IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ニトリホールディングスの特許一覧

<>
  • 特許-二段ベッド 図1
  • 特許-二段ベッド 図2
  • 特許-二段ベッド 図3
  • 特許-二段ベッド 図4
  • 特許-二段ベッド 図5
  • 特許-二段ベッド 図6
  • 特許-二段ベッド 図7
  • 特許-二段ベッド 図8
  • 特許-二段ベッド 図9
  • 特許-二段ベッド 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】二段ベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/20 20060101AFI20240510BHJP
   A47C 19/00 20060101ALI20240510BHJP
   A47C 19/12 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
A47C19/20
A47C19/00 B
A47C19/12 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020043341
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021142144
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2020-11-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100177367
【弁理士】
【氏名又は名称】赤羽 崇
(72)【発明者】
【氏名】古川 昌則
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 元昭
【合議体】
【審判長】中屋 裕一郎
【審判官】内田 博之
【審判官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-190064(JP,U)
【文献】登録実用新案第3042804(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第108402774(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/00-23/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床板と、
前記床板の端部を囲みつつ前記床板を支持するフレーム部と、
前記フレーム部の頭側及び足側の端部に取り付けられていて幅が前記フレーム部の幅よりも狭いボード部と、
前記ボード部をそれぞれ前記床板に対して垂直に立ち上がっている起立状態から前記床板に対して平行または略平行に折り畳み可能にするリンク機構と、
を備えていて、
前記フレーム部は、
断面形状が矩形に形成されていて、前記床板の両側端を囲むサイドフレームと、
断面形状が矩形に形成されていて、前記床板の頭側及び足側の端部を囲むエンドフレームと、を有していて、
前記ボード部は、
前記フレーム部の端部において前記サイドフレームの幅方向内側に設けられていて、起立状態において前記フレーム部を支持する2本の脚部と、
前記2本の脚部を連結する連結部と、を有していて、
前記リンク機構は、第1のリンク機構及び第2のリンク機構を有し、
前記第1のリンク機構は、
両端部にそれぞれ孔が設けられている板状の第1リンク本体と、
前記第1リンク本体の一端部の孔に挿通されるとともに前記サイドフレームに設けられている孔に対して前記第1リンク本体を回動可能に固定するフレーム部第1ジョイント部と、
前記第1リンク本体の他端部の孔に挿通されるとともに前記脚部に設けられている孔に対して前記第1リンク本体を回動可能に固定するボード部第1ジョイント部と、
を有し、
前記第2のリンク機構は、
前記第1リンク本体よりも長さが短く両端部にそれぞれ孔が設けられている板状の第2リンク本体と、
前記第2リンク本体の一端部の孔に挿通されるとともに前記サイドフレームに設けられている孔に対して前記第2リンク本体を回動可能に固定するフレーム部第2ジョイント部と、
前記第2リンク本体の他端部の孔に挿通されるとともに前記脚部に設けられている孔に対して前記第2リンク本体を回動可能に固定するボード部第2ジョイント部と、
を有し、
前記ボード部第1ジョイント部は、前記ボード部第2ジョイント部よりも前記脚部の起立状態における床面側に設けられていて、
前記ボード部は、前記フレーム部第1ジョイント部及び前記フレーム部第2ジョイント部を中心として、折り畳み状態から起立状態に回動し、
前記折り畳み状態において、前記ボード部の前記脚部及び前記連結部の全体が前記サイドフレームの幅方向内側に収納されている、
二段ベッド。
【請求項2】
前記フレーム部第1ジョイント部、前記ボード部第1ジョイント部、前記フレーム部第2ジョイント部、及び、前記ボード部第2ジョイント部は、中実の金属部品により構成されていて、
前記第1リンク本体及び前記第2リンク本体は、
前記サイドフレーム及び前記脚部との間に樹脂製のワッシャが介装されている、
請求項1に記載の二段ベッド。
【請求項3】
前記第1リンク本体及び前記第2リンク本体は、長手方向に延びるリブが形成されている、
請求項2に記載の二段ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二段ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、二段ベッドに関し組み立てを容易にする工夫が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-258684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の二段ベッドなどを含めて、従来の二段ベッドは、組み立て作業を行う際に、煩雑な作業を要求されることや、依然として完成品に対して多数の組立部品が使用されていた。従来の二段ベッドは、例えば、部品を固定するためにピンやネジなどの固定用部品を備えていた。このため、従来の二段ベッドは、固定用部品により部品を固定する作業が必要となり、作業性の向上が求められていた。また、従来の二段ベッドは、ピンやネジのような小型の固定用部品を必要としていたため、部品点数が多くなり、組み立て作業が煩雑になっていた。
【0005】
以上のように、従来の二段ベッドは、組み立て作業の容易性についてさらなる改善が求められていた。
【0006】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、組み立て作業の容易性を向上することができる二段ベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る二段ベッドは、床板と、前記床板の端部を囲みつつ前記床板を支持するフレーム部と、前記フレーム部の頭側及び足側の端部に取り付けられていて幅が前記フレーム部の幅よりも狭いボード部と、前記ボード部をそれぞれ前記床板に対して垂直に立ち上がっている起立状態から前記床板に対して平行または略平行に折り畳み可能にするリンク機構と、を備えている。
【0008】
本発明の一態様に係る二段ベッドにおいて、前記フレーム部は、断面形状が矩形に形成されていて、前記床板の両側端を囲むサイドフレームと、断面形状が矩形に形成されていて、前記床板の頭側及び足側の端部を囲むエンドフレームと、を有していて、前記ボード部は、前記フレーム部の端部において前記サイドフレームの幅方向内側に設けられていて、起立状態において前記フレーム部を支持する2本の脚部と、前記2本の脚部を連結する連結部と、を有している。
【0009】
本発明の一態様に係る二段ベッドにおいて、前記リンク機構は、両端部に孔が設けられている板状のリンク本体と、中実の金属部品により構成されていて、前記リンク本体の孔に挿通されるとともに前記サイドフレーム及び前記脚部に設けられている孔に対して前記リンク本体を回動可能に固定するジョイント部と、前記ジョイント部により前記サイドフレーム及び前記脚部に対して回動可能に固定されている前記リンク本体と前記サイドフレーム及び前記脚部との間に介装される樹脂製のワッシャと、を有している。
【0010】
本発明の一態様に係る二段ベッドにおいて、前記リンク機構は、前記脚部についてそれぞれ2組が設けられていて、2組の前記リンク機構のうち1組の前記リンク機構の前記リンク本体が起立状態において前記フレーム部に当接することにより、前記脚部は前記フレーム部を支持している。
【0011】
本発明の一態様に係る二段ベッドにおいて、前記リンク本体は、長手方向に延びるリブが形成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、組み立て作業の容易性を向上することができる二段ベッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る二段ベッドの構成を概略的に示す斜視図である。
図2図1に示す二段ベッドの構成を概略的に示す正面図である。
図3図1に示す二段ベッドの構成を概略的に示す側面図である。
図4図3に示す二段ベッドにおけるリンク機構付近の拡大側面図である。
図5図2に示す二段ベッドにおけるリンク機構付近の拡大正面図である。
図6図1に示す二段ベッドの第1ベッド及び第2ベッドの折り畳み状態を示す斜視図である。
図7図1に示す二段ベッドの第1ベッド及び第2ベッドのボード部を折り畳み状態から起立状態に移行する途中の状態を示す斜視図である。
図8図1に示す二段ベッドの第1ベッド及び第2ベッドの起立状態を示す斜視図である。
図9図1に示す二段ベッドの第1ベッドと第2ベッドとを接続部により接続する状態を示す斜視図である。
図10図1に示す二段ベッドの第2ベッドにガードレールを取り付ける様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る二段ベッドについて図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る二段ベッド1の構成を概略的に示す斜視図である。
【0016】
以下の説明において、図1における二段ベッド1が備える第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの長手方向(縦方向、前後方向)をX軸方向、X軸に直交する第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの短手方向(横方向、左右方向)をY軸方向、X軸及びY軸に直交する第1ベッド10Lに対する第2ベッド10Uの積層方向(高さ方向、上下方向)をZ軸方向と定める。
【0017】
図1に示すように、二段ベッド1は、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uと、起立状態の第1ベッド10Lのボード部13の上端部と起立状態の第2ベッド10Uのボード部13の下端部とを接続する接続部15と、を備えている。第1ベッド10L及び第2ベッド10Uは、床板11と、床板11の端部を囲みつつ床板11を支持するフレーム部12と、フレーム部12の頭側及び足側の端部に取り付けられていて幅がフレーム部12の幅よりも狭いボード部13と、ボード部13をそれぞれ床板11に対して垂直に立ち上がっている起立状態から床板11に対して平行または略平行に折り畳み可能にするリンク機構14と、をそれぞれ有している。以下、本発明の一実施の形態に係る二段ベッド1について説明する。
【0018】
以下の説明において、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uのボード部13の脚部131がZ軸に平行な方向に向いている状態を、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの起立状態とする。また、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uのボード部13の脚部131がX軸に平行または略平行な方向に向いている状態を、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの折り畳み状態とする。
【0019】
図2は、二段ベッド1の構成を概略的に示す正面図である。図3は、二段ベッド1の構成を概略的に示す側面図である。
【0020】
図1図2、及び図3に示すように、二段ベッド1は、上述した第1ベッド10L、第2ベッド10U、及び、接続部15に加えて、ガードレール16、及び、はしご17を備えている。第1ベッド10L、及び、第2ベッド10Uは、上述したように、床板11、フレーム部12、ボード部13、リンク機構14をそれぞれ備えている。第1ベッド10L及び第2ベッド10Uは、一部の構成を除いて共通しているため、以下の説明においては特に言及しない限り第1ベッド10L及び第2ベッド10U双方に共通する構成を説明する。
【0021】
床板11は、X軸方向を長辺としY軸方向を短辺とする長方形の外周形状に構成されている。床板11は、多数の縦桟111と多数の横桟112とを直角または略直角に配列することにより、格子状の床材を構成するように組み合わせられている。縦桟111と横桟112は、ともに金属製の棒材である。床板11は、二段ベッド1の使用状態において、マットレスや布団など不図示の寝具を敷設した上で使用者が横たわる部材である。二段ベッド1の使用状態において、使用者は、通常、頭または足が床板11の短辺側を向くように横たわる。このため、以下の説明において、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの短辺側を頭側または足側ともいう。
【0022】
フレーム部12は、サイドフレーム121と、エンドフレーム122と、床板支持部123とを有している。フレーム部12は、サイドフレーム121とエンドフレーム122とにより長方形の外周形状に形成されている床板11の端部(外周部分)を囲む。また、フレーム部12は、床板支持部123によりサイドフレーム121とエンドフレーム122とにより囲まれている床板11を支持している。
【0023】
サイドフレーム121は、床板11の長辺側の端部である、側端部の両側(両側端)を囲むように設けられている。図3に示すように、サイドフレーム121は、断面形状が矩形に形成されている中空の角柱部材である。サイドフレーム121の断面形状は、Z軸方向(高さ方向)が長辺、Y軸方向(横方向、幅方向)が短辺となる。
【0024】
エンドフレーム122は、床板11の短辺側の端部である、頭側及び足側の端部を囲むように設けられている。エンドフレーム122は、断面形状が矩形に形成されている中空の角柱部材である。エンドフレーム122の断面形状は、Z軸方向(高さ方向)が長辺、Y軸方向(横方向、幅方向)が短辺となる。エンドフレーム122は、サイドフレーム121の長手方向(X軸方向)の両端部よりもわずかに中央寄りの位置でサイドフレーム121と接合されている。
【0025】
床板支持部123は、両側端の2つのサイドフレーム121の間を架設するように複数、例えば、図1に示すように6本設けられている。床板支持部123は、例えば、断面形状が角柱状の金属部材により構成されている。なお、床板支持部123の形状、本数は上述の例に限定されない。
【0026】
ボード部13は、フレーム部12の頭側の端部または足側の端部、すなわち、エンドフレーム122側において、後述するリンク機構14によりサイドフレーム121に取り付けられている。ボード部13は、脚部131と連結部132とにより構成されている。
【0027】
第1ベッド10L及び第2ベッド10Uは、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの起立状態においてフレーム部12の四隅を支持するために、4本の脚部131を有している。脚部131は、フレーム部12におけるサイドフレーム121とエンドフレーム122との接合部付近に配置されている。また、脚部131は、図3に示すように、サイドフレーム121の幅方向内側に位置するように設けられている。脚部131は、起立状態において第1ベッド10L及び第2ベッド10Uのフレーム部12を床面から支持する。
【0028】
脚部131は、例えば、中空の丸棒の金属製の部材である。第1ベッド10Lと第2ベッド10Uは、第1ベッド10Lの脚部131の上端部1311及び第2ベッド10Uの下端部1312に接続部15を接続することにより、第1ベッド10Lの上側に第2ベッド10Uが固定されて二段ベッド1として機能する。図2及び図3に示すように、第2ベッド10Uの脚部131には、上側(天井側)の上端部1311に上端側キャップ1315が取り付けられている。また、第1ベッド10Lの脚部131には、床面との接触部となる下側(床面側)の下端部1312に下端側キャップ1316が取り付けられている。
【0029】
連結部132は、両側端の2つの脚部131の間を架設するように複数、例えば、図3に示すように4本設けられている。連結部132は、2つの脚部131を相互に連結している。連結部132は、例えば、断面形状が円柱状の金属部材により構成されている。なお、連結部132の形状、本数は上述の例に限定されない。また、連結部132は、複数の柱状部材であるものに限定されず、例えば、2本の脚部131を連結する板状部材であってもよい。
【0030】
リンク機構14は、ボード部13の脚部131の数に対応して、フレーム部12の四隅付近に設けられている。リンク機構14は、ボード部13をそれぞれ図1などに示すように床板11に対して垂直に立ち上がっている起立状態から床板11に対して平行または略平行に折り畳み可能にする。
【0031】
図4は、二段ベッド1におけるリンク機構14付近の拡大側面図である。また、図5は、二段ベッド1におけるリンク機構14付近の拡大正面図である。
【0032】
図4及び図5に示すように、リンク機構14は、第1リンク本体141、フレーム部ジョイント部142、第2リンク本体143、ボード部ジョイント部144、及び、ワッシャ145により構成されている。リンク機構14は、第1リンク本体141、フレーム部ジョイント部142、ボード部ジョイント部144、及びワッシャ145により構成されている第1のリンク機構と、第2リンク本体143、フレーム部ジョイント部142、ボード部ジョイント部144、及びワッシャ145により構成されている第2のリンク機構との、2組のリンク機構を有している。
【0033】
第1リンク本体141は、両端部に孔が設けられている板状の部材である。第1リンク本体141は、一端がサイドフレーム121に固定されているフレーム部ジョイント部142に回動可能に取り付けられている。また、第1リンク本体141は、他端が脚部131に固定されているボード部ジョイント部144に回動可能に取り付けられている。第1リンク本体141は、板状部材の表面の少なくとも一方側の面に長手方向に延びるリブ1411が設けられている。第1リンク本体141のリブ構造とは、少なくとも板状部材である第1リンク本体141の表面に対して所定面積の凹部を有し、板状部材全体が凹凸状の形状を有することを示している。すなわち、リブ1411は略長方形状に凹部を有している。このリブ構造を有することで、耐荷重が向上し、負荷が分散され、折り畳み式の第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの強度が向上することになる。
【0034】
第2リンク本体143は、第1リンク本体141と同様に、両端部に孔が設けられている板状の部材である。図5に示すように、第2リンク本体143は、第1リンク本体141よりも長さが短い。第2リンク本体143は、一端がサイドフレーム121に固定されているフレーム部ジョイント部142に回動可能に取り付けられている。また、第2リンク本体143は、他端が脚部131に固定されているボード部ジョイント部144に回動可能に取り付けられている。第2リンク本体143は、板状部材の表面の少なくとも一方側の面に長手方向に延びるリブ1431が設けられている。第2リンク本体143のリブ1431は、上述した第1リンク本体141のリブ1411のリブ構造と同様に、板状部材である第2リンク本体143の表面に対して所定面積の凹部を有することで、耐荷重が向上し、負荷が分散され、折り畳み式の第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの強度が向上する。
【0035】
フレーム部ジョイント部142は、中実の金属部品、例えば、真鍮製の丸棒である。フレーム部ジョイント部142は、軸形状のジョイント部本体1421が第1リンク本体141の孔に挿通される。フレーム部ジョイント部142は、頭部1422がサイドフレーム121から幅方向(Y軸方向)外側に突出することにより、サイドフレーム121に設けられている孔に対して第1リンク本体141を回動可能に固定する。ボード部ジョイント部144も、フレーム部ジョイント部142と同様に、真鍮製などの中実の金属部品により構成されている。ボード部ジョイント部144も、軸形状のジョイント部本体1441が第1リンク本体141の孔に挿通される。ボード部ジョイント部144は、頭部1442がサイドフレーム121から幅方向(Y軸方向)外側に突出することにより、脚部131に設けられている孔に対してリンク本体を回動可能に固定する。
【0036】
ワッシャ145は、フレーム部ジョイント部142及びボード部ジョイント部144によりサイドフレーム121及び脚部131に対して回動可能に固定されている第1リンク本体141と脚部131との間に介装されている。ワッシャ145は、ポリアセタールコポリマーなどで作成された樹脂製のワッシャである。
【0037】
図5に示すように、リンク機構14において、第1リンク本体141により構成されている第1のリンク機構のボード部ジョイント部144は、第2リンク本体143により構成されている第2のリンク機構のボード部ジョイント部144よりも脚部131の-Z軸方向(下方向)に設けられている。第1のリンク機構は、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの起立状態において、フレーム部ジョイント部142からボード部ジョイント部144に向かってX軸方向及び-Z軸方向(斜め下方向)に延びている。また、第2のリンク機構は、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの起立状態において、フレーム部ジョイント部142からボード部ジョイント部144に向かって、第1のリンク機構よりも緩やかな角度でX軸方向及び-Z軸方向(斜め下方向)に延びている。以上のように構成されているリンク機構14によれば、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uのボード部13を、脚部131がZ軸方向に平行または略平行な起立状態から床板11またはフレーム部12に平行または略平行な折り畳み状態に移行することができる。また、リンク機構14によれば、ボード部13の折り畳み状態において、脚部131の上端部1311をフレーム部12のX軸方向内側に収納することができる。
【0038】
図5に示すように、第2のリンク機構は、第2リンク本体143の側面(図4に示す厚み方向(Y軸方向)の面)1432が起立状態においてエンドフレーム122の下面1221に当接する。このように、第2リンク本体143の側面1432が起立状態においてエンドフレーム122の下面1221に当接することにより、リンク機構14に回動可能に取り付けられているボード部13の脚部131は、フレーム部12を支持することができる。
【0039】
接続部15は、図3に示すように、脚部131と同寸または略同寸の中空の丸棒の金属製の部材により構成されている接続部本体151と、接続部15の両端部に設けられていて接続部本体151よりも小径の挿入部152とにより構成されている。挿入部152は、第1ベッド10Lの脚部131の上端部1311、及び、第2ベッド10Uの下端部1312から円筒状の脚部131の内周部に挿入されることで、接続部15を脚部131に接続することができる。第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの脚部131と接続部15とを接続することにより、第1ベッド10Lの上側に第2ベッド10Uが固定されて二段ベッド1として機能する。
【0040】
ガードレール16は、丸パイプなどのパイプ部材を組み合わせてガードレール16の基本的な形状を構成しているガードレール本体161と、ガードレール本体161に取り付けられていてガードレール16をフレーム部12のサイドフレーム121に取り付けるための嵌合部162とを有している。嵌合部162は、断面形状が矩形状に形成されているサイドフレーム121に嵌合させるために、断面形状がコの字状または略コの字状に形成されている。
【0041】
はしご17は、例えば、丸パイプなどの金属製のパイプ部材を組み合わせて縦木と段とが構成されている。はしご17は、上側の端部にフレーム部12のサイドフレーム121に取り付けるための嵌合部を有している。嵌合部は、断面形状が矩形状に形成されているサイドフレーム121に嵌合させるために、断面形状がコの字状または略コの字状に形成されている。
【0042】
[二段ベッドの組み立て作業例]
次に、以上説明した二段ベッド1の組み立て作業について説明する。
図6は、二段ベッド1の第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの折り畳み状態を示す斜視図である。図6において、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uは、起立状態における下面側が上を向いている。
【0043】
図6に示すように、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uは、折り畳み状態において、ボード部13の脚部131及び連結部132の全体または略全体がフレーム部12のフレーム部12のX軸方向及びZ軸方向内側に収納されている。第1ベッド10L及び第2ベッド10Uは、折り畳み状態において、頭側及び足側のボード部13の脚部131の下端部1312が互いに向かい合うようにフレーム部12のフレーム部12のX軸方向及びZ軸方向内側に収納されている。
【0044】
図7は、二段ベッド1の第1ベッド10L及び第2ベッド10Uのボード部13を折り畳み状態から起立状態に移行する途中の状態を示す斜視図である。図7において、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uは、起立状態における下面側が右(紙面手前側)を向いている。
【0045】
図7に示すように、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uは、第1のリンク機構と第2のリンク機構とにより構成されているリンク機構14を備える。このため、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uのボード部13は、サイドフレーム121に設けられている2つのフレーム部ジョイント部142を中心として、折り畳み状態から起立状態に回動する。
【0046】
図8は、二段ベッド1の第1ベッド10L及び第2ベッド10Uの起立状態を示す斜視図である。図8に示すように、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uは、第1のリンク機構及び第2のリンク機構の2組のリンク機構を有しているリンク機構14により、ボード部13が、床板11またはフレーム部12に平行または略平行な折り畳み状態から、Z軸方向に平行または略平行な起立状態に移行することができる。また、第1ベッド10L及び第2ベッド10Uは、第2リンク本体143の側面1432が起立状態においてエンドフレーム122の下面1221に当接する(図4参照)することにより、リンク機構14に回動可能に取り付けられているボード部13の脚部131は、フレーム部12を支持することができる。
【0047】
図9は、二段ベッド1の第1ベッド10Lと第2ベッド10Uとを接続部15により接続する状態を示す斜視図である。図9に示すように、二段ベッド1は、接続部15の挿入部152を第1ベッド10Lの脚部131の上端部1311、及び、第2ベッド10Uの下端部1312から円筒状の脚部131の内周部に挿入することで、第1ベッド10Lの上側に第2ベッド10Uが固定される。
【0048】
図10は、二段ベッド1の第2ベッド10Uにガードレール16を取り付ける様子を示す斜視図である。図10に示すように、第2ベッド10Uは、断面形状が矩形状に形成されているサイドフレーム121に断面形状がコの字状または略コの字状に形成されている嵌合部162を嵌合することで、ガードレール16を固定することができる。
【0049】
[実施の形態の作用効果]
以上説明したように、二段ベッド1は、ボード部13を床板11に対して垂直(Z軸方向に平行な方向)または略垂直に立ち上がっている起立状態から床板11に対して平行(X軸方向に平行な方向)または略平行に折り畳み可能にするリンク機構14をそれぞれ有している第1ベッド10L及び第2ベッド10Uを備えている。このため、二段ベッド1によれば、ピンやネジのような小型の固定用部品を必要とせず、組み立て及び折り畳みの作業性を向上することができる。
【0050】
二段ベッド1は、フレーム部12が、ともに矩形の断面形状を有するサイドフレーム121とエンドフレーム122により構成されている。また、二段ベッド1は、リンク機構14が、リブ1411,1431が設けられている板状の第1リンク本体141及び第2リンク本体143と、中実の金属部品により構成されているフレーム部ジョイント部142及びボード部ジョイント部144と、を備える。このため、二段ベッド1によれば、組み立て及び折り畳みの作業性を向上しつつ、高い強度を得ることができる。
【0051】
二段ベッド1は、第1リンク本体141及び第2リンク本体143とサイドフレーム121及び脚部131との間に介装される樹脂製のワッシャを有しているため、ボード部13とサイドフレーム121との摺動性を向上することで組み立て及び折り畳み作業時の作業性を向上することができる。
【0052】
二段ベッド1は、第2リンク本体143の側面1432が起立状態においてサイドフレーム121の下面1221に当接することにより、脚部131がフレーム部12を支持することができる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係る二段ベッドに限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【符号の説明】
【0054】
1…二段ベッド、10L…第1ベッド、10U…第2ベッド、11…床板、12…フレーム部、13…ボード部、14…リンク機構、15…接続部、16…ガードレール、111…縦桟、112…横桟、121…サイドフレーム、122…エンドフレーム、123…床板支持部、131…脚部、132…連結部、141…第1リンク本体、142…フレーム部ジョイント部、143…第2リンク本体、144…ボード部ジョイント部、145…ワッシャ、151…接続部本体、152…挿入部、161…ガードレール本体、162…嵌合部、1221…下面、1311…上端部、1312…下端部、1315…上端側キャップ、1316…下端側キャップ、1411…リブ、1421,1441…ジョイント部本体、1422,1442…頭部、1431…リブ、1432…側面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10