(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】多材料ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20240510BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20240510BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021170112
(22)【出願日】2021-10-18
【審査請求日】2022-12-28
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023593
【氏名又は名称】アクシュネット カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【氏名又は名称】山田 英治
(72)【発明者】
【氏名】リュウイチ スギマエ
(72)【発明者】
【氏名】ダリル シー. ギャルバン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード エル. クレグホーン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ディー. ハーベル
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0298072(US,A1)
【文献】特表2018-516125(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0094164(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/04
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
前記ゴルフクラブヘッドの前部に位置する前部打撃フェース部分と、
前記
前部打撃フェース部分の後部に取り付けられた後部本体部分とを有し、
前記後部本体部分は、さらに、
軽量シェル
であって、クラウンと、ソールと、上記クラウンおよび上記ソールの間の接合部とを有する上記軽量シェルと、
前記軽量シェルの
上記クラウンおよび上記ソールの間の上記接合部の周りで前記軽量シェルの内面に取り付けられる内部リボン支持部材とを有し、
前記内部リボン支持部材は、
上記内部リボン支持部材の長さ方向に配列される複数の切り欠きをさらに含み、
前記内部リボン支持部材は、7.0グラム未満の質量を有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
上記内部リボン支持部材は、
外部構成要素と、
内部構成要素とを有し、
上記外部構成要素および上記内部構成要素は、一体となってダイヤモンド形状の指示部材を形成する請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記内部リボン支持部材は、6.0グラム未満の質量を有する請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記内部リボン支持部材は、5.0グラム未満の質量を有する請求項
3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記内部リボン支持部材が、内部構成要素および外部構成要素をさらに有し、前記複数の切り欠きが前記外部構成要素
のみに配置される請求項
4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記内部リボン支持部材が、内部構成要素および外部構成要素をさらに有し、前記複数の切り欠きが、前記内部構成要素および前記外部構成要素の双方に配置される請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記内部リボン支持部材は、4.0グラム未満の質量を有する請求項
6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記内部リボン支持部材は、3.9グラム未満の質量を有する請求項
7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記内部リボン支持部材は、3.8グラム未満の質量を有する請求項
8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記内部リボン支持部材がさらに外部構成要素を有し、前記複数の切り欠きが前記外部構成要素上に配置される請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記内部リボン支持部材は、2.8グラム未満の質量を有する請求項
10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記内部リボン支持部材は、2.7グラム未満の質量を有する請求項
11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記内部リボン支持部材は、2.6グラム未満の質量を有する請求項
12に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全般的には、性能が改善された多材料ゴルフクラブヘッドに関する。より具体的には、この発明は、金属製の前部部分と、内部リボン支持部材が追加された軽量の後部部分とを有する多材料ゴルフクラブヘッドに関する。内部リボンサポート部材は、軽量の後部部分の構造的剛性を大幅に改善し、ゴルフクラブヘッド自体の音響性能を改善するのを支援する。この発明は、また、重み付け機構を含んで良く、この重み付け機構は、軽量後部部分内の開口部を介してアクセス可能であるけれども、金属製の前部部分に直接に結合され、ゴルフクラブヘッドの軽量部分へのウェイトの取り付けに関連する構造的完全性の問題のいずれも軽減する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブヘッドの性能を改善するための重み付け要素の利用は、業界で知られている。1971年に出願された米国特許第3,692,306号(Glover)は、重み付け機構を備えた最も初期のゴルフクラブの1つを示している。本質的に異なる密度と重量特性を持つ異なる材料を使用することで、ゴルフクラブヘッドの性能を向上させることができる。
【0003】
現代のゴルフクラブヘッド、特にメタルウッドタイプのゴルフクラブヘッドは、重み付けを利用してゴルフクラブヘッドの性能を改善することが継続的に行われてきた。米国特許第8,951,143号(Morales等)は、より現代的なアイデアの1つを説明性、こらは、ウェイト部材がブラケットと結合されるウェイトアタッチメント機構を教示した。
【0004】
ゴルフクラブヘッドの一部を形成するために軽量の複合材料が使用される場合、ゴルフクラブヘッドにウェイトを追加する問題はさらに複雑になる。軽量の複合材料は、繊維に垂直な配向では非常に強力であるけれども、別の配向の力を受けた場合、しばしば弱くなる可能性がある。したがって、軽量の複合ゴルフクラブヘッドにウェイトを追加することは、多くの場合困難である。米国特許第8,979,671号(DeMille等)は、ウェイト周辺の材料を強化し、サポートメンバーを追加することにより、この問題に対処するためのソリューションの1つを示している。
【0005】
したがって、業界では、十分な構造的剛性、良好な音、および良好な性能が可能である軽量の複合材後部本体を利用するゴルフクラブを作成する必要があることが分かる。
【0006】
さらに、ウェイトの周りの材料を強化するための材料の厚さの追加および支持部材の追加は、望まない場所に重量を追加するという望ましくない悪影響を生み出す可能性がある。したがって、上述に基づいて、ゴルフクラブヘッドが軽量の第2の材料を用いてゴルフクラブヘッド自体の一部を形成する際に、当該ゴルフクラブヘッドのウェイト取り付け機構を改善するのを支援し、しかも、従来の方法に関連する負の副作用がないようにする必要がある。
さらに、ウェイトの周りの材料を強化するための材料の厚さの追加および支持部材の追加は、望まない場所に重量を追加するという望ましくない悪影響を生み出す可能性がある。したがって、上述に基づいて、ゴルフクラブヘッドが軽量の第2の材料を用いてゴルフクラブヘッド自体の一部を形成する際に、当該ゴルフクラブヘッドのウェイト取り付け機構を改善するのを支援し、しかも、従来の方法に関連する負の副作用がないようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第3,692,306号
【文献】米国特許第8,951,143号
【文献】米国特許第8,979,671号
【発明の概要】
【0008】
この発明の一側面は、1つまたは複数のネジ溝付きレセプタクルを具備する前部打撃フェース部分と、前部打撃フェース部分の後部に取り付けられた後部本体とを有するゴルフクラブヘッドである。後部本体部分は、1つまたは複数のウェイト開口部を具備する軽量シェルと、軽量シェルのスカートの周りで軽量シェルの内面に取り付けられる内部リボン支持部材とをさらに有し、内部リボン支持部材は、二次壁をさらに有し、この二次壁は、部分をさらに含む。ゴルフクラブヘッドの内部全体容積を前部容積室部と後部容積室部とに分離し、ゴルフクラブヘッドの容積比は約12.6から約19.1の間である。この容積比は次のように定義される。
容積比=(前部容積室部の容積)/(後部容積室部の容積)
【0009】
この発明の他の側面は、1つまたは複数のネジ溝付きレセプタクルを具備する前部打撃フェース部分と、前部打撃フェース部分の後部に取り付けられた後部本体とを備えるゴルフクラブヘッドである。後部本体部分は、1つまたは複数のウェイト開口部を具備する軽量シェルと、軽量シェルのスカートの周りで軽量シェルの内面に取り付けられる内部リボン支持部材とをさらに有し、内部リボン支持部材は、二次壁をさらに有し、この二次壁は、ゴルフクラブヘッドの内部全体容積を前部容積室部と後部容積室部とに分離し、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドの内部全体容積の約82%から約91%を構成する前部容積室部を有する。
【0010】
この発明の他の側面は、1つまたは複数のネジ溝付きレセプタクルを有する前部打撃フェース部分と、前部打撃フェース部分の後部に取り付けられた後部本体とを備えるゴルフクラブヘッドである。後部本体部分は、1つまたは複数のウェイト開口部を有する軽量シェルと、軽量シェルのスカートの周りで軽量シェルの内面に取り付けられる内部リボン支持部材とをさらに有し、内部リボン支持部材は、二次壁をさらに有し、この二次蒲は、ゴルフクラブヘッドの内部全体容積を前部容積室部と後部容積室部とに分離し、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドの内部全体容積の約82%から約91%の間で構成される前部容積室部を具備し、ゴルフクラブヘッドの総質量の約15パーセント以上が二次壁の背面および後方に位置している。
【0011】
この発明の他の側面は、1つまたは複数のネジ溝付きレセプタクルを具備する前部打撃フェース部分と、前部打撃フェース部分の後部に取り付けられた後部本体とを有するゴルフクラブヘッドである。後部本体部分は、1つまたは複数のウェイト開口部を具備する軽量シェルと、軽量シェルのスカートの周りで軽量シェルの内面に取り付けられる内部リボン支持部材とをさらに有し、内部リボン支持部材は、複数の切り欠きを有し、内部リボン支持部材は、約5.0グラム未満の質量を有する。
【0012】
この発明の他の側面において、内部リボン支持部材は、内部構成要素および外部構成要素をさらに有する。
【0013】
この発明の他の側面において、内部構成要素と外部構成要素が組み合わさって、ダイアモンド形状の内部リボン支持部材を形成する。
【0014】
この発明の他の側面は、約0.01秒より大きく約0.02秒未満の臨界時間Tcriticalを具備する音を生成するゴルフクラブヘッドである。臨界時間Tcriticalは、音がピーク振幅Amaxからピーク振幅Amaxの10%の点まで振れるのにかかる時間として定義される。
【0015】
この発明の他の側面は、1つまたは複数のネジ溝付きレセプタクルを具備する前部打撃フェース部分と、前部打撃フェース部分の後部に取り付けられた後部本体とを有するゴルフクラブヘッドである。後部本体部分は、1つまたは複数のウェイト開口部を有する軽量シェルと、軽量シェルのスカートの周りで軽量シェルの内面に取り付けられる内部リボン支持部材と、先の1つまたは複数のウェイト開口部を通り抜けて挿入されて先の1つまたは複数のネジ溝付きレセプタクルと係合する1つまたは複数のネジウェイトとを有する。軽量シェルおよび内部リボン支持部材の双方が繊維強化ポリマーから製造されている。
【0016】
この発明の他の側面は、2つ以上のネジ溝付きレセプタクルを具備する前部打撃フェース部分と、前部打撃フェース部分の後部に取り付けられた後部本体部分とを有するゴルフクラブヘッドである。後部本体部分は、さらに、2つ以上のウェイト開口部を具備する軽量シェルと、軽量シェルのスカートの周りで軽量シェルの内面に取り付けられる内部リボン支持部材と、さきの1つまたは複数のウェイト開口部を通り抜けて挿入されて先の2つ以上のネジ溝付きレセプタクルと係合する2つ以上のネジウェイトとを有する。先の2つ以上のネジウェイトは、約80mmから約120mmの間の距離で隔てられる。
【0017】
この発明のこれらおよび他の特徴、側面、および利点は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
この発明の前述および他の特徴および利点は、添付の図面に示されているように、この発明の以下の説明から明らかになるであろう。ここに組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、この発明の原理を説明し、関連技術の当業者がこの発明を実施および使用することを可能にするのにさらに役立つ。
【0019】
【
図1】添付図面の
図1は、この発明に従うゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
【
図2】添付図面の
図2は、この発明の実施例に従うゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
【
図3】添付図面の
図3は、この発明の実施例に従うゴルフクラブヘッド底面ソール図を示す。
【
図4】添付図面の
図4は、この発明の実施例に従うゴルフクラブヘッドの分解斜視図を示す。
【
図5】添付図面の
図5は、この発明の実施例に従うゴルフクラブヘッドの音響振幅を表す時系列図を示す。
【
図6】添付図面の
図6は、
図2のA-A’断面線に沿うこの発明の実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【
図7】添付図面の
図7は、
図2のC-C’断面線に沿うこの発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの拡大断面図を示す。
【
図8】添付図面の
図8は、
図2のB-B’断面線に沿うこの発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【
図9】添付図面の
図9は、
図2のC-C’断面線に沿うこの発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの拡大断面図を示す。
【
図10】添付図面の
図10は、この発明の実施例に従うゴルフクラブヘッドの底面ソール図を示す。
【
図11】添付の図面の
図11は、この発明の実施例に従うゴルフクラブヘッドの分解斜視図示す。
【
図12】添付図面の
図12は、
図2および
図11のA-A’断面線に沿うこの発明の実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【
図13】添付図面の
図13は、この発明の実施例に従うゴルフクラブヘッドの底面ソール図を示す。
【
図14】添付図面の
図14は、この発明の実施例に従うゴルフクラブヘッドのトウ側面図を示す。
【
図15】添付図面の
図15は、この発明の他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの拡大トウ側面図を示す。
【
図16】添付図面の
図16は、
図2および
図11のA-A’断面線に沿う、この発明の他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【
図17】添付図面の
図17は、この発明の他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの分解トウ側面図を示す。
【
図18】添付図面の
図18は、
図2および
図11のA-A’断面線に沿う、この発明の他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【
図19】添付図面の
図19は、この発明の他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
【
図20】添付図面の
図20は、
図19に示すこの発明の他の代替的な実施例に従う内部リボン支持部材の拡大図を示す。
【
図21】添付図面の
図21はこの発明のさらに他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの分解斜視図を示す。
【
図22】添付図面の
図22は、
図22に示すこの発明の他の代替的な実施例に従う内部リボン支持部材の拡大図を示す。
【
図23】添付図面の
図23はこの発明のさらに他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの分解斜視図を示す。
【
図24】添付図面の
図24は、
図23に示すこの発明の他の代替的な実施例に従う内部リボン支持部材の拡大図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0020】
以下の詳細な説明は、この発明を実施するための現在考えられている最良のモードを説明する。この説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、この発明の範囲が添付の特許請求の範囲によって最もよく定義されるので、単にこの発明の一般原理を説明する目的でなされている。
【0021】
この発明の種々の特徴が以下に説明され、それぞれは、互いに独立して、または他の特徴と組み合わせて使用することができる。ただし、単一の発明性のある特徴は、上述の問題の一部またはすべてに対処しない場合もあれば、上述の問題の1つにのみ対処する場合もある。さらに、先に説明した1つ以上の問題は、以下で説明する機能のいずれによっても完全に対処できない場合がある。
【0022】
添付図面の
図1は、この発明の実施例に従うゴルフクラブヘッド100の斜視図を示している。この発明のこの斜視図は、この図においては直ちに明らかではないかもしれないけれども、ゴルフクラブヘッドが2つの主要なサブコンポーネント、すなわち、実際の打撃フェースインサート101を具備する前部打撃フェース部分102、および後部本体部分104に分離されていることを示している。これらのコンポーネントは、一般的に異なる材料で作られているため、具体的に識別される。前部打撃フェース部分102は、全般的には、チタンなどの金属材料から作製されて良く、他方、後部本体部分104は、全般的には、繊維強化ポリマーなどの軽量材料から作製されて良い。この後部本体部分104に適した繊維強化ポリマー材料に関する詳細は、本件出願人の出願に係る米国特許出願公開第2020/0023247号(Larsen等)および米国特許出願公開第2020/0188746号(Sugimae等)に見出すことができ、双方の開示は、参照して全体としてここに組み込まれる。
【0023】
添付の図面の
図2は、ゴルフクラブヘッド200の正面図を示しており、これは、フェースインサート201を示し、フェースセンタ203が前部打撃フェース部分202の一部である。添付図面の
図2は、この発明が軸を識別するのを支援するために使用する座標系205を示している。x軸は、ヒールからトウの方向に向けられ、正のx方向は、ゴルフクラブヘッド200のヒールに向けられる。y軸は、クラウンからソールの方向に向けられ、正のy軸は、ゴルフクラブヘッド200のクラウンに向けられる。最後に、z軸は、前から後ろの方向に向けられ、正のz方向は、ゴルフクラブヘッド200の前部を指す。この正面図は、その後のいくつかの図において断面化される際の基準点を提供する。断面線A-A’は、クラウンからソール方向に、フェースセンタ203でゴルフクラブヘッド200を断面化する基礎を提供する。断面線B-B’は、ヒールからトウまでの方向で、フェースセンタ203でゴルフクラブヘッド200を断面化するための基礎を提供する。最後に、断面線C-C’は、この発明に固有の重み付けシステムの1つに沿ってゴルフクラブヘッド200を断面化するための基礎を提供する。
【0024】
図2に示される断面線C-C’の位置により多くの文脈を提供するために、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド300のソール図が
図3に示されている。
図3は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド300のソール図を示しており、ウェイト開口部310が、ウェイト開口部310の中央を通過する断面線C-C’とともにより詳細に示されることを可能にする。より具体的には、この発明のこの実施例において、ゴルフクラブヘッド300は、複数の重み付けシステムをゴルフクラブヘッド300に設置することを可能にするために、トウ側ウェイト開口部310aおよびヒール側ウェイト開口部310bを具備する。この発明のこの例示的な実施例において、トウ側ウェイト438aおよびヒール側ウェイト438bの位置にそれぞれ対応する、トウ側ウェイト開口部310aおよびヒール側ウェイト開口部310bの位置は、約80mmから約120mmの間、より好ましくは約90mmから約110mmの間、そして最も好ましくは約100mmの間の距離D1によって隔てられている。代替的には、トウ側ねじウェイト438aの位置とヒール側ねじウェイト438bの位置は、約80mmから約120mmの間、より好ましくは約90mmから約110の間、最も好ましくは約100mmの距離D1によって隔てられていると言うことができる。上述に加えて、ゴルフクラブヘッド300のこのソール図は、また、前部打撃フェース部分302と後部本体部分304との間の分離のより明確な視覚化を可能にする。最後に、添付図面の
図3は、前部打撃フェース部分302と後部本体部分304との間の接合部を覆う接合部カバー320と、接合部カバー320のすぐ後ろのソールに取り付けられたソールプレート322とを示しており、これら双方の詳細は以降の図により明確になる。
【0025】
添付図面の
図4は、この発明に従うゴルフクラブヘッド400の分解図を示している。この分解図では、外部コンポーネントを表示できるだけでなく、内部コンポーネントと外部コンポーネントとの関係も表示できる。特定の構成要素の詳細に言及する前に、ここで、ゴルフクラブヘッド400が依然として前部打撃フェース部分402および後部本体部分404に分離されていることが分かる。前部打撃フェース部分は、さらに複数のネジ溝付きレセプタクル439を有し、これはトウ側ネジ溝付きレセプタクル439aおよびヒール側ネジ溝付きレセプタクル439bとしてさらに識別されて良い。後部本体部分404は、内部ウェイトカバー430、重み付け部材432、内部リボン支持部材434、少なくとも1つのウェイト開口部410(
図4においてヒール側ウェイト開口部410bのみが示されている)を具備する軽量シェル436、および2つのねじウェイト438からさらに構成されて良く、これは、トウねじウェイト438aおよびヒールねじウェイト438bとして特定さて手良い。
【0026】
ここで、この発明のネジウェイト438は、空間的にはゴルフクラブヘッド400の後端に表れているけれども、後部本体部分404の軽量シェル436上のウェイト開口部410に挿入されることによって、前部打撃フェース部分402に配置されたネジ溝付きレセプタクル439に実際に係合することに留意されたい。ここでの取り付け方法は、従来のウェイト取り付け機構のいくつかの主要な欠点に対処するので、この発明の適切な機能にとって重要である。伝統的には、軽量材料を利用して軽量シェル436を形成するため、これらの材料は、ゴルフボールに衝突するときの高密度おもりの振動に耐えるのに十分な強度がないため、これらの材料に直接高密度重み付け機構を取り付けることは困難である。代替的には、ウェイトを一般的に金属製の前面打撃フェース部分402に直接取り付けることができるけれども、ウェイトをフェースの前面に非常に近づけて配置することが常に望ましいとは限らない。この発明は、軽量シェル436内に、金属製の前部打撃フェース部分402内のネジ溝付きレセプタクル439にねじウェイト438を直接取り付けることができるウェイト開口部510を作成することによって、これらの問題の双方に対処する。
【0027】
上述に加えて、
図4に示されるゴルフクラブヘッド400の分解図は、また、ジョイントカバー420をソールプレート422とともに示し、これらは、ゴルフクラブヘッド400の前部打撃フェース部分402と後部本体部分404との間に空間的に配向されて、2つの構成要素間の結合を改善するだけでなく、ゴルフスイング中に地面に衝突したときに損傷を受けやすい傾向がある後部本体部分404を保護するのを支援する。
【0028】
最後に、内部ウェイトカバー430、重み付け部材432、および内部リボン支持部材434も、また、重み付けメカニズムに関係のないこの発明の適切な機能にとって重要である。外部からは見えないけれども、内部リボン支持部材434は、この発明に従うゴルフクラブヘッド400の改善された性能を達成するための抜本的でかつ最も重要な構成要素の1つである。内部リボン支持部材434は、上述の軽量シェル436のスカート部分の周りの軽量シェル436の内面に取り付けられる。ゴルフクラブヘッド400のスカートまたはリボンは、ゴルフクラブヘッド400のクラウンおよびゴルフクラブヘッド400のソールの間の接合部を指し示す、業界技術用語である。この発明のこの現行の実施例に示されるように、内部リボン支持部材434は、また、一般に、繊維強化ポリマーから作製されて良く、これは、軽量シェル436に接着剤結合または拡散結合されている。しかし、内部リボン支持部材434は、後部本体部分404の構造的剛性を高めることができる限り、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、すべて軽量または非軽量の代替材料から作製できることに留意されたい。内部リボン支持部材は、少なくとも、つぎの4つの識別可能な利点を有する。すなわち、1)重み付け部材432が軽量シェル436の後方に取り付け可能にする。2)前部打撃フェース部分402および後部本体部分404の間の結合を改善する。3)繊維強化ポリマーを使用して軽量シェル436を構成したときに、後部本体部分の構造的剛性を増加させて故障を防止する。4)ゴルフボールに接触したときのゴルフクラブヘッド400の音響特性を増強するという点である。
【0029】
第1に、内部リボン支持部材434は、重み付け部材432がゴルフクラブヘッド400の後部本体部分404の軽量シェル436に適切に固定されることを可能にする。この実施例における重み付け部材432は、ゴルフクラブヘッド400の慣性モーメントを改善するのを支援するためにゴルフクラブヘッド400の最も後方の部分に配置される。この重み付け部材432は、一般的には、タングステンなどの高密度金属材料で製造されて良く、また、これらのタイプのゴルフクラブヘッド400が一般的にそうであるように、特に軽量シェル436が繊維強化ポリマーで作られているならば、一般的には、この重み付け部材432を接着剤で軽量シェル436に結合する必要があるであろう。重量のある重み付け部材432が繊維強化ポリマーに取り付けられるときに一般的に発生する結合に関する問題に対処するために、内部ウェイトカバー430を使用して、重み付け部材432を軽量シェル436に固定するのを支援して良い。軽量シェル436の厚さが軽量化のために非常に薄いという事実のために、ゴルフクラブヘッド400の後部の軽量シェル436の小さなエッジに収束するという形状と組み合わされて、ゴルフクラブヘッド400の後部において、軽量シェル436の構造的剛性は、一般に、ゴルフクラブヘッド400がゴルフボールに衝突したときに経験する高密度の重み付け部材432の振動および動きをサポートするのに十分な強度ではない可能性がある。この問題に対処するために、この発明は、重み付け部材432の部分の周りのゴルフクラブヘッド400の構造的剛性をさらに増強するために、全体としてわずかに厚くされる内部リボン支持部材434を含む。この発明では、軽量シェル436の内部リボン部分の周りに内部リボン支持部材434を設置することによってこれを実現し、もって、高密度の重み付け部材432およびウェイトカバー430が取り付けられるより頑丈なものを実現する。
【0030】
第二に、上述のようにウェイト保持に関連して軽量シェル436に追加の構造的剛性を提供することに加えて、内部リボン支持部材434が、後部本体部分404の全体をサポートすることによって、ゴルフクラブヘッド400の全体が一緒にとどまるのを支援することにおいて、さらに多くの利点を有する。後部本体部分404の全体の構造剛性を高めることは、内部リボン支持部材434のウェイト保持機能と同じくらい重要であるけれども、それ以上に重要ではない。軽量シェル436は、先に述べたように、一般的に繊維強化ポリマーから製造される。初めに、繊維強化ポリマー材料は、接着剤を用いずに金属材料に直接結合することができない。接着剤で結合された材料は、一般に、結合された材料のいずれかが振動して動きすぎると失われる可能性がある。これは、繊維強化ポリマーが高い衝撃力を受けた場合に発生する傾向がある。材料のこの動きは、チタンの前部打撃フェース部分402を繊維強化ポリマーの後部本体部分404に結合することを困難にすることが多く、したがって、重大な設計上の課題を生み出す。この問題に対処するために、内部リボン支持部材434は、軽量シェル436がその周りに結合し得る堅固な表面を提供し、したがって部品の振動を低減し、この結果、多くの場合、接着剤を介して達成される、前部打撃フェース部分402と後部本体部分404との間の結合を、増強させる。
【0031】
補足として、上述のジョイントカバー420が、また、結合領域の構造的剛性を高めることによって、前部打撃フェース部分402と後部本体部分404との間の結合を支援する。ジョイントカバー420は、この実施例においては、同じ繊維強化ポリマーで作られているけれども、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、構造剛性を改善するために結合領域の外面に接着できる任意の代替材料で製造されて良い。
【0032】
第三に、後部本体部分404の金属製の前部打撃フェース部分402に結合する能力による構造的剛性の能力の結果として、前部打撃フェース部分402と後部本体部分404との間の適切な結合を妨げる同じタイプの望ましくない動きは、高い衝撃力を受けたときに軽量シェル436を故障させる可能性がある。この発明では、また、内部リボン支持部材434を利用して、薄い繊維強化ポリマー材料から作られた軽量シェル436が、ゴルフクラブヘッド400のゴルフボールとの衝突の際の衝撃力に耐える能力の問題に対処するのを支援できる。内部リボン支持部材434は、ゴルフボールとの衝突時に通常よりも振動することが多い軽量シェル436の弱い領域を強化することによってこれを達成し、この結果、繊維強化ポリマーから作られた軽量シェル436がひび割れまたは層間剥離するのを防ぐ。
【0033】
第4に、そして最後に、内部リボン支持部材434の追加は、ゴルフクラブヘッド400の音響を改善する。なぜなら、かなりの部分が純粋に細い繊維強化ポリマーから作られているゴルフクラブは、望ましくない音をもたらす可能性があるからである。音をテストする方法論を含む、ゴルフクラブヘッドの音に関するより詳細な議論については、本出願人の米国特許第10,653,927号(Murphy等)を参照されたい。要約すると、内部リボン支持部材434は、ゴルフクラブヘッド400が、米国特許第10,653,927号におけるゴルフクラブと同様の望ましい音響特性を達成することを可能にすると言うことができる。添付図面の
図5を参照すると、現行のゴルフクラブヘッドにおいては、音の振幅がピーク振幅A
maxからピーク振幅A
maxの10%の振幅まで振動するのにかかる時間が、臨界時間T
criticalとして定義され、これが、一般的には、約0.01秒より大きく約0.02秒未満、より好ましくは約0.015秒より大きく約0.02秒未満、最も好ましくは約0.0175秒より大きく約0.02秒未満である。上述に加えて、この発明のゴルフクラブヘッド400は、主に内部リボン支持部材434の追加により、一般に、3300kHzより大きく、より好ましくは3400kHzより大きく、また、最も好ましくは3500kHzより大きい、それ自体の共振周波数を有して良く、これは、すべて、この発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0034】
ここで、内部リボン支持部材434は、また、2つのリセス433をさらに備えて良く、これらリセス433が2つ以上のウェイト開口部510と係合して、ネジウェイト438がネジ溝付きレセプタクル439と係合できるようになすスペースを形成する。
【0035】
最後に、内部リボン支持部材434は、図示される現行の実施例において、一般に、約3.7グラムから約4.1グラムの間、より好ましくは約3.8グラムから約4.0グラムの間、そして最も好ましくは約約3.9グラムの総質量を有して良い。しかしながら、内部リボン支持部材434の質量も、また、ゴルフクラブヘッド400の適切な機能にとって重要であることに留意されたい。ゴルフクラブヘッド400の、同じ内部リボン支持部材434をあまりにも薄っぺらで軽量にするという間違いは、ゴルフクラブヘッド400自体に、所望の結果を達成するのに十分な構造的支持を提供しないかもしれない。
【0036】
添付図面の
図6は、
図2に示す断面線A-A’に沿った、この発明の一実施例に従うゴルフクラブヘッド600の断面図を示している。ゴルフクラブヘッド600のこの断面図は、種々の構成要素の間の関係が組み立てられた状態でより明確に示されることを可能にし、それは現行のこの発明のゴルフクラブヘッド600の内部構造により多くの光を当てる。先の検討と同様に、
図6は、主に、前部打撃フェース部分602および後部本体部分604からなる。前部打撃フェース部分602は、ネジ溝付きレセプタクル639を具備し、より具体的には、断面図がゴルフクラブヘッド600のヒール側のみを示すため、ヒール側ネジ溝付きレセプタクル639bのみが示されている。前部打撃フェース部分602の後方に取り付けられているのは、後部本体部分604であり、これは、主に直接的にウェイト取り付けに適さない軽量材料から作られている。
【0037】
重み付けメカニズムに関連して、添付の図面の
図6は、ヒール側ウェイト開口部610bを具備する後部本体部分604を示し、ヒール側ウェイト開口部610bによって、ヒール側ネジウェイト638bが、後部本体っ分604を前部打撃フェース部分602に機械的に固定することができる。ヒール側ネジウェイト638bおよび図示されていないトウねじウェイト638aは、距離D2で位置付けられて良く、これは、フェース中心603の後方約25mmから約35mmの間、より好ましくは、フェース中心603の後方約27mmから約33mmの間、およびほ、最も好ましくは、フェース中心603の後方約28mmから約32mmの間である。ここに示されるゴルフクラブヘッド600のこの断面図は、また、ウェイト部材632を示し、内部ウェイトカバー630と内部リボン支持部材634との間にウェイト部材632を挟み、その保持を支援する。重み付け部材632の位置は、フェース中心603の後方約100mmより大きく、より好ましくはフェース中心603の後方約105mmより大きく、最も好ましくはフェース中心の後方約110mmの距離D3に配置されて良い。
【0038】
ネジウェイト638およびウェイト部材632の位置および存在は、現行のこの発明のゴルフクラブヘッド600が、改善された重心および慣性モーメント特性を有することを可能にする。より具体的には、ゴルフクラブヘッド600は、
図2に示されるように、z方向に約32mmより大きく、より好ましくは約33mmより大きく、最も好ましくは約34mmより大きいCG深さを有して良い。さらに、現行のこの発明のゴルフクラブヘッド600は、
図2に示されるように、約5,200g-cm
2を超える、より好ましくは約5,300g-cm
2を超える、最も好ましくは約5,400g-cm
2を超えるy軸の周りの慣性モーメントを有して良い。
【0039】
最後に、ゴルフクラブヘッド600のこの断面図は、ジョイントカバー620が、前部打撃フェース部分602と後部本体部分604との間の接合部全体を包み込み、2つの間の移行における任意の段差を排除する態様を示し、また、ジョイントカバー620は、ゴルフクラブヘッド600の下側を保護するためのソールプレート622をさらに含み、これは、ゴルフクラブヘッド600の当該部分は、ゴルフクラブヘッド600を振るときにすり減りやすいからである。
【0040】
添付図面の
図7は、
図3の断面線C-C’に沿って取られたゴルフクラブヘッド700の拡大断面図を示している。ゴルフクラブヘッド700のこの拡大断面図は、ウェイト開口部710、ネジウェイト738、およびネジ溝付きレセプタクル739の間の関係をより明確に示すことを可能にする。ゴルフクラブヘッド700のこの断面図は、トウ側ウェイト開口部710aに沿って取られているけれども、種々のコンポーネント間の関係は、ヒール側ウェイトコンポーネントに関して同じである(
図7には示されていない)。つまネジウェイト738aが、後部本体部分704を前部打撃フェース部分702に機械的に接続するのを助けることができることが以前に予見されたが、その特定の関係は、この
図7まで具体的に示されていない。
図7において、トウ側ウェイト開口部710aは、リセスのその末端内に開口部を有し、トウ側ネジウェイト738aの雄ねじ部分が突出して、トウ側のネジ溝付きレセプタクル739aの雌ネジ部分と係合する。代替的には、トウ側ウェイト開口部710aの末端開口部の直径は、トウ側ウェイト738aのヘッド直径よりも小さく、したがって、機械的保持を生み出すと言うことができる。ここで、トウ側ネジウェイト738aを使用して、後部本体部分704の前部打撃フェース部分702への取り付けをさらに固定するのを支援できるけれども、ねじは、後続の図から以下に示されるように、そのような機械的係合を提供する必要がないことに留意されたい。
【0041】
添付の図面の
図8は、
図2に示される断面線B-B’を横切って取られたゴルフクラブヘッド800の断面図を示す。ゴルフクラブヘッドのこの断面図により、ネジウェイト838aと838bの両方のセットをより明確に示すことができる。ネジウェイト838aおよび838b、ネジ溝付きレセプタクル839aおよび839b、ならびにウェイト開口部810aおよび810bの基本的な構成要素はすべて以前に議論されており、
図8に示される現行の実施例において同様である。この発明の現行の実施例は2組の重み付け部材を示しているけれども、3組またはそれ以上の組の重み付け部材、または1組の重み付け部材でさえ、この発明の範囲および内容から逸脱することなく使用できることに留意されたい。さらに、ゴルフクラブヘッド800の断面図が示すように、トウ側の重み付け部材810a、838a、および839aの高さは、y軸に沿って(
図2で先に検討したように)ヒール側の重み付け部材810b、839b、および839bよりも高い。このタイプの配置は、質量特性を備えたネジウェイト838を取り付けることによって、ゴルフクラブヘッド800の重心をヒールからトウの方向に調整することを可能にするだけでなく、この高さの変化により、重心をクラウンからソール方向にも調整することができる。発明のこの具体的な実施例において、トウ側ネジウェイト838aは、ヒール側ネジウェイト838bよりも約8mmより高く、より好ましくは、ヒール側ネジウェイト838bよりも約9mmより高く、そして最も好ましくは、ヒール側ネジウェイト838bより約10mm以上高く、位置付けられる。しかしながら、この発明の代替の実施例において、トウ重み付け部材810a、838a、および839aは、ヒール重み付け部材810b、883b、および839bよりも低くてもよく、また、同じ高さであっても良く、これはこの発明の範囲および内容から逸脱しないことに留意されたい。
【0042】
添付図面の
図9は、この発明の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド900の拡大断面図を示している。この発明の当該代替的な実施例において、異なるスクリュー重み付け機構が使用され、このスクリュー重み付け機構は、前部打撃フェース部分902と後部本体部分904との間に機械的ロックを提供しない。ゴルフクラブヘッド900は、ネジウェイト938aがネジ溝付きレセプタクル939aにねじ込まれているので、ネジウェイト938aのヘッドとウェイト開口部910aの内壁との間に重なりがないことを示している。代替的には、ウェイト開口部910aの末端開口部は、ネジウェイト938aの頭径よりも大きい直径を有し得ると言うことができる。この重なりの欠如は、ネジウェイト938aが、ゴルフクラブヘッド900に重量を取り付ける目的で、ゴルフクラブヘッド900の前部打撃フェース部分902にのみ取り付けられることを意味し、前部打撃フェース部分902と後部本体部分904との間の結合は、ジョイントカバー920によって覆われる領域において、外周ジョイントの周りのジョイントのみを介して実現される。
【0043】
図10、11、および12は、この発明の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド1000を示している。より具体的には、
図10は、ゴルフクラブヘッド1000を示している。
図10は、ゴルフクラブヘッド1000のソール図を示し、
図11は、ゴルフクラブヘッド1000の分解斜視図を示し、
図12は、ゴルフクラブヘッド1000の断面図を示している。これら3つの図すべてを一緒に議論すると、この発明のこの実施例において、ウェイト開口部1010の位置は、ゴルフクラブヘッド1000の後部中央部分の近くに位置することが分かる。ゴルフクラブヘッド1000の後部本体部分1004は、先に検討した重み付けシステムを収容するように適合化されている。この発明のこの実施例は、ヒールからトウまでの重い付け調整の必要がなく、ゴルフクラブヘッド1000において重心を後方に動かすことに重点が置かれている場合に好ましいであろう。ゴルフクラブヘッド1000の分解図が
図11に再度示され、この分解図は、内部リボン支持部材1034がゴルフクラブヘッド1000の後部本体部分1004に位置付けられることを示しており、これは、先に検討により、この発明に重要な利益を提供することをすでに示している。これに加えて、
図11は、また、ネジ溝付きレセプタクル1039に係合するネジウェイト1038の内部構成要素を示しているけれども、この実施例において、重み付け部材1032は、内部リボン支持部材1034によって所定の位置に保持される代わりに、
図11に示されるようにネジウェイト1038を介して保持されて良く、これは前の実施例に示されるとおりである。
【0044】
図12は、
図2に示す、断面線A-A’に沿ったゴルフクラブヘッド1000の断面図を示し、この
図12および
図10は、新しく導入された重み付け機構をより明確に説明可能にする。
図12において、ネジウェイト1038は、実際に後部本体部分1004に取り付けられることなく、ゴルフクラブヘッド1000の後部の近くに重み付け部材1032を保持するのを支援することが分かる。最後に、この発明のこの実施例において、ネジウェイト1038は、ゴルフクラブヘッド1000の後方に配置され、ネジウェイト1038は、初期の実施例のいくつかが示すように、後部本体部分1004を前部打撃フェース部分1002に機械的に固定するの支援することがない。
【0045】
ここで、
図10、11、および12は、ゴルフクラブヘッド1000の後方に配置された1つのウェイト開口部1010を備えた1つの重み付けトシステムを具備するゴルフクラブヘッドを示し、添付図面の
図3に示すように、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、ゴルフクラブヘッドの後方において2つまたはそれ以上の重み付けシステムを配置して良い。添付図面の
図13は、2つの重み付けシステムを組み込むことができるヒール側ウェイト開口部1310aおよびトウ側ウェイト開口部1310bを具備するゴルフクラブヘッド1300のソール図を示しており、これは、これらの重み付け構成が、特定の状況において望ましい場合があるからである。
【0046】
図14から16は、この発明の他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド1400を示し、これは、前部打撃フェース部分に直接接続しない異なる重み付け機構を利用する。
【0047】
添付の図面の
図14は、この発明の当該代替的なの実施例にした豪ゴルフクラブヘッド1400のヒール側面図を示している。ゴルフクラブヘッド1400は、先の実施例と同様に、すべて、前部打撃フェース部分1402および後部本体部分1406を具備する。この実施例における後部本体部分1406は、先の実施例とわずかに異なっており、これは、複数のピースを使用して軽量シェル1436を形成し、また、これは、わずかに異なる重み付けシステム1440を具備する。この重み付けシステムの詳細は後で検討される。
【0048】
この実施例における軽量シェル1436は、2つの異なるピース、軽量クラウンサブシェル1436aおよび軽量ソールサブシェル1436bから形成されて良く、これらは両方はとも組み合わされて軽量シェル1436を形成する。一般的に、これらサブコンポーネントは、互いに独立して形成され、形成された後、別個の個別の部品として結合されて良い。軽量シェル全体が一般に繊維強化ポリマーから作られているので、軽量クラウンサブシェル1436aおよび軽量ソールサブシェル1436bも、また、一般に同じ繊維強化ポリマーから形成されて良いことに留意されたい。しかしながら、この発明の代替的な実施例において、軽量クラウンサブシェル1436aおよび軽量ソールシェル1436bは、それぞれ、異なる繊維強化ポリマーから作製されて良く、構成要素のうちの1つのみが繊維強化ポリマーから作製され、または、両方とも、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、すべて繊維強化ポリマーではない代的な替の軽量材料で作られて良い。軽量クラウンサブシェル1436aと軽量ソールサブシェル1436bを組み合わせて軽量シェル1436自体を形成することは、これらの実質的に平坦なサブコンポーネントが製造しやすいので、好ましい場合がある。しかしながら、複数のサブコンポーネント部品を一緒に結合して軽量シェル1436を形成する場合、後部本体部分1406の構造的完全性が損なわれる可能性があり、したがって、内部リボン支持部材(
図14には示されていない)がこの発明においてさらに重要になる。この発明の当該さらなる代替的な実施例に従う種々の構成要素間の関係を示すために、
図15が以下に説明される。
【0049】
添付の図面の
図15は、この発明の他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド1400の分解トウ側面図を示している。先に検討したように、この発明の当該他の代替的な実施例において、軽量シェル1436は、2つのサブコンポーネント、すなわち軽量クラウンサブシェル1436aおよび軽量ソールサブシェル1436bに分割され、これらは互いに取り付けられて、後部本体部分1460の後方を形成する。重み付けシステム1440は、軽量ソールサブシェル1436bの開口部と係合することによって、後部本体部分1460の後方に取り付けられる。最後に、この発明の重要な構成要素は、
図15のゴルフクラブヘッド1400の分解図に示されている内部リボン支持部材1434である。
【0050】
図15に示される内部リボン支持部材1434は、以下の点で、
図4に先に示した以前のリボン支持部材434とは、わずかに異なる。すなわち、後部本体部分1406の後方に位置する重み付けシステム1440が存在するため、軽量シェル1436全体にわたってスカート部分全体を支持しないという点である。この内部リボン支持部材1434は、後部本体部分1406の後方において連結を改定いる点を補い、これは、
図15に示すように、Y字型構造で、軽量クラウンサブシェル1436aを軽量ソールサブシェル1436bと接続する二次壁1442を作成することによって実現される。二次壁1442は、軽量シェル1436の後部スカート部分に接触していないにもかかわらず、軽量クラウンサブシェル1436aと軽量ソールサブシェル1436bとの間の接続を介して軽量シェル1436に構造的剛性を提供することによってそれを補う。この発明の当該実施例に示されるように、二次壁1442は、一般に、約0.5mmから約1.0mmの間、より好ましくは約0.6mmから約0.9mmの間、そして最も好ましくは約0.7mmから約0.8mmの間の厚さを有して良い。ゴルフクラブヘッド1400の断面図が
図16に提供されるまで、それは見えないけれども、二次壁は、ゴルフクラブヘッド1400内に2つの別個の容積室を生成する。
【0051】
最後に、重み付けシステム1440は、一般に、軽量材料から作製されたシャーシに取り付けられた、金属材料から作製された高密度ウェイト部材を具備する重み付けシステムであって良い。軽量材料の利用は、一般に、軽量シェル1436と同じタイプの材料であって良いけれども、後部本体部分1406の後方の残りの部分に結合することができる限り、重み付けシステムのシャーシに代替材料を使用して良く、これは、この発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0052】
ここで、この実施例におけるここでの重み付けシステムのかなりの部分は、二次壁1442の後ろに配置され、ゴルフクラブヘッド1400の全体質量のかなりの部分を構成することに留意されたい。この現行の事例的な実施例において、二次壁1442の背後および後方の質量は、一般に、約30グラムより大きく、より好ましくは約35グラムより大きく、最も好ましくは約40グラムより大きくて良い。換言すると、ゴルフクラブヘッド1400全体の質量が約200グラムであると仮定すると、ゴルフクラブヘッド1400の全体質量の約15パーセントを越える量が二次壁1442の背後および後方に位置し、より好ましくは、ゴルフクラブヘッド1400の全体質量の約17.5パーセントを越える量が二次壁1442の背後および後方に位置し、ゴルフクラブヘッド1400の全体質量の約20パーセントを越える量が二次壁1442の背後および後方に位置していると言うことができる。
【0053】
二次壁1442によって作成された2つの別個の容積室部および重み付けシステム1440の内部動作をよりよく理解するために、当該他の代替的な実施例に従う当該ゴルフクラブヘッド1400の断面図が、
図16において提供される。添付図面の
図16は、
図2に示す断面線A-A’に沿ったゴルフクラブヘッド1400の断面図を示している。
図16に示されるゴルフクラブヘッド1400の断面図において、二次壁1442は、ゴルフクラブヘッド1400を2つの別個の容積室部、前部容積室部1446および後部容積室部1444に分離していることが分かる。二次壁1442は、ゴルフクラブヘッド1400の後部の近くに位置するから、前部容積測室部は、一般に、約380ccから約420ccの間、より好ましくは約390ccから約410ccの間、そして最も好ましくは約400ccの容積を有して良い。ドライバータイプのゴルフクラブヘッドの全体のサイズが約460ccの内部全体容積を持っていることを考えると、正面容積室部は内部全体容積の約82%から約91%の間、好ましくは、内部全体容積の約84%から約89%の間、そして最も好ましくは、内部全体容積の約87%を有すると言うこともできる。逆に、後部容積室部1444は、二次壁1442の反対側に作成される。図示の実施例において、トラックベースの重み付けシステム1440の存在により、後部容積室部は、約22ccから約30cc、より好ましくは約24ccから約28cc、最も好ましくは約26ccを有する。この実施例において、後部容積室部は、内部全体容積の約4.7%から約6.5%、より好ましくは内部全体容積の約5.2%から約6.0%、そして最も好ましくは内部全体容積の約5.6%を有する。しかしながら、この発明の代替的な実施例において、後部容積室部1444は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、単純なネジウェイトシステムを有するか、またはウェイトシステムを全く持たない場合があることに留意されたい。それらの代替的な実施例において、後部容積室部1444は、約40ccから約80cc、より好ましくは約50ccから約70cc、最も好ましくは約60ccの相補容積を有して良く、結果として内部全体容積の約9%~約18%の間、より好ましくは約11%~約16%の間、および最も好ましくは約13%のパーセンテージをもたらし、これは、この発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0054】
先に概説した数およびパーセンテージに基づいて、ゴルフクラブヘッド1400は、約12.6から約19.1の間、より好ましくは約13.9から約17.1の間、最も好ましくは約15.4の容積比を有して良く、これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。ここで、容積比は以下の式(1)により定義される。
容積比=(前部容積室部の容積)/(後部容積室部の容積) 式(1)
【0055】
先に明確にされた容積測定の結果として、二次壁1442の位置は、また、ゴルフクラブヘッド1400の最後部点からの測定として定義されて良い。この発明の現行の事例的な実施例において、二次壁は、水平な地面から測定して、約8度から約12度、より好ましくは約9度から約11度、最も好ましくは約10度の角度αで角度が付けられている。結果として、二次壁1442の上端は、ゴルフクラブヘッド1400の最後部から約20mmから約26mmの間、より好ましくはゴルフクラブヘッド1400の最後部から約21mmから約25mmの間、最も好ましくはゴルフクラブヘッド1400の最後部から約23mmの距離D3に位置する。二次壁1442の下端は、ルフクラブヘッド1400の最後部から約28mmから約34mmの間、より好ましくはゴルフクラブヘッド1400の最後部から約29mmから約33mmの間、最も好ましくはゴルフクラブヘッド1400の最後部から約31mmの距離D4に位置する。角度αが正であれば、二次壁1442の上端は、常にゴルフクラブヘッド1400の最後部点のより近くに位置する。代替的な実施例において、角度αは負の数であって良いことに留意されたい。この場合、二次壁1442の下端がゴルフクラブヘッド1400の最後部点の近くにある。二次壁1442は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、ゴルフクラブヘッド1400の最後部により近い位置に配置されている。これもこの発明の範囲および内容から逸脱しない。そして、角度αが正であるか負であるかにかかわらず、二次壁1442のどの部分もゴルフクラブヘッド1400の最後部から26mm以内に位置しておらず、より好ましくは二次壁1442のどの部分もゴルフクラブヘッド1400の最後部から25mm以内に位置しておらず最も好ましくは、二次壁1442のどの部分もゴルフクラブヘッド1400の最後部から23mm以内に位置していない。
【0056】
最後に、
図16に示されるゴルフクラブヘッド1400の断面図は、トラックタイプの重み付けシステム1440を示している。このタイプのトラックタイプの重み付けシステム1440に関する詳細は、本出願人の米国特許第10,695,628号(Yi等)に見出され、その開示は、参照によりその全体がここに組み込まれる。
【0057】
添付図面の
図17および18は、この発明の他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド1700の分解断面図を示している。この発明の他の代替的な実施例において、すべての要素は、図示の以前の実施例と同様であるが、内部リボン支持部材1734の二次壁1643は、ゴルフクラブヘッド1700の音響特性の調整を可能にする開口部1743を具備して良い。開口部1743は、振動エネルギーが前部容積室部1746と後部容積室部1744との間を移動して、悪い音を引き起こす望ましくない振動を緩和することを可能にすることによって、ゴルフクラブヘッド17000の音響特性を制御するのを支援することができる。
【0058】
内部リボン支持部材1734の二次壁1643の開口部1743を除いて、ゴルフクラブヘッド1700の残りの構成要素は本質的に同一である。ゴルフクラブヘッド1700は、依然として、打撃フェース部分1702および後部本体部分1706から構成される。この実施例における軽量シェル1736は、軽量クラウンサブシェル1736aおよび軽量ソールサブシェル1736bにさらに分割されて良く、また、重み付けシステム1740は、依然として、後部本体部分1702の後部に取り付けられている。
【0059】
添付図面の
図19は、この発明の他の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド1900の分解斜視図を示し、この図において、内部リボン支持部材1934は、ゴルフクラブヘッド1900自体の性能を改善するのを支援する追加の特徴を有する。より具体的には、内部リボン支持部材1934の内部構成要素1952ではなく、外面1950のみが、格子構造を作成するための複数の切り欠き1954の追加の特徴を含む。この発明の現行の事例的な実施例における格子構造は、内部リボン支持部材1934の構造的剛性をさらに増大させることができ、したがって、軽量シェル1936をさらに薄く、より軽くすることができる。この発明の当該代替的な実施例において、内部リボン支持部材は、約7.0グラム未満、約6.0グラムより多く、最も好ましくは約5.0グラム未満の質量を有して良い。内部リボン支持部材1934が異なることを除いて、ゴルフクラブヘッド1900の他のすべての構成要素、例えば、前部打撃フェース部分1902、後部本体部分1904、軽量シェル1936、および重み付けシステム1940は、本質的に同じままである。
【0060】
内部リボン支持部材1934の外部構成要素1950上の複数の切り欠き1954に関するより詳細を示すために、内部リボン支持部材1934の拡大斜視図が
図20に示されている。
図20に示される内部リボン支持部材1934の異なる視点からの拡大斜視図において、外部構成要素1950と内部構成要素1952との間の違いをより明確に示すことができる。この
図20において、複数の切り欠き1954は、外部構成要素1950上にのみあり、実質的に三角形の形状をとっていることが分かる。複数の切り欠きのパターンは、内部リボン支持部材1934に沿って長さ方向に交互になり、半球の中点の上下で互いに鏡像とない、上述の格子構造を作成する。この発明の代替的な実施例において、異なる切り欠き形状を使用して、正方形、長方形、楕円形、円、または他の任意の形状などの複数の切り欠き1954を形成でき、これは、すべてこの発明の範囲および内容から逸脱しないことに留意されたい。
【0061】
添付図面の
図20は、内部リボン支持部材1934の外部構成要素1954に沿った複数の切り欠き1954を示すことに加えて、また、内部リボン支持部材1934の外部構成要素1950および内部構成要素1952がどのように組み合わされてダイヤモンド形の支持部材を形成するかを示している。これらのタイプの形状は、内部リボン支持部材1934の構造的剛性をさらに増大させ、内部リボン支持部材1934の強度対重量比を最大化させる傾向があるので、工学設計において一般的に好まれるであろう。
【0062】
添付の図面の
図21および22は、この発明の他の代替的な実施例を示すために、ゴルフクラブヘッド2100の分解図、および、内部リボン支持部材2134の拡大斜視図をそれぞれ示している。この発明の当該代替的な実施例において、ゴルフクラブヘッド2100は、依然として、打撃フェース部分2102および後部本体部分2104を具備する。後部本体部分2104は、軽量シェル2136、内部リボン支持部材2134からさらに構成される。しかしながら、内部リボン支持部材2134の内部構成要素2152を詳細に検討すると、内部リボン支持部材2134の内部構成要素2152も、また、複数の切り欠き2154を有するとう、この実施例の独特の特徴を浮き彫りにするであろう。この切り欠き2154は内部リボン支持部材の質量をさらに減らすのを支援する。代替的には、内部リボン支持部材2134の内部構成要素2152および外部構成要素2150の両方は、両方とも、複数の切り欠き2154からさらに構成されると言うことができる。内部リボン支持部材2134の内部構成要素2152から追加の質量が除去されるので、この発明の当該実施例に従う内部リボン支持部材2134は、約4.0グラム未満、より好ましくは約3.9グラム未満、最も好ましくは約3.8グラム未満の総質量を有して良い。
【0063】
添付図面の
図23および24は、この発明の他の代替的な実施例を説明するために、ゴルフクラブヘッド2300の分解図、および、内部リボン支持部材2334の斜視図をそれぞれ示す。この発明の当該代替的な実施例において、ゴルフクラブヘッド2300は、依然として打撃フェース部分2302および後部本体部分2304を具備る。後部本体部分2304は、軽量シェル2336、内部リボン支持部材2334からさらに構成される。しかしながら、この実施例において、内部リボン支持部材2334は、外部構成要素2350のみを有し、先の実施例に示される内部構成要素を完全に除去する。この実施例は、劇的な軽量化が望まれる場合に望まれるかもしれないけれども、それは、構造的剛性支持の低下を犠牲にしてもたらされる。この発明の当該実施例において、内部リボン支持部材2334は、約2.8グラム未満、より好ましくは約2.7グラム未満、最も好ましくは約2.6グラム未満の総質量を有して良い。
【0064】
動作例以外、または、特に明記しない限り、本明細書の先の部分における、材料の量、慣性モーメント、重心位置、ロフト、ドラフト角度、種々の性能比、その他のような、すべての数値範囲、量、値およびパーセンテージは、「約」という用語が値、量、または範囲に明示的に現れなくても、「約」という用語が前に付いているかのように理解して良い。したがって、そうでないと示されない限り、上述の明細書および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、この発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を請求項の範囲に限定することを試みることなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効桁数に照らして、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0065】
この発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は、可能な限り正確に報告されている。ただし、数値には本質的に、それぞれのテスト測定で見つかった標準偏差に起因する特定のエラーが含まれる。さらに、様々な範囲の数値範囲がここに記載されている場合、列挙された値を含むこれらの値の任意の組み合わせが使用され得ることに留意されたい。
【0066】
もちろん、先の説明は、この発明の例示的な実施例に関するものであり、以下の特許請求の範囲に記載されるこの発明の精神および範囲から逸脱することなく修正を行うことができることを理解されたい。
以下、ここに説明した技術的特徴について列挙する。
[技術的特徴1]
ゴルフクラブヘッドにおいて、
前記ゴルフクラブヘッドの前部に位置する前部打撃フェース部分と、
前記打撃フェース部分の後部に取り付けられた後部本体部分とを有し、
前記後部本体部分は、さらに、
軽量シェルと、
前記軽量シェルのスカートの周りで前記軽量シェルの内面に取り付けられる内部リボン支持部材とを有し、
前記内部リボン支持部材は、複数の切り欠きをさらに含み、
前記内部リボン支持部材は、約7.0グラム未満の質量を有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴2]
前記内部リボン支持部材は、約6.0グラム未満の質量を有する技術的特徴1に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴3]
前記内部リボン支持部材は、約5.0グラム未満の質量を有する技術的特徴2に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴4]
前記内部リボン支持部材が、内部構成要素および外部構成要素をさらに有し、前記複数の切り欠きが前記外部構成要素に排他的に配置される技術的特徴3に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴5]
前記内部リボン支持部材が、内部構成要素および外部構成要素をさらに有し、前記複数の切り欠きが、前記内部構成要素および前記外部構成要素の双方に配置される技術的特徴1に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴6]
前記内部リボン支持部材は、約4.0グラム未満の質量を有する技術的特徴5に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴7]
前記内部リボン支持部材は、約3.9グラム未満の質量を有する技術的特徴6に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴8]
前記内部リボン支持部材は、約3.8グラム未満の質量を有する技術的特徴7に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴9]
前記内部リボン支持部材がさらに外部構成要素を有し、前記複数の切り欠きが前記外部構成要素上に配置される技術的特徴1に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴10]
前記内部リボン支持部材は、約2.8グラム未満の質量を有する技術的特徴9に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴11]
前記内部リボン支持部材は、約2.7グラム未満の質量を有する技術的特徴10に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴12]
前記内部リボン支持部材は、約2.6グラム未満の質量を有する技術的特徴11に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴13]
ゴルフクラブヘッドにおいて、
前記ゴルフクラブヘッドの前部に位置する前部打撃フェース部分と、
前記打撃フェース部分の後部に取り付けられた後部本体部分とを有し、
前記後部本体部分は、さらに、
軽量シェルと、
前記軽量シェルのスカートの周りで前記軽量シェルの内面に取り付けられる内部リボン支持部材とを有し、
前記内部リボン支持部材は、前記ゴルフクラブヘッドの内部全体容積を前部容積室部および後部容積室部に分離する二次壁をさらに有し、
前記ゴルフクラブヘッドは、約12.6から約19.1の間の容積比を有し、
上記容積比は、
容積比=(前部容積室部の容積)/(後部容積室部の容積)
により定義されることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴14]
前記容積比が約13.9から約17.1の間である、技術的特徴13に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴15]
前記容積比が約15.4である、技術的特徴13に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴16]
前記前部打撃フェース部分がチタン材料から製造される技術的特徴13に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴17]
前記軽量シェルが、さらに、
軽量クラウンサブシェルと、
軽量ソールサブシェルとを有し、
前記軽量クラウンサブシェルおよび前記軽量ソールサブシェルは、互いに独立して形成されている技術的特徴16に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴18]
前記軽量シェルおよび前記内部リボン支持部材の双方の全体が繊維強化ポリマーから製造されている技術的特徴17に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴19]
前記軽量クラウンサブシェルのみが繊維強化ポリマーから製造されている技術的特徴17に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴20]
前記ゴルフクラブヘッドが、約0.01秒より大きく約0.02秒未満の臨界時間T
critical
を有する音を発生し、前記臨界時間T
critical
は、前記音がピーク振幅A
max
から前記ピーク振幅A
max
の10%の点までに振れるのにかかる時間として定義される技術的特徴17に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴21]
前記臨界時間T
critical
が約0.015秒より大きく、約0.02秒未満である技術的特徴20に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴22]
前記臨界時間T
critical
が約0.0175秒より大きく、約0.02秒未満である技術的特徴20に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴23]
ゴルフクラブヘッドにおいて、
1つまたは複数のネジ溝靴付きレセプタクルを具備る前部打撃フェース部分と、
前記前部打撃フェース部分の後部に取り付けられた後部本体部分とを有し、
前記後部本体部分は、さらに、
1つまたは複数のウェイト開口部を備えた軽量シェルと、
前記軽量シェルのスカートの周りで前記軽量シェルの内面に取り付けられる内部リボン支持部材と、
前記1つまたは複数のネジ溝付きレセプタクルと係合するために、前記1つまたは複数の重り開口部を通して挿入される1つまたは複数のネジウェイトとを有し、
前記軽量シェルおよび前記内部リボン支持部材は双方とも繊維強化ポリマーから製造されることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴24]
前記前部打撃フェース部分がチタン材料から製造されている技術的特徴23に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴25]
前記内部リボン支持部材が、前記1つまたは複数のネジウェイトが前記1つまたは複数のネジ溝付きレセプタクルに係合できるように、前記1つまたは複数の重量開口部に係合する1つまたは複数のリセスをさらに有する技術的特徴24に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴26]
前記ゴルフクラブヘッドが、約0.01秒より大きく約0.02秒未満の臨界時間T
critical
を有する音を発生し、前記臨界時間T
critical
は、前記音がピーク振幅A
max
から前記ピーク振幅A
max
の10%の点までに振れるのにかかる時間として定義される技術的特徴23に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴27]
前記臨界時間T
critical
が約0.015秒より大きく、約0.02秒未満である技術的特徴26に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴28]
前記臨界時間T
critical
が約0.0175秒より大きく、約0.02秒未満である技術的特徴27に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴29]
前記後部本体部分の内側後部スカート部分に配置された重み付け部材をさらに有する技術的特徴23に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴30]
前記重み付け部材が、前記後部本体部分の前記内部リボン支持部材の内面に取り付けられ、
前記内部リボン支持部材は、前記重み付け部材を前記軽量シェルから分離する技術的特徴29に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴31]
前記ゴルフクラブヘッドが、前記重量部材の内面と前記内部リボン支持部材の内面との双方に係合する内部重量カバーをさらに有する技術的特徴30に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴32]
前記後部本体部分が、前記1つまたは複数のネジウェイトを介して前記前部打撃フェース部分に機械的に固定されている技術的特徴23に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴33]
前記ウェイト開口部の末端が前記ネジウェイトのヘッドと係合して、前記後部本体部分を前記前部打撃フェース部分に機械的に固定する技術的特徴32に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴34]
前記後部本体部分が、前記1つまたは複数のネジウェイトによって前記前部打撃フェース部分に非機械的に固定されている技術的特徴23に記載のゴルフクラブヘッド。
[技術的特徴35]
前記ウェイト開口部の末端が、前記ネジウェイトのヘッド直径よりも大きい直径を有する開口部を有する技術的特徴34に記載のゴルフクラブヘッド。