(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】電気機器収納箱
(51)【国際特許分類】
H02B 1/40 20060101AFI20240510BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
H02B1/40 B
H05K5/02 A
(21)【出願番号】P 2020077661
(22)【出願日】2020-04-24
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】岡本 拓馬
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-115790(JP,U)
【文献】実開平05-039105(JP,U)
【文献】実開平06-077403(JP,U)
【文献】実開昭52-053348(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00 - 7/08
H05K 5/00 - 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体内に組み付けられた電気機器への配線を隠すために、箱体内を覆う配線覆い板を備えた電気機器収納箱であって、
前記配線覆い板は、左右端部のうち少なくとも一方の上下双方に、前記箱体との連結部を構成する軸棒、及び前記軸棒の突出量を調整して前記箱体との連結を解除する操作手段を有すると共に、前記操作手段の操作部が前記配線覆い板の前面に配置されて成り、
前記軸棒は、前記配線覆い板の端部から先端が上下双方から突出するよう縦に配置され、且つ前記配線覆い板に設けられた付勢部材により、突出する方向に付勢されて成る一方、
前記箱体側の前記連結部は、突出した前記軸棒を挿入する係止孔を有する係止部材を有し、前記配線覆い板を上下から挟む位置に設けられて
成ると共に、
上下に配置された前記軸棒を操作する前記操作手段は、上下に対峙するように配置されて、互いの距離が15cm以下であり、
前記操作部が操作されると、前記軸棒の前記係止孔への係止が解除されることを特徴とする電気機器収納箱。
【請求項2】
箱体内に組み付けられた電気機器への配線を隠すために、箱体内を覆う配線覆い板を備えた電気機器収納箱であって、
前記配線覆い板は、左右端部のうち少なくとも一方の上下双方に、前記箱体との連結部を構成する軸棒、及び前記軸棒の突出量を調整して前記箱体との連結を解除する操作手段を有すると共に、前記操作手段の操作部が前記配線覆い板の前面に配置されて成り、
前記軸棒は、前記配線覆い板の端部から先端が上下双方から突出するよう縦に配置され、且つ前記配線覆い板に設けられた付勢部材により、突出する方向に付勢されて成る一方、
前記箱体側の前記連結部は、突出した前記軸棒を挿入する係止孔を有する係止部材を有し、前記配線覆い板を上下から挟む位置に設けられて成ると共に、
下部に配置された前記係止部材は、前記配線覆い板の片下がりした端部を迫り上げて、前記軸棒を前記係止孔に案内する案内手段を有し、
前記操作部が操作されると、前記軸棒の前記係止孔への係止が解除されることを特徴とする電気機器収納箱。
【請求項3】
前記操作手段は前記軸棒の延長線上に配置されて、前記軸棒とは連結部材を介して連結されて成り、
前記操作手段の上下移動に連動して前記軸棒は上下動し、前記係止部材との間で係止/係止解除動作することを特徴とする請求項1又は2記載の電気機器収納箱。
【請求項4】
上下に配置された前記軸棒は同一直線上に配置され、上下の前記連結部は、連結された前記配線覆い板の開閉を可能とする蝶番を構成することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電気機器収納箱。
【請求項5】
前記連結部及び前記操作手段は、前記配線覆い板の左右双方に設けられており、前記配線覆い板は左右何れにも開閉が可能であることを特徴とする請求項4記載の電気機器収納箱。
【請求項6】
下部に配置された前記係止部材は、前記配線覆い板の
片下がりした端部を迫り上げて、前記軸棒を前記係止孔に案内する案内手段を有することを特徴とする請求項
1、3乃至5の何れかに記載の電気機器収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電盤等の電気機器収納箱に関し、特に配線覆い板を内部に備えた電気機器収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
分電盤等の電気機器収納箱には、組み付けられた電気機器に配設されたケーブルを隠す配線覆い板を備えたものがある。このような配線覆い板は、左右何れか一方が電気機器収納箱を構成する箱体に蝶着されて開閉可能としたものが普及している。
この蝶着構造は、箱体の背面内側に蝶番部材の一方を組み付けると共に、配線覆い板に蝶番部材の他方を組み付けることで、配線覆い板を取り付ける際に蝶番を一体化して開閉を可能とした。
【0003】
例えば、箱体側の右隅上下2ヶ所に蝶番を構成する軸挿入部を設け、配線覆い板の対応する上下2ヶ所に軸挿入部に挿入する軸棒を備えた部材を組み付けることで、上下2ヶ所の軸棒を装入部に挿入して連結し、配線覆い板を箱体に軸着した(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記蝶番構造は上下で構成が異なり、下部の蝶着部に対しては軸棒を箱体側の軸挿入部に上方から挿入する操作が必要であり、位置合わせが容易ではなかった。一方、上部の蝶着部に対しては、前方からの押し込み操作で軸挿入部に軸棒を挿入する構成であり、位置合わせは容易であったが軸棒の抜けを防止するために、軸棒を固定するロック部材をネジ止めする工程が必要であった。
加えて、配線覆い板の着脱は、配線覆い板を開いた状態でなければ蝶着部の分離/連結ができないため、箱体の前方が狭い場所では更に作業が容易ではなかった。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、開いた状態にしなくても配線覆い板の着脱を容易に実施できる電気機器収納箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、箱体内に組み付けられた電気機器への配線を隠すために、箱体内を覆う配線覆い板を備えた電気機器収納箱であって、
前記配線覆い板は、左右端部のうち少なくとも一方の上下双方に、前記箱体との連結部を構成する軸棒、及び前記軸棒の突出量を調整して前記箱体との連結を解除する操作手段を有すると共に、前記操作手段の操作部が前記配線覆い板の前面に配置されて成り、
前記軸棒は、前記配線覆い板の端部から先端が上下双方から突出するよう縦に配置され、且つ前記配線覆い板に設けられた付勢部材により、突出する方向に付勢されて成る一方、
前記箱体側の前記連結部は、突出した前記軸棒を挿入する係止孔を有する係止部材を有し、前記配線覆い板を上下から挟む位置に設けられて成ると共に、
上下に配置された前記軸棒を操作する前記操作手段は、上下に対峙するように配置されて、互いの距離が15cm以下であり、
前記操作部が操作されると、前記軸棒の前記係止孔への係止が解除されることを特徴とする。
この構成によれば、配線覆い板に設けられた軸棒の係止部材への係止は、配線覆い板の前面に設けられた操作部を操作することで解除できる。よって、配線覆い板を開けることなく箱体から配線覆い板を分離でき、簡易な操作で配線覆い板の着脱ができる。
加えて、上下の操作部が互いに近い位置に配置されているため、片手での連結部の係止解除操作が可能であり、配線覆い板の着脱操作がし易い。
【0008】
請求項2の発明は、箱体内に組み付けられた電気機器への配線を隠すために、箱体内を覆う配線覆い板を備えた電気機器収納箱であって、
前記配線覆い板は、左右端部のうち少なくとも一方の上下双方に、前記箱体との連結部を構成する軸棒、及び前記軸棒の突出量を調整して前記箱体との連結を解除する操作手段を有すると共に、前記操作手段の操作部が前記配線覆い板の前面に配置されて成り、
前記軸棒は、前記配線覆い板の端部から先端が上下双方から突出するよう縦に配置され、且つ前記配線覆い板に設けられた付勢部材により、突出する方向に付勢されて成る一方、
前記箱体側の前記連結部は、突出した前記軸棒を挿入する係止孔を有する係止部材を有し、前記配線覆い板を上下から挟む位置に設けられて成ると共に、
下部に配置された前記係止部材は、前記配線覆い板の片下がりした端部を迫り上げて、前記軸棒を前記係止孔に案内する案内手段を有し、
前記操作部が操作されると、前記軸棒の前記係止孔への係止が解除されることを特徴とする。
この構成によれば、配線覆い板に設けられた軸棒の係止部材への係止は、配線覆い板の前面に設けられた操作部を操作することで解除できる。よって、配線覆い板を開けることなく箱体から配線覆い板を分離でき、簡易な操作で配線覆い板の着脱ができる。
加えて、配線覆い板に片下がりが発生しても、装着操作の際に片下がりを矯正して軸棒が係止孔に案内されるため、片下がりした配線覆い板であってもスムーズに取り付けできる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、操作手段は前記軸棒の延長線上に配置されて、前記軸棒とは連結部材を介して連結されて成り、
前記操作手段の上下移動に連動して前記軸棒は上下動し、前記係止部材との間で係止/係止解除動作することを特徴とする。
この構成によれば、操作手段を上下移動させる簡易な操作で軸棒と係止部材との係止状態を解除できる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の構成において、上下に配置された前記軸棒は同一直線上に配置され、上下の前記連結部は、連結された前記配線覆い板の開閉を可能とする蝶番を構成することを特徴とする。
この構成によれば、連結部が蝶番の作用を成すため、配線覆い板の開閉操作ができる。よって、完全に取り外さなくても電気機器のメンテナンスが可能となり作業がし易い。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の構成において、連結部及び操作手段は、配線覆い板の左右双方に設けられており、配線覆い板は左右何れにも開閉が可能であることを特徴とする。
この構成によれば、配線覆い板の右開き/左開きを部材を追加変更すること無く実施で
き、利便性が良い。また、配線覆い板の4隅が箱体に連結されるため、堅牢に固定できる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1、3乃至5の何れかに記載の構成において、下部に配置された係止部材は、配線覆い板の片下がりした端部を迫り上げて、軸棒を係止孔に案内する案内手段を有することを特徴とする。
この構成によれば、配線覆い板に片下がりが発生しても、装着操作の際に片下がりを矯正して軸棒が係止孔に案内されるため、片下がりした配線覆い板であってもスムーズに取り付けできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、配線覆い板に設けられた軸棒の係止部材への係止は、配線覆い板の前面に設けられた操作部を操作することで解除できる。よって、配線覆い板を開けることなく箱体から配線覆い板を分離でき、簡易な操作で配線覆い板の着脱ができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る電気機器収納箱の一例を示し、扉を省略した斜視図である。
【
図3】A部拡大図であり、(a)は配線覆い板を箱体に係止した状態、(b)は係止解除した状態である。
【
図5】操作手段の状態を示し、(a)は通常状態、(b)は係止解除した状態である。
【
図6】係止部材を示し、(a)は斜視図、(b)は右側面図である。
【
図7】軸棒が係止部材に案内される説明図であり、(a)は軸棒が係止部材に接近した状態、(b)は係止部材の間に入り込んだ状態、(c)は軸棒が係止孔上に配置された状態を示している。
【
図8】
片下がりした配線覆い板が係止部材に案内される説明図であり、(a)は配線覆い板が係止部材に接触した最初の状態、(b)は接触した配線覆い板が押し込まれて係止部材により迫り上がる様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1、2は本発明に係る電気機器収納箱の一例を示し、
図1は前面に設けられている扉を省略した斜視図、
図2は更に配線覆い板を開けた状態を示している。1は電気機器収納箱を構成する箱体、2は配線覆い板であり、何れも電気機器を収納していない状態を示している。
配線覆い板2は、箱体1の内部全体を覆うように配置され、4隅に箱体1との間で連結部3を構成する軸棒4を有し、4隅が箱体1に連結され固定される。尚、開設されている複数の窓2aは、組み付けられた電気機器の操作部を露出させる操作窓である。
【0016】
連結部3は、配線覆い板2に設けられた軸棒4と、箱体1に設けられた係止部材5とで構成されている。以下、連結部3を具体的に説明する。
図3はA部の拡大図で、(a)は配線覆い板2を箱体1に係止した状態、(b)は係止解除した状態を示している。
図3に示すように、軸棒4は配線覆い板2に設けられた上下2つの支持孔2bに縦に支持されて、上下方向に一定量の摺動を可能としている。
そして、軸棒4の先端は配線覆い板2の下端(或いは上端)から突出するように配置されている。またコイルバネ6が外装されて、常時突出する方向に付勢されている。
【0017】
図4は配線覆い板2単体の背面側斜視図であり、
図4に示すように4カ所に設けられた軸棒4は配線覆い板2の背部に配置され、配線覆い板2の中央付近に配置されている4つの操作手段7とそれぞれ連結棒(連結部材)8により連結されている。尚、連結部材8はワイヤーや紐状のものでも良い。
【0018】
操作手段7は、連結部3の連結状態を解除、即ち軸棒4の係止部材5への係止を解除する部材で、軸棒4が摺動する軸線上に配置され、軸棒4、連結棒8、操作手段7は一直線状に配置されている。また、上下に配置された軸棒4同士も同一直線上に配置され、上下に配置された連結部3及び操作手段7全体も一直線上に配置されている。
そして操作手段7は、上下に摺動可能に取り付けられており、
図1に示すように配線覆い板2の前面側に指を掛ける凹部を備えた操作部7aを有している。
【0019】
下部の軸棒4が連結されている操作手段7は、コイルバネ6の付勢方向に抗して上方に摺動させることができ、この摺動操作で軸棒4の配線覆い板2からの突出量を減らして(或いは裏面に収容して)、係止部材5との係止を解除することができる。一方、上部の軸棒4が連結されている操作手段7は、コイルバネ6の付勢方向に抗して下方に摺動させることができ、この摺動操作で軸棒4の係止部材5との係止を解除することができる。
【0020】
図5は
図1のB部を拡大した正面説明図であり、操作部7aの配置状態を示している。
図5(a)は軸棒4を突出させて係止部材5に係止させた状態、(b)は係止解除した状態である。
図5に示すように、上下の操作部7aは、配線覆い板2の中央付近で近い位置(例えば、操作部7a間の距離をL1=8cm)に配置されている。そして、互いに更に近づく方向に摺動させる(距離をL2=6cmにする)ことで、上下の軸棒4の係止部材5への係止が解除される。
このように、上下の操作部7aが互いに近い位置に配置されているため、作業者は片手で上下の連結部3の係止解除操作をすることができ、配線覆い板2の着脱操作をし易くしている。
【0021】
図6は係止部材5を示し、(a)は斜視図、(b)は右側面図である。係止部材5は、上面に軸棒4を挿入して係止させる係止孔5aを有し、下部が箱体1にねじ止め固定される固定部5bを構成している。尚、箱体1の上部に配置される係止部材5は上下が反転されて、下面に係止孔5aが配置される。
係止孔5aは奥部に形成され、その手前には係止孔5aへ軸棒4を案内するガイド枠5cが設けられている。更にガイド枠5cの天面には、
片下がりした配線覆い板2を迫り上げて矯正するための迫り上げ面Sが形成されている。
【0022】
ガイド枠5cは、係止孔5aの周囲から前方に向けて左右にV字状に開いた案内壁Wを有し、閉操作した際に前方から移動してくる軸棒4を案内壁Wが係止孔5aに案内するよう形成されている。また、迫り上げ面Sは、ガイド枠5cの上面を奥に向けて登り傾斜を設けて形成されている。
【0023】
図7は、軸棒4が係止部材5のガイド枠5cに案内される説明図であり、(a)は軸棒4がガイド枠5cに接近した状態、(b)はガイド枠5cの間に入り込んだ状態、(c)は軸棒4が係止孔5a上に配置された状態を示している。
図7に示すように、軸棒4に多少位置ずれが発生しても、ガイド枠5cに案内されて係止孔5a上にスムーズに移動させることができる。
【0024】
図8は、
片下がりした配線覆い板2が係止部材5に案内される説明図であり、(a)は配線覆い板2が係止部材5に接触した最初の状態、(b)は接触した配線覆い板2が押し込まれて係止部材5により迫り上がる様子を示している。
図8に示すように、配線覆い板2に
片下がりが発生して連結部3の連結操作がし難い状況が発生しても、
片下がりした部位が配線覆い板2の閉塞操作により正しい位置まで迫り上げられるため、押し込み操作するだけで
片下がりを矯正して閉じることができる。
【0025】
一方、固定部5bは前面にねじ孔5dを有し、
図2に示すように箱体1の前面に周設された枠1aの背部に配置されて、枠1aを介した前面側からねじ9で締着される。
また固定部5bとガイド枠5cとの間には、前方から横方向に切り欠いたスリット状の溝5fが形成されている。この溝5fは、箱体1の枠1aを挿入係合させて、固定部5bを枠1aの裏側に配置し、ガイド枠5cのみ露出されるよう形成されている。
【0026】
上記のごとく構成された配線覆い板2の着脱操作は、以下のようである。装着は、配線覆い板2を装着位置の前方にまず配置する。そして、4カ所の連結部3を連結する。この連結操作は、4隅を同時に実施しても良いし、個別に実施しても良い。
同時に実施する場合は、左右双方の操作部7aの上下の組を同時に摘まんで、上下の操作手段7を互いに引き寄せる。こうすることで、4カ所の軸棒4の突出量が一斉に小さくなり、この状態で配線覆い板2を押し込み操作すれば、ガイド枠5cの作用で軸棒4が係止部材5の係止孔5aの位置にスムーズに移動する。後は、操作部7aの摘まみ操作を解除すれば、軸棒4が突出方向へ摺動してそれぞれの係止部材5の係止孔5aに入り込み係止される。こうして、配線覆い板2は固定位置に固定される。
【0027】
左右個別に連結する場合は、この操作手段7の上記操作を個々に実施すれば良い。但し、左右何れか一方を連結すれば、連結した連結部3が蝶番の作用を奏するため、他方の連結は、ドアを閉めるように閉じる操作をすれば良く、操作手段7を摘まんで軸棒4を縮めた状態で閉じる操作をすれば良い。
配線覆い板2の取り外しは、上下双方の操作部7aを互いに引き寄せれば係止が解除されるため、その後は手前に引き出し操作すれば良い。
【0028】
このように、配線覆い板2に設けられた軸棒4の係止部材5への係止は、配線覆い板2の前面に設けられた操作部7aを操作することで解除できる。よって、配線覆い板2を開けることなく箱体1から配線覆い板2を分離でき、簡易な操作で配線覆い板2の着脱ができる。
また、軸棒4と操作手段7とは連結棒8で連結されるため、簡易な構造で軸棒4を操作できる。そして、操作手段7を上下移動させる簡易な操作で軸棒4と係止部材5との係止状態を解除できる。
更に、上下に配置された1組の連結部3が蝶番の作用を成すため、配線覆い板2の開閉操作ができ、完全に取り外さなくても電気機器のメンテナンスが可能となり作業がし易い。
加えて、配線覆い板2の4隅に、軸棒4と係止部材5とから成る連結部3を備えることで、配線覆い板2の右開き/左開きを部材を追加変更すること無く実施でき、利便性が良い。また、配線覆い板2の4隅が箱体1に連結されるため、堅牢に固定できる。
更に、配線覆い板2に片下がりが発生しても、係止部材5に設けた迫り上げ面Sが、装着操作の際に片下がりを矯正して軸棒4が係止孔5aに案内されるため、配線覆い板2が片下がりしていてもスムーズに取り付けできる。
【0029】
尚、上記実施形態では、配線覆い板2の4隅に連結部3を備えて左右何れの方向からも開閉できる構成を示しているが、左右いずれか一方に連結部3を備えれば配線覆い板の開閉操作は可能である。その場合、他方は箱体1と配線覆い板2との間で簡単な係止機構を設ければ良い。
また、上下近い位置に配置された操作手段7は、操作部7a間の距離を8cmとしているが、15cm以下の距離であれば片手での操作が可能である。
【符号の説明】
【0030】
1・・箱体、2・・配線覆い板、3・・連結部、4・・軸棒、5・・係止部材、5a・・係止孔、6・・コイルバネ(付勢部材)、7・・操作手段、7a・・操作部、8・・連結棒(連結部材)、S・・迫り上げ面(案内手段)。