(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】被験者における血液分布のモニタリング
(51)【国際特許分類】
A61B 8/06 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
A61B8/06
(21)【出願番号】P 2020542639
(86)(22)【出願日】2019-02-05
(86)【国際出願番号】 EP2019052769
(87)【国際公開番号】W WO2019154805
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-02-02
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヘース,フランシスキュス ヘンドリキュス
(72)【発明者】
【氏名】デ ウィルト,ニコ マリス アドリアーン
(72)【発明者】
【氏名】ベゼマー,リック
(72)【発明者】
【氏名】パウリュッセン,イホール ウィルヘルミュス フランシスキュス
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-252423(JP,A)
【文献】特開2003-070758(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0038345(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者における血液分布をモニタリングするシステムであって、
被験者の少なくとも2つの異なる場所における動脈血流を表すドップラー超音波データを受信する入力部と、
プロセッサであって、
前記場所での前記動脈血流の所定の関数を決定し、且つ
前記所定の関数により求まる値における変化をモニタリングする、
ように構成される、プロセッサと、
該モニタリングされる変化に基づいて血液分布情報を提供する出力部と
、を含
み、
前記動脈血流は、被験者の心拍の期間に亘って積分される動脈血流速度を含む、
システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、動脈血流を表す前記ドップラー超音波データが得られる各場所での動脈の直径の測定値に応答し、前記動脈血流は、前記直径及び前記動脈血流の流速に基づく流れの容積流量を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記動脈血流は、被験者の心拍の期間に亘って積分される前記容積流量を含む、請求項
2に記載のシステム。
【請求項4】
前記動脈血流の前記所定の関数により求まる値は、前記場所での前記動脈血流の数値比である、請求項1乃至
3のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記所定の関数により求まる値をその関数により求まる所定の範囲の値と比較し、その比較の結果を示す出力を被験者における潜在的な血液量減少又は血液量過多の指標として提供する、ように構成される、請求項1乃至
4のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
流体を被験者に提供し、被験者における潜在的な血液量減少又は血液量過多を示す前記プロセッサからの前記出力に応答して、前記流体の提供を制御するように構成される、流体管理システムを含む、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記プロセッサへの前記入力部から得られる、その場所での動脈の直径を乗じたその場所での血液流速を時間の経過に亘って積分することによって得られる前記場所のうちの少なくとも1つの場所での血液灌流に基づいて、被験者の心拍出量を示す出力を提供するように構成される、請求項1乃至
6のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
被験者の前記少なくとも2つの異なる場所における前記動脈血流速度を測定し、前記ドップラー超音波データを前記プロセッサに提供するように構成される、少なくとも2つのドップラー超音波プローブを含む、請求項2又は請求項2を引用するときの請求項
2乃至
7のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
被験者の前記場所のうちの少なくとも1つの場所で動脈を撮像して、前記動脈の直径を前記プロセッサに提供するように構成される、少なくとも1つのドップラー超音波プローブを含む、請求項1乃至
8のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記モニタリングされる変化を示す出力を示す被験者の血行動態的なデータを表示するように構成される被験者モニタを含む、請求項1乃至
9のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
被験者における血液分布をモニタリングする方法であって、
システムの入力部が、被験者の少なくとも2つの異なる場所における動脈血流を表すドップラー超音波データを受信すること
と、
前記システムのプロセッサが、前記場所での前記動脈血流の所定の関数を決定すること
と、
前記プロセッサが、前記所定の関数により求まる値における変化をモニタリングすること
と、
前記システムの出力部が、前記モニタリングされる変化に基づいて血液分布情報を提供すること
と、を含
み、
前記動脈血流は、被験者の心拍の期間に亘って積分される動脈血流速度を含む、
方法。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記所定の関数により求まる値をその関数により求まる所定の範囲の値と比較すること、及びその比較の結果を示す出力を被験者における潜在的な血液量減少又は血液量過多の指標として提供することを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記被験者の前記2つの異なる場所は、心臓から実質的に異なる距離にあり、頸動脈及び上腕動脈、又は大腿動脈及び橈骨動脈にある、請求項
11又は
12に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、請求項1乃至
10のうちのいずれか1項に記載のシステムのプロセッサのデータプロセッサによって実行されるときに、前記システムに請求項
11乃至
13のうちのいずれか1項に記載の方法を実行させる、組み込まれたコンピュータ可読指令を有する、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(循環)血液量減少(hypovolemia)を検出するために被験者における血液分布をモニタリングするシステム及び方法、ならびに患者における血液量減少を検出するためにデータを処理する方法に関する。
【0002】
本発明は、更に、そのような方法を実施するためのコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
血液、特に血漿の量が減少した状態である、血液量減少は、出血によって引き起こされることがあり、救命救急において一般的な合併症である。これに対する重要な生理学的応答は、血行動態的な集中化(centralization)、すなわち、四肢から胸郭及び頭部への血液量の再分布である。身体は、末梢血管収縮によってこれを行って、四肢への血液の流入を制限し、それは先ず心臓が中枢の生命維持に必要な器官のために十分な血圧の生成を維持することを可能にする。血液量減少が進行すると、身体はもはや代償することができず、不安定になる。血圧は低下して、生命維持に必要な臓器の低灌流を引き起こす。
【0004】
臓器レベルで、身体は、ある範囲の血圧の下で、すなわち、自己調節によって灌流を維持することができる。脳のような幾つかの器官については、比較的低い血圧から比較的高い血圧まで十分な灌流を維持することができる。四肢や腎臓のような他の臓器又は身体部分について、灌流は、小さな血圧範囲内でのみ十分に維持される。その範囲外で、灌流は、血圧に直接依存する。これは、器官を通じる容量的血流を血圧の関数として示し且つ容積状態を表示する
図1に例示されている。血管の直径は、各グラフについて考慮されている。線10は、頸動脈を通じて脳に向かう流れを表しており、線12は、上腕動脈を通じる流れを表している。状態p1は、血液量減少であり、p2は、正常血液量であり、p3は、(循環)血液量過多(hypervolemia)である。血圧がp2からp1に低下するときに集中化が起こり、上腕流12は強く影響され、それはこの領域における傾きによって示されている。頸動脈流10は、容積が更に減少するまで、大きな影響を受けず、それはこの領域における傾きによって示されている。故に、血液量減少からの集中化の場合、優先度の低い臓器又は肢への流れは、有意に減少させられ、血圧に依存する一方で、脳のような高い優先度の臓器への流れは維持され、大部分は血圧と無関係である。
【0005】
血圧は、初期的に集中化によって維持されるため、動脈血圧及び心拍数のような従来的な測定は、血液量減少に至る容積損失の発症及び早期段階を特定することができない。故に、タイムリーな介入、すなわち、原因を見出し、補助的な流体管理を提供することを可能にするために、集中化をより早期に検出できることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、被験者における血液量減少の発症を早期に検出する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、特許請求の範囲において定義される。
【0008】
本発明は、被験者における血液分布をモニタリングするシステムを提供し、システムは、
被験者の少なくとも2つの異なる場所における動脈血流を表すドップラー超音波データを受信する入力部と、
プロセッサであって、
2つの異なる場所での動脈血流の所定の関数を決定し、
所定の関数の変化をモニタリングする、
ように構成される、プロセッサと、
モニタリングされる変化に基づいて血液分布情報を提供する出力部とを含む。
【0009】
血流は、心臓からの距離に依存して、血管系内で集中化を伴って異なって変化するので、本発明は、血行動態的な集中化、従って、血液量減少の発症を検出することができ、そして、本発明は、これらの相違に基づいて、血液量過多を類似の方法において検出することができる。
【0010】
血流の多くの異なる測定値を用いて2つの異なる場所で起きている示差的な変化をモニタリングすることができる。選択される時間期間に亘る流速又は容積流量の平均値を取ることができる。これはノイズ及び些細な変動の影響を減少させることができ、流れの比較のための共通の基礎を提供することができる。血流の測定値は、被験者の心拍の期間に亘って積分される流速を含んでよい。流速は周期的に変化し、心拍に亘るその積分は流れの適切な平均を提供することができる。
【0011】
プロセッサは、好ましくは、動脈血流速度を表すドップラー超音波データが得られる各場所での動脈の直径の測定値に応答し、その場合、血流の測定値は、好ましくは、直径及び流速に基づく流れの容積流量を含む。例えば、パルス波超音波ドップラー技法によって、直径を測定することができる。血流データを得るために超音波プローブ(パッチ)が被験者で使用されるときには、これらのプローブの1つ又は異なるプローブを駆動して、既知の技法を用いて直径を導出するために使用することができる動脈壁の画像を提供することができる。しかしながら、動脈直径を、他の方法で、例えば、医療記録からの患者の身長、体重、年齢、性別等に基づいて得ることができる。
【0012】
動脈血流は、好ましくは、被験者の心拍の期間に亘って積分される容積流量を含む。
【0013】
動脈血流の所定の関数は、好ましくは、それらの数値比である。これは、例えば、異なる場所にあるプローブから取られる、血流速度、それらの時間積分値、容積血流、又は時間積容積血流の比であることができる。しかしながら、数値除算の代わりに、他の数学的関数を使用することができる。例えば、除算プロセスの前に定数を各流れ値に加算するか或いは各流れ値から減算することができ、或いは2次又はより複雑な関数を適用して状態が正常血液量から逸脱した時を決定することができる。計算における数学的関数の代わりに、ルックアップ表を用いることができる。
【0014】
プロセッサは、好ましくは、所定の関数をその関数の所定の範囲の値と比較し、その比較の結果を示す出力を被験者における潜在的な血液量減少又は血液量過多の指標として提供する、ように構成される。例えば、数値比を範囲の上方値及び下方値又は特定の正常値と比較することができる。頸動脈流と上腕動脈流との間の比の高い値は血液量減少を示し、低い値は血液量過多を示す。
【0015】
システムは、流体を被験者に提供し、被験者における潜在的な血液量減少又は血液量過多を示すプロセッサからの出力に応答して、流体の提供を制御するように構成される、例えば、無線で又は病院ネットワーク内のケーブルによってプロセッサに接続される、流体管理システムを含んでよい。このようにして、対象が血液量減少の発症を有することがあるという認識を用いて、例えば、点滴を通じて、流体を提供して、状態を処置することができる。
【0016】
便利には、プロセッサは、プロセッサへの入力部から得られる、その場所での動脈の直径を乗じたその場所での血液流速を時間の経過に亘って積分することによって得られる2つの異なる場所のうちの少なくとも1つの場所での血液灌流に基づいて、被験者の心拍出量を示す出力を提供するように構成されてもよい。これは数多くの血行動態的な指標(indications)及び/又は血圧及び脈拍のようなバイタルサインの表示(display)を提供することができる。
【0017】
システムは、被験者の少なくとも2つの異なる場所における動脈血流速度を測定し、ドップラー超音波データをプロセッサに提供するように構成される、少なくとも2つのドップラー超音波プローブを含んでよい。これらは、例えば、キットとして提供されてよく、それらは、好ましくは、ケーブルによってプロセッサに接続可能である。送信及び受信サイクルにおけるプローブの駆動は、プローブで或いはプロセッサ又はシステム全体の別の部分において局所的に制御されることができる。
【0018】
システムは、被験者の2つの異なる場所のうちの少なくとも1つの場所で動脈を撮像して、動脈の直径の測定値をプロセッサに提供するように構成される、少なくとも1つのドップラー超音波プローブを含んでよい。それはパルス波ドップラー技術を用いて作動させられてよい。これはそれ自体のローカル駆動構成を有してもよく、或いはそれはプロセッサ又はシステム全体の別の部分によって駆動させられてよい。
【0019】
システムは、モニタリングされる変化を示す出力を示す被験者の血行動態的なデータを表示するように構成される被験者モニタを含んでよい。
【0020】
本発明は、被験者における血液分布をモニタリングする方法も提供し、方法は、
被験者の少なくとも2つの異なる場所における動脈血流を表すドップラー超音波データを受信すること、
2つの異なる場所での動脈血流の所定の関数を決定すること、
所定の関数における変化をモニタリングすること、及び
モニタリングされる変化に基づいて血液分布情報を提供することを含む。
【0021】
これは、好ましくは、所定の関数をその関数の所定の範囲の値と比較すること、及びその比較の結果を示す出力を被験者における潜在的な血液量減少又は血液量過多の指標として提供することを含む。
【0022】
被験者の2つの異なる場所は、心臓から実質的に異なる距離にあり、好ましくは、頸動脈及び上腕動脈、又は大腿動脈及び橈骨動脈にある。これは、血液量減少の集中化特徴を検出することができる血流に関する情報を提供する。何故ならば、流れは、それが心臓により近いよりも、身体の末梢領域において最初により多くの影響を受けるからである。
【0023】
本発明は、コンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ可読記憶媒体は、上述のシステムのプロセッサのデータプロセッサによって実行されるときに、システムに上述の方法を実行させる、組み込まれたコンピュータ可読指令を有する、コンピュータプログラム製品も提供する。そのようなコンピュータプログラム製品は、本発明の実施形態を実施するために既存の患者モニタリングシステムを構成するために使用されてよく、それによって、そのような既存の患者モニタリングシステムが交換されるべき必要を回避する。よって、このようなコンピュータプログラム製品の利用可能性は、本発明の実施形態を実施する費用効率的な方法である。本発明は、従来的な超音波プローブ又はより長い時間期間に亘って身体に連結されるのに適した低プロファイル超音波プローブ(パッチ)を使用することができる。
【0024】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、非限定的な例として、より詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】2つの異なる身体部分の血圧及び血流のグラフである。
【
図2】本発明を組み込むことがある患者モニタリングシステムを概略的に描写している。
【
図3】2D又は3D超音波パッチのための構成方法のフローチャートである。
【
図4】本発明を組み込むことがあるアレイ変換器プローブを備える超音波診断撮像システムをブロック図の形態において示す図である。
【
図5】頸動脈及び上腕動脈で測定したときの時間に対する流速のグラフである。
【
図6】血液量分布変化を検出する本発明を具現する方法を示すブロック図である。
【
図7】
図6の方法での3つのプローブの使用をより詳細に示すブロック図である。
【
図8】身体の複数の異なる部位についての血圧及び血流のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図は概略的であるに過ぎず、縮尺通りに描かれていないことが理解されるべきである。同じ又は類似の部分を示すために、図面を通じて同じ参照番号が使用されていることも理解されるべきである。
【0027】
本発明は、好ましくは表面的に被験者の身体上の異なる位置に配置され、パッチを用いて固定された、2つの異なる超音波プローブからのドップラーデータを用いて、データにおける、好ましくはそれらの位置での動脈血流の測定値の比率における変化から、(循環)血液量減少(hypovolemia)又は(循環)血液量過多(hypervolemia)の発症を検出する。心臓へのそれらの近接性に依存して集中化が起こるときに、血流速度及び容積血流速度の両方は異なって変化するので(
図1を参照)、この差は、集中化が起こっていること、よって、被験者が血液量減少を患っている場合があることの警告を提供するために利用される。
【0028】
これは、手作業で又は自動的に提供することができる、適切な体液管理のような迅速な処置をもたらすことができる。血液量減少については、血漿損失を補うために体液(fluids)が必要とされ、血液量過多については、例えば、利尿薬を使用することができる。
【0029】
病院における使用のための全体的なシステムを先ず記載する。これは、超音波プローブと、血流比の状態を含む被験者の血行動態的な(haemodynamic)情報を表示するモニタに接続されたコントローラとを含む。
【0030】
超音波デバイス連続的に収縮するフォームファクタ(形状因子)は、そのようなデバイスを、例えば、病院又は他の医療施設のような臨床設定における(半)連続的な患者モニタリングのために、ウェアラブル(着用可能な)センサ、例えば、パッチとして、今や配置し得ることを意味する。それ自体よく知られているように、超音波デバイスは、動脈灌流、循環容積状態、体液反応性、血行動態的な安定性等のような、患者パラメータを導出することがある、ピーク流量、速度、及び血管径を含む血流のような、ドップラー超音波の使用を通じた血行動態的なデータを収集するために使用されることがある。それは、例えば、血行動態的に不安定な患者、例えば、手術から回復している患者において、そのような血行動態的パラメータをモニタリングするために有用なことがある。
【0031】
典型的には、そのようなモニタリング結果は、患者モニタ、すなわち、そのようなパラメータの1つ又はそれよりも多くをそのディスプレイスクリーンに表示するディスプレイデバイス上で表示され、その場合、パラメータは、表示されるトレースを評価することによって、介護者が患者の血行動態的な安定性を評価することができるように、専用のディスプレイ領域を亘って時間的に進行するトレースとして表示されてよい。加えて、典型的には、患者モニタは、介護者が警告を発せられることができて、患者に必要なことがある医療的な注目を提供することができるように、血行動態的なデータにおける異常を検出した後にアラームを生成するために、血行動態的なデータを評価する、コントローラを含む。
【0032】
これは、例えば、被験者に取り付けられる超音波変換器(トランスデューサ)を介して連続的な超音波データを取得することによる被験者における連続的な非侵襲的な血行動態的な状態モニタリングのための方法を開示する、特許文献1から知られている。連続的な動脈波形は、取得される超音波データに基づいて推定され、血行動態的なパラメータは、動脈波形から各心周期(cardiac cycle)について導出される。被験者の現在の血行動態的な状態は、初期の時間期間に亘るこれらのパラメータの変動に基づいて1つ又はそれよりも多くの血行動態的なパラメータに限界を設定することによって定義され、それらは、被験者の1つ又はそれよりも多くの血行動態的なパラメータについての現在の状態を1つ又はそれよりも多くの血行動態的なパラメータについて前もって決定された限界と比較することによって被験者の血行動態的な状態を継続的にモニタリングするために使用される。1つ又はそれよりも多くの血行動態的なパラメータの現在の状態において変化が検出された事態には、トリガ信号又はアラームが血行動態的なモニタに出力され、或いは、変化が検出されない事態には、動脈パラメータが動脈血圧の連続的な推定に変換される。
【0033】
そのようなモニタリングのためにウェアラブル超音波デバイスを患者に配置するとき、超音波デバイスは、典型的には、超音波デバイスで取得される超音波エコー信号の信号対雑音比をモニタリング及び/又は最適化するために、患者の動脈を見出すために構成可能である。例えば、超音波デバイスは、超音波装置の視野内に患者の動脈を位置決めするために、超音波デバイスによって生成される超音波ビームを操縦するために、すなわち、その角度を変化させるために、構成可能な方法において個々にアドレス指定されることがある、複数の超音波変換器を含んでよい。これは、超音波デバイスを患者に手作業で位置決めし、引き続き、その取得されたエコー信号の前述の信号対雑音比に関する超音波デバイスの最適な構成を得るよう超音波デバイスを電子構成することを含んでよい。
【0034】
図2は、1つのプローブのみを示しているが、2つ又はそれよりも多くのプローブを用いて本発明を具現してよい、患者モニタリングシステム14を概略的に描写している。患者モニタシステム14は、患者モニタコントローラ30の制御の下にある患者モニタ20を含む。患者モニタコントローラ30は、身体部分34内の動脈36をモニタリングするために患者の腕又は脚又は首のような身体部分34に位置付けられるウェアラブル超音波センサプローブ32に接続された入力31で、超音波信号、例えば、超音波ドップラー信号を受信するように構成される。より具体的には、ウェアラブル超音波センサプローブ32は、典型的には、一連の超音波測定値を得るように構成され、この超音波測定値から、患者モニタコントローラ30は、患者の動脈36を通じる血流に関する血行動態的な(血行力学的な(hemodynamic))データを導出し、患者モニタ20を制御して、導出された血行動態的なデータを患者モニタ20のディスプレイスクリーンに表示することができる。
【0035】
患者モニタコントローラ30は、典型的には、ここでは非限定的な例としてプロセッサ38によって例示される、1つ又はそれよりも多くのプロセッサを含むプロセッサ構成を含み、プロセッサ38は、ウェアラブル超音波センサプローブ32から超音波測定データを受信し、受信した超音波測定データを処理して、患者モニタ20に表示されるべき血行動態的なデータを取得し、任意的に、ウェアラブル超音波センサプローブ32から受信する一連の超音波測定値に亘る血行動態的なデータの変動のような、時間の経過に亘る血行動態的なデータの傾向を決定することのような、取得した血行動態的なデータの評価を行う。一連の超音波測定値を参照する本願の脈絡において、これはこれらの心周期に関連する血行動態的なデータを導出することができる患者の1つ又はそれよりも多くの心周期の間に行われる複数の測定を指すことが理解されるべきである。好ましくは、超音波測定値は、そのような血行動態的なデータを導出することができる超音波ドップラー測定値を含む。
図2に示すプロセッサ構成は、例えば、患者モニタ20に表示される血行動態的なデータの連続性の中断を引き起こすウェアラブル超音波センサプローブ32の再構成を回避するよう、プロセッサ38と患者モニタ20との間で同期する同期ユニット40を更に含む。プロセッサ38及び同期ユニット40は、別個の実体として示されているが、そのようなユニットは、単一のプロセッサ又は協働する複数のプロセッサ、例えば、単一のマルチコアプロセッサの離散的なのプロセッサコア又は別個のプロセッサによって実現されてよいことが、当業者に直ちに明らかであろう。
【0036】
患者モニタコントローラ30は、任意の好適な形態を取ってよいユーザインタフェース42に応答してよい。例えば、ユーザインタフェース42は、患者モニタ20のタッチスクリーン、又は有線もしくは無線方式で患者モニタコントローラ30に通信的に連結される別個のデバイスのタッチスクリーンであってよい。代替的に、ユーザインタフェース42は、当業者に直ちに明らかであるように、タッチパッド、キーボード、マウス、トラックボール等、又はそれらの組み合わせの形態を取ってよい。ユーザインタフェース42は、どの血行動態的なデータが患者モニタ20のディスプレイスクリーンに表示されるべきかを設定するよう、患者モニタシステム14のユーザによって使用されてよい。例えば、ユーザは、潜在的にはウェアラブル超音波センサプローブ32によって取り込まれるような患者の動脈の超音波画像と共に、患者モニタ20に表示されるべき血流又はピーク血流(における心拍間の可変性)、速度及び血管直径(PFV、PVV及びVDV)のような1つ又はそれよりも多くの血行動態的な波形、ならびに動脈灌流、循環容積状態、流体応答性及び血行動態的な状態のような導出されるパラメータを選択してよい。
【0037】
患者モニタコントローラ30は、患者モニタコントローラ30がウェアラブル超音波センサプローブ32でモニタリングされている患者の更なるバイタルサイン情報を受信する、人工呼吸器、ECGモニタデバイス等のような更なる患者モニタリングデバイス43に応答してよい。当業者によって容易に理解されるように、患者モニタリングシステム14のユーザは、例えば、ユーザインタフェース42を通じて、そのような更なるバイタルサイン情報を患者モニタ20にも表示するよう、システムを構成してよい。
【0038】
患者モニタコントローラ30は、プロセッサ38がウェアラブル超音波センサプローブ32から受信する一連の超音波測定値から導出される血行動態的なデータにおける異常を検出するときにアラームを生成するアラーム生成ユニット44を更に含んでよい。そのようなアラーム生成ユニット44は、そのような異常が検出されたという事実を介護者に警告するために、計算ユニットからの出力45を受信し、可聴アラームを生成するラウドスピーカ等、ページャ、スマートフォン等のような遠隔デバイス50にアラームを送信する通信モジュールの形態のような、任意の適切な形態を取ってよい。そのような通信モジュールは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)のような任意の適切な無線通信規格、GSM又はUMTSのような移動通信規格等を実装する、無線通信モジュールであってよい。代替的に、通信モジュールは、任意の適切な通信プロトコルを使用して有線ネットワークを通じて遠隔デバイス50にアラーム信号を中継する有線通信モジュールであってよい。更に別の実施形態におけるアラーム生成ユニット44は、遠隔デバイス50のために可聴アラーム及びアラーム信号の両方を生成するように構成される。
【0039】
コントローラ30は、異なるモニタリングソース32、43からの入力を比較して、患者モニタコントローラ30のアラーム生成ユニット44が前述のアラームを生成して、患者が必要な医学的注目を受けることができるように介護者の注目を引き付けることがあるように、患者に実際の生理学的変化があるかどうかを決定してよい。
【0040】
この例におけるコントローラ30は、ベッドサイドの点滴制御装置のような流体管理システム46に出力信号を提供して、患者の監視状態に基づいて流体計量分配速度(fluid dispense rate)を設定する。
【0041】
ウェアラブル超音波センサプローブ32は、ウェアラブル超音波センサプローブ32の動作を構成するために個々にアドレス指定可能であってよい、圧電変圧器又は好ましくは容量性微小機械加工超音波変換器のような、複数の超音波トランスデューサを含んでよい。例えば、超音波変換器の個々のアドレス指定は、
図2のウェアラブル超音波センサプローブ32から発する実線及び破線矢印によって示されるように、ウェアラブル超音波センサプローブ32で生成される超音波ビームのビーム角度を構成するように制御されてよい。ウェアラブル超音波センサ32のそのような構成は、ウェアラブル超音波センサプローブ32が患者の身体領域34上に配置された後に、ウェアラブル超音波センサプローブ32の視野内に患者の動脈36を導くために使用されてよい。ウェアラブル超音波センサプローブ32は、接着パッチ、身体部分34に締め付けられるセンサ、又はそれらの組み合わせのような、任意の適切な形態で現れてよい。患者の身体領域34に固定するためのウェアラブル超音波センサプローブ32の他の適切な実施形態は、当業者に直ちに明らかであろう。ウェアラブル超音波センサプローブ32は、患者モニタコントローラ30の同期ユニット40に応答する構成ユニット(図示せず)を含んでよく、構成ユニットは、ウェアラブル超音波センサを構成するように適合(構成)されてよい。代替的に、患者モニタコントローラ30のプロセッサ構成、例えば、プロセッサ38及び/又は同期ユニット40は、以下により詳細に説明するように、ウェアラブル超音波センサプローブ32を構成するように適合(構成)されてよい。
【0042】
ウェアラブル超音波センサプローブ32の位置決め及び較正は、2D超音波センサの位置決め及び較正方法のフローチャートを描写する、
図3の助けを得て更に詳細に説明される。方法は、ウェアラブル超音波センサプローブ32の提供を受けて操作61で開始し、然る後、ウェアラブル超音波センサプローブ32が、介護者によって患者の身体領域に手作業で位置付けられ、ウェアラブル超音波センサプローブ32は、例えば、ウェアラブル超音波センサプローブ32で生成されるドップラー超音波データ内の患者の動脈36を検出するために、ウェアラブル超音波センサプローブ32によって生成されるビーム角の系統的な変化によって、電子的に較正される。そのような動脈36を検出することができるかどうかが操作65において確認される。そのような動脈36を検出することができないならば、方法は操作63に戻り、操作63において、介護者は、ウェアラブル超音波センサプローブ32を手作業で再配置し、然る後、動脈36が発見されるまで、その電子較正を繰り返し、然る後、方法は操作67に進む。
【0043】
操作67において、動脈36に近い関心領域が選択され、操作69において、動脈の複平面図を生成して、ウェアラブル超音波センサプローブ32と動脈36との整列を確認する。操作71において、動脈36のそれぞれの直径は、アラーム生成ユニット44によって生成される音響ガイダンス信号によって任意的に補助される、介護者によるウェアラブル超音波センサプローブ32の、操作73における手作業の再配置の間に系統的に評価される。操作71及び操作73におけるこの反復的なプロセスは、ウェアラブル超音波センサプローブ32と動脈36との最適な整列を示す、両方の視認平面における動脈36の最大直径が得られるまで繰り返される。評価操作71の肯定的な結果である、そのような最適な整列を達成した後、方法は操作75において終了する。
【0044】
3Dウェアラブル超音波センサプローブ32の位置決め及び較正方法は、ウェアラブル超音波センサプローブ32と患者の動脈36との整列を最適化する操作73における手作業の再配置が、この再配置がウェアラブル超音波センサプローブ32の電子ビームステアリングによって行われる操作によって置換される点において、2Dウェアラブル超音波センサ32について
図3に示すような方法と異なる。
【0045】
患者モニタコントローラ30のプロセッサ38によって実行される上述の方法は、プロセッサ構成上で実行されるときに、プロセッサ構成に本方法の任意の実施形態を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体上に具現されるコンピュータ可読プログラム命令によって実現されてよい。例えば、CD、DVD又はBlu-Rayディスクのような光学的に読取可能な媒体、ハードディスクのような磁気的に読取可能な媒体、メモリスティックのような電子データ記憶装置等のような、任意の適切なコンピュータ読取可能な記憶媒体が、この目的のために使用されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読プログラム命令がネットワークを通じてアクセスされることがあるように、インターネットのようなネットワークを通じてアクセス可能な媒体であってよい。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、ネットワーク付着されるストレージデバイス、ストレージ領域ネットワーク、クラウドストレージ等であってよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読プログラム命令が得られることがあるインターネットアクセス可能なサービスであってよい。ある実施形態において、患者モニタコントローラ30は、そのようなコンピュータ可読記憶媒体からコンピュータ可読プログラム命令を取り出し、取り出したコンピュータ可読プログラム命令を患者モニタコントローラ30のデータストレージ構成、例えば、患者モニタコントローラ30の一部を形成するメモリデバイス等に記格納することによって、新しいコンピュータ可読記憶媒体を作成する、ように構成される。
【0046】
完全性のために、
図4は、本発明のシステムで使用されることがある、既知の超音波撮像システムを形成することがある、構成要素の一例を示している。上記で議論したようなCMUTセル108の変換器アレイ106は、超音波を送信し、エコー情報を受信するためのものである。システム102の変換器アレイ106は、一般的に、3D撮像のために三次元内又は2D平面内で走査し得る変換器素子の1次元又は2次元アレイであってよい。1つのそのようなアレイは、本発明の2つ又はそれよりも多くのプローブの各々として使用されてよい。
【0047】
変換器アレイ106は、CMUTアレイセルによるシグナルの送受信を制御するマイクロビームフォーマ112連結される。マイクロビームフォーマは、例えば、特許文献2(Savord et al.)、特許文献3(Savord)、及び特許文献4(Powers et al.)に記載されているように、変換器素子の群又は「パッチ」によって受信される信号の少なくとも部分的なビーム形成が可能である。
【0048】
マイクロビームフォーマ112は、プローブケーブル、例えば、同軸ワイヤによって、送信/受信(T/R)スイッチ116に連結され、T/Rスイッチは、マイクロビームフォーマが存在しないか又は使用されず、変換器アレイ106がメインシステムビームフォーマ120によって直接的に作動させられるときに、送信モードと受信モードとの間で切り替わり、メインビームフォーマ120を高エネルギ送信信号から保護する。マイクロビームフォーマ112の制御の下での変換器アレイ106からの超音波ビームの送信は、T/Rスイッチ116及びメインシステムビームフォーマ120によってマイクロビーム形成器に連結される変換器コントローラ118によって方向付けられ、変換器コントローラは、ユーザインタフェース又は制御パネル138のユーザ操作からの入力を受信する。変換器コントローラ118によって制御される機能(functions)の1つは、ビームが操舵され焦点が合わされる方向である。ビームは、変換器アレイ106(に対する直交)から前方に真っ直ぐに又はより広い視野のために異なる角度で操縦されてよい。
【0049】
変換器コントローラ118は、変換器アレイのための電圧源145を制御するよう連結されてよい。例えば、電圧源145は、CMUTアレイ106のCMUTセルに印加されるDC及びACバイアス電圧を設定して、例えば、伝送モードにおいて超音波RFパルスを生成する。
【0050】
マイクロビームフォーマ112によって生成される部分的にビーム形成された信号は、メインビームフォーマ120に転送され、変換器素子の個々のパッチからの部分的にビーム形成された信号は、メインビームフォーマで完全にビーム形成された信号に結合される。例えば、メインビームフォーマ120は、128チャネルを有してよく、各チャネルは、数十個又は数百個のCMUT変換器セル108のパッチから部分的にビーム形成された信号を受信する。このようにして、変換器アレイ106の数千の変換器素子によって受信される信号は、単一のビーム形成された信号に効率的に寄与することができる。
【0051】
ビーム形成された信号は、信号プロセッサ122に結合される。信号プロセッサ122は、受信するエコー信号を、帯域通過フィルタリング、デシメーション、I及びQ成分分離、及び組織及びマイクロバブルから戻される非線形(基本周波数の高調波)エコー信号の識別を可能にするよう線形信号及び非線形信号を分離するように作用する高調波信号分離のような、様々な方法で処理することができる。
【0052】
信号プロセッサ122は、任意的に、スペックル低減(speckle reduction)、信号合成(signal compounding)、及びノイズ除去(noise elimination)のような、付加的な信号増強を行ってよい。信号プロセッサ122内の帯域通過フィルタは、トラッキングフィルタであってよく、その通過帯域は、エコー信号が増加する深度から受信されるに応じて、より高い周波数帯域からより低い周波数帯域にスライドし、それによって、これらの周波数が解剖学的情報を欠くより大きな深度からのより高い周波数でノイズを拒絶する。
【0053】
処理された信号は、Bモードプロセッサ126及びドップラープロセッサ128に結合される。Bモードプロセッサ126は、身体内の欠陥及び臓器の組織のような身体内の構造を撮像するために、受信する超音波信号の振幅の検出を利用する。身体の構造のBモード画像は、例えば、特許文献5(Roundhill et al.)及び特許文献6(Jago et al.)に記載されているように、高調波画像モードもしくは基本画像モードのいずれか又は両方の組み合わせにおいて形成されてよい。
【0054】
ドップラープロセッサ128は、画像野(image field)内の血球の流れのような、物質の動きの検出のために組織の動き及び血流からの時間的に別個の信号を処理する。ドップラープロセッサは、典型的には、身体内の選択されたタイプの材料から戻されるエコーを通過及び/又は拒否するように設定されてよいパラメータを備える壁フィルタを含む。例えば、壁フィルタは、より高速の材料から比較的低い振幅の信号を通過させる一方で、より低速又はゼロ速度の材料から比較的強い信号を拒絶する、通過帯域特性を有するように設定されることができる。
【0055】
この通過帯域特性は、流れている血液からの信号を通過させる一方で、心臓の壁のような、近くの静止した又はゆっくり動く物体からの信号を拒絶する。逆特性は、心臓の動く組織からの信号を通過させる一方で、組織ドップラー撮像と呼ばれるものについての血流信号を拒絶して、組織の動きを検出して描写する。ドップラープロセッサは、画像野内の異なる点からの時間的に別個のエコー信号のシーケンス、すなわち、アンサンブル(ensemble)と呼ばれる特定の点からのエコーのシーケンスを受信して処理する。比較的短い間隔に亘って急速な連続において受信されるエコーのアンサンブルを用いて、血流速度を示す速度に対するドップラー周波数の対応と共に、流れる血液のドップラーシフト周波数を推定することができる。より長い時間期間に亘って受信されるエコーのアンサンブルを用いて、よりゆっくり流れる血液又はよりゆっくり動く組織の速度を推定する。
【0056】
Bモード(及びドップラー)プロセッサによって生成される構造信号及び動き信号は、走査コンバータ132(scan converter)及び多平面リフォーマッタ144(multiplanar reformatter)に結合される。走査コンバータ132は、エコー信号が所望の画像フォーマットで受信される空間的関係にエコー信号を配置する。例えば、走査コンバータは、エコー信号を二次元(2D)セクタ形状のフォーマット又はピラミッド状の三次元(3D)画像に構成することがある。
【0057】
走査コンバータは、画像野内の点での動きに対応する色を有するBモード構造画像をそれらのドップラー推定速度でオーバーレイして、画像野内の組織の動き及び血流を描写するカラードップラー画像を生成することができる。多平面リフォーマッタ144は、例えば、特許文献7(Detmer)に記載されているように、身体の容積領域内の共通平面内の点から受信するエコーをその平面の超音波画像に変換する。容積レンダラ142(renderer)は、特許文献8(Entrekin et al.)に記載されているように、3Dデータセットのエコー信号を所与の基準点から見られるような投影3D画像に変換する。
【0058】
2D又は3D画像は、画像ディスプレイ140上での表示のための更なる増強、バッファリング及び一時的格納のために、走査コンバータ132、多平面リフォーマッタ144及び容積レンダラ142から画像プロセッサ130に結合される。撮像のために使用されることに加えて、ドップラープロセッサ128によって生成される血流値及びBモードプロセッサ126によって生成される組織構造情報は、定量化プロセッサ134(quantification processor)に結合される。定量化プロセッサは、血流の容積速度のような異なる流れ条件の測定値、ならびに臓器のサイズ及び妊娠期間のような構造的測定値を生成する。定量化プロセッサは、測定が行われるべき画像の解剖学的構造中の点のような、ユーザ制御パネル138からの入力を受信することがある。
【0059】
定量化プロセッサからの出力データは、ディスプレイ140上の画像と共に測定グラフィックス及び値を再生するためにグラフィックスプロセッサ136に結合される。グラフィックスプロセッサ136は、超音波画像と共に表示するためのグラフィックオーバーレイも生成することができる。これらのグラフィックオーバーレイは、患者名、画像の日付及び時刻、撮像パラメータ等のような、標準的な識別情報を含むことができる。これらの目的のために、グラフィックスプロセッサは、患者名のような、ユーザインタフェース138からの入力を受信する。
【0060】
ユーザインタフェースは、変換器アレイ106からの超音波信号、故に、変換器アレイ及び超音波システムによって生成される画像の生成を制御するために、送信コントローラ118(transmit controller)にも連結される。ユーザインタフェースは、多平面リフォーマット(MPR)画像の画像野において定量化された測定を行うために使用されることがある、複数のMPR画像の平面の選択及び制御のために、多面再フォーマッタ144に結合される。
【0061】
当業者によって理解されるように、超音波診断撮像システムの上記実施形態は、そのような超音波診断撮像システムの非限定的な例を与えることを意図している。当業者は、本発明の教示から逸脱することなく、超音波診断撮像システムのアーキテクチャにおける幾つかの変形が実現可能であることを直ちに理解するであろう。例えば、上記実施形態でも示されているように、マイクロビームフォーマ112は省略されてよく、超音波プローブ104は3D撮像能力等を有さなくてよい。
【0062】
次に、
図5~
図7を参照して、本発明の好ましい実施形態を記載する。これは、2つ又は2つよりも多くの超音波プローブを使用し、それらを患者の身体の別個の場所に配置して、動脈流を検出することによって、好ましくは動脈直径も検出することによって、
図2及び
図3又は
図4を参照して上述したタイプのシステムに組み込まれてよいことが理解されるであろう。
【0063】
図2のプローブ32として例示される2つ又はそれよりも多くの低コスト超音波パッチの各々を、主動脈(例えば、頸動脈及び上腕動脈)の上方の皮膚に配置して、血流再分布をモニタリングすることによって、即時段階(immediate stage)での集中化の発症(onset)を検出する。典型的には、安静時に、上腕血流は、頸動脈血流よりも4倍少ない。橈骨動脈及び大腿動脈の血流は、頸動脈流に対するその独自の典型的な比を有する。この比は、血液容積分布の患者及び心拍出量と無関係な測定値を形成する。センサ部位間の、例えば、(最高、最低、又は平均)頸動脈容積流(又は流速)に対する(最高、最低、又は平均)上腕血流量(又は流速)の比の変化は、重篤な疾患における容積再分布及び集中化、例えば、血管外科における肢虚血を示す。この低コストで実施が容易な解決策は、血行動態不全について適時の介入を可能にし、周術期の患者における最適な体液管理のための支援を提供する。
【0064】
容積(再)分布を検出するために信号をどのように分析することができるについての簡単な例が
図5に与えられている。3回の心拍に亘って示された頸動脈血流速度Cが、上腕血流速度と比較され、数値比が2未満(ここでは約1.2)であるトレースB1は、血液量過多(集中化)を示しており、比が4であるトレースB2は、正常血液量(集中化なし)を示しており、比が8よりも大きいトレースB3は、血液量減少(集中化)を示している。この例では、ピーク速度の比が、「一回搏出量(stroke volumes)」、すなわち、各心拍において動脈を通じて流れる血液の量の代用として使用される。代替は、心拍の周期に亘ってドップラー速度を積分し、対応する「距離(distance)」比を得ることである。それよりもむしろ、(関連する期間に亘って)ドップラー速度測定値を積分し、これに動脈径を乗じることによって、心拍当たり及び1分間当たりの動脈を通じて流れる実際の容積を得て、容積流量(volumetric flow rate)をもたらすことができる。この流量に心拍の持続時間を乗じることは、「1回搏拍出量」をもたらす。動脈直径は、性別、年齢、身長、及び体重を考慮に入れる較正テーブル中に見出され、スポットチェック(spot check)で先験的に測定され、モニタコントローラ30に入力されることができか、或いは、上述のように、例えば、撮像によって、超音波センサプローブ32で測定されることができる。この目的のためにパルス波ドップラー撮像を使用することができる。ドップラー速度測定のために使用されたのと同じプローブを使用することができる。
【0065】
図6は、流れ信号(flow signals)が、血液容積(再)分布を導出するコントローラ30のプロセッサ38内のプログラムによって実行されるアルゴリズムにどのように入力されるかを概略的に描写している。血流信号、例えば、
図5に示すドップラー血流速度信号は、頸動脈及び上腕(又は他の)動脈からステップ201及びステップ202において得られる。各場所での容積推定値は、1回の心拍のような、各周期に亘るドップラー速度を積分し、上記のように動脈直径の推定値を乗じることによって計算される。次に、これらの容積推定値の比(例えば、Vbrachial/Vcarotid)が決定される。ステップ204において、プログラムは、初期化以降のモニタリングシステムの現在の動作における最初の時間に亘って比が得られたかどうかを決定する。推定値の時間シーケンスにおける最初の比は、通常、基準比とみなされる。第1の比が予想範囲内にあると考えられるならば(例えば、Vbrachial/Vcarotidが3~5)、その比は、ステップ208において基準値として設定又はリセットされる。連続した比が基準値と比較され、ステップ206において更新された比として格納される。新しい比が基準値から有意に(例えば、10%以上だけ)異なるならば、ステップ210において通知(notification)が提供されてよい。何故ならば、これは血液容積分布の変化を示す(増加は集中化を示し、減少は回収(recovery)又は体液過負荷(fluid overload)を示す)からである。更に、第1の比が予想範囲の遠く外側にあるならば(例えば、Vbrachial/Vcarotid>6)、ステップ210において通知が提供されてよい。何故ならば、これは集中化を示すことがあるからである。
【0066】
図5及び血液量減少を示す範囲等を参照すると、流れの比についての基準値は4であるとみなされる。それが8よりも多くなるならば、血液量減少が示され、それが2未満になるならば、血液量過多が示された。この簡単なアルゴリズムは、ステップ208において比率基準値を設定し、この基準値の上下の所定のパーセンテージを上方及び下方の閾値として使用することによって、適合させられることができる。
【0067】
ステップ210からの出力は、例えば、モニタ20内に血行動態的な表示(display)を生成し、任意的に、ユニット44からアラームを生成するために、
図2のコントローラ30への付加的な入力43の1つとして処理される。これは、血液容積の集中化を引き起こす血液量減少又は血液量過多の発症を介護者に示す。この指標(indication)は、上述のように、他のモニタリングされる徴候(サイン)と比較されてよい。これは、血液量減少と血液量過多との間の区別が行われることを可能にする。
【0068】
1つの結果は、コントローラ30が、ベッドサイドコントローラのような流体管理ユニット46に自動的に信号を送って、患者への静脈内生理食塩水又は血漿の流れの速度を増加又は減少させることである。
【0069】
より詳細には、プログラムは、
図7に示されるステップを通過し、そこでは、プローブ構成が初期化で決定されて、プローブの数及びそれらの場所を設定する。連続的に、各プローブは、これらの位置に従って構成され、具体的には、走査領域(又は容積)のサイズが設定され、周波数、パワー、及びパルスの数のような、プローブのパルス特性が設定される。
【0070】
特定の動脈の速度を定量化するために、PW(パルス波)ドップラーを使用してROI及び測定の領域を設定する。CW(連続波)ドップラーを使用することは、(固定深度に限定されない)USビーム内の全ての流れの平均をもたらす。よって、両方のモードを有利に使用することができる。
【0071】
この例では、プローブ32に類似する3つのプローブ(パッチ)A、B及びCが提供され、それぞれ、頸動脈、上腕動脈及び大腿動脈を覆って身体に取り付けられる。プローブA、B及びCは、ステップ302、ステップ304及びステップ306において設定され、次に、ステップ308、ステップ310及びステップ312において設定され、各プローブは、典型的には心周期に及ぶ期間に亘って構成された測定領域においてドップラー速度測定を行う。これらの測定値から、検出された流れの品質推定値及び関心領域ROIが続く。ROIは、血流が測定される動脈の推定場所を表す。品質推定値は、信頼できる流れ測定を行うことができるかどうかを示すために使用される。
【0072】
ステップ314において、プローブ構成は、すべて更新される。各プローブについて、可能なプローブ構成が、流れを連続的に測定するために決定される。これらの設定を用いて、ステップ316及びステップ318において、プローブA及びBは、最適な連続的な流れ測定のために再構成される(すなわち、焦点及び周波数のためのプローブの操縦角及び駆動スキームを設定する)。これは、特定の領域における速度を測定し、動脈(又はプローブ)の可能な動きを追跡するようROIを更新し、心周期の位相推定値を更新することを伴う(entails)。初期化中に走査の品質が不十分であったならば、ステップ314に続いて、プローブ、この例ではプローブCを、ステップ320において、連続的な流れ測定のために一時的に無効にすることができる。各々の有効にされたプローブについて、測定パラメータが更新され、次に、走査がブロック322及びブロック324においてそれぞれ同時に実行される。ブロック322において、領域ROIは、ステップ326において更新され、走査期間は、ステップ328において更新される。ブロック324において、領域ROIは、ステップ332において更新され、走査期間は、ステップ334において更新される。ドップラー走査は、ステップ330及びステップ336において実行される。これらの走査からの流れデータをステップ340において処理して心臓サイクル期間(heart cycle period)を決定し、ステップ350において、各心臓サイクルに亘る(平均された)比を決定する。この例では、プローブA及びプローブBのみからのデータを処理して比を導出する。
【0073】
図7に示すこのルーチンは、規則的に、例えば、15分間隔で繰り返されてよい。
【0074】
頸動脈及び上腕動脈又は上腕動脈及び橈骨動脈のような2つの主動脈における流れモニタリングのために2つの超音波パッチを使用するときには、得られる流れ信号を用いて心拍出量の推定を提供することもできる。これはモニタ20上の表示のための追加的な出力としてコントローラによって提供されてよい。原理上、これは1つの超音波パッチのみを用いても可能である。1つのパッチのみを使用するとき、それは灌流が心拍出量に大きく依存する動脈に配置されるべきである。上腕動脈、又は橈骨動脈のようなその下流の動脈は、良好な選択肢である。しかしながら、2つのパッチを使用することは、精度を2倍にするのみならず、灌流がより広い心拍出量範囲の下でより安定している動脈に第2のパッチ(より末梢のパッチ)が配置されるときに、心拍出量測定のためのダイナミックレンジ(dynamic range)も広げる。その場合、システムのダイナミックレンジ(すなわち、確実に測定できる心拍出量の範囲)は、相応して増加する。何故ならば、両方のパッチ又はいずれかのパッチからの測定値を使用することができるからである。一例として、
図1を更に参照すると、心拍出量が徐々に減少するとき、橈骨動脈内の灌流は先ず低下し、続いて、上腕動脈内の灌流が低下する。よって、橈骨動脈灌流は、心拍出量が減少するときに(すなわち、橈骨灌流と心拍出量との間にもはや相関がないときに)極めて急速に最小限に達する一方で、上腕動脈の灌流は、心拍出量への依存を依然として示す。例えば、頸動脈に別のパッチを加えることは、システムのダイナミックレンジを非常に高い及び非常に低い心拍出量(すなわち、脳の自己調節範囲外の範囲)まで増加させる。
【0075】
2つの場所のみでのプローブの使用が上述されているが、複数の動脈上で複数のプローブを使用して、1つのプローブは範囲又は解像度のいずれかを増加させる。例えば、
図8に示すように、血流は、
図1の線10及び線12と同じである、頸動脈、線10及び上腕動脈に加えて、心臓、線401及び腎臓(腎動脈)、線402で測定される。
図8の線401及び線12のように挙動する流れ特性を有する動脈上のプローブで開始すると、変化を測定することができる圧力範囲は大きいが、解像度/精度は低い。両極端の間の、線10及び402のように挙動する流れ特性を有する動脈上にプローブを加えることは、測定の精度を向上させる。逆に、特性が線401及び線10のようであるプローブで開始するとき、線12のような特性を有するプローブを加えることは、範囲が増加させる。実際の血圧値を流量測定値から導出することができ、
図8において実証されているように、一定の圧力範囲の相対的な幅が知られている特定の場所で、複数の流れ測定値を同時に取ることができる。グラフは、流れが複数の場所で測定されるときに、BP2及びBP3と比較された複数の圧力値BP1を、単純なアルゴリズムに従って、線401、線10及び線402を使用して、流れ間の比に基づいて、識別し得ることを示している。他方、他の圧力(例えば、BP4対BP5)については、圧力におけるこれらの差を識別し得ない。流れの変化は、集中化についての入力をもたらす。
【0076】
例えば、下大静脈(IVC)の直径の変化は、患者の体液状態に関する追加的な情報を与えることがあり、本発明に従って記載された変化のモニタリングと共に使用されることができる。
【0077】
本開示のある態様は、身体上の2つの異なる場所で血流測定を行い且つ使用する診断方法である。血液量減少(及び/又は血液量過多)の発症を検出するこの方法は、被験者の少なくとも2つの異なる場所において、好ましくは同時又は迅速な連続において、動脈血流速度のドップラー超音波測定値を取って、各場所での血流の測定値を得て、血流測定値の所定の機能(function)における変化をモニタリングすること、及びモニタリングされた変化を示す出力を提供することを含む。出力は、好ましくは、モニタリングされた変化が血液量減少又は血液量過多を示すかどうかに関する情報を含む。
【0078】
上記で議論したように、実施形態は、コントローラを利用する。コントローラは、必要とされる様々な機能(functions)を実行するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、数多くの方法で実装されることができる。プロセッサは、必要とされる機能を行うためにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を用いてプログラムされてよい1つ又はそれよりも多くのマイクロプロセッサを利用するコントローラの一例である。しかしながら、コントローラは、プロセッサを利用して又は利用しないで実装されてよく、幾つかの機能を実行する専用ハードウェアと他の機能を実行するプロセッサ(例えば、1つ又はそれよりも多くのプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路)との組み合わせとして実装されてもよい。
【0079】
コントローラは、記載される実施形態においてプローブと別個であるが、代わりに、その機能性は、プローブのうちの1つ又はそれよりも多くに組み込まれることができる。
【0080】
プローブとコントローラとの間の通信は、実施形態では無線として記載されているが、それらはプローブ間に又はプローブとコントローラとの間にケーブルを有することによって、或いはその両方によって、有線であることができる。この場合、プローブは、コントローラのような外部電源から給電されることができ、その場合には、内部電源を有する必要はない。しかしながら、有線接続は、プローブの使用をより困難かつ苦痛なものにし得る。
【0081】
プローブは、皮膚の表面にパッチとして便利に取り付けられる。しかしながら、本発明は、被験者の組織内のプローブのような、より侵襲的な技術を使用することができる。
【0082】
本開示の様々な実施形態において利用されることがあるコントローラ構成要素の例は、従来的なマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されない。
【0083】
様々な実装において、プロセッサ又はコントローラは、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROMのような、揮発性及び不揮発性コンピュータメモリのような、1つ又はそれよりも多くの記憶媒体と関連付けられてよい。記憶媒体は、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されるときに所要の機能を実行する、1つ又はそれよりも多くのプログラムで符号化されてよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてよく、或いはその上に格納される1つ又はそれよりも多くのプログラムをプロセッサ又はコントローラ内にロードし得るように運搬可能であってよい。
【0084】
当業者は、特許請求する発明を実施する際に、図面、本開示、及び添付の請求項の研究から、開示の実施形態に対する他の変形を理解し、実施することができる。請求項において、「含む」という語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形の表現は、複数を除外しない。特定の手段が相互に異なる従属項に列挙されている単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に利用し得ないことを示さない。請求項中の如何なる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されてならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【文献】米国特許出願公開第2010/0312115A1号明細書
【文献】米国特許第5,997,479号
【文献】米国特許第6,013,032号
【文献】米国特許第6,623,432号
【文献】米国特許第6,283,919号
【文献】米国特許第6,458,083号
【文献】米国特許第6,443,896号
【文献】米国特許第6,530,885号