(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】車両用クリーナシステムおよび車両用システム
(51)【国際特許分類】
B60S 1/62 20060101AFI20240510BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240510BHJP
B08B 5/02 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B60S1/62 100
B60S1/62 120B
B60S1/62 120C
B60S1/62 110A
B60S1/62 110B
B08B3/02 F
B08B5/02 Z
(21)【出願番号】P 2020506408
(86)(22)【出願日】2019-03-04
(86)【国際出願番号】 JP2019008283
(87)【国際公開番号】W WO2019176607
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2018043998
(32)【優先日】2018-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 和貴
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/010578(WO,A1)
【文献】特開2013-100077(JP,A)
【文献】特開昭63-279953(JP,A)
【文献】特開2009-190445(JP,A)
【文献】特開2016-078489(JP,A)
【文献】特開昭61-150854(JP,A)
【文献】国際公開第2020/255781(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/255780(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/162085(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/043743(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/60
B60S 1/62
B08B 3/02
B08B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて前記車両の外部の情報を取得する外部センサに洗浄液および空気を吐出して前記外部センサを洗浄するクリーナユニットと、
前記クリーナユニットを制御するクリーナ制御部と、
を備えた車両用クリーナシステムであって、
前記クリーナユニットは、
前記外部センサに向けて前記洗浄液を吐出させる液ノズルと、
前記外部センサに向けて前記空気を吐出させるエアノズルと、
を有し、
前記クリーナ制御部は、
天候情報を取得し、
前記天候情報が晴れ条件に合致した場合には、前記液ノズルからは前記洗浄液を吐出させず、前記エアノズルから前記外部センサへ向けて前記空気を吐出させる第1作動モードで前記クリーナユニットを作動させ、
前記天候情報が雨条件に合致した場合には
、前記洗浄液を
前記液ノズルから前記外部センサへ向けて吐出させ
てから前記空気を
前記エアノズルから前記外部センサに向けて吐出する
という動作を1回実行する第2作動モードで前記クリーナユニットを作動させ、
前記天候情報が雪条件に合致した場合には
、前記洗浄液を
前記液ノズルから前記外部センサへ向けて吐出させ
てから前記空気を
前記エアノズルから前記外部センサに向けて吐出する
という動作を2回以上実行する第3作動モードで前記クリーナユニットを作動させる、車両用クリーナシステム。
【請求項2】
前記天候情報は、前記車両の外部から提供される情報に基づいている、請求項1に記載の車両用クリーナシステム。
【請求項3】
前記外部センサは、雨滴センサを含み、
前記天候情報が前記晴れ条件または前記雨条件に合致するかの判断は、前記雨滴センサから出力される信号に基づいている、請求項1に記載の車両用クリーナシステム。
【請求項4】
前記外部センサは、カメラを含み、
前記天候情報は、前記カメラで取得された画像に基づいている、請求項1に記載の車両用クリーナシステム。
【請求項5】
前記天候情報が前記晴れ条件または前記雨条件に合致するかの判断は、前記車両に搭載されたワイパーの作動に応じて出力される信号に基づいている、請求項1に記載の車両用クリーナシステム。
【請求項6】
車両制御部と、
車両に搭載されて前記車両の外部の情報を取得する外部センサに洗浄液および空気を吐出して前記外部センサを洗浄するクリーナユニットと、
前記クリーナユニットを制御するクリーナ制御部と、
を備えた車両用システムであって、
前記クリーナユニットは、
前記外部センサに向けて前記洗浄液を吐出させる液ノズルと、
前記外部センサに向けて前記空気を吐出させるエアノズルと、
を有し、
前記クリーナ制御部は、
天候情報を取得し、
前記天候情報が晴れ条件に合致した場合には、前記液ノズルからは前記洗浄液を吐出させず、前記エアノズルから前記外部センサへ向けて前記空気を吐出させる第1作動モードで前記クリーナユニットを作動させ、
前記天候情報が雨条件に合致した場合には
、前記洗浄液を
前記液ノズルから前記外部センサへ向けて吐出させ
てから前記空気を
前記エアノズルから前記外部センサに向けて吐出する
という動作を1回実行する第2作動モードで前記クリーナユニットを作動させ、
前記天候情報が雪条件に合致した場合には
、前記洗浄液を
前記液ノズルから前記外部センサへ向けて吐出させ
てから前記空気を
前記エアノズルから前記外部センサに向けて吐出する
という動作を2回以上実行する第3作動モードで前記クリーナユニットを作動させる、車両用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用クリーナシステムおよび車両用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1などにより、車両に搭載されたセンサなどに洗浄液を吐出する車両用クリーナが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、天候条件によって、車載センサに付着する汚れの種類や汚れ具合は変化する。
【0005】
そこで、本発明は、天候に応じて、クリーナユニットにより外部センサを洗浄するのに適した洗浄条件を選択可能な車両用クリーナシステムおよび車両用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る車両用クリーナシステムは、
車両に搭載されて前記車両の外部の情報を取得する外部センサに洗浄媒体を吐出して前記外部センサを洗浄するクリーナユニットと、
前記クリーナユニットを制御するクリーナ制御部と、
を備えた車両用クリーナシステムであって、
前記クリーナ制御部は、
天候情報を取得し、
前記天候情報に応じて、前記洗浄媒体の種類、前記洗浄媒体の吐出量、前記洗浄媒体の単位時間当たりの吐出量、前記洗浄媒体の吐出回数、前記洗浄媒体の単位時間当たりの吐出回数、および前記洗浄媒体の吐出時間の少なくとも一つを異ならせるように前記クリーナユニットを制御するように構成されている。
【0007】
本発明の一側面に係る車両用システムは、
車両制御部と、
車両に搭載されて前記車両の外部の情報を取得する外部センサに洗浄媒体を吐出して前記外部センサを洗浄するクリーナユニットと、
前記クリーナユニットを制御するクリーナ制御部と、
を備えた車両用システムであって、
前記クリーナ制御部は、
天候情報を取得し、
前記天候情報に応じて、前記洗浄媒体の種類、前記洗浄媒体の吐出量、前記洗浄媒体の単位時間当たりの吐出量、前記洗浄媒体の吐出回数、前記洗浄媒体の単位時間当たりの吐出回数、および前記洗浄媒体の吐出時間の少なくとも一つを異ならせるように前記クリーナユニットを制御するように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、天候に応じて、クリーナユニットにより外部センサを洗浄するのに適した洗浄条件を選択可能な車両用クリーナシステムおよび車両用システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の車両用クリーナシステムを搭載した車両の上面図である。
【
図4】本発明の実施形態の車両用クリーナシステムの主要部のブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態の車両用クリーナシステムが実行するフローチャートである。
【
図6A】本発明の実施形態の車両用クリーナシステムが実行するクリーナユニットの第1作動モードでの洗浄方法を示す図である。
【
図6B】車両用クリーナシステムが実行するクリーナユニットの第2作動モードでの洗浄方法を示す図である。
【
図6C】車両用クリーナシステムが実行するクリーナユニットの第3作動モードでの洗浄方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0011】
また、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「前後方向」、「上下方向」について適宜言及する。これらの方向は、
図1に示す車両1について設定された相対的な方向である。ここで、「上下方向」は、「上方向」及び「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」及び「後方向」を含む方向である。「左右方向」は、「左方向」及び「右方向」を含む方向である。
【0012】
図1は、本実施形態に係る車両用クリーナシステム100(以下、クリーナシステム100と称す)が搭載された車両1の上面図である。車両1は、クリーナシステム100を備えている。本実施形態において、車両1は自動運転モードで走行可能な自動車である。
【0013】
まず、
図2を参照して車両1の車両システム2について説明する。
図2は、車両システム2のブロック図を示している。
図2に示すように、車両システム2は、車両制御部3と、内部センサ5と、外部センサ6と、ランプ7と、HMI8(Human Machine Interface)と、GPS9(Global Positioning System)と、無線通信部10と、地図情報記憶部11とを備えている。さらに、車両システム2は、ステアリングアクチュエータ12と、ステアリング装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、ブレーキ装置15と、アクセルアクチュエータ16と、アクセル装置17とを備えている。
【0014】
車両制御部3は、電子制御ユニット(ECU)により構成されている。車両制御部3は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、各種車両制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、各種車両制御データが一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)とにより構成されている。プロセッサは、ROMに記憶された各種車両制御プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。車両制御部3は、車両1の走行を制御するように構成されている。
【0015】
ランプ7は、車両1の前部に設けられるヘッドランプやポジションランプ、車両1の後部に設けられるリヤコンビネーションランプ、車両の前部または側部に設けられるターンシグナルランプ、歩行者や他車両のドライバーに自車両の状況を知らせる各種ランプなどの少なくとも一つである。
【0016】
HMI8は、ユーザからの入力操作を受付ける入力部と、走行情報等をユーザに向けて出力する出力部とから構成される。入力部は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、車両1の運転モードを切替える運転モード切替スイッチ等を含む。出力部は、各種走行情報を表示するディスプレイである。
【0017】
内部センサ5は、自車両の情報を取得可能なセンサである。内部センサ5は、例えば、加速度センサ、速度センサ、車輪速センサ及びジャイロセンサ等の少なくとも一つである。内部センサ5は、車両1の走行状態を含む自車両の情報を取得し、該情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
内部センサ5は、HMI8の変位を検出するセンサ、ユーザが座席に座っているかどうかを検出する着座センサ、ユーザの顔の方向を検出する顔向きセンサ、車内に人がいるかどうかを検出する人感センサなどを備えていてもよい。
【0018】
外部センサ6は、自車両の外部の情報を取得可能なセンサである。外部センサは、例えば、カメラ、レーダ、LiDAR、GPS9、無線通信部10、等の少なくとも一つである。外部センサ6は、車両1の周辺環境(他車、歩行者、道路形状、交通標識、障害物等)を含む自車両の外部の情報を取得し、該情報を車両制御部3に出力するように構成されている。あるいは、外部センサ6は、天候状態を検出する天候センサや車両1の周辺環境の照度を検出する照度センサなどを備えていてもよい。
カメラは、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(相補型MOS)等の撮像素子を含むカメラである。カメラは、可視光を検出するカメラや、赤外線を検出する赤外線カメラである。
レーダは、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ又はレーザーレーダ等である。
LiDARとは、Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Rangingの略語である。LiDARは、一般にその前方に非可視光を出射し、出射光と戻り光とに基づいて、物体までの距離、物体の形状、物体の材質、物体の色などの情報を取得するセンサである。
【0019】
外部センサ6の一種であるGPS9は、自車両1に対する複数の人工衛星の距離を測定することにより車両1の現在位置情報を取得し、当該取得された現在位置情報を車両制御部3に出力するように構成されている。外部センサ6の一種である無線通信部10は、車両1の周囲にいる他車の走行情報を他車から受信すると共に、車両1の走行情報を他車に送信するように構成されている(車車間通信)。また、無線通信部10は、信号機や標識灯等のインフラ設備からインフラ情報を受信すると共に、車両1の走行情報をインフラ設備に送信するように構成されている(路車間通信)。地図情報記憶部11は、地図情報が記憶されたハードディスクドライブ等の外部記憶装置であって、地図情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
【0020】
車両制御部3は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルといったユーザにより操作される操作子の変位を検出する内部センサ5の出力と、車速センサや車輪速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサなどの車両の状態を検出する内部センサ5の出力と、車両1の外部の情報を取得する外部センサ6の出力が入力されるように構成されている。車両制御部3は、これらの出力に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成し、必要に応じて制御するように構成されている。
【0021】
ステアリングアクチュエータ12は、ステアリング制御信号を車両制御部3から受信して、受信したステアリング制御信号に基づいてステアリング装置13を制御するように構成されている。ブレーキアクチュエータ14は、ブレーキ制御信号を車両制御部3から受信して、受信したブレーキ制御信号に基づいてブレーキ装置15を制御するように構成されている。アクセルアクチュエータ16は、アクセル制御信号を車両制御部3から受信して、受信したアクセル制御信号に基づいてアクセル装置17を制御するように構成されている。
【0022】
車両1は、自動運転モードと手動運転モードで走行可能である。車両制御部3は、自動運転モードと手動運転モードとを選択的に実行可能である。
【0023】
自動運転モードにおいて、車両制御部3は、車両1の外部の情報を取得する外部センサ6の出力に応じてステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を自動的に生成する。車両制御部3は、ユーザが操作可能な操作子の変位を検出する内部センサ5の出力と無関係に、外部センサ6の出力に応じてステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を自動的に生成する。
例えば自動運転モードにおいて車両制御部3は、前カメラ6cが取得した車両1の前方の周辺環境情報や、GPS9の現在位置情報と地図情報記憶部11に記憶された地図情報等に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を自動的に生成する。自動運転モードにおいて、車両1はユーザによらずに運転される。
【0024】
手動運転モードにおいて、車両制御部3は通常時に、外部センサ6の出力と無関係にステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成する。すなわち、手動運転モードにおいて、車両制御部3は通常時に、外部センサ6の出力と無関係に、ユーザのステアリングホイールの操作に基づいてステアリング制御信号を生成する。車両制御部3は通常時に、外部センサ6の出力と無関係に、ユーザのアクセルペダルの操作に基づいてアクセル制御信号を生成する。車両制御部3は、外部センサ6の出力と無関係に、ユーザのブレーキペダルの操作に基づいてブレーキ制御信号を生成する。手動運転モードにおいて、車両1は通常時はユーザにより運転される。
【0025】
なお、手動運転モードにおいて車両制御部3は、例えば内部センサ5である車輪速センサの出力に応じてブレーキ制御信号を制御するアンチロックブレーキ制御を実行してもよい。また、手動運転モードにおいて車両制御部3は、内部センサ5である操舵角センサ、車輪速センサやヨーレートセンサの出力に応じてステアリング制御信号やアクセル制御信号、ブレーキ制御信号の少なくとも一つを制御する横滑り防止制御(Electric Stability Control)、トラクション制御などを実行してもよい。
あるいは手動運転モードにおいて車両制御部3は緊急時に、前カメラ6cなどの外部センサ6の出力に応じてステアリング制御信号とブレーキ制御信号を生成するプリクラッシュ制御や衝突回避制御を実行してもよい。このように手動運転モードにおいて車両制御部3は緊急時には、外部センサ6の出力に応じてステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号の少なくとも一つを生成してもよい。
【0026】
手動運転モードにおいて、通常時にステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号が生成されるトリガーは、ユーザの操作するステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルといった操作子の変位である。手動運転モードにおいて車両制御部3は通常時に、操作子の変位により生成されたステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号といった信号を内部センサ5や外部センサ6の出力に応じて制御してもよい。本実施形態において、ユーザの運転を内部センサ5や外部センサ6の出力に応じてアシストするいわゆるアシスト運転モードは、手動運転モードの一形態である。
【0027】
2018年現在で知られている自動運転モードのレベル0~5の定義に従えば、本実施形態の自動運転モードはレベル3~5(緊急時等を除く)に該当し、本実施形態の手動運転モードはレベル0~2に該当する。
【0028】
図1に戻り車両1は、外部センサ6として、前LiDAR6f、後LiDAR6b、右LiDAR6r、左LiDAR6l、前カメラ6c、後カメラ6dを有している。前LiDAR6fは車両1の前方の情報を取得するように構成されている。後LiDAR6bは車両1の後方の情報を取得するように構成されている。右LiDAR6rは車両1の右方の情報を取得するように構成されている。左LiDAR6lは車両1の左方の情報を取得するように構成されている。前カメラ6cは車両1の前方の情報を取得するように構成されている。後カメラ6dは車両1の後方の情報を取得するように構成されている。
【0029】
なお、
図1に示した例では、前LiDAR6fは車両1の前部に設けられ、後LiDAR6bは車両1の後部に設けられ、右LiDAR6rは車両1の右部に設けられ、左LiDAR6lは車両1の左部に設けられた例を示しているが、本発明はこの例に限られない。例えば車両1の天井部に前LiDAR、後LiDAR、右LiDAR、左LiDARがまとめて配置されていてもよい。
【0030】
車両1は、ランプ7として、右ヘッドランプ7rと左ヘッドランプ7lを有している。右ヘッドランプ7rは車両1の前部のうちの右部に設けられ、左ヘッドランプ7lは車両1の前部のうちの左部に設けられている。右ヘッドランプ7rは左ヘッドランプ7lよりも右方に設けられている。
【0031】
車両1は、フロントウィンドウ1fと、リヤウィンドウ1bを有している。
【0032】
車両1は、本発明の実施形態に係るクリーナシステム100を有している。クリーナシステム100は、洗浄対象物に付着する水滴や泥や塵埃等の異物を洗浄媒体を用いて除去するシステムである。本実施形態において、クリーナシステム100は、前ウィンドウウォッシャ(以降、前WWと称す)101、後ウィンドウウォッシャ(以降、後WWと称す)102、前LiDARクリーナ(以降、前LCと称す)103、後LiDARクリーナ(以降、後LCと称す)104、右LiDARクリーナ(以降、右LCと称す)105、左LiDARクリーナ(以降、左LCと称す)106、右ヘッドランプクリーナ(以降、右HCと称す)107、左ヘッドランプクリーナ(以降、左HCと称す)108、前カメラクリーナ109a、後カメラクリーナ109bを有する。各々のクリーナ101~109bは一つ以上のノズルを有し、ノズルから洗浄液または空気といった洗浄媒体を洗浄対象物に向けて吐出する。なお、各々のクリーナ101~109bをクリーナユニット110と呼ぶことがある。
【0033】
前WW101は、フロントウィンドウ1fを洗浄可能である。後WW102は、リヤウィンドウ1bを洗浄可能である。前LC103は、前LiDAR6fを洗浄可能である。後LC104は、後LiDAR6bを洗浄可能である。右LC105は、右LiDAR6rを洗浄可能である。左LC106は、左LiDAR6lを洗浄可能である。右HC107は、右ヘッドランプ7rを洗浄可能である。左HC108は、左ヘッドランプ7lを洗浄可能である。前カメラクリーナ109aは、前カメラ6cを洗浄可能である。後カメラクリーナ109bは、後カメラ6dを洗浄可能である。
【0034】
図3は、クリーナシステム100の模式図である。クリーナシステム100は、クリーナ101~109bの他に、前タンク111、前ポンプ112、後タンク113、後ポンプ114、クリーナ制御部116(制御部)を有している。
【0035】
前WW101、前LC103、右LC105、左LC106、右HC107、左HC108、前カメラクリーナ109aは、前ポンプ112を介して前タンク111に接続されている。前ポンプ112は前タンク111に貯留された洗浄液を、前WW101、前LC103、右LC105、左LC106、右HC107、左HC108、前カメラクリーナ109aに送る。
【0036】
後WW102と後LC104は、後ポンプ114を介して後タンク113に接続されている。後ポンプ114は後タンク113に貯留された洗浄液を後WW102と後LC104と後カメラクリーナ109bに送る。
【0037】
各々のクリーナ101~109bには、ノズルを開状態にさせて洗浄液を洗浄対象物に吐出させるアクチュエータが設けられている。各々のクリーナ101~109bに設けられたアクチュエータは、クリーナ制御部116に電気的に接続されている。また、クリーナ制御部116は、前ポンプ112、後ポンプ114、車両制御部3にも電気的に接続されている。
【0038】
図4は、本発明の実施形態に係る車両用クリーナシステム100の主要部のブロック図である。
図4に示すように車両用クリーナシステム100は、外部センサ6を洗浄するクリーナユニット110と、このクリーナユニット110の動作を制御するクリーナ制御部116とを有している。なお、
図4においては、クリーナユニット110として前LC103と前カメラクリーナ109aのみを示しているが、
図3に示したように車両用クリーナシステム100はこの他のクリーナユニット110を有していることはもちろんである。
【0039】
前LC103および前カメラクリーナ109aは、それぞれ、洗浄媒体として空気(例えば高圧空気)を外部センサ6へ吐出するエアノズル131と、洗浄媒体として洗浄液を外部センサ6に吐出する液ノズル132と、外部センサ6の汚れを検出する汚れセンサ133を有している。具体的には、前LC103Aは、洗浄媒体として空気を前LiDAR6fに吐出するエアノズル131と、洗浄媒体として洗浄液を前LiDAR6fに吐出する液ノズル132と、前LiDAR6fの汚れを検出する汚れセンサ133を有している。前カメラクリーナ109aや他のクリーナユニット110も同様に、エアノズル131、液ノズル132、汚れセンサ133を有している。
【0040】
クリーナ制御部116は、前LC103および前カメラクリーナ109aのそれぞれに接続されている。クリーナ制御部116は、各々のクリーナユニット110を制御するように構成されている。クリーナ制御部116は、例えば、少なくとも一つの電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成されている。電子制御ユニットは、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含む少なくとも一つのマイクロコントローラと、トランジスタ等のアクティブ素子及びパッシブ素子を含むその他電子回路を含んでもよい。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)である。CPUは、複数のCPUコアによって構成されてもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。メモリは、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)を含む。ROMには、クリーナユニット110の制御プログラムが記憶されてもよい。
【0041】
プロセッサは、ROMに記憶されたプログラム群から指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。また、電子制御ユニット(ECU)は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programammable Gate Array)等の集積回路(ハードウェア資源)によって構成されてもよい。さらに、電子制御ユニットは、少なくとも一つのマイクロコントローラと集積回路との組み合わせによって構成されてもよい。
【0042】
クリーナ制御部116は、天候情報取得部121を備えている。天候情報取得部121は、車両1が走行している場所の天候情報を取得する。天候情報取得部121は、無線通信部10、ナビゲーションシステム122、カメラ画像処理部123、雨滴センサ124などの少なくとも一つに接続されており、天候情報を取得する。
【0043】
また、本実施形態においては、クリーナ制御部116は、汚れセンサ133からの検出信号(例えば、汚れ信号)を受信して、外部センサ6が清浄な状態であるか否かを判定し、外部センサ6が清浄状態でない場合には所定の条件に基づいてクリーナユニット110を作動させる。
【0044】
図5は、クリーナ制御部116が実行する処理の例を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップS1において、クリーナ制御部116は、汚れセンサ133の出力に基づいて外部センサ6が清浄状態であるか否かを判定する。例えばクリーナ制御部116は、前LiDAR6fの汚れを検出する汚れセンサ133の出力に応じて、前LiDAR6fが清浄状態であるか否かを判定する。あるいは、汚れセンサ133の出力に応じて前LiDAR6fに洗浄が必要か否かを通知する信号を前LC103がクリーナ制御部116に送信するように構成し、クリーナ制御部116は前LC103の該信号に応じて前LiDAR6fが清浄状態であるか否かを判定するように構成してもよい。クリーナ制御部116は、他のクリーナユニット110についても前LC103と同様に、洗浄対象の外部センサ6が清浄状態であるか否かを判定する。
【0045】
ステップS1において外部センサ6が清浄状態であると判定された場合(ステップS1のYes)、クリーナ制御部116は、外部センサ6が清浄状態ではないと判定されるまでステップS1の処理を繰り返す。
【0046】
一方、ステップS1において外部センサ6が清浄状態ではないと判定された場合(ステップS1のNo)、ステップS2において、クリーナ制御部116は、天候情報取得部121により天候情報を取得する。天候情報は、例えば、無線通信部10またはナビゲーションシステム122が取得する外部から提供される天候情報や、雨滴センサ124から出力される信号として雨が降っていることを示す雨情報などを含む。また、前カメラ6cが車両前方の路面状態を撮像し、車両制御部3のカメラ画像処理部123が撮像された路面状態から雨が降っていることを認識したときにカメラ画像処理部123から雨が降っていることを示す雨情報を天候情報取得部121へ送信するように構成してもよい。あるいは、前カメラ6cの画像処理部が雨が降っていることを認識したときに、前カメラ6cから雨情報を天候情報取得部121へ送信するように構成してもよい。さらに、車両制御部3が、車両1に搭載されたワイパーの作動に応じて出力される信号を受信したときに、車両制御部3から天候情報(雨情報)を天候情報取得部121に送信するように構成してもよい。
【0047】
雨が降っている場合は、自車両の前方を走行する車両が巻き上げる泥水などにより、外部センサ6に汚れが付着している可能性が高い。あるいは、雪が降っている場合には、外部センサ6に雪や氷が付着している可能性が高い。このように、外部センサ6に汚れや雪などの異物が付着している可能性が高い天候が、所定の天候条件としてメモリに記録されている。
【0048】
ステップS3において、クリーナ制御部116は、メモリから所定の天候条件を読み出して天候情報と照合することにより、取得した天候情報が所定の天候条件と合致するか否かを判定する。
【0049】
取得した天候情報が晴れ(曇りを含む)の天候条件と合致すると判定された場合には、ステップS4において、クリーナ制御部116は、クリーナユニット110を第1作動モードで作動させる。一方、取得した天候情報が雨の天候条件を合致すると判定された場合には、ステップS5において、クリーナ制御部116は、クリーナユニット110を第2作動モードで作動させる。さらに、取得した天候情報が雪の天候条件を合致すると判定された場合には、ステップS6において、クリーナ制御部116は、クリーナユニット110を第3作動モードで作動させる。
【0050】
図6Aは、第1作動モードでクリーナユニット110を作動させた場合において、液ノズル132からの洗浄液の吐出タイミングおよびエアノズル131からの空気の吐出タイミングを示す図である。
図6Bは、第2作動モードでクリーナユニット110を作動させた場合において、液ノズル132からの洗浄液の吐出タイミングおよびエアノズル131からの空気の吐出タイミングを示す図である。
図6Cは、第3作動モードでクリーナユニット110を作動させた場合において、液ノズル132からの洗浄液の吐出タイミングおよびエアノズル131からの空気の吐出タイミングを示す図である。
【0051】
図6Aに示すように、天候情報が晴れ条件に合致した場合の第1作動モードでは、クリーナ制御部116は、液ノズル132からは洗浄液を吐出させず、エアノズル131からは空気を吐出させるようにクリーナユニット110を作動させる。晴れている場合には、外部センサ6に付着している汚れは塵埃等の比較的除去しやすいものである可能性が高い。そのため、クリーナ制御部116は、洗浄液の消費を抑えるため、外部センサ6に付着している汚れを空気によってのみ除去することを意図して、第1作動モードにてクリーナユニット110を作動させることが好ましい。
【0052】
また、
図6Bに示すように、天候情報が雨条件に合致した場合の第2作動モードでは、クリーナ制御部116は、液ノズル132から洗浄液を外部センサ6へ向けて吐出させた後に、エアノズル131から空気を外部センサ6に向けて吐出するように、クリーナユニット110を作動させる。クリーナ制御部116は、洗浄液による外部センサ6の洗浄が完了した時点から所定の時間T1が経過した後に、エアノズル131から空気(例えば、高圧空気)を吐出する。すなわち、空気の吐出は、洗浄液の吐出による外部センサ6の洗浄が完了した時点から時間T1だけ遅延して実施される。雨が降っている場合は、自車両の前方を走行する車両が巻き上げる泥水などが外部センサ6に付着している可能性が高い。そのため、クリーナ制御部116は、外部センサ6に付着した泥汚れなどを洗浄液によって洗浄し、さらに外部センサ6に付着した洗浄液を空気により吹き飛ばすことを意図して、第2作動モードにてクリーナユニット110を作動させることが好ましい。
【0053】
また、
図6Cに示すように、天候情報が雪条件に合致した場合の第3作動モードでは、クリーナ制御部116は、液ノズル132から洗浄液を外部センサ6へ向けて吐出させた後に、エアノズル131から空気を外部センサ6に向けて吐出する動作を、クリーナユニット110に複数回繰り返させる。雪が降っている場合は、雪や氷などの除去しにくい異物が外部センサ6に付着している可能性が高い。そのため、クリーナ制御部116は、外部センサ6に付着した雪などを洗浄液と空気の複数回の吐出によって溶かすことを意図して、第3作動モードにてクリーナユニット110を作動させることが好ましい。
【0054】
なお、ステップS4~ステップS6において、クリーナ制御部116は、クリーナユニット110の少なくとも一つを駆動させてもよいし、全てのクリーナユニット110を作動させてもよい。もっとも、自動運転モードを実行する際には前方の外部情報を取得する外部センサ6の感度が求められるため、少なくとも車両の前方の情報を取得する前カメラ6cを洗浄する前カメラクリーナ109a、および、前LiDAR6fを洗浄する前LC103を作動させるように構成することが好ましい。
【0055】
ステップS4~S6のいずれかの処理が終了すると、ステップS7において、クリーナ制御部116は、汚れセンサ133の出力に基づいて外部センサ6が清浄状態であるか否かを判定する。外部センサ6が清浄状態であると判定された場合には(ステップS7のYes)、クリーナ制御部116は、処理を終了する。一方、外部センサ6が清浄状態ではないと判定された場合には(ステップS7のNo)、ステップS8において、クリーナ制御部116は、クリーナユニット110を再び作動させて外部センサ6を洗浄する。この場合は、クリーナ制御部116は、第1作動モードから第3作動モードのいずれのモードでクリーナユニット110を作動させてもよい。クリーナ制御部116は、例えば、ステップS2で取得された天候情報に基づいて、第1作動モードから第3作動モードのうち1つの作動モードを選択してクリーナユニット110を作動させてもよい。クリーナ制御部116は、クリーナユニット110を作動させて外部センサ6を洗浄したのちに、処理をステップS7へと戻す。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る車両用クリーナシステム100によれば、クリーナ制御部116は、天候情報取得部121により天候情報を取得し、取得した天候情報に応じて、洗浄媒体の種類や、洗浄媒体の吐出回数を異ならせるようにクリーナユニット110を作動させるように構成されている。具体的には、上述の通り、クリーナ制御部116は、第1作動モードと第2作動モードおよび第3作動モードとの間で、洗浄媒体の種類を異ならせるようにクリーナユニット110を作動させる。また、クリーナ制御部116は、第2作動モードと第3作動モードとの間で洗浄液および空気の吐出回数を異ならせるようにクリーナユニット110を作動させる。この構成によれば、天候情報に基づいて、クリーナユニット110により外部センサ6を洗浄するのに適した洗浄条件を選択することができ、外部センサ6を清浄状態に保ちつつも、クリーナユニット110の消耗や洗浄液の消費を抑えることができる。
【0057】
なお、各作動モード間での洗浄方法の変更は、洗浄媒体の種類や吐出回数に限られるものではない。クリーナ制御部116は、例えば、洗浄媒体の吐出量、洗浄媒体の単位時間当たりの吐出量、洗浄媒体の単位時間当たりの吐出回数、および洗浄媒体の吐出時間の少なくとも一つを、各作動モード間で異ならせるようにクリーナユニット110を作動させてもよい。
【0058】
<種々の変形例>
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0059】
上記実施形態では、車両の運転モードは、レベル0~5の運転モードを含むものとして説明したが、車両の運転モードは、これらのモードに限定されるべきではない。車両の運転モードは、これらのモードの少なくとも一つを含んでいてもよい。例えば、車両の運転モードは、いずれか一つのみを実行可能であってもよい。
【0060】
さらに、車両の運転モードの区分や表示形態は、各国における自動運転に係る法令又は規則に沿って適宜変更されてもよい。同様に、本実施形態の説明で記載された各運転モードの定義はあくまでも一例であって、各国における自動運転に係る法令又は規則に沿って、これらの定義は適宜変更されてもよい。
【0061】
上記実施形態では、クリーナシステム100を自動運転可能な車両に搭載した例を説明したが、クリーナシステム100は自動運転不可能な車両に搭載してもよい。
【0062】
上記実施形態では、クリーナ制御部116は、第1作動モードと第2作動モードとで液ノズル132から吐出される洗浄液の吐出回数を異ならせているが、この例に限られない。クリーナ制御部116は、例えば、洗浄液の吐出量、洗浄液の単位時間当たりの吐出量、洗浄液の単位時間当たりの吐出回数、および洗浄液の吐出時間の少なくとも一つを第1作動モードと第2作動モードとで異ならせるようにクリーナユニット110を制御してもよい。
【0063】
上記実施形態では、クリーナシステム100は、外部センサ6を含む構成として説明したが、クリーナシステム100は、外部センサ6を含まない構成としてもよい。もっとも、クリーナシステム100が外部センサ6を含んだアセンブリ体として構成されていると、外部センサ6に対するクリーナ103~106,109a,109bの位置決め精度を高めやすいので好ましい。また、クリーナシステム100の車両1への搭載時に、外部センサ6も一緒に組み込むことができるので、車両1への組み付け性も高められる。
【0064】
上記実施形態では、外部センサ6を洗浄するクリーナとして、LiDAR6f,6b,6r,6lを洗浄する103~106、および前カメラ6cを洗浄する109a,後カメラ6dを洗浄する109bを説明したが、本発明はこれに限られない。クリーナシステム100は、レーダを洗浄するクリーナなどを、センサクリーナ103~106,109a,109bの代わりに有していてもよいし、センサクリーナ103~106,109a,109bとともに有していてもよい。
【0065】
なお、LiDAR6f,6b,6r,6lなどの外部センサ6は、検出面と、検出面を覆うカバーを有していることがある。外部センサ6を洗浄するクリーナは、検出面を洗浄するように構成されていてもよいし、センサを覆うカバーを洗浄するように構成されていてもよい。
【0066】
クリーナシステム100が吐出する洗浄液は、水、あるいは洗剤を含む。フロント・リヤウィンドウ1f,1b、ヘッドランプ7r,7l、LiDAR6f,6b,6r,6l、カメラ6c,6dのそれぞれに吐出する洗浄媒体は、相異なっていてもよいし、同じでもよい。
【0067】
上記実施形態では、クリーナ101,103,105~109bが前タンク111に接続され、クリーナ102,104が後タンク113に接続された例を説明したが、本発明はこれに限られない。
クリーナ101~109bが単一のタンクに接続されていてもよい。クリーナ101~109bがそれぞれ互いに異なるタンクに接続されていてもよい。
あるいは、クリーナ101~109bが、その洗浄対象の種類ごとに共通のタンクに接続されていてもよい。例えば、LC103~106が共通の第一タンクに接続され、HC107,108が、第一タンクと異なる第二タンクに接続されるように構成してもよい。
あるいは、クリーナ101~109bが、その洗浄対象の配置位置ごとに共通のタンクに接続されていてもよい。例えば、前WW101と前LC103と前カメラクリーナ109aが共通の前タンクに接続され、右LC105と右HC107が共通の右タンクに接続され、後WW102と後LC104と後カメラクリーナ109bが共通の後タンクに接続され、左LC106と左HC108が共通の左タンクに接続されるように構成してもよい。
【0068】
上記実施形態では、クリーナ101~109bに設けられたアクチュエータを作動させることによりクリーナ101~109bから洗浄媒体を吐出させる例を説明したが、本発明はこれに限られない。
クリーナ101~109bのそれぞれに常閉バルブが設けられており、タンクとクリーナ101~109bとの間が常に高圧となるようにポンプが作動されており、クリーナ101~109bに設けられたバルブをクリーナ制御部116が開けることにより、クリーナ101~109bから洗浄媒体を吐出させるように構成してもよい。
あるいは、クリーナ101~109bのそれぞれがそれぞれ個別のポンプに接続されており、それぞれのポンプを個別にクリーナ制御部116が制御することにより、クリーナ101~109bからの洗浄媒体の吐出を制御するように構成してもよい。この場合、クリーナ101~109bのそれぞれが相異なるタンクに接続されていてもよいし、共通のタンクに接続されていてもよい。
【0069】
クリーナ101~109bには、洗浄媒体を吐出する1つ以上の吐出穴が設けられている。クリーナ101~109bは、洗浄液を吐出する1つ以上の吐出穴と、空気を吐出する1つ以上の吐出穴とが設けられていてもよい。
【0070】
各々のクリーナ101~109bは、それぞれ個別に設けてもよいし、複数をユニット化して構成してもよい。例えば、右LC105と右HC107を単一のユニットとして構成してもよい。右ヘッドランプ7rと右LiDAR6rとが一体化された態様に対して、右LC105と右HC107を単一のユニットとして構成するとよい。
【0071】
本出願は、2018年3月12日出願の日本特許出願2018-43998号に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。