(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】発光素子、その製造方法、及びそれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/18 20230101AFI20240510BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20240510BHJP
H10K 50/115 20230101ALI20240510BHJP
H10K 50/14 20230101ALI20240510BHJP
H10K 50/17 20230101ALI20240510BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240510BHJP
H10K 71/10 20230101ALI20240510BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
H10K50/18
H05B33/14 Z
H10K50/115
H10K50/14
H10K50/17
H10K59/10
H10K71/10
G09F9/30 365
G09F9/30 348A
(21)【出願番号】P 2020043181
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0034517
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ジャン チョミン
(72)【発明者】
【氏名】クウォン ビュンヒュク
(72)【発明者】
【氏名】リ チャンヒ
(72)【発明者】
【氏名】フ ミュンス
(72)【発明者】
【氏名】ロ チョレ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェフン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ジョンヒ
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0373266(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107331781(CN,A)
【文献】特開2006-004658(JP,A)
【文献】特開2017-138558(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0019371(US,A1)
【文献】特表2017-509779(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0138434(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105261707(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106374051(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0117496(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/18
H05B 33/14
H10K 50/115
H10K 50/14
H10K 50/17
H10K 59/10
H10K 71/10
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極と向かい合う第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、量子ドットを含む発光層と、
前記第1電極と前記発光層との間に配置される第1電荷移動層と、
前記第2電極と前記発光層との間に配置される第2電荷移動層と、
前記第1電荷移動層と前記発光層との間、及び前記第2電荷移動層と前記発光層との間のうち少なくとも一つに配置される絶縁層と、を含み、
前記絶縁層は、
無機物を含む無機絶縁層と、
有機物を含む有機絶縁層と、を含む、
発光素子。
【請求項2】
前記絶縁層は、SiN
x、SiO
x、Al
2O
3、TiO
x、及びZrO
xのうち少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記無機絶縁層及び前記有機絶縁層は複数設けられ、
前記絶縁層は、
前記複数の無機絶縁層と前記複数の有機絶縁層とが交互に配置される、
請求項1に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第1電荷移動層は、
前記第1電極に隣接するように配置される正孔注入層と、
前記正孔注入層と前記発光層との間に配置される正孔輸送層と、を含み、
前記第2電荷移動層は、
前記第2電極に隣接するように配置される電子注入層と、
前記電子注入層と前記発光層との間に配置される電子輸送層と、を含む、
請求項1に記載の発光素子。
【請求項5】
前記量子ドットはカドミウム系物質を含み、
前記絶縁層は前記電子輸送層と前記発光層との間に配置される、
請求項
4に記載の発光素子。
【請求項6】
前記絶縁層は前記発光層と接するように配置される、
請求項1に記載の発光素子。
【請求項7】
前記絶縁層の厚さ
は0.1nm以
上10nm以下である、
請求項1に記載の発光素子。
【請求項8】
複数個の発光素子を含む表示装置において、
前記複数個の発光素子のそれぞれは、
第1電極と、
前記第1電極と向かい合う第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、量子ドットを含む発光層と、
前記第1電極と前記発光層との間に配置される第1電荷移動層と、
前記第2電極と前記発光層との間に配置される第2電荷移動層と、
前記第1電荷移動層と前記発光層との間、及び前記第2電荷移動層と前記発光層との間のうち少なくとも一つに配置される絶縁層と、を含み、
前記絶縁層は、
無機物を含む無機絶縁層と、
有機物を含む有機絶縁層と、を含む、
表示装置。
【請求項9】
第1電極を用意するステップと、
前記第1電極の上に量子ドットを含む発光層を形成するステップと、
前記発光層の上に無機物を蒸着して
無機絶縁層を形成するステップと、
前記無機絶縁層の上に有機物を蒸着して有機絶縁層を形成するステップと、
前記
有機絶縁層の上に第2電極を形成するステップと、を含む、
発光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子、その製造方法、及びそれを含む表示装置に関する。より詳しくは、光効率が向上された発光素子、その製造方法、及びそれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン、携帯電話、タブレットコンピュータ、ナビゲーション、ゲーム機などのようなマルチメディア装置に使用される多様な表示装置が開発されている。このような発光素子においては、有機化合物を含む発光材料を発光させて表示を実現するいわゆる自発光型の表示装置を使用している。
【0003】
また、表示装置の色再現性を改善するために量子ドットを発光材料として使用した発光素子に対する開発が進められており、量子ドットを利用した発光素子の信頼性及び寿命を改善することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2018/0215695号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/0166642号明細書
【文献】韓国公開特許第10-2018-0054262号公報
【文献】米国特許第10103345号明細書
【文献】韓国公開特許第10-2018-0099997号公報
【文献】韓国公開特許第10-2018-0101302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、量子ドットを含む発光層に隣接するように絶縁層を配置することで、寿命及び発光効率を改善した発光素子、及びそれを含む表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、改善された工程を介して、均一で膜質が改善された絶縁層を提供することができる発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る発光素子は、第1電極と、前記第1電極と向かい合う第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、量子ドットを含む発光層と、前記第1電極と前記発光層との間に配置される第1電荷移動層と、前記第2電極と前記発光層との間に配置される第2電荷移動層と、前記第1電荷移動層と前記発光層との間、及び前記第2電荷移動層と前記発光層との間のうち少なくとも一つに配置される絶縁層と、を含む。前記絶縁層は無機物を含む。
【0008】
前記絶縁層は、SiNx、SiOx、Al2O3、TiOx、及びZrOxのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0009】
前記絶縁層は、無機物を含む無機絶縁層と、有機物を含む有機絶縁層と、を含んでもよい。
【0010】
前記無機絶縁層及び前記有機絶縁層は複数設けられてもよい。前記絶縁層は、前記複数の無機絶縁層と前記複数の有機絶縁層とが交互に配置されてもよい。
【0011】
前記有機絶縁層は、n-ヘキサン、フラン、及びヘキサメチルジシロキサンのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0012】
前記第1電荷移動層は、前記第1電極に隣接するように配置される正孔注入層と、前記正孔注入層と前記発光層との間に配置される正孔輸送層と、を含む。前記第2電荷移動層は、前記第2電極に隣接するように配置される電子注入層と、前記電子注入層と前記発光層との間に配置される電子輸送層と、を含んでもよい。
【0013】
前記量子ドットはカドミウム系物質を含み、前記絶縁層は前記電子輸送層と前記発光層との間に配置されてもよい。
【0014】
前記絶縁層は、前記第1電荷移動層と前記発光層との間に配置される第1絶縁層と、前記第2電荷移動層と前記発光層との間に配置される第2絶縁層と、を含んでもよい。
【0015】
前記第1絶縁層の厚さと、及び前記第2絶縁層の厚さは異なってもよい。
【0016】
前記発光層は、複数個の前記量子ドットと、前記複数の量子ドットが分散されているベース部と、を含む。前記発光層において、前記複数の量子ドットが1以上10以下の層に積層されてもよい。
【0017】
前記絶縁層は前記発光層と接するように配置されてもよい。
【0018】
前記絶縁層の厚さは約0.1nm以上約10nm以下であってもよい。
【0019】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、複数個の発光素子を含む。前記発光素子それぞれは、第1電極と、前記第1電極と向かい合う第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、量子ドットを含む発光層と、前記第1電極と前記発光層との間に配置される第1電荷移動層と、前記第2電極と前記発光層との間に配置される第2電荷移動層と、前記第1電荷移動層と前記発光層との間、及び前記第2電荷移動層と前記発光層との間のうち少なくとも一つに配置される絶縁層と、を含む。前記絶縁層は無機物を含む。
【0020】
前記発光素子は、第1色光を放出する第1量子ドットを含む第1発光素子と、前記第1色光より長波長の第2色光を放出する第2量子ドットを含む第2発光素子と、前記第2色光より長波長の第3色光を放出する第3量子ドットと、を含む第3発光素子を含んでもよい。
【0021】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、前記発光素子の上に配置される光制御層を更に含んでもよい。
【0022】
前記絶縁層は、無機物を含む複数の無機絶縁層と、有機物を含む複数の有機絶縁層と、を含む。前記複数の無機絶縁層及び前記複数の有機絶縁層は交互に配置されてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、第1電極を用意するステップと、前記第1電極の上に量子ドットを含む発光層を形成するステップと、前記発光層の上に無機物を蒸着して絶縁層を形成するステップと、前記絶縁層の上に第2電極を形成するステップと、を含む。
【0024】
前記絶縁層を形成するステップは、前記無機物を原子層堆積法(ALD、Atomic Layer Deposition)を介して蒸着するステップを含んでもよい。
【0025】
前記絶縁層を形成するステップは、前記無機物を蒸着して無機絶縁層を形成するステップと、有機物を蒸着して有機絶縁層を形成するステップと、を含む。前記無機絶縁層を形成するステップ及び前記有機絶縁層を形成するステップは、交互に複数回行われてもよい。
【0026】
前記有機絶縁層を形成するステップは、前記有機物を化学気相蒸着法(CVD、Chemical Vapor Deposition)を介して蒸着するステップを含んでもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態によると、量子ドットを含む発光層に隣接する絶縁層を含むことで、発光層の電荷バランスが向上され、それを介して発光素子及びそれを含む表示装置の寿命及び発光効率が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電子装置の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係る発光素子の断面図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係る発光素子の一部構成を示す断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る発光素子の断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る発光素子の断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る発光素子の断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る発光素子の断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る発光素子の断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る発光素子の断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る表示装置の平面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を示すフロー図である。
【
図14A】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次に示す断面図である。
【
図14B】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次に示す断面図である。
【
図14C】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次に示す断面図である。
【
図14D】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次に示す断面図である。
【
図14E】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるゆえ、特定実施形態を図面に例示し、本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定な開示形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解すべきである。
【0030】
各図面を説明しながら、類似した参照符号を類似した構成要素に対して使用している。添付した図面において、構造物の寸法は本発明の明確性のために実際より拡大して示している。第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構造要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながらも第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、類似して第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0031】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0032】
本出願において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」または「上部に」あるとする場合、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」または「下部に」にあるとする場合、これは他の部分の「直下」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。また、本出願において、「上に」配置されるとは、上部だけでなく下部に配置される場合も含む。
【0033】
一方、本出願において、「直接接する」とは、層、膜、領域、板などの部分と他の部分の間に追加される層、膜、領域、板などがないことを意味する可能性がある。例えば、「直接接する」ことは、2つの層または2つの部材の間に接着部材などの追加の部材を使用せずに配置することを意味する可能性がある。
【0034】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置及び発光素子について説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子装置EDの斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置DDの断面図である。
図2は、
図1のI-I’線に対応する断面図である。
図3Aは、本発明の一実施形態に係る発光素子EEを示す断面図である。
図3Bは、本発明の一実施形態に係る発光素子EEの一部構成を示す断面図である。
【0036】
一実施形態において、電子装置EDは、テレビ、モニター、または外部広告板のような大型電子装置である。また、電子装置EDは、パソコン、ノートパソコン、個人情報端末、カーナビゲーションユニット、ゲーム機、スマートフォン、タブレット、及びカメラのような中小型電子装置である。また、これらは単に実施形態として提示されたものであって、本発明の概念から逸脱しない限り他の電子装置としても採用される。
【0037】
電子装置EDは、表示装置DD及び筐体HAUを含む。表示装置DDは、表示面ISを介して映像IMを表示する。
図1においては、表示面ISが第1方向DR1、及び第1方向DR1と交差する第2方向DR2が定義する面と平行すると示している。しかし、これは例示的なものであって、他の実施形態において、表示装置DDの表示面ISは曲がった形状を有してもよい。
【0038】
表示面ISの法線方向、つまり、表示装置DDの厚さ方向のうち映像IMが表示される方向は第3方向DR3が指示する。各部材の前面(または上面)と背面(または下面)は、第3方向DR3によって区分される。
【0039】
第4方向DR4は、第1方向DR1と第2方向DR2との間の方向である。第4方向DR4は、第1方向DR1及び第2方向DR2が定義する面と並んだ面の上に位置する。一方、第1乃至第4方向DR1、DR2、DR3、DR4が指示する方向は相対的な概念であり、他の方向に変換されてもよい。
【0040】
筐体HAUは表示装置DDを収納する。筐体HAUは、表示装置DDの表示面ISである上部面が露出されるように表示装置DDをカバーしながら配置される。筐体HAUは、表示装置DDの側面と底面をカバーし、上部面全体を露出させる。但し、実施形態はこれに限らず、筐体HAUは、表示装置DDの側面と底面だけでなく、上部面の一部をカバーしてもよい。
【0041】
表示装置DDは、表示パネルDPと、及び表示パネルDPの上に配置される光制御層PPを含む。表示パネルPPは発光素子EE(
図11を参照)を含む。表示装置DDは複数個の発光素子EEを含む。光制御層PPは表示パネルDPの上に配置され、外部光による表示パネルDPにおける反射光を制御する。光制御層PPは、例えば、偏光層を含むか、またはカラーフィルタ層を含んでもよい。
【0042】
図3Aは一実施形態に係る発光素子EEを示す図であり、
図3Aを参照すると、一実施形態に係る発光素子EEは、第1電極EL1と、第1電極EL1と向かい合う第2電極EL2と、第1電極EL1と第2電極EL2との間に配置される発光層EMLと、を含む。第1電極EL1と発光層EMLとの間には第1電荷移動層CTL1が配置される。第2電極EL2と発光層EMLとの間には第2電荷移動層CTL2が配置される。第1電荷移動層CTL1は、第1電極から発光層EMLまで電荷(具体的には正孔)を移動させる機能を有する。第2電荷移動層CTL2は、第2電極から発光層EMLまで電荷(具体的には電子)を移動させる機能を有する。
【0043】
第1電荷移動層CTL1と発光層EMLとの間、及び第2電荷移動層CTL2と発光層EMLとの間のうち少なくとも一つには絶縁層ISLが配置される。
図3では絶縁層ISLが第2電荷移動層CTL2と発光層EMLとの間に配置されることを例示的に示しているが、これに限らず、絶縁層ISLは第1電荷移動層CTL1と発光層EMLとの間に配置されてもよい。または、第1電荷移動層CTL1と発光層EMLとの間、及び第2電荷移動層CTL2と発光層EMLとの間それぞれに絶縁層ISLが配置されてもよい。
【0044】
発光層EMLは量子ドットQDを含む。発光層EMLは、複数の量子ドットQDがベース部HSに分散されている形態を有する。量子ドットQDのコアは、II-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、IV族元素、IV族化合物、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0045】
II-VI族化合物は、CdSe、CdTe、CdS、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、MgSe、MgS、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物、AgInS、CuInS、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HeSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HeZnSe、HeZnTe、MgZnSe、MgZnS、及びこれらの混合物からなる群より選択される三元化合物、及びHgZnTeS、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される四元化合物からなる群より選択される。
【0046】
III-V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InGaP、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、及びこれらの混合物からなる群より選択される三元化合物、及びGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、及びこれらの混合物からなる群より選択される四元化合物からなる群より選択される。
【0047】
IV-VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される三元化合物、及びSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、及びこれらの混合物からなる群より選択される四元化合物からなる群より選択される。IV族元素は、Si、Ge、及びこれらの混合物からなる群より選択される。IV族化合物は、SiC、SiGe、及びこれらの混合物からなる群より選択される二元化合物である。
【0048】
この際、二元化合物、三元化合物、または四元化合物は均一な濃度で粒子内に存在するか、濃度分布が部分的に異なる状態に分けられて同一粒子内に存在する。また、一つの量子ドットが他の量子ドットを囲むコア/シェル構造を有してもよい。コアとシェルの界面は、シェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有する。
【0049】
いくつかの実施形態において、量子ドットQDは名の結晶を含むコアと、コアを囲むシェルを含むコア-シェル構造を有する。コア-シェル構造を有する量子ドットQDのシェルは、コアの化学的変性を防止して半導体特性を維持するための保護層の役割、及び/または量子ドットQDに電気泳動特性を与えるためのチャージング層(charging layer)の役割をする。シェルは単層または多重層である。コアとシェルの界面は、シェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配を有する。コア-シェル構造を有する量子ドットQDのシェルの例としては、金属または非金属の酸化物、半導体化合物、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0050】
例えば、金属または非金属の酸化物として、SiO2、Al2O3、TiO2、ZnO、MnO、Mn2O3、Mn3O4、CuO、FeO、Fe2O3、Fe3O4、CoO、Co3O4、NiOなどの二元素化合物、またはMgAl2O4、CoFe2O4、NiFe2O4、CoMn2O4などの三元素化合物などが挙げられるが、本発明はこれに限らない。
【0051】
また、前記半導体化合物は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnSeS、ZnTeS、GaAs、GaP、GaSb、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InGaP、InSb、AlAs、AlP、AlSbなどが挙げられるが、本発明はこれに限らない。
【0052】
量子ドットQDは約45nm以下、好ましくは約40nm以下、より好ましくは約30nm以下の発光波長スペクトルの半値幅(full width of half maximum、FWHM)を有する。これにより、本実施形態の発光素子の色純度や色再現性が向上する。また、このような量子ドットを介して発光される光は全方向に放出されるゆえ、光視野角が向上する。
【0053】
また、量子ドットQDの形態は当分野で一般的に使用する形態のものであって特に限らないが、より詳しくは、球状、ピラミッド状、多腕(multi-arm)状、立方体(cubic)のナノ粒子、ナノチューブ、ナノワイヤ、ナノ繊維、ナノ板状粒子などの形態のものを使用する。
【0054】
量子ドットQDは粒子の平均直径に応じて放出する光の色相を調節するが、それによって量子ドットQDは青色、赤色、緑色など多様な発光色相を有する。量子ドットQDは、粒子の平均直径が小さいほど短波長領域の光を発光する。例えば、緑色光を放出する量子ドットの平均直径は、赤色光を放出する量子ドットの平均直径より小さくてもよい。また、青色光を放出する量子ドットの平均直径は、緑色光を放出する量子ドットの平均直径より小さくてもよい。
【0055】
一方、本明細書において、平均直径は複数の量子ドット粒子の直径を算術平均した値に当たる。一方、量子ドット粒子の直径は断面における量子ドット粒子の幅の平均値である。
【0056】
一実施形態の発光素子EEにおいて、発光層EMLはホスト及びドーパントを含む。一実施形態において、発光層EMLのベース部HSにホスト材料が含まれ、量子ドットQDをドーパント材料として含む。
【0057】
一実施形態の発光素子EEにおいて、発光層EMLは蛍光発光する。例えば、量子ドットQDは蛍光ドーパント材料として使用される。
【0058】
発光層EMLから放出される光の発光波長は、使用された量子ドットQDの種類に応じて異なり得る。発光層EMLから放出される光は、量子ドットQDの種類に応じて青色光、緑色光、または赤色光を放出する。
【0059】
発光層EMLは、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法(Langmuir-Blodgett)、インクジェットプリント法、レーザプリント法、レーザ熱転写法(Laser Induced Thermal Imaging、LITI)などのような多様な方法を利用して、ベース部HSに分散されている量子ドットQDを適用して形成される。
【0060】
発光層EMLに含まれている量子ドットQDは1層以上の層に積層される。一例として、
図3Aに示したように、量子ドットQDは発光層EMLにおいて2層に積層されていてもよい。但し、これに限らず、量子ドットQDは1以上10以下の層に積層されてもよい。量子ドットQDは量子ドットQDの種類及び発光しようとする光の発光波長を考慮して、適切な層に積層される。
【0061】
一実施形態の発光素子EEにおいて、発光層EMLは公知のアントラセン系発光材料を更に含んでもよい。
【0062】
発光層EMLは公知のホスト材料を更に含んでもよい。例えば、一実施形態において、発光層EMLはホスト材料として、Alq3(トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム)、CBP(4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル)、PVK(ポリ(n-ビニルカルバゾール)、ADN(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン)、TCTA(4,4’,4”-トリス(カルバゾール-9-イル)-トリフェニルアミン)、TPBi(1,3,5-トリス(N-フェニルベンゾイミダゾール-2-イル)ベンゼン)、TBADN(3-tert-ブチル-9,10-ジ(ナフト-2-イル)アントラセン)、DSA(ジスチリルアリレン)、CDBP(4,4’-ビス(9-カルバゾリル)-2,2’-ジメチル-ビフェニル)、MADN(2-メチル-9,10-ビス(ナフタレン-2-イル)アントラセン)、DPEPO(ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルオキシド)、CP1(ヘキサフェニルシクロトリホスファゼン)、UGH2(1、4-ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン)、DPSiO3(ヘキサフェニルシクロトリシロキサン)、DPSiO4(オクタフェニルシクロテトラシロキサン)、PPF(2、8-ビス(ジフェニルホスフォリル)ジゼンゾフラン)、mCBP(3,3’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル)、またはmCP(1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン)などを含んでもよい。しかし、実施形態はこれに限らず、提示されたホスト材料以外に公知のホスト材料が含まれてもよい。
【0063】
一方、一実施形態の発光素子EEにおいて、発光層EMLは公知のドーパント材料を更に含む。一実施形態において、発光層EMLは、ドーパントとして、スチリル誘導体(例えば、1,4-ビス[2-(3-N-エチルカルバゾリル)ビニル]ベンゼン(BCzVB)、4-(ジ-p-トリルアミノ)-4’-[(ジ-p-トリルアミノ)スチリル]スチルベン(DPAVB)、N-(4-((E)-2-(6-((E)-4-(ジフェニルアミノ)スチリル)ナフタレン-2-イル)ビニル)フェニル)-N-フェニルベンゼンアミン(N-BDAVBi)、ぺリレンまたはその誘導体(例えば、2,5,8,11-テトラ-t-ブチルぺリレン(TBP))、ピレンまたはその誘導体(例えば、1,1-ジピレン、1,4-ジピレニルベンゼン、1,4-(ビス(N、N-ジフェニルアミノ)ピレン))などを含む。
【0064】
図3Bは、一実施形態に係る発光素子に含まれる絶縁層ISLを示す図である。一実施形態において、絶縁層ISLは無機物を含む。絶縁層ISLは、無機物を含む少なくとも一つの無機絶縁層ISL-IOL1を含む。無機絶縁層ISL-IOL1は、原子層堆積法(ALD)を介して形成される。
【0065】
絶縁層ISLに含まれる無機層は、SiNx、SiOx、Al2O3、TiOx、及びZrOxのうち少なくとも一つである。但し、絶縁層ISLに含まれる無機物は発光素子から発生した光を遮断しない透明な素材であって、後述する発光素子の電荷バランスの改善効果をもたらす物質であれば、制限なく適切に採択される。
【0066】
絶縁層ISLは、有機物を含む少なくとも一つの有機絶縁層ISL-OL1を含む。有機絶縁層ISL-OL1は、化学気相蒸着法(CVD)を介して形成される。
【0067】
有機絶縁層ISL-OL1に含まれる有機物は、n-ヘキサン、フラン、及びヘキサメチルジシロキサンのうち少なくとも一つである。但し、有機絶縁層ISL-OL1に含まれる有機物は発光素子から発生した光を遮断しない透明な素材であって、発光素子の発光層EMLを平坦化させてバリア特性を向上させる物質であれば、制限なく適切に選択される。
【0068】
絶縁層ISLは、複数の無機絶縁層ISL-IOL1~ISL-IOLn+1と、複数の有機絶縁層ISL-OL1~ISL-OLnと、を含む。複数の無機絶縁層ISL-IOL1~ISL-IOLn+1及び複数の有機絶縁層ISL-OL1~ISL-OLnは互いに交互に配置される。
図3Bでは絶縁層ISLの最下層及び最上層に無機絶縁層ISL-IOL1、ISL-IOLn+1が配置されることを例示的に示しているが、これに限らず、絶縁層ISLの最下層及び最上層のうち少なくとも一つには有機絶縁層が配置されてもよい。
【0069】
本発明の一実施形態に係る発光素子は、発光層と電荷移動層との間に絶縁層が配置されることで、発光素子の電荷バランス(charge balance)が改善され、発光素子の発光特性が向上される。
【0070】
より詳しくは、量子ドットを発光物質として含む発光素子において、発光層への正孔注入のためのエネルギーレベルと、電子注入のためのエネルギーレベルが異なる場合がある。このような場合、発光層に注入される正孔と電子の量に不均衡が発生し、素子の寿命と発光効率が減少する恐れがある。本発明では量子ドットを発光物質として含む発光層への正孔注入エネルギーレベルと電子注入エネルギーレベルとの差を考慮して、正孔または電子のうち一方が過度に注入されないように、発光層と電荷移動層との間に絶縁層を配置している。それによって、発光層に注入される正孔と電子の量を均衡に調節することができ、その結果、発光素子の発光特性が向上する。
【0071】
特に、本発明では原子層堆積法(ALD)を介して無機物を蒸着して絶縁層を形成することで、有機物をコーティングするときより薄い厚さで均一に形成することができる。また、量子ドットが複数の層に配置される発光層において、一部領域に量子ドットが不均一に積層されても、発光層の上部が無機絶縁層を介してカバーされることで電荷の移動がより均一に行われるため、素子の安定性が向上される。
【0072】
特に、本発明の発光素子は、無機絶縁層と有機絶縁層が交互に形成される絶縁層を含む。この場合、薄い厚さで均一に形成される無機絶縁層を介して、優秀な膜質の無機膜によって発光層に注入される正孔と電子の電荷バランスを調節し、発光層の上部を平坦化することができる有機絶縁層を介して絶縁層の電荷バランス調節特性を向上させることができる。
【0073】
絶縁層ISLは、0.1nm以上10nm以下の厚さを有する。絶縁層ISLが0.1nm未満であれば、発光層の電荷バランス調節の向上を期待することが難しく、絶縁層ISLが10nmを超過すれば、電荷移動層から発光層に電荷が注入される特性が低下する恐れがある。
【0074】
図4乃至
図9は、本発明の一実施形態に係る発光素子EE、EE-1、EE-2、EE-3、EE-4、EE-5、EE-6を示す断面図である。以下、
図4及び
図9を参照して、本発明の多様な実施形態に係る発光素子について説明する。
図3A及び
図3Bで説明した構成については同じ参照符号を与え、上述した内容は省略する。
【0075】
図4を参照すると、一実施形態に係る発光素子EE-1は、第1電極EL1と、第1電極EL1と向かい合う第2電極EL2と、第1電極EL1と第2電極EL2との間に配置される発光層EMLと、を含み、第1電極EL1と発光層EMLとの間に配置される正孔輸送領域HTRと、発光層EMLと第2電極EL2との間に配置される電子輸送領域ETRと、を含む。発光層EMLと電子輸送領域ETRとの間には絶縁層ISL-1が配置される。絶縁層ISL-1は発光層EMLと接触するように配置される。発光素子EE-1はトップエミッション型発光素子である。
【0076】
正孔輸送領域HTRと電子輸送領域ETRは、それぞれ複数個のサブ有機層を含む。例えば、正孔輸送領域HTRはサブ有機層として正孔注入層HIL及び正孔輸送層HTLを含んでもよく、電子輸送領域ETRはサブ有機層として電子注入層EIL及び電子輸送層ETLを含んでもよい。一方、実施形態はこれに限らず、正孔輸送領域HTRは電子阻止層(図示せず)などをサブ有機層として更に含んでもよく、電子輸送領域ETRは正孔阻止層(図示せず)などをサブ有機層として更に含んでもよい。
【0077】
一実施形態に係る発光素子EE-1において、第1電極EL1は導電性を有する。第1電極EL1は、金属合金または導電性化合物からなる。第1電極EL1はアノード(anode)である。第1電極EL1は画素電極である。
【0078】
一実施形態に係る発光素子EE-1において、第1電極EL1は反射型電極である。しかし、実施形態はこれに限らない。例えば、第1電極EL1は、透過型電極または半透過型電極であってもよい。第1電極EL1が半透過型電極または反射型電極であれば、第1電極EL1はAg、Mg、Cu、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Mo、Ti、またはこれらの化合物や混合物(例えば、AgとMgの混合物)を含む。また、前記例示された物質からなる反射膜や半透過膜、及びITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ZnO(zinc oxide)、ITZO(indium tin zinc oxide)などからなる透明導電膜を含む複数の層構造であってもよい。例えば、第1電極EL1は多層金属膜であってもよく、ITO/Ag/ITOの金属膜が積層された構造であってもよい。
【0079】
正孔輸送領域HTRは第1電極EL1の上に配置される。正孔輸送領域HTRは正孔注入層HIL及び正孔輸送層HTLなどを含む。また、正孔輸送領域HTRは、正孔輸送層HTL及び正孔注入層HIL以外に、正孔バッファ層(図示せず)及び電子阻止層(図示せず)のうち少なくとも一つを更に含む。正孔バッファ層(図示せず)は、発光層EMLから放出される光の波長による共振距離を補償して光放出効率を増加させる。正孔バッファ層(図示せず)に含まれる物質としては、正孔輸送領域HTRに含まれる物質が使用される。電子阻止層(図示せず)は、電子輸送領域ETRから正孔輸送領域HTRへの電子の注入を防止する役割をする層である。
【0080】
正孔輸送領域HTRは、単一物質からなる単一層、複数の互いに異なる物質からなる単一層、または複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有する。例えば、正孔輸送領域HTRは、複数の互いに異なる物質を有する単一層の構造を有するか、第1電極EL1から順番に積層される正孔注入層HIL/正孔輸送層HTL、正孔注入層HIL/正孔輸送層HTL/正孔バッファ層(図示せず)、正孔注入層HIL/正孔バッファ層(図示せず)、正孔輸送層HTL/正孔バッファ層(図示せず)、または正孔注入層HIL/正孔輸送層HTL/電子阻止層(図示せず)などの構造を有してもよいが、実施形態はこれに限らない。
【0081】
正孔輸送領域HTRは、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェットプリント法、レーザプリント法、レーザ熱転写法などのような多様な方法を利用して形成される。
【0082】
正孔注入層HTLは、例えば、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、DNTPD(N,N’-ジフェニル-N、N’-ビス-[4-フェニル-m-トリルーアミノ)-フェニル]-ビフェニル-4,4’-ジアミン)、m-MTDATA(4,4’,4”-トリス(3-メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)、TDATA(4,4’,4”-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン)、2-TNATA(4,4’,4”-トリス{N,-(2-ナフチル)-N-フェニルアミノ}-トリフェニルアミン)、PEDOT/PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルフォナート)、PANI/DBSA(ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)、PANI/CSA(ポリアニリン/カンファースルホン酸)、PANI/PSS(ポリアニリン)/ポリ(4-スチレンスルフォナート)、NPB(N,N’-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ジフェニル-ベンジジン)、トリフェニルアミンを含むポリエテールケトン(TPAPEK)、4-イソプロピル-4’-メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、またはHAT-CN(ジピラジノ[2,3-f:2’,3’-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11-ヘキサカルボニトリル)などを含んでもよい。
【0083】
正孔輸送層HTLは、例えば、N-フェニルカルバゾール、ポリビルカルバゾールなどのカルバゾール系誘導体、フルオレン系誘導体、TPD(N、N’-ビス(3-メチルフェニル)-N、N’-ジフェニル-[1、1-ビフェニル]-4,4’-ジアミン)、TCTA(4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン)などのようなトリフェニルアミン系誘導体、NPB(N、N’-ジ(ナフタレン-1-イル)-N、N’-ジフェニル-ベンジジン)、TAPC(4,4’-シクロへキシリデンビス[N、N-ビス(4-メチルフェニル)ベンゼンアミン])、HMTPD(4,4’-ビス[N,N’-(3-トリル)アミノ]-3,3’-ジメチルビフェニル)、またはmCP(1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン)などを含んでもよい。
【0084】
一実施形態の発光素子EE-1において、電子輸送領域ETRは発光層EMLの上に配置される。電子輸送領域ETRは、正孔阻止層(図示せず)、電子輸送層ETL、及び電子注入層のEILうち少なくとも一つを含むが、実施形態はこれに限らない。
【0085】
電子輸送領域ETRは、単一物質からなる単一層、複数の互いに異なる物質からなる単一層、または複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有する。
【0086】
例えば、電子輸送領域ETRは電子注入層のEILまたは電子輸送層ETLの単一層構造を有してもよく、電子注入物質と電子輸送物質からなる単一層構造を有してもよい。また、電子輸送領域ETRは、複数の互いに異なる物質からなる単一層の構造を有するか、発光層EMLから順番に積層された電子輸送層ETL/電子注入層EIL、正孔阻止層(図示せず)/電子輸送層ETL/電子注入層EILの構造を有してもよいが、これに限らない。電子輸送領域ETRの厚さは、例えば、約1000Å乃至約1500Åであってもよい。
【0087】
電子輸送領域ETRは、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェットプリント法、レーザプリント法、レーザ熱転写法などのような多様な方法を利用して形成される。
【0088】
電子輸送領域ETRが電子輸送層ETLを含めば、電子輸送領域ETRはアントラセン系化合物を含む。但し、これに限らず、電子輸送領域は、例えば、Alq3(トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム)、1,3,5-トリ[(3-ピリジル)-フェン-3-イル]ベンゼン、2,4,6-トリス(3’-ピリジン-3-イル)ビフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-(N-フェニルベンゾイミダゾリル-1-イルフェニル)-9,10-ジナフチルアントラセン、TPBi(1,3,5-トリス(1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ベンゼン)、BCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、Bphen(4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、TAZ(3-(4-ビフェニルイル)-4-フェニル-5-tert-ブチルフェニル-1,2,4-トリアゾール)、NTAZ(4-(ナフタレン-1-イル)-3,5-ジフェニル-4H-1,2,4-トリアゾール)、tBu-PBD(2-(4-ビフェニルイル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール)、BAlq(ビス(2-メチル-8-キノリノラト-N1,O8)-(1,1’-ビフェニル-4-オラト)アルミニウム)、Bebq2(ベリリウムビス(ベンゾキノリン-10-オラト)、ADN(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン)、またはこれらの混合物を含んでもよい。電子輸送層ETLの厚さは、約100Å乃至約1000Å、例えば、約150Å乃至約500Åであってもよい。電子輸送層HTLの厚さが上述したような範囲を満足すれば、実質的な駆動電圧の上昇なしに満足できる程度の電子輸送特性が得られる。
【0089】
電子輸送領域ETRが電子注入層EILを含む場合、電子輸送領域ETRは、LiF、Liq(リチウムキノリナート)、Li2O、BaO、NaCl、CsF、Ybのようなランタン族金属、またはRbCl、Rblのようなハロゲン化金属などが使用されてもよいが、これに限らない。電子注入層EILはまた、電子輸送物質と絶縁性の有機金属塩(organo metal salt)が混合された物質からなる。例えば、有機金属塩は、酢酸金属塩(metal acetate)、安息香酸金属塩(metal benzoate)、アセト酢酸金属塩(metal acetoacetate)、金属アセチルアセトナート(metal acetylacetonate)、またはステアリン酸金属塩(stearate)を含む。電子注入層EILの厚さは、約1Å乃至約100Å、約3Å乃至約90Åである。電子注入層EILの厚さが上述したような範囲を満足すれば、実質的な駆動電圧の上昇なしに満足できる程度の電子注入特性が得られる。
【0090】
電子輸送領域ETRは、上述したように、正孔阻止層(図示せず)を含む。正孔阻止層(図示せず)は、例えば、BCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、及びBphen(4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)のうち少なくとも一つを含んでもよいが、これに限らない。
【0091】
第2電極EL2は電子輸送領域ETRの上に配置される。第2電極EL2は、共通電極または負極である。第2電極EL2は、透過型電極、半透過型電極、または反射型電極である。第2電極EL2が透過型電極であれば、第2電極EL2は透明金属酸化物、例えば、ITO、IZO、ZnO、ITZOなどからなる。
【0092】
第2電極EL2が半透過型電極または反射型電極であれば、第2電極EL2はAg、Mg、Cu、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Mo、Ti、またはこれらを含む化合物や混合物(例えば、AgとMgの混合物)を含む。また、前記物質からなる反射膜や半透過膜、及びITO、IZO、ZnO、ITZOなどからなる透明導電膜を含む複数の層構造である。
【0093】
図示していないが、第2電極EL2は補助電極と接続される。第2電極EL2が補助電極と接続されれば、第2電極EL2の抵抗が減少する。
【0094】
一実施形態において、発光素子EE-1に含まれている量子ドットはカドミウム系物質を含む。発光素子EE-1は、CdSe、CdTe、CdSeS、CdSeTe、SeSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、及びCdHgSTeからなる群より選択されるいずれか一つの化合物を発光物質として含む。この場合、発光素子EE-1の発光層EMLは、正孔注入特性に比べ電子注入特性の方が高い可能性がある。よって、本発明の一実施形態に係る発光素子EE-1では、電子輸送領域ETRと発光層EMLとの間に絶縁層ISL-1を含むことで、電子輸送領域ETRから発光層EMLに電子が過度に注入されることを防止する。それによって、カドミウム系量子ドットを発光物質として含む発光層EMLに注入される正孔と電子の量が均衡を成し、その結果、発光素子EE-1の発光特性が向上する。
【0095】
図5を参照すると、一実施形態に係る発光素子EE-2において、絶縁層ISL-2は正孔輸送領域HTRと発光層EMLとの間に配置される。絶縁層ISL-2は発光層EMLと接触するように配置される。絶縁層ISL-2は正孔輸送層HTLと発光層EMLとの間に配置され、正孔輸送層HTLから発光層EMLに正孔が過度に注入されることを防止する。より詳しくは、発光層EMLに含まれている量子ドットQDの種類に応じては電子注入特性より正孔注入特性が高いことがあるが、正孔輸送層HTLと発光層EMLとの間に配置される絶縁層ISL-2によって注入される正孔の量が電子の量と均衡を成すように調節されて、発光素子EE-2の発光特性が向上する。
【0096】
図6を参照すると、一実施形態に係る発光素子EE-3において、絶縁層ISL-3は複数に提供される。絶縁層ISL-3は、第1絶縁層ISL-31及び第2絶縁層ISL-32を含む。第1絶縁層ISL-31は発光層EMLと電子輸送領域ETRとの間に配置され、第2絶縁層ISL-32は発光層EMLと正孔輸送領域HTRとの間に配置される。第1絶縁層ISL-31及び第2絶縁層ISL-32は、それぞれ発光層EMLと接触するように配置される。
【0097】
第1絶縁層ISL-31及び第2絶縁層ISL-32は、それぞれ独立して無機物及び有機物を含む。第1絶縁層ISL-31及び第2絶縁層ISL-32は、それぞれ独立して無機物を含む無機絶縁層、及び有機物を含む有機絶縁層を含むが、複数の無機絶縁層と複数の有機絶縁層が交互に配置される。
【0098】
第1絶縁層ISL-31及び第2絶縁層ISL-32は、それぞれ独立して約0.1nm以上約10nm以下の厚さを有する。
【0099】
第1絶縁層ISL-31及び第2絶縁層ISL-32は同じであるか異なる物質を含む。第1絶縁層ISL-31及び第2絶縁層ISL-32は同じであるか異なる厚さを含む。第1絶縁層ISL-31及び第2絶縁層ISL-32それぞれが含む物質とそれぞれの厚さは、発光層EMLに含まれている量子ドットQDの種類に応じて、正孔注入特性と電子注入特性が均衡を成すように適切に選択される。例えば、発光層EMLに含まれている量子ドットQDの正孔注入特性が電子注入特性より高ければ、第2絶縁層ISL-32の厚さが第1絶縁層ISL-31の厚さより厚くてもよい。
【0100】
図7を参照すると、一実施形態に係る発光素子EE-4は、第1電極EL1と、第1電極EL1と向かい合う第2電極EL2と、第1電極EL1と第2電極EL2との間に配置される発光層EMLと、を含み、第1電極EL1と発光層EMLとの間に配置される電子輸送領域ETRと、発光層EMLと第2電極EL2との間に配置される正孔輸送領域HTRと、を含む。発光層EMLと正孔輸送領域HTRとの間には絶縁層ISL-4が配置される。絶縁層ISL-4は発光層EMLと接触するように配置される。発光素子EE-4は背面発光型発光素子である。つまり、発光素子EE-4は、第2電極EL2から第1電極EL1の方に光を出射する素子である。
【0101】
一実施形態に係る発光素子EE-4は、発光層EMLに含まれている量子ドットQDの種類に応じては電子注入特性より正孔注入特性が高いことがあるが、正孔輸送層HTLと発光層EMLとの間に配置される絶縁層ISL-4によって注入される正孔の量が電子の量と均衡を成すように調節されて、発光素子EE-4の発光特性が向上される。
【0102】
図8を参照すると、一実施形態に係る発光素子EE-5は背面発光型発光素子であり、発光素子EE-5の絶縁層ISL-5は電子輸送領域ETRと発光層EMLとの間に配置される。絶縁層ISL-5は発光層EMLと接触するように配置される。絶縁層ISL-5は電子輸送層ETLと発光層EMLとの間に配置され、電子輸送層ETLから発光層EMLに電子が過度に注入されることを防止する。より詳しくは、発光層EMLに含まれている量子ドットQDの種類に応じては正孔注入特性より電子注入特性が高いことがあるが、電子輸送層ETLと発光層EMLとの間に配置される絶縁層ISL-5によって注入される電子の量が正孔の量と均衡を成すように調節されて、発光素子EE-5の発光特性が向上される。
【0103】
図9を参照すると、一実施形態に係る発光素子EE-6において、絶縁層ISL-6は複数に提供される。絶縁層ISL-6は、第1絶縁層ISL-61及び第2絶縁層ISL-62を含む。第1絶縁層ISL-61は発光層EMLと電子輸送領域ETRとの間に配置され、第2絶縁層ISL-62は発光層EMLと正孔輸送領域HTRとの間に配置される。第1絶縁層ISL-61及び第2絶縁層ISL-62は、それぞれ発光層EMLと接触するように配置される。第1絶縁層ISL-61及び第2絶縁層ISL-62それぞれが含む物質とそれぞれの厚さは、発光層EMLに含まれている量子ドットQDの種類に応じて、正孔注入特性と電子注入特性が均衡を成すように適切に選択される。例えば、発光層EMLに含まれている量子ドットQDの正孔注入特性が電子注入特性より高ければ、第2絶縁層ISL-62の厚さが第1絶縁層ISL-61の厚さより厚くてもよい。
【0104】
図10は、本発明の一実施形態に係る表示装置DDを示す平面図である。
図11は、本発明の一実施形態の表示装置DDの断面図である。
図11は、
図10のII-II’線に対応する断面図である。
【0105】
一実施形態の表示装置DDは、複数個の発光素子EE-1、EE-2、EE-3を含み、発光素子EE-1、EE-2、EE-3は量子ドットQD1、QD2、QD3を含む発光層EML-B、EML-G、EML-Rを含む。
【0106】
また、一実施形態の表示装置DDは、複数個の発光素子EE-1、EE-2、EE-3を含む表示パネルDPと、表示パネルDPの上に配置される光制御層PPと、を含む。一方、図示とは異なって、一実施形態の表示装置DDから光制御層PPが省略されてもよい。
【0107】
表示パネルDPは、ベース基板BS、ベース基板BSの上に配置される回路層DP-CL、及び表示素子層DP-OELを含む。表示素子層DP-OELは、画素定義膜PDL、画素定義膜PDLによって分離されて配置される発光素子EE-1、EE-2、EE-3、及び発光素子EE-1、EE-2、EE-3の上に配置される封止層TFEを含む。
【0108】
ベース基板BSは、表示素子層EP-OELが配置されるベース面を提供する部材である。ベース基板BSは、ガラス基板、金属基板、プラスチック基板などである。しかし、実施形態はこれに限らず、ベース基板BSは無機層、有機層、または複合材料層であってもよい。
【0109】
一実施形態において、回路層DP-CLはベース基板BSの上に配置されるが、回路層DP-CLは複数のトランジスタ(図示せず)を含む。トランジスタ(図示せず)は、それぞれ制御電極、入力電極、及び出力電極を含む。例えば、回路層DP-CLは、表示素子層DP-OELの発光素子EE-1、EE-2、EE-3を駆動するためのスイッチングトランジスタ、及び駆動トランジスタを含んでもよい。
【0110】
発光素子EE-1、EE-2、EE-3それぞれは、第1電極EL1、正孔輸送領域HTR、発光層EML-B、EML-G、EML-R、絶縁層ISL、電子輸送領域ETR、及び第2電極EL2を含む。発光素子EE-1、EE-2、EE-3については、上述した一実施形態の発光素子EEについて説明した内容と同じ内容が適用される。つまり、発光素子EE-1、EE-2、EE-3の発光層EML-B、EML-G、EML-Rの上には絶縁層ISLが配置される。
図11では絶縁層ISLが発光層EML-B、EML-G、EML-Rと電子輸送領域ETRとの間に配置されることを例示的に示したが、これに限らず、絶縁層ISLは発光層EML-B、EML-G、EML-Rと正孔輸送領域HTRとの間に配置されてもよく、または、絶縁層ISLが発光層EML-B、EML-G、EML-Rと電子輸送領域ETRとの間、及び発光層EML-B、EML-G、EML-Rと正孔輸送領域HTRとの間の両方に配置されてもよい。
【0111】
封止層TFEは、発光素子EE-1、EE-2、EE-3をカバーする。封止層TFEは、第2電極EL2の上に直接配置される。封止層TFEは一層または複数の層が積層されている。封止層TFEは薄膜封止層である。封止層TFEは、発光素子EE-1、EE-2、EE-3をカバーする。封止層TFEは、開口部OHに配置される第2電極EL2の上部面をカバーし、開口部OHを埋める。
【0112】
図10及び
図11を参照すると、表示装置DDは、非発光領域NPXA、及び発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rを含む。発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rそれぞれは、発光素子EE-1、EE-2、EE-3それぞれから生成された光が放出される領域である。発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rは平面上で互いに離隔されている。
【0113】
発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rは、発光素子EE-1、EE-2、EE-3から生成される光のカラーに応じて複数個のグループに区分される。
図10及び
図11に示した一実施形態の表示装置DDには、青色光、緑色光、及び赤色光を発光する3つの発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rを例示的に示している。例えば、一実施形態の表示装置DDは、互いに区分される青色発光領域PXA-B、緑色発光領域PXA-G、及び赤色発光領域PXA-Rを含んでもよい。
【0114】
複数の発光素子EE-1、EE-2、EE-3は、互いに異なる波長領域の色の光を放出する。例えば、一実施形態において、表示装置DDは、青色光を放出する第1発光素子EE-1、緑色光を放出する第2発光素子EE-2、及び赤色光を放出する第3発光素子EE-3を含んでもよい。しかし、実施形態はこれに限らず、第1乃至第3発光素子EE-1、EE-2、EE-3は、同じ波長領域の光を放出するか、少なくとも一つが異なる波長領域の光を放出してもよい。
【0115】
一実施形態において、表示装置DDの青色発光領域PXA-B、緑色発光領域PXA-G、及び赤色発光領域PXA-Rは、それぞれ第1発光素子EE-1、第2発光素子EE-2、及び第3発光素子EE-3に対応する。
【0116】
第1発光素子EE-1の第1発光層EML-Bは第1量子ドットQD1を含む。第1量子ドットQD1は第1色光である青色光を放出する。第1発光素子EE-1は第1ホストを含む。
【0117】
第2発光素子EE-2の第2発光層EML-Gと第3発光素子EE-3の第3発光層EML-Rは、それぞれ第2量子ドットQD2及び第3量子ドットQD3を含む。第2量子ドットQD2と第3量子ドットQD3は、それぞれ第2色光である緑色光、及び第3色光である赤色光を放出する。第2発光素子EE-2と第3発光素子EE-3は、それぞれ第2ホスト及び第3ホストを含む。
【0118】
図11に示した一実施形態において、第1乃至第3量子ドットQD1、QD2、QD3の平均直径は互いに異なる。例えば、相対的に短波長領域の光を放出する第1発光素子EE-1に使用される第1量子ドットQD1は、相対的に長波長領域の光を放出する第2発光素子EE-2の第2量子ドットQD2及び第3発光素子EE-3の第3量子ドットQD3に比べ、相対的に平均直径が小さくてもよい。
【0119】
第1乃至第3量子ドットQD1、QD2、QD3の平均直径に対する関係は上記限定事項に限らない。つまり、
図11に示した一実施形態の表示装置DDでは第1乃至第3量子ドットQD1、QD2、QD3の平均直径が互いに異なると示しているが、図示とは異なって、発光素子EE-1、EE-2、EE-3に含まれる第1乃至第3量子ドットQD1、QD2、QD3の平均直径は同一または類似していてもよい。また、第1乃至第3量子ドットQD1、QD2、QD3のうちから選択される2つの量子ドットの平均直径は同一または類似していて、残りは異なっていてもよい。
【0120】
一実施形態において、発光素子EE-1、EE-2、EE-3に含まれている第1乃至第3量子ドットQD1、QD2、QD3は、互いに異なるコア物質からなる。また、これとは異なって、第1乃至第3量子ドットQD1、QD2、QD3は同じコア物質からなるか、または第1乃至第3量子ドットQD1、QD2、QD3のうちから選択される2つの量子ドットは同じコア物質からなり、残りは異なるコア物質からなってもよい。
【0121】
図10及び
図11に示した一実施形態の表示装置DDにおいて、発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rそれぞれの面積は異なる。この際、面積は第3方向DR3を法線方向にする平面上から見た際の面積を意味する。
【0122】
発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rは、発光素子EE-1、EE-2、EE-3の発光層EML-B、EML-G、EML-Rから発光する色に応じて異なる面積を有する。例えば、
図10及び
図11を参照すると、一実施形態の表示装置DDでは、青色光を放出する第1発光素子EE-1に対応する青色発光領域PXA-Bが最も大きい面積を有し、緑色光を生成する第2発光素子EE-2に対応する緑色発光領域PXA-Gが最も小さい面積を有してもよい。しかし、実施形態はこれに限らず、発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rは青色光、緑色光、赤色光以外の他の色の光を発光するか、または発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rは同じ面積を有するか、または
図10の図示とは異なる面積割合で発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rが定義されてもよい。
【0123】
発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bそれぞれは、画素定義膜PPLで区分される領域である。非発光領域NPXAは隣り合う発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rの間の領域であって、画素定義膜PDLと対応する領域である。一方、本明細書において、発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rのそれぞれは、画素(Pixel)に対応する。画素定義膜PDLは、発光素子EE-1、EE-2、EE-3を区分する。発光素子EE-1、EE-2、EE-3の発光層EML-B、EML-G、EML-Rは、画素定義膜PDLで定義される開口部OHに配置されて区分される。
【0124】
画素定義膜PDLは、高分子樹脂からなる。例えば、画素定義膜PDLは、ポリアクリレート系樹脂、またはポリイミド系樹脂を含んで形成される。また、画素定義膜PDLは、高分子樹脂以外に無機物を更に含んで形成されてもよい。一方、画素定義膜PDLは、光吸収物質を含んで形成されるか、ブラック顔料またはブラック染料を含んで形成される。ブラック顔料またはブラック染料を含んで形成される画素定義膜PDLは、ブラック画素定義膜を具現する。画素定義膜PDLを形成する際、ブラック顔料またはブラック染料としてはカーボンブラックなどを使用してもよいが、実施形態はこれに限らない。
【0125】
また、画素定義膜PDLは無機物からなる。例えば、画素定義膜PDLは、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、窒酸化ケイ素(SiOxNy)などを含んで形成されてもよい。画素定義膜PDLは、発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rを定義する。画素定義膜PDLによって発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rと非発光領域NPXAが区分される。
【0126】
図10を参照すると、青色発光領域PXA-Bと赤色発光領域PXA-Rは、第1方向DR1に沿って交互に配列されて第1グループPXG1を構成する。緑色発光領域PXA-Gは、第1方向DR1に沿って配列されて第2グループPXG2を構成する。
【0127】
第1グループPXG1は、第2グループPXG2に対して第2方向DR2の方向に離隔されて配置される。第1グループPXG1及び第2グループPXG2それぞれは、複数に提供される。第1グループPXG1は、第2グループPXG2は、第2方向DR2に沿って互いに交互に配列される。
【0128】
一つの緑色発光領域PXA-Gは、一つの青色発光領域PXA-Bまたは一つの赤色発光領域PXA-Rから第4方向DR4の方向に離隔されて配置される。第4方向DR4は、第1方向DR1と第2方向DR2との間の方向である。
【0129】
図10に示した発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rの配列構造は、ペンタイル構造と命名される。但し、一実施形態に係る表示装置DDにおける発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rの配列構造は、
図10に示した配列構造に限らない。例えば、一実施形態において、発光領域PXA-B、PXA-G、PXA-Rは、第1方向DR1に沿って青色発光領域PXA-B、緑色発光領域PXA-G、及び赤色発光領域PXA-Rが順次に交互に配列されるストライプ構造を有してもよい。
【0130】
図2及び
図11を参照すると、一実施形態の表示装置DDは光制御層PPをさらに含む。光制御層PPは、表示装置DDの外部から表示パネルDPに入射する外部光を遮断する。光制御層PPは外部光のうち一部を遮断する。光制御層PPは、外部光による反射を最小化する反射防止機能をする。
【0131】
図11に示した一実施形態において、光制御層PPはカラーフィルタ層CFLを含む。一実施形態の表示装置DDにおいて、光制御層PPはベース層BL及びカラーフィルタ層CFLを含む。
【0132】
ベース層BLは、カラーフィルタ層CFLなどが配置されるベース面を提供する部材である。ベース層BLは、ガラス基板、金属基板、プラスチック基板などである。しかし、実施形態はこれに限らず、ベース層BLは無機層、有機層、または複合材料層であってもよい。
【0133】
カラーフィルタ層CFLは、遮光部BM及びカラーフィルタ部CFを含む。カラーフィルタ部CFは、複数個のフィルタCF-B、CF-G、CF-Rを含む。つまり、カラーフィルタ層CFLは、第1色光を透過させる第1フィルタCF-B、第2色光を透過させる第2フィルタCF-G、及び第3色光を透過させる第3フィルタCF-Rを含む。例えば、第1フィルタCF-Bは青色フィルタ、第2フィルタCF-Gは緑色フィルタで、第3フィルタCF-Rは赤色フィルターであってもよい。
【0134】
フィルタCF-B、CF-G、CF-Rそれぞれは、高分子感光樹脂と、顔料または染料を含む。第1フィルタCF-Bは青色の顔料または染料を含み、第2フィルタCF-Gは緑色の顔料または染料を含み、第3フィルタCF-Rは赤色の顔料または染料を含む。
【0135】
または、フィルタCF-B、CF-G、CF-Rそれぞれは発光体を含む。フィルタCF-B、CF-G、CF-Rのそれぞれは量子ドットを含む。第1フィルタCF-B、第2フィルタCF-G、及び第3フィルタCF-Rに含まれる量子ドットは異なる。第1フィルタCF-B、第2フィルタCF-G、及び第3フィルタCF-Rに含まれる量子ドットは、それぞれが含むコア物質が異なるか、それぞれが含むコアの平均直径が異なる。
【0136】
一方、実施形態はこれに限らず、第1フィルタCF-Bは顔料、染料、または発光体を含まなくてもよい。第1フィルタCF-Bは高分子感光樹脂を含み、顔料、染料、または発光体を含まなくてもよい。第1フィルタCF-Bは透明であってもよい。第1フィルタCF-Bは透明感光樹脂からなってもよい。
【0137】
遮光部BMはブラックマトリクスである。遮光部BMは、黒色顔料または黒色染料を含む有機遮光物質または無機遮光物質を含んで形成される。遮光部BMは光漏れ現象を防止し、隣接するカラーフィルタCF-B、CF-G、CF-Rの間の境界を区分する。
【0138】
カラーフィルタ層CFLはバッファ層BFLを更に含む。例えば、バッファ層BFLはフィルタCF-B、CF-G、CF-Rを保護する保護層であってもよい。バッファ層BFLは、シリコン窒化物、シリコン酸化物、及びシリコン酸窒化物のうち少なくとも一つの無機物を含む無機物層を含む。バッファ層BFLは、カラーフィルタ層CFLの下部面を平坦化する有機物層を含む。バッファ層BFLは、例えば、アクリレート系の有機物を含む有機物層を含んでもよい。バッファ層BFLは単一層または複数の層からなる。
【0139】
図11に示した一実施形態において、カラーフィルタ層CFLの第1フィルタCF-Bは第2フィルタCF-G及び第3フィルタCF-Rと重畳すると示しているが、実施形態はこれに限らない。例えば、第1乃至第3フィルタCF-B、CF-G、CF-Rは遮光部BMによって区分され、互いに重畳しなくてもよい。一方、一実施形態において、第1乃至第3フィルタCF-B、CF-G、CF-Rそれぞれは、青色発光領域PXA-B、緑色発光領域PXA-G、及び赤色発光領域PXA-Rそれぞれに対応して配置される。
【0140】
図12は、本発明の一実施形態に係る表示装置DD-1を示す断面図である。
図12に示した一実施形態に係る表示装置DD-1に関する説明において、
図11で説明した構成については同じ参照符号を与え、上述した内容は省略する。
【0141】
図12に示した一実施形態の表示装置DD-1は、複数の発光素子EE-1、EE-2、EE-3を含む表示パネルDPと、光制御層PP-1と、を含む。
図12に示した表示装置DD-1に含まれる表示パネルDP及び発光素子EE-1、EE-2、EE-3については、上述した
図11で説明した内容と同じ内容が適用される。
【0142】
図12に示した一実施形態の表示装置DD-1は、
図11に示した一実施形態の表示装置DDに比べ、光制御層PP-1において差がある。
図12に示した一実施形態の表示装置DD-1に含まれる光制御層PP-1は、偏光層POLを含む。
【0143】
つまり、一実施形態において、光制御層PP-1は、偏光層POL、及び偏光層POLを支持するベース層BLを含む。
【0144】
ベース層BLは、偏光層POLなどが配置されるベース面を提供する部材である。ベース層BLは、ガラス基板、金属基板、プラスチック基板などである。しかし、実施形態はこれに限らず、ベース層BLは無機層、有機層、または複合材料層であってもよい。
【0145】
偏光層POLは、外部から表示パネルDPに入射する外部光を遮断する。偏光層POLは外部光のうち一部を遮断する。
【0146】
また、偏光層POLは、外部光によって表示パネルDPから発生する反射光を低減させる。例えば、偏光層POLは、表示装置DDの外部から入射する光が表示パネルDPに入射されてから更に出射される場合の反射光を遮断する機能をしてもよい。偏光層POLは反射防止機能を有する円偏光子であるか、または偏光層POLは線偏光子とλ/4位相遅延子を含む。
【0147】
一方、
図12では偏光層POLがベース層BLの上に配置されて露出されると示しているが、実施形態はこれに限らない。例えば、偏光層POLはベース層BLの下部に配置されてもよい。
【0148】
一実施形態の表示装置は、量子ドットを含む発光層の上部及び/または下部に絶縁層を含むことで、発光層材料の正孔注入特性と電子注入特性とのバランスを維持することができる。それによって、表示装置は改善された寿命特性と発光効率特性を示す。
【0149】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法について説明する。
【0150】
図13は、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を示すフロー図である。
図14A乃至
図14Eは、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を順次に示す断面図である。
【0151】
図13を参照すると、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、第1電極を用意するステップS100と、第1電極の上に発光層を形成するステップS200と、発光層の上に絶縁層を形成するステップS300と、絶縁層の上に第2電極を形成するステップS400と、を含む。
【0152】
図13及び
図14Aを参照すると、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、第1電極を用意するステップS100の後、第1電極EL1の上に発光層EMLを形成するステップS200を含む。一実施形態に係る発光素子の製造方法において、発光層EMLを形成するステップの前に、複数の有機層を形成するステップを更に含む。一実施形態において、発光層EMLが形成される前に正孔注入層HIL及び電子輸送層HTLが順次に形成された後、発光層EMLが正孔輸送層HTLの上に形成される。正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、及び発光層EMLは、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェットプリント法、レーザプリント法、レーザ熱転写法などのような多様な方法を利用して形成される。
【0153】
発光層EMLは量子ドットQDを含む。発光層EMLは複数の量子ドットQDをベース部HS物質に分散させた後、それをコーティングし、乾燥して形成される。
【0154】
図13、
図14A、及び
図14Bを共に参照すると、発光層EMLの上に無機物IOLを蒸着して無機絶縁層ISL-IOL1を形成する。無機絶縁層ISL-IOL1は、原子層堆積法(ALD)を介して無機物IOLを蒸着して形成される。無機物IOLは、SiN
x、SiO
x、Al
2O
3、TiO
x、及びZrO
xのうち少なくとも一つを含む。
【0155】
図13、
図14B、及び
図14Cを共に参照すると、無機絶縁層ISL-IOL1の上に有機物OLを蒸着して有機絶縁層ISL-OL1を形成する。有機絶縁層ISL-OL1は、化学気相蒸着法(CVD)を介して有機物OLを蒸着して形成される。有機物OLは、n-ヘキサン、フラン、及びヘキサメチルジシロキサンのうち少なくとも一つを含む。
【0156】
図13、
図14C、及び
図14Dを共に参照すると、有機絶縁層がISL-OL1を形成した後、無機物IOLを再度蒸着して第2無機絶縁層ISL-IOL2を形成する。第2無機絶縁層ISL-OL2は、原子層堆積法(ALD)を介して無機物IOLを蒸着して形成される。
【0157】
図14A乃至
図14Dに示したように、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、発光層EMLの上に無機物IOLを蒸着して絶縁層ISL’を形成するステップを含む。絶縁層ISL’を形成するステップは、無機物IOLを蒸着して無機絶縁層ISL-IOL1、ISL-IOL2を形成するステップと、有機物OLを蒸着して有機絶縁層ISL-OL1を形成するステップと、を含む。無機物IOLを蒸着して無機絶縁層ISL-IOL1、ISL-IOL2を形成するステップ、及び有機物OLを蒸着して有機絶縁層ISL-OL1を形成するステップは、交互に複数回行われる。
図14A乃至
図14Dでは無機絶縁層ISL-IOL1、ISL-IOL2を形成するステップが行われ、その間に有機絶縁層ISL-OL1を形成するステップが行われることを例示的に示しているが、これに限らず、無機絶縁層を形成するステップ及び有機絶縁層を形成するステップは、それぞれ2回以上行われてもよい。
【0158】
本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法において、無機物IOLを噴射する第1ノズルNZ1と有機物OLを噴射する第2ノズルNZ2は同じチャンバに含まれ、無機物IOLを噴射する工程と有機物OLを噴射する工程は同じチャンバ内で交互に行われる。一実施形態において、無機物IOLを噴射する第1ノズルNZ1と有機物OLを噴射する第2ノズルNZ2は同じチャンバで隣接して配置され、蒸着ステップで発光素子が安着されたステージが往復移動すると共に無機物IOLと有機物OLが交互に噴射されることで、無機絶縁層ISL-IOL1、ISL-IOL2と有機絶縁層ISL-OL1が交互に形成される。
【0159】
図13乃至
図14Eを参照すると、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、絶縁層ISL’の上に第2電極EL2を形成するステップを含む。一実施形態に係る発光素子の製造方法において、第2電極EL2を形成するステップの前に、複数の有機層を形成するステップを更に含む。一実施形態において、第2電極EL2が形成される前に、電子輸送層ETL及び電子注入層EILが順次に形成された後、第2電極EL2が電子注入層EILの上に形成される。電子輸送層ETL及び電子注入層EILは、真空蒸着法、スピンコート法、LB法、インクジェットプリント法、レーザプリント法、レーザ熱転写法などのような多様な方法を利用して形成される。
【0160】
これまで本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者または該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更し得ることを理解できるはずである。
【0161】
よって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載されている内容に限らず、特許請求の範囲によって決められるべきである。
【符号の説明】
【0162】
DD:表示装置
DP:表示パネル
EML:発光層
QD:量子ドット
ISL:絶縁層