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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】食品プロセッサの熱管理
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/07 20060101AFI20240510BHJP
   A47J 43/046 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
A47J43/07
A47J43/046
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020546319
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2019057844
(87)【国際公開番号】W WO2019185785
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】18164919.5
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ビュン, ダ, ミ
(72)【発明者】
【氏名】ダーカー, ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】ギヨン, ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン, クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】レステッリ, マルコ
(72)【発明者】
【氏名】トゥイダー, ウォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ザバルスキー, フィリップ
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/202816(WO,A1)
【文献】特開平06-113960(JP,A)
【文献】特開2008-278957(JP,A)
【文献】特開平09-075240(JP,A)
【文献】国際公開第2011/090370(WO,A1)
【文献】米国特許第01915129(US,A)
【文献】国際公開第2017/216133(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/153587(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102012104321(DE,A1)
【文献】国際公開第2011/110871(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0041704(US,A1)
【文献】特開2013-255622(JP,A)
【文献】特開平05-344930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/07
A47J 43/046
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状食品物質を処理するためのマシン(1)であって、
容器(21)を有し、かつ、前記液状食品物質を収容するための食品空洞(21’)を画定するジャグ(20)と、
前記容器(21)を取り出し可能に受け入れるための座部(11’)を形成する1つ以上の壁(11)を有する基部(10)と、
を備え、
前記容器(21)は、少なくとも1つの外側容器壁(21a)を有し、前記少なくとも1つの外側容器壁(21a)は、前記食品空洞(21’)内の前記液状食品物質によって及び/又は前記食品空洞(21’)内の前記液状食品物質を処理することによって熱的に調整されることができ、前記容器(21)が前記基部の前記座部(11’)内又は前記基部の前記座部(11’)上にあるときに前記基部の前記壁(11)に面している、
マシン(1)において、
前記基部(10)は、リブ若しくは突起である1つ以上の断熱スペーサ(11a)を備え、前記断熱スペーサは、前記基部の前記壁の隣りの熱的に調整された前記容器壁からの、前記基部の前記壁(11)を介した、前記容器(21)から前記基部(10)への熱移動を防止又は抑制するように、前記容器(21)が前記座部(11’)内又は前記座部(11’)上に受け入れられているときに前記基部の前記壁(11)を前記容器壁(21a)から離隔する、
ことを特徴とする、マシン(1)。
【請求項2】
前記容器(21)は、前記座部(11’)内又は前記座部(11’)上に受け入れられた前記容器(21)内で前記液状食品物質が処理されるときに、熱放射又は吸収要素として1つ以上の優先的な容器壁(21a)を主に介して前記容器(21)の外に熱を放射するように又は前記容器(21)の外から熱を吸収するように構成されており、前記断熱スペーサ(11a)は、前記優先的な壁(21a)を前記基部の前記壁(11)から離隔するように配置されている、請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
前記断熱スペーサ(11a)又は各断熱スペーサ(11a)は、対応する前記基部の前記壁(11)を前記容器壁(21a)から0.1~1cmの範囲内の距離だけ離隔するように構成されている、請求項1又は2に記載のマシン。
【請求項4】
前記基部(10)及び前記ジャグ(20)は、それぞれ、偏心した突出部材(33)及び前記突出部材(33)のための対応する偏心した座部(13)、又はこの逆、を備え又は画定し、前記偏心した座部(13)は、前記容器(21)が前記食品空洞(21’)内の前記液状食品物質を処理するための位置にあるように前記容器(21)が前記基部の前記座部(11’)によって受け入れられたときに前記突出部材(33)を受け入れるように構成されており、前記突出部材(33)が前記偏心した座部(13)に対してずれているときに、前記偏心した突出部材(33)は、前記容器(21)を、前記食品空洞(21’)内の前記液状食品物質を処理するための前記容器(21)の位置から離して維持するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項5】
前記偏心した突出部材(33)が前記偏心した座部(13)内に受け入れられているときに、前記偏心した座部(13)及び前記偏心した突出部材(33)は、
前記偏心した座部(13)と前記偏心した突出部材(33)とが連続的な外部表面を一緒に形成するような相補形状、
前記基部(10)に対する前記容器(21)の回転を防止するための構成、及び
前記容器(21)の下向き縁部(34)が前記基部(10)の上向き縁部(14)上に載るような構成、又は前記容器の前記縁部(34)が前記基部の前記縁部(14)から0.5mm以下離れるような構成、
のうちの少なくとも1つを有する、請求項4に記載のマシン。
【請求項6】
前記偏心した突出部材(33)が前記偏心した座部(13)に対してずれているときに、前記容器(21)の下向き縁部(34)又は前記下向き縁部(34)は、前記偏心した突出部材(33)が前記偏心した座部(13)内に受け入れられているときよりも大きな距離だけ、前記基部(10)の上向き縁部(14)又は前記上向き縁部(14)から離隔している、請求項4又は5に記載のマシン。
【請求項7】
処理デバイスと前記液状食品物質を処理するために前記処理デバイスを制御するように構成された制御システムとを備え、前記制御システムは、前記処理デバイスの特性を測定し、測定した前記特性を、前記容器(21)が前記容器(21)の処理位置にあるとき又は前記容器(21)の処理位置から離れているときの前記特性の予測値と比較することによって、前記容器(21)が前記容器(21)の処理位置から離れているときを検知するように構成されている、請求項4~6のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項8】
前記ジャグ(20)は、前記ジャグを成人の手(40)で保持するためのハンドル(31、32、33)を有し、前記ハンドル(31、32、33)は、前記容器(21)から突出した接続部材(31)と、前記容器(21)から離れたところで前記接続部材(31)に接続された実質的に細長い直立グリップ部材(32)と、を有し、前記グリップ部材(32)は、前記接続部材(31)より上にある上部分(32a)と、前記接続部材(31)より下にある下部分(32b)と、を有し、前記上部分(32a)は、前記ハンドル(31、32、33)が前記手(40)で保持されているときに、前記手(40)の親指(41)を支持し、前記手(40)の人差し指(42)を収容するための上座部(31a)を前記接続部材(31)とともに画定するように構成されている、
請求項1~7のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項9】
前記ハンドル(31、32、33)は制限部材(33)を有し、
前記制限部材(33)は、
前記容器(21)と前記グリップ部材(32)の前記下部分(32b)との間に実質的に直立して延びており、
前記接続部材(31)又は前記接続部材(31)の近くから下向きに延びており、
前記制限部材(33)と前記下部分(32b)と前記接続部材(31)とは、前記ハンドル(31、32、33)が前記手(40)で保持されているときに前記手(40)の中指(43)の一部を収容するための下座部(31b)を画定する、
請求項8に記載のマシン。
【請求項10】
前記グリップ部材(32)の前記上部分(32a)は、以下の特徴、すなわち、
前記上部分(32a)は、前記容器(21)から1.5~4cmの範囲内の距離だけ離隔している、
前記上部分(32a)は、前記接続部材(31)より上に、1~3cmの範囲内の距離だけ延びる、
前記グリップ部材(32)の前記上部分(32a)は、0.5~3cmの範囲内の幅を有する、及び
前記上部分(32a)は、最上自由端を有する、
のうちの少なくとも1つを有する、請求項8又は9に記載のマシン。
【請求項11】
前記グリップ部材(32)の前記下部分(32b)は、以下の特徴、すなわち、
前記下部分(32b)は、前記容器(21)から1.5~4cmの範囲内の距離だけ離隔している、
前記下部分(32b)は、前記接続部材(31)より下に、1~5cmの範囲内の距離だけ延びる、
前記グリップ部材(32)の前記下部分(32b)は、0.5~3cmの範囲内の幅を有する、及び
前記下部分(32b)は、最下自由端を有する、
のうちの少なくとも1つを有する、請求項8~10のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項12】
前記制限部材(33)は、以下の特徴、すなわち、
前記制限部材(33)は、前記グリップ部材(32)の前記下部分(32b)まで、1.5~3cmの範囲内の距離だけ離隔している、
前記制限部材(33)は、前記接続部材(31)まで、0.5~5cmの範囲内の距離だけ離隔した最下端を有する、
前記制限部材(33)は、0.5~3cmの範囲内の幅を有する、及び
前記制限部材(33)は、最下自由端を有する、
のうちの少なくとも1つを有する、請求項9又は請求項9を引用する請求項10~11のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項13】
前記容器(21)は、前記食品空洞(21’)を覆うための取り外し可能な蓋(22)を有し、
前記容器(21)は、前記食品空洞(21’)の開口部を画定するへり(22’)を有し、前記取り外し可能な蓋(22)は、前記へり(22’)の上に延びており、かつ、a)周囲壁(22a)及びb)直立内壁(22c)のうちの少なくとも1つを有し、
前記周囲壁(22a)は、前記容器(21)の外蓋面を形成するように下向きに延びており、
前記直立内壁(22c)は、前記へり(22’)に沿って前記食品空洞(21’)内に下向きに延びている、請求項1~12のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項14】
前記容器(21)は、前記食品空洞(21’)を覆うための取り外し可能な蓋(22)を有し、
前記取り外し可能な蓋(22)は、前記接続部材(31)に接触する又は近接する底端部(22b)を有する周囲壁(22a)又は前記周囲壁(22a)を有する、請求項8又は請求項8を引用する請求項9~13のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項15】
前記食品空洞(21’)は、前記液状食品物質を前記液状食品物質の処理中に撹拌するための移動可能な撹拌デバイスを収容する、請求項1~14のいずれか一項に記載のマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、食品処理受容器を有する、ミルク又はミルク含有物質などの食品物質を処理するためのマシンに関する。例えば、マシンは、インペラ及び/又は熱調整器を備える。
【背景技術】
【0002】
少なくとも一部が泡立てられた又は加熱されたミルクで作られる特製飲料がますます普及している。最もよく知られたこのタイプの飲料は、カプチーノタイプのコーヒーである。それは、密度が非常に低いために液体の表面の上に浮く、泡立てられたミルクの層に覆われたコーヒーからなる液体部分を含む。一般的に、この一杯を調製するには、時間、巧みな操作、及び洗浄が必要となる。
【0003】
ミルクベースの泡は、機械的撹拌装置内で調製することができる。固体の食品残留分を除去するために、器具のタンクの定期的な洗浄を想定しておく必要がある。更に、ミルクを加熱すると、調理された又は焦げたタンパク質が表面に堆積して付着する程度が増える傾向がある。
【0004】
米国特許第6,318,247号は、撹拌によって、例えばホットチョコレートなどの温かい飲料又は食品を調製するための器具に関する。食品製品を撹拌するための他のデバイスは、特許文献国際公開第2004/043213号又は独国特許第19624648号に記載されている。磁気係合タイプを有する撹拌システムは、米国特許第2,932,493号、独国特許第1131372号、米国特許第4,537,332号及び同第6,712,497号の文献に記載されている。独国特許第8915094号は、ミルクベースの飲料を注出するための冷蔵ポットに関する。米国特許第3,356,349号は、加熱されたタンクと、タンクの中央に配置されたハブを駆動するためにタンクの下に位置決めされた磁気駆動手段とを有する撹拌デバイスを開示している。
【0005】
撹拌システム、特に、磁気駆動式撹拌システムを使用する飲料処理装置の更なる例は、国際公開第2016/202814号、同第2016/202815号、同第2016/202816号、同第2016/202817号、国際出願PCT/EP17/082208号、及び同PCT/EP17/082211号に開示されている。
【0006】
ミルクベースの液体又はミルクから泡を調製するための改良された器具が、国際公開第2006/050900号、同第2008/142154号、同第2011/039222号、同第2011/039224号、及び同第2017/216133号に提案されている。このデバイスは、回転可能な撹拌器が位置決めされている、泡立てられる液体を受け入れるための内部タンクと、タンクを保持する外部スタンドと、内部タンクと外部スタンドとの間に配置された空洞内にあり、スタンドの外面に配置されたスイッチ及び電気接続部と通信する駆動及び制御手段と、泡立て中のミルクの循環を最適化するための撹乱手段と、を有する。国際公開第2010/023313号では、蒸気源が撹拌効果と関連付けられている。
【0007】
例えば欧州特許出願公開第2017203199号に開示されているような誘導システムを使用することにより処理タンク内に熱を供給することができる。
【0008】
より最近では、国際公開第2009/074555号及び同第2011/144647号に記載のように、このタイプのミルク調整タンクを備えたコーヒーマシンを提供することが提案されている。
【0009】
ミルク泡立て器具の電気部品の動作によって発生する不必要な熱の排出に好都合であるアーキテクチャが、国際公開第2016/202818号に開示されている。国際出願PCT/EP17/082212号及び欧州特許出願公開第2017203205号に開示されているように、このような器具にはまた、1つ以上のファンクーラーを取り付けることができる。
【0010】
このような器具の熱管理を改善する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0011】
本発明の好ましい目的は、熱管理構成を有する、食品物質を調整するためのマシンを提供することである。
【0012】
したがって、本発明は、ミルク又はミルクベース物質などの液状食品物質を処理するためのマシンに関する。液状食品物質は、水性であってもよく、例えば、コーヒー及び/又はチョコレート及び/又はカカオを含有する。
【0013】
マシンはスタンドアローンマシンであってもよく、例えば電気コードを介して主電源に直接接続することができ、又は他の食品を処理するように若しくは異なる食品調整方法を実行するように構成された食品プロセッサに一体化されてもよく、食品プロセッサ自体は一般に電気コードを介して主電源に接続することができるのに対して、マシンは食品プロセッサのサブパートである。そのような食品プロセッサは、コーヒーメーカーなどの飲料メーカー、例えば、原材料カプセルから飲料(コーヒーなど)を調製するように構成された飲料メーカーなどの飲料メーカー、であってもよい。
【0014】
本発明のマシンは、有利には、ミルクを泡立て及び/又は加熱及び/又は冷却するように構成されていてもよく、任意選択的に、スタンドアローンマシンとして、又は一体型マシンとしてコーヒーメーカーに関連付けられていてもよい。スタンドアローンマシン、及びミルク泡立てマシンとコーヒーメーカーとの一体化の関連付けについては、例えば、国際公開第2006/050900号、同第2008/142154号、同第2009/074555号、同第2010/023312号、及び同第2010/023313号に開示されている。
【0015】
したがって、マシンは、微細に分割された気泡、例えば、空気の気泡をミルクに組み込むことによって作動するミルク泡立て器であってもよい。マシンがミルクに気泡を導入するように構成されている場合、マシンは、気泡の導入のない動作モードを含んでもよい。
【0016】
本発明のマシンは、ミルク又はミルクベース物質などの液状食品物質を処理するように構成されている。
【0017】
マシンは、液状食品物質を収容するための食品空洞を画定する容器を有するジャグを含む。容器は、例えば国際公開第2008/142154号に教示されるような、空洞を覆うための取り外し可能な蓋を有することができる。
【0018】
容器は、実質的にカップ形状又はボウル形状又は円筒形状とすることができ、側壁は実質的に直立しており、底壁は実質的に平坦である又は湾曲している。
【0019】
ジャグは、機械的に受動的であってもよい。したがって、食品物質を収容し、マシンに組み込まれる又は組み付けられるジャグの構造をなす材料の固有の機械的特性以外に、ジャグは、衛生又は洗浄のために特別な配慮を必要とし得るモータ又は運動変換系(movement transformation system)などのあらゆる機械的に能動的な部品を有しなくてもよい。ジャグは、ジャグの外部から駆動される、泡立て器(whisk)若しくはスターラ若しくは原材料バスケットなどの1つ以上の機械的に受動的な移動可能な部品を容器内に収容してもよい。
【0020】
ジャグは、電気的に受動的であってもよい。したがって、食品物質を収容し、マシンに組み込み可能な又は組み付けられるジャグの構造をなす材料の固有の電気的特性(例えば、抵抗特性及び/又は誘導特性及び/又は容量特性)以外に、ジャグは、あらゆる電気構成要素、特に、能動的な電気構成要素を有しなくてもよい。しかしながら、ジャグの固有の電気的特性は、食品物質の処理において、例えば、ジャグの外部の(能動的な)ソースから電気的に又は電磁的に給電されるジャグを加熱及び/又は冷却するために使用されてもよい。
【0021】
機械的に及び/又は電気的に受動的なジャグ(任意選択的に、同様に受動的な蓋を有する)を設けることにより、電気構成要素及び/又は機械的構成要素を破損するいかなるリスクも伴わず、ジャグを、例えば洗い水(dishwater)内で容易に洗浄することができる。
【0022】
ジャグに、例えば、アクチュエータ及び信号処理ユニットなどの機械的制御能動構成部品並びに/又は電気的制御能動構成部品を収容する制御空洞が設けられている場合、同じ結果が得られる。この空洞は、特に、洗浄のために使用される洗剤又は石鹸に曝された場合に早期摩耗に曝されるゴム、シリコーン、又は同様のシールによって封止された移動可能なアクセスパネルを有しない。したがって、ジャグが、アクセス不能な閉じ込め空洞内に収容された能動構成要素を収容する場合、同じ結果が得られ得る。このジャグは、例えば、このような閉じ込め空洞の周囲が完全に成形及び/又は溶接されているため、空洞はジャグの構造内に完全に沈み、ジャグの外部環境から分離されており、ジャグを破壊することなしには外部からアクセスできない。このような状況では、ジャグは、このような閉じ込められたアクセス不能な空洞内に能動デバイス、例えばRFID型のデバイス等を収容してもよい。
【0023】
マシンは基部を含み、基部は、容器を取り出し可能に受け入れるための座部を形成する1つ以上の壁を有する。
【0024】
容器は、少なくとも1つの外側容器壁を有し、少なくとも1つの外側容器壁は、空洞内の液状食品物質によって及び/又は空洞内の液状食品物質を処理することによって熱的に調整されることができ、容器が基部座部内又は基部座部上にあるときに基部壁に面している。
【0025】
基部は、給電される空洞、例えば、容器に隣接する電気コードを介して電源により給電される空洞を有してもよい。基部空洞は、食品空洞内に熱を発生させる(空洞を加熱する)ための及び/又は食品空洞から熱を除去する(空洞を冷却する)ための熱調整器を含んでもよい。基部空洞は、容器内の液状食品物質を駆動するためのアクチュエータ、例えばモータを含んでもよい。
【0026】
アクチュエータ、例えばモータ、制御ユニット、ユーザインタフェース、AC/DCコンバータは全て、基部内、例えば、給電される空洞内に含めることができる。
【0027】
基部及び/又は容器は、リブ若しくは突起若しくは断熱層などの1つ以上の断熱スペーサを備え、又は断熱スペーサは、基部壁の隣りの熱的に調整された容器壁からの、基部壁を介した、容器から基部への熱移動を防止又は抑制するように、容器が座部内又は座部上に受け入れられているときに基部壁を容器壁から離隔する。
【0028】
したがって、スペーサを設けることにより、基部と容器との間のエネルギー移動を有効に防止することができる又は少なくとも阻止することができる。
【0029】
このような断熱スペーサは、セラミック若しくはポリマー材料などの断熱材料で作製されてもよい、及び/又はスペーサは、例えば、容器と基部との間の熱流束に直交する小断面を備える断熱形状を有してもよい。
【0030】
容器は、電気抵抗要素又は熱電対要素などの、熱放射又は吸収要素を含んでもよい。
【0031】
外側の熱放射又は吸収要素は、基部壁に面する総外部表面を有してもよく、これにより総外部表面の15%未満、例えば10%未満、例えば5%未満、例えば3%未満が断熱スペーサに接触する又は断熱スペーサを形成する。
【0032】
熱放射又は吸収要素は、基部により電気伝導及び/又は電磁誘導で給電することができる。
【0033】
容器は、座部内又は座部上に受け入れられた容器内で液状食品物質が処理されるときに、上記熱放射又は吸収要素として1つ以上の優先的な容器壁を主に介して容器の外に熱を放射するように又は容器の外から熱を吸収するように構成され得る。断熱スペーサは、優先的な壁を基部壁から離隔するように配置され得る。優先的な容器壁は、容器の底壁、又は容器の側壁、又はこの両方を形成してもよい。
【0034】
断熱スペーサ又は各断熱スペーサは、対応する基部壁を容器壁から0.1~1cm、例えば0.3~0.8、例えば0.4~0.7cmの範囲内の距離だけ離隔するように構成されてもよい。
【0035】
基部及びジャグは、それぞれ、偏心した、例えば周辺部にある突出部材、典型的にはピン又はブレード、及び突出部材のための対応する、偏心した、例えば周辺部にある座部、又はこの逆、を備えてもよい又は画定してもよい。偏心した座部は、容器が食品空洞内の液状食品物質を処理するための位置にあるように容器が基部座部によって受け入れられたときに突出部材を受け入れるように構成され得る。突出部材が偏心した座部に対してずれている、例えば角度的にずれているときに、偏心した突出部材は、容器を、空洞内の液状食品物質を処理するためのその位置から離して維持するように構成され得る。ジャグは偏心した突出部材を備えてもよく、基部は偏心した座部を画定してもよい、又はこの逆であってもよい。例えば、基部の外面は偏心した座部を画定する。
【0036】
本文脈では、「偏心」とは、ジャグの容器によって画定される食品空洞の中心直立又は垂直軸線から外れている(又は離れている)ことを意味する。
【0037】
したがって、基部上又は基部内においてジャグの適切な位置を確保するために、協働する偏心した部材と座部とを単純な手法で使用して、不適切な位置と適切な位置とを機械的に区別することができる。
【0038】
協働する偏心した部材と座部は、液状食品物質の処理中のジャグと座部の相対運動を防止するために使用してもよい。
【0039】
協働する偏心した部材と座部はまた、液状食品物質の処理が不可能又は最適未満となるようなジャグ及び座部の誤配置を自動的に検知するために使用することができる。
【0040】
例えば、このような誤配置は、協働する座部内の偏心した部材の存在(又は非存在)を感知するためのセンサを使用することにより自動的に検知されてもよい。しかしながら、例えば以下の実施形態で開示されるように、特定の条件下では、誤配置を自動的に検知するためのこのようなセンサは必要ない。
【0041】
偏心した突出部材が偏心した座部内に受け入れられているときに、偏心した座部及び偏心した突出部材は、
偏心した座部と偏心した突出部材とが連続的な外部表面を一緒に形成するような相補形状、
基部に対する容器の回転を防止するための構成、及び
容器の下向き縁部が基部の上向き縁部上に載るような構成、又は容器縁部が基部縁部から0.5mm以下離れ、基部縁部が、例えば容器を受け入れるための基部座部のへりを形成するような構成、
のうちの少なくとも1つを有することができる。
【0042】
偏心した突出部材が偏心した座部に対してずれているときに、容器の下向き縁部又は上記下向き縁部は、偏心した突出部材が偏心した座部内に受け入れられているときよりも大きな距離だけ、例えば、偏心した突出部材が偏心した座部内に受け入れられているときに基部の偏心した座部内に収容されている偏心した突出部材の部分の高さ、例えば、0.3~5cm、例えば0.5~2.5cmの範囲内の高さに相当する距離よりも大きな距離だけ、容器を受け入れるための基部座部のへりを形成する基部縁部などの基部の上向き縁部又は上記上向き縁部から離隔してもよい。
【0043】
マシンは、処理デバイスと液状食品物質を処理するために処理デバイスを制御するように構成された制御システムとを含んでもよく、処理デバイス及び制御システムは、例えば、制御ユニットによって制御されるアクチュエータ及び/又は熱調整器である。制御システムは、処理デバイスの特性、例えば電流消費及び/又は電圧消費及び/又は電気周波数を測定し、測定したこのような特性を、容器がその処理位置にあるとき又はその処理位置から離れているときの特性の予測値と比較することによって、容器がその処理位置から離れているとき、例えば、偏心した部材が偏心した座部に対してずれているときを検知するように構成されてもよい。制御システムは、容器がその処理位置から離れていることを制御システムが検知すると、液状食品物質の処理を阻止するように及び/又はエラーメッセージ若しくはアラームを生成するように構成されてもよい。
【0044】
例えば、処理デバイス及び/又は制御システムは基部内に収容されている。
【0045】
ジャグは、ジャグを成人の手で保持するためのハンドルを有することができる。ハンドルは、容器から突出した接続部材と、容器から離れたところで接続部材に接続された実質的に細長い直立グリップ部材と、を有してもよい。グリップ部材は、接続部材より上にある上部分と、接続部材より下にある下部分と、を有することができる。上部分は、ハンドルが手で保持されているときに、手の親指を支持し、手の人差し指を収容するための上座部を接続部材とともに画定するように構成されてもよい。
【0046】
接続部材は、ジャグが液状食品物質を処理するように方向付けられているときに、水平であってもよい、又は水平に対して30度未満の角度、例えば水平に対して15度未満の角度であってもよい。
【0047】
直立グリップ部材は、垂直に、又は垂直に対して30度未満の角度、例えば垂直に対して15度未満の角度で延びることができる。
【0048】
容器の空洞は、接続部材より上に、1~7cm、例えば2~5cm、例えば3~4cmの範囲内の高さだけ延びてもよい。
【0049】
ハンドルは制限部材を有することができ、制限部材は、容器とグリップ部材の下部分との間に実質的に直立して延びており、接続部材又は接続部材の近くから下向きに延びている。例えば、制限部材は、(仮に離隔する場合には)接続部材から5mm未満の距離だけ離隔してもよい。
【0050】
制限部材と下部分と接続部材とは、ハンドルが手で保持されているときに手の中指の一部を収容するための下座部を画定してもよい。
【0051】
したがって、このようなハンドル構成は、ハンドル(及びジャグ)を、手の親指の内側(ハンドルの上部分を容器に向かって押す)と、親指の下にある手の第1の指の内側(例えば、人差し指はハンドルの上部分を容器から離れる方に引く)と、手の第2の指の背面及び側面(例えば、制限部材に当接する手の中指は、容器に向かい、接続部材を支持する)との間で安全に固定するために使用してもよい。このような保持構成では、ジャグは、第2の指によって保持され、親指と第1の指とによって人間工学的な手法である位置に固定される。残りの指、例えば薬指及び小指は、使用者の手の中でジャグを保持する又は固定するために必要ともされない。グリップ部材の下部分が十分に長い場合、これら残りの指で下部分を握り、保持を支援してもよい。しかしながら、こうした残りの指による寄与は任意である。
【0052】
制限部材は、例えば、容器が40℃若しくは50℃を超えて加熱される場合、又は10℃若しくは5℃未満に冷却される場合、容器の加熱された部分又は冷却された部分に手が触れるリスクを低減するために使用してもよい。したがって、制限部材は、容器から離隔してもよい、並びに/又は熱断熱材料、例えばセラミック及び/若しくはポリマーで作製されてもよい。
【0053】
偏心した突出部材は制限部材によって形成され得る、又はこの逆であり得る。
【0054】
グリップ部材の上部は、以下の特徴、すなわち、上部は、容器から1.5~4cm、例えば2~3cmの範囲内の距離だけ離隔することができる、上部は、接続部材より上に、1~3cm、例えば1.5~2.5cmの範囲内の距離だけ延びてもよい、グリップ部材の上部は、0.5~3cm、例えば1~2cmの範囲内の幅を有することができる、及び上部は、最上自由端を有してもよい、のうちの少なくとも1つを有してもよい。
【0055】
グリップ部材の下部は、以下の特徴、すなわち、下部は、容器から1.5~4cm、例えば2~3cmの範囲内の距離だけ離隔してもよい、下部は、接続部材より下に、1~5cm、例えば2.5~4.5cmの範囲内の距離だけ延びてもよい、グリップ部材の下部は、0.5~3cm、例えば1~2cmの範囲内の幅を有することができる、及び下部は、最下自由端を有してもよい、のうちの少なくとも1つを有してもよい。
【0056】
制限部材は、以下の特徴、すなわち、制限部材は、グリップ部の下部まで、1.5~3cm、例えば2~2.5cmの範囲内の距離だけ離隔してもよい、制限部材は、接続部材まで、0.5~5cm、例えば1~3cm、例えば1.5~2.5cmの範囲内の距離だけ離隔した最下端を有することができる、制限部材は、0.5~3cm、例えば1~2cmの範囲内の幅を有してもよい、及び制限部材は、最下自由端を有することができる、のうちの少なくとも1つを有することができる。
【0057】
容器は、容器空洞の開口部を画定するへりを有してもよく、取り外し可能な蓋は、へりの上に延びる。
【0058】
取り外し可能な蓋は、下向きに延びて、容器の外蓋面を形成する周囲壁を有することができる。
【0059】
外蓋面は、0.5~5cmの範囲内、例えば1.5~3.5cmの範囲内の高さを有してもよい。
【0060】
外蓋面は、蓋によって覆われていない容器の外面及び/又は基部の外面と面一に延びてもよい。
【0061】
取り外し可能な蓋は、へりに沿って空洞内に下向きに延びる直立内壁を有することができる。
【0062】
周囲壁及び/又は直立内壁は、空洞を封止するための、環状の変形可能な封止部材などの封止部材を有してもよい。
【0063】
封止部材は、並べて配置された環状リップなどの1つ以上の実質的に平行な封止リップを有してもよい。
【0064】
封止部材は、封止部材を掴むためのタブを有してもよい。
【0065】
封止部材は、例えば洗浄のために蓋から取り外し可能であってもよく、蓋に取り付け可能であってもよい。
【0066】
取り外し可能な蓋は、接続部材に接触する又は近接する底端部を有する周囲壁又は上記周囲壁を有することができ、底端部は、例えば、接続部材から1cm未満、例えば0.5cm未満離隔している。
【0067】
食品空洞は、液状食品物質をその処理中に撹拌するための、泡立て器及び/又はスターラなどの移動可能な撹拌デバイスを収容することができる。
【0068】
撹拌要素は、アクチュエータ又は上記アクチュエータによって駆動されることができ、アクチュエータは、基部内に収容されており、かつ容器の底壁などの容器壁を介して撹拌デバイスに例えば磁気的に結合されている。
【0069】
撹拌要素は、上記アクチュエータによって駆動されると、食品空洞内で液状食品としてのミルク又はミルクベース液体を泡立てるように構成されてもよい。
【0070】
撹拌デバイスはインペラであってもよい。インペラは、国際公開第2006/050900号、若しくは国際公開第2008/142154号に開示されているタイプのばね状構造を有してもよく、及び/又はインペラは、国際公開第2016/202817号に教示されているような波形状及び/又は開口ディスク形状構造を有することができる。
【0071】
インペラは、例えば足部内の磁気要素を介してアクチュエータに結合する足部を有することができる。
【0072】
インペラ、例えば低慣性インペラの磁気結合は、国際公開第2006/050900号又は同第2008/142154号に教示されるように達成することができる。
【0073】
インペラ、例えば高慣性インペラの磁気結合は、国際公開第2016/202814号又は国際出願PCT/EP17/082211号に教示されるように達成してもよい。
【0074】
磁気結合(すなわち、強い結合)を介して高伝達トルクがインペラに伝達される場合、例えば国際公開第2016/202815号に教示されているように、磁気分離(magnetic uncoupling)構成が提供されてもよい。
【0075】
適切なインペラ及びそれらのマシンへの実装は、国際公開第2016/202814号、同第2016/202815号、同第2016/202816号、及び同第2016/202817、並びに国際出願PCT/EP17/082208号及び同PCT/EP17/082211号に開示されている。
【0076】
人間の手によって容器を掴む及び任意選択で移動させるために、容器には、断熱性の外側材料及び/又はハンドルを設けることができる。このような構成は、食品が例えば50℃を超える高温又は10℃未満の低温で処理される場合に特に有利である。
【0077】
本明細書において、マシン又はその一部に対する向き又は位置、例えば「上方」又は「下方」又は「垂直」又は「水平」に言及する場合、向き又は位置は、別段の定めのない限り、容器内の液状食品物質を処理するために動作中のマシンの位置及び向きを基準とする。
【0078】
ここで、本発明を概略図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1】本発明によるマシンの下方からの斜視図である。
図2】容器が基部に対してずれている、図1のマシンの斜視側面図である。
図3図1のマシンの基部の上方からの斜視図である。
図4】片手で保持されているときの図1のマシンのジャグの斜視側面図である。
図5図1のマシンのジャグの蓋の下方からの斜視図である。
図6】一部が切り取られた、図5の蓋の上方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1図6に、本発明によるマシン1及びその部品の例示的実施形態が示される。
【0081】
マシン1は、ミルク又はミルクベース物質などの液状食品物質を処理するように構成されている。
【0082】
図1及び図2に示すように、マシン1は、液状食品物質を収容するための食品空洞21’を画定する容器21を有するジャグ20を含む。容器21は、空洞21’を覆うための取り外し可能な蓋22を有してもよい。
【0083】
マシン1は基部10を組み込み、基部10は、容器21を取り出し可能に受け入れるための座部11’を形成する1つ以上の壁11を有する。
【0084】
容器21は、少なくとも1つの外側容器壁21aを有し、少なくとも1つの外側容器壁21aは、空洞21’内の液状食品物質によって及び/又は空洞21’内の液状食品物質を処理することによって熱的に調整されることができ、容器21が基部座部11’内又は基部座部11’上にあるときに基部壁11に面している。
【0085】
図3に示されるように、基部10及び/又は容器(21)は、リブ若しくは突起若しくは断熱層などの1つ以上の断熱スペーサ11aを備え、断熱スペーサは、基部壁の隣りの熱的に調整された容器壁21aからの、基部壁11を介した、容器21から基部10への熱移動を防止又は抑制するように、容器21が座部11’内又は座部11’上に受け入れられているときに基部壁11を容器壁21aから離隔する。
【0086】
容器21は、電気抵抗要素又は熱電対要素などの、熱放射又は吸収要素を含んでもよい。例えば、熱放射又は吸収要素は、基部10により電気伝導及び/又は電磁誘導で給電される。
【0087】
ときに容器21は、座部11’内又は座部11’上に受け入れられた容器21内で液状食品物質が処理される、上記熱放射又は吸収要素として1つ以上の優先的な容器壁21aを主に介して容器21の外に熱を放射するように又は容器21の外から熱を吸収するように構成され得る。断熱スペーサ11aは、優先的な壁21aを基部壁11から離隔するように配置されてもよい。例えば、優先的な容器壁21aは、容器21の底壁23、又は容器21の側壁、又はこの両方を形成する。
【0088】
断熱スペーサ11a又は各断熱スペーサ11aは、対応する基部壁11を容器壁21aから0.1~1cm、例えば0.3~0.8、例えば0.4~0.7cmの範囲内の距離だけ離隔するように構成されてもよい。
【0089】
図1及び図2に示されるように、基部10及びジャグ20は、それぞれ、偏心した、例えば周辺部にある突出部材33、典型的にはピン又はブレード、及び突出部材33のための対応する、偏心した、例えば周辺部にある座部13、又はこの逆、を備える又は画定する。偏心した座部13は、容器21が食品空洞21’内の液状食品物質を処理するための位置にあるように容器21が基部座部11’によって受け入れられたときに突出部材33を受け入れるように構成されている。突出部材33が偏心した座部13に対してずれている、例えば角度的にずれているときに、偏心した突出部材33は、容器21を、空洞21’内の液状食品物質を処理するためのその位置から離して維持するように構成されている。
【0090】
したがって、偏心した、周辺部にある突出部材33、及び対応する、偏心した座部13は、通常、両方とも容器20の食品空洞21’の中心直立又は垂直軸線21’’から離れている。
【0091】
ジャグ20は、偏心した突出部材33を備えてもよく、基部10は、偏心した座部13を画定してもよい、又はこの逆であってもよい。基部10の外面10aは、偏心した座部13を画定してもよい。
【0092】
偏心した突出部材33が偏心した座部13内に受け入れられているときに、偏心した座部13及び偏心した突出部材33は、偏心した座部13と偏心した突出部材33とが連続的な外部表面を一緒に形成するような相補形状;基部10に対する容器21の回転を防止するための構成;及び容器21の下向き縁部34が基部10の上向き縁部14上に載るような構成、又は容器縁部34が基部縁部14から0.5mm以下離れ、基部縁部14が、例えば容器21を受け入れるための基部座部11のへりを形成するような構成、のうちの少なくとも1つを有することができる。
【0093】
偏心した突出部材33が偏心した座部13に対してずれているときに、容器21の下向き縁部34又は上記下向き縁部34は、偏心した突出部材33が偏心した座部13内に受け入れられているときよりも大きな距離だけ、例えば、偏心した突出部材33が偏心した座部13内に受け入れられているときに基部10の偏心した座部13内に収容されている偏心した突出部材33の部分の高さ、例えば、0.3~5cm、例えば0.5~2.5cmの範囲内の高さに相当する距離よりも大きな距離だけ、容器21を受け入れるための基部座部11のへりを形成する基部縁部14などの基部10の上向き縁部14又は上記上向き縁部14から離隔することができる。
【0094】
マシン1は、処理デバイスと液状食品物質を処理するために処理デバイスを制御するように構成された制御システムとを含んでもよく、処理デバイス及び制御システムは、例えば、制御ユニットによって制御されるアクチュエータ及び/又は熱調整器である。制御システムは、処理デバイスの特性、例えば電流消費及び/又は電圧消費及び/又は電気周波数を測定し、測定したこのような特性を、容器21がその処理位置にあるとき又はその処理位置から離れているときの特性の予測値と比較することによって、容器21がその処理位置から離れているとき、例えば、偏心した部材33が偏心した座部13に対してずれているときを検知するように構成され得る。例えば、処理デバイス及び/又は制御システムは基部10内に収容されている。
【0095】
ジャグ20は、ジャグを成人の手40で保持するためのハンドル31、32、33を有してもよく、ハンドル31、32、33は、容器21から突出した接続部材31と、容器21から離れたところで接続部材31に接続された実質的に細長い直立グリップ部材32と、を有する。グリップ部材32は、接続部材31より上にある上部分32aと、接続部材31より下にある下部分32bと、を有してもよい。上部分32aは、ハンドル31、32、33が手40で保持されているときに、手40の親指41を支持し、手40の人差し指42を収容するための上座部31aを接続部材31とともに画定するように構成され得る。
【0096】
接続部材31は、ジャグ20が液状食品物質を処理するように方向付けられているときに、水平であり得る、又は水平に対して30度未満の角度、例えば水平に対して15度未満の角度であり得る。
【0097】
直立グリップ部材32は、垂直に、又は垂直に対して30度未満の角度で、例えば垂直に対して15度未満の角度で延びてもよい。
【0098】
容器21の空洞21’は、接続部材31より上に、1~7cm、例えば2~5cm、例えば3~4cmの範囲内の高さだけ延びてもよい。
【0099】
ハンドル31、32、33は制限部材33を有してもよく、制限部材33は、容器21とグリップ部材32の下部分32bとの間に実質的に直立して延びており、接続部材31又は接続部材31の近くから下向きに延びている。
【0100】
制限部材33と下部分32bと接続部材31とは、ハンドル31、32、33が手40で保持されているときに手40の中指43の一部を収容するための下座部31bを画定してもよい。
【0101】
図4に示されるように、このようなハンドル構成は、ハンドル31、32、33を、手の親指41の内側(ハンドルの上部分32aを容器21に向かって方向41aに押す)と、親指41の下にある手の第1の指42の内側(例えば、人差し指42はハンドルの上部分32aを容器21から離れる方向42aに引く)と、手の第2の指43の背面及び側面(例えば、制限部材33に当接する手の中指43は、容器21に向かい、接続部材31を方向43aに支持する)との間で安全に固定するために使用してもよい。このような保持構成では、ジャグ20は第2の指43によって保持され、親指41と第1の指42とによって人間工学的な手法である位置に固定される。残りの指44、例えば薬指及び小指44は、使用者の手の中でジャグ20を保持する又は固定するのに必要ともされない。グリップ部材32の下部分32aが十分に長い場合、これら残りの指44で下部分を握り、(方向44aに)保持を支援してもよい。しかしながら、こうした残りの指による寄与は任意である。偏心した突出部材33は制限部材33によって形成されてもよい、又はこの逆であってもよい。
【0102】
上部32aは、容器21から1.5~4cm、例えば2~3cmの範囲内の距離だけ離隔してもよい。
【0103】
上部32aは、接続部材31より上に、1~3cm、例えば1.5~2.5cmの範囲内の距離で延びることができる。
【0104】
グリップ部材32の上部32aは、0.5~3cm、例えば1~2cmの範囲内の幅を有することができる。
【0105】
上部32aは、最上自由端を有してもよい。
【0106】
下部32bは、容器21から1.5~4cm、例えば2~3cmの範囲内の距離だけ離隔してもよい。
【0107】
下部32bは、接続部材31より下に、1~5cm、例えば2.5~4.5cmの範囲内の距離で延びることができる。
【0108】
グリップ部材32の下部32bは、0.5~3cm、例えば1~2cmの範囲内の幅を有してもよい。
【0109】
下部32bは、最下自由端を有することができる。
【0110】
制限部材33は、グリップ部32の下部32bまで、1.5~3cm、例えば2~2.5cmの範囲内の距離だけ離隔させることができる。
【0111】
制限部材33は、接続部材31まで、0.5~5cm、例えば1~3cm、例えば1.5~2.5cmの範囲内の距離だけ離隔した最下端を有してもよい。
【0112】
制限部材33は、0.5~3cm、例えば1~2cmの範囲内の幅を有することができる。
【0113】
制限部材33は、最下自由端を有してもよい。
【0114】
図4に示されるように、容器20は、容器空洞21’の開口部を画定するへり22’を有することができる。図1及び図2に示されるように、取り外し可能な蓋22は、へり22’の上に延びてもよい。
【0115】
図1図5、及び図6に示されるように、取り外し可能な蓋22は周囲壁22aを有することができ、周囲壁22aは、容器21の外蓋面を形成するように下向きに延びており、例えば、外蓋面は、0.5~5cmの範囲内、例えば1.5~3.5cmの範囲内の高さを有し、並びに/又は蓋22によって覆われていない容器21の外面20a及び/若しくは基部10の外面10aと面一に延びている。
【0116】
取り外し可能な蓋22は、へり22’に沿って空洞21’内に下向きに延びる直立内壁22cを有することができる。
【0117】
周囲壁22a及び/又は直立内壁22cは、空洞21’を封止するための、環状の変形可能な封止部材などの封止部材22dを有してもよい。
【0118】
封止部材22dは、並べて配置された環状リップなどの1つ以上の実質的に平行な封止リップ22eを有することができる。
【0119】
封止部材22dは、封止部材22eを掴むためのタブ22fを有してもよい。
【0120】
封止部材22dは、例えば洗浄のために蓋22から取り外し可能とすることができ、蓋に取り付け可能とすることができる。
【0121】
取り外し可能な蓋22は、接続部材31に接触する又は近接する底端部22bを有する周囲壁22a又は上記周囲壁22aを有してもよい。底端部22bは、接続部材31から1cm未満、例えば0.5cm未満離隔してもよい。
【0122】
基部10は、給電される空洞、例えば、容器21に隣接する電気コード15を介して電源により給電される空洞を有してもよい。基部空洞は、食品空洞21’内に熱を発生させる(空洞を加熱する)ための及び/又は食品空洞21’から熱を除去する(空洞を冷却する)ための熱調整器を含んでもよい。
【0123】
食品空洞21’は、液状食品物質をその処理中に撹拌するための、泡立て器及び/又はスターラなどの移動可能な撹拌デバイスを収容してもよい。
【0124】
撹拌要素は、アクチュエータ又は上記アクチュエータによって駆動されてもよく、アクチュエータは、基部10内に収容されており、かつ容器21の底壁23などの容器壁を介して撹拌デバイスに例えば磁気的に結合されている。
【0125】
撹拌要素は、上記アクチュエータによって駆動されると、食品空洞21’内で液状食品としてのミルク又はミルクベース液体を泡立てるように構成され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6