(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】個別の化粧品組成物を実現するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/00 20060101AFI20240510BHJP
A61Q 1/06 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
A61K8/00
A61Q1/06
(21)【出願番号】P 2020536650
(86)(22)【出願日】2018-12-27
(86)【国際出願番号】 US2018067718
(87)【国際公開番号】W WO2019133730
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-08-28
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-13
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ティエボー, ジェラルディーヌ
(72)【発明者】
【氏名】バルーチ, グイヴ
(72)【発明者】
【氏名】マラプラード, エルガ
【合議体】
【審判長】木村 敏康
【審判官】冨永 保
【審判官】野田 定文
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202008001224(DE,U1)
【文献】国際公開第2012/098502(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0228892(US,A1)
【文献】特表2015-531272(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102006049054(DE,A1)
【文献】特開平11-147811(JP,A)
【文献】特表2012-500321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別の化粧品組成物を実現するための装置であって、
調合物供給アセンブリであって、
複数の添加物を含有する複数の添加物リザーバと、
前記複数の添加物の選択された添加量を供給する複数の添加物ポンプと、
フラッシュ物質を含有する
フラッシュリザーバと、
前記
フラッシュ物質の
フラッシュ量を供給する
フラッシュポンプとを含む、前記調合物供給アセンブリと、
混合アセンブリであって、
前記選択された添加量及び前記
フラッシュ量を受容する添加物入口と、
前記個別の化粧品組成物を届ける出口と、
前記添加物入口から前記出口まで前記選択された添加量を送る混合チャネルとを含む、前記混合アセンブリと、
電子制御ユニットであって、
所望の配合を消費者から獲得し、
前記所望の配合に基づいて、前記選択された添加量を判定し、
前記複数の添加物ポンプを動作させ、前記選択された添加量を添加物入口に供給し、
前記
フラッシュポンプを動作させ
て前記フラッシュ物質の前記フラッシュ量を供給し、これにより前記混合チャネルに沿って前記選択された添加量を押し、前記添加量の間で混合を提供し、前記個別の化粧品組成物を形成するように構成される、
前記電子制御ユニットと、
を備え、
(i)前記混合チャネルは、広げる及び折り曲げる連続運動によって前記複数の添加物を混合する複数の幾何学的摂動を含むか;又は(ii)前記混合チャネルは、前記出口と前記添加物入口との間に位置付けられた空洞と、広げる及び折り曲げる連続運動によって前記複数の添加物を混合する、前記添加物入口及び前記空洞に接続される脈動ポンプとを含む、
前記装置。
【請求項2】
前記複数の添加物は、前記消費者によって選択された色の前記個別の化粧品組成物を作るための複数の色付リップスティックを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の色付リップスティックは、赤のリップスティック、ピンクのリップスティック、ベージュのリップスティック、及び白のリップスティックを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の添加物リザーバの各リザーバは取り外し可能及び交換可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記調合物供給アセンブリは、前記複数の添加物リザーバ及び前記
フラッシュリザーバに接続されるマニホールドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電子制御ユニットは、さらに、前記所望の配合を前記消費者の電子デバイスから獲得するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の幾何学的摂動は、複数のエルボ及び複数の断面拡張のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月29日に出願された米国仮特許出願第62/611,808号に関連し、その利益を主張し、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、個別の化粧品組成物を実現することに関する。
【背景技術】
【0003】
今日、化粧品及び美容製品は非常に多様化し、要望の厳しい消費市場に直面している。化粧品は、消費者からの非常に特有の及び多様化された要望に対処する必要がある。消費者は、特有の活性成分及び/または色等の、個人の要求及び好みに対応する特異性を伴う化粧品を探している。
【0004】
さらに、1日、1週間、及び/または1カ月にわたって、ある1人の消費者は、異なる状況、ドレスコード、及び/または時間周期(例えば、仕事、仕事後の外出、衣服のマッチング、及び/または夜の娯楽)に対応し得る様々な要望及び/または要求を有し得る。
【0005】
多くの変形形態において持ち運び、保管、及び/または多数の化粧品を所有し、時間の経過に伴って発生し得る多数の要望に対処することは、面倒またはさらに実行不可能である可能性がある。
【0006】
したがって、コンパクト及び携帯可能でありながら、クライアントからの特有の及び多様化された要望に対処できる個別の化粧品組成物を実現するための装置及び方法が望まれる。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本開示の1つの目的は、コンパクト及び携帯可能でありながら、消費者の多様化された及び特有の要望に対処する個別の化粧品組成物を実現するための装置及び方法を提供することである。本開示の装置は、異なる成分を選択、供給、輸送、及び混合して、個別の化粧品組成物を提供するマイクロ流体システムに依存することによって、係る必要性に対処する。
【0008】
非限定的な例示的な一実施例では、個別の化粧品組成物を実現するための装置が提示される。個別の化粧品組成物を実現するための装置は、複数の添加物を含有する複数の添加物リザーバ、複数の添加物の選択された添加量を供給する複数の添加物ポンプ、フラッシュ物質を含有するフラッシュリザーバ、及びフラッシュ物質のフラッシュ量を供給するフラッシュポンプを有する、調合物供給アセンブリと、選択された添加量及びフラッシュ量を受容する添加物入口、個別の化粧品組成物を届ける出口、及び選択された添加量を添加物入口から出口まで送る混合チャネルを有する、混合アセンブリと、所望の配合を消費者から獲得し、所望の配合に基づいて選択された添加量を判定し、複数の添加物ポンプを動作させ、選択された添加量を添加物入口に提供し、フラッシュポンプを動作させ、混合チャネルに沿って選択された添加量を押し、添加量の間で混合を提供し、個別の化粧品組成物を形成するように構成される、電子制御ユニットと、を含む。
【0009】
別の非限定的な例示的な実施例では、個別の化粧品組成物を実現するための装置が提示される。個別の化粧品組成物を実現するための装置は、複数の添加物を含有する複数の添加物リザーバ、複数の添加物の選択された添加量を供給する複数の添加物ポンプ、基体を含有するベースリザーバ、及び基体の基本量を供給するベースポンプを有する、調合物供給アセンブリと、選択された添加量を受容する添加物入口、基本量を受容するベース入口、個別の化粧品組成物を届ける出口、ならびに添加物入口及びベース入口から出口まで選択された添加量及び基本量を送る混合チャネルを含む、混合アセンブリと、所望の配合を消費者から獲得し、所望の配合に基づいて選択された添加量を判定し、複数の添加物ポンプ及びベースポンプを動作させ、混合チャネルに沿って選択された添加量及び基本量を押し、添加量と基本量との間で混合を提供し、個別の化粧品組成物を形成するように構成される、電子制御ユニットと、を含む。
【0010】
別の非限定的な例示的な実施例では、個別の化粧品組成物を実現するための装置が提示される。個別の化粧品組成物を実現するための装置は、複数の添加物を含有する複数の添加物リザーバ、複数の添加物の選択された添加量を供給する複数の添加物ポンプ、基体を含有するベースリザーバ、及び基体の基本量を供給するベースポンプを有する、調合物供給アセンブリと、選択された添加量を受容する添加物入口、基本量を受容するベース入口、及び添加量を基本量と融合し、個別の化粧品組成物を分配するチャネルを有する分配アセンブリと、を含む。
【0011】
いずれかの特定の要素または行為の説明を簡単に識別するために、参照番号の最上位の数字または複数の数字は、その要素が最初に紹介された図の番号を指す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の特定の態様による、個別の化粧品組成物を実現するための装置の概略図である。
【
図2A】本開示の特定の態様による、パッシブ構成を伴う個別の化粧品組成物を実現するための装置の混合アセンブリの概略図である。
【
図2B】本開示の特定の態様による、アクティブ構成を伴う個別の化粧品組成物を実現するための装置の混合アセンブリの概略図である。
【
図3】本開示の特定の態様による、個別の化粧品組成物を実現するための装置を動作させるための方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の特定の態様による、個別の化粧品組成物を実現するための装置の電子制御ユニットのハードウェアダイアグラムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によってその全体が組み込まれる。さらに、本明細書に説明される材料、方法、及び実施例は、単なる例示にすぎず、限定的であることを意図するものではない。
【0014】
図面では、同様の参照番号は、いくつかの図の全体を通して同一または対応する部分を示す。さらに、本明細書に使用される場合、「a」、「an」等の言葉は、特に記述がない限り、「1つ以上」の意味を含む。図面は、概して、特に指定のない限り、一般的に縮尺どおりに描かれていない、または概略的な構造もしくはフローチャートを示している。
【0015】
図1は、本開示の特定の態様による、個別の化粧品組成物1100を実現するための装置1000の概略図である。
【0016】
提示された装置1000は、消費者100の具体的な必要性及び現在の必要性に対応する選択された配合及び/または色と一緒に、個別の化粧品組成物1100(例えば、液状リップスティック及び/またはマニキュア液)を作成し及び届けるために、消費者100に、自分の成分を選択し及び組み込む能力を提供する。加えて、提示された装置1000は、例えば、ポケット及び/またはハンドバッグに入れられた消費者100によって容易に輸送されることができる小さく及びコンパクトなパッケージを提供できる。
【0017】
装置1000は、調合物供給アセンブリA-1000と、調合物供給アセンブリA-1000に流体接続される混合アセンブリB-1000と、調合物供給アセンブリA-1000及び/または混合アセンブリB-1000に動作可能に結合される電子制御ユニットD-1000と、電力を電子制御ユニットD-1000及び調合物供給アセンブリA-1000に提供する電力供給アセンブリC-1000とを含み得る。
【0018】
調合物供給アセンブリA-1000は、基体A-1100及び複数の添加物A-1200を混合アセンブリB-1000に供給できる一方、混合アセンブリは、基体A-1100及び複数の添加物A-1200を受容、搬送、及び混合し、個別の化粧品組成物1100を提供できる。
【0019】
加えて、調合物供給アセンブリA-1000は、混合アセンブリB-1000にフラッシュ物質A-1300を供給し、基体A-1100及び/または複数の添加物A-1200によって残された残留物をなくすように混合アセンブリB-1000をパージ及び掃除できる。
【0020】
調合物供給アセンブリA-1000は、基体A-1100、ベースリザーバA-1110を混合アセンブリB-1000に流体接続するベースチャネルA-1120、ベースリザーバA-1110と混合アセンブリB-1000との間のベースチャネルA-1120上に位置付けられるベースポンプA-1130を含有するベースリザーバA-1110と、複数の添加物A-1200、複数の添加物リザーバA-1210を混合アセンブリB-1000に流体接続する複数の添加物チャネルA-1220、複数の添加物リザーバA-1210と混合アセンブリB-1000との間の複数の添加物チャネルA-1220上に位置付けられる複数の添加物ポンプA-1230、複数の添加物ポンプA-1230と、複数の添加物A-1200を一緒に融合する混合アセンブリB-1000との間に位置付けられる添加物マニホールドA-1240を含有する複数の添加物リザーバA-1210と、フラッシュ物質A-1300、ならびにフラッシュリザーバA-1310を複数の添加物チャネルA-1220、ベースチャネルA-1120、及び/または混合アセンブリB-1000と流体接続するフラッシュチャネルA-1320を含有するフラッシュリザーバA-1310とを含み得る。
【0021】
基体A-1100は、複数の添加物A-1200と混合できる及び/または複数の添加物A-1200によって着色されることができるフィラーを含み得る。例えば、基体A-1100は、タルク、ステアリン酸、または/及びシリコンを含有する白い液体であり得る。
【0022】
複数の添加物A-1200は、個別の方法で、消費者100の外観及び/または香りを向上させる特有の化学的特性及び/または物理的特性を伴う複数の化合物を含み得る。複数の添加物A-1200は、それぞれが異なる顔料、異なる香りがある芳香性エッセンシャルオイル、異なる有益な成分、例えば、異なる美容液及び/またはスキンケア活性成分を含有する複数の液体バインダを含み得る。
【0023】
例えば、複数の液体バインダは、シアン顔料を伴うシアンバインダA-1202C、マゼンタ顔料を伴うマゼンタバインダA-1202M、イエロー顔料を伴うイエローバインダA-1202Y、及びブラック顔料を伴うブラックバインダA-1202Bを含み得る。
【0024】
加えて、複数の添加物リザーバA-1210の添加物リザーバのそれぞれは、除去される及び同様にカートリッジに交換されるように構成され得、1日~1年、好ましくは、1週間~6カ月にわたって続けて利用するために、混合アセンブリB-1000を複数の添加物A-1200に供給するのに十分に重要な添加物の容積を含有する。例えば、添加物の容積は、0.1mL~10mL、好ましくは0.5mL~1.5mLであり得る。
【0025】
基体A-1100と混合される予定の複数の添加物A-1200の選択は、色/色調、及び/またはテクスチャ等の消費者100の個人的好みの関数として選ばれ得る。例えば、シアンバインダA-1202C、マゼンタバインダA-1202M、イエローバインダA-1202Y、及びブラックバインダA-1202Bの適切な比率を選択することによって、個別の化粧品組成物1100は、消費者100によって選択された色と一致するように作成され得る。
【0026】
基体A-1100と混合される予定の複数の添加物A-1200の選択は、消費者100によって手動で、電子制御ユニットD-1000によって実行されるソフトウェア命令によって自動的に、またはそれらの組み合わせによって選択され得る。
【0027】
代替として、複数の添加物A-1200は、それぞれ異なる特性(例えば、色、色調、光沢、及び/またはテクスチャを有する複数の化粧物質を含み得る。個別の化粧品組成物1100を提供するために混合アセンブリB-1000によって、基体A-1100の有無にかかわらず相互間で混合できる。例えば、複数の添加物A-1200は、異なる基調色(例えば、赤、茶色、ピンク、オレンジ、ベージュ、及び/または白)の複数のリップスティックを含み得、これらの色を一緒に混合して、個別の化粧品組成物1100に個別の色を提供できる。
【0028】
フラッシュ物質A-1300は、基体A-1100及び/または複数の添加物A-1200によって残された残留物をなくすように混合アセンブリB-1000をパージ及び/または掃除することが可能であるいずれかの液体であり得る。例えば、フラッシュ物質は透明または白色の基本配合であり得、水、アルコール、オイル、及び/または洗剤を含み得る。
【0029】
複数の添加物ポンプA-1230、ベースポンプA-1130、及びフラッシュポンプA-1330は、消費者100による適切な使用法を可能にするのに十分な高流速及び低エネルギー消費を提供するいずれかのポンプであり得、適切な使用法は、電力供給アセンブリC-1000を再充電する必要がなく、少なくとも1週間で1日当たり10回未満の頻度で、1s~5sの期間において、1μL~500μL、好ましくは、20μL~300μLの個別の化粧品組成物1100の既定の用量Qcを届けることに対応し得る。
【0030】
例えば、複数の添加物ポンプA-1230、ベースポンプA-1130、及びフラッシュポンプA-1330は、Dolomite Microfluidics(登録商標)の蠕動ポンプ3200243及び/または圧電ポンプ3200138等の蠕動ポンプ及び/または圧電ポンプであり得る。
【0031】
電子制御ユニットD-1000は、個別の化粧品組成物1100のための所望の配合を獲得し、調合物供給アセンブリA-1000を動作させ、所望の配合に基づいて複数の選択された添加量Qa及び既定の基本量Qbを、構成される混合アセンブリB-1000に提供し、個別の化粧品組成物1100の既定用量Qcを届けることができる。
【0032】
例えば、電子制御ユニットD-1000は、個別の化粧品組成物1100の所望の配合に相応する配合信号Sformを受信し、複数の添加物作動信号SAaを複数の添加物ポンプA-1230に送信し、ベース作動信号SAbをベースポンプA-1130に送信するように構成され得、複数の添加物作動信号SAaは複数の選択された添加量Qaに相応し、ベース作動信号SAbは既定の基本量Qbに相応する。加えて、電子制御ユニットD-1000は、さらに、フラッシュ量に相応する作動信号SAfをフラッシュポンプA-1330に送信し、装置1000のパージ及び/または掃除を提供するように構成され得る。
【0033】
配合信号Sformは、消費者100の電子デバイス110及び/またはデータベースD-2500から、装置1000のネットワークD-1400及びネットワークコントローラD-2000を経由して、電子制御ユニットD-1000に送信されることができる。
【0034】
例えば、ネットワークコントローラD-2000は、ネットワークD-1400と相互作用するためのIntel Corporation of America(登録商標)のIntel Ethernet PRO(登録商標)ネットワークインターフェースカードのようなものであり得る。認識できるように、ネットワークD-1400は、インターネット等の公衆ネットワーク、またはLANもしくはWANネットワーク等のプライベートネットワーク、またはそれらのいずれかの組合せであり得、また、PSTNまたはISDNサブネットワークを含み得る。ネットワークD-1400は、また、イーサネットネットワーク等の有線であり得る、または、EDGE、3G、及び4G無線セルラーシステムを含むセルラーネットワーク等の無線であり得る。無線ネットワークは、また、WiFi、Bluetooth、またはいずれかの他の既知の無線通信方式であり得る。
【0035】
データベースD-2500は、電子データベース、コンピュータ、及び/またはコンピュータ制御サーバ、データベースサーバ、eコマースサーバ、またはデータを保存するように構成されるいずれかのネットワークホストであり得る。
【0036】
電子制御ユニットD-1000の様々な要素、ならびにそれらの相互作用及び機能は、以下の段落でさらに詳細に説明される。
【0037】
電力供給アセンブリC-1000は、電力(例えば、電圧)を電子制御ユニットD-1000及び調合物供給アセンブリA-1000に供給できる。
【0038】
電力供給アセンブリC-1000は、充電コネクタC-1300と、バッテリC-1100を複数の添加物ポンプA-1230、ベースポンプA-1130、フラッシュポンプA-1330、及び電子制御ユニットD-1000に電気的に接続するバッテリC-1100と、バッテリC-1100を充電コネクタC-1300に電気的に接続する充電レギュレータC-1200とを含み得る。
【0039】
充電コネクタC-1300は、外部入力電力EIeを提供するために、外部電源(例えば、外部バッテリ、配電網等)に接続されることができる、いずれかの種類の電気コネクタ(例えば、USBコネクタ、タイプAレセプタクル、タイプBプラグ等)であり得る。
【0040】
充電レギュレータC-1200は、外部電源からの外部入力電力EIeを受け、整流し、及び調整し、調整された入力電力RIeをバッテリC-1100に提供できる。充電レギュレータC-1200は、バッテリC-1100への過電圧の転移を防止し、バッテリの性能及び寿命を向上させることができる。
【0041】
充電レギュレータC-1200は、
図1に示されるスタンドアロンデバイス、またはバッテリC-1100に統合された回路であり得る。調整された出力電力RIeを提供するために、充電レギュレータC-1200は、パルス幅変調(PWM)技術及び/または最大電力点追跡(MPPT)技術に依存し得る。
【0042】
バッテリC-1100は、装置1000の要素、例えば、ベースポンプA-1130、複数の添加物ポンプA-1230、フラッシュポンプA-1330、及び/または電子制御ユニットD-1000において、同時にまたは後で使用される予定の調整された出力電力RIeを保存できる。バッテリC-1100は、単数または複数のアルカリ電池、鉛酸電池、リチウムイオン電池等であり得、装置1000を、バッテリC-1100を再充電する必要なく、数回(例えば、20~100回)使用することを可能にするのに十分に高いバッテリ容量を有する。
【0043】
図2A~
図2Bは、本開示の特定の態様による、パッシブ構成及びアクティブ構成の個別の化粧品組成物1100を実現するための装置1000の混合アセンブリB-1000の概略図である。
【0044】
混合アセンブリB-1000は、添加物マニホールドA-1240を介して複数の添加物チャネルA-1220に流体接続された添加物入口B-1100と、ベースチャネルA-1120に流体接続されたベース入口B-1200と、出口B-1400と、添加物入口B-1100、ベース入口B-1200、及び出口B-1400の間に延在する混合チャネルB-1300とを含み得る。
【0045】
添加物入口B-1100は複数の添加物A-1200を受容でき、ベース入口B-1200は基体A-1100を受容できる一方、混合チャネルB-1300は、複数の添加物A-1200及び基体A-1100が混合チャネルB-1300の長さに沿って流れるとき、複数の添加物A-1200を基体A-1100に混合できる。
【0046】
図2Aに示されるように、混合アセンブリB-1000は、複数の添加物A-1200及び基体A-1100を混合するパッシブ構成を有し得る。例えば、パッシブ構成では、混合チャネルB-1300は、複数の添加物A-1200及び基体A-1100が混合チャネルB-1300に沿って流れるとき、複数の添加物A-1200及び基体A-1100の流れを、方向を繰り返して変化させることを強制する複数の幾何学的摂動B-1500を含み得る。
【0047】
複数の幾何学的摂動B-1500は、複数の添加物A-1200及び基体A-1100が混合チャネルB-1300に沿って流れるとき、広げる及び折り曲げる連続運動によって、複数の添加物A-1200と基体A-1100との間の界面Iを延在させるように構成される。
【0048】
例えば、
図2Aに示されるように、複数の幾何学的摂動B-1500は、流れの方向を縦方向から横方向に変化させるまたはその逆も同様に変化させる、複数のエルボB-1510を含み得る。
【0049】
別の実施例では、
図2Aに示されるように、複数の幾何学的摂動B-1500は、混合チャネルB-1300の断面を長方形断面から円形断面にまたはその逆も同様に変化させる複数の断面拡張B-1520を含み得る。
【0050】
別の実施例では、複数の幾何学的摂動B-1500は、複数の添加物A-1200及び基体A-1100が混合チャネルB-1300に沿って流れるとき、複数の添加物A-1200と基体A-1100との間の界面Iを増加させる隆起、溝、突起、突端、チャネル交差部、チャネル束を含み得る。
【0051】
代替として、
図2Bに示されるように、混合チャネルB-1300は、複数の添加物A-1200及び基体A-1100を混合するアクティブ構成を有し得る。例えば、
図2Bに示されるように、アクティブ構成では、混合チャネルB-1300は、複数の添加物A-1200及び基体A-1100を混合するために、幾何学的摂動B-1500の代わりにアクティブな摂動を提供するように構成され得る。パッシブ構成の複数の幾何学的摂動B-15000に関して、アクティブな幾何学的摂動は、複数の添加物A-1200と基体A-1100との間の界面Iを広げる及び折り曲げる連続運動を発生させることができる。複数のアクティブな摂動は、複数の添加物A-1200及び基体A-1100の流動に時間変動を発生させる不安定な(例えば、脈動及び/または振動している)入口流動に対応し得る。例えば、混合アセンブリB-1000は、添加物入口B-1100に流体接続された第1の脈動ポンプB-2510、ベース入口B-1200に流体接続された第2の脈動ポンプB-2520、及び添加物入口B-1100と、ベース入口B-1200と、出口B-1400との間に設置された空洞B-2300を含み得る。
【0052】
第1の脈動ポンプB-2510及び第2の脈動ポンプB-2520は、複数の添加物A-1200及び基体A-1100を空洞B-2300の前後に流して、複数の添加物A-1200及び基体A-1100を一緒に混合できる。加えて、第1の脈動ポンプB-2510は、既定の脈動する添加物のパラメータ(例えば、添加物の脈動周波数及び脈動する添加物の振幅)において、空洞B-2300から前後に、複数の添加物A-1200を流すことができ、第2の脈動ポンプB-2520は、既定の脈動するベースパラメータ(例えば、物質の脈動周波数及び物質の脈動振幅)において、空洞B-2300から前後に、複数の添加物A-1100を流すことができ、既定の脈動する添加物のパラメータ及び既定の脈動する物質パラメータは、複数の添加物A-1200と基体A-1100との間における混合を最大限にするように判定される。
【0053】
出口B-1400は、化粧品アプリケータである、またはブラシ、リップブラシ、もしくはドウフットアプリケータ等の化粧品アプリケータに流体接続されることができる。
【0054】
代替として、混合チャネルB-1300は、複数の添加物A-1200及び基体A-1100を受容するコンテナと交換でき、複数の添加物A-1200と基体A-1100との間の混合はユーザによって手動で行われる。
【0055】
図3は、本開示の特定の態様による、個別の化粧品組成物1100を実現するための装置1000を動作させるための方法のフローチャートである。
【0056】
ステップS100では、複数の選択された添加量Qaを選択する。複数の選択された添加量Qaは、消費者100の個人的好み(例えば、色/色調、仕上げ、光沢、及び/またはテクスチャ)の関数として選ばれ得る。例えば、第1の量のシアンバインダA-1202C、第2の量のマゼンタバインダA-1202M、第3の量のイエローバインダA-1202Y、及び第4の量のブラックバインダA-1202Bを選択し、消費者100が望む色を提供し得る。この選択は、消費者100によって手動で、自動的に、または回路3000によって行われるソフトウェア命令及び/または消費者100の電子パーソナルデバイス110(例えば、コンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、タブレット等)によるものの両方の組み合わせによって行われ得る。
【0057】
例えば、消費者100は、電子制御ユニットD-1000及び/または消費者100の電子デバイス110上で実行されるグラフィカル消費者インターフェースソフトウェア命令によって、赤成分、緑成分、及び青成分によって定義される色を選択でき、選択された色は、シアンの量、マゼンタの量、イエローの量、及びブラックの量に変換されることができる。
【0058】
別の実施例では、消費者100の唇及び/または肌の画像は、電子制御ユニットD-1000及び/または電子デバイス110のカメラによってキャプチャされ得る。これらの画像に基づいて、唇の赤成分、緑成分、青成分及び/または肌の色を抽出し、シアンの量、マゼンタの量、イエローの量、及びブラックの量に関連付けられる複数の調節色と比較して、消費者100の唇の色及び/または肌の色と合わせて調節できる。調節色は、電子制御ユニットD-1000のデータベースD-2500内に保存され得る。
【0059】
ステップS200では、調合物供給アセンブリA-1000は、複数の選択された添加物量Qa及び既定の基本量Qbを混合アセンブリに分配するように動作することができる。
【0060】
例えば、電子制御ユニットD-1000は、複数の添加物作動信号SAaを複数の添加物ポンプA-1230に送信し、ベース作動信号をベースポンプA-1130に送信でき、複数の添加物作動信号SAaは複数の選択された添加量Qaに相応し、ベース作動信号は既定の基本量Qbに相応する。
【0061】
ステップS300では、複数の添加物A-1200及び基体A-1100を一緒に混合し、所望の配合で既定の組成用量Qcを提供する。
【0062】
例えば、電子制御ユニットD-1000は、押し作動信号を複数の添加物ポンプA-1230、ベースポンプA-1130、及び/またはフラッシュポンプA-1330に送信し、複数の選択された添加量Q及び既定の基本量Qbを、混合チャネルB-1300を通して押し、実質的に同質特性、例えば、同一の色、テクスチャ、及び/または仕上げを伴う個別の化粧品組成物1100を取得するために、複数の添加物A-1200及び基体A-1100を一緒に混合できる。
【0063】
ステップS400では、装置1000をフラッシュする。
【0064】
例えば、電子制御ユニットは、フラッシュ量Qfに相応するフラッシュ作動信号SAfをフラッシュポンプA-1330に送信し、装置1000を掃除し、複数の添加物A-1200及び/または基体A-1100によって残されたいずれかの残留物を除去できる。
【0065】
図4は電子制御ユニットD-1000を示す。
図4に示されるように、本開示に従ったシステム、動作、及びプロセスは、プロセッサD-1002または少なくとも1つの特定用途向けプロセッサ(ASP)を使用して実施され得る。プロセッサD-1002は、プロセッサD-1002を制御するように構成されるメモリD-1004(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、スタティックメモリ、DRAM、SDRAM、及びそれらの同等物)等のコンピュータ可読記憶媒体を利用して、本開示のシステム、動作、及びプロセスを行い及び/または制御し得る。他の記憶媒体は、ハードディスクドライブD-1008または光ディスクドライブD-1010を制御し得るディスクコントローラD-1006によって制御され得る。
【0066】
代替実施形態では、プロセッサD-1002またはその態様は、本開示を強化または完全に実施するための論理デバイスを含み得る、または排他的に含み得る。係る論理デバイスは、限定ではないが、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、汎用ロジックアレイ(GAL)、及びそれらの同等物を含む。プロセッサD-1002は、別個のデバイスまたは単一の処理メカニズムであり得る。さらに、本開示は、マルチコアプロセッサの並列処理能力から利益をもたらし得る。
【0067】
別の態様では、本開示に従った処理の結果は、ディスプレイコントローラD-1012によって、電子制御ユニットD-1000の周辺または一部であり得るモニタD-1014に表示され得る。さらに、モニタD-1014は、コマンド/命令インターフェースに対するタッチセンサ式インターフェースが提供され得る。ディスプレイコントローラD-1012は、また、計算効率の改善のために少なくとも1つのグラフィック処理ユニットを含み得る。加えて、電子制御ユニットD-1000は、センサデータをセンサD-1018から入力するために及び指令をアクチュエータD-1022に出力するために、I/O(入力/出力)インターフェースD-1016を含み得る。センサD-1018及びアクチュエータD-1022は、本開示に説明されるセンサ及びアクチュエータのいずれかの例示である。例えば、アクチュエータD-1022は、複数の添加物ポンプA-1230、ベースポンプA-1130、及び/またはフラッシュポンプA-1330であり得る。
【0068】
さらに、他の入力デバイスは、電子制御ユニットD-1000の周辺機器または一部として、I/OインターフェースD-1016に接続され得る。例えば、キーボードまたはマウスD-1020等のポインティングデバイスは、本開示の様々なプロセス及びアルゴリズムのパラメータを制御し得、I/OインターフェースD-1016に接続され、追加機能及び構成オプションを提供し、表示特性を制御し得る。本開示に説明される装置の要素のいずれかに具体化され得るアクチュエータD-1022は、また、I/OインターフェースD-1016に接続され得る。
【0069】
上記のハードウェアコンポーネントは、モバイルデバイスへの制御可能パラメータを含むデータの伝送または受信のために、ネットワークコントローラD-2500によって、インターネットまたはローカルイントラネット等のネットワークD-1400に結合され得る。中央バスD-1028は、上記のハードウェアコンポーネントを一緒に接続し、それらの間のデジタル通信のための少なくとも1つの経路を提供するために設けられ得る。
【0070】
前述の説明は、本開示の目的の単なる例示的な実施形態を開示及び説明している。当業者によって理解されるように、本開示の目的は、その主旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得る。したがって、本開示は、例示を意図するものであるが、本開示の目的の範囲及び「特許請求の範囲」を限定するものではない。
【0071】
上記の教示を考慮して、本開示の多数の修正形態及び変形形態が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本開示は、本明細書で具体的に説明されるものとは他の方法で実践され得ることが理解される。