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特許7486351情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240510BHJP
【FI】
G16H20/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020098249
(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公開番号】P2021192136
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】309005238
【氏名又は名称】アクシスルートホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 一馬
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-179961(JP,A)
【文献】特開2021-140619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者側に交付すべき医薬品の情報、並びに、医療機関名及び所在地の情報を含んで発行元の医療機関を示す医療機関情報を有した処方箋情報を医療機関側から受信し、受信した前記処方箋情報を薬局に備え付けられた薬局側端末に送信する情報処理装置であって、
オンライン診療が許可された認定医療機関を判別可能に医療機関名及び所在地の情報を記憶した第1記憶手段と、
オンライン服薬指導が許可された認定薬局を判別可能な情報を記憶した第2記憶手段と、
前記処方箋情報に対応付けられて、前記認定医療機関においてオンライン診療が行われた旨を示すと共に前記認定薬局にてオンライン服薬指導が行われ得る旨の遠隔対応情報と、前記処方箋情報の送信先薬局を示す送信先情報とを受信した場合、前記医療機関情報と前記第1記憶手段に記憶された情報に基づいて前記処方箋情報が前記認定医療機関から送信されたものか判断すると共に、前記第2記憶手段により記憶された情報に基づいて前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局かを判断し、前記認定医療機関から送信され且つ前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局であると判断したときに、前記処方箋情報を前記送信先情報が示す送信先薬局に送信し、前記処方箋情報が前記認定医療機関から送信されておらず、又は、前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局でないと判断したときに、前記処方箋情報の当該送信先薬局への送信を禁止する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
オンライン服薬指導が許可された医薬品を判別可能な情報を記憶した第3記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記処方箋情報に対応付けられて前記遠隔対応情報と前記送信先情報とを受信した場合に、前記第3記憶手段により記憶された情報に基づいて前記処方箋情報が示す交付対象の医薬品がオンライン服薬指導が許可された医薬品かを判断し、オンライン服薬指導が許可された医薬品であると判断した場合に前記処方箋情報を前記送信先情報が示す送信先薬局に送信し、オンライン服薬指導が許可された医薬品でないと判断した場合に前記処方箋情報の当該送信先薬局への送信を禁止する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処方箋情報が示す交付対象の医薬品の配送を外部に発注する発注手段をさらに備え、
前記発注手段は、前記処方箋情報の送信先薬局の薬局側端末から、オンライン服薬指導を行った旨の指導情報、及び、情報の送信者が薬剤師である旨の証明情報を受信した場合に医薬品の配送を外部に発注する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記処方箋情報を前記送信先情報が示す送信先薬局に送信した場合、その旨の情報を患者側に通知する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
患者側に交付すべき医薬品の情報、並びに、医療機関名及び所在地の情報を含んで発行元の医療機関を示す医療機関情報を記載した処方箋情報を医療機関側から受信し、受信した前記処方箋情報を薬局に備え付けられた薬局側端末に送信すると共に、オンライン診療が許可された認定医療機関を判別可能に医療機関名及び所在地の情報を記憶した第1記憶手段と、オンライン服薬指導が許可された認定薬局を判別可能な情報を記憶した第2記憶手段とを備えた情報処理装置による情報処理方法であって、
前記処方箋情報に対応付けられて、前記認定医療機関においてオンライン診療が行われた旨を示すと共に前記認定薬局にてオンライン服薬指導が行われ得る旨の遠隔対応情報と、前記処方箋情報の送信先薬局を示す送信先情報とを受信した場合、前記医療機関情報と前記第1記憶手段により記憶された情報に基づいて前記処方箋情報が前記認定医療機関から送信されたものか判断すると共に、前記第2記憶手段により記憶された情報に基づいて前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局かを判断し、前記認定医療機関から送信され且つ前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局であると判断したときに、前記処方箋情報を前記送信先情報が示す送信先薬局に送信し、前記処方箋情報が前記認定医療機関から送信されておらず、又は、前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局でないと判断したときに、前記処方箋情報の当該薬局への送信を禁止する制御工程、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医者と直接対面することがないオンラインによる診療や、薬剤師と直接対面することがないオンラインによる服薬指導が検討されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-34993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、オンライン診療が行われた場合、処方箋情報が薬局側端末まで送信されることとなる。しかし、オンラインによる診療や服薬指導が行われる環境においては、オンライン診療を行っていない者が、偽の処方箋情報を生成して薬局側端末に送信することが考えられ、紙媒体による処方箋を発行する場合と比較して不正に医薬品が受け取られてしまう可能性が高まってしまう。同様に、オンライン診療を行った者であっても、処方箋情報が薬局側端末に届く前に情報を改ざんすることが考えられ、紙媒体による処方箋のように紙質、印刷状態、及び文字フォント等から改ざんを判断できないことから、不正に医薬品を受け取ってしまう可能性が高まってしまう。
【0005】
このように、オンライン診療やオンライン服薬指導を行う場合には、紙媒体の処方箋を取り扱う場合よりも、不正に医薬品が受け取られてしまう可能性が高まってしまう。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、医薬品が不正に受け取られてしまう可能性を低減することができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、患者側に交付すべき医薬品の情報、並びに、医療機関名及び所在地の情報を含んで発行元の医療機関を示す医療機関情報を有した処方箋情報を医療機関側から受信し、受信した前記処方箋情報を薬局に備え付けられた薬局側端末に送信する情報処理装置であって、オンライン診療が許可された認定医療機関を判別可能に医療機関名及び所在地の情報を記憶した第1記憶手段と、オンライン服薬指導が許可された認定薬局を判別可能な情報を記憶した第2記憶手段と、前記処方箋情報に対応付けられて、前記認定医療機関においてオンライン診療が行われた旨を示すと共に前記認定薬局にてオンライン服薬指導が行われ得る旨の遠隔対応情報と、前記処方箋情報の送信先薬局を示す送信先情報とを受信した場合、前記医療機関情報と前記第1記憶手段に記憶された情報に基づいて前記処方箋情報が前記認定医療機関から送信されたものか判断すると共に、前記第2記憶手段により記憶された情報に基づいて前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局かを判断し、前記認定医療機関から送信され且つ前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局であると判断したときに、前記処方箋情報を前記送信先情報が示す送信先薬局に送信し、前記処方箋情報が前記認定医療機関から送信されておらず、又は、前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局でないと判断したときに、前記処方箋情報の当該送信先薬局への送信を禁止する制御手段と、を備える。
【0008】
本発明に係る情報処理方法は、患者側に交付すべき医薬品の情報、並びに、医療機関名及び所在地の情報を含んで発行元の医療機関を示す医療機関情報を記載した処方箋情報を医療機関側から受信し、受信した前記処方箋情報を薬局に備え付けられた薬局側端末に送信すると共に、オンライン診療が許可された認定医療機関を判別可能に医療機関名及び所在地の情報を記憶した第1記憶手段と、オンライン服薬指導が許可された認定薬局を判別可能な情報を記憶した第2記憶手段とを備えた情報処理装置による情報処理方法であって、前記処方箋情報に対応付けられて、前記認定医療機関においてオンライン診療が行われた旨を示すと共に前記認定薬局にてオンライン服薬指導が行われ得る旨の遠隔対応情報と、前記処方箋情報の送信先薬局を示す送信先情報とを受信した場合、前記医療機関情報と前記第1記憶手段により記憶された情報に基づいて前記処方箋情報が前記認定医療機関から送信されたものか判断すると共に、前記第2記憶手段により記憶された情報に基づいて前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局かを判断し、前記認定医療機関から送信され且つ前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局であると判断したときに、前記処方箋情報を前記送信先情報が示す送信先薬局に送信し、前記処方箋情報が前記認定医療機関から送信されておらず、又は、前記送信先情報が示す送信先薬局が前記認定薬局でないと判断したときに、前記処方箋情報の当該薬局への送信を禁止する制御工程、を備える。
【0009】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記に記載の情報処理装置として機能させるための情報処理プログラムであり、本発明に係る記録媒体は、上記に記載の情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処方箋情報に対応付けられて、認定医療機関においてオンライン診療が行われた旨を示すと共に認定薬局にてオンライン服薬指導が行われ得る旨の遠隔対応情報を受信した場合に、処方箋情報が認定医療機関から受信されたものか判断すると共に処方箋情報の送信先薬局が認定薬局であるかを判断する。このため、オンライン診療が許可されていない医療機関から処方箋情報が受信された場合や、オンライン服薬指導を許可されていない薬局が処方箋情報の送信先となっている場合には、不正が発生していることを判断することができる。よって、このような場合に処方箋情報の送信を禁止することで、医薬品が不正に受け取られてしまう可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの概念図である。
図2図1に示した情報処理装置の詳細を示すブロック図である。
図3図2に示した第1記憶部の記憶内容を示す概念図である。
図4図2に示した第2記憶部の記憶内容を示す概念図である。
図5図2に示した第3記憶部の記憶内容を示す概念図である。
図6】本実施形態に係る情報処理装置による情報処理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0013】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの概念図である。情報処理システム1は、オンライン診療やオンライン服薬指導に対応すべく構築されたものであって、処方箋情報は、医療機関側端末100から情報処理装置200に送信され、情報処理装置200を経由のうえ薬局側端末300に送信される構成となっている。処方箋情報は、患者側に交付すべき医薬品の情報を有している。医療機関側端末100は、オンライン診療が許可された医療機関Dや医師・看護師等が所有する端末である。薬局側端末300は、オンライン服薬指導が可能な薬局Aや薬剤師・事務員等が所有する端末である。
【0014】
ここで、以下の説明では、医療機関Dのうちオンライン診療が許可されたものを認定医療機関D1と称し、薬局Aのうちオンライン服薬指導が許可されたものを認定薬局A1と称する。なお、図1において、認定医療機関D1でない医療機関Dについては符号D2で示し、認定薬局A1でない薬局Aについては符号A2で示すものとする。また、オンライン診療やオンライン服薬指導は、例えば患者の自宅Hに備えられるパーソナルコンピュータや患者が所有するスマートフォン500等を通じて行われる。
【0015】
医療機関側端末100は、例えば電子カルテシステムが搭載されたパーソナルコンピュータ等である。この医療機関側端末100は、診療記録のほか、処方箋情報(例えば患者個人を示す情報(氏名やID)、交付する医薬品(種類及び数量)の情報、及び、医薬品の服用タイミングの情報)を記録可能となっている。
【0016】
さらに、医療機関側端末100は、処方箋情報に対応付けて、遠隔対応情報と、送信先情報とを情報処理装置200に対して送信する。遠隔対応情報とは、認定医療機関D1においてオンライン診療が行われた旨を示すと共に、認定薬局A1にてオンライン服薬指導が行われ得る旨を示す情報である。なお、オンライン服薬指導については通信環境や患者側の要望等の種々の事情によって行われず、対面による服薬指導が行われることもあり得るが、以下の説明ではオンライン服薬指導が実行されるものとして説明する。また、送信先情報とは、処方箋情報を送信する薬局(送信先薬局)Aを示す情報であり、例えば薬局名や、薬局Aのe-mailアドレスや、専用ソフトによる指定送信先等の情報が該当する。
【0017】
情報処理装置200は、医療機関側端末100から処方箋情報を受信した場合に、送信先情報が示す認定薬局A1の薬局側端末300に対して処方箋情報を送信するものである。
【0018】
図2は、図1に示した情報処理装置200の詳細を示すブロック図である。情報処理装置200は、受信部210と、情報制御部(制御手段)220と、送信部230と、記憶部250とを備えている。記憶部250は、第1記憶部(第1記憶手段)251と、第2記憶部(第2記憶手段)252と、第3記憶部(第3記憶手段)253とを備えている。このような情報処理装置200は、CPU等の演算部を主体に構成されている。演算部には以下で説明する機能を実行するための情報処理プログラムが格納されている。なお、情報処理プログラムは、予め情報処理装置200に格納されていてもよいし、USBやDVD等の記録媒体に記録されたものが情報処理装置200にダウンロードされて実行されるようになっていてもよい。
【0019】
受信部210は、医療機関側端末100から処方箋情報、遠隔対応情報、及び、送信先情報を受信するものである。この受信部210によって受信された情報は、情報制御部220によって処理される。なお、受信部210は、後述する指導情報や証明情報についても受信する。
【0020】
第1記憶部251は、認定医療機関D1の情報を記憶した記憶部である。図3は、図2に示した第1記憶部251の記憶内容を示す概念図である。図3に示すように、第1記憶部251は、例えば認定医療機関D1の医療機関名、所在地、及びIPアドレスの情報を記憶している。なお、第1記憶部251は、上記情報のみならず、認定医療機関D1のe-mailアドレスや在籍医師の署名情報等を認定医療機関D1の情報として記憶していてもよい。また、本実施形態において第1記憶部251は、認定医療機関D1の情報のみを記憶する構成となっているが、これに限らず、例えば認定医療機関D1でない医療機関D2の情報(端末101(図1参照)の情報を含む)と、その医療機関D2でオンライン診療が許可されていない旨の情報とを対応付けて記憶していてもよい。
【0021】
第2記憶部252は、認定薬局A1の情報を記憶した記憶部である。図4は、図2に示した第2記憶部252の記憶内容を示す概念図である。図4に示すように、第2記憶部252は、例えば認定薬局A1の薬局名、所在地、及び送信先アドレスの情報を記憶している。なお、第2記憶部252は、上記情報のみならず、在籍薬剤師の個人のe-mailアドレス等を認定薬局A1の情報として記憶していてもよい。また、本実施形態において第2記憶部252は、認定薬局A1の情報のみを記憶する構成となっているが、これに限らず、認定薬局A1でない薬局A2の情報(端末301(図1参照)の情報を含む)と、その薬局A2でオンライン服薬指導が許可されていない旨の情報とを対応付けて記憶していてもよい。
【0022】
第3記憶部253は、オンライン服薬指導が許可された医薬品の情報を記憶した記憶部である。図5は、図2に示した第3記憶部253の記憶内容を示す概念図である。図5に示すように、第3記憶部253は、オンライン服薬指導が許可された医薬品の名称情報を記憶している。また、第3記憶部253は、医薬品の名称情報に限らず、医薬品コードの情報を記憶していてもよい。また、医薬品の名称情報や医薬品コードの情報はメーカー毎や薬効分類毎に区分けされて記憶されていてもよい。また、本実施形態において第3記憶部253は、オンライン服薬指導が許可された医薬品の情報のみを記憶する構成となっているが、これに限らず、例えばオンライン服薬指導が許可されていない医薬品の情報を記憶していてもよい。
【0023】
情報制御部220は、医療機関側端末100から処方箋情報を受信した場合に、送信先情報が示す送信先薬局に対して処方箋情報を送信するかを判断するものである。
【0024】
この情報制御部220は、まず、処方箋情報に対応付けられて、遠隔対応情報と送信先情報とを受信した場合、処方箋情報が第1記憶部251により記憶された認定医療機関D1から受信されたものかを判断する。さらに、情報制御部220は、処方箋情報の送信先薬局が第2記憶部252により記憶された認定薬局A1であるかを判断する。
【0025】
情報制御部220は、処方箋情報が認定医療機関D1から送信され、且つ、送信先情報が示す送信先薬局が認定薬局A1であると判断した場合に、送信部230を制御して、処方箋情報を送信先情報が示す送信先薬局に送信する。一方、情報制御部220は、処方箋情報が認定医療機関D1から送信されておらず、又は、送信先情報が示す送信先薬局が認定薬局A1でないと判断した場合に、処方箋情報の送信先薬局への送信を禁止する。
【0026】
このように、本実施形態に係る情報処理装置200は、認定医療機関D1から処方箋情報を受信したことを確認すると共に、処方箋情報の送信先が認定薬局A1であることを確認し、確認できた場合に処方箋情報を送信して、医薬品が不正に受け取られてしまう可能性を低減するようにしている。
【0027】
さらに、本実施形態において情報制御部220は、処方箋情報が示す交付対象の医薬品が第3記憶部253により記憶される医薬品かを判断し、第3記憶部253により記憶される医薬品であると判断した場合に処方箋情報を送信先情報が示す送信先薬局に送信する。一方、情報制御部220は、交付対象の医薬品が第3記憶部253により記憶される医薬品でないと判断した場合に処方箋情報の当該送信先薬局への送信を禁止する。
【0028】
これにより、本実施形態に係る情報処理装置200は、オンライン服薬指導が認められていない医薬品を含む処方箋情報が認定薬局A1に送信されてオンライン服薬指導が行われてしまうような事態の防止につなげ、不正に医薬品が受け取られてしまう可能性を低減するようにしている。
【0029】
また、本実施形態に係る情報処理装置200は、処方箋情報の有効期限を確認し、有効期限切れの場合に処方箋情報の送信を禁止するようにしてもよい。
【0030】
さらに、情報制御部220は、処方箋情報を当該送信先薬局へ送信した場合、その旨の情報を患者側に通知することが好ましい。これにより、処方箋情報が認定薬局A1に届いていることを患者側に通知して、患者側に不安を与えてしまう可能性を低減することができる。
【0031】
加えて、本実施形態では、オンライン診療とオンライン服薬指導が行われることから、医薬品を配送することが好ましく、配送の発注処理を行う発注部(発注手段)240を備えている。発注部240は、処方箋情報が示す交付対象の医薬品の配送を外部(例えば図1に示す薬局A以外の薬局Bや医薬品卸売業者Cに備えられる配送受側端末400に対して)に発注するものである。
【0032】
ここで、本実施形態において認定薬局A1の薬局側端末300は、オンライン服薬指導が行われた場合に、その旨を示す指導情報(指導内容、指導日及び指導日時の情報も可)を情報処理装置200に送信可能となっている。また、薬局側端末300は、この際の送信に合わせて情報の送信者が薬剤師である旨の証明情報(例えば電子署名)についても情報処理装置200に送信可能となっている。
【0033】
情報処理装置200の発注部240は、処方箋情報の送信先薬局である薬局側端末300から、指導情報と証明情報とを受信した場合に、処方箋情報に示される医薬品の配送を外部に発注する。発注にあたっては予め記憶されている患者側の住所情報や決済に要する情報も送信される。
【0034】
これにより、薬剤師によりオンライン服薬指導が行われ、且つ、その証明が得られた場合に医薬品を発注することとなり、オンライン服薬指導が行われていない場合や薬剤師の証明がなく不正が行われている可能性がある場合に、発注してしまう事態を防止して医薬品が不正に受け取られてしまう可能性を低減することとなる。
【0035】
また、発注部240は、医薬品の配送を行った場合に、処方箋情報に含まれる処方箋の有効期限内に医薬品が患者側に届かないと判断した場合、医薬品の発注を禁止し、又は、患者側のスマートフォン500等へ通知を行うことが好ましい。これにより、処方箋の有効期限超過後に医薬品が患者側に届いてしまうという不都合の解消につなげることができる。
【0036】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置200による情報処理方法を示すフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートは、情報処理装置200の電源がオフされるまで繰り返し実行されるが、これに限らず、オンライン服薬指導を行うことができない深夜帯や休日(特定時間帯及び特定日)については処理を禁止するようにしてもよい。
【0037】
まず、図6に示すように、情報処理装置200は、受信部210により、処方箋情報、遠隔対応情報及び送信先情報が受信されたかを判断する(S1)。受信されていないと判断した場合(S1:NO)、図6に示す処理は終了する。
【0038】
処方箋情報、遠隔対応情報及び送信先情報が受信されたと判断した場合(S1:YES)、情報制御部220は、第1記憶部251に記憶される認定医療機関D1の情報に基づいて、処方箋情報が認定医療機関D1から送信されたかを判断する(S2)。この際、情報制御部220は、認定医療機関D1の医療機関側端末100のIPアドレスに基づいて、処方箋情報が認定医療機関D1から送信されたかを判断してもよいし、e-mailアドレスや署名情報等から判断してもよい。
【0039】
認定医療機関D1から送信されていないと判断した場合(S2:NO)、図6に示す処理は終了する。一方、認定医療機関D1から送信されたと判断した場合(S2:YES)、情報制御部220は、送信先情報と第2記憶部252により記憶される認定薬局A1の情報とに基づいて、処方箋情報の送信先薬局が認定薬局A1であるかを判断する(S3)。
【0040】
処方箋情報の送信先薬局が認定薬局A1でないと判断した場合(S3:NO)、図6に示す処理は終了する。一方、処方箋情報の送信先薬局が認定薬局A1であると判断した場合(S3:YES)、情報制御部220は、第3記憶部253の記憶内容に基づいて、処方箋情報が示す交付対象の医薬品がオンライン服薬指導の許可されたものであるかを判断する(S4)。
【0041】
処方箋情報が示す交付対象の医薬品がオンライン服薬指導の許可されたものでないと判断した場合(S4:NO)、図6に示す処理は終了する。一方、処方箋情報が示す交付対象の医薬品がオンライン服薬指導の許可されたものであると判断した場合(S4:YES)、情報制御部220は、処方箋情報に含まれる処方箋の有効期限情報に基づいて、現在が有効期限内であるかを判断する(S5)。
【0042】
現在が処方箋の有効期限内でないと判断した場合(S5:NO)、図6に示す処理は終了する。一方、現在が処方箋の有効期限内であると判断した場合(S5:YES)、情報制御部220は、送信部230を制御して、処方箋情報を送信先情報によって示される送信先薬局(認定薬局A1)の薬局側端末300に送信する(S6)。次いで、情報制御部220は、処方箋情報を送信先薬局に送信した旨の通知を患者側のスマートフォン500等に行う(S7)。
【0043】
その後、発注部240は、医療機関側端末100や患者側のスマートフォン500等の端末から配送要求があったか否かを判断する(S8)。医療機関側端末100からの配送要求については、例えば処方箋情報と共に情報制御部220に送信される。また、患者側のスマートフォン500等からの配送要求については、ステップS7の通知に合わせて医薬品の配送を行うかを患者側に問い合わせることで行われる。なお、配送要求には、配送先の患者側の住所情報や医薬品購入時に必要となる決済情報が含まれる。
【0044】
配送要求がなかったと判断した場合(S8:NO)、図6に示す処理は終了する。一方、配送要求があったと判断した場合(S8:YES)、発注部240は、患者側の住所情報や、医薬品卸売業者C等に備えられる配送受側端末400において管理される医薬品の在庫情報に基づいて、有効期限内に患者側の自宅H等まで医薬品を配送可能かを判断する(S9)。
【0045】
配送可能であると判断した場合(S9:YES)、発注部240は、処方箋情報の送信先薬局である薬局側端末300から、所定期限内に指導情報と証明情報とを受信したかを判断する(S10)。ここで、所定期限は、有効期限内に患者側の自宅H等まで医薬品を配送可能な期限であることが好ましい。例えば処方箋の有効期限切れが4日後であり、患者側に医薬品を配送するにあたり3日掛かる場合、有効期限内に医薬品を配送可能な期限は、4日-3日=1日となる。この場合、発注部240は、1日以内に指導情報と証明情報とを受信したかを判断することとなる。
【0046】
所定期限内に指導情報と証明情報とを受信したと判断した場合(S10:YES)、発注部240は、発注処理を行う(S11)。これにより、処方箋情報に示される交付対象の医薬品の配送が行われることとなる。その後、図6に示す処理は終了する。
【0047】
一方、有効期限内に患者側の自宅H等まで医薬品を配送できないと判断した場合(S9:NO)、又は、所定期限内に指導情報と証明情報とを受信しなかったと判断した場合(S10:NO)、発注部240は、医薬品の発注を行うことなく、患者側のスマートフォン500等に対して、配送ができない旨の通知を行う(S12)。これにより、認定薬局A1へ医薬品を取りに行くように促すことができる。その後、図6に示す処理は終了する。
【0048】
このようにして、本実施形態に係る情報処理装置200、情報処理方法、及び情報処理プログラム、及び記録媒体によれば、処方箋情報に対応付けられて、認定医療機関D1においてオンライン診療が行われた旨を示すと共に認定薬局A1にてオンライン服薬指導が行われ得る旨の遠隔対応情報を受信した場合に、処方箋情報が認定医療機関D1から受信されたものか判断すると共に処方箋情報の送信先薬局が認定薬局A1であるかを判断する。このため、オンライン診療が行われ得ない医療機関D2から処方箋情報が受信された場合や、オンライン服薬指導が行われ得ない薬局A2の端末301が処方箋情報の送信先となっている場合には、不正が発生していることを判断することができる。よって、このような場合に処方箋情報の送信を禁止することで、医薬品が不正に受け取られてしまう可能性を低減することができる。
【0049】
また、処方箋情報が示す交付対象の医薬品が、オンライン服薬指導が許可された医薬品であるかを判断するため、処方箋情報が示す医薬品がオンライン服薬指導に対応していない場合には、不正が発生していることを判断することができる。よって、このような場合に処方箋情報の送信を禁止することで、医薬品が不正に受け取られてしまう可能性を低減することができる。
【0050】
また、薬局側端末300から、オンライン服薬指導を行った旨の指導情報、及び、情報の送信者が薬剤師である旨の証明情報を受信した場合に医薬品の配送を外部に発注するため、オンライン服薬指導が行われていない場合や、オンライン服薬指導について薬剤師からの証明が得られない場合に、医薬品を外部に発注してしまう事態を防止して、医薬品が不正に受け取られてしまう可能性を低減することができる。
【0051】
また、医薬品の配送を行った場合に、処方箋の有効期限内に当該医薬品が患者側に届かないと判断した場合、医薬品の発注を禁止する。このため、処方箋の有効期限超過後に医薬品が患者側に届いてしまうという不都合の解消につなげることができる。
【0052】
また、処方箋情報を送信先情報が示す送信先薬局に送信した場合、その旨の情報を患者側に送信するため、処方箋情報が認定薬局A1に届いていることを患者側に通知して、処方箋情報が認定薬局A1に届いていないという不安を患者側に与えてしまう可能性を低減することができる。
【0053】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【0054】
例えば、上記実施形態において情報処理装置200は単体のサーバ等を想定しているが、これに限らず、例えばネットワーク接続される2台以上の機器によって構成されていてもよい。
【0055】
また、上記実施形態において第1~第3記憶部251~253は、上記した情報を記憶しているが、特に上記したものに限らず、認定医療機関D1、認定薬局A1及びオンライン服薬指導が許可された医薬品を判別可能であれば、他の情報を記憶していてもよい。
【0056】
また、上記実施形態において図6に示すステップS5の処理よりも前に配送要求を受け付けている場合、ステップS6において有効期限内であるかを判断するのではなく、ステップS9のように有効期限内に配送可能かを判断してもよい。そして、有効期限内に配送できない場合には、処方箋情報を送信先情報が示す送信先薬局に送信することを禁止してもよいし、オンライン服薬指導後に認定薬局A1に医薬品を取りに行く必要がある旨を通知してもよい。
【0057】
加えて、情報処理装置200は、医療機関側端末100及び薬局側端末300と直接情報の送受を行う構成に限らず、例えば医療機関側端末100又は薬局側端末300と情報処理装置200との間に他の端末等が介在していてもよい。
【0058】
また、本実施形態において医薬品は、外部に発注されて患者側に届けられる例を説明したが、特にこれに限らず、認定薬局A1から直接患者側に配送されてもよいし、処方箋の有効期限の関係から患者側に取りに来るように指示してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 :情報処理システム
100 :医療機関側端末
200 :情報処理装置
220 :情報制御部(制御手段)
240 :発注部(発注手段)
251 :第1記憶部(第1記憶手段)
252 :第2記憶部(第2記憶手段)
253 :第3記憶部(第3記憶手段)
300 :薬局側端末
A1 :認定薬局
D1 :認定医療機関
図1
図2
図3
図4
図5
図6