(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】超音波プローブをガイドするための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
A61B8/14
(21)【出願番号】P 2020528029
(86)(22)【出願日】2018-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2018081291
(87)【国際公開番号】W WO2019101609
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-11-10
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ルーエ,ロランス
(72)【発明者】
【氏名】デュフール,セシル
(72)【発明者】
【氏名】エントレキン,ロバート ランドール
(72)【発明者】
【氏名】ウン,ゲイリー チェン-ホウ
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-150787(JP,A)
【文献】特表2014-528347(JP,A)
【文献】特開2017-200619(JP,A)
【文献】国際公開第2017/182397(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある体積の超音波イメージングプロセスの間に超音波イメージングシステムのユーザをガイドする方法であって、前記超音波イメージングシステムは、ハンドヘルドの超音波プローブと、前記超音波プローブの位置を得るように適応した超音波プローブトラッカーとを含み、前記方法は、
前記超音波プローブトラッカーを使用して、前記ユーザが前記超音波プローブを置いた位置を決定することによって、前記超音波プローブに対するユーザにより定められた開始位置を得て、前記開始位置として、前記開始位置をマークするステップ、
前記超音波プローブトラッカーを使用して、前記ユーザが前記超音波プローブを置いた位置を決定することによって、前記超音波プローブに対するユーザにより定められた終了位置を得て、前記終了位置として、前記終了位置をマークするステップであり、それによって、前記開始位置と前記終了位置との間の体積が、画像化されることになる前記体積を画定するステップ、
前記画像化されることになる体積に関する、前記ユーザにより定められた開始位置から前記ユーザにより定められた終了位置への前記超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するステップ、及び、
その後の前記体積の超音波イメージングプロセスの間に、前記超音波プローブトラッカーを使用して前記体積に関する前記超音波プローブの移動をモニターし、前記ユーザが前記ガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するステップ、
を含み、
前記ガイダンス指示を決定するステップは
、前記超音波イメージングシステムの
制約に基づき、
前記画定された体積の三次元超音波画像を改善するように前記超音波プローブの推奨される移動の経路を決定するステップを含む、方法。
【請求項2】
ある体積の超音波イメージングプロセスの間に超音波イメージングシステムのユーザをガイドする方法であって、前記超音波イメージングシステムは、ハンドヘルドの超音波プローブと、前記超音波プローブの位置を得るように適応した超音波プローブトラッカーとを含み、前記方法は、
前記超音波プローブトラッカーを使用して、前記ユーザが前記超音波プローブを置いた位置を決定することによって、前記超音波プローブに対するユーザにより定められた開始位置を得て、前記開始位置として、前記開始位置をマークするステップ、
前記超音波プローブトラッカーを使用して、前記ユーザが前記超音波プローブを置いた位置を決定することによって、前記超音波プローブに対するユーザにより定められた終了位置を得て、前記終了位置として、前記終了位置をマークするステップであり、それによって、前記開始位置と前記終了位置との間の体積が、画像化されることになる前記体積を画定するステップ、
前記画像化されることになる体積に関する、前記ユーザにより定められた開始位置から前記ユーザにより定められた終了位置への前記超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するステップ、及び、
その後の前記体積の超音波イメージングプロセスの間に、前記超音波プローブトラッカーを使用して前記体積に関する前記超音波プローブの移動をモニターし、前記ユーザが前記ガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するステップ、
を含み、
前記ガイダンス指示を決定するステップは、
前記超音波イメージングプロセスの最大許容継続時間を決定するステップ、
前記ユーザにより定められた開始位置と前記ユーザにより定められた終了位置との間の前記超音波プローブに対する経路の距離を決定するステップ、及び、
前記最大許容継続時間及び前記距離に基づき、前記超音波イメージングプロセスの間の前記超音波プローブに対する移動の最小速度を決定するステップ、
を含む、方法。
【請求項3】
前記超音波イメージングプロセスの間に前記超音波プローブの移動をモニターするステップは、
前記ユーザにより定められた開始位置及び前記ユーザにより定められた終了位置のうち1つ以上に対する前記超音波プローブの現在の位置を決定するステップ、
前記超音波イメージングプロセスの間の現在の経過時間を決定するステップ、
前記超音波プローブの現在の位置及び前記現在の経過時間に基づき、前記超音波イメージングプロセスの間の移動の平均速度を決定するステップ、及び、
前記移動の平均速度が前記移動の最小速度以上であるかどうかを決定して、前記ユーザが前記ガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するステップ、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記最大許容継続時間は、
ユーザにより定められた最大継続時間、
被検者により定められた最大継続時間、
前記超音波イメージングシステムによる超音波イメージングプロセスの最大継続時間、並びに、
前記超音波イメージングシステムのフレームレート、及び、前記超音波イメージングシステムによって格納することができる超音波画像の数、
のうち1つ又は複数に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記超音波イメージングプロセスの間にモニターされた前記超音波プローブの移動、前記ユーザにより定められた開始位置、及び前記ユーザにより定められた終了位置に基づき、前記超音波イメージングプロセスの進行状況を決定するステップをさらに含み、任意的に、前記方法は、前記超音波イメージングプロセスの進行状況をユーザに表示するステップをさらに含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記超音波イメージングプロセスの間に前記超音波プローブの移動をモニターするステップは、
前記超音波プローブの現在の位置を決定するステップ、及び
前記ユーザが前記ガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するように、前記現在の位置が前記推奨される移動の経路上にあるかどうかを決定するステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の超音波イメージングシステムのユーザをガイドする方法、及び
前記超音波プローブが前記ユーザにより定められた開始位置から前記ユーザにより定められた終了位置まで動かされるに従い、超音波画像をキャプチャすることを含む超音波イメージングプロセス、
を含む超音波イメージング方法。
【請求項8】
前記超音波プローブが前記ユーザにより定められた開始位置に位置し、前記ユーザにより定められた開始位置も終了位置も得られたときを決定するステップ、及び、
前記超音波プローブが前記ユーザにより定められた開始位置にあり、前記ユーザにより定められた開始位置及び終了位置が得られていると決定することに応答して、前記超音波イメージングプロセスを行うステップ、
をさらに含む、請求項7に記載の超音波イメージング方法。
【請求項9】
前記超音波プローブトラッカーを使用して、前記超音波プローブに対するユーザにより定められた中間位置を得るステップをさらに含み、
前記ガイダンス指示を決定するステップは、前記画像化されることになる体積に関する、前記ユーザにより定められた開始位置から、前記中間位置を通って、前記ユーザにより定められた終了位置までの前記超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するステップをさらに含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
コンピュータプログラムであって、前記プログラムがコンピュータ上で実行されるときに請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法を実施するためのコード手段を含むコンピュータプログラム。
【請求項11】
ハンドヘルドの超音波プローブと、前記超音波プローブの位置を得るように適応した超音波プローブトラッカーとを有する超音波イメージングシステムのための超音波プローブガイダンスシステムであって、
前記超音波プローブトラッカーを使用して、ユーザが前記超音波プローブを置いた位置を決定することによって、前記超音波プローブに対するユーザにより定められた開始位置を得て、前記開始位置として、前記開始位置をマークする、
前記超音波プローブトラッカーを使用して、ユーザが前記超音波プローブを置いた位置を決定することによって、前記超音波プローブに対するユーザにより定められた終了位置を得て、前記終了位置として、前記終了位置をマークし、それによって、前記開始位置と前記終了位置との間の体積が、超音波イメージングが行われることになる体積を画定する、
ように適応した体積画定ユニットと、
前記超音波イメージングが行われることになる体積に関する、前記ユーザにより定められた開始位置から前記ユーザにより定められた終了位置までの前記超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するように適応した決定ユニットと、
その後の超音波イメージングプロセスの間に、前記超音波プローブトラッカーを使用して前記体積に関する前記超音波プローブの移動をモニターし、前記ユーザが前記ガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するように適応したモニターユニットと、
を含み、
決定された前記ガイダンス指示は
、前記超音波イメージングシステムの
制約に基づき
前記画定された体積の三次元超音波画像を改善するように決定された前記超音波プローブの推奨される移動の経路を含む、超音波プローブガイダンスシステム。
【請求項12】
ハンドヘルドの超音波プローブと、前記超音波プローブの位置を得るように適応した超音波プローブトラッカーとを有する超音波イメージングシステムのための超音波プローブガイダンスシステムであって、
前記超音波プローブトラッカーを使用して、ユーザが前記超音波プローブを置いた位置を決定することによって、前記超音波プローブに対するユーザにより定められた開始位置を得て、前記開始位置として、前記開始位置をマークする、
前記超音波プローブトラッカーを使用して、ユーザが前記超音波プローブを置いた位置を決定することによって、前記超音波プローブに対するユーザにより定められた終了位置を得て、前記終了位置として、前記終了位置をマークし、それによって、前記開始位置と前記終了位置との間の体積が、超音波イメージングが行われることになる体積を画定する、
ように適応した体積画定ユニットと、
前記超音波イメージングが行われることになる体積に関する、前記ユーザにより定められた開始位置から前記ユーザにより定められた終了位置までの前記超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するように適応した決定ユニットと、
その後の超音波イメージングプロセスの間に、前記超音波プローブトラッカーを使用して前記体積に関する前記超音波プローブの移動をモニターし、前記ユーザが前記ガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するように適応したモニターユニットと、
を含み、
前記決定ユニットは、
前記超音波イメージングプロセスの最大許容継続時間を決定する、
前記ユーザにより定められた開始位置と前記ユーザにより定められた終了位置との間の経路の距離を決定する、及び、
前記最大許容継続時間及び前記距離に基づき、前記超音波イメージングプロセスの間の前記超音波プローブに対する移動の最小速度を決定する、
ように適応している、超音波プローブガイダンスシステム。
【請求項13】
前記体積画定ユニットは、前記超音波プローブトラッカーを使用して、前記超音波プローブに対するユーザにより定められた中間位置を得るようにさらに適応し、
前記決定ユニットは、画像化されることになる体積に関する、前記ユーザにより定められた開始位置から、前記中間位置を通って、前記ユーザにより定められた終了位置までの前記超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定することによってガイダンス指示を決定するようにさらに適応している、請求項11又は12に記載の超音波プローブガイダンスシステム。
【請求項14】
超音波プローブと、
超音波プローブトラッカーと、
請求項11乃至13のいずれか一項に記載の超音波プローブガイダンスシステムと、
を含む、超音波イメージングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブの分野に関し、特に、超音波プローブをガイドする分野に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波イメージングは、様々な異なる用途においてますます利用されている。超音波イメージングシステムによって生成される画像は、走査されている被検者の現実的な解釈をユーザに与えるように、可能な限り明確かつ正確であるということが重要である。これは、特に、当該被検者が医療用超音波スキャンを受けている患者である場合に当てはまる。この状況では、正確に診断する臨床医の能力は、超音波イメージングシステムによって生成される画像の質に依存する。
【0003】
一部の超音波イメージングシステムは、超音波プローブと、超音波プローブの位置を追跡するように適応した超音波プローブトラッカーとを含む。
【0004】
超音波プローブは、超音波を送信し且つエコー情報を受信するためのCMUTトランスデューサアレイを含んでもよい。或いは、トランスデューサアレイは、PZT又はPVDF等の材料から形成された圧電トランスデューサを含んでもよい。トランスデューサアレイは、3Dイメージングのために3次元又は2D平面で走査する能力を有するトランスデューサの2次元アレイを含んでもよい。別の例において、トランスデューサアレイは、1Dアレイであってもよい。
【0005】
既知の超音波プローブトラッカーは、電磁気又は光学の追跡システム及びトランスデューサベースの追跡システムを含む。
【0006】
三次元(3D)超音波画像を生成する方法が提案されてきた。3D超音波画像は、画像化される体積に対する臨床医の理解を著しく改善することが示されてきた。3D超音波画像をキャプチャするために、超音波プローブは一連の超音波画像をキャプチャし、超音波プローブトラッカーは各画像がキャプチャされる(プローブの)位置を同定する。キャプチャされた画像は、そのそれぞれのキャプチャ位置に基づき積み重ねられ、画像化された体積の3D画像が形成される。
【0007】
特許文献1は、解剖学的ランドマークのユーザレジストレーションに基づき(推奨されるプローブの移動を定めるための)走査パターンが生成される超音波システムを開示している。解剖学的ランドマークは、システムによって促された被検者上の位置にプローブを置くことによってレジストレーションされる。
【0008】
特許文献2は、手動のイメージングプローブを追跡する方法を開示している。イメージングプロセスが追跡され、それによって、イメージングプロセスの間にキャプチャされた連続する画像間の画像化された画像の間隔が最大限度を超えるかどうかが計算される。
【0009】
特許文献3は、超音波プローブがルートから逸脱したかどうかを決定する方法を記載しており、超音波プローブは、そのルートに沿って動くべきである。
【0010】
特許文献4は、超音波プローブが動くことになる方向に関する情報をオペレータが提供する別の超音波イメージング装置を記載している。実際の移動方向と示された移動方向との比較が行われ、ユーザに提示される。
【0011】
特許文献5は、超音波プローブのための示唆された経路を提示する方法を記載している。示唆された経路は、非超音波画像に基づき決定され、ユーザが見るために投影される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】国際公開第2017/182397号(A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0366535号(A1)
【文献】日本国特許出願公開第2014-121434号(A)
【文献】米国特許出願公開第2013/142010号(A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0024030号(A1)
【発明の概要】
【0013】
本発明は、特許請求の範囲によって定められる。
【0014】
本発明の一態様に従った例によると、ある体積の超音波イメージングプロセスの間に超音波イメージングシステムのユーザをガイドする方法が提供され、超音波イメージングシステムは、超音波プローブと、超音波プローブの位置を得るように適応した超音波プローブトラッカーとを含む。当該方法は:超音波プローブトラッカーを使用して、ユーザが超音波プローブを置いた位置を決定することによって、超音波プローブに対するユーザにより定められた開始位置を得て、開始位置として、開始位置をマークするステップ;超音波プローブトラッカーを使用して、ユーザが超音波プローブを置いた位置を決定することによって、超音波プローブに対するユーザにより定められた終了位置を得て、終了位置として、終了位置をマークするステップであって、それによって、開始位置と終了位置との間の体積が、画像化されることになる体積を画定するステップ;画像化されることになる体積に関する、ユーザにより定められた開始位置からユーザにより定められた終了位置への超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するステップ;及び、その後の体積の超音波イメージングプロセスの間に、超音波プローブトラッカーを使用して体積に関する超音波プローブの移動をモニターし、ユーザがガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するステップ;を含む。
【0015】
超音波イメージングプロセスによって可能となる(例えば、一連の2D超音波画像の配置から得られる3D超音波体積又は2Dスティッチ等)超音波再構成の質は、超音波イメージングプロセスを行うユーザの経験又は訓練に大きく依存するということが認識されてきた。特に、質の悪い超音波画像は:不適切な速度で及び/又は不適切な経路上を動くか又は体積全体を画像化するのに十分な超音波プローブの移動を提供することができない超音波プローブから生じることが多くある。
【0016】
従って、第1の(開始)位置と第2の(終了)位置との間で超音波イメージングプロセスを行うためのガイダンス指示にユーザが従っているかどうかを決定する方法が提案される。超音波イメージングが行われることになる関心のある体積又は領域をユーザが定めるように、第1の位置及び第2の位置はユーザによって定められる。
【0017】
開始位置及び終了位置は、超音波イメージングプロセスが行われる前に定められる。従って、開始位置及び終了位置は、超音波イメージングが行われる体積又は領域を画定する。従って、超音波イメージングが行われることになる既知の体積又は領域に基づき超音波イメージングプロセスを特定するための先験的な方法論が提示される。
【0018】
ユーザがガイドされる超音波イメージングプロセスは、超音波画像をキャプチャし、開始位置及び終了位置によって画定された体積の超音波出力を生成する方法であってもよい。超音波出力は、3D超音波画像であってもよい。従って、ガイダンス指示は、ユーザが(ガイダンス指示に従い)超音波イメージングプロセスの間に画像化された体積の改善された3D再構成を生成するように設計することができる。
【0019】
提案される発明は、有利には、超音波イメージングプロセスが行われる前に、超音波プローブの推奨される(例えば最適な)経路、速度、角速度、向き又は角度の変更、及び/又は移動のパターンが生成されるのを可能にする。特に、推奨される移動の特性(所望の速度又は角速度等)は、画像化されることになるユーザにより定められた体積に基づき計算される。これによって、超音波イメージングプロセスへの妨害無しで、超音波プローブに対する適切な移動の迅速な計算及び正確なモニタリングが可能になる。
【0020】
本発明は、超音波イメージングの成功率の改善も確実にし、画像化された体積の再構成の質をより高くしている。
【0021】
超音波プローブは、ハンドヘルド(ポータブル)のプローブであり、関心のある領域上を手動で動かすことができる。
【0022】
ユーザは、(ハンドヘルドの)超音波プローブを使用して開始位置及び終了位置をマークして、画像化のための所望の範囲、領域、又は体積を示すことができる。超音波プローブトラッカーは、(例えば、所定の期間、特定の位置に保持されるか又はボタン押し等のユーザ入力を介して示される等)いつ超音波プローブが開始/終了位置に置かれたかを検出することができる。
【0023】
これによって、ユーザが開始位置及び終了位置を示すためのシンプル且つ直感的な機構が提供される。超音波プローブトラッカー等の既存の装置要素を使用して、ユーザにより定められた開始位置及び終了位置を得ることによって、ユーザ及び/又は超音波イメージングシステムに対する潜在的な複雑さが低減される。
【0024】
超音波イメージングプロセスの開始位置及び終了位置を定めることによって、当該方法は、予め決定されていない体又は被検者の領域(すなわち、未知の体の領域)での使用に適応し得る。このように、画像化されることになる体積の事前知識は、その体積を画像化するためのガイダンス指示を生成するために必要とされることはない。
【0025】
ガイダンス指示を決定するステップは:超音波イメージングプロセスの最大許容継続時間を決定するステップ;ユーザにより定められた開始位置とユーザにより定められた終了位置との間の超音波プローブに対する経路の距離を決定するステップ;及び、最大許容継続時間及び距離に基づき、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブに対する移動の最小速度を決定するステップ;を含んでもよい。
【0026】
それによって、ガイダンス指示は、超音波プローブの移動に対する最小速度を示すことができる。最小速度は、開始位置から終了位置まで超音波プローブを動かすための経路の長さ等、開始位置と終了位置との距離、及び超音波イメージングプロセスのための最大許容継続時間に基づき計算される。
【0027】
開始位置と終了位置との間の経路は、直接経路、ユーザにより定められた体積の三次元超音波画像を最適化するように計算された経路、又は掃引経路(すなわち、開始位置と終了位置との間を繰り返し動く経路)であってもよい。一部の実施形態では、経路は、超音波プローブの角度の変化を表すため、距離は、開始位置におけるプローブの角度と、終了位置におけるプローブの角度との間の角距離である。従って、経路及び距離は、線形、非線形、又は角度によるものであってもよい。
【0028】
ガイダンス指示として最小速度を提供することによって、ユーザのための直感的なガイダンスシステムが提供され、このシステムは、超音波プローブトラッカーによって、及び、方法によるステップによって容易且つすぐに追跡することができる。
【0029】
超音波イメージングプロセスの間に超音波プローブの移動をモニターするステップは:ユーザにより定められた開始位置及びユーザにより定められた終了位置のうち1つ以上に対する超音波プローブの現在の位置を決定するステップ;超音波イメージングプロセスの間の現在の経過時間を決定するステップ;超音波プローブの現在の位置及び現在の経過時間に基づき、超音波イメージングプロセスの間の移動の平均速度を決定するステップ;及び、移動の平均速度が移動の最小速度以上であるかどうかを決定して、ユーザがガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するステップ;を含んでもよい。
【0030】
このように、当該方法は、超音波プローブの平均速度が、超音波プローブに対する移動の最小速度と一致するか、それを超えているか、又はそれを下回っているかどうかをモニターするステップを含んでもよい。これによって、ユーザがガイダンス指示に正しく遵守しているかどうかに関する表示がユーザに提供され得る。特に、ユーザは、最大許容時間内に超音波イメージングプロセスを完了することになるかどうかに関して通知され得る。
【0031】
これは、ユーザがその動きを速くするように促されることを可能にすることによって、不完全な超音波イメージングプロセスが行われることを防ぐのに寄与する。
【0032】
一部の実施形態では、平均速度は、代わりに又はさらに、所望の移動の平均速度、又は、以前の超音波イメージングプロセスの間の移動の速度等、歴史的な移動の平均速度と比較される。所望の移動の平均速度は、超音波イメージングプロセスの特性に基づき決定することができ、例えば、3D超音波イメージングプロセスは、特定の移動の平均速度を好み得る。所望の移動の平均速度近く(又は所望の最大逸脱度(maximum deviance)内)に平均速度を維持することによって、例えば、体積の不均一な空間サンプリングを防ぐことができる。
【0033】
最大許容継続時間は:ユーザにより定められた最大継続時間;被検者により定められた最大継続時間;超音波イメージングシステムによる超音波イメージングプロセスの最大継続時間;並びに、超音波イメージングシステムのフレームレート、及び、超音波イメージングシステムによって格納することができる超音波画像の数;のうちの1つ又は複数に基づいてもよい。
【0034】
このように、(超音波イメージングプロセスが行われる)被検者、(超音波イメージングプロセスを行う)ユーザ、及び/又は超音波イメージングシステムの任意の1つ又は複数の特性を使用して、超音波イメージングプロセスに対する最大許容継続時間を決定することができる。
【0035】
ユーザにより定められた最大継続時間を使用して最大許容継続時間の基礎を置くことは、ガイダンス指示によって示されている速度をユーザが制御するのを可能にする。ユーザにより定められた最大継続時間は、例えば、ユーザの能力、経験、又はポジションに基づき変わってもよい。
【0036】
最大許容継続時間は、例えば、被検者の状態(最大息止め時間等)により制限され得る。これは、超音波イメージングプロセスが、被検者の状態に適するように適応する又は最適化され、さらに、被検者に対するユーザによる不健康又は危険な行為を防ぐのを可能にする。
【0037】
一部の実施形態は、超音波イメージングシステムの特性を使用して、最大許容継続時間を決定する。例えば、超音波イメージングシステムは、特定数の超音波画像又はフレームを格納することが可能であり得る。超音波イメージングシステムが超音波画像を撮影する速度である既知のフレームレートを考慮すると、最大許容時間を容易に計算することができる。それによって、実施形態は、超音波イメージングシステムの不慮の上書き又は不正確な動作を回避することができる。
【0038】
当該方法は、超音波イメージングプロセスの間のモニターされた超音波プローブの移動、ユーザにより定められた開始位置、及びユーザにより定めらえた終了位置に基づき、超音波イメージングプロセスの進行状況を決定するステップをさらに含んでもよい。
【0039】
このように、超音波イメージングプロセスの進行状況が決定され得る。これは、超音波イメージングプロセスの間に、ユーザが超音波プローブを正しく(すなわち推奨されたガイダンスに従って)又は最適に使用しているかどうかに関する評価が行われるのを可能にする。
【0040】
当該方法は、超音波イメージングプロセスの進行状況をユーザに表示するステップをさらに含んでもよい。
【0041】
このように、ユーザは、超音波イメージングプロセスに関するその進行状況に関して通知、助言、又は通告され得る。一部の実施形態では、超音波イメージングプロセスの進行状況は、(例えば、特定の位置によって又は特定の時間に)所望の(例えば最適化された)超音波イメージングプロセスの進行状況と共に表示され、任意の所与の時間にユーザが推奨された/最適化された超音波イメージングプロセスの進行状況に遵守しているかどうかユーザに助言する。
【0042】
一部の実施形態では、ガイダンス指示を決定するステップは、超音波プローブの推奨される移動の経路を決定するステップを含む。
【0043】
このように、当該方法は、ユーザにより定められた開始位置からユーザにより定められた終了位置まで動くときに超音波プローブがとるための経路又は軌道を推奨するステップを含んでもよい。これは、関心のない領域のもしかすると不必要な画像化を回避することによって、改善されたか又は最適化された体積の画像化を可能にし得る。
【0044】
超音波イメージングプロセスの間に超音波プローブの移動をモニターするステップは、超音波プローブの現在の位置を決定するステップ;及び、ユーザがガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するように、現在の位置が推奨された移動の経路上にあるかどうかを決定するステップ;を含んでもよい。
【0045】
このようにして、当該方法は、ユーザが推奨された経路に従っているかどうかをチェックして、ユーザがガイダンスの指示に遵守している又は応じているかどうかをチェックすることができる。一部の例では、不必要な余分な画像のキャプチャを回避するように、ユーザが推奨された経路から逸脱したときに画像のキャプチャは休止され、それによって、メモリ空間が節約され、より効率的なシステムが提供される。
【0046】
本発明の別の態様によると、超音波イメージング方法が提供され、当該方法は:先に記載した超音波イメージングシステムのユーザをガイドする方法;及び、超音波プローブがユーザにより定められた開始位置からユーザにより定められた終了位置まで動かされるに従い超音波画像をキャプチャすることを含む超音波イメージングプロセス;を含む。
【0047】
超音波イメージングプロセスは、それぞれの超音波画像がキャプチャされるときに(超音波プローブトラッカーを使用して)超音波プローブの位置を記録することも含み得る。
【0048】
超音波イメージング方法は:いつ超音波プローブがユーザにより定められた開始位置に位置し、ユーザにより定められた開始位置も終了位置も得られたかを決定するステップ;及び、超音波プローブがユーザにより定められた開始位置にあり、ユーザにより定められた開始位置及び終了位置が得られたことを決定することに応答して、超音波イメージングプロセスを行うステップ;をさらに含んでもよい。
【0049】
このように、当該方法は、超音波プローブが開始位置に置かれたときにのみ、超音波イメージングプロセスの実行を開始することができる。これによって、(ユーザによって定められた)画像化のための所望の体積の境界を越える不必要な画像キャプチャが回避される。これは、不必要な画像が省略されるため、1つの超音波画像又は一連の超音波画像の質及び効率を改善する。
【0050】
超音波イメージング方法は、キャプチャされた超音波画像に基づき、開始位置及び終了位置によって画定された体積の三次元超音波画像を生成するステップをさらに含んでもよい。
【0051】
提案される方法は、三次元超音波画像の質が、開始位置と終了位置との間の超音波プローブの移動に大きく依存するため、三次元超音波画像を生成するために使用される場合に特に有利である。
【0052】
少なくとも1つの実施形態において、当該方法は、超音波プローブトラッカーを使用して、超音波プローブに対するユーザにより定められた中間位置を得るステップをさらに含み、ガイダンス指示を決定するステップは、画像化されることになる体積に関する、ユーザにより定められた開始位置から、中間位置を通って、ユーザにより定められた終了位置までの超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するステップを含む。
【0053】
コード手段を含むコンピュータプログラムが提供されてもよく、当該プログラムがコンピュータ上で実行される場合に、先に記載した任意の方法を実施する。
【0054】
本発明の一態様によると、超音波プローブと、超音波プローブの位置を得るように適応した超音波プローブトラッカーとを有する超音波イメージングシステムのための超音波プローブガイダンスシステムが提供される。当該超音波プローブガイダンスシステムは:超音波プローブトラッカーを使用して、ユーザが超音波プローブを置いた位置を決定することによって、超音波プローブに対するユーザにより定められた開始位置を得て、開始位置として、開始位置をマークする;超音波プローブトラッカーを使用して、ユーザが超音波プローブを置いた位置を決定することによって、超音波プローブに対するユーザにより定められた終了位置を得て、終了位置として、終了位置をマークし、それによって、開始位置と終了位置との間の体積が、超音波イメージングが行われることになる体積を画定する;ように適応した体積画定ユニット;超音波イメージングが行われることになる体積に関する、ユーザにより定められた開始位置からユーザにより定められた終了位置までの超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するように適応した決定ユニット;及び、その後の超音波イメージングプロセスの間に、超音波プローブトラッカーを使用して体積に関する超音波プローブの移動をモニターし、ユーザがガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するように適応したモニターユニット;を含む。
【0055】
決定ユニットは:超音波イメージングプロセスの最大許容継続時間を決定する;ユーザにより定められた開始位置とユーザにより定められた終了位置との間の経路の距離を決定する;及び、最大許容継続時間及び距離に基づき、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブに対する移動の最小速度を決定する;ように適応してもよい。
【0056】
体積画定ユニットは、超音波プローブトラッカーを使用して、超音波プローブに対するユーザにより定められた中間位置を得るようにさらに適応してもよく;決定ユニットは、画像化されることになる体積に関する、ユーザにより定められた開始位置から、中間位置を通って、ユーザにより定められた終了位置までの超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定することによってガイダンス指示を決定するように適応してもよい。
【0057】
超音波プローブ;超音波プローブトラッカー;及び、先に記載された超音波プローブガイダンスシステム;を含む超音波イメージングシステムも提案される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明の例が、次に、付随の図面を参照して詳細に記載される。
【
図1】超音波イメージングプロセスを受ける第1の被検者を示した図である。
【
図3】超音波イメージングプロセスを受ける第2の被検者を示した図である。
【
図4】被検者の体積を画定する開始位置及び終了位置を概念的に例示した図である。
【
図5】超音波イメージングプロセスを受ける第3の被検者を例示した図である。
【
図6】被検者の体積を画定する開始位置及び終了位置を概念的に例示した図である。
【
図7】超音波イメージングプロセスを受ける第4の被検者を例示した図である。
【
図8】一実施形態による超音波イメージング方法の流れ図である。
【
図9】一実施形態による超音波イメージングシステムを例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明は、超音波イメージングシステムのための超音波ガイダンス方法を提供し、この方法では、ユーザにより定められた開始位置及び終了位置が、画像化されることになる体積を画定する。それによって、画定された体積上で行われる超音波プロセスのためのガイダンス指示が生成され、イメージングプロセスの間の超音波プローブの移動をガイドするのに寄与し得る。超音波プローブの移動は、超音波プローブトラッカーを使用してモニターされ、ユーザがガイダンス指示に遵守しているということが確実にされる。
【0060】
複数の実施形態は、超音波イメージングプロセスを受ける体積が、超音波イメージングプロセスが行われる前に画定され得るという認識に少なくとも部分的に基づく。特に、超音波イメージングプロセスに対する開始位置及び終了位置を得ることによって、体積を画定することができる。それによって、この予め画定された体積内で画像を得るためのガイダンス指示は、どのようにして超音波イメージングプロセスが、最良の利点のために(例えば最適に)実行されるべきかに関してユーザに指示するために生成され得る。
【0061】
例示的な実施形態は、例えば、臨床的な超音波環境において利用され得る。複数の実施形態は、画像の質が超音波イメージングプロセスのキャプチャ特性(例えば、速度、2D画像の数、及び2D画像の分布等)に大きく依存する3D超音波イメージングプロセスに利用される場合に特に有用である。
【0062】
本発明は、追跡される超音波プローブを使用して超音波取得プロセスを行っているユーザを支援するガイダンスシステムに関する。1つの目的は、体積の超音波イメージングに基づく良好な質の(3D)超音波画像を再構成するために、取得の速度、ペース、又は方向性を最適化するのに寄与することである。ガイダンスシステムは、ユーザ及びシステムに基づく制約を統合し、リアルタイムのフィードバックをユーザに提供することができる。
【0063】
図1は、超音波イメージングシステム2によって行われる超音波イメージングプロセスを受けている第1の被検者1を例示している。
【0064】
超音波イメージングシステム2は、超音波プローブ5と、超音波プローブトラッカー6とを含む。超音波プローブ5は、関心のある領域にわたってユーザによって手動で移動可能なハンドヘルドのポータブルプローブを含む。超音波プローブトラッカー6は、電磁追跡されるプローブ等、任意の既知の超音波プローブトラッカーを含む。
【0065】
超音波イメージングシステム2によって行われる超音波イメージングプロセスは、超音波プローブ5を介して、第1の被検者1の体積3の少なくとも1つの超音波画像を得ることを含む。超音波イメージングプロセスは、三次元超音波画像等、画像化される体積3の超音波出力を得ることをさらに含んでもよい。後に説明するように、体積3は、超音波プローブ5のユーザによって定められる。
【0066】
特に、超音波イメージングシステムは、超音波プローブ5が体積2に関して被検者1の上で動かされるに従い、複数の超音波画像(例えば、二次元超音波画像等)をキャプチャする。これらの複数の画像は、(超音波プローブトラッカーによって捕捉された位置関係に基づき)積み重ねられて三次元画像を生成するか、一連の画像として提示されるか、又は共にスティッチ/合成されて、より大きな二次元画像を生成することができる。
【0067】
本発明は、超音波イメージングプロセスによって生成された一連の二次元超音波画像から(再)構成された三次元画像又はスティッチされた2D画像の質が、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブ5の移動の特性による影響を受けるということを認識する。特に、移動の速度、経路、又はパターンは、1つの画像又は一連の画像の質に影響を及ぼす。
【0068】
例として、三次元超音波画像を調製するために複数の超音波画像をキャプチャしながら超音波プローブがあまりにも速く動かされる場合、キャプチャされた超音波画像は、互いに遠く離れ過ぎていて、効果的に積み重ねることができない。特に、超音波イメージングプロセスは、そのように遠く離れた2つの画像間の体積の構造を正確に補間又は予測することができない場合がある。従って、生成される三次元画像は、ずさんであり得るか、不正確であり得るか、又は欠落した情報若しくは構造的特徴を含み得る。
【0069】
医療環境では、超音波イメージングシステム2のユーザは、典型的には、(ヒト又は動物の)患者等の被検者又は対象に対して超音波イメージングプロセスを行う臨床医である。複数の実施形態は、体積の正確且つ完全な画像化の重要性が増しているため、医学的状況において特に有利である。体積を予め決定する概念は、関心のある領域が予め決定されることも可能にする。しかし、非破壊の検査等の超音波イメージングプロセスを使用する他の環境も考慮される。
【0070】
本発明は、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブの間違った又は推奨されない(例えば、最適ではない)移動を回避するように、超音波プローブの移動をガイドする方法を提案する。従って、超音波イメージングプロセスの出力の質は、著しく増加され得る。超音波イメージングシステムのユーザをガイドすることが超音波プローブの移動をガイドすることを含み、その逆も同様であるように、超音波プローブは、画像化を行うユーザによって動かされてもよい。
【0071】
超音波イメージングシステム2のユーザをガイドする方法が、
図1も
図2も参照して記載される。
図2は、一実施形態による方法10の流れ図である。
【0072】
方法10は、超音波プローブ5に対するユーザにより定められた開始位置7を得るステップ11を含む。好ましくは、ステップ11は、超音波プローブ5が置かれた位置7を決定するステップを含む。従って、ユーザは、超音波プローブ5を使用して、開始位置7の位置をマークすることができる。
【0073】
方法10は、超音波プローブ5に対するユーザにより定められた終了位置8を得るステップ12も含む。同様に、ステップ12は、終了位置として超音波プローブ5が置かれた位置8を決定するステップを含んでもよい。従って、ユーザは、超音波プローブ5を使用して、終了位置8の位置をマークすることができる。
【0074】
それによって、開始位置7及び終了位置8は、超音波イメージングプロセスの間に画像化されることになる体積3を共に画定する。体積3は、開始位置7から終了位置8に及び得る。
【0075】
方法10は、画像化されることになる体積に関する超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するステップ13をさらに含む。例として、ガイダンス指示は、開始位置から終了位置まで動く場合の、超音波イメージングプロセスの間の最適化された、好ましい、又は推奨された超音波プローブの移動の速度、継続時間、経路9、及び/又はパターンを示すことができる。
【0076】
ステップ13は、例えば、開始/終了位置7、8の特性、体積3の特性、超音波イメージングプロセスの特性、及び/又は超音波イメージングシステム2の特性に基づき、推奨される超音波プローブの移動を決定することができる。複数の例が、以下において詳細に記載される。
【0077】
それによって、ガイダンス指示を生成するステップ13は、少なくとも開始位置及び終了位置によって画定される体積の特性、並びに、超音波イメージングシステムの特性又は制約に少なくとも基づきガイダンス指示を生成するステップを含んでもよい。
【0078】
最適化は、例えば、以下の:(例えば、既知の最大継続時間及び/又は超音波イメージングプロセスの移動制限に関して)超音波イメージングプロセスの間に画像化される体積を最大化すること;超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブの移動を最小化すること;超音波イメージングプロセスの時間を最小化すること;(例えば、正確な画像化を維持しながら)超音波画像プロセスの間に撮影される画像の数を最小化すること;(例えば、体積が既知の時間内に画像化されるということを確実にしながら)超音波画像プロセスの間に撮影される画像の数を最大化すること、及び体積の所定の部分を超える部分が画像化されるということを確実にしながら、超音波イメージングプロセスの間の移動又は超音波イメージングプロセスの時間を最小化すること;のいずれか1つであってもよい。
【0079】
ガイダンス指示は、(例えば、表示スクリーン、視覚的プロンプト、プリントアウト、オーディオ表示、オーディオ指示、及び触覚フィードバック等を使用して)ユーザに表示、提供、又さもなければ示されてもよい。ガイダンス指示は、超音波イメージングプロセスに先立ち及び/又はその間に提供されてもよい。
【0080】
方法10は、超音波プローブトラッカーを使用して超音波イメージングプロセスの間に超音波プローブ5の移動をモニターするステップ14をさらに含む。それによって、当該方法は、ユーザがガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定することができる。
【0081】
例として、ガイダンス指示が好ましい移動の速度を示している場合、超音波プローブの速度をモニターして、それが好ましい移動の速度と一致しているか又は好ましい移動の速度あたりの所定の限度又は範囲内にあるかどうかを決定することができる。これは、規則的な移動の速度を確実にすることに寄与し、さらに、画像化される体積の不均一な空間サンプリングを防ぐ。これに関連してさらなる例が以下において記載される。
【0082】
好ましくは、超音波プローブの移動をモニターするステップ14は、超音波イメージングプロセスの進行状況、及び特に超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブの移動の進行状況を決定するステップを含む。この決定は、少なくとも、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブの開始位置、終了位置、及び現在の位置(又はモニターされる移動)に基づいてもよい。
【0083】
進行状況は、超音波イメージングプロセスにおける超音波プローブの移動に関して、どのくらいまで超音波プローブが進んでいるかを表す。これは、例えば、超音波イメージングプロセスにおいて超音波プローブの移動を完了するために必要な(超音波プローブ移動の)予測される距離又は時間を示すことができる。進行状況は、例えば、1つ又は複数の視覚的、オーディオ的、又は触覚的な出力を使用して、超音波イメージングシステムのユーザに示されてもよい。
【0084】
ステップ14は、好ましくは、超音波イメージングプロセスの進行状況が、予測される超音波イメージングプロセスの進行状況と一致しているか又は予測される超音波イメージングプロセスの進行状況あたりの所定の限度内にあるかどうかを決定するステップを含む。所定の範囲は、例えば、予測される進行状況の±1%又は±5%であってもよい。
【0085】
予測される進行状況は、ガイダンスの指示に基づき計算される。特に、予測される進行状況は、ユーザがガイダンス指示に遵守した場合に、超音波イメージングプロセスにおいて超音波プローブの移動を完了するために残っている予測される時間/距離を表し得る。
【0086】
例として、ガイダンス指示が推奨される速度を含む場合、超音波プローブが(推奨される速度に遵守している場合に)開始位置から又は終了位置に向かって、特定の時点においてどのくらい遠くまで動いたはずだということを容易に予測することができる。それによって、予測される距離は、超音波プローブ移動の予測される進行状況を表し得る。予測される距離は、例えば、現在の位置と開始位置との距離を決定することによって計算される測定された移動の距離と比較されて、ユーザが超音波プローブの予想又は予測される進行状況を満たしているか又はそれに遵守しているかどうかが決定されてもよい。
【0087】
例えば、進行状況が所望の又は予測される進行状況から遅れたとき、又は、ユーザがガイダンス指示に遵守し損なうときを示す視覚的な警告等、1つ又は複数の視覚的、オーディオ的、又は触覚的な出力を使用して、予測される進行状況又はガイダンス指示への超音波プローブの遵守は、超音波イメージングシステムのユーザに示され得る。
【0088】
一部の実施形態では、(ガイダンス指示に従った)予測されるユーザの進行状況も実際のユーザの進行状況も、例えば、それぞれのプログレスバーを使用して、ユーザに視覚的に表示することができる。これは、システムによって決定されるように、ユーザがガイダンス指示に遵守しているかどうか、及び、例えば移動を速める等、ガイダンス指示に遵守するように、どのようにしてユーザが超音波プローブの移動を調整することができるかを、ユーザが容易に且つ直感的に理解するのを可能にし得る。
【0089】
従って、提案される発明は、最適な又は改善されたユーザにより定められた体積のイメージングを可能にするために、ユーザにより定められた被検者の体積に対するガイダンス指示を決定する概念を提供する。(例えば、画像化されることになる体積のサイズ、形状、又は組成等)イメージングプロセスの境界が予め決定され得るため、ユーザにより定められた体積の使用は、ガイダンス指示が高い精度で計算されることを可能にする。
【0090】
開始位置及び終了位置を得るステップ11、12は、好ましくは、ユーザ動作に基づき開始位置及び/又は終了位置を得るステップを含む。
【0091】
例えば、ユーザは、所定の期間にわたって特定の位置に超音波プローブ5を置くことによって、又は、ある位置に超音波プローブを置き、さらに、(例えばボタンを押す等)ユーザ入力を提供して上記の位置をマークすることによって、開始位置及び/又は終了位置をマークすることができる。このように、ユーザは、体積に対する開始位置及び終了位置を同定することができる。ユーザ入力を使用することによって、開始/終了位置がユーザによって明示的に同定されたということがより確実になり、より直感的に操作できる場合がある。所定の期間を使用することによって、超音波イメージングシステムのシンプルさが増し、より少ないユーザ入力が必要とされる。
【0092】
ステップ11、12は、開始位置及び/又は終了位置が得られたとき(例えば、ユーザが開始/終了位置をマークするとき)に、オーディオ的、視覚的、又は触覚的な出力を出力するステップを含んでもよい。例えば、(ユーザによって保持される)超音波プローブは、開始/終了位置がうまくマークされ、記録され、又は取得されたときに、ビープ音又は振動を発し得る。
【0093】
CT又はMRIスキャン等の患者の体のスキャンから得られる、被検者のシミュレーション上の位置を(例えば、ユーザインターフェースを介して)マークする、又は、(例えば、以前の超音波イメージングプロセスから)歴史的又はデフォルトの開始/終了位置を得る等、開始位置及び/又は終了位置を得る他の方法が当業者には明らかになる。
【0094】
以下に記載される第1のシナリオでは、決定されたガイダンス指示は、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブの移動に対する推奨される(例えば、最適化された)速度(掃引速度とも呼ばれる)を含む。
【0095】
関心のある1つの制約は、イメージングプロセスを行うために許可される最大時間である。これは、超音波イメージングプロセスの最大許容継続時間であってもよい。最大時間又は最大許容継続時間は、例えば、格納上の制約、処理能力、手続き効率、推奨される手順、又は(例えば、限られた予約時間等の被検者の制限による)画像化のための許容された時間により得る。
【0096】
特に、超音波イメージングプロセスを行うための最大時間又は最大許容継続時間は:ユーザにより定められた最大継続時間;被検者により定められた最大継続時間;超音波イメージングシステムによる超音波イメージングプロセスの最大継続時間;並びに、超音波イメージングシステムのフレームレート、及び超音波イメージングシステムによって格納され得る超音波画像の数;(の例えば最低値等)に基づき定められてもよい。
【0097】
一例では、超音波イメージングシステムの画像キャプチャレートも記憶容量(すなわち、格納することができる画像の最大数)も既知である場合、超音波イメージングプロセスを行うための最大時間は、格納することができる画像の数を画像キャプチャレートによって割ることによって容易に決定可能である。高画質の画像がより多くの格納スペースを占有するため、最大時間又は継続時間は、選択された画像キャプチャレート又は画質に応じて変わり得る。
【0098】
別の例では、被検者が患者である場合、最大許容継続時間は、患者が息を止めることができるか又は安全に画像化されることができる期間の長さであってもよい。このようにして、最大許容継続時間は、被検者又はユーザによって定められてもよい。
【0099】
体積は、超音波プローブが超音波イメージングプロセスの間に動かされることになる距離を画定することができる。この距離は、直線又は自然曲線等、予測される超音波プローブの経路の距離、(以下において具体化される)推奨される経路9の距離、及び/又は角距離であってもよい。シンプルな例では、距離は、開始位置7と終了位置8とを直接接続する経路9の距離として画定されてもよい。
【0100】
超音波プローブの移動に対する推奨される速度(vo)は、以下:
【0101】
【数1】
のように、超音波イメージングプロセスを行うために許可される最大時間(t
m)によって体積3により画定される距離(d
v)を割ることによって決定されてもよい。
【0102】
このように、ユーザにより定められた開始位置からユーザにより定められた終了位置まで体積は画像化されるということを確実にしながら、推奨される速度voは、超音波プローブを動かすことができる最小速度を表してもよい。これは、体積の画像化を改善し、それによって、超音波出力の精度を改善する。
【0103】
別の例では、推奨される速度voは、超音波イメージングシステムの画像キャプチャレートに基づき決定されてもよい。一部の例では、画像キャプチャレートが速いほど、超音波プローブを画像化の間に速く動かすことができる。
【0104】
説明として、一貫した速度で動く超音波プローブに対して、キャプチャされる画像は、低いキャプチャレートよりも高いキャプチャレートを有する超音波イメージングシステムに対して互いにより近接しているということに留意されたい。このように、異なるキャプチャレートを有するシステムの超音波プローブは、異なる速度で動かれ、依然として同じ画像をキャプチャし得る。
【0105】
このように、画像キャプチャレートに基づき推奨される速度を決定するステップは、超音波プローブに対してより効率的な速度を提供し、余分な画像のキャプチャを減らす。従って、超音波イメージングプロセスを行うのにかかる時間も減らすことができる。
【0106】
異なる超音波画像間の必要な分離又は距離は、3D超音波画像再構成方法、所望の画像解像度、臨床医のガイドライン、又はユーザの入力等、既知の原理に従って決定されてもよい。それによって、推奨される速度vo(単位m/s)は、例えば以下:
【0107】
【数2】
のように、超音波画像システムの異なる超音波画像間の必要な分離d
s(単位m)及び画像キャプチャレートi
c(1秒あたりの画像)に基づき決定されてもよい。
【0108】
推奨される速度voは、画像化される体積の所望の空間分解能に依存し得る。所望の空間分解能が大きいほど、推奨される速度は低くなる。そのような実施形態は、体積の3D超音波画像の空間分解能が、体積内でキャプチャされる2D画像の数に依存するため、3D超音波イメージングプロセスにとって特に有利である。従って、超音波プローブの速度が低いほど、体積の画像がより多くキャプチャされ、生成される3D超音波画像の空間分解能はより大きくなる。例えば、超音波イメージングシステム装置に応じて変わり得る、所望の空間分解能とその分解能に対する推奨される速度との間のマッピングが存在してもよい。そのような実施形態は、より正確な超音波イメージングプロセスを可能にする。
【0109】
さらに別の実施形態では、推奨される速度voは、ユーザ又は被検者の特性に依存し得る。複数の実施形態では、超音波画像システム及び/又は超音波イメージングプロセスは、ゲート収集方法に従って動作してもよい。推奨される速度は、ゲート収集プロセスのゲーティングレートに基づき決定されてもよい。
【0110】
ゲーティングレートは、(例えば心臓周期速度等の)心拍、呼吸運動、又は筋肉運動等、被検者の周期的な運動を表す。例として、ゲーティングレートは、キャプチャされる画像又はフレームが被検者の周期的な運動によって中断されることになる周波数を示すことができる。ゲーティング期間は、キャプチャすることができるフレームの数又は被検者の周期的な運動間の期間を表すことができる。
【0111】
超音波出力を生成するためのキャプチャされる画像は、ゲーティングレートに基づき選択されて、それによって、被検者の(不随意の)周期的な運動が超音波出力に影響を及ぼすのを軽減することができるということが正しく理解されることになる。
【0112】
第1のシナリオでは、ゲーティングレートに基づく画像の選択は、画像がキャプチャされている間に行われる。画像は、例えば、被検者の周期的な運動に重なる又はそれを回避するために、ゲーティング期間の一部のみに対してキャプチャされてもよい。従って、画像は、画像キャプチャレートで連続的にキャプチャされなくてもよいが、正しくは、各ゲーティング期間の所定の期間又はフレーム数のみキャプチャされ得る。
【0113】
第2のシナリオでは、ゲーティングレートに基づく画像の選択は、出力を生成するために画像が選択されるに従い行われる。従って、画像は、超音波イメージングプロセスの間に連続的にキャプチャされ得るが、各ゲーティング期間の所定の期間又はフレーム数の間にキャプチャされる画像のみが、超音波出力を生成するために選択される。
【0114】
いずれにしても、推奨される速度voは、ゲーティングレート又はゲーティング期間に依存し得る。例えば、選択されるか又はキャプチャされる画像が周期的な運動と重なることが所望される場合、より高い周波数又はより小さな距離で画像を選択することができるため、ゲーティングレートが高いほど、推奨される速度voは大きくなる。選択されるか又はキャプチャされる画像が周期的な運動を回避することが所望される場合、より多くの数の関連する画像が、異なる周期的な運動間にキャプチャされ得るため、ゲーティングレートが低いほど、推奨される速度voは大きくなる。
【0115】
そのような実施形態は、推奨される速度を決定する精度を改善し、さらに、超音波イメージングプロセスの超音波出力の精度を改善する。
【0116】
推奨される速度を選択することは、(精度の改善のために)最低、(効率の改善のために)最高、又は(最良の妥協点として)平均の決定された推奨される速度を選択して、2つ以上の上記の方法を使用してもよい。
【0117】
超音波プローブの移動がガイダンス指示に遵守しているかどうかをモニターするステップ14は、超音波プローブの移動が、決定された推奨される超音波プローブの移動に一致しているか又はその許容可能な限度内にあるかどうかを決定することができる。
【0118】
例として、超音波プローブトラッカー6は、超音波プローブ5の速度を追跡して、実際の移動の速度vaが推奨される速度voに一致するか又は対応するかどうかを決定することができる。
【0119】
超音波プローブトラッカー6は、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブの現在の実際の速度、平均速度、又は移動平均速度が、推奨される速度の所定の範囲内にあるかどうかを決定することができる。所定の範囲は、例えば、推奨される速度voの±1%又は±5%であってもよい。定期的な離れた距離で画像がキャプチャされるということを確実にするために、超音波イメージングプロセスの間に一貫した速度を維持することが好ましい。これによって、超音波出力におけるエラーが減る。
【0120】
超音波プローブの平均速度は、超音波イメージングプロセスを始めてから(開始位置から)の時間の長さ、及び、(超音波プローブトラッカーを使用した)超音波プローブの開始位置と現在の位置との距離を測定することによって計算することができる。距離を時間の長さで割って、速度を決定することができる。速度を計算する他の方法が、(例えば、所定の期間内の移動の量を測定することによって等)当業者には容易に明らかになる。
【0121】
方法10は、ガイダンス指示への超音波プローブの遵守の指標を提供するステップをさらに含んでもよい。これは、例えば、ユーザに対するオーディオ的、視覚的、又は触覚的な出力の形態であってもよい。
【0122】
例えば、超音波プローブの(平均)速度が遅すぎるということを赤色の光が示すことができ、超音波プローブの(平均)速度が許容可能な範囲内にあるということを緑色の光が示すことができ、超音波プローブの(平均)速度が速すぎるということを青色の光が示すことができる。ユーザに指標を提供する他の実施形態が、当業者には容易に明らかになる。
【0123】
推奨される速度で超音波プローブを動かすことをユーザに促し、推奨される速度を満たし損ねているとユーザに警告することによって、体積の不均一な空間サンプリングを回避することができる。これは、著しく画質を改善し、超音波画像の均一な空間分離を提供する。
【0124】
他の例では、不必要な又は有用でない超音波画像がキャプチャされるのを防ぎ、それによって、より効率的なシステムを提供するように、超音波プローブがガイダンス指示に遵守しない間に、画像キャプチャプロセスを休止させることができる。
【0125】
図3を参照して記載されることになる以下に記載される第2のシナリオでは、決定されたガイダンス指示は、超音波画像プロセスの間の推奨される超音波プローブ5の移動の経路を含む。
【0126】
図3は、超音波イメージングシステム22によって行われる超音波イメージングプロセスを受けている第2の被検者21の平面図を例示している。超音波イメージングシステムは、超音波プローブ25及び超音波プローブトラッカー26を含み、これらは、先に記載したように具体化されてもよい。
【0127】
開始位置27と終了位置28との間で、画像化されることになる体積23が画定されている。各位置は、それぞれの平面及び/又は方向に関連していてもよい。すなわち、各位置は、超音波イメージングプロセスの間に画像化されることになる体積23の面又は境界を示すことができる。
【0128】
開始/終了位置に関連している方向は、例えば、開始/終了位置が得られるときに、ユーザが超音波プローブを特定の方向にねじることによって定めることができる。
【0129】
開始位置27は、超音波プロセスの第1の超音波画像がキャプチャされることになる平面を示し、終了位置28は、超音波プロセスの最終の超音波画像がキャプチャされることになる平面を示してもよい。
【0130】
開始位置27及び終了位置28はそれぞれ、長さ、幅、高さ、及び/又は深さに関連してもよい。すなわち、開始/終了位置に関連している平面は有限で、特定の境界を有し得る。開始/終了位置の特性は、超音波イメージングシステムの特性によって定められてもよい。例えば、開始位置に関連している平面の長さLSは、超音波画像内にキャプチャされ得る被検者21の表面を表してもよい。(被検者内への)その平面の深さ及び/又は形状は、超音波イメージングシステムの画像化キャプチャ能力によって画定されてもよい。
【0131】
体積は、開始位置27に関連している平面と、終了位置28に関連している平面との間に位置する、例えば、その間に位置する全ての物質を含む等、空間又は物質を含んでもよい。体積23は、規則的/立方形又は不規則的/非立方形であってもよい。
【0132】
このように、体積23は、開始平面及び終了平面の位置、方向、角度、サイズ、形状、範囲、及び/又は状態によって画定することができる。開始平面及び終了平面はそれぞれ、超音波プローブに対する開始位置及び終了位置を表す。開始平面及び終了平面のそれぞれの1つ又は複数の特性は、ユーザによって定めることができる。
【0133】
ガイダンス指示を生成するステップ13は、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブに対する推奨される経路29を生成又は決定するステップを含んでもよい。
【0134】
推奨される経路29は、超音波イメージングプロセスの間に開始位置27から終了位置28まで超音波プローブ25によって取られることになる好ましい経路又は計画された軌道を表す。推奨される経路の1つの目的は、(例えば、画質、体積サイズ、及び全体的な超音波画像出力サイズ等に関した)体積の効率的、完全、又は正確な超音波イメージングを提供することであってもよい。
【0135】
それによって、推奨される経路29は、超音波イメージングプロセスの間に超音波プローブによって取られることになる被検者の表面に沿った経路を表すことができる。体積23を画像化するために、超音波画像は、プローブが被検者の表面に沿って動かされるに従い、超音波イメージングシステムによって撮影される。
【0136】
一例では、推奨される経路29は、体積23のうち可能な限り最大の量を超音波イメージングプロセスの間に画像化することができるように選択され得る。これは、超音波プローブの移動の最適化された平均又は歴史的速度、及び/又は、画像がキャプチャされ得る最大時間を考慮することができる。一部の例において、推奨される経路は、体積のうち可能な限り最大の量が超音波プローブ25の単一の移動又は掃引内で画像化され得るように選択される。他の例では、推奨される経路は、体積のうち所定の部分(例えば、80%等)を超える量を依然として画像化しながら、超音波プローブの最小の移動を提供するように選択される。
【0137】
推奨される経路は、(例えば、推奨される経路に従う場合、超音波プローブが超音波イメージングプロセスの間に鋭角又は突然に曲がらないように)並進運動の最大角度を有するように制限されてもよい。この運動の最大角度は、約90°又は約45°であり得る。推奨される経路は、この制限に遵守しながら体積23の最大量を画像化するルートであってもよい。
【0138】
推奨される経路29は、非線形であってもよく、又さもなければ、例えば、開始/終了位置27、28に関連している平面が非平行である場合には、超音波プローブの角度の変更を推奨してもよい。推奨される経路は、開始位置27における平面と終了位置29における平面との間の方向の差又は回転の量も考慮に入れることができる。
【0139】
推奨される経路29は、一部の実施形態において、ジグザグする、蛇行する、それ自体で戻る、又は開始位置と終了位置との間を2回以上通過することができる。これは、体積のうちより広い領域が高い精度で画像化されることを可能にし得る。
【0140】
開始位置(又は平面)と終了位置(又は平面)との間の超音波プローブに対する推奨される経路又は計画された軌道を決定する他の方法は、当業者には明らかになる。
【0141】
一部の実施形態では、推奨される経路の指標を提供するために、計画された軌道の視覚的表示がユーザに提供される。任意的に、視覚的表示は、超音波イメージングプロセスの進行状況を示すために、画像取得の間の特定又は現在の時間にプローブが存在することが予想される箇所及び/又はプローブの現在の位置の視覚的なオーバーレイを提供する。加えて、ガイダンス指示は、計画された軌道又は推奨される経路まで(戻るよう)ユーザをガイドするために、方向性のオーディオ的/視覚的なガイダンスをユーザに提供するために使用することができる。これは、例えば、さらに左に進むこと、さらに右に進むこと、及び超音波プローブの角度を調整すること等をユーザに助言することを含み得る。
【0142】
このように、超音波プローブの位置を同定及び使用して、ユーザがガイダンス指示に遵守しているかどうか決定することができる。特に、ユーザが推奨される経路29に従っているかどうかに関して決定を行うことができる。
【0143】
開始位置27及び終了位置28が特定の平面に関連しているという概念のより完全な理解が、
図4を参照して理解され得る。
【0144】
図4は、被検者31を概念的に例示しており、開始位置37A及び終了位置38Bがユーザによって定められている。
【0145】
開始位置37Aは、開始平面37Bに関連している。開始平面37Bは、超音波イメージングプロセスの第1の超音波画像がキャプチャされることになる平面を表している。同様に、終了位置38Aは、超音波イメージングプロセスの最後又は最終の超音波画像がキャプチャされることになる平面を表している終了平面38Bに関連している。
【0146】
開始/終了位置37A、37Bが、超音波プローブを使用して得られた場合、開始平面37B及び/又は終了平面38Bの向きは、開始/終了平面が得られたときの超音波プローブ25の向きに依存し得る。それによって、超音波プローブトラッカー26は、超音波プローブの向きを決定するように適応することができる。
【0147】
開始平面37B及び終了平面38Bは、互いに対して回転されてもよく又は異なる方向に向けられてもよい。従って、2つの平面間に位置する体積(図示せず)は、不規則であっても、又さもなければ非立方体、例えば、円筒の一部であってもよい。
【0148】
それによって、超音波プローブの移動に対する推奨される経路39は、非線形であってもよい。特に、推奨される経路は、超音波イメージングプロセスにおける移動の間に、超音波プローブに開始平面37Bの向きから終了平面38Bの向きまで回転させてもよい。
【0149】
一般的に言えば、推奨される経路39は、超音波プローブに対する推奨されるか又は好ましいルートであり、このルートが取られた場合、超音波プローブの画像化領域(すなわち、画像が超音波イメージングシステムによって撮影される現在の平面)を、開始位置によって定められた平面から終了位置によって定められた平面まで動かす。
【0150】
一部の実施形態では、ガイダンス指示は、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブに対する推奨される速度に関する情報も推奨される経路に関する情報も含む。最適な移動の速度は、推奨される経路29、39(例えば、それに沿った距離等)に依存し得る。それによって、推奨される速度は経路に沿って変わってもよく、例えば、経路におけるより早い時点では、最適な速度は第1の値であってもよく、経路におけるより遅い時点では、最適な速度は、第2の異なる値であってもよい。
【0151】
これによって、ガイダンス指示がより設定可能であることが可能となり、例えば、画像化されることになる体積における特定の関心のある領域のより正確な画像化が可能となり得る。
【0152】
一実施形態では、推奨される経路の中心に向かう最適な速度は、推奨される経路の終了又は開始に向かう最適な速度より遅くてもよい。これによって、(より関心のある領域を表すことがある)体積の中心部分に向かうより正確な画像化が可能となり得る。関心のある領域は、例えば、超音波イメージングプロセスを行うに先立ち、超音波プローブを用いて特定の関心のある領域を示すか又はマークする等、別の方法でユーザによって定められてもよい。
【0153】
先に同定したように、超音波イメージングプロセスの間に超音波プローブをモニターするステップは、推奨される経路29、39に沿った超音波プローブの進行状況を決定するステップを含んでもよい。
【0154】
一例では、超音波プローブをモニターするステップは、推奨される経路に沿ってどのくらい遠くに超音波プローブがあるか(例えば、推奨される経路に関する開始/終了位置からの相対距離等)を決定することができる。この距離は、超音波プローブの現在の進行状況を表し得る。
【0155】
第2の例では、超音波プローブをモニターするステップは、超音波イメージングプロセスを完了するための予測される残りの時間を決定するステップを含む。これは、推奨される経路に沿った残りの距離を決定し、超音波プローブの平均速度を掛けることによって計算することができる。
【0156】
この進行状況は、例えば、任意の既知の視覚的、オーディオ的、又は触覚的な出力(ディスプレイ、スピーカー、又は振動装置等)を使用して、ユーザに表示するか又は示すことができる。
【0157】
推奨される経路29に沿った進行状況は、超音波プローブの予測される進行状況と比較されてもよい。予測される進行状況は、ユーザがガイダンス指示に遵守した場合の、超音波イメージングプロセスを完了するための残りの時間/距離を示す。
【0158】
一例において、推奨される速度で動く超音波プローブが、推奨される経路29に沿って開始位置27からどのくらい遠くに位置するはずであるかを決定することによって、予測される進行状況を計算することができる。
【0159】
第2の例では、予測される進行状況は、予測された経路に沿って推奨される速度で動く超音波プローブが、超音波イメージングプロセスを完了するためにどのくらいの時間が残っているはずであるかを決定することによって計算される。
【0160】
推奨される経路29に沿った予測される進行状況及び推奨される経路に沿った(実際の)進行状況は、先に記載した任意の方法を使用してユーザに表示され得るか又は示され得る。
【0161】
超音波画像プロセスの予測される進行状況と(実際の)進行状況とを比較して、ユーザがガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定することができる。予測される進行状況が(実際の)進行状況を下回る場合、警告が生成されてもよい。これは、視覚的、オーディオ的、又は触覚的な出力の形態でユーザに示すことができる。特に、ユーザは、(例えば、移動を速める等)どのようにしてガイダンス指示を満たすことができるかに関して助言されてもよい。
【0162】
図1を参照して記載されるもの等、シンプルな実施形態では、推奨される経路は、開始位置から第2位置までの直接又は最短の経路によって置き換えられてもよい。このように、推奨される経路は、一部の実施形態において、直線であってもよい。
【0163】
これは、モニターするステップ14の間の超音波プローブの進行状況の計算を簡単にする。特に、開始位置からの相対距離又は終了位置までの相対的な近さは、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブの進行状況を表すことができる。
【0164】
一部の実施形態では、
図5を参照して記載されるように、体積は、ユーザによって定められた3つ以上の位置によって画定され、
図5は、超音波イメージングシステム42によって行われる超音波イメージングプロセスを受ける第3の被検者41を例示している。
【0165】
開始位置47と、終了位置48と、少なくとも1つの中間位置49とが提供されている。開始47、終了48、及び中間49の位置は、画像化されることになる体積を共に画定している。例えば、体積は、中間位置49と終了位置48との間の体積と共に、開始位置47と中間位置49との間の体積を含んでもよい。
【0166】
それによって、中間位置の位置は、開始位置と終了位置との間の推奨される経路上の点を定めることができる。
【0167】
当該方法は、開始/終了位置に対して記載されるものと同じ概念に従って(例えば、ユーザ入力及び/又は超音波プローブを使用して)中間位置を得るステップを含んでもよい。このように、ユーザは、体積に対して1つ又は複数の中間位置をマークすることができる。
【0168】
そのような実施形態は、画像化されることになる体積を同定することにおいてより多くの量の制御及び精度をユーザに提供することができる。これは、有利には、画像化されることになる、より有用で(臨床的に)関連性のある制御可能な体積を提供する。
【0169】
一部の例では、ユーザは、超音波イメージングプロセスが行われる前に、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブに対する移動の経路全体を定めてもよい。言い換えると、ユーザは、例えば、超音波プローブを動かすことによって、意図された移動の経路を示すことができる。これは、ユーザが、超音波イメージングプロセスに先立ち、どのようにプローブが使用されることを望むかをリハーサルする又は示すのを可能にする。一部の実施形態では、所望の/意図された経路がユーザによって既に定められているため、ガイダンス指示を決定するステップは、推奨される経路を決定するステップを含んでいなくてもよい。
【0170】
方法は、先に記載された任意の方法を使用して、(例えば、超音波プローブの速度又は向き等)意図された経路に沿って動く場合の超音波プローブに対する推奨される/最適化された特性を決定するステップを含んでもよい。
【0171】
一部の実施形態では、ガイダンス指示を生成するステップは、超音波プローブの移動の最適化されたか又は推奨されるパターンを生成するステップを含む。パターンは、時間的(例えば、可変の移動の速度等の)パターン及び/又は空間的パターン(例えば、特定の移動の経路等)であってもよい。それによって、パターンは、どのように超音波プローブを超音波イメージングプロセスの間に空間的及び/又は時間的に(例えば、異なる時点にて異なる速度で)動かすべきかを表すことができる。
【0172】
図6及び7は、本発明の修正された実施形態を例示しており、開始位置57A及び終了位置58Aが、ここでも開始平面57B及び終了平面58Bにそれぞれ関連している。
図6は、本実施形態による被検者51を概念的に例示しており、
図7は、超音波イメージングプロセスを受ける第4の被検者61に関して同じ実施形態を例示している。
【0173】
開始平面57B及び終了平面58Bは、互いに対して角度がつけられているか又は傾斜している。開始平面57B及び終了平面58Bの角度は、(開始57A及び終了58Aの位置を定めるために使用される場合の)超音波プローブの向き又は傾斜によって定めることができる。
【0174】
超音波プローブの開始位置57A及び終了位置58Aは、被検者61の実質的に同じ表面位置65に置かれてもよい。そのような実施形態では、開始平面57B及び終了平面58Bの異なる角度は、それらの間で画像化されることになる体積63を画定する。
【0175】
ガイダンス指示は、開始平面57Bと終了平面58Bとの間の超音波プローブの移動を規定する指示を含む。特に、ガイダンス指示は、開始平面と終了平面との間の移動の推奨される/最適化された角速度を含んでもよい。従って、決定されたガイダンス指示は、角度のガイダンス指示を含んでもよい。
【0176】
開始位置57A及び終了位置58Aの表面位置65は同じであり得るため、ガイダンス指示は、被検者61の表面を横切る超音波プローブの並進運動が、超音波イメージングプロセスの間同じままであるということを示してもよい。
【0177】
ガイダンス指示は、超音波プローブ5の移動に対する推奨される経路69を含むか、詳細に述べるか、又は定めることができる。従って、推奨される経路69は、第1及び第2の角度がつけられた平面57B、58Bによって画定される体積63を画像化するように、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブ5の向きにおける最適な又は推奨される変化を示すことができる。このように、経路69は、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブの角度における推奨される変化を定めることができる。
【0178】
1つのシナリオにおいて、超音波イメージングシステムは、第1の位置57A又は第1の平面57Bに関連する第1の角度、及び、第2の位置58A又は第2の平面58Bに関連する第2の角度を得ることができる。超音波イメージングシステムは、例えば、先に記載された超音波イメージングシステムの特性に基づき、超音波イメージングプロセスの間の超音波イメージングプローブ5に対する推奨される/最適化された角速度を決定することができる。角速度は、例えば、超音波イメージングシステムの最大メモリサイズを考慮に入れて、開始位置と終了位置との間で撮影される超音波画像の数を最大化するように選択されてもよい。当然ながら、超音波プローブの移動の速度を計算するための先に記載された他の方法は、適切な移動の角速度を計算するように適応し得る。
【0179】
当然ながら、ガイダンス指示が画像化プロセスの間の超音波プローブの表面位置、状態、向き、及び角度等における変更を指示することができるように、角度のガイダンスの概念も、先に記載された任意のガイダンス方法論に組み込むことができる。1つのシナリオにおいて、開始位置及び終了位置の表面位置も角度も異なる。
【0180】
それによって、超音波イメージングプロセスの間に推奨される角速度又は角度に遵守するために、どのように超音波プローブの少なくとも角速度又は角度を、被検者に関して、変更するべきかに関して、(例えば、オーディオ的、視覚的、又は触覚的な出力を使用して)ユーザに助言するためにガイダンス指示を使用することができる。
【0181】
図8は、一実施形態による超音波イメージング方法80を例示している。超音波イメージング方法80は、先に記載された超音波イメージングシステムのユーザをガイドする方法と、超音波イメージングプロセスとを含む。
【0182】
ガイダンス方法は、ユーザにより定められた開始位置を得るステップ11と、ユーザにより定められた終了位置を得るステップ12と、画像化されることになる体積に関する超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するステップ13と、ユーザがガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するために、体積に関する超音波プローブの移動をモニターするステップ14とを含む。
【0183】
超音波イメージング方法は、超音波イメージングプロセス81、82をさらに含む。
【0184】
超音波イメージングプロセスは、超音波画像のキャプチャプロセスを開始する又は始めるステップ81と、超音波画像のキャプチャプロセスを終了するステップ82とを含む。キャプチャプロセスを含むステップ81と82との間で、超音波イメージング方法は、超音波プローブを使用して、被検者の超音波画像をキャプチャする、得る、又は取得するステップを含む。画像は、超音波画像のキャプチャを行う超音波イメージングシステムの画像キャプチャレートでキャプチャされる。画像のキャプチャの間に、(超音波プローブトラッカーによって追跡された)その画像の位置も格納することができる。
【0185】
超音波イメージング方法は、超音波画像出力を生成するステップ83も含み得る。
【0186】
好ましくは、ステップ83は、超音波イメージングプロセスのステップ81とステップ82との間でキャプチャされた超音波画像に基づき3D超音波画像を再構成するステップを含む。このように、キャプチャプロセスの間にキャプチャされた超音波画像は、キャプチャプロセスの間に画像化された被検者の体積の3D超音波画像を再構成するために使用され得る。先に記載されたように、これは、超音波プローブトラッカーによってキャプチャされた位置に基づき、キャプチャされた超音波画像を積み重ねること、及び、任意的にキャプチャされた画像間を補間することによって行われてもよい。3D超音波画像を再構成する他の方法が、当業者には容易に明らかになる。
【0187】
3D超音波画像の生成は、(医学的状況において)画像化された体積の臨床的関連性を著しく増加させるが、一般的に、超音波出力のレビュアーが画像化された体積を理解することができる容易さ及び直感性も増加させる。記載される実施形態は、3D超音波イメージング方法において利用される場合に、そのような画像化方法は、特に、不均一な空間サンプリング、不完全な体積カバー度、及び不十分な空間分解能に影響されやすいため、特に有利である。これらの欠点は、任意の本明細書において記載される方法によって軽減される。
【0188】
ステップ83は、代わりに、一連の2D超音波画像、又は、スティッチされたか若しくは合成の2D超音波画像を出力するステップを含んでもよい。そのような出力を調製する方法は、当業者には明らかになる。
【0189】
超音波イメージング方法80は、(例えば、超音波プローブトラッカーによって追跡されるように)超音波プローブがユーザにより定められた開始位置にあるかどうかを決定するステップ84を含んでもよい。ステップ84は、ユーザにより定められた開始位置及び終了位置が得られた後に行われる。
【0190】
超音波プローブがユーザにより定められた開始位置にあると決定することに応答して、方法80は、超音波画像のキャプチャプロセスを開始するステップ81に進む。超音波プローブがユーザにより定められた開始位置にないと決定することに応答して、この方法は何も活動は行わず、超音波プローブがユーザにより定められた開始位置にあるかどうかの決定を繰り返す。
【0191】
このように、超音波イメージング方法80は、超音波プローブがユーザにより定められた開始位置にあるときにのみ、画像キャプチャプロセスを行ってもよい。これは、(ユーザによって定められる)画像化のための所望の体積の境界を越える不必要な画像キャプチャを回避する。これは、不必要な画像が省略されるため、1つの超音波画像又は一連の超音波画像の質を改善する。そのような実施形態は、余分な(すなわち、ユーザにより定められた体積の外側の)画像のキャプチャも減らし、それによって、より効率的なキャプチャシステムが提供される。
【0192】
他の実施形態では、キャプチャプロセスは、ユーザ入力に応答して始まる。
【0193】
超音波イメージング方法80は、例えば、超音波プローブトラッカーによって追跡されるように、超音波プローブがユーザにより定められた終了位置にあるかどうかを決定する対応するステップ85をさらに含んでもよい。ステップ85は、キャプチャプロセスを開始するステップ81が行われた後に行われる。
【0194】
超音波プローブがユーザにより定められた終了位置に到達したと決定することに応答して、方法80は、キャプチャプロセスを停止し、超音波出力を生成するステップ83を行う。超音波プローブがユーザにより定められた終了位置にないと決定することに応答して、この方法は何も活動は行わず、画像キャプチャプロセス及び超音波プローブがユーザにより定められた終了位置にあるかどうかを決定するステップを続ける。
【0195】
このように、超音波イメージング方法80は、超音波プローブが終了位置に到達したときに、画像キャプチャプロセスを停止させることができる。これは、さらに、ユーザにより定められた体積の外側の画像がキャプチャされるのを防ぎ、それによって、余分なことを減らし、超音波イメージングプロセスの効率を改善する。
【0196】
他の実施形態では、キャプチャプロセスは、ユーザ入力に応答して又は超音波イメージングシステムのメモリが埋まることに応答して終了される。
【0197】
一部の実施形態では、方法80は、ユーザがガイダンス指示から逸脱したかどうかを決定するステップ86を含む。これは、先に記載された任意の方法に従って行うことができる。ユーザがガイダンス指示から逸脱したということを決定することに応答して、この方法は、(例えば、視覚的、オーディオ的、及び/又は触覚的な出力を使用して)それらの逸脱をユーザに警告するステップ87を含んでもよい。さもなければ、ユーザは警告されない。ステップ87は、別の方法で又は追加的に、画像キャプチャプロセスを休止させるステップを含んでもよい(その後、ユーザ又はプローブがガイダンス指示に再度遵守したときに、これを再開することができる)。
【0198】
先に記載された任意の方法を行うように適応した処理装置又は超音波ガイダンスシステムが提案される。処理装置は、必要とされる種々の機能を行うために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、多数の方法で実施することができる。プロセッサは、必要とされた機能を行うためにソフトウェア(例えば、マイクロコード等)を使用してプログラムすることができる1つ又は複数のマイクロプロセッサを利用する処理装置の一例である。しかし、処理装置は、プロセッサを利用して又は利用せずに実施することができ、一部の機能を行うための専用のハードウェアと、他の機能を行うためのプロセッサ(例えば、1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路)との組み合わせとして実施することもできる。
【0199】
本開示の種々の実施形態において使用され得る処理装置の構成要素の例として、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0200】
種々の実施において、処理装置は、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM等の揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ等、1つ又は複数の記憶媒体に関連してもよい。記憶媒体は、処理装置上で実行された場合に、必要とされた機能を行う1つ又は複数のプログラムで符号化され得る。種々の記憶媒体は、処理装置内に固定されてもよく、又は、その上に格納された1つ又は複数のプログラムを処理装置内にロードすることができるように、トランスポータブルであってもよい。
【0201】
図9は、一実施形態による、超音波イメージングシステム100に関連した超音波プローブガイダンスシステム110を例示している。全体の超音波イメージングシステム100は、(ハンドヘルドの)超音波プローブ104と、超音波プローブトラッカー105と、超音波プローブガイダンスシステム110とを含む。
【0202】
超音波プローブガイダンスシステム110は、超音波プローブに対するユーザにより定められた開始位置を得る、及び、超音波プローブに対するユーザにより定められた終了位置、開始位置と終了位置との間の体積を得て、それによって、超音波イメージングが行われることになる体積を画定するように適応した体積画定ユニット111を含む。
【0203】
超音波プローブガイダンスシステムは、超音波イメージングが行われることになる体積に関する超音波プローブの移動を規定するガイダンス指示を決定するように適応した決定ユニット112も含む。
【0204】
超音波プローブガイダンスシステムは、その後の超音波イメージングプロセスの間に、超音波プローブトラッカーを使用して、体積に関する超音波プローブの移動をモニターして、ユーザがガイダンス指示に遵守しているかどうかを決定するように適応したモニターユニット113も含む。
【0205】
超音波プローブガイダンスシステム110のユニット111、112、113は、例示されているように、又は任意の標準的な通信プロトコルに従って、バスを介して互いに通信することができる。従って、各ユニットは、別のプロセッサによって表されてもよい。或いは、各ユニットは、特定された機能又は行為等、プロセッサ装置の機能性を含んでもよい。
【0206】
超音波プローブガイダンスシステムは、ユーザインターフェース120と通信するように適応してもよい。ユーザインターフェース120は、視覚的、オーディオ的、又は触覚的な出力を含む。そのような出力は、先に記載された出力のいずれも提供することができる。ユーザインターフェースは、例えば、ディスプレイ、スピーカー、又は振動手段を含む。超音波プローブガイダンスシステムは、ガイダンス情報、及び超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブの進行状況等をユーザに示すように適応してもよい。ユーザインターフェース120は、超音波イメージングシステム100全体のユーザインターフェースを含んでもよく又はそれを形成してもよい。ユーザインターフェース(例えば、振動手段等)は、少なくとも超音波プローブ上に提供されてもよい。
【0207】
ユーザインターフェース120は、1つ又は複数のボタン又はキー等のユーザ入力をさらに含んでもよい。これは、ユーザが、超音波プローブガイダンスシステムのユニットと通信することを可能にし得る。ユーザ入力は、好ましくは、超音波イメージングプロセスの間のユーザによるアクセスの各々に対して、超音波プローブ上に位置する部分を含む。
【0208】
複数の実施形態が、主として、超音波プローブの推奨される速度又は経路を決定することに焦点を当ててきたけれども、ガイダンス指示は、超音波イメージングプロセスの間の超音波プローブの他の好ましい特性を示すことができるということが正しく理解されることになる。例として、ガイダンス指示は、画像化される体積を最大化する又は体積をより効率的に画像化するように、画像化プロセスの間の超音波プローブの向き又は角度に対する変更を提案することができる。
【0209】
開示された実施形態に対する変化は、請求された発明を実行する際に、図面、明細書、及び付随の特許請求の範囲の調査から当業者により理解する及びもたらすことができる。特許請求の範囲において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞はその複数形を除外しない。特定の手段が互いに異なる従属項において記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを役立つよう使用することができないと示しているわけではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照番号も、その範囲を限定するとして解釈されるべきではない。