリ3921は、実質的に同一であり、鏡像構成で配置される。従って、第2側面アセンブリ3921は、本明細書でさらに詳細には説明されず、明示的に説明されない限り、第1側面アセンブリ3921と同一と考えられなければならない。
【0133】
[1185]
図36に示されているように、第2結合部分3940は、シリンダ3941、接続部材3945、ピストン3950、及びエネルギ貯蔵部材3960を含む。シリンダ3941は、基部3930に結合され、ばね3960及びピストン3950の少なくとも一部を収容するように構成される。より具体的には、シリンダ3941は、基部3930と反対の端部で開口部3942を規定し、この開口部3942を介して、少なくともピストン3950の第1端部3951が移動することができる。ピストン3950は、エネルギ貯蔵部材3960の一部と接触している第2端部3952をさらに有する。エネルギ貯蔵部材3960は、より低いポテンシャル・エネルギを有する第1構成とより高いポテンシャル・エネルギを有する第2構成との間で移動するように構成された任意の適切なデバイスとすることができる。例えば、
図36に示されているように、エネルギ貯蔵部材3960は、第2構成に移動される時に圧縮されるばねとすることができる。
【0134】
[1186] 接続部材3945は、ピストン3950の第1端部3951に結合される第1結合部分3946と、例えば患者が身に着けるハーネスに結合され得る第2結合部分3947とを含む。
図35及び
図36に示されているように、第2端部3952は、環状の突出部とすることができる。この形で、フック又は類似物などのハーネスの一部が、支持システム3900に患者を結合するために第2結合部分3947によって規定される開口部内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0135】
[1187] 使用中に、患者は、支持システム3900が患者の体重の少なくとも一部を支持するように、支持システム3900に結合され得る(上で説明したように)。この形で、患者は、支持トラック(図示せず)に関連する経路に沿ってウォークすることができる。支持システム3900が患者に結合された状態で、患者の移動は、支持トラックに沿って支持システム3900を移動する。同様に述べると、患者は、支持トラックに沿って支持システム3900を引っ張る。いくつかの例では、患者が、ウォーキング中につまずき、これによって、支持システム3900に働く力の量が増える場合がある。そのような例では、支持システム3900に働く力の増加は、エネルギ貯蔵部材3960にその第1構成からその第2構成(例えば、圧縮)に向かって移動させるのに十分である可能性がある。この形で、ピストン3950は、シリンダ3941に対して相対的に移動することができ、エネルギ貯蔵部材3960は、支持構造3900に働く力の増加の少なくとも一部を吸収することができる。従って、患者がつまずく場合に、支持システム3900は、そうでなければ既知の受動支持システム3900内で生じるはずの患者によって経験される衝撃を減衰させることができる。
【0136】
[1188] 支持システム3900は、エネルギ貯蔵部材を含むものとして説明されるが、他の実施形態では、支持システム3900がエネルギ貯蔵部材を含む必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、支持システム3900は、例えば上で
図34を参照して説明した接続機構2800に結合され得る。この形で、接続機構2800は、支持システム3900に働く力の変化の少なくとも一部を減衰させるのに使用され得る。例えば、いくつかの例で、支持システム3900に結合された患者がつまずき、これによって、支持システム3900に働く力を増加させる場合がある。そのような例では、力の増加は、第1腕2820を第2腕2840に向かって移動し(例えば、
図34参照)、これによって、エネルギ貯蔵部材2850をその第2構成に向かって移動することができる。従って、力の増加の少なくとも一部が、接続機構2800によって吸収され得る。
【0137】
[1189]
図2~
図36には示されていないが、1つ又は複数の能動支持システム(例えば、支持システム2000)及び/又は1つ又は複数の受動支持システム(例えば、支持システム3900)が、同様の支持トラックの付近に配置され得、同時に利用され得る。例えば、
図37は、一実施形態による支持システム4000の概略図である。支持システム4000は、支持トラック4050、第1支持部材4100、及び第2支持部材4900を含む。支持システム4000は、例えば歩行治療中(例えば、怪我の後)、歩行トレーニング中(例えば、低重力シミュレーション)、及び/又は類似物中に、1つ又は複数の患者の体重の少なくとも一部を支持するのに使用され得る。支持トラック4050は、第1支持部材4100及び第2支持部材4900の重量と、第1支持部材4100及び/又は第2支持部材4900を利用する患者の重量とを支持するように構成される。
【0138】
[1190]
図37に示されているように、支持トラック4050は、閉ループ・トラックを形成することができる。支持トラック4050は、上で
図2及び
図3を参照して説明した支持トラック2050に類似するかこれと同一とすることができ、第1支持部材4100は、上で
図2~
図33を参照して説明したトロリ2100に類似するかこれと同一とすることができ、第2支持部材4900は、上で
図35及び
図36を参照して説明した支持システム3900に類似するかこれと同一とすることができる。この形で、第1支持部材4100及び第2支持部材4900は、上で詳細に説明したように、支持トラック4050からぶら下がることができる。
【0139】
[1191] いくつかの実施形態で、第1患者(
図37には図示せず)は、第1支持部材4100に結合され得、第2患者(
図37には図示せず)は、第2支持部材4900に結合され得、両方の支持部材は、支持トラック4050から吊るされる。
図37に示されているように、第1支持部材4100は、それに結合された第1患者の移動に応答して、矢印Aの方向に移動することができる。同様に、第2支持部材4900は、それに結合された第2患者の移動に応答して、矢印Bの方向に移動することができる。さらに詳説すると、第1支持部材4100は、能動支持部材とすることができ、上で詳細に説明したように第1患者の移動に従って移動するように構成され得る。逆に、第2支持部材4900は、受動支持部材とすることができ、上で詳細に説明したように、これに結合された第2患者によって移動され得る。
【0140】
[1192] 支持システム4000は、第1支持部材4100及び第2支持部材4900を含むものとして図示され、説明されるが、他の実施形態では、支持システム4000は、支持トラック4050に移動可能に結合された任意の適切な個数の支持部材を含むことができる。さらに、能動支持部材及び受動支持部材の任意の組合せが、支持システム4000内に含まれ得る。例えば、能動支持部材(例えば、第1支持部材4100)及び受動支持部材(例えば、第2支持部材4900)を含むものとして図示されるが、他の実施形態では、支持システム4000は、2つの能動支持部材、2つの受動支持部材、2つの能動支持部材及び2つの受動支持部材、又はその任意の他の適切な組合せを含むことができる。
【0141】
[1193]
図37には示されていないが、支持システム4000(すなわち、第1支持部材4100及び/又は第2支持部材4900)は、第1支持部材4100と第2支持部材4900との間の衝突の衝撃、力、又は影響を防ぎ、かつ/又は軽減するように構成された衝突管理システムを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1支持部材4100は、第2支持部材4900に対する相対的な第1支持部材4100の位置を感知するように構成されたセンサ(例えば、超音波近接センサ又は類似物)を含むことができる。従って、第1支持部材4100と第2支持部材4900との間の距離が、所定のしきい値(例えば、最小距離)に近づく時に、第1支持部材4100内に含まれる電子システム(例えば、上で説明した電子システム2700に類似するかこれと同一)は、1つ又は複数の駆動輪の回転速度を増加させ又は減少させるために駆動系(図示せず)に信号を送ることができる。従って、第1支持部材4100及び第2支持部材4900の衝突が、回避され得る。他の実施形態では、衝突管理システムは、第1支持部材4100と第2支持部材4900との間の衝突に関連する力を実質的に減少させるために、1つ又は複数の駆動輪の速度を増加させ又は減少させることができる。
【0142】
[1194] 第1支持部材4100は、上では第2支持部材4900に対する相対的な第1支持部材4100の位置を感知するように構成されたセンサ及び/又は類似物を含むものとして説明されるが、他の実施形態では、支持システムは、その中に含まれる第1支持部材と第2支持部材との間の距離を実質的に維持し、かつ/又は衝突に関連する力又は衝突の尤度を他の形で下げるように構成された任意の適切な部材、デバイス、機構、アセンブリ、及び/又は類似物を含むことができる。他の実施形態では、支持システムは、第1支持部材と第2支持部材との間の直接接触を防ぐように構成される(例えば、その間に配置され、かつ/又は結合される)任意の適切な部材、デバイス、機構、アセンブリ、及び/又は類似物を含むことができ、かつ/又はこれに結合され得る。例えば、
図38~
図40は、一実施形態による支持システム5000を示す。支持システム5000は、第1支持部材5100、第2支持部材5100’、衝突管理アセンブリ5080、及び支持トラック5050を含む。支持トラック5050は、支持トラック2050(上で
図2及び
図3を参照して説明した)及び/又は支持トラック4050(上で
図37を参照して説明した)に類似するかこれと同一とすることができる。第1支持部材5100及び第2支持部材5100’は、お互いに実質的に類似するものとすることができ、それぞれ、上で
図2~
図33を参照して説明したトロリ2100に実質的に類似し又はこれと同一とすることができる。従って、第1支持部材5100(例えば、第1トロリ)及び第2支持部材5100’(例えば、第2トロリ)は、それぞれ、支持トラック5050からぶら下がる能動支持システムとすることができる。より具体的には、
図38に示されているように、支持トラック5050は、その回りに支持部材5100及び5100’の駆動機構が配置され得る水平部分5051及び垂直部分5052を含み、これによって、上で詳細に説明したように、支持部材5100及び5100’が、支持された患者の動きに応答して支持トラック5050の長さに沿って移動することを可能にする。従って、支持部材5100及び5100’の形態及び機能は、本明細書でさらには説明されない。
【0143】
[1195] 支持システム5000の衝突管理アセンブリ5080は、第1支持部材5100と第2支持部材5100’との間に結合され、かつ/又は他の形で配置され得る。いくつかの実施形態では、衝突管理アセンブリ5080は、第1支持部材5100又は第2支持部材5100’に結合され得る。例えば、
図38に示されているように、衝突管理アセンブリ5080は、第1支持部材5100に結合される結合部分5090と、支持トラック5050の回りに移動可能に配置されるトロリ部分5085とを含む。トロリ部分5085は、上で
図35を参照して説明した支持システム3900の第1結合部分3910に形態及び/又は機能において実質的に類似するものとすることができる。従って、トロリ部分5085は、上で詳細に説明したように、支持トラック5050の水平部分5051又は垂直部分5082に沿って転がるように構成される車輪5086のセットを含む。
【0144】
[1196] トロリ部分5085は、トロリ部分5085の表面から延びるバンパ5087のセットをも含む。いくつかの実施形態では、バンパ5087は、物体と接触して配置される時に力の少なくとも一部を吸収するように構成され得る相対的に弾力性のある材料(例えば、ゴム、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、及び/又は共重合体を含む類似物、並びにその組合せ)から形成され得る。より具体的には、いくつかの例で、バンパ5087を物体(例えば、第2支持部材5100’)に接触して配置するために支持トラック5085に沿ってトロリ部分5085を移動することのできる力が、働かされ得る。バンパ5087の配置は、バンパが物体と接触して配置される時に、支持トラック5050に沿ってトロリ部分5085を移動するために働かされる力の少なくとも一部が、バンパ5087によって吸収され、その変形(例えば弾性変形又は非永久変形)をもたらすようなものとすることができる。そのような例では、バンパ5087の変形は、バンパ5087を介して物体(例えば、第2支持部材5100’)に伝送される力の一部が減らされ、これが、物体の一部への損傷及び/又はその疲労を軽減できるようなものとすることができる。同様に述べると、バンパ5087は、トロリ部分5085と物体(例えば、壁、支持部材、及び/又は類似物)との間の衝撃力の少なくとも一部を吸収できる材料から形成され得、かつ/又は他の形でこれを含むことができる。
【0145】
[1197] 上で説明したように、結合部分5090は、第1支持部材5100の一部に結合される。より具体的には、結合部分5090の第1端部5092は、第1支持部材5100の一部に回転可能に結合される。例えば、第1端部5092は、これによって第1アイレットがその回りで回転できる軸を規定する、例えばボルト、ピン、ポスト、及び/又は類似物を介して第1支持部材5100の一部に結合され得る回転可能なアイレット又は類似物を含むことができる。同様に、結合部分5090の第2端部5094は、トロリ部分5085の一部に回転可能に結合され得る。従って、結合部分5090は、支持トラック5050に沿った第1支持部材5100の移動が、トロリ部分5085を支持トラック5050に沿って移動するように、第1支持部材5100とトロリ部分5085との間を結合し、又はその間のリンケージを他の形で形成することができる。例えば、結合部分5090は、支持トラック5050に沿った第1支持部材5100の移動に関連する力の少なくとも一部をトロリ部分5085に伝送し、伝達し、かつ/又は他の形で働かせるように構成され得る。さらに、第1支持部材5100及びトロリ部分5085への結合部分5090の回転可能な結合は、第1支持部材5100が、
図38に示されているように実質的に非直線の支持トラックに沿ってトロリ部分5085を押すことができるようなものとすることができる。
【0146】
[1198] 結合部分5090は、任意の適切な部材、デバイス、及び/又は機構とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、結合部分5090は、トロリ部分5085と第1支持部材5100との間で実質的に固定された距離を維持するように構成された実質的に剛体の棒又は類似物とすることができる。他の実施形態では、結合部分5090は、実質的に非剛体とすることができ、ここで、第1支持部材5100とトロリ部分5085との間の距離は、変更され得る(すなわち、非固定とすることができる)。例えば、いくつかの実施形態で、結合部分5090の第1部分5091は、結合部分5090の第2部分5092に対して相対的に移動するように構成され得る。さらに、いくつかの実施形態で、結合部分5090は、そうでなければトロリ部分5085に働くはずの力(支持トラック5050に沿った第1支持部材5100の移動に関連する)の少なくとも一部を吸収するように構成され得る。例えば、
図38~
図40に示されているように、結合部分5090は、ピストン-シリンダ構成とすることができ、ここで、第1部分5091の領域(例えば、ピストン)は、第2部分5093(例えば、シリンダ)内に移動可能に配置される。さらに、エネルギ貯蔵部材5095(例えば、ばね又は類似物)が、
図40に示されているように結合部分5090の第2部分5093内に配置され得る。この形で、第2部分5093に対する相対的な第1部分5091の移動が、エネルギ貯蔵部材5095のポテンシャル・エネルギを増加させることができる。例えば、いくつかの実施形態で、エネルギ貯蔵部材5095は、第1部分5091が第2部分5093に対して相対的に移動される時に、実質的に圧縮されていない構成(すなわち、相対的により低いポテンシャル・エネルギ)から実質的に圧縮された構成(すなわち、相対的により高いポテンシャル・エネルギ)に推移され得るばねとすることができる。エネルギ貯蔵部材5095は、例えば約0.5インチ(0.5”)、約1”、約1.5”、約2”、約2.5”、約3”、約4”、約5”、約7”、約10”、又はその間の任意の適切な距離若しくは分数まで、第1部分5091が第2部分5093に対して相対的に移動することを可能にするように構成され得る。従って、結合部分5090は、そうでなければ第1支持部材5100とトロリ部分5085との間で伝達されかつ/又は伝送されるはずのエネルギ及び/又は力の少なくとも一部を吸収するように構成され得る。エネルギ貯蔵部材5095は、ばねであるものとして図示され、説明されるが、他の実施形態では、エネルギ貯蔵部材5095は、例えば圧縮可能な気体の体積及び/又は類似物など、任意の適切なデバイス、部材、及び/又は体積とすることができる。
【0147】
[1199] 使用中に、衝突管理アセンブリ5080は、第1支持部材5100と第2支持部材5100’との間の衝突を実質的に防ぐために支持システム5000内に含められ得る(例えば、
図38参照)。同様に述べると、衝突管理アセンブリ5080は、第1支持部材5100と第2支持部材5100’との間の直接接触を実質的に防ぐために支持システム内に含められ得る。例えば、いくつかの例で、所定の最小距離及び/又は距離しきい値より大きい、第1支持部材5100と第2支持部材5100’との間の距離を維持することが望ましい可能性がある。この形で、衝突管理アセンブリ5080は、第1支持部材5100及び第2支持部材5100’が、お互いとは実質的に独立に支持トラック5050に沿って移動する時に、所定の最小距離及び/又は距離しきい値より大きい、その間の距離が維持されるように、第1支持部材5100に結合され得る。例えば、いくつかの例で、第1支持部材5100は、第2支持部材5100’との間の距離が、トロリ部分5085のバンパ5087を第2支持部材5100’の一部に接触して配置する範囲まで減らされるように、第2支持部材5100’に対して相対的に移動することができる。従って、衝突管理アセンブリ5080は、第1支持部材5100及び第2支持部材5100’を最小距離より長い距離に維持し、これによって、その間の直接接触(すなわち、直接衝突)を防ぐことができる。さらに、バンパ5087及び結合部分5090の配置は、衝突管理アセンブリ5080が第2支持部材5100’の一部と接触するようにされる時に、衝撃に関連する力の少なくとも一部が吸収される(例えば、バンパ5087が、変形されていない構成から変形された構成に推移され得、かつ/又はエネルギ貯蔵部材5095が、より低いポテンシャル・エネルギの構成からより高いポテンシャル・エネルギの構成に推移され得る)ようになっている。この形で、第1支持部材5100及び/又は第2支持部材5100’の加速度及び/又はジャーク(例えば、加速度の変化の割合)は、衝突管理アセンブリ5080が第2支持部材5100’に接触するようにされる時に、素早くは変更されない。いくつかの例で、衝突管理アセンブリ5080が、第2支持部材5100’に接触して配置された後に、第1支持部材5100及び第2支持部材5100’は、支持トラック5050に沿って実質的に一致して移動することができる。言い換えると、衝突管理アセンブリ5080が、第2支持部材5100’に接触して配置される時に、衝突管理アセンブリ5080は、第1支持部材5100、第2支持部材5100’、及び衝突管理アセンブリ5080が支持トラック5050に沿って実質的に同一の速度で集合的に移動するように、第2支持部材5100’を押すことができる。
【0148】
[1200] いくつかの実施形態では、衝突管理アセンブリ5080並びに/又は支持部材5100及び/若しくは5100’の一部は、例えば、衝突管理アセンブリ5080に関連する1つ又は複数のパラメータを感知し、かつ/又は検出することのできる1つ又は複数のセンサ又は類似物を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、衝突管理アセンブリ5080のトロリ部分5085は、例えば、バンパ5087が第2支持部材5100’と接触して配置される時にトロリ部分5085の及び加速度を感知し、かつ/又は他の形で検出できる加速度計又は類似物などのセンサを含むことができる。いくつかの例では、センサは、例えば第1支持部材5100の電子システムに、トロリ部分5085の加速度に関連する信号を送ることができる。従って、電子システムは、センサから受信された信号に少なくとも部分的に基づいて、第1支持部材5100の1つ又は複数のシステム(例えば、駆動系又は類似物)を制御するように構成され得る。例えば、いくつかの例で、電子システムは、衝突管理アセンブリ5080のセンサから受信された情報に少なくとも部分的に基づいて、第1支持部材5100の速度を下げることができる。
【0149】
[1201] 衝突管理アセンブリ5080は、第1支持部材5100に結合され、第2支持部材5100’に接触して配置されるものとして図示され、説明されるが(例えば、
図38参照)、他の実施形態では、衝突管理アセンブリ5080は、第2支持部材5100’に回転可能に結合され、上で説明したものに類似する形で第1支持部材5100と接触して配置され得る。さらに、第2支持部材5100’は、第1支持部材5100(すなわち、能動支持部材)に実質的に類似するものとして図示され、説明されるが、他の実施形態では、第2支持部材5100は、例えば上で
図35及び
図36を参照して説明した支持システム3900などの受動支持部材とすることができる。
【0150】
[1202] 支持システム5000は、上では第1支持部材5100と第2支持部材5100との間の距離を実質的に維持する衝突管理アセンブリ5080を含むものとして説明されるが、他の実施形態では、支持システムは、支持部材と別の物体(例えば、第2支持部材、壁、及び/又は任意の他の障害物)との間の衝突に関連するエネルギの少なくとも一部を吸収するように構成された任意の適切な部材、デバイス、機構、アセンブリ、及び/又は類似物を含むことができる。例えば、
図41~
図42は、一実施形態による支持システム6000を示す。支持システム6000は、支持トラック6050の回りに移動可能に配置された支持部材6900を含む。支持トラック6050は、支持トラック2050(上で
図2及び
図3を参照して説明した)及び/又は支持トラック4050(上で
図37を参照して説明した)に類似するかこれと同一とすることができる。支持部材6900は、上で
図35~
図36を参照して説明した支持システム3900に実質的に類似するものとすることができる。従って、支持部材6900は、例えば、支持トラック6050からぶら下がる受動支持システムとすることができる。より具体的には、
図41及び
図42に示されているように、支持トラック6050は、支持部材6900の駆動機構6910(例えば、上で説明した支持システム3900の第1結合部分3910に類似するかこれと同一の)がその回りに配置され得、これによって、上で詳細に説明したように、支持部材6900が、支持された患者の動きに応答して支持トラック6050の長さに沿って移動することを可能にする、水平部分6051及び垂直部分6052を含む。従って、支持部材6900の形態及び機能は、本明細書でさらに詳細には説明されない。
【0151】
[1203]
図41及び
図42に示されているように、支持部材6900は、衝突板6020に結合され得、かつ/又は他の形でこれを含むことができる。衝突板6020(例えば、衝突管理アセンブリ又は衝突管理部材)は、任意の適切な形状、サイズ、又は構成とすることができる。例えば、衝突板6020は、実質的に円形の周辺を有するものとして図示されているが、他の実施形態では、衝突板は、正方形、長方形、楕円、長円、及び/又は類似物など、任意の適切な形状とすることができる。
図42に示されているように、衝突板6020は、支持部材6900に接触する衝突板6020の表面が、支持トラック6050の水平部分6051に実質的に平行になるように、支持部材6900の一部に結合され得る。さらに、
図41及び
図42には示されていないが、支持部材6900の配置は、衝突板6020が駆動機構6910と結合部分(例えば、上で
図36を参照して説明した、支持システム3900内に含まれる第2結合部分3940など)との間に配置されるようなものとすることができる。
【0152】
[1204] 図示されているように、衝突板6020は、支持部材6900の周辺を超えて延びるように構成される。衝突板6020は、例えば木、medium density fiber(MDF)、合板、及び/又は金属若しくはその合金(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鋼、合金鋼など)など、実質的に剛体とすることのできる任意の適切な材料から形成され得、かつ/又はこれを含むことができる。他の実施形態では、衝突板6020は、例えば、ゴム、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ナイロン、及び/又は共重合体を含む類似物、並びに/あるいはその組合せなど、実質的に弾力性のあるものとすることのできる任意の適切な材料から形成され得、かつ/又はこれを含むことができる。衝突板6020は、
図41及び
図42に示されているように、周囲表面に結合され、かつ/又は周囲表面から延びるように他の形で構成されるバンパ6021を含む。バンパ6021は、任意の適切な形状、サイズ、及び/又は構成とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、バンパ6021は、例えば、発泡フォーム・ネオプレン、エチレン・プロピレン・ジエン・モノマ(EPDM)ゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)フォーム、ポリプロピレン(PP)フォーム、高密度ポリエチレン(HDPE)フォーム、低密度ポリエチレン(LDPE)フォーム、直鎖状低密度ポリエチレン(LLPDE)フォーム、及び/又は任意の他の適切な熱可塑性エラストマ(TPE)フォーム、並びに/あるいは類似物から形成され得、かつ/又はこれを含むことができる。この形で、バンパ6021は、例えば衝撃に関連するエネルギの少なくとも一部を吸収するように構成され得る。例えば、いくつかの例で、支持部材6900は、衝突板6020のバンパ6021が他の支持部材及び/又は他の物体に接触して配置されるまで、支持トラック6050に沿って別の支持部材及び/又は他の物体に対して相対的に移動することができる。より具体的には、支持部材6900は、これに結合され、支持部材6900を引きずり又は牽引する患者から生じる力に伴って支持トラック6050に沿って移動され得る(上で説明したように)。いくつかの例では、支持部材6900は、支持部材6900及び他の物体(例えば、第2支持部材又は類似物)が衝突する形で、支持トラック6050上の又はこれによって支持される別の物体に対して相対的に移動され得る。従って、衝突板6020が支持部材6900に結合され、バンパ6021が支持部材6900を超えて延びる状態で、バンパ6021は、他の物体に接触して配置され、衝突に関連する力の少なくとも一部に応答するバンパ6021の弾性変形をもたらす。従って、バンパ6021は、例えば、そうでなければ衝突から生じる可能性がある支持部材6900及び/又は他の物体への損傷から保護し、かつ/又はこれを他の形で最小にするために、衝突に関連するエネルギの少なくとも一部を吸収することができる。
【0153】
[1205] 支持トラック4050は、実質的に閉ループ・トラックであるものとして図示され、上で説明されるが、他の実施形態では、支持トラックは、開ループ・トラックとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、支持トラックは、第2端部とは実質的に別個の第1端部を有することができる(すなわち、開ループ構成)。いくつかの実施形態では、そのような支持トラックは、例えば、支持トラックの端に達する前に、支持部材、支持システム、トロリなどの移動を実質的に制限するように構成され得るエンド・ストップ又は類似物を含むことができる。例えば、
図43及び
図44は、一実施形態による、トラック・ストップ(track stop)7060を含む支持トラック7050を示す。支持トラック7050は、上で説明した支持トラック2050に実質的に類似するものとすることができる。従って、支持トラック7050は、水平部分7051及び垂直部分7052を含むことができ、例えばトロリ2100及び/又は支持システム3900などの支持システムを支持するように構成され得る。
【0154】
[1206] トラック・ストップ7060は、トロリ部分7065及び結合部分7070を含む。トロリ部分7065は、上で
図38~
図40を参照して説明した衝突管理アセンブリ5080内に含まれるトロリ部分5085に形態及び/又は機能において実質的に類似するものとすることができる。従って、トロリ部分7065は、上で詳細に説明したように、支持トラック7050の水平部分7051又は垂直部分7052に沿って転がるように構成される車輪7066のセットを含む。トロリ部分7065は、トロリ部分7065の表面から(例えば、支持トラック7050の端表面から離れて)延びる少なくとも1つのバンパ7067をも含む。いくつかの実施形態では、バンパ7067は、上で詳細に説明したように、物体と接触して配置された時に力の少なくとも一部を吸収するように構成され得る相対的に弾力性のある材料(例えば、ゴム、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、及び/又は共重合体を含む類似物、並びにその組合せ)から形成され得る。バンパ7067の配置は、例えば支持部材と接触して配置された時に、支持トラック7050に沿って支持部材を移動するために働かされる力の少なくとも一部がバンパ7067によって吸収され、その変形(例えば、弾性変形又は非永久変形)をもたらし、この変形が、上で詳細に説明したように、支持部材の一部への損傷及び/又はその疲労を軽減できるようなものとすることができる。
【0155】
[1207] 結合部分7070は、
図43に示されているように、支持トラック750の端部及びトロリ部分7065の一部に結合される。より具体的には、取付けブラケット7075が、支持トラック7050の端部に結合され、支持トラック7050の結合部分7070に結合し、かつ/又は他の形でこれを取り付けるように構成される。結合部分7070は、任意の適切な部材、デバイス、及び/又は機構とすることができる。例えば、いくつかの実施形態で、結合部分7070は、ピストン-シリンダ・デバイス、ストラット、及び/又は類似物とすることができる。従って、結合部分7070は、第2部材7073(例えば、シリンダ)に対して相対的に移動され得る第1部材7071(例えば、ピストン)を含む。例えば、第1部材7071の少なくとも一部は、第2部材7073内に移動可能に配置され得る。より具体的には、第1部材7071の接続部材7072は、トロリ部分7065に回転可能に結合され(上で説明したように)、第1部材7071は、トロリ部分7065と実質的に同時に移動するように構成される。同様に述べると、接続部材7072は、トロリ部分7065が支持トラック7050に沿って移動される時に、第1部材7071が軸方向に移動されるように、第1部材7071をトロリ部分7065に回転可能に結合する。結合部分7070の第2部材7073は、取付けブラケット7075に固定して結合され、取付けブラケット7075は、支持トラック7050に対して相対的に実質的に固定された位置に第2部材7073を維持するように構成される。従って、支持トラック7050に沿ったトロリ部分7065の移動は、本明細書でさらに詳細に説明するように、結合部分7070の第1部材7071を第2部材7073に対して相対的に移動する。
【0156】
[1208]
図44に示されているように、エネルギ貯蔵部材7074(例えば、ばね又は類似物)は、結合部分7070の第2部分7093内に配置され、少なくとも第1部材7071の表面と係合し、かつ/又はこれに接触するように構成される。この形で、第2部材7073に対する相対的な第1部材7071の移動は、エネルギ貯蔵部材7074のポテンシャル・エネルギを増加させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、エネルギ貯蔵部材7074は、第1部材7071が第2部材7073に対して相対的に移動される時に、実質的に圧縮されていない構成(すなわち、相対的により低いポテンシャル・エネルギ)から実質的に圧縮された構成(すなわち、相対的により高いポテンシャル・エネルギ)に推移され得るばねとすることができる(
図44に示されているように)。エネルギ貯蔵部材7074は、例えば約0.5インチ(0.5”)、約1”、約1.5”、約2”、約2.5”、約3”、約4”、約5”、約7”、約10”、又はその間の任意の適切な距離若しくは分数まで、第1部材7071が第2部材7073に対して相対的に移動することを可能にするように構成され得る。従って、結合部分7070は、本明細書でさらに詳細に説明するように、エネルギ及び/又は力の少なくとも一部を吸収するように構成され得る。エネルギ貯蔵部材7074は、ばねであるものとして図示され、説明されるが、他の実施形態では、エネルギ貯蔵部材7074は、例えば圧縮可能な気体の体積及び/又は類似物など、任意の適切なデバイス、部材、及び/又は体積とすることができる。
【0157】
[1209] 使用中に、トラック・ストップ7060は、支持部材及び/又はトロリ(
図43及び
図44には図示せず)が、支持トラック7050の長さに沿って移動する時にその端に達するのを実質的に防ぐために支持システム7000内に含められ得る。例えば、支持部材は、支持トラック7050に沿って、端部に向かって、支持部材の一部がトロリ部分7065のバンパ7067に接触して配置される位置まで移動することができる。従って、支持部材は、バンパ7067を変形されていない構成から変形された構成に推移させることのできる力をバンパ7067に働かせ、これによって、力及び/又は運動エネルギの少なくとも一部を吸収する。さらに、支持部材の働かせる力は、トロリ部分7065を支持トラック7050に沿って移動させることができ、これは、結合部分7070の第1部材7071を結合部分7070の第2部材7073に対して相対的に移動させる。従って、第1部材7071がエネルギ貯蔵部材7074に接触した状態で、第2部分7072に対する相対的な第1部材7071の移動は、エネルギ貯蔵部材7074をより低いポテンシャル・エネルギ構成からより高いポテンシャル・エネルギ構成に推移させることができる。この形で、支持部材の加速度及び/又はジャーク(例えば、加速度の変化の割合)は、トラック・ストップ7060が支持トラック7050に沿った支持部材のさらなる移動を制限するので、素早くは変化しない。さらに、支持部材の働かせる運動エネルギ及び/又は力の少なくとも一部を吸収することによって、そうでなければ支持部材が「ハード・ストップ」(例えば、エネルギ吸収をほとんど又は全く伴わない停止機構)にぶつかることから生じる可能性がある支持部材への損傷。
【0158】
[1210] トロリ2100が、上では駆動系2300のエンコーダ2470、案内機構2540のエンコーダ2561、及びカム・アセンブリ2570のエンコーダ2587を含み、これらが1つ又は複数のシステム・パラメータ(例えば、位置、速度、加速度など)を判定するのに集合的に使用されるものとして説明されるが、他の実施形態では、トロリ及び/又は類似物は、1つ又は複数のシステム・パラメータを判定するように構成された任意の適切なデバイス、機構、及び/又はシステムを含むことができる。例えば、
図45~
図47は、一実施形態による光学追跡システム8720を含むトロリ8100の概略図である。トロリ8100(例えば、支持部材)は、上で
図2~
図33を参照して説明したトロリ2100に実質的に類似し又はこれと同一とすることができる。従って、トロリ8100は、支持トラック(
図45~
図47には図示せず)からぶら下がる能動支持システムである。しかし、トロリ8100は、本明細書でさらに詳細に説明するように、トロリ2100とは異なり、光学追跡システム8720を含むことができる。
【0159】
[1211] 光学追跡システム8720は、少なくとも撮像デバイス8725及び追跡部材8860を含む。
図45に示されているように、追跡部材8860は、患者接続機構8800に結合され、かつ/又はその中に含まれ得、患者接続機構8800は、それ以外の点では上で
図34を参照して説明した患者接続機構2800に実質的に類似するものとすることができる。患者接続機構8800は、テザー8505によってトロリ8100に動作可能に結合される。テザー8505は、上で
図27~
図33を参照して説明した支持システム2500内に含まれるテザー2505に実質的に類似し又はこれと同一とすることができる。追跡部材8860は、任意の適切な形状、サイズ、及び/又は構成とすることができる。例えば、いくつかの実施形態で、追跡部材8860は、実質的に球形又は楕円形の球とすることができる。
図45~
図47には示されていないが、追跡部材8860は、光学追跡を容易にすることのできる表面仕上げを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態で、追跡部材8860は、例えば、相対直線位置、相対角度位置、絶対位置、その他などの位置情報を識別するのに使用され得る色及び/又はパターンを有する表面を含むことができる。さらに、追跡部材8860の色、パターン、サイズ、形状、及び/又は類似物に関連する情報は、例えばトロリ8100の電子システム(例えば、トロリ2100(
図45~
図47には図示せず)の電子システム2700に実質的に類似する)内に含まれるメモリ内に記憶され得る。
【0160】
[1212] 光学追跡システム8720の撮像デバイス8725は、任意の適切な撮像デバイスとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、撮像デバイス8725は、別個の写真を撮り込むことができ、かつ/又はビデオ・ストリームを連続的に記録することができるカメラ及び/又は類似物とすることができる。撮像デバイス8725は、トロリ8100に結合され、これに対して相対的に固定された位置関係に維持される。
図45~
図47には示されていないが、撮像デバイス8725は、トロリ8100の電子システムに動作可能に結合される。従って、撮像デバイス8725は、取り込まれた画像及び/又はビデオ・ストリームに関連するデータを表す信号を送るように構成され得、受信時に、電子システムは、例えばメモリ及び/又は類似物内にそのデータを記憶することができる。さらに、電子システムのメモリは、トロリ8100の位置に対する相対的な、撮像デバイス8725又は撮像デバイス8725の一部(例えば、レンズ、アパーチャ、焦点位置、電荷結合素子(CCD)センサ、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、及び/又は類似物)の位置に関連するデータを記憶することができる。従って、トロリ8100の電子システム並びにより具体的にはプロセッサ及び/又はモジュールは、例えば、撮像デバイス8725及び/又はトロリ8100の一部に対する相対的な基準座標系を判定することができる。
【0161】
[1213] いくつかの例では、撮像デバイス8725は、例えば歩行トレーニング及び/又は類似物中に使用されている間に、追跡部材8860の1つ又は複数の画像及び/又はビデオ・ストリームを取り込むのに使用され得る。例えば、
図46及び
図47に示されているように、光学追跡システム8720は、追跡部材8860の、従って患者接続機構8800の第1位置P及び第2位置P’を判定するのに使用され得る。より具体的には、いくつかの例で、患者(図示せず)は、患者接続機構8800に(例えば、上で説明したようにハーネス又は類似物を介して)結合され得、歩行トレーニング治療セッションを実行し、これによって、トロリ8100に対して相対的に患者接続機構8800を移動し、支持トラック(
図45~
図47には図示せず)に沿ってトロリ8100を移動することができる。使用中に、撮像デバイス8725は、例えば追跡部材8860の第1位置P及び第2位置P’を判定するために、追跡部材8860の1つ又は複数の画像及び/又はビデオ・ストリームを取り込むことができる。より具体的には、
図46に示されているように、撮像デバイス8725は、1つ又は複数の画像及び/又はビデオ・ストリームを取り込むことができ、1つ又は複数の画像及び/又はビデオ・ストリームに関連するデータを表す信号を、電子システム内に含まれるプロセッサ及び/又はモジュール(例えば、処理モジュール)に送ることができる。プロセッサ及び/又はモジュールは、例えば、画像を解析することができ、基準平面Rからの追跡部材8860の画像の距離D及び追跡部材8860の画像のサイズSを計算することができる。計算された距離D及び計算されたサイズSに少なくとも部分的に基づいて、プロセッサ及び/又はモジュールは、テザー8505の角度A、テザー8505の長さL、及びトロリ8100からの追跡部材8860の距離H(
図47)を判定し、かつ/又は計算し、これによって、追跡部材8860及び患者接続機構8800の第1位置Pを判定することができる。同様に、患者が第1位置Pから移動する時に、撮像デバイス8725は、1つ又は複数の画像及び/又はビデオ・ストリームを取り込むことができ、新しい画像及び/又はビデオ・ストリームに関連するデータを表す信号をプロセッサ及び/又はモジュールに送ることができる。従って、プロセッサ及び/又はモジュールは、例えば、画像を解析することができ、基準平面Rからの追跡部材8860’の画像の第2距離D’及び追跡部材8860’の画像の第2サイズS’を計算することができる。計算された第2距離D’及び計算された第2サイズS’に少なくとも部分的に基づいて、プロセッサ及び/又はモジュールは、テザー8505’の第2角度A’、テザー8505’の第2長さL’、及びトロリ8100からの追跡部材8860’の第2距離H’(
図47)を判定し、かつ/又は計算し、これによって、追跡部材8860’及び患者接続機構8800’の第2位置P’を判定することができる。
【0162】
[1214] トロリ2100が、上では駆動系2300のエンコーダ2470、案内機構2540のエンコーダ2561、及びカム・アセンブリ2570のエンコーダ2587を含み、これらが1つ又は複数のシステム・パラメータ(例えば、位置、速度、加速度など)を判定するのに集合的に使用されるものとして説明され、トロリ8100が、上では1つ又は複数のシステム・パラメータを判定するために光学追跡システム8720を含むものとして説明されるが、他の実施形態では、トロリ及び/又は支持システムは、エンコーダ・システム及び光学追跡システムの任意の適切な組合せを使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、トロリは、任意の個数のエンコーダ(例えば、駆動系、案内機構、及び/又はカム・アセンブリの)及び光学追跡システムからのデータを使用することができる。
【0163】
[1215] トロリ2100及び8100は、上では患者の重量の少なくとも一部を支持するためにトロリ2100及び8100の動作条件を能動的に制御する電子システム(例えば、電子システム2700)を含むものとして説明されるが、いくつかの実施形態では、トロリは、トロリの動作条件の制御に加えて、使用中の患者の歩行に関連する1つ又は複数の特性を判定できる電子システムを含むことができる。例えば、トロリ2100及び/又は8100などのトロリは、トロリの位置に関連する動作条件のセットを判定できるエンコーダ、センサ、及び/又は類似物のセットを含むことができる。具体的には、いくつかの実施形態で、トロリは、
図12~
図26の駆動系2300に類似する駆動系、
図27~
図33の患者支持機構2500に類似する患者支持機構、並びに
図10及び
図11の電子システム2700に類似する電子システムを含むことができ、これらは、トロリに関連する動作条件のセットを判定するのに集合的に使用され得る。電子システムは、動作条件のセットに基づいて、使用中の患者の歩行に関連する1つ又は複数の特性を判定することができる。
【0164】
[1216] 例えば、いくつかの実施形態で、患者支持機構は、なかんずく、テザーに結合されたウインチ・アセンブリ、案内機構、及びカム・アセンブリを含むことができる。ウインチ・アセンブリは、エンコーダ(例えば、エンコーダ2537に類似する)を有することができ、案内機構は、エンコーダ(例えば、エンコーダ2561に類似する)を有することができ、カム・アセンブリは、エンコーダ(例えば、エンコーダ2587に類似する)を有することができる。同様に、駆動系は、エンコーダ(例えば、エンコーダ2470に類似する)を有することができる。電子システムは、少なくとも、駆動機構及び患者支持機構のエンコーダから1つ又は複数の信号を受信するように構成されたプロセッサ及びメモリを含むことができる。いくつかの実施形態では、電子システムは、追跡部材(例えば、追跡部材8860に類似する)の画像又はビデオ・ストリームを取り込むように構成された撮像デバイス(例えば、
図46及び
図47の撮像デバイス8725に類似する)をも含むことができる。
【0165】
[1217] 上で詳細に説明したように、患者支持システムを使用する患者がウォークし始める時に、駆動機構は、彼又は彼女の移動に応答して支持トラックに沿ってトロリを移動することができる。駆動機構のエンコーダは、駆動機構の動作に関連する1つ又は複数の特性を感知することができる。例えば、エンコーダは、支持トラックに対する相対的な駆動機構の位置、支持トラックに沿った駆動機構の並進速度、支持トラックに沿った駆動機構の並進加速度、1つ又は複数の車輪の回転速度、1つ又は複数の車輪の回転加速度、1つ又は複数の車輪の角度方位、モーターの速度及び/若しくは方向、モーターの少なくとも一部に関連する電圧、並びに/又は類似物を感知することができる。次に、上でトロリ2100を参照して詳細に説明したように、エンコーダは、駆動機構の1つ又は複数の特性に関連する信号を電子システムに送ることができ、電子システムは、応答して、駆動機構の以前に定義された動作条件(例えば、メモリ又は類似物内に記憶された)に対する相対的な駆動機構の1つ又は複数の特性の変化に少なくとも部分的に基づいて、プロセッサに駆動機構の動作条件を判定させ、かつ/又は又は更新させることができる。
【0166】
[1218] 同様に、患者のウォーキングに応答して、ウインチ・アセンブリ、案内機構、及び/又はカム・アセンブリのエンコーダ(並びに、その中に含まれる場合に撮像デバイスのエンコーダ)は、患者支持機構の動作に関連する1つ又は複数の特性を感知し、かつ/又は判定することができる。例えば、いくつかの例で、患者が、トロリより速くウォークし、これによって、トロリに対する相対的なテザー及び案内機構の角度を変更する場合がある。案内機構のエンコーダは、案内機構の角偏向を感知することができ、案内機構の角度に関連する信号を電子システムに送ることができる。受信時に、電子システムは、プロセッサに、案内機構の動作条件を判定させ、かつ/又は更新させることができる。
【0167】
[1219] いくつかの例で、患者の移動が、例えば、テザーの一部の長さを増加させる場合がある。従って、テザーの一部は、ウインチ・アセンブリ内に含まれるドラム又は類似物からほどかれ得る。より具体的には、患者がテザーに働かせる力の少なくとも一部が、ドラム又は類似物を回転させ、これが、テザーがほどかれること(すなわち、患者とウインチ・アセンブリとの間のテザーの一部の長さの増加)をもたらす可能性がある。ウインチ・アセンブリのエンコーダは、ウインチ・アセンブリの動作に関連する1つ又は複数の特性を感知することができる。例えば、エンコーダは、ドラムの角度位置、ドラムの回転速度、ドラムの加速度、ウインチ・アセンブリ内に含まれるモーターの速度及び/若しくは方向、ウインチ・アセンブリのモーターの少なくとも一部に関連する電圧、並びに/又は類似物を感知することができる。その後、上でトロリ2100を参照して詳細に説明したように、エンコーダは、ウインチ・アセンブリの1つ又は複数の特性に関連する信号を電子システムに送ることができ、電子システムは、応答して、ウインチ・アセンブリの以前に定義された動作条件(例えば、メモリ又は類似物内に記憶された)に対する相対的なウインチ・アセンブリの1つ又は複数の特性の変化に少なくとも部分的に基づいて、プロセッサにウインチ・アセンブリの動作条件を判定させ、かつ/又は又は更新させることができる。いくつかの例では、ウインチ・アセンブリの更新された動作条件に少なくとも部分的に基づいて、プロセッサは、患者とウインチ・アセンブリとの間に配置されたテザーの一部の長さを判定することができる。いくつかの実施形態で、テザーは、患者がテザーに働かせる力を感知する(例えば、テザーの一部に沿った及び/又はその中の応力、張力、ひずみ、及び/又は類似物を測定することによって)ように構成されたロード・セル又は類似物に結合され得る。ロード・セルは、テザーに働く荷重(例えば、力)に関連する信号を電子システムに送るように構成され得、電子システムは、プロセッサに、患者の働かせる力を判定させることができる。
【0168】
[1220] いくつかの例では、患者がテザーに働かせる力の量は、実質的に突然な形で増加し又は減少する場合がある。例えば、患者がつまずく場合に、テザーに働く力の量は、相対的に突然に増加する。そのような例では、テザーに働く力の増加は、案内機構をピボット回転させ、かつ/又はテザーの一部の長さを増加させる(上で説明したように)と同時に、カム・アセンブリ内に含まれるカム及び/又はカム・アームを回転させる(例えば、
図32及び
図33のカム機構2570を参照して説明したように)可能性がある。言い換えると、カム・アセンブリの少なくとも一部は、テザーの相対的に高速の移動及び/又は偏向に応答して回転するように構成され得る。カム・アセンブリのエンコーダは、例えば位置、速度、加速度、ジャーク、方位、アライメント、力、及び/又は類似物など、カム及び/又はカム・アームの移動に関連する1つ又は複数の特性を感知することができる。その後、上でトロリ2100を参照して説明したように、カム・アセンブリのエンコーダは、カム・アセンブリの1つ又は複数の特性に関連する信号を電子システムに送ることができ、電子システムは、応答して、プロセッサに、カム・アセンブリの以前に定義された動作条件(例えば、メモリ内に記憶された)に対する相対的なカム・アセンブリの1つ又は複数の特性の変化に少なくとも部分的に基づいて、カム・アセンブルの動作条件を判定させ、かつ/又は更新させることができる。
【0169】
[1221] 駆動機構及び/又は患者支持機構の1つ又は複数の動作条件を定義し、判定し、かつ/又は更新することによって、電子システム(例えば、少なくとも電子システムのプロセッサ)は、患者支持システムを使用する患者の重量の少なくとも一部を支持するためにトロリを能動的に制御することができる。上で説明したように、いくつかの例で、駆動系及び/又は患者支持機構の動作条件の変化の大きさは、proportional-integral-derivative(PID)制御に少なくとも部分的に基づく。そのような例では、電子システム(例えば、プロセッサ又はプロセッサと通信している任意の他の電子システム)は、患者支持機構の変化を判定し、PID制御に基づいて変化をモデル化することができる。モデル化の結果に基づいて、プロセッサは、駆動系及び/又は患者支持機構の動作条件の変化の適切な大きさを判定することができる。
【0170】
[1222] 例えば、
図48は、一実施形態による制御図を示す概略図である。この実施形態では、電子システム(上で説明した)は、テザーの一部の中及び/又はこれに沿った張力に少なくとも部分的に基づいて駆動系及び/又は患者支持機構を制御するように構成され得る。具体的には、看護師、技師、療法士、医師、内科医などが、目標テザー張力T
*(例えば、指令されたテザー張力)に関連する所定の値を定義することができる。指令されたテザー張力T
*が、例えばメモリ内に記憶された状態で、電子システムのプロセッサは、テザーの一部の中及び/又はこれに沿った実際の張力Tを指令されたテザー張力T
*と比較して、張力誤差を判定することができる。いくつかの例で、プロセッサは、その後、張力誤差に対して微分制御動作101を実行することができ、微分制御動作101の出力は、例えば、駆動系及び/又は患者支持機構内に含まれるモーターに関連するモーター及び駆動力学102を制御するためにモーター速度コマンドω
M
*を判定するために、1つ又は複数の比例制御動作出力(下でさらに詳細に説明する)に加算され得る。
【0171】
[1223]
図48に示されているように、比例制御動作103は、駆動系及び/又は患者支持機構内に含まれるモーターの実際のモーター速度ω
Mに関連する値に対して実行され得る。さらに、実際のモーター速度ω
Mは、例えば患者支持機構のカム・アセンブリに関連するばね機構力学104を制御するために、テザーの下向きの動き(例えば、患者の働かせる力に応答する)に関連する値Zと共に評価され得る。その結果、プロセッサは、(1)テザーの一部の中及び/又はこれに沿った実際の張力Tの更新された値と(2)カム除荷回転速度ω
Cとを定義することができる。等価モーター速度が、カムの一部に関連する回転速度及び例えばウインチ・アセンブリのドラムに関連する回転速度を評価すること(
図48では符号105によって表される)によって判定され得る。比例制御動作106が、等価モーター速度に対して実行され得、その出力は、その後、比例制御動作103の出力に加算され得る。上で説明したように、比例制御動作103及び106の和は、モーター速度コマンドω
M
*を定義するために微分制御動作101の出力に加算され得る。従って、この実施形態では、上で説明したように、電子システム(例えば、又は少なくともその中に含まれるプロセッサ)は、PID制御フィードバック・ループ及び/又は類似物に少なくとも部分的に基づいて、患者の移動に応答してトロリを制御することができる。
【0172】
[1224] いくつかの場合に、電子システムは、駆動機構及び/又は患者支持機構の動作条件及び/又は動作条件の変化に少なくとも部分的に基づいて、患者の歩行に関連する1つ又は複数の特性を判定することができる。例えば、
図49は、一実施形態による患者の質量中心の変位を示すグラフ200である。図示されているように、患者の質量中心は、歩行サイクル中にシフトし(例えば、約5センチメートル(cm)まで)、このシフトは、患者が患者支持システムを使用する時にテザーに働く力のシフト及び/又は変化をもたらす。例えば、患者の質量中心は、歩行サイクルの約5%及び約55%で最も低い点(すなわち、患者がウォークしている表面に最も近い)にある可能性があり、これは、歩行サイクルの遊脚期の終りに対応する。患者の質量中心は、歩行サイクルの約30%及び約80%に最も高い点(すなわち、患者がウォークしている表面から最も遠い)にある可能性があり、これは、患者の質量中心が彼又は彼女の重量を支える脚を通過することに対応する。同様に、患者の質量中心は、
図49に示されているように、歩行サイクル中に横方向にシフトする可能性がある。患者の重量の少なくとも一部が患者支持機構によって支持される状態で、患者の質量中心のシフトは、患者の重量がテザーに働かせる力の対応するシフト及び/又は変化をもたらす。従って、駆動系及び/又は患者支持機構に関連する1つ又は複数の動作条件に基づいて、プロセッサは、患者の歩行に関連する特性のセットを判定することができる。
【0173】
[1225] 例えば、
図50~
図53は患者の移動に応答する患者支持機構に関連する動作条件を示すグラフである。この例では、患者支持機構に関連する動作条件は、テザー位置及びカム・アセンブリ内に含まれるカムのカム角度に関係し、これらは、患者の歩行に関連する1つ又は複数の特性を判定するのに使用され得る。より具体的には、電子システムのプロセッサは、1つ又は複数のエンコーダ(例えば、ウインチ・アセンブリ、案内部材のエンコーダ、及び/又は任意の他の適切なエンコーダ)から受信された信号に基づいてテザー位置を判定することができ、例えばカム・アセンブリのエンコーダに基づいて、カム角度を判定することができる。
【0174】
[1226]
図50に示されているように、テザー位置及びカム角度は、正常な又は健康な患者の歩行の相対的に遅い移動に応答してグラフ化されている。具体的には、グラフ301は、患者の歩行に応答する、カムに関連する位置を考慮に入れた又は考慮に入れないテザーの一部の位置を示し、グラフ302は、患者の歩行に応答するカムのカム角度を示し、グラフ303は、患者の歩行に応答するテザー位置の変化+カム角度の変化を示し、グラフ304は、患者の歩行に応答するテザーに関連する速度及び加速度を示す。いくつかの例で、グラフ301内に示されたテザーの一部の位置は、患者の移動に相対的に遅い、徐々の、及び/又は実質的な変化に応答して変化することができるが、グラフ302に示されたカムのカム角度は、テザーの相対的に速い、突然の、及び/又は不意の移動に応答して変化する可能性がある。いくつかの例では、テザーの相対的に高速の移動に応答するカム角度の変化は、例えば、そうでなければテザー位置の判定を変更する可能性がある雑音又は類似物を減らすことができる。グラフ303に示されているように、テザー位置の変化及びカム角度の変化が判定され得、これらは、グラフ304に示されているように、テザー位置に関連する速度及び加速度を判定するのに使用され得る。さらに、テザー位置、速度、及び加速度を判定することによって、電子システムのプロセッサは、患者の歩行に関連する1つ又は複数の特性を判定することができる。例えば、いくつかの例で、健康な患者の歩行は、患者の左脚の移動と患者の右脚の移動とを比較する時に、実質的に対称の特性を有し、かつ/又は定義する可能性がある。従って、テザーの位置、速度、及び加速度を判定することによって、プロセッサは、例えば、歩数、移動距離、歩長、速度、左脚及び右脚に関連する歩行特性の間の差、及び/又は任意の他の適切な特性などの歩行特性を判定することができる。
【0175】
[1227] 同様の形で、
図51は、正常な又は健康な患者の歩行の相対的に速い移動に応答するテザー位置及びカム角度を示すグラフを示す。具体的には、グラフ401は、患者の歩行に応答する、カムに関連する位置を考慮に入れた又は考慮に入れないテザーの一部の位置を示し、グラフ402は、患者の歩行に応答するカムのカム角度を示し、グラフ403は、患者の歩行に応答するテザー位置の変化+カム角度の変化を示し、グラフ404は、患者の歩行に応答するテザーに関連する速度及び加速度を示す。
図50及び
図51からわかるように、患者の移動に関連する速度は、テザー位置及びカム角度の異なる応答をもたらす可能性がある。従って、電子システムのプロセッサは、患者の相対的に速い歩行に関連する任意の適切な歩行特性を判定することができ、この歩行特性は、患者の相対的に遅い歩行に関連する対応する歩行特性とは異なる可能性がある。
【0176】
[1228]
図50及び
図51のグラフは、正常な又は健康な患者の歩行に対する相対的なテザー位置及びカム角度を示すが、
図52及び
図53は、障害を有する患者の歩行、具体的には脚の一方を引きずることをもたらす障害を有する患者の歩行に対する相対的なテザー位置及びカム角度を示す。例えば、
図52では、グラフ501は、障害を有する患者の歩行に対する相対的なカムに関連する位置を考慮に入れた及び考慮に入れない、テザーの一部の位置を示し、グラフ502は、障害を有する患者の歩行に対する相対的なカムのカム角度を示し、グラフ503は、障害を有する患者の歩行に対する相対的なテザー位置の変化+カム角度の変化を示し、グラフ404は、障害を有する患者の歩行に対する相対的なテザーに関連する速度及び加速度を示す。同様に、
図53では、グラフ601は、障害を有する患者の歩行の分回し移動に対する相対的なカムに関連する位置を考慮に入れた及び考慮に入れない、テザーの一部の位置を示し、グラフ602は、障害を有する患者の歩行の分回し移動に対する相対的なカムのカム角度を示し、グラフ603は、障害を有する患者の歩行の分回し移動に対する相対的なテザー位置の変化+カム角度の変化を示し、グラフ604は、障害を有する患者の歩行の分回し移動に対する相対的なテザーに関連する速度及び加速度を示す。
【0177】
[1229]
図52及び
図53からわかるように、患者に歩行中に一方の脚を引きずらせる障害は、障害を有しない患者の歩行から生じるテザー位置及びカム角度の応答に対して相対的により一貫性のない、不意の、及び/又は他の形でより不規則なテザー位置及びカム角度の応答をもたらす。いくつかの例で、障害を有する患者の歩行から生じるテザー位置の位置、速度、及び/又は加速度は、障害を有しない患者の歩行から生じるテザー位置の位置、速度、及び/又は加速度と比較され得る。従って、電子システムのプロセッサは、障害を有する患者の歩行の特性を判定し、予測し、かつ/又は他の形で解析することができ、この特性は、治療処方計画、治療進捗レポート、診断方法、及び/又は類似物を定義するのに使用され得る。
【0178】
[1230] いくつかの例で、患者支持システム(及び/又は本明細書で説明される患者支持システムのいずれか)は、患者の歩行に関連する特性を判定し、供給し、かつ/又は定義するように構成された任意の他の適切なデバイスに関連して使用され得る。いくつかの例で、駆動機構及び/又は患者支持機構の1つ又は複数の動作条件の解析は、例えば障害を有する患者の歩行を改善するように構成された電気刺激装置に関連するデータの解析に関連して使用され得る。例えば、患者支持システムは、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2014年4月4日に出願した米国特許公告第2014/0303705号、名称「Orthosis for a Gait Modulation System」に記載されたものなど、下垂足又は類似物を経験する患者の歩行を容易にするように構成された電気刺激装置を身に着けた患者を支持するのに使用され得る。
図54に示されているように、電気刺激装置は、電気刺激装置及び/又は障害を有する患者の歩行に関連する1つ又は複数の動作条件を定義することができる。例えば、
図54に示されているように、電気刺激装置は、前への動き若しくは後への動き、横の動き、全体的な動き(例えば、横の動きと前への動き若しくは後への動きとの組合せ)、及び/又は踵接地(heel on)事象若しくは踵離地事象に関連する圧力を感知し、かつ/又は判定することができる。この例では、グラフ701は、電気刺激装置の動作に関連する加速度を示し、グラフ702は、電気刺激装置の動作に関連する速度を示し、グラフ703は、電気刺激装置の動作に関連する回転を示し、グラフ704は、電気刺激装置の動作に関連する角度を示す。
【0179】
[1231] いくつかの実施形態では、電気刺激装置は、その動作条件のうちの1つ又は複数に関連する信号を患者支持システムの電子システムに送ることができる。従って、プロセッサは、駆動系及び/又は患者支持機構並びに電気刺激装置から受信したデータに基づいて、障害を有する患者の1つ又は複数の歩行特性を判定することができる。例えば、
図55は、患者支持システム及び電気刺激装置に関連するデータに少なくとも部分的に基づいて判定された(上で詳細に説明したように)患者の歩行特性のセットのグラフ表現を示す。具体的には、グラフ801は、患者の歩行中の遊脚及び接地の持続時間を示し、グラフ802は、患者の歩行の遊脚対接地比を示し、グラフ803は、患者の歩行の歩調を示し、グラフ804は、患者の脚の一方又は両方に関連する、前可動域(ROM)及び横ROMを示し、グラフ805は、患者の脚の一方又は両方に関連する前対横比を示し、グラフ806は、患者の歩行の歩長及び高さを示す。従って、患者支持システム及び任意の他の適切なデバイスに関連する動作条件は、患者の歩行の1つ又は複数の特性を判定するのに使用され得る。さらに、電子システムは、患者の歩行の1つ又は複数の特性に関連するデータを出力する命令を示す信号を任意の適切な出力デバイス(例えば、モニタ、ラップトップ、パーソナル・コンピュータ、ハンドヘルド・コントローラ、スマートフォン、及び/又は類似物)に送るように構成され得る。
【0180】
[1232] 上で説明したように、本明細書で説明される患者支持システム及び/又は部分免荷システムのいずれもが、そのシステムを使用する間の患者の歩行の解析を容易にするのに使用され得、かつ/又は他の形で容易にすることができる。例えば、いくつかの実施形態で、患者支持システムは、患者の歩行に関連するデータを判定し、そのデータをディスプレイ上でグラフィカルに及び/又は英数字的に表すために、電子デバイス(例えば、パーソナル・コンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、コントローラ、リモート・ディスプレイ、ワークステーション、サーバ、及び/又は類似物)と共に使用され得る。患者支持システムは、例えば、トロリ速度、移動距離、テザー長、カム角度、体重除荷、経過時間、及び/又は任意の他の適切なデータ・セットを判定するために、トロリ追跡及び動的体重エンジン、モジュール、プロセッサ、コンピュータ・デバイス、その他を含むことができる。
【0181】
[1233] さらに、本明細書で説明されるものなどの患者支持システムが、例えば、電気刺激装置システム又は、任意の他の適切な電気データ収集システム及び/若しくは電子データ収集システムと共に使用される時に、患者支持システムは、例えば踵接地事象若しくは踵離地事象及び/又は他の歩行相に関連する信号をそのような電気システム又は電子システムから受信し、かつ/又はこれに送るように構成され得る。従って、いくつかの例で、本明細書で説明される患者支持システムは、ステップ持続時間、ステップ長、ウォーキング速度、歩行パターンの対称レベル(左/右)、及び/又は任意の他の適切な歩行特性を計算し、かつ/又は判定することができる。さらに、本明細書で説明される患者支持システムは、計算され、かつ/又は判定された歩行特性のグラフ表現、数値表現、及び/又は英数字表現をディスプレイ上に提示させる1つ又は複数の信号を(例えば、有線通信又は無線通信を介して)、例えば電子デバイスに送ることができる。他の例では、患者支持システムは、患者支持システムの1つ又は複数の動作条件に関連するデータを電子デバイスに送ることができる。そのような例では、電子デバイスは、患者支持システムから受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、歩行特性を計算し、かつ/又は定義することができる。さらに、電気刺激装置は、患者の歩行に関連するデータを実質的に患者支持システムと同時に電子デバイスに送ることができる。他の例では、電気刺激装置は、患者の歩行に関連するデータを患者支持システムに送ることができ、患者支持システム(例えば、その中に含まれるプロセッサ、モジュール、又は計算デバイス)は、患者支持システムに関連するデータ及び電気刺激装置に関連するデータを集計することができ、集計されたデータ・セットを電子デバイスに送ることができる。
【0182】
[1234] いくつかの実施形態では、患者支持システム及び/又はこれと通信している電子デバイスは、1つ又は複数の所定の運動、ルーチン、検査、及び/又は類似物に関連するデータを記憶するメモリ及び/又は少なくとも1つのモジュールを含むことができる。例えば、メモリ及び/又はモジュールは、患者のウォーキングの能力を追跡し、その改善を助けるために、患者の現在の及び/又は以前の歩行検査又は歩行解析を解析するために運動のセットに関連するデータを含むことができる。いくつかの例で、患者支持システム及び/又はこれと通信している電子デバイスは、運動、ルーチン、検査、及び/又は類似物に関連するデータをグラフ的に表現することができる。
【0183】
[1235] 例えば、
図56は、非対称運動に関連するデータのグラフ表現を示すスクリーンショット901である。非対称運動のスクリーンショット901は、患者の垂直非対称(ある側より反対側により大きく傾くこと)及び彼又は彼女の水平非対称(ステップ持続時間の間の差)を視覚的に示す。図示されているように、対称は、位置対称棒グラフ並びにラジオ・ダイヤル内に表示され得、この位置対称棒グラフ及びラジオ・ダイヤルは、例えば変化するテザー位置及びウォーキング速度のヒストリを示すリアル・タイム・グラフによって補足され得る。非対称検査中及びその後に、患者支持システム及び/若しくは電子デバイスは、平均ウォーキング速度、最小ウォーキング速度、及び/若しくは最大ウォーキング速度、垂直対称及び/若しくは水平対称、並びに/又は類似物に関連するデータがディスプレイ上でグラフ的に表現されるように、信号又は命令を送ることができる。
【0184】
[1236] 別の例として、
図57は、timed-up-and-go(TUG)運動に関連するデータのグラフ表現を示すスクリーンショット902である。TUG運動のスクリーンショット902は、患者が座位から立ち上がり、所定の距離をウォークし、座るのに要する時間に関連する、患者支持システム及び/又は電子デバイスによって定義されたデータをグラフ的に表現することができる。TUG運動中及びその後に、患者支持システム及び/又は電子デバイスは、TUGトレーニング運動中の平均速度、最小速度、及び/又は最大速度に関連するデータがディスプレイ上でグラフ的に表現されるように、信号又は命令を送ることができる。さらに、患者支持システム及び/又は電子デバイスは、起立、ウォーキング、及び着座のプロセスのヒストリ、テザー位置(上で詳細に説明したように、患者支持システムの患者支持機構内に含まれる)、及び/又は時間持続時間、並びに運動中のウォーキング速度を示すリアル・タイム・グラフなど、データをディスプレイ上にグラフ的に表現させることができる。時間持続時間に少なくとも部分的に基づいて、転倒リスク(例えば高又は低)が、患者に関して判定され得る。さらに、TUG運動に関連するデータは、患者の以前のTUG運動からのヒストリカル・データ(例えば、メモリ内に記憶された)と比較され得、これによって、臨床医又は療法士が患者の歩行の改善を保持することを可能にする。
【0185】
[1237] 別の例として、
図58は、timed-distance運動に関連するデータのグラフ表現を示すスクリーンショット903である。例えば、ユーザ(例えば、臨床医及び/又は患者)は、固定距離(例えば、10メートル)又は固定時間(例えば、2分)のいずれかを選択することができる。その後、患者は、その距離又はその時間だけウォークし、患者支持システム及び/又は電子デバイスは、患者のパフォーマンスを判定し、かつ/又は定義することができる。固定距離に関して、timed-distance運動は、歩行速度及び持続時間を判定することができる。固定時間に関して、timed-distance運動は、合計移動距離及び/又は歩行速度を判定することができる。患者支持システム及び/又は電子デバイスは、移動距離及びウォーキング速度、平均ウォーキング速度、最小ウォーキング速度、及び/若しくは最大ウォーキング速度、並びに/又は類似物を示すリアル・タイム・グラフなどのデータをディスプレイ上でグラフ的に表現させることができる。
【0186】
[1238] 上で説明したように、運動、ルーチン、検査、その他に関連するすべてのデータは、例えばメモリ内に保存され得、運動後解析のために再生され、かつ/又は他の形で提示され得る。さらに、任意の所与の運動に関連するデータは、ベースラインとして保存され得、従って、患者の歩行の改善を示すために将来の運動に対して比較するのに使用され得る。いくつかの例では、歩行速度、距離、時間、立ち上がる時間、座る時間、歩調、対称インデックス、又は類似物、並びにPerry Ambulatory Category、Functional Ambulation Category、及び/又は転倒リスクを含む所与の運動の詳細を提供するために、レポートが、定義され(例えば、患者支持システム及び/又は電子デバイスによって)、ディスプレイ上でグラフ的に表現され得る。
【0187】
[1239] 患者支持機構及び/又は電子デバイス(又は、その中に含まれるプロセッサ、モジュール、計算デバイスなど)は、例えばテザー位置、カム角度、ウォーキング速度、モーター速度、踵接地事象若しくは踵離地事象(及び/又は他の歩行相)、及び/又は類似物に関連するデータに基づいて、運動、ルーチン、検査、又は類似物を実行するように構成され得る。いくつかの例で、患者支持機構及び/又は電子デバイスは、例えば、患者の歩行の垂直対称を判定するために、2つの踵事象の間のテザー(すなわち、上で詳細に説明したように、患者支持機構内に含まれる)の位置の変化を判定することができる。いくつかの例で、データは、歩行パターン及び/又は歩行特性を判定するために、直線テザー位置及び/又はカム角度(例えば、線分グラフ)と、テザー位置及び/又はカム角度(直線長さに変換される)のその導関数(例えば、傾き又は変化の速度)との両方に基づくものとすることができる。
【0188】
[1240] 判定された歩行パターンに基づいて、患者支持機構及び/又は電子デバイスは、線分グラフ又は導関数グラフとしてグラフ的に表現され得る、歩行事象に関連するピーク及び/又は谷を判定することができる。いくつかの例では、患者支持機構及び/又は電子デバイスは、例えば、線分グラフ及び/又は導関数グラフを正規化するのに中点論理(midpoint logic)を使用することができる(例えば、グラフ・オフセットを除去する、又は類似物)。いくつかの例で、グラフのピーク及び谷(例えば、データの極小値及び/又は極大値)は、踵接地事象又は踵離地事象を判定するために使用され得る。異なる所定の歩行パターン(例えば、正常なウォーカーに関する第1カテゴリ及び病気のウォーカーに関する第2カテゴリ)に基づいて、ピーク及び谷が、異なって定義され、かつ/又は判定され得る。例えば、正常なウォーカーに関して、谷(局所的に最短のテザー位置)は、歩行の立脚中期(両脚支持)付近である可能性がある。逆に、病気のウォーカーに関して、谷は、ステップ中である可能性がある。
【0189】
[1241] ピーク及び谷が、それぞれの踵接地事象又は踵離地事象に関連付けられた後に、以前のステップのテザー位置と現在のステップのテザー位置との間の差が、テザー位置の変化を定義する(例えば、右ステップと左ステップとの間の垂直対称差又は2つの後続ステップの間の差を判定する)ために判定され得る。以前のステップの経過時間及び現在のステップの経過時間も、ステップ持続時間の変化を定義する(例えば、水平対称を判定する)ために判定され得る。
【0190】
[1242] 患者支持システムが、上では歩行パターン及び/又は歩行特性を判定するために1つ又は複数の動作条件を使用するものとして説明されるが、他の例では、患者支持システムの1つ又は複数の動作条件は、部分免荷の所定のレベル又は所定の量に対する相対的な部分免荷の現在のレベル又は現在の量を判定するのに使用され得る。いくつかの実施形態では、患者支持システム(「支持システム」)は、テザーに関連する特性に基づいて部分免荷の所定の量を提供する(又は、所定の形及び/若しくは事前にプログラムされた形で部分免荷を提供する)ようにプログラムされ、かつ/又はセットされ得る。例えば、いくつかの実施形態で、支持システムは、例えばテザーの所定の伸延及び/又は事前定義の伸延の後に(例えば、患者の転倒又は部分的転倒に応答して)、患者に支持を提供するように構成され、かつ/又はプログラムされ得る。言い換えると、支持システムは、患者が所定のしきい値を超えて転倒した後に、患者の体重の少なくとも一部を支持するように構成され、かつ/又はプログラムされ得る。
【0191】
[1243] 例えば、
図59及び
図60は、それぞれ、支持システム、より具体的には「転倒予防」構成、セッティング、インターフェース、及び/又は類似物に関連するデータのグラフ表現を示すスクリーンショット904及び904Aである。上で説明したように、いくつかの例で、支持システムは、患者が転倒し又は転倒し始めることに応答するテザーの伸延に基づいて、患者の体重の少なくとも一部の支持を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態で、例えば、支持システム及び/又はその中に含まれるエレクトロニクス・アセンブリは、テザーの初期長さ(例えば、患者及び/又はユーザが静止し、かつ/又は転倒しつつあるのではない時の)を判定し、定義し、かつ/又は計算するように構成され得る。患者及び/又はユーザがウォーキングを開始する時に、エレクトロニクス・アセンブリは、現在のテザー長に関連するデータを1つ又は複数のセンサ、エンコーダ、及び/又は類似物から受信することができる。いくつかの例で、患者、ユーザ、療法士、及び/又はトレーナは、支持システムが患者に支持を提供する前にテザーの長さが増加され得るしきい量に対応する転倒限界(例えば、判断基準又はしきい値)をセットすることができる。言い換えると、ユーザ、療法士、トレーナなどは、支持システムが支持を提供する前にユーザが転倒できる転倒許容範囲及び/又は最大距離をセットすることができる。
【0192】
[1244]
図59及び
図60に示されているように、いくつかの実施形態で、デフォルト転倒限界及び/又はテザーの伸延のデフォルトしきい量は、例えば約4インチとすることができる。テザーの長さが、しきい値を超えて増やされた後(例えば、患者及び/又はユーザが転倒限界を超えて降下(転倒)した後)に、支持システムは、テザーがロックされ得、かつ/又は追跡システム又は駆動系が非アクティブ化される支持構成(例えば、支持構成又は転倒予防構成)に推移することができる。いくつかの例で、患者、ユーザ、及び/又は臨床医は、例えば
図60のスクリーンショット904Aに示されたグラフィカル・インターフェースにかかわることによって、転倒限界及び/又はしきい値を調整することができる(例えば、1つ又は複数のオンスクリーン・ボタンを押すことによって、並びに/又は所定の転倒限界、しきい値、及び/若しくは判断基準を他の形で選択することによって)。図示されているように、調整される値、限界、及び/又はしきい値は、グラフィカル・インターフェース上に提示され得る(例えば、テキスト内又は1つ若しくは複数の画像を介して)。
【0193】
[1245] いくつかの実施形態では、例えば、転倒限界及び/又はしきい値は、約1.0インチと約36.0インチとの間であり得る。そのような実施形態では、転倒限界に1.0インチをセットすることは、支持システムが最高レベルの支持を提供する(例えば、患者の支持を開始する前に最小量の転倒を許容する)ようなものとすることができ、転倒限界に36.0インチをセットすることは、支持システムが、最低レベルの支持を提供する(例えば、患者の支持を開始する前に最大量の転倒を許容する)ようなものとすることができる。いくつかの実施形態では、転倒限界及び/又はしきい値は、約1.0インチの増分によって調整され得る。他の実施形態では、調整増分は、1.0インチより大きい又は1.0インチより小さいものとすることができる。いくつかの例で、転倒限界及び/又はしきい値は、支持システムが使用中である間又は使用の間に調整され、かつ/又は変更され得る。さらに、いくつかの例で、支持システム及び/又はエレクトロニクス・アセンブリは、例えば患者接続機構の高さを計算し、かつ/又は判定するように構成され得、高さに関連するデータは、ディスプレイ上でグラフ的に表現され得る。例えば、
図59及び
図60に示されているように、テザー、患者、及び/又は患者接続機構の高さは、転倒限界及び/又はしきい値に対して相対的に、棒グラフ又は類似物上でグラフ的に表現され得、これは、ユーザのパフォーマンス又は類似物の実質的にリアル・タイムの視覚化を可能にすることができる。
【0194】
[1246] いくつかの実施形態では、管理者又はユーザは、患者接続機構(例えば、上で
図34を参照して説明した患者接続機構2800)の所定の及び/又は所望の高さに対応する初期テザー長又は類似物をプログラムし、かつ/又はセットすることができる。より具体的には、ユーザ又は管理者は、例えば高さ、重量などの患者情報を入力し、かつ/又は供給することができる。ユーザの高さに基づいて、支持システムは、テザー及びユーザが身に着けるハーネスに接続された時の患者接続機構の所定の及び/又は所望の高さ又は位置(例えば、y方向の)を計算するように構成され得る。この形で、患者接続機構の所定の及び/又は所望の位置(例えば、中立位置又は「ゼロ点」)は、例えば、患者接続機構の現在位置がそれと比較され得る基準点又は類似物とすることができる。例えば、患者接続機構がゼロ点より高い場合に、支持のレベル又は量が下げられ得(例えば、テザーの張力の量を減らし、かつ/又はテザーのより多くの「たるみ」を他の形で許容するために)、かつ/又は患者支持システムが、新しいゼロ点を定義するためにリセットされ得る。逆に、患者接続機構がゼロ点より低い場合には、支持のレベル又は量が増やされ得る(例えば、テザーの張力の量を増やし、かつ/又はテザーのたるみの量を他の形で減らすために)。
【0195】
[1247] いくつかの例で、支持システムは、使用中にゼロ点を調整し、かつ/又は更新するように構成され得る。例えば、いくつかの例で、テザー長(又は患者接続機構の高さ)の変化の量、テザー長の変化の速度、及び/又はゼロ点に対する相対的な変化の合計持続時間の評価は、高度の変化を有する表面又は類似物に沿って患者がウォークすることを可能にすることができる。例えば、いくつかの例で、支持システム(又はその電子システム)は、高さの変化の相対的に低い速度に応答して、及び/又は変化が高さが時間の相対的に長い持続時間にわたる時に、ゼロ点又は基準点を調整し、かつ/又は更新することができる。そのような例では、例えば、支持システムは、患者が高度の変化を有する表面に沿ってウォークしていると判定することができ、従って、「ゼロ点」又は基準点を動的に又は能動的に調整し、かつ/又は更新することができる。そのような条件の下で、支持システムは、テザー長の変化の量が転倒限界に達し、かつ/若しくは超える前に、ゼロ点を調整し、かつ/又は更新するように構成され得、あるいは、変化の量が転倒限界に達し、かつ/若しくは超えた後でゼロ点を調整し、かつ/又は更新することができる。他の例では、支持システムは、高さの変化が相対的に高い速度である時及び/又は高さの変化が相対的に短い時間にわたる時に、テザー長の変化の量が転倒限界に達し、かつ/又は超えることに応答して、支持を提供することができ、かつ/又は支持構成に推移することができる。言い換えると、支持システムは、患者が、高度の変化を有する表面に沿って移動しているのではなく転倒しつつあると支持システムが判定する時に、支持を提供することができ、かつ/又は支持構成に推移することができる。
【0196】
[1248] 支持システムは、上では距離又はテザーの一部の長さ(例えば、転倒限界又は転倒許容範囲)に基づく転倒予防システム及び/又は転倒予防方法を含み、かつ/又は実施するものとして説明されるが、他の実施形態では、支持システムは、支持システムの任意の適切な特性及び/又はパラメータに基づく転倒予防システム及び/又は転倒予防方法を含み、かつ/又は実施することができる。例えば、いくつかの例で、支持システムは、支持システムを「能動身体制御モード」に配置する際に動作可能な入力をユーザ及び/又は臨床医から受信するように構成され得る。いくつかの例で、例えば、支持システム及び/又はエレクトロニクス・アセンブリは、支持システムを「距離」又は「転倒限界モード」(例えば、
図60参照)から「能動身体制御モード」(例えば、
図61参照)に切り替える際に動作可能な入力を受信することができる。すなわち、いくつかの実施形態では、エレクトロニクス・アセンブリのプロセッサは、支持システムを「転倒限界モード」又は「能動身体制御モード」に配置するために命令のセット及び/又はコード(例えば、メモリ内に記憶された)を実行するように構成され得る。
【0197】
[1249] いくつかの実施形態では、能動身体制御モードは、例えばテザーの長さの変化の速度(例えば、テザーの速度)に基づいて患者の体重の一部を動的に支持するように構成され得る。いくつかの例で、テザーの長さの変化の速度に基づいて、支持すべき体重の量を判定することは、支持の量をテザーの長さのみに基づかせる時より広い可動域を可能にすることができる。さらに、上で「距離」モードを参照して説明したように、支持システムは、支持システムの応答を改善し、かつ/又は調整するために、速度の変化の持続時間を評価するように構成され得る。
【0198】
[1250]
図61に示されているように、いくつかの実施形態で、支持システムは、「最小」レベルの支持(最低レベルの転倒予防を提供するように構成される)、「中」レベルの支持(最小レベルより高い、適度な量又は中レベルの転倒予防を提供するように構成される)、又は「最大」レベルの支持(中レベルより高い、最高レベルの転倒予防を提供するように構成される)を提供するようにプログラムされ、かつ/又はセットされ得る。他の実施形態では、支持システムは、3つを超えるレベルの支持(例えば、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、又はより多くのレベルの支持)を提供するように構成され得る。
【0199】
[1251] 上で説明したように、支持のレベルは、所定の時間にわたるテザー長の変化の速度に基づくものとすることができる。すなわち、支持のレベルは、テザー長(又は患者接続機構の高さ)の変化の速度及びテザー長の変化の全体的な持続時間(時間)の関数とすることができる。いくつかの例で、患者支持システムは、例えばカム・アセンブリ及び/又はウインチ・アセンブリに関連する動作条件に基づいてテザーの長さの変化の速度を判定するように構成され得る。いくつかの例で、テザー長の変化の相対的に高い速度(カム・アセンブリ、ウインチ・アセンブリ、及び/又は支持システムの任意の他の適切な部分の動作条件によって判定される)は、患者の転倒を示す可能性があり、従って、患者の体重の一部を能動的に支持するために、支持システムが支持システム(例えば、トロリ)の1つ又は複数の動作条件を更新することをもたらすことができる。
【0200】
[1252] いくつかの例で、転倒予防システム及び/又は転倒予防方法を「最大」量の支持にセットすることは、支持システムが、テザーの長さの変化の相対的に低い速度に応答して支持を提供する(例えば、相対的に低い速度判断基準及び/又はしきい値)ようなものとすることができる。いくつかの例で、転倒予防システム及び/又は転倒予防方法を「適度な」量の支持にセットすることは、支持システムが、システムが「最大」量の支持にセットされた時の変化の速度より高いテザーの長さの変化の速度に応答して支持を提供するようなものとすることができる。他の例で、転倒予防システム及び/又は転倒予防方法を「最小」量の支持にセットすることは、支持システムが、システムが「適度な」量の支持にセットされた時の変化の速度より高いテザーの長さの変化の速度に応答して支持を提供するようなものとすることができる。さらに、テザー長の変化の持続時間を評価し、かつ/又は判定することによって、支持システムは、例えば、テザー長の変化の速度が、ユーザがウォーキング又はランニングの速度を変更した結果、ユーザが座位から立位に立ち上がった結果、ユーザが転倒した結果、その他であるのかどうかを判定するように構成され得る。
【0201】
[1253] いくつかの例で、転倒予防及び/又は支持のレベルは、変化の速度の持続時間に少なくとも部分的に基づくものとすることができる。例えば、いくつかの例で、テザー長の変化の速度が所定のしきい値に達し、かつ/又は超える時に、支持システムは、テザー長の変化の持続時間を判定するように構成され得る。いくつかの例で、転倒予防システムを「最大」支持レベルにセットすることは、持続時間に関連する許容範囲及び/又はしきい値が、転倒予防システムが「最小」支持レベルにセットされる時の持続時間に関連する許容範囲及び/又はしきい値より小さくなるようなものとすることができる。従って、支持システムは、所定の持続時間にわたるテザー長(又は患者接続機構の高さ)の変化の速度の増加に応答して、支持を提供するように構成され得、かつ/又は支持構成に推移するように構成され得る。
【0202】
[1254] いくつかの実施形態で、支持システムは、所定のプログラム及び/又はメトリック(例えば、timed-up-and-go test、sit-to-stand test、所定の最小ウォーキング速度、所与の時間内の転倒の所定の回数など)に対する患者及び/又はユーザのパフォーマンスに基づいて支持のレベルを更新するように構成され得る。支持のレベルは、療法士、管理者、及び/又はユーザによって手動で更新され得る。他の例では、ユーザ又は管理者が、判断基準又は類似物(例えば、転倒の回数など)のセットを定義することができる、この判断基準又は類似物のセットは、満足される場合に、支持システムが支持の量を自動的に更新する(例えば、支持の量又はレベルを増加させ又は減少させる)ことをもたらす。さらに、いくつかの例で、支持システム及び/又は転倒予防システムは、各検査に関連するデフォルト・モード又は類似物を有することができる。例えば、いくつかの例で、支持が「距離」モードではなくテザーの長さの変化の速度に基づくように、転倒予防システムを「能動身体制御」モードに自動的に配置することが望ましい場合がある。
【0203】
[1255] いくつかの実施形態では、支持システムは、患者接続機構をゼロ点に配置するために、転倒又は類似物の後にシステムを「リセット」するように構成され得る。例えば、いくつかの例で、支持システム及び/又は転倒予防システムは、
図63のスクリーンショット905によって示されるように、「自動回復」を含むことができ、かつ/又は実行することができる。そのような例では、システムは、ユーザが転倒した後にデフォルト・セッティング及び/又は以前のセッティング(例えば、所定の及び/又はデフォルトのテザー長)にリセットするように構成され得る。さらに、いくつかの例で、支持システムは、転倒又は類似物の後に、ユーザが回復する(例えば、立ち上がる)時に支持を提供することができる。
【0204】
[1256] 転倒予防システムは、上ではテザー長の変化の量、テザー長の変化の速度、及びテザー長の変化の持続時間に基づくものとして説明されるが、他の例では、転倒予防システムは、使用不能にされ、一時停止され、オフに切り替えられ、その他を行われ得る。例えば、戻って
図62を参照すると、スクリーンショット904Cは、「使用不能」モードの転倒予防システムを示す。そのような例では、例えば歩行前アクティビティ及び/又は使用前アクティビティを実行する時に、転倒予防システムを「使用不能」モードに配置することが望ましい場合がある。
【0205】
[1257] 上で詳細に説明したように、支持システム及び/又はトロリは、トロリがユーザ又は患者の実質的に頭上の位置に維持されるように、1つ又は複数のシステム・パラメータ及び/又は動作条件を調整するように構成され得る。いくつかの例で、トロリの駆動系は、例えばテザー又は案内機構(例えば、案内機構2540)の角度に基づいて、ユーザ又は患者の実質的に頭上にトロリを維持するために、支持トラックに沿ってトロリを移動するように構成され得る。いくつかの実施形態で、支持システムは、支持トラックの軸に垂直な方向での患者移動を考慮に入れることもできる。すなわち、支持システムは、歩行中の横の患者移動及び/又は動揺を考慮に入れるように構成され得る。
【0206】
[1258] いくつかの実施形態で、トロリ及び/又はその少なくとも一部は、支持トラックの長さに沿った移動に加えて、左右の動き(横の動き)で移動するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態で、トロリ及び/又は案内機構は、トロリ及び/又は案内機構がそれぞれ横方向に移動する(トロリが支持トラックの軸に沿って移動する時又はトロリが支持トラックの軸に沿った静止位置にある時に)ことを可能にするように構成された1つ又は複数のスライド、懸架部材、及び/又は類似物を有することができる。この形で、トロリ又はその一部は、患者及び/又は患者接続機構の実質的に頭上の位置にテザーを維持するために、2自由度を伴って移動することができる(例えば、90°の角度で又はトロリから実質的に垂直に延びる)。
【0207】
[1259] 他の実施形態では、トロリ及び/又はその一部は、左右の動き(横の動き)の量を感知し、かつ/又は判定するように構成された1つ又は複数のセンサ、エンコーダ、ジャイロスコープなどを含むことができる。例えば、いくつかの例で、案内機構又は類似物は、2つの軸の回りでピボット回転するように構成され得、各軸の回りのピボット位置、速度、及び/又は加速度を感知し、かつ/又は判定するように構成された1つ又は複数のセンサ、ジャイロスコープ、エンコーダなどを含むことができる。言い換えると、案内機構は、前後の移動(ピボット回転)並びに左右の移動(ピボット回転)を可能にすることができ、各方向での移動を感知し、かつ/又は検出するように構成された1つ又は複数のセンサ又は類似物(例えば、2自由度センサ又は類似物)を含むことができ、かつ/又はこれに動作可能に結合され得る。従って、各方向でのテザー及び/又は案内機構の角度位置、角速度、及び/又は角加速度が、判定され、かつ/又は感知され得、センサ又は類似物から受信されるデータは、患者支持システムの1つ又は複数の動作条件を判定し、かつ/又は更新するために、他のセンサ及び/又はエンコーダ(上で説明した)からのデータと一緒に使用され得る。
【0208】
[1260] 上で説明したように、支持システムは、任意の適切な個数のセンサ、エンコーダ、ジャイロスコープ、変換器(例えば、力変換器)、及び/又は類似物(本明細書では集合的に「センサ」と称する)を含むことができる。支持システムの電子システムは、センサからデータを受信することができ、所定の及び/又は所望のレベル又は量のユーザ又は患者の支持を提供するために、支持システムの1つ又は複数の動作条件を判定し、かつ/又は更新することができる。いくつかの例で、センサから受信されたデータは、所定の及び/又は標準的な値又はレベルと比較され得、その間の誤差は、動的な及び/又は能動的な部分免荷の量を判定するのに使用され得る。
【0209】
[1261] 患者支持システム及び/又は部分免荷システムのいずれもが、患者の歩行又は歩行トレーニング中に使用されるように構成された任意の他の適切なデバイスに関連して使用され得、かつ/又はこれを含むことができる。いくつかの実施形態で、そのようなデバイスは、副トレーニング・デバイス、電子デバイス若しくはコンピュータ、整形若しくは歩行支援デバイス、移動するプラットフォーム、表面、若しくは通路(例えば、トレッドミル又は類似物)、及び/又は任意の他の適切なデバイスとすることができる。例えば、患者支持システムは、カメラ、赤外線のエミッタ及び受信器、可視光の光源及びセンサ、磁気センサ、フォース・プレート及び/若しくはプレッシャ・プレートと力センサ及び/若しくは圧力センサと、並びに/又は類似物を含むことができる。いくつかの実施形態で、患者支持システムは、例えば、患者がそれに沿って歩くべき所定のトラック又は経路に関連するデータのグラフィカル表現を投影するように構成されたプロジェクタを含むことができる。いくつかの例で、そのようなプロジェクタは、一時停止標識、方向標識、その回りでウォークすべき障害物、その他などの画像を投影することができる)。さらに、いくつかの例では、プロジェクタによって表面に投影された目標位置に達する患者は、患者パフォーマンス・スコアを判定するのに使用される値又は類似物(例えば、相対的に高い値)に関連付けられ得る。その一方で、障害物を回避できないこと及び/又はプロジェクタによって表面に投影された所定の経路に従えないことは、値、スコア、及び/又は類似物(例えば、相対的に低い値)に関連付けられ得る。いくつかの例で、そのようなプロジェクタは、ウォークする患者のホログラムを投影することができ、その結果、患者は、正面又は背後のいずれかから、ウォークする彼ら自身を見られるようになる。
【0210】
[1262] いくつかの実施形態で、患者支持システム及び/又は部分免荷システムは、ユーザ(又は患者)が任意の適切な表面に沿ってウォークし、かつ/又はその表面に対して他の形で相対的に移動する間に使用され得る。いくつかの例で、例えば、ユーザは、ユーザが立ち、ウォークし、走るなどを行う時にユーザの足の下で静止ししている表面に沿ってウォークし、かつ/又はその表面に対して相対的に移動することができる。そのような静止表面は、例えば、床、地面、プラットフォーム、及び/又は任意の他の適切な表面とすることができる。さらに、静止表面は、実質的に平坦とすることができ、あるいは、上り勾配又は下り勾配(例えば、段のセット、傾斜路など)とすることができる。他の例では、ユーザは、ユーザが立ち、ウォークし、走るなどを行う時にユーザの足の下で静止していない表面に沿ってウォークし、かつ/又はその表面に対して相対的に移動することができる。言い換えると、本明細書に記載の患者支持システム及び/又は部分免荷システムは、ユーザが表面(ユーザが移動し、ウォークし、走るなどを行う時にユーザの足の下で移動する)に対して相対的に移動し、かつ/又はその表面の上でウォークする時にユーザの重量の少なくとも一部を支持するのに使用され得る。移動する表面は、例えば、トレッドミルの移動する表面(ベルト)、移動するバランス・プラットフォーム、及び/又は類似物などの任意の表面とすることができる。
【0211】
[1263] ユーザがトレッドミルの移動する表面上にいるか、これに対して相対的に移動する時に支持システムがユーザを支持する実施形態では、患者支持システムの電子デバイスは、トレッドミルの1つ又は複数の動作条件に関連するデータを受信することができ、トレッドミルを利用するユーザに歩行トレーニングを提供し、ユーザの1つ又は複数の歩行特性を定義し、歩行トレーニング又は1つ若しくは複数のトレーニング・セッションに関連するデータ及び/又は情報の解析を提供し、かつ/あるいは類似物を行うために、トレッドミルに関連するデータ及び患者支持システムの動作条件に関連するデータを使用することができる。さらに、患者支持システム及び/又は任意の適切な電子デバイスは、トレッドミル、患者支持システム、及び/又は1つ若しくは複数の歩行トレーニング・セッションに関連するデータ及び/又は情報をデバイスのディスプレイ上でグラフ的に表現するように構成され得る。
【0212】
[1264] 例えば、
図64~
図69は、それぞれ、トレッドミルに関連して使用される支持システムに関連するデータのグラフ表現を示すスクリーンショット910~915である。
図64~
図66に示されているように、患者支持システム及び/又は電子デバイスは、例えば、動作モード、動的除荷の量又はレベル、支持を提供する前のテザー長の最大変化、任意の適切なセッション・データ又は情報(例えば、合計走行時間、移動距離、ウォーキング速度、転倒の回数又は予防された転倒の回数、テザー位置など)、及び/又は任意の他の適切なデータなど、トロリに関連するデータを提示することができる。いくつかの例で、例えば、患者支持システム及び/又は電子デバイスは、それぞれ
図59及び
図60に示されたスクリーンショット904及び904Aによって表されるデータに類似するデータをグラフ的に表現することができる。
【0213】
[1265] トロリに関連するデータに加えて、支持システム及び/又は電子デバイスは、トレッドミルに関連するデータをグラフィックに表現するように構成され得る。例えば、スクリーンショット910(
図64)、911(
図65)、912(
図66)、及び913(
図67)に示されているように、支持システム及び/又は電子デバイスは、トレッドミルに関連するデータ及び/又は制御をグラフィックに表現することができる。いくつかの例で、ディスプレイ上でグラフィックに表現されるデータは、ユーザが、例えばベルト速度、上り勾配、及び/又は類似物など、トレッドミルの1つ又は複数の動作セッティングを選択し、かつ/又は制御することを可能にするユーザ・インターフェースを提供することができる。他の例では、ユーザは、例えば、トロリとのトレッドミルのペアリング又は同期を開始し、トレッドミルの動作を開始し、停止し、又は一時停止し(緊急停止を含む)、ベルトの方向を変更し、ベルト又はトレッドミルの上り勾配又は下り勾配を変更し、及び/あるいは類似物を行うことができる。いくつかの例で、支持システム及び/又は電子デバイスは、トレッドミルの1つ又は複数の動作条件に関連するデータに基づいてトロリの1つ又は複数の動作条件を制御し、その逆を行うように構成され得る。例えば、いくつかの例で、支持システム及び/又は電子デバイスは、トロリの1つ又は複数の動作条件に関連するデータに基づいてユーザが転倒したと判定することに応答して、トレッドミルを停止させる(例えば、ベルトの運動を停止させる)ように構成され得る。例えば、いくつかの例で、トロリ(及び/又はトロリと通信している電子デバイス)は、ユーザがテザーに働かせる力の急な若しくは突然の変化及び/又はテザーの少なくとも一部の長さの急な若しくは突然の増加に少なくとも部分的に基づいて、ユーザが転倒したと判定することができる。従って、いくつかのそのような例では、支持システム、電子デバイス、及び/又はコントローラは、ユーザが転倒したとの判定に基づいて、トレッドミルの動作を停止させ又は一時停止させるように構成され得る。さらに、システムは、ユーザが転倒から回復した(例えば、望まれる立位、ウォーキング位置、又は中立位置にある)との判定に応答して、トロリの動作又は運動を再開することができる。
【0214】
[1266] いくつかの実施形態で、トロリ及びトレッドミルに関連するデータをグラフィックに表現するように構成された電子デバイスは、トロリとトレッドミルとの両方を制御する同一の電子デバイスとすることができる。そのような実施形態では、電子デバイスは、1つ又は複数のセンサ、モーター、コントローラなどから信号を受信することができ、そのような信号を介して受信されたデータに対して1つ又は複数のプロセスを実行することができる。他の実施形態では、電子デバイスは、電子デバイス若しくはトロリのコントローラから受信された1つ又は複数の信号に基づいて、かつ/又は電子デバイス若しくはトレッドミルのコントローラから受信された1つ又は複数の信号に基づいて、トロリ及びトレッドミルに関連するデータ及び/又は情報をグラフィックに表現するように構成され得る。言い換えると、いくつかの実施形態で、電子デバイスは、支持システムの1つ又は複数の構成要素からの1つ又は複数の解析された又は少なくとも部分的に処理されたデータ・セットを受信し、集計するように構成され得、集計されたデータをディスプレイ上でグラフィックに表現することができる。言い換えると、本明細書で説明される支持システムのいずれもが、支持システムの1つ又は複数の構成要素を制御するように構成された集中化された電子デバイス及び/又はコントローラを含むことができ、あるいは、電子デバイス及び/又はコントローラの非集中化されたネットワーク又は分散ネットワークを含むことができる。さらに、支持システムが電子デバイス及び/又はコントローラの非集中化されたネットワーク又は分散ネットワークを含む実施形態では、支持システムは、支持システムの1つ又は複数の構成要素から受信されたデータを集め、かつ/又は集計し、そのような集められ又は集計されたデータをディスプレイ上でグラフィックに表現するように構成された少なくとも1つの電子デバイス及び/又はコントローラを含むことができる。
【0215】
[1267] 上で説明したように、支持システム及び/又はこれと通信している電子デバイスは、支持システム(例えば、トロリ)及び支持システムと共に使用されている任意の適切なデバイス(例えば、トレッドミル)に関連するデータに基づいて、ユーザの歩行に関連する1つ又は複数の特性を判定し、かつ/又は定義するように構成され得る。例えば、
図68に示されたスクリーンショット914は、ユーザ・セッション又は類似物に関連するデータ及び/又は情報を提供できるセッション要約の例である。そのようなデータ及び/又は情報は、例えば、セッションの日付及び時刻、合計トレーニング時間、最小、最大、及び/又は平均のウォーキング速度、最小、最大、及び/又は平均の除荷又は支持の量、合計移動距離、転倒の総数又は予防された転倒の総数、並びに/又は任意の他の適切なデータ及び/若しくは情報を含むことができる。さらに、ユーザ又は臨床医は、セッション・データに関連付けられ、かつ/又はこれと共に記憶され得るメモ、情報、データ、及び/又は入力を供給することができる。
図69のスクリーンショット915によって示されるように、支持システム及び/又は電子デバイスは、1つ又は複数のユーザ・セッションに関連するデータを表現する1つ又は複数のグラフ、プロット、チャートなどを定義し、表示するようにも構成され得る。例えば、
図69に示されているように、支持システム及び/又は電子デバイスは、1つ若しくは複数のセッション中のユーザ転倒プロファイル、ユーザの速度及び距離のグラフ、並びに/又は1つ若しくは複数のユーザ・セッションに関連するデータの任意の他の適切なグラフ、チャート、及び/若しくは表現を示すグラフを定義し、表示することができる。
【0216】
[1268] 患者支持システム及び/又は部分免荷システムのいずれもが、本明細書で説明されるものなどの任意の適切なトラック及び/又はパワー・レールと共に使用され得る。いくつかの実施形態で、患者支持システムは、これに移動可能に結合されたトロリの切替、方向転換、及び/又は方向変更を可能にするように構成されたトラック及び/又はパワー・レールを含むことができる。例えば、
図70は、第1トラック部分9620A、第2トラック部分9620B、第1パワー・レール部分9050A、及び第2パワー・レール部分9050Aを示す。この実施形態では、第1トラック部分9620A及び第2トラック部分9620Bは、お互いに垂直に配置される。同様に、第1パワー・レール部分9050A及び第2パワー・レール部分9050Bは、お互いに垂直に配置される。
【0217】
[1269]
図70に示されているように、ターンテーブル9625は、第3トラック部分9620C及び第3パワー・レール部分9050Cを含む。ターンテーブル9625は、矢印AAによって示されるように、トラック部分9620A及び9620Bとパワー・レール部分9050A及び9050Bとに対して相対的に回転されるように構成される。例えば、いくつかの実施形態で、ターンテーブル9625は、手動で回され得る(例えば、ユーザが、ハンドル又は類似物(
図70には図示せず)などのターンテーブル9625の一部に力を働かせる)。他の実施形態では、ターンテーブル9625は、コントローラ又は類似物から信号を受信でき、その信号に基づいてターンテーブル9625を回転することのできるモーター又は類似物(
図70には図示せず)を含むことができる。従って、使用中に、ターンテーブル9625は、
図70に示されているように、第3トラック部分9620Cを第1トラック部分9620Aと整列して配置し、第3パワー・レール部分9050Cを第1パワー・レール部分9050Aと整列して配置するために、トラック部分9620A及び9620Bとパワー・レール部分9050A及び9050Bとに対して相対的に、ある位置に回転することができる。より具体的には、第3トラック部分9620Cが、第1トラック部分9620Aに整列して配置される時に、第1トラック部分9620A及び第3トラック部分9620Cは、それに沿ってトロリが移動できる実質的に連続したトラックを集合的に形成する。
【0218】
[1270] 同様に、第1パワー・レール部分9050A及び第3パワー・レール部分9050Bは、第1トラック部分9620A及び第3トラック部分9620Cによって集合的に形成されるトラックから吊るされたトロリに電力を供給するように構成された実質的に連続するパワー・レールを集合的に形成することができる。具体的には、この実施形態で、ターンテーブル9625は、第1パワー・レール部分9050A及び第3パワー・レール9050Cが電気通信している状態になる位置に配置され得る。従って、電流は、電源(図示せず)から第1パワー・レール部分9050Aの第1長さに沿い、第3パワー・レール部分9050Cに沿い、第1パワー・レール部分9050Aの第2長さに沿って流れることができる。さらに、いくつかの実施形態で、パワー・レール部分9050A、9050B、及び9050Cの両端は、第1パワー・レール部分9050A又は第2パワー・レール部分9050Bと第3パワー・レール部分9050Cとの間の所与の量の誤整列を許容することのできる伝達セクション又は類似物(例えば、広がった端又はフランジ状の端)を含むことができる。
【0219】
[1271] 使用中に、ユーザ(例えば、患者、療法士、技師、医師など)が、例えば第1トラック部分9620Aの長さに沿って配置されたトロリの方向変更を望む場合がある。従って、ユーザは、トロリに、第1トラック部分9620Aに沿った位置から第3トラック部分9620Cに沿った位置へ移動させることができる。トロリが第3トラック部分9620Cから吊るされ、トロリが第3パワー・レール部分9050Cと電気通信している状態で、ユーザは、第3トラック部分9620Cが第2トラック部分9620Bと実質的に整列し、第3パワー・レール部分9050Cが第2パワー・レール部分9050Bと整列する位置にターンテーブル9625を回転する(例えば、手動で又は電気的にのいずれかで)ことができる。第3トラック部分9620Cが第2トラック部分9620Bと実質的に整列し、第3パワー・レール部分9050Cが第2パワー・レール部分9050Bと実質的に整列する状態で、ユーザは、トロリに、第3トラック部分9620Cに沿った位置から第2トラック部分9620Bに沿った位置へ移動させることができる。この形で、トロリは、回され、切り替えられ、回転され、かつ/又は他の形で方向変更され得る。同様に述べると、ターンテーブルは、トロリを回転し、切り替え、回し、かつ/又は他の形で方向変更するために、第1位置から第2位置へ回転され得る。
【0220】
[1272] 患者支持システム2000は、上ではトロリ2100に電力を供給するように構成されたパワー・レール2620を含むものとして説明されるが、他の実施形態では、患者支持システムは、任意の適切な電力系統を含むことができる。例えば、
図71は、一実施形態による部分免荷システム10000の概略図である。部分免荷システム10000(本明細書では「支持システム」とも称する)は、形態及び/又は機能において、本明細書で説明する支持システムのいずれにも実質的に類似するものとすることができる。例えば、支持システム10000は、支持トラック10050から移動可能に吊るされたトロリ10100を含む。支持トラック10050及びトロリ10100は、それぞれ、上で
図2~
図34を参照して説明した支持トラック2050及びトロリ2100に実質的に類似するものとすることができる。従って、支持トラック10050及びトロリ10100は、本明細書でさらに詳細には説明されない。
【0221】
[1273] しかし、支持システム10000は、電力系統10600の配置において支持システム2000とは異なるものとすることができる。例えば、支持システム2000は、上で説明したように、支持トラック2050と実質的に平行であり、トロリ2100に電力を供給するためにトロリ2100と電気通信しているパワー・レール2620を含む。しかし、
図71に示された実施形態では、電力系統10600は、中央電源及び/又は中央電力供給10610と、
図71の矢印Cによって示される、支持トラック10050に沿ったトロリ10100の移動に応答して電源10610に対して相対的に回転するように構成されたパワー・レール10620とを含む。例えば、いくつかの実施形態で、パワー・レール10620は、トロリ10100が支持トラック10050に沿って移動する時に延び又は縮む(
図71の矢印Dによって示されるように)構成された長さを有する伸縮パワー・レール又は類似物とすることができる。他の実施形態では、パワー・レール10620は、柔軟な及び/又は延長可能なケーブル又は類似物とすることができる。この形で、パワー・レール10620は、トロリ10100が支持トラック10050に沿って移動する時に実質的に連続的な電力を供給するために、電源10610の回りでピボット回転することができる。支持トラック10050が、
図71に具体的に示されているが、電力系統10600が、任意の適切な形状を有する支持トラック10050と共に使用され得ることを理解されたい。例えば、電力系統10600は、直線の若しくはまっすぐな支持トラック、長円形若しくは円形の支持トラック、及び/又は不規則な形状を有する支持トラックと共に使用され得る。すなわち、パワー・レール10620の回転可能で伸縮する配置は、電力系統10600が、任意の適切な形状を有する任意の適切な支持トラックと共に使用されることを可能にすることができる。
【0222】
[1274] パワー・レール10620は、任意の適切な電力導体、表面、ワイヤ、及び/又は類似物を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態で、パワー・レール10620は、パワー・レール2620に類似する1つ又は複数の内側導電表面を含むことができる。他の実施形態で、パワー・レール10620は、電力ケーブル又は電源線(及び/又は任意の適切な電子通信ケーブル若しくは電子通信ワイヤ)を収容するように構成された導管又は類似物とすることができる。さらなる他の実施形態では、パワー・レール10620は、電力を伝達し、かつ/又は伝送するように構成された任意の適切なテザー又は類似物とすることができる。例えば、
図72は、一実施形態によるパワー・レール11620を示す。そのような実施形態では、パワー・レール11620は、少なくとも1つの導電性内面11621を含み、かつ/又は有する実質的に中空の管である。従って、コレクタ11770及び/又はトロリ若しくは支持システムの任意の他の適切な導電部分は、上で支持システム2000を参照して詳細に説明したように、パワー・レール11620の導電性内面11621と電気接触してコレクタ11770(又はトロリの導体)を配置するために、パワー・レール11620内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0223】
[1275] その代わりに、
図73は、異なる実施形態によるパワー・レール12620を示す。図示されているように、パワー・レール1620は、実質的に開かれた又は露出された少なくとも1つの導電表面12621を有する、実質的に平坦な又は他の囲まれていないパワー・レール1620である。そのような実施形態では、コレクタ12770及び/又はトロリ若しくは支持システムの任意の適切な導電部分が、コレクタ12770(又はトロリの導体)がパワー・レール12620の露出された及び/又は他の形で使用可能な導電表面12621と電気接触するように隣接して配置され得、かつ/又は他の形で位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、そのような配置は、例えば、パワー・レール12620が、トロリがそれに沿って移動する支持トラック(
図73には図示せず)に結合され、かつ/又はこれと一体化されることを可能にすることができる。他の実施形態では、パワー・レール12620は、例えば支持システム2000を参照して説明したように、支持トラックからオフセットされ得る。
【0224】
[1276] パワー・レール2620、10620、11620、及び/又は12620は、上では対応する支持トラックとは独立であるものとして具体的に説明されるが、他の実施形態では、支持トラックは、そこから吊るされるトロリの一部に電力を供給するように構成された1つ又は複数の導電性の表面及び/又は部材を含むことができる。さらに、パワー・レール2620、10620、11620、及び12620は、上ではそれぞれの支持システムに電力を供給するものとして説明されるが、いくつかの実施形態では、支持システムは、電力を貯え、かつ/又は支持システムの1つ又は複数の構成要素若しくはデバイスに電力を供給するように構成された1つ又は複数のバッテリ、バッテリ・システム、キャパシタ、エネルギ貯蔵デバイス、無停電電力供給(UPS)、及び/又は類似物を含むことができる。例えば、上で説明したように、支持システムは、1つ又は複数の構成要素又はデバイス(例えば、電力供給、トロリ、計算デバイス、コントローラ、トレッドミルなどの副トレーニング・デバイスなど)に電力の主要な流れ又はバックアップ流れを供給するために支持システム内の任意の適切な位置内で及び/又は構成で電気的に接続されたUPSを含むことができる。従って、そのようなUPS(又はエネルギ貯蔵デバイス若しくはバックアップ・デバイスの任意の他の適切な形)は、支持システム及び/又はその少なくとも一部に途切れない電力を供給するように構成され得る。
【0225】
[1277] 様々な実施形態が上で説明されたが、それらが、限定ではなく例としてのみ提示され、従って、形態及び/又は詳細における様々な変更を行うことができることを理解されたい。例えば、トロリ2100は、上では
図2~
図33を参照して、特定の形状、サイズ、及び/又は構成を有するものとして説明されるが、1つ又は複数の構成要素のサイズ、形状、構成、及び/又は配置の変更が、その機能性を変更せずに行われ得ることを理解されたい。例えば、
図74~
図76は、一実施形態によるトロリ12100を示す。トロリ12100は、形態及び/又は機能において上で
図2~
図33を参照して説明したトロリ2100に実質的に類似するものとすることができる。例えば、トロリ2100は、支持トラック(
図74~
図76には図示せず)からトロリ12100を移動可能に吊るすように構成された駆動系12300と、ユーザを支持機構12500に結合するために、ユーザが身に着けるハーネス又は類似物に接続するように構成されたテザー12505を含む支持機構12500とを含む。この実施形態では、駆動系12300及び支持機構12500は、少なくとも形態及び/又は機能において、それぞれトロリ2100の駆動系2300及び支持機構2500に実質的に類似するものとすることができる。
【0226】
[1278] しかし、
図74~
図76に示されたトロリ12100は、トロリ2100のカバー2260とは異なるサイズ、形状、及び/又は構成を有するカバー12260を含むことによって、
図2~
図33に示されたトロリ2100とは異なるものとすることができる。例えば、カバー12260は、
図74及び
図75に示されているように、支持機構12500の一部(例えば、カム・アセンブリの一部又は類似物)を受けるように構成されたノッチ12267を規定する。さらに、カバー12260は、
図76に示されているように、テザー12505の端部が患者接続機構並びに/又はユーザ及び/若しくは患者が身に着けるハーネスに結合されることを可能にするためにテザー12505の少なくとも一部がそれを介して延びることのできる開口部12266を規定する。従って、
図74~
図76に示されたカバー12260は、形状、サイズ、及び/又は構成においてカバー2260(例えば、
図4~
図9参照)から変化するが、カバー2260及び12260は、それぞれトロリ2100及び12100の少なくとも一部を囲み、カバーし、かつ/又は収容するために実質的に類似する形で機能することができる。
【0227】
[1279] 別の例として、接続機構2800は、上では
図34を参照してエネルギ貯蔵部材2850を含むものとして説明されるが、他の実施形態では、接続機構がエネルギ貯蔵部材を含む必要はない。そのような実施形態では、接続機構は、例えば、トロリ2100に結合され、患者が身に着けるハーネス又は類似物にさらに結合され得る。そのような実施形態では、トロリ2100は、上で説明したものに実質的に類似する形で機能することができる。
【0228】
[1280] トロリ2100は、上では
図2~
図33を参照して、電動化された駆動系2300及び能動的な支持機構2500を含むものとして説明されるが、他の実施形態では、トロリは、電動化された駆動系又は能動的な支持機構のいずれかを含むことができる。同様に述べると、駆動系2300及び支持機構2500は、相互に排他的とすることができ、上で説明したものに類似する形で独立に機能することができる。
【0229】
[1281] 本明細書で説明される装置及び/又は方法の任意の部分は、そうではないと明示的に表現されない限り、任意の適切な組合せで組み合わされ得る。例えば、いくつかの実施形態で、支持システム2000内に含まれるトロリ2100の患者支持機構2500は、支持システム3900に類似するシステムに置換され得る。そのような実施形態では、シリンダ、ピストン、及びエネルギ貯蔵部材が、例えばトロリ2100のハウジング2200の基部2210から延びることができる。さらに詳説すると、エネルギ貯蔵部材(例えば、貯蔵部材3960)の運動エネルギ及びポテンシャル・エネルギは、トロリ2100を参照して上で説明したシステムに類似するフィードバック・システムを介して能動的に制御され得る。例えば、エネルギ貯蔵部材3960は、圧縮空気とすることができ、その圧力は、ピストンに働く力に応答して制御され得る。
【0230】
[1282] 本明細書で説明されるシステム及び/又は方法のいずれもが、例えば歩行トレーニング中及び/又は類似物中のユーザに支持を提供するために任意の適切な方法内で使用され得る。例えば、
図77は、一実施形態による部分免荷システムを使用する方法10を示す流れ図である。部分免荷システムは、本明細書で説明される支持システムのいずれかに類似するものとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、支持システムは、上で
図2~
図33を参照して詳細に説明した支持システム2000に実質的に類似するものとすることができる。従って、支持システムは、支持トラックから移動可能に吊るされるように構成されたトロリ(例えば、トロリ2100に類似する)又は類似物を含むことができる。支持システムは、ユーザが身に着けるか他の形でユーザに結合される接続デバイスに結合されるように構成されたテザーを有する患者支持機構(例えば、支持機構2500に類似する)を含むことができる。従って、テザーを接続デバイスに結合することは、ユーザを部分免荷システム及び/又は少なくともその中に含まれるトロリに結合することができる。
【0231】
[1283] 方法10は、11で、テザーが接続デバイスに結合され、接続デバイスが初期位置にある時のテザーの基準長さを定義することを含む。例えば、上で
図59及び
図60を参照して説明したように、ユーザ、療法士、トレーナなどは、接続デバイスの中立位置に関連する「ゼロ点」又は基準点を入力し、供給し、かつ/又は他の形で定義することができ、このゼロ点は、テザーの判定された又は所定の長さに関連し、かつ/又はこれに対応する。さらに、ユーザ、療法士、トレーナなどは、12で、支持システムにテザーのしきい長さを定義させるように動作可能な入力、選択、命令などを供給することができる。
【0232】
[1284] 上で詳細に説明したように、部分免荷システムは、使用(例えば、歩行トレーニング)中にユーザの重量の少なくとも一部を支持するように構成される。
図77に示されているように、方法10は、13で、歩行トレーニング中に、ユーザが表面(例えば、床若しくは地面又はトレッドミルなどのデバイスに沿って若しくはその上で)に対して相対的に及び/又は表面上で移動し、テザーの長さがテザーのしきい長さより短い時に、第1量の部分免荷を提供することを含む。例えば、上で説明したように、部分免荷の第1量は、ユーザが立っている、ウォークしている、走っている、かつ/又は他の形で能動的に転倒していない時にユーザに供給される支持の量とすることができる。いくつかの実施形態では、部分免荷の第1量は、例えば0支持とすることができる。すなわち、テザーは、ユーザを部分免荷システムに結合することができるが、いくつかの例で、部分免荷システムは、ユーザが転倒しつつあるのでない限り、及び/又はシステムが他の形でそうすることにかかわるのでない限り、支持を提供しないものとすることができる。他の実施形態では、支持の第1量は、例えばユーザの重量の一部又は実質的にすべてを含む、ユーザの重量の非0部分とすることができる。
【0233】
[1285] 14で、歩行トレーニング中に、ユーザが表面に対して相対的に及び/又は表面上で移動し、テザーの長さがテザーのしきい長さより長い時に、第2量の部分免荷が提供される。例えば、上で説明したように、部分免荷システムは、ユーザがテザーに印加する力の変化に応答して、ユーザが部分免荷システムに対して相対的に移動することに応答して、ユーザが転倒することに応答して、及び/又は類似物に応答して、ユーザに応答し、反応し、及び/又は他の形で支持するように構成され得る。より具体的には、この例で、部分免荷システムは、テザーの長さがしきい長さより長くなるようなテザーの長さの変化(例えば、増加)に応答して、部分免荷の第2量を提供するように構成され得る。すなわち、部分免荷システムは、ユーザが転倒することに応答して部分免荷の第2量を提供するように構成され得る。
【0234】
[1286] 方法10は、15で、部分免荷システム内に含まれる電子デバイスのディスプレイ上に歩行トレーニングに関連するデータを表示することをさらに含む。例えば、上で
図50~
図69を参照して説明したように、部分免荷システムは、1つ又は複数のトレーニング・セッションに関する情報をユーザ及び/又は療法士若しくはトレーナに提供できるグラフ、チャート、ユーザ・インターフェースなどの形でデータを提示するように構成され得る(上で詳細に説明したように)。従って、ユーザ、療法士、トレーナなどは、歩行トレーニング中のユーザの歩行及び/又は彼若しくは彼女のパフォーマンス、改善、弱点、長所などに関連する1つ又は複数の特性を判定するためにデータを再検討することができる。
【0235】
[1287]
図78は、別の実施形態による部分免荷システムを使用する方法20を示す流れ図である。部分免荷システムは、本明細書で説明する支持システムのいずれか(例えば、上で
図2~
図33を参照して詳細に説明した支持システム2000)に類似するものとすることができる。従って、支持システムは、支持トラックから移動可能に吊るされるように構成されたトロリ(例えば、トロリ2100に類似する)又は類似物を含むことができる。支持システムは、ユーザが身に着けるか他の形でユーザに結合される接続デバイスに結合されるように構成されたテザーを有する患者支持機構(例えば、患者支持機構2500に類似する)を含むことができる。従って、テザーを接続デバイスに結合することは、ユーザを部分免荷システム及び/又は少なくともその中に含まれるトロリに結合することができる。
【0236】
[1288] 方法20は、21で、テザーが接続デバイスに結合され、接続デバイスが初期位置にある時のテザーの基準長さを定義することを含む。例えば、上で
図59及び
図60を参照して説明したように、ユーザ、療法士、トレーナなどは、接続デバイスの中立位置に関連する「ゼロ点」又は基準点を入力し、供給し、かつ/又は他の形で定義することができ、このゼロ点は、テザーの判定された又は所定の長さに関連し、かつ/又はこれに対応する。さらに、ユーザ、療法士、トレーナなどは、22で、支持システムに、テザーの長さの変化に関連する第1判断基準を定義させるように動作可能な入力、選択、命令などを供給することができ、23で、支持システムに、テザーの長さの変化に関連する第2判断基準を定義させるように動作可能な入力、選択、命令などを供給することができ、24で、支持システムに、ユーザが歩行トレーニング中に転倒することに応答して提供すべき部分免荷の量を定義させるように動作可能な入力、選択、命令などを供給することができる。例えば、いくつかの実施形態で、第1判断基準は、テザーの長さの変化の速度とすることができ、第2判断基準は、テザーの長さの変化の持続時間とすることができる。他の実施形態では、第1判断基準及び第2判断基準は、1つ又は複数の任意の適切な判断基準とすることができる。支持すべき体重の量は、ユーザの体重の任意の適切な部分とすることができる。いくつかの例で、例えば、部分免荷の量は、ユーザの体重のパーセンテージ(例えば、0%、10%、20%、30%など)として表され得る。他の例で、部分免荷の量は、重量項(例えば、ポンド単位又はキログラム単位)として表され得る。
【0237】
[1289] 方法20は、25で、第1判断基準及び第2判断基準が満足されることに基づいて、転倒が発生したかどうかを判定することを含む。例えば、歩行トレーニング中に、ユーザは、表面に対して相対的に移動し、かつ/又は表面上でウォークすることができ、これが、テザーに働く力の変化をもたらす可能性がある(上で詳細に説明したように)。いくつかの例で、歩行トレーニング中に転倒するユーザは、ユーザがテザーに働かせる力の増加をもたらすことができ、この増加は、テザーの少なくとも一部の長さの変化の相対的に高い速度をもたらし、これが、第1判断基準を満足するのに十分である可能性がある。しかし、いくつかの例で、テザーの長さの変化の同様の速度が、転倒していない時のユーザの移動(例えば、ユーザが座るか立ち上がる、かがむ、傾斜路、階段、又はプラットフォームを登るか降りる、かつ/又は類似物を行う場合)から生じる場合がある。従って、転倒の発生を誤って定義し又は誤って判定することを回避するために、支持システムは、第1判断基準(例えば、テザーの長さの変化の速度)と第2判断基準(例えば、テザーの長さの変化の持続時間又はテザーの長さの変化に要する時間の長さ)との両方を満足することに応答して転倒が定義され、かつ/又は判定されるように構成され得る。さらに、26で、第1判断基準及び第2判断基準が満足されるときに、その量の部分免荷を提供することができる。
【0238】
[1290]
図79は、別の実施形態による部分免荷システムを使用する方法30を示す流れ図である。部分免荷システムは、本明細書で説明する支持システムのいずれか(例えば、上で
図2~
図33を参照して詳細に説明した支持システム2000)に類似するものとすることができる。従って、支持システムは、支持トラックから移動可能に吊るされるように構成されたトロリ(例えば、トロリ2100に類似する)又は類似物を含むことができる。支持システムは、ユーザが身に着けるか他の形でユーザに結合される接続デバイスに結合されるように構成されたテザーを有する患者支持機構(例えば、支持機構2500に類似する)を含むことができる。従って、テザーを接続デバイスに結合することは、ユーザを部分免荷システム及び/又は少なくともその中に含まれるトロリに結合することができる。
【0239】
[1291] 方法30は、31で、テザーが接続デバイスに結合され、接続デバイスが初期位置にある時のテザーの基準長さを定義することを含む。例えば、上で
図59及び
図60を参照して説明したように、ユーザ、療法士、トレーナなどは、接続デバイスの中立位置に関連する「ゼロ点」又は基準点を入力し、供給し、かつ/又は他の形で定義することができ、このゼロ点は、テザーの判定された又は所定の長さに関連し、かつ/又はこれに対応する。さらに、ユーザ、療法士、トレーナなどは、32で、支持システムに、ユーザが歩行トレーニング中に転倒することに関連し、かつ/又は他の形でこれを示す、テザーのしきい長さを定義させるように動作可能な入力、選択、命令などを供給することができ、33で、支持システムに、歩行治療中の転倒のしきい回数を定義させるように動作可能な入力、選択、命令などを供給することができる。
【0240】
[1292] 方法30は、34で、歩行トレーニング中に、ユーザが表面(例えば、床若しくは地面、又はトレッドミルなどのトレーニング・デバイスに対して相対的に若しくはその上)に対して相対的に及び/又はその上で移動し、転倒の回数が転倒のしきい回数より少ない時に、所定の量の部分免荷を提供することを含む。例えば、上で説明したように、部分免荷の所定の量は、ユーザが立っている、ウォークしている、走っている、かつ/又は他の形で能動的に転倒していない時にユーザに供給される支持の量とすることができる。いくつかの実施形態では、部分免荷の第1量は、例えば0支持とすることができる。すなわち、テザーは、ユーザを部分免荷システムに結合することができるが、いくつかの例で、部分免荷システムは、ユーザが転倒しつつあるのでない限り、及び/又はシステムが他の形でそうすることにかかわるのでない限り、支持を提供しないものとすることができる。他の実施形態では、支持の第1量は、例えばユーザの重量の一部又は実質的にすべてを含む、ユーザの重量の非0部分とすることができる(例えば、ユーザの体重のパーセンテージ又はポンド単位若しくはキログラム単位の重量値として表され又は表現される)。
【0241】
[1293] いくつかの例で、35で、転倒のしきい回数が満足されることに応答して、歩行トレーニング中にユーザに提供すべき部分免荷の所定の量が、増やされる。例えば、いくつかの例で、ユーザによって繰り返される転倒は、ユーザがより多くの部分免荷から利益を得るはずであることを示す可能性がある。従って、部分免荷システムは、ユーザに提供される支持の量を増やすことができる。いくつかの例で、増加の量は、支持の量の所定の増加(例えば、1%の増加、5%の増加、10%の増加、20%の増加など)とすることができる。他の例では、増加の量は、歩行トレーニング中のユーザのパフォーマンスに関連する特性に基づいて計算され得る。さらなる他の例では、増加の量は、ユーザ、療法士、トレーナなどによって入力され得る。
【0242】
[1294] 方法30は、35で、部分免荷システム内に含まれる電子デバイスのディスプレイ上で歩行トレーニングに関連するデータを表示することをさらに含む。例えば、上で
図50~
図69を参照して説明したように、部分免荷システムは、ユーザ及び/又は療法士若しくはトレーナに1つ又は複数のトレーニング・セッションに関する情報を提供することのできるグラフ、チャート、ユーザ・インターフェースなどの形でデータを提示するように構成され得る(上で詳細に説明したように)。従って、ユーザ、療法士、トレーナなどは、例えば、歩行トレーニング中のユーザの歩行及び/又は彼若しくは彼女のパフォーマンス、改善、弱点、長所などに関連する1つ又は複数の特性を判定するためにデータを再検討することができる。
【0243】
[1295] 上で説明した方法及び/又は方式は、ある順序で発生するある種の事象及び/又はフロー・パターンを示すが、ある種の事象及び/又はフロー・パターンの順序付けは、変更され得る。さらに、ある種の事象は、可能な時には並列プロセス内で同時に実行され、同様に、順次実行され得る。
【0244】
[1296] 本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、様々なコンピュータ実施される動作を実行するための命令又はコンピュータ・コードをその上に有する非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体と呼ばれる可能性もある)を有するコンピュータ・ストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(又はプロセッサ可読媒体)は、過渡的な伝搬する信号(例えば、空間又はケーブルなどの伝送媒体上で情報を搬送する伝搬する電磁波)を含まないという意味で非一時的である。媒体及びコンピュータ・コード(本明細書ではコードとも称する)は、1つ又は複数の特定の目的のために設計され、構成された媒体及びコンピュータ・コードとすることができる。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、ハード・ディスクなどの磁気記憶媒体、コンパクト・ディスク/デジタル・ビデオ・ディスク(CD/DVD)、コンパクト・ディスク読取専用メモリ(CD-ROM)などの光学記憶媒体、光ディスクなどの光磁気記憶媒体、搬送波信号処理モジュール、並びに、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、読取専用メモリ(ROM)デバイス、及びランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイスなど、プログラム・コードを記憶し、実行するように特に構成されたハードウェア・デバイスを含むが、これに限定されない。本明細書で説明される他の実施形態は、例えば本明細書で議論される命令及び/又はコンピュータ・コードを含むことができる、コンピュータ・プログラム製品に関する。
【0245】
[1297] コンピュータ・コードの例は、マイクロコード又はマイクロ命令、コンパイラによって作られるものなどの機械命令、ウェブ・サービスを作るのに使用されるコード、及びインタープリタを使用してコンピュータによって実行される高水準命令を含むファイルを含むが、これに限定されない。例えば、諸実施形態は、命令型プログラミング言語(例えば、C、FORTRANなど)、関数型プログラミング言語(例えば、Haskell、Erlangなど)、論理型プログラミング言語(例えば、Prolog)、オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java、C++など)、又は他のプログラミング言語及び/若しくは他の開発ツールを使用して実施され得る。コンピュータ・コードの追加の例は、制御信号、暗号化されたコード、及び圧縮されたコードを含むが、これに限定されない。