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特許7486317排泄物の可視化が改善された構成可能な吸収性物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】排泄物の可視化が改善された構成可能な吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/42 20060101AFI20240510BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20240510BHJP
   A61F 13/512 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
A61F13/42 Z
A61F13/511 300
A61F13/512
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019566869
(86)(22)【出願日】2018-05-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 US2018035304
(87)【国際公開番号】W WO2018226497
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2019-12-04
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】62/515,084
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】エイミー、リン、タリー
【合議体】
【審判長】藤原 直欣
【審判官】久保 克彦
【審判官】藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-146986(JP,A)
【文献】国際公開第2013/149080(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第0925769(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0065973(US,A1)
【文献】特開2016-104233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品の着用者対向面を見たときに、正確に排泄物が可視化されるように構成された吸収性物品であって、前記吸収性物品が、
前記吸収性物品の前記着用者対向面の一部を形成する液体透過性トップシートと、
液体不透過性バックシートと、
前記液体透過性トップシートと前記液体不透過性バックシートとの中間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、を含み、
前記吸収性物品が排泄物可視化試験に供されるときに、前記着用者対向面が、24超及び50未満のデルタCを示し、
前記排泄物可視化試験では、CIE L測定により、前記吸収性物品の着色された試験流体が投与された部位と前記試験流体が投与される前の前記吸収性物品の前記部位とのクロマの差から前記デルタCを以下の式:
ΔC=[(a 処理済+(b 処理済 0.5-[(a 未処理+(b 未処理0.5
に基づいて計算し、
前記式において、a 処理済は、前記試験流体が投与された前記部位のaであり、
前記式において、b 処理済は、前記試験流体が投与された前記部位のbであり、
前記式において、a 未処理は、前記試験流体が投与される前の前記部位のaであり、
前記式において、b 未処理は、前記試験流体が投与される前の前記部位のbであり、
前記吸収性物品が、おむつであり、
前記吸収性物品が、前記液体透過性トップシートと前記吸収性コアとの間に材料を含まず、
前記液体透過性トップシートが、前記吸収性コアと対面接触し、
前記液体透過性トップシートが、不透明度試験によると、20%~60%の範囲の不透明度を有し、
前記不透明度試験では、CIE L測定により、裏地として黒色タイルを用いて第1のY値を測定し、裏地として白色タイルを用いて第2のY値を測定し、前記第1のY値と前記第2のY値との比を100倍することで前記不透明度を算出し、
前記吸収性コアが、高内相エマルション発泡体を含む吸収性材料を含む、吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性物品が、捕捉材料を含まない、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記液体透過性トップシートが、その中に画定された複数の開口を有し、前記吸収性物品が、湿り度インジケータを含まない、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性コアが、1層以上のセルロース材料を含む吸収性材料を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収性コアが、超吸収性ポリマーを含みかつエアフェルトを含まない吸収性材料を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
さらに衣類対向面から排泄物の可視化が可能であり、
前記衣類対向面からの可視化は、当該衣類対向面を形成する低不透明度のバックシートにより提供される、請求項1~5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排泄物の可視化が改善された構成可能な吸収性物品に関する。本開示はまた、排泄物の可視化が改善された構成可能な吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品は、乳児、子供、及び成人における排泄物(例えば、尿、排便)を収容するために使用される。吸収性物品は、乳児、未熟児、及び/又は新生児薬物離脱症候群(「NAS」)の乳幼児におむつを着けるために病院で使用することができる。未熟児、NASの乳幼児、又は他の小さな乳児は、医療提供者による特別なケアを必要とする場合がある。これらの乳幼児は、多くの場合、換気装置、栄養管、又は他の生命維持システム若しくはモニタリングシステムと繋がっている。場合によっては、乳幼児は、アイソレットとしても知られているインキュベータ内に位置付けられている場合がある。乳幼児は、典型的には、保護を必要とする非常に繊細な皮膚を有するために、高湿度、無菌環境に保たれている。
【0003】
医療提供者は、健康状態を確認するために、乳児、未熟児、及び/又はNASの乳幼児の排泄物の色若しくは他の特徴をモニタリングすることを望む場合がある。例えば、看護者は、乳幼児の尿又は排泄物の色をモニタリングして、例えば、水分過剰、肝臓及び/若しくは腎臓の問題の早期徴候、並びに/又は尿路感染症などの様々な健康徴候を判定することができる。従来の吸収性物品は、尿などの排泄物を隠すことを意図しており、場合により、看護者及び/又は介護者が、放出された排泄物の色を正確に評価するのを困難にする。場合によっては、看護者及び/又は介護者は、そのような排泄物追跡のために、電子チャート又は他のチャート上で尿の色又は排泄物の色を選択する。現在の吸収性物品は、排泄物の真の色を隠すという点で、排泄物の色を介して乳幼児の健康をモニタリングする容易な方法を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したことを考慮すると、未熟児、NASの乳幼児、その他の乳幼児、及びその他の着用者のための吸収性物品を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、乳児、未熟児及びNASの乳幼児(他の乳幼児又は他の着用者)に好適な、吸収性物品を提供する一方、本開示は、任意の特定のサイズ又は使用に限定されない。本開示の吸収性物品はまた、尿などの乳幼児の排泄物の色を容易にモニタリングするように構成されてもよい。本開示の発明者は、乳児並びに未熟児及び/又はNASの乳幼児における排泄物のモニタリングのための1つの鍵は、乳幼児から放出されたときの排泄物の色を、可能な限り、吸収性物品に表示させることであると発見した。これらの排泄物の色は、医療専門家に乳幼児の健康を示す。このような設定における現在の吸収性物品の1つの問題は、吸収性物品が、排泄物の色を隠す(すなわち、見えにくくする)ように特別に設計されていることである。これは、放出されたときに排泄物の適切な色を確認することができない場合があるため、医療専門家にとって望ましいことではない。本開示の発明者は、排泄物の色を隠すことを意図しない吸収性物品を提供し、その結果、医療専門家は、排泄物の真の放出色を確認することができる。換言すると、本開示の吸収性物品は、排泄物が吸収性物品に吸収された後であっても、吸収性物品内の排泄物の色をより正確に表す。
【0006】
吸収性物品における真の排泄物の色の表示と同様のメリットがまた、患者の健康をモニタリングするため、又は患者が健康を自己モニタリングすることを可能にするために、幼児用パンツ、幼児用テープ式おむつ、成人失禁用物品、女性用ケアパッド、及び/又はタンポンについても見出され得る。そのような文脈において、排泄物はまた、経血及び腟分泌物を含んでもよい。
【0007】
本開示の構成可能な吸収性物品のこれらの利点及びその他の利点は、本明細書においてより詳細に記載されている。
【0008】
本開示は、部分的には、吸収性物品の着用者対向面を見たときに、正確に排泄物が可視化されるように構成された吸収性物品に関する。吸収性物品は、吸収性物品の着用者対向面の一部を形成する液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、液体透過性トップシートと液体不透過性バックシートとの中間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、を含む。吸収性物品が排泄物可視化試験(Bodily Exudate Visualization Test)に供されるときに、着用者対向面が、約24超及び約50未満のデルタCを示す。
【0009】
本開示は、部分的には、吸収性物品の着用者対向面を見たときに、代表的な排泄物が可視化されるように構成された吸収性物品に関する。吸収性物品は、吸収性物品の着用者対向面の一部を形成する液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、液体透過性トップシートと液体不透過性バックシートとの中間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、を含む。吸収性物品が排泄物可視化試験に供されるときに、排泄物可視化試験の試験流体が、約42未満及び約25超のデルタEを示す。
【0010】
本開示は、部分的には、吸収性物品の着用者対向面を見たときに、排泄物が可視化されるように構成された吸収性物品に関する。吸収性物品は、吸収性物品の着用者対向面の一部を形成する液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、液体透過性トップシートと液体不透過性バックシートとの中間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、を含む。吸収性物品が排泄物可視化試験に供されるときに、排泄物可視化試験の試験流体が、約42未満及び約25超のデルタEを示す。吸収性物品が排泄物可視化試験に供されるときに、着用者対向面が、約24超及び約50未満のデルタCを示す。
【0011】
多様な吸収性物品は、パッケージ内に配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書は、本発明を構成すると見なされる主題を具体的に指摘しかつ明確に主張する特許請求の範囲を結論とするが、本発明は、添付の図面と関連してなされた以下の説明によって更に理解されると考えられ、添付の図面において参照符号が、実質的に同一の要素を示すために用いられている。
図1】本開示の例示的な吸収性物品(absorbent)の平面図である。
図2】着用者対向面を観者に向けた状態の、本開示の例示的な吸収性物品の平面図である。
図3】衣類対向面を観者に向けた状態の、図2の吸収性物品の平面図である。
図4】線4-4を中心に得られた図2の吸収性物品の断面図である。
図5】延在した砂時計形状を有する、本開示の吸収性物品のための例示的な吸収性コアの平面図である。
図6】着用者対向面を観者に向けた状態の、本開示の別の吸収性物品の平面図である。
図7】本開示の別個の締着部材を含む例示的な吸収性物品の左側面図である。
図8】別個の締着部材を含まない、本開示の例示的な吸収性物品の別の左側面図である。
図9】股部狭窄接合部によって作られた股部の折り目を含む、本開示の例示的な吸収性物品の斜視図である。
図9A】本開示の例示的な吸収性物品(absorbent)の平面図である。
図10】股部切り欠き部を示す本開示の例示的な吸収性物品の平面図である。
図11】着用者対向面を観者に向けた状態であり、2つの湿りガードを含む、本開示の例示的な吸収性物品の平面図である。
図12】着用者対向面を観者に向けた状態であり、湿りガードを示す、本開示の例示的な吸収性物品の斜視図である。
図13】着用者対向面を観者に向けた状態であり、2つの湿りガードの構成を示す、本開示の例示的な吸収性物品の平面図である。
図14】着用者対向面を観者に向けた状態であり、2つの湿りガードの構成を示す、本開示の例示的な吸収性物品の平面図である。
図15図14の吸収性物品と共に使用するための例示的な別個の湿りガードの平面図である。
図16】着用者対向面を観者に向けた状態であり、2つの湿りガードの構成を示す、本開示の例示的な吸収性物品の平面図である。
図17図16のスリーブタイプの湿りガードが、吸収性物品の一部を取り囲む方法の模式図である。
図18】衣類対向面を観者に向けた状態の、本開示の吸収性物品のための別個の締着部材の一例の平面図である。
図19】着用者対向面を観者に向けた状態の、本開示の吸収性物品のための別個の締着部材の一例の平面図である。
図20図19の線20-20を中心に得られた別個の締着部材の断面図である。
図21】衣類対向面を観者に向けた状態の、本開示の吸収性物品のための別個の締着部材の一例の平面図である。
図22】着用者対向面を観者に向けた状態の、本開示の吸収性物品のための別個の締着部材の一例の平面図である。
図23】臍帯切り欠き部を有する、本開示の例示的な吸収性物品の平面図である。
図24】衣類対向面を観者に向けた状態の、図23の例示的な吸収性物品の平面図である。
図25】臍帯突起部を有する、本開示の例示的な吸収性物品の平面図である。
図26】衣類対向面を観者に向けた状態の、図25の例示的な吸収性物品の平面図である。
図27】衣類対向面を観者に向けた状態の、グラフィック及び/又は印を示す吸収性物品の模式図である。
図28】衣類対向面を観者に向けた状態の、グラフィック及び/又は印を示す吸収性物品の模式図である。
図29】衣類対向面を観者に向けた状態の、グラフィック及び/又は印を示す吸収性物品の模式図である。
図30】吸収性物品の着用者対向面に位置付けられたインサートの一例の平面図である。
図31】吸収性物品と共に使用するための例示的なインサートの平面図である。
図32図31の線32-32を中心に得られたインサートの断面例示図である。
図32A図31の線32A-32Aを中心に得られたインサートの他の断面例示図である。
図32B図31の線32B-32Bを中心に得られたインサートの他の断面例示図である。
図33】吸収性物品と共に使用するための別の例示的なインサートの平面図である。
図34】吸収性物品と共に使用するための別の例示的なインサートの平面図である。
図35】着用者対向面を観者に向けた状態の、例示的な吸収性物品の平面図である。
図36】例示的な吸収性物品の斜視側面の写真である。
図37】着用者対向面を観者に向けた状態の、例示的な吸収性物品の平面図である。
図38】例示的な吸収性物品の前側斜視図である。
図39】例示的な吸収性物品の側面斜視図である。
図40】着用者対向面を観者に向けた状態の、例示的な吸収性物品の平面図である。
図41】着用者対向面を観者に向けた状態の、例示的な吸収性物品の平面図である。
図42】カフを折り重ね、着用者対向面が吸収性物品が据えられている表面から離れる方向にある状態の吸収性物品の斜視の写真である。
図43】カフを折り重ねた吸収性物品の平面図である。
図44】カフが長手方向軸線に向かって折られる前の吸収性物品の例示的な断面図である。
図45】任意のタックダウン結合が施される前の、図43の吸収性物品の例示的な端面図である。
図46】吸収性パッドの形態の吸収性物品の上面斜視図の写真である。
図47】吸収性物品のトップシートと吸収性コアとの中間に位置付けられた材料の上面図を示し、この材料は窓を有する。
図48】吸収性物品のトップシートと吸収性コアとの中間に位置付けられた材料の上面図を示し、この材料は窓を有する。
図49】吸収性物品のトップシートと吸収性コアとの中間に位置付けられた材料の上面図を示し、この材料は窓を有する。
図50】本開示の吸収性物品の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で開示される排泄物の可視化が改善された構成可能な吸収性物品の構造、機能、製造、及び使用の原理についての全体的な理解を提供するために、本開示の様々な非限定的な形態を以下で説明する。これらの非限定的な形態の1つ以上の実施例を添付の図面に示す。当業者であれば、本明細書において具体的に記載され、かつ添付の図面で例示される排泄物の可視化が改善された構成可能な吸収性物品は、非限定的な例示的形態であり、本開示の種々の非限定的な形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの非限定的な形態に関して図示又は説明される特徴は、他の非限定的な形態の特徴と組み合わせることができる。そのような修正及び変形は、本開示の範囲内に含まれるものとする。
【0014】
本明細書で使用するとき、「接合」及び「接合した」という用語は、ある要素を他の要素に直接付着することによって、その要素が別の要素に直接固着される構成、並びにある要素を中間部材(複数を含む)に付着して、その中間部材を他の要素に付着することによってその要素が別の要素に間接的に固着される構成、を包含する。
【0015】
乳児、未熟児、NASの乳幼児、及びその他の乳幼児(又は他の着用者)に対して、改良されたフィット性と、より柔軟な適用の選択肢と、狭い股部領域と、排泄物の収容と、改善された排泄物の可視化と、改善された皮膚の健康と、を提供する構成可能な吸収性物品が本明細書において提供される。最初に、構成可能な吸収性物品の特徴について論じ、その後、改善された排泄物の可視化について論じる。
【0016】
構成可能な吸収性物品
図1は、第1の腰部領域すなわち前側腰部領域の衣類対向面を観者に向けた状態の、横方向軸線を中心に折られた吸収性物品10の平面図である。図2は、着用者対向面を観者に向けた状態の、弾性体が延在し、吸収性物品10が平坦に置かれた、図1の吸収性物品10の平面図である。図3は、衣類対向面を観者に向けた状態の、弾性体が延在し、吸収性物品10が平坦に置かれた、図2の吸収性物品10の平面図である。図4は、線4-4を中心に得られた図2の吸収性物品10の断面図である。吸収性物品10は、横方向軸線12と、長手方向軸線14と、第1の腰部領域すなわち前側腰部領域16と、第2の腰部領域すなわち後側腰部領域18と、股部領域20と、を含んでもよい。可逆性の吸収性物品において、吸収性物品は、いずれの方向にも適用することができるため、特許請求の範囲において「第1の」及び「第2の」腰部領域16及び18と称され得る。吸収性物品10は、第1の湿りガード22及び第2の湿りガード24を有してもよい。場合によっては、本開示の吸収性物品には、1つの湿りガードのみが設けられてもよい。単一の湿りガードは、吸収性物品10の横方向軸線12のいずれか一方の側に設けられていてもよい。吸収性物品10はまた、吸収性コアによって吸収され得るように、排泄物を収容するためのカフ26を含むことができる。
【0017】
吸収性物品10は、横方向軸線12の第1の側における第1の端縁部28と、横方向軸線12の第2の側における第2の端縁部30と、を含むことができる。吸収性物品10は、長手方向中心軸線14の第1の側における第1の側縁部32と、長手方向中心軸線14の第2の側における第2の側縁部34と、を含むことができる。吸収性物品10は、液体透過性材料すなわち液体透過性トップシート36と、液体不透過性材料すなわち液体不透過性バックシート38と、トップシート36とバックシート38との中間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コア40と、を含み得る。
【0018】
トップシート36及びバックシート38は、任意の好適な材料で製造され得る。好適なトップシートの材料としては、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材若しくは綿繊維)の織布ウェブ若しくは不織布ウェブ、合成繊維(例えば、ポリエステル若しくはポリプロピレン繊維)、無孔材料、有孔材料、有孔不織布材料、オーバーボンド(overbonding)及びリングロール(ring rolling)プロセスを使って製造される有孔不織布材料、又は天然繊維及び合成繊維の組み合わせを有する材料が挙げられる。有孔又は無孔に関わらず、スパンボンド高ロフト材料が使用されてもよい。トップシート36は、有孔と共に又は有孔の代わりにのいずれか一方で、エンボス模様、グラフィック、模様、印、及び/又は三次元的形体を有してもよい。場合によっては、トップシート36は、平面的なトップシートであってもよい。他の例では、トップシートは、2015年3月2日出願の米国特許出願公開第2015/0250662号(Iseleら)又は2015年11月5日出願の米国特許出願公開第2016/0136014号(Aroraら)に開示されたようなトップシートであってもよい。トップシートは、疎水性であっても親水性であってもよい。トップシートが有孔である場合、トップシートが疎水性であることが所望され得る。
【0019】
好適なバックシートの材料としては、蒸気が吸収性物品10から逃れるのを可能にするが、同時に排泄物がバックシート34を通過することを防止するか、あるいは少なくとも妨げる通気性材料又は高通気性材料を挙げることができる(すなわち、液体不透過性材料)。このような材料としては、不織布材料、織布材料、フィルム、及び/又はこれらの材料のうちの1つ以上の組み合わせを含む積層体を挙げることができる。他のバックシートの材料としては、例えば、フィルムのような非通気性材料を挙げることができる。
【0020】
吸収性コア40は、排泄物を保持するように設計された吸収性物品の一部である。吸収性物品10の吸収性コア40のための好適な吸収性材料42は、排泄物の可視化の項において以下で論じる。吸収性コア40の構成及び構造は、多様であってもよい(例えば、吸収性コア(単数若しくは複数)又はその他の吸収性構造(単数若しくは複数)は、様々なキャリパーゾーン、親水性勾配(単数若しくは複数)、超吸収性勾配(単数若しくは複数)、又は低めの平均密度及び低めの平均坪量捕捉帯を有してもよく、又は1つ以上の層若しくは構造を含んでもよい)。他の例では、吸収性コア40の構成及び構造は、均一かつ均質であってもよく、吸収性物品10は、可逆性であってもよい。かかる例では、吸収性材料42は、均一かつ均質であってもよい(すなわち、様々な特性を示す範囲がない(not profiled))。いくつかの形態では、吸収性コア40は、例えば、砂時計形状、延在した砂時計形状、又は矩形形状を有することができる。図5は、延在する(長手方向軸線14を中心に延在する)砂時計形状を有する例示的な吸収性コア40の平面図である。一例では、吸収性材料42は、砂時計形状であってもよく、吸収性コア40は、矩形であってもよい(すなわち、コアバッグは矩形であり、吸収性材料42は砂時計形状である)。吸収性材料42及び/又は吸収性コア40の全体として(コアバッグを含む)、第1の腰部領域16において横方向軸線12に平行な方向に第1の幅を有してもよく、第2の腰部領域18において横方向軸線12に平行な方向に第2の幅を有してもよく、股部領域20において横方向軸線12に平行な方向に第3の幅を有してもよい。第1の幅及び第2の幅は、第3の幅よりも大きくてもよい。第1の幅及び第2の幅は、同じであるか、実質的に同じであるか、又は異なっていてもよい。場合によっては、吸収性材料42は、その後、矩形のコアバッグによって取り囲まれる図5に示す形状を有していてもよい。
【0021】
図4を参照して、吸収性材料42は、コアバッグ44内に囲み込まれていてもよい。いくつかの形態では、吸収性材料42は、超吸収性ポリマーのみ、又は少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも99%の超吸収性ポリマーを含んでもよい。コアバッグ44は、少なくとも部分的に吸収性材料42の第1の側にある第1の基材46と、少なくとも部分的に吸収性材料42の第2の側にある第2の基材48と、を含むことができる。第1の基材46は、吸収性材料42及び第2の材料48の部分の周りにC字形状巻き付き部を形成して、吸収性材料42を囲い込むことができる。他の例では、コア巻き付き部は、当業者に既知の任意の好適な構成を有することができる。いくつかの形態では、吸収性コア40は、1つ以上の吸収性材料非含有領域若しくはチャネル、又は実質的な吸収性材料非含有領域(例えば、実質的に超吸収性ポリマー又はエアフェルトを含まない領域)を含むことができる。この例では、第1の基材46は、これらの領域又はチャネルにおいて第2の基材48に接合、結合、又は接着されてもよい。他の形態では、チャネルは、吸収性コア40の中にエンボス加工されてもよい。いくつかの例示的なチャネル及び吸収性コアの構成は、更に詳細には、米国特許第8,979,815号、同第9,216,118号、及び同第9,216,116号において記載されている。
【0022】
図2及び図4を参照して、吸収性物品10は、任意選択的に、トップシート32と捕捉材料50との間、又は捕捉材料50とコアバッグ44との間のいずれか一方に1種以上の捕捉材料50及び/又は1種以上の分配材料51を含んでもよい。場合によっては、捕捉材料50及び/又は分配材料51は、コアバッグ44の全幅及び/又は全長だけ延在してもよい。他の例では、捕捉材料50及び/又は分配材料51は、コアバッグ44の全幅及び/又は全長よりも短く延在してもよい。捕捉材料50又は分配材料51は、例えば、矩形形状、砂時計形状、又は延在した砂時計形状を有することができる。捕捉材料50を使用して、排泄物の補足及び排泄物の吸収性コア40内への移動に際し、トップシート36を補助することができる。分配材料51は、提供される場合、吸収性物品10が吸収性コア40の上に排泄物を分配することを助けることができる。一例として、捕捉材料は、不織布材料であってもよく、分配材料は、例えば、架橋セルロース繊維、ティッシュ、又は他の不織布材料であってもよい。場合によっては、排泄物の可視化を改善するために、捕捉材料だけが提供されてもよく、分配材料だけが提供されてもよく、あるいはいずれも提供されなくてもよい。他の例では、後述するように、捕捉材料及び分配材料の一方又は両方が提供されてもよいが、排泄物の可視化を改善する窓がその中に画定されてもよい。トップシートと吸収性コアとの中間に2つの材料が提供される場合、窓は、本明細書でより詳細に記載されるように、一方又は両方の材料中又はそれを介して画定されてもよい。
【0023】
図2図4を参照して、一対のカフ26は、第1の端縁部28と第2の端縁部30との間に少なくとも部分的に又は完全に延在することができる。カフ26は、1つ以上の弾性体52を有してもよく、あるいは有さなくてもよい。場合によっては、カフ26は、弾性体52を有さない場合、トップシート36に対してじっと立つ(すなわち上方に延在する)ように、吸収性物品10に接合される前に予歪み状態であってもよい。他の例では、弾性体を含まないカフ26は、予歪み状態でなくてもよい。場合によっては、股部領域20の狭幅化を支援することを補助するために、一対のカフのみが設けられてもよい。いくつかの形態では、図6を参照して、第1の対のカフ26に加えて、第2の対のカフ27が設けられてもよい。一例では、この第2の対のカフ27は、弾性体を有さなくてもよく、予歪み状態であってもよく、予歪み状態でなくてもよい。他の例では、カフ26又は27のそれぞれは、1つ以上の弾性体52及び53を有してもよい。弾性体52及び/又は53は、トップシート36に対してカフを立たせる(すなわち、上方に延在させる)ことができる。弾性体52及び53は、長手方向軸線14に沿う任意の好適な長さであってもよい。一形態において、カフ26(又は27)は、それぞれ、(図4ではFと標識された)長手方向に延在する3つの折り目を有して、カフ26を立たせ、トップシート36から好適な距離だけ延在することができる。図4の54において、カフの糊又は接着が示されている。別の形態では、カフ26又は27は、任意の好適な構成を有してもよい。カフは、概ね、吸収性コア40の領域への排泄物の収容を補助し、側縁部の漏れを低減させる。カフ26及び/又は27の収縮部分及び/又は起立部分は、横方向軸線12の第1の側又は横方向軸線14の第2の側でより高くなっていてもよい。他の例では、カフ26及び/又は27の収縮部分及び/又は起立部分は、横方向中心軸線12の両側で同じであってもよい。場合によっては、カフ26及び/又は27は、横方向中心軸線12の両側で同じ距離だけ延在してもよい。場合によっては、吸収性物品10は、カフを一切含まなくてもよい。
【0024】
図1図3、及び図4を参照して、外側カバー不織布材料58をバックシート38の非吸収性コア対向側に位置付けてもよい。外側カバー不織布材料58は、例えば、接着剤56を用いてバックシート38に接合されてもよい。外側カバー不織布材料58は、1層以上で形成されてもよく、典型的には軟質材であってもよい。外側カバー不織布材料58は、より消費者に外観の興味をそそるように、あるいはその他の理由のために、複数の結合部、エンボス加工、開口、及び/又は三次元の形体を含んでもよい。
【0025】
図7は、締着部材100を有する図1の吸収性物品の側面図である。図8は、締着部材100を有さない図1の吸収性物品の側面図である。図9は、衣類対向面を観者に向けた状態の、図1の吸収性物品の斜視図である。
【0026】
図2図3、及び図6図9を参照して、本開示の吸収性物品10は、股部領域20において、一対の股部狭窄接合部60を含んでいてもよい。他の形態では、股部領域20の片側のみが、股部狭窄接合部60を含んでもよい。股部狭窄接合部60は、外側カバー不織布材料58の着用者対向部分又はカフ26(第2の組のカフが設けられている場合)若しくは27の着用者対向部分が、カフ26(第2の組のカフが設けられている場合)若しくは27の起立部分若しくは他の部分、又はトップシート36の一部に接合されている場合に生成されていてもよい。接合部は、接着剤結合、機械的結合、熱結合、及び/又は任意の他の好適なタイプの結合若しくは接合であってもよい。他の例では、股部狭窄接合部60は、バックシート38の着用者対向部分(又はバックシート38及び外側カバー不織布材料58を含む積層体)を、カフ26若しくは27の一部又はトップシート36の一部に接合することによって形成することができる。いずれの場合も、外側カバー不織布材料58の、第1の側縁部及び第2の側縁部32及び34に近接する部分が、カフ26若しくは27の一部又はトップシート36の一部に直接的に又は間接的に接合されていてもよい。これらの股部狭窄接合部60を設けることにより、吸収性物品10は、横方向軸線12において又は横方向軸線12に近接する、狭い折り畳み股幅(図1の「W」)を得ることができる。この狭い折り畳み股幅は、多数の理由により、未熟児にとって特に重要であり得る。第1に、小さな乳幼児は、脚の間の空間が少なめである。このように、折り畳み股幅が小さいほど、脚に脚を分離する力を加えることなく吸収性物品をより良好にフィットさせることができる。これにより、脚が、例えば、体の正中線付近などの快適な位置にあるようにすることができる。第2に、典型的なおむつでは、乳幼児の脚の内股領域は、カフ及び/又はバックシートの部分に接触していてもよい。本開示の吸収性物品10において、乳幼児の内股領域は、カフ26及び/又は27の部分及び軟質の外側カバー不織布材料58の部分と接触していてもよく、これにより、より快適な着用者の経験を提供し、折に触れて、内股の擦傷を低減させる。
【0027】
図7図9を参照して、股部狭窄接合部60は、カフの弾性体が少なくとも部分的に緩和されたときに、股部領域20の一部を長手方向軸線14に向かって内側に折り畳むことにより、股部の折り目61を生成する。図1を参照して、これらの股部の折り目61は、狭い折り畳み股幅Wを提供する。股部の折り目61はまた、股部領域20において、角度が付いた部分63を有する吸収性物品10を提供する。角度が付いた部分63は、横方向軸線12に対して、約10度~約80度、約15度~約75度、約20度~約70度、約30度~約60度、約40度~約60度の範囲の角度を有していてもよく、具体的には指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1度刻みの数値がすべて挙げられる。すべての角度は、本明細書における折り畳み股角度試験に従って測定される。
【0028】
図5を参照して、股部狭窄接合部60に加えて、吸収性コア40は、長手方向軸線14に平行な方向に伸長された脚切り欠き部62を有する延在した砂時計形状を有していてもよい。この特徴により、脚(「L」)が脚切り欠き部62内の複数の場所に位置付けられ、様々な着用者及び状況に適合することができる。着用者の脚は、例えば、乳幼児のある状況又は位置に適合するように、吸収性コア40の第1の端縁部41により近接するか、あるいは第2の端縁部43により近接するように位置付けられてもよい。上述のように、設けられる場合、捕捉材料50及び/又は分配材料51は、同様の形状又は異なる形状を有することができる。吸収性コア40は、約5mm~約300mm、約10mm~約100mm、約15mm~約75mm、約15mm~40mm、約15mm~25mm、又は約20mmの範囲内の横方向軸線12’に沿って測定された幅を有してもよく、具体的には指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1mm刻みの数値がすべて挙げられる。吸収性コア40は、約15mm~約500mm、約20mm~約300mm、約25mm~約100mm、約30mm~約50mm、約35mm~約40mm、又は約38mmの範囲の第1の端縁部41又は第2の端縁部43のいずれか一方に沿って測定された幅を有してもよく、具体的には指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1mm刻みの数値がすべて挙げられる。
【0029】
図10を参照して、いくつかの形態では、股部狭窄接合部が設けられる代わりに、横方向軸線12に近接した領域における、吸収性物品10、吸収性物品10の吸収性コア40、及び/又は吸収性物品10のその他の構成要素(例えば、設けられる場合、捕捉材料50)から股部切り欠き部64が切り出されてもよい。他の形態では、代わりに、股部切り欠き部64は、製造前又は製造中に吸収性物品の構成要素に形成されてもよい。股部切り欠き部64は、狭い折り畳み股幅を得るように、任意の好適なサイズ及び形状を有することができる。図10において、いくつかの例示的な形状が図示されている。股部切り欠き部64は、例えば、トップシート、バックシート、捕捉材料、外側カバー不織布材料、及び/又はカフの一部に形成することができる。股部切り欠き部64は、本明細書において開示された砂時計形状又は延在された砂時計形状の吸収性コアと共に使用されてもよい。捕捉材料50及び/又は分配材料はまた、例えば、砂時計形状であってもよい。股部切り欠き部64は、吸収性物品の脚周りが砂時計形状になるように切り取られてもよく、あるいは(長手軸長手方向軸線14に沿って)延在された砂時計形状であってもよい。
【0030】
股部狭窄接合部60は、任意選択的な形体であってもよい。場合によっては、股部狭窄接合部60がなくても、狭い折り畳み股幅が依然得られることが見出された。この狭い折り畳み股幅は、少なくとも一対のレッグカフ26並びに場合により2対のレッグカフ26及び27からの弾性体の収縮と組み合わせた、吸収性コア(図5参照)の細長い砂時計形状に起因し得る。このような例では、吸収性物品は、折り畳み構成において、図9Aの例示的な形状をとることができる。図9Aは、狭い折り畳み股幅を「W」として示している。
【0031】
本明細書における折り畳み股幅試験に従って測定された折り畳み股幅(すなわち、図1のW)は、吸収性物品10のサイズに応じて、約150mm未満、約100mm未満、約75mm未満、約50mm未満、約45mm未満、約50mm未満、約40mm未満、約35mm未満、約30mm未満、約25mm未満、約20mm未満、又は約15mm未満であってもよい。本明細書における折り畳み股幅試験に従って測定された折り畳み股幅は、例えば、約10mm~約150mm、約10mm~約100mm、約10mm~約75mm、約15mm~約50mm、約15mm~約45mm、45mm未満、40mm未満、35mm未満、約20mm~約40mm、約25mm~35mm、又は約15mm~約30mmの範囲であってもよく、例えば、具体的には、指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1mm刻みの数値がすべて挙げられる。
【0032】
上述のように、図2図4図6、及び図11を参照して、吸収性物品10に1つ以上の湿りガード22、24を設けてもよい。一般的に、湿りガード22及び24は、乳幼児の背中、腰背部、及び/又は脚と、排泄物で汚されるトップシート36の一部との間に障壁を確立するように設けられている。第1の湿りガード22は、横方向中心軸線12の第1の側に位置付けられてもよく、第2の湿りガード24は、横方向中心軸線12の第2の側に位置付けられてもよい。前述のように、ある吸収性物品10には、1つの湿りガード(22か24かのいずれか一方)だけが設けられてもよい。いくつかの形態では、他の湿りガードもまた、湿りガード22及び24に加えて、あるいはこれらに代えて設けられてもよい。一例として、いくつかの湿りガードは、第1の端縁部28と第2の端縁部30との間に少なくとも部分的に長手方向に延在することができる。湿りガード22及び24は、(横方向中心軸線12に平行な方向に測定された)任意の好適な幅及び(長手方向中心軸線14に平行な方向に測定された)長さを有することができる。場合によっては、湿りガード22及び24は、第1の幅を有してもよく、吸収性物品10は、第2の幅を有してもよい。第1の幅は、第2の幅と同一であってもよく、あるいは第2の幅と異なって(第2の幅より大きいか、又は小さくて)もよい。例えば、湿りガードは、カフ26又はカフ27の中間までのみ延在し、第1の側縁部及び第2の側縁部32及び34にまで延在しなくてもよい。場合によっては、湿りガード22又は24のうちの一方は、第1の幅を有し、湿りガード22又は24のうちの他方は、第2の幅を有してもよい。第1の幅及び第2の幅は、同一でも異なっていてもよい。場合によっては、湿りガード22又は24のうちの一方は、(長手方向中心軸線14に平行に測定された)第1の長さを有してもよく、湿りガード22又は24のうちの他方は、第2の長さを有してもよい。第1及び第2の長さは、同一でも異なっていてもよい。第1の湿りガード22は、第2の湿りガード24よりも長い長さを有してもよく、あるいは逆であってもよい。場合によっては、湿りガード22及び24は、吸収性物品10が可逆性であり得るように同じ長さを有してもよい。第1の湿りガード22は、吸収性コアの第1の部分と重なってもよく、第2の湿りガード24は、吸収性コアの第2の部分と重なってもよい。
【0033】
図11を参照して、第1の湿りガード22は、第1の端部66及び第2の端部68を有してもよい。第1の端部66は、吸収性物品10の第1の端縁部28に近接して位置付けられてもよい。第2の端部68は、第1の端縁部28と横方向軸線12との中間に位置付けられてもよい。第1の湿りガード22の第2の端部68は、直線であるとして図示されているが、横方向軸線12に対して凹状又は凸状であってもよく、あるいは任意の他の好適な形状を有してもよい。第1の湿りガード22は、トップシート36の少なくとも一部の上に位置付けられてもよく、長手方向軸線14と重なるか、又は交差していてもよい。他の例では、湿りガード22は、トップシート36の一部及びカフ26、27の一部の上に位置付けられてもよい。
【0034】
再度、図11を参照して、第1の湿りガード22の第1の部分70は、カフ26、27、吸収性物品10の第1の端縁部28に近接するトップシート36及び/又はバックシート38に接合されていてもよい。第1の湿りガード22の第2の部分72は、カフ26、27、吸収性物品10の第1の側縁部32に近接するトップシート36及び/又はバックシート38に接合されていてもよい。第1の湿りガード22の第3の部分74は、カフ26、27、吸収性物品10の第2の側縁部34に近接するトップシート36及び/又はバックシート38に接合されていてもよい。接合は、例えば、機械的接合又は接着性接合を使用することを含むことができる。接合は、間欠的又は連続的であってもよい。この接合により、図12を参照して、第2の端部68は、トップシート36及びカフ26、27に取り付けられなくてもよく、少なくとも第1の湿りガード22の非着用者対向面とトップシート36との間にポケット71が生成される。他の例では、第2の端部68は、例えば、トップシート36及び/又はカフ26、27に接合されるか、あるいは部分的に接合されてもよい。ポケットはまた、湿りガード22のポケット71と同様の様式で第2の湿りガード24によって作製することができる。
【0035】
引き続き図11を参照して、第2の湿りガード24は、第1の端部76及び第2の端部78を有することができる。第1の端部76は、吸収性物品10の第2の端縁部30に近接して位置付けられてもよい。第2の端部78は、第2の端縁部30と横方向軸線12との中間に位置付けられてもよい。第2の湿りガード24の第2の端部78は、直線であるとして図示されているが、横方向軸線12に対して凹状又は凸状であってもよく、あるいは他の好適な形状を有してもよい。第2の湿りガード24は、トップシート36の少なくとも一部の上に位置付けられてもよく、長手方向軸線14と重なるか、又は交差していてもよい。他の例では、湿りガード24は、トップシート36の一部及びカフ26、27の一部の上に位置付けられてもよい。
【0036】
第2の湿りガード24の第1の部分80は、カフ26、27、吸収性物品10の第2の端縁部30に近接するトップシート36及び/又はバックシート38に接合されていてもよい。第2の湿りガード24の第2の部分82は、カフ26、27、吸収性物品10の第1の側縁部32に近接するトップシート36及び/又はバックシート38に接合されていてもよい。第2の湿りガード22の第3の部分84は、カフ26、27、吸収性物品10の第2の側縁部34に近接するトップシート36及び/又はバックシート38に接合されていてもよい。接合は、例えば、機械的接合又は接着性接合を使用することを含むことができる。接合は、間欠的又は連続的であってもよい。この接合により、第2の端部78は、トップシート36及びカフ26、27に取り付けられなくてもよく、少なくとも第2の湿りガード24の非着用者対向面とトップシート36との間に(図12のポケット71のような)ポケットが生成される。他の例では、第2の端部78は、トップシート36、及び/又はカフ26、27に接合されるか、あるいは部分的に接合されてもよい。
【0037】
他の例では、第1及び/又は第2の湿りガード22及び24は、吸収性物品10の着用者対向面の任意の好適な場所でトップシート36、カフ26、27、及び/又はバックシート38に接合されてもよい。一例では、湿りガード22及び24の周辺の全部又は一部は、着用者対向面に接合されていてもよい。他の例では、非周辺領域の全部又は一部は、着用者対向面に接合されてもよい。両者が設けられている場合、2つの湿りガード22及び24は、着用者対向面の一部に同一の様式で又は異なる様式で接合されていてもよい。一例では、湿りガード22及び24のうちの一方又は両方が、パッケージ内の吸収性物品10に接合されていないが、代わりに別個の部品として提供される別個の部品であってもよい。その後、看護者又は介護者は、吸収性物品10の着用者対向面の部分に、適宜、湿りガード又は複数の湿りガードを位置付けてもよい。湿りガード22及び24は、湿りガード22及び24と第1及び第2の端縁部28及び30との間に空間を有してもよい。換言すると、それぞれの湿りガードの最も長手方向外側の部分は、第1の端縁部28又は第2の端縁部30に位置付けられる必要はないが、代わりに、例えば0.5インチの隙間のような隙間が存在していてもよい。
【0038】
湿りガード22及び24は、同一の構造又は異なる構造を有してもよい。図2及び図4を参照して、湿りガード22及び24はそれぞれ、第1の液体不透過性材料(又は実質的に液体不透過性材料)86及び第2の液体透過性材料88を含む積層体を含むことができる。湿りガードはまた、他の液体透過層又は不透過層を含んでもよい。層86及び層88は、接着剤90を使用するなど任意の好適な様式で共に接合され得る。接着剤90は、連続的又は非連続的であってもよく、例えば、スロット状に塗工されるか又はらせん状に塗布されてもよい。第1の液体不透過性材料86は、1種以上の不織布材料若しくはフィルム、又は積層体としての不織布及びフィルムを含むことができる。第2の液体透過性材料88は、1種以上の不織布材料又は非フィルム材を含むことができる。第1の液体不透過性材料86は、トップシート36の一部に対向する一方、第2の液体透過性材料88は、着用者に対向するか、又は吸収性物品の着用者対向面の一部を形成することができる。このように、第1の液体不透過性材料86を使用して、湿りガードの下のトップシート36の一部と第2の液体透過性材料88との間に障壁を生成して、材料88を乾燥状態及び無菌状態で保持することができる。第2の液体透過性材料88を使用して、乳幼児の腰背部、腰、及び/又は脚に、柔軟、無菌、及び快適な表面を提供することができる。一例では、湿りガード22及び24は、液体不透過性フィルムを有さない1つ以上の疎水性不織布材料のみを含んでいてもよい。(複数種の)疎水性不織布材料は未処置であり得るので、これは自然と疎水性を維持する。他の例では、(複数種の)疎水性不織布材料は、より疎水性となるように処理されてもよい。
【0039】
第1及び第2の湿りガード22及び24は、吸収性物品10内に股受け領域92を形成してもよい。股受け領域92は、吸収性物品10が乳幼児に位置付けられたとき、乳幼児の股領域が位置付けられる2つの湿りガード22と湿りガード24との間の領域である。第1の湿りガード22と第2の湿りガード24との間の股受け領域92は、特定のサイズの乳幼児用の任意の好適なサイズ(長さ又は幅)であってもよい。(共に、あるいは1つだけが設けられる場合、別で)湿りガード22及び24に対する股受け領域92の表面積の比は、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、又は約0.5:1であってもよく、あるいは約10:1~約1:1の範囲、具体的には上で指定した比及び指定した範囲内に形成されるすべての比の0.1刻みの数値がすべて挙げられる。股受け領域92は、例えば約25cm~約750cm、約40cm~約500cm、約50cm~約400cm、約50cm~約250cm、約50cm~約200cm、約50cm~約150cm、約50cm~約100cm、又は約60cm~約80cmの範囲の面積を有してもよく、具体的には、指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1cm刻みの数値がすべて挙げられる。
【0040】
吸収性物品は、平坦に置かれ、弾性体の収縮が引っ張られると、長手方向中心軸線14に対して平行な方向に、500mm未満、400mm未満、300mm未満、275mm未満であるが、少なくとも100mmの長さを有してもよい。吸収性物品は、平坦に置かれ、弾性体の収縮が引っ張られると、横方向中心軸線12に対して平行な方向に、200mm未満、150mm未満、130mm未満、100mm未満であるが、少なくとも50mmの幅を有してもよい。
【0041】
第1及び/又は第2の湿りガード22及び24を作成するために、バックシート38及び外側カバー不織布材料58は、第1及び第2の端縁部28及び30を越えて延在し、吸収性物品10の着用者対向側に折り重なってもよい。バックシート38及び外側カバー不織布材料58の折り重なった部分を、トップシート36、カフ26、27の一部、及び/又はバックシート38に接合してもよい。このように、バックシート38の折り重なった部分が第1の液体不透過性材料86を形成し、外側カバー不織布材料58が湿りガード22及び24の第2の液体透過性材料88を形成することができる。他の例では、バックシート38及び外側カバー不織布材料58は、着用者対向面の一部に接合されていなくてもよいが、代わりに着用者対向面に単に折り重ねられていてもよい。
【0042】
別の例では、第1及び/又は第2の湿りガード22及び24は、それぞれ第1の液体不透過性材料86及び第2の液体不透過性材料88を含む別個の積層体から形成されてもよい。これらの別個の積層体は、トップシート36、カフ26、27の一部、及び/又はバックシート38に接合されてもよい。
【0043】
吸収性物品10は、例えば、約150cm~約1500cm、約175cm~約1000cm、約200cm~約800cm、約200cm~約500cm、約200cm~約400cm、約200cm~約300cm、約200cm~約250cm、約210cm~約240cm又は約225cmの範囲の着用者対向面面積(湿りガードの面積を含む全着用者対向面)を有してもよく、具体的には、指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1cm刻みの数値がすべて挙げられる。
【0044】
湿りガード22又は24は、例えば、約10cm~約800cm、約15cm~約600cm、約15cm~約400cm、約20cm~約300cm、約20cm~約200cm、約20cm~約100cm、約20cm~約75cm、又は約25cm~約70cmの範囲の面積を有してもよく、具体的には、指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1cm刻みの数値がすべて挙げられる。上述したように、両方が吸収性物品に設けられている場合、湿りガード22は、湿りガード24と同一であるか、又は異なる面積を有してもよい。
【0045】
別の例では、図13を参照して、湿りガード22及び24のうちの少なくとも一方又は両方を、例えば、第1の側縁部32、第2の側縁部34、並びに/又は側縁部32及び34のうちの一方に近接する吸収性物品10の一部にだけ取り付けることができる。他の例では、湿りガード22及び/又は24は、例えば、外側カバー不織布材料58、バックシート38、トップシート34、及び/又はカフ(26又は27)のうちの1つに取り付けられてもよい。かかる例において、図13の湿りガード22は、例えば、図2に示された位置に折り重ねられるように構成されていてもよい。湿りガード24は、図示された湿りガード22と同様の構成を有してもよく、あるいは図2を参照して記載されたように設けられてもよい。湿りガード22(及び/又は同一の形体で設けられる場合、湿りガード24)は、例えば、複数のフック又は接着剤のような締着部23を含んでもよく、例えば、湿りガード22が吸収性物品10に折り重ねられると、湿りガード22は、締着部23によって、吸収性物品10の着用者対向面の一部に接合される。湿りガード22の材料は、上述したものと同じであるか、又はそれに類似していてもよい。
【0046】
更に他の例では、図14及び図15を参照して、湿りガード22及び24のうちの一方又は両方は、吸収性物品10(図14)とは別の部品(図15)であってもよく、例えば、図2に示す位置、あるいは、例えば、看護者又は介護者が所望するような他の位置において、吸収性物品10に配置されるように構成されてもよい。場合によっては、図14及び図15に図示するように、1つの湿りガード22は、別個の部品であってもよく、他方の湿りガード24は、カフ26(又は27)、トップシート36、及び/又はバックシート38に接合されていてもよい。個別の湿りガード又は複数の湿りガードは、吸収性物品10と共に包装されていてもよく、あるいは別個に包装及び/又は販売されていてもよい。別個の湿りガード22(及び/又は別個の場合、湿りガード24)は、第1の締着部23及び第2の締着部25を有することができる。第1の締着部23及び第2の締着部25を使用して、個別の湿りガード22を、所望どおりに吸収性物品10の着用者対向面の一部に接合し、吸収性物品10の使用中に湿りガード22を適所に維持することができる。湿りガードの材料は、上述したものと同じであるか、又はそれに類似していてもよい。
【0047】
更に他の例では、図16及び図17を参照して、湿りガード22及び24のうちの少なくとも一方又は両方がスリーブ形態で設けられてもよい。スリーブは、パッケージ内の吸収性物品10上に位置付けられてもよく、パッケージ内の吸収性物品10とは別個に位置付けられてもよく、あるいは別のパッケージで販売されてもよい。一旦、吸収性物品上に位置付けられると、スリーブは、矢印94及び96の方向に移動可能であり、看護者又は介護者は、所望どおりに湿りガード22を位置付けることができる。場合によっては、図16に示すように、1つの湿りガード24が、着用者対向面に接合され、別の湿りガード22が、スリーブの形態をとることができる。いくつかの形態では、湿りガードの材料は、上記と同じであってもよいし同様であってもよい。他の形態では、着用者対向面の上に位置付けられた湿りガードの部分だけが、その他の部分(すなわち、吸収性物品10の非着用者対向面98に巻き付けられた部分)が、例えば、フィルムを含まない不織布材料のような他の材料で構成される、本明細書に記載された湿りガードの構成を有してもよい。図17は、スリーブ状の湿りガード22が、どのように吸収性物品10を取り巻くかの例を示す。
【0048】
本開示の吸収性物品10は、1つ以上の締着部材を有することができる。締着部材は、後側腰部領域18において吸収性物品10に恒久的に取り付けられ、前側腰部領域の衣類対向面に、締着部(例えばフック)によって係合される、又はその逆の、関連技術の締着部材(すなわち、テープ付き締着部材)であってよい。場合によっては、このような係合のために、前側腰部領域16の衣類対向面に、ランディングゾーンを設けることができる。他の例では、締着部材は、完全に取り外し可能な締着部材100であってもよい。締着部材は、別個の要素でもあり得る伸長パネルであってもよい。図18及び図19を参照して、締着部材100はそれぞれ、第1の表面102、第2の表面104、第1の端部106、及び第2の端部108を含むことができる。第1の表面102は、第2の表面104の反対側であってもよく、第1の端部106は第2の端部108の反対側であってもよい。締着部材100は、外側カバー不織布材料58の第1の部分又はランディングゾーンの第1の部分と係合するように構成され、第1の表面102に位置付けられた、第1の締着部110を含むことができる。吸収性物品10は、ランディングゾーンを有していなくてもよい。締着部材100は、外側カバー不織布材料58の第2の異なる部分に係合するように構成され、第1の表面102に位置付けられた、第2の締着部112を含むことができる。場合によっては、第1の表面102に第1の締着部材110を設け、第2の表面104に第2の締着部材112を設けることが所望され得、締着部は、例えば、管を保持するためにループ状に折り畳むことができる。外側カバー不織布材料58の第1の部分は、前側腰部領域16、後側腰部領域18、又は股部領域20にあってもよい。同様に、外側カバー不織布材料58の第2の部分は、前側腰部領域16、後側腰部領域18、又は股部領域20にあってもよい。締着部110は、第1の端部106に近接して位置付けられてもよく、締着部112は、第2の端部108に近接して位置付けられてもよい。場合によっては、吸収性物品10に完全に取り外し可能な締着部材100が1つのみ設けられてもよく、他の締着部材は、その端部の少なくとも1つの端部において、吸収性物品に恒久的に接合されていてもよい。
【0049】
締着部材100は、吸収性物品10から取り外し可能であるため、看護者や介護者の所望に応じてあるいは必要に応じて締着させることができる。場合によっては、看護者又は介護者は、例えば、乳幼児がある位置にいる場合、締着部材100を吸収性物品10から取り外し、これらを使用しなくてもよい。他の例では、看護者又は介護者は、例えば、乳幼児が他のある位置にいる場合、締着部材100のうち1つのみを使用してもよい。
【0050】
図18図22を参照して、第1の締着部110及び第2の締着部112は、締着部材100の周辺まで延在しなくてもよい。これは、頑丈な締着部材(例えば、フック)が着用者の皮膚に接触又は刺激を与えることを防止するか、あるいは少なくとも抑制することを助けることができる。締着部110及び112は、矩形として図示されているが、例えば、円形又は卵形などの任意の他の好適な形状であってもよい。場合によっては、締着部が、着用者の皮膚に刺激を与えることを再び防止するか、あるいは少なくとも抑制するように、角部を有さない締着部を有することが所望され得る。パッケージ内において、第1の締着部110及び第2の締着部112は、第1の表面102に接合されてもよいので、第1の締着部110及び第2の締着部112は、吸収性物品の他の部分、他の締着部材、及び/又は他の物品と意図せず係合することを少なくとも抑制される。
【0051】
図20を参照して、締着部材100は、第1の不織基材又は他の基材114と、第2の又は他の不織布基材116と、第1の基材114と第2の基材116との中間に少なくとも部分的に位置付けられた弾性材料117と、を含むことができる。弾性材料としては、例えば、弾性不織布材料、弾性フィルム、又は弾性ストランドを挙げることができる。弾性材料は、通気性を促進するために、有孔であるか、又は微細有孔であってもよい。他の例では、締着部材は、1つ以上の基材を含んでもよく、弾性材料を含まなくてもよい。
【0052】
図21及び図22を参照して、締着部材100の(例えば、第1の端部106と第2の端部108との間の)中間部分118は、締着部材100における1つ以上のスロット120又は開口を画定することができる。スロット又は開口120は、任意の好適なサイズ及び/又は形状を有し得る。特定の例では、未熟児、NASの乳幼児、その他の乳幼児は、栄養管、コード型モニタリング装置(例えば、心拍モニタリング装置)、コード型生活支援装置等を使用している。これらの管及びコードは、スロット120又は開口を通って位置付けられて、管及びコードを適所に保持することを助けることができる。場合によっては、締着部材100の中間部分118又は他の部分は、例えば、高通気性フィルム、不織布、フィルム/不織布積層体、又は有孔フィルム若しくは有孔不織布材料などの高通気性材料で構成することができる。
【0053】
一部の国では、乳幼児の臍帯の一部が乾燥及び/又は治癒しているとき、生後、臍領域に空気を流すことが可能であることが所望され得る。図23及び図24を参照して、前側腰部領域16の第1の端縁部28に第1の臍帯切り欠き部122を画定してもよく、後側腰部領域18の第2の端縁部30に第2の臍帯切り欠き部124を画定してもよい。第1の臍帯切り欠き部122及び第2の臍帯切り欠き部124は、第1の端縁部28及び第2の端縁部30に対して任意の好適なサイズ、形状、及び/又は深さを有することができる。場合によっては、第1又は第2の臍帯切り欠き部のみを設けることができる。2つの臍帯切り欠き部を有することの利点は、吸収性物品10が、着用者の正面に前側腰部領域16が適用されるか、あるいは着用者の背中に前側腰部領域16が適用されてもよいことである。換言すると、2つの臍帯切り欠き部を設けることにより、吸収性物品10は、可逆性であることができる。長手方向軸線14(例えば、図2参照)は、臍帯切り欠き部を通って延在することができる。
【0054】
図24を参照して、締着部材100の第1の側が、後側腰部領域18の一部に恒久的に固定されてもよく、吸収性物品10に解放可能に接合されていなくてもよい。締着部材100の第1の側は、後側腰部領域18の一部に、1つ以上の結合部138、接着剤のラインを使用して、恒久的に固定されてもよく、あるいは他の方法で恒久的に固定されてもよい。締着部材100の第2の側は、締着部材100の第2の側を前側腰部領域16の一部に接合するために使用される締着部を含むことができる。あるいは、締着部材100の第2の側は、前側腰部領域16に恒久的に固定されてもよく、締着部材100の第1の側は、締着部材100の第1の側を後側腰部領域18に接合するために使用される締着部を含むことができる。
【0055】
一部の国では、生後の乳幼児の臍を覆うことが所望され得る。図25及び図26を参照して、第1の臍帯突起部126は、前側腰部領域16の第1の端縁部28から延在することができ、第2の臍帯突起部128は、後側腰部領域18の第2の端縁部30から延在することができる。第1の臍帯突起部126及び第2の臍帯突起部128は、第1の端縁部28及び第2の端縁部30に対してそれぞれ任意の好適なサイズ、形状及び/又は高さを有してもよい。場合によっては、第1の臍帯突起部又は第2の臍帯突起部のみを設けることができる。2つの臍帯突起部を有することの利点は、吸収性物品10が、着用者の正面に前側腰部領域16が適用されるか、あるいは着用者の背中に前側腰部領域16が適用されてもよいことである。換言すると、2つの臍帯突起部を設けることにより、吸収性物品10は、可逆性であることができる。長手方向軸線14(例えば、図2参照)は、臍帯突起部を通って延在することができる。
【0056】
臍帯突起部は、臍帯突起部の中に画定された1つ以上のスロット130又は開口を有してもよい。スロット130又は開口は、任意の好適なサイズ及び/又は形状を有し得る。特定の例では、未熟児、NASの乳幼児、その他の乳幼児は、栄養管、コード型モニタリング装置(例えば、心拍モニタリング装置)、コード型生活支援装置等を使用している場合がある。これらの管及びコードは、スロット130又は開口を通って位置付けられて、管及びコードを適所に保持することを助けることができる。
【0057】
場合によっては、吸収性物品には、臍帯切り欠き部又は臍帯突起部が設けられなくてもよい(例えば、図1及び図2参照)。更に他の例では、横方向軸線12の第1の側に、臍帯切り欠き部を設けてもよく、横方向軸線12の第2の側に臍帯突起部を設けてもよい。
【0058】
上記のように、繊細な体と皮膚のため、未熟児及びNASの乳幼児との接触を可能な限り少なくすることが所望され得る。一方で、乳幼児の皮膚を保護するために、可能な限り排泄物を含まないように、吸収性物品を乳幼児が身に付けることもまた所望される。乳幼児が、インキュベータ内に位置付けられるような場合、従来の湿り度インジケータは、インキュベータの高湿度環境により、適切に機能しない場合がある。本開示は、低不透明度の外側カバー不織布材料58及び/又はバックシート38を提供することによって、これらの問題を解決する方法を提供する。低不透明度の外側カバー不織布材料58及び/又はバックシート38を提供することによって、看護者は、乳幼児に触れることなく、吸収性物品を交換する必要があるかどうかを視覚的に判断することができ、それ故に、吸収性物品が汚れていないか、又はあまり汚れていない場合、乳幼児を煩わせなくて済む。
【0059】
バックシート38の不透明度は、約10%~約80%、約15%~約70%、約20%~約70%、又は約25%~約70%の範囲内であってもよく、具体的には、指定した範囲内及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1%刻みの数値がすべて挙げられる。本明細書において、不透明度試験を使用して、すべての不透明度(%)が求められる。
【0060】
外側カバー不織布材料58の不透明度は、約1%~約50%、約5%~約30%、約5%~約25%、約10%~約20%、約10%~約15%、又は約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、又は約10%未満の範囲内であってもよく、具体的には、指定した範囲内及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1%刻みの数値がすべて挙げられる。本明細書において、不透明度試験を使用して、すべての不透明度(%)が求められる。
【0061】
積層体として測定された、バックシート38及び外側カバー不織布材料58の不透明度は、約15%~約95%、約20%~約80%、約30%~約70%、又は約40%~約60%の範囲内であってもよく、具体的には、指定した範囲内及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1%刻みの数値がすべて挙げられる。本明細書において、不透明度試験を使用して、すべての不透明度が求められる。
【0062】
低不透明の外側カバー不織布材料58及び/若しくはバックシート38に加えて又はこれに代えて、吸収性物品10は、バックシート38の着用者対向側又は他の好適な位置に位置付けられてもよい湿り度インジケータ132を含んでもよい。湿り度インジケータは、吸収性物品10の着用者対向面又は衣類対向面から目視可能であってもよい。これにより、排泄物は、湿り度インジケータに接触するので、湿り度インジケータは、吸収性物品が汚れ、取り換えが必要であることを看護者又は介護者に示すために、色を変えたり、出現したり、又は消えたりすることができる。他の例では、湿り度インジケータは、吸収性物品10内の(吸収性物品に進入した排泄物に起因する)温度変化に基づいて色を変えたり、出現したり、又は消えたりすることができる。他の例では、吸収性物品10は、湿り度インジケータを備えていなくてもよい。
【0063】
吸収性物品10は、乳幼児の皮膚の健康を促進するために、トップシート36、レッグカフ26及び/若しくは27、並びに/又は他の構成要素に、ローション、軟膏、皮膚保護軟膏、ビタミン剤、抗菌処理、抗微生物処理、抗真菌処理を含んでもよい。
【0064】
湿りガード
本明細書に記載の湿りガード22及び24の任意の構成は、共に使用されてもよく、例えば、別個である湿りガードは、折り重なる湿りガードと共に使用されてもよく、あるいは吸収性物品10の片側のみに取り付けられる湿りガードは、常設の湿りガード又は別個の湿りガードと共に用いられてもよい。吸収性物品の他の特徴は、本明細書に記載の湿りガードの構成のうちの任意のものと組み合わせて使用してもよい。
【0065】
グラフィック及び/又は印
図27図29は、衣類対向面を観者に向けた状態の、グラフィック及び/又は印134、136(以下「グラフィック」)を有する吸収性物品10の概略図である。グラフィック134は、横方向中心軸線12の第1の側にあってもよく、衣類対向面から見ることができ、グラフィック136は、横方向中心軸線12の第2の側にあってもよく、吸収性物品10の衣類対向面から見ることができる。グラフィック134及び/又は136は、吸収性物品10の長手方向軸と交差してもよく、あるいは交差しなくてもよい。グラフィック134及び/又は136は、単一の画像、複数の画像、単一のパターン又は複数のパターンを形成する単一のグラフィック又は複数のグラフィックであってよい。グラフィック134は、介護者又は着用者に吸収性物品の可逆性を示すように、横方向中心軸線12に対してグラフィック136の鏡像であってもよい(又は同一であるか若しくは実質的に同一であってもよい)。他の例では、グラフィック134は、横方向中心軸線12に対してグラフィック136の鏡像でなくてもよい。図29を参照して、グラフィック134及び/又は136は、ブランド名、文字、及び/又はロゴから少なくとも部分的に構成されてもよい。グラフィック134及び/又は136は、例えば、バックシート38及び/又は外側カバー不織布材料58に印刷されるか、位置付けられるか、かつ/又は塗布されてもよい。グラフィック134及び136がバックシート38にある場合、外側カバー不織布材料58は、グラフィック134及び136が外側カバー不織布材料58を通って視認可能な不透明度を有してもよい。グラフィック134及び136は、バックシート38の衣類対向側及び/又はバックシート38の着用者対向側にあってもよい。グラフィック134はまた、前側腰部領域16内のランディングゾーンに印刷されるかないしは別の方法で付与されてもよい。同様に、グラフィック136は、後側腰部領域18のランディングゾーンに印刷されるかないしは別の方法で付与されてもよい。2つのランディングゾーンを設けることにより、介護者は、吸収性物品10が可逆性であることを認識することができる。ランディングゾーンは、外側カバー不織布材料58に接合された別個の材料であってもよく、あるいは外側カバー不織布材料58の部分により形成されてもよい。
【0066】
横方向中心軸線12に対して互いの鏡像であるグラフィック134及び136を有することにより、吸収性物品10は、可逆性であり得る。言い換えると、乳幼児の(又は着用者の)後側腰部領域は、吸収性物品10がどのように乳幼児に着用されているかに応じて、グラフィック134又は136に隣接して位置付けられてもよい。吸収性物品10が可逆的であるように作製されている場合、吸収性コア40内の吸収性材料42は、場合によっては、均一かつ均質であり得る。吸収性コア40はまた、吸収性物品の可逆性を補助するように、吸収性物品内で長手方向にセンタリングされてもよい。横方向中心軸線12の両側に互いに鏡像をなすグラフィックを設けることにより、介護者は、吸収性物品が可逆性であることを迅速に認識することとなる。更に、グラフィックは、締着部(例えば、110、112)が衣類対向面に取り付けられてもよい場所(例えば、ランディングゾーン)を示して、締着部の適切な適用に関して介護者を誘導し、それにより、吸収性物品10を適切に適用できる。
【0067】
インサート
図8及び図30図34を参照すると、1つ以上のインサート140が、吸収性物品10と共に使用するために設けられてもよい。1つ以上のインサート140は、吸収性物品10と共に包装されてもよく、あるいは別個に包装され販売されてもよい。1つ以上のインサート140及び1つ以上の吸収性物品10は、キットであってもよい。1つ以上のインサート140は、吸収性物品10が着用者に着用された後、又は吸収性物品10が着用者に着用される前に、吸収性物品10内に位置付けられてもよい。インサート140は、吸収性物品10の汚染前又は吸収性物品10の汚染後に使用されてもよい、追加の吸収性収容要素を本質的に提供する。インサート140はまた、排泄物の可視化を改善するための追加の構成要素を提供してもよい。場合によっては、インサート140は、排泄物の可視化の改善における唯一の源を提供することができ、吸収性物品10の残りの部分は、改善された排泄物の可視化のために設計されていない。インサート140は、吸収性物品10のみを使用した場合に比べて、乳幼児又は着用者が完全に交換する必要がなくてもよく、それにより、移動又は接触が少なくて済むことができるという点で有利であり得る。複数のインサートを一度に使用することができ、汚れた場合、最も着用者に近い側のインサートを除去することができる。場合によっては、インサート140は、任意の好適な接合手法を使用して、吸収性物品10の着用者対向面又は他のインサートの着用者対向面に締着又は接合されてもよい。他の例では、インサート140は、吸収性物品10の着用者対向面に、又はいくつかの別個の取り付け機構若しくは接合機構なしに、着用者対向面に単に配置されてもよい。これらの例では、インサート140は、摩擦により又は単に着用者又は乳幼児の体重によって、適所にとどまることができる。場合によっては、インサートの少なくとも一部は、吸収性物品を着用者が着用中に、吸収性物品に挿入されると、吸収性物品10の着用者対向面の一部の上に摺動可能な低摩擦係数を有してもよい。インサートは、吸収性物品全体の取り換えを減らすことができ、これにより、乳幼児又は未熟児のストレスを少なくする(すなわち、動きを少なくする)ので有益である。上述したように、インサートはまた、排泄物の可視化を改善するために使用されてもよい。
【0068】
図30は、本開示の吸収性物品10の着用者対向面に位置付けられたインサート140の平面図である。図31は、インサートの平面図である。図32は、線32-32を中心に得られた図31のインサート140の断面図である。図33は、別のインサート140’の平面図である。図34は、別のインサート140’’の平面図である。
【0069】
インサート140は、トップシート142と、任意選択的な捕捉材料及び/又は分配材料144と、吸収性コア146と、バックシート148と、任意選択的に外側カバー不織布材料150と、を含んでもよい。排泄物の可視化が改善されたインサートは、有孔トップシート142と、吸収性コア146と、バックシートと、を含んでもよい。トップシートは、吸収性コアと対面接触することができる。排泄物の可視化の改善を可能にするために、インサートは、捕捉材料若しくは分配材料を含まなくてもよく、又は窓は、捕捉材料若しくは分配材料中に存在してもよい。トップシート142は、1種以上の不織布材料、1種以上のフィルム、又は1種以上の不織布材料及び1種以上のフィルムから形成された積層体から形成されてもよい。トップシート142は、液体透過性材料又はトップシート142を液体透過性又はより液体透過性であるようにすることができる、トップシート142に画定された、開口152を含んでもよい。トップシート142はまた、例えば、三次元特徴部、エンボス加工、結合パターン、ローション、及び/又は界面活性剤を含んでもよい。設けられる場合、捕捉材料及び/又は分配材料144は、不織布材料、発泡体、又は他の好適な材料で形成されてもよい。補捉材料及び/又は分配材料144は、任意選択的な特徴部であるため、図32にだけ示している。任意選択的に、架橋セルロース繊維の層もまた、トップシート142と捕捉材料及び/又は分配材料144との間に存在してもよい。吸収性コア146は、吸収性材料を含んでもよい。吸収性材料は、排泄物の可視化の項において以下で論じる吸収性材料、又は他の吸収性材料を含んでもよい。バックシート148は、液体不透過性であってもよく、気体透過性(又は「通気性」)であってもよく、又は気体透過性でなくてもよい。場合によっては、バックシート148は、設けられなくてもよく、吸収性コア146によって吸収されない排泄物は、インサート140を通過し、吸収性物品10内に移動する。外側カバー不織布材料150は、設けられてもよく、又は設けられなくてもよく、例えば、不織布材料で形成されてもよい。特許請求の範囲を含むいくつかの場合では、本明細書に記載のインサートは、それ自体が「吸収性物品」と見なされてもよい。特定の状況では、トップシートは、バックシートの周囲に部分的にC字形状包装されてもよい。
【0070】
図32Aを参照すると、場合によっては、インサート140は、図31の線32A-32Aを中心に得られた場合、図示される断面を有してもよい。そのような場合、トップシート142は、バックシート148の端部領域の周りにC字形状巻き付き部を形成し、接着性結合材149又は他の種類の接合部を使用してバックシート148に接合されてもよい。そのような場合、バックシート148の一部は、吸収性物品10のトップシート36に据えられ得る。言い換えると、バックシート148の一部は、インサートの衣類対向面を形成してもよい。任意選択的な捕捉材料及び/又は分配材料144を設けてもよい。図32Aのインサートは、場合によっては、外側カバー不織布材料も更に有することができる。
【0071】
図32Bを参照すると、別のインサート141が図示されている。インサート141は、トップシート142と、バックシート148と、トップシート142とバックシート148の一部との中間の吸収性コア146と、トップシート142とバックシート148とを接合する接着剤又は他の結合材149と、を含む。インサート141は、任意選択的に、トップシート142と吸収性コア146との中間に捕捉材料及び/又は分配材料を含んでもよい。インサート141では、バックシート148は、例えば、排泄物が矢印Xで示される位置でインサート141に入ると、尿などの排泄物を包み込むように、吸収性コア146の大部分を包囲してもよい。このような様式では、排泄物は、インサート141内にとどまることができ、それによってインサートからの漏れが低減される。
【0072】
図33を参照すると、インサート140’が図示されている。この例示的インサート140’は、一方の端部に把持タブ154を有し、他方の端部に切り欠き部156を有する。把持タブ154を使用して、介護者は、インサート140’を容易に把持及び除去することができる。把持タブ154は、一例では、バックシート材料又は他の液体不透過性材料のみで形成されてもよく、排泄物は、把持タブ154に吸い上がることはできない。他の例では、把持タブ154は、トップシート142の一部、バックシート148の一部、及び/又は外側カバー不織布材料150の一部によって形成されてもよい。一方の端部に把持タブ154及び他方の端部に切り欠き部156を設けることにより、インサートを複数のインサート140’のストリップに製造する際、省材料化を達成することができる。本明細書に記載のインサートのうちの任意のものは、複数のインサートのストリップに製造されてもよく、例えば、インサートのロールとしてパッケージされてもよい。脆弱線158が、様々なインサートの中間に形成されてもよい。そのような例では、複数のインサートのロールが介護者又は看護者に提供されてもよく、その後、介護者又は看護者は、特定の着用者に使用するために任意の好適な数のインサートを切り離すことができる。インサートはまた、例えば、積み重ねて、又は他の形態でパッケージされてもよい。
【0073】
図34を参照すると、インサート140’’が図示されている。例示的なインサート140’’は、介護者又は看護者が容易にインサート140’’を配置及び除去することができるように、両端に把持タブ154を有してもよい。
【0074】
場合によっては、様々なインサートは、着用した吸収性物品10へのインサートの適用を補助する剛化部材又は剛化部分(例えば、発泡体、緻密化領域)を含んでもよい。
【0075】
場合によっては、インサートを含む吸収性物品は、芳香剤、香料、及び/又はローションを含まないことが所望され得る。他の例では、例えば、トップシートなどの吸収性物品の1つ以上の構成要素は、芳香剤、香料、及び/又はローションを含まなくてもよい。排泄物の可視化を伴うインサートの更なる詳細を以下に説明する。
【0076】
弾性体
図35を参照して、弾性体52は、吸収性物品10の、全長手方向、略全長手方向、又は全長手方向の一部にだけ延在していてもよい。ただし、ある例では、弾性体52は、接合領域222において単にカフ26に接合されていてもよい。弾性体52は、第1の端縁部28及び第2の端縁部30において、吸収性物品が他の吸収性物品から分離された後、吸収性物品10の全長手方向に延在しなくてもよい。この例では、弾性体52は、接合領域222に向かって「後戻り」してもよい。接合領域222の外側の弾性体52の一部は、カフ26に接合しなくてもよく、これによって、接合領域222の外側のカフ26の領域に弾性力を付与しない。接合領域222は、長手方向(すなわち、長手方向軸線20を中心とする方向)中央において、弾性体52の上に位置してもよい。別の言い方をすれば、接合領域222は、横方向軸線12に対して対称性を示すことができる。他の場合、接合領域222は、横方向軸線12に対して対称性を示さなくてもよく、あるいは横方向軸線12に交差もしなくてもよい。この例では、接合領域222は、横方向軸線12の第1の側に完全に位置付けられてもよく、あるいは横方向軸線12の第2の側に完全に位置付けられてもよい。2つ以上の接合領域222が、単一のカフ26に対して存在してもよい。単一の弾性体52では、一方の接合領域は、横方向軸線12の第1の側にあってもよく、第2の接合領域は、横方向軸線12の第2の側にあってもよい。接合領域222は、長手方向軸線14と概ね平行な方向に延在する、約0.25インチ~約10インチ、約0.5インチ~約7インチ、約1インチ~約6インチ、約1インチ~約5インチ、又は約1インチ~約4インチの長さを有してもよく、具体的には、指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1インチ刻みの数値がすべて挙げられる。特定の吸収性物品10における接合領域222のある長手方向の長さは、吸収性物品10のサイズ及び/又は吸収性物品10の目的の使用に依存し得る。接合領域222は、例えば、1種以上の接着剤及び/又は1種以上の機械的結合、超音波結合及び/又は熱結合を含み、接合領域222内の弾性体52をカフ26に接合することができる。接合領域222は、単に図示の目的のために、矩形ブロックとして図示されているが、他の好適な形状が、本開示の範囲内にある。弾性体52は、カフ26に接合されるとき、予歪み状態であってもよく、予歪み状態が解放されると、接合領域222を有効化する。場合によっては、弾性体52は、接合領域222を通って長手方向にだけ延びてもよく、予歪み状態であってもよい。カフ26は、1種以上の材料又は不織布材料から形成され得る。1種だけの材料を使用する場合、その材料は、弾性体52を囲い込むように材料自体が折り重ねられてもよい。2つの材料を使用する場合、材料は、これらの材料の間に弾性体を挟んでもよい。接合領域222は、図37に示すように、間に予歪み状態の弾性体52Pを有する2つ以上の別個の結合部222’であってもよい。弾性体53は、設けられる場合、本段落に記載された弾性体52と同一又は異なる特徴を有していてもよい。他の例では、弾性体53だけが、弾性体52に関して本段落で記載された特徴を有してもよい。弾性体52及び/又は53に1つ以上の接合領域222を設けることによって、吸収性物品は、第1の端縁部28を第2の端縁部30に向けることによりU字形状を形成することができる。これにより、より良好に排泄物を収容することができる。このU字形状の例示的な吸収性物品は、図36に示されている。
【0077】
他の例において、接合領域222は、設けられなくてもよく、カフは、第1の不織布基材又は第1の基材及び第2の不織布基材又は第2の基材を含んでもよい。第1の不織布基材及び第2の不織布基材は、様々な長手方向予歪み力で互いに接合され得る。このように、これらの予歪み力が解放されると、カフは収縮し、図36の上の吸収性物品のような構造を形成することができる。第1の基材及び第2の基材のうちの一方における1つの予歪み力は無視できるほどであってもよく、あるいはゼロであってもよい。
【0078】
図37を参照して、吸収性物品10は、ある弾性的構成を有するカフ26を有してもよい。弾性体52及び/又は53は、上述した接合領域222、222’を有してもよく、あるいは有さなくてもよい。弾性体52は、それぞれ、第1の端縁部28の近位の第1の結合部224と、第1の結合部224よりも第1の端縁部28から遠位に位置付けられた第2の結合部226と、を有してもよい。弾性体52はまた、それぞれ、第2の端縁部30の近位の第3の結合部228と、第3の結合部228よりも第2の端縁部30から遠位に位置付けられた第4の結合部130と、を有してもよい。弾性体52は、第2の結合部226と接合領域222(又は222’)との中間で、あるいは接合領域222が設けられない場合、第2の結合部226と第4の結合部230との中間で切断されてもよい(例示的な切断線「CL」は図37において破線で示されている)。接合領域222が設けられている場合には、第4の結合部230と接合領域222との中間で弾性体52を切断してもよい。結合部224と結合部226との間の弾性体52の収縮によって、第1の端縁部28は、第1の端縁部28の近位の着用者対向面の一部を丸めるか又はこれに折り重なることができる。結合部228と結合部230との間の弾性体52の収縮によって、第2の端縁部30は、第2の端縁部30の近位の着用者対向面の一部を丸めるか又はこれに折り重なることができる。これらの丸まっているか又は折り重ねられた部分が、吸収性物品10上の排泄物を収容することを助けることができるので、排泄物は、吸収性コア40によって吸収されることができ、吸収性物品10に隣接する衣類は汚れない。図38は、前側腰部領域における吸収性物品の丸まっているか又は折り重ねられた部分の正面斜視図である。図39は、前側腰部領域における吸収性物品の丸まっているか又は折り重ねられた部分の斜視図である。後側腰部領域はまた、図38及び図39の例示的な吸収性物品において丸まっているか又は折り重ねられた特徴部を有してもよい。これらの特徴部は、本明細書に開示された様々な湿りガード22、24と共に使用されてもよく、あるいは共に使用されなくてもよい。他の例では、これらの丸まっているか又は折り重ねられた部分を使用して、丸まっているか又は折り重ねられたときに、湿りガード22、24を生成することができる。湿りガードとして使用する場合、丸まっているか又は折り重ねられた部分は、この部分を適所に保持するように、着用者対向面に連結、結合、及び/又は接着されてもよい。設けられている場合、カフ27の弾性体53は、本段落に記載されたカフ26の弾性体52と同様の特徴又は同一の特徴を有してもよい。結合部224、226、228、及び230は、例えば、接着性結合、機械的結合、超音波結合、及び/又は熱結合を含むことができる。1つ以上のタックダウン結合部221もまた、吸収性物品10上に存在してもよい。タックダウン結合部221を使用して、カフ26を吸収性物品10のトップシート又は他の部分に接合することができる。図40を参照して、第1、第2、第3、及び第4の結合部224、226、228、及び230を提供する代わりに、連続的結合部232が、弾性体52の少なくとも一方の端部領域に設けられてもよい。連続的結合部232は、上述の第1、第2、第3、及び第4の結合部224、226、228、及び230のように機能することができ、図38及び図39に示された丸まっているか又は折り重ねられた部分をもたらすことができる。連続的結合部232は、例えば、接着性結合、機械的結合、超音波結合、及び/又は機械的結合を含むことができる。連続的結合部はまた、設けられる場合、カフ27の弾性体53に設けられてもよい。弾性体は、連続的結合部が適用される前に、予歪み状態であってもよく、連続的結合部内の弾性収縮により、端部は丸められるか又は折り重ねられ得る。
【0079】
図41を参照して、吸収性コア40、吸収性コア40内の吸収性材料42及び/又は吸収性物品の他の層の部分は、吸収性物品10の一部を容易に折り畳むことができる1つ以上の折り目233を含むことができる。折り目233は、例えば、吸収性材料42が少ないか又はない領域、あるいはエンボス加工領域であってもよい。折り目は、吸収性コア40及び/又は吸収性物品10の中の任意の好適な場所にあってもよい。折り目は、例えば、乳幼児の周囲に少なくとも部分的に吸収性物品10を据える際に、介護者又は看護者に有益であり得る。
【0080】
吸収性物品のカフを製造する方法もまた、開示されている。カフは、オンライン又は手作業で製造することができる。オンラインのコンテキストにおいて、第1の不織布ウェブすなわち第1のウェブは、(例えば、コンベア上で)機械方向に前進することができる。第1の不織布ウェブには、1つ以上の弾性体が予歪み状態で付与されてもよい。予歪み状態の弾性体は、第1の不織布ウェブと同じ機械方向の長さを有してもよい。予歪み状態の弾性体は、複数の接合領域222(例えば、個別のカフの長さあたりの1つ以上の接合領域)において第1の不織布ウェブに接合されてもよい。場合によっては、予歪み状態の弾性体は、接合領域222内の第1の不織布ウェブにだけ接合されてもよい。本明細書で検討されたように、接合は、接着剤(adhesives)又は接着材(bonds)を使用してもよい。接合領域222の外側の弾性体の残部は、第1の不織布ウェブに対する接合部を含まなくてもよい。次に、第1の不織布ウェブは、弾性体を囲い込むように折り重ねられてもよい。他の例では、第2の不織布ウェブすなわち第2のウェブは、第1の不織布ウェブの上に位置付けられてもよく、第1の不織布ウェブに接合して、弾性体を囲い込んでもよい。第2の不織布ウェブはまた、接合領域222において弾性体に接合されてもよい。次いで、形成されたカフのウェブは、好適な別個の長さに切断され得る。カフのウェブが好適な別個の長さに切断されると、それぞれのカフ内の弾性体は、接合領域222に向かって「後戻り」してもよく、接合領域内の予歪み状態の弾性体だけが残され、弾性体の残りは、予歪み状態ではなく、第1及び/又は第2の別個の不織布ウェブには取り付けられていない。次いで、カフを吸収性物品に取り付けることができる。カフを吸収性物品に取り付けると、図36の構造を作り出すことができる。場合によっては、第1の不織布ウェブは、他の構成要素(例えば、トップシートと吸収性コアとの中間に位置付けられた捕捉層)の中でも、トップシート、バックシート及び少なくとも部分的にそれらの間に位置付けられた吸収性コアを含む移動ウェブに、最初に接合されてもよい。この例では、カフ及び移動ウェブは、同時に別個の吸収性物品に切断されてもよい。
【0081】
接合領域222において、第1及び/又は第2の不織布ウェブに接合されていることに加えて、弾性体はまた、結合部(例えば、結合部224、226、228、及び230又は連続的結合部232)において第1及び/又は第2の不織布ウェブに接合されてもよい。これらの特徴は、自身が折り重ねられている単一のウェブカフにおいて適用され、あるいは2つのウェブカフに適用することができる。また、弾性体は、接合領域222においてではなく、単に結合部において第1及び/又は第2の不織布ウェブに接合されていてもよい。いずれにしても、弾性体が結合部(例えば、224及び226)に接合されると、弾性体が結合部の対の中間(例えば、図37の「CL」)で切断された後、カフが好適な別個の長さに切断された後に、結合部間の中間の弾性体の一部が予歪み状態のままとなることとなる。これにより、結合部(例えば、224及び226)間の中間の予歪み状態の弾性部分が、予歪み力の解放の際に収縮し、図38及び図39に示すように、長手方向端部を丸めさせるか又は折り曲げさせることができる。
【0082】
場合によっては、一対のカフ26及び27のような別個のカフが、吸収性物品に設けられなくてもよい。代わりに、図42図45を参照して、一対のカフ326が、第1の側縁部32及び第2の側縁部34を長手方向軸線14に向かって内側に折り畳むことにより、吸収性物品10内に一体に形成されてもよい。図42は、折り重ねられたカフを有する吸収性物品の斜視図写真である。図43は、折り重ねられたカフ326を有する吸収性物品10の平面図である。図44は、カフ326が長手方向軸線14に向かって折られる前の吸収性物品10の例示的な断面図である。図45は、任意のタックダウン結合が適用される前の図43の吸収性物品10の例示的な端面図である。
【0083】
図43図45を参照して、吸収性物品10の構造を図示する。吸収性物品10は、トップシート36と、吸収性コア40と、バックシート38と、外側カバー不織布材料58と、を含む。吸収性コア40は、トップシート36とバックシート38との間に少なくとも部分的に配置される。弾性体352はまた、トップシート36とバックシート38との中間に位置付けられてもよく、あるいはバックシート38と外側カバー不織布材料58との中間に位置付けられてもよい。トップシート36、バックシート38、外側カバー不織布材料58の一部を長手方向軸線14に向かって折り曲げて、図43及び図45に示すような構造を生成することができる。弾性体352は、接合領域222に非常に類似している接合領域322においてのみカフ326に接合されてもよい。接合領域322は、弾性体352をトップシート36及び/又はバックシート38に(又はバックシート38及び/又は外側カバー不織布材料58に)接合する接着剤を含んでもよい。(本明細書に記載のタックダウン結合部221と同様の)1つ以上のタックダウン結合部321はまた、第1の端縁部28及び第2の端縁部30に近接する吸収性物品10に存在してもよい。タックダウン結合部321を使用して、折り重ねられた構成においてカフ326の端部を保持することができる。場合によっては、弾性体352は設けられていなくてもよく、カフ326は、タックダウン結合部321のために「起立」していてもよい。任意の好適な数のタックダウン結合部321を設けることができる。
【0084】
弾性体352の接合領域322と組み合わせたタックダウン結合部321により、図42に示すように、弾性体及び352及び接合領域322がない場合よりカフ326を「起立」させることができる。場合によっては、弾性体352は、トップシート36及び/又はバックシート38(あるいはバックシート38及び/又は外側カバー不織布材料58)に、全長に沿って又はこれらの長さの大部分に沿って接合されてもよい。本明細書に記載された吸収性物品10の、例えば、湿りガード22、24などの他の特徴部もまた、図42図45の吸収性物品と共に使用することができる。本明細書に記載された捕捉材料50及び分配材料51と同様に、1つ以上の捕捉材料及び/又は分配材料もまた、トップシート36と吸収性コア40との中間に少なくとも部分的に設けることができる。
【0085】
吸収性パッド
図46を参照して、吸収性パッド500はまた、特許請求の範囲を含む「吸収性物品」に関する場合、本開示の範囲内である。吸収性パッド500は、第1の湿りガード512及び第2の湿りガード514と、レッグカフ516と、トップシート532と、を有してもよい。湿りガード512及び514は、本明細書に記載された湿りガード22及び24と同一の構造を有してもよい。トップシート532は、本明細書に記載されたトップシート36と同一の構造を有してもよく、その中に画定された開口を有してもよい。吸収性パッド500はまた、吸収性コアとバックシートとを有してもよく、吸収性コアは、トップシート532とバックシートとの中間に少なくとも部分的に位置付けられている。バックシートは、液体及び蒸気不透過性フィルム、又は液体不透過性だが蒸気透過性のフィルムを含んでもよい。不織布外側カバーは、バックシートの少なくとも一部と対面の関係であってもよい。図35図43に示す結合特徴部及び弾性特徴部もまた、吸収性パッド500に適用されてもよい。吸収性パッド500はまた、1つ以上のカフ516の対を含み得る。
【0086】
排泄物の可視化
本開示の吸収性物品は、吸収性物品の着用者対向面を見たときの、及び/又は吸収性物品の衣類対向面を見たときの、尿の可視化などの排泄物の可視化を改善することができる。排泄物の可視化の改善により、他の患者と共に、未熟児及びNASの乳幼児の健康状態を追跡する際に看護者及び/又は介護者を補助することができる。ほとんどの従来の吸収性物品は、吸収後に排泄物を隠すように設計されている。しかしながら、本開示の吸収性物品は、部分的には、排泄物を隠さない(又は部分的にのみ隠す)が、その代わりに、汚れた吸収性物品において排泄物の色を表示することができる、吸収性物品に関する。上述のように、これは、看護者及び/又は介護者にとって、排泄物の色をモニタリングし、色を正確にチャート化するのに有益である。排泄物の色は、患者の健康情報を提供する。このような健康情報には、本明細書で述べられたように、例えば、水分過剰レベル、肝臓及び/若しくは腎臓の問題の早期徴候、並びに/又は尿路感染症が含まれてもよい。
【0087】
吸収性物品における排泄物の可視化の色を正確に表す1つの方法は、開口及び/又は特定の吸収性コア材料と連結した低不透明度である(又は低不透明度領域を有する)液体透過性トップシートを有する吸収性物品を提供することである。これらの吸収性物品は、トップシートとこのような吸収性コアとの中間に捕捉材料又は分配材料を有さなくてもよい。トップシートと吸収性コアとの中間に捕捉材料及び分配材料を含まない吸収性物品を提供することによって、放出された排泄物の色が、汚れた吸収性物品において、看護者又は介護者により見えやすい。そのような例では、トップシートは、吸収性コアと対面接触することができる。他の例では、吸収性物品は、トップシートと吸収性コアとの中間に捕捉材料又は分配材料を有してもよく、捕捉材料又は分配材料は、有孔であり、かつ/又は低不透明度を有する。吸収性コアは、コアバッグ内に位置付けられても又は位置付けられなくてもよい吸収性材料を含んでもよく、コアバッグは、不織布及び/又は他の材料を含む。
【0088】
本発明者は、特定の吸収性材料が、他のものよりも良好に尿及び排泄物を可視化することを見出した。良好に機能するいくつかの吸収性材料としては、不織布コアバッグ内に位置付けられたエアフェルトを含まない吸収性材料、The Procter & Gamble Company(Cincinnati Ohio)から販売されている1層以上のBounty Basic(登録商標)、1層以上の他のペーパータオル、1層以上のセルロース(パルプ)材料、高内相エマルション(HIPE)発泡体、エアレイドパルプ及び超吸収性ポリマー混合コア、並びに/又は非エアレイドパルプ及び超吸収性ポリマーコアが挙げられる。これらの吸収性材料のいくつかの例は、より詳細に後述される。
【0089】
排泄物の可視化はまた、吸収性物品の衣類対向面を見たときに達成され得、排泄物の可視化に加えて、又は排泄物の可視化とは別個のいずれかで、吸収性物品の着用者対向面を見たときに達成される。これは、例えば、外側カバー不織布材料及びクリア又は透明なバックシートフィルム内の窓を使用して達成され得る。
【0090】
エアフェルトを含まない吸収性コア
排泄物の可視化を改善するように設計された吸収性コアの吸収性材料42は、超吸収性ポリマーのみを含んでもよく、エアフェルトを一切含まないか、又は実質的に含まなくてもよい(例えば、吸収性材料の5重量%未満)。そのような文脈において、コアバッグは、超吸収性ポリマー、及び超吸収性ポリマーを固定するために使用される接着剤のみを含んでもよい。接着剤は、「吸収性材料」とは見なされない。様々なコアの設計を有し、比較的大量のSAPを含む吸収性コアが、米国特許第5,599,335号(Goldman)、欧州特許第1,447,066号(Busam)、国際公開第95/11652号(Tanzer)、米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号(Hundorf)、及び国際公開第2012/052172号(Van Malderen)に開示されている。
【0091】
セルロース吸収性コア
排泄物の可視化を改善するように設計された吸収性コアの吸収性材料42は、1層以上のセルロース(パルプ)材料を含んでもよい。場合によっては、吸収性材料は、2層、3層、4層、5層、6層、又は7層のセルロース材料を含んでもよい。層は、1枚以上のセルロース材料のシートをそれ自体の上に折り畳むことによって形成されてもよい。あるいは、層は、それら自体に積み重ねられた個々の層であってもよい。セルロース材料は、例えば、the Procter & Gamble Company(Cincinnati Ohio)によって製造されたBounty Basic(登録商標)又はBounty(登録商標)を含んでもよい。他の形態では、セルロース材料は、他のペーパータオル基材、トイレットペーパー、ティッシュ、又は他のセルロース材料を含んでもよい。セルロース材料の層は、特定の吸収性コアにおいて同一でも異なっていてもよい。セルロース材料の層は、セルロース材料、不織布材料、又は他の材料を含むコアバッグ内に位置付けられてもよい。他の形態では、セルロース材料の層は、コアバッグ内に位置付けられなくてもよい。
【0092】
高内相エマルション(HIPE)発泡体吸収性コア
排泄物の可視化を改善するように設計された吸収性コアの吸収性材料42は、高内相エマルション(HIPE)発泡体を含んでもよい。HIPE発泡体は、エマルション中のモノマーの重合から生成され得る。組み合わせられた水相及び油相は、剪断撹拌に供されて、所望の大きさの水滴を有する安定したHIPEを生成する。反応開始剤は水相中に存在してもよく、又は反応開始剤は、発泡体作製プロセス中に、また特定の形態において、HIPEが形成された後に導入されてもよい。得られるHIPEフォームが所望の構造的特徴を有する程度に水相液滴が分散している場合、エマルション製造プロセスによりHIPEを生成する。混合ゾーンにおける水相と油相との組み合わせの乳化は、羽根車などの混合又は撹拌装置の使用、必要な剪断を付与するのに必要な速度で一連の静的ミキサに組み合わせられた水相及び油相を通すこと、又は両方の組み合わせを伴い得る。形成されたら、続いてHIPEを混合ゾーンから引き出すか又はポンプ吸引してよい。連続プロセスを用いてHIPEを形成するための1つの方法は、1992年9月22日に発行された米国特許第5,149,720号(DesMaraisら);1998年10月27に発行された米国特許第5,827,909号(DesMarais);2002年4月9日に発行された米国特許第6,369,121号(Catalfamoら);1992年9月15日に発行された米国特許第5,147,345号(Youngら);又は2002年4月2日に発行された米国特許第6,365,642号(Dyerら)に記載されている。HIPE発泡体は、捕捉発泡体として使用され得る。気孔体積、毛管吸引比表面積、セルサイズ、及び密度のパラメータの値が、吸収性発泡体が前述の流体獲得率(Fluid Acquisition Rate)の最小値を超えるように選択されると、HIPE発泡体は、約2mL/g~100mL/gの気孔体積、約0.2m/g~1m/gの毛管吸引比表面積、約10マイクロメートル~300マイクロメートルのセルサイズ、及び約0.01g/cm~0.5g/cmの密度を有する。HIPE発泡体は、貯蔵層として使用され得る。HIPEは、11.4cm(4.5インチ)の垂直吸い上げ高さで、発泡体試験ストリップが、吸収性発泡体1グラム当たり少なくとも約10mLの合成尿(65±5ダイン/cm)吸収容量を有するように、垂直吸い上げ吸収容量を示し得る。本明細書における1つの貯蔵/再分配構成要素発泡体吸収剤は、11.4cm(4.5インチ)で、発泡体1グラム当たり約20mL~45mLの合成尿の垂直吸い上げ吸収容量を有し得る。2つ以上のHIPE発泡体を組み合わせてもよい。HIPE発泡体は、セルサイズ、孔径、ポリマー組成、比表面積、及び/又は密度のパラメータのいずれかに関して異なっていてもよい。1つは、発泡体が他よりも高い流体容量であってもよい(高容量層と見なされる)。高容量層は、トップシートに向かって、又はバックシートに向かって面してもよい。HIPE発泡体中の別個の領域は、マクロスケール、典型的には少なくともミリメートルスケール寸法である。発泡体は、概ね、1999年2月9日に発行された米国特許第5,869,171号(Shiveleyら)に記載されているものなど、約50kg/m3(0.050g/cc)未満の凝集密度を有する比較的低い密度である。
【0093】

本開示の吸収性物品(すなわち、インサート、おむつ、吸収性パッド)は、捕捉材料及び/若しくは分配材料を備える場合、又はトップシートと吸収性コア(若しくは存在する場合はコアバッグ)との中間に、別の材料を備える場合、その中に画定された1つ以上の窓を有してもよい。図47図49を参照して、例示的な捕捉材料、分配材料、又は他の材料800が示されている。材料800は、吸収性物品の前端に対応する前部802と、吸収性物品の後端に対応する後部804と、を有する。1つ以上の窓806(例えば、材料800内の孔、空隙、低不透明度領域)は、材料800内に画定される。1つ以上の窓は、排泄物の可視化又は尿の可視化を改善するために、好適なサイズ、形状、及び/又は位置を有してもよい。例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つなど、任意の好適な数の窓が提供されてもよい。捕捉材料、分配材料、又はその両方を表す窓を材料内に設けることによって、看護者又は介護者は、トップシートを見たときに、吸収性コア内の排泄物の色をより容易に判定することができる。換言すると、窓を材料800内に設けることによって、材料800による排泄物のいかなるマスキングも、窓内で除去されるか、又は部分的に除去され、それによって、トップシートを通して見たときに、排泄物がその真の色を表す色として現れることを可能にする。窓806は、トップシートと吸収性コアとの中間の1つ以上の層によって、又はトップシートと吸収性コアとの中間の層(単数又は複数)のすべてによって画定されてもよい。
【0094】
窓806は、排泄物の可視化を改善するために、低坪量、高空隙、及び/又は低不透明度の領域であってもよい。場合によっては、1つ以上の層を有する材料800全体は、排泄物の可視化を改善できるようにするために、低坪量、高空隙、及び/又は低不透明度の基材(単数又は複数)から形成されてもよい。
【0095】
材料800は、増白剤(単数又は複数)をごくわずかに含むか又は全く含まずに製造された不織布材料であってもよい。例示的な増白剤は、二酸化チタンである。増白剤(単数又は複数)を含まない場合、不織布材料の不透明度が低下し、排泄物の可視化を改善することができる。
【0096】
衣類対向面からの排泄物の可視化
看護者及び/又は介護者が、本明細書の吸収性物品の衣類対向面から排泄物の可視化を達成できることが所望され得る。そのような例では、同一の吸収性コアは、着用者対向面からの排泄物の可視化に関して論じられるように使用されてもよい。これは、看護者又は介護者が、吸収性物品が着用されている間、着用者を動かす必要なく、排泄物の可視化情報を得ることができる点で有利であり得る。吸収性物品の衣類対向面から排泄物の可視化を達成するために、フィルムバックシートは、低不透明度であってもよく、及び/若しくは透明、クリア、若しくは半透明であってもよく、又は外側カバー不織布材料内の窓に対応する、低不透明度、透明、クリア、若しくは半透明の領域を有してもよい。外側カバー不織布材料内の窓は、低不透明度及び/若しくは低坪量の領域、又は不織布材料を含まないか、若しくはそうでなければ、捕捉層若しくは分配層において上述したような領域であってもよい。場合によっては、外側カバー不織布材料は、除去されてもよく、低不透明度であり、及び/又は透明、クリア、若しくは半透明であるフィルムバックシートのみが提供されてもよい。いずれの場合も、介護者又は看護者は、フィルムバックシートを介して、及び(設けられる場合)外側カバー不織布材料内の1つ以上の窓を介して、吸収性コア内の排泄物の正確かつ代表的な色を見ることができる。外側カバー不織布材料内の窓は、バックシートフィルム又は外側カバー不織布材料上に印刷されたグラフィックに対応してもよく、及び/又はこれを補完することができる。窓は、任意の好適な形状、寸法、及び/又はパターンを有し得る。1つ以上の窓は、外側カバー不織布材料に提供されてもよい。図50を参照して、吸収性物品900は、低不透明度である、及び/若しくは透明、クリア、若しくは半透明であるバックシートフィルム902、又は同一の領域を含んでもよい。外側カバー不織布材料904は、その中に画定された1つ以上の窓906を有してもよい。窓は、バックシートフィルムの低不透明度、透明、クリア、又は半透明の領域に対応してもよい(すなわち、厚さ方向に重なり合う)。窓は、外側カバー不織布材料内に装飾パターンを形成してもよい。
【0097】
トップシートと吸収性コアとの中間の排泄物可視化材料
場合によっては、排泄物の可視化が改善された吸収性物品のトップシートと吸収性コアとの中間に1つ以上の材料を有することが所望され得る。一例として、例えば、the Procter & Gamble Company(Cincinnati Ohio)によって製造されたBounty Basic(登録商標)などの1層以上のセルロース材料は、トップシートと吸収性コアとの中間に位置付けられてもよい。様々な数の層内の他のペーパータオル基材もまた好適であり得る。好適な層の例示的な数は、1~6の範囲内であってもよい。層は、互いに積み重ねられた個々の材料片、又はそれ自体の上に折り畳まれた材料片であってもよい。
【0098】
低不透明度
低不透明度の窓、トップシートと吸収性コアとの中間の材料、及び/又はトップシートに関する場合、「低不透明度」は、不透明度が約15%~約70%、約20%~約60%、又は約20%~約50%であることを意味し、具体的には指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1%刻みの数値がすべて挙げられる。本明細書において、不透明度試験に従って、すべての不透明度を測定する。
【0099】
比較実施例
以下の現在の市販製品のすべてを、本明細書における排泄物可視化試験を使用して試験して、以下のチャートのデルタC及びデルタE値を得た。比較実施例のすべては、着用者対向面からの排泄物の可視化を指す。
【0100】
【表1】
【実施例
【0101】
以下の本開示の実施例のすべてを、本明細書における排泄物可視化試験を使用して試験して、以下のチャートのデルタC及びデルタE値を得た。実施例のすべては、着用者対向面からの排泄物の可視化を指す。
【0102】
【表2】
プロトタイプA~Dのすべては、同一の有孔トップシート及び同一のバックシートフィルムを有していた。各プロトタイプの有孔トップシート及びバックシートフィルムは、Swaddlers新生児用小売り用(サイズ0)の現在の市販の有孔トップシート及びバックシートフィルムであった。
【0103】
デルタC(着用者対向面)
乾燥吸収性物品見本と搭載された吸収性物品見本との間のデルタCは、約24~約80、約25~約70、約25~約60、約25~約55、約24~約50、約24~約49、約25~約49、約25~約48、約30~約55、約35~約55、約40~約50、約49、約28、約31、又は約43の範囲内であってもよく、具体的には指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1刻みの数値がすべて挙げられる。すべてのデルタC測定値は、本明細書における排泄物可視化試験に従う。
【0104】
デルタE(着用者対向面)
排泄物可視化試験に記載されている試験流体と搭載された吸収性物品見本内の同一の試験流体との間のデルタEは、約15~約42、約20~約42、約20~約42、約25~約42、約25~約41、約25~約40、約25~約39、約25~約35、約20~約33、約20~約32、約25~約31、約36、約26、約31、又は約38の範囲内であってもよく、具体的には指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1刻みの数値がすべて挙げられる。すべてのデルタE測定値は、本明細書における排泄物可視化試験に従う。
【0105】
クロマC(着用者対向面)
排泄物可視化試験に記載されている試験流体のクロマCは、61.93±0.34などの約62であった。本開示の吸収性物品におけるクロマCは、約28~約55、約28~約52、約28~約51.1、約29~約51.1、約30~約51.1、約30.5~約51.1、約30.5~約51.1、約30.7~約51.1、約30.7、約51.1、約44.7、約33.9、約30、約31、約51、約52、約44、約45、約33、約34の範囲内であってもよく、具体的には指定した範囲及び範囲内に又は範囲によって形成されるすべての範囲内の0.1刻みの数値がすべて挙げられる。すべてのクロマC測定値は、本明細書における排泄物可視化試験に従う。
【0106】
試験法
すべての試験方法に対して、試験前に2時間かけて23℃±2℃及び50%±2%の相対湿度で、試料を調湿する。
【0107】
不透明度試験
低温スプレーを使用して、吸収性物品試料から試験する材料を分離する。
【0108】
標準的CIE L色測定を行うために好適な0°/45°分光光度計(例えば、Hunterlab Labscan XE分光光度計(Hunter Associates Laboratory Inc.,(Reston,VA))等)を使用して、コントラスト比測定により、不透明度を測定する。計器の測定ポートの直径は、対象領域のみが測定ポート内に含まれるように選択すべきである。解析は、約23℃±2℃及び50%±2%の相対湿度で調節された室内で行う。
【0109】
供給メーカーによって提供された標準黒白タイルを使用して供給メーカーの指示に従い機器を較正する。分光光度計を、D65標準照明及び10度オブザーバーを用いて、CIE XYZ色空間を用いるように設定する。低温スプレー及びはさみを使用して、試験対象の物品から慎重に試験片を切り取る。対象領域は、顕著なしわ、折り目、又は湿り度インジケータを除く、吸収性物品の脚周りの長手方向中心線の近傍の股部領域から選択される。試験片を、外向きの表面を分光光度計の測定ポート及びポート内の対象領域に向けて、計器に対して平らに配置する。引き裂き、穴、又は開口が測定ポート内に存在しないことを確認する。測定ポートを完全に被覆するように、白色標準タイルを試験片の反対側の表面上に配置する。XYZの読み取り値を取り、0.01単位で記録する。試験片を移動させずに、白色プレートを取り外し、黒色標準プレートと交換する。XYZの第2の読み取り値を取り、0.01単位で記録する。合計10個の複製試験片に対して、対応する部位でこの手順を繰り返す。
【0110】
不透明度は、裏地として黒色タイルを用いて測定したY値を、裏地として白色タイルを用いて測定したY値で割り、続いて比を100倍することで算出する。不透明度値を(四捨五入して)0.01%単位で記録する。10個の複製の不透明度を算出し、平均不透明度を(四捨五入して)0.01%単位で報告する。
【0111】
折り畳み股幅試験
折り畳み股幅(W)(図1を参照)は、吸収性物品試料を、前後腰縁部を位置合わせし、かつ対応する側縁部を互いに位置合わせするように折り曲げることにより、測定される。NISTにより認証された較正されたルーラを使用して、試料の外側表面の横方向幅を折り目に沿って(四捨五入して)0.1mm単位で測定及び記録する。実質的に類似した10個の吸収性物品試料について、この手順を繰り返す。10個の個別の折り畳み股幅(W)測定値を共に平均し、値を(四捨五入して)0.1mm単位で報告する。
【0112】
折り畳み股角度試験
折り畳み股角度(A)(図1を参照)は、吸収性物品試料を、前後腰部縁部を位置合わせし、かつ対応する側縁部を互いに位置合わせするように折り曲げることにより測定される。NIST測定基準により認定された較正された分度器を使用して、折り畳み試料の横方向軸線に対する試料の2つの角度が付いた部分63(図1を参照)の角度(A)を(四捨五入して)0.1度単位で記録する。実質的に類似した10個の吸収性物品試料について、この手順を繰り返す。20個の個別の折り畳み股角度(A)の測定値を共に平均し、値を(四捨五入して)0.1度単位で報告する。
【0113】
排泄物可視化試験
排泄物可視化試験では、吸収性物品に既知の量の着色された試験流体を投与したときに生じる色変化を測定する。投与部位での色は、投与後の指定の時間で測定し、色は、投与前の部位と、及び試験流体自体と比較した。すべての測定は、固体試料及び液体試料の両方で、ASTM E1349に従って、標準CIE L測定を行うことができる調節可能な開口を有する0°/45°分光光度計で行われる。液体試料の場合、機器は、開口ポートが上向きの状態で配向されるべきである。液体の測定を行うのに好適な例示的なカップアセンブリは、1)内径58.4mm及び少なくとも38mmの高さを有する、光学品質の石英の底部が平坦な試料カップと、2)試料カップの内壁に沿ってぴったりと嵌合するように設計された、高さ10mm×厚さ2mmの黒色プラスチックスペーサリングと、3)試料カップの内径よりもわずかに小さい直径の、スペーサリングの上に載る白色セラミックディスク(機器標準化プレートと同等の色)と、4)試験中に周囲光を除去するために、反転して、組付けられた試料カップの上に配置するのに十分な大きさの不透明な黒色カップと、を含む。そのような好適なカップセットは、Hunter Associates Laboratory,Inc.(Reston VA)からのLSXE-SC-ASSY、又は同等物である。試験流体は、投入シリンダーによって製品上に投与される。シリンダーは、内径25.4mm、高さ25.4mmを有し、及び外径70mmの環状基部を有する。投入シリンダーは、質量50gを有する。すべての試験は、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%に維持された部屋で実施され、すべての試験試料は、試験前に少なくとも2時間これらの条件下で保管される。
【0114】
着色された試験流体は、アクリジンオレンジ塩酸塩水和物(99%、製品番号318337、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)等)の水溶液である。脱イオン水中に約5.3×10-6g/mLの溶液を調製し、以下に示す方法によってL=67.05、a=7.30、及びb=61.15の目標色に対して検定される。許容可能な流体は、目標色値と比較してΔE≦4.00を有し、次のように計算される。
ΔE=[(L 目標-L 流体+(a 目標-a 流体+(b 目標-b 流体0.5
【0115】
必要に応じて、試験流体の濃度を調整して、許容基準を満たすことができる。
【0116】
試料吸収性物品を伸ばし、トップシートを上向きにして実験台上で平らにする。吸収性物品の長手方向中心線に沿って総コア長(TCL)を測定する。コアの前縁部から、長手方向中心線に沿ってTCLの1/3を測定する。これは、試験部位の中心である。試験面を中心とした63.5mm×63.5mmの試験片を、吸収性物品の長手方向中心線に平行かつ垂直にダイカットする。試験中にコア材料の損失を防止するために、1インチ幅のマスキングテープを使用して、試験片の縁部を封止する。トップシートのいずれの面にも6mm超のテープを重ねるべきではない。5つの複製試験片を分析のために調製する。
【0117】
試験流体を測定するために、供給メーカーによって提供された標準黒白タイルを使用して供給メーカーの指示に従い機器を較正する。分光光度計を、D65標準照明、10度オブザーバー、1.0インチのエリアビュー、2.0の開口、及び公称に設定されたUVフィルタを用いて、CIE L色空間を使用するように設定する。きれいな試料カップを取り、黒色プラスチックスペーサリングを挿入する。流体レベルがリングの高さの約2mm上になるまで流体をカップに加える。白色セラミックディスクをカップ内に置き、ディスクの下に気泡を捕捉しないように注意しながら、下方に下ろし、スペーサリングの上に静かに置く。試験片カップを分光計上に開口に中心を合わせて配置し、カップを不透明な黒色カップで覆う。読み取り値を取り、L値を(四捨五入して)0.01単位で記録する。各測定の前にカップアセンブリを完全にすすぎ、乾燥させる。
【0118】
試験片を測定するために、供給メーカーによって提供された標準黒白タイルを使用して供給メーカーの指示に従い機器を較正する。分光光度計を、D65標準照明、10度オブザーバー、1.0インチのエリアビュー、1.0の開口、及び公称に設定されたUVフィルタを用いて、CIE L色空間を使用するように設定する。試験片を開口に中心を合わせて配置し、トップシートを開口に向ける。標準白色プレートを試験片の後ろに配置し、読み取り値を取り、L値を(四捨五入して)0.01単位で記録する。これは、未処理試験片である。同一の試験片を使用して、トップシートを上向きにして平坦面上に試験片を配置する。投入シリンダーを、試験片の中心に配置する。機械的ピペッターを用いて、5.00mL±0.05mLの試験流体をシリンダー内に10秒以内にピペットで移す。流体が分配されてから5.0分±0.1分後に、投入シリンダーを取り外し、試験片を開口に中心を合わせて配置し、トップシートを開口に向ける。標準白色プレートを試験片の後ろに配置し、読み取り値を取り、L値を(四捨五入して)0.01単位で記録する。これは、処理済試験片である。未処理の読み取り値と処理済の読み取り値との間のクロマ(ΔC)の差を計算し、(四捨五入して)0.01単位で記録する。
ΔC=[(a 処理済+(b 処理済0.5-[(a 未処理+(b 未処理0.5
【0119】
試験流体と処理済試験片との間の色(ΔE)の差を計算し、(四捨五入して)0.01単位で報告する。
ΔE=[(L 流体-L 処理済+(a 流体-a 処理済+(b 流体-b 処理済
【0120】
同様に、残りの複製試験片を分析し、それぞれのΔC及びΔEを計算し、(四捨五入して)0.01単位で記録する。処理済試験片と未処理試験片との間のΔC、及び試験流体と処理済試験片との間のΔEを、5つの複製の平均として(四捨五入して)0.01単位で報告する。
【0121】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0122】
相互参照される又は関連特許若しくは出願のいずれをも含めた、本明細書に引用されているすべての文書は、明示的に除外される、又は特に限定されない限り、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書で開示若しくは請求される任意の実施形態に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは任意の他の参照(単数又は複数)との任意の組み合わせで任意のこのような実施形態を教示、提案、若しくは開示することを認めるものではない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0123】
本開示の特定の実施形態が図示及び説明されたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行い得ることは、当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属するすべてのこのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
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