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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】複合材
(51)【国際特許分類】
   E04C 2/26 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
E04C2/26 T
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020127986
(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公開番号】P2022025261
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】増子 寛
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-328840(JP,A)
【文献】特開平02-169234(JP,A)
【文献】特開2018-204397(JP,A)
【文献】特開平01-289584(JP,A)
【文献】実公昭50-038192(JP,Y1)
【文献】特開平11-200544(JP,A)
【文献】特開昭48-007531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 2/00-2/54
E04F 13/08-13/18
B32B 3/24
B32B 3/30
B23K 20/00-20/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合面を有した基材と、当該基材の接合面に取付けられた凸部形成部材とを備え、接合面と凸部形成部材とで構成された凹凸面を備えた凹凸面部材と、当該凹凸面部材の凹凸面に接合された被接合部材とを備えて構成された複合材であって、
凹凸面部材の凸部形成部材が被接合部材にめり込んだ状態となるように凹凸面部材と被接合部材とが圧着接合されたことを特徴とする複合材。
【請求項2】
凹凸面部材が金属であり、被接合部材が木材であることを特徴とする請求項に記載の複合材
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹凸面を備えた凹凸面部材を使用して構成された複合材に関する。
【背景技術】
【0002】
表面に木質部材(木製部材)に噛み込まれる目荒らし部が形成された鋼製部材(凹凸面部材)と、当該鋼製部材の表面に圧着された木質部材(木製部材)とを備えた木-鋼ハイブリッド構造材(複合材)が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-204397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された凹凸面部材としての鋼製部材の表面に形成された目荒らし部は、錘状またはテトラポット状の針状突起やバリ状の針状突起であり、当該針状突起は、先端が鋭利な鋼の小片により形成されているため、変形しやすい。
即ち、特許文献1に開示された複合材としての木-鋼ハイブリッド構造材は、木質部材の脆性的破壊を防止する目的のために接合部に釘の代わりとなる針状突起を用いた構成であり、針状突起に力が加われば当該針状突起が変形してしまって大きな力を伝達できないため、鋼製部材に伝達される力が当該針状突起を介して木質部材に有効に伝達されず、鋼製部材(凹凸面部材)に伝達される力を木質部材(木製部材(被接合部材))に有効に負担させることができない。
また、特許文献1に開示された複合材としての木-鋼ハイブリッド構造材によれば、木質部材の内部に針状突起が食い込んで、木質部材の内部において針状突起と接触する面には応力が繰り返して伝わるため、木質部材の内部において針状突起による局所的なめり込みが進行しやすくなることから、鋼製部材に伝達される力が当該針状突起を介して木質部材に有効に伝達されず、鋼製部材(凹凸面部材)に伝達される力を木質部材(被接合部材)に有効に負担させることができない。
このように、特許文献1に開示された複合材では、鋼製部材の表面(板面)に形成された先端鋭利な鋼の小片からなる針状突起を介して鋼製部材と木質部材とが接合された構成であるため、鋼製部材に力が加わった場合、針状突起が変形しやすくかつ針状突起により木質部材の内部に局所的な繰り返し応力が加わる。
即ち、特許文献1に開示された複合材の接合に用いられる針状突起付き鋼製部材(プレート)は、本来、木質部材にドリフトピンを打ち込む際の木質部材の割裂を防止するための部材であり、板厚も薄く、開口も多いため、より大きな力を伝達するには適さない。
つまり、特許文献1に開示された針状突起付き鋼製部材は、薄板の多数の箇所を切り起こして薄板の表面に多数の針状突起が設けられた構成であるため、開口が多い薄板となり、また、針状突起は、先端鋭利な鋼の小片で構成される。このため、鋼製部材に力が加わった場合、板全体、あるいは、針状突起が変形したり、当該針状突起が木質部材の内部に局所的なめり込みを進行させやすいために、木質部材が損傷しやすくなり、鋼製部材に加わった力が針状突起を介して木質部材に有効に伝達されない。
以上のように、特許文献1に開示された複合材のような鋼製部材と木質部材との接合構造では、凹凸面部材としての鋼製部材に伝達される力を被接合部材としての木質部材に有効に負担させることができないという課題があった。
本発明は、凹凸面部材に伝達される力を当該凹凸面部材の凹凸面に接合される被接合部材に有効に負担させることができる複合材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る複合材は、接合面を有した基材と、当該基材の接合面に取付けられた凸部形成部材とを備え、接合面と凸部形成部材とで構成された凹凸面を備えた凹凸面部材と、当該凹凸面部材の凹凸面に接合された被接合部材とを備えて構成された複合材であって、凹凸面部材の凸部形成部材が被接合部材にめり込んだ状態となるように凹凸面部材と被接合部材とが圧着接合されたことを特徴とする
た、凹凸面部材が金属であり、被接合部材が木材であることを特徴とする。
本発明に係る複合材によれば、凹凸面部材に伝達される力を当該凹凸面部材の凹凸面に接合された被接合部材に有効に負担させることができる複合材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態1に係る複合材を示す分解斜視図。
図2】実施形態1に係る凹凸面部材を示す断面図。
図3】実施形態1に係る複合材を示す断面図。
図4】実施形態4に係る凹凸面部材を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
図1乃至図3に示すように、実施形態1に係る複合材1は、凹凸面部材2と、当該凹凸面部材2の凹凸面3に接合された被接合部材4とを備えた構成である。
【0008】
図1図2に示すように、凹凸面部材2は、接合面51を有した基材5と、当該基材5の接合面51に取付けられた凸部形成部材6とを備え、当該接合面51と凸部形成部材6とで構成された凹凸面3を備えている。
【0009】
被接合部材4は、例えば木製壁パネル等の木製板材、又は、梁材、又は、柱材等を構成する木製部材である。
被接合部材4は、例えば、CLT(Cross
Laminated Timber(直交集成板))又は集成材又はLVL(Laminated Veneer
Lumber(単層積層材))又は無垢材等の木により形成される。
尚、CLTとは、農林水産省告示第3079号に規定されたように、「ひき板又は小角材(これらをその繊維方向を互いにほぼ平行にして長さ方向に接合接着して調整したものを含む。)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ又は接着したものを、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせた一般材」である。
即ち、一般的に、CLTは、張り合わせる板の繊維方向が直交するように複数の板を張り合わせて構成された木材であり、直交集成板と呼ばれている。
また、一般的に、集成材は、張り合わせる板の繊維方向が並行方向となるように複数の板を張り合わせて構成された木材である。
また、一般的に、LVLは、複数の単板(ベニヤ)を、単板の繊維方向に平行に積層して接着した木材である。
【0010】
基材5は、木材よりもヤング係数が大きい材料である金属板、例えば鋼板により形成され、当該基材5としての鋼板は、例えば、板厚1.0mm以上の鋼板を用いることが好ましいが、板厚1.0mm未満の鋼板を用いてもかまわない。
【0011】
凸部形成部材6は、木材よりもヤング係数が大きい材料である金属により形成された塊、例えば、金属格子により構成される。
具体的には、図1に示すように、凸部形成部材6は、複数の鉄筋等の金属棒材を縦横に直交させて格子状に形成された金属格子、又は、複数の針金等の金属線を縦横に直交させて格子状に形成された金属格子により構成される。
【0012】
図2に示すように、基材5としての鋼板の一方の板面により形成される接合面51に、凸部形成部材6としての金属格子の一方の格子面61を、溶接又は接着等で取付けることにより、接合面51と凸部形成部材6とで構成された凹凸面3を備えた凹凸面部材2が製造される。
【0013】
そして、凹凸面部材2の凹凸面3及び被接合部材4の接合面41のうちの少なくとも一方の面に接着剤を塗布した後に、凹凸面部材2の凹凸面3と被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着させることにより、複合材1が製造される(図3参照)。
あるいは、凹凸面部材2の凹凸面3と被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着させ、かつ、当該基材5と当該被接合部材4とを図外のボルトやビス等の機械的接合手段を用いて接合することにより、複合材1が製造される。
あるいは、凹凸面部材2の凹凸面3及び被接合部材4の接合面41のうちの少なくとも一方の面に接着剤を塗布した後に、凹凸面部材2の凹凸面3と被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着させた後に、さらに、当該基材5と当該被接合部材4とを図外のボルトやビス等の機械的接合手段を用いて接合することにより、複合材1が製造される。
【0014】
実施形態1に係る複合材1によれば、凹凸面部材2の凸部形成部材6を構成する金属格子が木製部材である被接合部材4の接合面41を押圧して被接合部材4にめり込んだ状態となるように凹凸面部材2と被接合部材4とが圧着接合された構成となる。
従って、力が凹凸面部材2の基材5から凸部形成部材6を介して被接合部材4に伝達される際、基材5に伝達される力が凸部形成部材6を介して被接合部材4に有効に伝達されるので、凹凸面部材2に伝達される力を被接合部材4に有効に負担させることができるようになる。
つまり、金属格子により構成された凸部形成部材6は、特許文献1の針状突起のような先端鋭利な鋼の小片ではなく、塊であるため、凹凸面部材2に力が加わった場合、凸部形成部材6が変形しにくく、かつ、当該凸部形成部材6が被接合部材4の内部に局所的なめり込みを進行させにくいため、被接合部材4が損傷しにくくなり、凹凸面部材2に加わった力が凸部形成部材6を介して被接合部材4に有効に伝達されるようになる。
即ち、実施形態1に係る複合材1のような凹凸面部材2と被接合部材4との接合構造では、凹凸面部材2に伝達される力を被接合部材4に有効に負担させることができるようになる。
例えば、凹凸面部材2の基材5が建物の躯体に連結され、当該建物の躯体から凹凸面部材2の基材5にせん断力等の力が伝達された場合、当該力が基材5から凸部形成部材6を介して被接合部材4に有効に伝達されるので、建物の躯体から凹凸面部材2に伝達される力を被接合部材4に有効に負担させることができるようになる。
即ち、凹凸面部材2に伝達される力を当該凹凸面部材2の凹凸面3に接合された被接合部材4に有効に負担させることができる複合材1を提供できるようになった。
【0015】
また、実施形態1に係る凹凸面部材2によれば、凹凸面部材2の凹凸面3と被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着接合させることにより、上述した機能を有した複合材1を形成できるようになる。
【0016】
実施形態2
実施形態1では、凸部形成部材6として金属格子を用いた例を示したが、凸部形成部材6として、個別の複数の金属塊、又は、個別の複数の金属棒材、又は、個別の複数の金属線材を用いても良い。
例えば、基材5の接合面51に、基材5の接合面51の一方方向(縦方向)、及び、基材5の接合面51の一方方向と直交する方向(横方向)に、所定の間隔を隔てて個別に複数の金属塊を取付けた構成の凸部形成部材6、即ち、基材5の接合面51に碁盤の目のように個別に複数の金属塊を取付けた構成の凸部形成部材6であってもよい。
また、基材5の接合面51の一方方向(縦方向)、又は、基材5の接合面51の一方方向と直交する方向(横方向)に、所定の間隔を隔てて、鉄筋等の複数の金属棒材、又は、針金等の複数の金属線材を取付けた構成の凸部形成部材6であってもよい。
【0017】
実施形態3
接合面51を有した基材5は、木製部材であってもよい。
この場合、例えば凸部形成部材6に接着剤を塗布しておいて当該凸部形成部材6を当該木製部材により形成された基材5の接合面51にプレス機械等を用いて圧着させることによって凹凸面部材2を製造し、さらに、木製部材により形成された基材5の接合面51と木製部材により形成された被接合部材4の接合面41との間に凸部形成部材6を挟み込んだ状態で基材5の接合面51と被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着させるとともに、基材5と被接合部材4とを、例えばボルトやビス等の機械的接合手段及び接着剤のうちの1つ以上を用いて接合させることにより、複合材1を製造すればよい。
【0018】
また、実施形態3の場合、木製部材により形成された基材5の接合面51と木製部材により形成された被接合部材4の接合面41との間に凸部形成部材6を挟み込んだ状態で基材5の接合面51と被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着させるとともに、基材5と被接合部材4とを、例えばボルトやビス等の機械的接合手段及び接着剤のうちの1つ以上を用いて接合させることにより、複合材1を製造してもよい。尚、接着剤を用いる場合には、凹凸面部材2の凹凸面3及び被接合部材4の接合面41のうちの少なくとも一方の面に予め接着剤を塗布しておく。
【0019】
尚、実施形態1乃至実施形態3では、凸部形成部材6として金属を用いた例を示したが、凸部形成部材6は、金属以外の材料、例えば、木材よりもヤング係数が大きい材料により形成された個別の複数の塊又は個別の複数の棒材又は個別の複数の線材又は格子部材を用いてもよい。
例えば、個別の複数の塊としての複数の小片板を凸部形成部材6としても良い。
即ち、小片板の板面と基材5の接合面51とが接触した状態となるよう、基材5の接合面51上に互いに間隔を隔てて複数の小片板を設置し、ねじや接着剤等を用いてこれら複数の小片板を基材5に固定して形成された凹凸面部材2であってもよい。
【0020】
実施形態4
凹凸面部材は、接合面と当該接合面に形成された複数の凹部とで構成された凹凸面を備えた構成の凹凸面部材であってもよい。
即ち、以下のように製造された凹凸面部材であってもよい。
例えば、図4に示すように、接合面51に、サンドブラスト処理、切削処理、プレス処理等の凹凸面形成処理方法(表面処理方法)によって、複数の凹部52,52…を形成し、当該複数の凹部52,52…と接合面51とにより凹凸面3Aが構成されるように製造された凹凸面部材2Aである。
【0021】
凹凸面部材2Aは、木材よりもヤング係数が大きい材料である金属板、例えば鋼板により形成され、当該凹凸面部材2Aとしての鋼板は、例えば、板厚1.0mm以上の鋼板を用いることが好ましいが、板厚1.0mm未満の鋼板を用いてもかまわない。
【0022】
複数の凹部52,52…は、例えば、図4に示すように、凹凸面部材2Aを形成する鋼板の一方の板面により形成された接合面51に、碁盤の目のように個別に形成された複数の凹部52,52…により構成される。
【0023】
即ち、接合面51と当該接合面51に形成された複数の凹部52,52…とで構成された凹凸面3Aを備えた構成の凹凸面部材2Aは、接合面51に、サンドブラスト処理、切削処理、プレス処理等の凹凸面形成処理方法(表面処理方法)によって、複数の凹部52,52…が形成されて製造される。
【0024】
実施形態4に係る凹凸面部材2Aを使用して複合材1を製造する場合、例えば、当該凹凸面部材2Aの凹凸面3A及び被接合部材4の接合面41のうちの少なくとも一方の面に接着剤を塗布した後に、凹凸面部材2Aの凹凸面3Aと被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着させることにより、複合材1が製造される。
あるいは、凹凸面部材2Aの凹凸面3Aと被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着させ、かつ、当該凹凸面部材2Aと当該被接合部材4とを図外のボルトやビス等の機械的接合手段を用いて接合することにより、複合材1が製造される。
あるいは、凹凸面部材2Aの凹凸面3A及び被接合部材4の接合面41のうちの少なくとも一方の面に接着剤を塗布した後に、凹凸面部材2Aの凹凸面3Aと被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着させた後に、さらに、当該凹凸面部材2Aと当該被接合部材4とを図外のボルトやビス等の機械的接合手段を用いて接合することにより、複合材1が製造される。
【0025】
実施形態4に係る凹凸面部材2Aを使用して製造された複合材1によれば、凹凸面部材2Aの凹凸面3Aと被接合部材4の接合面41とが互いに押圧しあって、凹凸面部材2Aの基材5の接合面51が被接合部材4にめり込むとともに、被接合部材4の接合面41が凹凸面部材2Aの凹部52,52…にめり込んだ状態となるように、凹凸面部材2と被接合部材4とが圧着接合された構成となる。
従って、凹凸面部材2Aが建物の躯体に連結され、当該建物の躯体から凹凸面部材2Aにせん断力等の力が伝達された場合、当該力が凹凸面部材2Aから凹凸面3Aを介して被接合部材4に有効に伝達されるので、建物の躯体から凹凸面部材2Aに伝達される力を被接合部材4に有効に負担させることができるようになる。
つまり、凹凸面部材2Aに力が加わった場合、凹凸面部材2Aの凹凸面3Aが変形しにくく、かつ、当該凹凸面3Aが被接合部材4の内部に局所的なめり込みを進行させにくいため、被接合部材4が損傷しにくくなり、凹凸面部材2に加わった力が凹凸面3Aを介して被接合部材4に有効に伝達されるようになる。
即ち、実施形態4に係る複合材1のような凹凸面部材2Aと被接合部材4との接合構造では、凹凸面部材2Aに伝達される力を被接合部材4に有効に負担させることができるようになる。
【0026】
即ち、実施形態4に係る凹凸面部材2Aによれば、凹凸面部材2Aの凹凸面3Aと被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着接合させることにより、上述した機能を有した複合材1を形成できるようになる。
【0027】
実施形態5
実施形態4で説明した凹凸面部材2Aは、木製部材であってもよい。
この場合、例えば木製部材により形成された凹凸面部材2Aの凹凸面3Aと木製部材により形成された被接合部材4の接合面41とをプレス機械等を用いて圧着させるとともに、凹凸面部材2Aと被接合部材4とを、例えばボルトやビス等の機械的接合手段及び接着剤のうちの1つ以上を用いて接合させることにより、複合材1を製造すればよい。尚、接着剤を用いる場合には、凹凸面部材2Aの凹凸面3A及び被接合部材4の接合面41のうちの少なくとも一方の面に予め接着剤を塗布しておく。
【0028】
尚、被接合部材4は、木製部材以外の部材であってもよい。
例えば、被接合部材4が金属部材であってもよい。
即ち、凹凸面部材2を構成する基材5及び凸部形成部材6と、当該凹凸面部材2の凹凸面3に接合される被接合部材4とがすべて金属部材であってもよい。
また、凹凸面部材2Aと、当該凹凸面部材2Aの凹凸面3Aに接合される被接合部材4とがすべて金属部材であってもよい。
この場合、凹凸面部材2の基材5と被接合部材4とを図外のボルトやビス等の機械的接合手段を用いて接合された複合材、あるいは、凹凸面部材2Aと被接合部材4とを図外のボルトやビス等の機械的接合手段を用いて接合された複合材とすることで、凹凸面部材2,2Aに伝達される力が凸部形成部材6,凹凸面3Aを介して被接合部材4に有効に伝達されるようになり、凹凸面部材2,2Aに伝達される力を被接合部材4に有効に負担させることができる複合材を提供できるようになる。
【符号の説明】
【0029】
1 複合材、2,2A 凹凸面部材、3,3A 凹凸面、4 被接合部材、5 基材、
51 接合面、52 凹部。
図1
図2
図3
図4