(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】あらかじめ成形され且つ湾曲した遠位部分を含むアテレクトミー装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3207 20060101AFI20240510BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
A61B17/3207
A61M25/00 530
A61M25/00 550
(21)【出願番号】P 2021523651
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2019079876
(87)【国際公開番号】W WO2020089415
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-10-26
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】エスクデロ,パウル キュー
(72)【発明者】
【氏名】ロウ,ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ポンボ,オーガスト クリストファー
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0272615(US,A1)
【文献】特表2018-511361(JP,A)
【文献】特表2010-532211(JP,A)
【文献】特開2009-201891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって操作されるように構成されたハンドルと;
カテーテルと;を有する、アテレクトミー装置であって、
前記カテーテルは:
外側シースであって:
前記ハンドルに結合され且つ前記ハンドルに対して遠位に延びる近位部分であって、前記カテーテルの長手方向軸を規定する、近位部分と;
前記近位部分に結合され且つ前記近位部分に対して遠位に延びる遠位部分であって、前記遠位部分は、
外部からの接触力を受けていないときは湾曲した形状を有し且つ前記長手方向軸からオフセットされ、前記遠位部分は
、切り溝及び非切り溝部分のパターンを含む、遠位部分と;
を有する、外側シース;
前記外側シース内に担持され且つ前記外側シースに対して回転可能な駆動シャフト;及び
前記外側シースの前記遠位部分に結合され且つ前記遠位部分に対して遠位に延びるカッタアセンブリであって、前記カッタアセンブリは、前記外側シースに対して並進に関して固定されたカッタを含み、前記カッタは、前記駆動シャフトに結合され且つ前記外側シースに対して前記駆動シャフトが回転するとカッタ回転軸周りに回転し、前記カッタ回転軸は、
外部からの接触力を受けていないときは前記長手方向軸に対して鋭角に配置される、カッタアセンブリ;
を有する、
アテレクトミー装置。
【請求項2】
前記湾曲した形状は、近位湾曲部及び遠位湾曲部を含む、
請求項1に記載のアテレクトミー装置。
【請求項3】
前記近位湾曲部は、前記長手方向軸から離れて曲がり、前記遠位湾曲部は、前記長手方向軸に向かって曲がる、
請求項2に記載のアテレクトミー装置。
【請求項4】
前記カテーテルは、前記ハンドルに対してカテーテル回転軸周りに回転可能である、
請求項1に記載のアテレクトミー装置。
【請求項5】
前記カテーテル回転軸は、前記長手方向軸と同一直線上にある、
請求項4に記載のアテレクトミー装置。
【請求項6】
前記遠位部分は、前記長手方向軸から離れて曲がる近位セクション、前記近位セクションの遠位に配置され且つ前記長手方向軸に向かって曲がる中間セクション、及び前記中間セクションの遠位に配置される遠位セクションを有し、前記遠位セクションは、直線状に延び且つ前記長手方向軸に対して前記鋭角に配置される、
請求項1に記載のアテレクトミー装置。
【請求項7】
前記近位セクションは、0.81インチ±10%(21mm±10%)の半径及び31.2mm±10%の前記長手方向軸上に投影される長さを有する、
請求項6に記載のアテレクトミー装置。
【請求項8】
前記中間セクションは、0.48インチ±10%(12mm±10%)の半径及び14mm±10%の前記長手方向軸上に投影される長さを有する、
請求項6に記載のアテレクトミー装置。
【請求項9】
前記遠位セクションは、4.6mm±10%の前記長手方向軸上に投影される長さを有する、
請求項6に記載のアテレクトミー装置。
【請求項10】
前記パターンは、第1のパターンであり、前記近位部分は、(i)スリット及び非スリット部分のパターン又は(ii)切り溝及び非切り溝部分のパターンである、(a)第2のパターンを含み、前記第2のパターンは、前記第1のパターンとは異なる、
請求項1に記載のアテレクトミー装置。
【請求項11】
前記鋭角は、45度±10%である、
請求項1に記載のアテレクトミー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される装置及び方法は、概して、血管又は他の身体部分からの閉塞材料の除去など、閉塞した身体管腔の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
末梢及びインターベンション心臓病学は、冠動脈疾患及び末梢血管疾患を含む種々の形態の心血管疾患の治療に関連する医学専門分野である。冠動脈疾患と末梢血管疾患は、アテローム性動脈硬化(動脈硬化とも呼ばれる)による動脈の狭窄によって起こることがある。冠動脈疾患は一般に、血液を心筋や周囲の組織に運ぶ心臓動脈の動脈に悪影響を及ぼす。末梢血管疾患とは、例えば、下肢に血液を運ぶ、心臓及び脳以外の血管系の様々な疾患をいう。
【0003】
アテローム性動脈硬化は、一般的に、中動脈及び大動脈に悪影響を及ぼし、脂肪、コレステロール、及びその他の物質が動脈の壁に蓄積し、プラーク/病変と呼ばれる肉質又は硬い/石灰化した構造を形成するときに起こりことがある。動脈壁内にプラークが形成されると、動脈が狭くなって柔軟性が低下することがあり、これは、そこを通る血液の流れを困難にすることがある。末梢動脈では、プラークは典型的には限局性ではないが、動脈の軸に沿って10mm以上(場合によっては400mm以上)の長さに延びることがある。
【0004】
プラークの破片が剥がれ、悪影響を受けた動脈を通ってより小さい血管に移動することがあり、これは、場合によっては、血管を塞ぎ、組織損傷や組織死(塞栓形成)を引き起こすことがある。いくつかの例では、アテローム硬化性プラークは悪影響を受けた動脈の壁の脆弱化と関連している可能性があり、これは動脈瘤につながる可能性がある。アテローム性動脈硬化の合併症を軽減又は予防するために、動脈からプラークを除去する低侵襲手術が行われることがある。
【0005】
アテローム性動脈硬化を治療するために、いくつかのインターベンショナル外科的方法論が用いられることがある。バルーン血管形成術では、例えば、医師は、虚脱した血管内バルーンカテーテルを狭窄した動脈内に進め、バルーンを膨らませて、プラークを軟らかくする及び/又は血管壁に対して移動させることができる。血管形成術が成功すると、動脈を再開通させ、血量を改善するのに役立つ。しばしば、バルーン血管形成術は、動脈の再狭窄を最小限に抑えるために、動脈内のステント又はスキャフォールド(scaffold)構造の配置と併せて実行される。しかし、バルーン血管形成術は動脈を伸展させ、瘢痕組織形成を引き起こすことがあり、一方、ステントを留置すると動脈組織を切断し、これもまた瘢痕組織形成を引き起こすことがある。瘢痕組織形成は動脈の再狭窄につながることがある。場合によっては、バルーン血管形成術によっても血管壁が剥離することがある。
【0006】
アテレクトミー(アテローム切除術)(Atherectomy)は、アテローム性動脈硬化の別の治療法であり、動脈の壁から機械的にプラークを除去する(すなわち、デバルクする(debulk))ための血管内装置の使用を含む。アテレクトミー装置は、動脈の壁からのプラークの除去を可能にし、動脈壁を伸ばす、切断する、又は剥離させる及び再狭窄につながる組織損傷を引き起こすリスクを軽減する。場合によっては、アテレクトミーは瘢痕組織を除去することによって再狭窄を治療するために用いられることがある。
【0007】
いくつかのアテレクトミー装置は、構造上及び性能上の制約を受ける。例えば、回転するバー(rotating burrs)を有するアテレクトミー装置(例えば、Cardiovascular Systems, Inc.製のDiamondback 360(登録商標) PAD System)は、一般に、バーが組織を研磨/磨くときに放出される粒子を捕えるようには構成されておらず、これは、粒子の残留により下流の血流を減少させる可能性がある。さらに、これらの回転するバリは溶血を引き起こすことがあり、一般に血管形成術の補助療法として制限される。
【0008】
Pathway Medical Technologies社のJETSTREAM G3(登録商標) Systemのようなその他のアテレクトミー装置は、折りたたみ式/可動式カッタウイングを備えた膨張式カッタと、バキュームポンプを介して供給されるバキューム駆動式吸引装置を含み、これは、動脈をカッタ上で虚脱させ、動脈壁を穿孔する可能性がある。他のアテレクトミーシステムは、サイドウインドウ偏心カッタと、カッタから材料を受け取る遠位ノーズコーンとを含むことがある。ノーズコーンは限定された体積のプラークしか保持できないため、外科医は、繰り返し、カッタを引き抜き、ノーズコーンからプラーク及び他の材料を洗い流す必要があるかもしれない。
【0009】
いくつかのアテレクトミー装置は、カッタが血管壁に対向する(すなわち、少なくとも部分的に向かう)ことを可能にするように再構成可能である。血管内でカッタを掃引すると、カッタは比較的広い範囲のプラークを処理することができ、それにより比較的高い管腔ゲイン(luminal gain)を提供することができる。しかし、そのようなアテレクトミー装置は、装置を再構成するための作動機構(例えば、1つ又は複数のプルワイヤ)の存在のために、典型的には比較的複雑であり、そのような装置は、比較的小さなサイズで製造することが困難である。
【0010】
特許文献1は、イメージング能力を備えた閉塞性材料を切り取り及び除去するための装置に関する。
【0011】
特許文献2は、カニューレ及びカニューレ内で軸方向にスライド可能な組織除去プローブを有する組織除去キットまたはアセンブリに関する。
【0012】
特許文献3は、血管内にさまざまなサイズの内腔を作成する能力を有するアテレクトミーデバイスに関する。
【0013】
従って、改良されたアテレクトミー装置及び方法を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】米国特許出願公開第2016/242808号
【文献】米国特許出願公開第2005/209610号
【文献】米国特許第6,949,711号
【発明の概要】
【0015】
本発明は添付の特許請求の範囲によって定められる。
本開示は、ユーザによって操作されるように構成されたハンドルを含むアテレクトミー装置を提供する。アテレクトミー装置はさらに、カテーテルを含み、カテーテルは、外側シースを含む。外側シースは、ハンドルに結合され且つハンドルに対して遠位に延びる近位部分を含み、近位部分は、カテーテルの長手方向軸を規定する。外側シースはまた、近位部分に結合され且つ近位部分に対して遠位に延びる遠位部分を含み、遠位部分は、通常は湾曲した形状(curved configuration)を有し且つ長手方向軸からオフセットされる(offset)。カテーテルはさらに、外側シース内に担持され且つ外側シースに対して回転可能な駆動シャフトを含む。カテーテルはさらに、外側シースの遠位部分に結合され且つ遠位部分に対して遠位に延びるカッタアセンブリを含む。カッタアセンブリは、外側シースに対して並進に関して固定されたカッタを含む。カッタは、駆動シャフトに結合され、外側シースに対して駆動シャフトが回転すると、カッタ回転軸周りに回転する。カッタ回転軸は、通常、長手方向軸に対して鋭角に配置される。
【0016】
湾曲した形状は、近位湾曲部(proximal curve)及び遠位湾曲部(distal curve)を含む、前段落に記載の装置。
【0017】
近位湾曲部は、長手方向軸から離れて曲がり、遠位湾曲部は、長手方向軸に向かって曲がる、前段落のいずれかに記載の装置。
【0018】
カテーテルは、ハンドルに対してカテーテル回転軸周りに回転可能である、前段落のいずれかに記載の装置。
【0019】
カテーテル回転軸は、長手方向軸と同一直線上にある、前段落のいずれかに記載の装置。
【0020】
遠位部分は、スリット及び非スリット部分のパターンを含む、前段落のいずれかに記載の装置。
【0021】
パターンは、第1のパターンであり、近位部分は、スリット及び非スリット部分の第2のパターンを含み、第2のパターンは、第1のパターンとは異なる、前段落のいずれかに記載の装置。
【0022】
鋭角は、約45度である、前段落のいずれかに記載の装置。
【0023】
実施形態によれば、本開示は、ユーザによって操作されるように構成されたハンドルを含むアテレクトミー装置を提供する。アテレクトミー装置はさらに、外側シースを有するカテーテルを含む。外側シースは、ハンドルに結合され且つハンドルに対して遠位に延びる近位部分を含み、近位部分は、カテーテルの長手方向軸を規定する。外側シースはさらに、近位部分に結合され且つ近位部分に対して遠位に延びる遠位部分を含む。遠位部分は、通常は湾曲した形状を有し且つ長手方向軸からオフセットされる。湾曲した形状は、近位湾曲部及び遠位湾曲部を有する。近位湾曲部は長手方向軸から離れて曲がり、遠位湾曲部は長手方向軸に向かって曲がる。外側シースはさらに、外側シース内に担持され且つ外側シースに対して回転可能な駆動シャフトを含む。カテーテルはさらに、外側シースの遠位部分に結合され且つ遠位部分に対して遠位に延びるカッタアセンブリを含む。カッタアセンブリはカッタを含み、カッタは、駆動シャフトに結合され且つ外側シースに対して駆動シャフトが回転するとカッタ回転軸周りに回転する。カッタ回転軸は、通常は、長手方向軸に対して鋭角に配置される。
【0024】
カテーテルは、ハンドルに対してカテーテル回転軸周りに回転可能である、前段落に記載の装置。
【0025】
カテーテル回転軸は、長手方向軸と同一直線上にある、前段落のいずれかに記載の装置。
【0026】
鋭角は、約45度である、前段落のいずれかに記載の装置。
【0027】
遠位部分は、スリット及び非スリット部分のパターンを含む、前段落のいずれかに記載の装置。
【0028】
パターンは、第1のパターンであり、近位部分は、スリット及び非スリット部分の第2のパターンを含み、第2のパターンは、第1のパターンとは異なる、前段落のいずれかに記載の装置。
【0029】
句「少なくとも1つ」、「1つ又は複数」、及び「及び/又は」は、働きにおいて、結合的及び離接的なオープンエンドな表現である。例えば、「A、B及びCの少なくとも1つ」、「A、B又はCの少なくとも1つ」、「A、B及びCの1つ又は複数」、「A、B又はCの1つ又は複数」及び「A、B及び/又はC」という表現の各々は、A単独、B単独、C単独、A及びB一緒、A及びC一緒、B及びC一緒、又はA、B及びC一緒を意味する。上記表現におけるA、B、及びCの各々が、X、Y、及びZなどの要素、又はX1~Xn、Y1~Ym、及びZ1~Zoなどの要素のクラスを指す場合、この句は、X、Y、及びZから選択された単一の要素、同じクラスから選択された要素の組み合わせ(例えば、X1及びX2)、ならびに2つ以上のクラスから選択された要素の組み合わせ(例えば、Y1、Zo)を指すことを意図している。
【0030】
用語「1つの(「a」又は「an」)」は、そのエンティティの1つ又は複数を指す。そのため、用語「1つの(「a」(又は「an」))」、「1つ又は複数」及び「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に使用することができる。「有する」、「含む」及び「有する」という用語は、互換的に使用することができることに留意されたい。
【0031】
「手段」という用語は、米国特許法第112条(f)に従って、可能な限り広い解釈を与えられるものとする。従って、「手段」という用語を含む請求項は、本明細書中に記載されたすべての構造、材料又は行為、及びそれらの均等物のすべてをカバーするものとする。更に、構造、材料又は作用及びそれらの均等物は、発明の概要、図面の簡単な説明、詳細な説明、要約及び請求項自体に記載されている全てのものを含むものとする。
【0032】
本開示を通じて与えられるすべての最大の数値の限定は、代替として、それぞれの及びすべてのより低い数値の限定を、あたかもそのようなより低い数値の限定が本明細書に明示的に記載されているかのように、含むとみなされることが理解されるべきである。本開示を通じて与えられるすべての最小の数値の限定は、代替として、それぞれの及びすべてのより高い数値の限定を、あたかもそのようなより高い数値の限定が本明細書に明示的に記載されているかのように、含むとみなされる。本開示を通じて与えられるすべての数値範囲は、より広い数値範囲内にあるより狭い数値範囲のそれぞれを、あたかもそのように狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、含むとみなされる。
【0033】
前述のものは、本開示のいくつかの態様の理解を提供するための本開示の簡略化された概要である。この概要は、本開示及びその様々な態様、実施形態、及び構成の広範で網羅的な概観ではない。それは、本開示の主要な要素又は重要な要素を特定することも、本開示の範囲を線引きすることも意図していないが、以下に示すより詳細な説明の入門として、本開示の選択された概念を簡略化した形式で提示することを意図している。理解されるように、本開示の他の態様、実施形態、及び構成は、上に記載された又は以下に詳細に記載された特徴の1つ又は複数を単独で又は組み合わせて利用して可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
添付の図面は、本開示のいくつかの例を説明するために、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。これらの図面は、説明とともに、本開示の原理を説明する。図面は、どのようにして本開示を作成し、使用することができるかの好ましい例及び代替例を単に説明しており、本開示を図示及び説明された例のみに限定するものと解釈されるべきではない。以下に参照される図面によって示されるように、本開示の様々な態様、実施形態、及び構成の以下のより詳細な説明から、さらなる特徴及び利点が明らかになるであろう。
【0035】
【
図1】本開示の一実施形態によるアテレクトミーシステムの側面図である。
【
図2A】
図1のアテレクトミーシステムの遠位部分の詳細側面図である。
【
図2B】
図1のアテレクトミーシステムの遠位部分の詳細斜視図である。
【
図2C】
図2Aの線2C-2Cに沿ったアテレクトミーシステムの遠位部分の詳細横断面図である。
【
図3A】通常の形態における
図1のアテレクトミーシステムの外側シースの遠位部分の側面図である。
【
図3B】偏向された形態における
図3Aの外側シースの遠位部分の側面図である。
【
図4A】
図1のアテレクトミーシステムの外側シースの近位部分の側面図である。
【
図5】対象の脈管構造をナビゲートする間に比較的直線的な形状に受動的に偏向されている
図1のアテレクトミーシステムのカテーテルを示す。
【
図6】湾曲した形状をとり、カッタアセンブリが対象の脈管構造内のプラークの近くに配置されている
図1のアテレクトミーシステムのカテーテルを示す。
【
図7】湾曲した形状をとり、カッタアセンブリが対象の脈管構造からプラークを除去している
図1のアテレクトミーシステムのカテーテルを示す。
【0036】
図面は必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。場合によっては、開示を理解するために必要でない詳細、又は他の詳細を認識することを困難にする詳細が省略されていることがある。もちろん、本開示は、必ずしも本明細書に示される特定の実施形態に限定されるものではないことを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示のいずれかの実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載された又は以下の図面に示されたコンポーネントの詳細及び配置に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態が可能であり、また様々な方法で実行又は実施することができる。また、本明細書で使用される表現法及び用語法は、説明の目的のためのものであり、限定的であるとみなされるべきではないことを理解されたい。「含む」、「有する」又は「有する」及び本明細書におけるそれらの変形の使用は、その後に列挙されるアイテム及びそれらの均等物ならびに追加のアイテムを包含することを意味する。
【0038】
本開示は、概して、機械的アテレクトミーのための装置、システム、及び方法に関する。
図1を参照すると、本明細書に記載のアテレクトミーシステムの例示的実施形態が示されている。アテレクトミーシステム100は、血管内アテレクトミー装置102と、アテレクトミー装置102がその上に展開され得るガイドワイヤ104とを含む。いくつかの実施態様では、ガイドワイヤ104は、シリコンコーティングされている又はコーティングされていない(裸)、又はPTFEコーティングのないものである。本開示のいくつかの実施形態によるアテレクトミーシステムは、PTFEコーティングを含むガイドワイヤを有するか、又は本開示のいくつかの実施形態によるアテレクトミーシステムは、ガイドワイヤがない。
【0039】
引き続き
図1を参照すると、アテレクトミー装置102は、概して、ハンドル106及びカテーテル108を含む。ハンドル106は、アテレクトミー処置の間、ユーザ(例えば、医療専門家)によって把持され且つ操作されるように構成される。カテーテル108はハンドル106に結合され且つハンドル106に対して遠位に延びる。カテーテル108は、プラークの除去を容易にするためにアテレクトミー処置の間に対象(subject)(例えば、患者)の脈管構造内に配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、カテーテル108は、アテレクトミー処置の間、カテーテル108の遠位部分112の適切な位置決め及び/又は「スイープ(sweeping)」を容易にするために、ハンドル106に対してカテーテル回転軸110周りに選択的に回転可能である。いくつかの実施態様では、図示のように、ハンドル106は、カテーテル108をハンドル106に対して選択的に回転させるための回転可能なノブ又はダイアル114を担持する(carries)。
【0040】
図1をさらに参照すると、カテーテル108は、近位部分118と遠位部分120とを有する外側シース116を含む。近位部分118は、ハンドル106に結合され且つハンドル106に対して遠位に延びる。近位部分118は、細長いコンポーネントであり、カテーテル108の長手方向軸122を規定する。いくつかの実施形態では、図示のように、長手方向軸122は、カテーテル回転軸110と同一直線上にある(collinear with)。他の実施形態では、長手方向軸122は、カテーテル回転軸110と同一直線上にない。いくつかの実施態様では、遠位部分120は、近位部分118に機械的に(例えば、溶接等を介して)結合される。他の実施形態では、遠位部分120は、近位部分118に一体的に結合するか、又は近位部分118と一体的にモノリシックに形成される。遠位部分120は、近位部分118に対して遠位に延び、以下にさらに詳細に説明するように、通常、湾曲した形状を有し、長手方向軸122からオフセットされる。カテーテル108は、さらに、外側シース116の遠位部分120に結合され且つ遠位部分に対して遠位に延びるカッタアセンブリ124を含む。
【0041】
図2A~2Cは、カテーテル108の遠位部分112を示す。外側シース116の遠位部分120は、湾曲した形状に事前に形成されるか、又は通常は湾曲した形状を有し(「通常」は、カテーテル108が、例えば血管壁との接触のために、外部からの接触力を受けていないと理解される)、長手方向軸122からオフセットされている。いくつかの実施形態では、図示のように、遠位部分120の湾曲した形状は、第1の、又は近位湾曲部226と、第2の、又は遠位湾曲部228とを有する二重湾曲部(double curve)を含む。近位湾曲部226は、長手方向軸122から曲がる又はそれから離れた方を向き、遠位湾曲部228は、長手方向軸122に向かって曲がるか又はそれに面する。いくつかの実施形態では、湾曲形状は、カッタアセンブリ124の回転軸230を、長手方向軸122に対して鋭角232に配置させる(例えば、約45度、しかし、例えば、0度より大きく50度未満、より具体的には、約5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、又は90度などの他の角度が代替的に使用されてもよい)(角度に関して本明細書で使用されるとき、用語「約」は、指定された角度±10パーセントと理解される)。いくつかの実施形態及び状況では、長手方向軸122に対するカッタ回転軸230のこのような配置は、カッタアセンブリ124が血管壁に対向する(すなわち、少なくとも部分的に血管壁に面する)ことを可能にする。従って、カッタアセンブリ124は、比較的大きい領域のプラークを処理することができ、カテーテル108をカテーテル回転軸110周りに回転させると、比較的高い管腔ゲインを提供することができる。さらに、いくつかの実施形態及び状況では、二重湾曲部は、カテーテル108に、対象の脈管構造に対する3つの接触点を提供する。より具体的には、近位湾曲部226、遠位湾曲部228、及びカッタアセンブリ124は、各々、対象の脈管構造に接触し得る。
【0042】
特に
図2Cを参照すると、カテーテル108の遠位部分112の横断面図が提供される。図示のように、外側シース116は、カッタアセンブリ124を原動機(prime mover)(例えば、ハンドル106によって担持されたモータ(図示せず))に結合する回転可能な駆動シャフト234を担持する。より具体的には、原動機は、駆動シャフト234を回転させ、この駆動シャフトは、カッタアセンブリ124のカッタハウジング238を有するカッタアセンブリ124のカッタ236を、カッタ回転軸230周りに回転させ得る。カッタ236の回転により、1つ又は複数のカッタ要素240(例えば、ブレード)が閉塞性材料を切削し、閉塞性材料をカッタハウジング238内に搬送する(「デバルキング」とも呼ばれるプロセス)。駆動シャフト234はまた、カッタ236を外側シース116に対して並進に関して固定する(translatably fixes)。いくつかの実施態様では、カッタアセンブリ124は、真空吸引を使用することなく、切り取られた閉塞性材料を血液から捕捉する。他の実施形態では、真空吸引が、切り取られた閉塞性材料の捕捉を補助し得る。
【0043】
図2Cを引き続き参照すると、いくつかの実施形態では、アテレクトミー装置102はまた、駆動シャフト234に結合され且つ駆動シャフト234と共に回転する内部コンベヤ242を含む。閉塞性材料がカッタ236によってカッタハウジング238内に搬送されると、コンベヤ242は、対象の体外に排出するためにカテーテル108を通って切り取られた閉塞性材料を近位に移動させる。いくつかの実施形態では、この搬送は、真空吸引支援の使用なしに起こり得る。他の実施形態では、真空吸引は、切り取られた閉塞性材料の搬送を支援し得る。
【0044】
図3A~3Bは、カテーテル108の外側シース116の遠位部分120を示す。
図3Aでは、外側シース116の遠位部分120は、その通常の湾曲した形状で示され、
図3Bでは、外側シース116の遠位部分120は、偏向された(deflected)形状で示されている。いくつかの実施形態では、遠位部分120は、電解研磨されたニチノール又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など、対象の脈管構造内に配置されるのに適切な1つ又は複数の材料を含む。いくつかの実施形態では、これらの材料及びその他は、湾曲形状に拘束し、熱エネルギ及び/又は電気エネルギを印加することによって、湾曲形状に設定され得る、又は通常は湾曲形状を取るように付勢され(urged)得る。いくつかの実施形態では、遠位部分120は、約0.067インチ(すなわち、0.067インチ±0.0008インチ)[約1.7mm(すなわち、1.7mm±0.02mm)]の外径及び約0.059インチ(すなわち、0.059インチ±0.0008インチ)[約1.5mm(すなわち、1.5mm±0.02mm)]の内径を有する。
【0045】
いくつかの実施形態では、
図3Aに示すように、通常の形状では、外側シース116の遠位部分120は、約1.549インチ(すなわち、1.549インチ±0.0008インチ)[約39.34mm(すなわち、約39.34mm±0.02mm)]の長さ(すなわち、近位端部344と遠位端部346との間の距離、又は、カテーテル108の長手方向軸122に沿った距離)を有する。いくつかの実施形態では、
図3Aに示すように、通常の形状では、外側シース116の遠位部分120は、約0.395インチ(すなわち、0.395インチ±0.020インチ)[約10.03mm(すなわち、10.03mm±0.51mm)]のオフセット寸法又はスパン(すなわち、近位端部344及び遠位端部346と第2の湾曲部228との間の距離、又はカテーテル108の長手軸122に垂直な距離)を有する。
【0046】
図3Aを引き続き参照すると、遠位部分120は、遠位セクション347、中間セクション349(上述の第2の湾曲部228を画定する)、及び近位セクション351(上述の第1の湾曲部226を画定する)を含む。遠位セクション347、中間セクション349、及び近位セクション351は、ほぼ表1に示される寸法(角度は、カテーテル108の長手方向軸122に対するものであり、距離は、カテーテル108の長手方向軸122上に投影され、「約」は、特定の寸法±10パーセントとして理解され、「実質的に」という用語は、特定の寸法±パーセントとして理解される)を有し得る。
【表1】
【0047】
外側シース116の遠位部分120は、カテーテル108が遠位部分120の湾曲した形状で脈管構造からプラークを除去することを可能にするように比較的硬くなり得、遠位部分120は、対象の脈管構造をナビゲートしながら(例えば、
図3Bに示されるように、比較的直線の形状に)それるように十分に可撓性であり得る。可撓性を提供するために、いくつかの実施形態では、遠位部分120は、各々が遠位部分120の壁を通って延びる複数のスリット又は切り溝(kerfs)348(すなわち、材料の欠如部)を含む。このような切り溝348は、例えば、レーザ切断プロセスによって提供され得る。いくつかの実施形態では、
図3Bに示すように、遠位部分120は、その長さにわたって交互の(alternating)切り溝348と、非スリット又は非切り溝部分350(すなわち、遠位部分120の部分は、材料を含み、切り溝348を欠く)との第1のパターンを含む。例えば、交互の切り溝348及び非切り溝部分350のパターンは、パターン内の各軸方向位置において、約0.0015インチ(0.04mm)の長手方向幅及び約90度の円周方向長さを有する第1の切り溝348、約30度の円周方向長さを有する第1の非切り溝部分350、約0.0015インチ(0.04mm)の長手方向幅及び約90度の円周方向長さを有する第2の切り溝348、約30度の円周方向長さを有する第2の非切り溝部分350、約0.0015インチ(0.04mm)の長手方向幅及び約90度の円周方向長さを有する第3の切り溝348、並びに約30度の円周方向長さを有する第3の非切り溝部分350を含み得る(切り溝部分、非切り溝部分、及びパターン寸法に関して本明細書で使用されるとき、「約」は、指定された寸法±10%として理解される)。各軸方向位置における切り溝348と非切り溝部分350のセットは、1つ又は複数の隣接する軸方向位置における切り溝348と非切り溝部分350のセットから約0.012インチ(0.03mm)だけオフセットされ得る(すなわち、パターンは、約0.012インチ(0.03mm)のピッチを有し得る)。図示されるように、ピッチは、外側シース116の長さに沿って一定であり得る。他の実施形態では、ピッチは可変であり得る。図示されるように、切り溝348は、長手方向軸に対して垂直であり得る(すなわち、パターンは、0度のピッチ角を有し得る)。他の実施形態では、切り溝348は、長手方向軸に対して非垂直であり得る(すなわち、パターンは、非ゼロピッチ角を有し得る)。いくつかの実施形態では、パターンは、可変ピッチ角を有してもよい。
【0048】
図4A~4Bは、カテーテル108の外側シース116の近位部分118を示す。いくつかの実施形態では、近位部分118は、焼戻しステンレス鋼など、対象の脈管構造内に配置されるのに適した1つ又は複数の材料を含む。いくつかの実施形態では、近位部分118は、約0.061インチ(すなわち、0.061インチ±0.0005インチ)[約1.5mm(すなわち、1.5mm±0.01mm)]の外径及び約0.052インチ(すなわち、0.052インチ±0.0005インチ)[約1.3mm(すなわち、1.3mm±0.01mm)]の内径を有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、及び図示されるように、外側シース116の近位部分118は、異なる可撓性特性を有するいくつかのセクションを含む。一般に、近位部分118は、カテーテル108の押し込み性(pushability)を促進するために、近位端部452の近傍で比較的硬く、近位部分118は、対象の脈管構造のナビゲーションを容易にするために、遠位端部454の近傍で比較的可撓性である。より具体的には、近位部分118は、比較的硬い近位端セクション456を含む。他のセクションとは対照的に、後述するように、近位端セクション456は、スリット又は切り溝を欠く。近位端セクション456は、約4.0インチ(すなわち、4.0インチ±0.03インチ)[約102mm(すなわち、102mm±0.8mm)]の長さを有し得る。
【0050】
近位部分118はまた、近位端セクション456に対して遠位に延びる第1の中間セクション458を含む。第1の中間セクション458は、約9.9インチ(すなわち、9.9インチ±0.03インチ)[約251mm(すなわち、251mm±0.8mm)]の長さを有し得る。第1の中間セクション458は、他の部分と比較して比較的硬くなり得る。より具体的には、第1の中間セクション458は、その長さにわたって切り溝及び非切り溝部分の第2のパターン(図示せず)を含み得る。例えば、交互の切り溝及び非切り溝部分のパターンは、パターン内の各軸方向位置において、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第1の切り溝、約15度の円周方向長さを有する第1の非切り溝部分、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第2の切り溝、約15度の円周方向長さを有する第2の非切り溝部分、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第3の切り溝、約15度の円周方向長さを有する第3の非切り溝部分、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第4の切り溝部分、並びに約15度の円周方向長さを有する第4の非切り溝部分を含み得る。各軸方向位置における切り溝及び非切り溝部分のセットは、約0.014インチ(すなわち、0.014インチ±0.002インチ)[約0.36mm(すなわち、0.36mm±0.05mm)]だけ、1つ又は複数の隣接する軸方向位置における切り溝及び非切り溝部分のセットからオフセットされ得る(すなわち、パターンは、約0.014インチ(すなわち、0.014インチ±0.002インチ)[約0.36mm(すなわち、0.36mm±0.05mm)]のピッチを有し得る)。ピッチは、一定であっても可変であってもよい。切り溝は、長手方向軸に対して垂直であってもよいし、長手方向軸に対して非垂直であってもよい。パターンは、可変ピッチ角を有してもよい。
【0051】
近位部分118はまた、第1の中間セクション458に対して遠位に延びる第2の中間セクション460を含む。第2の中間セクション460は、約25.0インチ(すなわち、25.0インチ±0.03インチ)[約635mm(すなわち、635mm±0.8mm)]の長さを有し得る。第2の中間セクション460は、第1の中間セクション458と比較して比較的可撓性(flexible)であり得る。より具体的には、第2の中間セクション460は、その長さにわたって、切り溝及び非切り溝部分の第3のパターン(図示せず)を含み得る。例えば、交互の切り溝及び非切り溝部分のパターンは、パターン内の各軸方向位置において、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第1の切り溝、約15度の円周方向長さを有する第1の非切り溝部分、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第2の切り溝、約15度の円周方向長さを有する第2の非切り溝部分、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第3の切り溝、約15度の円周方向長さを有する第3の非切り溝部分、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第4の切り溝部分、並びに約15度の円周長を有する第4の非切り溝部分を含み得る。各軸方向位置における切り溝及び非切り溝部分のセットは、約0.012インチ(すなわち、0.012インチ±0.002インチ)[約0.30mm(すなわち、0.30mm±0.05mm)]だけ、1つ又は複数の隣接する軸方向位置における切り溝及び非切り溝部分のセットからオフセットされ得る(すなわち、パターンは、約0.012インチ(すなわち、0.012インチ±0.002インチ)[約0.30mm(すなわち、0.30mm±0.05mm)]のピッチを有し得る)。ピッチは、一定であっても可変であってもよい。切り溝は、長手方向軸に対して垂直であってもよいし、長手方向軸に対して非垂直であってもよい。パターンは、可変ピッチ角を有してもよい。
【0052】
近位部分118はまた、第2の中間セクション460に対して遠位に延びる第3の中間セクション462を含む。第3の中間セクション462は、約16.0インチ(すなわち、16.0インチ±0.03インチ)[約406mm(すなわち、406mm±0.8mm)]の長さを有し得る。第3の中間セクション462は、第2の中間セクション460と比較して比較的可撓性であり得る。より具体的には、第3の中間セクション462は、その長さにわたって切り溝及び非切り溝部分の第4のパターン(図示せず)を含み得る。例えば、交互の切り溝及び非切り溝部分のパターンは、パターン内の各軸方向位置において、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第1の切り溝、約15度の円周方向長さを有する第1の非切り溝部分、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第2の切り溝、約15度の円周方向長さを有する第2の非切り溝部分、約0.002インチ(約0.05mm)の長手方向幅及び約75度の円周方向長さを有する第3の切り溝、約15度の円周方向長さを有する第3の非切り溝部分、約0.002インチ(約0.05mm)及び約75度の円周方向長さを有する第4の切り溝、並びに約15度の円周長を有する第4の非切り溝部分を含み得る。各軸方向位置における切り溝及び非切り溝部分のセットは、約0.011インチ(すなわち、0.011インチ±0.002インチ)[約0.28mm(すなわち、0.28mm±0.05mm)]だけ、1つ又は複数の隣接する軸方向位置における切り溝及び非切り溝部分のセットからオフセットされ得る(すなわち、パターンは、約0.011インチ(すなわち、0.011インチ±0.002インチ)[約0.28mm(すなわち、0.28mm±0.05mm)]のピッチを有し得る)。ピッチは、一定であっても可変であってもよい。切り溝は、長手方向軸に対して垂直であってもよいし、長手方向軸に対して非垂直であってもよい。パターンは、可変ピッチ角を有してもよい。
【0053】
近位部分118は、さらに、比較的硬い遠位端セクション464を含む。遠位端セクション464は、スリット又は切り溝を欠く。遠位端セクション464は、約0.030インチ(すなわち、0.030インチ±0.002インチ)[約0.76mm(すなわち、0.76mm±0.05mm)]の長さを有し得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、図示のように、アテレクトミーシステム100は、カテーテル108を能動的に偏向する(deflecting)又は再構成する(reconfiguring)ためのコンポーネント(例えば、カテーテル108を偏向又は再構成するための引張ワイヤ)を欠いている。別の言い方をすると、いくつかの実施形態では、カテーテル108は、受動的に偏向される又は再構成される(すなわち、例えば、イントロデューサシースを通って延びること及び/又は血管壁と接触することに起因する外部接触力によって生じる再構成又は偏向)のみである。いくつかの実施形態では、カテーテル108を能動的に偏向又は再構成するためのコンポーネントが欠如しているため、カテーテル108は、6-フレンチなどの比較的小さい全体サイズを有することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル108は、7-フレンチ、8-フレンチ、9-フレンチ等のような他の全体サイズを有してもよい。
【0055】
図5~7は、対象の脈管構造566をナビゲートし、プラークを除去するカテーテル108を示す。
図5は、脈管構造566をナビゲートしながら、比較的直線状に受動的に偏向されているカテーテル108を示す。上述のように、カテーテル108は、イントロデューサシースを通って延びること及び/又は血管壁に接触することによって受動的に偏向又は再構成され得る。
図6は、湾曲した形状を取るカテーテル108と、脈管構造566内のプラーク668の近くに配置されたカッタアセンブリ124とを示す。
図7は、湾曲した形状を取るカテーテル108と、脈管構造566からプラーク668を除去するカッタアセンブリ124とを示す。カテーテル108は、プラーク668をさらに除去し、比較的高い管腔ゲインを提供するために、カテーテル回転軸110周りに回転(又は「掃引」)され得る。
【0056】
図面には示されていないが、カテーテル108の外側シース116の遠位部分120がイントロデューサシースの管腔内に挿入され、イントロデューサシースの管腔を通過する、及び/又はイントロデューサシースから出る場合、遠位部分120及び/又はカッタアセンブリ124は、イントロデューサシースの内壁に接触するように設計されている。すなわち、外側シース116の遠位部分120は、遠位部分120及び/又はカッタアセンブリ124がイントロデューサシース内に形成された管腔を通過する際に、遠位部分120及び/又はカッタアセンブリ124が必ずイントロデューサシースの内壁に接触することを確実にするために、湾曲した形状に予め形成されているか、又は通常は湾曲した形状を有している。同様に、遠位部分120及び/又はカッタアセンブリ124がイントロデューサシースを出ると、遠位部分120及び/又はカッタアセンブリ124は、脈管構造566及び/又はプラーク668に接触する。
【0057】
前述の説明は、例示及び説明の目的で提示された。上記は、本明細書に開示された形態に本開示を限定することを意図したものではない。前述の概要において、例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つ又は複数の態様、実施形態、及び/又は構成にまとめられる。本開示の態様、実施形態、及び/又は構成の特徴は、上記で説明したもの以外の別の態様、実施形態、及び/又は構成に組み合わせることができる。開示のこの方法は、請求項が各請求項において明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、単一の前述の開示された態様、実施形態、及び/又は構成のすべての特徴よりも少ない。従って、以下の請求項は、本明細書のこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の好ましい実施形態として、それ自体に位置する。
【0058】
さらに、説明は、1つ又は複数の態様、実施形態、及び/又は構成、及び特定のバリエーション及び修正の説明を含んでいるが、他のバリエーション、組み合わせ、及び修正は、例えば、本開示を理解した後、当業者の技能及び知識の範囲内にあり得るとき、本開示の範囲内にある。代替的、交換可能及び/又は均等の構造、機能、範囲又はステップを含む、許容される範囲の代替的な態様、実施形態、及び/又は構成を含む権利を、そのような代替的、交換可能及び/又は同等の構造、機能、範囲又は工程が本明細書に開示されているか否かにかかわらず、また、特許性のある主題を公に捧げることを意図することなく、取得することが意図されている。