(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ステアリングホイールセンサ
(51)【国際特許分類】
B62D 1/06 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
B62D1/06
(21)【出願番号】P 2021530056
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(86)【国際出願番号】 IB2019060421
(87)【国際公開番号】W WO2020115669
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】102018000010761
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】507365880
【氏名又は名称】アイ.アール.シー.エイ.ソシエタ ペル アチオニ インダストリア レジステンヅェ コラッヅァテ エ アッフィニ
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ゾッパス フェデリコ
(72)【発明者】
【氏名】ベリオリ マウロ
(72)【発明者】
【氏名】モレッロ アンジェロ
(72)【発明者】
【氏名】オーボエ ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】マニョーネ パオロ
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102014117820(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102016216982(DE,A1)
【文献】国際公開第2014/123222(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/203299(WO,A1)
【文献】特開2014-146487(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102019119860(DE,A1)
【文献】国際公開第2015/186295(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0210630(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/00-1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザと車両のステアリングホイール(9)との接触を検出するための装置(100、200’、200”、300、400)であって、
前記装置(100、200’、200”、300、400)は、
・電気絶縁支持体(10)と、
・前記支持体(10)に固定され、方向(D)に沿って複数の第一のトラフ(12)と交互に配置された複数の第一のピーク(11)を備える第一の導電性トラック(101、201、301、401)と、
を備え、
前記第一のトラック(101、201、301、401)は、前記支持体上に分布され、その結果、ユーザの手と接触するように適合された前記第一のトラック(101、201、301、401)の表面は、前記方向(D)に沿って減少する、
装置。
【請求項2】
前記第一のピーク(11)の高さ(h1、h2)および/または前記第一のトラック(201)の幅(w1、w2)が前記方向(D)に沿って減少するか、もしくは前記第一のピーク(11)の幅(a1、a2)が前記方向(D)に沿って増加するか、または、第一のピーク(11)間のギャップ(d1、d2)が前記方向(D)に沿って増加する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記支持体(10)に固定され、前記方向(D)に沿った複数の第二のトラフ(22)と交互に配置された複数の第二のピーク(21)を備える、第二の導電性トラック(102、202、302)が提供され、
前記第二のトラック(102、202’、202”、302、402)は、前記支持体(10)上に分配され、その結果、ユーザの手と接触するように適合された前記第二のトラック(102、202’、202”、302、402)の表面は、前記方向(D)に沿って、前記第一のトラック(101、201、101、401)に対して反対方向に増加する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第一のピーク(11)の高さ(h1、h2)が前記方向(D)に沿って減少し、前記第二のピーク(21)の高さ(h3、h4)が前記方向(D)に沿って増加する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第一のトラック(201)の幅(w1、w2)が前記方向(D)に沿って減少し、第二のトラック(202’、202”)の幅(w3、w4)が前記方向(D)に沿って増加する、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記第一のピーク(11)の幅(a1、a2)が前記方向(D)に沿って増加し、前記第二のピーク(21)の幅(a3、a4)が前記方向(D)に沿って減少する、請求項3~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第一のピーク(11)間のギャップ(d1、d2)が前記方向(D)に沿って増加し、前記第二のピーク(21)間のギャップ(d3、d4)が前記方向(D)に沿って減少する、請求項3~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第一のピーク(11)および前記第二のピーク(21)が相互に反対方向に延びる、請求項3~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記支持体(10)に固定され、前記第一のトラック(101、201、301、401)に実質的に平行に延びる第一のストレッチ(131、231、331、431)を備える第三の導電性トラック(103、203、303、403)を備え
、前記第三のトラック(103、203、303、403)は、前記第二のトラック(102、202’、202”、302、402)に実質的に平行に延びる第二のストレッチ(132、232、332、432)を備える、請求
項3~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記支持体(10)に固定され、前記第一のトラック(101、201、301、401)と前記第三のトラック(103、203、303、403)との間で前記第一のトラック(101、201、301、401)に実質的に平行に延びる第一のストレッチ(141、241、341、441)を備える、第四の導電性トラック(104、204、304、404)を備え
、前記第四のトラック(104、204、304、404)は、前記第二のトラック(102、202’、202”、302、402)と前記第三のトラック(103、203、303、403)との間で、前記第二のトラック(102、202’、202”、302、402)に実質的に平行に延びる第二のストレッチ(142、242、342、442)を備える、請求
項9に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも前記第一のトラック(101、201、101、401)に接続され
、前記第二のトラック(102、202’、202”、302、402)にも接続された電子制御ユニットを備える、請求
項3~10のいずれか一項に記載の装置(100、200’、200”、300、400)。
【請求項12】
前記ステアリングホイール(9)の少なくとも一部が、請求
項1または2に記載の装置を少なくとも1つ備えている、車両のステアリングホイール(9)。
【請求項13】
前記ステアリングホイール(9)の少なくとも一部が、請求項3~11のいずれか一項に記載の装置を少なくとも1つ備えている、車両のステアリングホイール(9)。
【請求項14】
前記第一のトラック(101、201、301)が前記ステアリングホイール(9)の前部(91)に配置され
、前記第二のトラック(102、202’、302、402)は前記ステアリングホイール(9)の後部(92)に配置されている、請求項13に記載のステアリングホイール(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの手と車両のステアリングホイールとの間の接触を検出するための装置または構成要素に関する。特に、本発明は、ステアリングホイールに適用される装置または構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリングホイールを正しく把持することは、安全運転の重要な側面である。そのため、最近では、ドライバーがステアリングホイールを把持しているかどうかを判断できるシステムが開発されてきた。しかしながら、接触の検出は、ドライバーがステアリングホイールを把持している方法を識別するのに十分ではない。
【0003】
実際、接触がどのように発生するか、またドライバーが実際にステアリングホイールを正しい把持で把持しているかどうかの両方を理解することが重要である。
【0004】
この情報を正常に取得することは簡単ではない。特に、ドライバーによるステアリングホイールの位置や把持方法に関する正確な情報を得るのは簡単なことではない。
【0005】
したがって、背景技術の限界を克服する必要性が感じられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、車両のステアリングホイール上のドライバーの手の位置を決定できる装置を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、ステアリングホイールの把持方法も決定できるそのような装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、そのような目的および他の目的の少なくとも1つを達成し、そのことは、ユーザと車両のステアリングホイールとの間の接触を検出するための装置または構成要素によって、本説明に照らして明らかになる。この装置は、電気絶縁支持体と、支持体に固定され、方向に沿って複数の第一のトラフと交互に配置された複数の第一のピークを備える第一の導電性トラックと、を備え、第一のトラックは、支持体上に分布され、その結果、ユーザの手と接触するように適合された第一のトラックの表面は、方向に沿って減少する。
【0009】
「接触」という用語は、直接接触と、間接接触、例えば、トラック上にある1つまたは複数の層を介した間接接触との両方を含むことに注意すべきである。間接接触は、通常、ドライバーの体の1つまたは複数の部分、例えば、手と、センサとして使用される1つまたは複数の導電性トラックとの間の容量性結合である。トラック上、また一般的に装置上のカバー層は、例えば、革でできている。
【0010】
第一のトラックは、有利なことに、特に、ユーザの手がステアリングホイールにタッチするか、またはステアリングホイールに近いとき、例えば、ドライバーがステアリングホイールのカバー層(例えば、革製)にタッチするとき、接触センサとして動作するように適合され、このカバー層の下に、装置が提供される。
【0011】
第一のトラックの特定の分布によって、有利なことに、電子制御ユニットが、導電性トラックに関連する電気量、例えば、静電容量を処理することが可能になる。
【0012】
特に、電子制御ユニットは、本発明による装置に備えられたステアリングホイールとのユーザの手との接触によって誘発される電気量の変動を読み取り、場合によっては処理することができる。より詳細には、手とステアリングホイールとの間の接触位置は、トラックの空間分布により決定することができる。例えば、手との接触がステアリングホイールの右側で発生するか、あるいは左側で発生するかを決定することができる。実際、電気量の絶対変動値は、接触が発生する位置に応じて変動する。なぜなら、絶対値は、手でタッチした、好ましくは間接的にタッチしたトラックの部分の表面延長に応じて変動するからである。電気量の最大変動値は、通常、手と接触するように適合された第一のトラックの表面が最大である領域で発生する。電気量の変動値は、方向Dに沿って徐々に小さくなる。
【0013】
第一の特定の実施形態では、支持体上の第一のトラックの前述の分布は、ユーザの手と接触するように適合された第一のトラックの表面が方向Dに沿って減少するように、トラックによって得られ、ピークの高さh1、h2は、前記方向Dに沿って減少する。
【0014】
第二の特定の実施形態では、支持体上のトラックの前述の分布は、ユーザの手と接触するように適合された第一のトラックの表面が方向Dに沿って減少するように、トラックによって得られ、第一のトラックの幅w1、w2は、前記方向Dに沿って減少する。
【0015】
第三の特定の実施形態では、支持体上のトラックの前述の分布は、ユーザの手と接触するように適合されたトラックの表面が方向Dに沿って減少するように、トラックによって得られ、ピークの幅a1、a2は、前記方向Dに沿って増加する。
【0016】
第四の特定の実施形態では、支持体上のトラックの前述の分布は、ユーザの手と接触するように適合されたトラックの表面が方向Dに沿って減少するように、トラックによって得られ、ピーク11間のギャップd1、d2は、前記方向Dに沿って増加する。
【0017】
有利な態様によれば、装置は、また、第一のトラックとは異なり、接触センサとして機能する第二の導電性トラックを含み得る。
【0018】
第二のトラックは、有利なことに、支持体上に分布され、その結果、ユーザの手と接触するように適合された第二のトラックの表面は、前述の方向に沿って、第一のトラックに対して反対方向に増加する。
【0019】
したがって、ユーザの手と接触するように適合された第一のトラックの表面は、方向Dに沿って、より具体的には方向Dと同じ方向に減少するが、ユーザの手と接触するように適合された第二のトラックの表面は増加する。
【0020】
これにより、ユーザの手全体がステアリングホイールを把持するかどうか、すなわち、ユーザの手が、好ましくは間接的に両方のトラックにタッチしたときに、有利なことに、識別され得る。そのような把持状態は、例えば、論理的関係に従って、例えば、2つの導電性トラックのそれぞれについて、電気量の変動の絶対値、例えば、手と2つの導電性トラック間の接触によって引き起こされる静電容量の変動の絶対値が事前設定された閾値レベルよりも大きい条件の間に「AND」が発生する場合に識別され得る。
【0021】
したがって、第二のトラックもある場合、装置によって、接触が発生する位置と接触方法との両方を決定することも可能になる。
【0022】
さらに、この装置によって、またユーザが両手でステアリングホイールを正しく把持しているかどうかを検出することも可能になる。
【0023】
任意選択で、装置は、またステアリングホイールを加熱するための加熱トラックとして機能する第三の導電性トラックも備える。
【0024】
さらに、装置は、任意選択で、第四の導電性トラックも備え、有利なことに、第一のトラック(センサトラック)と第三のトラック(加熱トラック)との間の干渉、提供される場合、第二のトラックと第三のトラックとの間の干渉、特に容量性結合または一般に電磁干渉を回避するためのシールドトラックとして使用される。
【0025】
シールド効果は、シールドトラックの特定の配置によって、すなわち、第一のトラックと第三のトラックとの間で、また提供される場合、第二のトラックと第三のトラックとの間で、得られる。
【0026】
これにより、第一のトラックおよび第二のトラック(提供される場合)が、電子制御ユニットによって、例えば、ステアリングホイールの水滴に起因する誤タッチの検出を回避するために、シールドトラックと同じ電位に置かれることが保証され得る。
【0027】
第一のトラックと第二のトラックは、好ましくは、同じ表面または層上に配置される。装置が提供されるすべての導電性トラックは、好ましくは、同じ表面または層上に配置される。
【0028】
一態様によれば、本発明は、また、請求項1~12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの装置を備えた車両のステアリングホイールを含む。
【0029】
本発明のさらなる特徴および利点は、特定の非限定的な実施形態の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。
【0030】
従属請求項は、本発明の特定の実施形態を説明している。
【0031】
本発明の説明において、添付の図面が参照される。図面は、非限定的な例として提供される
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】本発明の第一の実施形態による装置の上面図を示す。
【
図1C】
図1Aの装置の2つの構成要素の一部の拡大詳細を示す。
【
図2A】本発明の第二の実施形態による装置の第一の変形例の上面図を示す。
【
図2C】
図2Aの装置の2つの構成要素の一部の拡大詳細を示す。
【
図2D】本発明の第二の実施形態による装置の第二の変形例の上面図を示す。
【
図3A】本発明の第三の実施形態による装置の上面図を示す。
【
図3B】本発明の第三の実施形態による装置の2つの構成要素の一部の上面図を示す。
【
図4】本発明の第四の実施形態による装置の上面図を示す。
【
図5A】本発明によるステアリングホイールの前面正面図を概略的に示している。
【
図5B】第一の実施形態による装置の一部の上面図を示す。
【
図5C】
図5Aのステアリングホイールの背面正面図を概略的に示す。
【
図6A】
図5Aと同様の図を示し、1つまたは複数の領域が図式的に示す。
【
図6B】
図5Bと同様の図を示し、1つまたは複数の領域が図式的に示す。
【
図6C】
図5Cと同様の図を示し、1つまたは複数の領域が図式的に示す。
【
図7A】
図5Aと同様の図を示し、1つまたは複数の領域が図式的に示す。
【
図7B】
図5Bと同様の図を示し、1つまたは複数の領域が図式的に示す。
【
図7C】
図5Cと同様の図を示し、1つまたは複数の領域が図式的に示す。
【
図8A】
図5Aと同様の図を示し、1つまたは複数の領域が図式的に示す。
【
図8B】
図5Bと同様の図を示し、1つまたは複数の領域が図式的に示す。
【
図8C】
図5Cと同様の図を示し、1つまたは複数の領域が図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図を参照して、ユーザの手と車両のステアリングホイールとの間の接触を検出するための装置100、200’、200”、300、400、または構成要素の実施形態を説明する。
【0034】
すべての実施形態において、装置100、200’、200”、300、400は、電気絶縁支持体10と、支持体10に固定された導電性トラック101、201、301、401(「第一のトラック」とも呼ばれる)とを備える。
【0035】
トラック101、201、301、401は、接触センサとして機能するように適合される。
【0036】
トラック101、201、301、401は、方向Dに沿って複数のトラフ12(または谷)と交互に配置された複数のピーク11(または山)を備え、すなわち、それを備えるように形作られる。言い換えれば、ピーク11とトラフ12は互いに交互に配置され、それにより、ピーク11の後にトラフ12があり、トラフ12の後にピーク11がある。
【0037】
トラック101、201、301、401は、有利なことに、支持体上に分布され、その結果、ユーザの手と接触するように適合されたトラックの表面は、方向Dに沿って減少し、例えば、装置100、200’、200”、300のように、図面の矢印Dによって示される方向に、あるいは装置400のように、矢印Dによって示される方向と反対の方向に減少する。好ましくは、方向Dは、装置100、200’、200”、300、400の縦軸に平行である。装置が支持面上で支持されている場合、装置の縦軸は直線軸である。
【0038】
好ましくは、ユーザの手と接触するように適合された表面のそのような減少は、漸進的な減少である。
【0039】
特に、
図1A~
図4において、装置100、200’、200”、300、400およびその構成要素は、装置100、200’、200”、300、400が支持面上で支持される状態で示されている。
【0040】
以下に説明するように、装置100、200’、200”、300、400はフレキシブルであり、それにより、特に、車両のステアリングホイール9が装置100、200’、200”、300、400の上に、例えばステアリングホイール9の周りに配置されている場合、他の形状をとることもできる。
【0041】
支持体10が単なる例として示されていることも注目に値し、特に装置が配置されることを意図されているステアリングホイール9に応じて、支持体10は図示されていない他の形状も有し得ることが理解される。
【0042】
特に
図1A~
図1Eを参照すると、第一の実施形態では、ユーザの手と接触するように適合されたトラック101の表面が方向Dに沿って、好ましくは徐々に減少するように、支持体10上のトラック101の前述の分布は、トラック101によって得られ、ピーク11の高さh1、h2(
図1Cおよび
図1D)は、前記方向Dに沿って、例えば、矢印Dによって示される方向に減少する。
【0043】
すでに述べたように、トラック101は、接触センサとして機能するように適合されている。この目的のために、トラック101は2つの端部を含む。各端部は、電子制御ユニット(図示せず)に接続するためのパッドとして機能する端1’、1”(
図1A)を備える。
【0044】
前述のピーク11および前述のトラフ12は、端1’、1”の間で、特に前述の端部の間で延びる。
【0045】
ピーク11’の高さh1は、方向Dに沿って、矢印Dで示される方向で、次のピーク11”の高さh2よりも大きい(
図1D)。
【0046】
好ましくは、方向Dに沿った任意のピーク11の高さは、常に次のピーク11の高さよりも高い。
【0047】
ピーク11の高さは、好ましくは、ピークが次々に徐々に減少する。好ましくは、任意のピーク11と次のピーク11との間の高さの差は、一定値または実質的に一定値である。
【0048】
好ましくは、任意のピーク11と次のピーク11との間の高さの差は、0.1~1mmの範囲にある。
【0049】
好ましくは、(
図1Aの左端にある)端1’に近位のピーク11の高さは、70~100mmの範囲にある。好ましくは、端1’に近位のピーク11は、他のピーク11に対して最大の高さを有するピークである。
【0050】
好ましくは、(
図1Aの右端にある)端1’から遠位のピーク11の高さは、5~20mmの範囲にある。好ましくは、端1’から遠位のピーク11は、他のピーク11に対して最小の高さを有するピークである。
【0051】
ピーク11の高さh1、h2は、好ましくは、ピーク11の頂部に接する直線r1と、前記ピーク11の(方向Dに対して、特に、前記ピーク11の隣に隣接している)隣のトラフ12の底部に接する直線r2、r3との間の最小距離に対応する。
【0052】
例えば、
図1Dでは、ピーク11’の高さh1は、ピーク11’の頂部に接する直線r1とトラフ12’の底部に接する直線r2との間の最小距離に等しくなる。同様に、ピーク11”の高さh2は、ピーク11”の頂部に接する直線r1とトラフ12”の底部に接する直線r3との間の最小距離に等しくなる。
【0053】
好ましくは、直線r1、r2、r3は、互いに平行である。
【0054】
好ましくは、直線r1は、すべてのピーク11の頂部に接しており、直線r2およびr3は、他のトラフ12の底部に接する他の直線と同様に、互いに分離され、互いに平行である。
【0055】
好ましくは、ピーク11の高さは、互いに平行なセグメントである。
【0056】
好ましくは、ピーク11の高さは、方向Dに垂直なセグメントである。
【0057】
好ましくは、ピーク11の頂部は、湾曲したストレッチである。
【0058】
好ましくは、トラック101の幅「w」(
図1C)は、一定であるか、あるいは実質的に一定である。
【0059】
あるいは、第一のトラックの幅は、ピーク11の高さが減少するのと同じ方向で、前記方向Dに沿って減少する。
【0060】
好ましくは、トラック101の幅「w」は、0.5~2mmの間である。
【0061】
好ましくは、ピーク11間のギャップ「d」は、方向Dに沿って一定または実質的に一定である。「ギャップ」は、2つの連続するピーク11間で、方向Dに平行な最小距離を意味する。ピーク11間のギャップ「d」は、好ましくは、10~18mmの間である。
【0062】
すべてのピーク11は、好ましくは、同じ幅「a」を有する。「ピークの幅」とは、同じピーク11の2つの対向するストレッチ111、112の間の、特に方向Dに平行な最小距離「a」を意味する。好ましくは、しかし排他的にではなく、そのようなストレッチ111、112は、互いに平行であり、好ましくは、また、示される例のように、方向Dに垂直である。通常、排他的ではなく、ストレッチ111、112は、ピークの頂部によって互いに結合されている。
【0063】
好ましくは、トラック101の全長は、4000~6000mmの間であり、そのような長さは、トラック101の全経路に沿って測定される。
【0064】
装置100は、好ましくは、支持体10に固定された第二の導電性トラック102も備える。第二のトラック102は、第一のトラック101とは異なる。
【0065】
第二のトラック102は、接触センサとして機能するように適合されている。この目的のために、第二のトラック102は2つの端部を備える。各端部は、電子制御ユニット(図示せず)に接続するためのパッドとして機能する端2’、2”(
図1A)を備える。
【0066】
トラック101およびトラック102は、好ましくは、接触センサとして機能するように適合された唯一のトラックである。
【0067】
第二のトラック102は、前述の方向Dに沿って、端2’、2”の間に、特に前述の端部の間に、複数のトラフ22と交互に配置された複数のピーク21を備える。言い換えれば、ピーク21とトラフ22は互いに交互に配置され、それにより、ピーク21の後にトラフ22があり、トラフ22の後にピーク21がある。
【0068】
第一のトラック101のピーク11の数は、好ましくは、第二のトラック102のピーク21の数に等しい。したがって、第一のトラック101のトラフ12の数は、第二のトラック102のトラフ22の数に等しい。
【0069】
第二のトラック102は、支持体10上に分布され、その結果、ユーザの手と接触するように適合された第二のトラック102の表面は、前述の方向Dに沿って、特に矢印Dによって示される方向に増加し、好ましくは徐々に増加する。
【0070】
特に、ピーク21’の高さh3は、方向Dに沿った次のピーク21”の高さh4(
図1E)よりも小さい。
【0071】
方向Dに沿った任意のピーク21の高さは、好ましくは、常に次のピーク21の高さよりも低い。
【0072】
ピーク21の高さは、好ましくは徐々に、ピークを次々と増加させる。
【0073】
任意のピーク21と次のピーク21との間の高さの差は、好ましくは、一定値または実質的に一定値である。
【0074】
1つのピーク21と次のピーク21との間の高さの差は、好ましくは、0.1~1mmの範囲である。
【0075】
好ましくは、(
図1Aの左端にある)端2’から近位のピーク21の高さは、5~20mmの範囲にある。好ましくは、端2’から近位のピーク21は、他のピーク21に対して最小の高さを有するピークである。
【0076】
好ましくは、(
図1Aの右端にある)端2’から遠位のピーク21の高さは、70~100mmの範囲にある。好ましくは、端1’から遠位のピーク11は、他のピーク21に対して最大の高さを有するピークである。
【0077】
ピーク21の高さh3、h4は、好ましくは、ピーク21の底部に接する直線r4と、前記ピーク21の(方向Dに対して、特に、前記ピーク21の隣に隣接している)隣のトラフ22の頂部に接する直線r5、r6との間の最小距離に対応する。
【0078】
例えば、
図1Eでは、ピーク21’の高さh3は、ピーク21’の底部に接する直線r4とトラフ22’の頂部に接する直線r5との間の最小距離に等しくなる。同様に、ピーク21”の高さh4は、ピーク21”の底部に接する直線r4とトラフ22”の頂部に接する直線r6との間の最小距離に等しくなる。
【0079】
直線r4、r5、r6は、好ましくは、互いに平行である。
【0080】
直線r4は、好ましくは、すべてのピーク21の底部に接しており、直線r4およびr5は、他のトラフ22の頂部に接する他の直線と同様に、互いに別個であり、互いに平行である。
【0081】
ピーク21の高さは、好ましくは、互いに平行なセグメントである。
【0082】
ピーク21の高さは、好ましくは、方向Dに垂直なセグメントである。
【0083】
ピーク21の底部は、好ましくは、湾曲したストレッチである。
【0084】
トラック102の幅「w」は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0085】
あるいは、第二のトラックの幅は、ピーク21の高さが増加するのと同じ方向で、前記方向Dに沿って増加する。
【0086】
トラック102の幅「w」は、好ましくは、0.5~2mmの間である。
【0087】
第二のトラック102の幅「w」は、好ましくは、第一のトラック101の幅に等しい。
【0088】
好ましくは、ピーク21間のギャップ「d」は、方向Dに沿って一定または実質的に一定である。ピーク21間のギャップ「d」は、好ましくは、10~18mmの間である。
【0089】
ピーク21間のギャップは、好ましくは、ピーク11間のギャップに等しい。
【0090】
ピーク21は、好ましくは、すべて同じ幅「a」を有し、これは好ましくは、第一のトラック101のピーク11の幅に等しい。
【0091】
第一のトラック101の各ピーク11は、好ましくは、第二のトラック102のそれぞれのピーク21と整列され、特に、方向Dに直交する軸に沿って整列される。
【0092】
図1Aに示される例のように、第一のトラック101のピーク11および第二のトラック102のピーク21は、好ましくは、互いに反対方向、特に高さにおいて、好ましくは、方向Dに対して、横方向で、好ましくは、垂直であるそれぞれの方向に沿って延びる。
【0093】
ピーク21の底部は、好ましくは、湾曲したストレッチである。
【0094】
第一のトラック101の各ピーク11の頂部は、好ましくは、第二のトラック102のそれに整列されたそれぞれのピーク21の底部の凹面に向かって凹状である。
【0095】
第一のトラック101および第二のトラック102は、好ましくは、方向Dに垂直であり、ピーク11の頂部と、前記ピーク21と整列するピーク21の底部との間の最小距離「k」(
図1C)が、ピーク11~21のすべてのペアで等しくなるように形成される。
【0096】
第二のトラック102の全長は、好ましくは、4000~6000mmの間であり、そのような長さは、トラック102の全経路に沿って測定される。
【0097】
第二のトラック102の全長は、好ましくは、第一のトラック101の全長に等しいか、またはほぼ等しい。
【0098】
装置100は、任意選択で、支持体10に固定された第三の導電性トラック103(
図1A~1B)も備える。
【0099】
第三のトラック103は、加熱トラックとして機能するように適合されている。
【0100】
第三のトラック103は、第一のトラック101と平行に、または実質的に平行に延びる第一のストレッチ311を備える。
【0101】
特に、第三のトラック103の第一のストレッチ311は、第一のトラック101のピーク11およびトラフ12に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0102】
また、第三のトラック103の第一のストレッチ311のピークの高さは、好ましくは、第一のトラック101のピーク11の高さが減少するのと同じ方向で、方向Dに沿って減少する。
【0103】
第一のストレッチ311のピークとトラフの数は、好ましくは、第一のトラック101のピーク11とトラフ12の数に等しい。
【0104】
第二のトラック102も提供される場合、第三のトラック103は、好ましくは、第二のトラック102に平行に、または実質的に平行に延びる第二のストレッチ132も備える。
【0105】
特に、第三のトラック103の第二のストレッチ132は、第二のトラック102のピーク21およびトラフ22に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0106】
また、第三のトラック103の第二のストレッチ132のピークの高さは、好ましくは、第二のトラック102のピーク21の高さが増加するのと同じ方向で、方向Dに沿って増加する。
【0107】
第二のストレッチ132のピークとトラフの数は、好ましくは、第二のトラック102のピークとトラフ22の数に等しい。
【0108】
第三のトラック103の第一のストレッチ131および第二のストレッチ132は、ユニオンストレッチ133によって互いに結合されている。
【0109】
第三のトラック103は、2つの端部を、好ましくは2つの端部のみを備え、それぞれが、電子制御ユニットへの接続のためのパッドとして機能する2つの端3’、3”を備えている。
【0110】
第三のトラック103の幅は、好ましくは、第一のトラック101の幅「w」よりも大きく、第二のトラック102の幅「w」に対して大きい。
【0111】
第三のトラック103の幅は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0112】
第三のトラック103の幅は、好ましくは、0.5~4mmの間である。
【0113】
第三のトラック103の第一のストレッチ311と第一のトラック101との間の距離、特に最小距離は、好ましくは、2.5~4mmの間であり、そのような距離は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0114】
第三のトラック103の第二のストレッチ132と第二のトラック102との間の距離、特に最小距離は、好ましくは、2.5~4mmの間であり、そのような距離は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0115】
第三のトラック103は、好ましくは、装置100の周辺または輪郭に、特に支持体10の周辺に対して近位であり、第一のトラック101および第二のトラック102(提供される場合)は、装置100の周辺に対して、特に支持体10の周辺に対して遠位である。あるいは、図示されていない変形例では、第一のトラックおよび第二のトラック(提供される場合)は、任意選択で、装置の周辺に、特に絶縁支持体の周辺に近位であり、第三のトラックは、装置の周辺または輪郭から、特に絶縁支持体の周辺に対して遠位である。
【0116】
装置100は、好ましくは、支持体10に固定された第四の導電性トラック104も備える。
【0117】
第四のトラック104は、第一のトラック101と第三のトラック103との間の干渉、また提供される場合、第二のトラック102と第三のトラック103との間の干渉、特に容量性結合または一般に電磁干渉を回避するためのシールドトラックとして機能する。
【0118】
第四のトラック104は、第一のトラック101と第三のトラック103との間に延びる第一のストレッチ141を備える。
【0119】
第四のトラック104の第一のストレッチ141は、好ましくは、第一のトラック101および第三のトラック103に平行に、または実質的に平行に延びる。
【0120】
特に、第四のトラック104の第一のストレッチ141は、第一のトラック101のピーク11およびトラフ12に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0121】
また、第四のトラック104の第一のストレッチ141のピークの高さは、好ましくは、第一のトラック101のピーク11の高さが減少するのと同じ方向で、方向Dに沿って減少する。
【0122】
第一のストレッチ141のピークとトラフの数は、好ましくは、第一のトラック101のピークとトラフの数に等しい。
【0123】
第二のトラック102も提供される場合、第四のトラック104は、好ましくは、第二のトラック102と第三のトラック103との間に延びる第二のストレッチ142も備える。
【0124】
第四のトラック104の第二のストレッチ142は、好ましくは、第二のトラック102に平行に、または実質的に平行に延びる。
【0125】
特に、第四のトラック104の第二のストレッチ142は、第二のトラック102のピーク21およびトラフ22に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0126】
また、第四のトラック104の第二のストレッチ142のピークの高さは、好ましくは、第二のトラック102のピーク21の高さが増加するのと同じ方向で、方向Dに沿って増加する。
【0127】
第二のストレッチ142のピークとトラフの数は、好ましくは、第二のトラック102のピーク11とトラフ12の数に等しい。
【0128】
第四のトラック104の第一のストレッチ141および第二のストレッチ142は、ユニオンストレッチ143によって互いに結合されている。
【0129】
第四のトラック104は、2つの端部を、好ましくは2つの端部のみを備え、それぞれが、電子制御ユニットへの接続のためのパッドとして機能する2つの端4’、4”を備えている。
【0130】
第四のトラック104の幅は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0131】
第四のトラック104の幅は、好ましくは、0.5~2mmの間である。
【0132】
第四のトラック104の幅は、好ましくは、第一のトラック101の幅に等しいか、またはほぼ等しい。
【0133】
第四のトラック104の第一のストレッチ141は、好ましくは、第一のトラック101および第三のトラック103から等間隔であるか、またはほぼ等間隔であり、第四のトラック104の第二のストレッチ142は、第二のトラック102および第三のトラック103から等間隔であるか、またはほぼ等間隔である。
【0134】
特に
図2A~
図2Dを参照すると、装置200’、200”の第二の実施形態では、支持体上のトラックの前述の分布は、ユーザの手と接触するように適合されたトラックの表面が方向Dに沿って減少するように、第一のトラック201の幅w1、w2(
図2C)が前記方向Dに沿って、例えば、矢印Dによって示される方向に減少するトラック201によって得られる。
【0135】
すべての実施形態において、トラックの幅は、支持体10の表面に平行に、またトラックの軸に垂直に行われる測定を意味する。代わりに、トラックの厚さは、支持体10の表面およびトラックの軸に対して垂直に行われる測定を意味する。
【0136】
すでに述べたように、トラック201は接触センサとして機能するように適合されている。この目的のために、第二のトラック201は2つの端部を含む。各端部は、電子制御ユニット(図示せず)に接続するためのパッドとして機能する端1’、1”(
図2A)を備える。
【0137】
前述のピーク11および前述のトラフ12は、端1’、1”の間で、特に前述の端部の間で延びる。
【0138】
より詳細には、トラック201の幅の前述の減少は、トラック201の経路に沿って、すなわち、トラック201の実際の長さに沿っている。
【0139】
トラック201の幅の減少は、好ましくは、漸進的である。
【0140】
単なる例として、幅は、ストレッチの後に、次々と減少し得る。すなわち、いずれかのストレッチは、特に矢印で示される方向Dの方向で、次のストレッチの一定幅よりも常に大きい一定幅を有する。
【0141】
トラックの幅は、好ましくは、しかし排他的にではなく、各ストレッチに対して1%~2.5%減少する。
【0142】
トラック201の幅は、好ましくは、一定値だけ減少する。
【0143】
単なる例として、一定または実質的に一定の幅を有する各ストレッチは、ピーク11および次のトラフ12によって、特にピーク11の直線ストレッチ111の開始から次のピーク11の直線ストレッチ111の開始までによって形成され得る。
【0144】
例えば、特に
図2Cを参照すると、第一のピーク11’-トラフ12’のペアによって形成されたトラック201の第一のストレッチの幅は、幅「w1」を有し、第二のピーク11”-トラフ12”のペアによって形成され、第一のストレッチに隣接する次のトラック201の第二のストレッチの幅は、幅「w2」を有する(トラフ12’は、
図2Cに部分的に示されている)。幅w2は、幅w1に対して1%~2.5%小さく、例えば、約1%小さい。
【0145】
あるいは、単なる例として、幅の減少は、同じピークのストレッチ111とストレッチ112との間でも起こり得る。特に、ストレッチ112は、同じピークのストレッチ111に対してより小さな幅を有し得、次のピークのストレッチ111に対してより大きな幅を有し得、これが続く。
【0146】
ピーク11は、好ましくは、同じ幅「a」を有する。「ピークの幅」は、同じピーク11の2つの対向するストレッチ111、112の間の、特に方向Dに平行な最小距離「a」を意味する。好ましくは、しかし排他的にではなく、そのようなストレッチ111、112は、互いに平行であり、好ましくは、また示される例のように、方向Dに垂直でもある。典型的には、排他的ではないが、ストレッチ111、112は、ピークの頂部によって互いに結合されている。
【0147】
ピーク11の高さは、好ましくは、一定または実質的に一定である。すなわち、すべてのピーク11が同じ高さを有することが好ましい。あるいは、ピーク11の高さは、実質的に第一の実施形態について説明したように、トラック201の幅が減少するのと同じ方向に減少し得る。
【0148】
ピーク11の高さは、好ましくは、30~60mmの間である。
【0149】
好ましくは、トラック201の全長は、4000~6000mmの間であり、そのような長さは、トラック201の全経路に沿って測定される。
【0150】
好ましくは、ピーク11間のギャップ「d」は、方向Dに沿って一定または実質的に一定である。言い換えれば、連続するピーク11の任意のペア間のギャップは、一定値、または実質的に一定値である。「ギャップ」は、2つの連続するピーク11間で、方向Dに平行な最小距離を意味する。ピーク11間のギャップ「d」は、好ましくは、10~18mmの間である。
【0151】
装置200’、200”は、好ましくは、支持体10に固定された第二の導電性トラック202’、202”も備える。第二のトラック202’、202”は、第一のトラック201とは異なる。
【0152】
第二のトラック202’、202”は接触センサとして機能するように適合されている。この目的のために、第二のトラック202’、202”は2つの端部を備える。各端部は、電子制御ユニットに接続するためのパッドとして機能する端2’、2”を備える。
【0153】
トラック201およびトラック202’、202”は、好ましくは、接触センサとして機能するように適合された唯一のトラックである。
【0154】
第二のトラック202’、202”は、前述の方向Dに沿って、端2’、2”の間に、特に前述の端部の間に、複数のトラフ22と交互に配置された複数のピーク21を備える。言い換えれば、ピーク21とトラフ22は互いに交互に配置され、それにより、ピーク21の後にトラフ22があり、トラフ22の後にピーク21がある。
【0155】
第一のトラック201のピーク11の数は、好ましくは、第二のトラック202’、202”のピーク21の数に等しい。したがって、第一のトラック201のトラフ12の数は、第二のトラック202’、202”のトラフ22の数に等しい。
【0156】
第二のトラック202’、202”は、支持体10上に分布され、その結果、ユーザの手と接触するように適合された第二のトラック202’、202”の表面は、前述の方向Dに沿って増加する。
【0157】
特に、第二のトラック202’、202”の幅w3、w4は、前記方向Dに沿って、矢印によって示される方向に、増加する。
【0158】
より詳細には、トラック202’、202”の幅の前述の増加は、トラック202の経路に沿って、すなわち、トラック202の実際の長さに沿っている。
【0159】
トラック202’、202”の幅の増加は、好ましくは、斬新的である。
【0160】
単なる例として、幅は、ストレッチの後に、次々と増加し得る。すなわち、いずれかのストレッチは、特に矢印で示される方向Dの方向で、次のストレッチの一定幅よりも常に小さい一定幅を有する。
【0161】
トラック202’、202”の幅は、好ましくは、しかし排他的にではなく、各ストレッチに対して1%~2.5%増加する。
【0162】
トラック202’、202”の幅は、好ましくは、一定値だけ増加する。
【0163】
単なる例として、一定または実質的に一定の幅を有する各ストレッチは、ピーク21’および次のトラフ22’によって形成され得る。
【0164】
例えば、第一のピーク21’-トラフ22’のペアによって形成されたトラック202’、202”の第一のストレッチの幅は、幅「w3」を有し、第二のピーク21”-トラフ22”のペアによって形成され、第一のストレッチに隣接するトラック202’、202”の第二のストレッチの幅は、幅「w4」を有する(トラフ22”は、
図2Cに部分的に示されている)。幅w4は、幅w3に対して1%~2.5%大きく、例えば、約1%大きい。
【0165】
あるいは、単なる例として、幅の増加は、同じピークのストレッチ111とストレッチ112との間でも起こり得る。特に、ストレッチ112は、同じピークのストレッチ111に対してより大きな幅を有し得、次のピークのストレッチ111に対してより小さな幅を有し得、これが続く。
【0166】
202’、202”の幅の増加が生じる方法は、好ましくは、トラック201の幅の減少が生じる方法と同様である。
【0167】
第二のトラック202’、202”の全長は、好ましくは、4000~6000mmの間であり、そのような長さは、トラック202’、202”の全経路に沿って測定される。
【0168】
第二のトラック202’、202”の全長は、好ましくは、第一のトラック201の全長に等しいか、またはほぼ等しい。
【0169】
ピーク21は、好ましくは、同じ幅「a」を有し、好ましくは、第一のトラック201のピーク11の幅に等しい。
【0170】
ピーク21の高さは、好ましくは、一定または実質的に一定である。すなわち、すべてのピーク11が同じ高さを有することが好ましい。あるいは、ピーク21の幅は、第二のトラックの幅が増加するのと同じ方向に増加し得る。
【0171】
第二のトラック202’、202”のピーク21の高さは、好ましくは、第一のトラック201のピーク11の高さと等しいか、またはほぼ等しい。
【0172】
ピーク21の高さは、好ましくは、30~60mmの間である。
【0173】
連続するピーク21の任意のペア間のギャップは、好ましくは、一定値または実質的に一定値である。
【0174】
ピーク21間のギャップは、好ましくは、10~18mmの間の広がりを有する。
【0175】
ピーク21間のギャップは、好ましくは、ピーク11間のギャップdに等しい。
【0176】
第一のトラック101の各ピーク11は、好ましくは、第二のトラック202’、202”のそれぞれのピーク21と整列され、特に、方向Dに直交する軸に沿って整列される。
【0177】
第二の実施形態の第一の変形例(
図2A、
図2B、
図2C)では、第一のトラック101のピーク11および第二のトラック202’のピーク21は、互いに反対方向、特に高さにおいて、好ましくは、方向Dに対して、横方向で、好ましくは、垂直であるそれぞれの方向に沿って延びる。
【0178】
第一の変形例では、第一のトラック201および第二のトラック202’は、好ましくは、方向Dに垂直であり、ピーク11の頂部と、前記ピーク11と整列するピーク21の底部との間の最小距離「k」(
図1C)が、ピーク11~21のすべてのペアで等しくなるように形成される。
【0179】
第二の実施形態の第二の変形例(
図2D)では、第一のトラック201のピーク11および第二のトラック202”のピーク21は、同じ方向に延びる。第二のトラック202”は、好ましくは、第一のトラック201と平行に、または実質的に平行に延びる。
【0180】
両方の変形において、装置200’、200”は、任意選択で、支持体10に固定された第三の導電性トラック203も備える。
【0181】
第三のトラック203は、加熱トラックとして機能するように適合されている。
第三のトラック203は、第一のトラック201と平行に、または実質的に平行に延びる第一のストレッチ231を備える。
【0182】
特に、第三のトラック203の第一のストレッチ231は、第一のトラック201のピーク11およびトラフ12に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0183】
第一のストレッチ231のピークとトラフの数は、好ましくは、第一のトラック201のピークとトラフ12の数に等しい。
【0184】
第二のトラック202’、202”が提供される場合、両方の変形における第三のトラック203は、第二のトラック202’、202”に平行または実質的に平行に延びる第二のストレッチ232を備える。
【0185】
特に、第三のトラック203の第二のストレッチ232は、第二のトラック202’、202”のピーク21およびトラフ22に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0186】
第二のストレッチ232のピークとトラフの数は、好ましくは、第二のトラック202’、202”のピークとトラフ22の数に等しい。
【0187】
第三のトラック203の第一のストレッチ231および第二のストレッチ232は、ユニオンストレッチ233によって互いに結合されている。
【0188】
第三のトラック203は、2つの端部を、好ましくは2つの端部のみを備え、それぞれが、電子制御ユニットへの接続のためのパッドとして機能する2つの端3’、3”を備えている。
【0189】
第三のトラック203の幅は、好ましくは、第一のトラック201の最大幅よりも大きく、第二のトラック202’、202”の最大幅に対して大きい。
【0190】
第三のトラック203の幅は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0191】
第三のトラック203の幅は、好ましくは、0.5~4mmの間である。
【0192】
第三のトラック203の第一のストレッチ231と第一のトラック201との間の距離、特に最小距離は、好ましくは0.7~3mmの間であり、そのような距離は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0193】
第三のトラック203の第二のストレッチ232と第二のトラック202’、202”との間の距離、特に最小距離は、好ましくは0.7~3mmの間であり、そのような距離は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0194】
第三のトラック203は、好ましくは、装置200’、200”の周辺または輪郭に、特に支持体10の周辺に対して近位であり、第一のトラック201および第二のトラック202’、202”(提供される場合)は、装置200’、200”の周辺に対して、特に支持体10の周辺に対して遠位である。あるいは、図示されていない変形例では、第一のトラックおよび第二のトラック(提供される場合)は、任意選択で、装置の周辺に、特に絶縁支持体の周辺に近位であり、第三のトラックは、装置の周辺または輪郭から、特に絶縁支持体の周辺に対して遠位である。
【0195】
装置200’、200”は、好ましくは、支持体10に固定された第四の導電性トラック204も含む。
【0196】
第四のトラック204は、第一のトラック201と第三のトラック203との間の干渉、また提供される場合、第二のトラック202’、202”と第三のトラック203との間の干渉、特に容量性結合または一般に電磁干渉を回避するためのシールドトラックとして機能する。
【0197】
第四のトラック204は、第一のトラック201と第三のトラック203との間に延びる第一のストレッチ241を備える。
【0198】
第四のトラック204の第一のストレッチ241は、好ましくは、第一のトラック201および第三のトラック203に平行に、または実質的に平行に延びる。
【0199】
特に、第四のトラック204の第一のストレッチ241は、第一のトラック201のピーク11およびトラフ12に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0200】
第一のストレッチ241のピークとトラフの数は、好ましくは、第一のトラック201のピーク11とトラフ12の数に等しい。
【0201】
第二のトラック202’、202”が提供される場合、第四のトラック204は、好ましくは、第二のトラック202’、202”と第三のトラック203との間に延びる第二のストレッチ242も備える。
【0202】
第四のトラック204の第二のストレッチ242は、好ましくは、第二のトラック202’、202”と平行に、または実質的に平行に延びる。
【0203】
特に、第四のトラック204の第二のストレッチ242は、第二のトラック202’、202”のピーク21およびトラフ22に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0204】
第二のストレッチ242のピークとトラフの数は、好ましくは、第二のトラック202のピーク21とトラフ22の数に等しい。
【0205】
第二の変形例では、例えば方向Dに平行なトラックのシーケンスは、好ましくは、第三のトラック203、第四のトラック204、第一のトラック201、第二のトラック202”、第四のトラック204、第三のトラック203である。
【0206】
第四のトラック204の第一のストレッチ241および第二のストレッチ242は、ユニオンストレッチ243によって互いに結合されている。
【0207】
第四のトラック204は、2つの端部を、好ましくは2つの端部のみを備え、それぞれが、電子制御ユニットへの接続のためのパッドとして機能する2つの端4’、4”を備えている。
【0208】
第四のトラック204の幅は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0209】
第四のトラック204の幅は、好ましくは、0.5~2mmの間である。
【0210】
第四のトラック204の幅は、好ましくは、第一のトラック201の幅に等しいか、またはほぼ等しい。
【0211】
第四のトラック204のピークの高さは、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0212】
第四のトラック204のピークの高さは、好ましくは、30~60mmの間、または31~63mmの間である。
【0213】
第四のトラック204の第一のストレッチ241は、好ましくは、第一のトラック201および第三のトラック203から等間隔であるか、またはほぼ等間隔であり、第四のトラック204の第二のストレッチ241は、第二のトラック202’、202”および第三のトラック203から等間隔であるか、またはほぼ等間隔である。
【0214】
特に
図3Aおよび
図3Bを参照すると、装置300の第三の実施形態では、絶縁支持体10上のトラックの前述の分布は、ユーザの手と接触するように適合されたトラックの表面が方向Dに沿って減少するように、ピーク11の幅a1、a2が前記方向Dに沿って増加するトラック301によって得られる。
図3Aおよび
図3Bでは、特に、ユーザの手と接触するように適合された第一のトラック301の表面が方向Dに沿って、矢印によって示される方向に減少する。実際、トラック301は、矢印によって示される方向に薄くなるので、利用可能な表面が減少し、トラックは、代わりに、矢印によって示される方向と反対の方向に厚くなるので、利用可能な表面が増加する。
【0215】
すでに述べたように、トラック301は接触センサとして機能するように適合されている。この目的のために、トラック301は2つの端部を備える。各端部は、電子制御ユニット(図示せず)に接続するためのパッドとして機能する端1’、1”(
図3A)を備える。
【0216】
前述のピーク11および前述のトラフ12は、端1’、1”の間で、特に前述の端部の間で延びる。
【0217】
「ピークの幅」は、同じピーク11の2つの対向するストレッチ111、112の間の、特に方向Dに平行な最小距離(
図3Bのa1、a2)を意味する。好ましくは、しかし排他的にではなく、そのようなストレッチ111、112は、互いに平行であり、好ましくは、また示される例のように、方向Dに垂直でもある。典型的には、排他的ではないが、ストレッチ111、112は、ピークの頂部によって互いに結合されている。
【0218】
好ましくは、ピーク11の幅は、方向Dに沿って、
図3Aおよび
図3Bの矢印によって示される方向に、ピークごとに徐々に増加する。特に、各ピーク11は、好ましくは、方向Dに沿って、
図3Aおよび
図3Bの矢印によって示される方向に、次のピーク11の幅よりも小さい幅を有する。
【0219】
例えば、
図3Bでは、ピーク11’の幅は「a1」で示され、次のピーク11”の幅は「a2」で示されている。幅a1は、幅a2よりも小さい。
【0220】
任意のピーク11と次のピーク11との間の幅の差(例えば、幅a2と幅a1との間の差)は、好ましくは、0.5~4mmの範囲であり、好ましくは、一定値である。
【0221】
(
図3Aの左端にある)端1’に近位のピーク11の幅は、好ましくは、0.5~4mmの範囲にある。端1’に近位のピーク11は、好ましくは、他のピーク11に対して最小の幅を有するピークである。
【0222】
(
図3Aの右端にある)端1’から遠位のピーク11の幅は、好ましくは、3.5~28mmの範囲にある。端1’から遠位のピーク11は、好ましくは、他のピーク11に対して最大の幅を有するピークである。
【0223】
連続するピーク11の任意のペア間のギャップは、好ましくは、一定値である。「ギャップ」は、2つの連続するピーク11間で、方向Dに平行な最小距離を意味する。ピーク11間のギャップ「d」は、好ましくは、15~20mmの間、10~18mmの間である。
【0224】
ピーク11の高さは、好ましくは、一定または実質的に一定である。すなわち、すべてのピーク11が同じ高さを有することが好ましい。
【0225】
ピーク11の高さは、好ましくは、30~60mmの間である。
【0226】
トラック302の幅「w」は、好ましくは、一定または実質的に一定である。トラック302の幅は、好ましくは、0.5~2mmの間である。
【0227】
好ましくは、トラック301の全長は、4000~6000mmの間であり、そのような長さは、トラック301の全経路に沿って測定される。
【0228】
装置300は、好ましくは、支持体10に固定された第二の導電性トラック302も備える。第二のトラック302は、第一のトラック201とは異なる。
【0229】
第二のトラック302は接触センサとして機能するように適合されている。この目的のために、トラック302は2つの端部を備える。各端部は、電子制御ユニットに接続するためのパッドとして機能する端2’、2”を備える。
【0230】
トラック301およびトラック302は、好ましくは、接触センサとして機能するように適合された唯一のトラックである。
【0231】
第二のトラック302は、前述の方向Dに沿って、端2’、2”の間に、特に前述の端部の間に、複数のトラフ22と交互に配置された複数のピーク21を備える。言い換えれば、ピーク21とトラフ22は互いに交互に配置され、それにより、ピーク21の後にトラフ22があり、トラフ22の後にピーク21がある。
【0232】
ピーク21の幅は、好ましくは、方向Dに沿って、
図3Aおよび
図3Bの矢印によって示される方向に、ピークごとに徐々に減少する。特に、各ピーク21は、好ましくは、方向Dに沿って、
図3Aおよび
図3Bの矢印によって示される方向に、次のピーク21の幅よりも大きい幅を有する。
【0233】
例えば、
図3Bでは、ピーク21’の幅は「a3」で示され、次のピーク21”の幅は「a4」で示されている。幅a3は、幅a4よりも大きい。
【0234】
任意のピーク11と次のピーク11との間の幅の差(例えば、幅a3と幅a4との間の差)は、好ましくは、0.5~4mmの範囲であり、好ましくは、一定値である。
【0235】
(
図3Aの左端にある)端1’に近位のピーク21の幅は、好ましくは、3.5~28mmの範囲にある。端1’に近位のピーク11は、好ましくは、他のピーク21に対して最大の幅を有するピーク21である。
【0236】
(
図3Aの右端にある)端1’から遠位のピーク21の幅は、好ましくは、0.5~4mmの範囲にある。端1’から遠位のピーク11は、好ましくは、他のピーク21に対して最大の幅を有するピーク21である。
【0237】
連続するピーク11の任意のペア間のギャップ「d」は、好ましくは、一定値であり、好ましくは、第一のトラック301のピーク11間のギャップに等しい。
【0238】
ピーク21の高さは、好ましくは、一定であるか、または実質的に一定である。すなわち、すべてのピーク21が同じ高さを有することが好ましい。
【0239】
第二のトラック302のピーク21の高さは、好ましくは、第一のトラック301のピーク11の高さに等しいか、またはほぼ等しい。
【0240】
ピーク21の高さは、好ましくは、30~60mmの間である。
【0241】
トラック302の幅は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0242】
トラック302の幅は、好ましくは、トラック301の幅wに等しい。
【0243】
トラック302の幅は、好ましくは、0.5~20mmの間である。
【0244】
好ましくは、トラック302の全長は、4000~6000mmの間であり、そのような長さは、トラック302の全経路に沿って測定される。
【0245】
第二のトラック302の長さは、好ましくは、第一のトラック301の長さに等しい。
【0246】
図3A、
図3Bに示される例のように、第一のトラック301のピーク11および第二のトラック302のピーク21は、好ましくは、互いに反対方向、特に高さにおいて、好ましくは、方向Dに対して垂直なそれぞれの方向に沿って延びる。
【0247】
また、第三の実施形態では、装置は、任意選択で、絶縁支持体10に固定された第三の導電性トラック303を備える。
【0248】
第三のトラック303は、加熱トラックとして機能するように適合されている。
【0249】
第三のトラック303は、第一のトラック301に平行に、または実質的に平行に延びる第一のストレッチ331を備える。
【0250】
特に、第三のトラック303の第一のストレッチ331は、第一のトラック301のピーク11およびトラフ12に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0251】
第三のトラック303の第一のストレッチ331のピーク間のギャップは、好ましくは、方向Dに沿って一定または実質的に一定である。あるいは、第一のストレッチ331のピーク間のギャップは、ピーク11の幅が増加する方向に減少する。
【0252】
第一のストレッチ331のピークとトラフの数は、好ましくは、第一のトラック301のピーク11とトラフ12の数に等しい。
【0253】
第二のトラック302も提供される場合、第三のトラック303は、第二のトラック302に平行または実質的に平行に延びる第二のストレッチ332を備える。
【0254】
特に、第三のトラック303の第二のストレッチ332は、第二のトラック302のピーク21およびトラフ22に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0255】
第三のトラック303の第二のストレッチ332のピーク間のギャップは、好ましくは、方向Dに沿って一定または実質的に一定である。あるいは、第二のストレッチ332のピーク間のギャップは、ピーク11の幅が増加する方向に減少する。
【0256】
第二のストレッチ332のピークとトラフの数は、好ましくは、第二のトラック302のピーク21とトラフ22の数に等しい
【0257】
第三のトラック303の第一のストレッチ331および第二のストレッチ332は、ユニオンストレッチ333によって互いに結合されている。
【0258】
第三のトラック303は、2つの端部を、好ましくは2つの端部のみを備え、それぞれが、電子制御ユニットへの接続のためのパッドとして機能する2つの端3’、3”を備えている。
【0259】
第三のトラック303の幅は、好ましくは、第一のトラック302の幅よりも大きく、第二のトラック302の幅に対して大きい。
【0260】
第三のトラック303の幅は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0261】
第三のトラック303の幅は、好ましくは、0.5~4mmの間である。
【0262】
第三のトラック303の第一のストレッチ331と第一のトラック301との間の距離、特に最小距離は、好ましくは、0.7~2.2mmの間であり、そのような距離は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0263】
第三のトラック303の第二のストレッチ332と第二のトラック302との間の距離、特に最小距離は、好ましくは、0.7~2.2mmの間であり、そのような距離は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0264】
第三のトラック303は、好ましくは、装置300の周辺または輪郭に、特に支持体10の周辺に対して近位であり、第一のトラック301および第二のトラック302(提供される場合)は、装置300の周辺に対して、特に支持体10の周辺に対して遠位である。あるいは、図示されていない変形例では、第一のトラックおよび第二のトラック(提供される場合)は、任意選択で、装置の周辺に、特に絶縁支持体の周辺に近位であり、第三のトラックは、装置の周辺または輪郭から、特に絶縁支持体の周辺に対して遠位である。
【0265】
装置300は、好ましくは、支持体10に固定された第四の導電性トラック304も含む。
【0266】
第四のトラック304は、第一のトラック301と第三のトラック303との間の干渉、また提供される場合、第二のトラック302と第三のトラック303との間の干渉、特に容量性結合または一般的に電磁干渉を回避するためのシールドトラックとして機能する。
【0267】
第四のトラック304は、第一のトラック301と第三のトラック303との間に延びる第一のストレッチ341を備える。
【0268】
第四のトラック304の第一のストレッチ341は、好ましくは、第一のトラック301および第三のトラック303に平行に、または実質的に平行に延びる。
【0269】
特に、第四のトラック304の第一のストレッチ341は、第一のトラック301のピーク11およびトラフ12に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0270】
第一のストレッチ341のピークとトラフの数は、好ましくは、第一のトラック301のピーク11とトラフ12の数に等しい。
【0271】
第四のトラック304の第一のストレッチ341のピーク間のギャップは、好ましくは、方向Dに沿って一定である。
【0272】
第二のトラック302が提供される場合、第四のトラック304は、第二のトラック302と第三のトラック303との間に延びる第二のストレッチ342を備える。
【0273】
第四のトラック304の第二のストレッチ342は、好ましくは、第二のトラック302に平行に、または実質的に平行に延びる。
【0274】
特に、第四のトラック304の第二のストレッチ342は、第二のトラック302のピーク21およびトラフ22に平行に、または実質的に平行に延びる複数のピークおよびトラフを備える。
【0275】
第四のトラック304の第二のストレッチ342のピーク間のギャップは、好ましくは、方向Dに沿って一定である。
【0276】
第二のストレッチ342のピークとトラフの数は、好ましくは、第二のトラック302のピーク21とトラフ22の数に等しい。
【0277】
第四のトラック304の第一のストレッチ341および第二のストレッチ342は、ユニオンストレッチ343によって互いに結合されている。
【0278】
第四のトラック304は、2つの端部を、好ましくは2つの端部のみを備え、それぞれが、電子制御ユニットへの接続のためのパッドとして機能する2つの端4’、4”を備えている。
【0279】
第四のトラック304の幅は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0280】
第四のトラック304の幅は、好ましくは、0.5~2mmの間である。
【0281】
第四のトラック304の幅は、好ましくは、第一のトラック301の幅に等しいか、またはほぼ等しい。
【0282】
第四のトラック304の第一のストレッチ341は、好ましくは、第一のトラック301および第三のトラック303から等間隔であるか、またはほぼ等間隔であり、第四のトラック304の第二のストレッチ342は、第二のトラック302および第三のトラック303から等間隔であるか、またはほぼ等間隔である。
【0283】
図4を特に参照すると、装置400の第四の実施形態では、装置300の第三の実施形態では、絶縁支持体10上のトラックの前述の分布は、ユーザの手と接触するように適合されたトラックの表面が方向Dに沿って減少するように、ピーク11間のギャップd1、d2が前記方向Dに沿って減少するトラック401によって得られる。
図4では、特に、ユーザの手と接触するように適合されたトラック401の表面が方向Dに沿って、矢印で示された方向とは反対の方向に減少する。実際、トラック401は、矢印によって示される方向に厚くなるので、利用可能な表面が増加し、トラックは、代わりに、反対の方向に薄くなるので、利用可能な表面が減少する。
【0284】
すでに述べたように、トラック401は接触センサとして機能するように適合されている。この目的のために、トラック401は2つの端部を備える。各端部は、電子制御ユニット(図示せず)に接続するためのパッドとして機能する端1’、1”(
図4)を備える。
【0285】
前述のピーク11および前述のトラフ12は、端1’、1”の間で、特に前述の端部の間で延びる。
【0286】
「ギャップ」d1、d2、d3、d4という用語は、2つの連続するピーク11の間で、方向Dに平行な最小距離を意味する。
【0287】
好ましくは、ピーク11間のギャップは、方向Dに沿って、
図4の矢印によって示される方向に、ピーク11の各ペアについて徐々に減少する。特に、ピーク11の各ペアは、方向Dに沿って、
図4の矢印によって示される方向に、好ましくは、ピーク11の次のペアに対して、より大きなギャップを有する。
【0288】
例えば、
図4では、ピーク11’~11”の第一のペア間のギャップは「d1」で示され、ピーク11”~11”’の次のペア間のギャップは「d2」で示される。ギャップd1は、ギャップd2よりも大きい。
【0289】
任意のピークのペアと次のピークのペアとの間のギャップの差(例えば、ギャップd2とギャップd1との間の差)は、好ましくは、0.5~1mmの範囲にある。
【0290】
任意のピークのペア(例えば、ペア11’-11”)と次のピークのペア(例えば、ペア11”-11”’)との間のギャップの差は、好ましくは、すべてのピークのペア11で等しい。
【0291】
端1’の近位(
図4の左端)のピーク11のペアのギャップは、好ましくは、25~30mmの範囲にある。端1’に近位(および端”から遠位)のピーク11のペアは、好ましくは、ピーク11の他のペアに対して最大のギャップを有するピークのペアである。
【0292】
端1’から遠位(
図3Aの右端)のピーク11のペアのギャップは、好ましくは、0.5~1mmの間の範囲にある。端1’から遠位のピーク11のペアは、ピーク11の他のペアに対して最小のギャップを有するピークのペアである。
【0293】
ピーク11の高さは、好ましくは、一定であるか、または実質的に一定である。すなわち、すべてのピーク11が同じ高さを有することが好ましい。
【0294】
ピーク11の高さは、好ましくは、30~60mmの間である。
【0295】
トラック401の幅は、好ましくは、一定または実質的に一定である。トラック401の幅は、好ましくは、0.5~2mmの間である。
【0296】
ピーク11は、好ましくは、同じ幅「a」を有する。「ピークの幅」とは、同じピーク11の2つの対向するストレッチ111、112の間の、特に方向Dに平行な最小距離「a」を意味する。好ましくは、しかし排他的にではなく、そのようなストレッチ111、112は、互いに平行であり、好ましくは、また、示される例のように、方向Dに垂直である。通常、排他的ではなく、ストレッチ111、112は、ピークの頂部によって互いに結合されている。
【0297】
好ましくは、トラック401の全長は、4000~6000mmの間であり、そのような長さは、トラック401の全経路に沿って測定される。
【0298】
装置400は、好ましくは、支持体10に固定された第二の導電性トラック402も備える。第二のトラック402は、第一のトラック201から分離されている。
【0299】
トラック402は接触センサとして機能するように適合されている。この目的のために、トラック402は2つの端部を備える。各端部は、電子制御ユニットに接続するためのパッドとして機能する端2’、2”を備える。
【0300】
トラック401およびトラック402は、好ましくは、接触センサとして機能するように適合された唯一のトラックである。
【0301】
第二のトラック402は、前述の方向Dに沿って、端2’、2”の間に、特に前述の端部の間に、複数のトラフ22と交互に配置された複数のピーク21を備える。言い換えれば、ピーク21とトラフ22は互いに交互に配置され、それにより、ピーク21の後にトラフ22があり、トラフ22の後にピーク21がある。
【0302】
ピーク21間のギャップは、好ましくは、方向Dに沿って、
図4の矢印によって示される方向に、ピーク21の各ペアについて徐々に増加する。特に、ピーク21の各ペアは、方向Dに沿って、
図4の矢印によって示される方向に、好ましくは、ピーク21の次のペアに対して、より小さなギャップを有する。
【0303】
例えば、
図4では、ピーク21’~21”の第一のペア間のギャップは「d3」で示され、ピーク21”~21”’の次のペア間のギャップは「d4」で示される。ギャップd3は、ギャップd4よりも小さい。
【0304】
任意のピークのペア21と次のピークのペア21との間のギャップの差は、好ましくは、0.5~1mmの間の範囲である。
【0305】
ピークのペア21と次のピークのペア21との間のギャップの差は、好ましくは、ピーク21のすべてのペアについて等しい。
【0306】
任意のピークのペア21と次のピークのペア21との間のギャップの差は、好ましくは、第一のトラック401の任意のピークのペア11と次のピークのペア11の次の対との間のギャップの差に等しい。
【0307】
端1’の近位(
図4の左端)のピーク21のペアのギャップは、好ましくは、25~30mmの範囲にある。端1’に近位のピーク21のペアは、好ましくは、ピーク21の他のペアに対して最小のギャップを有するピークのペアである。
【0308】
端1’から遠位(
図4の右端)のピーク21のペアのギャップは、好ましくは、0.5~1mmの間の範囲にある。端1’から遠位(および端部1”の近位)のピーク21のペアは、ピーク21の他のペアに対して最大のギャップを有するピークのペアである。
【0309】
ピーク21は、好ましくは、同じ幅「a」を有し、その幅は、好ましくは、第一のトラック401のピーク11の幅に等しい。
【0310】
ピーク21の高さは、好ましくは、一定であるか、または実質的に一定である。すなわち、すべてのピーク21が同じ高さを有することが好ましい。
【0311】
第二のトラック402のピーク21の高さは、好ましくは、第一のトラック401のピーク11の高さに等しいか、またはほぼ等しい。
【0312】
ピーク21の高さは、好ましくは、30~60mmの間である。
【0313】
トラック402の幅は、好ましくは、一定または実質的に一定である。
【0314】
トラック402の幅は、好ましくは、トラック401の幅wに等しい。
【0315】
トラック402の幅は、好ましくは、0.5~2mmの間である。
【0316】
好ましくは、トラック402の全長は、4000~6000mmの間であり、そのような長さは、トラック101の全経路に沿って測定される。
【0317】
第二のトラック402の長さは、好ましくは、第一のトラック401の長さに等しい。
【0318】
図4に示すように、第一のトラック401のピーク11および第二のトラック402のピーク21は、好ましくは、互いに反対方向、特に高さにおいて、好ましくは、方向Dに対して、横方向で、好ましくは、垂直であるそれぞれの方向に沿って延びる。
【0319】
一般に、すべての実施形態において、装置100、200’、200”、300、400はフレキシブルである。装置100、200’、200”、300、400は、フレキシブルエレクトロニクスの分野に属し、フレキシブル回路または「フレックスフォイル」と呼ばれることもある。
【0320】
好ましくは、しかし排他的にではなく、トラックは、絶縁支持体10に組み込まれる。例えば、トラックは、互いに固定された絶縁支持体10の2つの層の間に配置され、したがって、実質的にサンドイッチ構造を形成する。
【0321】
絶縁支持体10の2つの層のうちの一方は、ステアリングホイール9の本体(例えば、ステアリングホイールの金属骨格上、または例えば、ポリウレタン製の別の層、ステアリングホイールの本体の別の熱硬化/熱可塑性の要素)上に配置され得、)、もう一方の絶縁層は、例えば、革で作られたカバー層で覆われ得る。それにより、カバー層は、有利なことに、導電性トラックによる突起を有さない。
【0322】
あるいは、トラックは、絶縁支持体10の表面、例えば、外面に固定されてもよい。
【0323】
装置100、200’、200”、300、400は、好ましくは、0.1~1mmの間、例えば、0.1~0.6mmの間、または0.3~1mmの間、または0.3~0.6mmの間の全体の厚さを有し、例えば、厚さは、約0.3mmに等しいか、または約0.6mmに等しい。
【0324】
装置100、200’、200”、300、400の全体厚さは、好ましくは、その最大長および最大幅よりもはるかに小さく、そのような長さおよび幅は、絶縁支持体10の最大長および最大幅に実質的に対応する。例えば、装置100、200’、200”、300、400の長さは、900~1200mmの間であり得、幅は、80~160mmの間、または80~100mmの間であり得る。装置100、200’、200”、300、400の寸法は、いかなる場合でも、適用される装置100、200’、200”、300、400に提供される任意のステアリングホイールの寸法に従って選択され得る。
【0325】
絶縁支持体10を作製する材料は、好ましくは、ポリマー材料からなり、好ましくは、ポリマー材料である。単なる非限定的な例として、絶縁支持体10は、シリコーン、PVC、PS、PP、PE、PC、ABS、PET、PA、PU、PUR、NBR、PTFE、EPDMなどを含むか、またはそれらから作製され得、任意選択で、添加剤を含む。絶縁支持体は、好ましくは、PVCを含むか、またはPVCでできている。
【0326】
単なる非限定的な例として、各導電性トラックは、アルミニウム、コンスタンタン、銅、洋白、鋼、インコネル、真鍮などを含むか、またはそれらで作ることができる。導電性トラックは、好ましくは、アルミニウムでできている。導電性トラックは、好ましくは、それぞれが10~200μmの間、例えば、15~150μmの間の厚さを有する。
【0327】
単なる非限定的な例として、装置100、200’、200”、300、400は、支持体10に固定された箔をエッチングすることによって、または切断、例えば、レーザ切断によって得られた前述の導電性トラックの1つまたは複数が配置されたシリコーン支持体を架橋することによって作製され得る。
【0328】
好ましくは、装置100、200’、200”、300、400、特に支持体10は、拡張可能であり、塑性的および/または弾性的に、静止構成または初期構成に対して最大約10~20%まで変形可能である。
【0329】
単なる非限定的な例として、第一の実施形態による装置100は、特に
図5A、
図5B、
図5Cを参照して、以下に説明するように、ステアリングホイール9に固定され得る。
【0330】
ステアリングホイール9は、例えば、車両のホイールが真っ直ぐである位置、すなわち、車両が実質的に直線で前進することができる位置で、
図5Aおよび
図5Cに示されている。
【0331】
【0332】
図5Aおよび
図5Cはまた、装置100がステアリングホイール9上に配置されたときにユーザの手と接触するように適合された第一のトラック101の表面が減少する方向Dを示す。特に、ユーザの手と接触するように適合された第一のトラック101の表面は、
図5A、
図5Cの方向に減少する。典型的には、限定的ではないが、方向Dは、ステアリングホイール9の形状に依存する。典型的には、限定的ではないが、方向Dは、ステアリングホイール9の周囲に平行である。例えば、装置100が円形ステアリングホイールに適用される場合、方向Dは、実質的に円形である。
【0333】
説明の目的で、軸Yが示され、このY軸は、ステアリングホイール9を半分に、特に左側部分93と右側部分94に分割する。ここで、「左側」および「右側」とは、ステアリングホイール9の前面正面図(
図5A)を指す。
【0334】
ステアリングホイール9の前部は数字91で示され、後部は数字92で示されている。前部91はドライバーに面している。
【0335】
左側部分93および右側部分94は、それぞれ前部91の半分および後部92の半分を含む。
【0336】
装置100は、第一のトラック101がステアリングホイール9の前部91に配置され、第二のトラック102(提供される場合)がステアリングホイール9の後部92に配置されるように配置される。
【0337】
より詳細には、最大高さを有する第一のトラック101のピーク11aは、左側部分93の前部91で、好ましくは軸Yの近くに配置される。このようなピーク11aの位置は、
図5Aのドットで終わる点線によって図式的に示される。
【0338】
最小高さを有する第一のトラック101のピーク11bは、右側部分94の前部91で、軸Yの近くに配置されている。このようなピーク11bの位置は、
図5Aの正方形で終わる点線によって図式的に示されている。
【0339】
最小高さを有する第二のトラック102のピーク21aは、(ステアリングホイールを正面から見て)左側部分93の後部92で、軸Yの近くに配置されている。このようなピーク21aの位置は、
図5Cのドットで終わる点線によって図式的に示されている。したがって、第二のトラック102のピーク21aは、第一のトラック101のピーク11aと実質的に反対である。
【0340】
最大高さを有する第二のトラック102のピーク21bは(ステアリングホイールを正面から見て)右側部分94の後部92で、軸Yの近くに配置されている。このようなピーク21”の位置は、
図5Cの正方形で終わる点線によって図式的に示されている。したがって、第二のトラック102のピーク21bは、第一のトラック101のピーク11bと実質的に反対である。
【0341】
直前に説明した装置100の配置は、第二の実施形態(第一の変形例)、第三の実施形態、および第四の実施形態によれば、それぞれ装置200’、300、および400にも当てはまる。
【0342】
第二の実施形態の第二の変形例による装置200”の場合、第一のトラックおよび第二のトラックは、ステアリングホイール9の前部91および後部92に配置される。
【0343】
任意選択で、ステアリングホイールの一部のみ、例えば、ステアリングホイールの70%から80%のみが、装置100、200’、200”、300、400を備えている。これにより、ドライバーの体の他の部分(例えば、その膝など)とステアリングホイールとの接触は、検出されない。
【0344】
単なる非限定的な例として、以下の表および
図6A、
図6B、
図6C、
図7A、
図7B、
図7C、
図8A、
図8B、
図8Cを参照して、第一の実施形態による装置100を操作させるための方法を説明する。この実施形態では、第一のトラック101および第二のトラック102の両方が提供される。
【0345】
このような操作方法は、装置200’、300、および400にも適用できる。
【0346】
【0347】
装置100は、そのような方法を実行するように適切にプログラムされた電子制御ユニットに接続され、こうして、システムまたは装置を形成する。
【0348】
この方法は、電気量、例えば、静電容量の閾値を定義することを提供する。
【0349】
そのような閾値に関して、接触の後、また間接接触の後も、接触が発生する面積に応じて、手と第一のトラック101との間で、静電容量の大きな変動(表では文字「H」で示す)、すなわち閾値よりはるかに大きい変動、または静電容量の小さな変動(表では文字「L」で示す)、すなわち閾値よりわずかに大きい変動があり得る。
【0350】
同様に、そのような閾値に関して、手と第二のトラック102との間の接触の後に、接触が発生する面積に応じて、静電容量(H)の大きな変動、すなわち閾値よりはるかに大きい変動、または静電容量(L)の小さな変動、すなわち閾値よりわずかに大きい変動があり得る。例えば、値Hと閾値の差は、8~20pF(ピコファラッド)であり、値Lと閾値の差は、2~4pFである。
【0351】
電子制御ユニットによって読み取られる静電容量値は、有利なことに、ステアリングホイール9との接触が発生する位置に応じて変動する。
【0352】
手と第一のトラックおよび/または第二のトラック102との間の接触も、また間接的な接触であり得ることが理解されるべきである。接触は間接的であることが好ましく、すなわち、ドライバーの手がステアリングホイールの外側カバー層にタッチし、その下に装置100が提供され、特にその下にトラック101、102がある。
【0353】
閾値は、好ましくは、2つのトラック101、102について同じである。
閾値は、検出すべき最小タッチ値(例えば、2本の指)、すなわち、最小タッチ接触面での静電容量の変動に応じて選択される。
【0354】
この表で、「手のひら左タッチ」および「手のひら右タッチ」を参照すると、これらは、それぞれステアリングホイール9の左側部分93の前部91および右側部分94の前部91に、手のひら、特に開いた手のひらのみで接触することを示す。
【0355】
これらの条件下では、ドライバーは、ステアリングホイールの前部91にのみ接触し、したがって、間接的にも第一のトラック101のみに接触する。
【0356】
この表は、「把持左タッチ」および「把持右タッチ」を参照すると、これらは、それぞれステアリングホイール9の左側部分93および右側部分94を特に手を閉じて把持していることを示す。
【0357】
手を閉じてステアリングホイールを把持している状態で、手は前部91、(したがって、第一のトラック101にタッチし、好ましくは間接的にタッチしている)と後部92(したがって、第二のトラック102にタッチし、好ましくは間接的にタッチしている)の両方と接触している。
【0358】
表中、「N」に続く数字「1」または数字「2」は、ステアリングホイール9と接触する手の数を示している。
【0359】
図6A、
図6B、
図6Cは、「No.1手のひら左タッチ」(手のひらを開いて片手だけで左に接触)の状態を模式化している。ステアリングホイール9との接触領域Z1’は、
図6Aに長方形で図式的に示され、第一のトラック101とのそれぞれの接触領域Z1”は、
図6Bに長方形で図式的に示されている。
【0360】
表の最初の行を参照すると、この条件下では、電子制御ユニットによって読み取られた第一のトラック101に対する静電容量の変動は、閾値に対して「高い」(H、列S1)が、第二のトラック102に対する静電容量の変動は、実質的にゼロに等しい(0、列S2)。したがって、以下の論理関係:「S1 and S2=False」および「S1 or S2=True」が存在する。すなわち、両方のトラックとは接触しておらず、2つのトラックのうちの1つとのみ、特にトラック101とのみ接触していると判断され得る。
【0361】
さらに、静電容量の変動値が大きいので、ここでは左側部分93にある接触が発生する領域の表示を得ることができる。
【0362】
図7A、
図7B、
図7Cは、「No.1把持左タッチ」(表の6行目)の状態を模式化している。すなわち、片手だけで、ステアリングホイールを左に把持している。ステアリングホイール9との接触領域Z2’およびZ2”は、それぞれ
図7Aおよび
図7Cに長方形で示され、第一のトラック101および第二のトラック102とのそれぞれの接触領域Z2”’は、
図7Bに長方形で示される。長方形Z2”’で囲まれた第一のトラック101の表面は、同じ長方形Z2”’で囲まれた第二のトラック102の表面よりも大きいことに留意する価値がある。したがって、第一のトラック101に関連する静電容量の絶対変動値は高く(H、列S1)、いずれの場合でも、第二のトラック102に関連する静電容量の絶対変動値よりも大きく、その静電容量の絶対変動値は低い(L、列S2)。
【0363】
したがって、以下の論理関係:「S1およびS2=True」および「S1またはS2=True」が存在する。すなわち、トラック101、102の両方と接触していると判断され得る。
【0364】
また、第一のトラック101に関連する静電容量の変動値が大きいのに対し、第二のトラック102に関連する静電容量の変動値は小さい(すなわち、第一のトラック101と第二のトラック102との静電容量値の差は、正である)ので、把持がステアリングホイールの左側部分93で発生していると判断され得る。
【0365】
表の最後の行を参照して、
図8A、
図8B、および
図8Cは、「No.1把持左タッチ+No.1把持右タッチ」の状態を模式化している。すなわち、両手での把持で、片手が左側部分93に配置され、片手が右側部分94に配置されている。
【0366】
この場合、第一のトラック101に関連する静電容量の変動値は大きな値(左側部分93)と小さな値(右側部分94)との合計によって与えられるので、大きい。さらに、第一のトラック102に関連する静電容量の変動値も、小さな値(左側部分93)と大きな値(右側部分94)との合計によって与えられるので、大きい。
【0367】
表の4行目は、「No.2手のひら右タッチ」の状態を要約している。すなわち、ドライバーが自分の手のひらだけでステアリングホイールにタッチし、両手は、軸Yに近い右側部分94に配置されているだけである。ここでは、2つの小さな値の合計(L+L、列S1)になる。
【0368】
装置100、200’、300および400が1つの導電性トラック101、201、301、401のみを備え、好ましくは前部91に配置される場合、また2つの導電性トラック201および202”の両方が好ましくは前部91上に配置される装置200”、(第二の実施形態の第二の変形例)の場合、ステアリングホイール9との接触が発生する位置は、いかなる場合でも決定され得る。
【0369】
一般に、2つのセンサトラック、例えば、トラック101および102が提供されるすべての実施形態において、トラック101の静電容量値C1およびトラック102の静電容量値C2は、以下の式:
(C1-C2)/(C1+C2)
を使用して処理され得る。
【0370】
この式によって、タッチのエンティティに関する差(C1-C2)を正規化できる。言い換えれば、これによって、C1とC2の絶対値に関係なく、常に-1~1の間の結果を得ることができる。
【0371】
結果は、タッチの位置を検出するために使用される。
【0372】
例えば、片手だけでの接触を考慮すると、ピーク11a(最大高さ)に近づくほど、式の結果は1になる傾向があり、さらに、ピーク11b(最小高さ)に近づくほど、式の結果は、-1になる傾向があり、装置100の中央に近づくほど、0になる傾向がある。
好ましくは、この説明に示されている値の範囲の終端値が含まれていることに留意されたい。