(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】カプセルを認識する飲料調製マシン
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20240510BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20240510BHJP
G07F 13/06 20060101ALI20240510BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
A47J31/44 510
A47J31/36 120
G07F13/06 103
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2020541504
(86)(22)【出願日】2018-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2018065939
(87)【国際公開番号】W WO2019154527
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-06-11
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【氏名又は名称】石塚 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【氏名又は名称】和田 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ルッジェロ, マルティーノ
(72)【発明者】
【氏名】バラーシー, サボルクス
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-511712(JP,A)
【文献】カナダ国特許出願公開第03005685(CA,A1)
【文献】特開2017-097585(JP,A)
【文献】特開2017-127650(JP,A)
【文献】特開2017-151262(JP,A)
【文献】特開平04-135209(JP,A)
【文献】特表2017-520864(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0068878(US,A1)
【文献】国際公開第2017/015887(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
G07F 13/00-13/10
B67D 1/00- 1/16
G06T 7/00
G06N 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を調製及び注出するためのマシンであって、
飲料原材料カプセルに対して抽出を行い前記飲料を形成するための抽出ユニットと、
前記カプセルに対して抽出を行うために前記抽出ユニットを制御するための制御ユニットと、
前記カプセルに対して抽出を行うことによって形成された前記飲料を、前記飲料を収集するために容器配置領域に配置されるユーザ容器に注出するための出口と、を備えるマシンにおいて、
前記マシンは、前記マシン内に挿入されたカプセルをカプセル認識位置において認識するためのカプセル認識モジュールであって、前記カプセル認識位置にある前記カプセルの少なくとも一部の画像を取り込むためのカメラを備える、カプセル認識モジュールを更に備え、
前記カプセル認識モジュールは、ニューラルネットワーク演算装置を備え、前記ニューラルネットワーク演算装置は、前記カメラによって取り込まれた前記カプセルの少なくとも一部の画像に基づいて、複数の既定のカプセルの種類の中から前記カプセルの種類を決定するように構成されて
おり、
前記カプセル認識モジュールが光源を備え、前記カプセル認識位置における電光及び画像取込み条件が、前記ニューラルネットワーク演算装置において実装される前記ニューラルネットワークが前記カプセルを認識するように訓練によって構成されるための電光及び画像取込み条件に対応することを特徴とする、マシン。
【請求項2】
前記複数の既定のカプセルの種類は、前記カプセル認識モジュールにとって未知のカプセルに対応するカプセルの種類を含む、請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
前記ニューラルネットワーク演算装置は、演算装置と、前記演算装置で実行されるとニューラルネットワークを実装するニューラルネットワークコンピュータプログラムとを含む、請求項1又は2に記載のマシン。
【請求項4】
前記ニューラルネットワークは畳み込みニューラルネットワークである、請求項3に記載のマシン。
【請求項5】
ネットワークインターフェースを更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項6】
前記ニューラルネットワーク演算装置は、前記ネットワークインターフェースを介して構成可能であり、及び/又は遠隔で更新され得る、請求項5に記載のマシン。
【請求項7】
前記カプセル認識モジュールは、前記カプセル認識位置においてカプセルを照らすための少なくとも1つの光源と、前記少なくとも1つの光源の光を前記カプセル認識位置に向けて拡散させるための拡散器とを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項8】
前記拡散器は、前記カメラから前記カプセル認識位置へと延び、かつ前記カプセル認識位置に向かって開口するテーパ状空洞を形成している、請求項7に記載のマシン。
【請求項9】
前記カプセル認識モジュールが、カプセル上に形成された特定の文字及び/又は図形に基づいて前記カプセルを識別するように構成される、請求項1~
8のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか一項に記載のマシンのニューラルネットワーク演算装置を構成する方法であって、
前記ニューラルネットワーク演算装置の外部でニューラルネットワークコンピュータプログラムを訓練する工程であって、所定の種類のカプセルのいくつかの画像を、前記ニューラルネットワークコンピュータプログラムによって実装されるニューラルネットワークが所定の閾値よりも高い確率で次の各カプセル画像の種類を正確に決定するまで入力することにより、前記ニューラルネットワークコンピュータプログラムを訓練する工程と、
訓練された前記ニューラルネットワークコンピュータプログラムを、前記飲料調製マシンの前記ニューラルネットワーク演算装置にコピーする工程と、を含む、方法。
【請求項11】
請求項1~
9のいずれか一項に記載のマシンのニューラルネットワーク演算装置を更新する方法であって、
前記ニューラルネットワーク演算装置の外部でニューラルネットワークコンピュータプログラムを訓練する工程であって、これまで未知であった新規の種類を含む所定の種類のカプセルのいくつかの画像を、前記ニューラルネットワークコンピュータプログラムによって実装されるニューラルネットワークが所定の閾値よりも高い確率で次の各カプセル画像の種類を正確に決定するまで入力することにより、前記ニューラルネットワークコンピュータプログラムを訓練する工程と、
訓練された前記ニューラルネットワークコンピュータプログラムを、前記飲料調製マシンの前記ニューラルネットワーク演算装置にコピーする工程と、を含む、方法。
【請求項12】
前記コピーする工程は、データネットワークを介して実行される、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
飲料調製マシンのカメラによって取り込まれたカプセルの少なくとも一部の画像に基づいて、複数の既定のカプセルの種類の中から前記カプセルの種類を決定するための、ニューラルネットワークコンピュータプログラム
であって、
前記ニューラルネットワークコンピュータプログラムによって実装されるニューラルネットワークが、前記飲料調製マシンの電光および画像取込み条件に対応する電光および画像取込み条件の下で前記カプセルを認識するように、訓練によって構成される、ニューラルネットワークコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記ニューラルネットワークコンピュータプログラムが演算装置で実行されると畳み込みニューラルネットワークを実装する、請求項
13に記載のニューラルネットワークコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記畳み込みニューラルネットワークは、少なくとも1つの畳み込み層と、少なくとも1つの全結合された分類層とを含む、請求項
14に記載のニューラルネットワークコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記畳み込みニューラルネットワークは、各々にプーリング層が続く3層の畳み込み層と、2層の全結合された分類器とを含む、請求項
14に記載のニューラルネットワークコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、調製される飲料の原材料のカプセルを使用する飲料調製マシンに関する。本発明の分野は、特に、カプセルを使用し、例えば飲料調製パラメータを認識されたカプセルの種類に適合させるために、マシン内に挿入されたカプセルの種類を自動的に認識するように構成されている飲料調製マシンに関する。
【0002】
本明細書の目的上、「飲料」は、茶、コーヒー、ホットチョコレート又はコールドチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの、人が飲食可能な任意の液体物質を含むことを意図している。「カプセル」は、任意の材料、例えば、プラスチック、アルミニウム、リサイクル可能及び/又は生物分解性パッケージなどの、原材料を収容する軟質ポッド又は硬質カートリッジを含む任意の形状及び構造の封入式パッケージ、特に気密性パッケージ内に、風味原材料などの予め一定量に分配された任意の飲料原材料を含むことを意図している。カプセルは、1人分の飲料又は複数人分の飲料を調製するための量の原材料を収容することができる。
【背景技術】
【0003】
ある種の飲料調製マシンはカプセルを使用しており、カプセルは、抽出若しくは溶解される原材料、及び/又はマシン内にて保管され自動的に投入されるか、若しくは飲み物の調製時に添加される原材料を収容している。いくつかの飲料マシンは充填手段を有し、充填手段は、通常は水である液体用のポンプを含み、ポンプは水の供給源から、冷水、又は例えばサーモブロック等の加熱手段により実際には加熱された液体を圧送する。
【0004】
特に、コーヒー調製の分野では、飲料原材料を収容したカプセルが淹出装置に挿入されるマシンが広く開発されてきた。
【0005】
淹出装置は、使用に際し、「新しい」カプセルを容易に挿入し、及びこのカプセルを容易に取り除くことができるように開発されてきた。典型的には、淹出装置は、カプセルを挿入/除去するための構成から、カプセル内の原材料を淹出するための構成へと相対的に移動可能な2つの部分を備えている。
【0006】
淹出装置の可動部分の作動は手動であってもよく、これは、国際公開第2009/043630号、同第01/15581号、同第02/43541号、同第2010/015427号、同第2010/128109号、同第2011/144719号、及び同第2012/032019号に開示されている。様々な取り扱い構成が、欧州特許第1867260号、国際公開第2005/004683、同第2007/135136号、同第2008/138710号、同第2009/074550号、同第2009/074553号、同第2009/074555号、同第2009/074557号、同第2009/074559号、同第2010/037806号、同第2011/042400号、同第2011/042401号、及び同第2011/144720号に開示されている。このような構成の飲料マシンへの統合は、国際公開第2009/074550号、同第2011/144719号、欧州特許出願公開第2014195046号、同第2014195048号、及び同第2014195067号に開示されている。
【0007】
淹出装置の可動部分の作動は、電動であってもよい。そのようなシステムは、例えば、欧州特許第1767129号に開示されている。この場合、淹出装置を開ける又は閉じるためにユーザが手作業を行う必要はない。淹出装置は、淹出装置の可動部分にスイッチを介して組み込まれた、安全ドアを備えたカプセル挿入路を有し、このスイッチは、閉じるときに挿入路における望ましくない指の存在を検知し、締め付けによる怪我を防止するためのものである。カプセル挿入路のための代替的カバーが、国際公開第2012/093107号及び同第2013/127906号に開示されている。別の電動システムが、国際公開第2012/025258号、同第2012/025259号、及び同第2013/127476号に開示されている。
【0008】
マシンに動作命令を提供するか、又はマシンからフィードバックを取得するために、ユーザがそのようなマシンと相互作用することを可能にするために、例えば以下の参考文献に言及される様々なシステムが当該技術分野において開示されている。オーストリア特許第410 377号、スイス特許第682 798号、ドイツ特許第44 29 353号、同第202 00 419号、ドイツ特許出願公開第20 2006 019 039号、同第2007 008 590号、欧州特許第1 448 084号、同第1 676 509号、欧州特許出願公開第08155851.2号、フランス特許第2 624 844号、イギリス特許第2 397 510号、米国特許第4,377,049号、同第4,458,735号、同第4,554,419号、同第4,767,632号、同第4,954,697号、同第5,312,020号、同第5,335,705号、同第5,372,061号、同第5,375,508号、同第5,645,230号、同第5,685,435号、同第5,731,981号、同第5,836,236号、同第5,959,869号、同第6,182,555号、同第6,354,341号、同第6,759,072号、米国特許出願公開第2007/0157820号、国際公開第97/25634号、同第99/50172号、同第2004/030435号、同第2004/030438号、同第2006/063645号、同第2006/090183号、同第2007/003062号、同第2007/003990号、同第2008/104751号、同第2008/138710号、同第2008/138820号、同第2010/003932号、同第2011/144720号、及び同第2012/032019号。
【0009】
マシンの動作を円滑にするために、例えば、国際公開第2012/123440号に開示されているように、マシンは、マシンに供給されたカプセルを自動的に識別し、次にカプセルを自動的に操作して抽出を行うことが可能である。
【0010】
カプセルを自動的に確実に識別するマシンを用いた飲料注出は、依然として改善する必要がある。
【発明の概要】
【0011】
本発明は飲料を調製するマシンに関する。飲料調製マシンは、家庭内又は家庭外のマシンとすることができる。
【0012】
マシンは、コーヒー、茶、チョコレート、ココア、ミルク、スープ、ベビーフードなどの調製用であってもよい。
【0013】
飲料の調製は、典型的には、複数の飲料原材料の混合、例えば水と乳粉末の混合、及び/又は、飲料原材料の浸出、例えば挽いたコーヒー若しくは茶の、水による浸出などを含む。そのような原材料の1つ以上は、固まっていない粉末形態及び/若しくは凝集粉末形態、並びに/又は液体形態、特に濃縮した形態で供給することができる。キャリア又は希釈液、例えば水を、そのような原材料と混合して飲料を形成することができる。典型的には、ユーザ要求に応じて1人分(例えば、1杯分)に相当する所定量の飲料が形成及び注出される。そのような1人分の量は、飲料の種類応じて、25~200mLの範囲内、及び、例えば、カップを満たすための量である最大300又は400mLとすることができる。形成され、注出される飲料は、リストレット、エスプレッソ、ルンゴ、カプチーノ、ラッテマキアート、カフェラテ、アメリカーノコーヒー、茶などから選択されてもよい。特に、コーヒーマシンは、例えば、1人分当たり20~60mLの調節可能体積でエスプレッソを、及び/又は、例えば、1人分当たり70~150mLの範囲の体積でルンゴを注出するように構成されてもよい。
【0014】
本発明のマシンは、抽出チャンバ内の飲料原材料カプセルに対して抽出を行い飲料を形成するための抽出ユニットを有する。ユニットは、抽出チャンバ内にカプセルを挿入及び/又は抽出チャンバからカプセルを除去するための離隔位置と、そのようなカプセルを抽出チャンバ内に固定して抽出を行うための、閉位置との間で相対的に移動可能な、第1の部分及び第2の部分を有する。閉位置では、第1の部分及び第2の部分は、典型的には抽出チャンバを画定する。
【0015】
カプセルは、カプセル本体、例えば、概ね直線状、テーパ状、又は円盤形状の本体を備え得る。カプセルは、カプセル本体の周縁部、例えば縁又は面から延びる、円形周縁環状フランジ、例えば可撓性又は剛性のフランジを有し得る。カプセルは、茶、コーヒー、ホットチョコレート、コールドチョコレート、ミルク、スープ又はベビーフードを調製するための風味原材料を収容することができる。
【0016】
第1の部分及び第2の部分のうちの少なくとも1つの部分は、例えばカプセル内に、原材料を受け入れるための、テーパ状空洞、例えば円錐形若しくは角錐形空洞、又は直線状空洞、例えば円筒形若しくは台形空洞、又は円盤形空洞などの空洞を画定してもよい。そのような空洞は、第1の部分と第2の部分の相対移動の方向と概ね同一直線上の軸線に沿って延びてもよい。抽出チャンバは、その後、そのような空洞によって片側で画定される。
【0017】
これらの第1の部分及び第2の部分の他方の部分は、別の空洞によって画定されてもよく、及び/又はカプセルの貫通面を開口するための穿孔要素を備えるプレート、又はカプセルの事前に開口された貫流面若しくは自己開口式の貫流面と協働するための非侵入型プレート、などの抽出プレートを含んでもよい。
【0018】
抽出ユニットの例は、国際公開第2008/037642号及び同第2013/026843号に開示されている。
【0019】
これらの部分の少なくとも一方は、カプセルオープナー、例えば、1つ以上のカプセル穴開け器を有することができる。
【0020】
カプセルはまた、自己開口式機構部を含むこともできる。自己開口式カプセルは、例えば、スイス特許第605293号及び国際公開第03/059778号に開示されている。
【0021】
閉じたカプセルが使用される場合、第1の部分及び第2の部分は、刃及び/又は引裂き具などのカプセルオープナー、例えばNespresso(商標)マシンから既知であるような、又は欧州特許第0512470号、同第2068684号、及び国際公開第2014/076041号並びにこれらに引用されている参考文献に開示されているような、例えば、引裂きプロファイルを有するプレートを含むことができる。
【0022】
これらの部分の少なくとも一方は、そのようなカプセル内に収容された原材料と混合される液体を流入させるための開口部を有してもよい。
【0023】
マシンは、そのようなカプセルに対して抽出を行うために抽出ユニットを制御するための制御ユニットを含む。制御ユニットには、例えば、電気コードを介して、電源によって給電することができる。
【0024】
マシンは、そのようなカプセルに対して抽出を行うことによって形成された飲料を容器配置領域に配置されたカップ又はマグなどのユーザ容器に注出するための出口を有する。
【0025】
風味をつけた飲料は、液体に風味をつけるために水などのキャリア液体をカプセルに(液体駆動装置、例えば、ポンプによって)流通させ、例えば、第1の部分と第2の部分の相対運動の方向又は抽出の長手方向若しくは中心方向に概ね平行である抽出方向に沿って、カプセル内に保持された風味原材料にさらすことによって調製することができる。
【0026】
例えば、ユーザ容器は、飲料を収集するために容器支持体上に配置することができる。
【0027】
容器支持体は、そのようなマシンが配置された外部配置支持体によって形成することができる。
【0028】
容器支持体は、マシンによって構成された支持体、例えば移動可能若しくは取り外し可能なマシン支持体によって形成してもよい。
【0029】
容器配置領域は、出口の下にそのようなユーザ受容器を支持するためのマシン受容部支持体と関連付けることができる。支持体は、ドリップトレイ、例えば支持体を支持するドリップトレイと関連付けることができ、かつ/又は出口の下でハウジングに対して垂直方向に移動可能であってもよく、かつ/又は出口の下から離れるようにハウジングに対して移動可能であってもよく、様々な高さでユーザ受容器を出口の下に配置することを可能にする。好適な受容部支持体の例は、欧州特許第0549887号、同第1440639号、同第1731065号、同第1867260号、米国特許第5,161,455号、同第5,353,692号、国際公開第2009/074557号、同第2009/074559号、同第2009/135869号、同第2011/154492号、同第2012/007313号、同第2013/186339号、同第2016/096705号、同第2016/096706号、及び同第2016/096707号に開示されている。
【0030】
実施形態では、出口は、マシンヘッド、及び/又は、移動可能な飲料ガイドに固定され、又は、これらにより形成され、又は、これらに取り付けられ、又は、これらの中に取り付けられることができ、
マシンヘッドは、出口が容器配置領域の上方に位置する展開位置、及び、出口が外部マシン主ハウジング内に後退した収納位置を有し、第1の部分又は第2の部分の少なくとも一方によって、又は、制御ユニットによって制御されるアクチュエータによって、主ハウジングの内部に向かって、及び主ハウジングから外部に向かって駆動されるマシンヘッドであり、及び/又は
移動可能な飲料ガイドは、飲料を容器配置領域に注出する飲料注出構成、及び、例えば、残りの飲料をガイドからガイドエッジを経由して廃棄物容器に排出することによって、容器配置領域への飲料の注出を防止する飲料停止構成を有し、第1の部分及び第2の部分の少なくとも一方によって、又は、マシンヘッド(若しくは上記のマシンヘッド)によって、又は、制御ユニットにより制御されるアクチュエータによって、注出構成と停止構成との間で駆動される飲料ガイドである。
【0031】
例えば、マシンは、国際公開第2017/037212号及び同第2017/037215号に開示されているようなマシンヘッドを備える。
【0032】
本発明を実施するための好適な廃棄物容器の例は、欧州特許第1867260号、国際公開第2009/074559号、同第2009/135869号、同第2010/128109号、同第2011/086087号、同第2011/086088号、国際出願PCT/EP第2017/050237号、及び国際公開第2017/037212号に開示されている。
【0033】
流体導入ガイドは、本体及び/又はマシンヘッド内に完全に閉じ込めることができる。
【0034】
本発明を実施するのに好適な又は適合可能な流体導入ガイドの詳細は、国際公開第2006/050769号、同第2012/072758号、同第2013/127907号、同第2016/083488号、及び同第2017/037212号に開示されている。
【0035】
抽出ユニットは、カプセルを抽出チャンバに供給するカプセルフィーダを含むことができ、このフィーダは、そのようなカプセルをフィーダから抽出チャンバに向けて放出するための放出構成、及び、そのようなカプセルを抽出チャンバから離して保持するための保持構成を有するカプセルディスペンサを有する。
【0036】
カプセルディスペンサは、機械的及び/又は磁気的なカプセルゲートによって形成することができ、カプセルゲートは、例えば、そのようなカプセルの外形の少なくとも一部を補完し、これに整合する形状を有するカプセルホルダである。
【0037】
カプセルホルダは、移動可能なカプセルゲートを有してもよく、カプセルゲートは、抽出チャンバに向けた移送を妨げる位置と抽出チャンバに向けた移送をクリアする位置との間で枢動可能及び/又は並進可能である。
【0038】
カプセルホルダは、保持構成から放出構成に、及びその逆に移行するためのアクチュエータを有してもよく、そのようなアクチュエータは制御ユニットによって制御される。
【0039】
カプセルホルダは、抽出ユニットの第1の部分の少なくとも一部及び/又は第2の部分の少なくとも一部によって、例えば、第1の部分及び第2の部分が閉位置にある場合に、及び/又はそれらが離隔位置と閉位置との間の中間位置にある場合に、抽出チャンバに向かうカプセルの移送を妨げる、第1の部分及び/又は第2の部分の表面及び/又は縁部によって形成されてもよい。次いで、カプセルホルダは、抽出ユニットの第1の部分及び第2の部分と同時に作動される。
【0040】
カプセルを抽出チャンバに向けて放出した直後に、カプセルを放出する必要がある場合にのみ抽出チャンバに向かうアクセスが提供されるように、カプセルディスペンサが放出構成から保持構成に移されてもよい。
【0041】
カプセルフィーダは、そのようなカプセルを抽出チャンバに案内して、カプセルが抽出チャンバに入るようカプセルを所定の向きにするための通路を含んでもよく、そのような通路は、第1の部分及び第2の部分を閉位置へと相対的に移動させる前に、離隔位置にある第1の部分と第2の部分との間にそのようなカプセルを固定するためのカプセル固定器と関連付けられている。
【0042】
第1の部分及び第2の部分(及び任意選択的にカプセル案内通路)と原材料カプセルとの間の相互作用は、国際公開第2005/004683号、同第2007/135135号、同第2007/135136号、同第2008/037642号、及び同第2013/026856号に開示されている種類であってもよい。
【0043】
制御ユニットは、第1の部分及び第2の部分が離隔位置にあるときに、又は、第1の部分及び第2の部分が閉位置に戻された場合には、そのようなカプセルが抽出チャンバに入るように、離隔位置に向けて移動しているときに、そのようなカプセルをフィーダから放出するようにカプセルディスペンサを制御することができる。
【0044】
制御ユニットは、第1の部分及び第2の部分が以下の場合であるとき、そのようなカプセルを抽出チャンバから離してフィーダにて保持するようにカプセルディスペンサを制御することができる。
閉位置にあるか、若しくは閉位置へと相対的に移動しているとき、又は
離隔位置にあり、そのようなカプセルがディスペンサから放出されたとしても、第1の部分及び第2の部分が閉位置に到達する前にそのようなカプセルを抽出チャンバに受け入れるには不十分な時間しか残されていないにもかかわらず、閉位置へと相対的に移動されようとするとき。
【0045】
カプセルフィーダは、制御ユニットに接続されたカプセルセンサを含んでもよく、又は、カプセルセンサと関連付けられてもよく、制御ユニットは、カプセルセンサがそのようなカプセルをカプセルディスペンサ上で又はカプセルディスペンサにて検出しないときに、カプセルディスペンサを保持構成にするか、又は保持構成に維持するように構成されている。カプセルセンサの例は、例えば、国際公開第2012/123440号、同第2014/147128、同第2015/173285、同第2015/173289、同第2015/173292、同第2016/005352号、及び同第2016/005417号に開示されている。
【0046】
制御ユニットは、アクチュエータを制御して、それにより、例えば、カプセル検出、カプセル認識、マシンのユーザインターフェースのユーザによる作動など、又はそれらの組み合わせなどの飲料調製トリガイベントから開始して、例えば5~12秒など3~15秒の範囲内の所定の時間、例えば7~10秒が経過した後、第1の部分及び第2の部分が、閉位置から離隔位置に、及び離隔位置から閉位置に、アクチュエータにより移動されるように構成されることができる。
【0047】
アクチュエータ(例えば、モーター)によって相対的に移動されるそのような部分の実施例は、欧州特許第1767129号、国際公開第2012/025258号、同第2012/025259号、同第2013/127476号、及び同第2014/056641号に開示されている。
【0048】
例えば、第1の部分及び第2の部分は、一般的に直線状の軸線に沿って、閉位置から離隔位置に、及び/又はその逆にアクチュエータによって相対的に移動可能である。
【0049】
マシンは、液体、例えば水を抽出チャンバに供給するための液体供給装置を含んでもよく、液体供給装置は、制御ユニットに接続されて制御ユニットによって制御され、そのような液体を抽出チャンバ内に供給し、かつ、そのような供給を自動的に、及び/又は制御ユニットに接続されたユーザインターフェースを介して手動で、及び/又はそのような容器の除去が検出構成によって検知されたときに、中断する。例えば、液体供給装置は、液体タンク又は外部の液体供給部に接続するための液体コネクタなどの、液体の供給源;液体を抽出チャンバに案内するための1つ以上の液体チューブ;そのような液体を抽出チャンバ内に駆動するための、ポンプ、例えば、電磁ポンプ(レシプロピストンポンプ)、又は蠕動ポンプ、又はダイヤフラムポンプなどの液体駆動装置;及び、液体を熱的に調節するための、例えば、加熱器及び/又は冷却器、インライン熱コンディショナ、例えば、インラインフローコンディショナなどの熱コンディショナ、のうちの1つ以上を含む。
【0050】
好適な液体の供給源、例えば、タンク又はコネクタの例は、国際公開第2016/005349号、欧州特許第2015194020.2号、国際出願PCT/EP第2017/050237号、及びそこで参照された参考文献に開示されている。
【0051】
熱コンディショナは、ボイラ又はサーモブロック又はオンデマンドヒータ(ODH)、例えば欧州特許第1253844号、同第1380243号、及び同第1809151号に開示されている種類のODHであってもよい。
【0052】
ポンプの例及びそれらの飲料マシンへの組み込みは、国際公開第2009/150030号、同第2010/108700号、同第2011/107574号、及び同第2013/098173号に開示されている。
【0053】
制御ユニットは、
任意選択的に、抽出ユニットへのそのようなカプセルの供給をカプセルセンサ(又は上記のカプセルセンサ)で検出した後に、液体をカプセル内に収容された原材料と混合して、出口を通して注出される飲料を形成するように、第1の部分及び第2の部分を離隔位置から閉位置に移動させて、カプセルが抽出チャンバ内に収納された状態で、第1の部分及び第2の部分が閉位置に到達したときに、及び/又は、
ユニットの少なくとも一部及び任意選択的に出口を濯ぐ又は洗浄するように、カプセルが抽出チャンバ内に収納されていない状態で、第1の部分及び第2の部分が閉位置に到達したときに、液体を抽出チャンバに自動的に供給するように液体供給装置を制御するように構成されており、液体供給装置は、例えば、飲料を、例えば淹出などによって形成するためのそのような液体の温度とは異なる濯ぎ温度又は洗浄温度で液体を供給するように構成されていてもよい。
【0054】
特定の実施形態において、低温の又は冷却された飲料を送出することもまた企図されている。
【0055】
制御ユニットは、カプセルが抽出チャンバ内に収納されていない(例えば、検知又は認識されていない)状態で、第1の部分及び第2の部分が閉位置に到達したときに、液体を抽出チャンバに自動的に供給しないように液体供給装置を制御するように構成することができる。例えば、制御ユニットは、対応する手入力によるユーザ入力を制御ユニットに接続されたユーザインターフェース上で検出すると、液体を抽出チャンバに供給するように液体供給装置を制御するように構成されている。
【0056】
制御ユニットは、抽出終了処理プログラムを有してもよい。このプログラムは、液体の供給が中断されたときに(例えば、所定の抽出プロセスが終了したか、又は、抽出プロセスに欠陥があると検知されたときに)自動的に実行されて、
第1の部分と第2の部分との間にカプセルがあればそこから取り除くように、第1の部分及び第2の部分を離隔位置へと直ちに相対的に移動させる、又は
所定の時間の間、例えば、2~3秒などの1~5秒の範囲で第1の部分及び第2の部分を閉位置に維持し、これにより、例えば制御ユニットに接続されたユーザインターフェースを介して、液体供給装置によって更なる量の液体を抽出チャンバに供給するための手入力による要求を可能にし、所定の時間の間にそのような手入力による要求がない場合、第1の部分と第2の部分との間にカプセルがあればそこから取り除いて、例えば、そのようなカプセルを廃棄物容器(又は上記の廃棄物容器)によって形成された使用済みカプセル収集器に移動するように、第1の部分及び第2の部分を離隔位置に相対的に移動させる。
【0057】
例えば、第1の部分及び第2の部分を閉位置に移動させる前に、これらの部分は、所定の時間、例えば、2~4秒などの1~6秒の範囲の所定の時間にわたって離隔位置に留まって、第1の部分と第2の部分との間への新規カプセルの挿入を可能にすることができ、その後、新規カプセルに対する抽出のために、新規カプセルが抽出チャンバ内に収納された状態で第1の部分及び第2の部分を閉位置に相対的に移動させる。
【0058】
したがって、ユーザは、同じユーザ受容器への2人分(以上)の飲料(例えば、ダブルエスプレッソ)の注出を要求することができる。
【0059】
本発明によれば、茶、コーヒー、ホットチョコレート、コールドチョコレート、ミルク、スープ、又はベビーフードなどの飲料を調製及び注出するためのマシンは、
飲料原材料カプセルに対して抽出を行い飲料を形成するための抽出ユニットであって、例えば、第1の部分及び第2の部分を有し、第1の部分及び第2の部分が、カプセルを挿入及び/又は除去するための離隔位置と、第1の部分及び第2の部分が抽出チャンバを画定する閉位置のような、カプセルを固定して抽出を行うための閉位置との間で相対的に移動可能であり、任意選択的に、部分のうちの少なくとも1つがカプセルオープナー、例えば1つ以上のカプセル穴開け器を有し、かつ/又は部分のうちの少なくとも1つが、そのようなカプセルに収容された原材料と混合される液体を流入させるための開口部を有する、抽出ユニットと、
そのようなカプセルに対して抽出を行うために抽出ユニットを制御するための制御ユニットであって、例えば電気コードを介して、電源によって給電される、制御ユニットと、
そのようなカプセルに対して抽出を行うことによって形成された飲料を、ユーザ容器であって、容器支持体、例えばそのようなマシンが配置されている外部配置支持体上の容器配置領域、又はマシン支持体、例えば移動可能若しくは取り外し可能なマシン支持体上の容器配置領域に配置されて飲料を収集するための、カップ又はマグなどの、ユーザ容器に注出するための出口と、
マシン内に挿入されたカプセルをカプセル認識位置において認識するためのカプセル認識モジュールであって、カプセル認識位置にあるカプセルの少なくとも一部の画像を取り込むためのカメラを備える、カプセル認識モジュールと、を備え、
カプセル認識モジュールは、ニューラルネットワーク演算装置を備え、ニューラルネットワーク演算装置は、複数の既定のカプセルの種類のうちのカプセルの種類を、カメラによって取り込まれたカプセルの少なくとも一部の画像に基づいて判定するように構成されている。
【0060】
複数の既定のカプセルの種類は、例えば、カプセル認識モジュールにとって未知のカプセルに対応するカプセルの種類を含む。
【0061】
演算装置は例えば、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は任意の他の適切な演算装置などの演算装置と、演算装置で実行されるとニューラルネットワークを実装するニューラルネットワークコンピュータプログラムとを含む。ニューラルネットワークは、例えば、畳み込みニューラルネットワークである。
【0062】
実施形態では、マシンは、ネットワークインターフェース、例えば、有線又は無線ネットワークインターフェースを更に備える。次いで、ニューラルネットワーク演算装置は、例えば、ネットワークインターフェースを介して構成可能であり、及び/又は遠隔で更新され得る。
【0063】
実施形態では、カプセル認識モジュールは、カプセル認識位置においてカプセルを照らすための少なくとも1つの光源、例えば少なくとも1つのLEDと、少なくとも1つの光源の光をカプセル認識位置に向けて拡散させるための拡散器とを備える。拡散器は、好ましくは、カメラからカプセル認識位置へと延び、かつカプセル認識位置に向かって開口するテーパ状空洞を形成している。
【0064】
本発明によれば、このようなマシンのニューラルネットワーク演算装置を構成する方法は、
所定の種類のカプセルのいくつかの画像を、ニューラルネットワークが所定の閾値よりも高い確率で次の各カプセル画像の種類を正確に判定するまで入力することにより、ニューラルネットワーク演算装置の外部でニューラルネットワークコンピュータプログラムを訓練する工程と、
訓練されたニューラルネットワークコンピュータプログラムを、飲料調製マシンのニューラルネットワーク装置にコピーする工程と、を含む。
【0065】
本発明によれば、このようなマシンのニューラルネットワーク演算装置を更新する方法は、
これまで未知であった新規の種類を含む所定の種類のカプセルのいくつかの画像を、ニューラルネットワークが所定の閾値よりも高い確率で次の各カプセル画像の種類を正確に判定するまで入力することにより、ニューラルネットワーク演算装置の外部でニューラルネットワークコンピュータプログラムを訓練する工程と、
訓練されたニューラルネットワークコンピュータプログラムを、飲料調製マシンのニューラルネットワーク装置にコピーする工程と、を含む。
【0066】
訓練されたニューラルネットワークコンピュータプログラムをマシンのニューラルネットワーク演算装置にコピーする工程は、データネットワークを介して、例えばインターネットを介して、例えばリモートサーバからニューラルネットワーク演算装置に対して、実行されてもよい。
【0067】
本発明は、複数の既定のカプセルの種類のうちのカプセルの種類を、飲料調製マシンのカメラによって取り込まれたカプセルの少なくとも一部の画像に基づいて判定するための、ニューラルネットワークコンピュータプログラムに更に関する。
【0068】
ニューラルネットワークコンピュータプログラムは、好ましくは、演算装置で実行されると畳み込みニューラルネットワークを実装する。実施形態では、畳み込みニューラルネットワークは、少なくとも1つの畳み込み層と、少なくとも1つの全結合された分類層とを含む。実施形態では、畳み込みニューラルネットワークは、例えば、各々にプーリング層が続く3層の畳み込み層と、2層の全結合された分類器とを含む。
【0069】
カプセルの種類を認識するための適切に訓練されたニューラルネットワークの使用は、カプセルの種類の迅速な判定を可能にする。
【0070】
ニューラルネットワークの使用は、大量の計算リソース、及び各カプセルの種類のサンプル画像を記憶するための大きなストレージを必要とする、飲料調製マシンにおける画像比較プロセスを更に回避する。
【0071】
ここで、本発明を概略図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図2】本発明の実施形態によるカプセル認識モジュールの断面図である。
【
図3】
図2のカプセル認識モジュールの分解図である。
【
図4】本発明の別の実施形態によるカプセル認識モジュールの断面図である。
【
図5】
図4のカプセル認識モジュールの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1は、茶、コーヒー、ホットチョコレート、コールドチョコレート、ミルク、スープ、又はベビーフードなどの飲料を調製及び注出するための、本発明による飲料マシン1の例示的な実施形態を示す。原材料は、例えば表題「技術分野」にて上述した種類の原材料カプセルの形態で供給されてもよい。
【0074】
マシン1は、飲料原材料カプセルに対して抽出を行い飲料を形成するための抽出ユニットを含む。抽出ユニットは、例えば、好ましくはマシンハウジング内に配置され、したがって
図1では見えない第1の部分及び第2の部分を有し、これらは、カプセルを挿入及び/又は除去するための離隔位置と、第1の部分及び第2の部分が抽出チャンバを画定する閉位置のような、カプセルを固定して抽出を行うための閉位置との間で相対的に移動可能である。例えば、部分のうちの少なくとも1つは、カプセルオープナー、例えば、1つ以上のカプセル穴開け器を有し、かつ/又は部分のうちの少なくとも1つは、カプセル内に収容された原材料と混合される液体を流入させるための開口部を有する。
【0075】
マシン1は、抽出ユニットを制御してカプセルに対して抽出を行うための、好ましくはマシンハウジング内に配置された制御ユニットを含む。制御ユニットは、例えば既知の方法で、電源によって、例えば、電気コードを介して、又はDC電源、例えば、自動車バッテリ若しくは携帯型バッテリ若しくはマシンバッテリなどのバッテリによって、給電されてもよい。
【0076】
マシン1は、そのようなカプセルに対して抽出を行うことによって形成された飲料を、容器配置領域17に配置されて飲料を収集するための図示していないユーザ容器、例えばカップ又はマグに注出するための出口16を有する。
【0077】
実施形態では、出口16は、例えば、マシンヘッド10に固定されるか、又はマシンヘッド10によって形成されるか、又はマシンヘッド10に取り付けられるか、又はマシンヘッド10内に取り付けられ、出口16は容器配置領域17の上方に配置されている。
【0078】
抽出ユニットは、第1の部分及び第2の部分を、それらの相対的に離れた位置と近い位置との間で相対的に移動させるように構成されたアクチュエータを含む。アクチュエータは、マシンの制御ユニットに接続され、それにより制御されて、第1の部分と第2の部分を相対的に移動させる。
【0079】
制御ユニットは、抽出ユニットを開始及び/又は制御するための入力装置に接続されている。本発明によれば、入力装置は、例えば、ユーザインターフェース3、例えばタッチスクリーンを備える。
【0080】
図2を参照すると、抽出ユニットは、抽出チャンバにカプセルを供給するためのカプセルフィーダ2と、抽出チャンバに供給されたカプセルの種類を認識するためのカプセル認識モジュール4とを含み得る。カプセル認識モジュール4は、例えば、カプセルがカプセルフィーダ2内のカプセル認識位置20にある間、かつ抽出チャンバに供給される前にカプセルの種類を認識し、抽出チャンバは図には示されておらず、例えばカプセル認識位置20の下方に配置されている。
【0081】
マシンは、好ましくは、カプセル認識位置20に接近中の及び/又はカプセル認識位置20内に配置されたカプセルの存在を検知するための、図示されていないカプセルセンサ、例えば、機械的及び/又は光センサを更に備える。
【0082】
カプセルフィーダ2は、カプセルをカプセル認識位置20に保持するための、図示されない保持手段を有し得る。保持手段は典型的には、カプセル認識位置20から抽出チャンバに向かって、例えば重力の作用下で、カプセルを放出するための放出構成と、カプセル認識位置20においてカプセルを抽出チャンバから離して、例えば抽出チャンバの上方で保持するための保持構成とを有する。
【0083】
カプセルフィーダ2は、カプセルを抽出チャンバに案内して、カプセルがカプセル認識位置を通って抽出チャンバに入るようカプセルを所定の向きにするための通路を有し得る。通路は、例えば、カプセルが通路を通って移動する間にカプセルのフランジが挿入されるガイド溝21を備え、これによりカプセルを、好ましくは、カプセル認識モジュール4によるその認識及び/又は抽出チャンバの中へのその挿入のために適切な所定の向きに維持する。
【0084】
制御ユニットは、保持手段を制御して、抽出ユニットの第1の部分及び第2の部分が離隔位置にある時又は離隔位置に向けて移動している時に、カプセル認識位置20からカプセルを放出し、第1の部分及び第2の部分が閉位置に戻された時に、カプセルを抽出チャンバの中に入れてもよい。保持手段は、例えば、抽出ユニットの第1の部分及び/又は第2の部分の表面及び/又は縁部を含む。
【0085】
カプセル認識モジュール4は、好ましくは、制御ユニットに接続され、カプセル認識位置20内に配置されたカプセルの、所定のカプセルの種類のうちの種類を認識するように構成されている。
【0086】
以下で更に詳細に説明するように、カプセル認識モジュール4は、カプセルの画像を取り込み、それを訓練されたニューラルネットワーク演算装置に入力として供給することによって、カプセルの種類を認識する。
【0087】
制御ユニットは、例えば、カプセルの種類に関連付けられた液体供給プログラムに従ってマシンの液体供給装置を制御するように構成されており、液体供給プログラムは、認識されたカプセルに対して抽出を行っている間の定数又は変数である、液体温度、流量、圧力、及び体積から選択される1つ以上の供給される液体の調整されたパラメータを伴う。例えば、カプセルの種類は、マシンの抽出チャンバ内で抽出可能な複数の既知の所定のカプセルの種類から選択することができる。
【0088】
カプセル認識モジュール4は、好ましくは、カプセル認識位置20の高さで、フィーダ2の通路に沿って配される。
【0089】
本発明のマシンの使用中、以下の工程を実施することができる。
容器を容器配置領域内に置く工程、
カプセルをカプセルフィーダ2に挿入する工程、
カプセル認識モジュール4によってカプセルの種類を認識する工程、
抽出ユニットの第1の部分及び第2の部分を、自動的に、半自動的に、又は手動で、それらの離隔位置に相対的に移動させる工程、
カプセルを抽出チャンバに供給する工程、
第1の部分及び第2の部分をその閉位置に相対的に移動させてカプセルを抽出チャンバ内に配する工程、
認識されたカプセルの種類に基づいて決定された抽出パラメータを適用し、抽出チャンバ内のカプセルに対して抽出を行い飲料を調製する工程、及び、
調製された飲料を出口16を介して容器に注出する工程。
【0090】
本発明によれば、カプセル認識モジュール4は、カプセルの画像を取り込み、画像をニューラルネットワーク演算装置によって処理することによって、飲料調製マシンに挿入されたカプセルの種類をカプセル認識位置20において判定するように構成されている。
【0091】
飲料調製マシンは、典型的には、様々な飲料及び/又は様々な飲料スタイルを調製するために、様々な種類のカプセルに対して抽出を行うことを可能にする。抽出チャンバ内で抽出可能な様々な種類のカプセルは、例えば、その中に収容される様々な原材料及び/又は様々な原材料コンディショニングに対応する。
【0092】
実施形態では、カプセルのそれぞれの種類は、特定の種類のコーヒーに対応し、例えば、他の種類のカプセルに収容されるコーヒーと異なっているが、その原産地、焙煎度、挽き目、カプセル分量、及び/又はそのカフェイン含有量の1つ以上において排他的ではない。代替として、又はこれらの組み合わせで、飲料調製マシン1内で抽出可能な様々な種類のカプセルは、例えばコーヒー、ミルク、スープ、乳児用ミルク、茶、冷飲料などの様々な飲料の調製用の原材料に対応する。
【0093】
好ましくは、カプセルの各々の種類は、カプセルの特定の態様、例えば、色又は色の組み合わせ、カプセルの表面上に形成された特定の文字及び/又は図形などと関連付けられ、それにより、例えば、ユーザが様々な種類のカプセルを視覚的に区別することが可能になる。カプセル認識モジュール4のニューラルネットワーク装置は、カプセルの少なくとも一部のデジタル画像に基づいてカプセルの種類を認識するように好ましくは事前に訓練されたニューラルネットワークプログラムを含む。ニューラルネットワーク装置は、典型的には、ニューラルネットワークプログラムを実行するためのデータプロセッサを備える。
【0094】
マシン1は、特定の種類のカプセルに特有の調製パラメータを使用して、各カプセルに対して抽出を行うように構成されていてもよい。調製パラメータは、例えば、キャリア液体温度、キャリア液体体積、抽出時間、キャリア液体圧力、キャリア液体種類、連続調製段階の数などのうちの1つ以上を含む。マシン1内で抽出可能な各種類のカプセルと共に使用する調製パラメータは、好ましくは、制御ユニット及び/又はカプセル認識モジュール4と接続された又は接続可能な内部又は外部データストレージ手段に記憶される。特定のカプセルに対して適切な調製パラメータは、カプセル認識モジュール4によって決定されたカプセルの種類に基づいて選択され、調製パラメータは、認識されたカプセルに対する抽出を制御するための制御ユニットによって使用される。
【0095】
マシン1はまた、例えばマシン1でのカプセル消費を監視するために、マシン内で抽出が行われた各カプセルの種類に関する情報を、外部端末及び/又はサーバに記憶及び/又は送信するように構成されていてもよい。
【0096】
図2を参照すると、カプセル認識モジュール4は、光源、例えば、1つ以上の白色LED40又は任意の他の適切な光源であって、好ましくは既知の及び確定したスペクトルを有する光源と、カメラ41、例えばCCDカメラと、例えば、ニューラルネットワークコンピュータプログラムを実行するように構成されたマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は別の適切な演算装置の形態であって図には示されていないニューラルネットワーク演算装置とを備える。カプセル認識モジュール4は、好ましくは、光源、カメラ41、及びニューラルネットワーク演算装置を制御するための、図には示されていないコントローラ、例えば(ただし排他的ではない)ASIC又はプログラマブルマイクロコントローラを更に備える。代替として、ニューラルネットワーク演算装置及びカプセル認識モジュールのコントローラは、同じ構成要素である、又は単一の構成要素として一体化されている。カプセル認識モジュール4のコントローラは、例えば、光源をオン及びオフに切り替えるように、及び/又はカメラ41からの信号を受信及び処理するように構成されている。光源、カメラ41、ニューラルネットワーク演算装置、及びモジュールのコントローラは、好ましくは、電子基板42に、典型的にはPCBに取り付けられ、例えば半田付けされて、これらに必要な電力及びデータ接続並びに/又は相互接続を既知の方法で提供する。コントローラは、好ましくは、マシン1の制御ユニットに接続され、制御ユニットによって制御される。
【0097】
好ましくは、カプセル認識モジュール4は、光源によって発せられた光をカプセル認識位置20に向けて案内するための、及び/又は、寄生的な光、例えば環境光を検知することを回避するために、カメラ41が受けた光を、好ましくはカプセル認識位置20に配置されたカプセルによって反射された光に限定するための、光ガイド43及び拡散器44を更に備える。
【0098】
好ましくは、光源は拡大光源(extended source of light)である。実施形態では、例えば、光源は、例えばカメラ41の周りに、好ましくは均等に分散された複数のLED40を備える。図示した実施形態では、光源は、例えば、カメラ41の周りに分散された4つのLED40を備え、そのうち2つのみが
図2に概略的に示されている。しかし、他の種類及び/又は分散の拡大光源、例えばカメラ41を取り囲むリング形状の光源が、本発明の枠組み内で可能である。
【0099】
光ガイド43は、例えば、光源及び/又はカメラ41に関連付けられた、例えば少なくとも部分的に覆う本質的に透明なカバーの形態である。カバーは、例えば、拡散器44を通して、光を、カプセル認識位置20に、及びカプセル認識位置20から案内するための開口部又は他の案内手段を備える。
図2に概略的に示す実施形態では、光ガイド43は、例えば、光ガイド突出部430を備え、突出部430の各々は、LED40によって発せられた光を拡散器44の中に案内するために、光源のLED40から拡散器44に向かって延びている。
【0100】
光ガイド43及び/又は拡散器44は、好ましくは、光源によって発せられた光がカプセル認識位置20に直接到達することを回避するように構成されている。
図2に示す実施形態では、光ガイド突出部430は、例えば、案内された光の大部分が、拡散器の内壁の一部に当たりそこで反射されるように、したがって、カメラ41からカプセル位置認識20へと延びる拡散器44の長手方向軸を横断する方向に、拡散器44の中に導かれるように構成されている。拡散器44の側面上の光ガイド突出部430の先端は、例えば、45°で傾斜しており、その結果、案内された光の大部分が傾斜面上で反射され、拡散器44の長手方向軸に対して本質的に垂直な角度で拡散器44に向けて導かれる。
【0101】
図示した実施例では、拡散器44は、カプセル認識位置20に向かって切頭円錐状の空洞開口部を形成する、好ましくは薄色の、例えば白色の、不透明な要素を備える。しかし、拡散器については他の形状も本発明の枠組み内で可能である。しかし、拡散器は、好ましくはカメラ41からカプセル認識位置へと延び、好ましくはカプセル認識位置に向かって開口するテーパ状空洞を形成している。
【0102】
拡散器44は、好ましくは、カプセル認識位置20に配置されたカプセル上での反射、及び/又はカプセル認識モジュール内での反射を回避するように構成されており、この反射は、カプセルの不完全な電光に、したがって、不完全なカプセル認識につながる場合がある。拡散器44の内面は、光源からカプセル認識位置20へと進む光の拡散を向上させるために、例えばテクスチャ加工されている。
【0103】
拡散器44は、任意選択的に、光源から発せられた光線を遮断する及び/又はカプセル認識位置20の方向に逸らす開口部及び/又は突出要素を備える。代替として又はそれらの組み合わせで、拡散器は透明又は半透明の材料で作製され、光源からの光は、例えば光ガイドによって拡散器の壁を通って案内され、したがって、光は、拡散器の壁から外へ、そしてカプセル認識位置の前方の空洞の中へと分散された形で屈折される結果となる。
【0104】
図4は、拡散器44の例示的な実施形態を概略的に示し、光、例えば光ガイド43によって案内され光ガイド突出部430を通って光ガイド43から出る光が、カプセル認識位置20に直接到達することを防止するために、拡散器44はその内側表面上に形成された突出要素440を備える。
【0105】
図示した実施形態では、光ガイド44は、カプセル認識位置20に向かって半楕円体形の空洞開口部を形成しており、カメラ41は、好ましくは、カプセル認識位置41とは反対側の端部に配置されている。
【0106】
図示した実施形態では、突出要素440は、光ガイド43の光ガイド突出部430の先端を少なくとも部分的に覆っている。突出要素440の目的は、光ガイド突出部430の傾斜した先端部から拡散器44の長手方向軸に近い方向に屈折して出た光を遮断して、そのような光が直接、すなわち、拡散器44の内壁によって最初に少なくとも1回反射されることなく、カプセル認識位置20に到達することを回避することである。しかし、拡散器44の突出要素440は、好ましくは、拡散器44の内壁に向かって屈折された光が拡散器の空洞に入ることを可能にするように構成された開口部を備える。
【0107】
任意選択的に、マシン1は、カプセル認識位置20に配置された又はカプセル認識位置に接近中のカプセルを検出するためのカプセル検出器を備える。カプセル検出器は、例えば、好ましくは電子基板42に取り付けられた、例えば電子基板42上に半田付けされたカプセル認識モジュール4内に含まれる。しかしながら、本発明の枠組み内で、カプセル検知器の他の位置への配置も可能である。カプセル検出器は、任意の適切な種類であってもよく、例えば、赤外線(IR)検出器、誘導性及び/又は抵抗性検出器、機械的スイッチング要素などの、存在及び/又は移動検出器であってもよい。カプセル検出器は、例えば、カプセル認識モジュール4のコントローラによって制御される、又はマシンの制御ユニットによって直接制御される。
【0108】
実施形態では、カプセルがカプセル認識位置20において、カプセルフィーダ2に接近中である時、及び/又はカプセルフィーダ2内に置かれた時、カプセル検出器はカプセルの存在を検出し、対応する信号をコントローラに及び/又はマシンの制御ユニットに送り、それにより、光源40が起動して、カプセル認識位置20に配置されたカプセルの表面の少なくとも一部を照らす。その結果、カメラ41が起動されて、照らされたカプセルの少なくとも一部の画像を取り込む。次いで、取り込まれたデジタル画像は、カプセルの種類を判定するために、ニューラルネットワーク演算装置に供給され、ニューラルネットワーク演算装置によって処置される。他の実施形態では、例えば、マシンがなんらかのカプセル検出器を備えていない場合、カプセル認識モジュール4、特に光源40及びカメラ41は、例えば飲料セレクタの起動によって、例えばマシンのユーザインターフェースのユーザ作動によって作動される。
【0109】
好ましくは、カメラ41は、CCDセンサ、又はカプセルの少なくとも一部のデジタル画像、例えば、カラー画像又はグレースケール画像を提供する任意の適切なカメラである。画像は、入力データとしてニューラルネットワーク演算装置に供給され、ニューラルネットワーク演算装置は、カプセルの種類を判定するために、この入力データを使用してニューラルネットワークコンピュータプログラムを実行することになり、ニューラルネットワークのパラメータ、特にそのシナプス荷重及びバイアスは、ニューラルネットワークコンピュータプログラムによって実装された、ニューラルネットワークの訓練中に前もって設定されている。
【0110】
本発明による、カプセルの種類を判定するためのニューラルネットワークは、例えば、種々の種類のカプセルを1つ以上のカプセル認識位置に供給するためのカプセルフィーダを備える訓練ベンチ上で、手動で及び/又は自動的に訓練され、訓練ベンチのカプセル認識位置の各々は、供給された各カプセルの少なくとも一部の写真を、対応するカプセル認識位置において撮るためのカメラを備える。好ましくは、訓練ベンチのカプセル認識位置における電光及び画像取込み条件は、飲料調製マシン内のカプセル認識位置における条件と同様である。次いで、取り込まれた画像は、本発明のニューラルネットワークコンピュータプログラムを実行する演算装置への入力として供給される。各画像に対するプログラムの出力、すなわちニューラルネットワークの出力は、対応するサンプルカプセルの実際の種類と比較され、比較の結果はプログラムにフィードバックされ、プログラムは、ニューラルネットワークパラメータを、具体的には1つ以上のシナプス結合の荷重及び/又はバイアスを調整する。
【0111】
認識が成功する割合が所望の割合に達すると、ニューラルネットワークは好ましくは十分に訓練されたと考えられ、調整されたパラメータを有するニューラルネットワークプログラムは、例えば、コピーされ、本発明の飲料調製マシンに組み込まれた又は組み込まれることになるニューラルネットワーク演算装置に読み込まれてもよい。
【0112】
本発明のニューラルネットワークコンピュータプログラムは、新しい種類のカプセルを含むカプセルを用いた、上述のスキームに従う新しい訓練セッションによって、新しい種類のカプセルを認識するように更新されてもよい。いったん新しい種類のカプセルがニューラルネットワークによって学習されると、更新されたパラメータを有するコンピュータプログラムがコピーされ、機能マシン(functional machines)のニューラルネットワーク演算装置に読み込まれて、そのカプセル認識モジュールが新しいバージョンに更新されてもよい。任意選択的に、様々な認識されたカプセルの種類のうちの1つのカプセルの種類は、マシンにとって未知のカプセルに対応する。
【0113】
本発明のニューラルネットワークコンピュータプログラムの訓練は、好ましくは、飲料調製マシンの外部にある訓練ベンチ上で実施される。しかし、サンプルカプセルの画像を取り込む条件は、好ましくは、マシン内の条件と類似している又は同一でさえある。
【0114】
本発明のニューラルネットワークコンピュータプログラムによって実装されるニューラルネットワークについての好適なアーキテクチャの一例を、以下の表に要約する。
【表1】
【0115】
この実施例によれば、ニューラルネットワークは、12の層を含む畳み込みニューラルネットワークであり、第1の畳み込み層は、128×128×1の入力サイズを有する。したがって、ニューラルネットワークは、典型的には、128画素×128画素のグレースケール画像をその入力として予想し、11重の分類を実行する。ニューラルネットワークは、例えば、5層の基本層、すなわち、3層の畳み込み層、及びそれに続く2層の全結合層を含む。全ての畳み込み層はサイズ3×3×1のカーネルを使用し、ストライドは1であり、パディングは実施せず、32の出力特徴マップが生成される。畳み込みの各々の後に、ReLUの非線形、及び最大プーリング、サブサンプリング演算が続く。次いで、特徴抽出部の出力は、2層の全結合された分類器、例えばLogSoftMax分類器に供給される。分類器の隠れ層は、例えば64個のニューロンから構築され、ReLU活性化関数も同様に使用される。
【0116】
好ましくは、画像データ入力が本発明のニューラルネットワークを介して送られる前に、データに3ステップの前処理が実施される。第1の前処理ステップでは、データは、好ましくは、各画素について訓練セット全体にわたって計算された平均活性化(mean activation)を減算することにより、ゼロを中心とした分布になる。第2の前処理ステップでは、データは、入力値の範囲を正規化するために、データセットのグローバル標準偏差によって除算される。第3及び最後の前処理ステップでは、ピクチャ内のエッジを増幅するために、13×13ガウス重み付けウィンドウ(Gaussian weighting window)を用いて局所コントラスト正規化を行う。
【0117】
しかし、カプセルのデジタル画像又はその少なくとも一部に基づいて、カプセルの種類の認識を信頼性高く実現するために、他のニューラルネットワークアーキテクチャ及び/又はデータ前処理が本発明の枠組み内で可能である。